JP7052179B2 - 高強度ポリ乳酸フィラメントを作製するためのプロセス - Google Patents

高強度ポリ乳酸フィラメントを作製するためのプロセス Download PDF

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Description

発明の詳細な説明
本発明は、高強度ポリ乳酸細長体を作製するプロセスに関し、このプロセスは、溶媒中、少なくとも4dL/gの固有粘度を有するポリ乳酸(PLA)の溶液を作製する工程であって、溶液は、溶液の総質量当たりのPLAの質量として表される5~50質量%の濃度cを有する工程と、少なくとも1つの紡糸孔を含む紡糸プレートを通して溶液をエアギャップに紡糸して流体フィラメントを形成する工程と、場合により流体延伸比DRfluidを流体細長体に適用する工程と、流体細長体を冷却媒体と接触させて溶媒含有ゲル細長体を形成する工程と、場合によりゲル延伸比DRgelをゲル細長体に適用する工程と、ゲル細長体から溶媒を少なくとも部分的に除去して、固体の細長体を形成する工程と、少なくとも2の延伸比DRSolidを適用しながら、溶媒を少なくとも部分的に除去する間及び/又はその後に、少なくとも1つの工程で細長体を延伸してPLA細長体を形成する工程とを含む。
更に、本発明は、高強度ポリ乳酸細長体及び前述の細長体を含む製品、特に様々な種類のロープ、布地、及び複合体に関する。
このようなプロセスは、クロロホルム-トルエン混合物における4質量%溶液として12.2dL/gのIVを有するPLLAを紡糸することによりポリ-L-乳酸(PLLA)繊維において記録された最も高い引張り強度値を実現したPostemaら(Journal of Applied Polymer sciences,Vol.39,1265,1990)より知られている。13倍に延伸されたPLLA繊維は、23%の破断伸びで1.70N/texの靱性を有した。Fambriら(Journal of Materials Science:Materials in Medicine,Vol.5,679-683,1994)、Leenslagら(Polymer,Vol.28,1695-1702,1987)、及びElingら(Polymer,Vol.23,1587-1593,1982)は、同様のプロセスを採用したが、Postemaによって作製された繊維の強度を達成することはなかった。Postemaによって作製されたPLLA繊維は高い靭性を有していたが、そのプロセス及び生成物は、このようなプロセスの拡大及び経済的実現可能性に悪影響を及ぼす超高分子量ポリ(L-乳酸)及びPLLAの高い希釈を必要とする。
本明細書では、高強度ポリ乳酸細長体は、この細長体は少なくとも0.3N/tex、好ましくは少なくとも0.4N/texの張り強さを有する、少なくとも約4dL/g(HMWPLA)の固有粘度(25℃でクロロホルム中で測定したIV)を有する高分子量(HMW)又は超高分子量(UHMW)ポリ乳酸(PLA)を含む物体を意味すると理解される。このような高強度細長体は、ロープ及びコード、係留索、漁網、スポーツ用品、布地、医療用途、並びに複合体などの様々な製品に使用するための興味深い材料にする特性プロファイルを有する。
本発明の文脈内では、細長体は、その長さよりはるかに小さい断面寸法を有する細長い物体であると理解される。典型的な細長体は、フィラメント、繊維、ストラップ、ストリップ、テープ、フィルム、又はチューブであり、細長体は連続した物体であると理解され、これは事実上無限の長さである。細長体は、様々な幾何学的形状又は不規則形状の断面を有することができる。
ポリマーからの高強度フィラメントの紡糸の分野では、ポリマーの分子量が増加するにつれて、フィラメントの靭性又は引張り強度が増加することはよく知られている。図1は、公開された文献(表1)から集められ、それらが作製されたPLAの固有粘度に対してプロットされた、フィラメントについて最も高い靱性データを示すことによって文献で報告されたフィラメントについての固有粘度の増加に伴う靱性の前述の増加を確認している。従って、フィラメントの達成可能な靭性は固有粘度に比例すると結論付けられる。
