JP7048883B2 - 発光装置及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本開示は、発光装置及びその製造方法に関する。
発光素子と波長変換部材を備える発光装置において、例えば特許文献1に開示されるように、発光素子と蛍光体シートとを用いた発光装置が知られている。
特開2013-077679号公報
色度のムラが低減された発光面を備えた発光装置が求められている。
本発明の一実施形態の発光装置は、発光面と、前記発光面の反対側の電極形成面と、を備える発光素子と、蛍光体粒子と樹脂部材を有し、前記発光素子の前記発光面の中央部の直上に配置される第1領域と、平面視において前記第1領域の外周に配置される第2領域とを有する波長変換部材と、を備え、前記第1領域の厚みは、前記第2領域の厚みよりも薄く、かつ、第1領域における前記樹脂部材中の前記蛍光体粒子の密度は、前記第2領域における前記樹脂部材中の蛍光体粒子の密度より高い、発光装置である。
また、本発明の一実施形態の発光装置の製造方法は、発光面と、前記発光面の反対側の電極形成面と、を備える発光素子を準備する工程と、蛍光体粒子と樹脂部材を有する板状の波長変換部材を押圧して、前記樹脂部材中の前記蛍光体粒子の密度が高い第1領域と、前記第1領域の外側に前記第1領域より前記樹脂部材中の前記蛍光体粒子の密度が低い第2領域を有する波長変換部材を形成する工程と、前記第1領域が前記発光素子の前記発光面の直上に位置するよう前記波長変換部材を配置する工程と、を含む、発光装置の製造方法である。
以上により、色度のムラが低減された発光装置とすることができる。また、色度のムラが低減された発光装置を容易に製造することができる。
実施形態1の発光装置の概略断面図である。 実施形態1の波長変換部材の概略底面図である。 実施形態1の波長変換部材の概略断面図である。 実施形態1の波長変換部材の概略一部拡大断面図である。 別の実施形態の波長変換部材の概略底面図である。 実施形態1の発光素子の概略断面図である。 実施形態1の発光素子の概略底面図である。 実施形態1の発光装置の製造方法を説明する概略端面図である。 実施形態1の発光装置の製造方法を説明する概略端面図である。 実施形態1の発光装置の製造方法を説明する概略端面図である。 実施形態1の発光装置の製造方法を説明する概略端面図である。 実施形態1の発光装置の製造方法を説明する概略端面図である。 実施形態2の発光装置の概略断面図である。 実施形態2の発光装置の製造方法を説明する概略端面図である。 実施形態2の発光装置の製造方法を説明する概略端面図である。 実施形態2の発光装置の製造方法を説明する概略端面図である。 実施形態2の発光装置の製造方法を説明する概略端面図である。 実施形態2の発光装置の製造方法を説明する概略端面図である。 実施形態2の発光装置の他の製造方法を説明する概略端面図である。 実施形態2の発光装置の他の製造方法を説明する概略端面図である。 実施形態2の発光装置の他の製造方法を説明する概略端面図である。 実施形態2の発光装置の他の製造方法を説明する概略端面図である。 実施形態2の発光装置の他の製造方法を説明する概略端面図である。 実施形態2の発光装置の他の製造方法を説明する概略端面図である。 実施形態2の発光装置の他の製造方法を説明する概略端面図である。 実施形態2の発光装置の他の製造方法を説明する概略端面図である。 実施形態2の発光装置の他の製造方法を説明する概略端面図である。
本明細書では、実施形態に記載されている構成部材の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、特定的な記載がない限り、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。なお、各図面が示す部材の大きさ、位置関係等は、説明を明確にするため誇張していることがある。また、以下の説明において、同一の名称、符号については同一もしくは同質の部材を示しており詳細説明を適宜省略する。一実施形態において説明された内容は、他の実施形態等に利用可能である。また、波長変換部材は、押圧前、押圧後、切断前、切断後、硬化前、硬化後等において、同じ名称を用いる。被覆部材、透光性接着剤等についても、形状や硬化度に関わらず同じ名称を用いる。
