JP7049190B2 - インダクタ - Google Patents

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Description

本発明は、インダクタに関し、特に複数のコイル部を備えるインダクタに関する。
電子機器用のPOL(Point Of Load)電源として、マルチフェーズDC-DCコンバータが知られている。マルチフェーズDC-DCコンバータは、フェーズ数に応じた複数のインダクタを必要とする。ここで、複数のインダクタを回路基板上に個別に実装すると、大きな実装面積が必要となり、結果的に負荷までの配線長も長くなる。そこで、実装面積を縮小し、負荷までの配線長を短縮しようと、複数のインダクタ(コイル部)を一体にパッケージしたマルチフェーズインダクタ(インダクタ)が開発されている。
特許文献1は、複数のコイル部を備えるインダクタ(面実装マルチフェーズインダクタ)を開示している。開示されたインダクタにおいて、複数のコイル部は、それらの巻軸が互いに平行になるように、巻軸と直交する方向に沿って一列に並べられている。この構成によれば、複数のコイル部を互いに近接配置してもコイル部間の結合係数を小さく抑えることができる。その結果、コイル部は夫々の機能を適切に果たすことができる。
特開2013-211330号公報
特許文献1に開示されたインダクタに含まれるコイル部の夫々において、巻軸と直交する方向の寸法は、巻軸に沿った方向の寸法よりも大きい。そのため、特許文献1のインダクタは、比較的大きい実装面積を必要とするという問題点がある。
上記問題点は、巻軸が互いに一致するように複数のコイル部を配置することで解決されるが、そのような構成は、コイル間の結合係数を大きくし、機能低下を招く。
そこで、本発明は、複数のコイル部を備えるインダクタであって、コイル部間の結合係数が小さく、実装面積も小さいインダクタを提供することを目的とする。
本発明は、第1のインダクタとして、複数のコイル部と、前記コイル部に共通の磁性コア部と、複数の低透磁率部とを備えるインダクタであって、
前記磁性コア部は、上面及び下面を有する板状のものであり、
前記コイル部の夫々は、入力端子と、出力端子と、第1連結ピンと、第2連結ピンと、上側導電体とを有しており、
前記入力端子と前記出力端子は、前記磁性コア部の前記下面上にあり、
前記上側導電体は、前記磁性コア部の前記上面上にあり、
前記第1連結ピンは、上下方向において前記磁性コア部を貫通して、前記入力端子と前記上側導電体とを接続しており、
前記第2連結ピンは、前記上下方向において前記磁性コア部を貫通して、前記出力端子と前記上側導電体とを接続しており、
全ての前記第1連結ピンは、前記上下方向と直交する第1水平方向に並んでおり、
全ての前記第2連結ピンは、前記第1水平方向に並んでおり、
全ての前記上側導電体は、前記第1水平方向に並んでおり、
前記低透磁率部は、前記磁性コア部の透磁率よりも低い透磁率を有しており、
前記低透磁率部は、前記コイル部に夫々対応しており、
前記低透磁率部は、前記上下方向において前記磁性コア部を貫通しており、
前記低透磁率部の夫々は、対応する前記コイル部の前記第1連結ピンから前記第2連結ピンまで延びている
インダクタを提供する。
また、本発明は、第2のインダクタとして、第1のインダクタであって、
前記磁性コア部は、前記上下方向及び前記第1水平方向の双方と直交する第2水平方向において、複数の部品の組み合わせで構成されている
インダクタを提供する。
また、本発明は、第3のインダクタとして、第2のインダクタであって、
前記低透磁率部は、樹脂板を有している
インダクタを提供する。
また、本発明は、第4のインダクタとして、第3のインダクタであって、
前記複数の部品の数は二つであり、
前記樹脂板は、前記二つの部品にまたがって設けられている
インダクタを提供する。
また、本発明は、第5のインダクタとして、第1から第4のインダクタのいずれかであって、
