JP6822222B2 - 磁気特性測定器、磁気特性測定システム、および磁気特性測定方法 - Google Patents

磁気特性測定器、磁気特性測定システム、および磁気特性測定方法 Download PDF

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Description

本発明は、磁気特性測定器、磁気特性測定システム、および磁気特性測定方法に関し、特に、電磁鋼板等の軟質磁性材料の磁気特性を測定するために用いて好適なものである。
電磁鋼板等の軟質磁性材料の磁気特性を測定する方法として、非特許文献1に記載されているようにエプスタイン試験器を用いる方法がある。非特許文献1に記載のエプスタイン試験器では、正方形の4つの辺を構成するように配置された巻枠の当該4つの辺を構成する領域のそれぞれに対し一次コイルが巻き回され、これら4つの一次コイルが直列に接続される。また、非特許文献1に記載の方法では、一次コイルに流れる励磁電流と、一次コイルの巻回数と、磁路長とから、試験片に発生する磁界強度を導出する。この際、磁路長が一定の値(940mm)であるとする。
JIS C 2550−1:2011「電磁鋼帯試験方法 第1部 エプスタイン試験器による電磁鋼帯の磁気特性の測定方法」 JIS C 2552:2014「無方向性電磁鋼帯」 JIS C 2556:2015「単板試験器による電磁鋼帯の磁気特性の測定方法」
しかしながら、エプスタイン試験器では、巻枠の相互に隣接する2つの辺を構成する領域に巻き回される一次コイル間で磁束が漏れる。従って、高磁場であるほど、実効磁路長が、前述した一定の値よりも短くなる。このため、非特許文献1に記載の方法で導出した磁界強度から導出した試験片の磁気特性が実際の磁気特性と乖離したものになる虞がある。
本発明は、以上のような問題点に鑑みてなされたものであり、軟質磁性材料の磁気特性を高精度に測定することができるようにすることを目的とする。
本発明の磁気特性測定器は、正方形の4つの辺を構成するように配置され、軟質磁性材料からなる試験片が内部に配置される巻枠と、前記巻枠の前記4つの辺に対応する領域のそれぞれにおいて前記巻枠に対して巻き回されるコイルであって、交流の励磁電流が流れる一次コイルと、前記巻枠の前記4つの辺に対応する領域のそれぞれにおいて前記巻枠に対して前記一次コイルと略同軸になるように巻き回されるコイルであって、前記試験片が励磁されることにより誘起される電圧である二次電圧を検出する二次コイルと、前記試験片が励磁されることにより誘起される電圧である磁界測定用電圧を検出する少なくとも1つのHコイルと、を有し、前記巻枠の内面の一部の領域には穴部または凹部が形成されており、前記Hコイルの軸の方向と、当該Hコイルを囲む位置に配置される前記一次コイルの軸の方向は、略平行であり、前記Hコイルの軸の方向の端部は、当該Hコイルを囲む位置に配置される前記一次コイルの軸の方向の端部よりも内側にあり、前記Hコイルは、前記穴部または凹部に配置されることを特徴とする。
本発明の磁気特性測定システムは、前記磁気特性測定器と、前記励磁電流、前記二次電圧、および前記磁界測定用電圧に基づいて、前記試験片の磁気特性を導出する磁気特性導出手段と、を有することを特徴とする。
本発明の磁気特性測定方法は、前記磁気特性測定器を用いて、前記試験片の磁気特性を測定する磁気特性測定方法であって、前記励磁電流、前記二次電圧、および前記磁界測定用電圧に基づいて、前記試験片の磁気特性を導出する磁気特性導出工程を有することを特徴とする。
本発明によれば、軟質磁性材料の磁気特性を高精度に測定することができる。
磁気特性測定器の構成の第1の例を示す図である。 磁気特性測定システムの構成の第1の例を示す図である。 磁気特性測定器の構成の第2の例を示す図である。 磁気特性測定器の構成の第3の例を示す図である。 磁気特性測定システムの構成の第2の例を示す図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
(第1の実施形態)
まず、第1の実施形態を説明する。
<磁気特性測定器>
図1は、本実施形態の磁気特性測定器100の構成の一例を示す図である。図1(a)は、磁気特性測定器100の平面図(上から見た図)を示す。図1(b)は、図1(a)のI−I断面図である。尚、各図のX、Y、Z座標は、各図の向きの関係を示すものである。○の中に●が示されているものは、紙面の奥側から手前側に向かう方向を示す。○の中に×が示されているものは、紙面の手前側から奥側に向かう方向を示す。
図1(a)および図1(b)において、磁気特性測定器100は、4つの一次コイルN1と、4つの二次コイルN2と、2つの第1のHコイルHCと、2つの第2のHコイルHLと、巻枠Fとを有する。4つの一次コイルN1は直列に接続され、全体として1つの一次コイルN1になる。4つの二次コイルN2も直列に接続され、全体として1つの二次コイルN2になる。尚、図1(a)では、一次コイルN1および二次コイルN2の領域のうち、巻枠Fに重なる部分の領域の図示を省略している。また、2つの第1のHコイルHCは直列に接続され、全体として1つの第1のHコイルHCになる。また、2つの第2のHコイルHLも直列に接続され、全体として1つの第2のHコイルHLになる。尚、図1(b)では、第1のHコイルHCおよび第2のHコイルHLが配置される領域を破線で示す。
巻枠Fは、正方形の4つの辺を構成するように配置される。巻枠Fの各辺を構成する部分に、二次コイルN2が一次コイルN1よりも巻枠F側になるように、一次コイルN1および二次コイルN2が巻き回される(即ち、一次コイルN1および二次コイルN2は、巻枠Fにより支えられる)。一次コイルN1および二次コイルN2の軸は、略同軸になる。一次コイルN1および二次コイルN2の軸は、それらの長手方向(図1(b)に示す例ではY軸方向)に垂直な断面(図1(b)に示す例ではX−Z断面)における重心の位置を通り、且つ、当該長手方向に延びる軸である。非特許文献1に記載されているように、一次コイルN1および二次コイルN2は、巻枠Fに対して190mm以上の長さに均一に分布させて巻かれる。また、巻枠Fの各辺に位置する各一次コイルN1の巻回数は同じである。同様に、巻枠Fの各辺に位置する各二次コイルN2の巻回数も同じである。前述したように各一次コイルN1は直列に接続される。各二次コイルN2も直列に接続される。巻枠Fの内部には、磁気特性の測定対象の電磁鋼板(試験片S)が複数配置される。また、複数の電磁鋼板(試験片S)は、その端部が一枚ずつ交互に重なり合うようにして、正方形に組まれ、全体として、長さと断面積の等しい4つの辺を構成する。
本実施形態では、試験片Sが、無方向性電磁鋼板である場合を例に挙げて説明する。非特許文献2には、磁気特性を測定する場合の試験片Sの数として、圧延方向に平行な方向(L方向)に採取した試験片Sの数と、圧延方向に垂直な方向(C方向)に採取した試験片Sの数とを同数とすることが示されている。本実施形態でもこれと同様とする。以下の説明では、前者の試験片Sを必要に応じてL方向の試験片Sと称し、後者の試験片Sを必要に応じてC方向の試験片と称する。そして、図1(a)において、巻枠Fが構成する4つの辺の領域のうち、相互に対向する一方の2つの辺の領域(図1(a)のLが示されている領域)にL方向の試験片Sを配置し、他方の2つの辺の領域(図1(a)のCが示されている領域)にC方向の試験片を配置する。