<実施形態1>
図1は、実施形態に係る発光装置100の一例を示す。発光装置100は、発光素子10と、波長変換部材20と、を備える。発光素子10は、発光面10aと、発光面10aの反対側の電極形成面10bと、を備える。波長変換部材20は、樹脂部材21と蛍光体粒子22とを有する。波長変換部材20は、発光素子10の発光面10a上に配置される。波長変換部材20は、平面視において発光素子10の発光面10aの中央部L1の直上に位置する第1領域R1と、平面視において第1領域R1を囲む外周部L2の直上に配置される第2領域R2と、を有する。第1領域R1の厚みは第2領域R2の厚みよりも薄く、かつ、第1領域R1における樹脂部材21中の蛍光体粒子22の密度は、第2領域R2における樹脂部材21中の蛍光体粒子22の密度より高い。
発光素子の発光面に蛍光体シートなどの波長変換部材を備える発光装置において、光軸に対して斜め方向に出射される発光素子の光は、光軸方向に出射される光に比べて波長変換部材中を通過する距離(光路長)が長くなる。そのため、発光素子からの光が蛍光体粒子に入射する確率が増え、波長変換される光の割合が多くなる。つまり、発光装置の光取り出し面内において中央部と外周部とで色度にムラが生じることがある。特に、レンズや導光板といった二次光学部材を組み合わせて用いる照明灯具やバックライト用途においては、色度のムラがさらに助長されるため、商品価値を大きく落とす原因となる場合がある。
本実施形態の発光装置100によれば、発光素子10の直上に、蛍光体粒子22の密度が第2領域R2よりも高い第1領域R1を有する波長変換部材20を配置する。そして、この中央部L1の直上に蛍光体粒子22の密度が第2領域R2よりも高い第1領域R1を有することで、第1領域R1において、光軸方向に出射する発光素子10の光が蛍光体粒子22に入射する確率が増え、波長変換される光の割合が多くなる。光軸方向に出射する発光素子10の光の波長変換される光の割合を増やすことで、発光装置100の光取り出し面100a内での中央部と外周部での色度のムラを低減することができる。つまり、発光素子10からの光が蛍光体粒子22に入射される割合、換言すると発光素子10からの光が波長変換される割合を、第1領域R1では蛍光体粒子22の密度で調整し、第2領域R2では距離(光路長)によって調整している。これにより、発光装置100の光取り出し面100aにおける色度ムラを低減することができる。
図2A~図2Cは、実施形態1に係る発光装置100に用いられる波長変換部材20の一例を示す図である。波長変換部材20は、樹脂部材21と、蛍光体粒子22と、を有している。
また、図3A、図3Bは、発光素子10の一例を示す図である。発光素子10は、透光性基板11を含み、第一導電型半導体層、発光層、第二導電型半導体層を備えた積層構造体12と、素子電極13と、を備える。
波長変換部材20は、発光素子10の発光面10aの中央部L1の直上に配置される第1領域R1を有し、第1領域R1を囲む外周部L2の直上に配置される第2領域R2を有する。第1領域R1は、図2B、図2Cに示すように、第2領域R2よりも厚みが薄く、第2領域R2よりも蛍光体粒子22の密度が高い。
波長変換部材20の第1領域R1は、発光装置100及び発光素子10の配光特性等に応じて蛍光体粒子22の密度、面積または形状等を定めることができる。
発光素子10の発光面10aは、中央部L1と中央部L1を囲む外周部L2からなり、例えば、中央部L1の直上に第1領域R1を配置することが好ましい。
中央部L1は、例えば、発光素子10に一辺の長さに対して50%~95%の直径を有する円形の領域とすることができる。
波長変換部材20の第1領域R1は、発光素子10の中央部L1の全てを被覆する大きさとすることが好ましい。さらに、波長変換部材20の第1領域R1は発光素子10の中央部L1よりも広い面積で被覆することが好ましい。つまり、第1領域R1の一部は、発光素子10の外周部L2の一部を被覆する。例えば、波長変換部材20の第1領域R1は、発光素子10の中央部L1の面積の50%~100%とすることができる
