JP7047578B2 - 窒化物半導体装置および窒化物半導体装置の製造方法 - Google Patents

窒化物半導体装置および窒化物半導体装置の製造方法 Download PDF

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本発明は、窒化物半導体装置および窒化物半導体装置の製造方法に関する。
従来、N型のドーパントをイオン注入することにより形成されたN型領域を有する窒化物半導体装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1 特許6183310号明細書
特許文献2 特許6032337号明細書
GaN材料において、カウンタードープのように、Siを深くドーピングしてN型領域を形成しようとすると、超高エネルギーが必要となりそれを製造するための設備費用が大きくなる。一方、ソースコンタクト領域のように、浅く高ドーパント濃度で形成しようとすると、原子量の小さい元素では深くテールが引いてしまう問題がある。
本発明の第1の態様においては、窒化物半導体層と、エピタキシャル層と、イオン注入領域と、絶縁層と、電極とを備えた窒化物半導体装置において、第1のN型領域と、第1のN型領域よりも浅く設けられた第2のN型領域とを備え、第2のN型領域のドーパントは、第1のN型領域のドーパントよりも原子量の大きい元素である窒化物半導体装置を提供する。
第1のN型領域のドーパントが酸素(O)であってよい。第2のN型領域のドーパントがケイ素(Si)およびゲルマニウム(Ge)のいずれか1つを含んでよい。
第1のN型領域のドーパントがケイ素(Si)であってよい。第2のN型領域のドーパントがゲルマニウム(Ge)であってよい。
第1のN型領域のドーパント濃度のピークから、第1のN型領域の下端までのテール長さは、第2のN型領域のドーパント濃度のピークから、第2のN型領域の下端までのテール長さよりも短くてよい。
第1のN型領域のドーパント濃度のピークから、第1のN型領域の下端までのテール長さは、第2のN型領域のドーパント濃度のピークから、第2のN型領域の下端までのテール長さの±10%の範囲内であってよい。
第1のN型領域は、異なる深さにイオン注入された複数のドーパントを含んでよい。
第1のN型領域は、ケイ素(Si)がドーピングされた領域と、酸素(O)がSiよりも深くドーピングされた領域を有してよい。
本発明の第2の態様においては、N型ドーパントのイオン注入により第1のN型領域を設ける段階と、第1のN型領域のドーパントよりも原子量の大きい元素をイオン注入することにより、第1のN型領域よりも浅く第2のN型領域を設ける段階とを備える窒化物半導体装置の製造方法を提供する。
窒化物半導体装置の製造方法は、第1のN型領域にイオン注入する段階の後に第1の温度でアニールする段階と、第2のN型領域にイオン注入する段階の後に、第1の温度と異なる第2の温度でアニールする段階とを備えてよい。
なお、上記の発明の概要は、本発明の特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
実施例1に係る窒化物半導体装置100の構成の一例を示す。 実施例1に係る窒化物半導体装置100の製造方法の一例を示す。 実施例2に係る窒化物半導体装置100の構成の一例を示す。 実施例2に係る窒化物半導体装置100の製造方法の一例を示す。 実施例3に係る窒化物半導体装置100の構成の一例を示す。 実施例3に係る窒化物半導体装置100の製造方法の一例を示す。 窒化物半導体装置100が有するN型のイオン注入領域のドーパント濃度の一例を示す。
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
本明細書においては、半導体基板の深さ方向と平行な方向における一方の側を「上」、他方の側を「下」と称する。基板、層またはその他の部材の2つの主面のうち、一方の面を上面、他方の面を下面と称する。「上」、「下」、「おもて」、「裏」の方向は重力方向、または、半導体装置の実装時における基板等への取り付け方向に限定されない。
