JP7049970B2 - 表面検査装置、部品の製造方法およびプログラム - Google Patents
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Description
このとき、被検査体の表面が、球面形状等の曲面形状である場合、被検査体を真上から撮影するか、回転させながら複数枚の画像を撮影することで、画像を取得する手法が用いられることがある。
また、特許文献2には、表面検査装置が、曲面状壁を有する計測空間を構成し、計測空間内の計測対象物に対して照明装置の光源光を均一に減光して照明し、照明された計測対象物の全照明画像の撮影を行うとともに、パターン光投影装置によりパターン光を計測対象物に直接当たらないように曲面状壁に投影して反射させ、カメラ装置によりこの反射パターン光が投影された計測対象物の反射パターン画像の撮像を行うことが記載されている。
本発明は、表面が曲面形状の被検査体に対し、一方向から平面的に欠陥の大きさを測定する場合に比較して、欠陥の大きさをより把握しやすい表面検査装置等を提供することを目的とする。
ここで、2次元マップ作成部は、抽出された欠陥を、予め定められた図法で平面上に展開し、回転角度に対応する分の位置を補正し重ね合わせることで、2次元マップを作成するようにすることができる。
また、2次元マップ作成部は、被検査体の表面上における欠陥の出現頻度を考慮した補正値により、補正して2次元マップを作成するようにすることができる。
さらに、作成された2次元マップからノイズを除去する第1のノイズ除去部をさらに備えるようにすることができる。
さらに、2次元マップ作成部は、抽出された欠陥を正積図法により平面上に展開し、3次元マップから予め定められた画素数以下の欠陥をノイズとして取り除く第2のノイズ除去部をさらに備えるようにすることができる。
そして、3次元マップは、直交座標系により欠陥の位置を示すものであるようにすることができる。
また、被検査体は、検査を行なう対象である表面が半球形状であり、欠陥検出部は、半球上において設定される緯度および/または経度により検査の基準となる欠陥の大きさを変更するようにすることができる。
さらに、欠陥抽出部は、撮影手段により取得された複数枚の画像の平均画像を作成し、複数枚の画像のそれぞれと平均画像との差分を求めることで欠陥を抽出することができる。
また、照明手段は、発光源から発した光を反射させ、反射した光を被検査体に照射する反射面を備え、マスクは、反射面に配されるようにすることができる。
さらに、照明手段は、曲面に沿って光を照射するようにすることができる。
またさらに、照明手段は、被検査体を挟み、撮影手段と反対側に設けられ、被検査体の背後から光を照射するバックライトをさらに含むようにすることができる。
そして、撮影手段は、被検査体に投影されたマスクの縞模様をぼかして撮影することができる。
さらに、撮影手段は、被検査体に焦点を合わせることで、マスクの縞模様をぼかして撮影するようにすることができる。
{第1の実施形態}
ここでは、まず表面検査装置の構成の第1の実施形態について説明を行なう。
図1は、第1の実施形態に係る表面検査装置1の概略構成を示した図である。
図示する表面検査装置1は、ワークWに対し照明を行なう照明10と、ワークWを回転させる回転機構20と、ワークWの表面を撮影するカメラ30と、表面検査装置1の全体の制御を行なう制御部40とを備える。
図2(a)~(b)は、ワークWの外観形状について示した図である。
このうち、図2(a)は、ワークWの正面図であり、図2(b)は、ワークWを図2(a)のIIb方向から見た上面図である。
図2(a)に図示するように、ワークWは、全体形状として、半球部Waで示した半球形状の部分と円柱部Wbで示した円柱形状の部分とが一体化した形状をなす。ワークWの表面は、光を反射する性質を有する。即ち、ワークWは、例えば、金属からなり、表面を研磨した部品等である。また、ワークWは、表面にメッキなどを施した部品等である。なお、本実施の形態では、ワークWの表面の全体を検査するわけではなく、半球部Waが検査対象であり、半球部Waの表面に生じた欠陥の大きさを検査する。対して、円柱部Wbの表面は、表面検査装置1を使用した検査対象ではない。