また、別の観点から、第1領域R1の面積は、例えば、波長変換部材20の面積の5~30%程程度とすることができる。さらには、波長変換部材20の面積の7~15%程度の面積であることがより好ましい。これにより、後述する製造過程において、ピンで押圧することにより波長変換部材の第1領域R1を容易に形成することができる。詳細には、上記面積にすることにより、押圧時に狭い面積に圧力がかかることを避けることができるため、押圧による波長変換部材20の破損を低減することができる。
第1領域R1の平面視における形状は、例えば、円形、四角形、多角形、楕円及びこれらに近似する形状とすることができる。また、平面視において略正方形の発光素子10を用いる場合、第1領域R1の形状は、これと相似形状の略正方形とすることができる。また例えば、発光素子10の中央部L1と略相似形状であることが好ましい。これにより、発光装置100の色度のムラを低減することができる。
本実施形態においては、図1に示すように、波長変換部材20の第1領域R1の第1面20a(発光素子10の発光面10aと対向する側の面)に凹部R3を有している。そして、凹部R3の底面20cと、第2面20bとの間において、蛍光体粒子22の密度が高くなっている。尚、このような凹部R3は、波長変換部材20の第1領域R1の第2面20bに設けてもよい。
また、発光素子10と波長変換部材20との間に、透光性接着剤30を配置させることが好ましい。その際、波長変換部材20の第1面20aに凹部R3を有し、その凹部R3内に透光性接着剤30を配置することにより、発光素子10と波長変換部材20との密着性を向上することができる。また、蛍光体粒子22の密度の高い第1領域R1の波長変換部材20の厚みを、第2領域R2よりも薄くすることで、発光素子10からの光が波長変換部材20内を通過する距離(光路長)が短くなる。第1領域R1では、蛍光体粒子22の密度が高くなっている。そのため、発光素子10からの光が蛍光体粒子22に照射される割合が多くなり、波長変換される光の割合を多くしているが、その波長変換された光を外部に効率よく出射させるためには、第1領域R1の厚みを第2領域R2に比して薄くすることが好ましい。
凹部R3の平面視の形状は、例えば、図2Aに示すような略円形のほか、図2Dに示すような四角形とすることができ、あるいは、多角形、楕円及びこれらに近似する形状などとすることができる。また、四角形や多角形のように角部が角張った形状の場合、凹部R3の角部において発光が閉じ込められるおそれがあるため、凹部R3の平面視形状は、角部を有さない略円形や略楕円形、角部が丸みを帯びた多角形であることが好ましい。
凹部R3の平面視における寸法は、上述の第1領域R1と同様に、発光装置100及び発光素子10の配光特性等に応じて適宜定めることができる。平面視において、凹部R3の寸法は、第1領域R1と同じでも良く、小さくても良い。好ましい寸法は、凹部R3<第1領域R1である。これにより、波長変換部材20を発光素子10上に載置する場合に、透光性接着剤30を安定的かつ確実に発光素子10上に配置することができる。
図2Bは、図2AのIIb-IIb線における概略端面図である。波長変換部材20の第2面20bから凹部R3の底面20cまでの厚みDは、使用する波長変換部材20の厚みや蛍光体粒子22の密度により適宜選択できる。例えば、波長変換部材20の第2領域R2の厚みの10%~70%の範囲とすることができる。上記範囲を下回ると、波長変換部材20の第1領域R1と第2領域R2における蛍光体粒子22の密度の差が小さく、色度のムラの低減の効果が得られにくくなる。また、上記範囲を上回ると、波長変換部材20の第2領域R2の厚みが過度に薄くなり、波長変換部材20が破損するおそれがある。
図2Bに示されるように、波長変換部材20の第1面20aから凹部R3の底面20cに繋がる側面20dは、発光素子10から出射される光を効率良く波長変換部材20へ伝播させるため、凹部R3の底面20cに対して15°~60°の範囲で傾斜した傾斜面とすることが好ましい。さらに、発光素子10上への搭載の容易さから、凹部R3の側面20dは、凹部R3の底面20cに対して40°~50°の範囲で傾斜していることがより好ましい。
また、凹部R3の側面20dは必ずしも凹部R3の底面20cに対して傾斜している必要はなく、凹部R3の底面20cに対して略垂直であってもよい。
凹部R3は、平坦な底面20cを備えた円錐台形状、角錐台形状とすることができる。あるいは、凹部R3は、円錐形状、四角錐形状、半球形状のような底面を有さない形状でもよい。
