JP7051386B2 - 回路基板 - Google Patents

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Description

本発明は、回路基板に関する。
従来、ユーザのパネルに対する接触位置を検出可能なタッチパネルなどに用いられる回路基板が種々提案されている(例えば、特許文献1参照)。従来技術に係る回路基板にあっては、静電容量方式のタッチパネルに用いられ、複数のX電極(送信電極)と、複数のX電極にそれぞれ対応する複数のY電極(受信電極)とが所定距離離間して配設される。
そして、例えばユーザの指が電極付近に近づくと、近づいた位置のX電極とY電極との間の静電容量が変化する。静電容量の変化によって、各電極に接続された制御IC(Integrated Circuit)が受信する信号強度も変化し、かかる信号強度の変化に基づいて接触位置を検出するように構成される。
特開2017-27097号公報
ところで、上記した各電極と制御ICとは配線を介して接続され、かかる配線は基板の配線領域に配線される。詳しくは、回路基板にあっては、複数のX電極にそれぞれ接続される複数のX配線と、複数のY電極にそれぞれ接続される複数のY配線とが配線領域に配線される。
しかしながら、X配線やY配線の配線長さ、他の電極との位置関係などは、電極ごとに異なるため、電極間で信号強度にバラツキが発生することがある。上記のように、電極間に信号強度にバラツキが発生すると、接触の誤検出を招くおそれがあった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、電極間における信号強度のバラツキを低減することができ、接触の誤検出を抑制することが可能な回路基板を提供することを目的とする。
上記課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、回路基板において、X配線と、Y配線と、補正用配線部とを備える。X配線は、基板上に配設されたX電極に接続されるとともに、前記X電極が配設される電極領域の外周に設けられた配線領域へ引き出されて配線される。Y配線は、前記X電極と対応して前記基板上に配設されたY電極に接続されるとともに、前記配線領域へ引き出されて配線される。補正用配線部は、前記X配線および前記Y配線の少なくともいずれかに形成され、前記X電極と前記Y電極との間の静電容量を補正する。
本発明によれば、電極間における信号強度のバラツキを低減することができ、接触の誤検出を抑制することが可能となる。
図1は、実施形態に係る回路基板を備えたタッチパネルを示す分解斜視図である。 図2は、回路基板を説明するための平面図である。 図3Aは、X電極の信号強度を示すグラフである。 図3Bは、Y電極の信号強度を示すグラフである。 図4は、補正用配線部付近の拡大平面図である。 図5は、補正用配線部の交差部の拡大断面図である。 図6Aは、変更されるX配線の線幅の一例を示す図である。 図6Bは、変更されるY配線の線幅の一例を示す図である。 図7は、第1変形例に係る回路基板の一例を示す平面図である。 図8は、第2変形例に係る回路基板の一例を示す平面図である。 図9は、第3変形例に係る回路基板の一例を示す平面図である。 図10は、第4変形例に係る回路基板の一例を示す平面図である。
以下、添付図面を参照して、本願の開示する回路基板の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
以下では、実施形態に係る回路基板がタッチパネルに用いられる場合を例に挙げて説明するが、これに限られるものではない。例えば、実施形態に係る回路基板は、タッチパッドやタッチスイッチなど、ユーザのパッドやスイッチ等に対する接触を検出するデバイスに用いられてもよい。
図1は、実施形態に係る回路基板を備えたタッチパネル1を示す分解斜視図である。タッチパネル1は、例えば、カーナビゲーション装置、スマートフォン、タブレット型端末装置、PC(Personal Computer)等の電子機器に搭載されて画像を表示し、ユーザが表示画面をタッチ操作した場合に、タッチ操作に応じた処理を搭載機器に実行させる表示操作装置として機能する。
なお、図1においては、説明の便宜のために、X軸、Y軸およびZ軸を有する3次元の直交座標系を図示している。かかる直交座標系は、後述の説明に用いる他の図面でも示す場合がある。