高強度PLA物体の紡糸及び延伸は、使用するポリ乳酸の分子量及び固有粘度が高くなるにつれて、ますます困難になることが更によく知られている。PLAフィラメント紡糸プロセスが工業的規模で商業的に実行可能であるためには、このようなプロセスが中断することなく連続的に、高い処理速度及び最小の溶媒リサイクルで運転できることが重要である。前述の文献の多くで、プロセスの条件が適用され、商業的に魅力のないものにする製品特性が実現される。従って、改良された引張り特性のような改良された性能を示すPLAフィラメントに対する産業上の要求がある。従って、より具体的には、このようなより高い引張り強度のフィラメントを工業規模で製造することを可能にするプロセスが必要とされている。
本発明によれば、これは、流体細長体を冷却する(急冷とも呼ばれる)工程において、冷却媒体が0℃未満の温度(T)を有することを特徴とするプロセスによって提供される。
本発明によるプロセスを用いて、PLAの固有粘度において既知のゲル紡糸PLA細長体よりも高い靱性を有するPLA細長体を製造することができよう。従ってまた、本発明は、ゲル紡糸細長体が含むPLAのdL/gでのIVの少なくとも0.146倍のN/texでの引張り強度を有するゲル紡糸細長体に関する。
驚くべきことに、本発明によるプロセスは、使用されたPLAの固有粘度に関してこれまでにない引張り特性を有する細長体をもたらす。
本発明によるプロセスの別の利点は、これまでに文献に報告されている濃度よりも実質的に高い溶液中のPLA濃度で本プロセスを実施できることである。更に、このプロセスは、商業的規模に容易に拡大することができ、PLAフィラメント又はPLAマルチフィラメント糸条を魅力的な速度で提供する。
溶融物においてPLAを紡糸することもよく知られており、とりわけElingら(Polymer,Vol.23,1587-1593,1982)によって報告されている。このような検討は、多くの場合にフィラメント力価とも称される比較的高いフィラメント線密度(FLD)のフィラメントを許容可能な処理量で提供することによって商業規模で効率的に操作されるプロセスを提供するが、これによって得られるフィラメントは、前述のゲル紡糸プロセスによって製造されるフィラメントより実質的に劣った靭性を有する。図2は、文献(表1)に報告されているゲル及び溶融紡糸フィラメントの両方のフィラメント力価の増加に伴う靱性の減少を確認している。これより、このようなフィラメントは、高強度PLAの必要性を満たさない。従って、改良された引張り特性を有するPLAフィラメントに対する産業上の必要性が残っている。
本発明によるプロセスを用いて、所与のフィラメント力価について、今日までの任意の既知のゲル又は溶融紡糸PLA細長体より高い靭性を有するPLA細長体を得ることができる。従って、本発明の一実施形態は、4~40dl/gの範囲のIVを有するPLAを含み、Ten≧1.4-0.3となる靭性(Ten、N/texで)及びフィラメント力価(t、texで)を有するゲル紡糸細長体に関する。
本出願の文脈におけるポリ乳酸(PLA)とは、乳酸に由来するモノマー単位を含むポリエステルと理解される。好ましくは、PLAは、少なくとも90モル%、好ましくは少なくとも95モル%、より好ましくは98モル%の乳酸に由来するモノマー単位を含み、最も好ましくは実質的にすべてのモノマー単位が乳酸に由来する。本明細書において乳酸由来は、ポリマーの構成ブロックを特徴付けるものであり、例えば乳酸塩又はラクチドの重合によって得られることができるPLAの製造プロセスの限定ではない。化学構造CH-CH(OH)COOHを有する乳酸は、4つの異なる置換基を有する炭素原子を有する。従って、それは2つのエナンチオマー形態、即ちL-乳酸及びD-乳酸で利用可能であり、これより、L-乳酸は、主として天然に存在する形態である。従って、PLAは、一方又は両方のエナンチオマーを等量又は異なる量で含むことができる。本発明の文脈において、紡糸プロセスは、一方のエナンチオマーの存在が他方のものを犠牲にして増加することによってよい影響を受けることが認められた。本発明の好ましい実施形態は、PLA細長体及びPLA細長体を製造するためのプロセスに関し、この場合に、PLAの乳酸モノマー単位は、少なくとも80%、好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、更により好ましくは少なくとも95%、最も好ましくは少なくとも98%のエナンチオマー過剰率、略してEEを有し、これより、エナンチオマー過剰率は、2つのエナンチオマーのモルパーセント間の差であり、これよりラセミ混合物(50:50)は、0%のEE、エナンチオマー純粋化合物、100%のEEを有する。更に好ましい実施形態においては、ポリ乳酸が、少なくとも90モル%、好ましくは少なくとも95モル%、より好ましくは少なくとも98モル%のL-乳酸に由来するモノマー単位を含み、最も好ましくはポリ乳酸はポリ-L-乳酸(PLLA)であるように、L-乳酸は、過剰のD-乳酸で本発明のPLA中に存在する。
