JP7047772B2 - Brk阻害化合物 - Google Patents

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Description

本発明は、Brk阻害化合物、その塩、そのN-オキシド体、その溶媒和物、またはそれらのプロドラッグ、およびそれらを有効成分として含有する医薬に関する。詳しくは、一般式(I)
Figure 0007047772000001
(式中、全ての記号は後記と同じ意味を表す。)で示される、Brk阻害化合物、その塩、そのN-オキシド体、その溶媒和物、またはそれらのプロドラッグ(以下、本発明化合物という。)、およびそれらを有効成分として含有する医薬に関する。
Brk(Breast tumor kinase)は、PTK6(タンパク質チロシンキナーゼ6)とも称され、チロシンキナーゼであるFRK(Fyn-related kinase)/PTK6ファミリーキナーゼに属す、非受容体型チロシンキナーゼである。Brkは451個のアミノ酸でコードされている。Brkは、まずヒト正常メラニン細胞から同定され、その直後、乳がんにおいて同定された。Brkは、乳がん、卵巣がん、結腸がん、膵臓がん、膀胱がん、食道がん、胃がん、非小細胞肺がん、前立腺がん、口腔扁平上皮がん、頭頸部扁平上皮がん、メラノーマ、B細胞リンパ腫、およびT細胞リンパ腫を含む多くの腫瘍に高発現している。とりわけ、乳がん、前立腺がん、上咽頭がん、および非小細胞肺がんにおいて、Brkは予後不良因子である。また、Brkはがん細胞の増殖、遊走、および浸潤を促進したり、細胞死を回避したりするような腫瘍形成において重要な役割を果たしていると考えられている(非特許文献1-7参照)。
したがって、Brkの活性化を阻害する化合物は、各種のがんの治療に有用であると考えられる。
一方、特許文献1には、Sykおよび/またはJAKが関連する疾患、例えば、心疾患、炎症性疾患、免疫関連疾患、および細胞増殖障害などの治療のために、下記式(IA)の化合物またはその互変異性体、またはそれらの薬学的に許容される塩が使用されることが記載されている。
一般式(IA)は、
Figure 0007047772000002
(式中、
1Aは、N、CH、およびCからなる群から選択され;
1Aは、結合、-N(C1-4アルキル)-、-SO2-、および-CO-などからなる群から選択され;
1Aは、水素および置換基で置換されていてもよいC1-8アルキルなどから選択され;
2Aは、水素およびC1-8アルキルなどから選択され;
3Aは、水素およびC1-8アルキルなどから選択され;
4Aは、C1-8アルコキシ、アミノ、C1-8アルキルカルボニル、およびアミノカルボニルC1-8アルコキシから各々独立に選択される1~3の置換基で置換されていてもよいアリールなどから選択され;
4’Aは、水素およびC1-8アルキルなどから選択され;
5Aは、水素、C1-8アルキル、およびC3-8シクロアルキルなどから選択され;
6Aは、水素、C1-8アルキル、ハロ、ヒドロキシル、およびオキソからなる群から選択され;
7Aは、水素、C1-8アルキル、ハロおよびアリールなどからなる群から選択され、アリールおよびヘテロアリールは各々、ハロ、C1-8アルキル、C1-8アルコキシ、シアノ、アミノ、ヒドロキシル、ヘテロアリールで置換されていてもよく;
および破線は二重結合または単結合を示す。(基の定義を一部抜粋した。))である。
また、特許文献2には、下記式(IB)の化合物がトールライクレセプター(Toll Like Receptor)アゴニストであり、これらの化合物が自己免疫疾患およびがんなどの治療のために使用されることが記載されている。
一般式(IB)は、
Figure 0007047772000003
(式中、
Bは窒素またはCR8Bであり;
破線は任意の二重結合であり;
Figure 0007047772000004
が二重結合であるとき、Q1Bは酸素または硫黄などであり;
Bは酸素、硫黄、またはNY5Bであり、Y5Bは水素またはアルキルなどであり;
2Bは置換されたまたは無置換のアリールもしくはヘテロアリールなどであり;
4Bは水素などであり;
2Bは水素、アルキル、またはNY6B7Bであり、Y6BおよびY7Bは、それぞれ独立して、水素、置換されたまたは無置換のアリールもしくはヘテロアリールなどである。(基の定義を一部抜粋した。))である。
さらに、特許文献3には、下記式(IC)の化合物がp38阻害剤であり、これらの化合物が自己免疫疾患および炎症性疾患などの治療のために使用されることが記載されている。
一般式(IC)は、
Figure 0007047772000005
(式中、
Cは、酸素または硫黄であり;
C、WC、およびZCは、それぞれ独立して、C(R4C)および窒素であり、ただし、XC、YC、およびZCのうち少なくとも1つは窒素であり;
Cは、結合、-O-、または-NH-などであり;
1Cは、置換されていてもよいアリールまたはヘテロアリールなどであり;
2Cは、水素、アシル、アルキル、またはヘテロシクロアルキルなどであり;
4Cは、水素、アシル、アルキル、アルキルアミノ、またはアミノなどであり;
Cは、置換されていてもよいアリール、ヘテロアリール、またはヘテロシクロアルキルであり;
1CおよびG2Cは、それぞれ独立して、結合、アルキレン、-C(O)-、または-SO2-などであり;
3Cは、水素またはアルキルなどである。(基の定義を一部抜粋した。))である。
国際公開第2009/131687号パンフレット 国際公開第2007/142755号パンフレット 国際公開第2007/015877号パンフレット
ブレスト・キャンサー カレント・アンド・オールターナティブ・セラピューティック・モダリティス(Breast Cancer-Current and Alternative Therapeutic Modalities)、413-434ページ、2011年 バイオチミカ・エト・バイオフィジカ・アクタ(Biochimica et Biophysica Acta)、第1806巻、66-73ページ、2010年 セル・サイクル(Cell Cycle)、第8巻、2728-2732ページ、2009年 キャンサー・リサーチ(Cancer Research)、第73巻、5810-5820ページ、2013年 キャンサー・リサーチ(Cancer Research)、第73巻、5426-5437ページ、2013年 オンコターゲット・アンド・セラピー(OncoTargets and Therapy)、第6巻、183-188ページ、2013年 ジャーナル・オブ・トランスレーショナル・メディスン(Journal of Translational Medicine)、第11巻、59、2013年
本発明の課題は、Brkに対して阻害活性を有した化合物を創製し、Brk関連疾患、特に各種がん疾患の治療薬として有用である化合物を見出すことである。
本発明者らは、前記課題を解決するため、Brkに対して阻害活性を有する化合物を見出すべく鋭意研究した結果、後述の一般式(I)で示される化合物を見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、
〔1〕 一般式(I)
Figure 0007047772000006
(式中、
ring1およびring2は、それぞれ独立して、C5-10炭素環または5-10員複素環を表し、
1は、C1-4アルキル、C2-4アルケニル、C2-4アルキニル、C3-6シクロアルキル、または3-6員ヘテロシクロアルキルを表し、該C1-4アルキル、C2-4アルケニル、C2-4アルキニル、C3-6シクロアルキル、または3-6員ヘテロシクロアルキルは、1~5個のハロゲンまたは水酸基で置換されていてもよく、
2は、ハロゲン、C1-4アルキル、OR4、NR56、またはオキソを表し、該C1-4アルキルは1~5個のハロゲンで置換されていてもよく、
4は、水素原子、C1-4アルキル、またはベンゼン環を表し、該C1-4アルキルまたはベンゼン環は1~5個のハロゲンで置換されていてもよく、
5およびR6は、それぞれ独立して、水素原子またはC1-4アルキルを表し、
3は、ハロゲン、C1-4アルキル、OR7、NR89、SO210、COR11、ベンゼン環、4-6員複素環、またはオキソを表し、該C1-4アルキルは、ハロゲン、水酸基、4-6員複素環、およびCONR1213からなる群より選択される、1~5個の置換基で置換されていてもよく、
7は、水素原子またはC1-4アルキルを表し、該C1-4アルキルは、1~5個のハロゲンまたはNR1415で置換されていてもよく、
8およびR9は、それぞれ独立して、水素原子、C1-4アルキル、またはアセチルを表し、
10は、C1-4アルキルまたはNR1617を表し、
11は、水酸基、C1-4アルキル、NR1819、または4-6員複素環を表し、該4-6員複素環は、ハロゲン、水酸基、およびC1-4アルキルからなる群より選択される、1~5個の置換基で置換されていてもよく、
12、R13、R14、R15、R16およびR17は、それぞれ独立して、水素原子またはC1-4アルキルを表し、
18およびR19は、それぞれ独立して、水素原子、C1-4アルキル、または4-6員複素環を表し、該C1-4アルキルは、1~5個の水酸基、C1-3アルコキシ、またはNR2021で置換されていてもよく、
20およびR21は、それぞれ独立して、水素原子またはC1-4アルキルを表し、
pは、0~7の整数を表し、
qは、0~7の整数を表す。
ただし、pおよびqがそれぞれ2以上の整数を表す場合、R2およびR3は、それぞれ独立して、同一でも異なっていてもよい。)
で示される化合物、その塩、そのN-オキシド体、その溶媒和物、またはそれらのプロドラッグ、
〔2〕 R1が、1~5個のハロゲンまたは水酸基で置換されていてもよい、イソプロピル、tert-ブチル、イソブチル、C3-6シクロアルキル、または3-6員ヘテロシクロアルキルである前記〔1〕記載の化合物、その塩、そのN-オキシド体、その溶媒和物、またはそれらのプロドラッグ、
〔3〕 ring1が9-10員含窒素二環式芳香族複素環である前記〔1〕または〔2〕記載の化合物、その塩、そのN-オキシド体、その溶媒和物、またはそれらのプロドラッグ、
〔4〕 ring2がベンゼン環である前記〔1〕乃至〔3〕のいずれかに記載の化合物、その塩、そのN-オキシド体、その溶媒和物、またはそれらのプロドラッグ、
〔5〕 qが1以上であって、R3が少なくとも1つはハロゲン、C1-3アルコキシ、SO210、またはCOR11である前記〔1〕乃至〔4〕のいずれかに記載の化合物、その塩、そのN-オキシド体、その溶媒和物、またはそれらのプロドラッグ、
〔6〕 一般式(I-1)
Figure 0007047772000007

(式中、ring1-1はインドール環またはインダゾール環を表し、R1-1はイソプロピル、tert-ブチル、シクロブチル、シクロペンチル、ジフルオロシクロペンチル、オキセタニル、またはテトラヒドロフラニルを表し、Xはハロゲンを表し、p-1は0~6の整数を表し、q-1は0~4の整数を表し、その他の記号は前記〔1〕記載の記号と同じ意味を表す。)
で示される前記〔1〕記載の化合物、その塩、そのN-オキシド体、その溶媒和物、またはそれらのプロドラッグ、
〔7〕 一般式(I-1’)
Figure 0007047772000008
(式中、R3’はSO210またはCOR11を表し、その他の記号は前記〔1〕または〔6〕記載の記号と同じ意味を表す。)
で示される前記〔1〕記載の化合物、その塩、そのN-オキシド体、その溶媒和物、またはそれらのプロドラッグ、
〔8〕
(1) 6-アミノ-7-(7-フルオロ-1H-インダゾール-4-イル)-2-{[2-フルオロ-4-(メチルスルホニル)フェニル]アミノ}-9-イソプロピル-7,9-ジヒドロ-8H-プリン-8-オン、
(2) 6-アミノ-7-(7-クロロ-1H-インダゾール-4-イル)-2-{[2-フルオロ-4-(メチルスルホニル)フェニル]アミノ}-9-イソプロピル-7,9-ジヒドロ-8H-プリン-8-オン、
(3) 6-アミノ-7-(6,7-ジフルオロ-1H-インダゾール-4-イル)-2-{[2-フルオロ-4-(メチルスルホニル)フェニル]アミノ}-9-イソプロピル-7,9-ジヒドロ-8H-プリン-8-オン、
(4) 6-アミノ-7-(7-フルオロ-1H-インダゾール-4-イル)-2-{[2-フルオロ-4-(メチルスルホニル)フェニル]アミノ}-9-(2-メチル-2-プロパニル)-7,9-ジヒドロ-8H-プリン-8-オン、
(5) 2-[(4-アセチル-2-フルオロフェニル)アミノ]-6-アミノ-7-(1H-インダゾール-4-イル)-9-イソプロピル-7,9-ジヒドロ-8H-プリン-8-オン、
(6) 6-アミノ-9-シクロペンチル-2-{[2-フルオロ-4-(メチルスルホニル)フェニル]アミノ}-7-(1H-インダゾール-4-イル)-7,9-ジヒドロ-8H-プリン-8-オン、
(7) 6-アミノ-9-シクロブチル-2-{[2-フルオロ-4-(メチルスルホニル)フェニル]アミノ}-7-(1H-インダゾール-4-イル)-7,9-ジヒドロ-8H-プリン-8-オン、
(8) 6-アミノ-2-{[2-フルオロ-4-(メチルスルホニル)フェニル]アミノ}-7-(1H-インダゾール-4-イル)-9-(2-メチル-2-プロパニル)-7,9-ジヒドロ-8H-プリン-8-オン、
(9) 6-アミノ-2-{[2-フルオロ-4-(メチルスルホニル)フェニル]アミノ}-9-イソプロピル-7-(7-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-7,9-ジヒドロ-8H-プリン-8-オン、
(10) 6-アミノ-9-(3,3-ジフルオロシクロペンチル)-2-{[2-フルオロ-4-(メチルスルホニル)フェニル]アミノ}-7-(1H-インダゾール-4-イル)-7,9-ジヒドロ-8H-プリン-8-オン、
(11) 6-アミノ-7-(7-クロロ-1H-インダゾール-4-イル)-9-イソプロピル-2-{[2-メトキシ-4-(メチルスルホニル)フェニル]アミノ}-7,9-ジヒドロ-8H-プリン-8-オン、
(12) 6-アミノ-7-(7-フルオロ-1H-インダゾール-4-イル)-2-{[2-メトキシ-4-(メチルスルホニル)フェニル]アミノ}-9-(2-メチル-2-プロパニル)-7,9-ジヒドロ-8H-プリン-8-オン、
(13) 6-アミノ-2-{[2-フルオロ-4-(メチルスルホニル)フェニル]アミノ}-7-(1H-インドール-6-イル)-9-(テトラヒドロ-3-フラニル)-7,9-ジヒドロ-8H-プリン-8-オン、
(14) 6-アミノ-9-シクロペンチル-2-{[2-フルオロ-4-(メチルスルホニル)フェニル]アミノ}-7-(3-ヒドロキシフェニル)-7,9-ジヒドロ-8H-プリン-8-オン、
(15) 6-アミノ-2-{[2,3-ジフルオロ-4-(メチルスルホニル)フェニル]アミノ}-7-(7-フルオロ-1H-インダゾール-4-イル)-9-イソプロピル-7,9-ジヒドロ-8H-プリン-8-オン、
(16) 6-アミノ-2-{[2,5-ジフルオロ-4-(メチルスルホニル)フェニル]アミノ}-7-(7-フルオロ-1H-インダゾール-4-イル)-9-イソプロピル-7,9-ジヒドロ-8H-プリン-8-オン、
(17) 6-アミノ-7-(3-アミノ-4-フルオロフェニル)-2-{[2-フルオロ-4-(メチルスルホニル)フェニル]アミノ}-9-イソプロピル-7,9-ジヒドロ-8H-プリン-8-オン、
(18) 6-アミノ-7-(1-ベンゾフラン-5-イル)-2-{[2-フルオロ-4-(メチルスルホニル)フェニル]アミノ}-9-イソプロピル-7,9-ジヒドロ-8H-プリン-8-オン、
(19) 6-アミノ-2-{[2-フルオロ-4-(メチルスルホニル)フェニル]アミノ}-7-(1H-インダゾール-4-イル)-9-(1,1,1-トリフルオロ-2-プロパニル)-7,9-ジヒドロ-8H-プリン-8-オン、
(20) 6-アミノ-9-[(2S)-2-ブタニル]-7-(7-フルオロ-1H-インダゾール-4-イル)-2-{[2-フルオロ-4-(メチルスルホニル)フェニル]アミノ}-7,9-ジヒドロ-8H-プリン-8-オン、
(21) 6-アミノ-7-(4-クロロ-3-ヒドロキシフェニル)-9-(3,3-ジフルオロシクロペンチル)-2-{[2-フルオロ-4-(1-ピペラジニルカルボニル)フェニル]アミノ}-7,9-ジヒドロ-8H-プリン-8-オン、
(22) 6-アミノ-7-(1H-インドール-5-イル)-9-イソプロピル-2-[(2-メチル-1-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-イソインドール-5-イル)アミノ]-7,9-ジヒドロ-8H-プリン-8-オン、
(23) 6-アミノ-2-[(1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-4-イル)アミノ]-7-(1H-インドール-6-イル)-9-イソプロピル-7,9-ジヒドロ-8H-プリン-8-オン、
(24) 4-{[6-アミノ-7-(1H-インドール-5-イル)-9-イソプロピル-8-オキソ-8,9-ジヒドロ-7H-プリン-2-イル]アミノ}-3-フルオロ-N,N-ジメチルベンズアミド、
(25) 6-アミノ-9-シクロペンチル-7-(3-ヒドロキシフェニル)-2-({4-[2-(1-ピロリジニル)エチル]フェニル}アミノ)-7,9-ジヒドロ-8H-プリン-8-オン、
(26) 4-{[6-アミノ-9-シクロペンチル-7-(3-ヒドロキシフェニル)-8-オキソ-8,9-ジヒドロ-7H-プリン-2-イル]アミノ}-3-メトキシ-N,N-ジメチルベンズアミド、
(27) 4-{[6-アミノ-7-(4-クロロ-3-ヒドロキシフェニル)-9-イソプロピル-8-オキソ-8,9-ジヒドロ-7H-プリン-2-イル]アミノ}-N-[2-(ジメチルアミノ)エチル]-3-フルオロベンズアミド、
(28) 6-アミノ-9-シクロペンチル-2-{[2-フルオロ-4-(4-モルホリニルカルボニル)フェニル]アミノ}-7-(3-ヒドロキシフェニル)-7,9-ジヒドロ-8H-プリン-8-オン、
(29) 4-{[6-アミノ-9-シクロペンチル-7-(3-ヒドロキシフェニル)-8-オキソ-8,9-ジヒドロ-7H-プリン-2-イル]アミノ}ベンズアミド、
(30) 6-アミノ-9-シクロペンチル-7-(3-ヒドロキシフェニル)-2-{[4-(4-モルホリニル)フェニル]アミノ}-7,9-ジヒドロ-8H-プリン-8-オン、
(31) 4-{[6-アミノ-9-シクロペンチル-7-(3-ヒドロキシフェニル)-8-オキソ-8,9-ジヒドロ-7H-プリン-2-イル]アミノ}-3-フルオロ-N-(2-ヒドロキシエチル)ベンズアミド、
(32) 6-アミノ-2-({2-フルオロ-4-[(4-ヒドロキシ-1-ピぺリジニル)カルボニル]フェニル}アミノ)-7-(1H-インドール-5-イル)-9-(テトラヒドロ-3-フラニル)-7,9-ジヒドロ-8H-プリン-8-オン、
(33) 5-{[6-アミノ-7-(1H-インドール-5-イル)-9-イソプロピル-8-オキソ-8,9-ジヒドロ-7H-プリン-2-イル]アミノ}-N,N-ジメチル-2-ピリジンカルボキサミド、
(34) 6-アミノ-7-(1H-インドール-5-イル)-9-イソプロピル-2-[(2-メチル-4-オキソ-4H-クロメン-7-イル)アミノ]-7,9-ジヒドロ-8H-プリン-8-オン、
(35) 6-アミノ-7-(1H-インドール-5-イル)-9-イソプロピル-2-[(1-オキソ-1,3-ジヒドロ-2-ベンゾフラン-5-イル)アミノ]-7,9-ジヒドロ-8H-プリン-8-オン、
(36) 7-{[6-アミノ-7-(1H-インドール-5-イル)-9-イソプロピル-8-オキソ-8,9-ジヒドロ-7H-プリン-2-イル]アミノ}-4-メチル-2H-1,4-ベンゾオキサジン-3(4H)-オン、または
(37) 4-{[6-アミノ-7-(1H-インドール-5-イル)-8-オキソ-9-(テトラヒドロ-3-フラニル)-8,9-ジヒドロ-7H-プリン-2-イル]アミノ}-3-フルオロベンゼンスルホンアミド
である前記〔1〕記載の化合物、その塩、そのN-オキシド体、その溶媒和物、またはそれらのプロドラッグ、
〔9〕 前記〔1〕記載の一般式(I)で示される化合物、その塩、そのN-オキシド体、その溶媒和物、またはそれらのプロドラッグを有効成分として含有してなる医薬組成物、
〔10〕 Brk阻害剤である前記〔9〕記載の組成物、
〔11〕 がんの治療剤である前記〔9〕記載の組成物、
〔12〕 がんが、乳がん、卵巣がん、大腸がん、肺がん、前立腺がん、頭頸部がん、リンパ腫、脳腫瘍、神経膠腫、下垂体腺腫、ぶどう膜悪性黒色腫、髄膜腫、胸腺腫、中皮腫、食道がん、胃がん、十二指腸がん、肝細胞がん、胆管がん、胆のうがん、膵臓がん、腎細胞がん、腎盂・尿管がん、膀胱がん、陰茎がん、精巣がん、子宮がん、膣がん、外陰がん、皮膚がん、悪性骨腫瘍、軟部肉腫、軟骨肉腫、白血病、骨髄異形成症候群、または多発性骨髄腫である前記〔11〕記載の組成物、
〔13〕 前記〔1〕記載の一般式(I)で示される化合物、その塩、そのN-オキシド体、その溶媒和物、またはそれらのプロドラッグを有効成分として含有するBrk関連疾患の予防および/または治療剤、
