JP7046795B2 - 細孔を有する表面によって媒介される生体分子の細胞内送達 - Google Patents

細孔を有する表面によって媒介される生体分子の細胞内送達 Download PDF

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    • C12M35/04Mechanical means, e.g. sonic waves, stretching forces, pressure or shear stimuli
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    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N5/00Undifferentiated human, animal or plant cells, e.g. cell lines; Tissues; Cultivation or maintenance thereof; Culture media therefor
    • C12N5/06Animal cells or tissues; Human cells or tissues

Description

関連出願への相互参照
本出願は、2015年9月4日に出願された米国仮出願番号第62/214,820号および2016年5月3日に出願された米国仮出願番号第62/331,363号に基づく優先権を主張しており、これら仮出願のすべては、それらの全体が参考として本明細書によって援用される。
発明の分野
本開示は一般に、細孔を含有する表面を通って細胞懸濁液を通過させることによって化合物を細胞内に送達するための方法に関する。
背景
細胞内送達は、新規の治療薬の研究および開発の中心的ステップである。分子の細胞内送達を目的としている既存の技術は、電界、ナノ粒子、または細孔形成化学物質に頼っている。しかし、これらの方法は、非特異的分子送達、ペイロード分子の改変もしくは損傷、高い細胞死、一般に安全な(GRAS)物質とみなされない可能性がある物質の使用、低いスループット、および/または困難な実施などの数多くの厄介な問題に悩まされている。さらに、これらの細胞内送達法は、一次免疫細胞および幹細胞などの感受性細胞型に分子を送達するには効果的ではない。したがって、種々の細胞型に所定の範囲の分子を送達するのに高度に効果的である細胞内送達技法の必要性が存在するが、いまだ満たされていない。さらに、迅速でハイスループットの細胞内送達を可能にする技法は、大規模な臨床的、製造的、および薬物スクリーニング応用に、より効果的に適用することができる。細胞に化合物を送達するためにチャネルを使用する方法を記載している参考文献は国際公開第2013/059343号および国際公開第2015/023982号を含む。
特許出願および公開を含む、本明細書に引用される参考文献は全て、その全体が参照として組み込まれる。
国際公開第2013/059343号 国際公開第2015/023982号
発明の簡単な要旨
本開示のある特定の態様は、細孔を含有する表面を通って細胞懸濁液を通過させるステップを含む、化合物を細胞内に送達するための方法であって、前記細孔が、前記細胞を変形させ、それによって前記化合物が前記細胞に入るように前記細胞の摂動が生じ、前記細胞懸濁液が、前記化合物と接触する、方法を含む。一部の実施形態では、前記表面は膜である一部の実施形態では、前記表面はフィルターである。一部の実施形態では、前記表面はマイクロシーブである。一部の実施形態では、前記表面は蛇行する経路の表面である。一部の実施形態では、前記表面は、ポリカーボネート、ポリマー、シリコン、ガラス、金属、ニトロセルロース、酢酸セルロース、ナイロン、ポリエステル、ポリエーテルスルホン、ポリテトラフルオロエチレン、およびセラミックの1つから選択される材料を含む。一部の実施形態では、前記細孔への入口は、前記細孔よりも広いか、前記細孔よりも狭いか、または前記細孔と同じ幅である。一部の実施形態では、前記表面は、エッチング、トラックエッチング、リソグラフィー、レーザーアブレーション、スタンピング、微細孔パンチング、ポリマースポンジ、直接発泡成形、押出成形およびホットエンボス加工の方法から選択される方法を使用して製造される。
前の実施形態と組み合わせることができる一部の実施形態では、前記細孔サイズは細胞径と相関している。一部の実施形態では、前記細孔サイズは、前記細胞径の約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、または約99%である。一部の実施形態では、表面の横断面の幅は、約1mmから約1mの間の範囲である。一部の実施形態では、前記細孔の横断面の幅は、約0.01μmから約300μmの範囲である。一部の実施形態では、前記細孔の横断面の幅は、約0.01から約35μmの範囲である。一部の実施形態では、前記細孔サイズは、約0.4μm、約4μm、約5μm、約8μm、約10μm、約12μm、または約14μmである。一部の実施形態では、前記細孔サイズは、約200μmである。一部の実施形態では、前記細孔のサイズは、不均質である。一部の実施形態では、不均質な細孔のサイズは、10から20%の範囲で変動する。一部の実施形態では、前記細孔のサイズは、均質である。
前の実施形態と組み合わせることができる一部の実施形態では、前記細孔は、同一の入口角および出口角を有する。一部の実施形態では、前記細孔は、異なる入口角および出口角を有する。一部の実施形態では、前記細孔の横断面の形状は、環状、円形、四角形、星形、三角形、多角形、五角形、六角形、七角形、および八角形の形状から選択される。一部の実施形態では、前記細孔への入口での横断面の形状は細孔からの出口での横断面の形状とは異なっている(例えば、入口では環状および出口では四角形)。一部の実施形態では、前記細孔の横断面の形状は、円柱形または円錐形から選択される。一部の実施形態では、前記細孔の縁は、滑らかである。一部の実施形態では、前記細孔の縁は、鋭い。一部の実施形態では、前記細孔の通路は、真っ直ぐである。一部の実施形態では、前記細孔の通路は、湾曲している一部の実施形態では、前記細孔は、全表面積の約10から80%を構成する。一部の実施形態では、前記表面は、合計約1.0×10から約1.0×1030個の細孔を含む。一部の実施形態では、前記表面は、表面積1mm当たり約10から約1.0×1015個の細孔を含む。一部の実施形態では、前記細孔は、平行に分布している。一部の実施形態では、前記細孔を有する表面は互いの上に積み重なっている。一部の実施形態では、複数の表面は、直列に分布している。一部の実施形態では、前記細孔の分布は、規則正しい。一部の実施形態では、前記細孔の分布は、ランダムである。一部の実施形態では、前記表面の厚さは、均一である。一部の実施形態では、前記表面の厚さは、均一ではない。一部の実施形態では、前記表面は、約0.01μmから約5mの厚さである。一部の実施形態では、前記表面は、約10μmの厚さである。一部の実施形態では、表面は1μm未満の厚さである。
前の実施形態と組み合わせることができる一部の実施形態では、前記表面は材料で被覆されている。一部の実施形態では、前記材料は、テフロン(登録商標)である。一部の実施形態では、前記材料は、細胞に結合する接着性コーティングを含む。一部の実施形態では、前記材料は、界面活性剤を含む。一部の実施形態では、前記材料は、抗凝固剤を含む。一部の実施形態では、前記材料は、タンパク質を含む。一部の実施形態では、前記材料は、接着分子を含む。一部の実施形態では、前記材料は、抗体を含む。一部の実施形態では、前記材料は、細胞機能を調節する因子を含む。一部の実施形態では、前記材料は、核酸を含む。一部の実施形態では、前記材料は、脂質を含む。一部の実施形態では、前記材料は、炭水化物を含む。一部の実施形態では、前記材料は、複合体を含む。一部の実施形態では、前記複合体は、脂質-炭水化物複合体である。一部の実施形態では、前記材料は、膜貫通タンパク質を含む。一部の実施形態では、前記材料は、前記表面に共有結合している。一部の実施形態では、前記材料は、前記表面に非共有結合している。一部の実施形態では、前記表面は、親水性である。一部の実施形態では、前記表面は、疎水性である。一部の実施形態では、前記表面は、帯電している。
前の実施形態と組み合わせることができる一部の実施形態では、細胞懸濁液は哺乳動物細胞を含む。一部の実施形態では、前記細胞懸濁液は、混成の細胞集団を含む。一部の実施形態では、前記細胞懸濁液は、全血である。一部の実施形態では、前記細胞懸濁液は、リンパ液である。一部の実施形態では、前記細胞懸濁液は、末梢血単核球を含む。一部の実施形態では、前記細胞懸濁液は、精製された細胞集団を含む。一部の実施形態では、前記細胞は、免疫細胞、細胞株の細胞、幹細胞、腫瘍細胞、線維芽細胞、皮膚細胞、神経細胞、赤血球または血小板である。一部の実施形態では、前記免疫細胞は、リンパ球、T細胞、B細胞、樹状細胞、単球、マクロファージ、好酸球、好塩基球、NK細胞、NKT細胞、マスト細胞または好中球である。一部の実施形態では、前記細胞は、マウス、イヌ、ネコ、ウマ、ラット、ヤギ、またはウサギの細胞である。一部の実施形態では、前記細胞は、ヒト細胞である。
前の実施形態と組み合わせることができる一部の実施形態では、前記化合物は核酸を含む。一部の実施形態では、前記化合物は、DNA、組換えDNA、cDNA、ゲノムDNA、RNA、siRNA、mRNA、miRNA、lncRNA、tRNA、shRNA、または自己増幅mRNAをコードする核酸を含む。一部の実施形態では、前記化合物はペプチド核酸である。一部の実施形態では、前記化合物はトランスポゾンを含む。一部の実施形態では、前記化合物は、プラスミドである。一部の実施形態では、前記化合物は、タンパク質-核酸複合体を含む。一部の実施形態では、前記化合物は、Cas9タンパク質およびガイドRNAまたはドナーDNAを含む。一部の実施形態では、前記化合物は、Cas9タンパク質をコードする核酸およびガイドRNAまたはドナーDNAを含む。一部の実施形態では、前記化合物は、タンパク質またはペプチドを含む。一部の実施形態では、前記化合物は、ヌクレアーゼ、TALENタンパク質、ジンクフィンガーヌクレアーゼ、メガヌクレアーゼ、CREリコンビナーゼ、FLPリコンビナーゼ、Rリコンビナーゼ、インテグラーゼ、またはトランスポザーゼを含む。一部の実施形態では、前記化合物は、抗体である。一部の実施形態では、前記化合物は、転写因子である。一部の実施形態では、前記化合物は、小分子である。一部の実施形態では、前記化合物は、ナノ粒子である。一部の実施形態では、前記化合物は、キメラ抗原受容体である。一部の実施形態では、前記化合物は、蛍光によりタグ付けされた分子である。一部の実施形態では、前記化合物は、リポソームである。一部の実施形態では、前記化合物は、ウイルスである。
前の実施形態と組み合わせることができる一部の実施形態では、前記細胞懸濁液は細孔を通って通過する前に、それと同時に、またはその後に化合物と接触する。一部の実施形態では、送達される前記化合物は、前記表面に被覆されている。一部の実施形態では、前記方法は、0℃から45℃の間で実行される。一部の実施形態では、前記細胞は、正圧または負圧により前記細孔を通って通過する。一部の実施形態では、前記細胞は、定圧または可変圧により前記細孔を通って通過する。一部の実施形態では、圧力は、注射器を使用して印加される。一部の実施形態では、圧力は、ポンプを使用して印加される。一部の実施形態では、圧力は、減圧を使用して印加される。一部の実施形態では、前記細胞は、毛細管圧により前記細孔を通って通過する。一部の実施形態では、細胞は静水圧により細孔を通って通過する。一部の実施形態では、前記細胞は、血圧により前記細孔を通って通過する。一部の実施形態では、前記細胞は、g-力により前記細孔を通って通過する。一部の実施形態では、前記細胞は、約0.05psiから約500psiの範囲の圧力下で前記細孔を通って通過する。一部の実施形態では、前記細胞は、約2psiの圧力下で前記細孔を通って通過する。一部の実施形態では、前記細胞は、約2.5psiの圧力下で前記細孔を通って通過する。一部の実施形態では、前記細胞は、約3psiの圧力下で前記細孔を通って通過する。一部の実施形態では、前記細胞は、約5psiの圧力下で前記細孔を通って通過する。一部の実施形態では、前記細胞は、約10psiの圧力下で前記細孔を通って通過する。一部の実施形態では、前記細胞は、約20psiの圧力下で前記細孔を通って通過する。一部の実施形態では、流体の流れにより前記細胞を前記細孔中に通過させる。一部の実施形態では、前記細胞が前記細孔を通って通過する前、前記流体の流れは、乱流である。一部の実施形態では、前記細孔中を通る前記流体の流れは、層流である。一部の実施形態では、前記細胞が前記細孔を通って通過した後、前記流体の流れは、乱流である。一部の実施形態では、前記細胞は、均一な細胞速度で前記細孔を通って通過する。一部の実施形態では、前記細胞は、変動する細胞速度で前記細孔を通って通過する。一部の実施形態では、前記細胞は、約0.1mm/秒から約20m/秒の範囲の速度で前記細孔を通って通過する。一部の実施形態では、前記表面は、より大きなモジュール内に含有されている。一部の実施形態では、前記表面は、注射器内に含有されている。
前の実施形態と組み合わせることができる一部の実施形態では、前記細胞懸濁液は水溶液を含む。一部の実施形態では、前記水溶液は、細胞培養培地、PBS、塩、糖、増殖因子、動物由来産物、増量材、界面活性剤、潤滑剤、ビタミン、タンパク質、キレート剤、および/またはアクチン重合に影響を与える薬剤を含む。一部の実施形態では、前記アクチン重合に影響を与える薬剤は、ラトランクリンA、サイトカラシン、および/またはコルヒチンである。一部の実施形態では、前記細胞培養培地は、DMEM、OptiMEM、IMDM、RPMI、またはX-VIVOである。一部の実施形態では、前記細胞懸濁液の粘度は、約8.9×10-4Pa・秒から約4.0×10-3Pa・秒の範囲である。一部の実施形態では、前記方法は、前記表面に近接する少なくとも1つの電極により発生する電界を通って前記細胞を通過させるステップをさらに含む。
本開示のある特定の態様は、細孔を含有する表面を含む、細胞内に化合物を送達するためのデバイスであって、前記細孔が、溶液に懸濁された細胞が通過できるように構成されており、前記細孔が、前記細胞を変形させ、それによって前記化合物が前記細胞に入るように前記細胞の摂動が生じる、デバイスを含む。一部の実施形態では、前記表面は膜である。一部の実施形態では、前記表面はフィルターである。一部の実施形態では、前記表面は蛇行する経路の表面である。一部の実施形態では、前記表面は、ポリカーボネート、ポリマー、シリコン、ガラス、金属、ニトロセルロース、酢酸セルロース、ナイロン、ポリエステル、ポリエーテルスルホン、ポリテトラフルオロエチレン、およびセラミックの1つから選択される材料を含む。一部の実施形態では、前記細孔への入口は、前記細孔よりも広いか、前記細孔よりも狭いか、または前記細孔と同じ幅である。一部の実施形態では、前記表面は、エッチング、トラックエッチング、リソグラフィー、レーザーアブレーション、スタンピング、微細孔パンチング、ポリマースポンジ、直接発泡成形、押出成形およびホットエンボス加工の方法から選択される方法を使用して製造される。
前の実施形態と組み合わせることができる一部の実施形態では、前記細孔のサイズは、細胞径と相関している。一部の実施形態では、前記細孔のサイズは、前記細胞径の約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、または約99%である。一部の実施形態では、表面の横断面の幅は、約1mmから約1mの間の範囲である。一部の実施形態では、前記細孔の横断面の幅は、約0.01μmから約300μmの範囲である。一部の実施形態では、前記細孔の横断面の幅は、約0.01から約35μmの範囲である。一部の実施形態では、前記細孔のサイズは、約0.4μm、約4μm、約5μm、約8μm、約10μm、約12μm、または約14μmである。一部の実施形態では、前記細孔のサイズは、約200μmである。一部の実施形態では、前記細孔のサイズは、不均質である。一部の実施形態では、不均質な細孔のサイズは、10から20%の範囲で変動する。一部の実施形態では、前記細孔のサイズは、均質である。
前の実施形態と組み合わせることができる一部の実施形態では、前記細孔が、同一の入口角および出口角を有する。一部の実施形態では、前記細孔は、異なる入口角および出口角を有する。一部の実施形態では、前記細孔の横断面の形状は、環状、円形、四角形、星形、三角形、多角形、五角形、六角形、七角形、および八角形の形状から選択される。一部の実施形態では、前記細孔の横断面の形状は、円柱形または円錐形から選択される。一部の実施形態では、前記細孔の縁は、滑らかである。一部の実施形態では、前記細孔の縁は、鋭い。一部の実施形態では、前記細孔の通路は、真っ直ぐである。一部の実施形態では、前記細孔の通路は、湾曲している。一部の実施形態では、前記細孔は、全表面積の約10から80%を構成する。一部の実施形態では、前記表面は、合計約1.0×10から約1.0×1030個の細孔を含む。一部の実施形態では、前記表面は、表面積1mm当たり約10から約1.0×1015個の細孔を含む。一部の実施形態では、前記細孔は、平行に分布している。一部の実施形態では、細孔を有する表面は互いの上に積み重なっている。一部の実施形態では、複数の表面は、直列に分布している。一部の実施形態では、前記細孔の分布は、規則正しい。一部の実施形態では、前記細孔の分布は、ランダムである。一部の実施形態では、前記表面の厚さは、均一である。一部の実施形態では、前記表面の厚さは、均一ではない。一部の実施形態では、前記表面は、約0.01μmから約5mの厚さである。一部の実施形態では、前記表面は、約10μmの厚さである。
前の実施形態と組み合わせることができる一部の実施形態では、表面は材料で被覆されている。一部の実施形態では、前記材料は、テフロン(登録商標)である。一部の実施形態では、前記材料は、細胞に結合する接着性コーティングを含む。一部の実施形態では、前記材料は、界面活性剤を含む。一部の実施形態では、前記材料は、抗凝固剤を含む。一部の実施形態では、前記材料は、タンパク質を含む。一部の実施形態では、前記材料は、接着分子を含む。一部の実施形態では、前記材料は、抗体を含む。一部の実施形態では、前記材料は、細胞機能を調節する因子を含む。一部の実施形態では、前記材料は、核酸を含む。一部の実施形態では、前記材料は、脂質を含む。一部の実施形態では、前記材料は、炭水化物を含む。一部の実施形態では、前記材料は、複合体を含む。一部の実施形態では、前記複合体は、脂質-炭水化物複合体である。一部の実施形態では、前記材料は、膜貫通タンパク質を含む。一部の実施形態では、前記材料は、前記表面に共有結合している。一部の実施形態では、前記材料は、前記表面に非共有結合している。一部の実施形態では、前記表面は、親水性である。一部の実施形態では、前記表面は、疎水性である。一部の実施形態では、前記表面は、帯電している。
前の実施形態と組み合わせることができる一部の実施形態では、細胞懸濁液は哺乳動物細胞を含む。一部の実施形態では、前記細胞懸濁液は、混成の細胞集団を含む。一部の実施形態では、前記細胞懸濁液は、全血である。一部の実施形態では、前記細胞懸濁液は、リンパ液である。一部の実施形態では、前記細胞懸濁液は、末梢血単核球を含む。一部の実施形態では、前記細胞懸濁液は、精製された細胞集団を含む。一部の実施形態では、前記細胞は、免疫細胞、細胞株の細胞、幹細胞、腫瘍細胞、線維芽細胞、皮膚細胞、神経細胞、または赤血球である。一部の実施形態では、前記免疫細胞は、リンパ球、T細胞、B細胞、樹状細胞、単球、マクロファージ、好酸球、好塩基球、NK細胞、NKT細胞、マスト細胞または好中球である。一部の実施形態では、前記細胞は、マウス、イヌ、ネコ、ウマ、ラット、ヤギ、またはウサギの細胞である。一部の実施形態では、前記細胞は、ヒト細胞である。
前の実施形態と組み合わせることができる一部の実施形態では、化合物は核酸を含む。一部の実施形態では、前記化合物は、DNA、組換えDNA、cDNA、ゲノムDNA、RNA、siRNA、mRNA、miRNA、lncRNA、tRNA、shRNA、または自己増幅mRNAをコードする核酸を含む。一部の実施形態では、化合物はペプチド核酸である。一部の実施形態では、化合物はトランスポゾンを含む。一部の実施形態では、前記化合物は、プラスミドである。一部の実施形態では、前記化合物は、タンパク質-核酸複合体を含む。一部の実施形態では、前記化合物は、Cas9タンパク質およびガイドRNAまたはドナーDNAを含む。一部の実施形態では、前記化合物は、Cas9タンパク質をコードする核酸およびガイドRNAまたはドナーDNAを含む。一部の実施形態では、前記化合物は、タンパク質またはペプチドを含む。一部の実施形態では、前記化合物は、ヌクレアーゼ、TALENタンパク質、ジンクフィンガーヌクレアーゼ、メガヌクレアーゼ、CREリコンビナーゼ、FLPリコンビナーゼ、Rリコンビナーゼ、インテグラーゼ、またはトランスポザーゼを含む。一部の実施形態では、前記化合物は、抗体である。一部の実施形態では、前記化合物は、転写因子である。一部の実施形態では、前記化合物は、小分子である。一部の実施形態では、前記化合物は、ナノ粒子である。一部の実施形態では、前記化合物は、キメラ抗原受容体である。一部の実施形態では、前記化合物は、蛍光によりタグ付けされた分子である。一部の実施形態では、前記化合物は、リポソームである。一部の実施形態では、前記化合物は、ウイルスである。