前記磁性コア部は、軟磁性金属粉末をバインダで結着させたものであり、
前記軟磁性金属粉末は、扁平形状を有しており、
前記バインダは、無機酸化物を主成分とするものである
インダクタを提供する。
また、本発明は、第6のインダクタとして、第1から第5のインダクタのいずれかであって、
前記低透磁率部の夫々は、前記第1水平方向において、前記第1連結ピン及び前記第2連結ピンよりも小さいサイズを有している
インダクタを提供する。
さらに、本発明は、第7のインダクタとして、第1から第6のインダクタのいずれかであって、
前記低透磁率部の夫々は、前記上下方向及び前記第1水平方向の双方と直交する第2水平方向において、対応する前記コイル部の前記第1連結ピンから前記第2連結ピンまで延びている
インダクタを提供する。
本発明のインダクタにおいて、複数のコイル部は、全ての第1連結ピン、全ての第2連結ピン及び全ての上側導電体が、夫々、第1水平方向に並ぶように磁気コア部に設けられている。換言すると、複数のコイル部は、巻軸が互いに一致するように第1水平方向に並べられている。各コイル部において、巻軸に沿った方向の寸法は、巻軸と直交する方向の寸法に比べて小さいので、インダクタの実装面積を小さくすることができる。また、低透磁率部は、磁気コア部を貫通し、第1連結ピンから第2連結ピンまで延びている。これにより、コイル部同士の結合係数を小さくすることができる。
本発明の一実施の形態によるインダクタを示す斜視図である。 図1のインダクタを示すA-A線断面図である。 図1のインダクタを示す部分断面斜視図である。 図1のインダクタに含まれる磁気コア部を示す斜視図である。 図4の磁気コア部に生じる磁束を説明するための斜視図である。 図1のインダクタに含まれる磁気コア部の製造方法の一例を説明するための図であって、軟磁性金属粉末を含む成型体を示す斜視図である。 図6の成型体から作製される焼結体部品を示す斜視図である。 図7の焼結体部品と樹脂板とを用いる磁気コア部の製造方法について説明するための斜視図である。
図1を参照すると、本発明の一実施の形態によるインダクタ10は、複数のコイル部20と、これらコイル部20に共通の磁性コア部30とを有している一体インダクタである。本実施の形態において、コイル部20の数は、二つである。但し、本発明は、これに限られない。コイル部20の数は、三以上であってもよい。
図1に示されるように、複数のコイル部20は、上下方向と直交する第1水平方向に沿って一列に並んでいる。本実施の形態において、上下方向はZ方向であり、第1水平方向はX方向である。また、+Z方向が上方であり、-Z方向が下方である。
図4を参照すると、インダクタ10に含まれる磁性コア部30は、上下方向と直交する上面310及び下面320を有する板状の磁性体である。上下方向において、磁性コア部30のサイズ(厚み)は、2mm程度である。磁性コア部30は、特に限定されないが、軟磁性金属粉末をバインダで結着させた複合磁性体であってよい。その場合、軟磁性金属粉末として、扁平形状を有する軟磁性金属粉末を用いることができ、バインダとして、無機酸化物、例えばケイ素酸化物を主成分とするものを用いることができる。絶縁性のバインダを用いることで、得られる磁性コア部30の電気抵抗率を高く(例えば、10KΩ・cm以上に)することができる。なお、磁性コア部30の実効透磁率は、インダクタ10の直流抵抗を抑制するため、50以上であることが望ましい。また、磁性コア部30の比透磁率は、後述するギャップ40の存在を考慮して、100以上であることが望ましい。