また、図1(a)および図1(b)に示すように、巻枠Fの内面のうち、磁気特性測定器100の載置面(Z軸の負の方向の端の面)側の一部の領域には、(内面から外面にかけて)穴部Fhが形成される。穴部Fhは、巻枠Fの4つの辺を構成する領域に、それぞれ1つずつ、合計4つ形成される。1つの穴部Fhには、第1のHコイルHCおよび第2のHコイルHLの何れか1つが配置され固定される。図1(a)において、第1のHコイルHCの軸の方向はX軸方向であり、第2のHコイルHLの軸の方向はY軸方向である。即ち、第1のHコイルHCおよび第2のHコイルHLの軸の方向は、当該第1のHコイルHCおよび当該第2のHコイルHLを囲む位置に配置されている一次コイルN1および二次コイルN2の軸の方向と略平行になる。
第1のHコイルHCおよび第2のHコイルHLのコイル長(コイルの軸の方向の長さ)は、当該第1のHコイルHC、当該第2のHコイルHLを囲む位置に配置されている一次コイルN1(および二次コイルN2)のコイル長以下、好ましくは当該コイル長の2/3倍以下である。また、第1のHコイルHCおよび第2のHコイルHLの軸の方向の中心の位置(図1(a)において第1のHコイルHCについてはX軸方向の中心の位置、第2のHコイルHLについてはY軸方向の中心の位置)と、当該第1のHコイルHC、当該第2のHコイルHLを囲む位置に配置される一次コイルN1(および二次コイルN2)の軸の方向の中心の位置とが略同じになるように、第1のHコイルHCおよび第2のHコイルHLが配置される。穴部Fhの大きさ、形状、および位置は、以上のようにして第1のHコイルHCおよび第2のHコイルHLを配置することができるように決定される。尚、また、第1のHコイルHCおよび第2のHコイルHLは、その少なくとも一部の領域が穴部Fhの内部に配置されていればよい。即ち、第1のHコイルHCおよび第2のHコイルHLの全ての領域が穴部Fhの内部に配置されていても、一部の領域のみが穴部Fhの内部に配置されていてもよい。
また、2つの第1のHコイルHCは直列に接続され、全体として1つの第1のHコイルHCになる。2つの第2のHコイルHLも直列に接続され、全体として1つの第2のHコイルHLになる。直列に接続された2つの第1のHコイルHCの巻方向が同じになるようにする。直列に接続された2つの第2のHコイルHLの巻方向も同じになるようにする。即ち、例えば、巻枠Fの周方向のうち一方の方向(例えば、図1(a)の紙面に対し右回りの方向)に向かって、直列に接続された2つの第1のHコイルHCを辿った場合に、一方の第1のHコイルHCが右回りである場合には他方の第1のHコイルHCも右回りになる。本実施形態では、直列に接続された2つの第1のHコイルHCの巻方向と、直列に接続された2つの第2のHコイルHLの巻方向も同じになるようにする。また、本実施形態では、2つの第1のHコイルHCの巻回数は同じである。2つの第2のHコイルHLの巻回数も同じである。更に、第1のHコイルHCの総巻回数と第2のHコイルHLの総巻回数も同じである。ただし、2つの第1のHコイルHCの巻回数、2つの第2のHコイルHLの巻回数、および第1のHコイルHCおよび第2のHコイルHLの総巻回数の少なくとも何れか1つは同じでなくてもよい。
以上のように一次コイルN1および二次コイルN2は、非特許文献1に記載のものと同じである。ただし、一次コイルN1および二次コイルN2は、非特許文献1に記載と同じものである必要はない。例えば、非特許文献1に記載の規格が変更されれば、その変更に合わせて一次コイルN1および二次コイルN2も変更することができる。また、一次コイルN1および二次コイルN2を、非特許文献1に対応するその他の規格に合わせたものとすることができる。また、各規格の主旨を逸脱しない範囲で一次コイルN1および二次コイルN2の構成を当該規格に対し変更してもよい。巻枠Fは、穴部Fhが形成されている部分以外の部分は、非特許文献1に記載の巻枠と同じである。巻枠Fの穴部Fhが形成されている部分以外の部分についても、一次コイルN1および二次コイルN2と同様に、非特許文献1に記載の巻枠と同じものである必要はない。また、第1のHコイルHCおよび第2のHコイルHLは、非特許文献3に記載のHコイルと同じ役割を果たすものである。
<磁気特性測定システム>
図2は、本実施形態の磁気特性測定システムの構成の一例を示す図である。
図2において、本実施形態の磁気特性測定システムは、磁気特性測定器100と、発振器210と、電圧計220、230、240と、電流計250と、処理装置300と、を有する。図2では、表記の都合上、4つの一次コイルN1のうち、L方向の試験片Sが配置されている領域にある2つの一次コイルN1をN1Lと表記する。また、4つの一次コイルN1のうち、C方向の試験片Sが配置されている領域にある2つの一次コイルN1をN1Cと表記する。また、4つの二次コイルN2のうち、L方向の試験片Sが配置されている領域にある2つの二次コイルN2をN2Lと表記する。また、4つの二次コイルN2のうち、C方向の試験片Sが配置されている領域にある2つの二次コイルN2をN2Cと表記する。また、2つの第1のHコイルHCを1つに纏めて示す。また、第2のHコイルHLも1つに纏めて示す。
発振器210は、交流電力(交流電圧)を出力(発振)し、一次コイルN1の両端に印加する。尚、この交流電圧は、試験片Sに対する励磁電圧である。この励磁電圧に応じて一次コイルN1には励磁電流が流れる。
電圧計220は、一次コイルN1に流れる励磁電流により発生する磁界により二次コイルN2の両端に誘起される電圧(二次コイルN2により検出される電圧)を測定する。以下の説明では、一次コイルN1に流れる励磁電流により発生する磁界により二次コイルN2の両端に誘起される電圧を、必要に応じて二次電圧と称する。
電圧計230は、一次コイルN1に流れる励磁電流により発生する磁界により第1のHコイルHCの両端に誘起される電圧(第1のHコイルHCにより検出される電圧)を測定する。以下の説明では、一次コイルN1に流れる励磁電流により発生する磁界により第1のHコイルHCの両端に誘起される電圧を必要に応じて第1のHコイル電圧と称する。
電圧計240は、一次コイルN1に流れる励磁電流により発生する磁界により第2のHコイルHLの両端に誘起される電圧(第2のHコイルHLにより検出される電圧)を測定する。以下の説明では、一次コイルN1に流れる励磁電流により発生する磁界により第2のHコイルHLの両端に誘起される電圧を必要に応じて第2のHコイル電圧と称する。
電流計250は、一次コイルN1に流れる励磁電流を測定する。