本発明の更なる実施形態においては、本発明によるプロセスで適用され、本発明による細長体に存在するポリ乳酸は、ポリ-D-乳酸(PDLA)及びポリ-L-乳酸の混合物であり、この場合に、D及びLポリ乳酸は両方とも、少なくとも80、好ましくは95、最も好ましくは少なくとも98%のエナンチオマー過剰率をそれぞれ有する。好ましくは、PLLA及びPDLAは、0.2~5、好ましくは0.5~2、より好ましくは0.8~1.25、更により好ましくは0.95~1.05、最も好ましくは0.99~1.01の質量比PLLA/PDLAで存在する。本発明のプロセスの又は本発明の細長体のPLAにおけるPDLA及びPLLAの両方の存在は、ゲル細長体の結晶化の速度の増大並びに得られた細長体の耐熱性及び融点の増加により、改良された紡糸プロセスを提供する。
本発明によるプロセスで適用され、本発明による細長体に存在するポリ乳酸は、少なくとも4dL/gの固有粘度(IV)を有する。好ましくは、PLAのIVは、4~40dL/gの範囲、より好ましくは4~30の範囲、より好ましくは5~20dL/gの範囲、更により好ましくは5~15dL/gの範囲、更により好ましくは5~12dL/gの範囲、最も好ましくは5~10dL/gの範囲にあり、紡糸される溶液の加工性と得られた細長体の機械的特性との間のバランスを提供する。固有粘度は、M、M、又はMなどの実際のモル質量パラメータよりも容易に決定することができるモル質量(分子量とも称される)の尺度である。IVとMとの間には文献から知られている経験的関係があるが、このような関係は、モル質量分布に依存し得る。
Figure 0007052179000001

(Leenslag et al.Polymer,Vol.28,1695-1702,1987)に基づき、4又は10dL/gのIVは、それぞれ、約200又は700kg/モルのMとほぼ同等であろう。高温でのポリマーの処理中に、一般的にいくらかの分解が起こり、得られた生成物のモル質量が出発ポリマーのものよりも低くなることはよく知られている。本研究において、PLAをゲル紡糸すると、IVは、仮にあったとしてもわずかに低下する場合があり、出発モル質量及び処理条件に応じて、約0~3dL/gの最終生成物のIV損失をもたらすことが見出された。
好ましくは、PLAは、L-又はD-乳酸モノマー単位のホモポリマーであるが、また、PLAは、少量の他の乳酸エナンチオマー又は他のモノマー単位さえも含むことができ、その中で、ヒドロキシ酸に由来する単位は、ヒドロキシ酢酸、3-ヒドロキシプロピオン酸、2-ヒドロキシブタン酸、3-ヒドロキシブタン酸、4-ヒドロキシブタン酸又は6-ヒドロキシアジピン酸及びその位置異性体、並びにそれらの混合物などである。少量とは、本明細書においては、ポリマー中のモノマー単位の総量に対して、0.1~20モル%、好ましくは0.5~15モル%、より好ましくは1~10モル%のモノマー単位であると理解される。更なるモノマー単位の存在は、PLA細長体の、弾性、即ち破断伸びを増大させることができる。
好ましくは、PLAは、100モノマー単位当たり1未満の分岐、好ましくは300モノマー単位当たり1未満の分岐を有する直鎖型ポリマーである。本出願の範囲内で、分岐は、少なくとも1つのヒドロキシ酸モノマー単位を含む側鎖であると考えられる。PLAにこのような分岐を導入するための適切な方法は、モノマー単位に2つ以上のそれぞれの酸官能基及び/又はヒドロキシル官能基を有する多官能性モノマー単位を更に導入することである。
本発明によるプロセスでは、PLAをゲル紡糸するのに適した既知の溶媒のいずれかを、PLA溶液を作製するための溶媒として使用することができる。比較的低い揮発性の溶媒、即ち、200℃より高い、より好ましくは225又は250℃より高い、大気条件での沸点を有する溶媒を適用するとき、本発明のプロセスが特に有利であることが見出されている。
