JP7051551B2 - モータ制御装置及び直流モータの電流リップル検出方法 - Google Patents

モータ制御装置及び直流モータの電流リップル検出方法 Download PDF

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Description

本発明は直流(DC)モータの制御技術に関し、特に、ホールIC等のセンシング素子や、ロータリーエンコーダ、タコジェネレータなどの回転検出部材を使用することなく、モータ回転数や回転方向等の検出が可能なモータ制御装置に関する。
従来より、ブラシ付きDCモータの動作制御に際し、その回転数や回転角度を検出する手法として、ブラシと整流子片の接触が切り替わる際に生じる電流リップルを利用した所謂センサレスポジショニングが知られている。一般に、ブラシ付きDCモータのモータ電流(電機子電流)は、ブラシと接触する整流子片が切り替わると、モータ巻線のインダクタンスに応じた傾きで立ち上がり、その後、電源電圧と逆起電圧との差に応じて変化する。すなわち、モータ電流は一定の値ではなく、モータ回転位置に対応した脈動(リップル)を伴っている。
このような電流リップルは、モータ電流に重畳された状態となっている。そこで、モータ電流から電流リップルを抽出し、その中から特徴的な波形を検知したり、それをパルス状の波形に整形してゼロクロス点などを検出したりすることにより、ホールIC等の回転検出部材を設けることなく、モータ回転数や回転方向等を検出する手法が種々提案されている。例えば、特許文献1には、ブラシが隣接する次の整流子片に切り替わる際に、モータ電流中に生じるスパイク状のパルス出力を検出してモータ回転数を検出する構成が記載されている。また、特許文献2には、モータ電流に含まれる電流リップルを検出してモータ回転数を検出する際、電流リップルを増加させることにより、回転検出精度を向上させる構成が示されている。
特開2009-159674号公報 特開2016-77130号公報
一方、ブラシ付きDCモータにおける電流リップル波形のレベルは、モータ電流と比例関係で増減する。ところが、モータ電流は、モータの負荷状態により大きく変化するため、負荷変化と共にリップル波形も大きく変動する。また、モータ電流には、モータから発生するブラシノイズも重畳されている。このため、これらの不安定要素を含むモータ電流から電流リップルのみを抽出し、それをパルス波形等に整形するには、特許文献2のように、リップル発生量をある程度大きくする必要がある。
しかしながら、電流リップルを増大させるためには、ステータ側の磁極ピッチを不均等化するなどの変更が必要であり、トルクリップルが増大するなど、モータ本来の性能や特性に影響を及ぼすおそれがある上、モータ音や発熱を増加させてしまう懸念がある。また、変化の大きい電流リップルから波形整形を行うためには、フィルタの精緻化が必要となり、カットオフ設定によっては、設定を外れた場合、パルスの不出力や遅れ等が発生する懸念がある。
さらに、モータは、初期状態では比較的きれいなリップル波形を出力するものの、経年劣化や周辺環境変化によって、本来の電流リップル以外に不要なリップル状の波形を出す傾向があり、これを本来のリップルと誤認識してしまうおそれがある。図13は、経年劣化等によって生じる不要リップル波形とそれによる誤認識の様子を示す説明図である。図13(a)のように、モータも当初は安定した電流リップル波形(正規リップルRr)を出力するが、経年等により、図13(b)に示すような不要リップルRfが出力される場合がある。このような不要リップルRfが生じると、電流リップルをパルス変換した場合に、不要リップルも正規の電流リップルと誤認識し、図13(c)のような誤パルスPfを形成してしまう可能性がある。かかる誤パルスPfが正規の電流リップルによるパルス中に混在すると、モータ回転数やパルス誤検知によるモータ位置等の誤認識が生じ、モータの制御性が低下してしまうおそれがある。
