JP7047481B2 - 積層体および包装袋 - Google Patents

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Description

本発明は、積層体および包装袋に関する。
近年、インクジェット用のインクを封入するための包装袋が知られている。このような包装袋は、互いに対向する表面フィルムおよび裏面フィルムを熱溶着してシール部を形成することによって構成されている。また、このような包装袋に使用される包装材料(表面フィルムおよび裏面フィルム)には、水蒸気バリア性と遮光性とを有するアルミニウムフィルムを使用した構成が一般的に使用される。しかしながら、インクが紫外線硬化型インクである場合、インクが封入された包装袋を長期保管している間に、シール部の端面から包装袋内に光が進入し、インクを硬化させてしまうおそれがある。
これらの問題を解決する包装袋として、シール部(接合部)の端面を被覆した包装袋が提案されている(特許文献1)。
特許第6042177号公報
しかしながら、特許文献1に示す包装袋においては、接合部の端面に露出する基材層を被覆するため、2枚のフィルムのうち一方のフィルムに、当該基材層を被覆する延出部を設ける必要があり、異なるサイズに切断された2枚のフィルムを用意する必要がある。あるいは、接合部の端面に露出する基材層を被覆するために、フィルムとは別体のテープ状の封止片を用意する必要がある。このため、包装袋の生産性が低下するといった問題がある。
また、包装袋に使用されるフィルムは、ロール状に巻き取られたフィルム原反を巻き出して、巻き出されたフィルム原反を切断することにより作製されることが一般的である。この場合、特許文献1に示す包装袋のような互いにサイズが異なる2枚のフィルムを必要とする包装袋においては、フィルム原反の搬送方向に直交する方向において複数の包装袋を同時に作製する、いわゆる多列取りが困難になり、生産性が悪いといった問題もある。
本発明はこのような点を考慮してなされたものであり、紫外線硬化型インクが硬化することを抑制することができるとともに、包装袋の生産性が低下することを抑制することが可能な積層体および包装袋を提供することを目的とする。
本発明は、インクジェット用のインクを封入するための包装袋に用いられる積層体であって、少なくとも、保護層と、光遮断層と、シーラント層とをこの順に備え、前記光遮断層の面のうち前記シーラント層側の面の少なくとも一部に、表面粗さRaが0.2μm以上0.6μm以下である光吸収部が設けられている、積層体である。
本発明は、前記光遮断層は、金属箔を含む、積層体である。
本発明は、前記金属箔は、アルミニウム箔である、積層体である。
本発明は、前記光遮断層と、前記シーラント層との間に位置する中間層を更に備える、積層体である。
本発明は、インクジェット用のインクを封入するための包装袋に用いられる積層体であって、少なくとも、保護層と、光遮断層と、シーラント層とをこの順に備え、前記光遮断層の面のうち前記シーラント層側の面の少なくとも一部に光吸収層が設けられている、積層体である。
本発明は、前記光遮断層と、前記シーラント層との間に位置する中間層を更に備える、積層体である。
本発明は、インクジェット用のインクを封入するための包装袋に用いられる積層体であって、少なくとも、保護層と、光遮断層と、中間層と、シーラント層とをこの順に備え、前記中間層の面のうち前記光遮断層側の面の少なくとも一部、および/または前記中間層の面のうち前記シーラント層側の面の少なくとも一部に光吸収層が設けられている、積層体である。
本発明は、前記光吸収層は、インキを印刷して形成された印刷層である、積層体である。
本発明は、前記インキは、黒色顔料を含む、積層体である。
本発明は、本発明による積層体を用いた、インクジェット用のインクを封入するための包装袋であって、第1面と、第2面とを備え、前記第1面と前記第2面とは、シール部において接着され、前記光吸収部は、少なくとも前記シール部に位置する、包装袋である。
本発明は、本発明による積層体を用いた、インクジェット用のインクを封入するための包装袋であって、第1面と、第2面とを備え、前記第1面と前記第2面とは、シール部において接着され、前記光吸収層は、少なくとも前記シール部に位置する、包装袋である。
本発明は、前記シール部に、前記包装袋内に収容されたインクを注出する注出口が設けられた、包装袋である。
本発明によれば、紫外線硬化型インクが硬化することを抑制することができるとともに、包装袋の生産性が低下することを抑制することが可能な積層体および包装袋を提供することができる。
図1は、本発明の第1の実施の形態による包装袋の一例を示す模式正面図である。 図2は、本発明の第1の実施の形態による包装袋を示す断面図(図1のII-II線断面図)であって、本発明の第1の実施の形態による積層体の一例を示す模式断面図である。 図3は、本発明の第1の実施の形態による包装袋の作用を説明する図である。 図4は、本発明の第1の実施の形態による積層体の変形例を示す模式断面図である。 図5は、本発明の第2の実施の形態による積層体の一例を示す模式断面図である。 図6は、本発明の第3の実施の形態による積層体の一例を示す模式断面図である。 図7は、本発明の第3の実施の形態による積層体の変形例を示す模式断面図である。 図8は、実施例において、放射照度測定試験に用いられる実験装置を示す模式断面図である。