図4に示されるように、磁性コア部30には、複数のピン孔330が形成されている。図2及び図3から理解されるように、ピン孔330は、上下方向において磁性コア部30を貫通している。また、図4に示されるように、ピン孔330は、第1水平方向に沿って二列に配列されている。一方の列のピン孔330の夫々は、他方の列のピン孔330のいずれかと対をなす。換言すると、磁性コア部30には、複数対のピン孔330が第1水平方向に沿って並ぶように形成されている。図3及び図4から理解されるように、複数対のピン孔330は、コイル部20に夫々対応している。本実施の形態において、対をなす二つのピン孔330は、上下方向及び第1水平方向の双方と直交する第2水平方向に沿って並んでいる。但し、本発明は、これに限られない。対をなす二つのピン孔330は、第2水平方向に対して傾きを有する方向に並んでいてもよい。また、対をなす二つのピン孔330の並ぶ方向は、全ての対において一致していなくてもよい。換言すると、各対をなす二つのピン孔330が並ぶ方向は、他の対をなす二つのピン孔330が並ぶ方向に対して多少傾きを有していてもよい。なお、本実施の形態において、第2水平方向は、Y方向である。
図4に示されるように、磁性コア部30には、さらに複数のギャップ(空隙)40が形成されている。複数のギャップ40は、複数対のピン孔330に夫々対応している。これは、複数のギャップ40がコイル部20(図1参照)に夫々対応していることを意味する。複数のギャップ40は、同一の形状及び同一のサイズを有していることが好ましい。これは、複数のコイル部20を用いて形成される複数のインダクタ部の特性を互いに一致させるためである。
図2から図4までの図から理解されるように、ギャップ40は、上下方向において磁性コア部30を貫通している。さらに、本実施の形態において、ギャップ40は、第2水平方向に沿って延びており、対応する対のピン孔330の間を接続している。図4から理解されるように、ギャップ40の第1水平方向におけるサイズ(幅)は、第2水平方向におけるギャップ40の一端から他端まで均一である。但し、本発明はこれに限られない。ギャップ40の第1水平方向におけるサイズ(幅)は、必ずしも均一でなくてもよい。また、ギャップ40の第1水平方向におけるサイズ(幅)は、ピン孔330のサイズ(内径)よりも小さい。なお、ギャップ40の第1水平方向におけるサイズ(幅)は、例えば、0.18mmである。
ギャップ40は、磁性コア部30に対する低透磁率部として働く。換言すると、磁性コア部30(インダクタ10)は、複数の低透磁率部を備えている。但し、本発明において、低透磁率部はギャップ40に限られない。本発明において、低透磁率部は、磁性コア部30の透磁率よりも低い透磁率を有していればよく、ギャップ40に代えて、軟磁性体又は非磁性体からなる低透磁率部材を設けてもよい。非磁性体からなる低透磁率部材として、例えば、後述する樹脂板50(図8参照)を用いることができる。
図2及び図3に示されるように、コイル部20の夫々は、入力端子210と、出力端子220と、第1連結ピン230と、第2連結ピン240と、上側導電体250とを有している。入力端子210及び出力端子220の夫々は板状であり、曲げ加工により形成された脚部212又は222を有している。第1連結ピン230及び第2連結ピン240の夫々は、円柱状の形状を有している。上側導電体250は、平板状の形状を有している。但し、本発明はこれに限らない。入力端子210及び出力端子220は、脚部を持たない平板状のものであってもよい。また、第1連結ピン230及び第2連結ピン240の形状は、角柱状であってもよい。
入力端子210、出力端子220、第1連結ピン230、第2連結ピン240及び上側導電体250の夫々の構成は、特に限定されないが、いずれも、銅をベースとし、表層に錫メッキが施されたものを用いることができる。ベースと錫メッキ層との間に、下地層として、ニッケルメッキ層や銅メッキ層が形成されていてもよい。第1連結ピン230及び第2連結ピン240の外径は、ピン孔330の内径より小さくてもよいし、わずかに大きくてもよい。また、第1連結ピン230及び第2連結ピン240の上下方向のサイズ(高さ)は、磁性コア部30の上下方向のサイズ(厚み)と等しいか僅かに大きくてもよい。入力端子210及び出力端子220の夫々は、上下方向に沿ってみたときに、ピン孔330を覆う大きさを有している。また、上側導電体250は、上下方向に沿ってみたときに、ピン孔330の各対とそれらの間にあるギャップ40とを覆う大きさを有している。