図では、欠陥Kとして、「◇」の形状の傷が、半球部Waの表面に存在する場合を示している。ここでは、欠陥Kとして、欠陥K1、欠陥K2、欠陥K3が存在する場合を例に取り説明を行なう。
欠陥K1は、半球部Waの頂部に位置する。また、欠陥K2、欠陥K3は、半球部Waの頂部以外の側部に位置し、欠陥K2より欠陥K3の方が、頂部からより離れた箇所に位置する。この場合、欠陥K1は、直上から見ることになり、その形状および大きさを、ほぼ正確に判断することができる。対して、欠陥K2、欠陥K3は、斜め方向から見ることになり、その形状および大きさは、実際の形状および大きさと異なって見える。これは、欠陥K2より欠陥K3の方が、より顕著である。つまり、半球部Waの頂部から離れるに従い、欠陥Kの形状および大きさは湾曲し、実際とは異なるものとなっていく。これは、欠陥Kの存在する緯度が低いほど、欠陥Kの形状および大きさは湾曲し、実際とは異なるように見えると言い換えることもできる。その結果、欠陥K2、欠陥K3の場合は、大きさを正確に検出することは困難である。
ここでは、図中上方向から矩形状の照明Sにより照明を行なった例を示している。この場合、エリアArの範囲で、より明るく半球部Waを照らすことができる明部となるが、他の箇所は、この照明Sでは、暗くなり、暗部となる。暗部では、欠陥Kを検出することは困難である。つまり、この例では、全体を明るくする照明とはならず、欠陥Kを検出できる範囲も限定的となる。また、広範囲を明るくする照明にした場合、欠陥Kである傷等の傾斜が陰影となりにくく、その結果、欠陥Kも見えにくくなり、欠陥Kが検出しにくくなることがある。対して、図3(b)で示したような狭い範囲を照らした方が、傷等の傾斜が陰影として検出でき、欠陥Kが見えやすくなる。ただし、上述したように、欠陥Kを検出できる範囲が限定的となる。
このように、ワークWの表面が、半球部Wa等の曲面形状を有し、その曲面上の欠陥Kを検出したい場合、一方向だけから、欠陥Kの大きさを検出したり、一方向から照明を行なうだけでは、欠陥Kを検出するのが困難である。
本実施の形態では、照明10は、ワークWの表面の曲面に沿って光を照射する。これにより、照明10は、ワークWに対し、全体を明るく照らす照明にすることができる。この場合、照明10は、ワークWを覆うようにして、光を照射するドーム照明10aを含む。即ち、照明10として、ワークWの半球部Waの半球面に沿った形状である半球形状のドーム照明10aを採用している。このドーム照明10aにより、ワークWの上方から光を照射することができる。
このうち、図4(a)は、図1と同様の正面方向からドーム照明10aを見た図であり、図4(b)は、図4(a)のIVb方向から、ドーム照明10aを見た図である。
図示するように、ドーム照明10aは、ドーム11の底面の円環部に、発光源として、白色のLED(Light Emitting Diode)12が配される。ただし、発光色は、白色に限られるものではなく、他の色であってもよい。LED12から発した光は、ドーム11の内面11aに拡散反射され、ワークWの半球部Waに照射する。図では、拡散反射される光を、矢印Lで模式的に表している。即ち、ドーム11の内面11aは、LED12から発した光を反射させ、反射した光をワークWに照射する反射面であると捉えることができる。ドーム照明10aを利用することで、ワークWの半球部Waの表面の広範囲を明るく照らすことができる。
また、この縞模様Smは、2つの短冊形状Ta1、Ta2を予め定められた角度で組み合わせたV字形状Vjを並べることで形成される。即ち、図示する例では、短冊形状Taが、それぞれ基準線Lsから、予め定められた角度をなすように傾斜している。この角度は、例えば、30°である。この縞模様Smは、カメラ30の視野を確保するためにドーム11に形成された穴部11b以外の、内面11a全体に形成される。
また、カメラ30は、ワークWに対し、予め定められた回転角度毎に撮影を行なう。この回転角度は、例えば、6°であり、この場合、ワークWが1回転(360°回転)すると、合計60枚の撮影画像が得られる。