本発明のプロセスは、冷却媒体、特に溶媒又は溶媒混合物を適切に選択することによって更に改善できることが認められた。冷却媒体の選択基準は、簡素化モデルとしてのグループ寄与理論による限界活量係数(γ∞)計算であり得る。γ∞の計算は、PLAの主な相互作用群によれば、分子類似性に基づいている。クロロホルムなどのPLA用の非常に優れた溶媒は、PLAと会合し、これによって紡糸プロセスに悪影響を与えるが、あまり良い溶媒ではないことが、より延伸性のフィラメント構造をもたらすことが発見された。他方では、PLAについて考慮された温度範囲内の非常に高い限界活量係数も、溶液紡糸に悪影響を及ぼす。このような溶媒は、PLAの官能基との相互作用力を欠き、従って、これらはPLAの貧溶媒である。溶解性能の良好なバランス、従ってPLAの溶液紡糸プロセスにとって有利なことは、とりわけ、例えば、N-メチルピロリドン(NMP)、トルエン、ジメチルホルムアミド(DMF)、フェニルプロピルケトン、アニソール、アセトフェノン、酢酸ベンジル、酢酸エチル、クロロホルム、ジメトキシベンゼン等の溶媒などの冷却媒体に関して確認されている。従って、本発明の好ましい実施形態は、凝集エネルギー密度モデルの修正分離(Modified Separation of Cohesive Energy Density Model)(MOSCED)による限界活性係数(無限希釈での活性係数)を有する、例えば溶媒又は溶媒混合物などの冷却媒体を使用するプロセスに関し、これは、1~2、好ましくは1.1~1.8、最も好ましくは1.3~1.6の、90~190℃、好ましくは100℃~160℃、最も好ましくは120℃~150℃の温度でのハンセン及びヒルデブラント溶解モデルの組み合わせである。純度、吸湿性、反応性、工業的利用可能性、環境及び健康問題などのその他のパラメータを考慮することができ、アセトフェノン及びアニソール又はこれらの混合物である溶媒の好ましい選択をもたらし得る。
本発明によるプロセスを実施する際に、溶媒のPLAの溶液は、公知の方法を用いて作製することができる。好ましくは、二軸押出機を適用して、PLA/溶媒スラリーから均質な溶液を作製する。溶液は、好ましくは定量ポンプを用いて一定の流速で紡糸プレートに供給される。PLA溶液の濃度(c)は、5~50質量%であり、これより、質量%は、溶液の総質量当たりのPLAの質量として計算される。好ましくは、PLA溶液は、6~40質量%、好ましくは8~30質量%、最も好ましくは10~25質量%の濃度を有し、より低い濃度はPLAのモル質量が高いほど好ましい。
好ましくは、濃度cは、5~15dL/gの範囲のIVを有するPLAにおいて10~25質量%である。
PLA溶液は、好ましくは経時にわたり実質的に一定の組成物であり、これは、処理安定性を更に改善し、経時にわたりより一定の品質の細長体をもたらすためである。実質的に一定の組成では、PLAの化学組成及びモル質量、並びに溶液のPLAの濃度などのパラメータは、選択された値の周りの一定の範囲内でのみ変動することを意味する。
PLA溶液は、貯蔵中及び溶液の紡糸中のPLAの加水分解を制限するために、低い水分含有量を有するべきである。溶液の個々の成分を予備乾燥することによって、又は溶液自体を乾燥することによって、溶液の低含水量を得ることができる。好ましくは非吸湿性溶媒が使用される。
本発明によれば、PLA溶液は、少なくとも1つの紡糸孔を含む紡糸プレートを通して前述の溶液を紡糸することによって少なくとも1つの個々の細長体に形成される。好ましくは、紡糸プレートは、少なくとも5つの紡糸孔、より好ましくは少なくとも25の紡糸孔を含む。好ましい実施形態においては、紡糸プレートの紡糸孔はそれぞれ、少なくとも1つの収縮領域を含む形状を有する。本明細書において収縮領域とは、紡糸孔において延伸比DRspが達成される、初期直径Dから最終直径Dまで、好ましくは60°未満、より好ましくは50°未満、更により好ましくは40°未満の円錐角で直径が徐々に減少する領域と理解される。好ましくは、紡糸孔は、収縮領域の上流及び/又は下流、一定直径の領域を更に含む。多くの場合にキャピラリーと称される、一定の直径を有する下流領域が存在する場合、このような領域は、好ましくは1~50の長さ/直径比L/Dを有する。
好ましくは、紡糸プレートを通して溶液を紡糸する工程は、溶媒の融点より上で沸点より下の紡糸温度、より好ましくは100℃~250℃で実施される。例えば、アセトフェノンが溶媒として使用される場合、紡糸温度は、好ましくは多くとも200℃、より好ましくは多くとも180℃、更により好ましくは多くとも160℃、好ましくは少なくとも100℃、より好ましくは少なくとも110℃、最も好ましくは少なくとも120℃である。