(第1の実施の形態)
以下、図面を参照して本発明の第1の実施の形態について説明する。図1乃至図3は本発明の第1の実施の形態を示す図である。なお、図1乃至図3に示されている構成には、図示と理解のしやすさの便宜上、サイズ及び縮尺等が実物のそれらから変更されている部分が含まれうる。
(包装袋の構成)
まず、図1により、本実施の形態による包装袋の概要について説明する。
図1に示す包装袋10は、後述するフィルム状の積層体20の内面202(図2参照)同士を部分的に接合することによって形成されたものである。包装袋10は、積層体20によって構成された第1面11と、第2面12とを備えている。
図1に示すように、包装袋10は、第1端部13と、第1端部13と第1方向D1において対向する第2端部14と、第1端部13から第2端部14まで第1方向D1に沿って延びる一対の側端部15と、を備えている。図1に示す例において、第1端部13及び第2端部14は、第1方向D1に直交する第2方向D2に延びており、包装袋10は矩形状の外形を有している。なお、図示はしないが、第1端部13及び第2端部14は、第2方向D2に対して傾斜した方向に延びていてもよい。
包装袋10において、第1面11と第2面12とは、フィルム状の積層体20の内面202同士を接合するシール部において接着されている。シール部は、第1端部13に位置する第1端部シール部131と、第2端部14に位置する第2端部シール部141と、一対の側端部15に位置する側端部シール部151とを有している。なお、積層体20の内面202同士を接合して包装袋10を封止することができる限りにおいて、シール部を形成するための方法が特に限られることはない。例えば、加熱などによって積層体20の一部を溶融させて、積層体20の内面202同士を溶着させることによって、シール部を形成してもよい。この際、ヒートシールの方法としては、例えば、バーシール、回転ロールシール、ベルトシール、インパルスシール、高周波シール、超音波シール等の公知の方法で行うことができる。なお、第1端部シール部131及び第2端部シール部141の第1方向D1に沿った幅は、それぞれ、例えば5mm以上20mm以下とすることができる。また、側端部シール部151の第2方向D2に沿った幅は、例えば5mm以上20mm以下とすることができる。
また、第1端部シール部131に、包装袋10内に収容された内容物を注出する注出口16が設けられている。この注出口16は、筒状に形成されており、注出口16の外周に、第1面11を構成する積層体20及び第2面12を構成する積層体20が溶着されている。
図1に示す包装袋10は、例えばインクジェット用のインクなどの流動性を有する内容物を封入する際に好適に使用することができる。とりわけ、インクジェット用のインクとしては、紫外線硬化型インクであっても良い。この場合、後述するように、包装袋10の第1端部13、第2端部14及び一対の側端部15から包装袋10内に入射した光が、包装袋10内の内容物に到達することを抑制することができるため、包装袋10内において、インクが硬化する不具合を抑制することができる。
(積層体の構成)
次に、図2により、上述した包装袋10に用いられる積層体について説明する。
本実施の形態による積層体20は、少なくとも、保護層21と、光遮断層22と、シーラント層23とをこの順に備えている。すなわち、積層体20は、外面側に位置する保護層21と、内面側に位置するシーラント層23と、保護層21とシーラント層23との間に位置する光遮断層22とを含んでいる。図2に示す例においては、保護層21が積層体20の外面201を構成し、シーラント層23が積層体20の内面202を構成している。なお、外面201は、包装袋10の内容物の反対側を向く面であり、内面202は、内容物側を向く面である。また、積層体20は、光遮断層22とシーラント層23との間に位置する中間層24を更に備えている。また、積層体20は、保護層21と光遮断層22との間に位置する接着剤層25と、光遮断層22と中間層24との間に位置する接着剤層26と、中間層24とシーラント層23との間に位置する接着剤層27とを備えている。なお、積層体20は、更に、印刷層や他の層等を備えてもよい。図2に示すような積層体20の厚みは、例えば64μm以上230μm以下とすることができる。
以下、積層体を構成する各層について説明する。
保護層
保護層21は、外部の衝撃等から積層体20を保護するための層である。この保護層21を構成する材料としては、例えばポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、ナイロンなどのポリアミド、または、ポリプロピレンなどのポリオレフィンといったプラスチックを用いることができる。なお、保護層21を構成するプラスチックフィルムは、一軸または二軸に延伸されていることが好ましい。また、保護層21は、単一の層で構成されていても良く、複数の層で構成されていても良い。また、保護層21の厚みは、例えば6μm以上30μm以下とすることができる。
光遮断層
光遮断層22は、外部からの光が包装袋10内に進入することを遮断する層である。この光遮断層22は、金属箔を含んでいても良い。この金属箔としては、酸素ガスおよび水蒸気等の透過を阻止するガスバリア性や、可視光および紫外線等の透過を阻止する遮光性の点からは、アルミニウム箔が好ましい。なお、金属箔の厚みは、例えば6μm以上15μm以下とすることができる。