図5において、ゆがみUgは、半球面の一部が、半球面からわずかに外れた面であり、例えば、半球面の一部が、平らになった面、半球面の曲率とは少し異なる曲率を有する面、緩やかに凹んだ面である。この場合、ゆがみUgは、理想の半球面からは外れるが、存在しても支障がない。対して、欠陥Kは、擦過傷、打痕、圧痕等であり、例えば、半球面に対し角度のついた溝形状を有する。このような欠陥Kが、予め定められた大きさ以上になると、ワークWの機能を損ない、製品として不良品になりやすい。
図6は、制御部40の機能構成例について示したブロック図である。
図示するように、制御部40は、ワークWの欠陥Kを抽出する欠陥抽出部41と、欠陥Kの2次元マップを作成する2次元マップ作成部42と、2次元マップ上のノイズの除去を行なう第1のノイズ除去部43と、欠陥Kの3次元マップを作成する3次元マップ作成部44と、3次元マップ上のノイズの除去を行なう第2のノイズ除去部45と、欠陥Kの大きさを検出する欠陥検出部46とを備える。
このとき、欠陥抽出部41は、まず、ワークWの輪郭を利用して、それぞれの画像について位置合わせを行なう。具体的には、欠陥抽出部41は、ワークWの輪郭から中心の位置を求め、中心の位置を合わせることで位置合わせを行なう。この輪郭は、バックライト10bにより照射された光により検出できる。
このうち、図7(a)は、撮影された複数枚の画像Gのうち1枚の画像Gについて、ワークWの半球部Waの輪郭Rkを検出した場合を示している。この場合、画像Gの上方において半球部Waの部分と背景とが、バックライト10bにより照射された光により明確に区別できるため、その境界を検出して、輪郭Rkとする。そして、以下に説明するように、検出した輪郭Rkを利用して複数枚の画像Gの位置合わせを行なった上で欠陥Kを抽出する。
そして、欠陥抽出部41は、撮影した複数枚の各画像Gについて同様の処理を行ない、中心Oの座標を求める。さらに、各画像Gについて、図中左右上下方向に移動させることで、中心Oを同じ座標に揃え、位置合わせを行なう。
図8(a)~(c)は、複数枚の画像Gのそれぞれと平均画像Ghとの差分を求める方法について示した図である。
このうち、図8(a)は、平均画像Ghについて示した図である。そして、撮影された複数枚の画像Gのうち1枚の画像Gについて、平均画像Ghとの差分を求める。差分は、上述したように、中心Oの位置合わせを行ない、それぞれの画像Gについて同じ座標にある画素について求める。
本実施の形態では、上述したように、照明10にバックライト10bを設ける。そして、欠陥抽出部41は、バックライト10bにより照射された光によりワークWの半球部Waの輪郭Rkを検出し、検出した輪郭Rkにより複数枚の画像Gの位置合わせを行なった上で欠陥Kを抽出する。
図9(a)~(b)は、2次元マップ作成部42が、欠陥Kを平面上に展開する場合を示した概念図である。
このうち、図9(a)は、図8(c)と同じ図であり、抽出画像Gcを示している。また、図9(b)は、図9(a)に示す抽出画像Gc中の欠陥Kを、予め定められた図法で平面上に展開した場合を示している。
ここでは、2次元マップ作成部42は、図法として、正積図法を用いる。正積図法は、球上の微小面積と平面上のこれに相応する小面積とが一定の比例関係にあるようにした図法である。本実施の形態では、この正積図法として、サンソン図法を用いる。サンソン図法は、平行直線とする全ての緯線(緯度を表す線)と、それに直交する直線の中央経線に沿って距離が正しく表される正距としたもので、経線(経度を表す線)が正弦曲線となる正積図法である。
この場合、図9(a)に示す欠陥Kは、図9(b)に示す平面上に展開される。この場合、半球部Wa上の欠陥Kは、平面上の座標に変換され、プロットされる。なお以後、図9(b)のように、欠陥Kが展開された平面を、「展開図Tn」と言うことがある。この展開図Tnは、矩形の左下の頂点が、経度および緯度が0°であり、経度は、右方に行くに従い、大きくなり、最も右方では、360°-経度分解能以下である。なお、図では、説明をわかりやすくするため、360°と表記している(以下の図面も同じ)。また、緯度は、上方に行くに従い、大きくなり、最も上では、90°である。また、展開図Tnは、二値画像であり、展開された欠陥Kの箇所の画素値は、1であり、欠陥Kでない箇所の画素値は、0である。
図9(c)は、展開図Tnを作成する上で使用する球上の座標について示した図である。