処理装置300は、二次電圧、第1のHコイル電圧、第2のHコイル電圧、および励磁電流を入力として、試験片Sの交流磁気特性を導出して出力する。本実施形態の処理装置300は、デジタル処理を行う。二次電圧、第1のHコイル電圧、第2のHコイル電圧、および励磁電流は、アナログの信号であるが、これらはデジタル信号に変換されているものとして、以下の処理装置300の説明を行う。以下に、処理装置300が有する機能の一例を説明する。処理装置300のハードウェアは、例えば、CPU、ROM、RAM、HDD、信号処理回路、A/D変換器、D/A変換器、および各種のインターフェースを用いることにより実現される。
第1の磁界強度導出部301は、電流計250により測定された励磁電流(の瞬時値)I1(t)[A]と、一次コイルN1の巻回数n1と、試験片Sの磁路長l[m]とに基づいて、以下の(1)式により、第1の磁界強度(の瞬時値)HS(t)[A/m]を導出する(tは時刻を表す)。
S(t)=n1×I1(t)÷l ・・・(1)
第1の磁界強度HS(t)は、励磁電流I1(t)により試験片Sに発生する平均的な磁界強度に対応する。
第2の磁界強度導出部302は、電圧計230により測定された第1のHコイル電圧VHC(t)と、真空の透磁率μ0[H/m]と、空気の比透磁率μsと、第1のHコイルHCの総巻回数nHCと、第1のHコイルHCの断面積(軸に垂直な方向の断面積)SHC[m2]とに基づいて、以下の(2)式および(3)式により、第2の磁界強度(の瞬時値)HC(t)[A/m]を導出する。
HC(t)=−nHC×dφHC(t)/dt ・・・(2)
φHC(t)=μ0×μs×HC(t)×SHC ・・・(3)
尚、φHC(t)は、第1のHコイルHCを貫く磁束[wb]である。第2の磁界強度HC(t)は、励磁電流I1(t)によりC方向の試験片Sに発生する磁界強度に対応する。また、第2の磁界強度導出部302は、空気の比透磁率μsを1に近似して(3)式の計算を行ってもよい。
第3の磁界強度導出部303は、電圧計240により測定された第2のHコイル電圧VHL(t)と、真空の透磁率μ0[H/m]と、空気の比透磁率μsと、第2のHコイルHLの総巻回数nHLと、第2のHコイルHLの断面積(軸に垂直な方向の断面積(コイルがつくるループの面積))SHL[m2]とに基づいて、以下の(4)式および(5)式により、第3の磁界強度(の瞬時値)HL(t)[A/m]を導出する。
HL(t)=−nHL×dφHL/dt ・・・(4)
φHL=μ0×μs×HL(t)×SHL ・・・(5)
尚、φHLは、第2のHコイルHLを貫く磁束(の瞬時値)[wb]である。第3の磁界強度HL(t)は、励磁電流I1(t)によりL方向の試験片Sに発生する磁界強度に対応する。また、第3の磁界強度導出部303は、空気の比透磁率μsを1に近似して(5)式の計算を行ってもよい。
磁束密度導出部304は、電圧計220により測定された二次電圧V2(t)と、二次コイルN2の総巻回数n2と、二次コイルN2内の試験片Sの断面積(二次コイルN2の軸に垂直な方向の断面積)SS[m2]とに基づいて、以下の(6)式および(7)式により、磁束密度(の瞬時値)BS(t)[T]を導出する。
2(t)=−n2×dφ2(t)/dt ・・・(6)
φ2=BS(t)×SS ・・・(7)
ここで、φ2(t)は、二次コイルN2を貫く磁束(の瞬時値)[wb]である。磁束密度BS(t)は、試験片Sにおける平均的な磁束密度に対応する。尚、非特許文献1に記載されているように、相互誘導器を用いた空隙補償を行い、空隙補償後の磁束密度を、試験片Sにおける磁束密度としてもよい。
第1の鉄損導出部305は、磁束密度導出部304により導出された磁束密度BS(t)と、第1の磁界強度導出部301により導出された第1の磁界強度HS(t)とに基づいて、第1の鉄損WS[W/kg]を導出する。第1の鉄損WSは、非特許文献1で測定することが定められている鉄損に対応する。尚、鉄損は、同時刻における磁束密度および磁界強度の組から求められるヒステリシス曲線の面積に対応する。
第2の鉄損導出部306は、磁束密度導出部304により導出された磁束密度BS(t)と、第2の磁界強度導出部302により導出された第2の磁界強度HC(t)とに基づいて、第2の鉄損WC[W/kg]を導出する。第2の鉄損WCは、C方向の試験片Sの鉄損に対応する。
第3の鉄損導出部307は、磁束密度導出部304により導出された磁束密度BS(t)と、第3の磁界強度導出部303により導出された第3の磁界強度HL(t)とに基づいて、第3の鉄損WL[W/kg]を導出する。第3の鉄損WLは、L方向の試験片Sの鉄損に対応する。
異方性導出部308は、第2の鉄損導出部306により導出された第2の鉄損WCと、第3の鉄損導出部307により導出された第3の鉄損WLとに基づいて、以下の(8)式により、試験片Sの鉄損の異方性T[%]を導出する。
T={(WL−WC)÷(WL+WC)}×100 ・・・(8)
試験片Sの鉄損の異方性Tは、非特許文献2で規定されている異方性Tに対応する。
出力部309は、第1の鉄損導出部305により導出された第1の鉄損WSと、異方性導出部308により導出された試験片Sの鉄損の異方性Tとを、試験片Sの交流磁気特性の情報として出力する。試験片Sの交流磁気特性の情報の出力形態としては、例えば、コンピュータディスプレイへの表示、外部装置への送信、および処理装置300の内部・外部の記憶媒体への記憶の少なくとも何れか1つを採用することができる。
<まとめ>
以上のように本実施形態では、磁気特性測定器100は、C方向の試験片Sの磁界強度(第2の磁界強度HC)を測定するための第1のHコイルHCと、L方向の試験片Sの磁界強度(第3の磁界強度HL)を測定するための第2のHコイルHLとを巻枠Fに形成された穴部Fhに配置する。従って、磁束の分布が均一な領域に、第1のHコイルHCおよび第2のHコイルHLを配置することができる。よって、C方向の試験片SおよびL方向の試験片Sの磁界強度を高精度に測定することができる。これにより、試験片Sの磁気特性を高精度に測定することができる。また、励磁電流I1と、一次コイルN1の巻回数n1と、試験片Sの磁路長lとに基づく磁界強度(第1の磁界強度HS)を第2の磁界強度HCおよび第3の磁界強度HLと同時に測定することができる。従って、非特許文献1で規定される第1の鉄損WSも同時に導出することができる。また、非特許文献3では、試験片Sの鉄損の異方性Tを測定するために、巻枠FにL方向の試験片Sのみを配置した場合と、巻枠FにC方向の試験片Sのみを配置した場合とのそれぞれの場合での測定が必要になる。更に、試験片Sの鉄損を測定する場合には、図1に示すように、巻枠Fに配置するL方向の試験片SおよびC方向の試験片Sを同数とする必要がある。従って、試験片Sの鉄損およびその異方性Tを導出する場合には3回の測定が必要になる。これに対し、本実施形態では、これらの導出を1回の測定で終えることができる。
<変形例>