また、この光遮断層22の面22a、22bのうち、シーラント層23側の面22bに、光吸収部22cが設けられている。本実施の形態においては、光吸収部22cは、光遮断層22の面22bの全域に設けられている。
この光吸収部22cは、包装袋10の第1端部13、第2端部14及び一対の側端部15から包装袋10内に入射する光の一部を乱反射させる役割を果たす。すなわち、光吸収部22cは、包装袋10内に入射する光の一部を乱反射させることにより、当該光の進行方向を変化させ、包装袋10内に入射する光が、包装袋10内の内容物に到達することを抑制する。図中では概略的に示されているが、光吸収部22cは、光遮断層22の面22bに直接形成された微細な凹凸形状から構成されており、光吸収部22cの表面粗さRaは、0.2μm以上0.6μm以下となっている。ここで、表面粗さRaとは、算術平均粗さのことであり、JIS B 0601-2013に基づいて測定される。光吸収部22cの表面粗さRaを0.2μm以上とすることにより、包装袋10の第1端部13、第2端部14及び一対の側端部15から包装袋10内に入射した光の一部を効果的に乱反射させることができる。これにより、包装袋10内に入射した光が、包装袋10内の内容物に到達することを効果的に抑制することができる。また、光吸収部22cの表面粗さRaを0.6μm以下とすることにより、光遮断層22と、中間層24またはシーラント層23との接着性が低下することを抑制することができる。なお、光遮断層22にアルミニウム箔を用いる場合、アルミニウム箔の面のうち、マット処理が施され微細な凹凸形状が形成された面を光遮断層22のシーラント層23側の面22bとすることにより、マット処理が施された当該面を光吸収部22cとしても良い。また、光遮断層22の面22a、22bのうち、保護層21側の面22aの表面粗さRaは、例えば0.01μm以上0.1μm以下とすることができる。
また、この場合、光吸収部22cの光沢度は、光遮断層22の面22aの光沢度より低くなっている。この場合、光沢度は、例えば、JIS-Z-8741に準拠する鏡面光沢度測定方法に基づいて測定され、光吸収部22cの60度鏡面光沢度は、80以下とすることができる。また、光遮断層22の面22aの60度鏡面光沢度は、199以上とすることができる。なお、光沢度は、光沢計(例えば、株式会社掘場製作所製IG-320)によって測定することができる。
中間層
中間層24は、包装袋10の耐突き刺し性を向上させ、包装袋10の強度を高める層である。この中間層24を構成する材料としては、例えばポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、ナイロンなどのポリアミドといったプラスチックを用いることができる。なお、中間層24を構成するプラスチックフィルムは、一軸または二軸に延伸されていることが好ましい。また、中間層24は、単一の層で構成されていても良く、複数の層で構成されていても良い。このように、積層体20に中間層24を設けることにより、包装袋10の耐突き刺し性を向上させることができる。また、中間層24の厚みは、例えば12μm以上25μm以下とすることができる。
シーラント層
シーラント層23は、積層体20同士を接着させるための層であり、包装袋とした場合に最内層側となるものである。このシーラント層23は、熱によって相互に融着し得る熱可塑性樹脂により形成される層である。
シーラント層23を構成する材料としては、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)または中密度ポリエチレン(MDPE)などのポリエチレンを用いることができる。これらは、単独でも二種以上の混合物として使用してもよい。シーラント層23は、上記のような樹脂のフィルムないしシート、あるいはそのコーティング膜などとして使用することができる。なお、シーラント層23を構成するプラスチックフィルムは、未延伸であることが好ましい。シーラント層23の厚みは、例えば30μm以上150μm以下とすることができる。シーラント層23は、単一の層で構成されていても良く、複数の層で構成されていても良い。
接着剤層
接着剤層25、26、27は、任意の2層を接着する場合に設けられる層であり、例えば、保護層21と光遮断層22との間や、光遮断層22と中間層24との間に設けることができる。
接着剤層25、26、27は、従来公知の方法、例えばドライラミネート法により形成することができる。ドライラミネート法により2層を接着する場合、接着剤層25、26、27は、積層される側の層の表面に、接着剤を塗布して乾燥させることにより形成される。塗布される接着剤としては、例えば、1液型あるいは2液型の硬化ないし非硬化タイプのビニル系、(メタ)アクリル系、ポリアミド系、ポリエステル系、ポリエーテル系、ポリウレタン系、エポキシ系、ゴム系、その他などの溶剤型、水性型、あるいは、エマルジョン型などの接着剤を用いることができる。2液硬化型の接着剤としては、ポリオールとイソシアネート化合物との硬化物を用いることができる。上記のラミネート用接着剤のコーティング方法としては、例えば、ダイレクトグラビアロールコート法、グラビアロールコート法、キスコート法、リバースロールコート法、フォンテン法、トランスファーロールコート法、その他の方法で塗布することができる。