なお、本明細書においては、「X軸方向」「Y軸方向」「Z軸方向」などの表現を用いるが、これはあくまでも説明の便宜のためであって、タッチパネル1などが電子機器等に搭載されたときの方向を限定するものではない。
また、図1や図2以降に示す図は、いずれも模式図である。したがって、図1等に示される各構成要素の大きさや形状等は必ずしも正確ではない。また、各図では、理解を容易にするため、各構成要素を誇張して示す場合がある。
図1に示すように、タッチパネル1は、表示装置11と、回路基板12と、操作パネル13とが順次積層されて構成される。
表示装置11は、例えば、液晶ディスプレイであり、動画、静止画、およびテキスト文書等といった任意の画像を表示することができる。操作パネル13は、例えば、アクリル板等の光透過性を備えた平板状の部材であり、略中央に操作面13aを有する。
回路基板12は、操作パネル13の操作面13aに対する接触や接触位置などを検出する検出回路である。具体的には、回路基板12は、第1回路基板20と、第2回路基板40とを備える。
第1回路基板20は、操作パネル13に対する接触位置などを検出するためのX電極およびY電極(いずれも後述)等が配設される基板である。なお、第1回路基板20は、例えば、X電極やY電極が同じ層に配設される1層の回路基板である。
第2回路基板40は、第1回路基板20の電極に接続された各種の配線が引き出されて配線される基板である。第2回路基板40としては、例えば、フレキシブルプリント基板(FPC(Flexible Printed Circuits))を用いることができる。
なお、上記では、回路基板12は、第1回路基板20と第2回路基板40とで別体となるように構成されるが、これに限定されるものではなく、第1回路基板20と第2回路基板40とが一体であってもよい。
次いで、上記した回路基板12について図2以降を参照してさらに詳しく説明する。図2は、回路基板12を説明するための平面図である。
図2に示すように、回路基板12の第1回路基板20には、上記したX電極21およびY電極31が配設される。X電極21は、例えば送信電極(ドライブ電極)であり、複数ある。なお、図2などに示すX電極21やY電極31の数や配設位置は、あくまでも例示であって限定されるものではない。
詳しくは、X電極21は、第1回路基板20上にX軸方向たる行方向に沿って配設される。図2において二点鎖線Axで囲って示すように、行方向に沿って配設された1行のX電極21は、Y軸方向に並列して複数配設される。なお、図2では、X電極21がY軸方向に6行並んでいる例を示している。
Y電極31は、複数のX電極21にそれぞれ対応するように構成される、別言すれば、対となるように構成される。そして、一対のX電極21とY電極31とによって、接触位置などの検出用の電極として機能するが、これについては後述する。
Y電極31は、例えば受信電極(センシング電極)であり、複数ある。詳しくは、Y電極31は、第1回路基板20上にY軸方向たる列方向に沿って配設される、言い換えると、Y軸方向に延在して配設される。
図2において二点鎖線Ayで囲って示すように、列方向に沿って配設された1列のY電極31は、X軸方向に並列して複数配設される。なお、図2では、Y電極31がX軸方向に6列並んでいる例を示している。
以下、第1回路基板20において、X電極21やY電極31が配設される領域を「電極領域R1」と記載する場合がある。なお、図2等では、かかる電極領域R1を一点鎖線で囲んで示している。
なお、図2などでは、理解の便宜のため、X電極21をドットで示すとともに、Y電極31を斜線で示しているが、例えば、X電極21やY電極31を、導体線をメッシュ状に形成したメッシュパターンなどを用いて形成してもよい。これにより、例えば、X電極21やY電極31などがユーザから見えにくくなり、タッチパネル1の意匠性を向上させることができる。
上記したX電極21やY電極31は、各電極を制御する制御IC60と配線を介して接続される。詳しくは、回路基板12は、複数のX電極21にそれぞれ接続される複数のX配線22と、複数のY電極31にそれぞれ接続される複数のY配線32とを備える。
X配線22は、X軸方向の同じ行に配設される複数のX電極21同士を電気的につなげるため、第1回路基板20のX電極21からY軸方向に延在されて第2回路基板40まで一旦配線される。