前の実施形態と組み合わせることができる一部の実施形態では、前記細胞懸濁液は細孔を通って通過する前に、それと同時に、またはその後に化合物と接触する。一部の実施形態では、送達される前記化合物は、前記表面に被覆されている。一部の実施形態では、前記デバイスは、0℃から45℃の間である。一部の実施形態では、前記細胞は、正圧または負圧により前記細孔を通って通過する。一部の実施形態では、前記細胞は、定圧または可変圧により前記細孔を通って通過する。一部の実施形態では、圧力は、注射器を使用して印加される。一部の実施形態では、圧力は、ポンプを使用して印加される。一部の実施形態では、圧力は、減圧を使用して印加される。一部の実施形態では、前記細胞は、毛細管圧により前記細孔を通って通過する。一部の実施形態では、前記細胞は、血圧により前記細孔を通って通過する。一部の実施形態では、前記細胞は、g-力により前記細孔を通って通過する。一部の実施形態では、前記細胞は、約0.05psiから約500psiの範囲の圧力下で前記細孔を通って通過する。一部の実施形態では、前記細胞は、約2psiの圧力下で前記細孔を通って通過する。一部の実施形態では、前記細胞は、約2.5psiの圧力下で前記細孔を通って通過する。一部の実施形態では、前記細胞は、約3psiの圧力下で前記細孔を通って通過する。一部の実施形態では、前記細胞は、約5psiの圧力下で前記細孔を通って通過する。一部の実施形態では、前記細胞は、約10psiの圧力下で前記細孔を通って通過する。一部の実施形態では、前記細胞は、約20psiの圧力下で前記細孔を通って通過する。一部の実施形態では、流体の流れにより前記細胞を前記細孔中に通過させる。一部の実施形態では、前記細胞が前記細孔を通って通過する前、前記流体の流れは、乱流である。一部の実施形態では、前記細孔中を通る前記流体の流れは、層流である。一部の実施形態では、前記細胞が前記細孔を通って通過した後、前記流体の流れは、乱流である。一部の実施形態では、前記細胞は、均一な細胞速度で前記細孔を通って通過する。一部の実施形態では、前記細胞は、変動する細胞速度で前記細孔を通って通過する。一部の実施形態では、前記細胞は、約0.1mm/秒から約20m/秒の範囲の速度で前記細孔を通って通過する。一部の実施形態では、前記表面は、より大きなモジュール内に含有されている。一部の実施形態では、前記表面は、注射器内に含有されている。
前の実施形態と組み合わせることができる一部の実施形態では、細胞懸濁液は水溶液を含む。一部の実施形態では、前記水溶液は、細胞培養培地、PBS、塩、糖、増殖因子、動物由来産物、増量材、界面活性剤、潤滑剤、ビタミン、タンパク質、キレート剤、および/またはアクチン重合に影響を与える薬剤を含む。一部の実施形態では、前記アクチン重合に影響を与える薬剤は、ラトランクリンA、サイトカラシン、および/またはコルヒチンである。一部の実施形態では、前記細胞培養培地は、DMEM、OptiMEM、IMDM、RPMI、またはX-VIVOである。一部の実施形態では、前記細胞懸濁液の粘度は、約8.9×10-4Pa・秒から約4.0×10-3Pa・秒の範囲である。一部の実施形態では、前記デバイスは、複数の表面を含む。一部の実施形態では、前記表面は、トランスウェルである。一部の実施形態では、少なくとも1つの電極は、前記表面に近接して、電界を発生させる。
本開示のある特定の態様は、摂動を含む細胞を含み、細胞が細孔を含有する表面を通って細胞を通過させることにより生成され、細孔が細胞を変形させ、それによって化合物が細胞に入ることができるように摂動が生じる。一部の実施形態では、前記表面は膜である。一部の実施形態では、前記表面はフィルターである。一部の実施形態では、前記表面は、蛇行する経路の表面である。一部の実施形態では、前記表面は、ポリカーボネート、ポリマー、シリコン、ガラス、金属、ニトロセルロース、酢酸セルロース、ナイロン、ポリエステル、ポリエーテルスルホン、ポリテトラフルオロエチレン、およびセラミックの1つから選択される材料を含む。一部の実施形態では、前記細孔への入口は、前記細孔よりも広いか、前記細孔よりも狭いか、または前記細孔と同じ幅である。一部の実施形態では、前記表面は、エッチング、トラックエッチング、リソグラフィー、レーザーアブレーション、スタンピング、微細孔パンチング、ポリマースポンジ、直接発泡成形、押出成形およびホットエンボス加工の方法から選択される方法を使用して製造される。
前の実施形態と組み合わせることができる一部の実施形態では、細孔サイズは細胞径と相関している。一部の実施形態では、前記細孔サイズは、前記細胞径の約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、または約99%である。一部の実施形態では、表面の横断面の幅は、約1mmから約1mの間の範囲である。一部の実施形態では、前記細孔の横断面の幅は、約0.01μmから約300μmの範囲である。一部の実施形態では、前記細孔の横断面の幅は、約0.01から約35μmの範囲である。一部の実施形態では、前記細孔サイズは、約0.4μm、約4μm、約5μm、約8μm、約10μm、約12μm、または約14μmである。一部の実施形態では、前記細孔サイズは、約200μmである。一部の実施形態では、前記細孔のサイズは、不均質である。一部の実施形態では、不均質な細孔サイズは、10から20%の範囲で変動する。一部の実施形態では、前記細孔のサイズは、均質である。
前の実施形態と組み合わせることができる一部の実施形態では、細孔は同一の入口角および出口角を有する。一部の実施形態では、前記細孔は、異なる入口角および出口角を有する。一部の実施形態では、前記細孔の横断面の形状は、環状、円形、四角形、星形、三角形、多角形、五角形、六角形、七角形、および八角形の形状から選択される。一部の実施形態では、前記細孔の横断面の形状は、円柱形または円錐形から選択される。一部の実施形態では、前記細孔の縁は、滑らかである。一部の実施形態では、前記細孔の縁は、鋭い。一部の実施形態では、前記細孔の通路は、真っ直ぐである。一部の実施形態では、前記細孔の通路は、湾曲している。一部の実施形態では、前記細孔は、全表面積の約10から80%を構成する。一部の実施形態では、前記表面は、合計約1.0×10から約1.0×1030個の細孔を含む。一部の実施形態では、前記表面は、表面積1mm当たり約10から約1.0×1015個の細孔を含む。一部の実施形態では、前記細孔は、平行に分布している。一部の実施形態では、細孔を有する表面は互いの上に積み重なっている。一部の実施形態では、複数の表面は、直列に分布している。一部の実施形態では、前記細孔の分布は、規則正しい。一部の実施形態では、前記細孔の分布は、ランダムである。一部の実施形態では、前記表面の厚さは、均一である。一部の実施形態では、前記表面の厚さは、均一ではない。一部の実施形態では、前記表面は、約0.01μmから約5mの厚さである。一部の実施形態では、前記表面は、約10μmの厚さである。
前の実施形態と組み合わせることができる一部の実施形態では、表面は材料で被覆されている。一部の実施形態では、前記材料は、テフロン(登録商標)である。一部の実施形態では、前記材料は、細胞に結合する接着性コーティングを含む。一部の実施形態では、前記材料は、界面活性剤を含む。一部の実施形態では、前記材料は、抗凝固剤を含む。一部の実施形態では、前記材料は、タンパク質を含む。一部の実施形態では、前記材料は、接着分子を含む。一部の実施形態では、前記材料は、抗体を含む。一部の実施形態では、前記材料は、細胞機能を調節する因子を含む。一部の実施形態では、前記材料は、核酸を含む。一部の実施形態では、前記材料は、脂質を含む。一部の実施形態では、前記材料は、炭水化物を含む。一部の実施形態では、前記材料は、複合体を含む。一部の実施形態では、前記複合体は、脂質-炭水化物複合体である。一部の実施形態では、前記材料は、膜貫通タンパク質を含む。一部の実施形態では、前記材料は、前記表面に共有結合している。一部の実施形態では、前記材料は、前記表面に非共有結合している。一部の実施形態では、前記表面は、親水性である。一部の実施形態では、前記表面は、疎水性である。一部の実施形態では、前記表面は、帯電している。
前の実施形態と組み合わせることができる一部の実施形態では、細胞は哺乳動物細胞である。一部の実施形態では、前記細胞は、免疫細胞、細胞株の細胞、幹細胞、腫瘍細胞、線維芽細胞、皮膚細胞、神経細胞、または赤血球である。一部の実施形態では、前記免疫細胞は、リンパ球、T細胞、B細胞、樹状細胞、単球、マクロファージ、好酸球、好塩基球、NK細胞、NKT細胞、マスト細胞または好中球である。一部の実施形態では、前記細胞は、マウス、イヌ、ネコ、ウマ、ラット、ヤギ、またはウサギの細胞である。一部の実施形態では、前記細胞は、ヒト細胞である。
前の実施形態と組み合わせることができる一部の実施形態では、化合物は核酸を含む。一部の実施形態では、前記化合物は、DNA、組換えDNA、cDNA、ゲノムDNA、RNA、siRNA、mRNA、miRNA、lncRNA、tRNA、shRNA、または自己増幅mRNAをコードする核酸を含む。一部の実施形態では、化合物はペプチド核酸である。一部の実施形態では、化合物はトランスポゾンを含む。一部の実施形態では、前記化合物は、プラスミドである。一部の実施形態では、前記化合物は、タンパク質-核酸複合体を含む。一部の実施形態では、化合物はCasタンパク質およびガイドRNAまたはドナーDNAを含む。一部の実施形態では、化合物はCasタンパク質をコードする核酸およびガイドRNAまたはドナーDNAを含む。一部の実施形態では、前記化合物は、Cas9タンパク質およびガイドRNAまたはドナーDNAを含む。一部の実施形態では、前記化合物は、Cas9タンパク質をコードする核酸およびガイドRNAまたはドナーDNAを含む。一部の実施形態では、前記化合物は、タンパク質またはペプチドを含む。一部の実施形態では、前記化合物は、ヌクレアーゼ、TALENタンパク質、ジンクフィンガーヌクレアーゼ、メガヌクレアーゼ、CREリコンビナーゼ、FLPリコンビナーゼ、Rリコンビナーゼ、インテグラーゼ、またはトランスポザーゼを含む。一部の実施形態では、前記化合物は、抗体である。一部の実施形態では、前記化合物は、転写因子である。一部の実施形態では、前記化合物は、小分子である。一部の実施形態では、前記化合物は、ナノ粒子である。一部の実施形態では、前記化合物は、キメラ抗原受容体である。一部の実施形態では、前記化合物は、蛍光によりタグ付けされた分子である。一部の実施形態では、前記化合物は、リポソームである。一部の実施形態では、化合物はウイルスである。一部の実施形態では、細胞懸濁液は細胞壁を含む細胞を含む。一部の実施形態では、細胞は植物、酵母、真菌、藻類、または細菌細胞である。
前の実施形態と組み合わせることができる一部の実施形態では、前記細胞は細孔を通って通過する前に、それと同時に、またはその後に化合物と接触する。一部の実施形態では、送達される前記化合物は、前記表面に被覆されている。一部の実施形態では、前記細胞は、0℃から45℃の間で前記細孔を通って通過する。一部の実施形態では、前記細胞は、正圧または負圧により前記細孔を通って通過する。一部の実施形態では、前記細胞は、定圧または可変圧により前記細孔を通って通過する。一部の実施形態では、圧力は、注射器を使用して印加される。一部の実施形態では、圧力は、ポンプを使用して印加される。一部の実施形態では、圧力は、減圧を使用して印加される。一部の実施形態では、前記細胞は、毛細管圧により前記細孔を通って通過する。一部の実施形態では、前記細胞は、血圧により前記細孔を通って通過する。一部の実施形態では、前記細胞は、g-力により前記細孔を通って通過する。一部の実施形態では、前記細胞は、約0.05psiから約500psiの範囲の圧力下で前記細孔を通って通過する。一部の実施形態では、前記細胞は、約2psiの圧力下で前記細孔を通って通過する。一部の実施形態では、前記細胞は、約2.5psiの圧力下で前記細孔を通って通過する。一部の実施形態では、前記細胞は、約3psiの圧力下で前記細孔を通って通過する。一部の実施形態では、前記細胞は、約5psiの圧力下で前記細孔を通って通過する。一部の実施形態では、前記細胞は、約10psiの圧力下で前記細孔を通って通過する。一部の実施形態では、前記細胞は、約20psiの圧力下で前記細孔を通って通過する。一部の実施形態では、流体の流れにより前記細胞を前記細孔中に通過させる。一部の実施形態では、前記細胞が前記細孔を通って通過する前、前記流体の流れは、乱流である。一部の実施形態では、前記細孔中を通る前記流体の流れは、層流である。一部の実施形態では、前記細胞が前記細孔を通って通過した後、前記流体の流れは、乱流である。一部の実施形態では、前記細胞は、約0.1mm/秒から約20m/秒の範囲の速度で前記細孔を通って通過する。一部の実施形態では、前記表面は、より大きなモジュール内に含有されている。一部の実施形態では、前記表面は、注射器内に含有されている。
前の実施形態と組み合わせることができる一部の実施形態では、細胞は水溶液を含む細胞懸濁液中にある。一部の実施形態では、前記水溶液は、細胞培養培地、PBS、塩、糖、増殖因子、動物由来産物、増量材、界面活性剤、潤滑剤、ビタミン、タンパク質、キレート剤、および/またはアクチン重合に影響を与える薬剤を含む。一部の実施形態では、前記アクチン重合に影響を与える薬剤は、ラトランクリンA、サイトカラシン、および/またはコルヒチンである。一部の実施形態では、前記細胞培養培地は、DMEM、OptiMEM、IMDM、RPMI、またはX-VIVOである。一部の実施形態では、前記細胞は、前記表面に近接する少なくとも1つの電極により発生する電界を通ってさらに通過した。
特定の実施形態では、例えば、以下が提供される:
(項目1)
細孔を含有する表面を通って細胞懸濁液を通過させるステップを含む、化合物を細胞内に送達するための方法であって、前記細孔が、前記細胞を変形させ、それによって前記化合物が前記細胞に入るように前記細胞の摂動が生じ、前記細胞懸濁液が、前記化合物と接触する、方法。
(項目2)
前記表面が膜である、項目1に記載の方法。
(項目3)
前記表面がフィルターである、項目1に記載の方法。
(項目4)
前記表面が蛇行する経路の表面である、項目1から3のいずれか一項に記載の方法。
(項目5)
前記表面が、ポリカーボネート、ポリマー、シリコン、ガラス、金属、ニトロセルロース、酢酸セルロース、ナイロン、ポリエステル、ポリエーテルスルホン、ポリテトラフルオロエチレン、グラファイト、およびセラミックの1つから選択される材料を含む、項目1から4のいずれか一項に記載の方法。
(項目6)
前記細孔への入口が、前記細孔よりも広いか、前記細孔よりも狭いか、または前記細孔と同じ幅である、項目1から5のいずれか一項に記載の方法。
(項目7)
前記表面が、エッチング、トラックエッチング、リソグラフィー、レーザーアブレーション、スタンピング、微細孔パンチング、ポリマースポンジ、直接発泡成形、押出成形およびホットエンボス加工の方法から選択される方法を使用して製造される、項目1から6のいずれか一項に記載の方法。
(項目8)
前記細孔のサイズが、細胞径と相関している、項目1から7のいずれか一項に記載の方法。
(項目9)
前記細孔の横断面の幅が、前記細胞径の約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、または約99%である、項目1から8のいずれか一項に記載の方法。
(項目10)
表面の横断面の幅が、約1mmから約1mの間の範囲である、項目1から9のいずれか一項に記載の方法。
(項目11)
前記細孔の横断面の幅が、約0.01μmから約300μmの範囲である、項目1から10のいずれか一項に記載の方法。
(項目12)
前記細孔の横断面の幅が、約0.01から約35μmの範囲である、項目1から11のいずれか一項に記載の方法。
(項目13)
前記細孔の横断面の幅が、約0.4μm、約4μm、約5μm、約8μm、約10μm、約12μm、または約14μmである、項目1から12のいずれか一項に記載の方法。
(項目14)
前記細孔の横断面の幅が、約200μmである、項目1から11のいずれか一項に記載の方法。
(項目15)
前記細孔のサイズが、不均質である、項目1から14のいずれか一項に記載の方法。
(項目16)
不均質な細孔の横断面の幅が、10から20%の範囲で変動する、項目1から15のいずれか一項に記載の方法。
(項目17)
前記細孔のサイズが、均質である、項目1から14のいずれか一項に記載の方法。
(項目18)
前記細孔が、同一の入口角および出口角を有する、項目1から17のいずれか一項に記載の方法。
(項目19)
前記細孔が、異なる入口角および出口角を有する、項目1から17のいずれか一項に記載の方法。
(項目20)
前記細孔の横断面の形状が、環状、円形、四角形、星形、三角形、多角形、五角形、六角形、七角形、および八角形の形状から選択される、項目1から19のいずれか一項に記載の方法。
(項目21)
前記細孔の横断面の形状が、円柱形または円錐形から選択される、項目1から19のいずれか一項に記載の方法。
(項目22)
前記細孔の縁が、滑らかである、項目1から21のいずれか一項に記載の方法。
(項目23)
前記細孔の縁が、鋭い、項目1から21のいずれか一項に記載の方法。
(項目24)
前記細孔の通路が、真っ直ぐである、項目1から23のいずれか一項に記載の方法。
(項目25)
前記細孔の通路が、湾曲している、項目1から23のいずれか一項に記載の方法。
(項目26)
前記細孔が、全表面積の約10から80%を構成する、項目1から25のいずれか一項に記載の方法。
(項目27)
前記表面が、合計約1.0×10 から約1.0×10 30 個の細孔を含む、項目1から26のいずれか一項に記載の方法。
(項目28)
前記表面が、表面積1mm 当たり約10から約1.0×10 15 個の細孔を含む、項目1から27のいずれか一項に記載の方法。
(項目29)
前記細孔が、平行に分布している、項目1から28のいずれか一項に記載の方法。
(項目30)
複数の表面が、直列に分布している、項目1から29のいずれか一項に記載の方法。
(項目31)
前記細孔の分布が、規則正しい、項目1から30のいずれか一項に記載の方法。
(項目32)
前記細孔の分布が、ランダムである、項目1から30のいずれか一項に記載の方法。
(項目33)
前記表面の厚さが、均一である、項目1から32のいずれか一項に記載の方法。
(項目34)
前記表面の厚さが、均一ではない、項目1から32のいずれか一項に記載の方法。
(項目35)
前記表面が、約0.01μmから約5mの厚さである、項目1から34のいずれか一項に記載の方法。
(項目36)
前記表面が、約10μmの厚さである、項目1から35のいずれか一項に記載の方法。
(項目37)
前記表面が、材料で被覆されている、項目1から36のいずれか一項に記載の方法。
(項目38)
前記材料が、テフロン(登録商標)である、項目37に記載の方法。
(項目39)
前記材料が、細胞に結合する接着性コーティングを含む、項目37に記載の方法。
(項目40)
前記材料が、界面活性剤を含む、項目37に記載の方法。
(項目41)
前記材料が、抗凝固剤を含む、項目37に記載の方法。
(項目42)
前記材料が、ポリペプチドを含む、項目37に記載の方法。
(項目43)
前記材料が、接着分子を含む、項目37に記載の方法。
(項目44)
前記材料が、抗体を含む、項目37に記載の方法。
(項目45)
前記材料が、細胞機能を調節する因子を含む、項目37に記載の方法。
(項目46)
前記材料が、核酸を含む、項目37に記載の方法。
(項目47)
前記材料が、脂質を含む、項目37に記載の方法。
(項目48)
前記材料が、炭水化物を含む、項目37に記載の方法。
(項目49)
前記材料が、複合体を含む、項目37に記載の方法。
(項目50)
前記複合体が、脂質-炭水化物複合体である、項目49に記載の方法。
(項目51)
前記材料が、膜貫通タンパク質を含む、項目37に記載の方法。
(項目52)
前記材料が、前記表面に共有結合している、項目37から51のいずれか一項に記載の方法。
(項目53)
前記材料が、前記表面に非共有結合している、項目37から51のいずれか一項に記載の方法。
(項目54)
前記表面が、親水性である、項目1から53のいずれか一項に記載の方法。
(項目55)
前記表面が、疎水性である、項目1から53のいずれか一項に記載の方法。
(項目56)
前記表面が、帯電している、項目1から55のいずれか一項に記載の方法。
(項目57)
前記細胞懸濁液が、哺乳動物細胞を含む、項目1から56のいずれか一項に記載の方法。
(項目58)
前記細胞懸濁液が、混成の細胞集団を含む、項目1から57のいずれか一項に記載の
方法。
(項目59)
前記細胞懸濁液が、全血である、項目1から58のいずれか一項に記載の方法。
(項目60)
前記細胞懸濁液が、リンパ液である、項目1から58のいずれか一項に記載の方法。
(項目61)
前記細胞懸濁液が、末梢血単核球を含む、項目1から58のいずれか一項に記載の方法。
(項目62)
前記細胞懸濁液が、精製された細胞集団を含む、項目1から57のいずれか一項に記載の方法。
(項目63)
前記細胞が、免疫細胞、細胞株の細胞、幹細胞、腫瘍細胞、線維芽細胞、皮膚細胞、神経細胞、または赤血球である、項目1から58または62のいずれか一項に記載の方法。
(項目64)
前記免疫細胞が、T細胞、B細胞、樹状細胞、単球、マクロファージ、好酸球、好塩基球、NK細胞、NKT細胞、マスト細胞または好中球である、項目63に記載の方法。
(項目65)
前記細胞が、マウス、イヌ、ネコ、ウマ、ラット、ヤギ、またはウサギ細胞である、項目1から64のいずれか一項に記載の方法。
(項目66)
前記細胞が、ヒト細胞である、項目1から64のいずれか一項に記載の方法。
(項目67)
前記化合物が、核酸を含む、項目1から66のいずれか一項に記載の方法。
(項目68)
前記化合物が、DNA、組換えDNA、cDNA、ゲノムDNA、RNA、siRNA、mRNA、miRNA、lncRNA、tRNA、shRNA、または自己増幅mRNAをコードする核酸を含む、項目1から67のいずれか一項に記載の方法。
(項目69)
前記化合物が、プラスミドである、項目1から68のいずれか一項に記載の方法。
(項目70)
前記化合物が、ポリペプチド-核酸複合体を含む、項目1から66のいずれか一項に記載の方法。
(項目71)
前記化合物が、Cas9タンパク質およびガイドRNAまたはドナーDNAを含む、項目1から66または70のいずれか一項に記載の方法。
(項目72)
前記化合物が、Cas9タンパク質をコードする核酸およびガイドRNAまたはドナーDNAを含む、項目1から67のいずれか一項に記載の方法。
(項目73)
前記化合物が、タンパク質またはペプチドを含む、項目1から66のいずれか一項に記載の方法。
(項目74)
前記化合物が、ヌクレアーゼ、TALENタンパク質、ジンクフィンガーヌクレアーゼ、メガヌクレアーゼ、CREリコンビナーゼ、FLPリコンビナーゼ、Rリコンビナーゼ、インテグラーゼ、またはトランスポザーゼを含む、項目1から66または73のいずれか一項に記載の方法。