次に、このような構成からなる本実施の形態による包装袋10の作用について説明する。
まず、積層体20を作製する。この場合、例えば、まず、保護層21を準備する。次に、保護層21上に接着材を塗布し、保護層21に光遮断層22を接着する。次いで、保護層21に接着した光遮断層22の面のうち、保護層21の反対側の面に接着材を塗布し、光遮断層22に中間層24を接着する。次に、光遮断層22に接着した中間層24の面のうち、光遮断層22の反対側の面に接着材を塗布し、シーラント層23を接着する。このようにして、図2に示す積層体20が得られる。なお、図示はしないが、このような積層体20は、ロール状に巻き取られ保管される。
次に、積層体20を用いて包装袋10を作製する。この場合、例えば、ロール状に巻き取られた積層体20から、帯状の積層体20を連続的に巻き出し、これを別の帯状の積層体20と重ね合わせる。次いで、包装袋10の一対の側端部15近傍に対応する位置をヒートシールし、一対の側端部シール部151を形成する。続いて、一対の側端部シール部151でヒートシールされた2枚の積層体20を、包装袋10の形状に切断し、個片化する。このとき、2枚の積層体20は、同一の形状に切断されるので、包装袋10の生産性が良好である。次に、第1端部13に対応する部分に注出口16を挿入し、第1端部13近傍に対応する位置をヒートシールし、第1端部シール部131を形成する。このようにして、第2端部14が開口した包装袋10が得られる。
次いで、第2端部14が開口した包装袋10内に紫外線硬化型インクを充填する。この際、開口した第2端部14から紫外線硬化型インクを包装袋10内に充填する。
次に、包装袋10の第2端部14近傍をヒートシールすることにより第2端部シール部141を形成し、包装袋10の第2端部14を閉鎖する。このようにして、包装袋10内にインクが封入される。インクが封入された包装袋10は、出荷され、店舗や倉庫等で保管される。
このように保管されている間、インクが封入された包装袋10には、直接又は間接的に日光等の光が照射される。この場合、包装袋10に照射された光が、第1端部13、第2端部14及び一対の側端部15から包装袋10内に入射する可能性がある。そして、包装袋10に照射された光が包装袋10内に入射した場合、包装袋10内に入射した光が、包装袋10内の内容物に到達する場合がある。この場合、包装袋10に封入されたインクが硬化してしまう不具合が発生する。
これに対して本実施の形態においては、第1端部13、第2端部14及び一対の側端部15から包装袋10内に入射し、第1端部シール部131、第2端部シール部141及び一対の側端部シール部151内に進入した光の一部を乱反射させることができ、当該光を第1端部13、第2端部14及び一対の側端部15から外部へ出光させる、あるいは積層体20の各層に吸収させることができる。
すなわち、光遮断層22の面22a、22bのうちシーラント層23側の面22bに表面粗さRaが0.2μm以上0.6μm以下である光吸収部22cが設けられている。これにより、図3に示すように、例えば、側端部15から包装袋10内に入射した光L1~L4のうち、光遮断層22に到達した光L1~L3は、光吸収部22cの表面粗さに起因して、光吸収部22cにおいて乱反射し、光L1~L3の進行方向が変化する。このため、光吸収部22cにより反射された光L1~L3のうち一部の光L1~L2が、一対の側端部15から外部へ出光し、あるいは積層体20の各層に吸収されるものと考えられる。また、図示はしないが、第1端部13及び第2端部14から包装袋10内に入射した光に対しても、同様に、光吸収部22cの表面粗さに起因して、第1端部13及び第2端部14から外部へ出光させる、あるいは積層体20の各層に吸収させることができるものと考えられる。なお、このように光吸収部22cにより、第1端部13、第2端部14及び一対の側端部15から入射した光の一部を、第1端部13、第2端部14及び一対の側端部15から外部へ出光させる、あるいは積層体20の各層に吸収させることができることは、後述する実施例によって説明する。なお、図3は、図2に示す積層体20の側端部シール部151部分を拡大して示している。また、図3において、図面を明瞭にするために、シーラント層23、中間層24及び接着剤層26、27において、ハッチングの図示を省略している。
このように、本実施の形態によれば、光遮断層22の面22a、22bのうちシーラント層23側の面22bに、表面粗さRaが0.2μm以上である光吸収部22cが設けられている。これにより、第1端部13、第2端部14及び一対の側端部15から包装袋10内に入射した光のうち、光遮断層22に到達した光は、光吸収部22cの表面粗さに起因して、光吸収部22cにおいて乱反射し、当該光の進行方向が変化する。このため、光吸収部22cにより反射された光の一部を、第1端部13、第2端部14及び一対の側端部15から外部へ出光させる、あるいは積層体20の各層に吸収させることができる。この結果、包装袋10に照射され、第1端部13、第2端部14及び一対の側端部15から包装袋10内に入射した光が、包装袋10内の内容物に到達することを抑制することができ、包装袋10に封入されたインクが硬化してしまう不具合を抑制することができる。また、光吸収部22cの表面粗さRaを0.6μm以下とすることにより、光遮断層22と、中間層24またはシーラント層23との接着性が低下することを抑制することができる。さらに、光遮断層22の面22bに、光吸収部22cが設けることにより、包装袋10に封入されたインクが硬化してしまう不具合を抑制することができるため、サイズの異なる複数の積層体20を用意する必要がなく、包装袋10の生産性が低下することを抑制することもできる。