〔14〕 Brk関連疾患ががんである前記〔13〕記載の治療剤、
〔15〕 がんが、乳がん、卵巣がん、大腸がん、肺がん、前立腺がん、頭頸部がん、リンパ腫、脳腫瘍、神経膠腫、下垂体腺腫、ぶどう膜悪性黒色腫、髄膜腫、胸腺腫、中皮腫、食道がん、胃がん、十二指腸がん、肝細胞がん、胆管がん、胆のうがん、膵臓がん、腎細胞がん、腎盂・尿管がん、膀胱がん、陰茎がん、精巣がん、子宮がん、膣がん、外陰がん、皮膚がん、悪性骨腫瘍、軟部肉腫、軟骨肉腫、白血病、骨髄異形成症候群、または多発性骨髄腫である前記〔14〕記載の治療剤、
〔16〕 前記〔1〕記載の一般式(I)で示される化合物、その塩、そのN-オキシド体、その溶媒和物、またはそれらのプロドラッグと、アルキル化剤、代謝拮抗剤、抗がん性抗生物質、植物性製剤、ホルモン剤、白金化合物、免疫調節剤、トポイソメラーゼ阻害剤、生物学的応答調節剤、キナーゼ阻害剤、免疫チェックポイント阻害剤、ヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)阻害剤、プロテアソーム阻害剤、抗CD20抗体、抗HER2抗体、抗EGFR抗体、および抗VEGF抗体から選ばれる少なくとも1種以上と組み合わせてなる医薬、
〔17〕 前記〔1〕記載の一般式(I)で示される化合物、その塩、そのN-オキシド体、その溶媒和物、またはそれらのプロドラッグの有効量を、がんの治療を必要とする患者に投与することを特徴とする、がんの治療方法、
〔18〕 がんの治療のための、前記〔1〕記載の一般式(I)で示される化合物、その塩、そのN-オキシド体、その溶媒和物、またはそれらのプロドラッグ、
〔19〕 がんの治療剤を製造するための前記〔1〕記載の一般式(I)で示される化合物、その塩、そのN-オキシド体、その溶媒和物、またはそれらのプロドラッグの使用、および
〔20〕 前記〔1〕記載の一般式(I)で示される化合物、その塩、そのN-オキシド体、その溶媒和物、またはそれらのプロドラッグの有効量を、Brk阻害を必要とする患者に投与することを特徴とするBrk阻害方法に関する。
本発明化合物は、Brk阻害活性およびキナーゼ選択性を有することから、Brkが関与する疾患、例えば、がんに対して安全性に優れた治療薬となる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明において、「C5-10炭素環」とは、C5-10単環式または二環式飽和炭素環、C5-10単環式または二環式不飽和炭素環、およびC5-10単環式または二環式部分不飽和炭素環などを表す。「C5-10炭素環」としては、例えば、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、シクロノナン、シクロデカン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテン、シクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、シクロヘプタジエン、シクロオクタジエン、ベンゼン、ペンタレン、パーヒドロペンタレン、アズレン、パーヒドロアズレン、インデン、パーヒドロインデン、インダン、ナフタレン、ジヒドロナフタレン、テトラヒドロナフタレン、およびパーヒドロナフタレン環などである。
本発明において、「5-10員複素環」とは、5-10員単環式または二環式飽和複素環、5-10員単環式または二環式不飽和複素環、および5-10員単環式または二環式部分不飽和複素環などを表す。「5-10員複素環」としては、例えば、ピロリジン、ピロール、イミダゾール、トリアゾール、テトラゾール、ピラゾール、ピリジン、ピぺリジン、ピぺラジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、アゼピン、ジアゼピン、フラン、ピラン、オキセピン、チオフェン、チオピラン、チエピン、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、フラザン、オキサジアゾール、オキサジン、オキサジアジン、オキサゼピン、オキサジアゼピン、チアジアゾール、チアジン、チアジアジン、チアゼピン、チアジアゼピン、インドール、イソインドール、インドリジン、ベンゾフラン、イソベンゾフラン、ベンゾチオフェン、イソベンゾチオフェン、インダゾール、キノリン、イソキノリン、キノリジン、プリン、フタラジン、プテリジン、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾジオキソ-ル、ベンゾオキサチオール、クロメン、ベンゾフラザン、ベンゾチアジアゾール、ベンゾオキサジアゾール、ベンゾトリアゾール、ピロリン、ピロリジン、イミダゾリン、イミダゾリジン、トリアゾリン、トリアゾリジン、テトラゾリン、テトラゾリジン、ピラゾリン、ピラゾリジン、ジヒドロピリジン、テトラヒドロピリジン、ジヒドロピラジン、テトラヒドロピラジン、ジヒドロピリミジン、テトラヒドロピリミジン、パーヒドロピリミジン、ジヒドロピリダジン、テトラヒドロピリダジン、パーヒドロピリダジン、ジヒドロアゼピン、テトラヒドロアゼピン、パーヒドロアゼピン、ジヒドロジアゼピン、テトラヒドロジアゼピン、パーヒドロジアゼピン、ジヒドロフラン、テトラヒドロフラン、ジヒドロピラン、テトラヒドロピラン、ジヒドロオキセピン、テトラヒドロオキセピン、パーヒドロオキセピン、ジヒドロチオフェン、テトラヒドロチオフェン、ジヒドロチオピラン、テトラヒドロチオピラン、ジヒドロチエピン、テトラヒドロチエピン、パーヒドロチエピン、ジヒドロオキサゾール、テトラヒドロオキサゾール(オキサゾリジン)、ジヒドロイソオキサゾール、テトラヒドロイソオキサゾール(イソオキサゾリジン)、ジヒドロチアゾール、テトラヒドロチアゾール(チアゾリジン)、ジヒドロイソチアゾール、テトラヒドロイソチアゾール(イソチアゾリジン)、ジヒドロフラザン、テトラヒドロフラザン、ジヒドロオキサジアゾール、テトラヒドロオキサジアゾール(オキサジアゾリジン)、ジヒドロオキサジン、テトラヒドロオキサジン、ジヒドロオキサジアジン、テトラヒドロオキサジアジン、ジヒドロオキサゼピン、テトラヒドロオキサゼピン、パーヒドロオキサゼピン、ジヒドロオキサジアゼピン、テトラヒドロオキサジアゼピン、パーヒドロオキサジアゼピン、ジヒドロチアジアゾール、テトラヒドロチアジアゾール(チアジアゾリジン)、ジヒドロチアジン、テトラヒドロチアジン、ジヒドロチアジアジン、テトラヒドロチアジアジン、ジヒドロチアゼピン、テトラヒドロチアゼピン、パーヒドロチアゼピン、ジヒドロチアジアゼピン、テトラヒドロチアジアゼピン、パーヒドロチアジアゼピン、テトラヒドロトリアゾロピラジン、モルホリン、チオモルホリン、オキサチアン、インドリン、イソインドリン、ジヒドロベンゾフラン、パーヒドロベンゾフラン、ジヒドロイソベンゾフラン、パーヒドロイソベンゾフラン、ジヒドロベンゾチオフェン、パーヒドロベンゾチオフェン、ジヒドロイソベンゾチオフェン、パーヒドロイソベンゾチオフェン、ジヒドロインダゾール、パーヒドロインダゾール、ジヒドロキノリン、テトラヒドロキノリン、パーヒドロキノリン、ジヒドロイソキノリン、テトラヒドロイソキノリン、パーヒドロイソキノリン、ジヒドロフタラジン、テトラヒドロフタラジン、パーヒドロフタラジン、ジヒドロナフチリジン、テトラヒドロナフチリジン、パーヒドロナフチリジン、ジヒドロキノキサリン、テトラヒドロキノキサリン、パーヒドロキノキサリン、ジヒドロキナゾリン、テトラヒドロキナゾリン、パーヒドロキナゾリン、ジヒドロシンノリン、テトラヒドロシンノリン、パーヒドロシンノリン、ベンゾオキサチアン、ジヒドロベンゾオキサジン、ジヒドロベンゾチアジン、ピラジノモルホリン、ジヒドロベンゾオキサゾール、パーヒドロベンゾオキサゾール、ジヒドロベンゾチアゾール、パーヒドロベンゾチアゾール、ジヒドロベンゾイミダゾール、パーヒドロベンゾイミダゾール、ジオキソラン、ジオキサン、ジオキサインダン、ベンゾジオキサン、チオクロマン、ジヒドロベンゾジオキシン、ジヒドロベンゾオキサチイン、クロマン、ピラゾロピリミジン、イミダゾピリダジン、イミダゾピリジン、ピロロピリジン、イミダゾピラジン、ピラゾロピリジン、イミダゾピリジン、トリアゾロピリジン、ベンゾピラン、フタラン、ジヒドロベンズオキサジン、およびアザインドール環などである。
本発明において、「C1-4アルキル基」とは、例えば、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、およびイソブチル基である。
本発明において、「C2-4アルケニル基」とは、例えば、ビニル、1-プロぺニル、2-プロぺニル、1-ブテニル、2-ブテニル、および3-ブテニル基などである。
本発明において、「C2-4アルキニル基」とは、例えば、エチニル、1-プロピニル、2-プロピニル、1-ブチニル、2-ブチニル、および3-ブチニル基などである。
本発明において、「C3-6シクロアルキル基」とは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、およびシクロヘキシル基である。
本発明において、「3-6員ヘテロシクロアルキル基」とは、オキシラニル、チイラニル、アジリジニル、オキセタニル、チエタニル、アゼチジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオフェニル、ピロリジニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、およびピペリジニル基などである。
本発明において、「ハロゲン」とは、フッ素、塩素、臭素、およびヨウ素である。
本発明において、「4-6員複素環」とは、4-6員単環式飽和複素環、4-6員単環式不飽和複素環、および4-6員単環式部分不飽和複素環などを表す。「4-6員複素環」としては、例えば、オキセタン、チエタン、アゼチジン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロチオフェン、テトラヒドロピラン、テトラヒドロチオピラン、モルホリン、チオモルホリン、ピロリジン、ピロール、イミダゾール、トリアゾール、テトラゾール、ピラゾール、ピリジン、ピぺリジン、ピぺラジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、フラン、ピラン、チオフェン、チオピラン、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、フラザン、オキサジアゾール、オキサジン、オキサジアジン、チアジアゾール、チアジン、およびチアジアジン環などである。
本発明において、「C1-3アルコキシ基」とは、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、およびイソプロポキシ基である。
本発明において、「9-10員含窒素二環式芳香族複素環」とは、炭素原子以外に少なくとも1個の窒素原子含み、さらに窒素原子、酸素原子、硫黄原子から選ばれる1-3個のヘテロ原子を含んでいてもよい9-10員二環式芳香族複素環を表す。「9-10員含窒素二環式芳香族複素環」としては、例えば、インドール、インダゾール、ベンゾトリアゾール、アザインドール、ピラゾロピリミジン、ベンゾイミダゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾオキサジアゾール、ベンゾチアジアゾール、キノリン、イソキノリン、プリン、フタラジン、プテリジン、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾリン、およびシンノリン環である。
本発明において、ring1として好ましくは9-10員含窒素二環式芳香族複素環であり、より好ましくはインドール、インダゾール、ベンゾトリアゾール、アザインドール、ピラゾロピリミジン、ベンゾイミダゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾオキサジアゾール、ベンゾチアジアゾール、キノリン、イソキノリン、プリン、フタラジン、プテリジン、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾリン、またはシンノリン環であり、さらに好ましくはインドール、インダゾール、ベンゾトリアゾール、アザインドール、ピラゾロピリミジン、ベンゾイミダゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾオキサジアゾール、またはベンゾチアジアゾール環であり、特に好ましくはインドールまたはインダゾール環である。
また、ring1としてベンゼン、またはベンゾフラン環も好ましい。
本発明において、ring2として好ましくはベンゼン、ピラゾール、イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、イソインドリン、またはピリダジン環であり、より好ましくはベンゼン環である。
本発明において、R1として好ましくはハロゲンまたは水酸基で置換されていてもよい、イソプロピル、tert-ブチル、イソブチル、C3-6シクロアルキル、または3-6員ヘテロシクロアルキル基であり、より好ましくはイソプロピル、tert-ブチル、シクロブチル、シクロペンチル、ジフルオロシクロペンチル、オキセタニル、またはテトラヒドロフラニル基であり、さらに好ましくはイソプロピル、tert-ブチル、シクロペンチル、またはジフルオロシクロペンチル基であり、特に好ましくはイソプロピルまたはtert-ブチル基である。
本発明において、R2として好ましくはハロゲン、メチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、メトキシ、ジフルオロメトキシ、フェノキシ、水酸基、アミノ基、またはオキソであり、より好ましくはハロゲンまたは水酸基である。
本発明において、R3として好ましくはハロゲン、C1-4アルキル、C1-3アルコキシ、SO210、またはCOR11であり、より好ましくはハロゲン、SO210、またはCOR11である。R3としてさらに好ましくはハロゲンである。またはR3としてさらに好ましくはSO210またはCOR11である。
本発明において、R4として好ましくは水素原子、メチル、ジフルオロメチル、またはベンゼン環である。
本発明において、R5およびR6として好ましくは、それぞれ独立して、水素原子、メチル、またはエチルであり、より好ましくは水素原子である。
本発明において、R7として好ましくは水素原子、メチル、ジフルオロメチル、またはジメチルアミノエチルである。
本発明において、R8およびR9として好ましくは、それぞれ独立して、水素原子またはアセチルである。
本発明において、R10として好ましくはC1-4アルキル、ジメチルアミノ、メチルアミノ、またはアミノであり、より好ましくはC1-4アルキルであり、特に好ましくはメチルである。
本発明において、R11として好ましくは水酸基、C1-4アルキル、アミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジメチルアミノエチルアミノ(-NHCH2CH2NMe2)、ヒドロキシエチルアミノ(-NHCH2CH2OH)、ヒドロキシエチルメチルアミノ(-NMeCH2CH2OH)、メトキシエチルアミノ(-NHCH2CH2OMe)、メトキシエチルメチルアミノ(-NMeCH2CH2OMe)、2-ヒドロキシ-2-メチルプロピルアミノ(-NHCH2CMe(OH)(Me))、ピペリジン、ピペラジン、メチルピペラジン、ピロリジン、またはアゼチジンであり、より好ましくはC1-4アルキルであり、特に好ましくはメチルである。
本発明において、R12、R13、R14、R15、R16およびR17として好ましくは、それぞれ独立して、水素原子またはメチルである。
本発明において、R18およびR19として好ましくは、それぞれ独立して、水素原子、メチル、オキセタン、ジメチルアミノエチル(-CH2CH2NMe2)、ヒドロキシエチル(-CH2CH2OH)、メトキシエチル(-CH2CH2OMe)、2-ヒドロキシ-2-メチルプロピル(-CH2CMe(OH)(Me))である。
本発明において、R20およびR21として好ましくは、それぞれ独立して、水素原子またはメチルである。
本発明において、pとして好ましくは0~4の整数であり、より好ましくは0~2の整数である。
本発明において、qとして好ましくは0~4の整数であり、より好ましくは0~3の整数である。
本発明において、9-10員含窒素二環式芳香族複素環として好ましくはインドール、インダゾール、ベンゾトリアゾール、アザインドール、ピラゾロピリミジン、ベンゾイミダゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾオキサジアゾール、ベンゾチアジアゾール、キノリン、イソキノリン、プリン、フタラジン、プテリジン、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾリン、またはシンノリン環であり、より好ましくはインドール、インダゾール、ベンゾトリアゾール、アザインドール、ピラゾロピリミジン、ベンゾイミダゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾオキサジアゾール、またはベンゾチアジアゾール環であり、さらに好ましくはインドールまたはインダゾール環である。
本発明において、R1-1として好ましくはイソプロピル、tert-ブチル、シクロペンチル、またはジフルオロシクロペンチル基であり、より好ましくはイソプロピルまたはtert-ブチル基である。
本発明において、Xとして好ましくはフッ素または塩素であり、より好ましくはフッ素である。
本発明において、一般式(I)として好ましくは、前記のring1、ring2、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R20、R21、p、およびqの各々の好ましい定義の組み合わせである。
本発明において、一般式(I)として好ましくは、一般式(I-a)
Figure 0007047772000009
(式中、R1-aは、1~5個のハロゲンまたは水酸基で置換されていてもよい、イソプロピル、tert-ブチル、イソブチル、C3-6シクロアルキル、または3-6員ヘテロシクロアルキルを表し、その他の記号は前記〔1〕記載の記号と同じ意味を表す。)で示される化合物、その塩、そのN-オキシド体、その溶媒和物、またはそれらのプロドラッグである。
本発明において、一般式(I)における別の態様として好ましくは、一般式(I-b)
Figure 0007047772000010
(式中、ring1-bは、9-10員含窒素二環式芳香族複素環を表し、その他の記号は前記〔1〕記載の記号と同じ意味を表す。)で示される化合物、その塩、そのN-オキシド体、その溶媒和物、またはそれらのプロドラッグである。
本発明において、一般式(I)における別の態様として好ましくは、一般式(I-c)
Figure 0007047772000011
(式中、q-2は0~5の整数を表し、その他の記号は前記〔1〕記載の記号と同じ意味を表す。)で示される化合物、その塩、そのN-オキシド体、その溶媒和物、またはそれらのプロドラッグである。
本発明において、一般式(I)としてより好ましくは、一般式(I-d)
Figure 0007047772000012
(式中、R1-dは、1~5個のハロゲンまたは水酸基で置換されていてもよい、イソプロピル、tert-ブチル、イソブチル、C3-6シクロアルキル、または3-6員ヘテロシクロアルキルを表し、ring1-dは9-10員含窒素二環式芳香族複素環を表し、その他の記号は前記〔1〕記載の記号と同じ意味を表す。)で示される化合物、その塩、そのN-オキシド体、その溶媒和物、またはそれらのプロドラッグである。
本発明において、一般式(I)における別の態様としてより好ましくは、一般式(I-e)
Figure 0007047772000013
(式中、R1-eは、1~5個のハロゲンまたは水酸基で置換されていてもよい、イソプロピル、tert-ブチル、イソブチル、C3-6シクロアルキル、または3-6員ヘテロシクロアルキルを表し、q-2は0~5の整数を表し、その他の記号は前記〔1〕記載の記号と同じ意味を表す。)で示される化合物、その塩、そのN-オキシド体、その溶媒和物、またはそれらのプロドラッグである。
本発明において、一般式(I)における別の態様としてより好ましくは、一般式(I-f)
Figure 0007047772000014
(式中、ring1-fは、9-10員含窒素二環式芳香族複素環を表し、q-2は0~5の整数を表し、その他の記号は前記〔1〕記載の記号と同じ意味を表す。)で示される化合物、その塩、そのN-オキシド体、その溶媒和物、またはそれらのプロドラッグである。
本発明において、一般式(I)としてさらに好ましくは、一般式(I-g)
Figure 0007047772000015
(式中、R1-gは、1~5個のハロゲンまたは水酸基で置換されていてもよい、イソプロピル、tert-ブチル、イソブチル、C3-6シクロアルキル、または3-6員ヘテロシクロアルキルを表し、ring1-gは9-10員含窒素二環式芳香族複素環を表し、q-3は0~6の整数を表し、その他の記号は前記〔1〕または〔6〕記載の記号と同じ意味を表す。)で示される化合物、その塩、そのN-オキシド体、その溶媒和物、またはそれらのプロドラッグであり、一般式(I)としてなお好ましくは、一般式(I-g’)
