JP7049799B2 - 両軸受リール - Google Patents

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本発明は、両軸受リールに関する。
従来の両軸受リールには、ハンドルの回転をスプールに伝達(連結状態)及び遮断(連結解除状態)するためのクラッチ機構が、ハンドルとスプールとの間に設けられている。特許文献1のリールでは、クラッチ操作部材が操作されると、クラッチカムが一方向に回転し、クラッチ機構が連結状態と連結解除状態とに交互に切り換わる。
また、クラッチ機構が連結解除状態である場合に、ハンドルが糸巻き取り方向に回転されると、回転部材の突起部(52a)がクラッチカムの歯部(40a)を押圧する。これにより、クラッチカムが回転し、クラッチ機構が連結解除状態から連結状態に復帰する。
ここで、クラッチ機構が連結解除状態で、クラッチ操作部材をクラッチ連結状態にするべく操作すると、ハンドルの回転位相によってはクラッチカムの歯部が、回転部材の突起部に干渉するおそれがある。この問題を解決するために、特許文献1の両軸受リールでは、回転部材は、所定の角度範囲で駆動軸に対して回動可能に構成されている(段落0064を参照)。また、上記の問題を解決するために、突起部(152a)が回転部材に揺動可能に設けられた両軸受リールも、開示されている(段落0068を参照)。
特開2016-220570号公報
特許文献1の両軸受リールでは、クラッチ機構が連結解除状態である場合に、ハンドルが糸巻き取り方向に回転されると、上記の所定の角度範囲において駆動軸が回転部材に対して回転した後、回転部材の突起部(52a)がクラッチカムの歯部を押圧する。このため、ハンドルの回転開始時から遅れて、クラッチ機構が連結解除状態から連結状態に復帰する。すなわち、クラッチ機構が、ハンドルの回転に連動して、連結解除状態から連結状態にスムーズに切り換えられないおそれがある。また、特許文献1の両軸受リールにおいて、突起部(152a)が回転部材に揺動可能に設けられた場合、回転部材の構造が複雑になり、回転部材の重量が増えてしまうおそれがある。
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、クラッチ機構を簡単な構成で作動でき、且つクラッチ機構をスムーズに切り換えることができる両軸受リールを、提供することにある。
本発明の一側面に係る両軸受リールは、リール本体と、スプールと、ハンドルと、回転部材と、クラッチ機構と、クラッチカムと、連結復帰部材とを、備える。スプールは、リール本体に回転可能に支持される。ハンドルは、スプールを回転可能に構成される。回転部材は、ハンドルの回転に連動して回転する。クラッチ機構は、ハンドル及びスプールを連結し且つハンドル及びスプールの連結を解除する。
クラッチカムは、クラッチ機構を連結状態及び連結解除状態のいずれか一方から連結状態及び連結解除状態のいずれか他方に切り換えるために、スプールの第1回転中心軸まわりの1方向に回転可能に構成される。
連結復帰部材は、回転部材及びクラッチカムの間に配置される。クラッチ機構が連結解除状態である場合、連結復帰部材は、回転部材及びクラッチカムに係合する。クラッチ機構が連結状態である場合、連結復帰部材は、回転部材との係合を、解除する。
本両軸受リールでは、クラッチカムが1方向に回転することによって、クラッチ機構が、連結状態及び連結解除状態のいずれか一方から、連結状態及び連結解除状態のいずれか他方に、切り換えられる。
ここで、クラッチ機構が連結状態である場合、クラッチカムが回転すると、クラッチ機構が、連結状態から連結解除状態に切り換えられる。この場合、連結復帰部材は、回転部材との係合を、解除しているので、クラッチカムが回転しても、クラッチカムの回転は回転部材に伝達されない。
一方で、クラッチ機構が連結解除状態である場合、ハンドルの回転に応じて回転部材が回転すると、回転部材及びクラッチカムに係合する連結復帰部材を介して、クラッチカムが回転する。これにより、クラッチ機構が、連結解除状態から連結状態に即座に切り換えられる。
このように、本両軸受リールでは、連結復帰部材を回転部材及びクラッチカムの間に配置するだけで、クラッチ機構を連結解除状態から連結状態にスムーズに切り換えることができる。また、本両軸受リールでは、クラッチ機構を簡単な構成で作動させることができる。
本発明の別の側面に係る両軸受リールでは、クラッチカムの回転方向が、第1回転中心軸まわりの時計回り及び反時計回りのいずれか一方であることが好ましい。この場合、回転部材の回転方向は、回転部材の第2回転中心軸まわりの時計回り及び反時計回りのいずれか他方である。この構成によって、クラッチ機構を連結解除状態から連結状態に切り換える場合に、回転部材は、連結復帰部材を介して、クラッチカムを好適に回転させることができる。
本発明の別の側面に係る両軸受リールでは、クラッチ機構を連結解除状態から連結状態に切り換えるために、回転部材が連結復帰部材を押圧し且つ連結復帰部材がクラッチカムを押圧することによって、クラッチカムが回転することが好ましい。この構成によって、回転部材は、連結復帰部材を介して、クラッチカムを好適に回転させることができる。
本発明の別の側面に係る両軸受リールでは、クラッチ機構が連結解除状態から連結状態に切り換わる場合に、連結復帰部材がクラッチカムの押圧によって回動することが好ましい。この場合、連結復帰部材の回動によって、連結復帰部材及び回転部材の係合、及び連結復帰部材及びクラッチカムとの係合が、解除される。すなわち、連結復帰部材及び回転部材の係合、及び連結復帰部材及びクラッチカムとの係合を、容易に解除することができる。
本発明の別の側面に係る両軸受リールでは、クラッチ機構が連結状態である場合、クラッチカムは、連結復帰部材の姿勢を保持することが好ましい。この構成によって、特別な部材を用意することなく、連結復帰部材の姿勢を保持することができる。
本発明の別の側面に係る両軸受リールは、連結復帰部材を回転部材及びクラッチカムに向けて付勢する付勢部材を、さらに備える。この構成によって、連結復帰部材を、回転部材及びクラッチカムに容易に係合させることができる。