好ましくは、流動細長体は、紡糸孔からエアギャップ内へ、次いでクエンチ領域内へ放出され、前述のエアギャップは、好ましくは1mm~50mm、より好ましくは2mm~30mm、更により好ましくは2mm~20mm、最も好ましくは2mm~5mmの長さを有する。エアギャップと称されるが、前述のギャップは、任意のガス又はガス混合物、例えば、空気、窒素、又はその他の不活性ガスで満たされることができる。本明細書においてエアギャップとは、紡糸プレートと急冷領域との間の距離と理解される。本発明によるプロセスでは、流体細長体を紡糸孔から出たときに延伸することができ、流体細長体を十分な張力下に保ち、紡糸孔から出たときの流体速度よりも細長体を冷却した後に速いピックアップ速度を適用することによって緩和を防止する。冷却時のゲル化又は固化の前に適用されるこの伸張は、エアギャップDRagにおける延伸比と称され、従来技術ではドローダウン又はジェットドローとも称され、典型的には1~20、より好ましくは1.5~10、最も好ましくは2~8である。
紡糸プレート及びエアギャップDRsp及びDRagに適用される2つの任意の延伸比の組み合わせは、その流体段階においてPLA溶液に適用される伸長を表す流体延伸比DRfluid(DRsp×DRagによって計算される)に組み合わせることができる。
好ましい実施形態においては、冷却媒体は、流体、好ましくは液体、最も好ましくは、水、又はアルコール、ケトン、エーテル又はエステル官能基、或いは40:60m/m水:エチレングリコールなどのこのような溶媒又は官能基の組み合わせを含む有機溶媒である。好ましくは、冷却媒体は、PLAゲル細長体の溶媒又は溶媒混合物及びPLA用の非溶媒と混和性ではない。溶媒含有ゲル細長体への流体細長体の冷却は、ガス流体を用いて、又は前述の液体冷却媒体中で直接、又はエアギャップを通過した後に、細長体を急冷することによって行うことができ、浴は好ましくはPLA溶液用の非溶媒を含む。ガス冷却が適用される場合、エアギャップは、細長体がゲル化する前の空気中の長さである。好ましくは、液体急冷浴は、エアギャップと組み合わせて適用され、その利点は、延伸及び冷却条件がガス冷却によるよりも明確に規定され制御されることである。エアギャップと称されるが、例えば、窒素などの不活性ガスが流れる結果として、又は細長体から溶媒が蒸発する結果として、大気は空気と異なる場合がある。好ましくは、強制ガス流は存在しない、又は低流速のみが存在する。好ましい実施形態においては、細長体は、その液体が溶媒に混和性ではなく、その温度が制御され、少なくとも流体細長体が急冷浴に入るところで細長体に沿って流れる、冷却液体を含む浴で急冷される。
冷却媒体の温度が、-5℃未満、より好ましくは-10℃未満、更により好ましくは-15℃未満、最も好ましくは-20℃未満の温度Tに更に低下したとき、PLA細長体の紡糸プロセスが更に改善されたことが認められた。このようなより低い温度では、より高い強度のゲル細長体が形成される傾向があり、その結果、破損が少なく取り扱うことができる。
本発明のプロセスは、式
Figure 0007052179000002

を考慮することによって冷却媒体の温度Tを調整することによって最適化できることが更に認められ、式中、Tは、少なくとも20℃、より好ましくは少なくとも30℃、更に好ましくは少なくとも40℃、最も好ましくは少なくとも50℃である。冷却媒体のこのような温度下で操作されたプロセスは、PLA細長体の増大した堅牢性及びより高い靭性を示した。
流体細長体の冷却速度、即ち、流体細長体が急冷されてゲル細長体を形成する速度は、本発明のプロセスを更に最適化することを可能にすることが認められた。冷却速度の増加は、冷却媒体温度を下げる、冷却媒体対流を増やす、又は細長体の寸法を小さくすることによって細長体の表面積対体積比を高めるなどのいくつかの手段によって達成することができる。
冷却媒体に浸漬することによってゲル細長体を形成した後、細長体を収集し、更に冷却してPLA結晶化プロセスを向上させることができる。或いは、ゲル細長体は、紡糸溶媒の少なくとも部分的な除去を連続的に受けることができる。
固体の細長体を形成するためのゲル細長体からの溶媒除去は、公知のプロセス、例えば、比較的揮発性の溶媒を用いてPLA溶液を調製するときの蒸発、抽出液の使用又は両方の方法の組み合わせによって行うことができる。適切な抽出液は、細長体のPLAネットワーク構造に大きな変化を引き起こさない液体である。好ましくは、抽出液は、エタノールなどの溶媒をリサイクルのために抽出液から分離することができるように選択される。