図2Cは、第1領域R1に凹部R3を備える波長変換部材20の凹部R3及びその近傍の概略一部拡大断面図である。凹部R3の側面20dが傾斜面の場合、凹部R3の底面20cに近づくにつれて波長変換部材20の厚みDが薄くなっている。そして、波長変換部材20の厚みDに応じて蛍光体粒子22の密度が異なっている。つまり、凹部R3の最も深い部分である底面20cに対応する波長変換部材20の厚みがもっとも薄く、この領域の蛍光体粒子22の密度が最も高い。また、凹部R3の側面20dに対応する領域の波長変換部材20の厚みは、第1面20aに近づくにつれて、換言すると、凹部R3の開口部に近づくにつれて、蛍光体粒子22の密度が低くなっている。
波長変換部材20と発光素子10は、図1に示すように、透光性接着剤30を介して接着されている。
透光性接着剤30は、発光素子10からの光を波長変換部材20に導光させるための光伝播層としても機能する。発光素子10の透光性基板11の屈折率n1、透光性接着剤30の屈折率n2、波長変換部材20の屈折率n3とすると、n1>n2>n3を満たす関係性とすることが好ましい。これにより、より効率よく光を発光素子10からの光を波長変換部材20内に伝播させることができ、光取り出し効率の高い発光装置100とすることができる。
発光装置100は、発光素子10、透光性接着剤30及び波長変換部材20の一部を被覆する、反射性または遮光性材料を含有する被覆部材40を備える。これにより、発光素子10の側面から出射する光を、被覆部材40で反射し、効率良く波長変換部材20へ伝播させることができる。さらには、被覆部材40により、発光素子10を外部環境からも保護することができる。よって、高い光出力及び輝度を実現できるとともに、耐候性や信頼性に優れた発光装置100とすることができる。
実施形態1にかかる発光装置の製造方法は、発光面と、前記発光面の反対側の電極形成面とを備える発光素子を準備する工程と、蛍光体粒子と樹脂部材を有する板状の波長変換部材を押圧して、前記樹脂部材中の前記蛍光体粒子の密度が高い第1領域と、前記第1領域の外側に前記第1領域より前記樹脂部材中の前記蛍光体粒子の密度が低い第2領域を有する波長変換部材を形成する工程と、前記第1領域が前記発光素子の前記発光面の直上に位置するよう前記波長変換部材を配置する工程と、を含む。
このような製造方法によれば、板状の波長変換部材20を押圧することによって、波長変換部材20において、蛍光体粒子22の密度が第2領域R2よりも高い第1領域R1を容易に設けることができる。
図4A~図4Eに、実施形態1の波長変換部材20の製造方法の一例を示す。
まず、蛍光体粒子22の密度が略均一な平板状の波長変換部材20を準備する。この板状の波長変換部材20は、平面視において発光素子10より大きい面積であり、複数の発光装置分の大きさを備えることができる。ここでは、発光素子10の平面形状が四角形であり、1つの発光装置100において波長変換部材20の平面形状が、発光素子10の平面形状と略相似の四角形である場合を一例として例示している。
形成したい凹部R3の形状と対応する凸形状を先端に有するピン50を準備する。例えば、円錐台形の凹部R3を形成するために、先端が円錐台形となっているピン50を準備する。支持シート(図示せず)上に配置した波長変換部材20の第1領域R1の第1面20aにピン50を当接し、所定の力で押圧する。これにより、樹脂部材21中の蛍光体粒子22の密度が高い第1領域R1と第1領域R1よりも密度が低い第2領域R2を形成する。図4Bに示す例では、第1領域R1は底面20cと、底面20cに対して傾斜した側面20dを備える凹部R3が、波長変換部材20の第1面20a側に形成される。ピン50の押圧力を制御することで、凹部R3の深さ(波長変換部材20の厚みD)を、精度良く形成することが可能となる。これにより、第1領域R1の蛍光体粒子22の密度の調整を容易に行うことができる。
次に、図4Cに示すように、凹部R3を備える板状の波長変換部材20上に、透光性接着剤30を配置する。このとき、透光性接着剤30は、第1領域R1よりも広い範囲で設けることが好ましい。さらに、凹部R3の内部及びその周辺の第1面20aにわたる領域に透光性接着剤30を配置することが好ましい。