本発明の目的は、ホールIC等の回転検出部材を用いずにモータ回転数や回転方向等の検出を行う所謂センサレスポジショニングにおいて、経年等によって生じる不要リップルをモータ電流から除去し、電流リップル成分の検出精度の向上を図ることにある。
本発明のモータ制御装置は、直流モータの電機子電流に含まれる電流リップルを検出し、前記電流リップルを矩形波信号として出力するリップル検出装置を有するモータ制御装置であって、前記リップル検出装置は、前記電機子電流を検知し、その変化を電圧変化信号として出力する電流検出部と、前記電圧変化信号から電流リップル成分とノイズ成分を抽出し、電流リップル成分とノイズ成分からなる第1平滑信号S1を出力する第1平滑部と、前記第1平滑信号S1から振幅が均一化された信号を波形成形し、調整信号VCAとして出力する利得調整部と、前記調整信号VCAを一定の中心値を有する直線的な信号に矯正し、第2平滑信号S2を作成する第2平滑部と、前記第2平滑信号S2からノイズ成分を除去し電流リップル成分のみを抽出し、リップル成分信号S0を出力するリップル検出部と、前記リップル成分信号S0をデジタル信号に変換するデジタル信号変換部と、を有し、前記第1平滑部は、検出対象とされる前記電機子電流の正規の電流リップル成分とは異なる不要リップル成分を抽出する不要リップル抽出部と、前記電圧変化信号から前記不要リップル成分を減じ、正規の電流リップル成分を得る正規リップル抽出部と、を有することを特徴とする。
本発明にあっては、不要リップル抽出部により、まず、電圧変化信号から不要リップル成分を抽出する。そして、正規リップル抽出部にて、抽出した不要リップル成分を電圧変化信号から減じることにより、不要リップルを除去し、電圧変化信号から正規の電流リップル成分を抽出する。これにより、経年劣化や周辺環境変化による不要リップルが除去され、電流リップルをパルス変換する際に、不要リップルを本来のリップルと誤って認識し、誤パルスが形成されるのを防止できる。
前記モータ制御装置において、前記不要リップル抽出部にローパスフィルタを配し、前記正規の電流リップル成分よりも周波数の低い前記不要リップル成分を抽出しても良い。また、前記不要リップル抽出部にハイパスフィルタを配し、前記正規の電流リップル成分よりも周波数の高い前記不要リップル成分を抽出しても良い。さらに、前記不要リップル抽出部にローパスフィルタとハイパスフィルタを配し、前記ローパスフィルタにより前記正規の電流リップル成分よりも周波数の低い前記不要リップル成分を抽出すると共に、前記ハイパスフィルタにより前記正規の電流リップル成分よりも周波数の高いい前記不要リップル成分を抽出するようにしても良い。
一方、本発明の直流モータの電流リップル検出方法は、直流モータの電機子電流に含まれる電流リップルを検出し、前記電流リップルを矩形波信号として出力する直流モータの電流リップル検出方法であって、前記電機子電流を検知し、その変化を電圧変化信号として出力し、前記電圧変化信号から電流リップル成分とノイズ成分を抽出し、前記電流リップル成分を抽出する際、検出対象とされる前記電機子電流の正規の電流リップル成分とは異なる不要リップル成分を抽出し、前記電圧変化信号から前記不要リップル成分を減じることにより前記正規の電流リップル成分を得、該正規の電流リップル成分とノイズ成分からなる第1平滑信号S1を出力し、前記第1平滑信号S1から振幅が均一化された信号を波形成形して調整信号VCAとして出力し、前記調整信号VCAを一定の中心値を有する直線的な信号に矯正して第2平滑信号S2を作成し、前記第2平滑信号S2からノイズ成分を除去し電流リップル成分のみを抽出してリップル成分信号S0を出力し、前記リップル成分信号S0をデジタル信号に変換することを特徴とする。