本発明によるPLA細長体の作製プロセスは、溶液細長体の任意の延伸に加えて、少なくとも2の延伸比DRSolidで、冷却し溶媒を少なくとも部分的に除去した後、ゲル細長体及び/又は固体細長体に対して行われる少なくとも1つの延伸工程で細長体を延伸することを更に含む。好ましくは、延伸は、3段階以上で、好ましくは約120~220℃で増大するプロファイルを有する異なる温度で行われる。(半)固体の細長体に適用される2段階延伸比は、DRSolid=DRSolid1 DRSolid2として表され、即ち、それぞれの延伸工程において適用された延伸比からなる。
細長体の引張り特性を最適化するために、約35までの延伸比DRSolidを適用することができることが見出されている。本発明によるプロセスにおいて部分的に延伸された細長体の改善された延伸性及び強度の結果として、好ましくは5~30の範囲の比較的高い延伸比が、流体細長体に適用される延伸比にもよるが、頻繁な破損を生じることなく適用され得る。
本発明のプロセスの好ましい実施形態においては、細長体の総延伸比(DRtotal)は、少なくとも5、好ましくは少なくとも7、最も好ましくは少なくとも10であり、この場合、DRtotal=DRfluid×DRSolidである。
本発明によるプロセスは、例えば、細長体に紡糸仕上げ剤又はサイズ剤を塗布することなどの、当技術分野において公知の更なる工程を更に含むことができる。
更に、本発明は、本発明によるプロセスによって得られる、ゲル紡糸細長体に関し、この細長体は、PLAの所与のIVに対して、任意の既知のPLAフィラメントよりも高い引張り強度を示す。より具体的には、本発明によるゲル紡糸細長体は、4~40dl/gの範囲のIVを有するPLAを含み、ISO5079に従って測定された少なくともf IVのN/texでの靭性を有し、この場合に、係数fは0.146(N/tex).(g/dL)、好ましくは、fは0.148、より好ましくは0.150、更により好ましくは0.155、最も好ましくはfは0.160である。細長体の靭性は特に限定されないが、それでも、係数fは、0.30、好ましくは0.25(N/tex).(g/dL)の上限を有することができる。
本発明の更なる実施形態においては、ゲル紡糸細長体は、4~40dl/gの範囲のIVを有するPLAを含み、ISO5079に従って測定されたN/tex(Ten)での靭性及びTen≧f -0.3であるtex(t)でのフィラメント力価を有し、この場合に、係数fは1.40N.tex-0.7であり、好ましくはfは1.45、より好ましくは1.50、更により好ましくは1.60、最も好ましくはfは1.70である。別の実施形態においては、前述の靱性は、Ten≧f -1/3という条件を考慮し、この場合に、係数fは1.60N.tex-2/3、好ましくはfは1.65、更により好ましくは1.80、最も好ましくはfは1.90である。フィラメント及びこのようなフィラメントを含む糸条は、高い靱性を有するフィラメント及び糸条を提供しながら商業規模での製造を可能にすることから、特に経済的に魅力的である。
また、本発明は、前述の靱性関係のうちの2つ以上に関するゲル紡糸細長体に関する。更に、本発明の細長体は、高い靭性を有するだけでなく、他の多くの工業用の高い靱性の繊維よりも優れた破断伸びを有することができる。具体的には、本発明による細長体は、少なくとも10%、好ましくは少なくとも15%、より好ましくは少なくとも20%(ISO5079に従って測定される)の破断伸びを有し得る。本発明の細長体は、それらを物品における様々な用途で有用にする物理的特性を有する。従って、本発明の一実施形態は、本発明のゲル紡糸細長体を含む物品に関する。好ましくは、前述の物品は、糸条、ロープ、釣り糸、釣りネット、貨物ネット及びカーテン、凧線、テニスラケットストリング、キャンバス、不織布、ウェビング、ホース、切創及び刺傷耐性物品、保護手袋、スポーツ用具、ヘルメット、帆、ジオテキスタイル、又は医療器具である。
更に、本発明は、本発明の細長体を含む医療器具に関する。好ましい実施形態においては、医療器具は、ケーブル又は縫合糸であり、好ましくはインプラントに使用される。その他の例としては、メッシュ、エンドレスループ製品、バッグ状又は風船状の製品に加えて、その他の織られた及び/又は編まれた製品が挙げられる。ケーブルの良好な例としては、外傷固定ケーブル、胸骨閉鎖ケーブル、及び、予防的である、補綴ケーブル、長骨骨折固定ケーブル、短骨骨折固定ケーブルが挙げられる。また、例えば、靱帯代替物などのためのチューブ状の製品は、本発明による細長体から好適に製造される。本発明による細長体から作製されるこうした製品は、荷重を保持する表面とヒト又は動物体に曝される表面との間の効率的な比を示す。本発明による糸条は、侵入を受けやすくなく、良好な吸収特性を受けやすくないことができることが更に認められた。