本発明の別の側面に係る両軸受リールでは、連結復帰部材が、回転部材に係合可能な第1係合部と、クラッチカムに係合可能な第2係合部とを、有することが好ましい。この場合、連結復帰部材の回動軸心は、回転部材及びクラッチカムの間、且つ第1係合部及び第2係合部の間に、配置される。この構成によって、連結復帰部材を、回転部材及びクラッチカムに好適に係合させることができる。
本発明の別の側面に係る両軸受リールでは、回転部材が、第1係合部が係合可能な第1被係合部を、有することが好ましい。この場合、クラッチカムは、第2係合部が係合可能な第2被係合部を、有する。この構成によって、連結復帰部材を、回転部材及びクラッチカムに好適に係合させることができる。
本発明の別の側面に係る両軸受リールでは、クラッチ機構が連結解除状態である場合、第1係合部が第1被係合部に係合し、第2係合部が第2被係合部に係合することが好ましい。この場合、クラッチ機構が連結状態である場合、第1係合部及び第1被係合部の係合が解除され、第2係合部及び第2被係合部の係合が解除され、第2被係合部は連結復帰部材の姿勢を保持する。
この構成によって、クラッチ機構の状態に応じて、連結復帰部材を、回転部材及びクラッチカムに係合させたり、回転部材及びクラッチカムとの係合を解除したりすることができる。また、特別な部材を用意することなく、連結復帰部材の姿勢を保持することができる。
本発明では、両軸受リールにおいて、クラッチ機構を簡単な構成で作動でき、且つクラッチ機構をスムーズに切り換えることができる。
本発明の実施形態による両軸受リールの平面図。 図1の切断面II-IIによって切断した断面図。 第1側カバー及び機構装着板を外した状態の両軸受リールの左側面図。 両軸受リールの一部の分解斜視図。 クラッチオン状態における、クラッチカム、連結復帰部材、及びリターンギアの位置関係を示す図。 クラッチオフ状態における、クラッチカム、連結復帰部材、及びリターンギアの位置関係を示す図。 クラッチカムの斜視図。 クラッチカムのカム部及びクラッチヨークのカム受け部の係合状態を説明するための模式図(径方向外側から見た図)。 変形例におけるクラッチカムの斜視図。
<両軸受リールの概略構成>
本発明の実施形態による両軸受リール100は、図1に示すように、リール本体1と、ハンドル2と、スプール10と、クラッチ操作部材11とを、備える。図2に示すように、両軸受リール100は、スプール駆動機構13と、クラッチ機構16と、クラッチ制御機構20と、クラッチ戻し機構22(図4を参照)とを、さらに備える。
なお、以下に用いられる“スプール軸方向”は、スプール軸心CAが延びる方向、又はスプール軸心CAに沿った方向を含む。“第1径方向”は、スプール軸心CAから離れる径方向である。“第2径方向”は、後述する駆動軸30の回転軸心RC(後述するリターンギア52の回転軸心CB)から離れる径方向である。
ハンドル2は、スプール10を回転可能に構成される。詳細には、ハンドル2は、スプール10を回転駆動するように構成され、リール本体1の側部に回転可能に設けられる。図1に示すように、ハンドル2は、第1側カバー8a側に設けられる。ハンドル2は、駆動軸30(図4を参照)に一体回転可能に連結される。
図2に示すように、スプール10は、リール本体1に回転可能に支持される。詳細には、スプール10は、スプール軸14を介して、リール本体1に回転可能に支持される。ここでは、スプール10はスプール軸14と一体回転可能に装着され、スプール軸14はリール本体1に回転可能に支持される。スプール軸14は、スプール軸心CA(第1回転中心軸の一例)を有している。
図3に示すように、クラッチ操作部材11は、第1位置(実線)と、第1位置とは異なる第2位置(破線)との間で、移動可能にリール本体1に設けられる。
図2~図4に示すように、スプール駆動機構13は、ハンドル2及びモータ12の回転をスプール10に伝達する。スプール駆動機構13は、駆動軸30を有している。駆動軸30は、リール本体1に回転可能に装着される。詳細には、駆動軸30は、回転軸心RCを有する。駆動軸30は、ハンドル2の回転に連動して、回転軸心RCまわりに回転する。
なお、以下では、両軸受リール100を釣り竿に装着した状態においてハンドル2を回転した場合に、駆動軸30が回転する回転方向を、“糸巻き取り方向”と記すことがある。糸巻き取り方向は、回転軸心RCまわりの回転方向であり、ハンドル2の糸巻き取り方向と同じである。
図2に示すように、クラッチ機構16は、ハンドル2とスプール10の間に配置される。クラッチ機構16は、ハンドル2及びスプール10を連結し、且つハンドル2及びスプール10の連結を解除する。詳細には、クラッチ機構16は、クラッチ制御機構20によって、クラッチオン状態とクラッチオフ状態とに切り換えられる。クラッチオン状態では、ハンドル2の回転がスプール10に伝達される。クラッチオフ状態では、ハンドル2の回転がスプール10に伝達不能である。
クラッチ制御機構20は、クラッチ操作部材11の操作によって、クラッチ機構16をクラッチオン状態とクラッチオフ状態とに切り換え可能である。クラッチ戻し機構22は、ハンドル2の回転によって、クラッチオフ状態にあるクラッチ機構16を、クラッチオン状態に復帰可能である。クラッチ制御機構20、及びクラッチ戻し機構22の詳細は、後述する。
<リール本体>
図1及び図2に示すように、リール本体1は、フレーム7と、第1側カバー8aと、第2側カバー8bと、備える。フレーム7は、第1側板7aと、第2側板7bと、複数の連結部7cとを、有する。図2に示すように、第1側板7aと第2側板7bとの間には、スプール10と、クラッチ機構16とが、設けられる。
図2及び図4に示すように、第1側板7aは、側板本体9aと、機構装着板9bとを、有する。機構装着板9bは、側板本体9aと第1側カバー8aとの間に配置され、側板本体9aに固定される。機構装着板9bは、第1支持部9cと、第2支持部9dと、第3支持部9eとを、有する。第1支持部9cは、クラッチ操作部材11及びクラッチ制御機構20を支持する。第2支持部9dは、駆動軸30を支持する。第3支持部9eは、後述する第2ギア部材61を回転可能に支持する。
図2に示すように、第2側板7bは、スプール軸方向において、第1側板7aと間隔を隔てて配置される。第2側板7bは、軸受17aを介して、スプール軸14の端部(図2左端)を回転可能に支持する。