本発明にあっては、電圧変化信号から不要リップル成分を抽出し、その後、抽出した不要リップル成分を電圧変化信号から減じることにより、電圧変化信号から不要リップルを除去し、正規の電流リップル成分を抽出する。その結果、経年劣化や周辺環境変化による不要リップルが除去され、電流リップルをパルス変換する際に、不要リップルを本来のリップルと誤って認識し、誤パルスが形成されるのを防止できる。
本発明のモータ制御装置によれば、電圧変化信号に基づいて電流リップル成分とノイズ成分からなる第1平滑信号S1を出力する第1平滑部に、正規の電流リップル成分とは異なる不要リップル成分を抽出する不要リップル抽出部と、電圧変化信号から不要リップル成分を減じ、正規の電流リップル成分を得る正規リップル抽出部と、を設けたので、電圧変化信号から不要リップルを除去し、正規の電流リップル成分を抽出することが可能となる。これにより、経年劣化や周辺環境変化による不要リップルが除去され、不要リップルに起因する、モータ回転数やパルス誤検知によるモータ位置等の誤認識を防止し、モータの制御性低下を抑えることが可能となる。
本発明の直流モータの電流リップル検出方法によれば、電圧変化信号から電流リップル成分を抽出する際、正規の電流リップル成分とは異なる不要リップル成分を抽出し、電圧変化信号から不要リップル成分を減じるようにしたので、不要リップルが除去された正規の電流リップル成分を電圧変化信号から抽出することが可能となる。これにより、経年劣化や周辺環境変化による不要リップルが除去され、不要リップルに起因する、モータ回転数や回転方向等の誤認識を防止し、モータの制御性低下を抑えることが可能となる。
本発明の一実施形態であるモータ制御装置の構成を示すブロック図である。 電流検出部からの出力信号の一例である。 第1制御電圧発生回路における処理を示す説明図である。 第1変動成分平滑回路における処理を示す説明図である。 不要リップル除去の処理を示す説明図である。 電圧変化信号から不要リップルを除去した実際の波形を示す説明図である。 CV反転回路おける処理を示す説明図である。 自動利得調整回路における処理を示す説明図である。 第2平滑回路ブロックにおける処理を示す説明図である。 リップル検出部における処理を示す説明図である。 デジタル信号変換部における処理を示す説明図である。 不要リップル除去回路の構成を示す説明図である。 経年劣化等によって生じる不要リップル波形とそれによる誤認識の様子を示す説明図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態であるモータ制御装置1の構成を示すブロック図である。モータ制御装置1は、例えば、車両のパワーウインド用モータの動作制御に適用され、モータ電流(電機子電流)に含まれる電流リップルを、ホールIC等を用いることなく抽出し、矩形波の形で出力し、モータの回転数や回転方向等を算出する。モータ制御装置1にはリップル検出装置10が設けられており、本発明の電流リップル検出方法は、このリップル検出装置10によって実施される。リップル検出装置10は、電源2からブラシ付きDCモータ3(以下、モータ3と略記する)に電力を供給する電源ライン4上に配置される。電源ライン4にはシャント抵抗5が設けられており、リップル検出装置10は、シャント抵抗5の前後(電源2側とモータ3側)に接続される。
図1に示すように、リップル検出装置10は、シャント抵抗5側から順に、電流検出部11、第1平滑回路ブロック(第1平滑部)12、利得調整部13、第2平滑回路ブロック(第2平滑部)14、リップル検出部15、及び、デジタル信号変換部16の各機能ブロックから構成されている。リップル検出装置10においては、電流検出部11は、シャント抵抗5の前後の電圧差(電圧降下)を検出してモータ駆動電流を検知する一方、その変化を電圧変化信号として出力する。この電圧変化信号は、第1平滑回路ブロック12以下の各機能ブロックに送られ(利得調整部13→第2平滑回路ブロック14→リップル検出部15)、電圧変化信号から電流リップル成分のみが抽出される。そして、抽出された電流リップル成分は、デジタル信号変換部16によって、エンコーダ出力相当のパルス信号に変換されて出力され、このパルス信号に基づいてモータ3の回転数が検出される。