本実施形態では、第1のHコイルHCの軸の方向の中心の位置と、当該第1のHコイルHCを囲む位置に配置される一次コイルN1の軸の方向の中心の位置とが略同じになるようにする場合を例に挙げて説明した。同様に、第2のHコイルHLの軸の方向の中心の位置と、当該第2のHコイルHLを囲む位置に配置される一次コイルN1の軸の方向の中心の位置とが略同じになるようにする場合を例に挙げて説明した。このようにすれば、第1のHコイルHCおよび第2のHコイルHLを磁場が均一な箇所に確実に配置することができるので好ましい。しかしながら、第1のHコイルHCの軸の方向(X軸方向)の端部が、当該第1のHコイルHCを囲む位置に配置される一次コイルN1の軸の方向(X軸方向)の端部よりも内側になるように配置されていれば、必ずしもこのようにする必要はない。同様に、第2のHコイルHLの軸の方向(Y軸方向)の端部が、当該第2のHコイルHLを囲む位置に配置される一次コイルN1の軸の方向(Y軸方向)の端部よりも内側になるように配置されていれば、必ずしもこのようにする必要はない。
また、本実施形態のように、2つの第1のHコイルHCを直列に接続すると共に、2つの第2のHコイルHLを直列に接続するようにすれば、第1のHコイルHCおよび第2のHコイルHLの巻回数を大きくすることができる。従って、第1のHコイルHCおよび第2のHコイルHLに誘起される電圧(第1のHコイル電圧VHC、第2のHコイル電圧VHL)を大きくすることができるので好ましい。しかしながら、第1のHコイルHCおよび第2のHコイルHLに誘起される電圧を検出することができれば、必ずしもこのようにする必要はない。例えば、図3に示すように、第1のHコイルHCおよび第2のHコイルHLを1つずつ配置するようにしてもよい。また、第1のHコイルHCおよび第2のHコイルHLの一方を2つ、他方を1つ配置するようにしてもよい。また、増幅器やノイズフィルタ等を用いて、第1のHコイルHCおよび第2のHコイルHLに誘起される電圧を検出し易くしてもよい。また、2つの第1のHコイルHCおよび2つの第2のHコイルHLの少なくとも何れか一方を並列に接続してもよい。
本実施形態では、試験片Sが無方向性電磁鋼板である場合を例に挙げて説明した。しかしながら、試験片Sは、方向性電磁鋼板でもよい。この場合、鉄損の異方性を測定する必要はなく、また、第1のHコイルHCおよび第2のHコイルHLのうち、何れか一方のみがあればよい。また、試験片Sは、電磁鋼板以外の軟質磁性材料からなる試験片であってもよい。また、電磁鋼板以外の軟磁性材料(からなる板)を試験片Sとして用いてもよい。
また、相互誘導器による空隙補償を行わずに、磁束密度導出部304により導出される磁束密度BS(t)から、二次コイルN2の断面積(軸に垂直な方向の断面積(コイルがつくるループの面積))S2、二次コイルN2内の試験片Sの断面積SS、真空の透磁率μ0、空気の比透磁率μs、および第1の磁界強度導出部301により導出された第1の磁界強度HS(t)の積を引くことにより、空隙補償を行ってもよい(空隙補償後の磁束密度をBS´(t)とすると、BS´(t)=BS(t)−S2/SS×μ0×μs×HS(t)となる)。このとき、空気の比透磁率μsを「1」に近似してもよい。
また、本実施形態では、巻枠Fの内面のうち、磁気特性測定器100の載置面(Z軸の負の方向の端の面)側に位置する内面の一部の領域に、穴部Fhを形成する場合を例に挙げて説明した。しかしながら、必ずしもこのようにする必要はない。例えば、穴部ではなく凹部を形成してもよい。また、磁気特性測定器100の載置面側でなく、例えば、巻枠Fの内面のうち、磁気特性測定器100の天井面(Z軸の正の方向の端の面)側に位置する内面の一部の領域に、穴部や凹部を形成してもよい。
また、本実施形態では、処理装置300に含まれる各部301〜309は、必ずしも1つの装置(処理装置300)で実現されなくてもよい。
また、非特許文献1では、一次コイルN1および二次コイルN2の巻き方と長さ(コイル長)に制限がある。このため、高磁場(例えば、磁界強度が10000A/m以上)において、電磁鋼板の交流磁気特性を測定することができない。そこで、一次コイルN1および二次コイルN2と略同軸になるように、一次コイルN1および二次コイルN2よりも外側に、一次コイルN1とは別の追加一次コイルを巻き回し、それら2つの一次コイルに別々の励磁電流を流すようにしてもよい。この場合、低磁場(例えば、10000[A/m]以下)においては、一次コイルN1にのみ励磁電流を流し、追加一次コイルに励磁電流を流さず、高磁場(例えば、10000[A/m]以上)になると、一次コイルおよび追加一次コイルの双方に励磁電流を流すようにするのが好ましい。また、高磁場になると、一次コイルN1に流す励磁電流の大きさを制限(例えば、10000[A/m]のときの値に固定)するのが好ましい。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態を説明する。第1の実施形態では、二次コイルN2で検出された二次電圧V2を用いて導出された磁束密度BSを用いて、C方向の試験片Sの交流磁気特性(第2の鉄損WC)とL方向の試験片Sの交流磁気特性(第3の鉄損WL)を導出する場合を例に挙げて説明した。このようにすると、4つの二次コイルN2の間の領域においいて生じる磁束の漏れにより、特に高磁場においては、二次電圧V2を用いて導出される磁束密度BSの精度が低下する虞がある。そこで、本実施形態では、二次コイルN2とは別の追加二次コイルを、C方向の試験片SおよびL方向の試験片Sのそれぞれに対し、磁束が均一な部分に配置する。そして、一次コイルN1に流れる励磁電流により発生する磁界により追加二次コイルの両端に誘起される電圧を用いて、C方向の試験片Sの磁束密度およびL方向の試験片Sの磁束密度を個別に導出する。このように本実施形態と第1の実施形態とは、追加二次コイルを設けることによる構成および処理が主として異なる。従って、本実施形態の説明において、第1の実施形態と同一の部分については、図1〜図3に付した符号と同一の符号を付す等して詳細な説明を省略する。
<磁気特性測定器>
図4は、本実施形態の磁気特性測定器400の構成の一例を示す図である。図4(a)は、磁気特性測定器400の平面図(上から見た図)を示す。図4(b)は、図4(a)のI−I断面図である。
図4(a)および図4(b)において、磁気特性測定器400は、4つの一次コイルN1と、4つの二次コイルN2と、2つの第1のHコイルHCと、2つの第2のHコイルHLと、巻枠Fと、2つの第1の追加二次コイルN2C´と、2つの第2の追加二次コイルN2L´と、を有する。本実施形態の磁気特性測定器400は、第1の実施形態の磁気特性測定器100に対し、2つの第1の追加二次コイルN2C´と、2つの第2の追加二次コイルN2L´とが追加されたものとなる。即ち、本実施形態の4つの一次コイルN1、4つの二次コイルN2、2つの第1のHコイルHC、2つの第2のHコイルHL、および巻枠Fは、磁気特性測定器100におけるものと同じである。従って、ここでは、これらの詳細な説明を省略する。
第1の追加二次コイルN2C´は、巻枠が構成する4つの辺の領域のうち、C方向の試験片Sが配置される2つの辺を構成する領域にそれぞれ配置される。第1の追加二次コイルN2C´は、二次コイルN2よりも内側に、一次コイルN1および二次コイルN2と略同軸となるように巻き回される。即ち、巻枠Fが構成する同じ辺に位置する一次コイルN1、二次コイルN2、および第1の追加二次コイルN2C´は、略同軸となる。