2次元マップ作成部42は、まず、図9(a)に例示される1枚の抽出画像Gcの欠陥Kを構成する画素のうち1つの画素を選択する。そして、この画像の球中心座標(半球部Waの中心座標)の基準画像の球中心座標からのズレ量を考える。この基準画像は、例えば、1枚目に撮影された画像Gを基に作成された図9(a)の画像である。この画素の座標を(Row、Col)とし、ズレ量を、(Rowoffset、Coloffset)とすると、この画素の球上の座標(X、Y、Z)は、下記数1式で表すことができる。なお、数1式において、Rは、画素数で表した球の半径である。
図10は、以上の処理により、2次元マップ作成部42が作成した2次元マップMpの例を示している。
1つ目の方法は、2次元マップMpを二値化し二値画像を作成することで、ノイズを除去する方法である。この場合、予め定められた閾値を用意し、2次元マップMp上の各画素の画素値についてこの閾値以下の場合、画素値を0、閾値を超える場合は、画素値を1とする二値画像を作成する。これにより、カメラ30により撮影された画像で、少数しか撮影されていないものは、2次元マップMpの画素値が小さくなるため、ノイズとして除去される。
図11(a)は、膨張処理について示した図である。
膨張処理は、2次元マップMp中の1つの画素を注目画素Pcとし、注目画素Pcの画素値が0のときに、注目画素Pcの周囲8近傍に1つでも画素値1の画素があれば、画素値を0から1に置き換える処理である。
図11(b)は、収縮処理について示した図である。
収縮処理は、2次元マップMp中の1つの画素を注目画素Pcとし、注目画素Pcの画素値が1のときに、注目画素Pcの周囲8近傍に1つでも画素値0の画素があれば、画素値を1から0に置き換える処理である。
膨張処理および収縮処理を組み合わせて行なうことで、ノイズを除去することができる。このとき、膨張処理、収縮処理は、1回ずつとは限らず、2回以上であってもよい。
このうち、図12(a)は、ノイズを除去する前の画像であり、上述した2次元マップMpである。また、図12(b)は、2次元マップMpから、ノイズを除去した後のノイズ除去2次元マップMp’である。
図12(b)は、図12(a)に比較して細かい点が消え、ノイズが除去される。
第1のノイズ除去部43で2次元マップMpからノイズを除去することで、小さなノイズが累積して大きくなり、ノイズが、欠陥Kとして誤検出されやすいという問題を抑制できる。
図13(a)~(b)は、3次元マップ作成部44が、第1のノイズ除去部43でノイズ除去後の2次元マップMp’上の欠陥Kを、3次元マップMsに変換する方法を説明した図である。
ここでは、曲面は、半球面であるため、ノイズ除去後の2次元マップMp’上の欠陥Kは、半球面上に位置するように座標変換される。この場合、図13(a)に示す2次元マップMp上の欠陥Kは、図13(b)に示す球面上にプロットされる。
まず、3次元マップ作成部44は、2次元マップMp上の欠陥Kを構成する画素のうち1つの画素を選択する。そして、この画素の2次元マップMp上の緯度、経度の座標(φ、λ)を求める。緯度、経度の座標(φ、λ)は、下記数5式で表すことができる。
そして、3次元マップ作成部44は、2次元マップMp上の欠陥Kを構成する他の画素について、同様の処理を行なう。その結果、3次元マップMs上に欠陥Kが、プロットされ、1枚の3次元マップMsが完成する。この3次元マップMsは、直交座標系により欠陥Kの位置を示すものになる。そして、3次元マップMsは、直交座標系で位置が定められた画素群により欠陥Kを表す。
具体的には、欠陥検出部46は、プロットされノイズが除去された後の欠陥Kについて、ラベリングを行なう。そして、ラベリングした欠陥Kについて、この欠陥Kを構成する点群の座標から、欠陥Kの大きさを求める。欠陥Kの大きさは、欠陥Kの幅が最も大きくなるときの長さとして定義される。欠陥Kの幅を求める際の方向は、経度方向や緯度方向のみならず、これらの方向と交差する方向、いわゆる斜め方向であってもよい。
次に、表面検査装置1の構成の第2の実施形態について説明を行なう。第2の実施形態では、第1の実施形態に対し、照明10の変更を行なう。
図14は、第2の実施形態に係る表面検査装置1の概略構成を示した図である。