以下、リップル検出装置10における各機能ブロックでの処理について順を追って説明する。前述のように、電流検出部11では、シャント抵抗5の前後の電圧差を捉え、それを電圧変化信号として出力する(電流検出ステップ)。図2は、電流検出部11からの出力信号の一例である。電流検出部11では、電源電圧に基づくバイアス電圧Voff1を基準として、シャント抵抗5の前後の電圧差が差動増幅された形で出力される。図2に示すように、電圧変化信号には、ノイズ成分と電流リップル成分が含まれた状態となっており、電流検出部11からはこの状態の電圧信号が出力され、第1平滑回路ブロック12に送られる。
第1平滑回路ブロック12には、第1制御電圧(CV:Control Voltage)発生回路21と、第1変動成分平滑回路22が設けられている。第1平滑回路ブロック12では、図2の電圧変化信号から電流リップル成分とノイズ成分を抽出する(第1平滑化ステップ)と共に、電圧変化信号から経年等によって生じる不要リップルを除去する。図3は第1制御電圧発生回路21における処理を示す説明図、図4は第1変動成分平滑回路22における処理を示す説明図である。なお、図3,4は、不要リップルを含んだ電圧変化信号の処理を示している。第1制御電圧発生回路21は、ローパスフィルタ23を用いることにより、電流検出部11より入力された電圧変化信号(図2)から、電流リップル成分の中心値をモータ駆動電流の変化成分として抽出すると共に、不要リップルを抽出し(図3のfv(t))、第1制御電圧CV1として出力する(第1制御電圧発生ステップ)。
この場合、リップル波形の傾きは、モータのインダクタンスと、ブラシが整流子片を跨ぐときの電流変化との関係で決まる。このため、fv(t)を抽出するためのローパスフィルタ23のカットオフ周波数fc1は、モータインダクタンスによる周波数成分とモータロック時のリップル周波数成分との間で、モータ仕様や設置条件等を勘案して適宜決定される。また、不要リップルの周波数は、正規の電流リップルと異なるため、不要リップルと正規リップルとの間にカットオフ周波数fc1を設定し、不要リップルを抽出する。当該実施の形態では、不要リップルの周波数が正規リップルの周波数よりも低い場合を想定し、ローパスフィルタ23によって不要リップルの抽出を行っている。第1制御電圧発生回路21にて抽出された第1制御電圧CV1は、電流リップル成分の中心値と不要リップル成分を含んだ形で形成され、第1変動成分平滑回路22や利得調整部13に出力される。
第1変動成分平滑回路22では、電流検出部11で得られた電圧変化信号から、第1制御電圧発生回路21にて求めた第1制御電圧CV1を用いて電流リップル成分(+ノイズ成分)を抽出すると共に、不要リップルの除去を行う。すなわち、図2の電圧変化信号(図4(a))と、第1制御電圧CV1(図4(c))の差分を取ることにより、電圧変化信号からモータ駆動電流の変動分(変化成分)と不要リップル成分を取り除き、正規の電流リップル成分(+ノイズ成分)を抽出する(図4(e))。
図5は、不要リップル除去の処理過程を示す説明図である。図5(a)のように、電圧変化信号には、経年等により、正規の電流リップル成分(以下、正規リップルRr)に不要リップルRfが含まれて来る。このような電圧変化信号をローパスフィルタ23にかけると、正規リップルよりも周波数の低い不要リップルRfはフィルタを通り、図5(b)のような信号が得られる。第1制御電圧発生回路21は、不要リップル抽出部として、図5(a)→(b)の処理により、電圧変化信号から不要リップル成分を抽出している。これにより、本実施形態における前述の第1制御電圧CV1は、電流リップル成分の中心値と共に、図5(b)のような不要リップルRf成分が含まれた状態で形成される。