図2及び図4に示すように、複数の連結部7cは、第1側板7aと第2側板7bとを連結する。複数の連結部7cは、第1側板7a及び第2側板7bの下部、前部、及び後部において、第1側板7a及び第2側板7bを互いに連結する。前部の連結部7cは、筒状に形成される。前部の連結部7cの内部には、モータ12が収容される。下部の連結部7cには、釣り竿装着用の竿装着脚部7eが一体に形成される。
図1及び図2に示すように、第1側カバー8aは、ハンドル2側のフレーム7を、覆う。第1側カバー8aには、駆動軸30を回転可能に支持する第1ボス部8cが、形成される。第1ボス部8cの後方には、軸受17bが収納される第2ボス部8dが、形成される。第2ボス部8は、軸受17bを介して、スプール軸14の端部(図2右端)を支持する。第2側カバー8bは、ハンドル2とは反対側のフレーム7を、覆う。
図2及び図4に示すように、側板本体9aと第1側カバー8aとの間には、スプール駆動機構13と、クラッチ制御機構20と、クラッチ戻し機構22と、スプール10の糸繰り出し方向の回転を制動するドラグ機構23とが、配置される。
<クラッチ操作部材>
図4に示すように、クラッチ操作部材11は、スプール軸心CAまわりの周方向において、リール本体1に回動可能に支持される。クラッチ操作部材11は、図3に示す第1位置(実線)と、図3に示す第2位置(破線)との間において移動可能に、リール本体1に設けられる。
図4に示すように、クラッチ操作部材11は、第1側板7a例えば機構装着板9bに、回動可能に装着される。詳細には、クラッチ操作部材11は、操作部11aと、装着部11bとを、有する。操作部11aは、釣人がクラッチ操作部材11を第1位置から第2位置へと移動させる際に押圧する部分である。装着部11bは、クラッチ操作部材11が機構装着板9bの第1支持部9cに装着される部分である。
装着部11bには、第1バネ部材51の一端が取り付けられる。第1バネ部材51の他端は、機構装着板9bに取り付けられる。第1バネ部材51は、例えばコイルばねである。クラッチ操作部材11は、第1バネ部材51によって、第2位置から第1位置に向けて付勢されている。
装着部11bには、クラッチ爪44が揺動可能に装着される。クラッチ操作部材11及びクラッチ爪44には、クラッチ爪44をクラッチカム40に向けて付勢する第3バネ部材48(後述する)が、設けられる。
上記の構成を有するクラッチ操作部材11が、第1位置から第2位置へと操作されると、クラッチカム40は、クラッチ爪44によって、第1回転方向R1に回転する。そして、クラッチ操作部材11の操作が解除されると、クラッチ操作部材11は、第1バネ部材51によって、第2位置から第1位置へと復帰する。
<スプール駆動機構>
スプール駆動機構13は、スプール10を糸巻き取り方向に駆動する。図3に示すように、スプール駆動機構13は、モータ12と、第1回転伝達機構24と、第2回転伝達機構25とを、有する。
(第1回転伝達機構)
第1回転伝達機構24は、モータ12の回転をスプール10に伝達する。具体的には、図3に示すように、第1回転伝達機構24は、第1ギア部材60と、第2ギア部材61と、ピニオンギア32と、を有する。第1ギア部材60には、遊星歯車機構(図示しない)を介してモータ12の回転が伝達される。第2ギア部材61は、機構装着板9bの第3支持部9e(図4を参照)に回転可能に装着され、第1ギア部材60に噛み合う。
図2に示すように、ピニオンギア32は、リール本体1に対して、回転可能に構成される。例えば、ピニオンギア32は、第3軸受17cを介して、側板本体9aに回転可能に装着される。図3に示すように、ピニオンギア32は、第2ギア部材61に噛み合う。また、ピニオンギア32は、スプール軸14に対して、スプール軸方向に移動可能に構成される。例えば、ピニオンギア32は貫通孔32bを有し、貫通孔32bにはスプール軸14が挿通される。
(第2回転伝達機構)
第2回転伝達機構25は、ハンドル2の回転をスプール10に伝達する。図3及び図4に示すように、第2回転伝達機構25は、ハンドル2が一体回転可能に連結される駆動軸30と、駆動ギア31と、駆動ギア31に噛み合う第3ギア部材62と、ドラグ機構23とを有する。
駆動軸30は、機構装着板9bの第2支持部9d(図4を参照)、及び第1側カバー8aの第1ボス部8c(図1及び図2を参照)に、回転可能に支持される。駆動軸30は、ローラクラッチ37によって糸巻き取り方向と逆方向の回転が禁止されている。すなわち、ローラクラッチ37は、逆転禁止機構の役割を果たす。
また、駆動軸30は、爪式のワンウェイクラッチ38によって、糸巻き取り方向とは逆方向の回転が、禁止されている。ワンウェイクラッチ38は、リターンギア52(後述する)と、リターンギア52に係合する爪部材54とから、構成される。爪部材54は、機構装着板9bに揺動可能に装着される。この構成によって、ワンウェイクラッチ38は、逆転禁止機構の役割を果たす。
図4に示すように、駆動ギア31は、駆動軸30に回転可能に装着される。駆動ギア31における糸繰り出し方向の回転は、ドラグ機構23によって制動される。すなわち、スプール10の糸繰り出し方向の回転は、ドラグ機構23によって制動される。ドラグ機構23の制動力は、駆動軸30に螺合するスタードラグ3(図1及び図2を参照)によって調整される。
第3ギア部材62は、図3及び図4に示すように、ハンドル2の糸巻き取り方向の回転を、ピニオンギア32に伝達する。詳細には、ハンドル2の回転は、駆動ギア31を介して、第3ギア部材62に伝達される。第3ギア部材62に伝達された回転は、遊星歯車機構のキャリア、第1ギア部材60、及び第2ギア部材61を介して、ピニオンギア32に伝達される。
<クラッチ機構>
図2に示すように、クラッチ機構16は、スプール軸14のクラッチピン16aと、ピニオンギア32のクラッチ凹部16bとから、構成される。クラッチピン16aは、スプール軸14に設けられる。クラッチピン16aの両端部それぞれは、スプール軸心CAから離れる第1径方向において、スプール軸14から突出している。
図2及び図4に示すように、クラッチ凹部16bは、ピニオンギア32の端部に形成されている。クラッチ凹部16bは、ピニオンギア32の端面(図2及び図4の左側端面)において、スプール軸方向に凹んで形成されている。
ピニオンギア32は、クラッチ制御機構20により、クラッチオン位置(図2の位置)と、クラッチオフ位置(図2のクラッチオン位置より右側の位置)との間で、スプール軸方向に沿って、移動可能である。