また、本実施の形態によれば、光遮断層22は、金属箔を含み、金属箔は、アルミニウム箔である。これにより、光遮断層22にガスバリア性や、可視光および紫外線等の透過を阻止する遮光性を容易に付与することができる。また、光遮断層22にアルミニウム箔を用いる場合、アルミニウム箔の面のうち、マット処理が施され微細な凹凸が形成された面を光遮断層22の面22bとすることにより、光遮断層22の面22bに光吸収部22cを容易に設けることができる。このため、包装袋10の生産性が低下することを更に抑制することができる。
また、本実施の形態によれば、積層体20は、光遮断層22と、シーラント層23との間に位置する中間層24を更に備えている。これにより、包装袋10の耐突き刺し性を向上させることができる。
なお、上述した本実施の形態においては、光吸収部22cが、光遮断層22のシーラント層23側の面22bの全域に設けられている例について説明したが、これに限られることはない。例えば、光吸収部22cは、少なくともシール部に位置していれば良い。すなわち、図4に示すように、側端部シール部151においては、第2方向D2に沿った断面において、積層体20の外面201の法線方向に沿って見た場合に、側端部シール部151と重なる部分に、光吸収部22cが設けられていれば良い。同様に、図示はしないが、第1端部シール部131においては、第1方向D1に沿った断面において、積層体20の外面201の法線方向に沿って見た場合に、第1端部シール部131と重なる部分に、光吸収部22cが設けられていれば良く、第2端部シール部141においては、第1方向D1に沿った断面において、積層体20の外面201の法線方向に沿って見た場合に、第2端部シール部141と重なる部分に、光吸収部22cが設けられていれば良い。この場合においても、包装袋10の第1端部13、第2端部14及び一対の側端部15から包装袋10内に入射した光が、包装袋10内の内容物に到達することを抑制することができ、内容物である紫外線硬化型インクが硬化する不具合を抑制することができる。なお、光吸収部22cは、積層体20の外面201の法線方向に沿って見た場合に、シール部と重なる部分のみに設けられていても良く、あるいは、光吸収部22cの一部が、シール部と重なる部分以外の部分に設けられていても良い。
また、光吸収部22cは、積層体20の外面201の法線方向に沿って見た場合に、シール部の一部と重なる部分に設けられていても良い。この場合、光吸収部22cは、側端部シール部151においては、側端部シール部151の第2方向D2に沿った幅W(図4参照)の50%以上に重なるように設けられていることが好ましい。また、図示はしないが、光吸収部22cは、第1端部シール部131及び第2端部シール部141においては、第1端部シール部131及び第2端部シール部141の第1方向D1に沿った幅のそれぞれ、50%以上に重なるように設けられていることが好ましい。これにより、包装袋10の第1端部13、第2端部14及び一対の側端部15から包装袋10内に入射した光が、包装袋10内の内容物に到達することを効果的に抑制することができる。
また、上述した本実施の形態においては、包装袋10が、第1端部シール部131、第2端部シール部141及び側端部シール部151によってシールされた四方シール袋(平パウチ)である例について説明したが、これに限られることはない。例えば、包装袋10は、スタンド袋やガセット袋、ピロー袋であっても良い。この場合においても、各シール部において、光遮断層22の光吸収部22cが少なくともシール部に位置することにより、シール部の端部から包装袋10内に入射した光が、包装袋10内の内容物に到達することを効果的に抑制することができる。
(第2の実施の形態)
次に、図5を参照して本発明の第2の実施の形態について説明する。図5は本発明の第2の実施の形態による積層体の一例を示す概略断面図である。図5に示す第2の実施の形態は、積層体の層構成が異なるものであり、他の構成は上述した第1の実施の形態と略同一である。図5において、第1の実施の形態と同一部分には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。また、図5に示されている構成には、図示と理解のしやすさの便宜上、サイズ及び縮尺等が実物のそれらから変更されている部分が含まれうる。
本実施の形態による積層体20Aは、光遮断層22の面22a、22bのうちシーラント層23側の面22bの全域に光吸収層22dが設けられている。この光吸収層22dは、包装袋10の第1端部13、第2端部14及び一対の側端部15から包装袋10内に入射した光の一部を吸収する役割を果たす。すなわち、光吸収層22dは、包装袋10内に入射した光の一部を吸収することにより、包装袋10内に入射した光が包装袋10内の内容物に到達することを抑制する。光吸収層22dは、インクを印刷して形成された印刷層であっても良い。この場合、インクは、赤色、青色、黄色、緑色、茶色、黒色等の色に着色された顔料を含んでいても良いが、光吸収性を考慮した場合、黒色顔料を含んでいることが好ましい。また、この印刷層は、例えばグラビア印刷法、インクジェット法等の印刷法や、レーザー印字により、形成することができる。