第1の追加二次コイルN2C´は、その軸の方向(X軸方向)の位置が、当該第1の追加二次コイルN2C´により囲まれる位置に配置される第1のHコイルHCの軸の方向(X軸方向)の位置と略同じになるように配置される。即ち、当該第1の追加二次コイルN2C´の軸の方向(X軸方向)の長さと、当該第1のHコイルHCの軸の方向の長さは略同じであり、且つ、当該第1の追加二次コイルN2C´の軸の方向の中心の位置と、当該第1のHコイルHCの軸の方向の中心の位置は略同じである。
また、各第1の追加二次コイルN2C´は、直列に接続され、全体として1つの第1の追加二次コイルN2C´になる。本実施形態では、このようにして接続された第1の追加二次コイルN2C´の巻方向と、当該第1の追加二次コイルN2C´と略同軸の二次コイルN2の巻方向とが同じになるようにする。即ち、例えば、二次コイルN2および第1の追加二次コイルN2C´の軸に沿う2つの方向(X軸の正負の方向)のうち一方の方向(例えばX軸の正の方向)に向かって二次コイルN2および追加二次コイルN2C´を辿った場合に、二次コイルN2が右回りである場合には、第1の追加二次コイルN2C´も右回りとなる。
また、本実施形態では、巻枠Fの各辺に位置する各第1の追加二次コイルN2C´の巻回数は同じであるのが好ましい。非特許文献1に記載の条件に合わせることができるからである。また、各第1の追加二次コイルN2C´は、均一に分布されているのが好ましい。非特許文献1に記載の条件に合わせることができるからである。ただし、巻枠Fの各辺に位置する各第1の追加二次コイルN2C´は、巻回数は異なっていても、均一に分布されていなくてもよい。
第2の追加二次コイルN2L´は、巻枠が構成する4つの辺の領域のうち、L方向の試験片Sが配置される2つの辺を構成する領域にそれぞれ配置される。第1の追加二次コイルN2C´および第2の追加二次コイルN2L´は、配置される位置が異なるだけである。
第2の追加二次コイルN2L´は、二次コイルN2よりも内側に、一次コイルN1および二次コイルN2と略同軸となるように巻き回される。即ち、巻枠Fが構成する同じ辺に位置する一次コイルN1、二次コイルN2、および第2の追加二次コイルN2L´は、略同軸となる。
第2の追加二次コイルN2L´は、その軸の方向(Y軸方向)の位置が、当該第2の追加二次コイルN2L´により囲まれる位置に配置される第2のHコイルHLの軸の方向(Y軸方向)の位置と略同じになるように配置される。即ち、当該第2の追加二次コイルN2L´の軸の方向(Y軸方向)の長さと、当該第2のHコイルHLの軸の方向の長さは略同じであり、且つ、当該第2の追加二次コイルN2L´の軸の方向の中心の位置と、当該第2のHコイルHLの軸の方向の中心の位置は略同じである。
また、各第2の追加二次コイルN2L´は、直列に接続され、全体として1つの第2の追加二次コイルN2L´になる。本実施形態では、このようにして接続された第2の追加二次コイルN2L´の巻方向と、当該第2の追加二次コイルN2L´と略同軸の二次コイルN2の巻方向とが同じになるようにする。即ち、例えば、二次コイルN2および第2の追加二次コイルN2L´の軸に沿う2つの方向(Y軸の正負の方向)のうち一方の方向(例えば、Y軸の正の方向)に向かって二次コイルN2および追加二次コイルN2C´を辿った場合に、二次コイルN2が右回りである場合には、第2の追加二次コイルN2L´も右回りとなる。
また、本実施形態では、巻枠Fの各辺に位置する各第2の追加二次コイルN2L´の巻回数は同じであるのが好ましい。非特許文献1に記載の条件に合わせることができるからである。また、各第2の追加二次コイルN2L´は、均一に分布されているのが好ましい。非特許文献1に記載の条件に合わせることができるからである。ただし、巻枠Fの各辺に位置する各第2の追加二次コイルN2L´は、巻回数は異なっていても、均一に分布されていなくてもよい。
<磁気特性測定システム>
図5は、本実施形態の磁気特性測定システムの構成の一例を示す図である。
図5において、本実施形態の磁気特性測定システムは、磁気特性測定器400と、発振器210と、電圧計220、230、240、510、520と、電流計250と、処理装置500と、を有する。図5では、表記の都合上、4つの一次コイルN1のうち、L方向の試験片Sが配置されている領域にある2つの一次コイルN1をN1Lと表記する。また、4つの一次コイルN1のうち、C方向の試験片Sが配置されている領域にある2つの一次コイルN1をN1Cと表記する。また、4つの二次コイルN2のうち、L方向の試験片Sが配置されている領域にある2つの二次コイルN2をN2Lと表記する。また、4つの二次コイルN2のうち、C方向の試験片Sが配置されている領域にある2つの二次コイルN2をN2Cと表記する。また、2つの第1のHコイルHCを1つに纏めて示す。また、第2のHコイルHLも1つに纏めて示す。また、2つの第1の追加二次コイルN2C´も1つに纏めて示す。また、2つの第2の追加二次コイルN2L´も1つに纏めて示す。発振器210、電圧計220、230、240、および電流計250は、第1の実施形態の磁気特性測定システムにおけるものと同じであるので、ここでは、それらの詳細な説明を省略する。
電圧計510は、一次コイルN1に流れる励磁電流により発生する磁界により第1の追加二次コイルN2C´の両端に誘起される電圧(第1の追加二次コイルN2C´により検出される電圧)を測定する。以下の説明では、一次コイルN1に流れる励磁電流により発生する磁界により第1の追加二次コイルN2C´の両端に誘起される電圧を、必要に応じてC方向二次電圧と称する。
電圧計520は、一次コイルN1に流れる励磁電流により発生する磁界により第2の追加二次コイルN2L´の両端に誘起される電圧(第2の追加二次コイルN2L´により検出される電圧)を測定する。以下の説明では、一次コイルN1に流れる励磁電流により発生する磁界により第2の追加二次コイルN2L´の両端に誘起される電圧を、必要に応じてL方向二次電圧と称する。
処理装置500は、二次電圧、L方向二次電圧、C方向二次電圧、第1のHコイル電圧、第2のHコイル電圧、および励磁電流を入力として、試験片Sの交流磁気特性を導出して出力する。本実施形態の処理装置500は、デジタル処理を行う。二次電圧、L方向二次電圧、C方向二次電圧、第1のHコイル電圧、第2のHコイル電圧、および励磁電流は、アナログの信号であるが、これらはデジタル信号に変換されているものとして、以下の処理装置500の説明を行う。以下に、処理装置500が有する機能の一例を説明する。処理装置500のハードウェアは、例えば、CPU、ROM、RAM、HDD、信号処理回路、A/D変換器、D/A変換器、および各種のインターフェースを用いることにより実現される。
第1の磁界強度導出部301、第2の磁界強度導出部302、第3の磁界強度導出部303、磁束密度導出部304、第1の鉄損導出部305、異方性導出部308、および出力部309は、第1の実施形態の処理装置300におけるものと同じであるので、ここでは、それらの詳細な説明を省略する。また、第2の磁束密度導出部501および第3の磁束密度導出部502と区別するために、磁束密度導出部304を、第1の磁束密度導出部304と表記する。