そこで、図5(a)の信号から図5(b)の信号を減じると、不要リップルRfが取り除かれ、図5(c)のような正規リップルRrが残った状態の信号が得られる。第1変動成分平滑回路22は、正規リップル抽出部として、この減算処理により、電圧変化信号から不要リップル成分を除去している。図6は、実際の電圧変化信号(図6(a))から不要リップルを除去した状態(図6(b))を示す説明図であり、図6(b)の処理後の波形では、不要リップルRfが抑えられ、正規リップルRrが顕在化されていることが分かる。
このように、本発明によるリップル検出装置10では、不要リップルと正規リップルの周波数差に着目して、周波数フィルタを用いることにより、まず、電圧変化信号から不要リップルのみを抽出する。そして、抽出した不要リップル成分を元の電圧変化信号から減じることにより、不要リップルを除去し、電圧変化信号から正規リップルのみを抽出する。これにより、経年劣化や周辺環境変化による不要リップルを除去することができ、不要リップルを本来のリップルと誤って認識してしまうのを防止できる。その結果、図5(d)に示すように、電流リップルをパルス変換した場合に、不要リップルによって誤パルスが形成されるのを防止でき、不要リップルに起因する、モータ回転数や回転方向等の誤認識を防止し、モータの制御性低下を抑えることが可能となる。
また、第1変動成分平滑回路22では、図4(b),(d)に示すように、バイアス電圧Vref1,Vref2を用いて、電圧変化信号と第1制御電圧CV1との電圧レベル(波形の高さ)が合わされる。これにより、電流リップル成分とノイズ成分のみが不要リップル成分を除去した状態で抽出され、図4(e)のような第1平滑信号S1が出力される(第1変動成分平滑化ステップ)。図4(e)に示すように、第1平滑信号S1は、波形の中心レベルが一定化されているため、その後の波形成形処理が容易となり、その確実性も向上する。
図4(e)に示すように、第1変動成分平滑回路22によって得られた信号は、モータ電流の変化による振幅変化を伴っている。そこで、次に、利得調整部13により、図4(e)の信号を均一の振れ幅の信号に波形成形する(利得調整ステップ)。利得調整部13には、CV反転回路(制御電圧反転回路)24と、自動利得調整回路25が設けられており、図7はCV反転回路24おける処理を示す説明図、図8は自動利得調整回路25における処理を示す説明図である。利得調整部13では、CV反転回路24によって反転された逆位相の反転第1制御電圧CV1’と、第1変動成分平滑回路22からの第1平滑信号S1により図8(c)のような調整信号VCAが作成される。
図7に示すように、CV反転回路24では、第1制御電圧発生回路21から入力された第1制御電圧CV1の上下が反転され、反転第1制御電圧CV1’が出力される(制御電圧反転ステップ)。自動利得調整回路25は、第1平滑信号S1に対し、反転第1制御電圧CV1’を掛け合わせることにより、第1平滑信号S1の振幅を均一化する。すなわち、第1平滑信号S1と、第1制御電圧CV1とは波形が上下反対の反転第1制御電圧CV1’とを掛け合わせることにより、振れ幅の大きい部位には小さな電圧、小さい部位には大きな電圧がそれぞれ掛けられ、図8(c)のように振幅が均一化された調整信号VCAが出力される(利得調整ステップ)。これにより、電流リップル成分のレベルが均一化され、波形処理の確実性が向上する。
利得調整部13にて得られた調整信号VCAは、第2平滑回路ブロック14に送られ再び平滑化される(第2平滑化ステップ)。図8(c)に示すように、調整信号VCAは、振幅は均一化されているものの、今度は、反転第1制御電圧CV1’の変化に沿って全体が曲がった形となっている。このため、それを一定の中心値を有する直線的な信号に矯正すべく、第2平滑回路ブロック14にて平滑化処理を行う。第2平滑回路ブロック14には、第2制御電圧発生回路26と、第2変動成分平滑回路27が設けられており、第1平滑回路ブロック12と同様の処理が実行される。