図示する表面検査装置1は、図1に示した表面検査装置1と同様に、ワークWに対し照明を行なう照明10と、ワークWを回転させる回転機構20と、ワークWの表面を撮影するカメラ30と、表面検査装置1の全体の制御を行なう制御部40とを備える。
ただし、図示する表面検査装置1は、図1に示した表面検査装置1とは、照明10において、ドーム照明10aではなく、リング照明10cを使用している点で異なる。なお、他の箇所は、同様の構成および機能を有する。
リング照明10cは、検査等の用途で用いられる通常のリング照明であり、円環形状(リング形状)をなす。そして、この円環の部分に発光源であるLED等が備えられ、ワークWの上方から光を照射することができる。なお、第1の実施形態で説明したような縞模様Smは、リング照明10cには、形成されない。
リング照明10cも円環の部分が、ワークWの半球部Waの半球面に沿った形状となっており、ワークWの曲面に沿って光を照射する。よって、リング照明10cは、ワークWに対し、より広い範囲で明るく照らす照明にすることができる。
リング照明10cは、発光源がリング状に配されるため、より明るくワークWの半球部Waを照らすことができる明部もリング形状となる。図では、エリアArで明部を示している。なお、バックライト10bにより、ワークWの半球部Waの輪郭Rkが、明確に検出できるのは、第1の実施形態と同様である。
この場合、このリング状の照射範囲について、欠陥Kの抽出などを行なうことになる。なお、エリアAr以外の箇所は、暗部となるが、明部と暗部との境界では、欠陥Kが、検出しやすく、特に検出したい緯度をこの箇所とすると、より正確に欠陥Kが検出できる。
またさらに、ドーム照明10aのドーム11の内面11aに、縞模様Smとなるマスク13を形成することで、傷等の傾斜が陰影として検出されやすくなり、欠陥Kがより見えやすくなる。そして、この縞模様Smを、予め定められた角度で組み合わせたV字形状Vjを並べ形成することで、種々の方向に生じた傷等の欠陥Kを見ることができる。
次に、表面検査装置1の動作の説明を行なう。
図16は、表面検査装置1の動作について説明したフローチャートである。
まず、ワークWを回転機構20にセットし、照明10により光を照射する(ステップ101)。
次に、回転機構20を動作させることでワークWを回転させ、予め定められた回転角度でカメラ30による撮影を行ない、画像Gを取得する(ステップ102)。このとき、第1の実施形態では、カメラ30は、ワークWに焦点を合わせることで、ドーム照明10aのマスク13の縞模様Smをぼかして撮影する。撮影する画像Gの枚数は、例えば、60枚である。
撮影された画像Gの画像データは、制御部40に送られ、制御部40により以下の処理が行われる。
次に、欠陥抽出部41は、図7(b)で説明した方法により、輪郭Rkを延長した延長部Enと併せて円を作成し、この円の中心Oの座標を求める(ステップ104)。
そして、欠陥抽出部41は、全ての画像Gについて、ステップ103~ステップ104の処理を行なった後、円の中心Oを同じ座標に揃え、位置合わせを行なう(ステップ105)。
さらに、欠陥抽出部41は、複数枚の画像Gのそれぞれと平均画像Ghとの差分を求め、図8(b)に示すような差分画像Gsを作成する(ステップ107)。
そして、欠陥抽出部41は、差分画像Gsについて、画素値の絶対値およびエッジの画素値の絶対値が、予め定められた閾値以上の画素値である場合、欠陥Kとし、図8(c)および図9(a)に示すような抽出画像Gcを作成する(ステップ108)。
そして、2次元マップ作成部42は、展開図Tn上に展開された欠陥Kを、回転角度に対応する分の位置を補正し重ね合わせることで、欠陥Kの2次元マップMpを作成する(ステップ110)。このとき、上述した出現頻度補正を行うことが好ましい。作成された2次元マップMpは、例えば、図10で示したようなものとなる。
さらに、第1のノイズ除去部43は、2次元マップMpに対し膨張処理および収縮処理することで、ノイズを除去する(ステップ112)。
そして、第2のノイズ除去部45が、3次元マップMsからノイズを取り除く(ステップ114)。このとき、第2のノイズ除去部45は、3次元マップMsにプロットされた欠陥Kに対し、予め定められた画素数以下の欠陥Kをノイズとして取り除く。