次に、図4Dに示すように、透光性接着剤30の上に、発光素子10を配置する。詳細には、波長変換部材20の第1面20aの凹部R3(第1領域R1)と発光素子10の発光面10aとが対向するように、透光性接着剤30上に発光素子10を配置する。透光性接着剤30は、発光素子10の側面を覆うように這い上がる。
発光素子10を波長変換部材20上に載置した後、図4Eに示すように、発光素子10、透光性接着剤30が埋設するように被覆部材40を形成する。この時、複数の発光素子10の間の波長変換部材20の第1面20aも被覆部材40で被覆する。被覆部材40は、例えば、トランスファモールド、圧縮成形、印刷、ポッティング等の方法で、光反射性の樹脂材料を用いて成形することができる。尚、被覆部材40は、発光素子10の電極形成面10b及び素子電極13をも埋設してもよい。その場合は、後述において個片化する前に、素子電極13が被覆部材40から露出させる工程を備えることが好ましい。
次に、発光素子10間の被覆部材40及び波長変換部材20を切断することで、図1に示すような、個片化された発光装置100を得ることができる。
<実施形態2>
図5は、実施形態2に係る発光装置200の一例を示す図である。実施形態2では、波長変換部材20の側面が被覆部材40で被覆されている点が実施形態1と異なる。これにより、発光領域と非発光領域とのコントラストが高い発光装置とすることが出来る。
このような発光装置200の製造方法の一例を、図6A~図6Eに示す。まず、図6Aに示すように、支持シート60上に貼り付けた波長変換部材20を準備する。次に、図6Bに示すように、支持シート60側から凹部R3の形状と対向する凸形状を有するピン50で波長変換部材20の第1面20aを突き上げて押圧する。このように、支持シート60を介して波長変換部材20を押圧することによって、押圧した領域の蛍光体粒子22の密度が高い第1領域R1を形成しながら吸着部品70で波長変換部材20の第2面20b側から吸着する。
次に、図6Cに示すように、波長変換部材20を吸着部品70で吸着した状態で、支持シート60から取り外す。吸着部品70に吸着された波長変換部材20は、図6Cに示すように、波長変換部材20の第1面20aには凹部R3が形成されている。そして、このような波長変換部材20を、発光素子10上に移動させ、透光性接着剤30が配置された発光素子10の発光面10a上に配置する。このとき、発光素子10の発光面10aと波長変換部材20の第1面20aが対向するように配置する。さらに、波長変換部材20の第1領域R1が、発光素子10の発光面10aの中央部L1と対向するように配置する。
支持シート60は、ポリオレフィン(PO)等の延伸性に優れた材料を使用することが好ましい。さらに、支持シート60の厚みを、可能な範囲で薄くすることで所望の第1領域R1や凹部R3の形状を実現しやすく、より好ましい。支持シート60の厚みは、例えば、50μm~120μmとすることができる。
発光素子10上に透光性接着剤30を介して波長変換部材20を載置した後、図6Dに示すように、発光素子10、透光性接着剤30、波長変換部材20を埋設するように被覆部材40を形成する。この時、複数の発光素子10の間の波長変換部材20の第1面20aも被覆部材40で被覆する。被覆部材40は、例えば、トランスファモールド、圧縮成形、印刷、ポッティング等の方法で、光反射性の樹脂材料を用いて成形することができる。
次に、波長変換部材20が露出するように、被覆部材40の一部を研磨等によって除去する。尚、このとき、波長変換部材20の一部も同時に除去してもよい。
次に、発光素子10間の被覆部材40を切断することで、図5に示すような、個片化された発光装置200を得ることができる。
本実施形態によれば、波長変換部材20を移動させる工程において、第1領域R1の形成を同時に行うため、効率的である。
図5に示す発光装置200は、図7A~図7Iに示す製造方法によって形成することもできる。
図7Aに示すように、光反射シート80を準備する。この光反射シート80は、光反射性の部材であり、後述の被覆部材40と同じ材料を用いることができる。光反射シート80、例えば、厚さ50μm~300μmとすることができる。
次に、図7Bに示すように、光反射シート80に開口部80aを形成する。開口部80aは、後述の波長変換部材20充填する部分である。つまり、光反射シート80の開口部80aは、発光装置200の光取り出し面200aとなる部分である。