Figure 0007047772000016
(式中、R1-gは、1~5個のハロゲンまたは水酸基で置換されていてもよい、イソプロピル、tert-ブチル、イソブチル、C3-6シクロアルキル、または3-6員ヘテロシクロアルキルを表し、ring1-gは9-10員含窒素二環式芳香族複素環を表し、R3’はSO210またはCOR11を表し、q-4は0~5の整数を表し、その他の記号は前記〔1〕または〔6〕記載の記号と同じ意味を表す。)で示される化合物、その塩、そのN-オキシド体、その溶媒和物、またはそれらのプロドラッグである。
本発明において、一般式(I)における別の態様としてさらに好ましくは、一般式(I-h)
Figure 0007047772000017
(式中、R1-hは、1~5個のハロゲンまたは水酸基で置換されていてもよい、イソプロピル、tert-ブチル、イソブチル、C3-6シクロアルキル、または3-6員ヘテロシクロアルキルを表し、その他の記号は前記〔1〕または〔6〕記載の記号と同じ意味を表す。)で示される化合物、その塩、そのN-オキシド体、その溶媒和物、またはそれらのプロドラッグであり、一般式(I)としてなお好ましくは、一般式(I-h’)
Figure 0007047772000018
(式中、R1-hは、1~5個のハロゲンまたは水酸基で置換されていてもよい、イソプロピル、tert-ブチル、イソブチル、C3-6シクロアルキル、または3-6員ヘテロシクロアルキルを表し、R3’はSO210またはCOR11を表し、q-5は0~3の整数を表し、その他の記号は前記〔1〕または〔6〕記載の記号と同じ意味を表す。)で示される化合物、その塩、そのN-オキシド体、その溶媒和物、またはそれらのプロドラッグである。
本発明において、一般式(I)における別の態様としてさらに好ましくは、一般式(I-j)
Figure 0007047772000019
(式中、ring1-jは9-10員含窒素二環式芳香族複素環を表し、その他の記号は前記〔1〕または〔6〕記載の記号と同じ意味を表す。)で示される化合物、その塩、そのN-オキシド体、その溶媒和物、またはそれらのプロドラッグであり、一般式(I)としてなお好ましくは、一般式(I-j’)
Figure 0007047772000020
(式中、ring1-jは9-10員含窒素二環式芳香族複素環を表し、R3’はSO210またはCOR11を表し、q-5は0~3の整数を表し、その他の記号は前記〔1〕または〔6〕記載の記号と同じ意味を表す。)で示される化合物、その塩、そのN-オキシド体、その溶媒和物、またはそれらのプロドラッグである。
本発明において、一般式(I)における別の態様としてさらに好ましくは、一般式(I-k)
Figure 0007047772000021
(式中、R1-kは、1~5個のハロゲンまたは水酸基で置換されていてもよい、イソプロピル、tert-ブチル、イソブチル、C3-6シクロアルキル、または3-6員ヘテロシクロアルキルを表し、ring1-kは9-10員含窒素二環式芳香族複素環を表し、q-2は0~5の整数を表し、その他の記号は前記〔1〕記載の記号と同じ意味を表す。)で示される化合物、その塩、そのN-オキシド体、その溶媒和物、またはそれらのプロドラッグであり、一般式(I)としてなお好ましくは、一般式(I-k’)
Figure 0007047772000022
(式中、R1-kは、1~5個のハロゲンまたは水酸基で置換されていてもよい、イソプロピル、tert-ブチル、イソブチル、C3-6シクロアルキル、または3-6員ヘテロシクロアルキルを表し、ring1-kは9-10員含窒素二環式芳香族複素環を表し、R3’はSO210またはCOR11を表し、q-5は0~3の整数を表し、その他の記号は前記〔1〕または〔6〕記載の記号と同じ意味を表す。)で示される化合物、その塩、そのN-オキシド体、その溶媒和物、またはそれらのプロドラッグである。
本発明において、一般式(I)として特に好ましくは、一般式(I-1)
Figure 0007047772000023
(式中、すべての記号は前記〔1〕または〔6〕記載の記号と同じ意味を表す。)で示される化合物、その塩、そのN-オキシド体、その溶媒和物、またはそれらのプロドラッグである。一般式(I-1)としてさらに好ましくは、q-1が1以上であって、R3のうち、少なくともひとつがSO210またはCOR11を表す。
本発明において、一般式(I)における別の態様として特に好ましくは、一般式(I-1’)
Figure 0007047772000024
(式中、R3’はSO210またはCOR11を表し、その他の記号は前記〔1〕または〔6〕記載の記号と同じ意味を表す。)で示される化合物、その塩、そのN-オキシド体、その溶媒和物、またはそれらのプロドラッグである。一般式(I-1’)としてさらに好ましくは、q-1が1以上であって、R3のうち、少なくともひとつがハロゲンを表す。
本発明において、一般式(I)における別の態様として好ましくは、上記の一般式(I-a)、一般式(I-b)、一般式(I-c)、一般式(I-d)、一般式(I-e)、および一般式(I-f)の群から選択される一般式において、それぞれ独立して、R3が複数の場合、それらのR3のうち、少なくともふたつはハロゲンおよびSO210、またはハロゲンおよびCOR11を表す。
本発明において、一般式(I)の別の態様として最も好ましくは、後記の実施例1の本発明化合物、実施例2-1~実施例2-2の本発明化合物、実施例3~実施例4の本発明化合物、もしくは実施例5-1~実施例5-32の本発明化合物、その塩、そのN-オキシド体、その溶媒和物、またはそれらのプロドラッグである。
本発明においては、特に指示しない限り異性体はこれをすべて包含する。例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、およびアルコキシ基などには直鎖のものおよび分枝鎖のものが含まれる。さらに、環、縮合環における異性体(E、Z、シス、トランス体)、不斉炭素の存在などによる異性体(R、S体、α、β体、エナンチオマー、ジアステレオマー)、旋光性を有する光学活性体(D、L、d、l体)、クロマトグラフ分離による極性体(高極性体、低極性体)、平衡化合物、回転異性体、これらの任意の割合の混合物、ラセミ混合物は、すべて本発明に含まれる。また、本発明においては、互変異性による異性体をもすべて包含する。
本発明においては、特に断わらない限り、当業者にとって明らかなように記号
Figure 0007047772000025
は紙面の向こう側(すなわちα-配置)に結合していることを表し、
Figure 0007047772000026
は紙面の手前側(すなわちβ-配置)に結合していることを表し、
Figure 0007047772000027
は、α-配置とβ-配置の任意の混合物であることを表す。
[塩]
一般式(I)で示される化合物は、公知の方法で塩に変換される。
塩としては薬学的に許容される塩が好ましい。
塩は、水溶性のものが好ましい。
塩としては、例えば、酸付加塩、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、またはアミン塩などが挙げられる。
酸付加塩としては、例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩のような無機酸塩、または酢酸塩、乳酸塩、酒石酸塩、安息香酸塩、クエン酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、トリフルオロ酢酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩、イセチオン酸塩、グルクロン酸塩、またはグルコン酸塩のような有機酸塩が挙げられる。
アルカリ金属塩としては、例えば、カリウム塩およびナトリウム塩などが挙げられる。
アルカリ土類金属塩としては、例えば、カルシウム塩およびマグネシウム塩などが挙げられる。
アンモニウム塩としては、例えば、テトラメチルアンモニウム塩などが挙げられる。
アミン塩としては、例えば、トリエチルアミン塩、メチルアミン塩、ジメチルアミン塩、シクロペンチルアミン塩、ベンジルアミン塩、フェネチルアミン塩、ピペリジン塩、モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩、リジン塩、アルギニン塩、およびN-メチル-D-グルカミン塩などが挙げられる。
また、本発明化合物は、任意の方法でN-オキシド体にすることができる。N-オキシド体とは、一般式(I)で示される化合物を構成する窒素原子が、酸化されたものを表す。
一般式(I)で示される化合物およびその塩は、溶媒和物に変換することもできる。
溶媒和物は非毒性かつ水溶性であることが好ましい。適当な溶媒和物としては、例えば、水、またはアルコール系の溶媒(例えば、エタノールなど)のような溶媒和物が挙げられる。溶媒和物には一般式(I)の塩の溶媒和物も含む。
[共結晶]
一般式(I)で示される化合物は、適切な共結晶形成剤と共結晶を形成することができる。共結晶としては、薬学的に許容される共結晶形成剤と形成される、薬学的に許容されるものが好ましい。共結晶は、典型的に、2種以上の異なる分子がイオン結合とは異なる分子間相互作用で形成される結晶として定義される。また、共結晶は中性分子と塩の複合体であってもよい。共結晶は、公知の方法、例えば、融解結晶化により、溶媒からの再結晶により、又は成分を一緒に物理的に粉砕することにより、調製することができる。適当な共結晶形成剤としては、WO2006/007448に記載のものを含む。
[プロドラッグ]
一般式(I)で示される化合物のプロドラッグとは、生体内において酵素や胃酸などによる反応により一般式(I)で示される化合物に変換される化合物をいう。一般式(I)で示される化合物のプロドラッグとしては、例えば、一般式(I)で示される化合物がアミノ基を有する場合、該アミノ基がアシル化、アルキル化、リン酸化された化合物(例えば、一般式(I)で示される化合物のアミノ基がエイコサノイル化、アラニル化、ペンチルアミノカルボニル化、(5-メチル-2-オキソ-1,3-ジオキソレン-4-イル)メトキシカルボニル化、テトラヒドロフラニル化、ピロリジルメチル化、ピバロイルオキシメチル化、アセトキシメチル化、tert-ブチル化された化合物など);一般式(I)で示される化合物が水酸基を有する場合、該水酸基がアシル化、アルキル化、リン酸化、ホウ酸化された化合物(例えば、一般式(I)で示される化合物の水酸基がアセチル化、パルミトイル化、プロパノイル化、ピバロイル化、サクシニル化、フマリル化、アラニル化、ジメチルアミノメチルカルボニル化された化合物など)が挙げられ;一般式(I)で示される化合物がカルボキシ基を有する場合、該カルボキシ基がエステル化、アミド化された化合物(例えば、一般式(I)で示される化合物のカルボキシ基がエチルエステル化、フェニルエステル化、カルボキシメチルエステル化、ジメチルアミノメチルエステル化、ピバロイルオキシメチルエステル化、1-{(エトキシカルボニル)オキシ}エチルエステル化、フタリジルエステル化、(5-メチル-2-オキソ-1,3-ジオキソレン-4-イル)メチルエステル化、1-{[(シクロヘキシルオキシ)カルボニル]オキシ}エチルエステル化、メチルアミド化された化合物など)などが挙げられる。これらの化合物はそれ自体公知の方法によって製造することができる。また、一般式(I)で示される化合物のプロドラッグは水和物および非水和物のいずれであってもよい。また、一般式(I)で示される化合物のプロドラッグは、廣川書店1990年刊「医薬品の開発」第7巻「分子設計」163~198頁に記載されているような、生理的条件で一般式(I)で示される化合物に変化するものであってもよい。
さらに、一般式(I)で示される化合物を構成する各原子は、その同位元素(例えば、2H、3H、13C、14C、15N、16N、17O、18O、18F,35S、36Cl、77Br、125Iなど)などで置換されていてもよい。
[本発明化合物の製造方法]
一般式(I)で示される本発明化合物は、公知の方法、例えば以下に示す方法、これらに準ずる方法または実施例に示す方法に従って製造することができる。なお、以下の各製造方法において、原料化合物は塩として用いてよい。このような塩としては、一般式(I)の薬学的に許容される塩として記載されたものが用いられる。
一般式(I)である本発明化合物は、例えば、以下の反応工程式に示す方法で製造することができる。
Figure 0007047772000028
(式中、P1はベンジルまたはp-メトキシベンジル基を表し、その他の記号は前記〔1〕記載の記号と同じ意味を表す。)
また、アミノ基、カルボキシ基、または水酸基を有する本発明化合物は、必要に応じて、これらの基に対して汎用される保護基、例えば、「Comprehensive Organic Transformations:A Guide to Functional Group Preparations 2nd Edition(Richard C. Larock, John Wiley & Sons Inc, 1999)」に記載された保護基で保護された化合物を用いて、上記の反応工程式に記載されたウルマン反応までの反応を行った後、公知の脱保護反応、あるいは、例えば、「Comprehensive Organic Transformations:A Guide to Functional Group Preparations 2nd Edition(Richard C. Larock, John Wiley & Sons Inc, 1999)」に記載された脱保護反応を行って製造することができる。
反応工程式中、式(II)で示される化合物から一般式(V)で示される化合物を製造する反応工程は、本明細書に記載の方法、または公知の方法で行うことができる。この反応により得られる一般式(V)で示される化合物は、例えば、2,4,6-トリクロロ-5-ニトロピリミジン(式(II)、CAS No.4359-87-9)および一般式(III)で示されるアミン化合物を用いて、有機溶媒(例えば、アルコール系溶媒(例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコールなど)、エーテル系溶媒(例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジオキサン、ジメトキシエタンなど)、ハロゲン化物系溶媒(例えば、塩化メチレン、クロロホルムなど)、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルオキシド、またはこれらの有機溶媒を適宜混合した溶媒など)またはこれらの有機溶媒と水の混合溶媒中、塩基(例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミンなど)存在下または非存在下、約-20℃~180℃の温度で反応させることにより製造された化合物、および一般式(IV)で示されるアミン化合物を用いて、有機溶媒(例えば、アルコール系溶媒(例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコールなど)、エーテル系溶媒(例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジオキサン、ジメトキシエタンなど)、ハロゲン化物系溶媒(例えば、塩化メチレン、クロロホルムなど)、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルオキシド、またはこれらの有機溶媒を適宜混合した溶媒など)またはこれらの有機溶媒と水の混合溶媒中、塩基(例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミンなど)存在下または非存在下、約-20℃~180℃の温度で反応させることにより製造される。
反応工程式中、一般式(V)で示される化合物から一般式(VI)で示される化合物を製造する反応工程は、本明細書に記載の方法、または公知の方法で行うことができる。この反応により得られる一般式(VI)で示される化合物は、例えば、一般式(V)で示される化合物を用いて、有機溶媒(例えば、酢酸、エタノール、メタノール、ジメチルホルムアミド、トルエン、またはこれらの有機溶媒を適宜混合した溶媒など)またはこれらの有機溶媒と水の混合溶媒中、触媒(例えば、鉄触媒(例えば、鉄、塩化鉄、鉄-塩化アンモニウムなど)、亜鉛触媒(例えば、亜鉛、亜鉛-塩化アンモニウムなど)、ニッケル触媒(例えば、塩化ニッケルなど)、インジウム触媒(例えば、インジウムなど)、スズ触媒(例えば、スズ、塩化スズなど)、またはこれらの触媒を適宜混合した触媒など)存在下、室温~約80℃の温度で反応させることにより製造された化合物(5-アミノピリミジン誘導体)か、または、水素雰囲気下、有機溶媒(例えば、メタノール、エタノール、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、酢酸、1,2-ジメトキシエタン、またはこれらの有機溶媒を適宜混合した溶媒など)またはこれらの有機溶媒と水の混合溶媒中、触媒(例えば、銀触媒(例えば、酢酸銀など)、白金触媒(例えば、白金-カーボン、酸化白金など)、ロジウム触媒(例えば、ロジウム-カーボンなど)、鉄触媒(例えば、酢酸鉄など)、ルテニウム触媒(例えば、ルテニウム-カーボンなど)、パラジウム触媒(例えば、パラジウム-カーボンなど)、亜鉛触媒(臭化亜鉛、ヨウ化亜鉛、酢酸亜鉛など)、ラネーニッケル、またはこれらの触媒を適宜混合した触媒など)存在下、室温~約80℃の温度で反応させることにより製造された化合物(5-アミノピリミジン誘導体)、およびカルボニル化合物誘導体(例えば、ホスゲン、トリホスゲン、カルボニルジイミダゾール、カルボニルジピロール、ウレア、ジメチルカルボナート、ジエチルカルボナートなど)を用いて、有機溶媒(例えば、トルエン、塩化メチレン、テトラヒドロフラン、クロロベンゼン、またはこれらの有機溶媒を適宜混合した溶媒など)中、酸(例えば、塩酸、酢酸など)または塩基(例えば、トリエチルアミン、ピリジン、ナトリウムメトキシドなど)存在下または非存在下、約-20℃~150℃の温度で反応させることにより製造される。
反応工程式中、一般式(VI)で示される化合物から一般式(VIII)で示される化合物を製造する反応工程(ブッフバルト・ハートウィッグ反応)は、本明細書に記載の方法、または公知の方法で行うことができる。この反応により得られる一般式(VIII)で示される化合物は、例えば、一般式(VI)で示される化合物および一般式(VII)で示される化合物を用いて、有機溶媒(例えば、ジオキサン、トルエン、ジメチルホルムアミド、N-メチルピロリドン、またはこれらの有機溶媒を適宜混合した溶媒など)中、パラジウム触媒(例えば、酢酸パラジウム、アリルパラジウム(II) クロライド ダイマー(Pd2Cl2(allyl)2)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(Pd2(dba)3)など)およびリン触媒(例えば、トリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィンなど)存在下、塩基(例えば、炭酸セシウム、ナトリウムブトキシド、リン酸三カリウムなど)存在下、室温~約180℃の温度で反応させることにより製造される。
反応工程式中、一般式(VIII)で示される化合物から一般式(IX)で示される化合物を製造する反応工程(アミノ基の保護基の脱保護反応)は、本明細書に記載の方法、または公知の方法、例えばプロテクティブ・グループス・イン・オーガニック・シンセシス(Protective Groups in Organic Synthesis)(T.W.Greene著、John Wiley & Sons Inc. (1999))に記載されている方法で行うことができる。この反応により得られる一般式(IX)で示される化合物は、例えば、一般式(VIII)で示される化合物を用いて、酸性条件下における脱保護反応または加水素分解による脱保護反応により製造される。具体的には、酸性条件下での脱保護反応(例えば、tert-ブトキシカルボニル基、トリチル基、p-メトキシベンジル基などの脱保護反応)は、例えば、水または有機溶媒(例えば、塩化メチレン、クロロホルム、ジオキサン、酢酸エチル、アニソールなど)中、有機酸(例えば、酢酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸など)、または無機酸(例えば、塩酸、硫酸など)もしくはこれらの混合物(例えば、臭化水素/酢酸など)中、約0℃~100℃の温度で行なわれる。一方、加水素分解による脱保護反応(例えば、ベンジル基、ベンズヒドリル基、ベンジルオキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基などの脱保護反応)は、例えば、有機溶媒(例えば、エーテル系溶媒(例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン、ジエチルエーテルなど)、アルコール系溶媒(例えば、メタノール、エタノールなど)、ベンゼン系溶媒(例えば、ベンゼン、トルエンなど)、ケトン系溶媒(例えば、アセトン、メチルエチルケトンなど)、ニトリル系溶媒(例えば、アセトニトリルなど)、アミド系溶媒(例えば、ジメチルホルムアミドなど)、水、酢酸エチル、酢酸、またはそれらの2つ以上の混合溶媒など)中、触媒(例えば、パラジウム-炭素、パラジウム黒、水酸化パラジウム、酸化白金、ラネーニッケルなど)の存在下、常圧または加圧下の水素雰囲気下またはギ酸アンモニウム存在下、約0℃~200℃の温度で行なわれる。