(項目75)
前記化合物が、抗体である、項目1から66または73のいずれか一項に記載の方法。
(項目76)
前記化合物が、転写因子である、項目1から66または73のいずれか一項に記載の方法。
(項目77)
前記化合物が、小分子である、項目1から66のいずれか一項に記載の方法。
(項目78)
前記化合物が、ナノ粒子である、項目1から66のいずれか一項に記載の方法。
(項目79)
前記化合物が、キメラ抗原受容体である、項目1から66のいずれか一項に記載の方法。
(項目80)
前記化合物が、蛍光によりタグ付けされた分子である、項目1から79のいずれか一項に記載の方法。
(項目81)
前記化合物が、リポソームである、項目1から66のいずれか一項に記載の方法。
(項目82)
前記細胞懸濁液が、前記細孔を通って通過する前、それと同時またはその後に、前記化合物と接触する、項目1から81のいずれか一項に記載の方法。
(項目83)
送達される前記化合物が、前記表面に被覆されている、項目1から81のいずれか一項に記載の方法。
(項目84)
0℃から45℃の間で実行される、項目1から83のいずれか一項に記載の方法。
(項目85)
前記細胞が、正圧または負圧により前記細孔を通って通過する、項目1から84のいずれか一項に記載の方法。
(項目86)
前記細胞が、定圧または可変圧により前記細孔を通って通過する、項目1から85のいずれか一項に記載の方法。
(項目87)
圧力が、注射器を使用して印加される、項目1から86のいずれか一項に記載の方法。
(項目88)
圧力が、ポンプを使用して印加される、項目1から86のいずれか一項に記載の方法。
(項目89)
圧力が、減圧を使用して印加される、項目1から86のいずれか一項に記載の方法。
(項目90)
前記細胞が、毛細管圧により前記細孔を通って通過する、項目1から86のいずれか一項に記載の方法。
(項目91)
前記細胞が、血圧により前記細孔を通って通過する、項目1から86のいずれか一項に記載の方法。
(項目92)
前記細胞が、g-力により前記細孔を通って通過する、項目1から86のいずれか一
項に記載の方法。
(項目93)
前記細胞が、約0.05psiから約500psiの範囲の圧力下で前記細孔を通って通過する、項目1から92のいずれか一項に記載の方法。
(項目94)
前記細胞が、約2psiの圧力下で前記細孔を通って通過する、項目1から93のいずれか一項に記載の方法。
(項目95)
前記細胞が、約2.5psiの圧力下で前記細孔を通って通過する、項目1から93のいずれか一項に記載の方法。
(項目96)
前記細胞が、約3psiの圧力下で前記細孔を通って通過する、項目1から93のいずれか一項に記載の方法。
(項目97)
前記細胞が、約5psiの圧力下で前記細孔を通って通過する、項目1から93のいずれか一項に記載の方法。
(項目98)
前記細胞が、約10psiの圧力下で前記細孔を通って通過する、項目1から93のいずれか一項に記載の方法。
(項目99)
前記細胞が、約20psiの圧力下で前記細孔を通って通過する、項目1から93のいずれか一項に記載の方法。
(項目100)
流体の流れにより前記細胞を前記細孔中に通過させる、項目1から99のいずれか一項に記載の方法。
(項目101)
前記細胞が前記細孔を通って通過する前、前記流体の流れが、乱流である、項目100に記載の方法。
(項目102)
前記細孔中を通る前記流体の流れが、層流である、項目100に記載の方法。
(項目103)
前記細胞が前記細孔を通って通過した後、前記流体の流れが、乱流である、項目100に記載の方法。
(項目104)
前記細胞が、均一な細胞速度で前記細孔を通って通過する、項目1から103のいずれか一項に記載の方法。
(項目105)
前記細胞が、変動する細胞速度で前記細孔を通って通過する、項目1から103のいずれか一項に記載の方法。
(項目106)
前記細胞が、約0.1mm/秒から約20m/秒の範囲の速度で前記細孔を通って通過する、項目1から105のいずれか一項に記載の方法。
(項目107)
前記表面が、より大きなモジュール内に含有されている、項目1から106のいずれか一項に記載の方法。
(項目108)
前記表面が、注射器内に含有されている、項目1から107のいずれか一項に記載の方法。
(項目109)
前記細胞懸濁液が、水溶液を含む、項目1から108のいずれか一項に記載の方法。
(項目110)
前記水溶液が、細胞培養培地、PBS、塩、糖、増殖因子、動物由来産物、増量材、界面活性剤、潤滑剤、ビタミン、タンパク質、キレート剤、および/またはアクチン重合に影響を与える薬剤を含む、項目109に記載の方法。
(項目111)
前記アクチン重合に影響を与える薬剤が、ラトランクリンA、サイトカラシン、および/またはコルヒチンである、項目110に記載の方法。
(項目112)
前記細胞培養培地が、DMEM、OptiMEM、IMDM、RPMI、またはX-VIVOである、項目110に記載の方法。
(項目113)
前記細胞懸濁液の粘度が、約8.9×10 -4 Pa・秒から約4.0×10 -3 Pa・秒の範囲である、項目1から112のいずれか一項に記載の方法。
(項目114)
前記表面に近接する少なくとも1つの電極により発生する電界を通って前記細胞を通過させるステップをさらに含む、項目1から113のいずれか一項に記載の方法。
(項目115)
細孔を含有する表面を含む、細胞内に化合物を送達するためのデバイスであって、前記細孔が、溶液に懸濁された細胞が通過できるように構成されており、前記細孔が、前記細胞を変形させ、それによって前記化合物が前記細胞に入るように前記細胞の摂動が生じる、デバイス。
(項目116)
前記表面が膜である、項目115に記載のデバイス。
(項目117)
前記表面がフィルターである、項目115に記載のデバイス。
(項目118)
前記表面が蛇行する経路の表面である、項目115から117のいずれか一項に記載のデバイス。
(項目119)
前記表面が、ポリカーボネート、ポリマー、シリコン、ガラス、金属、ニトロセルロース、酢酸セルロース、ナイロン、ポリエステル、ポリエーテルスルホン、ポリテトラフルオロエチレン、グラファイト、およびセラミックの1つから選択される材料を含む、項目115から118のいずれか一項に記載のデバイス。
(項目120)
前記細孔への入口が、前記細孔よりも広いか、前記細孔よりも狭いか、または前記細孔と同じ幅である、項目115から119のいずれか一項に記載のデバイス。
(項目121)
前記表面が、エッチング、トラックエッチング、リソグラフィー、レーザーアブレーション、スタンピング、微細孔パンチング、ポリマースポンジ、直接発泡成形、押出成形およびホットエンボス加工の方法から選択される方法を使用して製造される、項目115から120のいずれか一項に記載のデバイス。
(項目122)
前記細孔のサイズが、細胞径と相関している、項目115から121のいずれか一項に記載のデバイス。
(項目123)
前記細孔の横断面の幅が、前記細胞径の約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、または約99%である、項目115から122のいずれか一項に記載のデバイス。
(項目124)
表面の横断面の幅が、約1mmから約1mの間の範囲である、項目115から123のいずれか一項に記載のデバイス。
(項目125)
前記細孔の横断面の幅が、約0.01μmから約300μmの範囲である、項目115から124のいずれか一項に記載のデバイス。
(項目126)
前記細孔の横断面の幅が、約0.01から約35μmの範囲である、項目115から125のいずれか一項に記載のデバイス。
(項目127)
前記細孔の横断面の幅が、約0.4μm、約4μm、約5μm、約8μm、約10μm、約12μm、または約14μmである、項目115から126のいずれか一項に記載のデバイス。
(項目128)
前記細孔の横断面の幅が、約200μmである、項目115から125のいずれか一項に記載のデバイス。
(項目129)
前記細孔のサイズが、不均質である、項目115から128のいずれか一項に記載のデバイス。
(項目130)
不均質な細孔の横断面の幅が、10から20%の範囲で変動する、項目115から129のいずれか一項に記載のデバイス。
(項目131)
前記細孔のサイズが、均質である、項目115から128のいずれか一項に記載のデバイス。
(項目132)
前記細孔が、同一の入口角および出口角を有する、項目115から131のいずれか一項に記載のデバイス。
(項目133)
前記細孔が、異なる入口角および出口角を有する、項目115から131のいずれか一項に記載のデバイス。
(項目134)
前記細孔の横断面の形状が、環状、円形、四角形、星形、三角形、多角形、五角形、六角形、七角形、および八角形の形状から選択される、項目115から133のいずれか一項に記載のデバイス。
(項目135)
前記細孔の形状が、円柱形または円錐形から選択される、項目115から133のいずれか一項に記載のデバイス。
(項目136)
前記細孔の縁が、滑らかである、項目115から135のいずれか一項に記載のデバイス。
(項目137)
前記細孔の縁が、鋭い、項目115から135のいずれか一項に記載のデバイス。
(項目138)
前記細孔の通路が、真っ直ぐである、項目115から137のいずれか一項に記載のデバイス。
(項目139)
前記細孔の通路が、湾曲している、項目115から137のいずれか一項に記載のデバイス。
(項目140)
前記細孔が、全表面積の約10から80%を構成する、項目115から139のいずれか一項に記載のデバイス。
(項目141)
前記表面が、合計約1.0×10 から約1.0×10 30 個の細孔を含む、項目115から140のいずれか一項に記載のデバイス。
(項目142)
前記表面が、表面積1mm 当たり約10から約1.0×10 15 個の細孔を含む、項目115から141のいずれか一項に記載のデバイス。
(項目143)
前記細孔が、平行に分布している、項目115から142のいずれか一項に記載のデバイス。
(項目144)
複数の表面が、直列に分布している、項目115から143のいずれか一項に記載のデバイス。
(項目145)
前記細孔の分布が、規則正しい、項目115から144のいずれか一項に記載のデバイス。
(項目146)
前記細孔の分布が、ランダムである、項目115から144のいずれか一項に記載のデバイス。
(項目147)
前記表面の厚さが、均一である、項目115から146のいずれか一項に記載のデバイス。
(項目148)
前記表面の厚さが、均一ではない、項目115から146のいずれか一項に記載のデバイス。
(項目149)
前記表面が、約0.01μmから約5mの厚さである、項目115から148のいずれか一項に記載のデバイス。
(項目150)
前記表面が、約10μmの厚さである、項目115から149のいずれか一項に記載のデバイス。
(項目151)
前記表面が、材料で被覆されている、項目115から150のいずれか一項に記載のデバイス。
(項目152)
前記材料が、テフロン(登録商標)である、項目151に記載のデバイス。
(項目153)
前記材料が、細胞に結合する接着性コーティングを含む、項目151に記載のデバイス。
(項目154)
前記材料が、界面活性剤を含む、項目151に記載のデバイス。
(項目155)
前記材料が、抗凝固剤を含む、項目151に記載のデバイス。
(項目156)
前記材料が、ポリペプチドを含む、項目151に記載のデバイス。
(項目157)
前記材料が、接着分子を含む、項目151に記載のデバイス。
(項目158)
前記材料が、抗体を含む、項目151に記載のデバイス。
(項目159)
前記材料が、細胞機能を調節する因子を含む、項目151に記載のデバイス。
(項目160)
前記材料が、核酸を含む、項目151に記載のデバイス。
(項目161)
前記材料が、脂質を含む、項目151に記載のデバイス。
(項目162)
前記材料が、炭水化物を含む、項目151に記載のデバイス。
(項目163)
前記材料が、複合体を含む、項目151に記載のデバイス。
(項目164)
前記複合体が、脂質-炭水化物複合体である、項目163に記載のデバイス。
(項目165)
前記材料が、膜貫通タンパク質を含む、項目151に記載のデバイス。
(項目166)
前記材料が、前記表面に共有結合している、項目151から165のいずれか一項に記載のデバイス。
(項目167)
前記材料が、前記表面に非共有結合している、項目151から165のいずれか一項に記載のデバイス。
(項目168)
前記表面が、親水性である、項目115から167のいずれか一項に記載のデバイス。
(項目169)
前記表面が、疎水性である、項目115から167のいずれか一項に記載のデバイス。
(項目170)
前記表面が、帯電している、項目115から169のいずれか一項に記載のデバイス。
(項目171)
前記細胞懸濁液が、哺乳動物細胞を含む、項目115から170のいずれか一項に記載のデバイス。
(項目172)
前記細胞懸濁液が、混成の細胞集団を含む、項目115から171のいずれか一項に記載のデバイス。
(項目173)
前記細胞懸濁液が、全血である、項目115から172のいずれか一項に記載のデバイス。
(項目174)
前記細胞懸濁液が、リンパ液である、項目115から172のいずれか一項に記載のデバイス。
(項目175)
前記細胞懸濁液が、末梢血単核球を含む、項目115から172のいずれか一項に記載のデバイス。
(項目176)
前記細胞懸濁液が、精製された細胞集団を含む、項目115から171のいずれか一項に記載のデバイス。
(項目177)
前記細胞が、免疫細胞、細胞株の細胞、幹細胞、腫瘍細胞、線維芽細胞、皮膚細胞、神経細胞、または赤血球である、項目115から172または176のいずれか一項に記載のデバイス。
(項目178)
前記免疫細胞が、T細胞、B細胞、樹状細胞、単球、マクロファージ、好酸球、好塩基球、NK細胞、NKT細胞、マスト細胞または好中球である、項目177に記載のデバイス。
(項目179)
前記細胞が、マウス、イヌ、ネコ、ウマ、ラット、ヤギ、またはウサギ細胞である、項目115から178のいずれか一項に記載のデバイス。
(項目180)
前記細胞が、ヒト細胞である、項目115から178のいずれか一項に記載のデバイス。
(項目181)
前記化合物が、核酸を含む、項目115から180のいずれか一項に記載のデバイス。
(項目182)
前記化合物が、DNA、組換えDNA、cDNA、ゲノムDNA、RNA、siRNA、mRNA、miRNA、lncRNA、tRNA、shRNA、または自己増幅mRNAをコードする核酸を含む、項目115から181のいずれか一項に記載のデバイス。
(項目183)
前記化合物が、プラスミドである、項目115から182のいずれか一項に記載のデバイス。
(項目184)
前記化合物が、ポリペプチド-核酸複合体を含む、項目115から180のいずれか一項に記載のデバイス。
(項目185)
前記化合物が、Cas9タンパク質およびガイドRNAまたはドナーDNAを含む、項目115から180または184のいずれか一項に記載のデバイス。
(項目186)
前記化合物が、Cas9タンパク質をコードする核酸およびガイドRNAまたはドナーDNAを含む、項目115から181のいずれか一項に記載のデバイス。
(項目187)
前記化合物が、タンパク質またはペプチドを含む、項目115から180のいずれか一項に記載のデバイス。
(項目188)
前記化合物が、ヌクレアーゼ、TALENタンパク質、ジンクフィンガーヌクレアーゼ、メガヌクレアーゼ、CREリコンビナーゼ、FLPリコンビナーゼ、Rリコンビナーゼ、インテグラーゼ、またはトランスポザーゼを含む、項目115から180または187のいずれか一項に記載のデバイス。
(項目189)
前記化合物が、抗体である、項目115から180または187のいずれか一項に記載のデバイス。
(項目190)
前記化合物が、転写因子である、項目115から180または187のいずれか一項に記載のデバイス。
(項目191)
前記化合物が、小分子である、項目115から180のいずれか一項に記載のデバイス。
(項目192)
前記化合物が、ナノ粒子である、項目115から180のいずれか一項に記載のデバイス。
(項目193)
前記化合物が、キメラ抗原受容体である、項目115から180のいずれか一項に記載のデバイス。
(項目194)
前記化合物が、蛍光によりタグ付けされた分子である、項目115から193のいずれか一項に記載のデバイス。
(項目195)
前記化合物が、リポソームである、項目115から180のいずれか一項に記載のデバイス。
(項目196)
前記細胞懸濁液が、前記細孔を通って通過する前、それと同時またはその後に、前記化合物と接触する、項目115から195のいずれか一項に記載のデバイス。
(項目197)
送達される前記化合物が、前記表面に被覆されている、項目115から195のいずれか一項に記載のデバイス。
(項目198)
前記デバイスは、0℃から45℃の間である、項目115から197のいずれか一項に記載のデバイス。
(項目199)
前記細胞が、正圧または負圧により前記細孔を通って通過する、項目115から198のいずれか一項に記載のデバイス。
(項目200)
前記細胞が、定圧または可変圧により前記細孔を通って通過する、項目115から199のいずれか一項に記載のデバイス。
(項目201)
圧力が、注射器を使用して印加される、項目115から200のいずれか一項に記載のデバイス。
(項目202)
圧力が、ポンプを使用して印加される、項目115から200のいずれか一項に記載のデバイス。
(項目203)
圧力が、減圧を使用して印加される、項目115から200のいずれか一項に記載のデバイス。
(項目204)
前記細胞が、毛細管圧により前記細孔を通って通過する、項目115から200のいずれか一項に記載のデバイス。
(項目205)
前記細胞が、血圧により前記細孔を通って通過する、項目115から200のいずれか一項に記載のデバイス。
(項目206)
前記細胞が、g-力により前記細孔を通って通過する、項目115から200のいずれか一項に記載のデバイス。
(項目207)
前記細胞が、約0.05psiから約500psiの範囲の圧力下で前記細孔を通って通過する、項目115から206のいずれか一項に記載のデバイス。
(項目208)
前記細胞が、約2psiの圧力下で前記細孔を通って通過する、項目115から207のいずれか一項に記載のデバイス。
(項目209)
前記細胞が、約2.5psiの圧力下で前記細孔を通って通過する、項目115から207のいずれか一項に記載のデバイス。
(項目210)
前記細胞が、約3psiの圧力下で前記細孔を通って通過する、項目115から207のいずれか一項に記載のデバイス。
(項目211)
前記細胞が、約5psiの圧力下で前記細孔を通って通過する、項目115から20
7のいずれか一項に記載のデバイス。
(項目212)
前記細胞が、約10psiの圧力下で前記細孔を通って通過する、項目115から207のいずれか一項に記載のデバイス。
(項目213)
前記細胞が、約20psiの圧力下で前記細孔を通って通過する、項目115から207のいずれか一項に記載のデバイス。
(項目214)
流体の流れにより前記細胞を前記細孔中に通過させる、項目115から213のいずれか一項に記載のデバイス。
(項目215)
前記細胞が前記細孔を通って通過する前、前記流体の流れが、乱流である、項目214に記載のデバイス。
(項目216)
前記細孔中を通る前記流体の流れが、層流である、項目214に記載のデバイス。
(項目217)
前記細胞が前記細孔を通って通過した後、前記流体の流れが、乱流である、項目214に記載のデバイス。
(項目218)
前記細胞が、均一な細胞速度で前記細孔を通って通過する、項目115から217のいずれか一項に記載のデバイス。
(項目219)
前記細胞が、変動する細胞速度で前記細孔を通って通過する、項目115から217のいずれか一項に記載のデバイス。
(項目220)
前記細胞が、約0.1mm/秒から約20m/秒の範囲の速度で前記細孔を通って通過する、項目115から219のいずれか一項に記載のデバイス。
(項目221)
前記表面が、より大きなモジュール内に含有されている、項目115から220のいずれか一項に記載のデバイス。
(項目222)
前記表面が、注射器内に含有されている、項目115から221のいずれか一項に記載のデバイス。
(項目223)
前記細胞懸濁液が、水溶液を含む、項目115から222のいずれか一項に記載のデバイス。
(項目224)
前記水溶液が、細胞培養培地、PBS、塩、糖、増殖因子、動物由来産物、増量材、界面活性剤、潤滑剤、ビタミン、タンパク質、キレート剤、および/またはアクチン重合に影響を与える薬剤を含む、項目223に記載のデバイス。
(項目225)
前記アクチン重合に影響を与える薬剤が、ラトランクリンA、サイトカラシン、および/またはコルヒチンである、項目224に記載のデバイス。
(項目226)
前記細胞培養培地が、DMEM、OptiMEM、IMDM、RPMI、またはX-VIVOである、項目224に記載のデバイス。
(項目227)
前記細胞懸濁液の粘度が、約8.9×10 -4 Pa・秒から約4.0×10 -3 Pa・秒の範囲である、項目115から226のいずれか一項に記載のデバイス。
(項目228)
複数の表面を含む、項目115から227のいずれか一項に記載のデバイス。
(項目229)
前記表面が、トランスウェルである、項目115から228のいずれか一項に記載のデバイス。
(項目230)
少なくとも1つの電極が、前記表面に近接して、電界を発生させる、項目115から229のいずれか一項に記載のデバイス。
(項目231)
摂動を含む細胞であって、前記細胞が、細孔を含有する表面を通って前記細胞を通過させることにより生成され、前記細孔が、前記細胞を変形させ、それによって化合物が前記細胞に入ることができるように摂動が生じる、細胞。
(項目232)
前記表面が膜である、項目231に記載の細胞。
(項目233)
前記表面がフィルターである、項目231に記載の細胞。
(項目234)
前記表面が蛇行する経路の表面である、項目231から233のいずれか一項に記載の細胞。
(項目235)
前記表面が、ポリカーボネート、ポリマー、シリコン、ガラス、金属、ニトロセルロース、酢酸セルロース、ナイロン、ポリエステル、ポリエーテルスルホン、ポリテトラフルオロエチレン、グラファイト、およびセラミックの1つから選択される材料を含む、項目231から234のいずれか一項に記載の細胞。