クラッチオン位置では、クラッチピン16aがクラッチ凹部16bに係合して、ピニオンギア32の回転がスプール軸14に伝達される。この状態が、クラッチオン状態である。クラッチオン状態では、ピニオンギア32とスプール軸14とが一体回転可能である。すなわち、クラッチオン状態では、ピニオンギア32が回転すると、スプール10が回転する。
クラッチオフ位置では、クラッチ凹部16bがクラッチピン16aから離反してピニオンギア32の回転が、スプール軸14に伝達されない。この状態が、クラッチオフ状態である。クラッチオフ状態では、ピニオンギア32が回転しても、スプール10は回転しない。すなわち、クラッチオフ状態では、スプール10は自由に回転可能である。
ここで、ピニオンギア32がクラッチオン位置及びクラッチオフ位置の間で移動する場合、クラッチヨーク41(後述する)もピニオンギア32とともに移動する。この構成を実現するために、ピニオンギア32には、クラッチヨーク41に係合する環状凹部32a(図4を参照)が、形成されている。
<クラッチ制御機構>
図4に示すように、クラッチ制御機構20は、クラッチカム40と、クラッチ爪44とを、有している。詳細には、クラッチ制御機構20は、図4に示すように、クラッチカム40と、クラッチヨーク41と、ガイド部材49と、2本の第2バネ部材42と、クラッチ爪44と、第3バネ部材48とを、有する。
(クラッチカム)
クラッチカム40は、クラッチ機構16を、クラッチオン状態及びクラッチオフ状態のいずれか一方から、クラッチオン状態及びクラッチオフ状態のいずれか他方に切り換えるために、用いられる。
例えば、クラッチカム40が回転すると、クラッチ機構16が、クラッチオン状態及びクラッチオフ状態のいずれか一方から、クラッチオン状態及びクラッチオフ状態のいずれか他方に、切り換えられる。
図5A及び図5Bに示すように、クラッチカム40は、スプール軸心CAから離れる第1径方向において、リターンギア52と間隔を隔てて配置される。クラッチカム40は、スプール軸心CAまわりの1方向に回転可能に構成される。詳細には、クラッチカム40は、スプール軸心CAまわりの第1回転方向R1に、回転可能に構成される。
例えば、クラッチカム40の回転方向は、スプール軸心CAまわりの時計回りの方向及び反時計回りの方向のいずれか一方である。本実施形態では、第1側カバー8a側からスプール軸心CAに沿ってクラッチカム40を見た場合、クラッチカム40の回転方向は、反時計回りの方向である。この反時計回りの方向は、第1回転方向R1に対応する。
図4に示すように、クラッチカム40は、機構装着板9bの第1支持部9cに回転可能に装着される。図6に示すように、クラッチカム40は、本体部40aと、複数の第1ラチェット歯40b(第2被係合部の一例)と、複数の第2ラチェット歯40cと、複数のカム部40dとを、有している。
図6に示すように、本体部40aは、実質的に環状に形成されている。複数の第1ラチェット歯40bは、本体部40aの外周部に設けられている。詳細には、各第1ラチェット歯40bは、周方向に間隔を隔てて、本体部40aの外周面に配置されている。各第1ラチェット歯40bは、本体部40aの外周面から突出している。
複数の第2ラチェット歯40cは、本体部40aの外周部に設けられている。各第2ラチェット歯40cは、周方向において互いに隣接する第1ラチェット歯40bの間に配置されている。すなわち、第1ラチェット歯40b及び第2ラチェット歯40cは、周方向において、交互に並べて配置されている。
各第2ラチェット歯40cは、本体部40aの外周面から突出している。各第2ラチェット歯40cの突出長さは、第1径方向において、各第1ラチェット歯40bの突出長さより短い。
図5Bに示すように、クラッチ戻し機構22の連結復帰部材55(後述する)は、各第1ラチェット歯40b、例えば第1ラチェット歯40b1を、押圧可能である。また、図5A及び図5Bに示すように、各第1ラチェット歯40b及び各第2ラチェット歯40cには、クラッチ爪44が係合可能である。
図5Bに示すように、各第1ラチェット歯40b、例えば第1ラチェット歯40b2は、連結復帰部材55の側部を押圧可能である。第1ラチェット歯40b2が連結復帰部材55の側部を押圧することによって、クラッチカム40(第1ラチェット歯40b1)及び連結復帰部材55(後述する第2係合部55c)の係合が、解除される。また、図5Aに示すように、この第1ラチェット歯40b2によって、連結復帰部材55の姿勢が保持される。
図6に示すように、複数のカム部40dは、本体部40aに設けられている。詳細に、複数のカム部40dそれぞれは、本体部40aからスプール軸方向に突出するように、本体部40aに形成されている。
図6及び図7に示すように、複数のカム部40dそれぞれは、周方向に間隔を隔てて配置される。カム部40dは、第1傾斜カム面40eと、第2傾斜カム面40fと、第1位置決め凹部40hと、第2位置決め凹部40gとを、有する。
第1傾斜カム面40eは、クラッチヨーク41を、クラッチオン位置からクラッチオフ位置に案内する。第1傾斜カム面40eは、カム部40dの頂部から第1回転方向R1に向かうにつれて、スプール10に近づくように形成される。
第2傾斜カム面40fは、クラッチヨーク41を、クラッチオフ位置からクラッチオン位置へと案内する。第2傾斜カム面40fは、カム部40dの頂部から、第1回転方向R1とは反対の第2回転方向R2に向かうにつれて、スプール10に近づくように形成される。
第1位置決め凹部40hには、クラッチヨーク41が係合する。例えば、クラッチヨーク41が第1位置決め凹部40hに配置されることによって、クラッチカム40が、クラッチヨーク41によって位置決めされる。第1位置決め凹部40hは、カム部40dの頂部に設けられている。第1位置決め凹部40hは、カム部40dの頂部において、本体部10a側に凹状に形成されている。
第2位置決め凹部40gには、クラッチヨーク41が係合する。第2位置決め凹部40gは、第1傾斜カム面40e及び第2傾斜カム面40fの間に、設けられている。詳細には、第2位置決め凹部40gは、第1傾斜カム面40e及び第2傾斜カム面40fの周方向間において、凹状に形成されている。クラッチヨーク41が第2位置決め凹部40gに配置されることによって、クラッチカム40が、クラッチヨーク41によって位置決めされる。
(クラッチヨーク)