次に、図7Cに示すように、支持シート60上に、開口部80aを備えた光反射シート80を配置し、開口部80a内に、波長変換部材20を充填する。充填する方法としては、印刷、トランスファー成形、圧縮成形、ポッティング等が挙げられる。
次に、図7Dに示すように、波長変換部材20の第1面20aにピン50を当接し、押圧する。これにより、波長変換部材20の第1面20aに凹部R3が形成される。換言すると、波長変換部材20の第1領域R1と、第2領域R2とが形成される。
次に、図7Eに示すように、第1領域R1に透光性接着剤30を配置し、図7Fに示すように発光素子10を配置する。その後、図7Gに示すように、発光素子10、透光性接着剤30、波長変換部材20を被覆部材40で被覆する。
次に、図7Hに示すように、発光素子10間で、被覆部材40を切断することで、個片化された発光装置200を得ることができる。
本実施形態の発光装置の各部材について説明する。
(発光素子)
発光素子は、半導体層を含む積層構造体と、素子電極と、を備える。素子電極は、積層構造体の同一面側に、正負一対の電極となるように配置されている。素子電極は、例えば、図3Bに示すように、同一の面積または形状を有することができる。ただし、これに限らず、異なる形状であってもよい。
発光素子の平面形状は、三角形、四角形、長方形、正方形、長方形、六角形、多角形及び近似する形状とすることができる。
また、発光素子はさらに、絶縁性の保護膜や光反射層などを有していてもよい。
(波長変換部材)
波長変換部材は、発光素子から発せられた光の波長変換を行う蛍光体粒子と透光性の樹脂部材とを備える。ただし、波長変換部材には、これらの他に、拡散剤又は光散乱材、ガラスクロス及びフィラー等が含有されていてもよい。
波長変換部材の第2領域の厚みは適宜変更でき、例えば、30~300μm程度とすることができる。例えば、70~200μm程度の厚みであれば、押圧することで容易に第1領域を形成することができる。
波長変換部材は、単層であってもよいし、同種または異種の蛍光体を含有する複数の層が積層された構造でもよい。また、これに蛍光体非含有層がさらに積層された構造でもよい。発光装置の光取り出し面側に蛍光体非含有層を設けることで、蛍光体を含有する層が外部環境に露出されるのを抑制し、蛍光体の劣化を防止することができる。
(蛍光体粒子)
蛍光体粒子としては、当該分野で公知の材料を使用することができる。例えば、セリウムで賦活されたイットリウム・アルミニウム・ガーネット(YAG)系蛍光体、セリウムで賦活されたルテチウム・アルミニウム・ガーネット(LAG系蛍光体、ユウロピウム及び/又はクロムで賦活された窒素含有アルミノ珪酸カルシウム(CaO-Al-SiO2)系蛍光体、ユウロピウムで賦活されたシリケート((Sr,Ba)2SiO)系蛍光体、βサイアロン蛍光体、KSF系蛍光体(KSiF:Mn)、CASN、もしくはS-CASNなどが挙げられる。これにより、可視波長の一次光及び二次光の混色光(例えば白色系)を出射する発光装置とすることができる。
蛍光体粒子は、例えば、破砕状、球状、中空及び多孔質の粒径等のいずれの形態で用いてもよい。蛍光体粒子の中心粒径は、例えば2~25μmであることが好ましい。また、10~20μmがより好ましい。中心粒径は、F.S.S.S.No(Fisher Sub Sieve Sizer’s No)における空気透過法で得られる粒径を指す。
また、蛍光体粒子は、例えば、いわゆるナノクリスタル、量子ドットと称される発光物質でもよい。これらの材料としては、半導体材料、例えば、II-VI族、III-V族、IV-VI族半導体、具体的には、ZnS、CdS、CdSe、InAgS、InCuS、コアシェル型のCdSxSe1-x/ZnS、GaP等のナノサイズの高分散粒子が挙げられる。InP、InAs、InAsP、InGaP、ZnTe、ZnSeTe、ZnSnP、ZnSnP2であってもよい。