(項目236)
前記細孔への入口が、前記細孔よりも広いか、前記細孔よりも狭いか、または前記細孔と同じ幅である、項目231から235のいずれか一項に記載の細胞。
(項目237)
前記表面が、エッチング、トラックエッチング、リソグラフィー、レーザーアブレーション、スタンピング、微細孔パンチング、ポリマースポンジ、直接発泡成形、押出成形およびホットエンボス加工の方法から選択される方法を使用して製造される、項目231から236のいずれか一項に記載の細胞。
(項目238)
前記細孔の横断面の幅が、細胞径と相関している、項目231から237のいずれか一項に記載の細胞。
(項目239)
前記細孔の横断面の幅が、前記細胞径の約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、または約99%である、項目231から238のいずれか一項に記載の細胞。
(項目240)
表面の横断面の幅が、約1mmから約1mの間の範囲である、項目231から239のいずれか一項に記載の細胞。
(項目241)
前記細孔の横断面の幅が、約0.01μmから約300μmの範囲である、項目231から240のいずれか一項に記載の細胞。
(項目242)
前記細孔の横断面の幅が、約0.01から約35μmの範囲である、項目231から241のいずれか一項に記載の細胞。
(項目243)
前記細孔の横断面の幅が、約0.4μm、約4μm、約5μm、約8μm、約10μm、約12μm、または約14μmである、項目231から242のいずれか一項に記載の細胞。
(項目244)
前記細孔の横断面の幅が、約200μmである、項目231から241のいずれか一項に記載の細胞。
(項目245)
前記細孔のサイズが、不均質である、項目231から244のいずれか一項に記載の細胞。
(項目246)
不均質な細孔の横断面の幅が、10から20%の範囲で変動する、項目231から245のいずれか一項に記載の細胞。
(項目247)
前記細孔のサイズが、均質である、項目231から244のいずれか一項に記載の細胞。
(項目248)
前記細孔が、同一の入口角および出口角を有する、項目231から247のいずれか一項に記載の細胞。
(項目249)
前記細孔が、異なる入口角および出口角を有する、項目231から247のいずれか一項に記載の細胞。
(項目250)
前記細孔の横断面の形状が、環状、円形、四角形、星形、三角形、多角形、五角形、六角形、七角形、および八角形の形状から選択される、項目231から249のいずれか一項に記載の細胞。
(項目251)
前記細孔の形状が、円柱形または円錐形から選択される、項目231から249のいずれか一項に記載の細胞。
(項目252)
前記細孔の縁が、滑らかである、項目231から251のいずれか一項に記載の細胞。
(項目253)
前記細孔の縁が、鋭い、項目231から251のいずれか一項に記載の細胞。
(項目254)
前記細孔の通路が、真っ直ぐである、項目231から253のいずれか一項に記載の細胞。
(項目255)
前記細孔の通路が、湾曲している、項目231から253のいずれか一項に記載の細胞。
(項目256)
前記細孔が、全表面積の約10から80%を構成する、項目231から255のいずれか一項に記載の細胞。
(項目257)
前記表面が、合計約1.0×10 から約1.0×10 30 個の細孔を含む、項目231から256のいずれか一項に記載の細胞。
(項目258)
前記表面が、表面積1mm 当たり約10から約1.0×10 15 個の細孔を含む、項目231から257のいずれか一項に記載の細胞。
(項目259)
前記細孔が、平行に分布している、項目231から258のいずれか一項に記載の細胞。
(項目260)
複数の表面が、直列に分布している、項目231から259のいずれか一項に記載の細胞。
(項目261)
前記細孔の分布が、規則正しい、項目231から260のいずれか一項に記載の細胞。
(項目262)
前記細孔の分布が、ランダムである、項目231から260のいずれか一項に記載の細胞。
(項目263)
前記表面の厚さが、均一である、項目231から262のいずれか一項に記載の細胞。
(項目264)
前記表面の厚さが、均一ではない、項目231から262のいずれか一項に記載の細胞。
(項目265)
前記表面が、約0.01μmから約5mの厚さである、項目231から264のいずれか一項に記載の細胞。
(項目266)
前記表面が、約10μmの厚さである、項目231から265のいずれか一項に記載の細胞。
(項目267)
前記表面が、材料で被覆されている、項目231から266のいずれか一項に記載の細胞。
(項目268)
前記材料が、テフロン(登録商標)である、項目267に記載の細胞。
(項目269)
前記材料が、細胞に結合する接着性コーティングを含む、項目267に記載の細胞。
(項目270)
前記材料が、界面活性剤を含む、項目267に記載の細胞。
(項目271)
前記材料が、抗凝固剤を含む、項目267に記載の細胞。
(項目272)
前記材料が、ポリペプチドを含む、項目267に記載の細胞。
(項目273)
前記材料が、接着分子を含む、項目267に記載の細胞。
(項目274)
前記材料が、抗体を含む、項目267に記載の細胞。
(項目275)
前記材料が、細胞機能を調節する因子を含む、項目267に記載の細胞。
(項目276)
前記材料が、核酸を含む、項目267に記載の細胞。
(項目277)
前記材料が、脂質を含む、項目267に記載の細胞。
(項目278)
前記材料が、炭水化物を含む、項目267に記載の細胞。
(項目279)
前記材料が、複合体を含む、項目267に記載の細胞。
(項目280)
前記複合体が、脂質-炭水化物複合体である、項目279に記載の細胞。
(項目281)
前記材料が、膜貫通タンパク質を含む、項目267に記載の細胞。
(項目282)
前記材料が、前記表面に共有結合している、項目267から281のいずれか一項に記載の細胞。
(項目283)
前記材料が、前記表面に非共有結合している、項目267から281のいずれか一項に記載の細胞。
(項目284)
前記表面が、親水性である、項目231から283のいずれか一項に記載の細胞。
(項目285)
前記表面が、疎水性である、項目231から283のいずれか一項に記載の細胞。
(項目286)
前記表面が、帯電している、項目231から285のいずれか一項に記載の細胞。
(項目287)
前記細胞が、哺乳動物細胞である、項目231から286のいずれか一項に記載の細胞。
(項目288)
前記細胞が、免疫細胞、細胞株の細胞、幹細胞、腫瘍細胞、線維芽細胞、皮膚細胞、神経細胞、または赤血球である、項目231から287のいずれか一項に記載の細胞。
(項目289)
前記免疫細胞が、T細胞、B細胞、樹状細胞、単球、マクロファージ、好酸球、好塩基球、NK細胞、NKT細胞、マスト細胞または好中球である、項目288に記載の細胞。
(項目290)
前記細胞が、マウス、イヌ、ネコ、ウマ、ラット、ヤギ、またはウサギ細胞である、項目231から289のいずれか一項に記載の細胞。
(項目291)
前記細胞が、ヒト細胞である、項目231から289のいずれか一項に記載の細胞。
(項目292)
前記化合物が、核酸を含む、項目231から291のいずれか一項に記載の細胞。
(項目293)
前記化合物が、DNA、組換えDNA、cDNA、ゲノムDNA、RNA、siRNA、mRNA、miRNA、lncRNA、tRNA、shRNA、または自己増幅mRNAをコードする核酸を含む、項目231から292のいずれか一項に記載の細胞。
(項目294)
前記化合物が、プラスミドである、項目231から293のいずれか一項に記載の細胞。
(項目295)
前記化合物が、ポリペプチド-核酸複合体を含む、項目231から291のいずれか一項に記載の細胞。
(項目296)
前記化合物が、Cas9タンパク質およびガイドRNAまたはドナーDNAを含む、項目231から291または295のいずれか一項に記載の細胞。
(項目297)
前記化合物が、Cas9タンパク質をコードする核酸およびガイドRNAまたはドナーDNAを含む、項目231から292のいずれか一項に記載の細胞。
(項目298)
前記化合物が、タンパク質またはペプチドを含む、項目231から291のいずれか一項に記載の細胞。
(項目299)
前記化合物が、ヌクレアーゼ、TALENタンパク質、ジンクフィンガーヌクレアーゼ、メガヌクレアーゼ、CREリコンビナーゼ、FLPリコンビナーゼ、Rリコンビナーゼ、インテグラーゼ、またはトランスポザーゼを含む、項目231から291または298のいずれか一項に記載の細胞。
(項目300)
前記化合物が、抗体である、項目231から291または298のいずれか一項に記載の細胞。
(項目301)
前記化合物が、転写因子である、項目231から291または298のいずれか一項に記載の細胞。
(項目302)
前記化合物が、小分子である、項目231から291のいずれか一項に記載の細胞。
(項目303)
前記化合物が、ナノ粒子である、項目231から291のいずれか一項に記載の細胞。
(項目304)
前記化合物が、キメラ抗原受容体である、項目231から291のいずれか一項に記載の細胞。
(項目305)
前記化合物が、蛍光によりタグ付けされた分子である、項目231から304のいずれか一項に記載の細胞。
(項目306)
前記化合物が、リポソームである、項目231から291のいずれか一項に記載の細胞。
(項目307)
前記細胞が、前記細孔を通って通過する前、それと同時またはその後に、前記化合物と接触する、項目231から306のいずれか一項に記載の細胞。
(項目308)
送達される前記化合物が、前記表面に被覆されている、項目231から306のいずれか一項に記載の細胞。
(項目309)
前記細胞が、0℃から45℃の間で前記細孔を通って通過する、項目231から308のいずれか一項に記載の細胞。
(項目310)
前記細胞が、正圧または負圧により前記細孔を通って通過する、項目231から309のいずれか一項に記載の細胞。
(項目311)
前記細胞が、定圧または可変圧により前記細孔を通って通過する、項目231から310のいずれか一項に記載の細胞。
(項目312)
圧力が、注射器を使用して印加される、項目231から311のいずれか一項に記載の細胞。
(項目313)
圧力が、ポンプを使用して印加される、項目231から311のいずれか一項に記載の細胞。
(項目314)
圧力が、減圧を使用して印加される、項目231から311のいずれか一項に記載の細胞。
(項目315)
前記細胞が、毛細管圧により前記細孔を通って通過する、項目231から311のいずれか一項に記載の細胞。
(項目316)
前記細胞が、血圧により前記細孔を通って通過する、項目231から311のいずれか一項に記載の細胞。
(項目317)
前記細胞が、g-力により前記細孔を通って通過する、項目231から311のいずれか一項に記載の細胞。
(項目318)
前記細胞が、約0.05psiから約500psiの範囲の圧力下で前記細孔を通って通過する、項目231から317のいずれか一項に記載の細胞。
(項目319)
前記細胞が、約2psiの圧力下で前記細孔を通って通過する、項目231から318のいずれか一項に記載の細胞。
(項目320)
前記細胞が、約2.5psiの圧力下で前記細孔を通って通過する、項目231から318のいずれか一項に記載の細胞。
(項目321)
前記細胞が、約3psiの圧力下で前記細孔を通って通過する、項目231から318のいずれか一項に記載の細胞。
(項目322)
前記細胞が、約5psiの圧力下で前記細孔を通って通過する、項目231から318のいずれか一項に記載の細胞。
(項目323)
前記細胞が、約10psiの圧力下で前記細孔を通って通過する、項目231から318のいずれか一項に記載の細胞。
(項目324)
前記細胞が、約20psiの圧力下で前記細孔を通って通過する、項目231から318のいずれか一項に記載の細胞。
(項目325)
流体の流れにより前記細胞を前記細孔中に通過させる、項目231から324のいずれか一項に記載の細胞。
(項目326)
前記細胞が前記細孔を通って通過する前、前記流体の流れが、乱流である、項目325に記載の細胞。
(項目327)
前記細孔中を通る前記流体の流れが、層流である、項目325に記載の細胞。
(項目328)
前記細胞が前記細孔を通って通過した後、前記流体の流れが、乱流である、項目325に記載の細胞。
(項目329)
前記細胞が、約0.1mm/秒から約20m/秒の範囲の速度で前記細孔を通って通過する、項目231から328のいずれか一項に記載の細胞。
(項目330)
前記表面が、より大きなモジュール内に含有されている、項目231から329のいずれか一項に記載の細胞。
(項目331)
前記表面が、注射器内に含有されている、項目231から330のいずれか一項に記載の細胞。
(項目332)
前記細胞が、水溶液を含む細胞懸濁液中にある、項目231から331のいずれか一
項に記載の細胞。
(項目333)
前記水溶液が、細胞培養培地、PBS、塩、糖、増殖因子、動物由来産物、増量材、界面活性剤、潤滑剤、ビタミン、タンパク質、キレート剤、および/またはアクチン重合に影響を与える薬剤を含む、項目332に記載の細胞。
(項目334)
前記アクチン重合に影響を与える薬剤が、ラトランクリンA、サイトカラシン、および/またはコルヒチンである、項目333に記載の細胞。
(項目335)
前記細胞培養培地が、DMEM、OptiMEM、IMDM、RPMI、またはX-VIVOである、項目333に記載の細胞。
(項目336)
前記細胞が、前記表面に近接する少なくとも1つの電極により発生する電界を通ってさらに通過した、項目231から335のいずれか一項に記載の細胞。
以下の図面は本明細書の一部を形成し、本開示のある特定の態様をさらに実証するために含まれる。本開示は、本明細書に提示される具体的な実施形態の詳細な記載と一緒にこれらの図面の1つまたは複数を参照することによってより深く理解することができる。
図1Aは、記載した実施例で使用するための例示的なポリカーボネートフィルターの写真を示す。図1Bは、例示的なポリカーボネートフィルター細孔の写真を示す。
図2A~Gは、8μm、10μm、12μmまたは14μmサイズのフィルターの細孔を通した、3kDa PacBlueおよび10kDa Alexa488デキストラン粒子のHeLa細胞(細胞2×10個/mL)への低圧(5psi、10psiまたは20psi)での送達を実証する、例示的なFACSプロットを示す。図2A~Cは、5psiの圧力の下で14μm(図2A)、12μm(図2B)および10μm(図2C)サイズのフィルターの細孔を通過した細胞を表す。図2EとGは、10psi(図2E)および20psi(図2G)の圧力の下で12μmのフィルター細孔を通過した細胞を表す。図2DとFは、エンドサイトーシス対照(図2D)および陰性対照(図2F)のプロットを表す。 図2A~Gは、8μm、10μm、12μmまたは14μmサイズのフィルターの細孔を通した、3kDa PacBlueおよび10kDa Alexa488デキストラン粒子のHeLa細胞(細胞2×10個/mL)への低圧(5psi、10psiまたは20psi)での送達を実証する、例示的なFACSプロットを示す。図2A~Cは、5psiの圧力の下で14μm(図2A)、12μm(図2B)および10μm(図2C)サイズのフィルターの細孔を通過した細胞を表す。図2EとGは、10psi(図2E)および20psi(図2G)の圧力の下で12μmのフィルター細孔を通過した細胞を表す。図2DとFは、エンドサイトーシス対照(図2D)および陰性対照(図2F)のプロットを表す。 図2A~Gは、8μm、10μm、12μmまたは14μmサイズのフィルターの細孔を通した、3kDa PacBlueおよび10kDa Alexa488デキストラン粒子のHeLa細胞(細胞2×10個/mL)への低圧(5psi、10psiまたは20psi)での送達を実証する、例示的なFACSプロットを示す。図2A~Cは、5psiの圧力の下で14μm(図2A)、12μm(図2B)および10μm(図2C)サイズのフィルターの細孔を通過した細胞を表す。図2EとGは、10psi(図2E)および20psi(図2G)の圧力の下で12μmのフィルター細孔を通過した細胞を表す。図2DとFは、エンドサイトーシス対照(図2D)および陰性対照(図2F)のプロットを表す。 図2A~Gは、8μm、10μm、12μmまたは14μmサイズのフィルターの細孔を通した、3kDa PacBlueおよび10kDa Alexa488デキストラン粒子のHeLa細胞(細胞2×10個/mL)への低圧(5psi、10psiまたは20psi)での送達を実証する、例示的なFACSプロットを示す。図2A~Cは、5psiの圧力の下で14μm(図2A)、12μm(図2B)および10μm(図2C)サイズのフィルターの細孔を通過した細胞を表す。図2EとGは、10psi(図2E)および20psi(図2G)の圧力の下で12μmのフィルター細孔を通過した細胞を表す。図2DとFは、エンドサイトーシス対照(図2D)および陰性対照(図2F)のプロットを表す。
図3Aおよび3Bは、5μmサイズのフィルターの細孔を通しての、3kDa PacBlueおよび10kDa Alexa488デキストラン粒子の新たに単離したヒトT細胞(細胞4×10個/mL)への、シリンジにより手動で(図3A)、または5psiの定圧の下で(図3B)加えられた圧による送達を実証するFACSプロットを示す。細胞生存頻度が示される。
図4は、市販(COTS)フィルターまたは特注のシリンジフィルターによって媒介された、HeLa細胞への3kDa PacBlueデキストラン粒子の送達後の送達効率および細胞生存度を示す。
図5AおよびBは、3psiでCOTS(図5A)または特注のシリンジフィルター(図5B)によって媒介された、HeLa細胞への3kDa PacBlueデキストラン粒子の送達の平均蛍光強度(MFI)値を実証する、代表的フローサイトメトリーヒストグラムプロットを示す。 図5Cは、2psiおよび3psiでの、COTSまたは特注のシリンジフィルターによって媒介された、HeLa細胞への3kDa PacBlueデキストラン粒子の送達の平均相対平均蛍光強度(rMFI)値を示す。
図6は、2psi、2.5psiおよび3psiでCOTSフィルターによって媒介された、HeLa細胞への3kDa PacBlueデキストラン粒子およびEGFP mRNAの送達後の送達効率、細胞生存度およびrMFI値を示す。
図7AおよびBは、エンドサイトーシス対照と比較して、ヒトRBCへのIgG抗体(図7A)およびデキストラン粒子(図7B)の圧縮媒介送達(SQZ)後の蛍光を表す例示的なフローサイトメトリーヒストグラムプロットを示す。
図8Aは、ヒトRBCへのIgG抗体およびデキストラン粒子の圧縮媒介送達後の送達効率を示す。図8Bは、ヒトRBCへのIgG抗体およびデキストラン粒子の圧縮媒介送達後の推定細胞生存度を示す。
図9Aは、マウスRBCへのIgG抗体の圧縮媒介送達後の蛍光を表す例示的なフローサイトメトリーヒストグラムプロットを示す。 図9Bは、マウスRBCへのIgG抗体の圧縮媒介送達後の推定細胞生存度を示す。図9Cは、マウスRBCへのIgG抗体の圧縮媒介送達後の送達効率を示す。
図10A~Iは、エンドサイトーシス(図10A)、陰性対照(図10B)および無物質対照(図10C)と比較した、2psi(図10D)、4psi(図10E)、6psi(図10F)、10psi(図10G)、20psi(図10H)の下での、または手動でのシリンジ加圧(図10I)を使用した、マウスRBCへのデキストラン粒子の送達を実証する例示的なFACSプロットを示す。 図10A~Iは、エンドサイトーシス(図10A)、陰性対照(図10B)および無物質対照(図10C)と比較した、2psi(図10D)、4psi(図10E)、6psi(図10F)、10psi(図10G)、20psi(図10H)の下での、または手動でのシリンジ加圧(図10I)を使用した、マウスRBCへのデキストラン粒子の送達を実証する例示的なFACSプロットを示す。 図10A~Iは、エンドサイトーシス(図10A)、陰性対照(図10B)および無物質対照(図10C)と比較した、2psi(図10D)、4psi(図10E)、6psi(図10F)、10psi(図10G)、20psi(図10H)の下での、または手動でのシリンジ加圧(図10I)を使用した、マウスRBCへのデキストラン粒子の送達を実証する例示的なFACSプロットを示す。
図11Aは、マウスRBCへのデキストラン粒子の圧縮媒介送達後の推定細胞生存度を示す。 図11Bは、マウスRBCへのIgG抗体またはデキストラン粒子の圧縮媒介送達後の送達効率を示す。図11Cは、マウスRBCへのIgG抗体またはデキストラン粒子の圧縮媒介送達後の幾何学的平均蛍光を示す。
図12Aは、マウスRBCへのデキストラン粒子の圧縮媒介送達後の蛍光を表す例示的なフローサイトメトリーヒストグラムプロットを示す。図12Bは、マウスRBCへのデキストラン粒子の圧縮媒介送達後の推定細胞生存度を示す。 図12Cは、マウスRBCへのデキストラン粒子の圧縮媒介送達後の送達効率を示す。図12Dは、マウスRBCへのデキストラン粒子の圧縮媒介送達後の幾何学的平均蛍光を示す。
図13Aは、HeLa細胞へのデキストラン粒子のマイクロシーブ媒介送達後の細胞生存度を示す。図13Bは、HeLa細胞へのデキストラン粒子のマイクロシーブ媒介送達後の送達効率を示す。 図13Cおよび図13Dは、AQUAMARIJNマイクロシーブ(図13C)またはSTERLITECH(商標)マイクロシーブ(図13D)を使用した、HeLa細胞へのデキストラン粒子の圧縮媒介送達後の蛍光を表す例示的なフローサイトメトリーヒストグラムプロットを示す。
図14Aは、T細胞へのデキストラン粒子のマイクロシーブ媒介送達後の細胞生存度および送達効率を示す。 図14Bは、AQUAMARIJNマイクロシーブを使用した、T細胞へのデキストラン粒子の圧縮媒介送達後の蛍光を表す例示的なフローサイトメトリーヒストグラムプロットを示す。
詳細な説明