なお、第2回路基板40において、X配線22やY配線32が配線される領域を「配線領域R2」と記載する場合がある。なお、図2等では、かかる配線領域R2を一点鎖線で囲んで示している。
配線領域R2は、上記した電極領域R1の外周に設けられる。詳しくは、配線領域R2は、電極領域R1に対してY軸負方向に隣接して設けられる。
そして、第2回路基板40の配線領域R2において、同じ行に配設されるX電極21から延びるX配線22同士が連結される。具体的には、X配線22は、まず第1回路基板20のX電極21から配線領域R2のZ軸正方向側の面であるおもて面(「一方の面」の一例)側へ引き出されて配線された後、ビア45を介して配線領域R2のZ軸負方向側の面である裏面(「他方の面」の一例)側に配線される。
なお、図2などにあっては、配線領域R2の裏面側に配線されるX配線22を破線で示している。このように、X配線22には、配線領域R2のおもて面に配線される部位と、裏面に配線される部位とが含まれる。
そして、配線領域R2の裏面側に配線されたX配線22は、同じ行に配設されるX電極21から延びるX配線22同士で連結されつつ、制御IC60に接続される。なお、このX配線22は、X電極21およびY電極31との間の静電容量を補正するように構成されるが、これについては後に詳しく説明する。
Y配線32は、第1回路基板20のY電極31からY軸方向に延在されて配線領域R2のおもて面側へ引き出されて配線された後、制御IC60に接続される。このように、Y配線32には、配線領域R2のおもて面においてY軸方向に沿って配線される部位が含まれる。
上記のように構成された回路基板12が用いられるタッチパネル1(図1参照)は、静電容量方式によってユーザの接触位置を検出する。ここで、静電容量方式のタッチパネル1がユーザの接触位置を検出する原理について説明する。
図2に示すように、送信電極であるX電極21と、受信電極であるY電極31とは、所定距離離間して配設されている。そして、例えば、X電極21に、制御IC60からX配線22を介してパルス電圧が加えられることで、X電極21とY電極31とによって静電容量(コンデンサ)が形成され、コンデンサに電荷が蓄積されてX電極21とY電極31との間に電界が発生する。
そして、例えば、ユーザの指が操作パネル13(図1参照)に接触すると、X電極21と指との間にも電界が発生し、X電極21およびY電極31の電界が減少する。これに伴って、指が接触した位置のX電極21とY電極31との間の静電容量が変化する。この静電容量の変化によって、各電極に接続された制御IC60が受信する信号強度も変化することから、かかる信号強度の変化した位置を接触位置として検出することができる。
ところで、X配線22やY配線32の配線長さ、他の電極との位置関係などは、電極ごとに異なるため、電極間で信号強度にバラツキが発生することがある。ここでは、一例として、電極の列By(図2参照)および電極の列Bx(図2参照)における信号強度のバラツキについて図3A,3Bを参照して説明する。
図3Aは、電極の列Byの信号強度を示すグラフであり、図3Bは、電極の列Bxの信号強度を示すグラフである。なお、図3Aおよび図3Bは、発明者らが例えば実験を通じて得たグラフであり、従来技術における信号強度を二点鎖線で示し、本実施形態における信号強度を実線で示している。また、図3Aおよび図3Bにおいて、信号強度の規定範囲Eは、制御IC60で正確に接触を検出することのできる信号強度の範囲を示している。
先ず電極の列Byの信号強度について説明する。図3Aに示すように、従来技術に係る電極の列Byにあっては、電極の位置が電極領域R1のY軸の負側(図2で紙面下側)にいくにつれて、言い換えると、電極の配設位置が配線領域R2に近づくにつれて、信号強度が低下している。
これは、X電極21から配線領域R2まで引き出されるX配線22の長さが一因と考えられる。すなわち、X配線22は、Y電極31付近を通って配線領域R2まで配線されることから、Y電極31との間に静電容量が生じる。これにより、X電極21における静電容量が増加し、対応する電極の信号強度も増加するため、例えば制御IC60では信号強度の増加分を考慮に入れつつ、接触を検出できるように設計される。