反応工程式中、一般式(IX)で示される化合物から一般式(I)で示される化合物を製造する反応工程(ウルマン反応)は、本明細書に記載の方法、または公知の方法で行うことができる。この反応により得られる一般式(I)で示される化合物は、例えば、一般式(IX)で示される化合物および一般式(X)で示される化合物を用いて、溶媒(例えば、アセトン、メタノール、プロパノール、アセトニトリル、塩化メチレン、トルエン、ジクロロエタン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルオキシド、またはこれらの有機溶媒を適宜混合した溶媒など)またはこれらの有機溶媒と水の混合溶媒中、銅触媒(例えば、酸化銅、酢酸銅、塩化銅、臭化銅、ヨウ化銅、硝酸銅など)存在下、塩基(例えば、トリエチルアミン、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、ブトキシカリウム、ピリジン、ジメチルアミノピリジン、ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド、酢酸ナトリウム、ジアザビシクロウンデセン(DBU)、ジイソプロピルエチルアミン、テトラメチルエチレンジアミンなど)存在下、室温~約150℃の温度で反応させることにより製造される。なお、このウルマン反応の後、必要に応じて脱保護反応を行うことにより製造される一般式(I)で示される化合物がある。この脱保護反応は、本明細書に記載の方法、または公知の方法、例えばプロテクティブ・グループス・イン・オーガニック・シンセシス(Protective Groups in Organic Synthesis)(T.W.Greene著、John Wiley & Sons Inc. (1999))に記載されている方法で行うことができる。脱保護反応としては、具体的には、(1)アルカリ加水分解による脱保護反応、(2)酸性条件下における脱保護反応、(3)加水素分解による脱保護反応、(4)金属錯体を用いた脱保護反応、(5)金属を用いた脱保護反応、(6)シリル基の脱保護反応などが挙げられる。これらの方法を具体的にそれぞれ説明すると、アルカリ加水分解による脱保護反応(例えば、トリフルオロアセチル基の脱保護反応など)は、例えば、有機溶媒(例えば、メタノール、テトラヒドロフラン、ジオキサンなど)中、アルカリ金属の水酸化物(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムなど)、アルカリ土類金属の水酸化物(例えば、水酸化バリウム、水酸化カルシウムなど)または炭酸塩(例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなど)あるいはその水溶液もしくはこれらの混合物を用いて、約0℃~40℃の温度で行なわれる。酸条件下での脱保護反応(例えば、ブトキシカルボニル基、トリチル基などの脱保護反応)は、例えば、水または有機溶媒(例えば、塩化メチレン、クロロホルム、ジオキサン、酢酸エチル、アニソールなど)中、有機酸(例えば、酢酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸など)、または無機酸(例えば、塩酸、硫酸など)もしくはこれらの混合物(例えば、臭化水素/酢酸など)中、約0℃~100℃の温度で行なわれる。加水素分解による脱保護反応(例えば、ベンジル基、ベンズヒドリル基、ベンジルオキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基などの脱保護反応)は、例えば、有機溶媒(例えば、エーテル系溶媒(例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン、ジエチルエーテルなど)、アルコール系溶媒(例えば、メタノール、エタノールなど)、ベンゼン系溶媒(例えば、ベンゼン、トルエンなど)、ケトン系溶媒(例えば、アセトン、メチルエチルケトンなど)、ニトリル系溶媒(例えば、アセトニトリルなど)、アミド系溶媒(例えば、ジメチルホルムアミドなど)、水、酢酸エチル、酢酸またはそれらの2つ以上の混合溶媒など)中、触媒(例えば、パラジウム-炭素、パラジウム黒、水酸化パラジウム、酸化白金、ラネーニッケルなど)の存在下、常圧または加圧下の水素雰囲気下またはギ酸アンモニウム存在下、約0℃~200℃の温度で行なわれる。金属錯体を用いる脱保護反応(例えば、アリルオキシカルボニル基などの脱保護反応)は、例えば、有機溶媒(例えば、ジクロロメタン、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、アセトニトリル、ジオキサン、エタノールなど)、水またはそれらの混合溶媒中、トラップ試薬(例えば、水素化トリブチルスズ、トリエチルシラン、ジメドン、モルホリン、ジエチルアミン、ピロリジンなど)、有機酸(例えば、酢酸、ギ酸、2-エチルヘキサン酸など)および/または有機酸塩(例えば、2-エチルヘキサン酸ナトリウム、2-エチルヘキサン酸カリウムなど)の存在下、ホスフィン系試薬(例えば、トリフェニルホスフィンなど)の存在下または非存在下、金属錯体(例えば、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0)、二塩化ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)、酢酸パラジウム(II)、塩化トリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム(I)など)を用いて、約0℃~40℃の温度で行なわれる。金属を用いる脱保護反応は、例えば、酸性溶媒(例えば、酢酸、pH4.2~7.2の緩衝液またはそれらの溶液とテトラヒドロフランなどの有機溶媒との混合液)中、粉末亜鉛の存在下、必要であれば超音波をかけながら、約0℃~40℃の温度で行なわれる。シリル基の脱保護反応は、例えば、水と混和しうる有機溶媒(例えば、テトラヒドロフラン、アセトニトリルなど)中、テトラブチルアンモニウムフルオリドを用いて、約0℃~40℃の温度で行なわれる。さらに必要であれば、この反応に引き続いて公知の方法によって、目的の塩に変換する操作を行なってもよい。
反応工程式中、出発原料として用いる一般式(III)、(IV)、(VII)、および(X)で示される化合物は公知であるか、あるいは公知の方法、例えば、「Comprehensive Organic Transformations:A Guide to Functional Group Preparations 2nd Edition(Richard C. Larock, John Wiley & Sons Inc, 1999)」に記載された方法を用いることにより容易に製造することができる。
一般式(I)で示される本発明化合物のうち、上記に示した化合物以外の化合物については、本明細書中に記載された実施例、あるいは公知の方法、例えば、「Comprehensive Organic Transformations:A Guide to Functional Group Preparations 2nd Edition (Richard C. Larock, John Wiley & Sons Inc, 1999)」に記載された方法を組み合わせて用いることで製造することができる。
本明細書中の各反応において、加熱を伴う反応は、当業者にとって明らかなように、水浴、油浴、砂浴、またはマイクロウェーブを用いて行なうことができる。
本明細書中の各反応において、適宜、高分子ポリマー(例えば、ポリスチレン、ポリアクリルアミド、ポリプロピレン、ポリエチレングリコールなど)に担持させた固相担持試薬を用いてもよい。
本明細書中の各反応において、反応生成物は通常の精製手段、例えば、常圧下または減圧下における蒸留、シリカゲルまたはケイ酸マグネシウムを用いた高速液体クロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィー、イオン交換樹脂、スカベンジャー樹脂あるいはカラムクロマトグラフィーまたは洗浄、再結晶などの方法により精製することができる。精製は反応ごとに行なってもよいし、いくつかの反応終了後に行なってもよい。
[毒性]
本発明化合物の毒性は低いものであるため、医薬品として安全に使用することができる。
[医薬品への適用]
本発明化合物は、Brk阻害活性を示すため、Brk関連疾患、例えば、がんなどの治療剤として有用である。
より具体的には、がんとして、例えば、乳がん、卵巣がん、大腸がん(例えば、結腸がんなど)、肺がん(例えば、非小細胞肺がんなど)、前立腺がん、頭頸部がん(例えば、口腔扁平上皮がん、頭頸部扁平上皮がん、咽頭がん、喉頭がん、舌がん、甲状腺がん、聴神経鞘腫など)、リンパ腫(例えば、B細胞リンパ腫、T細胞リンパ腫など)、脳腫瘍、神経膠腫、下垂体腺腫、ぶどう膜悪性黒色腫、髄膜腫、胸腺腫、中皮腫、食道がん、胃がん、十二指腸がん、肝細胞がん、胆管がん、胆のうがん、膵臓がん、腎細胞がん、腎盂・尿管がん、膀胱がん、陰茎がん、精巣がん、子宮がん、膣がん、外陰がん、皮膚がん(例えば、悪性黒色腫(メラノーマ)など)、悪性骨腫瘍、軟部肉腫、軟骨肉腫、白血病(例えば、急性骨髄性白血病、急性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、慢性リンパ性白血病など)、骨髄異形成症候群、および多発性骨髄腫などが挙げられる。
本発明において、がんの治療は、腫瘍サイズの低下、腫瘍の成長の抑制(遅延または停止)、腫瘍の転移の抑制(遅延または停止)、再発の抑制(防止または遅延)、およびがんと関連する一つ又は複数の症状の緩和のうち少なくとも1つを生じさせることを含む。
本発明化合物は、
1)その化合物の予防および/または治療効果の補完および/または増強、
2)その化合物の動態・吸収改善、投与量の低減、および/または
3)その化合物の副作用の軽減のために他の薬剤と組み合わせて、併用剤として投与してもよい。
本発明化合物と他の薬剤の併用剤は、1つの製剤中に両成分を配合した配合剤の形態で投与してもよく、また別々の製剤にして投与する形態をとってもよい。この別々の製剤にして投与する場合には、同時投与および時間差による投与が含まれる。また、時間差による投与は、本発明化合物を先に投与し、他の薬剤を後に投与してもよいし、他の薬剤を先に投与し、本発明化合物を後に投与してもよい。それぞれの投与方法は同じでも異なっていてもよい。
上記併用剤により、予防および/または治療効果を奏する疾患は特に限定されず、本発明化合物の予防および/または治療効果を補完および/または増強する疾患であればよい。
本発明化合物のがんに対する治療効果の補完および/または増強のための他の薬剤としては、例えば、アルキル化剤、代謝拮抗剤、抗がん性抗生物質、植物性製剤、ホルモン剤、白金化合物、免疫調節剤、トポイソメラーゼ阻害剤、生物学的応答調節剤、キナーゼ阻害剤、免疫チェックポイント阻害剤、ヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)阻害剤、プロテアソーム阻害剤、抗CD20抗体、抗HER2抗体、抗EGFR抗体、抗VEGF抗体などの抗がん剤が挙げられる。
アルキル化剤としては、例えば、シクロホスファミド、イホスファミド、ダカルバジン、塩酸ニムスチン、ラニムスチン、ベンダムスチン、チオテパ、およびカルボコンなどが挙げられる。
代謝拮抗剤としては、例えば、メトトレキサート、ペメトレキセド、フルオロウラシル、テガフール、テガフール・ウラシル、テガフール・ギメスタット・オタスタットカリウム、ドキシフルリジン、カペシタビン、シタラビン、塩酸ゲムシタビン、フルダラビン、ネララビン、カルモフール、および塩酸プロカルバジンなどが挙げられる。
抗がん性抗生物質としては、例えば、マイトマイシンC、塩酸ドキソルビシン、塩酸アクラルビシン、塩酸ピラルビシン、エピルビシン、クロモマイシンA3、ブレオマイシン、硫酸ペプロマイシン、およびテラルビシンなどが挙げられる。
植物性製剤としては、例えば、塩酸イリノテカン、エトポシド、硫酸ビンクリスチン、硫酸ビンブラスチン、硫酸ビンデシン、酒石酸ビノレルビン、ドセタキセル水和物、エリブリンメシル酸塩、およびパクリタキセルなどが挙げられる。
ホルモン剤としては、例えば、リン酸エストラムスチンナトリウム、フルタミド、ビカルタミド、酢酸ゴセレリン、酢酸リュープロレリン、クエン酸タモキシフェン、クエン酸トレミフェン、アナストロゾール、レトロゾール、エキセメスタン、メピチオスタン、酢酸メドロキシプロゲステロン、エピチオスタノール、ホスフェストロール、塩酸ファドロゾール水和物、アビラテロン、フルベストラント、およびアミノグルテチミドなどが挙げられる。
白金化合物としては、例えば、カルボプラチン、シスプラチン、ネダプラチン、およびオキサリプラチンなどが挙げられる。
免疫調節剤としては、例えば、レナリドミドなどが挙げられる。
トポイソメラーゼ阻害剤としては、例えば、トポテカンおよびソブゾキサンなどが挙げられる。
生物学的応答調節剤としては、例えばインターフェロンγ―1a、およびテセロイキンなどが挙げられる。
キナーゼ阻害剤としては、例えば、EGFR阻害剤であるエルロチニブ、ゲフィチニブ、アファチニブ、ネラチニブ、MEK阻害剤であるトラメチニブ、PI3K阻害剤であるイデラリシブ、JAK阻害剤であるルクソリチニブ、トファシチニブ、CDK阻害剤であるパルボシクリブ、HER2阻害剤であるラパチニブ、BCR-ABL阻害剤であるイマチニブ、ニロチニブ、ボスチニブ、mTOR阻害剤であるエベロリムス、テムシロリムス、ラパマイシン、ALK阻害剤であるクリゾチニブ、マルチキナーゼ阻害剤であるレゴラフェニブ、ソラフェニブ、スニチニブ、およびダサチニブなどが挙げられる。
免疫チェックポイント阻害剤としては、例えば、抗CTLA-4抗体であるイピリムマブ、トレメリムマブ、AGEN-1884、抗PD-1抗体であるニボルマブ、ペンブロリズマブ、REGN-2810、PDR-001、BGB-A317、AMP-514(MEDI0680)、BCD-100、IBI-308、JS-001、PF-06801591、TSR-042、抗PD-L1抗体であるアテゾリズマブ(RG7446/MPDL3280A)、アベルマブ(MSB0010718C)、デュルバルマブ(MEDI4736)、BMS-936559、CA-170、LY-3300054、抗PD-L2抗体であるrHIgM12B7、PD-L1融合タンパク質、PD-L2融合タンパク質であるAMP-224、抗Tim-3抗体であるMBG453、抗LAG-3抗体であるBMS-986016、LAG525、抗KIR抗体であるLirilumabなどが挙げられる。
ヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)阻害剤としては、例えば、ボリノスタット、パノビノスタットなどが挙げられる。
プロテアソーム阻害剤としては、例えば、ボルテゾミブなどが挙げられる。
抗CD20抗体としては、例えば、リツキシマブ、イブリツモマブ、イブリツモマブチウキセタン、およびオクレリズマブなどが挙げられる。
抗HER2抗体としては、例えば、トラスツズマブ、トラスツズマブ・エムタンシン、およびペルツズマブなどが挙げられる。
抗EGFR抗体としては、例えば、セツキシマブおよびパニツムマブなどが挙げられる。
抗VEGF抗体としては、例えば、ベバシズマブなどが挙げられる。
本発明化合物と他の薬剤の質量比は特に限定されない。
他の薬剤は、任意の2種以上を組み合わせて投与してもよい。
また、本発明化合物の予防および/または治療効果を補完および/または増強する他の薬剤には、上記したメカニズムに基づいて、現在までに見出されているものだけでなく今後見出されるものも含まれる。
本発明化合物を単剤として、あるいは本発明化合物と他の薬剤とを組み合わせた併用剤として、上記の疾患の予防および/または治療の目的に用いるには、有効成分である当該物質を、通常、各種の添加剤または溶媒などの薬学的に許容される担体とともに製剤化したうえで、全身的または局所的に、経口または非経口の形で投与される。ここで、薬学的に許容される担体とは、一般的に医薬品の製剤に用いられる、有効成分以外の物質を意味する。薬学的に許容される担体は、その製剤の投与量において薬理作用を示さず、無害で、有効成分の治療効果を妨げないものが好ましい。また、薬学的に許容される担体は、有効成分および製剤の有用性を高める、製剤化を容易にする、品質の安定化を図る、または使用性を向上させるなどの目的で用いることもできる。具体的には、薬事日報社2000年刊「医薬品添加物事典」(日本医薬品添加剤協会編集)などに記載されているような物質を、適宜目的に応じて選択すればよい。
投与に用いられる剤型としては、例えば、経口投与用製剤(例:錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、経口液剤、シロップ剤、経口ゼリー剤など)、口腔用製剤(例:口腔用錠剤、口腔用スプレー剤、口腔用半固形剤、含嗽剤など)、注射用製剤(例:注射剤など)、透析用製剤(例:透析用剤など)、吸入用製剤(例:吸入剤など)、眼科用製剤(例:点眼剤、眼軟膏剤など)、耳科用製剤(例:点耳剤など)、鼻科用製剤(例:点鼻剤など)、直腸用製剤(例:坐剤、直腸用半固形剤、腸注剤など)、腟用製剤(例:腟錠、腟用坐剤など)、および皮膚用製剤(例:外用固形剤、外用液剤、スプレー剤、軟膏剤、クリーム剤、ゲル剤、貼付剤など)などが挙げられる。
[経口投与用製剤]
経口投与用製剤には、例えば、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、経口液剤、シロップ剤、経口ゼリー剤などが含まれる。また、経口投与用製剤には、製剤からの有効成分の放出性を特に調節していない速崩性製剤と、固有の製剤設計および製法により放出性を目的にあわせて調節した、例えば、腸溶性製剤や徐放性製剤などの放出調節製剤がある。腸溶性製剤は、有効成分の胃内での分解を防ぐ、または有効成分の胃に対する刺激作用を低減させるなどの目的で、有効成分を胃内で放出せず、主として小腸内で放出するよう設計された製剤をいい、通常、酸不溶性の腸溶性基剤を用いて皮膜を施すことにより製造することができる。徐放性製剤は、投与回数の減少または副作用の低減を図るなどの目的で、製剤からの有効成分の放出速度、放出時間、放出部位を調節した製剤をいい、通常、適切な徐放化剤を用いることにより製造することができる。経口投与用製剤のうち、カプセル剤、顆粒剤、錠剤などでは、服用を容易にする、または有効成分の分解を防ぐなどの目的で、糖類または糖アルコール類、高分子化合物など適切なコーティング剤で剤皮を施すこともできる。
(1)錠剤
錠剤は、経口的に投与される一定の形状を有する固形の製剤であり、素錠、フィルムコーティング錠、糖衣錠、多層錠、有核錠などの一般的に錠剤と称されるもののほか、口腔内速崩錠、チュアブル錠、発泡錠、分散錠、溶解錠などが含まれる。素錠を製造する際には、通常、下記の(a)、(b)、または(c)の手法:
(a)有効成分に賦形剤、結合剤、崩壊剤などの添加剤を加えて混和して均質とし、水または結合剤を含む溶液を用いて適切な方法で粒状とした後、滑沢剤などを加えて混和し、圧縮成形する;
(b)有効成分に賦形剤、結合剤、崩壊剤などの添加剤を加えて混和して均質としたものを、直接圧縮成形するか、または予め添加剤で製した顆粒に有効成分および滑沢剤などを加えて混和して均質とした後、圧縮成形する;
(c)有効成分に賦形剤、結合剤などの添加剤を加えて混和して均質とし、溶媒で湿潤させた練合物を一定の型に流し込んで成形した後、適切な方法で乾燥する;
が用いられる。フィルムコーティング錠は、通常、素錠に高分子化合物などの適切なコーティング剤で薄く剤皮を施すことにより製造することができる。糖衣錠は、通常、素錠に糖類または糖アルコールを含むコーティング剤で剤皮を施すことにより製造することができる。多層錠は、適切な方法により、組成の異なる粉粒体を層状に積み重ね、圧縮成形することにより製造することができる。有核錠は、内核錠を組成の異なる外層で覆うことにより製造することができる。また、錠剤は、公知の適切な手法を用いて腸溶錠または徐放錠とすることもできる。口腔内速崩錠、チュアブル錠、発泡錠、分散錠、および溶解錠は、添加剤の適切な選択により錠剤に独特の機能を付与したものであり、前記錠剤の製造手法に準じて製造することができる。なお、口腔内速崩錠とは、口腔内で速やかに溶解または崩壊させて服用できる錠剤を;チュアブル錠とは、咀嚼して服用する錠剤を;発泡錠とは、水中で急速に発泡しながら溶解または分散する錠剤を;分散錠とは、水に分散して服用する錠剤を;溶解錠とは、水に溶解して服用する錠剤をいう。発泡錠は、適切な酸性物質、炭酸塩、炭酸水素塩などを添加剤に用いることにより製造することができる。
(2)カプセル剤