本明細書に記載される開示のある特定の態様は、細孔を含有する表面を通って細胞懸濁液を通過させることにより化合物の細胞内送達が達成できるという驚くべき発見に基づいている。本開示のある特定の態様は、細孔を含有する表面を通って細胞懸濁液を通過させるステップを含む、化合物を細胞内に送達するための方法であって、前記細孔が細胞を変形させそれによって化合物が細胞に入るように細胞の摂動を生じ、前記細胞懸濁液が化合物と接触する方法に関する。本開示のある特定の態様は、細孔を含有する表面を含む、化合物を細胞内に送達するためのデバイスであって、前記細孔は溶液に懸濁された細胞が中を通過できるように構成され、前記細孔が細胞を変形させそれによって化合物が細胞に入るように細胞の摂動が生じるデバイスに関する。一部の実施形態では、表面はフィルターである。一部の実施形態では、表面は膜である。一部の実施形態では、表面はマイクロシーブである。
I.一般的技法
本明細書に記載されるまたは参照される技法および手順は、例えば、Molecular Cloning: A Laboratory Manual(Sambrookら、第4版、Cold Spring Harbor Laboratory Press、Cold Spring Harbor、N.Y.、2012年);Current Protocols in Molecular Biology(DOI: 10.1002/0471142727);the series Methods in Enzymology(Academic Press, Inc.);PCR 2:A Practical Approach(M.J. MacPherson、B.D. HamesおよびG.R. Taylor編、1995年);Antibodies、A Laboratory Manual(E. A. Greenfield編、2013年);Culture of Animal Cells:A Manual of Basic Technique and Specialized Applications(R.I. Freshney、第6版、J. Wiley and Sons、2010年);Oligonucleotides and Analogues(F. Eckstein編、1992年);Methods in Molecular Biology、Humana Press;Cell Biology:A Laboratory Handbook (J.E. Celis編、Academic Press、2005年);Introduction to Cell and Tissue Culture (J.P. MatherおよびP.E. Roberts、Springer、2013年);Cell and Tissue Culture: Laboratory Procedures(A. Doyle、J.B. Griffiths、およびD.G. Newell編、J. Wiley and Sons、1993~8年);Handbook of Experimental Immunology(D.M. WeirおよびC.C. Blackwell編、1996年);Gene Transfer Vectors for Mammalian Cells(J.M. MillerおよびM.P. Calos編、1987年);PCR:The Polymerase Chain Reaction、(Mullisら編、1994年);Current Protocols in Immunology(DOI:10.1002/0471142735);Short Protocols in Molecular Biology(Ausubelら編、J. Wiley and Sons、2002年);Janeway' s Immunobiology(K. MurphyおよびC. Weaver、Garland Science、2016年);Antibodies(P. Finch、1997年);Antibodies:A Practical Approach(D. Catty.編、IRL Press、1988~1989年);Monoclonal Antibodies:A Practical Approach(P. ShepherdおよびC. Dean編、Oxford University Press、2000年);Using Antibodies:A Laboratory Manual(E. HarlowおよびD. Lane、Cold Spring Harbor Laboratory Press、1999年);Making and Using Antibodies:A Practical Handbook(G.C. HowardおよびM.R. Kaser編、CRC Press、2013年);The Antibodies 1~7巻(M. ZanettiおよびJ. D. Capra編、Harwood Academic Publishers、1995~2007年);およびCancer: Principles and Practice of Oncology (V.T. DeVitaら編、J.B. Lippincott Company、2011年)に記載されて広く利用されている方法論など、当業者により一般によく理解され、従来の方法論を使用して通常用いられている。
II.定義
本明細書を説明する目的で、以下の定義が適用され、適切な場合はいつでも、単数形で使用される用語は複数形も含み、逆の場合も同じである。下に記載されるいかなる定義も参照により本明細書に組み込まれているいずれの文書とも相容れない事象では、記載される定義が支配する。
本明細書で使用されているように、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「その(the)」は、特に示されない限り、複数の参照を含む。
本明細書に記載される開示の態様および実施形態は、態様および実施形態を「含む」、「からなる」、および「から本質的になる」を含むことが理解される。
本明細書に記載される全ての組成物、および本明細書に記載される組成物を使用する全ての方法では、組成物は列挙された成分もしくはステップを含むことができる、または列挙された成分もしくはステップ「から本質的になる」ことができる、のいずれかである。組成物が列挙された成分「から本質的になる」と記載されている場合は、組成物は列挙された成分を含有しており、開示された方法に実質的に影響を与えない他の成分を含有していてもよいが、明白に列挙されている成分以外の開示された方法に実質的に影響を与える他のいかなる成分も含有しない;または、組成物が開示された方法に実質的に影響を与える列挙された成分以外の余分な成分を確かに含有する場合は、組成物は開示された方法に実質的に影響を与えるほど十分な濃度または量の余分な成分を含有しない。方法が列挙されたステップ「から本質的になる」と記載されている場合は、方法は列挙されたステップを含有しており、開示された方法に実質的に影響を与えない他のステップを含有していてもよいが、方法は明白に列挙されているステップ以外の開示された方法に実質的に影響を与える他のいかなるステップも含有しない。非限定的具体例として、組成物が成分「から本質的になる」と記載されている場合は、組成物は任意の量の薬学的に許容される担体、ビヒクル、または希釈剤および開示された方法に実質的に影響を与えないような他の成分をさらに含有していてもよい。
本明細書で使用される用語「約」とは、本技術分野の当業者に容易に理解されるそれぞれの値の通常の誤差範囲のことである。本明細書での「約」値またはパラメータへの言及は、その値またはパラメータそれ自体に向けられている実施形態を含む(および記載する)。
本明細書で使用される用語「細孔」とは、材料内の穴、裂け目、空洞、隙間、割れ目、間隙、または穿孔を限定せずに含むが、これらに限定されない開口のことである。一部の例では、(示されている場合)この用語は本開示の表面内の細孔のことである。他の例では、(示されている場合)細孔とは細胞膜中の細孔を指すことができる。
本明細書で使用される用語「膜」とは、細孔を含有する選択性の障壁またはシートのことである。この用語は、境界または裏打ちの機能を果たす柔軟なシート様構造体を含む。一部の例では、この用語は細孔を含有する表面またはフィルターのことである。この用語は用語「細胞膜」とははっきり異なっている。
本明細書で使用される用語「フィルター」とは、細孔中の選択的通過を可能にする多孔質物品のことである。一部の例では、この用語は細孔を含有する表面または膜のことである。
本明細書で使用される用語「不均質な」とは、構造または組成において混合されているまたは均一ではない物について言及する。一部の例では、この用語は所与の表面内で変化に富んだサイズ、形状または分布を有する細孔のことを指す。
本明細書で使用される用語「均質な」とは、構造または組成が全体にわたって一貫しているまたは均一である物について言及する。一部の例では、この用語は所与の表面内で一貫したサイズ、形状または分布を有する細孔のことを指す。
本明細書で使用される用語「異種の」とは、異なる生物に由来する分子について言及する。一部の例では、この用語は、所与の生物内では通常見出されないし、発現もされない核酸またはタンパク質について言及する。
本明細書で使用される用語「相同の」とは、同じ生物に由来する分子について言及する。一部の例では、この用語は、所与の生物内で通常見出されるまたは発現される核酸またはタンパク質について言及する。
本明細書で使用される用語「ポリヌクレオチド」または「核酸」とは、任意の長さのヌクレオチドのポリマー形態、リボヌクレオチドまたはデオキシリボヌクレオチドのいずれかのことである。したがって、この用語は、一本、二本もしくは多鎖DNAもしくはRNA、ゲノムDNA、cDNA、DNA-RNAハイブリッド、またはプリンおよびピリミジン塩基を含むポリマー、または他の天然の、化学的にもしくは生化学的に改変された、非天然、もしくは誘導体化ヌクレオチド塩基を含むが、これらに限定されない。ポリヌクレオチドの骨格は糖およびリン酸基(典型的にはRNAまたはDNAに見出されることがある)、または改変されたもしくは置換された糖もしくはリン酸基を含むことができる。代わりに、ポリヌクレオチドの骨格は、ホスホロアミド酸などの合成サブユニットのポリマーを含むことができ、したがってオリゴデオキシヌクレオシドホスホロアミド酸(P-NH2)または混合ホスホロアミド酸-リン酸ジエステルオリゴマーであり得る。さらに、二本鎖ポリヌクレオチドは、相補鎖を合成して適切な条件下で鎖をアニーリングすることにより、またはDNAポリメラーゼを適切なプライマーと一緒に使用して相補鎖を新規に合成することにより、化学合成の一本鎖ポリヌクレオチド産物から得ることができる。
用語「ポリペプチド」と「タンパク質」は互換的に使用されて、アミノ酸残基のポリマーのことを指し、最小長に限定されない。そのようなアミノ酸残基のポリマーは天然のまたは非天然のアミノ酸残基を含有することがあり、ペプチド、オリゴペプチド、アミノ酸残基の二量体、三量体、および多量体を含むが、これらに限定されない。完全長タンパク質とその断片の両方が定義により包含される。この用語は、ポリペプチドの発現後修飾、例えば、グリコシル化、シアリル化、アセチル化、リン酸化、および同類の物も含む。さらに、本発明の目的のため、「ポリペプチド」は、タンパク質が所望の活性を維持している限り、天然の配列への欠失、付加、および置換(一般に天然では保存的)などの改変を含むタンパク質のことである。これらの改変は、部位特異的突然変異誘発を通じてのような意図的であってもよく、またはタンパク質を産生する宿主の突然変異またはPCR増幅に起因するエラーを通じてなどの偶発的でもよい。
本明細書に記載される構造的特徴および機能的特徴のいずれでも、これらの特徴を決定する方法は当技術分野では公知である。
III.細孔を有する表面
ある特定の態様では、本開示は、細孔を含有する表面を通って細胞懸濁液を通過させるステップを含む、化合物を細胞内に送達するための方法であって、細孔が細胞を変形して細胞の摂動が生じ、例えば、懸濁液中の細胞が細孔を通過する前に、その間にまたはその後で細胞懸濁液を化合物に接触させ、化合物が細胞に入る方法に関する。本明細書で開示される表面はいくつかの材料のうちのいずれか1つで作製され、いくつかの形態のうちのいずれか1つを取ることができる。一部の実施形態では、表面は膜である。一部の実施形態では、表面はフィルターである。フィルターおよび膜は通常、物質を溶液から分離し、それにより被保持物を得るのに使用される。表面がフィルターまたは膜である実施形態では、フィルターまたは膜は、細胞懸濁液をフィルターまたは膜細孔に通し、それによって化合物が細胞に入るように細胞の摂動を生じることにより化合物を細胞内に送達するために代替的に使用される。一部の実施形態では、表面はSTERLITECH(商標)ポリカーボネートフィルター(PCT8013100)である。一部の実施形態では、フィルターは接線流フィルターである。一部の実施形態では、表面はスポンジまたはスポンジ様マトリックスである。一部の実施形態では、表面はマトリックスである。一部の実施形態では、表面はマイクロシーブである。一部の実施形態では、表面は網ではない。
一部の実施形態では、表面は蛇行する経路の表面である。一部の実施形態では、蛇行する経路の表面は酢酸セルロースを含む。一部の実施形態では、表面は、合成または天然のポリマー、ポリカーボネート、シリコン、ガラス、金属、合金、ニトロセルロース、銀、酢酸セルロース、ナイロン、ポリエステル、ポリエーテルスルホン、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリプロピレン、PVDF、ポリテトラフルオロエチレン、混合セルロースエステル、磁器、グラファイト、およびセラミックから選択される材料を含むが、これらに限定されない。
本開示の表面は、エッチング、トラックエッチング、リソグラフィー、レーザーアブレーション、インジェクション成形、スタンピング、微細孔パンチング、ポリマースポンジ、直接発泡成形、押出成形およびホットエンボス加工を含むが、これらに限定されない、当技術分野で公知の任意の技法を使用して製造してもよい。エッチングは、強酸などの化学物質を使用して所望のパターンで金属表面に切込みを入れる工程を含む。トラックエッチングされた膜は、固体フィルムに粒子を放射してフィルム中に損傷を受けた物質のトラックを形成させることにより形成される。次にフィルムは化学薬剤に晒されて、損傷を受けたトラックは選択的にエッチングされてフィルム中に穿孔が作られる。細孔の横断面の幅はフィルム上でのエッチング液のインキュベーション時間により制御できる。リソグラフィーは、マイクロリソグラフィー、ナノリソグラフィー、およびx線リソグラフィーを含むことができる。リソグラフィーでは、リソグラフィー装置は、所望のパターンを基材の標的部分上につける。例えば、x線リソグラフィーでは、x線を使用してパターンをマスクから所望の基材上の光感応化学フォトレジストに移す。フォトリソグラフィーでは、光を使用して所望のパターンをフォトマスクから基材上の光感応フォトレジストに移す。それに続く化学的塗布を使用してフォトレジストの真下の基材材料にパターンを刻み込む。レーザーアブレーションは、レーザービームで照射することにより固体表面から物質を取り除く工程であり、インジェクション成形は所望の型に材料を注入することを含み、次に型では材料が冷えて所望の構造に硬化する。スタンピングおよび微細孔パンチング法は道具を利用して所望の形態を基材材料に切込みを入れるまたは刻印する。セラミックフィルター膜を生成するためには、ポリマースポンジ法は、ポリマースポンジをセラミックスラリーで飽和し、次にこれを焼き尽くして多孔質セラミックを残すことを含む。直接発泡成形法では、所望のセラミック成分および有機物質を含有する化学的混合物を処理してガスを放出する。次に、物質中に気泡を生成し、発泡させる。次に、得られた多孔質キメラ物質を乾燥させ、焼成した。蜂巣状または細胞構造を生成するためには、押出成形と呼ばれる塑性形成法が使用され、セラミック粉体プラス添加剤の混合物が成形ダイを通して押し出される。ホットエンボス加工は、ポリマーの温度を、そのガラス遷移温度の直ぐ上まで上昇させることにより軟化させたポリマー中にパターンをスタンピングすることを含む。
一部の実施形態では、表面はナノ構造膜である。一部の実施形態では、相転移を使用してナノ構造膜を作製する。相転移法は、気相からの沈降、乾湿相反転、および熱誘導相分離を含むが、これらに限定されない。気相からの沈降法では、ポリマーと溶剤で構成されるキャストポリマー溶液は溶剤蒸気で飽和された非溶剤蒸気環境に導入される。飽和溶剤蒸気はフィルムからの溶剤の蒸発を抑制する。非溶剤分子はそれに続いてフィルム中に拡散し、ポリマーの硬化をもたらす。乾湿相反転法では、ポリマーと溶剤で構成されるポリマー溶液が調製される。溶液は適切な表面にキャスティングされ、溶剤の部分的蒸発後、キャストフィルムはゼラチンに浸漬される。次に、非溶剤は薄い固体層を通ってポリマー溶液フィルム中に拡散し、溶剤は外に拡散して多孔質膜を作り出す。熱誘導相分離法では、ポリマーは溶剤と高温で混合されて、ポリマー溶液はフィルムにキャスティングされる。溶液は、冷めると、溶解力がなくなるために非混和性領域に入り込む。
一部の実施形態では、表面はブロック共重合体である。ブロック共重合体は、共有結合で連結された異なる重合単量体の2つまたはそれよりも多いブロックで構成されている。ブロック共重合体成分は、ミクロ相分離して周期的なナノ構造を形成することができる。この工程では、ブロック間の不適合のためにブロック共重合体は相分離を受け、ナノメートルサイズの構造体を作り出す。
一部の実施形態では、表面はマイクロシーブである。一部の例では、マイクロシーブは細胞分離、CTC単離または液滴乳化技法において使用される。一部の実施形態では、マイクロシーブの細孔は、シリコン支持体のあるセラミック基材上でフォトリソグラフィーにより作製される。一部の実施形態では、マイクロシーブはポリカーボネートで作られる。マイクロシーブはAquamarijnまたはSterlitechから入手可能である。一部の実施形態では、マイクロシーブは約4μmから約10μmの範囲の細孔サイズを有する。一部の実施形態では、マイクロシーブは約5%、8%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%のいずれかよりも大きい、または約50%よりも大きい多孔度を有する。
本明細書で開示される表面は当技術分野で公知のいかなる形状、例えば、3次元形状を有することができる。表面の2次元形状は、環状、楕円形、円形、四角形、星形、三角形、多角形、五角形、六角形、七角形、または八角形が可能であるが、これらに限定されない。一部の実施形態では、表面は円形の形状をしている。一部の実施形態では、表面3次元形状は円柱形、円錐形、または立方形である。
用語「細孔サイズ」および「細孔横断面の幅」は互換的に使用され、本明細書で使用されているように、細孔を横切る最小の横断面の幅のことである。一部の実施形態では、細孔は環状またはほぼ環状であり、細孔サイズまたは細孔横断面の幅。一部の実施形態では、細孔は多角形の形状をしており(例えば、四角形、矩形、五角形、六角形、等)、細孔サイズまたは細孔横断面の幅は多角形の最小幅である。当業者であれば、三角形の細孔は幅がないことがあるが、むしろ底辺と高さの点から記載されることは理解されると考えられる。一部の実施形態では、三角形の細孔の細孔サイズまたは細孔横断面の幅は三角形の最小の高さ(底辺とその対頂角の間の最小の距離)である。
表面は種々の横断面の幅および厚さを有することができる。一部の実施形態では、表面横断面の幅は約1mmから約3mの間、またはそれらの間の任意の横断面の幅もしくは範囲の横断面の幅である。一部の実施形態では、表面横断面の幅は約1mmから約750mm、約1mmから約500mm、約1mmから約250mm、約1mmから約100mm、約1mmから約50mm、約1mmから約25mm、約1mmから約10mm、約1mmから約5mm、または約1mmから約2.5mmのうちのいずれか1つの間である。一部の実施形態では、表面横断面の幅は約5mmから約1m、約10mmから約1m、約25mmから約1m、約50mmから約1m、約100mmから約1m、約250mmから約1m、約500mmから約1m、または約750mmから約1mのうちのいずれか1つの間である。
一部の実施形態では、表面は既定の厚さを有する。一部の実施形態では、表面の厚さは均一である。一部の実施形態では、表面の厚さは不定である。例えば、一部の実施形態では、表面の部分は表面の他の部分よりも厚いまたは薄い。一部の実施形態では、表面の厚さは約1から90%またはそれらの間の任意のパーセントもしくは範囲のパーセントで変動する。一部の実施形態では、表面の厚さは約1%から約90%、約1%から約80%、約1%から約70%、約1%から約60%、約1%から約50%、約1%から約40%、約1%から約30%、約1%から約20%、約1%から約10%、または約1%から約5%のうちのいずれか1つで変動する。一部の実施形態では、表面の厚さは約5%から約90%、約10%から約90%、約20%から約90%、約30%から約90%、約40%から約90%、約50%から約90%、約60%から約90%、約70%から約90%、または約80%から約90%のうちのいずれか1つで変動する。一部の実施形態では、表面は約0.01μmから約5mmの厚さの間、またはそれらの間の任意の厚さもしくは範囲の厚さである。一部の実施形態では、表面は、約0.01μmから約5mm、約0.01μmから約2.5mm、約0.01μmから約1mm、約0.01μmから約750μm、約0.01μmから約500μm、約0.01μmから約250μm、約0.01μmから約100μm、約0.01μmから約90μm、約0.01μmから約80μm、約0.01μmから約70μm、約0.01μmから約60μm、約0.01μmから約50μm、約0.01μmから約40μm、約0.01μmから約30μm、約0.01umから約20μm、約0.01μmから約10μm、約0.01μmから約5μm、約0.01μmから約1μm、約0.01μmから約0.5μm、約0.01μmから約0.1μm、または約0.01μmから約0.05μmの厚さの間である。一部の実施形態では、表面は、約0.01μmから約5mm、約0.05μmから約5mm、約0.1μmから約5mm、約0.5μmから約5mm、約1μmから約5mm、約5μmから約5mm、約10μmから約5mm、約20umから約5mm、約30μmから約5mm、約40μmから約5mm、約50μmから約5mm、約60μmから約5mm、約70μmから約5mm、約80μmから約5mm、約90μmから約5mm、約100μmから約5mm、約250μmから約5mm、約500μmから約5mm、約750μmから約5mm、約1mmから約5mm、または約2.5mmから約5mmの厚さの間である。一部の実施形態では、表面は、約10μmの厚さである。