この場合、第1端部13、第2端部14及び一対の側端部15から包装袋10内に入射した光のうち、光遮断層22に設けられた光吸収層22dに到達した光は、光吸収層22dによって吸収される。これにより、包装袋10に照射され、第1端部13、第2端部14及び一対の側端部15から包装袋10内に入射した光が、包装袋10内の内容物に到達することを抑制することができ、包装袋10に封入されたインクが硬化してしまう不具合を抑制することができる。また、光遮断層22の面22bにインクを印刷することにより、光吸収層22dを容易に形成することができるため、包装袋10の生産性が低下することを抑制することができる。なお、このように光吸収層22dにより、第1端部13、第2端部14及び一対の側端部15から入射した光を吸収することができることは、後述する実施例によって説明する。
なお、上述した本実施の形態においては、光吸収層22dが、光遮断層22のシーラント層23側の面22bの全域に設けられている例について説明したが、これに限られることはない。例えば、図示はしないが、上述した第1の実施の形態において説明した光吸収部22cと同様に、光吸収層22dは、少なくともシール部に位置していれば良い。
また、この場合においても、光吸収層22dは、側端部シール部151においては、側端部シール部151の第2方向D2に沿った幅の50%以上に重なるように設けられていることが好ましい。また、図示はしないが、光吸収層22dは、第1端部シール部131及び第2端部シール部141においては、第1端部シール部131及び第2端部シール部141の第1方向D1に沿った幅のそれぞれ、50%以上に重なるように設けられていることが好ましい。これにより、包装袋10の第1端部13、第2端部14及び一対の側端部15から包装袋10内に入射した光が、包装袋10内の内容物に到達することを効果的に抑制することができる。
(第3の実施の形態)
次に、図6を参照して本発明の第3の実施の形態について説明する。図6は本発明の第3の実施の形態による積層体の一例を示す概略断面図である。図6に示す第3の実施の形態は、積層体の層構成が異なるものであり、他の構成は上述した第2の実施の形態と略同一である。図6において、第2の実施の形態と同一部分には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。また、図6に示されている構成には、図示と理解のしやすさの便宜上、サイズ及び縮尺等が実物のそれらから変更されている部分が含まれうる。
本実施の形態による積層体20Bは、中間層24の面24a、24bのうち光遮断層22側の面24aに光吸収層24cが設けられている。この光吸収層24cは、上述した光吸収層22dと略同一であるため、ここでは詳細な説明は省略する。
この場合においても、第1端部13、第2端部14及び一対の側端部15から包装袋10内に入射した光のうち、中間層24に設けられた光吸収層24cに到達した光は、光吸収層24cによって吸収され、包装袋10内に入射した光が包装袋10内の内容物に到達することを抑制することができる。このため、包装袋10に封入されたインクが硬化してしまう不具合を抑制することができる。また、金属箔を含み得る光遮断層22にインクを印刷する場合と比較して、中間層24はプラスチックを用いるため、中間層24の面24aにインクを印刷する印刷工程を容易にすることができる。これにより、光吸収層22dを更に容易に形成することができるため、包装袋10の生産性が低下することを更に抑制することができる。
なお、上述した本実施の形態においては、光吸収層24cが中間層24の面24a、24bのうち光遮断層22側の面24aに設けられている例について説明したが、これに限られることはない。例えば図7に示すように、積層体20Cは、光吸収層24cが中間層24の面24a、24bのうちシーラント層23側の面24bに設けられていても良い。この場合においても、光吸収層24cによって光吸収層24cに到達した光を吸収することができ、包装袋10に封入されたインクが硬化してしまう不具合を抑制することができる。また、図示はしないが、光吸収層24cが中間層24の面24a、24bのうち光遮断層22側の面24aおよびシーラント層23側の面24bの両方に設けられていても良い。この場合、第1端部13、第2端部14及び一対の側端部15から包装袋10内に入射し、シーラント層23を通過して、中間層24の面24bに設けられた光吸収層24cに到達した光が、当該面24bに設けられた光吸収層24cを透過した場合であっても、中間層24の面24aに設けられた光吸収層24cにより、当該光を吸収することができる。これにより、包装袋10に封入されたインクが硬化してしまう不具合をより効果的に抑制することができる。
次に、図8を用いて、上述した本実施の形態の作用について、具体的に説明する。
(実施例1)
保護層として、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡社製、E5100、厚さ12μm)を準備した。また、光遮断層として、アルミニウム箔(東洋アルミ社製、1N30、厚さ7μm)を準備した。また、中間層として、二軸延伸ナイロンフィルム(ユニチカ社製、ONBC、厚さ15μm)を準備した。また、シーラント層として、直鎖状低密度ポリエチレンフィルム(アイセロ社製、L-535、厚さ120μm)を準備した。