本明細書では、NまたはPを冠記した層や領域では、それぞれ電子または正孔が多数ドーパントであることを意味する。また、NやPに付す+および-は、それぞれ、それが付されていない層や領域よりも高ドーパント濃度および低ドーパント濃度であることを意味する。
図1Aは、実施例1に係る窒化物半導体装置100の構成の一例を示す。窒化物半導体装置100は、MOSFET構造の一例であり、本実施例に限定されない。
本例の窒化物半導体装置100は、窒化物半導体層10と、エピタキシャル層20と、イオン注入領域30と、第1のN型領域40と、第2のN型領域50と、絶縁層60と、電極70と、電極72とを備える。上面101は、窒化物半導体装置100が有する窒化物半導体層の上面を示す。下面102は、窒化物半導体装置100が有する窒化物半導体層の下面を示す。本例では、上面101がイオン注入領域30の上面に対応し、下面102が窒化物半導体層10の下面に対応する。
窒化物半導体層10は、一例において、N型の自立型のGaN基板である。窒化物半導体層10は、HVPE等の気相成長法や、液相成長法等の任意の方法を用いて設けられてよい。窒化物半導体層10は、エピタキシャル成長されたGaN層を切り出したものであってもよい。
エピタキシャル層20は、窒化物半導体層10上にエピタキシャル成長された層である。一例において、エピタキシャル層20は、N型のGaN層である。エピタキシャル層20の厚さは、特に限定されない。
イオン注入領域30は、エピタキシャル層20上に設けられる。イオン注入領域30は、N型であるエピタキシャル層20と同一材料の層に、P型のドーパントをイオン注入することにより設けられてよい。例えば、イオン注入領域30のP型のドーパントは、マグネシウム(Mg)である。一例において、イオン注入領域30の膜厚は、300nm以上である。
第1のN型領域40は、エピタキシャル層20の上方に設けられる。本例の第1のN型領域40は、イオン注入領域30を貫通して、エピタキシャル層20の内部にまで延伸して設けられる。第1のN型領域40は、イオン注入領域30の上面101側からN型のドーパントをイオン注入することにより形成される。一例において、第1のN型領域40のドーパントは、酸素(O)およびケイ素(Si)の少なくとも1つを含む。例えば、第1のN型領域40の深さは、200nm以上、2000nm以下である。
第2のN型領域50は、イオン注入領域30の上面101側に設けられる。第2のN型領域50は、第1のN型領域40よりも浅く設けられる。一例において、第2のN型領域50の深さは、10nm以上、100nm以下である。
本例の第2のN型領域50は、イオン注入領域30にN型のドーパントをイオン注入することにより設けられる。第2のN型領域50のドーパント濃度は、第1のN型領域40よりも高ドーパント濃度であってよい。例えば、第2のN型領域50のドーパントは、ケイ素(Si)およびゲルマニウム(Ge)の少なくとも1つを含む。
第2のN型領域50のドーパントは、第1のN型領域40のドーパントよりも原子量の大きい元素である。例えば、第1のN型領域40のドーパントが酸素(O)であり、第2のN型領域50のドーパントがケイ素(Si)およびゲルマニウム(Ge)のいずれか1つを含む。また、例えば、第1のN型領域40のドーパントがケイ素(Si)であり、第2のN型領域50のドーパントがゲルマニウム(Ge)である。
絶縁層60は、イオン注入領域30の上面101に設けられる。また、絶縁層60は、第1のN型領域40および第2のN型領域50の上方にも設けられる。絶縁層60には、電極72と第1のN型領域40とを電気的に接続するための開口が設けられてよい。絶縁層60は、イオン注入領域30の上方に設けられた電極72と、イオン注入領域30および第1のN型領域40との電気的な短絡を防止する。例えば、絶縁層60は、SiO等の酸化膜である。絶縁層60は、SiN等の窒化膜であってもよい。
電極70は、窒化物半導体層10の下面102に設けられる。本例の電極70は、ドレイン電極(D)として機能する。
電極72は、上面101の上方に設けられる。本例の電極72は、第1のN型領域40および絶縁層60の上方に設けられたゲート電極(G)を有する。電極72は、第2のN型領域50上に設けられたソース電極(S)を有してよい。例えば、電極72は、Ni/Au電極である。