図1から図3までの図から理解されるように、入力端子210と出力端子220は、少なくとも部分的に磁性コア部30の下面320上に位置している。また、上側導電体250は、少なくとも部分的に磁性コア部30の上面310上に位置している。第1連結ピン230及び第2連結ピン240は、対をなすピン孔330(図4参照)内に配置されている。そして、第1連結ピン230は、上下方向において磁性コア部30を貫通して、入力端子210と上側導電体250とを接続している。また、第2連結ピン240は、上下方向において磁性コア部30を貫通して、出力端子220と上側導電体250とを接続している。こうして、コイル部20は、第1連結ピン230と、上側導電体250と、第2連結ピン240とで、略3/4巻のコイルを形成している。
図1から図3までの図から理解されるように、複数のコイル部20に用いられる全ての第1連結ピン230は、第1水平方向に並んでいる。同様に、全ての第2連結ピン240も、第1水平方向に並んでいる。さらに、全ての上側導電体250も第1水平方向に並んでいる。低透磁率部であるギャップ40の夫々は、対応するコイル部20の内側に配置され、第1連結ピン230から第2連結ピン240まで延びている。
図1から図3までの図から理解されるように、本実施の形態によるインダクタ10において、複数のコイル部20の巻軸(中心軸)は、全て第1水平方向に延びており、且つ相互に一致している。これにより、インダクタ10の実装面積を、巻軸が互いに平行となるようにコイルが配置される従来のインダクタよりも小さくすることができる。
図5から理解されるように、一方のコイル部20(図1参照)に通電したときに発生する磁束300は、低透磁率部であるギャップ40の存在により、他方のコイル部20の内側を通過することが難しい。すなわち、一方のコイル部20への通電により発生した磁束300は、他方のコイル部20とは鎖交し難い。その結果、本実施の形態によるインダクタ10において、コイル部20間の結合係数は小さい。したがって、コイル部20の配置間隔をより小さくしても、各コイル部20は隣接するコイル部20の影響を受け難く、所望の機能を果たすことができる。換言すると、本実施の形態のインダクタ10は、機能を低下させることなく、より小型化が可能である。なお、コイル部20間の結合係数は、0.1以下が好ましいく、0.01以下がより好ましい。
以下、インダクタ10の製造方法の一例について説明する。まず、磁性コア部30に用いられる軟磁性金属粉末を作製する。必要な磁気特性を得るため、軟磁性金属粉末の原料として、Fe系合金を用いる。Fe系合金の中でも、Fe-Si系合金が好ましく、Fe-Si-Al系合金(センダスト)又はFe-Si-Cr系合金がより好ましい。このような原料を用いて、アトマイズ法等の方法により軟磁性金属粉末を得る。続いて、得られた軟磁性金属粉末をボールミル等の扁平化装置を用いて扁平化する。こうして、扁平化した軟磁性金属粉末を得る。
次に、バインダと溶剤と増粘剤とを混合して絶縁性を有するバインダ混合物を作製する。ここで、バインダは無機酸化物を主成分とするものを用いることが好ましい。作製したバインダ混合物と扁平化した軟磁性金属粉末とを適度に混合して磁性塗料とする。ドクターブレード法やダイスロット法等を用いて磁性塗料を基板上に塗布し、加熱乾燥させて予備成型体(グリーンシート)を得る。得られた予備成型体を適切なサイズに切断する。切断後のシートを1枚もしくは複数枚積層して加圧成型し、成型体を作製する。このとき、扁平化された軟磁性金属粉末は、概ね面内方向に配向する。ここで、成型体の製造方法は、例えば特開2014-168041号公報に開示されている。