しかしながら、X配線22の長さは、接続先のX電極21の配設位置が配線領域R2に近づくにつれて短くなるため、静電容量の増加が比較的少なくなり、よって対応する電極の信号強度の増加も比較的少なくなる場合がある。かかる場合に、電極の信号強度は、X電極21の配設位置が配線領域R2に近づくにつれて低下することとなる。
また、従来技術にあっては、図3Aに示すように、電極領域R1のY軸方向において最も正側(図2で紙面において最上段)の電極の信号強度が、Y軸負側に隣接する電極の信号強度に比べて小さくなっている。
これは、最上段の電極にあっては、自身の配設位置よりY軸正側にY電極31が存在しないことが一因と考えられる。すなわち、最上段の電極においては、Y軸正側にY電極31が存在しないため、Y軸負側に隣接する電極に比べ、静電容量が小さくなって信号強度も小さくなっていると考えられる。
このように、X配線22の配線長さや他の電極との位置関係などに起因して、複数の電極間で信号強度にバラツキが発生することがある。
次に、電極の列Bxの信号強度について説明する。図3Bに二点鎖線で示すように、従来技術にあっては、電極領域R1のX軸方向の端部側に配設された電極、具体的には、X軸の正側および負側(図2で紙面左右側)に配設された電極の信号強度が、当該電極より中央側に配設された他の電極の信号強度に比べて小さくなっている。
これは、X軸の正側の電極にあっては、自身の配設位置よりX軸正側にX電極21が存在しないため、X軸負側に隣接する電極に比べ、静電容量が小さくなって信号強度も小さくなっていると考えられる。同様に、X軸の負側の電極にあっては、自身の配設位置よりX軸負側にX電極21が存在しないため、X軸正側に隣接する電極に比べ、静電容量が小さくなって信号強度も小さくなっていると考えられる。
このように、電極の列Bxにおいても、他の電極との位置関係などに起因して、複数の電極間で信号強度にバラツキが発生することがある。
上記のように、電極間で信号強度にバラツキが生じると、信号強度が規定範囲Eから外れやすく、接触の誤検出を招くおそれがあった。そこで、本実施形態に係る回路基板12にあっては、電極間における信号強度のバラツキを低減することができ、接触の誤検出を抑制することが可能となるように構成した。
具体的に説明すると、図2に示すように、本実施形態に係る回路基板12は、補正用配線部50を備える。補正用配線部50は、X電極21とY電極31との間の静電容量を補正するための配線であり、第2回路基板40の配線領域R2に設けられる。本実施形態では、かかる補正用配線部50によって、電極間における信号強度のバラツキを低減でき、接触の誤検出を抑制することができる。
図4は、補正用配線部50付近の拡大平面図である。補正用配線部50は、X配線22とY配線32とが平面視において交差する交差部51を含む。かかる交差部51は、X配線22を、Y配線32に対して平面視において交差させることで形成される。
詳しくは、交差部51は、平面視において、X配線22をY配線32に向けて交差させた後、Uターンさせて再びY配線32と交差させることで形成される。すなわち、X配線22は、一つのY配線32に対して複数回(ここでは2回)交差することとなる。
なお、本明細書において、平面視において交差するとは、X配線22とY配線32とが同一平面上で交わる状態を意味するものではなく、例えばX配線22とY配線32とがねじれの位置関係にあって、Z軸方向から見た場合に交差している状態、言い換えると、X配線22とY配線32とが立体交差している状態を意味する。
また、図4に示す例では、複数のX配線22の全てをY配線32に対して平面視において交差させるようにしたが、これに限定されるものではなく、複数のX配線22の一部をY配線32と交差させてもよい。
図5は、補正用配線部50の交差部51のうち、一点鎖線の閉曲線Fで囲まれた部分の拡大断面図である。
図5に示すように、第2回路基板40は、基材42を備える。交差部51にあっては、基材42のおもて面42aにY配線32が配線される一方、裏面42bにX配線22が配線されることとなる。なお、X配線22やY配線32が配線された基材42は、例えば樹脂製のカバー材43によって覆われてもよい。
X配線22はX電極21に接続され、Y配線32はY電極31に接続されていることから、交差部51におけるX配線22とY配線32とはコンデンサになって、静電容量が発生する。