本例の窒化物半導体装置100は、浅い第1のN型領域40を第2のN型領域50のドーパントよりも原子量の小さなドーパントでイオン注入し、深い第2のN型領域50を第1のN型領域40のドーパントよりも原子量の大きなドーパントでイオン注入する。N型領域の深さに応じて適切な原子量のドーパントを選択することにより、イオン注入によるダメージの少ない窒化物半導体装置100を提供することができる。また、窒化物半導体装置100を製造するために、超高エネルギーのイオン注入装置を不要とすることができる。
なお、第1のN型領域40は、異なる深さにイオン注入された複数のドーパントを含んでよい。また、第1のN型領域40では、浅い領域に原子量の大きい元素をイオン注入し、深い領域に原子量の小さい元素をイオン注入してよい。例えば、第1のN型領域40は、酸素(O)およびケイ素(Si)をドーパントとしてイオン注入する。そして、第1のN型領域40は、ケイ素(Si)がドーピングされた領域と、酸素(O)がケイ素(Si)よりも深くドーピングされた領域を有してよい。これにより、窒化物半導体装置100のヒステリシスが改善する。
また、第1のN型領域40では、浅い領域にGa元素に近い原子量のドーパントがイオン注入され、深い領域にGa元素と離れた原子量のドーパントがイオン注入されてよい。即ち、ゲート酸化膜として機能する絶縁層60に近い領域にGa元素と原子量の近いドーパントをイオン注入することにより、ゲート構造の周辺で歪みが生じにくくなり、窒化物半導体装置100の特性が向上する。
窒化物半導体装置100では、N型領域の深さや用途に応じて、N型のドーパントの種類が選択されてよい。例えば、JFETへのカウンタードープ等の深い第1のN型領域40には酸素(O)やケイ素(Si)等の原子量の小さい元素が選択される。ソースコンタクト部等の浅い第2のN型領域50にはケイ素(Si)やゲルマニウム(Ge)等の原子量の大きい元素が選択される。これにより、第1のN型領域40のダメージを低減し、低いドーパント濃度でも制御しやすくなる。原子量の大きさを適切に選択することにより、第2のN型領域50の歪みを低減することができる。なお、実施例1では、N型のドーパントを2種類用いる場合について説明したが、N型のドーパントを3種類以上用いてもよい。他の実施例についても、同様にN型のドーパントを3種類以上用いてもよい。
図1Bは、実施例1に係る窒化物半導体装置100の製造方法の一例を示す。本例では、窒化物半導体装置100の製造方法の一例を示しており、これに限定されない。
窒化物半導体層10上にエピタキシャル層20を形成する(S100)。本例のエピタキシャル層20は、MOCVD法等の任意の方法を用いて窒化物半導体層10上にエピタキシャル成長されたN型のGaN層である。一例において、エピタキシャル層20のドーパント濃度は、1.0×1015cm-3以上、1.0×1017cm-3以下である。但し、エピタキシャル層20のドーパント濃度は本例に限られない。
エピタキシャル層20上には、マスク110aが形成される(S102)。マスク110aは、エピタキシャル層20へのイオン注入を制限する。マスク110aは、イオン注入領域30を形成する領域に対応したパターンを有する。マスク110aを用いて、イオン注入領域30を設ける領域にP型のドーパントを選択的にイオン注入する(S104)。一例において、イオン注入領域30を設ける段階は、マグネシウム(Mg)、亜鉛(Zn)、カドミウム(Cd)およびベリリウム(Be)等のうち、いずれか1つをイオン注入する段階を含む。本例のイオン注入領域30は、マグネシウム(Mg)のイオン注入により形成される。
ドーパントをイオン注入する段階は、多段でイオン注入する段階を含んでよい。多段でイオン注入することにより、深さごとにイオン注入領域30のドーパント濃度を調整しやすくなる。本明細書において、多段とは、加速電圧等の注入条件を変えてドーパントをイオン注入することを指す。
次に、マスク110aを除去し、第1のN型領域40を形成するためのマスク110bをエピタキシャル層20上に形成する(S106)。そして、マスク110bを用いて、第1のN型領域40を設ける領域にN型のドーパントを選択的にイオン注入する。イオン注入領域30および第1のN型領域40を選択的にイオン注入することにより、第1のN型領域40には、イオン注入領域30を形成するためのP型のドーパントがイオン注入されていない。