次に、フライス盤等を用いて、成型体にピン孔330及びギャップ40を形成する。磁性コア部30を作製するには、成型体を焼成する必要があるが、焼成後の成型体(焼結体)は機械的加工が困難である。一方、成型体への機械的加工は、比較的容易に行える。しかも、本実施の形態における成型体は、焼成による収縮が極めて小さい(0.1%以下)。そこで、本実施の形態では、成型体に対して機械的加工を行った後に焼成を行う。成型体に対して機械的加工を行った後に焼成を行っても、本実施の形態では、焼結後に機械的加工を行ったのと同等の加工精度を実現することができる。
成型体に対する機械的加工は、図4に示されるピン孔330とギャップ40との組み合わせを形成するように行ってもよいが、図6に示されるように、成型体34にピン孔330と部分ギャップ410との組み合わせを形成するように行ってもよい。図4のピン孔330及びギャップ40は、上下方向と直交する水平方向において閉じている。これに対して、図6の部分ギャップ410は、第2水平方向において外側に開いている。そのため、切断ブレードなどを用いて加工することが可能であり、部分ギャップ410の形成はギャップ40の形成に比べて容易である。部分ギャップ410及びピン孔330を形成した場合、その後に、図6に示される破線に沿って成型体34を二分割する。図7から理解されるように、分割された部分成型体の縁部340同士を突き合わせれば、互いに対応する二つの部分ギャップ410が一つのギャップ40を形成する。
次に、加工後の成型体を焼成して焼結体(磁性コア部30)を得る。この焼成は、例えば、600℃で行うことができる。成型体が分割されている場合は、部分成型体を夫々焼成して焼結体部品36(図7参照)とした後、接着剤等を用いて焼結体部品36を互いに接合して焼結体(磁性コア部30)を得る。この焼成により、成型体に含まれるバインダの有機成分が分解して失われ、焼結体内部に開細孔(空孔)及び閉細孔(空孔)が形成される。バインダの無機成分は残存し、軟磁性金属粉同士を結着させる。こうして得られた本実施の形態における磁性コア部30は、60体積%以上の軟磁性金属粉末と、4体積%以上かつ30体積%以下のバインダ成分と、10体積%以上かつ30体積%以下の開細孔と、僅かな体積%の閉細孔とを含んでいる。開細孔及び閉細孔の存在により、得られた焼結体(又は焼結体部品36)は弾性を有する。焼結体のゴム硬度は、例えば、92以上96以下(ISO7619-typeD)であり、ヤング率は、例えば、10GPa以上、90GPa以下である。
本実施の形態において、磁性コア部30は、上述したように、第2水平方向において二つの部品の組み合わせで構成されてよい。但し、本発明はこれに限られない。磁性コア部30は、三以上の部品で構成されてもよい。しかしながら、製造の容易さを考慮すると磁性コア部30を構成する部品の数は、二つが好ましい。
図7に示される二つの焼結体部品36を互いに組み合わせる際、図8に示されるように、部分ギャップ410に樹脂板50を差し込んでもよい。樹脂板50の厚みは、部分ギャップ410の幅と等しいかわずかに大きいものとする。上述のように焼結体部品36は、弾性を有しているので、樹脂板50の厚みが部分ギャップ410の幅よりも大きくても、樹脂板50を部分ギャップ410に差し込むことが可能である。また、樹脂板50の固定に接着剤等を用いても良い。樹脂板50を二つの焼結体部品36の部分ギャップ410に差し込むことにより、二つの焼結体部品36の相互の位置決めを容易に行うことができるとともに、二つの焼結体部品36を互いに固定することができる。樹脂板50は、焼結体部品36から取り外されることなく、そのまま低透磁率部として利用することができる。換言すると、樹脂板50は、二つの部品にまたがるように設けられた低透磁率部として利用できる。樹脂板50を低透磁率部として利用する場合、樹脂板50の長さ(本実施の形態においては、第2水平方向の長さ)は、二つの部分ギャップ410によって形成されるギャップ40の長さに等しくすることが好ましい。そうすることで、樹脂板50は、第1連結ピン230から第2連結ピン240まで延びることになる。