カプセル剤は、カプセルに充填またはカプセル基剤で被包成形した製剤であり、硬カプセル剤、軟カプセル剤などが含まれる。硬カプセル剤は、有効成分に賦形剤などの添加剤を加えて混和して均質としたもの、または適切な方法で粒状もしくは成形物としたものを、カプセルにそのまま、または軽く成形して充填することにより製造することができる。軟カプセル剤は、有効成分に添加剤を加えたものを、グリセリン、D-ソルビトールなどを加えて塑性を増したゼラチンなどの適切なカプセル基剤で、一定の形状に被包成形することにより製造することができる。カプセル剤は、公知の適切な手法を用いて腸溶性カプセル剤または徐放性カプセル剤とすることもでき、また、カプセル基剤に着色剤または保存剤などを加えることもできる。
(3)顆粒剤
顆粒剤は、粒状に造粒した製剤であり、一般的に顆粒剤と称されるもののほか、発泡性顆粒剤なども含まれる。顆粒剤を製造する際には、通常、下記の(a)、(b)、または(c)の手法:
(a)粉末状の有効成分に賦形剤、結合剤、崩壊剤、またはその他の添加剤を加えて混和して均質にした後、適切な方法により粒状とする;
(b)予め粒状に製した有効成分に賦形剤などの添加剤を加えて混和し、均質とする;
(c)予め粒状に製した有効成分に賦形剤などの添加剤を加えて混和し、適切な方法により粒状とする;
が用いられる。顆粒剤には、必要に応じて剤皮を施すこともでき、また、公知の適切な手法を用いて腸溶性顆粒剤または徐放性顆粒剤とすることもできる。発泡顆粒剤は、適切な酸性物質、炭酸塩、炭酸水素塩などを添加剤に用いることにより製造することができる。なお、発泡顆粒剤とは、水中で急速に発泡しながら溶解または分散する顆粒剤をいう。顆粒剤は、粒子の大きさを調節することにより、細粒剤とすることもできる。
(4)散剤
散剤は、粉末状の製剤であり、通常、有効成分に賦形剤またはその他の添加剤を加えて混和し、均質とすることにより製造することができる。
(5)経口液剤
経口液剤は、液状または流動性のある粘稠なゲル状の製剤であり、一般的に経口液剤と称されるもののほか、エリキシル剤、懸濁剤、乳剤、リモナーデ剤などが含まれる。経口液剤は、通常、有効成分に添加剤および精製水を加え、混和して均質に溶解、または乳化もしくは懸濁し、必要に応じて濾過することにより製造することができる。エリキシル剤とは、甘味および芳香のあるエタノールを含む澄明な液状の経口液剤をいい、通常、固形の有効成分またはその浸出液に、エタノール、精製水、着香剤、および白糖、その他の糖類、または甘味剤を加えて溶かし、濾過またはその他の方法によって澄明な液とすることにより製造することができる。懸濁剤とは、有効成分を微細均質に懸濁した経口液剤をいい、通常、固形の有効成分に懸濁化剤またはその他の添加剤と精製水または油を加え、適切な方法で懸濁し、全体を均質とすることにより製造することができる。乳剤とは、有効成分を微細均質に乳化した経口液剤をいい、通常、液状の有効成分に乳化剤と精製水を加え、適切な方法で乳化し、全体を均質とすることにより製造することができる。なお、リモナーデ剤とは、甘味および酸味のある澄明な液状の経口液剤をいう。
(6)シロップ剤
シロップ剤は、糖類または甘味剤を含む粘稠性のある液状または固形の製剤であり、シロップ用剤などが含まれる。シロップ剤は、通常、白糖、その他の糖類、もしくは甘味剤の溶液、または単シロップに有効成分を加えて溶解、混和、懸濁、または乳化し、必要に応じて混液を煮沸した後、熱時濾過することにより製造することができる。シロップ用剤とは、水を加えるとシロップ剤となる顆粒状または粉末状の製剤をいい、ドライシロップ剤とも称されることがある。シロップ用剤は、通常、糖類または甘味剤を添加剤として用いて、前記顆粒剤または散剤の製造手法に準じて製造することができる。
(7)経口ゼリー剤
経口ゼリー剤は、流動性のない成形したゲル状の製剤であり、通常、有効成分に添加剤および高分子ゲル基剤を加えて混和し、適切な方法でゲル化させ一定の形状に成形することにより製造することができる。
[口腔用製剤]
(1)口腔用錠剤
口腔用錠剤は、口腔内に適用する一定の形状の固形の製剤であり、トローチ剤、舌下錠、バッカル錠、付着錠、ガム剤などが含まれる。口腔用錠剤は、通常、前記錠剤の製造手法に準じて製造することができる。なお、トローチ剤とは、口腔内で徐々に溶解または崩壊させ、口腔、咽頭などの局所に適用する口腔用錠剤を;舌下錠とは、有効成分を舌下で速やかに溶解させ、口腔粘膜から吸収させる口腔用錠剤を;バッカル錠とは、有効成分を臼歯と頬の間で徐々に溶解させ、口腔粘膜から吸収させる口腔用錠剤を;付着錠とは、口腔粘膜に付着させて用いる口腔用錠剤を;ガム剤とは、咀嚼により有効成分を放出する口腔用錠剤をいう。
(2)口腔用スプレー剤
口腔用スプレー剤は、有効成分を霧状、粉末状、泡沫状、またはペースト状などとして噴霧する製剤であり、通常、溶剤などに有効成分および添加剤を溶解または懸濁させ、必要に応じて濾過した後、液化ガスまたは圧縮ガスと共に容器に充填するか、あるいは、有効成分および添加剤を用いて溶液または懸濁液を調製し、容器に充填後、スプレー用ポンプを装着することにより製造することができる。
(3)口腔用半固形剤
口腔用半固形剤は、口腔粘膜に適用する製剤であり、クリーム剤、ゲル剤、軟膏剤などが含まれる。口腔用半固形剤は、通常、有効成分を添加剤と共に精製水およびワセリンなどの油性成分で乳化するか、または高分子ゲルもしくは油脂を基剤として有効成分および添加剤と共に混和して均質とすることにより製造することができる。クリーム剤とは、水中油型または油中水型に乳化した半固形の製剤をいい、油中水型に乳化した親油性の製剤については油性クリーム剤とも呼ばれることがある。クリーム剤は、通常、ワセリン、高級アルコールなどをそのまま、または乳化剤などの添加剤を加えて油相とし、別に、精製水をそのまま、または乳化剤などの添加剤を加えて水相とし、そのいずれかの相に有効成分を加えて、それぞれ加温し、油相および水相をあわせて全体が均質になるまでかき混ぜて乳化することにより製造することができる。ゲル剤とは、ゲル状の製剤をいい、水性ゲル剤、油性ゲル剤などが含まれる。水性ゲル剤は、有効成分に高分子化合物、その他の添加剤および精製水を加えて溶解または懸濁させ、加温および冷却、またはゲル化剤を加えて架橋させることにより製造することができる。油性ゲル剤は、有効成分にグリコール類、高級アルコールなどの液状の油性基剤およびその他の添加剤を加えて混和することにより製造することができる。軟膏剤とは、有効成分を基剤に溶解または分散させた半固形の製剤をいい、油脂性軟膏剤、水溶性軟膏剤などが含まれる。油脂性軟膏剤は、通常、油脂類、ろう類、パラフィンなどの炭化水素類などの油脂性基剤を加温して融解し、有効成分を加え、混和して溶解または分散させ、全体が均質になるまで混ぜて練り合わせることにより製造することができる。水溶性軟膏剤は、通常、マクロゴールなどの水溶性基剤を加温して融解し、有効成分を加え、全体が均質になるまで混ぜて練り合わせることにより製造することができる。
(4)含嗽剤
含嗽剤は、口腔、咽頭などの局所に適用する液状の製剤であり、用時溶解して用いる固形の製剤なども含まれる。含嗽剤は、通常、有効成分に溶剤および添加剤を加えて混和して均質に溶解し、必要に応じて濾過することにより製造することができる。用時溶解して用いる固形の製剤の場合は、通常、前記錠剤または顆粒剤などの製造手法に準じて製造することができる。
[注射用製剤]
(1)注射剤
注射剤は、皮下、筋肉内、または血管などの体内組織や器官に直接投与する、溶液、懸濁液、もしくは乳濁液、または用時溶解もしくは用時懸濁して用いる固形の無菌製剤であり、一般的に注射剤と称されるもののほか、凍結乾燥注射剤、粉末注射剤、充填済みシリンジ剤、カートリッジ剤、輸液剤、埋め込み注射剤、および持続性注射剤などが含まれる。注射剤を製造する際には、通常、下記の(a)または(b)の手法:
(a)有効成分をそのまま、または有効成分に添加剤を加えたものを注射用水、他の水性溶剤、または非水性溶剤などに溶解、懸濁、もしくは乳化して均質としたものを注射剤用の容器に充填して密封し、滅菌する;
(b)有効成分をそのまま、または有効成分に添加剤を加えたものを注射用水、他の水性溶剤、または非水性溶剤などに溶解、懸濁、もしくは乳化して均質としたものを無菌濾過するか、無菌的に調製して均質としたものを注射剤用の容器に充填して密封する;
が用いられる。凍結乾燥注射剤は、通常、有効成分をそのまま、または有効成分および賦形剤などの添加剤を注射用水に溶解し、無菌濾過し、注射剤用の容器に充填した後に凍結乾燥するか、または専用容器で凍結乾燥した後に直接の容器に充填することにより製造することができる。粉末注射剤は、通常、無菌濾過により処理した後、晶析により得た粉末またはその粉末に滅菌処理した添加剤を加えて注射剤用の容器に充填することにより製造することができる。充填済みシリンジ剤は、通常、有効成分をそのまま、または有効成分および添加剤を用いて溶液、懸濁液、または乳濁液を調製して注射筒に充填することにより製造することができる。カートリッジ剤とは、薬液が充填されたカートリッジを専用の注射器に入れて用いる注射剤をいい、薬液が充填されたカートリッジは、通常、有効成分をそのまま、または有効成分および添加剤を用いて溶液、懸濁液、または乳濁液を調製してカートリッジに充填することにより製造することができる。輸液剤とは、静脈内に投与される通常100mL以上の注射剤をいう。埋め込み注射剤とは、長期にわたる有効成分の放出を目的として、皮下、筋肉内などに埋め込み用の器具を用いて、または手術により適用する固形またはゲル状の注射をいう。埋め込み注射剤は、通常、生分解性高分子化合物を用い、ペレット、マイクロスフェア、またはゲル状にすることにより製造することができる。持続性注射剤とは、長期にわたる有効成分の放出を目的として、筋肉内などに適用する注射剤をいい、通常、有効成分を植物油などに溶解もしくは懸濁するか、または生分解性高分子化合物を用いたマイクロスフェアの懸濁液とすることにより製造することができる。
[透析用製剤]
(1)透析用剤
透析用剤は、腹膜透析または血液透析に用いる液状もしくは用時溶解する固形の製剤であり、腹膜透析用剤、血液透析用剤が含まれる。腹膜透析用剤とは、腹膜透析に用いる無菌の透析用剤をいい、通常、有効成分に添加剤を加え、溶剤に溶解して一定容量としたもの、または有効成分に添加剤を加えたものを容器に充填し、密封し、必要に応じて滅菌処理を施すことにより製造することができる。用時溶解する固形の製剤の場合は、通常、前記錠剤または顆粒剤などの製造手法に準じて製造することができる。血液透析用剤とは、血液透析に用いる透析用剤をいい、通常、有効成分に添加剤を加え、溶剤に溶解して一定容量としたもの、または有効成分に添加剤を加えたものを容器に充填することにより製造することができる。用時溶解する固形の製剤の場合は、通常、前記錠剤または顆粒剤などの製造手法に準じて製造することができる。
[吸入用製剤]
(1)吸入剤
吸入剤は、有効成分をエアゾールとして吸入し、気管支または肺に適用する製剤であり、粉末吸入剤、吸入液剤、吸入エアゾール剤などが含まれる。粉末吸入剤とは、吸入量が一定となるように調製された、固体粒子のエアゾールとして吸入する製剤をいい、通常、有効成分を微細な粒子とし、必要に応じて乳糖などの添加剤と混和して均質とすることにより製造することができる。吸入液剤とは、ネブライザなどにより適用する液状の吸入剤をいい、通常、有効成分に溶剤および適切な等張化剤、pH調節剤などを加え、混和して均質に溶解または懸濁し、必要に応じて濾過することにより製造することができる。吸入エアゾール剤とは、容器に充填した噴射剤と共に、一定量の有効成分を噴霧する定量噴霧式吸入剤をいう。吸入エアゾール剤は、通常、有効成分に溶剤および適切な分散剤、安定化剤などを加えて、溶液または懸濁液とし、液状の噴射剤と共に耐圧性の容器に充填し、定量バルブを装着することにより製造することができる。
[眼科用製剤]
(1)点眼剤
点眼剤は、結膜嚢などの眼組織に適用する、液状、または用時溶解もしくは用時懸濁して用いる固形の無菌製剤である。点眼剤は、通常、有効成分に添加剤を加え、溶剤などに溶解もしくは懸濁して一定容量としたもの、または有効成分に添加剤を加えたものを容器に充填することにより製造することができる。
(2)眼軟膏剤
眼軟膏剤は、結膜嚢などの眼組織に適用する半固形の無菌製剤であり、通常、ワセリンなどの基剤と有効成分の溶液または微細な粉末を混和して均質とし、容器に充填することにより製造することができる。
[耳科用製剤]
(1)点耳剤
点耳剤は、外耳または中耳に投与する、液状、半固形、または用時溶解もしくは用時懸濁して用いる固形の製剤である。点耳剤は、通常、有効成分に添加剤を加え、溶剤などに溶解もしくは懸濁して一定容量としたもの、または有効成分に添加剤を加えたものを容器に充填することにより製造することができる。
[鼻科用製剤]
(1)点鼻剤
点鼻剤は、鼻腔または鼻粘膜に投与する製剤であり、点鼻粉末剤、点鼻液剤などが含まれる。点鼻粉末剤とは、鼻腔に投与する微粉状の点鼻剤をいい、通常、有効成分を適度に微細な粒子とし、必要に応じて添加剤と混和して均質とすることにより製造することができる。点鼻液剤とは、鼻腔に投与する液状、または用時溶解もしくは用時懸濁して用いる固形の点鼻剤をいい、通常、有効成分に溶剤および添加剤などを加え、溶解または懸濁し、必要に応じて濾過することにより製造することができる。点鼻液剤の添加剤としては、等張化剤、pH調節剤などを用いることができる。
[直腸用製剤]
(1)坐剤
坐剤は、直腸内に適用する、体温によって溶融するか、または水に徐々に溶解もしくは分散することにより有効成分を放出する一定の形状の半固形の製剤である。坐剤は、通常、有効成分に分散剤、乳化剤などの添加剤を加えて混和して均一としたものを、加熱するなどして液状化させた基剤中に溶解または均一に分散させ、容器に一定量充填し、固化/成形することにより製造することができる。坐剤の基剤としては、通常、油脂性基剤または親水性基剤が用いられる。
(2)直腸用半固形剤
直腸用半固形剤は、肛門周囲または肛門内に適用する製剤であり、直腸用クリーム剤、直腸用ゲル剤、直腸用軟膏剤などが含まれる。直腸用半固形剤は、通常、有効成分を添加剤と共に精製水およびワセリンなどの油性成分で乳化するか、または高分子ゲルもしくは油脂を基剤として有効成分および添加剤と共に混和して均質とすることにより製造することができる。直腸用クリーム剤は、通常、ワセリン、高級アルコールなどをそのまま、または乳化剤などの添加剤を加えて油相とし、別に、精製水をそのまま、または乳化剤などの添加剤を加えて水相とし、そのいずれかの相に有効成分を加えて、それぞれ加温し、油相および水相をあわせて全体が均質になるまでかき混ぜて乳化することにより製造することができる。直腸用ゲル剤とは、ゲル状の製剤をいい、水性ゲル剤、油性ゲル剤などが含まれる。水性ゲル剤は、有効成分に高分子化合物、その他の添加剤および精製水を加えて溶解または懸濁させ、加温および冷却、またはゲル化剤を加えて架橋させることにより製造することができる。油性ゲル剤は、有効成分にグリコール類、高級アルコールなどの液状の油性基剤およびその他の添加剤を加えて混和することにより製造することができる。直腸用軟膏剤とは、有効成分を基剤に溶解または分散させた半固形の製剤をいい、油脂性軟膏剤、水溶性軟膏剤などが含まれる。油脂性軟膏剤は、通常、油脂類、ろう類、パラフィンなどの炭化水素類などの油脂性基剤を加温して融解し、有効成分を加え、混和して溶解または分散させ、全体が均質になるまで混ぜて練り合わせることにより製造することができる。水溶性軟膏剤は、通常、マクロゴールなどの水溶性基剤を加温して融解し、有効成分を加え、全体が均質になるまで混ぜて練り合わせることにより製造することができる。
(3)注腸剤
腸注剤は、肛門を通して適用する液状または粘稠なゲル状の製剤であり、通常、精製水または適切な水性溶剤を用い、有効成分を溶剤などに溶解または懸濁して一定容量とし、容器に充填することにより製造することができる。腸注剤の添加剤としては、分散剤、安定化剤、pH調節剤などを用いることができる。
[腟用製剤]
(1)腟錠
腟錠は、腟に適用する、水に徐々に溶解または分散することにより有効成分を放出する一定の形状の固形の製剤であり、通常、前記錠剤の製造手法に準じて製造することができる。
(2)腟用坐剤
腟用坐剤は、腟に適用する、体温によって溶融するか、または水に徐々に溶解もしくは分散することにより有効成分を放出する一定の形状の半固形の製剤であり、通常、前記直腸用坐剤などの製造手法に準じて製造することができる。
[皮膚用製剤]
(1)外用固形剤
外用固形剤は、頭皮を含む皮膚または爪に、塗布または散布する固形の製剤であり、外用散剤などが含まれる。外用散剤とは、粉末状の外用固形剤をいい、通常、有効成分に賦形剤などの添加剤を加えて混和して均質とした後、粉末状とすることにより製造することができる。
(2)外用液剤
外用液剤は、頭皮を含む皮膚または爪に塗布する液状の製剤であり、リニメント剤、ローション剤などが含まれる。外用液剤は、通常、有効成分に溶剤、添加剤などを加え、溶解、乳化、または懸濁し、必要に応じて濾過することにより製造することができる。リニメント剤とは、皮膚にすり込んで用いる液状または泥状の外用液剤をいう。ローション剤とは、有効成分を水性の液に溶解または乳化もしくは微細に分散させた外用液剤をいい、通常、有効成分、添加剤、および精製水を用いて、溶液、懸濁液、または乳濁液として全体を均質とすることにより製造することができる。
(3)スプレー剤
スプレー剤は、有効成分を霧状、粉末状、泡沫状、またはペースト状などとして皮膚に噴霧する製剤であり、外用エアゾール剤、ポンプスプレー剤などが含まれる。スプレー剤は、通常、有効成分の溶液または懸濁液を調製し、必要に応じて濾過した後、容器に充填することにより製造することができる。外用エアゾール剤とは、容器に充填した液化ガスまたは圧縮ガスと共に有効成分を噴霧するスプレー剤をいう。外用エアゾール剤は、通常、有効成分の溶液または懸濁液を調製し、液状の噴射剤と共に耐圧性の容器に充填し、連続噴射バルブを装着することにより製造することができる。外用エアゾール剤には、必要に応じて、分散剤、安定化剤などの添加剤を加えることもできる。ポンプスプレー剤とは、ポンプにより容器内の有効成分を噴霧するスプレー剤をいう。ポンプスプレー剤は、通常、有効成分および添加剤を溶解または懸濁し、充填後の容器にポンプを装着して製造することができる。
(4)軟膏剤
軟膏剤は、皮膚に塗布する、有効成分を基剤に溶解または分散させた半固形の製剤であり、油脂性軟膏剤、水溶性軟膏剤などが含まれる。油脂性軟膏剤は、通常、油脂類、ろう類、パラフィンなどの炭化水素類などの油脂性基剤を加温して融解し、有効成分を加え、混和して溶解または分散させ、全体が均質になるまで混ぜて練り合わせることにより製造することができる。水溶性軟膏剤は、通常、マクロゴールなどの水溶性基剤を加温して融解し、有効成分を加え、全体が均質になるまで混ぜて練り合わせることにより製造することができる。
(5)クリーム剤
クリーム剤は、皮膚に塗布する、水中油型または油中水型に乳化した半固形の製剤であり、油中水型に乳化した親油性の製剤については油性クリーム剤とも呼ばれることもある。クリーム剤は、通常、ワセリン、高級アルコールなどをそのまま、または乳化剤などの添加剤を加えて油相とし、別に、精製水をそのまま、または乳化剤などの添加剤を加えて水相とし、そのいずれかの相に有効成分を加えて、それぞれ加温し、油相および水相をあわせて全体が均質になるまでかき混ぜて乳化することにより製造することができる。
(6)ゲル剤
ゲル剤は、皮膚に塗布するゲル状の製剤であり、水性ゲル剤、油性ゲル剤などが含まれる。水性ゲル剤は、有効成分に高分子化合物、その他の添加剤および精製水を加えて溶解または懸濁させ、加温および冷却、またはゲル化剤を加えて架橋させることにより製造することができる。油性ゲル剤は、有効成分にグリコール類、高級アルコールなどの液状の油性基剤およびその他の添加剤を加えて混和することにより製造することができる。
(7)貼付剤
貼付剤は、皮膚に貼付する製剤であり、テープ剤、バップ剤などが含まれる。貼付剤は、通常、高分子化合物またはこれらの混合物を基剤とし、有効成分を基剤と混和し均質として、支持体またはライナー(剥離体)に展延して成形することにより製造することができる。また、放出調節膜を用いて経皮吸収型製剤とすることもできる。貼付剤には、必要に応じて、粘着剤や吸収促進剤などの添加剤を用いることもできる。テープ剤とは、ほとんど水を含まない基剤を用いる貼付剤をいい、プラスター剤、硬膏剤などが含まれる。テープ剤は、通常、樹脂、プラスチック、ゴムなどの非水溶性の天然または合成高分子化合物を基剤とし、有効成分をそのまま、または有効成分に添加剤を加え、全体を均質とし、布に展延またはプラスチック製フィルムなどに展延もしくは封入して成形することにより製造することができる。また、有効成分と基剤またはその他の添加剤からなる混合物を放出調節膜、支持体およびライナー(剥離体)でできた放出体に封入して成形することにより製造することもできる。バップ剤とは、水を含む基剤を用いる貼付剤をいい、通常、有効成分を精製水、グリセリンなどの液状の物質と混和し、全体を均質にするか、水溶性高分子、吸水性高分子などの天然または合成高分子化合物を精製水と混ぜて練り合わせ、有効成分を加え、全体を均質にし、布などに展延して成形することにより製造することができる。
以下、実施例によって本発明を詳述するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