第1のN型領域40のイオン注入の後、窒化物半導体装置100が予め定められた第1の温度でアニールされてよい。これにより、第1のN型領域40にイオン注入されたドーパントが活性化される。第1の温度は、1200℃以上であってよく、1300℃以上であってよく、1400℃以上であってよく、1500℃以上であってもよい。
次に、マスク110bを除去し、第2のN型領域50を形成するためのマスク110cをエピタキシャル層20上に形成する(S108)。そして、マスク110cを用いて、第2のN型領域50を設ける領域にN型のドーパントを選択的にイオン注入する。本例の第2のN型領域50は、ケイ素(Si)およびゲルマニウム(Ge)のいずれか1つのイオン注入により形成される。第2のN型領域50のイオン注入の後、窒化物半導体装置100が予め定められた第2の温度でアニールされてよい。これにより、第2のN型領域50にイオン注入されたドーパントが活性化される。第2の温度は、1200℃以上であってよく、1300℃以上であってよく、1400℃以上であってよく、1500℃以上であってもよい。第2の温度は、第1の温度と異なっていてよい。
上面101の上方に絶縁層60および電極72を形成する(S110)。例えば、絶縁層60は、膜厚400nmのシリコン酸化膜(SiO)である。電極72がNiとAuの積層膜であってよく、それぞれの膜厚は、50nmと150nmであってよい。絶縁層60および電極72は、窒化物半導体装置100の構造に応じたパターンでパターニングされている。そして、窒化物半導体層10の下面102に電極70を形成する。
本例の窒化物半導体装置100は、イオン注入領域30、第1のN型領域40および第2のN型領域50の3つの領域をイオン注入する段階を有する。当該3つの領域をイオン注入する段階の後に、それぞれイオン注入する段階に対応したアニールする段階を含んでよい。また、アニールする段階は、複数のイオン注入する段階の後に、まとめて実行されてよい。
一例において、第1のN型領域40にイオン注入する段階の後に第1の温度でアニールする段階を含む。第2のN型領域50にイオン注入する段階の後に、第1のN型領域40の第1の温度と異なる第2の温度でアニールする段階を含んでよい。例えば、第1の温度は、第2の温度よりも高い。なお、第2の温度を第1の温度よりも高くする場合、第1のN型領域40を形成する前に、第2のN型領域50を形成してよい。高いアニール温度を低いアニール温度の前に用いることにより、第1のN型領域40に、第1の温度よりも高温である第2の温度が熱履歴として残らなくなる。
図2Aは、実施例2に係る窒化物半導体装置100の構成の一例を示す。本例の窒化物半導体装置100は、実施例1に係る窒化物半導体装置100と基本的な構造は同じである。但し、本例の窒化物半導体装置100は、実施例1のイオン注入領域30がエピタキシャル層35となっている点で、実施例1に係る窒化物半導体装置100と相違する。本例では、実施例1と相違する点について特に説明する。
エピタキシャル層35は、エピタキシャル層20上に設けられる。エピタキシャル層35は、エピタキシャル層20と同様にMOCVD法を用いて形成されてよい。エピタキシャル層35は、エピタキシャル層20のエピタキシャル成長と連続して設けられてよい。この場合、エピタキシャル層20の成長時と異なるドーパントガスを流入することにより、エピタキシャル層35を連続して成長させる。実施例2の窒化物半導体装置100は、P型のイオン注入する工程を含まないので、GaN層の結晶欠陥を低減しやすくなる。
図2Bは、実施例2に係る窒化物半導体装置100の製造方法の一例を示す。本例では、窒化物半導体装置100の製造方法の一例を示しており、これに限定されない。
窒化物半導体層10上にエピタキシャル層20を形成する(S200)。本例のエピタキシャル層20は、MOCVD法等の任意の方法を用いて窒化物半導体層10上にエピタキシャル成長されたN型のGaN層である。一例において、エピタキシャル層20のドーパント濃度は、1.0×1015cm-3以上、1.0×1017cm-3以下である。但し、エピタキシャル層20のドーパント濃度は本例に限られない。