図9は、第2平滑回路ブロック14における処理を示す説明図である。図9(b)に示すように、第2平滑回路ブロック14においても、第2制御電圧発生回路26にて調整信号VCAから第2制御電圧CV2が作成される(第2制御電圧発生ステップ)。そして、第2変動成分平滑回路27により、この第2制御電圧CV2と、利得調整部13より入力された調整信号VCAから、図9(c)の第2平滑信号S2が作成される。つまり、図9(a)の波形から、一点鎖線にて示した第2制御電圧CV2(図9(b))を引く形で、図9(c)のような第2平滑信号S2が形成される(第2変動成分平滑化ステップ)。
一方、第2平滑信号S2には、図9(c)に示すように、電流リップル成分とノイズ成分が混在している。そこで、リップル検出部15では、第2平滑信号S2から電流リップル成分のみを抽出する(リップル検出ステップ)。図10は、リップル検出部15における処理を示す説明図である。この場合、ノイズ成分は電流リップル成分に比べて周波数が高いことから、ハイパスフィルタ28を用いて、第2平滑信号S2(図10(a))からまずノイズ成分のみを取り出す(ノイズ成分抽出ステップ)(図10(b))。この際、ハイパスフィルタ28のカットオフ周波数fc2は、モータインダクタンスによる電流リップル成分の立ち上がり、立ち下がり時間の周波数成分と、ノイズ成分周波数成分との間で、システム仕様に合わせて適宜検証の上設定する。
第2平滑信号S2からノイズ成分のみを取り出した後、それを反転させて第2平滑信号S2と合成する。すなわち、差動増幅回路29に、第2平滑信号S2と、そのノイズ成分の逆位相信号を入力することにより、第2平滑信号S2からノイズ成分を除去して増幅し、電流リップル成分のみを顕在化させたリップル成分信号S0を形成し、出力する(図10(c))。これにより、図2に示した電圧変化信号から、図10(c)のような電流リップル成分のみの信号が抽出される(電流リップル成分抽出ステップ)。このような形で第2平滑信号S2からノイズ成分を除去すると、モータ電流から、電流リップルの波形を鈍らせることなく、電流リップル成分のみを抽出することができる。
このようにして電流リップル成分のみを抽出した後、それをデジタル信号変換部16に送りデジタル信号化する(デジタル信号化ステップ)。図11は、デジタル信号変換部16における処理を示す説明図である。デジタル信号変換部16では、リップル検出部15から送られて来たリップル成分信号S0(図11(a))を位相シフト部31によって若干位相をずらす(位相シフト信号作成ステップ)。そして、コンパレータ32において、オリジナルのリップル成分信号S0と、それを微小に位相がずれた信号S0’とを比較し、図11(d)のようなパルス信号化する。
この場合、コンパレータ32は、信号S0と信号S0’のうち、例えば、信号S0が大きい場合はH、信号S0’が大きい場合はLという形で信号が出力される。従って、図11(c)に示すように、区間PにおいてはS0>S0’のため「H」、区間QにおいてはS0<S0’のため「L」がそれぞれ出力され、リップル成分信号S0の変化に対応した矩形波状のパルス信号が形成され、出力される(デジタル変換ステップ)。
このようにして形成された矩形波状のパルス信号は、各パルスが、ブラシと整流子片との接触の切り替わりに対応している。ブラシと整流子片の数はモータごとに予め定まっているため、このパルスをカウントすることにより、モータ3の回転数を算出することができる。すなわち、モータ電流中の電流リップルから、ホールIC等の回転検出部材を用いることなく、モータ3の回転数を検出することが可能となる。その際、本発明の装置・方法にあっては、磁極ピッチなどの変更等によって電流リップルを増大させる必要がなく、従来のモータ構成そのままでリップル抽出が可能である。このため、モータの性能や特性を損なうことなく、また、モータ音や発熱を増加させることなく、リップルセンシングが可能となる。さらに、精緻なフィルタや微妙なカットオフ設定も不要となり、パルスの不出力や遅れなどの問題も防止することが可能となる。