次に、磁性コア部30のピン孔330に第1連結ピン230及び第2連結ピン240を挿入又は圧入する。第1連結ピン230及び第2連結ピン240の外径がピン孔330の内径よりも小さい場合、第1連結ピン230及び第2連結ピン240の夫々をピン孔330に容易に挿入することができる。また、第1連結ピン230及び第2連結ピン240の外径がピン孔330の内径よりも僅かに大きい場合であっても、磁性コア部30の弾性変形により、第1連結ピン230及び第2連結ピン240を夫々ピン孔330に圧入することができる。この場合、第1連結ピン230及び第2連結ピン240は、磁性コア部30によってピン孔330内に保持される。その結果、次工程において第1連結ピン230及び第2連結ピン240の姿勢を調整する必要がなくなり、次工程の実施が容易になる。なお、第1連結ピン230及び第2連結ピン240の外径は、第1水平方向におけるギャップ40のサイズよりも大きい。これにより、第1連結ピン230及び第2連結ピン240がギャップ40へ進入してピン孔330から脱落することが防止される。
次に、第1連結ピン230及び第2連結ピン240に、入力端子210、出力端子220及び上側導電体250を溶接する。詳しくは、磁性コア部30の上面310上の所定位置に上側導電体250を配置し、磁性コア部30の下面320上の所定位置に入力端子210及び出力端子220を夫々配置する。そして、抵抗溶接機を用いて、第1連結ピン230及び第2連結ピン240の夫々を、入力端子210及び出力端子220の一方と上側導電体250とに溶接する。こうして、入力端子210と第1連結ピン230との間、第1連結ピン230と上側導電体250との間、上側導電体250と第2連結ピン240との間、及び第2連結ピン240と出力端子220との間が、夫々、電気的かつ機械的に接続される。但し、本発明は、これに限られない。入力端子210、出力端子220及び上側導電体250は、抵抗溶接以外の方法、例えば、加圧接続法等の方法で第1連結ピン230及び第2連結ピン240に接続されてもよい。
以上により、インダクタ10が完成する。インダクタ10は、適切に機能する複数のコイル部20を備えており、かつその実装面積が小さい。よって、インダクタ10は、POL(Point Of Load)技術を採用する電源回路に含まれるインダクタとして、負荷のより近くに配置することが可能である。
インダクタ10におけるギャップ40の効果を確認するため、コイル部20間の結合係数をシミュレーションにより求めた(実施例)。また、ギャップ40を有していない点を除いて、インダクタ10と同一の構成を持つインダクタについて、コイル部間の結合係数をシミュレーションにより求めた(比較例)。その結果を表1に示す。
Figure 0007049190000001
表1に示されるように、磁心の透磁率が1のとき、実施例の結合係数と比較例の結合係数は、互いに等しい。そして、磁心の透磁率が大きくなると、実施例の結合係数と比較例の結合係数はともに低下する。しかしながら、磁心の透磁率の増加に対して、実施例の結合係数の低下の方が、比較例の結合係数の低下に比べて著しい。このことから、ギャップ40の存在が、コイル部20間の結合係数の低下に大きく貢献していることが理解できる。即ち、コイル部20の内側に低透磁率部を配置することによって、巻軸を一致させるように配列された複数のコイル部20間の結合係数を低減することができる。これにより、インダクタ10の実装面積を低減することができる。
以上、本発明について実施の形態及び実施例を掲げて説明したが、本発明は、上記実施の形態及び実施例に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の変形・変更が可能である。たとえば、コイル部20の上側導電体250は、上下方向に沿って見たとき、角丸長方形の形状のものであってよい。また、入力端子210及び出力端子220は、第1連結ピン230及び第2連結ピン240にそれぞれ連続する円柱状又は角柱状のものであってよい。また、コイル部20は、必ずしも別体の部品(入力端子210、第一連結ピン230、上側導電体250、第二連結ピン240及び出力端子220)を接合して形成する必要はなく、連続した導電体を曲げ加工によって形成してもよい。