エピタキシャル層20上には、エピタキシャル層35がエピタキシャル成長される(S202)。そして、エピタキシャル層35上には、マスク110bが形成される(S204)。マスク110bは、エピタキシャル層35のイオン注入を制限する。マスク110bは、第1のN型領域40を形成する領域に対応したパターンを有する。
マスク110bを用いて、第1のN型領域40を設ける領域にN型のドーパントを選択的にイオン注入する(S206)。エピタキシャル層35がエピタキシャル成長されているので、第1のN型領域40にはP型化するためのマグネシウム(Mg)が含まれている。一例において、第1のN型領域40を設ける段階は、酸素(O)およびケイ素(Si)の少なくとも1つをイオン注入する段階を含む。本例の第1のN型領域40は、酸素(O)のイオン注入により形成される。ドーパントをイオン注入する段階は、多段でイオン注入する段階を含んでよい。多段でイオン注入することにより、深さごとにイオン注入領域30のドーパント濃度を調整しやすくなる。
次に、マスク110bを除去し、第2のN型領域50を形成するためのマスク110cをエピタキシャル層35上に形成する(S208)。そして、マスク110cを用いて、第2のN型領域50を設ける領域にN型のドーパントを選択的にイオン注入する。本例の第2のN型領域50は、ケイ素(Si)およびゲルマニウム(Ge)のいずれか1つイオン注入により形成される。
次に、マスク110cを除去し、エピタキシャル層35の上方に絶縁層60および電極72を形成する(S210)。例えば、絶縁層60は、膜厚400nmのシリコン酸化膜(SiO)である。電極72がNiとAuの積層膜であってよく、それぞれの膜厚は、50nmと150nmであってよい。絶縁層60および電極72は、窒化物半導体装置100の構造に応じたパターンでパターニングされている。そして、窒化物半導体層10の下面102に電極70を形成する。
図3Aは、実施例3に係る窒化物半導体装置100の構成の一例を示す。本例の窒化物半導体装置100は、トレンチMOSFETの場合の一例である。本例の窒化物半導体装置100は、トレンチ部80を有する点で実施例2に係る窒化物半導体装置100と相違する。本例では、実施例2と相違する点について特に説明する。
トレンチ部80は、エピタキシャル層20の上面に設けられる。トレンチ部80は、エピタキシャル層35の上面から内部に延伸して設けられる。トレンチ部80の深さや幅は特に限定されない。なお、本例の窒化物半導体装置100は、エピタキシャル層20上にエピタキシャル層35を有する。但し、実施例2と同様にエピタキシャル層35の代わりにイオン注入領域30を設けてもよい。
第1のN型領域45は、トレンチ部80の下面に設けられる。第1のN型領域45は、N型のドーパントのイオン注入により形成される。第1のN型領域45は、トレンチ部80の底面にN型のドーパントをイオン注入することにより形成される。一例において、第1のN型領域45のドーパントは、酸素(O)およびケイ素(Si)の少なくとも1つを含む。例えば、第1のN型領域45の深さは、上面101から200nm以上、2000nm以下である。
第2のN型領域55は、エピタキシャル層35の上面101側に設けられる。第2のN型領域55は、第1のN型領域45よりも浅く設けられる。一例において、第2のN型領域55の深さは、10nm以上、100nm以下である。
図3Bは、実施例3に係る窒化物半導体装置100の製造方法の一例を示す。本例では、窒化物半導体装置100の製造方法の一例を示しており、これに限定されない。
窒化物半導体層10上にエピタキシャル層20を形成する(S300)。本例のエピタキシャル層20は、MOCVD法等の任意の方法を用いて窒化物半導体層10上にエピタキシャル成長されたN型のGaN層である。一例において、エピタキシャル層20のドーパント濃度は、1.0×1015cm-3以上、1.0×1017cm-3以下である。但し、エピタキシャル層20のドーパント濃度は本例に限られない。