本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
例えば、前述の実施形態では、第1制御電圧発生回路21にて不要リップルを抽出し、第1変動成分平滑回路22にてモータ駆動電流の変化成分と共に不要リップルを除去する構成を示したが、第1平滑回路ブロック12では不要リップルの除去は行わず、第1平滑回路ブロック12の後段に、ローパスフィルタ41と差動増幅器42を備え、第1平滑回路ブロック12と同様の構成の不要リップル除去回路43(図12)を別途配しても良い。その場合、第1変動成分平滑回路22ではモータ駆動電流の変化成分のみを除去し、後段の不要リップル除去回路43にて不要リップルを除去する。
また、前述の実施形態では、不要リップルをローパスフィルタによって抽出する構成を示したが、不要リップルの周波数が正規リップルの周波数よりも高い場合は、ハイパスフィルタを用いて不要リップルを抽出し、電圧変化信号からそれを減じることにより、不要リップルを除去しても良い。その場合、ハイパスフィルタは、ローパスフィルタ23の後段に配したり、第1平滑回路ブロック12の後段に配される前述の不要リップル除去回路43に配したりすることができる(ローパスフィルタ41に代えてハイパスフィルタを配置する)。なお、ローパスフィルタとハイパスフィルタを両方用いても良く、その場合は、ローパスフィルタ23の後段にハイパスフィルタを配する構成や、ローパスフィルタを備えた不要リップル除去回路と、ハイパスフィルタを備えた不要リップル除去回路の両方を第1平滑回路ブロック12の後段に配する構成などが採用し得る。
さらに、前述の実施形態では、第1平滑回路ブロック12から、利得調整部13、第2平滑回路ブロック14を経た上で第2平滑信号S2をリップル検出部15に入力しているが、電流リップル成分が少ない信号(例えば、モータ電流の増減が少ない電流波形等)では、利得調整部13と第2平滑回路ブロック14の処理を割愛し、図1に破線にて示したように、第1平滑回路ブロック12の第1平滑信号S1をリップル検出部15に直接入力しても良い。電流リップル成分が少ない信号では、利得調整部13にてリップル成分の均一化を図らなくとも、リップル検出部15での処理が可能な場合があり、その場合には、利得調整部13と、それとセットで用いられる第2平滑回路ブロック14(利得調整により発生する波形の増減を補正)を省くことが可能である。
加えて、前述の実施形態では、リップル検出部15にて、第2平滑信号S2からノイズ成分のみを取り出した後、それを反転させて第2平滑信号S2に加算しているが、第2平滑信号S2からノイズ成分(非反転)を減算しても良い。
本発明によるモータ制御装置・電流リップル検出方法は、パワーウインド用モータの動作制御のみならず、ワイパやパワーシート等の他の車載電動装置や、ブラシ付きモータを用いた家庭用電気製品等に広く適用可能である。
1 モータ制御装置
2 電源
3 ブラシ付きDCモータ
4 電源ライン
5 シャント抵抗
10 リップル検出装置
11 電流検出部
12 第1平滑回路ブロック(第1平滑部)
13 利得調整部
14 第2平滑回路ブロック(第2平滑部)
15 リップル検出部
16 デジタル信号変換部
21 第1制御電圧発生回路(不要リップル抽出部)
22 第1変動成分平滑回路(正規リップル抽出部)
23 ローパスフィルタ
24 CV反転回路
25 自動利得調整回路
26 第2制御電圧発生回路
27 第2変動成分平滑回路
28 ハイパスフィルタ
29 差動増幅回路
31 位相シフト部
32 コンパレータ
41 ローパスフィルタ
42 差動増幅器
43 不要リップル除去回路