蛍光体粒子は、波長変換部材の全重量に対して10~90重量%程度含有されていることが好ましい。波長変換部材における蛍光体粒子の密度は、凹部を有する第1領域よりも、第2領域で低くなっているのが好ましい。より好ましくは、凹部の底面と第2面との間の蛍光体粒子密度>傾斜部の蛍光体粒子密度>第2領域での蛍光体粒子密度の関係を満たすようにすることが好ましい。これにより、波長変換部材通過距離(光路長)が長い領域で蛍光体粒子密度が低く、光路長が短い領域で蛍光体粒子密度が高くなり、発光素子から出て、波長変換部材を通り直上に出る光と、斜めに出る光との色度のムラを減少することができる。
また、発光装置の発光色は、白色とすることが好ましい。また、白色以外の発光色でもよく、発光素子の出射波長、蛍光体粒子の種類を選択することにより、例えば、赤色、青色、緑色など、任意の色とすることができる。
(樹脂部材)
波長変換部材に含有される樹脂部材は透光性のものが好ましく、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、これらの変性樹脂又はこれらの樹脂を1種以上含むハイブリッド樹脂等などが挙げられる。
具体的にはエポキシ樹脂、変性エポキシ樹脂(シリコーン変性エポキシ樹脂等)、シリコーン樹脂、変性シリコーン樹脂(エポキシ変性シリコーン樹脂等)、ハイブリッドシリコーン樹脂、ポリイミド(PI)、変性ポリイミド樹脂、ポリアミド(PA)、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、GF強化ポリエチレンテレフタレート(GF-PET)、ポリシクロヘキサンテレフタレート樹脂、ポリフタルアミド(PPA)、ポリカーボネート(PC)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリサルフォン(PSF)、ポリエーテルサルフォン(PES)、変性ポリフェニレンエーテル(m-PPE)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルイミド(PEI)、液晶ポリマー(LCP)、ABS樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、PBT樹脂、ユリア樹脂、BTレジン、ポリウレタン樹脂、ポリアセタール(POM)、超高分子量ポリエチレン(UHPE)、シンジオタクチックポリスチレン(SPS)、非晶ポリアリレート(PAR)、フッ素樹脂、不飽和ポリエステル等が挙げられる。
樹脂部材の硬度は、ショア硬度でA40~D40程度の範囲とすることが好ましい。A40より柔らかい場合は、押圧の際に波長変換部材が破損しやすくなる。また、D40より固い場合は、押圧によって波長変換部材を変形させることが困難となる。
樹脂部材は、硬化又は温度変化によって膨張及び収縮が少ないものを選択することが好ましい。そうすることにより、波長変換部材を発光素子上に載置し硬化した後、波長変換部材の凹部の形状の変化を少なくすることができる。
(透光性接着剤)
透光性接着剤としては、上述した樹脂部材と同じ材料を用いることができる。
また、発光素子と波長変換部材を長期間安定的に接着するために、適度な強度を有していることが好ましい。従って、必ずしも剛性であることは要さず、波長変換部材を損傷することなく保持し得る程度に柔軟性を有していることが好ましい。
透光性接着剤は、発光素子から放出される光をなるべく減衰させずに波長変換部材に伝播させる部材が好ましい。また、長期間の耐光性や耐熱性も求められるため、透明度の高いシリコーン系樹脂が好適である。
(被覆部材)
被覆部材は、光反射性樹脂により構成することができる。光反射性樹脂とは、発光素子からの光に対する反射率が高く、例えば、反射率が70%以上の樹脂を意味する。光反射性樹脂としては、例えば透光性樹脂に、光反射性物質を分散させたものを使用できる。光反射性物質としては、例えば、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウムなどを用いることができる。光反射性物質は、粒状、繊維状、薄板片状などを用いることができる。特に、繊維状の光反射性物質のものは被覆部材の熱膨張率を低くして、例えば、発光素子との間の熱膨張率差を小さくできるので、好ましい。光反射性樹脂に含まれる樹脂材料としては、シリコーン樹脂、シリコーン変性樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂などの熱硬化性の透光性樹脂であるのが好ましい。特に、耐光性、耐熱性に優れるシリコーン樹脂が好適である。