エピタキシャル層20上には、エピタキシャル層35がエピタキシャル成長される(S302)。そして、エピタキシャル層35上には、マスク110bが形成される(S304)。マスク110bは、エピタキシャル層35の一部のエッチングを制限する。また、本例のマスク110bは、第1のN型領域45を設けるためのイオン注入を制限するためにも用いられる。本例のマスク110bは、トレンチ部80を形成する領域に対応したパターンを有する。
マスク110bを用いて、トレンチ部80を設ける領域を選択的にエッチングする(S306)。エピタキシャル層35は、一例として塩素系のガスを用いてエッチングされる。エピタキシャル層35のエッチングの後に、第1のN型領域45が設けられる。一例において、第1のN型領域45を設ける段階は、酸素(O)およびケイ素(Si)のいずれか1つをイオン注入する段階を含む(S306)。本例の第1のN型領域45は、酸素(O)のイオン注入により形成される。ドーパントをイオン注入する段階は、多段でイオン注入する段階を含んでよい。多段でイオン注入することにより、深さごとに第1のN型領域45のドーパント濃度を調整しやすくなる。
次に、マスク110bを除去し、第2のN型領域55を形成するためのマスク110cを形成する(S308)。そして、マスク110cを用いて、第2のN型領域55を設ける領域にN型のドーパントを選択的にイオン注入する。第2のN型領域55を設ける段階は、ケイ素(Si)およびゲルマニウム(Ge)のいずれか1つをイオン注入する段階を含む。本例の第2のN型領域55は、ケイ素(Si)のイオン注入により形成される。
次に、マスク110cを除去し、絶縁層60および電極72を形成する(S310)。例えば、絶縁層60は、膜厚400nmのシリコン酸化膜(SiO)である。電極72がNiとAuの積層膜であってよく、それぞれの膜厚は、50nmと150nmであってよい。絶縁層60および電極72は、窒化物半導体装置100の構造に応じたパターンでパターニングされている。そして、窒化物半導体層10の下面102に電極70を形成する。
実施例3の窒化物半導体装置100は、エッチングによりトレンチ部80を設けた後に、第1のN型領域45を形成している。これにより、第1のN型領域45を形成するためのイオン注入をトレンチ部80の深さだけ浅くすることができる。但し、窒化物半導体装置100は、第1のN型領域45を形成するためのドーパントをイオン注入する段階の後に、トレンチ部80を形成するためにエッチングする段階を実行してもよい。
図4は、窒化物半導体装置100が有するN型のイオン注入領域のドーパント濃度の一例を示す。図4は、深さDにおけるN型領域のドーパント濃度のテールを説明するための図である。図4は、実施例1において、イオン注入によりN型領域を形成した場合のテール長さLtを示す。
図4の(A)は、第1のN型領域40を形成するためにイオン注入したN型のドーパントのテール長さLt40を示す。テール長さLt40は、第1のN型領域40のドーパント濃度のピークPから、第1のN型領域40の下端までのテール長さLtである。第1のN型領域40が多段のイオン注入により形成される場合、第1のN型領域40のドーパント濃度のピークPは、最も深いイオン注入のピークを指す。
図4の(B)は、第2のN型領域50を形成するためにイオン注入したN型のドーパントのテール長さLt50を示す。テール長さLt50は、第2のN型領域50のドーパント濃度のピークから、第2のN型領域50の下端までのテール長さLtである。第2のN型領域50が多段のイオン注入により形成される場合、第2のN型領域50のドーパント濃度のピークPは、最も深いイオン注入のピークを指す。
本例のテール長さLt40は、テール長さLt50よりも短い。テール長さLt40が小さくなりやすいドーパントを選択することにより、テール長さLt40をテール長さLt50よりも短くすることができる。例えば、第1のN型領域40を酸素(O)でイオン注入し、第2のN型領域50をケイ素(Si)又はゲルマニウム(Ge)でイオン注入して、テール長さLt40をテール長さLt50よりも短くする。