図4、図5A、図5B、及び図7に示すように、クラッチヨーク41は、クラッチカム40に係合可能に構成される。また、クラッチヨーク41は、ピニオンギア32とともに、スプール軸方向に移動可能に構成される。クラッチヨーク41は、クラッチオン位置(図7の破線位置)とクラッチオフ位置(図7の実線位置)との間で、移動可能に構成される。
詳細には、クラッチヨーク41がクラッチオン位置からクラッチオフ位置に移動すると、クラッチヨーク41は、スプール10から離れる。これにより、ピニオンギア32のクラッチ凹部16bは、クラッチピン16aから離脱する。
一方で、クラッチヨーク41がクラッチオフ位置からクラッチオン位置に移動すると、クラッチヨーク41は、スプール10に近づく。これにより、ピニオンギア32のクラッチ凹部16bは、クラッチピン16aに係合する。
具体的には、クラッチヨーク41は、ガイド部材49(図4を参照)によって、スプール軸方向に案内される。詳細には、クラッチヨーク41は、スプール10に対して接近又は離反するように、ガイド部材49に往復移動可能に支持される。
図5A及び図5Bに示すように、クラッチヨーク41は、本体部41aと、係合部41bと、一対のガイド孔41cと、一対のカム受け部41dとを、有する。
本体部41aは、実質的に一方向に長く形成されている。係合部41bは、ピニオンギア32に係合する部分である。詳細には、係合部41bは、本体部41aの長手方向において、本体部41aの中央部に設けられる。係合部41bは、ピニオンギア32の環状凹部32a(図4を参照)に係合する。これにより、クラッチヨーク41は、ピニオンギア32とともに、スプール軸方向に移動可能になっている。
一対のガイド孔41cは、係合部41bの両側において、本体部41aに設けられる。ガイド孔41cには、ガイド部材49のガイド軸49a(図4を参照)が、挿通される。一対のカム受け部41dは、本体部41aの両端部に各別に設けられる。各カム受け部41dは、クラッチカム40のカム部40dに係合する。詳細には、各カム受け部41dは、第1傾斜カム面40e、第2傾斜カム面40f、第1位置決め凹部40h、及び第2位置決め凹部40gに、係合する。
(ガイド部材)
図4に示すように、ガイド部材49は、機構装着板9b例えば第1支持部9cに、固定されている。ガイド部材49には、2本のガイド軸49aが設けられている。2本のガイド軸49aは、クラッチヨーク41の一対のガイド孔41cに、各別に挿通される。
(第2バネ部材)
2本の第2バネ部材42は、クラッチヨーク41を、クラッチオフ位置からクラッチオン位置に向けて、付勢する。図4に示すように、第2バネ部材42は、例えばコイルばねである。第2バネ部材42は、2本のガイド軸49aそれぞれに装着される。2本の第2バネ部材42は、第1側カバー8aの内側面とクラッチヨーク41との間に配置される。これにより、クラッチヨーク41は、第2バネ部材42によって、スプール10側に向けて、付勢される。
(クラッチ爪)
図3に示すように、クラッチ操作部材11が第1位置(実線)から第2位置(破線)に向けて移動する場合、クラッチ爪44はクラッチカム40を第1回転方向R1に回転させる(図5A及び図5Bを参照)。
図5A及び図5Bに示すように、クラッチ爪44は、クラッチカム40に係合可能に設けられる。また、クラッチ爪44は、クラッチ操作部材11例えば装着部11bの支持軸11cに対して、揺動可能に設けられる。ここでは、クラッチ爪44は、支持軸11cの先端部にねじ込まれるねじ部材53によって、支持軸11cに対して抜け止めされている(図3を参照)。
クラッチ爪44は、クラッチカム40に係合可能且つ係合解除可能である。詳細には、クラッチ爪44は、第1ラチェット歯40b及び第2ラチェット歯40cに、係合可能且つ係合解除可能である。
図5A及び図5Bに示すように、クラッチ爪44は、第1ラチェット歯40b及び第2ラチェット歯40cの周方向間に配置される。この状態において、クラッチ爪44は、第1ラチェット歯40b又は第2ラチェット歯40cに係合する。
例えば、図5Aに示すように、クラッチ機構16がクラッチオン状態である場合、クラッチ爪44は、第1ラチェット歯40bを押圧可能に第1ラチェット歯40bに係合する。図5Bに示すように、クラッチ機構16がクラッチオフ状態である場合、クラッチ爪44は、第2ラチェット歯40cを押圧可能に第2ラチェット歯40cに係合する。
(第3バネ部材)
図4に示すように、第3バネ部材48は、クラッチ爪44を、クラッチカム40(本体部40a)に向けて、付勢する。第3バネ部材48は、例えば捩じりコイルばねである。第3バネ部材48の一端はクラッチ爪44に引っ掛けられ、第3バネ部材48の他端はクラッチ操作部材11(装着部11b)に引っ掛けられる。
<クラッチ戻し機構>
図4に示すように、クラッチ戻し機構22は、リターンギア52(回転部材の一例)と、連結復帰部材55と、第4バネ部材57とを、有している。
(リターンギア)
リターンギア52は、ハンドル2の回転に連動して回転する。リターンギア52は、連結復帰部材55を介して、クラッチカム40を回転させる。これにより、クラッチ機構16がクラッチオフ状態からクラッチオン状態に切り換えられる。
図4に示すように、リターンギア52は、駆動軸30に設けられる。詳細には、リターンギア52は、駆動軸30と一体回転可能に駆動軸30に装着される。リターンギア52は、回転軸心CBを有する。回転軸心CBは、駆動軸30の回転軸心RCと同芯である。
例えば、図5Bに示すように、リターンギア52が糸巻き取り方向WDに回転すると、リターンギア52は、連結復帰部材55を介して、クラッチカム40を第1回転方向R1に回転させる。なお、リターンギア52の回転方向例えば糸巻き取り方向WDは、回転軸心CBを基準として、時計回り及び反時計回りのいずれか一方である。本実施形態では、第1側カバー8a側から回転軸心CBに沿ってリターンギア52を見た場合(図5Bの場合)、リターンギア52の回転方向は、時計回りである。
図5Bに示すように、リターンギア52は、連結復帰部材55を押圧可能に構成される。リターンギア52は、複数の突起部52a(第1被係合部の一例)を、有する。各突起部52aは、連結復帰部材55に係合可能に構成される。詳細には、各突起部52aは、連結復帰部材55の第1係合部55b(後述する)を、押圧可能に構成される。各突起部52aは、周方向に間隔を隔てて、リターンギア52の外周部に形成される。