続いて、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、アルミニウム箔、二軸延伸ナイロンフィルム、直鎖状低密度ポリエチレンフィルムをこの順で、ドライラミネート法により積層して、図2に示す積層体20を作製した。この際、アルミニウム箔の面のうち、二軸延伸ナイロンフィルム側の面の表面粗さRaは、0.44μmであり、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム側の面の表面粗さRaは、0.08μmであった。この積層体20の層構成は、以下のように表現される。
PET/DL/ALM/DL/ONy/DL/LLDPE
「/」は層と層の境界を表している。左端の層が、積層体の外面を構成する層であり、右端の層が、積層体の内面を構成する層である。
「PET」は、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを意味する。「DL」は、接着剤を含む接着剤層を意味する。「ALM」は、アルミニウム箔を意味する。「ONy」は、二軸延伸ナイロンフィルムを意味する。「LLDPE」は、直鎖状低密度ポリエチレンフィルムを意味する(以下同様)。
二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムとアルミニウム箔との間の接着剤層は、2液硬化型接着剤(ロックペイント社製、主剤:RU-004、硬化剤:H-1)を含む。アルミニウム箔と二軸延伸ナイロンフィルムとの間の接着剤層は、2液硬化型接着剤(ロックペイント社製、主剤:RU-004、硬化剤:H-1)を含む。二軸延伸ナイロンフィルムと直鎖状低密度ポリエチレンフィルムとの間の接着剤層は、2液硬化型接着剤(ロックペイント社製、主剤:RU-004、硬化剤:H-1)を含む。
<放射照度測定試験>
実施例1で得られた各積層体20のシーラント層23同士をヒートシールして、図1に示す包装袋10を5個作製した。この際、第1端部シール部131及び第2端部シール部141の第1方向D1に沿った幅は、それぞれ、8mmであった。また、側端部シール部151の第2方向D2に沿った幅は、8mmであった。続いて、図1に示すVII線で囲まれる領域を刃物で切断し、放射照度測定試験の試験片10A(図8参照)を5個作製した。この際、シール部(側端部シール部151)の第1方向D1に沿った長さは、8mmであった。続いて、図8に示す実験装置により、放射照度測定試験を行った。
ここで、放射照度測定試験に用いられる実験装置について説明する。図8に示すように、実験装置80は、外部からの光を遮光する筐体81と、筐体81の外部に配置された光源82と、筐体81の内部に配置された照度測定器83とを備えている。このうち筐体81には、試験片10Aのシール部が挿入される開口部84が形成されており、筐体81内に設置された試験片10Aの側端部15が、筐体81の外方に露出できるように構成されている。次に、放射照度測定試験の具体的な試験方法について説明する。
実験装置80の光源82として、UVランプ(FOCUSPET製、100LED)を使用した。また、照度測定器83として、分光放射照度計(ウシオ電機製、USR-40)を使用した。そして、まず、図8に示すように、試験片10Aの第1面11及び第2面12が互いに略平行になるように、試験片10Aの第1面11及び第2面12を広げ、試験片10Aの側端部15が筐体81の外方に露出するように、試験片10Aを筐体81内に設置した。次に、光源82から試験片10Aの側端部15に向かって波長395nm以上400nm以下の光L5を照射した。そして、試験片10Aの側端部15から試験片10A内に入射し、側端部シール部151を通過して、筐体81内に配置された照度測定器83に入射した光の放射照度を測定した。
<硬化性試験>
実施例1で得られた各積層体20のシーラント層23同士をヒートシールして、図1に示す包装袋10を5個作製した。この際、まず、第2端部14が開口した空の包装袋10を準備し、この包装袋10内に紫外線硬化型インクを充填した。次に、包装袋10の第2端部14近傍をヒートシールすることにより包装袋10の第2端部14を閉鎖し、インクが封入された包装袋10を得た。この際、第1端部シール部131及び第2端部シール部141の第1方向D1に沿った幅は、それぞれ、8mmであった。また、側端部シール部151の第2方向D2に沿った幅は、8mmであった。続いて、包装袋10を30日間保管し、包装袋10内のインクが硬化しているか否かを確認した。
(実施例2)
アルミニウム箔の面のうち、二軸延伸ナイロンフィルム側の面の表面粗さRaが0.08μmであり、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム側の面の表面粗さRaが0.44μmであったこと、及びアルミニウム箔の面のうち二軸延伸ナイロンフィルム側の面に光吸収層が設けられていること、以外は実施例1と同様にして、図5に示す積層体20Aを作製した。この場合、アルミニウム箔を準備する際に、光遮断層として、アルミニウム箔の面のうち二軸延伸ナイロンフィルム側の面に黒色顔料を含むインクを印刷した印刷層(厚さ2μm)を形成した。そして、実施例1と同様にして、放射照度測定試験及び硬化性試験を行った。