例えば、第1のN型領域40のピークPの注入深さが800nmであり、テール長さLt40が500nmより小さい。この場合、例えば、第2のN型領域50のピークPの注入深さが20nmであり、テール長さLt50が500nmである。但し、第1のN型領域40および第2のN型領域50のドーパント濃度分布は本例に限られない。また、本例の第1のN型領域40および第2のN型領域50のドーパント濃度の説明は、全ての実施例に係るドーパント濃度の説明にも同様に当てはまる。
テール長さLt40は、テール長さLt50と同程度の大きさであってよい。一例において、テール長さLt40は、テール長さLt50の±10%の範囲内である。例えば、第1のN型領域40のピークPの注入深さが800nmであり、テール長さLt40が500nmである。この場合、例えば、第2のN型領域50のピークPの注入深さが20nmであり、テール長さLt50が500nmである。但し、第1のN型領域40および第2のN型領域50のドーパント濃度分布は本例に限られない。また、本例の第1のN型領域40および第2のN型領域50のドーパント濃度の説明は、全ての実施例に係るドーパント濃度の説明にも同様に当てはまる。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
10・・・窒化物半導体層、20・・・エピタキシャル層、30・・・イオン注入領域、35・・・エピタキシャル層、40・・・第1のN型領域、45・・・第1のN型領域、50・・・第2のN型領域、55・・・第2のN型領域、60・・・絶縁層、70・・・電極、72・・・電極、80・・・トレンチ部、100・・・窒化物半導体装置、101・・・上面、102・・・下面、110・・・マスク

Claims (9)

  1. 窒化物半導体層と、エピタキシャル層と、イオン注入領域と、絶縁層と、電極とを備えた窒化物半導体装置において、
    第1のN型領域と、
    前記第1のN型領域よりも浅く設けられた第2のN型領域と
    を備え、
    前記第2のN型領域のドーパントは、前記第1のN型領域のドーパントよりも原子量の大きい元素である
    窒化物半導体装置。
  2. 前記第1のN型領域のドーパントが酸素(O)であり、
    前記第2のN型領域のドーパントがケイ素(Si)およびゲルマニウム(Ge)のいずれか1つを含む
    請求項1に記載の窒化物半導体装置。
  3. 前記第1のN型領域のドーパントがケイ素(Si)であり、
    前記第2のN型領域のドーパントがゲルマニウム(Ge)である
    請求項1に記載の窒化物半導体装置。
  4. 前記第1のN型領域のドーパント濃度のピークから、前記第1のN型領域の下端までのテール長さは、前記第2のN型領域のドーパント濃度のピークから、前記第2のN型領域の下端までのテール長さよりも短い
    請求項1から3のいずれか一項に記載の窒化物半導体装置。
  5. 前記第1のN型領域のドーパント濃度のピークから、前記第1のN型領域の下端までのテール長さは、前記第2のN型領域のドーパント濃度のピークから、前記第2のN型領域の下端までのテール長さの±10%の範囲内である
    請求項1から3のいずれか一項に記載の窒化物半導体装置。
  6. 前記第1のN型領域は、異なる深さにイオン注入された複数のドーパントを含む
    請求項1から5のいずれか一項に記載の窒化物半導体装置。
  7. 前記第1のN型領域は、ケイ素(Si)がドーピングされた領域と、酸素(O)が前記Siよりも深くドーピングされた領域を有する
    請求項6に記載の窒化物半導体装置。
  8. N型ドーパントのイオン注入により第1のN型領域を設ける段階と、
    前記第1のN型領域のドーパントよりも原子量の大きい元素をイオン注入することにより、前記第1のN型領域よりも浅く第2のN型領域を設ける段階と
    を備える窒化物半導体装置の製造方法。
  9. 前記第1のN型領域にイオン注入する段階の後に第1の温度でアニールする段階と、
    前記第2のN型領域にイオン注入する段階の後に、前記第1の温度と異なる第2の温度でアニールする段階と
    を備える請求項8に記載の窒化物半導体装置の製造方法。
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