X配線22とY配線32との間に静電容量が発生すると、かかるX配線22およびY配線32につながる電極の信号強度が大きくなる。従って、本実施形態にあっては、例えば電極間における信号強度のバラツキが生じている場合、補正用配線部50の交差部51に発生する静電容量を適宜に調整することで、対応する電極の静電容量を補正し、これによって電極間の信号強度のバラツキを抑制することができる。
具体的には、図4に示すように、補正用配線部50の交差部51にあっては、X配線22およびY配線32の少なくともいずれかの線幅を変更することで、対応する電極の静電容量を補正するようにした。
詳しく説明すると、交差部51のX配線22とY配線32との間に発生する静電容量は、下記の式(1)によって算出することができる。
C=εS/d ・・・式(1)
なお、式(1)において、Cは静電容量、εは誘電体の誘電率、Sは平面視においてX配線22とY配線32とが交差している面積、dはX配線22とY配線32との間の距離である。
式(1)から分かるように、交差部51のX配線22やY配線32の線幅を大きくすると、面積Sが大きくなり、結果として交差部51に発生する静電容量が増加することとなる。そして、静電容量が増加したX配線22やY配線32に接続される電極の信号強度も増加することとなる。
従って、例えば、図3A,3Bに示したように、信号強度が低下している電極に接続されるX配線22やY配線32について、交差部51で線幅を大きくすれば、電極の信号強度が増加する。これにより、他の電極の信号強度との差が小さくなり、電極間の信号強度のバラツキを抑制することができる。
さらに詳しく説明すると、図4に示すように、交差部51は、第1領域51aと、第2領域51bとに分けることができる。そして、第1領域51aの交差部51は、Y配線32の線幅を変更することで、列Bxの電極間の信号強度のバラツキを抑制するように構成される。一方、第2領域51bの交差部51は、X電極21の線幅を変更することで、列Byの電極間の信号強度のバラツキを抑制するように構成される。
具体的には、第1領域51aにおいては、X配線22の線幅は変更されず、Y配線32の線幅が変更される。第2領域51bにおいては、Y配線32の線幅は変更されず、X配線22の線幅が変更される。
ここで、変更されるX配線22の線幅およびY配線32の線幅について、図6A,6Bを参照して説明する。図6Aは、第2領域51bにおいて変更されるX配線22の線幅の一例を示す図である。また、図6Bは、第1領域51aにおいて変更されるY配線32の線幅の一例を示す図である。
図6Aに示すように、X配線22の線幅は、電極領域R1のY軸の負側(図2で紙面下側)にいくにつれて、言い換えると、対応するX電極21の配設位置が配線領域R2に近づくにつれて、大きくなるように変更される。
なお、X配線22の線幅と接続先のX電極21における静電容量の補正量とは、相関関係にある。すなわち、X配線22の線幅の増加によって、X配線22の静電容量が増え、それによって接続先のX電極21における静電容量の補正量が増加することとなる。従って、線幅が変更されるX配線22を含む補正用配線部50は、X電極21における静電容量の補正量が、X電極21の配設位置が配線領域R2に近づくにつれて大きくなるように構成されるといえる。
また、電極領域R1のY軸方向において最も正側(図2で紙面において最上段)のX電極21に接続されるX配線22の線幅が、Y軸負側に隣接するX電極21に接続されるX配線22の線幅に比べて大きくなるように変更される。
上記のように、線幅が大きくなるように変更されたX配線22は、接続先のX電極21を含む電極の信号強度が低下している配線である(図3A参照)。従って、X配線22の線幅が上記のように変更されることで、低下していた電極の静電容量が補正されて、信号強度が増加することとなる。
これにより、図3Aに実線で示すように、低下していた電極の信号強度と他の電極の信号強度との差が小さくなり、よって列Byの電極間の信号強度のバラツキを抑制することができる。そして、列Byの電極間の信号強度のバラツキを抑制することで、各電極の信号強度を規定範囲E内に収めることが可能となり、接触の誤検出を抑制することができる。
次に、第1領域51aにおいて線幅が変更されるY配線32について説明する。図6Bに示すように、電極領域R1のX軸方向の端部側に配設されたY電極31に接続されるY配線32の線幅、具体的には、X軸の正側および負側(図2で紙面左右側)に配設されたY電極31に接続されるY配線32の線幅が、当該Y電極31より中央側に配設された他のY電極31に接続されるY配線32の線幅に比べて大きくなるように変更される。