第2の磁束密度導出部501は、電圧計510により測定されたC方向二次電圧V2C(t)と、第1の追加二次コイルN2C´の総巻回数n2Cと、第1の追加二次コイルN2C´内の試験片Sの断面積(第1の追加二次コイルN2C´の軸に垂直な方向の断面積)SSC[m2]とに基づいて、以下の(9)式および(10)式により、磁束密度(の瞬時値)BC(t)[T]を導出する。
2C(t)=−n2C×dφ2C(t)/dt ・・・(9)
φ2C(t)=BC(t)×SSC ・・・(10)
ここで、φ2C(t)は、第1の追加二次コイルN2Cを貫く磁束[wb]である。磁束密度BC(t)は、C方向の試験片Sにおける磁束密度に対応する。尚、非特許文献1に記載されているように、相互誘導器を用いた空隙補償を行い、空隙補償後の磁束密度を、試験片Sにおける磁束密度としてもよい。また、第1の実施形態の変形例で説明したように、真空の透磁率μ0、空気の比透磁率μs、および第1の磁界強度導出部301により導出される第1の磁界強度HS(t)を用いて数値演算により空隙補償を行ってもよい。
第3の磁束密度導出部502は、電圧計520により測定されたL方向二次電圧V2L(t)と、第2の追加二次コイルN2L´の総巻回数n2Lと、第2の追加二次コイルN2L´内の試験片Sの断面積(第2の追加二次コイルN2L´の軸に垂直な方向の断面積)SSL[m2]とに基づいて、以下の(11)式および(12)式により、磁束密度(の瞬時値)BL(t)[T]を導出する。
2L(t)=−n2L×dφ2L(t)/dt ・・・(11)
φ2L(t)=BL(t)×SSL ・・・(12)
ここで、φ2L(t)は、第2の追加二次コイルN2Lを貫く磁束[wb]である。磁束密度BL(t)は、L方向の試験片Sにおける磁束密度に対応する。尚、非特許文献1に記載されているように、相互誘導器を用いた空隙補償を行い、空隙補償後の磁束密度を、試験片Sにおける磁束密度としてもよい。また、第1の実施形態の変形例で説明したように、真空の透磁率μ0、空気の比透磁率μs、および第1の磁界強度導出部301により導出される第1の磁界強度HS(t)を用いて数値演算により空隙補償を行ってもよい。
第2の鉄損導出部503は、第2の磁束密度導出部501により導出された磁束密度BC(t)と、第2の磁界強度導出部302により導出された第2の磁界強度HC(t)とに基づいて、第2の鉄損WC[W/kg]を導出する。第2の鉄損WCは、C方向の試験片Sの鉄損に対応する。
第3の鉄損導出部504は、第3の磁束密度導出部502により導出された磁束密度BL(t)と、第3の磁界強度導出部303により導出された第3の磁界強度HL(t)とに基づいて、第3の鉄損WL[W/kg]を導出する。第3の鉄損WLは、L方向の試験片Sの鉄損に対応する。
異方性導出部308は、第2の鉄損導出部503により導出された第2の鉄損WCと、第3の鉄損導出部504により導出された第3の鉄損WLとに基づいて、第1の実施形態で説明した(8)式により、試験片Sの鉄損の異方性T[%]を導出する。
<まとめ>
以上のように本実施形態では、磁気特性測定器400は、第2の磁界強度HCが得られる試験片Sの位置と略同じ位置の磁束密度(C方向磁束密度)を検出する第1の追加二次コイルN2C´と、第3の磁界強度HLが得られる試験片Sの位置と略同じ位置の磁束密度(L方向磁束密度)を検出する第2の追加二次コイルN2L´とを有する。従って、第1の実施形態で説明した効果に加え、磁束がより均一な位置での磁束密度を検出することができるという効果が得られる。よって、試験片Sの第2の鉄損WCおよび第3の鉄損WLをより高精度に導出することができる。その結果、試験片Sの鉄損の異方性Tをより高精度に導出することができる。
<変形例>
本実施形態のように、第1の追加二次コイルN2C´および第1のHコイルHCの軸の方向(X軸方向)の位置が略一致していれば、それらにより、同じ領域の磁束密度および磁界強度を導出することができるので好ましい。しかしながら、第1の追加二次コイルN2C´および第1のHコイルHCの軸の方向(X軸方向)の位置の少なくとも一部が重複していれば、第1の追加二次コイルN2C´および第1のHコイルHCの軸の方向(X軸方向)の位置は必ずしも略一致していなくてもよい。また、第2の追加二次コイルN2L´および第2のHコイルHLについても同様である。即ち、第2の追加二次コイルN2L´および第2のHコイルHLの軸の方向(Y軸方向)の位置の少なくとも一部が重複していれば、第2の追加二次コイルN2L´および第2のHコイルHLの軸の方向(Y軸方向)の位置は必ずしも略一致していなくてもよい。
また、本実施形態においても、第1の実施形態で説明した種々の変形例を採用することができる。
尚、以上説明した本発明の実施形態のうち処理装置300、500が行う処理は、コンピュータがプログラムを実行することによって実現することができる。また、前記プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体及び前記プログラム等のコンピュータプログラムプロダクトも本発明の実施形態として適用することができる。記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることができる。
また、以上説明した本発明の実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
(請求項との関係)
以下に、請求項と実施形態の対応関係の一例を説明する。尚、請求項の記載が実施形態の記載に限定されないことは、変形例などに記載した通りである。
<請求項1>
巻枠は、例えば、巻枠Fを用いることにより実現される。
試験片は、例えば、試験片Sを用いることにより実現される。
励磁電流は、例えば、励磁電流I1(t)を用いることにより実現される。
一次コイルは、例えば、一次コイルN1を用いることにより実現される。
二次電圧は、例えば、二次電圧V2を用いることにより実現される。
二次コイルは、例えば、二次コイルN2を用いることにより実現される。
磁界測定用電圧は、例えば、第1のHコイル電圧VHCおよび第2のHコイル電圧VHLを用いることにより実現される。
Hコイルは、例えば、第1のHコイルHCおよび第2のHコイルHLを用いることにより実現される。
巻枠の内面の一部の領域に形成される穴部は、例えば、穴部Fhを用いることにより実現される。
穴部に代えて凹部としてもよいことは、第1の実施形態の変形例に記載の通りである。
Hコイルの軸の方向と、当該Hコイルを囲む位置に配置される一次コイルの軸の方向とが、略平行であることは、例えば、図1(a)において、第1のHコイルHCの軸の方向と、当該第1のHコイルHCを囲む位置に配置される一次コイルN1の軸の方向とが共にX軸方向であることと、第2のHコイルHLの軸の方向と、当該第2のHコイルHLを囲む位置に配置される一次コイルN1の軸の方向が共にY軸方向であることとに対応する。