一部の実施形態では、表面を通過する流速は約0.001mL/cm/秒から約100L/cm/秒の間またはそれらの間の任意の速度もしくは範囲の速度である。一部の実施形態では、流速は、約0.001mL/cm/秒から約75L/cm/秒、約0.001mL/cm/秒から約50L/cm/秒、約0.001mL/cm/秒から約25L/cm/秒、約0.001mL/cm/秒から約10L/cm/秒、約0.001mL/cm/秒から約7.5L/cm/秒、約0.001mL/cm/秒から約5.0L/cm/秒、約0.001mL/cm/秒から約2.5L/cm/秒、約0.001mL/cm/秒から約1L/cm/秒、約0.001mL/cm/秒から約0.1L/cm/秒、約0.001mL/cm/秒から約75mL/cm/秒、約0.001mL/cm/秒から約50mL/cm/秒、約0.001mL/cm/秒から約25mL/cm/秒、約0.001mL/cm/秒から約10mL/cm/秒、約0.001mL/cm/秒から約1mL/cm/秒、約0.001mL/cm/秒から約0.1mL/cm/秒、または約0.001mL/cm/秒から約0.01mL/cm/秒の間である。一部の実施形態では、流速は、約0.001mL/cm/秒から約100L/cm/秒、約0.01mL/cm/秒から約100L/cm/秒、約0.1mL/cm/秒から約100L/cm/秒、約1mL/cm/秒から約100L/cm/秒、約10mL/cm/秒から約100L/cm/秒、約50mL/cm/秒から約100L/cm/秒、約0.1L/cm/秒から約100L/cm/秒、約0.5L/cm/秒から約100L/cm/秒、約1L/cm/秒から約100L/cm/秒、約2.5L/cm/秒から約100L/cm/秒、約5L/cm/秒から約100L/cm/秒、約7.5L/cm/秒から約100L/cm/秒、約10L/cm/秒から約100L/cm/秒、約25L/cm/秒から約100L/cm/秒、約50L/cm/秒から約100L/cm/秒、または約75L/cm/秒から約100L/cm/秒の間である。
細孔の横断面の幅は処置される細胞の型に関係している。一部の実施形態では、細孔サイズは処置される細胞の直径と相関している。一部の実施形態では、細孔サイズは、細孔を通過すると細胞に摂動が与えられる程度のものである。一部の実施形態では、細孔サイズは細胞の直径未満である。一部の実施形態では、細孔サイズは細胞の直径の約20から90%である。一部の実施形態では、細孔サイズは細胞の直径の約20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%もしくは99%またはそれらの間の任意の値のうちのいずれか1つである。最適な細孔サイズは適用および/または細胞型に基づいて変動することができる。多くの細胞は直径が約5から15μmの間であり、例えば、樹状細胞は直径が7から8μmである。例えば、細孔の横断面の幅は単一細胞の処理のために約4.5、5、5.5、6または6.5μmのうちのいずれか未満である。別の例では、ヒト卵子の処理のための細孔の横断面の幅は約6.2μmから約8.4μmの間であるが、より大きいおよびより小さな細孔は可能である(ヒト卵細胞の直径はおよそ120μmである)。一部の実施形態では、細胞のクラスターが細孔を通過したときに破壊されないとすれば、細胞のクラスター(例えば、胚)は約12μmから約17μmの間の細孔横断面の幅を使用して処理される。一部の実施形態では、細孔横断面の幅は約0.01μmから約300μmまたはそれらの間の任意のサイズもしくは範囲のサイズである。一部の実施形態では、細孔横断面の幅のサイズは、約0.01μmから約250μm、約0.01μmから約200μm、約0.01μmから約150μm、約0.01μmから約100μm、約0.01μmから約50μm、または約0.01μmから約25μmの範囲にある。一部の実施形態では、細孔横断面の幅は、約1μmから約300μm、約25μmから約300μm、約50μmから約300μm、約100μmから約300μm、約150μmから約300μm、約200μmから約300μmまたは約250μmから約300μmの範囲である。一部の実施形態では、細孔横断面の幅は、約0.01から約35μmの範囲である。一部の実施形態では、細孔横断面の幅は約0.4μm、約5μm、約10μm、約12μm、または約14μmのいずれかまたはそれ未満である。一部の実施形態では、細孔横断面の幅は少なくとも約1μm、2μm、3μm、4μm、または5μmである。一部の実施形態では、細孔横断面の幅は約200μmまたはそれ未満である。一部の実施形態では、細孔は所与の表面を横切る横断面の幅が不均質であるまたは横断面の幅が均質である。一部の実施形態では、不均質な細孔横断面の幅は、10から20%またはそれらの間の任意のパーセントもしくは範囲のパーセントで変動する。一部の実施形態では、細孔は細胞を細胞の直径の約5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%もしくは99%またはそれらの間の任意の値のうちのいずれか1つまで変形させる。一部の実施形態では、細胞のサイズは懸濁液中の細胞のサイズである。
一部の実施形態では、細孔の横断面積は細胞の横断面積と相関している。一部の実施形態では、細孔の2次元形状は環状、楕円形、円形、四角形、矩形、星形、三角形、多角形、五角形、六角形、七角形、または八角形であり、細孔の横断面積は細胞の横断面積と相関している。一部の実施形態では、細孔の横断面積は少なくとも約1μm、4μm、9μm、16μm、25μm、50μm、100μm、150μm、200μm、250μm、500μmまたは1000μmである。一部の実施形態では、細孔は所与の表面を横切る横断面積が不均質であるまたは横断面積が均質である。一部の実施形態では、不均質な細孔横断面積は、10から20%またはそれらの間の任意のパーセントもしくは範囲のパーセントで変動する。一部の実施形態では、細孔は細胞を細胞の横断面積の約5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%もしくは99%またはそれらの間の任意の値のうちのいずれか1つまで変形させる。一部の実施形態では、細胞のサイズは懸濁液中の細胞のサイズである。
細孔通路の入口および出口は種々の角度を有していてもよい。細孔角度は細胞が通過している間に細孔の目詰まりを最小化するように選択することができる。例えば、入口または出口部分の角度は約0から約90度の間で可能である。一部の実施形態では、細孔は同一の入口および出口角を有する。一部の実施形態では、細孔は異なる入口および出口角を有する。一部の実施形態では、細孔の縁は滑らか、例えば、円形または曲線状である。滑らかな細孔の縁は連続して、平坦で、平らな表面を有し、隆起、突起、またはでこぼこの部分がない。一部の実施形態では、細孔の縁は鋭い。鋭い細孔の縁は尖っているまたは急角度である薄い縁を有する。一部の実施形態では、細孔通路は真っ直ぐである。直線の細孔通路は、曲線、屈曲、角、または他の不規則なものを含有しない。一部の実施形態では、細孔通路は湾曲している。曲線状の細孔通路は湾曲しているまたは直線から逸脱している。一部の実施形態では、細孔通路は複数の曲線、例えば、約2、3、4、5、6、7、8、9、10またはそれよりも多い曲線を有する。
細孔は、2次元または3次元形状を含む、当技術分野で公知のいかなる形状を有することができる。細孔形状(例えば、横断面の形状)は、環状、楕円形、円形、矩形、四角形、星形、三角形、多角形、五角形、六角形、七角形、および八角形が可能であるが、これらに限定されない。一部の実施形態では、細孔の横断面は形状が円形である。一部の実施形態では、細孔の3次元形状は円柱形または円錐形である。一部の実施形態では、細孔は溝付きの入口および出口形状を有する。一部の実施形態では、細孔形状は所与の表面内の細孔間で均質(すなわち、一貫しているまたは規則的)である。一部の実施形態では、細孔形状は所与の表面内の細孔間で不均質である(すなわち、混成であるかまたは様々である)。
本明細書に記載される表面は一定範囲の全細孔数を有することができる。一部の実施形態では、細孔は全表面積の約10から80%を包含する。一部の実施形態では、表面は約1.0×10から約1.0×1030の全細孔またはそれらの間の任意の数もしくは範囲の数を含有する。例えば、表面は少なくとも約1.0×10、1.0×10、1.0×10、1.0×10、1.0×10、1.0×10、1.0×10、1.0×1010、1.0×1015、1.0×1020、1.0×1025、1.0×1030個のいずれかまたはそれよりも多くの全細孔を含有してもよい。一部の実施形態では、表面は表面積1mm当たり約10から約1.0×1015個の間の細孔を含む。例えば、表面は表面積1mm当たり約1.0×10から約1.0×1015、約1.0×10から約1.0×1015、約1.0×10から約1.0×1015、約1.0×10から約1.0×1015、約1.0×1010から約1.0×1015、約1.0×1012から約1.0×1015個の細孔を含有していてもよい。一部の実施形態では、表面は表面積1mm当たり約10から約1.0×1015、約10から約1.0×1012、約10から約1.0×1010、約10から約1.0×10、約10から約1.0×10、約10から約1.0×10、または約10から約1.0×10個の細孔を含有していてもよい。一部の実施形態では、半径13mmの表面は約6.0×10個の細孔を含む。
細孔は所与の表面内では多数の方法で分布させることができる。一部の実施形態では、細孔は所与の表面内では平行に分布している。一部の実施形態では、細孔を有する表面は互いの上に積み重なっている。1つのそのような例では、細孔は同じ方向に並んで分布しており、所与の表面内では同じ距離離れている。一部の実施形態では、細孔分布は規則正しいまたは均質である。1つのそのような例では、細孔は規則的、組織的パターンで分布している、または所与の表面内では同じ距離離れている。一部の実施形態では、細孔分布はランダムであるまたは不均質である。1つのそのような例では、細孔は不規則で無秩序なパターンで分布している、または所与の表面内では異なる距離離れている。一部の実施形態では、表面中の細孔は不規則なパターンで配置されている。一部の実施形態では、表面中の細孔はサイズが不均質である。一部の実施形態では、表面中の細孔は形状が不均質である。一部の実施形態では、表面中の細孔は不規則なパターンで配置され、サイズが不均質である。一部の実施形態では、表面中の細孔は不規則なパターンで配置され、形状が不均質である。一部の実施形態では、表面中の細孔はサイズが不均質であり、形状が不均質である。一部の実施形態では、表面中の細孔は不規則なパターンで配置され、サイズが不均質であり、形状が不均質である。
一部の実施形態では、複数の表面が直列に分布している。複数の表面は、表面サイズ、形状、および/または粗さが均質であるまたは不均質であり得る。複数の表面は、均質なまたは不均質な細孔サイズ、形状、および/または数を有する細孔をさらに含有することができ、それによって一定範囲の化合物の異なる細胞型への同時送達を可能にする。一部の実施形態では、複数の表面は積み重なっている。一部の実施形態では、細胞懸濁液は複数の表面を通過する。
一部の実施形態では、個々の細孔は均一な幅寸法(すなわち、細孔通路の長さに沿って一定の幅)を有する。一部の実施形態では、個々の細孔は可変幅(すなわち、細孔通路の長さに沿って増加するまたは減少する幅)を有する。一部の実施形態では、所与の表面内の細孔は同じ個々の細孔深度を有する。一部の実施形態では、所与の表面内の細孔は異なる個々の細孔深度を有する。一部の実施形態では、細孔は互いにすぐに隣接している。一部の実施形態では、細孔は距離により互いに分離されている。一部の実施形態では、細孔は約0.001μmから約30mmの距離もしくはそれらの間の任意の距離もしくは範囲の距離により互いに分離されている。例えば、細孔は、約0.001μmから30mm、約0.01μmから約30mm、約0.05μmから約30mm、約0.1μmから約30mm、約0.5μmから約30mm、約1μmから約30mm、約5μmから約30mm、約10μmから約30mm、約50μmから約30mm、約100μmから約30mm、約250μmから約30mm、約500μmから約30mm、約1mmから約30mm、約10mmから約30mm、または約20mmから約30mmのいずれか一つの間の距離により互いに分離されていてもよい。一部の実施形態では、細孔は、約0.001μmから0.01μm、約0.001μmから約0.05μm、約0.001μmから約0.1μm、約0.001μmから約0.5μm、約0.001μmから約1μm、約0.001μmから約5μm、約0.001μmから約10μm、約0.001μmから約50μm、約0.001μmから約100μm、約0.001μmから約250μm、約0.001μmから約500μm、約0.001μmから約1mm、約0.001μmから約10mm、または約0.001μmから約20mmのいずれか一つの間の距離により互いに分離されていてもよい。
一部の実施形態では、表面は材料で被覆されている。材料は、テフロン(登録商標)、接着性コーティング、界面活性剤、ヘパリン、EDTA、クエン酸塩、およびシュウ酸塩などの抗凝固剤、タンパク質、接着分子、抗体、細胞機能を調節する因子、核酸、脂質、炭水化物、脂質-炭水化物複合体などの複合体、または膜貫通タンパク質を含むが、これらに限定されない、当技術分野で公知のいかなる材料からも選択することができる。一部の実施形態では、表面はポリビニルピロリドンで被覆される。一部の実施形態では、材料は表面に共有結合している。一部の実施形態では、材料は表面に非共有結合している。一部の実施形態では、表面分子は細胞が細孔を通過するときに放出される。
一部の実施形態では、表面は改変された化学的特性を有する。一部の実施形態では、表面は親水性である。一部の実施形態では、表面は疎水性である。一部の実施形態では、表面は帯電している。一部の実施形態では、表面は正および/または負に帯電している。一部の実施形態では、表面は一部の領域では正に帯電しており、他の領域では負に帯電している。一部の実施形態では、表面は全体的に正または全体的負電荷を有する。一部の実施形態では、表面は滑面、電解研磨、粗面、またはプラズマ処理のうちのいずれか1つが可能である。一部の実施形態では、表面は双極イオンまたは双極子化合物を含む。
IV.細胞懸濁液
ある特定の態様では、本開示は細孔を含有する表面を通って細胞懸濁液を通過させることに関する。一部の実施形態では、細胞懸濁液は動物細胞を含む。一部の実施形態では、細胞懸濁液はカエル、ニワトリ、昆虫、または線虫細胞を含む。一部の実施形態では、細胞懸濁液は哺乳動物細胞を含む。一部の実施形態では、細胞はマウス、イヌ、ネコ、ウマ、ラット、ヤギまたはウサギ細胞である。一部の実施形態では、細胞はヒト細胞である。
一部の実施形態では、細胞懸濁液は細胞壁を含む細胞を含む。一部の実施形態では、細胞は植物、酵母、真菌、藻類、または細菌細胞である。一部の実施形態では、細胞は植物細胞である。一部の実施形態では、植物細胞は作物、モデル、観賞植物、野菜、マメ科、針葉樹、またはイネ科植物細胞である。一部の実施形態では、細胞は酵母細胞である。一部の実施形態では、酵母細胞はCandidaまたはSaccharomyces細胞である。一部の実施形態では、細胞は真菌細胞である。一部の実施形態では、真菌細胞はAspergillusまたはPenicillium細胞である。一部の実施形態では、細胞は藻類細胞である。一部の実施形態では、藻類細胞はChlamydomonas、Dunaliella、またはChlorella細胞である。一部の実施形態では、細胞懸濁液は細菌細胞を含む。一部の実施形態では、細菌細胞はグラム陽性菌細胞である。一部の実施形態では、グラム陽性菌は厚いペプチドグリカン層を含む細胞壁を有する。一部の実施形態では、細菌細胞はグラム陰性菌細胞である。グラム陰性菌は内部細胞質細胞膜と外膜の間に薄いペプチドグリカン層を含む細胞壁を有する。一部の実施形態では、細菌細胞はStreptococcus、Escherichia、Enterobacter、Bacillus、Pseudomonas、Klebsiella、またはSalmonella細胞である。
細胞懸濁液は混合されたまたは精製された細胞集団でもよい。一部の実施形態では、細胞懸濁液は、全血、リンパ液、および/または末梢血単核球(PBMC)などの混合された細胞集団である。一部の実施形態では、細胞懸濁液は精製された細胞集団である。一部の実施形態では、細胞は一次細胞または細胞株の細胞である。一部の実施形態では、細胞は血液細胞である。一部の実施形態では、血液細胞は免疫細胞である。一部の実施形態では、免疫細胞はリンパ細胞である。一部の実施形態では、免疫細胞はT細胞、B細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞、樹状細胞(DC)、NKT細胞、マスト細胞、単球、マクロファージ、好塩基球、好酸球、好中球、またはDC2.4樹状細胞である。一部の実施形態では、免疫細胞は一次ヒトT細胞である。一部の実施形態では、血液細胞は赤血球である。一部の実施形態では、細胞はがん細胞である。一部の実施形態では、がん細胞はHeLa細胞などのがん細胞株の細胞である。一部の実施形態では、がん細胞は腫瘍細胞である。一部の実施形態では、がん細胞は循環腫瘍細胞(CTC)である。一部の実施形態では、細胞は幹細胞である。例となる幹細胞は、誘導多能性幹細胞(iPSC)、胚性幹細胞(ESC)、肝幹細胞、心筋幹細胞、神経幹細胞、および造血幹細胞を含むが、これらに限定されない。一部の実施形態では、細胞は、一次線維芽細胞または新生児ヒト包皮線維芽細胞(Nuff細胞)などの線維芽細胞である。一部の実施形態では、細胞はHEK293細胞またはCHO細胞などの不死化細胞株の細胞である。一部の実施形態では、細胞は皮膚細胞である。一部の実施形態では、細胞は卵母細胞、卵細胞、または接合体などの生殖細胞である。一部の実施形態では、細胞は神経細胞である。一部の実施形態では、細胞のクラスターが細孔を通過するときに破壊されないとすれば、細胞は胚などの細胞のクラスターである。
細胞懸濁液の組成(例えば、モル浸透圧濃度、塩濃度、血清含有量、細胞濃度、pH、等)は化合物の送達に影響を与えることがある。一部の実施形態では、懸濁液は全血を含む。代わりに、細胞懸濁液は生理食塩水または血液以外の生理的媒体中の細胞の混合物である。一部の実施形態では、細胞懸濁液は水溶液を含む。一部の実施形態では、水溶液は細胞培養培地、PBS、塩、糖、増殖因子、動物由来産物、増量材、界面活性剤、潤滑剤、ビタミン、タンパク質、キレート剤、および/またはアクチン重合に影響を与える薬剤を含む。一部の実施形態では、細胞培養培地はDMEM、OptiMEM、IMDM、RPMI、またはX-VIVOである。さらに、溶液緩衝剤は、表面の目詰まりを減少するまたは取り除き細胞生存率を改善するように設計することができる1つまたは複数の潤滑剤(プルロニックまたは他の界面活性剤)を含むことができる。例となる界面活性剤は、ポロキサマー、ポリソルベート、マンニトールなどの糖、動物由来血清、およびアルブミンタンパク質を含むが、これらに限定されない。
ある種の細胞を用いた一部の構成では、細胞は、細胞の内部に化合物を送達するのに役立つ1つまたは複数の溶液でインキュベートすることができる。一部の実施形態では、水溶液はアクチン重合に影響を与える薬剤を含む。一部の実施形態では、アクチン重合に影響を与える薬剤は、ラトランクリンA、サイトカラシン、および/またはコルヒチンである。例えば、細胞は、送達に先立って1時間ラトランクリンA(Lantrunculin A)などの脱重合溶液(0.1μg/ml)でインキュベートしてアクチン細胞骨格を脱重合することができる。追加の例として、細胞は、送達に先立って2時間、10μMのコルヒチン(Sigma)でインキュベートして微小管ネットワークを脱重合することができる。
細胞懸濁液の粘度も本明細書に開示される方法に影響を与え得る。一部の実施形態では、細胞懸濁液の粘度は、約8.9×10-4Pa・秒から約4.0×10-3Pa・秒またはそれらの間の任意の値もしくは範囲の値に及ぶ。一部の実施形態では、粘度は約8.9×10-4Pa・秒から約4.0×10-3Pa・秒、約8.9×10-4Pa・秒から約3.0×10-3Pa・秒、約8.9×10-4Pa・秒から約2.0×10-3Pa・秒、または約8.9×10-3Pa・秒から約1.0×10-3Pa・秒のうちのいずれか1つの間の範囲である。一部の実施形態では、粘度は約0.89cPから約4.0cP、約0.89cPから約3.0cP、約0.89cPから約2.0cP、または約0.89cPから約1.0cPのうちのいずれか1つの間の範囲である。一部の実施形態では、細胞懸濁液の粘度が剪断歪みの条件下で減少する剪断減粘効果が観察される。粘度はガラス毛細管粘度計またはレオメータなどの粘度計を含むが、これらに限定されない、当技術分野で公知のいかなる方法でも測定することができる。粘度計は1つの流れ条件下で粘度を測定し、レオメータは流れ条件により変動する粘度を測定するのに使用される。一部の実施形態では、粘度は血液などの剪断減粘溶液について測定される。一部の実施形態では、粘度は約0℃から約45℃の間で測定される。例えば、粘度は室温(例えば、約20℃)、生理的温度(例えば、約37℃)、生理的温度よりも高い(例えば、約37℃よりも高く45℃またはそれよりも高い)、低下した温度(例えば、約0℃から約4℃まで)、またはこれらの例となる温度の間の温度で測定される。
V.送達する化合物