なお、Y配線32の線幅と接続先のY電極31における静電容量の補正量とは、相関関係にある。すなわち、Y配線32の線幅の増加によって、Y配線32の静電容量が増え、それによって接続先のY電極31における静電容量の補正量が増加することとなる。従って、線幅が変更されるY配線32を含む補正用配線部50は、電極領域R1の端部側に配設されたY電極31における静電容量の補正量が、電極領域R1の端部側のY電極31より中央側に配設されたY電極31における静電容量の補正量に比べて大きくなるように構成されるといえる。
上記のように、線幅が太くなるように変更されたY配線32は、接続先のY電極31を含む電極の信号強度が低下している配線である(図3B参照)。従って、Y配線32の線幅が上記のように変更されることで、低下していた電極の静電容量が補正されて、信号強度が増加することとなる。
これにより、図3Bに実線で示すように、低下していた電極の信号強度と他の電極の信号強度との差が小さくなり、よって列Bxの電極間の信号強度のバラツキを抑制することができる。そして、列Byの電極間の信号強度のバラツキを抑制することで、各電極の信号強度を規定範囲E内に収めることが可能となり、接触の誤検出を抑制することができる。
上述してきたように、実施形態に係る回路基板12は、X配線22と、Y配線32と、補正用配線部50とを備える。X配線22は、基板12上に配設されたX電極21に接続されるとともに、X電極21が配設される電極領域R1の外周に設けられた配線領域R2へ引き出されて配線される。Y配線32は、X電極21と対応して基板12上に配設されたY電極31に接続されるとともに、配線領域R2へ引き出されて配線される。補正用配線部50は、X配線22およびY配線32の少なくともいずれかに形成され、X電極21とY電極31との間の静電容量を補正する。これにより、電極間における信号強度の差を低減することができ、接触の誤検出を抑制することが可能となる。
(第1変形例)
上記した実施形態にあっては、図4に示すように、平面視において交差しているX配線22およびY配線32の線幅は一定とされるが、これに限定されるものではない。図7は、第1変形例に係る回路基板12の一例を示す平面図である。なお、以下においては、実施形態と共通の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
図7に示すように、第1変形例に係る回路基板12にあっては、交差部51において、X配線22とY配線32とが交差する部分ごとに、X配線22やY配線32の線幅が変更される。第1変形例にあっては、上記した構成により、実施形態と同様の効果を得ることができる。
(第2変形例)
次に、第2変形例に係る回路基板12について説明する。図8は、第2変形例に係る回路基板12の一例を示す平面図である。
図8に示すように、第2変形例にあっては、補正用配線部50の交差部51が、Y配線32を、X配線22に対して平面視において交差させることで形成されるようにした。すなわち、補正用配線部50がY配線32の配線形状を変えることで、形成されるようにした。
第2変形例にあっては、上記のように構成することで、実施形態と同様の効果を得ることができる。なお、図8に示す例では、複数のY配線32の全てをX配線22に対して平面視において交差させるようにしたが、これに限定されるものではなく、複数のY配線32の一部をX配線22と交差させてもよい。
(第3変形例)
次に、第3変形例に係る回路基板12について説明する。図9は、第3変形例に係る回路基板12の一例を示す平面図である。
図9に示すように、配線領域R2の裏面側に配線されたX配線22は、同じ行に配設されるX電極21から延びるX配線22同士で連結されるが、このとき、配線領域R2のおもて面に配線されるY配線32と平面視において交差する部位がある。
そこで、第3変形例では、かかる交差部位を補正用配線部50の交差部51として利用するようにした。従って、第3変形例にあっては、交差部51として利用される部位のX配線22やY配線32の線幅が適宜に変更されることで、実施形態と同様の効果を得ることができる。
(第4変形例)