以下、実施例を参照し本発明を更に詳細に説明する。
[方法]
・固有粘度(IV)は、溶解時間は48時間であり、異なる濃度で測定された粘度をゼロ濃度に外挿することによって、クロロホルム中25℃でASTM-D2857-95(2007)に基づいて決定される。文献に報告されているポリマーのIVの計算には、一般に認められている経験式
Figure 0007052179000003

が用いられる。
・引張り特性:靭性及び破断伸び(又はeab)は、公称ゲージ長さ50mmの繊維、クロスヘッドスピード25mm/分、及びタイプ空気圧グリップのPlexiglas(登録商標)製造の標準的なジョーフェース(44mm)を有するクランプを有するTextechno社のFavimat(Tester no.37074、Textechno Herbert Stein GmbH&Co.KG,Monchengladbach,Germanyより)を用いて、ISO5079:1995に従った手順でモノフィラメント繊維について規定及び決定される。フィラメントは25mm/分の速度で0.004N/texで予荷重された。靱性の計算のために、測定された引張り力をフィラメント線密度(力価)で割り、GPaにおける値は、1.29g/cmの密度を仮定して計算される。
・線密度:モノフィラメントの線密度の決定は、ASTMD1577-01に従って測定され、半自動のマイクロプロセッサ制御引張り試験機((the Favimat,tester no.37074,Textechno Herbert Stein GmbH&Co.KG,Monchengladbach,Germanyより)で行った。代表的な長さの試験されるモノフィラメントは、鋭利な刃で前述のモノフィラメントから切り取られ、Plexiglas(登録商標)製造の2つ(4×4×2mm)のジョーフェイスの間に2つの小さな紙片(4×4mm)で固定された。長さはモノフィラメントの良好な装着を確実にするのに十分であり、約70mmであった。
クランプジョー間のモノフィラメントの長さの線密度は、テスターのソフトウェアに実装されてテスターのマニュアルに記載されているルーチンに従って前述のように振動的に(vibroscopically)決定される。測定中のジョー間の距離は50mmに保ち、モノフィラメントに2mm/分の速度で0.06N/texで張力をかける。
[紡糸プロセス1]
第1シリーズの実験を行い、これより、アセトフェノン又はアニソールに溶解した5.9dL/g(クロロホルム、25℃)のIVを有するPLLAホモポリマーの様々な濃度の溶液を、2.5cc/分の押し出し速度にて20℃で、1つの紡糸孔を有する150℃の設定温度で紡糸プレートを通し、ギアポンプを備えた9mm共回転二軸スクリュー押し出し機で空気中に押し出した。紡糸孔は、直径3.0mm及びL/Dが10の初期円筒形チャネルを有し、続いて円錐角15°で円錐形収縮して直径0.8mm及びL/Dが10の円筒形チャネルを形成した。溶液フィラメントを様々な温度に設定したエチレングリコール/水(60/40質量/質量)浴中で急冷し、約40mmのエアギャップ中で紡糸したままのフィラメントに1の延伸比が適用される速度で巻き取り、シリンダーに巻いて集めた。いくつかの実験では、ゲルフィラメントの統合性が低いために急冷したフィラメントを回収することができなかった。その後、PLLAゲルフィラメントをエタノール中で24時間溶媒抽出し、周囲条件下で24時間乾燥した。その後、無溶媒フィラメントは、120℃で長さ1mのオーブンに入り、延伸比3で伸張された。フィラメントを約2の延伸比を適用することにより140℃で2回伸張し、更に160℃で3回伸張して全延伸比とした。様々な実験における関連するデータを表2に示す。
[紡糸プロセス2]