そして、欠陥検出部46は、予め定められた大きさ以上の欠陥Kの数を求める(ステップ116)。
さらに、欠陥検出部46は、この数が予め定められた個数以上であるか否かを判断する(ステップ117)。
その結果、この数が予め定められた個数以上である場合(ステップ117でYes)、検査結果として、ワークWが、不良品であるとする(ステップ118)。対して、この数が予め定められた個数未満である場合(ステップ117でNo)、検査結果として、ワークWが、良品であるとする(ステップ119)。
また、マスク13のパターンは、縞模様Smであったが、これに限られるものでなく、例えば、水玉模様、チェッカーボード(市松模様)等であってもよい。ただし、この場合、ゆがみUgを、より検出しやすい傾向にあり、縞模様Smの方が、ゆがみUgを検出しにくいという観点から、より好ましい。
さらに、上述した形態では、被検査体であるワークWの検査対象である半球部Waの表面は、半球面であったが、これに限られるものではなく、表面が曲面である被検査体であれば、本実施の形態の表面検査装置1の適用が可能である。よって、例えば、表面検査装置1を使用して、ワークWの円柱部Wbの表面を検査することもできる。
図17(a)~(b)は、サンソン図法による展開図Tnと正距円筒図法による展開図Tnとを比較した図である。
このうち、図17(a)は、サンソン図法による展開図Tnであり、図17(b)は、正距円筒図法による展開図Tnである。上述したように、サンソン図法では、経線が正弦曲線となる。また、緯線は、直線である。対して、正距円筒図法では、緯線および経線は、ともに直線であり、直角かつ等間隔に交差する。
ここで、以上説明を行った本実施の形態における制御部40が行なう処理は、例えば、アプリケーションソフトウェア等のプログラムとして用意される。そして、この処理は、ソフトウェアとハードウェア資源とが協働することにより実現される。即ち、制御部40に設けられたコンピュータ内部の図示しないCPUが、上述した各機能を実現するプログラムを実行し、これらの各機能を実現させる。
Claims (17)
- 表面が曲面形状の被検査体に対し光を照射し、当該被検査体を予め定められた軸を中心として回転させながら、当該軸の方向と交差する方向から当該被検査体を撮影する撮影手段から、回転角度が異なる複数枚の画像を取得する画像取得部と、
前記画像の中に存在する欠陥を抽出する欠陥抽出部と、
抽出された欠陥を、前記被検査体の表面を平面にて表す2次元マップに展開する2次元マップ作成部と、
前記2次元マップの中の欠陥を、前記被検査体の表面の曲面形状に合わせた3次元マップに変換する3次元マップ作成部と、
前記3次元マップを基に、欠陥の大きさを検出する欠陥検出部と、
を備える表面検査装置。 - 前記2次元マップ作成部は、抽出された欠陥を、予め定められた図法で平面上に展開し、前記回転角度に対応する分の位置を補正し重ね合わせることで、前記2次元マップを作成することを特徴とする請求項1に記載の表面検査装置。
- 前記2次元マップ作成部は、前記被検査体の表面上における欠陥の出現頻度を考慮した補正値により、補正して前記2次元マップを作成することを特徴とする請求項2に記載の表面検査装置。
- 作成された前記2次元マップからノイズを除去する第1のノイズ除去部をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の表面検査装置。
- 前記2次元マップ作成部は、抽出された欠陥を正積図法により平面上に展開し、
前記3次元マップから予め定められた画素数以下の欠陥をノイズとして取り除く第2のノイズ除去部をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の表面検査装置。 - 前記3次元マップは、直交座標系により欠陥の位置を示すものであることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の表面検査装置。
- 前記被検査体は、検査を行なう対象である表面が半球形状であり、