例えば、クラッチ機構16がクラッチオフ状態である場合(図5Bの場合)、リターンギア52が糸巻き取り方向WDに回転すると、突起部52aが、第1係合部55bを押圧する。すると、リターンギア52の第2係合部55c(後述する)が、第1ラチェット歯40b(40b1)を押圧する。これにより、クラッチカム40は、第1回転方向R1に回転する。
なお、クラッチ機構16がクラッチオン状態である場合(図5Aの場合)、連結復帰部材55の第1係合部55bは、各突起部52aから離反している。このため、リターンギア52が回転しても、各突起部52aは第1係合部55bを押圧することはない。
(連結復帰部材)
図5A及び図5Bに示すように、連結復帰部材55は、リターンギア52及びクラッチカム40と係合可能に構成される。また、連結復帰部材55は、リターンギア52との係合及びクラッチカム40との係合を、解除可能に構成される。
詳細には、図5Bに示すように、クラッチ機構16がクラッチオフ状態である場合、連結復帰部材55は、リターンギア52及びクラッチカム40に係合する。図5Aに示すように、クラッチ機構16がクラッチオン状態である場合、連結復帰部材55は、リターンギア52との係合及びクラッチカム50との係合を、解除する。
連結復帰部材55は、リール本体1に回動可能に設けられる。詳細には、連結復帰部材55は、リターンギア52及びクラッチカム40に係合した係合姿勢(図5Bの姿勢)と、リターンギア52との係合及びクラッチカム40との係合が解除された係合解除姿勢(図5Aの姿勢)との間で、リール本体1に回動可能に設けられる。
図5A及び図5Bに示すように、連結復帰部材55は、リターンギア52及びクラッチカム40の間に、配置される。詳細には、連結復帰部材55は、スプール軸心CAから離れる第1径方向(又は回転軸心CBから離れる第2径方向)において、リターンギア52及びクラッチカム40の間に、配置される。
連結復帰部材55は、クラッチカム40を押圧可能に構成される。連結復帰部材55は、本体部55aと、第1係合部55bと、第2係合部55cと、長孔部55dとを、有する。本体部55aは、一方向に長い板状に形成されている。本体部55aは、長孔部55dを介して、リール本体1、例えば機構装着板9bに設けられた軸部9fに対して、回動可能に取り付けられる。また、本体部55aは、軸部9fに装着されるねじ部材(図示しない)によって、抜け止めされている。
第1係合部55bは、リターンギア52に係合可能に構成される。詳細には、第1係合部55bは、リターンギア52の各突起部52aに係合可能に構成される。第1係合部55bは、本体部55aの一端部側に設けられている。ここでは、本体部55aの一端部の隅角部が、第1係合部55bに対応している。
例えば、図5Aに示すように、クラッチ機構16がクラッチオン状態である場合、第1係合部55bは、各突起部52aから離反している。すなわち、第1係合部55b及び突起部52aの係合が、解除されている。
一方で、図5Bに示すように、クラッチ機構16がクラッチオフ状態である場合、第1係合部55bは、周方向に隣接する2つの突起部52aの間に、配置される。第1係合部55bは、糸巻き取り方向WDの上流側の突起部52aに、当接している。ここで、リターンギア52が回転すると、第1係合部55bが、糸巻き取り方向WDの上流側の突起部52aによって、押圧される。
第2係合部55cは、クラッチカム40に係合可能に構成される。詳細には、第2係合部55cは、クラッチカム40の各第1ラチェット歯40bに係合可能に構成される。第2係合部55cは、本体部55aの他端部側に設けられている。ここでは、本体部55aの他端部の隅角部が、第2係合部55cに対応している。
例えば、図5Aに示すように、クラッチ機構16がクラッチオン状態である場合、第2係合部55cは、第1ラチェット歯40bから離反している。すなわち、第2係合部55c及び第1ラチェット歯40bの係合が、解除されている。
一方で、図5Bに示すように、クラッチ機構16がクラッチオフ状態である場合、第2係合部55cは、周方向に隣接する2つの第1ラチェット歯40b(40b1)及び第2ラチェット歯40c(40c1)の間に、配置される。第2係合部55cは、第1回転方向R1の下流側に配置された第1ラチェット歯40b1に、当接可能である。
ここで、リターンギア52が回転し、第1係合部55bが突起部52aによって押圧されると、第2係合部55cが、第1回転方向R1の下流側の第1ラチェット歯40b1を、押圧する。
図5A及び図5Bに示すように、長孔部55dは、本体部55aに設けられる。詳細には、長孔部55dは、本体部55aの長手方向に長い孔部である。長孔部55dは、第1係合部55b及び第2係合部55cの間において、本体部55aに設けられている。
長孔部55dには、リール本体1例えば機構装着板9bに設けられた軸部9fが、配置される。これにより、本体部55aが、長孔部55dを介して、軸部9fに沿って移動可能である。また、本体部55aは、長孔部55dを介して、軸部9fまわりに回動可能である。
軸部9fは、回動軸心CCを有している。回動軸心CCは、第1係合部55b及び第2係合部55cの間に、配置される。また、回動軸心CCは、リターンギア52の回転軸心CB及びクラッチカム40のスプール軸心CAの間に、配置される。
(第4バネ部材)
図5A及び図5Bに示すように、第4バネ部材57は、連結復帰部材55をリターンギア52及びクラッチカム40に向けて、付勢する。詳細には、第1係合部55bがリターンギア52に向かい、且つ第2係合部55cがクラッチカム40に向かうように、第4バネ部材57は連結復帰部材55を付勢する。
第4バネ部材57は、連結復帰部材55とリール本体1とを、連結する。詳細には、第4バネ部材57は、例えば、コイルばねである。第4バネ部材57の一端は、連結復帰部材55に設けられた孔部55eに装着される。ここでは、孔部55eは、第1係合部55b側の端部に設けられている。
第4バネ部材57の他端は、機構装着板9bの軸部9gに装着される。ここでは、第4バネ部材57の他端は、連結復帰部材55を支持する軸部9fを基準として、回転軸心CB(回転軸心RC)側に配置される。
<クラッチ制御機構及びクラッチ機構の動作>