この積層体20Aの層構成は、以下のように表現される。
PET/DL/ALM/印/DL/ONy/DL/LLDPE
「印」は、印刷層を意味する(以下同様)。
(実施例3)
光吸収層を二軸延伸ナイロンフィルムの面のうちアルミニウム箔側の面に設けたこと、以外は実施例2と同様にして、図6に示す積層体20Bを作製した。この場合、二軸延伸ナイロンフィルムを準備する際に、光遮断層として、二軸延伸ナイロンフィルムの面のうちアルミニウム箔側の面に黒色顔料を含むインクを印刷した印刷層(厚さ2μm)を形成した。そして、実施例1と同様にして、放射照度測定試験及び硬化性試験を行った。
この積層体20Bの層構成は、以下のように表現される。
PET/DL/ALM/DL/印/ONy/DL/LLDPE
(実施例4)
光吸収層を二軸延伸ナイロンフィルムの面のうち直鎖状低密度ポリエチレンフィルム側の面に設けたこと、以外は実施例3と同様にして、図7に示す積層体20Cを作製した。そして、実施例1と同様にして、放射照度測定試験及び硬化性試験を行った。
この積層体20Cの層構成は、以下のように表現される。
PET/DL/ALM/DL/ONy/印/DL/LLDPE
(比較例)
アルミニウム箔の面のうち、二軸延伸ナイロンフィルム側の面の表面粗さRaが0.08μmであり、PETフィルム側の面の表面粗さRaが0.44μmであったこと、以外は実施例1と同様にして、積層体を作製した。そして、実施例1と同様にして、放射照度測定試験及び硬化性試験を行った。
この積層体の層構成は、以下のように表現される。
PET/DL/ALM/DL/ONy/DL/LLDPE
以下の結果をまとめて、表1に示す。
Figure 0007047481000001
この結果、比較例においては、0.040μw/cmの放射照度が測定された。これに対して実施例1においては、測定された放射照度が0.012μw/cmまで低下した。これは、側端部15から試験片10A内に入射し、光遮断層22に到達した光の一部が、光吸収部22cにおいて乱反射し、当該光の一部が、側端部15から外部へ出光し、あるいは積層体20の各層に吸収されたためと考えられる。また、実施例2乃至4においては、測定された放射照度が0μw/cmであった。これは、側端部15から試験片10A内に入射し、光吸収層22d、24cに到達した光が、光吸収層22d、24cによって吸収されたためと考えられる。
また、比較例においては、1つ以上の包装袋において、インクが硬化していた。これに対して実施例1乃至4においては、全ての包装袋において、インクが硬化していなかった。
このように、本実施の形態によれば、包装袋10に照射され、第1端部13、第2端部14及び一対の側端部15から包装袋10内に入射した光が、包装袋10内の内容物に到達することを抑制することができる。例えば、上記実施例1乃至4においては、測定された放射照度を0.040μw/cmから0.012μw/cm以下まで低下させることができた。これにより、包装袋10に封入されたインクが硬化してしまう不具合を抑制することができる。
上記各実施の形態および変形例に開示されている複数の構成要素を必要に応じて適宜組合せることも可能である。あるいは、上記各実施の形態および変形例に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。
10 包装袋
11 第1面
12 第2面
131 第1端部シール部
141 第2端部シール部
151 側端部シール部
20 積層体
20A 積層体
20B 積層体
20C 積層体
21 保護層
22 光遮断層
22a 面
22b 面
22c 光吸収部
22d 光吸収層
23 シーラント層
24 中間層
24a 面
24b 面
24c 光吸収層

Claims (6)

  1. インクジェット用のインクを封入するための包装袋に用いられる積層体であって、
    少なくとも、保護層と、光遮断層と、シーラント層とをこの順に備え、
    前記光遮断層の面のうち前記シーラント層側の面の少なくとも一部に、表面粗さRaが0.2μm以上0.6μm以下である光吸収部が設けられている、積層体。
  2. 前記光遮断層は、金属箔を含む、請求項1に記載の積層体。
  3. 前記金属箔は、アルミニウム箔である、請求項2に記載の積層体。
  4. 前記光遮断層と、前記シーラント層との間に位置する中間層を更に備える、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の積層体。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の積層体を用いた、インクジェット用のインクを封入するための包装袋であって、
    第1面と、
    第2面とを備え、
    前記第1面と前記第2面とは、シール部において接着され、
    前記光吸収部は、少なくとも前記シール部に位置する、包装袋。
  6. 前記シール部に、前記包装袋内に収容されたインクを注出する注出口が設けられた、請求項に記載の包装袋。
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