CV1 第1制御電圧
CV1’反転第1制御電圧
CV2 第2制御電圧
S0 リップル成分信号
S0’ シフト信号
S1 第1平滑信号
S2 第2平滑信号
VCA 調整信号
Voff1 バイアス電圧
Vref1 バイアス電圧
Vref2 バイアス電圧
fc1 カットオフ周波数
fc2 カットオフ周波数
Rr 正規リップル
Rf 不要リップル
Pf 誤パルス

Claims (5)

  1. 直流モータの電機子電流に含まれる電流リップルを検出し、前記電流リップルを矩形波信号として出力するリップル検出装置を有するモータ制御装置であって、
    前記リップル検出装置は、
    前記電機子電流を検知し、その変化を電圧変化信号として出力する電流検出部と、
    前記電圧変化信号から電流リップル成分とノイズ成分を抽出し、電流リップル成分とノイズ成分からなる第1平滑信号S1を出力する第1平滑部と、
    前記第1平滑信号S1から振幅が均一化された信号を波形成形し、調整信号VCAとして出力する利得調整部と、
    前記調整信号VCAを一定の中心値を有する直線的な信号に矯正し、第2平滑信号S2を作成する第2平滑部と、
    前記第2平滑信号S2からノイズ成分を除去し電流リップル成分のみを抽出し、リップル成分信号S0を出力するリップル検出部と、
    前記リップル成分信号S0をデジタル信号に変換するデジタル信号変換部と、を有し、
    前記第1平滑部は、検出対象とされる前記電機子電流の正規の電流リップル成分とは異なる不要リップル成分を抽出する不要リップル抽出部と、前記電圧変化信号から前記不要リップル成分を減じ、正規の電流リップル成分を得る正規リップル抽出部と、を有することを特徴とするモータ制御装置。
  2. 請求項1記載のモータ制御装置において、
    前記不要リップル抽出部は、ローパスフィルタを備え、前記正規の電流リップル成分よりも周波数の低い前記不要リップル成分を抽出することを特徴とするモータ制御装置。
  3. 請求項1記載のモータ制御装置において、
    前記不要リップル抽出部は、ハイパスフィルタを備え、前記正規の電流リップル成分よりも周波数の高い前記不要リップル成分を抽出することを特徴とするモータ制御装置。
  4. 請求項1記載のモータ制御装置において、
    前記不要リップル抽出部は、ローパスフィルタとハイパスフィルタを備え、前記ローパスフィルタにより前記正規の電流リップル成分よりも周波数の低い前記不要リップル成分を抽出すると共に、前記ハイパスフィルタにより前記正規の電流リップル成分よりも周波数の高いい前記不要リップル成分を抽出することを特徴とするモータ制御装置。
  5. 直流モータの電機子電流に含まれる電流リップルを検出し、前記電流リップルを矩形波信号として出力する直流モータの電流リップル検出方法であって、
    前記電機子電流を検知し、その変化を電圧変化信号として出力し、
    前記電圧変化信号から電流リップル成分とノイズ成分を抽出し、前記電流リップル成分を抽出する際、検出対象とされる前記電機子電流の正規の電流リップル成分とは異なる不要リップル成分を抽出し、前記電圧変化信号から前記不要リップル成分を減じることにより前記正規の電流リップル成分を得、該正規の電流リップル成分とノイズ成分からなる第1平滑信号S1を出力し、
    前記第1平滑信号S1から振幅が均一化された信号を波形成形し、調整信号VCAとして出力し、
    前記調整信号VCAを一定の中心値を有する直線的な信号に矯正し、第2平滑信号S2を作成し、
    前記第2平滑信号S2からノイズ成分を除去し電流リップル成分のみを抽出してリップル成分信号S0を出力し、
    前記リップル成分信号S0をデジタル信号に変換することを特徴とする直流モータの電流リップル検出方法。
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