JP7050582B2 - 調節装置 - Google Patents
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Description
PIDによる調節装置を用いた制御では、例えば目標値の大幅変更が行われた場合、又は制御対象に急激な変化があった場合には、制御結果にオーバーシュートが発生することがある。
上記制御量と上記目標値との上記偏差の変化量を取得する変化量取得部と、
上記制御量と上記目標値との上記偏差から上記制御量の変化方向を判断する変化方向判断部と、
上記変化量取得部からの入力、及び上記変化方向判断部からの上記制御量が上記目標値に近づいているか遠のいているかの入力に基づき、上記変化量が設定した数値よりも大きく且つ上記変化方向において上記制御量が上記目標値に近づいている方向であると判断した場合に、上記積分による演算を中止させる変化量及び変化方向判断部を設けたものである。
以下、図面を参照して、実施の形態1を説明する。図1は実施の形態1による調節装置を示すブロック構成図である。本実施形態は各種プロセス計装制御システムに利用される調節装置であり、特にPI(Pは比例項、Iは積分項)またはPID(Pは比例項、Iは積分項、Dは微分項)による調節装置を用いた制御分野において、目標値の大幅変更が行われた場合、及び制御対象に急激な変化があった場合に発生する制御量の行き過ぎ(以下オーバーシュートと略称する)を抑制する装置に関するものである。尚下記においては、PIDによる調節装置について説明するが、PIによる調節装置についても同様に動作するものである。
即ちΔ(SVn-PVn)=(SVn-PVn)-(SVn-1-PVn-1)なる演算を行う。ここで現在の制御量をPVn、目標値をSVnとし、等間隔の時間で検出を行う場合、現在(n)に対して直前の時刻に検出した場合の制御量をPVn-1、目標値をSVn-1と定義する。但し目標値は変わらないのでSVn=SVn-1である。
即ちΔ(SVn-PVn)=(SVn-PVn)-(SVn-1-PVn-1)>0なので、(SVn-PVn)>(SVn-1-PVn-1)>0となり、制御量と目標値との差が大きくなっており、制御量(PV)が目標値(SV)から遠のいていると判断する。
即ちΔ(SVn-PVn)=(SVn-PVn)-(SVn-1-PVn-1)<0なので、(SVn-PVn)<(SVn-1-PVn-1)となり、制御量と目標値との差が小さくなっているので、制御量(PV)が目標値(SV)に近づいていると判断する。
即ちΔ(SVn-PVn)=(SVn-PVn)-(SVn-1-PVn-1)>0なので、(SVn-PVn)>(SVn-1-PVn-1)となり、
(SVn-PVn)>(SVn-1-PVn-1)であり、かつ(SVn-1-PVn-1)<0であるから、制御量と目標値との差が小さくなっているので、制御量(PV)が目標値(SV)に近づいていると判断する。
即ちΔ(SVn-PVn)=(SVn-PVn)-(SVn-1-PVn-1)<0なので、
(SVn-PVn)<(SVn-1-PVn-1)<0となり、かつ(SVn-1-PVn-1)<0なので、制御量と目標値との差が大きくなっており、制御量(PV)が目標値(SV)から遠のいていると判断する。
すなわち本実施形態によれば、制御量(PV)が目標値(SV)から遠のいている場合においては、より早く制御量(PV)が目標値(SV)に向かうように積分項22の調節演算を加味した通常のPID調節機能による操作量(MV)制御を行うことができる。
図3は実施の形態2による調節装置を示すブロック構成図である。実施の形態2では実施の形態1の構成に加えて、制御量(PV)と目標値(SV)との偏差に基づき制御量(PV)が目標値(SV)に十分近づいたことを判断するための閾値判断部24を備えたものである。この閾値判断部24からの出力で変化量及び変化方向判断部32からの出力信号を解除する。更には閾値が一定時間範囲内にとどまっていると判断するためのタイマー35と、積分項22の調節演算を再開することができるようにするための回路42を設ける。
図4は実施の形態3による調節装置を示すブロック構成図である。本実施形態では実施の形態2の構成に加えて、閾値判断部24の出力により微分項23の調節演算を中止させるものであり、微分項23の出力をホールドする回路43を設けたものである。
図4において、閾値判断部24からの出力を受け取ることにより、回路43によって微分項23の出力を停止させ、ホールドする。このように構成することにより、目標値(SV)の閾値領域内におけるノイズなどを微分項23により演算した値の影響を受けなくなる。従って目標値(SV)付近における外乱により制御が乱れることを防止することができる。
又本願は、様々な例示的な実施の形態及び実施例が記載されているが、1つ、または複数の実施の形態に記載された様々な特徴、態様、及び機能は特定の実施の形態の適用に限られるのではなく、単独で、または様々な組み合わせで実施の形態に適用可能である。
従って、例示されていない無数の変形例が、本願に開示される技術の範囲内において想定される。例えば、少なくとも1つの構成要素を変形する場合、追加する場合または省略する場合、さらには、少なくとも1つの構成要素を抽出し、他の実施の形態の構成要素と組み合わせる場合が含まれるものとする。
34 変化方向判断部、50 制御対象。
Claims (3)
- 制御対象の制御量と目標値との偏差に基づいて比例、積分または比例、積分、微分調節演算により調節信号を出力し、上記調節信号を変化率制御部を通して得られる操作量を上記制御対象に対して出力して上記制御対象を制御する調節装置において、
上記制御量と上記目標値との上記偏差の変化量を取得する変化量取得部と、
上記制御量と上記目標値との上記偏差から上記制御量の変化方向を判断する変化方向判断部と、
上記変化量取得部からの入力及び上記変化方向判断部からの上記制御量が上記目標値に近づいているか遠のいているかの入力に基づき、上記変化量が設定した数値よりも大きく且つ上記変化方向において上記制御量が上記目標値に近づいている方向であると判断した場合に、上記積分による演算を中止させる変化量及び変化方向判断部を設けたことを特徴とする調節装置。 - 上記制御量と上記目標値との上記偏差が設定範囲内にある期間が一定時間より長い場合に上記積分による調節演算を再開することを特徴とする請求項1記載の調節装置。
- 上記制御量と上記目標値との上記偏差が特定値以下になった場合、上記微分による調節演算を中止することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の調節装置。
Priority Applications (1)
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JP2018106725A JP7050582B2 (ja) | 2018-06-04 | 2018-06-04 | 調節装置 |
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JP2018106725A JP7050582B2 (ja) | 2018-06-04 | 2018-06-04 | 調節装置 |
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JP2019211945A JP2019211945A (ja) | 2019-12-12 |
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