Hコイルの軸の方向の端部が、当該Hコイルを囲む位置に配置される一次コイルの軸の方向の端部よりも内側にあることは、例えば、図1(a)において、第1のHコイルHCの軸の方向の端部(破線のX軸方向の端部)が、当該第1のHコイルHCを囲む位置に配置される一次コイルN1の軸の方向の端部よりも内側にあることと、第2のHコイルHLの軸の方向の端部(破線のY軸方向の端部)が、当該第2のHコイルHLを囲む位置に配置される一次コイルN1の軸の方向の端部よりも内側になることとに対応する。
<請求項2>
Hコイルの軸の方向の中心の位置と、当該Hコイルを囲む位置に配置される一次コイルの軸の方向の中心の位置とが略同じであることは、例えば、第1のHコイルHCのX軸方向の中心の位置と、当該第1のHコイルHCを囲む位置に配置される一次コイルN1のX軸方向の中心の位置とが略同じであることに対応する。また、例えば、第2のHコイルHLのY軸方向の中心の位置と、当該第2のHコイルHLを囲む位置に配置される一次コイルN1のY軸方向の中心の位置とが略同じであることにも対応する。
<請求項3>
穴部が、巻枠の内面のうち、磁気特性測定器の載置面側に位置する面に形成されていることは、例えば、図1(b)、図4(b)に示すように、穴部Fhが、巻枠Fの内面のうち、磁気特性測定器100、400の載置面側(Z軸の負の方向側)に位置する内面に(内面から外面に亘って)形成されていることに対応する。
<請求項6>
第1の試験片は、例えば、C方向の試験片Sを用いることにより実現される。
第2の試験片は、例えば、L方向の試験片Sを用いることにより実現される。
巻枠の4つの辺に対応する領域のうち、第1の試験片が配置される2つの辺に対応する領域の少なくとも何れか一方の領域は、例えば、図1(a)、図3、図4(a)において、巻枠Fの4つの辺に対応する領域のうち、Y軸方向において相互に対向する2つの辺に対応する領域に対応する。
第1のHコイルは、例えば、第1のHコイルHCを用いることにより実現される。
巻枠の4つの辺に対応する領域のうち、第2の試験片が配置される2つの辺に対応する領域の少なくとも何れか一方の領域は、例えば、図1(a)、図3、図4(a)において、巻枠Fの4つの辺に対応する領域のうち、X軸方向において相互に対向する2つの辺に対応する領域に対応する。
第2のHコイルは、例えば、第2のHコイルHLを用いることにより実現される。
穴部が、第1のHコイルおよび第2のHコイルのそれぞれに対して1つずつ形成されることは、例えば、図1(a)、図3、図4(a)において、第1のHコイルHCおよび第2のHコイルHLが配置される領域のそれぞれに、図1(b)、図4(b)に示すような穴部Fhが形成されることに対応する。
<請求項7>
第2の二次電圧は、例えば、C方向二次電圧V2CおよびL方向二次電圧V2Lを用いることにより実現される。
第2の二次コイルは、例えば、第1の追加二次コイルN2C´および第2の追加二次コイルN2L´を用いることにより実現される。
<請求項8>
第2の二次コイルの軸の方向の長さおよび中心の位置と、当該第2の二次コイルにより囲まれるHコイルの軸の方向の長さおよび中心の位置とが略同じであることは、例えば、第1の追加二次コイルN2C´のX軸方向の長さおよび中心の位置と、当該第1の追加二次コイルN2C´により囲まれる位置にある第1のHコイルHCのX軸方向の長さおよび中心の位置とがそれぞれ略同じであることに対応する。また、例えば、第2の追加二次コイルN2L´のY軸方向の長さおよび中心の位置と、当該第2の追加二次コイルN2L´により囲まれる位置にある第2のHコイルHLのY軸方向の長さおよび中心の位置とがそれぞれ略同じであることにも対応する。
<請求項9>
磁気特性測定器は、例えば、磁気特性測定器100、400を用いることにより実現される。
磁気特性導出手段は、例えば、第1の鉄損導出部305、第2の鉄損導出部306、第3の鉄損導出部307、および異方性導出部308、または、第1の鉄損導出部305、第2の鉄損導出部503、第3の鉄損導出部504、および異方性導出部308を用いることにより実現される。
<請求項10>
試験片における磁束密度は、例えば、磁束密度BS(t)を用いることにより実現される。
磁束密度導出手段は、例えば、磁束密度導出部304を用いることにより実現される。
試験片における磁界強度は、例えば、第1の磁界強度HSを用いることにより実現される。
第1の磁界強度導出手段は、例えば、第1の磁界強度導出部301を用いることにより実現される。
第1の試験片における磁界強度は、例えば、第2の磁界強度HCを用いることにより実現される。
第2の磁界強度導出手段は、例えば、第2の磁界強度導出部302を用いることにより実現される。
第2の試験片における磁界強度は、例えば、第3の磁界強度HLを用いることにより実現される。
第3の磁界強度導出手段は、例えば、第3の磁界強度導出部303を用いることにより実現される。
第1の鉄損導出手段は、例えば、第1の鉄損導出部305を用いることにより実現される。
第2の鉄損導出手段は、例えば、第2の鉄損導出部306、503を用いることにより実現される。
第3の鉄損導出手段は、例えば、第3の鉄損導出部307、504を用いることにより実現される。
異方性導出手段は、例えば、異方性導出部308を用いることにより実現される。
第2の二次コイルのうち、第1の試験片を囲むように配置される第2の二次コイルは、例えば、第1の追加二次コイルN2C´を用いることにより実現される。
<請求項11>
第1の試験片における磁束密度は、例えば、磁束密度BCを用いることにより実現される。
第2の磁束密度導出手段は、例えば、第2の磁束密度導出部501を用いることにより実現される。
第2の二次コイルのうち、第2の試験片を囲むように配置される第2の二次コイルは、例えば、第2の追加二次コイルN2L´を用いることにより実現される。
第2の試験片における磁束密度は、例えば、磁束密度BLを用いることにより実現される。
第3の磁束密度導出手段は、例えば、第3の磁束密度導出部502を用いることにより実現される。
100、400:磁気特性測定器、210:発振器、220、230、240:電圧計、250:電流計、300、500:処理装置、301:第1の磁界硬度導出部、302:第2の磁界強度導出部、303:第3の磁界強度導出部、304:磁束密度導出部、305:第1の鉄損導出部、306:第2の鉄損導出部、307:第3の鉄損導出部、308:異方性導出部、309:出力部、501:第2の磁束密度導出部、502:第3の磁束密度導出部、F:巻枠、HC:第1のHコイル、HL:第2のHコイル、N1:一次コイル、N2:二次コイル、N2C:第1の追加二次コイル、N2L:第2の追加二次コイル

Claims (12)

  1. 正方形の4つの辺を構成するように配置され、軟質磁性材料からなる試験片が内部に配置される巻枠と、
    前記巻枠の前記4つの辺に対応する領域のそれぞれにおいて前記巻枠に対して巻き回されるコイルであって、交流の励磁電流が流れる一次コイルと、