クロマトグラフィーによる分離の箇所およびTLCに示されるカッコ内の溶媒は、使用した溶出溶媒または展開溶媒を示し、割合は体積比を表す。
NMRの箇所に示されているカッコ内の溶媒は、測定に使用した溶媒を示している。
LC-MS/ELSDは、下記条件:
条件1
{カラム:Waters ACQUITY C18(粒子径:1.7 × 10-6 m;カラム長:30 × 2.1 mm I.D.);流速:1.0mL/min;カラム温度:40℃;移動相(A):0.1%ぎ酸水溶液;移動相(B):0.1%ぎ酸-アセトニトリル溶液;グラジエント(移動相(A):移動相(B)の比率を記載):[0分]95:5;[0.1分]95:5;[1.2分]5:95;[1.4分]5:95;[1.41分]95:5;[1.5分]95:5;検出器:UV(PDA)、ELSD、MS}
条件2
{カラム:YMC Triart C18(粒子径:1.9 × 10-6 m;カラム長:30 × 2.0 mm I.D.);流速:1.0mL/min;カラム温度:30℃;移動相(A):0.1%トリフルオロ酢酸水溶液;移動相(B):0.1%トリフルオロ酢酸-アセトニトリル溶液;グラジエント(移動相(A):移動相(B)の比率を記載):[0分]95:5;[0.1分]95:5;[1.2分]5:95;[1.4分]5:95;[1.41分]95:5;[1.5分]95:5;検出器:UV(PDA)、ELSD、MS}で行った。
本明細書中に用いた化合物名は、一般的にIUPACの規則に準じて命名を行なうコンピュータプログラム、ACD/Name(登録商標)を用いるか、Chemdraw Ultra(バージョン12.0、Cambridge Soft社製)を用いるか、またはIUPAC命名法に準じて命名したものである。
参考例1:N,N-ジベンジル-N’-tert-ブチル-2-クロロ-5-ニトロピリミジン-4,6-ジアミン
Figure 0007047772000029
2,4,6-トリクロロ-5-ニトロピリミジン(CAS No.4359-87-9、22.8g)の塩化メチレン(170mL)溶液に、tert-ブチルアミン(7.3g)の塩化メチレン(30mL)溶液を、0℃でゆっくり滴下した。反応混合物にジイソプロピルエチルアミン(17.3mL)を0℃でゆっくり滴下した。反応混合物を0℃で60分間撹拌した。反応混合物に水を注ぎ、塩化メチレンで抽出した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムにて乾燥後、減圧濃縮した。得られた中間体(27.8g)の内12.7gを塩化メチレン(170mL)に溶解した。その溶液にジベンジルアミン(19.2mL)の塩化メチレン(30mL)溶液を、0℃で滴下した。反応混合物にジイソプロピルエチルアミン(17.3mL)を0℃で滴下した。反応混合物を0℃で60分間撹拌した。反応混合物に水を注ぎ、塩化メチレンで抽出した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムにて乾燥後、減圧濃縮した。残りの中間体(15.09g)も同様に反応した。得られた粗目的物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することより、以下の物性値を有する標題化合物(27.2g)を得た。
TLC:Rf 0.45(ヘキサン:酢酸エチル=9:1);
1H-NMR(CDCl3):δ 1.51, 4.52, 7.06-7.14, 7.23-7.38, 8.41。
参考例2:9-tert-ブチル-2-クロロ-6-(ジベンジルアミノ)-7,9-ジヒドロ-8H-プリン-8-オン
Figure 0007047772000030
塩化アンモニウム(20.8g)を水(156mL)に溶解し、亜鉛(42.4g)と混合した。この懸濁液に参考例1で製造された化合物(27.6g)の酢酸エチル(467mL)溶液を室温で滴下し、室温で4時間撹拌した。反応混合物をセライト(商品名)でろ過し、セライトを水および酢酸エチルで洗浄した。ろ液を酢酸エチルで抽出した。得られた有機層を水および飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムにて乾燥後、減圧濃縮した。得られた残渣にテトラヒドロフラン(276mL)を加えた。得られた溶液に、1,1’-カルボニルジイミダゾール(22.3g)とジアザビシクロウンデセン(DBU;10.3mL)を加えた。反応混合物を室温で1時間撹拌した。反応混合物に1N塩酸を加え、酢酸エチルで抽出した。得られた有機層を、水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、および飽和食塩水で洗浄した。得られた有機層を硫酸ナトリウムにて乾燥後、減圧濃縮した。得られた残渣をメチル-tert-ブチルエーテル(MTBE)で洗浄して、ろ取した。ろ取物を乾燥することより、以下の物性値を有する標題化合物(23.3g)を得た。
TLC:Rf 0.40(ヘキサン:酢酸エチル=4:1);
1H-NMR(CDCl3):δ 1.70, 4.76, 7.22-7.40, 8.16。
参考例3:9-tert-ブチル-6-(ジベンジルアミノ)-2-{[2-フルオロ-4-(メチルスルホニル)フェニル]アミノ}-7,9-ジヒドロ-8H-プリン-8-オン
Figure 0007047772000031
参考例2で製造された化合物(127mg)、2-フルオロ-4-メチルスルホニルアニリン(62mg)、および炭酸セシウム(293mg)のジメトキシエタン(0.9mL)溶液を脱気して、アルゴン置換した。2-(ジシクロヘキシルホスフィノ)-2’,4’,6’-トリイソプロピルビフェニル(29mg)とトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(28mg)を加えた。反応混合物を85℃で16時間撹拌した。反応混合物に水を加えて、酢酸エチルで抽出した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄した。得られた有機層を硫酸ナトリウムにて乾燥後、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、下記物性値を有する標題化合物(153mg)を得た。
TLC:Rf 0.23(ヘキサン:酢酸エチル=2:1);
1H-NMR(CDCl3):δ 1.72, 3.02, 4.82, 7.15-7.18, 7.22-7.39, 7.41-7.45, 7.57-7.62, 8.45-8.52, 9.07。
参考例4:6-アミノ-9-tert-ブチル-2-{[2-フルオロ-4-(メチルスルホニル)フェニル]アミノ}-7,9-ジヒドロ-8H-プリン-8-オン
Figure 0007047772000032
窒素雰囲気下、参考例3で製造された化合物(163mg)をエタノール(1.1mL)およびテトラヒドロフラン(0.3mL)に溶解して、20%水酸化パラジウム炭素(80mg)を加えた。水素雰囲気下、反応混合物を60℃で6時間撹拌させた後、セライト(商品名)でろ過して、セライトを塩化メチレン/メタノールで洗浄した。ろ液を減圧濃縮した。得られた残渣を酢酸エチルで固化させて、固体をろ取した。ろ取物を乾燥し、下記物性値を有する本発明化合物(62mg)を得た。
TLC:Rf 0.47(塩化メチレン:メタノール=9:1);
1H-NMR(DMSO-d6):δ 1.70, 3.20, 6.35, 7.59-7.64, 7.67-7.72, 8.41-8.48, 9.92。
参考例5:4-ブロモ-7-フルオロ-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール
Figure 0007047772000033
4-ブロモ-7-フルオロ-1H-インダゾール(918mg)の塩化メチレン(14mL)溶液に、3,4-ジヒドロ-2H-ピラン(1.56mL)およびパラトルエンスルホン酸・1水和物(81mg)を加えた。反応混合物を40℃で1.5時間撹拌した。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、下記物性値を有する標題化合物(1.24g)を得た。
TLC:Rf 0.61(ヘキサン:酢酸エチル=5:1);
1H-NMR(CDCl3):δ 1.48-1.82, 2.03-2.23, 2.51-2.68, 3.69-3.80, 4.00-4.08, 5.83-5.90, 6.91-7.00, 7.17-7.23, 8.03-8.06。
参考例6:[7-フルオロ-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]ボロン酸
Figure 0007047772000034
窒素雰囲気下、参考例5で製造された化合物(1.24g)およびトリイソプロピルボレート(3.8mL)をテトラヒドロフラン(16.6mL)に溶解し、-78℃に冷却した。その溶液にn-ブチルリチウム(8.02mL、1.55M/ヘキサン)を滴下した。反応混合物を-40℃で1時間撹拌した。反応混合物に水を加え、有機層を0.5N水酸化ナトリウム水溶液で逆抽出した。得られた水層に酢酸アンモニウム(1.39g)を加え、室温で30分間撹拌した。その反応混合物を0℃に冷却した。反応混合物にリン酸二水素ナトリウムを加え、pHを4~5に調整した。析出した固体をろ取した。ろ取物を冷水で洗浄し、乾燥後、下記物性値を有する本発明化合物(710mg)を得た。
TLC:Rf 0.34(ヘキサン:酢酸エチル=2:1);
1H-NMR(DMSO-d6):δ 1.47-1.60, 1.63-1.82, 1.97-2.10, 2.35-2.54, 3.58-3.69, 3.83-3.94, 5.79-5.85, 7.18-7.27, 7.58-7.64, 8.27, 8.34-8.37。
参考例7:6-アミノ-9-tert-ブチル-2-{[2-フルオロ-4-(メチルスルホニル)フェニル]アミノ}-7-[7-フルオロ-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]-7,9-ジヒドロ-8H-プリン-8-オン
Figure 0007047772000035
参考例4で製造された化合物(45mg)、参考例6で製造された化合物(60mg)、酢酸銅(Cu(OAc)2)(41mg)、およびトリエチルアミン(64μL)のアセトニトリル(0.57mL)溶液を40℃で20時間撹拌した。反応混合物にアンモニア水を加え、酢酸エチルで抽出した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムにて乾燥後、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、下記物性値を有する標題化合物(19mg)を得た。
TLC:Rf 0.53(ヘキサン:酢酸エチル=1:2);
1H-NMR(CDCl3):δ 1.55-1.84, 1.89, 2.04-2.24, 2.48-2.69, 3.06, 3.69-3.86, 3.97-4.16, 4.18-4.29, 5.88-5.97, 7.03-7.12, 7.16-7.27, 7.62-7.74, 7.92-8.01, 8.73-8.80。
実施例1:6-アミノ-7-(7-フルオロ-1H-インダゾール-4-イル)-2-{[2-フルオロ-4-(メチルスルホニル)フェニル]アミノ}-9-(2-メチル-2-プロパニル)-7,9-ジヒドロ-8H-プリン-8-オン
Figure 0007047772000036
参考例7で製造された化合物(40mg)をメタノール(0.5mL)に溶解した。その溶液に4N塩酸/ジオキサン(1mL)を室温で加えた。反応混合物を室温で1時間撹拌した後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えた。反応混合物を酢酸エチルで抽出した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムにて乾燥後、減圧濃縮した。得られた残渣をヘキサンで洗浄し、ろ取した。ろ取物を乾燥することにより、下記物性値を有する本発明化合物(10mg)を得た。
TLC:Rf 0.58(ヘキサン:酢酸エチル=1:2);
1H-NMR(CDCl3):δ 1.91, 3.07, 4.24, 7.07-7.12, 7.17-7.24, 7.63-7.76, 8.02-8.05, 8.73-8.81。
実施例2
tert-ブチルアミンの代わりに、イソプロピルアミンを用い、参考例6で製造した化合物の代わりに、相当するボロン酸を用いて、参考例1→参考例2→参考例3→参考例4→参考例7→実施例1と同様の操作を行って、以下の物性値を有する本発明化合物を得た。
実施例2-1:6-アミノ-7-(7-クロロ-1H-インダゾール-4-イル)-2-{[2-フルオロ-4-(メチルスルホニル)フェニル]アミノ}-9-イソプロピル-7,9-ジヒドロ-8H-プリン-8-オン
Figure 0007047772000037
TLC:Rf 0.37(ヘキサン:酢酸エチル=2:3);
1H-NMR(CDCl3):δ 1.62-1.74, 3.07, 4.35, 4.78-4.88, 7.08-7.14, 7.28-7.35, 7.49-7.54, 7.64-7.80, 8.11, 8.80-8.87。
実施例2-2:6-アミノ-7-(6,7-ジフルオロ-1H-インダゾール-4-イル)-2-{[2-フルオロ-4-(メチルスルホニル)フェニル]アミノ}-9-イソプロピル-7,9-ジヒドロ-8H-プリン-8-オン
Figure 0007047772000038
TLC:Rf 0.30(酢酸エチル);
1H-NMR(CDCl3):δ 1.60-1.80, 3.07, 4.41, 4.77-4.91, 7.03-7.11, 7.30-7.38, 7.62-7.68, 7.69-7.78, 7.98-8.02, 8.78-8.85。
実施例3:6-アミノ-7-(7-フルオロ-1H-インダゾール-4-イル)-2-{[2-フルオロ-4-(メチルスルホニル)フェニル]アミノ}-9-イソプロピル-7,9-ジヒドロ-8H-プリン-8-オン
tert-ブチルアミンの代わりに、イソプロピルアミンを用いて、参考例1→参考例2→参考例3→参考例4→参考例7→実施例1と同様の操作を行って、以下の物性値を有する本発明化合物を得た。
Figure 0007047772000039
TLC:Rf 0.40(ヘキサン:酢酸エチル=1:4);
1H-NMR(CDCl3):δ 1.62-1.72, 3.07, 4.33, 4.79-4.92, 7.07-7.14, 7.17-7.25, 7.30-7.35, 7.64-7.69, 7.72-7.78, 8.04-8.08, 8.80-8.88。
参考例8:2-クロロ-N,N-ビス(4-メトキシベンジル)-5-ニトロ-N’-(プロパン-2-イル)ピリミジン-4,6-ジアミン
Figure 0007047772000040
2,4,6-トリクロロ-5-ニトロピリミジン(4g)の塩化メチレン(130mL)溶液に、ビス(4-メトキシベンジル)アミン(4.5g)およびトリエチルアミン(2.4mL)の塩化メチレン(20mL)溶液を0℃でゆっくり滴下した。反応混合物を0℃で30分間撹拌した。反応混合物にイソプロピルアミン(1.7mL)およびトリエチルアミン(2.7mL)の塩化メチレン(20mL)溶液を0℃で滴下した。反応混合物を120分間撹拌した。反応混合物に水を注ぎ、塩化メチレンで抽出した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムにて乾燥後、減圧濃縮した。得られた残渣をヘキサン/MTBE(4/1)中で30分撹拌した。析出した固体をろ取した。ろ取物を乾燥することより、以下の物性値を有する標題化合物(7.8g)を得た。
TLC:Rf 0.41(ヘキサン:酢酸エチル=5:1);
1H-NMR(CDCl3):δ 1.24-1.30, 3.80, 4.37-4.50, 6.79-6.85, 6.97-7.03, 8.18-8.24。
参考例9:2-クロロ-6-[ビス(4-メトキシベンジル)アミノ]-9-(プロパン-2-イル)-7,9-ジヒドロ-8H-プリン-8-オン
Figure 0007047772000041
塩化アンモニウム(5.4g)を水(30mL)に溶解し、亜鉛(11g)と混合した。この懸濁液に参考例8で製造された化合物(7.8g)の酢酸エチル(200mL)溶液を室温で滴下した。反応混合物を室温で5時間撹拌した。反応混合物をセライト(商品名)にてろ過し、セライトを水および酢酸エチルで洗浄した。得られたろ液を酢酸エチルで抽出した。得られた有機層を水および飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムにて乾燥後、減圧濃縮した。得られた残渣のテトラヒドロフラン(150mL)溶液に、1,1’-カルボニルジイミダゾール(5g)とDBU(2.3mL)を加えた。反応混合物を室温で20時間撹拌した。反応混合物に1N塩酸を加え、酢酸エチルで抽出した。得られた有機層を1N塩酸、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和食塩水で洗浄した。得られた有機層を硫酸マグネシウムにて乾燥後、減圧濃縮した。得られた残渣をヘキサン/酢酸エチル(2/1)中で20分撹拌し、ろ取した。ろ取物を乾燥することより、以下の物性値を有する標題化合物(5.9g)を得た。
TLC:Rf 0.34(ヘキサン:酢酸エチル=2:1);
1H-NMR(CDCl3):δ 1.38-1.48, 3.80, 4.55-4.74, 6.80-6.92, 7.09-7.21, 8.39。
参考例10:2-[(4-アセチル-2-フルオロフェニル)アミノ]-6-[ビス(4-メトキシベンジル)アミノ]-9-(プロパン-2-イル)-7,9-ジヒドロ-8H-プリン-8-オン
Figure 0007047772000042
参考例9で製造された化合物(3g)、1-(4-アミノ-3-フルオロフェニル)エタノン(1.1g)および炭酸セシウム(6.3g)のジメトキシエタン(21mL)/tert-ブタノール(21mL)溶液を脱気してアルゴン置換した。この反応混合物に2-(ジシクロヘキシルホスフィノ)-2’,4’,6’-トリイソプロピルビフェニル(310mg)およびトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(290mg)を加えた。反応混合物を90℃で4時間撹拌した。さらに2-(ジシクロヘキシルホスフィノ)-2’,4’,6’-トリイソプロピルビフェニル(155mg)およびトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(145mg)を加えた。反応混合物を90℃で4時間撹拌した。反応混合物をセライト(商品名)にてろ過した。セライトを酢酸エチルで洗浄した。得られたろ液を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した。得られた粗生成物をMTBEで洗浄し、ろ取した。ろ取物を乾燥することにより、下記物性値を有する標題化合物(2.4g)を得た。
TLC:Rf 0.28(ヘキサン:酢酸エチル=3:2);
1H-NMR(CDCl3):δ 1.54-1.61, 2.54, 3.81, 4.60-4.78, 6.86-6.93, 7.16-7.26, 7.56-7.61, 7.65-7.71, 8.48-8.56。
参考例11:2-[(4-アセチル-2-フルオロフェニル)アミノ]-6-アミノ-9-(プロパン-2-イル)-7,9-ジヒドロ-8H-プリン-8-オン
Figure 0007047772000043
参考例10で製造された化合物(1.7g)を塩化メチレン(5mL)およびトリフルオロ酢酸(5mL)に溶解した。反応混合物を60℃で3時間撹拌した。反応混合物を減圧濃縮した。得られた残渣に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて、酢酸エチル/テトラヒドロフランで抽出した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムにて乾燥後、減圧濃縮した。得られた残渣をヘキサン/酢酸エチル(1/1)で洗浄し、ろ取した。ろ取物を塩化メチレンで洗浄して、ろ取した。ろ取物を乾燥することにより、下記物性値を有する標題化合物(0.55g)を得た。
TLC:Rf 0.60(酢酸エチル);
1H-NMR(DMSO-d6):δ 1.42-1.49, 2.54, 4.42-4.56, 6.36, 7.65-7.78, 8.35-8.40, 8.42-8.51, 9.88。
実施例4:2-[(4-アセチル-2-フルオロフェニル)アミノ]-6-アミノ-7-(1H-インダゾール-4-イル)-9-イソプロピル-7,9-ジヒドロ-8H-プリン-8-オン
Figure 0007047772000044
参考例4で製造した化合物の代わりに、参考例11で製造した化合物を用い、参考例6で製造した化合物の代わりに、[1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]ボロン酸を用いて、参考例7→実施例1と同様の操作を行って、以下の物性値を有する本発明化合物を得た。