10 インダクタ
20 コイル部
210 入力端子
212 脚部
220 出力端子
222 脚部
230 第1連結ピン
240 第2連結ピン
250 上側導電体
30 磁性コア部
34 成型体
36 焼結体部品
300 磁束
310 上面
320 下面
330 ピン孔
340 縁部
40 ギャップ(低透磁率部)
410 部分ギャップ
50 樹脂板

Claims (7)

  1. 複数のコイル部と、前記コイル部に共通の磁性コア部と、複数の低透磁率部とを備えるインダクタであって、
    前記磁性コア部は、上面及び下面を有する板状のものであり、
    前記コイル部の夫々は、入力端子と、出力端子と、第1連結ピンと、第2連結ピンと、上側導電体とを有しており、
    前記入力端子と前記出力端子は、前記磁性コア部の前記下面上にあり、
    前記上側導電体は、前記磁性コア部の前記上面上にあり、
    前記第1連結ピン及び前記第2連結ピンの夫々は、前記磁性コアを貫通するピン孔内に配置されており、
    前記第1連結ピンは、上下方向において前記磁性コア部を貫通して、前記入力端子と前記上側導電体とを接続しており、
    前記第2連結ピンは、前記上下方向において前記磁性コア部を貫通して、前記出力端子と前記上側導電体とを接続しており、
    全ての前記第1連結ピンは、前記上下方向と直交する第1水平方向に並んでおり、
    全ての前記第2連結ピンは、前記第1水平方向に並んでおり、
    全ての前記上側導電体は、前記第1水平方向に並んでおり、
    前記低透磁率部は、前記磁性コア部の透磁率よりも低い透磁率を有しており、
    前記低透磁率部は、前記コイル部に夫々対応しており、
    前記低透磁率部は、前記上下方向において前記磁性コア部を貫通しており、
    前記低透磁率部の夫々は、対応する前記コイル部の前記第1連結ピンから前記第2連結ピンまで延びており、
    前記低透磁率部の前記第1水平方向におけるサイズは、前記ピン孔のサイズよりも小さい
    インダクタ。
  2. 請求項1に記載のインダクタであって、
    前記磁性コア部は、前記上下方向及び前記第1水平方向の双方と直交する第2水平方向において、複数の部品の組み合わせで構成されている
    インダクタ。
  3. 請求項2に記載のインダクタであって、
    前記低透磁率部は、樹脂板を有している
    インダクタ。
  4. 請求項3に記載のインダクタであって、
    前記複数の部品の数は二つであり、
    前記樹脂板は、前記二つの部品にまたがって設けられている
    インダクタ。
  5. 請求項1から請求項4のうちのいずれか一つに記載のインダクタであって、
    前記磁性コア部は、軟磁性金属粉末をバインダで結着させたものであり、
    前記軟磁性金属粉末は、扁平形状を有しており、
    前記バインダは、無機酸化物を主成分とするものである
    インダクタ。
  6. 請求項1から請求項5のうちのいずれか一つに記載のインダクタであって、
    前記低透磁率部の夫々は、前記第1水平方向において、前記第1連結ピン及び前記第2連結ピンよりも小さいサイズを有している
    インダクタ。
  7. 請求項1から請求項6のうちのいずれか一つに記載のインダクタにおいて、
    前記低透磁率部の夫々は、前記上下方向及び前記第1水平方向の双方と直交する第2水平方向において、前記コイル部の前記第1連結ピンから前記第2連結ピンまで延びている
    インダクタ。
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