次に、第4変形例に係る回路基板12について説明する。図10は、第4変形例に係る回路基板12の一例を示す平面図である。
図10に示すように、第4変形例において、補正用配線部50は、X配線22とY配線32との離間距離d1が変更されることで、対応する電極の静電容量を補正するようにした。なお、図10では、補正用配線部50はY配線32に形成され、補正用配線部50のY配線32がX配線22に近づけるように配線されることで、離間距離d1が変更される。
これにより、上記した式(1)において、X配線22とY配線32との間の距離dが小さくなり、結果として補正用配線部50に発生するX配線22とY配線32との間に発生する静電容量が増加することとなる。そして、静電容量が増加したX配線22やY配線32に接続される電極の信号強度も増加することとなる。
従って、第4変形例にあっても、実施形態と同様に、電極間における信号強度のバラツキを低減することができ、接触の誤検出を抑制することが可能となる。
なお、上記した実施形態や各変形例に係る第1回路基板20は、1層の回路基板であるように構成したが、これに限定されるものではなく、例えば、X電極21とY電極31とが異なる層に配設される多層の回路基板であってもよい。
また、上記した実施形態、第1~第4変形例については、適宜に組み合わせることができる。すなわち、例えば、実施形態と第2変形例を組み合わせることで、補正用配線部50がX配線22およびY配線32の両方に形成されてもよい。また、例えば、実施形態と第4変形例とを組み合わせることで、回路基板12が、交差部51を含む補正用配線部50、および、X配線22とY配線32との離間距離d1が変更される補正用配線部50を備えるようにしてもよい。
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
1 タッチパネル
12 回路基板
21 X電極
22 X配線
31 Y電極
32 Y配線
50 補正用配線部
51 交差部
R1 電極領域
R2 配線領域

Claims (5)

  1. 基板上に配設されたX電極に接続されるとともに、前記X電極が配設される電極領域の外周に設けられた配線領域へ引き出されて配線されるX配線と、
    前記X電極と対応して前記基板上に配設されたY電極に接続されるとともに、前記配線領域へ引き出されて配線されるY配線と、
    前記X配線および前記Y配線の少なくともいずれかに形成され、前記X電極と前記Y電極との間の静電容量を補正する補正用配線部と
    を備え
    前記Y配線は、
    前記配線領域の一方の面に配線される部位を含み、
    前記X配線は、
    前記配線領域の他方の面に配線される部位を含み、
    前記補正用配線部は、
    前記配線領域に形成され、前記X配線と前記Y配線とが前記基板の平面視において交差する交差部を含むこと
    を特徴とする回路基板。
  2. 前記交差部は、
    前記X配線および前記Y配線の少なくともいずれかの線幅が変更されることで、前記静電容量を補正すること
    を特徴とする請求項に記載の回路基板。
  3. 前記X電極は、
    前記電極領域においてY軸方向に並列して複数配設され、
    前記配線領域は、
    前記電極領域に対してY軸方向に隣接して設けられ、
    前記補正用配線部は、
    複数の前記X電極における前記静電容量の補正量が、前記X電極の配設位置が前記配線領域に近づくにつれて大きくなるように構成されること
    を特徴とする請求項1または2に記載の回路基板。
  4. 前記Y電極は、
    前記電極領域においてX軸方向に並列して複数配設され、
    前記補正用配線部は、
    前記電極領域のX軸方向の端部側に配設された前記Y電極における前記静電容量の補正量が、前記電極領域の端部側の前記Y電極より中央側に配設された前記Y電極における前記静電容量の補正量に比べて大きくなるように構成されること
    を特徴とする請求項1~のいずれか一つに記載の回路基板。
  5. 前記補正用配線部は、
    前記X配線と前記Y配線との離間距離が変更されることで、前記静電容量を補正すること
    を特徴とする請求項1~のいずれか一つに記載の回路基板。
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