TLC:Rf 0.22(ヘキサン:酢酸エチル=1:4);
1H-NMR(DMSO-d6):δ 1.53-1.60, 2.53, 4.60-4.72, 5.49, 7.06-7.10, 7.44-7.51, 7.61-7.65, 7.69-7.79, 7.95, 8.44-8.52, 8.60-8.62, 13.32。
実施例5
tert-ブチルアミンの代わりに、相当するアミンを用い、2-フルオロ-4-(メチルスルホニル)アニリンの代わりに、相当するアミン化合物を用い、参考例6で製造した化合物の代わりに、相当するボロン酸を用いて、参考例1→参考例2→参考例3→参考例4→参考例7→実施例1と同様の操作を行って、以下の物性値を有する本発明化合物を得た。なお、実施例5-1、5-5、および5-17は、トリフルオロ酢酸を含む溶離液でHPLC分取精製(移動相(A):0.1%トリフルオロ酢酸水溶液;移動相(B):0.1%トリフルオロ酢酸-アセトニトリル)したことから、本発明化合物をトリフルオロ酢酸塩として得た。
実施例5-1:6-アミノ-9-シクロペンチル-2-{[2-フルオロ-4-(メチルスルホニル)フェニル]アミノ}-7-(1H-インダゾール-4-イル)-7,9-ジヒドロ-8H-プリン-8-オン トリフルオロ酢酸塩
Figure 0007047772000045
純度(LC-MS/ELSD)条件1:70%(保持時間:0.85分);
MASS(ESI,Pos.):523(M+H)+
1H-NMR(DMSO-d6):δ 1.55-1.69, 1.80-2.02, 2.16-2.35, 3.22, 4.71-4.84, 5.53, 7.04-7.09, 7.44-7.51, 7.61-7.66, 7.71-7.76, 7.96, 8.51-8.58, 8.78。
実施例5-2:6-アミノ-9-シクロブチル-2-{[2-フルオロ-4-(メチルスルホニル)フェニル]アミノ}-7-(1H-インダゾール-4-イル)-7,9-ジヒドロ-8H-プリン-8-オン
TLC:Rf 0.26(ヘキサン:酢酸エチル=1:4);
純度(LC-MS/ELSD)条件1:99.8%(保持時間:0.84分);
MASS(ESI,Pos.):509(M+H)+
実施例5-3:6-アミノ-2-{[2-フルオロ-4-(メチルスルホニル)フェニル]アミノ}-7-(1H-インダゾール-4-イル)-9-(2-メチル-2-プロパニル)-7,9-ジヒドロ-8H-プリン-8-オン
TLC:Rf 0.20(ヘキサン:酢酸エチル=1:2);
純度(LC-MS/ELSD)条件1:97.5%(保持時間:0.85分);
MASS(ESI,Pos.):511(M+H)+
1H-NMR(CDCl3):δ 1.92, 3.07, 4.29, 7.15-7.18, 7.23-7.28, 7.46-7.58, 7.63-7.76, 8.02, 8.74-8.82。
実施例5-4:6-アミノ-2-{[2-フルオロ-4-(メチルスルホニル)フェニル]アミノ}-9-イソプロピル-7-(7-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-7,9-ジヒドロ-8H-プリン-8-オン
TLC:Rf 0.27(ヘキサン:酢酸エチル=1:4);
純度(LC-MS/ELSD)条件1:99.6%(保持時間:0.83分);
MASS(ESI,Pos.):511(M+H)+
1H-NMR(CD3OD):δ 1.63-1.70, 2.65, 3.12, 4.77-4.95, 7.08-7.11, 7.30-7.35, 7.65-7.75, 7.96, 8.86-8.94。
実施例5-5:6-アミノ-9-(3,3-ジフルオロシクロペンチル)-2-{[2-フルオロ-4-(メチルスルホニル)フェニル]アミノ}-7-(1H-インダゾール-4-イル)-7,9-ジヒドロ-8H-プリン-8-オン トリフルオロ酢酸塩
Figure 0007047772000046
純度(LC-MS/ELSD)条件1:99.9%(保持時間:0.85分);
MASS(ESI,Pos.):559(M+H)+
1H-NMR(DMSO-d6):δ 2.12-2.23, 2.48-2.58, 2.97-3.12, 3.21, 4.94-5.02, 5.57, 7.08-7.11, 7.47-7.52, 7.62-7.66, 7.73-7.76, 8.00, 8.51-8.54, 8.83, 13.35。
実施例5-6:6-アミノ-7-(7-クロロ-1H-インダゾール-4-イル)-9-イソプロピル-2-{[2-メトキシ-4-(メチルスルホニル)フェニル]アミノ}-7,9-ジヒドロ-8H-プリン-8-オン
TLC:Rf 0.25(酢酸エチル);
純度(LC-MS/ELSD)条件1:96.5%(保持時間:0.88分);
MASS(ESI,Pos.):543(M+H)+
1H-NMR(CDCl3):δ 1.66-1.72, 3.07, 4.01, 4.32, 4.78-4.91, 7.08-7.12, 7.38-7.40, 7.49-7.52, 7.58-7.62, 7.72, 8.11, 8.77-8.80。
実施例5-7:6-アミノ-7-(7-フルオロ-1H-インダゾール-4-イル)-2-{[2-メトキシ-4-(メチルスルホニル)フェニル]アミノ}-9-(2-メチル-2-プロパニル)-7,9-ジヒドロ-8H-プリン-8-オン
Figure 0007047772000047
純度(LC-MS/ELSD)条件1:99.9%(保持時間:0.88分);
MASS(ESI,Pos.):541(M+H)+
1H-NMR(CDCl3):δ 1.92, 3.07, 4.01, 4.22, 7.07-7.12, 7.16-7.23, 7.37-7.39, 7.55-7.60, 7.66, 8.03-8.05, 8.68-8.72。
実施例5-8:6-アミノ-2-{[2-フルオロ-4-(メチルスルホニル)フェニル]アミノ}-7-(1H-インドール-6-イル)-9-(テトラヒドロ-3-フラニル)-7,9-ジヒドロ-8H-プリン-8-オン
TLC:Rf 0.57(酢酸エチル);
1H-NMR(CD3OD):δ 2.33-2.45, 2.51-2.63, 3.11, 3.87-3.97, 4.05-4.14, 4.24-4.34, 5.17-5.27, 6.56-6.58, 7.06-7.11, 7.39-7.41, 7.52-7.54, 7.63-7.75, 8.94-9.01。
実施例5-9:6-アミノ-9-シクロペンチル-2-{[2-フルオロ-4-(メチルスルホニル)フェニル]アミノ}-7-(3-ヒドロキシフェニル)-7,9-ジヒドロ-8H-プリン-8-オン
Figure 0007047772000048
純度(LC-MS/ELSD)条件1:99.8%(保持時間:0.89分);
MASS(ESI,Pos.):499(M+H)+
1H-NMR(CDCl3):δ 1.69-1.80, 1.99-2.11, 2.31-2.43, 3.07, 4.48, 4.83-4.94, 5.81, 6.87-6.96, 6.97, 7.35-7.40, 7.64-7.74, 8.80-8.85。
実施例5-10:6-アミノ-2-{[2,3-ジフルオロ-4-(メチルスルホニル)フェニル]アミノ}-7-(7-フルオロ-1H-インダゾール-4-イル)-9-イソプロピル-7,9-ジヒドロ-8H-プリン-8-オン
TLC:Rf 0.30(酢酸エチル);
純度(LC-MS/ELSD)条件1:97.5%(保持時間:0.86分);
MASS(ESI,Pos.):533(M+H)+
1H-NMR(CDCl3):δ 1.64-1.71, 3.23, 4.34, 4.78-4.90, 7.06-7.15, 7.18-7.25, 7.27-7.32, 7.66-7.74, 8.04-8.08, 8.56-8.63。
実施例5-11:6-アミノ-2-{[2,5-ジフルオロ-4-(メチルスルホニル)フェニル]アミノ}-7-(7-フルオロ-1H-インダゾール-4-イル)-9-イソプロピル-7,9-ジヒドロ-8H-プリン-8-オン
純度(LC-MS/ELSD)条件1:99.6%(保持時間:0.86分);
MASS(ESI,Pos.):533(M+H)+
1H-NMR(CDCl3):δ 1.64-1.73, 3.23, 4.35, 4.78-4.88, 7.07-7.13, 7.18-7.23, 7.29-7.39, 7.61-7.69, 8.05-8.08, 8.64-8.73, 10.48-10.65。
実施例5-12:6-アミノ-7-(3-アミノ-4-フルオロフェニル)-2-{[2-フルオロ-4-(メチルスルホニル)フェニル]アミノ}-9-イソプロピル-7,9-ジヒドロ-8H-プリン-8-オン
Figure 0007047772000049
TLC:Rf 0.50(ヘキサン:酢酸エチル=3:7);
1H-NMR(CD3OD):δ 1.57-1.63, 3.11, 4.69-4.82, 6.61-6.69, 6.85-6.91, 7.07-7.16, 7.63-7.73, 8.83-8.92。
実施例5-13:6-アミノ-7-(1-ベンゾフラン-5-イル)-2-{[2-フルオロ-4-(メチルスルホニル)フェニル]アミノ}-9-イソプロピル-7,9-ジヒドロ-8H-プリン-8-オン
Figure 0007047772000050
TLC:Rf 0.31(ヘキサン:酢酸エチル=1:1);
1H-NMR(CDCl3):δ 1.63-1.72, 3.07, 4.36, 4.76-4.89, 6.83-6.86, 7.24-7.31, 7.34-7.39, 7.61-7.78, 8.81-8.89。
実施例5-14:6-アミノ-2-{[2-フルオロ-4-(メチルスルホニル)フェニル]アミノ}-7-(1H-インダゾール-4-イル)-9-(1,1,1-トリフルオロ-2-プロパニル)-7,9-ジヒドロ-8H-プリン-8-オン
TLC:Rf 0.60(酢酸エチル);
1H-NMR(CD3OD):δ 1.94-2.02, 3.14, 5.20-5.32, 7.20-7.24, 7.55-7.62, 7.66-7.76, 7.96-8.02, 8.83-8.90。
実施例5-15:6-アミノ-9-[(2S)-2-ブタニル]-7-(7-フルオロ-1H-インダゾール-4-イル)-2-{[2-フルオロ-4-(メチルスルホニル)フェニル]アミノ}-7,9-ジヒドロ-8H-プリン-8-オン
Figure 0007047772000051
純度(LC-MS/ELSD)条件1:100%(保持時間:0.86分);
MASS(ESI,Pos.):529(M+H)+
1H-NMR(CDCl3):δ 0.92-1.01, 1.64-1.69, 1.86-2.02, 2.19-2.37, 3.07, 4.34, 4.50-4.63, 7.08-7.15, 7.18-7.25, 7.28-7.34, 7.62-7.68, 7.70-7.79, 8.00-8.07, 8.79-8.86。
実施例5-16:6-アミノ-7-(4-クロロ-3-ヒドロキシフェニル)-9-(3,3-ジフルオロシクロペンチル)-2-{[2-フルオロ-4-(1-ピペラジニルカルボニル)フェニル]アミノ}-7,9-ジヒドロ-8H-プリン-8-オン
Figure 0007047772000052
TLC:Rf 0.27(酢酸エチル:メタノール=3:1);
1H-NMR(CDCl3):δ 2.10-2.32, 2.42-2.73, 2.81-2.99, 3.08-3.25, 3.43-3.80, 4.49, 4.99-5.12, 6.96-7.00, 7.07-7.18, 7.19-7.40, 7.43-7.51, 8.42-8.50。
実施例5-17:6-アミノ-7-(1H-インドール-5-イル)-9-イソプロピル-2-[(2-メチル-1-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-イソインドール-5-イル)アミノ]-7,9-ジヒドロ-8H-プリン-8-オン トリフルオロ酢酸塩
Figure 0007047772000053
純度(LC-MS/ELSD)条件1:100%(保持時間:0.78分);
MASS(ESI,Pos.):469(M+H)+
1H-NMR(DMSO-d6):δ 1.47-1.60, 3.02, 4.38, 4.60-4.70, 5.25-5.50, 6.51-6.55, 7.00-7.04, 7.43-7.50, 7.63-7.68, 7.72-7.79, 8.17, 9.36, 11.35。
実施例5-18:6-アミノ-2-[(1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-4-イル)アミノ]-7-(1H-インドール-6-イル)-9-イソプロピル-7,9-ジヒドロ-8H-プリン-8-オン
Figure 0007047772000054
TLC:Rf 0.22(酢酸エチル);
1H-NMR(CDCl3):δ 1.60-1.68, 2.25, 3.84, 4.28, 4.71-4.82, 6.16, 6.58-6.61, 7.09-7.15, 7.29-7.32, 7.54, 7.71-7.75, 7.78, 8.41-8.55。
実施例5-19:4-{[6-アミノ-7-(1H-インドール-5-イル)-9-イソプロピル-8-オキソ-8,9-ジヒドロ-7H-プリン-2-イル]アミノ}-3-フルオロ-N,N-ジメチルベンズアミド
Figure 0007047772000055
純度(LC-MS/ELSD)条件1:99.8%(保持時間:1.03分);
MASS(ESI,Pos.):489(M+H)+
1H-NMR(CDCl3):δ 1.58-1.66, 3.09, 4.71-4.86, 6.52-6.59, 7.02-7.08, 7.20-7.29, 7.38, 7.51-7.58, 7.67-7.73, 8.42-8.50, 9.05。
実施例5-20:6-アミノ-9-シクロペンチル-7-(3-ヒドロキシフェニル)-2-({4-[2-(1-ピロリジニル)エチル]フェニル}アミノ)-7,9-ジヒドロ-8H-プリン-8-オン
Figure 0007047772000056
純度(LC-MS/ELSD)条件1:97%(保持時間:0.64分);
MASS(ESI,Pos.):500(M+H)+
実施例5-21:4-{[6-アミノ-9-シクロペンチル-7-(3-ヒドロキシフェニル)-8-オキソ-8,9-ジヒドロ-7H-プリン-2-イル]アミノ}-3-メトキシ-N,N-ジメチルベンズアミド
純度(LC-MS/ELSD)条件1:99.8%(保持時間:0.83分);
MASS(ESI,Pos.):504(M+H)+
1H-NMR(DMSO-d6):δ1.61-1.69, 1.86-1.98, 2.15-2.30, 2.98, 3.91, 4.70-4.79, 5.64, 6.78-6.84, 6.95-7.00, 7.05, 7.30-7.35, 7.47, 8.46-8.49, 9.86。
実施例5-22:4-{[6-アミノ-7-(4-クロロ-3-ヒドロキシフェニル)-9-イソプロピル-8-オキソ-8,9-ジヒドロ-7H-プリン-2-イル]アミノ}-N-[2-(ジメチルアミノ)エチル]-3-フルオロベンズアミド
Figure 0007047772000057
TLC:Rf 0.33(酢酸エチル:メタノール=1:4);
1H-NMR(CD3OD):δ 1.58-1.67, 2.33, 2.56-2.63, 3.49-3.57, 4.68-4.80, 6.78-6.84, 6.94, 7.41-7.47, 7.60-7.71, 7.75-7.84, 8.60-8.68。
実施例5-23:6-アミノ-9-シクロペンチル-2-{[2-フルオロ-4-(4-モルホリニルカルボニル)フェニル]アミノ}-7-(3-ヒドロキシフェニル)-7,9-ジヒドロ-8H-プリン-8-オン
純度(LC-MS/ELSD)条件1:99.4%(保持時間:0.84分);
MASS(ESI,Pos.):534(M+H)+
1H-NMR(CDCl3):δ 1.67-1.77, 1.96-2.09, 2.30-2.42, 3.59-3.78, 4.45, 4.82-4.95, 6.23, 6.85-6.94, 7.08, 7.19-7.24, 7.34-7.39, 8.54-8.61。
実施例5-24:4-{[6-アミノ-9-シクロペンチル-7-(3-ヒドロキシフェニル)-8-オキソ-8,9-ジヒドロ-7H-プリン-2-イル]アミノ}ベンズアミド
純度(LC-MS/ELSD)条件1:99.7%(保持時間:0.93分);
MASS(ESI,Pos.):446(M+H)+
1H-NMR(DMSO-d6):δ 1.65-1.75, 1.90-2.10, 2.23-2.38, 4.72-4.85, 5.54, 6.80-6.95, 7.09, 7.31-7.38, 7.71-7.95, 9.27, 9.89。
実施例5-25:6-アミノ-9-シクロペンチル-7-(3-ヒドロキシフェニル)-2-{[4-(4-モルホリニル)フェニル]アミノ}-7,9-ジヒドロ-8H-プリン-8-オン
Figure 0007047772000058
純度(LC-MS/ELSD)条件1:99%(保持時間:0.75分);
MASS(ESI,Pos.):488(M+H)+
実施例5-26:4-{[6-アミノ-9-シクロペンチル-7-(3-ヒドロキシフェニル)-8-オキソ-8,9-ジヒドロ-7H-プリン-2-イル]アミノ}-3-フルオロ-N-(2-ヒドロキシエチル)ベンズアミド
Figure 0007047772000059
純度(LC-MS/ELSD)条件1:99.8%(保持時間:0.77分);
MASS(ESI,Pos.):508(M+H)+
1H-NMR(DMSO-d6):δ 1.65-1.66, 1.83-1.96, 2.16-2.28, 3.24-3.36, 3.47-3.55, 4.69-4.78, 5.55, 6.78-6.87, 7.29-7.34, 7.64-7.72, 8.25-8.30, 8.35-8.41, 9.91。
実施例5-27:6-アミノ-2-({2-フルオロ-4-[(4-ヒドロキシ-1-ピぺリジニル)カルボニル]フェニル}アミノ)-7-(1H-インドール-5-イル)-9-(テトラヒドロ-3-フラニル)-7,9-ジヒドロ-8H-プリン-8-オン
純度(LC-MS/ELSD)条件1:99.9%(保持時間:0.67分);
MASS(ESI,Pos.):573(M+H)+
1H-NMR(DMSO-d6):δ 1.32-1.42, 1.72-1.81, 2.18-2.27, 3.16-3.23, 3.72-3.85, 3.93-4.07, 4.77, 4.96-5.04, 5.28, 6.53, 7.12-7.15, 7.21-7.25, 7.48-7.55, 7.64, 8.11-8.18, 8.36, 11.39。
実施例5-28:5-{[6-アミノ-7-(1H-インドール-5-イル)-9-イソプロピル-8-オキソ-8,9-ジヒドロ-7H-プリン-2-イル]アミノ}-N,N-ジメチル-2-ピリジンカルボキサミド
Figure 0007047772000060
純度(LC-MS/ELSD)条件2:100%(保持時間:0.72分);
MASS(ESI,Pos.):472(M+H)+
実施例5-29:6-アミノ-7-(1H-インドール-5-イル)-9-イソプロピル-2-[(2-メチル-4-オキソ-4H-クロメン-7-イル)アミノ]-7,9-ジヒドロ-8H-プリン-8-オン
Figure 0007047772000061
純度(LC-MS/ELSD)条件2:100%(保持時間:0.89分);
MASS(ESI,Pos.):482(M+H)+
実施例5-30:6-アミノ-7-(1H-インドール-5-イル)-9-イソプロピル-2-[(1-オキソ-1,3-ジヒドロ-2-ベンゾフラン-5-イル)アミノ]-7,9-ジヒドロ-8H-プリン-8-オン
Figure 0007047772000062
純度(LC-MS/ELSD)条件2:99%(保持時間:0.87分);
MASS(ESI,Pos.):456(M+H)+
実施例5-31:7-{[6-アミノ-7-(1H-インドール-5-イル)-9-イソプロピル-8-オキソ-8,9-ジヒドロ-7H-プリン-2-イル]アミノ}-4-メチル-2H-1,4-ベンゾオキサジン-3(4H)-オン
Figure 0007047772000063
純度(LC-MS/ELSD)条件1:100%(保持時間:0.81分);
MASS(ESI,Pos.):485(M+H)+
実施例5-32:4-{[6-アミノ-7-(1H-インドール-5-イル)-8-オキソ-9-(テトラヒドロ-3-フラニル)-8,9-ジヒドロ-7H-プリン-2-イル]アミノ}-3-フルオロベンゼンスルホンアミド
Figure 0007047772000064
純度(LC-MS/ELSD)条件1:99%(保持時間:0.72分);
MASS(ESI,Pos.):525(M+H)+
1H-NMR(DMSO-d6):δ 2.20-2.29, 2.45-2.55, 3.82-3.89, 3.99-4.03, 4.08-4.12, 4.99-5.07, 5.34, 6.53, 7.12-7.15, 7.32, 7.48-7.59, 7.65, 8.42-8.47, 8.50, 11.40。