ある特定の態様では、本開示は化合物を細胞内に送達するための方法に関する。一部の実施形態では、化合物は単一化合物である。一部の実施形態では、化合物は化合物の混合物である。一部の実施形態では、化合物は核酸を含む。一部の実施形態では、化合物は核酸である。例となる核酸は、組換え核酸、DNA、組換えDNA、cDNA、ゲノムDNA、RNA、siRNA、mRNA、saRNA、miRNA、lncRNA、tRNA、shRNA、自己増殖mRNA、およびペプチド核酸を含むが、これらに限定されない。一部の実施形態では、核酸は細胞内の核酸に相同である。一部の実施形態では、核酸は細胞内の核酸とは異種である。一部の実施形態では、核酸はトランスポゾン、および、任意選択でトランスポザーゼをコードする配列を含む。一部の実施形態では、化合物はプラスミドである。一部の実施形態では、核酸は治療核酸である。一部の実施形態では、核酸は治療ポリペプチドをコードする。一部の実施形態では、核酸はレポーターまたは選択可能マーカーをコードする。例となるレポーターマーカーは、緑色蛍光タンパク質(GFP)、赤色蛍光タンパク質(RFP)、エクオリン(auquorin)、ベータガラクトシダーゼ、ウロポルフィリノーゲン(urogen)IIIメチルトランスフェラーゼ(UMT)、およびルシフェラーゼを含むが、これらに限定されない。例となる選択可能マーカーは、ブラストサイジン、G418/ジェネテシン、ハイグロマイシンB、ピューロマイシン、ゼオシン、アデニンホスホリボシルトランスフェラーゼ、およびチミジンキナーゼを含むが、これらに限定されない。
一部の実施形態では、化合物はタンパク質-核酸複合体を含む。一部の実施形態では、化合物はタンパク質-核酸複合体である。一部の実施形態では、クラスター化され規則的に間隔を置いた短い回文配列リピート(clustered regularly interspaced short palindromic repeat;CRISPR)-Cas9などのタンパク質-核酸複合体はゲノム編集応用において使用される。これらの複合体は配列特異的DNA結合ドメインを非特異的DNA切断ヌクレアーゼと組み合わせて含有している。これらの複合体は、特定の遺伝子の配列の付加、破壊、または交換を含む標的にされたゲノム編集を可能にする。一部の実施形態では、機能しないCRISPRを使用して標的遺伝子の転写を遮断するまたは誘導する。一部の実施形態では、化合物はCas9タンパク質およびガイドRNAまたはドナーDNAを含有する。一部の実施形態では、化合物はCas9タンパク質をコードする核酸およびガイドRNAまたはドナーDNAを含む。一部の実施形態では、化合物はトランスポザーゼタンパク質およびトランスポゾンを含む核酸を含む。
一部の実施形態では、化合物はタンパク質またはポリペプチドを含む。一部の実施形態では、化合物はタンパク質またはポリペプチドである。一部の実施形態では、タンパク質またはポリペプチドは治療タンパク質、抗体、融合タンパク質、抗原、合成タンパク質、レポーターマーカー、または選択可能マーカーである。一部の実施形態では、タンパク質は遺伝子編集タンパク質またはジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)、転写活性化因子様エフェクターヌクレアーゼ(TALEN)、メガヌクレアーゼ、CREリコンビナーゼ、FLPリコンビナーゼ、Rリコンビナーゼ、インテグラーゼ、またはトランスポザーゼなどのヌクレアーゼである。一部の実施形態では、融合タンパク質は、抗体薬物コンジュゲートなどのキメラタンパク質薬物またはGSTもしくはストレプトアビジンでタグ付けされたタンパク質などの組換え融合タンパク質を含むことができるが、これらに限定されない。一部の実施形態では、化合物は転写因子である。例となる転写因子は、Oct5、Sox2、c-Myc、Klf-4、T-bet、GATA3、FoxP3、およびRORγtを含むが、これらに限定されない。
一部の実施形態では、化合物は抗原を含む。一部の実施形態では、化合物は抗原である。抗原は、細胞または抗体媒介免疫応答などの特定の免疫応答を刺激する物質である。抗原は、特定の抗原に特異的であるT細胞受容体(TCR)などの免疫細胞が発現する受容体に結合する。それに続いて、抗原-受容体結合は細胞内シグナル伝達経路を誘発し、細胞活性化、サイトカイン産生、細胞遊走、細胞毒性因子分泌、および抗体産生などの下流免疫エフェクター経路をもたらす。一部の実施形態では、抗原は細菌、真菌、ウイルス、またはアレルゲンなどの外来源に由来する。一部の実施形態では、抗原はがん細胞または自己タンパク質(すなわち、自己抗原)などの内部源に由来する。自己抗原は生物自身の細胞上に存在する抗原である。自己抗原は、通常、免疫応答を刺激しないが、I型糖尿病または関節リウマチなどの自己免疫疾患という状況では免疫応答を刺激することがある。一部の実施形態では、抗原は新抗原である。新抗原は、正常なヒトゲノムにはないが、新規のタンパク質配列を形成する腫瘍特異的DNA改変の結果として発がん性細胞内で作り出される抗原である。
一部の実施形態では、タンパク質またはポリペプチドはレポーターまたは選択可能マーカーである。例となるレポーターマーカーは、緑色蛍光タンパク質(GFP)、赤色蛍光タンパク質(RFP)、エクオリン、ベータガラクトシダーゼ、ウロポルフィリノーゲン(urogen)IIIメチルトランスフェラーゼ(UMT)、およびルシフェラーゼを含むが、これらに限定されない。例となる選択可能マーカーは、ブラストサイジン、G418/ジェネテシン、ハイグロマイシンB、ピューロマイシン、ゼオシン、アデニンホスホリボシルトランスフェラーゼ、およびチミジンキナーゼを含むが、これらに限定されない。
一部の実施形態では、化合物は抗体を含む。一部の実施形態では、化合物は抗体である。一部の実施形態では、抗体は完全長抗体または抗体断片である。本開示で使用するための抗体は、ヒトまたはヒト化抗体、抗体変異体、標識された抗体、FabまたはF(ab)断片などの抗体断片、単一ドメイン抗体、一本鎖抗体、多特異的抗体、抗体融合タンパク質、およびイムノアドヘシンを含むが、これらに限定されない。抗体は、IgA、IgG、IgE、IgD、またはIgMを含む当技術分野で公知のアイソタイプでもよい。
一部の実施形態では、化合物は小分子を含む。一部の実施形態では、化合物は小分子である。例となる小分子は、蛍光カーカー、色素、医薬品、代謝物、アジュバント、または放射性ヌクレオチドを含むが、これらに限定されない。一部の実施形態では、医薬品は治療薬物および/または細胞傷害性薬物である。一部の実施形態では、アジュバントは、CpG、オリゴデオキシヌクレオチド、R848、リポ多糖(LPS)、rhIL-2、抗CD40またはCD40L、IL-12、環状ジヌクレオチドおよびインターフェロン遺伝子刺激因子(stimulator of interferon genes;STING)アゴニストを含むが、これらに限定されない。
一部の実施形態では、化合物はナノ粒子を含む。ナノ粒子の例は、金ナノ粒子、量子ドット、カーボンナノチューブ、ナノシェル、デンドリマー、およびリポソームを含む。一部の実施形態では、ナノ粒子は治療分子を含有する。一部の実施形態では、ナノ粒子はmRNAなどの核酸を含有する。一部の実施形態では、ナノ粒子は蛍光または放射性標識などの標識を含有する。
一部の実施形態では、化合物はキメラ抗原受容体(CAR)を含む。一部の実施形態では、化合物はキメラ抗原受容体(CAR)である。一部の実施形態では、CARは細胞外認識ドメイン(例えば、抗原結合ドメイン)、膜貫通ドメイン、および1つまたは複数の細胞内シグナル伝達ドメインの融合物である。抗原結合すると、CARの細胞内シグナル伝達部分は、サイトカインまたは細胞溶解分子の放出などの免疫細胞での活性化関連応答を開始することができる。一部の実施形態では、CARはキメラT細胞抗原受容体である。一部の実施形態では、CARは腫瘍抗原に特異的な抗原結合ドメインを含有する。一部の実施形態では、CAR抗原結合ドメインは一本鎖抗体可変断片(scFv)である。
一部の実施形態では、化合物は蛍光によりタグ付けされた分子を含む。一部の実施形態では、化合物はパシフィックブルー、Alexa288、Cy5、またはカスケードブルーなどの蛍光色素でタグ付けされた分子などの蛍光によりタグ付けされた分子である。一部の実施形態では、化合物は放射性ヌクレオチド、デキストラン粒子、磁気ビーズ、または不透過性色素である。一部の実施形態では、化合物はPacBlueで標識された3kDaのデキストラン粒子である。一部の実施形態では、化合物はAlexa488で標識された10kDaのデキストラン粒子である。一部の実施形態では、化合物は小分子フルオロフォアタグ付きタンパク質である。一部の実施形態では、化合物はAlexa647でタグ付けされた小分子である。
一部の実施形態では、化合物はウイルスまたはウイルス様粒子を含む。一部の実施形態では、化合物はウイルスまたはウイルス様粒子である。一部の実施形態では、ウイルスはレトロウイルスである。一部の実施形態では、ウイルスは治療ウイルスである。一部の実施形態では、ウイルスは腫瘍溶解性ウイルスである。一部の実施形態では、ウイルスまたはウイルス様粒子は、治療ポリペプチドなどの治療分子をコードする核酸を含有する。
一部の実施形態では、送達される化合物は精製される。一部の実施形態では、化合物は少なくとも約60重量%(乾燥重量)の目的化合物である。一部の実施形態では、精製された化合物は少なくとも約75%、90%、または99%目的の化合物である。一部の実施形態では、精製された化合物は少なくとも約90%、91%、92%、93%、94%、95%、98%、99%、または100%(w/w)目的の化合物である。純度は、カラムクロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィー、HPLC分析、NMR、質量分析、またはSDS-PAGEを含むが、これらに限定されない、いかなる公知の方法でも決定される。精製されたDNAまたはRNAは外来性核酸、炭水化物、および脂質のないDNAまたはRNAとして定義される。
VI.細胞摂動
ある特定の態様では、本開示は、細孔を含有する表面を通って細胞懸濁液を通過させて、細孔により細胞を変形させて細胞の摂動を生じさせることに関する。変形は、例えば、機械的歪みおよび/または剪断力によって誘導される圧が引き起こすことができる。細胞の摂動は、細胞外からの物質が細胞内に移動することを可能にする細胞の破れ目である(例えば、穴、断裂、空洞、開口部、細孔、切断、ギャップ、穿孔)。一部の実施形態では、摂動は細胞膜の中の摂動である。一部の実施形態では、摂動は一過性である。一部の実施形態では、細胞摂動は、約1.0×10-9秒から約2時間、またはその間の任意の時間もしくは時間の範囲の間持続する。一部の実施形態では、細胞摂動は、約1.0×10-9秒間から約1秒間、約1秒間から約1分間、または約1分間から約1時間持続する。一部の実施形態では、細胞摂動は、約1.0×10-9から約1.0×10-1、約1.0×10-9から約1.0×10-2、約1.0×10-9から約1.0×10-3、約1.0×10-9から約1.0×10-4、約1.0×10-9から約1.0×10-5、約1.0×10-9から約1.0×10-6、約1.0×10-9から約1.0×10-7、または約1.0×10-9から約1.0×10-8秒のうちのいずれか1つの間にわたって持続する。一部の実施形態では、細胞摂動は、約1.0×10-8から約1.0×10-1、約1.0×10-7から約1.0×10-1、約1.0×10-6から約1.0×10-1、約1.0×10-5から約1.0×10-1、約1.0×10-4から約1.0×10-1、約1.0×10-3から約1.0×10-1、または約1.0×10-2から約1.0×10-1秒のうちのいずれか1つにわたって持続する。本明細書に記載される方法によって生じる細胞摂動(例えば、細孔または穴)は、多量体の多孔構造、例えば補体または細菌性溶血素によって生じるものを形成するタンパク質サブユニットの集合の結果として形成されない。
細胞が表面の細孔を通過するにしたがい、変形は、摂動による物質の受動拡散を引き起こす損傷を細胞膜に一時的に付与する。一部の実施形態では、細胞シグナル伝達機構を通してアポトーシス経路を活性化する可能性を最小にするために、細胞はおよそ100μ秒の短時間だけ変形されるが、他の持続時間も可能である(例えば、ナノ秒から数時間の範囲内)。一部の実施形態では、細胞は、約1.0×10-9秒から約2時間、またはその間の任意の時間もしくは時間の範囲の間変形される。一部の実施形態では、細胞は、約1.0×10-9秒から約1秒、約1秒から約1分、または約1分から約1時間の間変形される。一部の実施形態では、細胞は、約1.0×10-9から約1.0×10-1、約1.0×10-9から約1.0×10-2、約1.0×10-9から約1.0×10-3、約1.0×10-9から約1.0×10-4、約1.0×10-9から約1.0×10-5、約1.0×10-9から約1.0×10-6、約1.0×10-9から約1.0×10-7、または約1.0×10-9から約1.0×10-8秒のいずれか一つの間変形される。一部の実施形態では、細胞は、約1.0×10-8から約1.0×10-1、約1.0×10-7から約1.0×10-1、約1.0×10-6から約1.0×10-1、約1.0×10-5から約1.0×10-1、約1.0×10-4から約1.0×10-1、約1.0×10-3から約1.0×10-1、または約1.0×10-2から約1.0×10-1秒のいずれか一つの間変形される。一部の実施形態では、細胞を変形させることは、限定されずに約1μ秒から約750ミリ秒の範囲内の時間、例えば、少なくとも約1μ秒、10μ秒、50μ秒、100μ秒、500μ秒または750μ秒の間、細胞を変形させることを含む。
一部の実施形態では、細胞内への化合物の通過は、細孔および/または細胞の摂動を通しての細胞の通過と同時に起こる。一部の実施形態では、細胞内への化合物の通過は、細胞が細孔を通過してから起こる。一部の実施形態では、細胞内への化合物の通過は、細胞が表面の細孔を通過してからおよそ数分後に起こる。一部の実施形態では、細胞内への化合物の通過は、細胞が細孔を通過してから約1.0×10-2秒から約30分後に起こる。例えば、細胞内への化合物の通過は、細胞が細孔を通過してから約1.0×10-2秒から約1秒、約1秒から約1分または約1分から約30分後に起こる。一部の実施形態では、細胞内への化合物の通過は、細胞が細孔を通過してから約1.0×10-2秒から約10分、約1.0×10-2秒から約5分、約1.0×10-2秒から約1分、約1.0×10-2秒から約50秒、約1.0×10-2秒から約10秒、約1.0×10-2秒から約1秒、または約1.0×10-2秒から約0.1秒後に起こる。一部の実施形態では、細胞内への化合物の通過は、細胞が細孔を通過してから約1.0×10-1秒から約10分、約1秒から約10分、約10秒から約10分、約50秒から約10分、約1分から約10分、または約5分から約10分後に起こる。一部の実施形態では、それが細孔を通過した後の細胞の摂動は、細胞が細孔を通過してからおよそ約5分後以内に修正される。
一部の実施形態では、表面の細孔を通過した後の細胞生存度は、約10から約100%である。一部の実施形態では、細孔を通過した後の細胞生存度は、少なくとも約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%または99%である。一部の実施形態では、細胞生存度は、細胞が細孔を通過してから約1.0×10-2秒から約10日後に測定される。例えば、細胞生存度は、細胞が細孔を通過してから約1.0×10-2秒から約1秒、約1秒から約1分、約1分から約30分、または約30分から約2時間後に測定される。一部の実施形態では、細胞生存度は、細胞が細孔を通過してから約1.0×10-2秒から約2時間、約1.0×10-2秒から約1時間、約1.0×10-2秒から約30分、約1.0×10-2秒から約1分、約1.0×10-2秒から約30秒、約1.0×10-2秒から約1秒、または約1.0×10-2秒から約0.1秒後に測定される。一部の実施形態では、細胞生存度は、細胞が細孔を通過してから約1.5時間から約2時間、約1時間から約2時間、約30分から約2時間、約15分から約2時間、約1分から約2時間、約30秒から約2時間、または約1秒から約2時間後に測定される。一部の実施形態では、細胞生存度は、細胞が細孔を通過してから約2時間から約5時間、約5時間から約12時間、約12時間から約24時間または約24時間から約10日後に測定される。
VII.送達パラメータ
ある特定の態様では、本開示は、細胞内に化合物を送達するための方法であって、細孔を含有する表面を通って細胞懸濁液を通過させるステップであって、細孔が細胞を変形させ、細胞の摂動を生じさせる、ステップ、および細胞懸濁液を化合物と接触させるステップを含む方法に関する。細胞懸濁液は、細孔を通過する前、並行してまたは後に、化合物と接触させることができる。細胞は、送達する化合物を含む溶液に懸濁される細孔を通過できるが、化合物は細胞が細孔を通過してから細胞懸濁液に加えることができる。一部の実施形態では、送達される化合物は、表面にコーティングされる。
いくつかのパラメータが、細胞内への化合物の送達に影響することができる。例えば、細孔の寸法、細孔の入口角度、細孔の表面特性(例えば、粗さ、化学的改変、親水性、疎水性など)、操作流速(例えば、細孔への細胞移行時間)、細胞濃度、細胞懸濁液中の化合物の濃度、および細孔を通過した後に細胞が回復するかまたはインキュベートする時間が、細胞内へ送達された化合物の通過に影響することができる。細胞内への化合物の送達に影響するさらなるパラメータには、細孔における細胞の速度、細孔における剪断速度、流速と直角をなす速度成分、および細孔内での時間を含めることができる。そのようなパラメータは、化合物の送達を制御するように設計することができる。一部の実施形態では、細胞濃度は、細胞約10から約1012個/mlの範囲内、またはその間の任意の濃度もしくは濃度の範囲である。例えば、細胞濃度は、細胞約10から約1010個/ml、細胞約10から約10個/ml、細胞約10から約10個/ml、細胞約10から約10個/mlまたは細胞約10から約10個/mlの範囲内である。一部の実施形態では、細胞濃度は、細胞約10から約1012個/ml、細胞約10から約1012個/ml、細胞約10から約1012個/ml、細胞約10から約1012個/mlまたは細胞約1010から約1012個/mlの範囲内である。送達化合物濃度は、約10ng/mlから約1g/mLの範囲内、またはその間の任意の濃度もしくは濃度の範囲であってよい。例えば、化合物濃度は、約10ng/mlから約500mg/ml、約10ng/mlから約250mg/ml、約10ng/mlから約1mg/ml、約10ng/mlから約500μg/ml、約10ng/mlから約250μg/ml、約10ng/mlから約1μg/ml、約10ng/mlから約500ng/ml、約10ng/mlから約250ng/ml、または約10ng/mlから約100ng/mlの範囲であってよい。一部の実施形態では、化合物濃度は、約10ng/mlから約1g/ml、約250ng/mlから約1g/ml、約500ng/mlから約1g/ml、約1μg/mlから約1g/ml、約250μg/mlから約1g/ml、約500μg/mlから約1g/ml、約1mg/mlから約1g/ml、約250mg/mlから約1g/ml、約500mg/mlから約1g/ml、または約750mg/mlから約1g/mlの範囲であってよい。送達化合物濃度は、約1pMから約2Mの範囲であってよい。例えば、化合物濃度は、約1pMから約1M、約1pMから約500mM、約1pMから約250mM、約1pMから約1mM、約1pMから約500μM、約1pMから約250μM、約1pMから約1μM、約1pMから約500nM、約1pMから約250nM、約1pMから約100nM、約1pMから約10nM、約1pMから約5nM、約1pMから約1nM、約1pMから約750pM、約1pMから約500pM、約1pMから約250pM、約1pMから約100pM、約1pMから約50pM、約1pMから約25pM、または約1pMから約10pMの範囲であってよい。一部の実施形態では、化合物濃度は、約5pMから約2M、約10pMから約2M、約25pMから約2M、約50pMから約2M、約100pMから約2M、約250pMから約2M、約500pMから約2M、約750pMから約2M、約1nMから約2M、約10nMから約2M、約100nMから約2M、約500nMから約2M、約1μMから約2M、約500μMから約2M、約1mMから約2M、または約500mMから約2Mの範囲であってよい。
本開示の方法で使用される温度は、化合物の送達および細胞生存度に影響するように調整することができる。一部の実施形態では、本方法は、約-5℃から約45℃の間で実行される。例えば、本方法は、室温(例えば、約20℃)、生理的温度(例えば、約37℃)、生理的温度より高い温度(例えば、約37℃より高く45℃まで、またはそれより高い)または低い温度(例えば、約-5℃から約4℃)、またはこれらの例示的な温度の間の温度で実行することができる。
細孔を通して細胞を推進するために、様々な方法を利用することができる。例えば、入口側でポンプ(例えば、ガスシリンダーまたは圧縮器)によって圧を加えることができ、出口側で減圧を減圧ポンプで作用させることができ、チューブを通して毛管作用を加えることができ、および/またはシステムに重力を供給することができる。置換をベースとしたフローシステムを使用することもできる(例えば、シリンジポンプ、蠕動ポンプ、手動によるシリンジまたはピペット、ピストンなど)。一部の実施形態では、陽圧または陰圧によって細胞を細孔に通過させる。一部の実施形態では、定圧または可変圧によって細胞を細孔に通過させる。一部の実施形態では、圧は、シリンジを使用して加えられる。一部の実施形態では、圧は、ポンプを使用して加えられる。一部の実施形態では、ポンプは、蠕動ポンプである。一部の実施形態では、圧は、減圧を使用して加えられる。一部の実施形態では、毛管圧によって細胞を細孔に通過させる。一部の実施形態では、血圧によって細胞を細孔に通過させる。一部の実施形態では、g力によって細胞を細孔に通過させる。一部の実施形態では、約0.05psiから約500psiの範囲内、またはその間の任意の圧もしくは圧の範囲の圧力差の下で細胞を細孔に通過させる。一部の実施形態では、約0.05psiから約500psi、約0.05psiから約400psi、約0.05psiから約300psi、約0.05psiから約200psi、約0.05psiから約100psi、約0.05psiから約50psi、約0.05psiから約25psi、約0.05psiから約10psi、約0.05psiから約5psi、または約0.05psiから約1psiの間の範囲の圧力差の下で細胞を細孔に通過させる。一部の実施形態では、少なくとも約5psi、少なくとも約10psi、もしくは少なくとも約20psi、または約5psi未満、約10psi未満、もしくは約20psi未満の圧力差の下で細胞を細孔に通す。一部の実施形態では、少なくとも約2psi、少なくとも約2.5psiもしくは少なくとも約3psi、または約2psi未満、約2.5psi未満もしくは約3psi未満の圧力差の下で細胞を細孔に通す。