    前記巻枠の前記4つの辺に対応する領域のそれぞれにおいて前記巻枠に対して前記一次コイルと略同軸になるように巻き回されるコイルであって、前記試験片が励磁されることにより誘起される電圧である二次電圧を検出する二次コイルと、
    前記試験片が励磁されることにより誘起される電圧である磁界測定用電圧を検出する少なくとも1つのHコイルと、を有し、
    前記巻枠の内面の一部の領域には穴部または凹部が形成されており、
    前記Hコイルの軸の方向と、当該Hコイルを囲む位置に配置される前記一次コイルの軸の方向は、略平行であり、
    前記Hコイルの軸の方向の端部は、当該Hコイルを囲む位置に配置される前記一次コイルの軸の方向の端部よりも内側にあり、
    前記Hコイルは、前記穴部または凹部に配置されることを特徴とする磁気特性測定器。
  2. 前記Hコイルの軸の方向の中心の位置と、当該Hコイルを囲む位置に配置される前記一次コイルの軸の方向の中心の位置とが略同じであることを特徴とする請求項1に記載の磁気特性測定器。
  3. 前記穴部または前記凹部は、前記巻枠の内面のうち、前記磁気特性測定器の載置面側に位置する面に形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の磁気特性測定器。
  4. 前記Hコイルの軸の方向の長さは、当該Hコイルを囲む位置に配置される前記一次コイルの軸の方向の長さの2/3倍以下であることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の磁気特性測定器。
  5. 前記一次コイル、前記二次コイルは、それぞれ、JIS C 2550−1:2011に規定される一次コイル、二次コイルであり、
    前記巻枠の前記穴部または前記凹部が形成されている部分以外の部分は、JIS C 2550−1:2011に規定される巻枠と同じであることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の磁気特性測定器。
  6. 前記試験片は、無方向性電磁鋼板であり、
    前記巻枠の前記4つの辺に対応する領域のうち、相互に対向する一方の2つの辺に対応する領域に、圧延方向に垂直な方向に採取された無方向性電磁鋼板である第1の試験片が配置され、相互に対向する他方の2つの辺に対応する領域に、圧延方向に平行な方向に採取された無方向性電磁鋼板の試験片である第2の試験片が配置され、
    前記Hコイルは、前記巻枠の前記4つの辺に対応する領域のうち、前記第1の試験片が配置される2つの辺に対応する領域の少なくとも何れか一方の領域に配置される第1のHコイルと、前記巻枠の前記4つの辺に対応する領域のうち、前記第2の試験片が配置される2つの辺に対応する領域の少なくとも何れか一方の領域に配置される第2のHコイルとを有し、
    前記穴部または前記凹部は、前記第1のHコイルおよび前記第2のHコイルのそれぞれに対して1つずつ形成されていることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の磁気特性測定器。
  7. 前記一次コイルおよび前記二次コイルよりも外側に、前記一次コイルおよび前記二次コイルと略同軸になり、且つ、前記Hコイルを囲むように配置されるコイルであって、前記試験片が励磁されることにより誘起される電圧である第2の二次電圧を検出する第2の二次コイルを更に有することを特徴とする請求項6に記載の磁気特性測定器。
  8. 前記第2の二次コイルの軸の方向の長さおよび中心の位置と、当該第2の二次コイルにより囲まれる位置にある前記Hコイルの軸の方向の長さおよび中心の位置とが略同じであることを特徴とする請求項7に記載の磁気特性測定器。
  9. 請求項1〜8の何れか1項に記載の磁気特性測定器と、
    前記励磁電流、前記二次電圧、および前記磁界測定用電圧に基づいて、前記試験片の磁気特性を導出する磁気特性導出手段と、を有することを特徴とする磁気特性測定システム。
  10. 前記磁気特性測定器は、請求項6に記載の磁気特性測定器であり、
    前記二次電圧に基づいて、前記試験片における磁束密度を導出する磁束密度導出手段と、
    前記励磁電流に基づいて、前記試験片における磁界強度を導出する第1の磁界強度導出手段と、
    前記第1のHコイルにより検出された前記磁界測定用電圧に基づいて、前記第1の試験片における磁界強度を導出する第2の磁界強度導出手段と、
    前記第2のHコイルにより検出された前記磁界測定用電圧に基づいて、前記第2の試験片における磁界強度を導出する第3の磁界強度導出手段と、
    前記磁束密度導出手段により導出された前記磁束密度と、前記第1の磁界強度導出手段により導出された前記磁界強度とに基づいて、前記試験片の鉄損を導出する第1の鉄損導出手段と、
    前記磁束密度導出手段により導出された前記磁束密度と、前記第2の磁界強度導出手段により導出された前記磁界強度とに基づいて、前記第1の試験片の鉄損を導出する第2の鉄損導出手段と、
    前記磁束密度導出手段により導出された前記磁束密度と、前記第3の磁界強度導出手段により導出された前記磁界強度とに基づいて、前記第2の試験片の鉄損を導出する第3の鉄損導出手段と、
    前記第2の鉄損導出手段により導出された前記第1の試験片の鉄損と、前記第3の鉄損導出手段により導出された前記第2の試験片の鉄損とに基づいて前記試験片の鉄損の異方性を導出する異方性導出手段と、を更に有することを特徴とする請求項9に記載の磁気特性測定システム。
  11. 前記磁気特性測定器は、請求項7または8に記載の磁気特性測定器であり、
    前記第2の二次コイルのうち、前記第1の試験片を囲むように配置される前記第2の二次コイルにより検出された前記第2の二次電圧に基づいて前記第1の試験片における磁束密度を導出する第2の磁束密度導出手段と、
    前記第2の二次コイルのうち、前記第2の試験片を囲むように配置される前記第2の二次コイルにより検出された前記第2の二次電圧に基づいて前記第2の試験片における磁束密度を導出する第3の磁束密度導出手段と、を更に有し、
    前記第2の鉄損導出手段は、前記第2の磁束密度導出手段により導出された前記磁束密度と、前記第2の磁界強度導出手段により導出された前記磁界強度とに基づいて、前記第1の試験片の鉄損を導出し、
    前記第3の鉄損導出手段は、前記第3の磁束密度導出手段により導出された前記磁束密度と、前記第3の磁界強度導出手段により導出された前記磁界強度とに基づいて、前記第2の試験片の鉄損を導出することを特徴とする請求項10に記載の磁気特性測定システム。
  12. 請求項1〜8の何れか1項に記載の磁気特性測定器を用いて、前記試験片の磁気特性を測定する磁気特性測定方法であって、
    前記励磁電流、前記二次電圧、および前記磁界測定用電圧に基づいて、前記試験片の磁気特性を導出する磁気特性導出工程を有することを特徴とする磁気特性測定方法。
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