図5Aに示すように、クラッチ機構16がクラッチオン状態である場合、例えば、ピニオンギア32のクラッチ凹部16b及びスプール軸14のクラッチピン16aが係合している場合、クラッチ爪44は、クラッチカム40の第1ラチェット歯40bを押圧可能に係合している。この状態において、クラッチ操作部材11が第1位置から第2位置へと操作されると、クラッチ爪44によって第1ラチェット歯40bが押圧され、クラッチカム40が第1回転方向R1に回転する。
すると、図7に示すように、クラッチヨーク41のカム受け部41dが、カム部40dの第1傾斜カム面40eによって、スプール10から離れるスプール軸方向に、案内される。そして、カム受け部41dが、第1位置決め凹部40hに配置される。これにより、クラッチカム40が、クラッチヨーク41によって位置決めされる。すなわち、クラッチカム40の回転が、クラッチヨーク41によって規制される。
このように、クラッチヨーク41が、スプール10から離れるスプール軸方向に、移動する際には、ピニオンギア32もクラッチヨーク41とともに上記のスプール軸方向に移動する。これにより、クラッチ凹部16b及びクラッチピン16aの係合が、解除される。すなわち、クラッチ機構16が、クラッチオン状態からクラッチオフ状態に切り換えられる。
この際に、クラッチ操作部材11の操作力が解除されると、クラッチ操作部材11が、第1バネ部材51によって、第2位置から第1位置に復帰する。すると、クラッチ爪44は、クラッチカム40の第2ラチェット歯40cに係合する。
一方で、図5Bに示すように、クラッチ機構16がクラッチオフ状態である場合、例えば、ピニオンギア32のクラッチ凹部16b及びスプール軸14のクラッチピン16aの係合が解除されている場合、クラッチ爪44は、第2ラチェット歯40cを押圧可能に係合している。この状態において、クラッチ操作部材11が第1位置から第2位置へと操作されると、クラッチ爪44によって第2ラチェット歯40cが押圧され、クラッチカム40が第1回転方向R1に回転する。
すると、図7に示すように、クラッチヨーク41のカム受け部41dが、第1位置決め凹部40hから第2位置決め凹部40gに向かって、スプール10に近づくスプール軸方向に移動する。この際には、カム受け部41dが第2傾斜カム面40fを押圧することによって、クラッチカム40は第1回転方向R1にさらに回転する。そして、カム受け部41dが第2位置決め凹部40gに配置されると、クラッチカム40が、クラッチヨーク41によって位置決めされる。すなわち、クラッチカム40の回転が、クラッチヨーク41によって規制される。
このように、クラッチヨーク41が、スプール10に近づくスプール軸方向に、移動する際には、ピニオンギア32もクラッチカム40とともに上記のスプール軸方向に移動する。これにより、クラッチ凹部16b及びクラッチピン16aが、係合する。すなわち、クラッチ機構16が、クラッチオフ状態からクラッチオン状態に切り換えられる。
この際に、クラッチ操作部材11の操作力が解除されると、クラッチ操作部材11が、第1バネ部材51によって、第2位置から第1位置に復帰する。すると、クラッチ爪44は、第1ラチェット歯40bに係合する。
<クラッチ戻し機構の動作>
図5Bに示すように、クラッチ機構16がクラッチオフ状態である場合、連結復帰部材55は、リターンギア52の突起部52a及びクラッチカム40の第1ラチェット歯40b(40b1)に、係合している。詳細には、連結復帰部材55の第1係合部55bが突起部52aに係合し、連結復帰部材55の第2係合部55cが第1ラチェット歯40b(40b1)に係合している。この状態における連結復帰部材55の姿勢が、係合姿勢である。
この状態において、ハンドル2が操作されリターンギア52が糸巻き取り方向WDに回転すると、突起部52aが第1係合部55bを押圧し、第2係合部55cが第1ラチェット歯40b(40b1)を押圧する。詳細には、突起部52aが第1係合部55bを押圧すると、本体部55aが長孔部55dを介して軸部9fに沿って移動し、第2係合部55cが第1ラチェット歯40b(40b1)を押圧する。このように、リターンギア52の回転によって、連結復帰部材55がクラッチカム40を押圧する。
すると、クラッチカム40は、連結復帰部材55の押圧によって第1回転方向R1に回転を開始し、クラッチヨーク41の押圧(<クラッチ制御機構及びクラッチ機構の動作>を参照)によってさらに第1回転方向R1に回転する。これにより、クラッチ機構16が、クラッチオフ状態からクラッチオン状態に切り換えられる。
ここで、クラッチヨーク41の押圧によってクラッチカム40が回転すると、第2係合部55cによって押圧された第1ラチェット歯40bの下流側に配置された第1ラチェット歯40b(40b2)が、連結復帰部材55(本体部55a)の側部を押圧する。すると、連結復帰部材55が、軸部9fまわりに回動する。すると、第1係合部55b及び突起部52aの係合と、第2係合部55c及び第1ラチェット歯40bの係合とが、解除される。
すなわち、クラッチ機構16がクラッチオフ状態からクラッチオン状態に切り換わる場合、連結復帰部材55がクラッチカム40(第1ラチェット歯40b2)の押圧によって回動し、連結復帰部材55及びクラッチカム40の係合が解除される。
この状態(図5Aの状態)では、第4バネ部材57の付勢力によって、連結復帰部材55の長孔部55dの端部が、軸部9fに当接している。連結復帰部材55の姿勢は、上記の下流側の第1ラチェット歯40b(40b2)の頂部によって、保持される。すなわち、連結復帰部材55は、クラッチカム40によって、姿勢が保持される。この状態における連結復帰部材55の姿勢が、係合解除姿勢である。
一方で、図5Aに示すように、クラッチ機構16がクラッチオン状態である場合、クラッチ操作部材11が第1位置から第2位置へと操作されると、クラッチ爪44によって第1ラチェット歯40bが押圧され、クラッチカム40が第1回転方向R1に回転する(<クラッチ制御機構及びクラッチ機構の動作>を参照)。これにより、クラッチ機構16が、クラッチオン状態からクラッチオフ状態に切り換えられる。
この場合、連結復帰部材55は、第4バネ部材57の付勢力によって、軸部9fまわりに回動する。すると、第1係合部55bが突起部52aに係合し、第2係合部55cが第1ラチェット歯40bに、係合する。すなわち、連結復帰部材55の回動によって、連結復帰部材55は、リターンギア52及びクラッチカム40と係合する。ここで、第2係合部55cが係合する第1ラチェット歯40bは、上記の下流側の第1ラチェット歯40b(連結復帰部材55の姿勢を保持する第1ラチェット歯40b2)である。