薬理実験例:
薬理実験例1:Brk阻害活性の測定
Brk酵素阻害活性の測定は、LanthaScreen(登録商標)system(Invitrogen社)により、添付の説明書に準じて実施した。使用した試薬を以下に示した。
反応緩衝液:50mmol/L HEPES(pH7.5)、0.01%Brij35、10mmol/L MgCl2および1mmol/L EGTAを含む溶液を、精製水を用いて調製した。
被験物質(本発明化合物)溶液:各濃度の被験化合物のDMSO溶液を反応緩衝液にて20倍希釈し、最終濃度の5倍濃度の被験化合物を含む溶液を調製した。
酵素液:480ng/mL Brk酵素を含む溶液を、反応緩衝液を用いて調製した。
基質液:57μmol/L ATPおよび500nmol/L Fluorescein-Poly GT(Invitrogen社)を含む溶液を、反応緩衝液を用いて調製した。
検出液:20mmol/L EDTAおよび4nmol/L PY20(Invitrogen社)を含む溶液を、Dilution B(Invitrogen社)を用いて調製した。
96ウェルプレート(Nunc社)に10mmol/Lの被験化合物のDMSO溶液を分注し、さらにDMSOで3倍公比の希釈系列を調製した。測定用の96ウェルプレートの各ウェルに、ブランク群および媒体群にはDMSOを含む反応緩衝液を、被験物質群には被験物質溶液を5μLずつ添加した。次に、ブランク群には反応緩衝液を、媒体群および被験化合物群には酵素液を各ウェル10μLずつ添加後、室温にて10分間撹拌した。撹拌終了後、基質液を各ウェルに10μLずつ添加し、室温・遮光下にて1時間撹拌した。反応終了後、各ウェルに検出液を25μLずつ添加し、室温・遮光下にて30分間静置した。静置後、Analyst GT(Molecular Devices社)を用いて励起光340nmを照射した時の520nmおよび495nmの蛍光強度を測定し、人工基質のリン酸化を時間分解蛍光共鳴エネルギー転移(TR-FRET)により定量化した。ウェル毎に520nm蛍光シグナルを495nm蛍光シグナルで除算してTR-FRET比を算出し、以下の数式1により被験化合物群での阻害率(%)を算出した。
Figure 0007047772000065
A:ブランク群のTR-FRET比の平均値
B:媒体群のTR-FRET比の平均値
被験化合物の50%阻害率の値(IC50値)は、被験化合物の各濃度における阻害率に基づく阻害曲線から算出した。
その結果、本発明化合物のIC50値は0.1μmol/L以下であり、本発明化合物は強いBrk阻害活性を有することが分かった。例えば、いくつかの本発明化合物のIC50値は、下記の表1に示したとおりであった。
Figure 0007047772000066
薬理実験例2:Brk以外の他のキナーゼに対する酵素阻害活性試験(選択性実験)
本発明化合物をDMSOに溶解し、1μmol/Lの試験濃度の100倍濃度の溶液を調製した。その溶液をさらにアッセイバッファー(20mmol/L HEPES, 0.01% TritonX-100, 2mmol/L DTT, pH7.5)にて25倍希釈して被験物質溶液とした。陽性対照物質もこれと同様にして陽性対照物質溶液を調製した。
アッセイバッファーにて調製した5μLの4倍濃度被験物質溶液、5μLの4倍濃度基質/ATP/金属溶液(Mg)および10μLの2倍濃度キナーゼ溶液をポリプロピレン製384ウェルプレートのウェル内で混合し、室温にて1時間反応させた。60μLのTermination Buffer(QuickScout Screening Assist MSA; Carna Biosciences)を添加して反応を停止させた。反応溶液中の基質ペプチドとリン酸化ペプチドを分離、定量した。キナーゼ反応を基質ペプチドピーク高さ(S)とリン酸化ペプチドピーク高さ(P)から計算される生成物比(P/(P+S))にて評価した。他のキナーゼとして、例えば、p38αおよびSykのキナーゼを用いてキナーゼ選択性実験を行った。以下の表2に各々のキナーゼ酵素阻害活性試験に使用した基質、基質濃度、ATP濃度、および陽性対照物質を示した。
Figure 0007047772000067
全ての反応コンポーネントを含むコントロールウェルの平均シグナルを0%阻害、バックグランドウェル(酵素非添加)の平均シグナルを100%阻害とし、各被験物質試験ウェルの平均シグナルから阻害率を計算した。例えば、1μmol/Lの濃度における実施例3および実施例4の本発明化合物の各キナーゼに対する阻害率は以下の表3に示すとおりであった。
Figure 0007047772000068
本発明化合物は、Brkに対して強い阻害活性を有し、優れたキナーゼ選択性を有することが分かった。例えば、上記の表3で示されたとおり、本発明化合物の実施例3および実施例4は、p38αおよびSykのキナーゼに対して24%以下の阻害(1μmol/Lの化合物濃度)であるのに対して、Brkに対する阻害活性のIC50がそれぞれ0.005μmol/Lおよび0.011μmol/Lであった(薬理実験例1より)。
[製剤例]
以下の各成分を常法により混合した後打錠することにより、一錠中に10mgの活性成分を含有する錠剤1万錠が得られる。
・2-[(4-アセチル-2-フルオロフェニル)アミノ]-6-アミノ-7-(1H-インダゾール-4-イル)-9-イソプロピル-7,9-ジヒドロ-8H-プリン-8-オン ……100g
・カルボキシメチルセルロースカルシウム(崩壊剤) …… 20g
・ステアリン酸マグネシウム(潤滑剤) …… 10g
・微結晶セルロース ……870g
本発明の化合物は、Brk阻害活性を有し、Brkが関与する疾患、例えば、がんなどの疾患の治療に有効である。

Claims (16)

  1. 一般式(I)
    Figure 0007047772000069
    (式中、
    ring1およびring2は、それぞれ独立して、C5-10炭素環または5-10員複素環を表し、
    1は、C1-4アルキル、C2-4アルケニル、C2-4アルキニル、C3-6シクロアルキル、または3-6員ヘテロシクロアルキルを表し、該C1-4アルキル、C2-4アルケニル、C2-4アルキニル、C3-6シクロアルキル、または3-6員ヘテロシクロアルキルは、1~5個のハロゲンまたは水酸基で置換されていてもよく、
    2は、ハロゲン、C1-4アルキル、OR4、NR56、またはオキソを表し、該C1-4アルキルは1~5個のハロゲンで置換されていてもよく、
    4は、水素原子、C1-4アルキル、またはベンゼン環を表し、該C1-4アルキルまたはベンゼン環は1~5個のハロゲンで置換されていてもよく、
    5およびR6は、それぞれ独立して、水素原子またはC1-4アルキルを表し、
    3は、ハロゲン、C1-4アルキル、OR7、NR89、SO210、COR11、ベンゼン環、4-6員複素環、またはオキソを表し、該C1-4アルキルは、ハロゲン、水酸基、4-6員複素環、およびCONR1213からなる群より選択される、1~5個の置換基で置換されていてもよく、
    7は、水素原子またはC1-4アルキルを表し、該C1-4アルキルは、1~5個のハロゲンまたはNR1415で置換されていてもよく、
    8およびR9は、それぞれ独立して、水素原子、C1-4アルキル、またはアセチルを表し、
    10は、C1-4アルキルまたはNR1617を表し、
    11は、水酸基、C1-4アルキル、NR1819、または4-6員複素環を表し、該4-6員複素環は、ハロゲン、水酸基、およびC1-4アルキルからなる群より選択される、1~5個の置換基で置換されていてもよく、
    12、R13、R14、R15、R16およびR17は、それぞれ独立して、水素原子またはC1-4アルキルを表し、
    18およびR19は、それぞれ独立して、水素原子、C1-4アルキル、または4-6員複素環を表し、該C1-4アルキルは、1~5個の水酸基、C1-3アルコキシ、またはNR2021で置換されていてもよく、
    20およびR21は、それぞれ独立して、水素原子またはC1-4アルキルを表し、
    pは、0~7の整数を表し、
    qは、0~7の整数を表す。
    ただし、pおよびqがそれぞれ2以上の整数を表す場合、R2およびR3は、それぞれ独立して、同一でも異なっていてもよい。)
    で示される化合物、その塩、そのN-オキシド体、またはその溶媒和物。
  2. 1が、1~5個のハロゲンまたは水酸基で置換されていてもよい、イソプロピル、tert-ブチル、イソブチル、C3-6シクロアルキル、または3-6員ヘテロシクロアルキルである請求項1記載の化合物、その塩、そのN-オキシド体、またはその溶媒和物。
  3. ring1が9-10員含窒素二環式芳香族複素環である請求項1または請求項2記載の化合物、その塩、そのN-オキシド体、またはその溶媒和物。
  4. ring2がベンゼン環である請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の化合物、その塩、そのN-オキシド体、またはその溶媒和物。
  5. qが1以上であって、R3が少なくとも1つはハロゲン、C1-3アルコキシ、SO210、またはCOR11である請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の化合物、その塩、そのN-オキシド体、またはその溶媒和物。
  6. 一般式(I-1)
    Figure 0007047772000070
    (式中、ring1-1はインドール環またはインダゾール環を表し、R1-1はイソプロピル、tert-ブチル、シクロブチル、シクロペンチル、ジフルオロシクロペンチル、オキセタニル、またはテトラヒドロフラニルを表し、Xはハロゲンを表し、p-1は0~6の整数を表し、q-1は0~4の整数を表し、その他の記号は請求項1記載の記号と同じ意味を表す。)
    で示される請求項1記載の化合物、その塩、そのN-オキシド体、またはその溶媒和物。
  7. 一般式(I-1’)
    Figure 0007047772000071
    (式中、R3’はSO210またはCOR11を表し、その他の記号は請求項1または請求項6記載の記号と同じ意味を表す。)
    で示される請求項1記載の化合物、その塩、そのN-オキシド体、またはその溶媒和物。
  8. (1) 6-アミノ-7-(7-フルオロ-1H-インダゾール-4-イル)-2-{[2-フルオロ-4-(メチルスルホニル)フェニル]アミノ}-9-イソプロピル-7,9-ジヒドロ-8H-プリン-8-オン、
    (2) 6-アミノ-7-(7-クロロ-1H-インダゾール-4-イル)-2-{[2-フルオロ-4-(メチルスルホニル)フェニル]アミノ}-9-イソプロピル-7,9-ジヒドロ-8H-プリン-8-オン、
    (3) 6-アミノ-7-(6,7-ジフルオロ-1H-インダゾール-4-イル)-2-{[2-フルオロ-4-(メチルスルホニル)フェニル]アミノ}-9-イソプロピル-7,9-ジヒドロ-8H-プリン-8-オン、
    (4) 6-アミノ-7-(7-フルオロ-1H-インダゾール-4-イル)-2-{[2-フルオロ-4-(メチルスルホニル)フェニル]アミノ}-9-(2-メチル-2-プロパニル)-7,9-ジヒドロ-8H-プリン-8-オン、
    (5) 2-[(4-アセチル-2-フルオロフェニル)アミノ]-6-アミノ-7-(1H-インダゾール-4-イル)-9-イソプロピル-7,9-ジヒドロ-8H-プリン-8-オン、
    (6) 6-アミノ-9-シクロペンチル-2-{[2-フルオロ-4-(メチルスルホニル)フェニル]アミノ}-7-(1H-インダゾール-4-イル)-7,9-ジヒドロ-8H-プリン-8-オン、
    (7) 6-アミノ-9-シクロブチル-2-{[2-フルオロ-4-(メチルスルホニル)フェニル]アミノ}-7-(1H-インダゾール-4-イル)-7,9-ジヒドロ-8H-プリン-8-オン、
    (8) 6-アミノ-2-{[2-フルオロ-4-(メチルスルホニル)フェニル]アミノ}-7-(1H-インダゾール-4-イル)-9-(2-メチル-2-プロパニル)-7,9-ジヒドロ-8H-プリン-8-オン、
    (9) 6-アミノ-2-{[2-フルオロ-4-(メチルスルホニル)フェニル]アミノ}-9-イソプロピル-7-(7-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-7,9-ジヒドロ-8H-プリン-8-オン、
    (10) 6-アミノ-9-(3,3-ジフルオロシクロペンチル)-2-{[2-フルオロ-4-(メチルスルホニル)フェニル]アミノ}-7-(1H-インダゾール-4-イル)-7,9-ジヒドロ-8H-プリン-8-オン、
    (11) 6-アミノ-7-(7-クロロ-1H-インダゾール-4-イル)-9-イソプロピル-2-{[2-メトキシ-4-(メチルスルホニル)フェニル]アミノ}-7,9-ジヒドロ-8H-プリン-8-オン、
    (12) 6-アミノ-7-(7-フルオロ-1H-インダゾール-4-イル)-2-{[2-メトキシ-4-(メチルスルホニル)フェニル]アミノ}-9-(2-メチル-2-プロパニル)-7,9-ジヒドロ-8H-プリン-8-オン、
    (13) 6-アミノ-2-{[2-フルオロ-4-(メチルスルホニル)フェニル]アミノ}-7-(1H-インドール-6-イル)-9-(テトラヒドロ-3-フラニル)-7,9-ジヒドロ-8H-プリン-8-オン、
    (14) 6-アミノ-9-シクロペンチル-2-{[2-フルオロ-4-(メチルスルホニル)フェニル]アミノ}-7-(3-ヒドロキシフェニル)-7,9-ジヒドロ-8H-プリン-8-オン、
    (15) 6-アミノ-2-{[2,3-ジフルオロ-4-(メチルスルホニル)フェニル]アミノ}-7-(7-フルオロ-1H-インダゾール-4-イル)-9-イソプロピル-7,9-ジヒドロ-8H-プリン-8-オン、
    (16) 6-アミノ-2-{[2,5-ジフルオロ-4-(メチルスルホニル)フェニル]アミノ}-7-(7-フルオロ-1H-インダゾール-4-イル)-9-イソプロピル-7,9-ジヒドロ-8H-プリン-8-オン、
    (17) 6-アミノ-7-(3-アミノ-4-フルオロフェニル)-2-{[2-フルオロ-4-(メチルスルホニル)フェニル]アミノ}-9-イソプロピル-7,9-ジヒドロ-8H-プリン-8-オン、
    (18) 6-アミノ-7-(1-ベンゾフラン-5-イル)-2-{[2-フルオロ-4-(メチルスルホニル)フェニル]アミノ}-9-イソプロピル-7,9-ジヒドロ-8H-プリン-8-オン、
    (19) 6-アミノ-2-{[2-フルオロ-4-(メチルスルホニル)フェニル]アミノ}-7-(1H-インダゾール-4-イル)-9-(1,1,1-トリフルオロ-2-プロパニル)-7,9-ジヒドロ-8H-プリン-8-オン、
    (20) 6-アミノ-9-[(2S)-2-ブタニル]-7-(7-フルオロ-1H-インダゾール-4-イル)-2-{[2-フルオロ-4-(メチルスルホニル)フェニル]アミノ}-7,9-ジヒドロ-8H-プリン-8-オン、
    (21) 6-アミノ-7-(4-クロロ-3-ヒドロキシフェニル)-9-(3,3-ジフルオロシクロペンチル)-2-{[2-フルオロ-4-(1-ピペラジニルカルボニル)フェニル]アミノ}-7,9-ジヒドロ-8H-プリン-8-オン、
    (22) 6-アミノ-7-(1H-インドール-5-イル)-9-イソプロピル-2-[(2-メチル-1-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-イソインドール-5-イル)アミノ]-7,9-ジヒドロ-8H-プリン-8-オン、
    (23) 6-アミノ-2-[(1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-4-イル)アミノ]-7-(1H-インドール-6-イル)-9-イソプロピル-7,9-ジヒドロ-8H-プリン-8-オン、
    (24) 4-{[6-アミノ-7-(1H-インドール-5-イル)-9-イソプロピル-8-オキソ-8,9-ジヒドロ-7H-プリン-2-イル]アミノ}-3-フルオロ-N,N-ジメチルベンズアミド、
    (25) 6-アミノ-9-シクロペンチル-7-(3-ヒドロキシフェニル)-2-({4-[2-(1-ピロリジニル)エチル]フェニル}アミノ)-7,9-ジヒドロ-8H-プリン-8-オン、
    (26) 4-{[6-アミノ-9-シクロペンチル-7-(3-ヒドロキシフェニル)-8-オキソ-8,9-ジヒドロ-7H-プリン-2-イル]アミノ}-3-メトキシ-N,N-ジメチルベンズアミド、
    (27) 4-{[6-アミノ-7-(4-クロロ-3-ヒドロキシフェニル)-9-イソプロピル-8-オキソ-8,9-ジヒドロ-7H-プリン-2-イル]アミノ}-N-[2-(ジメチルアミノ)エチル]-3-フルオロベンズアミド、
    (28) 6-アミノ-9-シクロペンチル-2-{[2-フルオロ-4-(4-モルホリニルカルボニル)フェニル]アミノ}-7-(3-ヒドロキシフェニル)-7,9-ジヒドロ-8H-プリン-8-オン、
    (29) 4-{[6-アミノ-9-シクロペンチル-7-(3-ヒドロキシフェニル)-8-オキソ-8,9-ジヒドロ-7H-プリン-2-イル]アミノ}ベンズアミド、
    (30) 6-アミノ-9-シクロペンチル-7-(3-ヒドロキシフェニル)-2-{[4-(4-モルホリニル)フェニル]アミノ}-7,9-ジヒドロ-8H-プリン-8-オン、
    (31) 4-{[6-アミノ-9-シクロペンチル-7-(3-ヒドロキシフェニル)-8-オキソ-8,9-ジヒドロ-7H-プリン-2-イル]アミノ}-3-フルオロ-N-(2-ヒドロキシエチル)ベンズアミド、
    (32) 6-アミノ-2-({2-フルオロ-4-[(4-ヒドロキシ-1-ピぺリジニル)カルボニル]フェニル}アミノ)-7-(1H-インドール-5-イル)-9-(テトラヒドロ-3-フラニル)-7,9-ジヒドロ-8H-プリン-8-オン、
    (33) 5-{[6-アミノ-7-(1H-インドール-5-イル)-9-イソプロピル-8-オキソ-8,9-ジヒドロ-7H-プリン-2-イル]アミノ}-N,N-ジメチル-2-ピリジンカルボキサミド、
    (34) 6-アミノ-7-(1H-インドール-5-イル)-9-イソプロピル-2-[(2-メチル-4-オキソ-4H-クロメン-7-イル)アミノ]-7,9-ジヒドロ-8H-プリン-8-オン、
    (35) 6-アミノ-7-(1H-インドール-5-イル)-9-イソプロピル-2-[(1-オキソ-1,3-ジヒドロ-2-ベンゾフラン-5-イル)アミノ]-7,9-ジヒドロ-8H-プリン-8-オン、
    (36) 7-{[6-アミノ-7-(1H-インドール-5-イル)-9-イソプロピル-8-オキソ-8,9-ジヒドロ-7H-プリン-2-イル]アミノ}-4-メチル-2H-1,4-ベンゾオキサジン-3(4H)-オン、または
    (37) 4-{[6-アミノ-7-(1H-インドール-5-イル)-8-オキソ-9-(テトラヒドロ-3-フラニル)-8,9-ジヒドロ-7H-プリン-2-イル]アミノ}-3-フルオロベンゼンスルホンアミド
    である請求項1記載の化合物、その塩、そのN-オキシド体、またはその溶媒和物。
  9. 請求項1記載の一般式(I)で示される化合物、その塩、そのN-オキシド体、またはその溶媒和物を有効成分として含有してなる医薬組成物。
  10. Brk阻害剤である請求項9記載の組成物。
  11. 請求項1記載の一般式(I)で示される化合物、その塩、そのN-オキシド体、またはその溶媒和物を有効成分として含有するBrk関連疾患の予防および/または治療剤。
  12. Brk関連疾患ががんである請求項11記載の治療剤。
  13. がんが、乳がん、卵巣がん、大腸がん、肺がん、前立腺がん、頭頸部がん、リンパ腫、脳腫瘍、神経膠腫、下垂体腺腫、ぶどう膜悪性黒色腫、髄膜腫、胸腺腫、中皮腫、食道がん、胃がん、十二指腸がん、肝細胞がん、胆管がん、胆のうがん、膵臓がん、腎細胞がん、腎盂・尿管がん、膀胱がん、陰茎がん、精巣がん、子宮がん、膣がん、外陰がん、皮膚がん、悪性骨腫瘍、軟部肉腫、軟骨肉腫、白血病、骨髄異形成症候群、または多発性骨髄腫である請求項12記載の治療剤。
  14. 請求項1記載の一般式(I)で示される化合物、その塩、そのN-オキシド体、またはその溶媒和物と、アルキル化剤、代謝拮抗剤、抗がん性抗生物質、植物性製剤、ホルモン剤、白金化合物、免疫調節剤、トポイソメラーゼ阻害剤、生物学的応答調節剤、キナーゼ阻害剤、ヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)阻害剤、プロテアソーム阻害剤、抗CD20抗体、抗HER2抗体、抗EGFR抗体、および抗VEGF抗体から選ばれる少なくとも1種以上と組み合わせてなる医薬。
  15. がんの治療のための、請求項1記載の一般式(I)で示される化合物、その塩、そのN-オキシド体、またはその溶媒和物。
  16. がんの治療剤を製造するための請求項1記載の一般式(I)で示される化合物、その塩、そのN-オキシド体、またはその溶媒和物の使用。
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