本発明の発光装置の製造方法は、各種発光装置、特に、照明用光源、LEDディスプレイ、液晶表示装置などのバックライト光源、信号機、照明式スイッチ、各種センサ及び各種インジケータ、動画照明補助光源、その他の一般的な民生品用光源等に好適に利用することができる。
100、200 発光装置
100a…光取り出し面
10 発光素子
10a 発光面
L1 中央部
L2 外周部
10b 電極形成面
11 透光性基板
12 積層構造体
13 素子電極
20 波長変換部材
R1 第1領域
R2 第2領域、
R3 凹部
20a 第1面
20b 第2面
20c 凹部の底面
20d 凹部の側面
21 樹脂部材
22 蛍光体粒子
30 透光性接着剤
40 被覆部材
50 ピン
60 支持シート
70 吸着部品
80 光反射シート
80a 開口部

Claims (13)

  1. 中央部と前記中央部を囲む外周部からなる発光面と、前記発光面の反対側の電極形成面と、を備える発光素子と、
    蛍光体粒子と樹脂部材を有し、前記発光素子の前記発光面の中央部の直上に配置される第1領域と、前記発光素子の前記発光面の外周部の直上であって平面視において前記第1領域の外周に配置される第2領域とを有する波長変換部材と、を備え、
    前記第1領域の厚みは、前記第2領域の厚みよりも薄く、かつ、第1領域における前記樹脂部材中の前記蛍光体粒子の密度は、前記第2領域における前記樹脂部材中の蛍光体粒子の密度より高い、発光装置。
  2. 前記第1領域は、凹部を有し、前記凹部の周辺において前記樹脂部材中の前記蛍光体粒子の密度が高い、請求項1に記載の発光装置。
  3. 前記凹部が前記発光素子の発光面と対向する位置に配置され、前記凹部内から前記発光素子の発光面にわたって透光性接着剤が配置されている、請求項2に記載の発光装置。
  4. 前記蛍光体粒子は、YAG、S-CASN、LAG、KSFからなる群の一種である、請求項1から3のいずれか1項に記載の発光装置。
  5. 前記蛍光体粒子の粒径は2μm~20μmである、請求項1から4のいずれか1項に記載の発光装置。
  6. 発光面と、前記発光面の反対側の電極形成面と、を備える発光素子を準備する工程と、
    蛍光体粒子と樹脂部材を有する板状の波長変換部材を押圧して、前記樹脂部材中の前記蛍光体粒子の密度が高い第1領域と、前記第1領域の外側に前記第1領域より前記樹脂部材中の前記蛍光体粒子の密度が低い第2領域を有する波長変換部材を形成する工程と、
    前記第1領域が前記発光素子の前記発光面の直上に位置するよう前記波長変換部材を配置する工程と、を含み、
    前記押圧は、支持シートに貼りつけた前記板状の波長変換部材を前記支持シートの側からピンで突き上げることにより行う、発光装置の製造方法。
  7. 前記第1領域が前記第2領域よりも厚みが薄くなるよう前記波長変換部材を押圧する、請求項6に記載の発光装置の製造方法。
  8. 前記第1領域は、凹部を有し、前記凹部の周辺において前記樹脂部材中の前記蛍光体粒子の密度が高くなるよう前記波長変換部材を押圧する、請求項7に記載の発光装置の製造方法。
  9. 前記凹部を形成する工程は、前記板状の波長変換部材の第2面を吸着部品で吸着し、前記波長変換部材の第2面と対向する第1面の、前記吸着された部分と対向する領域を前記ピンで突き上げることを含む、請求項に記載の発光装置の製造方法。
  10. 前記波長変換部材に前記凹部を形成した後、前記波長変換部材を前記吸着部品で吸着した状態で前記波長変換部材を前記発光素子上に移動させ、前記発光素子に配置する、請求項8からのいずれか1項に記載の発光装置の製造方法。
  11. 前記発光素子の発光面上に透光性接着剤を配置し、前記波長変換部材と前記発光素子とを接着する工程を含む、請求項6から10のいずれか1項に記載の発光装置の製造方法。
  12. 前記蛍光体粒子は、YAG、S-CASN、LAG、KSFからなる群の一種である、請求項6から11のいずれか1項に記載の発光装置の製造方法。
  13. 前記蛍光体粒子の粒径は2μm~20μmである、請求項6から12のいずれか1項に記載の発光装置の製造方法。
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