第2シリーズの実験を行い、これより、アセトフェノンに溶解した7.6dL/g(クロロホルム、25℃)のIVを有するPLLAホモポリマーの様々な濃度の溶液を、0.1cc/分の押し出し速度にて20℃で、1つの紡糸孔を有する120℃の設定温度で紡糸プレートを通し、Fourne plunger型押し出し機で空気中に押し出した。紡糸孔は、直径3.0mmの初期直径を有し、円錐角15°で円錐形収縮して直径0.2mm及びL/Dが3の円筒形チャネルを形成した。溶液フィラメントを様々な温度に設定したエチレングリコール/水(60/40質量/質量)浴中で急冷し、約40mmのエアギャップ中で紡糸したままのフィラメントに1の延伸比が適用される速度で巻き取り、シリンダーに巻いて集めた。その後、PLLAゲル-フィラメントをエタノール中で24時間溶媒抽出し、周囲条件下で24時間乾燥した。その後、無溶媒フィラメントは、120℃で長さ1mのオーブンに入り、延伸比3で伸張された。表3に報告されているように、フィラメントを、約2の延伸比を適用することにより140~150℃で2回伸張し、更に160~175℃で3回伸張して全延伸比とした。
Figure 0007052179000004
Figure 0007052179000005
Figure 0007052179000006
フィラメントについての固有粘度の増加に伴う靱性の増加を示す。 フィラメント力価の増加に伴う靱性の減少を示す。

Claims (14)

  1. ポリ乳酸細長体を作製するプロセスであって、
    a)溶媒中、少なくとも5~20dL/gの固有粘度(IV、25℃でクロロホルム中で測定)を有するポリ乳酸(PLA)の溶液を作製する工程であって、前記溶液は、溶液の総質量当たりのPLAの質量として表される5~50質量%の濃度Cpを有する工程と、
    b)少なくとも1つの紡糸孔を含む紡糸プレートを通して前記溶液を紡糸して流体細長体を形成する工程と、
    c)場合により延伸比DRfluidを前記流体細長体に適用する工程と、
    d)前記流体細長体を冷却媒体と接触させて溶媒含有ゲル細長体を形成する工程と、
    e)前記ゲル細長体から前記溶媒を少なくとも部分的に除去して、固体の細長体を形成する工程と、
    f)少なくとも2の延伸比(DRSolid)を適用しながら、工程e)の前、その間、及び/又はその後に、少なくとも1つの工程で細長体を延伸してPLA細長体を形成する工程と、
    を含むプロセスにおいて、工程d)において、前記冷却媒体は、0℃未満の温度Tqを有することを特徴とする、プロセス。
  2. Tqは、-5℃未満である、請求項1に記載のプロセス。
  3. Figure 0007052179000007

    であり、Tは、少なくとも20℃である、請求項1に記載のプロセス。
  4. 前記ポリ乳酸は、5~15dL/gの範囲の固有粘度を有する、請求項1~3のいずれか一項に記載のプロセス。
  5. 前記ポリ乳酸は、少なくとも90モル%のL-乳酸に由来するモノマー単位を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載のプロセス。
  6. 前記細長体の総延伸比(DRtotal)は、少なくとも5であり、DRtotal=DRfluid×DRSolidである、請求項1~5のいずれか一項に記載のプロセス。
  7. 前記PLA溶液は、6~40質量%の濃度cを有する、請求項1~6のいずれか一項に記載のプロセス。
  8. 前記冷却媒体は、流体である、請求項1~7のいずれか一項に記載のプロセス。
  9. 前記冷却媒体は、1~2の90~190℃の温度で測定された限界活量係数を有する、請求項1~8のいずれか一項に記載のプロセス。
  10. ゲル紡糸ポリ乳酸細長体であって、前記細長体は、5-15dl/gの範囲の固有粘度(IV、25℃でクロロホルム中で測定)を有するポリ乳酸(PLAを含み、Ten≧f IVであるN/texでのISO5079に従って測定された靱性(Ten)を有し、係数fは、0.150である、ゲル紡糸ポリ乳酸細長体。
  11. ゲル紡糸ポリ乳酸細長体であって、前記細長体は、5~15dl/gの範囲の固有粘度(IV、25℃でクロロホルム中で測定)を有するポリ乳酸(PLAを含み、Ten≧f -0.3であるISO5079に従って測定されたN/tex(Ten)での靭性及びtex(t)でのフィラメント力価を有し、係数fは1.40N.tex-0.7である、ゲル紡糸ポリ乳酸細長体。
  12. 前記細長体は、ISO5079に従って測定される、少なくとも10%の破断伸びを有する、請求項10又は11に記載のゲル紡糸ポリ乳酸細長体。
  13. 前記細長体は、フィラメント、繊維、ストラップ、ストリップ、テープ、フィルム、又はチューブである、請求項10~12のいずれか一項に記載のゲル紡糸ポリ乳酸細長体。
  14. 請求項10~13のいずれか一項に記載のゲル紡糸ポリ乳酸細長体を含む物品。
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