前記欠陥検出部は、半球上において設定される緯度および/または経度により検査の基準となる欠陥の大きさを変更することを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の表面検査装置。 - 前記欠陥抽出部は、前記撮影手段により取得された前記複数枚の画像の平均画像を作成し、当該複数枚の画像のそれぞれと当該平均画像との差分を求めることで欠陥を抽出することを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項に記載の表面検査装置。
- 表面が曲面形状の被検査体に対し光を照射する照明手段と、
前記被検査体を予め定められた軸を中心として回転させる回転手段と、
前記回転手段により前記被検査体を回転させながら、前記軸の方向と交差する方向から当該被検査体を撮影することで、回転角度が異なる複数枚の画像を取得する撮影手段と、
前記撮影手段により取得された前記画像を基に、前記被検査体の表面に存在する欠陥を検出する検出手段と、
を備え、
前記検出手段は、
前記画像の中に存在する欠陥を抽出する欠陥抽出部と、
抽出された欠陥を、前記被検査体の表面を平面にて表す2次元マップに展開する2次元マップ作成部と、
前記2次元マップの中の欠陥を、前記被検査体の表面の曲面形状に合わせた3次元マップに変換する3次元マップ作成部と、
前記3次元マップを基に、欠陥の大きさを検出する欠陥検出部と、
を備える表面検査装置。 - 前記照明手段は、短冊形状を複数並べることで形成される縞模様をなし、当該照明手段から発する光の一部を遮るマスクを備え、
前記マスクは、前記短冊形状を予め定められた角度で組み合わせたV字形状を並べることで形成される縞模様をなすことを特徴とする請求項9に記載の表面検査装置。 - 前記照明手段は、発光源から発した光を反射させ、反射した光を前記被検査体に照射する反射面を備え、前記マスクは、当該反射面に配されることを特徴とする請求項10に記載の表面検査装置。
- 前記照明手段は、曲面に沿って光を照射することを特徴とする請求項9乃至11の何れか1項に記載の表面検査装置。
- 前記照明手段は、前記被検査体を挟み、前記撮影手段と反対側に設けられ、当該被検査体の背後から光を照射するバックライトをさらに含むことを特徴とする請求項9乃至12の何れか1項に記載の表面検査装置。
- 前記撮影手段は、前記被検査体に投影された前記マスクの縞模様をぼかして撮影することを特徴とする請求項10に記載の表面検査装置。
- 前記撮影手段は、前記被検査体に焦点を合わせることで、前記マスクの縞模様をぼかして撮影することを特徴とする請求項14に記載の表面検査装置。
- 半球形状を少なくとも一部に有する部品を製造する製造工程と、
前記部品の前記半球形状の表面を検査する検査工程と、
を含み、
前記検査工程は、
前記半球形状の表面に対し光を照射し、前記部品を予め定められた軸を中心として回転させながら、当該軸の方向と交差する方向から当該半球形状の表面を撮影する撮影手段より、回転角度が異なる複数枚の画像を取得する画像取得工程と、
前記画像の中に存在する欠陥を抽出する欠陥抽出工程と、
抽出された欠陥を、前記半球形状の表面を平面にて表す2次元マップに展開する2次元マップ作成工程と、
前記2次元マップの中の欠陥を、前記半球形状の表面に合わせた3次元マップに変換する3次元マップ作成工程と、
前記3次元マップを基に、欠陥の大きさを検出する欠陥検出工程と、
を有する半球形状を少なくとも一部に有する部品の製造方法。 - コンピュータに、
表面が曲面形状の被検査体に対し光を照射し、当該被検査体を予め定められた軸を中心として回転させながら、当該軸の方向と交差する方向から当該被検査体を撮影する撮影手段より、回転角度が異なる複数枚の画像を取得する画像取得機能と、
取得した前記画像の中に存在する欠陥を抽出する欠陥抽出機能と、
抽出された欠陥を、前記被検査体の表面を平面にて表す2次元マップに展開する2次元マップ作成機能と、
前記2次元マップの中の欠陥を、前記被検査体の表面の曲面形状に合わせた3次元マップに変換する3次元マップ作成機能と、
前記3次元マップを基に、欠陥の大きさを検出する欠陥検出機能と、
を実現させるプログラム。
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