<変形例>
前記実施形態では、図6に示すように、クラッチカム40の第1ラチェット歯40b及び第2ラチェット歯40cが、周方向において、本体部40aの外周部に交互に配置される場合の例を示した。
これに代えて、図8に示すように、クラッチカム140を構成してもよい。この場合、クラッチカム140は、本体部40aと、複数の第1ラチェット歯140b(第2被係合部の一例)と、複数の第2ラチェット歯140cと、複数のカム部40dとを、有している。本体部40a及びカム部40dの構成は、前記実施形態と同じ構成であるので、ここでは説明を省略する。
各第1ラチェット歯140bは、周方向に間隔を隔てて、本体部40aの外周面に配置されている。各第1ラチェット歯140bは、本体部40aの外周面から突出している。
各第2ラチェット歯140cは、周方向に間隔を隔てて、本体部40aの外周面に配置されている。各第2ラチェット歯140cは、カム部40d及び第1ラチェット歯140bの間において、本体部40aの外周面から突出している。
詳細には、各第2ラチェット歯140cは、スプール軸方向においてカム部40d及び第1ラチェット歯140bの間に配置され、本体部40aの外周面から突出している。
クラッチカム140をスプール軸方向に見た場合、第1ラチェット歯140b及び第2ラチェット歯140cは、周方向において、交互に並べて配置されている。
このようにクラッチカム140を構成しても、前記実施形態と同様に、クラッチ制御機構20及びクラッチ戻し機構22を、動作させることができる。
<他の実施形態>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。特に、本明細書に書かれた複数の実施形態及び変形例は必要に応じて任意に組合せ可能である。
(a)前記実施形態では、モータ12でスプール10を駆動可能な両軸受リール100を用いて説明を行ったが、本発明は、手巻きの両軸受リールにも適用できる。
1 リール本体
2 ハンドル
10 スプール
11 クラッチ操作部材
16 クラッチ機構
20 クラッチ制御機構
21 係合解除構造
40 クラッチカム
40b ラチェット歯
40c 第1位置決め部
40h 第2位置決め部
41 クラッチヨーク
41e 第1突出部
44 クラッチ爪
44c 第2突出部
51 第1バネ部材
R1 第1回転方向

Claims (9)

  1. リール本体と、
    前記リール本体に回転可能に支持されるスプールと、
    前記スプールを回転可能に構成されるハンドルと、
    前記ハンドルの回転に連動して回転する回転部材と、
    前記ハンドル及び前記スプールを連結し且つ前記ハンドル及び前記スプールの連結を解除するクラッチ機構と、
    前記クラッチ機構を連結状態及び連結解除状態のいずれか一方から前記連結状態及び前記連結解除状態のいずれか他方に切り換えるために、前記スプールの第1回転中心軸まわりの方向に回転可能に構成されるクラッチカムと、
    前記回転部材及び前記クラッチカムの間に配置され、前記クラッチ機構が前記連結解除状態である場合に前記回転部材及び前記クラッチカムに係合し、前記クラッチ機構が前記連結状態である場合に前記回転部材との係合を解除する連結復帰部材と、
    第1位置と前記第1位置から離れた第2位置との間で移動可能に構成され、前記第1位置から前記第2位置に向けて移動させることによって前記クラッチカムを前記一方向に回転させるクラッチ操作部材と、
    前記クラッチ操作部材を前記第2位置から前記第1位置に向けて付勢する第1付勢部材と、
    を備える両軸受リール。
  2. 前記クラッチカムの回転方向は、前記第1回転中心軸まわりの時計回り及び反時計回りのいずれか一方であり、
    前記回転部材の回転方向は、前記回転部材の第2回転中心軸まわりの時計回り及び反時計回りのいずれか他方である、
    請求項1に記載の両軸受リール。
  3. 前記クラッチ機構を前記連結解除状態から前記連結状態に切り換えるために、前記回転部材が前記連結復帰部材を押圧し且つ前記連結復帰部材が前記クラッチカムを押圧することによって、前記クラッチカムは回転する、
    請求項1又は2に記載の両軸受リール。
  4. 前記クラッチ機構が前記連結解除状態から前記連結状態に切り換わる場合に、前記連結復帰部材が前記クラッチカムの押圧によって回動することによって、前記連結復帰部材及び前記回転部材の係合、及び前記連結復帰部材及び前記クラッチカムとの係合が、解除される、
    請求項1から3のいずれか1項に記載の両軸受リール。
  5. 前記クラッチ機構が前記連結状態である場合、前記クラッチカムは、前記連結復帰部材の姿勢を保持する、
    請求項1から4のいずれか1項に記載の両軸受リール。
  6. 前記連結復帰部材を前記回転部材及び前記クラッチカムに向けて付勢する第2付勢部材、
    をさらに備える請求項1から5のいずれか1項に記載の両軸受リール。
  7. 前記連結復帰部材は、前記回転部材に係合可能な第1係合部と、前記クラッチカムに係合可能な第2係合部とを、有し、
    前記連結復帰部材の回動軸心は、前記回転部材及び前記クラッチカムの間、且つ前記第1係合部及び前記第2係合部の間に、配置される、
    請求項1から6のいずれか1項に記載の両軸受リール。
  8. 前記回転部材は、前記第1係合部が係合可能な第1被係合部を、有し、
    前記クラッチカムは、前記第2係合部が係合可能な第2被係合部を、有する、
    請求項7に記載の両軸受リール。
  9. 前記クラッチ機構が前記連結解除状態である場合、前記第1係合部が前記第1被係合部に係合し、前記第2係合部が前記第2被係合部に係合し、
    前記クラッチ機構が前記連結状態である場合、前記第1係合部及び前記第1被係合部の係合が解除され、前記第2係合部及び前記第2被係合部の係合が解除され、前記第2被係合部は前記連結復帰部材の姿勢を保持する、
    請求項8に記載の両軸受リール。
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