一部の実施形態では、液流は、細胞を細孔に通させる。一部の実施形態では、液流は、細胞が細孔を通過する前に乱流である。乱流は、所与の時点での速度が大きさおよび方向において不規則に異なる液流である。一部の実施形態では、細孔を通しての液流は、層流である。層流は、いずれの時点でも流動の方向が一定のままである固体境界付近の流体中の不断の流動を含む。一部の実施形態では、液流は、細胞が細孔を通過した後に乱流である。
細胞が細孔を通過する速度は、様々であってよい。一部の実施形態では、細胞は、均一な細胞速度で細孔を通過する。一部の実施形態では、細胞は、変動する細胞速度で細孔を通過する。細胞は、少なくとも約0.1mm/秒から約5m/秒の速度、またはその間の任意の速度もしくは速度の範囲で細孔を通過する。一部の実施形態では、細胞は、約0.1mm/秒から約5m/秒、約1mm/秒から約5m/秒、または約1m/秒から約5m/秒の範囲で細孔を通過する。一部の実施形態では、細胞は、約0.1mm/秒から約4m/秒、約0.1mm/秒から約3m/秒、約0.1mm/秒から約2m/秒、約0.1mm/秒から約1m/秒、約0.1mm/秒から約750mm/秒、約0.1mm/秒から約500mm/秒、約0.1mm/秒から約250mm/秒または約0.1mm/秒から約1mm/秒の範囲で細孔を通過する。一部の実施形態では、細胞は、約5m/秒より速い速度で細孔を通過することができる。細胞スループットは、細孔当たり細胞約1個/秒未満から細孔当たり細胞約1020個/秒より多くの間まで、変動することができる。一部の実施形態では、表面は、1秒または1分当たり細胞およそ数十億個のハイスループット細胞プロセシングを可能にする。
一部の実施形態では、細胞は、一方向で細孔を通過する。一部の実施形態では、細胞は、1つより多い方向で細孔を通過する。例えば、例えばシリンジを使用して細胞を吸引により細孔を通過させ、次に細孔を通してそれらを放出することによって、細胞は1つの方向で細孔を強制的に通過させることができ、次に別の方向で細孔を強制的に通過させることができる。一部の実施形態では、細胞は、1回より多く細孔を有する表面を通過させる。
一部の実施形態では、表面は、より大きいモジュールの中に含有される。一部の実施形態では、表面は、プラスチックまたはガラスシリンジなどのシリンジの中に含有される。一部の実施形態では、表面は、プラスチックフィルターホルダーの中に含有される。一部の実施形態では、表面は、ピペットチップの中に含有される。
VIII.応用
一部の実施形態では、化合物または化合物の混合物は、細胞に送達されて所望の効果を生じる。一部の実施形態では、従来の刺激方法と比較して改善された活性レベルを有するプロフェッショナル抗原提示細胞、例えば樹状細胞を生産するために、抗原および/または免疫刺激性分子が細胞に送達される。一部の実施形態では、抗原の混合物が細胞に送達される。一部の実施形態では、樹状細胞、T細胞またはB細胞を、細孔を含有する表面を通って通過させ、標的抗原を含む溶液と接触させる。細孔を含有する表面を通過する前、その間および/または後に、細胞を抗原と接触させることができる。一部の実施形態では、標的抗原は、がん細胞抗原またはがん細胞抗原の混合物である。一部の実施形態では、抗原は、感染性疾患の抗原である。一部の実施形態では、抗原は、自己タンパク質抗原である。例えば、送達される抗原は、特定の疾患と関連することが知られている一般的に発現されるタンパク質、または生検から得られる患者特異的抗原であってよい。一部の実施形態では、本明細書に開示される方法によって生産される抗原提示細胞は、標的抗原に対するTおよびB細胞媒介免疫のレベルの増加に寄与する。したがって、そのような方法は、がんもしくは感染症に応答した免疫系を活性化する手段として、またはワクチン開発において用いられる可能性がある。本対象発明の一実施形態は、患者の血液から単離される樹状細胞、T細胞またはB細胞が、特定の抗原に対してそれらを活性化し、次に患者の血流に再導入するために、本開示の方法によってex vivoで処理される系を含む。一部の実施形態では、がん抗原は、B細胞リンパ腫などの血液がん、またはメラノーマもしくは膵臓がんなどのがんの患者からのものである。一部の実施形態では、がん抗原をDC細胞質に直接的に送達し、それによってMHC-I抗原提示経路を活用し、患者で細胞傷害性T細胞(CTL)応答を誘導する。これらの活性化T細胞は、次に標的抗原を発現するあらゆるがん性細胞を探し出して破壊する。一部の実施形態では、本方法は、一般的な病院検査室において最小限に訓練された技術者が実行することができる。一部の実施形態では、患者が操作する処置システムを使用することができる。一部の実施形態では、本方法は、血液が患者から直接的に転送され、細孔を含有する表面を通過して血液細胞への化合物の送達がもたらされ、処置後に患者に注入により直接的に戻される、インライン血液処置システムを使用して実行される。
本開示の方法は、遺伝子療法への応用に有益である可能性がある。一部の実施形態では、本開示の方法は、遺伝病を直すために、欠陥遺伝子生成物を交換するために、または治療的核酸を提供するために使用される。一部の実施形態では、遺伝子療法は、突然変異した遺伝子を置き換えるために、機能的、治療的遺伝子をコードする核酸を細胞内に送達することを含む。遺伝子は、有益であると認知されている任意の遺伝子である。代表的な例には、例えば、タンパク質または有益なRNA;ヘルペスチミジンキナーゼなどのウイルスタンパク質、および細胞傷害性療法のための細菌コレラトキシンをコードする、哺乳動物起源の遺伝子が含まれる。一部の実施形態では、DNAまたはRNAなどの核酸が細胞に送達される。幹細胞、初代細胞および免疫細胞などの送達困難な細胞内に核酸を送達することができる。核酸には、小さい核酸または非常に大きい核酸、例えばプラスミドまたは染色体を含めることができる。目的の遺伝子の発現レベルを研究するための遺伝子構築物の既知量の細胞内への定量的送達、および濃度へのその感度を、容易に達成することもできる。一部の実施形態では、より効率的な安定した送達、相同組換えおよび部位特異的突然変異を達成するために、DNA組換えを強化する既知量の酵素と一緒にDNA配列の既知量の送達を使用することができる。
本明細書に記載される方法およびデバイスは、より効率的で決定的なRNA研究のために、RNAの定量的送達のためにも有益である可能性がある。一部の実施形態は、細胞の細胞質への低分子干渉RNA(siRNA)の送達を含む。一部の実施形態では、リポソームを必要とせずにRNAサイレンシングのためにRNAを細胞内に送達することができる。異なる状態の複数の細胞株にわたって標準化された効率的なRNAレベルを達成するために、既知量のダイサー分子と一緒の既知量のRNA分子を送達することができる。一部の実施形態では、転写後レベルで調節される遺伝子発現の態様を研究するために、mRNAを細胞内に送達することができる。一部の実施形態では、細胞におけるRNAの半減期を研究するために、細胞に送達される既知量の標識RNAを使用することができる。一部の実施形態では、自己増幅RNA(saRNA)が細胞に送達される。saRNAは、宿主ゲノムに組み込むことなくそれらの配列を細胞質的に複製することによって、目的のタンパク質を発現する。一部の実施形態では、送達されるsaRNAは、目的の抗原(複数可)をコードする。一部の実施形態では、例えば阻害性、刺激性または抗アポトーシス性のタンパク質の発現を通して細胞機能を継続して改変するために、saRNA(複数可)が使用される。
スクリーニング、画像化または診断目的のために、本開示の方法は、細胞を標識するために使用することができる。一部の実施形態では、細胞環境でタンパク質間相互作用を研究するために、既知量のタグ付きタンパク質を送達することができる。免疫染色および蛍光ベースのウェスタンブロッティングのために、生細胞内への標識抗体の送達を達成することができる。細孔を含有する表面を通って細胞を通過させ、検出可能なマーカーを含む溶液と細胞を接触させることによって、細胞を標識する方法が実行される。一部の実施形態では、検出可能なマーカーは、蛍光分子、放射性核種、量子ドット、金ナノ粒子または磁気ビーズを含む。一部の実施形態では、生細胞画像化への応用のために、工学的に操作されたナノ材料が送達される。一部の実施形態では、化合物は、蛍光共鳴エネルギー転移(FRET)アッセイで使用するための、蛍光標識でタグ付けられた小分子である。薬物発見への応用のためにタンパク相互作用を測定するために、FRETアッセイを使用することができる。
一部の実施形態では、細胞再プログラミングを誘導して、iPSC、トランスジェニック幹細胞株またはトランスジェニック生物体を生産するために、タンパク質、mRNA、DNAおよび/または増殖因子を導入することによって標的化細胞分化が達成される。本明細書に記載される方法、例えば、細孔を含有する表面を通しての人工多能性幹細胞(iPSC)などの幹細胞または前駆体細胞の通過は、そのような細胞内に分化因子を送達するために使用することができる。一部の実施形態では、導入された因子の取込みの後、細胞は、導入された因子によって決定付けられる分化経路を進む。
一部の実施形態では、卵母細胞などの細胞の凍結保存を改善するために、糖が細胞内に送達される。
IX.さらなる実施形態
上記の方法のいずれも、in vitro、ex vivoまたはin vivoで実行される。in vivo応用のために、血管内腔にデバイス、例えば、動脈または静脈中のインラインステントを植え込むことができる。一部の実施形態では、本方法は、患者細胞のex-vivo処置および患者への細胞の即時再導入のためのベッドサイドシステムの一部として使用される。
他の実施形態では、組合せ処置、例えば、本明細書に記載される方法と、その後か、またはその前のエレクトロポレーション(細胞膜に一時的な穴を作り出し、核酸または巨大分子の侵入を可能にするために電流が使用されるタイプの浸透圧性トランスフェクション)が使用される。一部の実施形態では、細胞は、表面に近接した少なくとも1つの電極によって生成される電界を通過する。一部の実施形態では、電極は表面の1つの側に位置する。一部の実施形態では、電極は表面の両側に位置する。一部の実施形態では、電界は、約0.1kV/mから約100MV/mの間、またはその間の任意の数字もしくは数字の範囲である。一部の実施形態では、電極を作動させるために電気シグナルを送るために、集積回路が使用される。一部の実施形態では、細胞は、約1ナノ秒から約1秒の間のパルス幅の、および約100ナノ秒から約10秒の間、またはその間の任意の時間もしくは時間の範囲の期間、電界に曝露させられる。
様々な前処置および選別後アッセイ技術を利用することもでき、このように、薬物スクリーニングおよび診断法のための連続的ハイスループットアッセイの開発を可能にする。一部の実施形態では、本明細書に開示される方法は、蛍光活性化細胞分取(FACS)モジュールと連続して実行することができる。これは、同じシステムで所望の細胞のリアルタイムの送達および選別を可能にすることができる。例えば、本明細書に開示される方法およびデバイスは、ソーターおよび/またはセンサーモジュール(例えば、光学式、電気式および磁気式)を含むこともできる。一部の実施形態では、それらが表面を通過する前に細胞を分離するために、ストレーナーまたはサイズソーターが表面の上流に置かれる。例えば、本明細書に記載される表面は、血液試料から白血球を分離する白血球泳動デバイスと一列に並ぶことができる。さらなる実施形態では、本明細書に開示される表面は、液体ハンドラーまたはピペットの中に組み込むことができる。一部の実施形態では、表面は、細胞の培養および/または生体分子の製造のためのバイオリアクターフォーマットで実施される。本開示の方法によって改変される細胞は、薬物または他の治療的分子の生体生産で使用することができる。
一部の実施形態では、表面は、その中を細胞懸濁液が流れるチューブ内に成形される。一部の実施形態では、チューブ内に成形される表面は、その長さに沿って細孔サイズの勾配を含有し、細胞懸濁液が流れるときの異なる細胞型への選択的送達を可能にする、
本開示の一部の態様は、細孔を含有する表面を通って細胞を通過させることによって生産される、摂動を含む細胞であって、細孔が細胞を変形させ、それによって化合物が細胞に入ることが可能なように摂動が生じる、細胞を含む。一部の実施形態では、細胞は、表面に近接した少なくとも1つの電極によって生成される電界を通過する。
X.デバイスおよびキット
本開示の一部の態様は、細孔を含有する表面を含む、細胞内に化合物を送達するデバイスであって、前記細孔は、溶液中に懸濁する細胞が通過できるように構成され、前記細孔は、細胞を変形させ、それによって化合物が細胞に入るように細胞の摂動が生じる、デバイスを含む。デバイスは、細孔を有する表面、細胞懸濁液、細胞摂動、送達パラメータおよび/または応用などを含む、上に開示される方法のために記載される任意の実施形態を含むことができる。一部の実施形態では、電界を生成するために、少なくとも1つの電極が表面に近接している。
一部の実施形態では、デバイスはTRANSWELL(商標)または浸透性支持体である。一部の実施形態では、TRANSWELL(商標)は、ハイスループットスクリーニングへの応用で使用することができる。例えば、異なる候補薬物化合物を特定の機能または治療エンドポイントについてスクリーニングするために、マルチウェルTRANSWELL(商標)フィルターシステムを使用することができる。一部の実施形態では、各ウェルは、異なる試験される化合物を含有する。細胞は、TRANSWELL(商標)フィルター細孔を通過し、それにより細胞摂動が生じ、その後、送達される化合物または化合物の混合物を含有する溶液の側底面に入る。これらの方法は、新規の処置を同定したりまたは疾患の機構を理解したりするために、潜在的治療化合物をスクリーニングするハイスループット方法として利用できる可能性がある。例えば、本開示の方法を通してハイスループットスクリーニングを実行するために、96ウェルTRANSWELL(商標)フォーマットを使用することができる。
一部の実施形態では、デバイスは連続した複数の表面を含有する。複数の表面は、サイズ、形および細孔の寸法および/または数が均一であってもまたは不均一であってもよく、それによって異なる細胞型への様々な化合物の同時送達を可能にする。
本明細書に開示される方法で使用するためのキットまたは製造品も提供される。一部の実施形態では、キットは、適するパッケージング中の本明細書に記載される組成物(例えば、細孔を含有する表面、細胞懸濁液および/または送達する化合物)を含む。適する包装材料は当技術分野で公知であり、例えば、バイアル(密封バイアルなど)、容器、アンプル、ボトル、ジャー、フレキシブルパッケージング(例えば、密封されたマイラーまたはプラスチックバッグ)などが含まれる。これらの製造品は、さらに滅菌および/または密封することができる。
本開示は、本明細書に記載される方法の要素を含むキットであって、前記方法を実行するための説明書(複数可)をさらに含むことができる、キットも提供する。本明細書に記載されるキットは、他の緩衝液、希釈剤、フィルター、針、シリンジおよび本明細書に記載される任意の方法を実行するための説明書を含む添付文書を含む、他の材料をさらに含むことができる。
XI.例示的な実施形態
実施形態1。 細孔を含有する表面を通って細胞懸濁液を通過させるステップを含む、化合物を細胞内に送達するための方法であって、前記細孔が、前記細胞を変形させ、それによって前記化合物が前記細胞に入るように前記細胞の摂動が生じ、前記細胞懸濁液が、前記化合物と接触する、方法。
実施形態2。 前記表面が膜である、実施形態1に記載の方法。
実施形態3。 前記表面がフィルターである、実施形態1に記載の方法。
実施形態4。 前記表面が蛇行する経路の表面である、実施形態1から3のいずれか一つに記載の方法。
実施形態5。 前記表面が、ポリカーボネート、ポリマー、シリコン、ガラス、金属、ニトロセルロース、酢酸セルロース、ナイロン、ポリエステル、ポリエーテルスルホン、ポリテトラフルオロエチレン、グラファイト、およびセラミックの1つから選択される材料を含む、実施形態1から4のいずれか一つに記載の方法。
実施形態6。 前記細孔への入口が、前記細孔よりも広いか、前記細孔よりも狭いか、または前記細孔と同じ幅である、実施形態1から5のいずれか一つに記載の方法。
実施形態7。 前記表面が、エッチング、トラックエッチング、リソグラフィー、レーザーアブレーション、スタンピング、微細孔パンチング、ポリマースポンジ、直接発泡成形、押出成形およびホットエンボス加工の方法から選択される方法を使用して製造される、実施形態1から6のいずれか一つに記載の方法。
実施形態8。 前記細孔のサイズが、細胞径と相関している、実施形態1から7のいずれか一つに記載の方法。
実施形態9。 前記細孔の横断面の幅が、前記細胞径の約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、または約99%である、実施形態1から8のいずれか一つに記載の方法。
実施形態10。 表面の横断面の幅が、約1mmから約1mの間の範囲である、実施形態1から9のいずれか一つに記載の方法。
実施形態11。 前記細孔の横断面の幅が、約0.01μmから約300μmの範囲である、実施形態1から10のいずれか一つに記載の方法。
実施形態12。 前記細孔の横断面の幅が、約0.01から約35μmの範囲である、実施形態1から11のいずれか一つに記載の方法。
実施形態13。 前記細孔の横断面の幅が、約0.4μm、約4μm、約5μm、約8μm、約10μm、約12μm、または約14μmである、実施形態1から12のいずれか一つに記載の方法。
実施形態14。 前記細孔の横断面の幅が、約200μmである、実施形態1から11のいずれか一つに記載の方法。
実施形態15。 前記細孔のサイズが、不均質である、実施形態1から14のいずれか一つに記載の方法。
実施形態16。 不均質な細孔の横断面の幅が、10から20%の範囲で変動する、実施形態1から15のいずれか一つに記載の方法。
実施形態17。 前記細孔のサイズが、均質である、実施形態1から14のいずれか一つに記載の方法。
実施形態18。 前記細孔が、同一の入口角および出口角を有する、実施形態1から17のいずれか一つに記載の方法。
実施形態19。 前記細孔が、異なる入口角および出口角を有する、実施形態1から17のいずれか一つに記載の方法。
実施形態20。 前記細孔の横断面の形状が、環状、円形、四角形、星形、三角形、多角形、五角形、六角形、七角形、および八角形の形状から選択される、実施形態1から19のいずれか一つに記載の方法。
実施形態21。 前記細孔の横断面の形状が、円柱形または円錐形から選択される、実施形態1から19のいずれか一つに記載の方法。
実施形態22。 前記細孔の縁が、滑らかである、実施形態1から21のいずれか一つに記載の方法。
実施形態23。 前記細孔の縁が、鋭い、実施形態1から21のいずれか一つに記載の方法。
実施形態24。 前記細孔の通路が、真っ直ぐである、実施形態1から23のいずれか一つに記載の方法。
実施形態25。 前記細孔の通路が、湾曲している、実施形態1から23のいずれか一つに記載の方法。
実施形態26。 前記細孔が、全表面積の約10から80%を構成する、実施形態1から25のいずれか一つに記載の方法。
実施形態27。 前記表面が、合計約1.0×105から約1.0×1030個の細孔を含む、実施形態1から26のいずれか一つに記載の方法。
実施形態28。 前記表面が、表面積1mm2当たり約10から約1.0×1015個の細孔を含む、実施形態1から27のいずれか一つに記載の方法。
実施形態29。 前記細孔が、平行に分布している、実施形態1から28のいずれか一つに記載の方法。
実施形態30。 複数の表面が、直列に分布している、実施形態1から29のいずれか一つに記載の方法。
実施形態31。 前記細孔の分布が、規則正しい、実施形態1から30のいずれか一つに記載の方法。
実施形態32。 前記細孔の分布が、ランダムである、実施形態1から30のいずれか一つに記載の方法。
実施形態33。 前記表面の厚さが、均一である、実施形態1から32のいずれか一つに記載の方法。
実施形態34。 前記表面の厚さが、均一ではない、実施形態1から32のいずれか一つに記載の方法。
実施形態35。 前記表面が、約0.01μmから約5mの厚さである、実施形態1から34のいずれか一つに記載の方法。
実施形態36。 前記表面が、約10μmの厚さである、実施形態1から35のいずれか一つに記載の方法。
実施形態37。 前記表面が、材料で被覆されている、実施形態1から36のいずれか一つに記載の方法。
実施形態38。 前記材料が、テフロン(登録商標)である、実施形態37に記載の方法。
実施形態39。 前記材料が、細胞に結合する接着性コーティングを含む、実施形態37に記載の方法。
実施形態40。 前記材料が、界面活性剤を含む、実施形態37に記載の方法。
実施形態41。 前記材料が、抗凝固剤を含む、実施形態37に記載の方法。
実施形態42。 前記材料が、ポリペプチドを含む、実施形態37に記載の方法。
実施形態43。 前記材料が、接着分子を含む、実施形態37に記載の方法。
実施形態44。 前記材料が、抗体を含む、実施形態37に記載の方法。
実施形態45。 前記材料が、細胞機能を調節する因子を含む、実施形態37に記載の方法。
実施形態46。 前記材料が、核酸を含む、実施形態37に記載の方法。
実施形態47。 前記材料が、脂質を含む、実施形態37に記載の方法。
実施形態48。 前記材料が、炭水化物を含む、実施形態37に記載の方法。
実施形態49。 前記材料が、複合体を含む、実施形態37に記載の方法。
実施形態50。 前記複合体が、脂質-炭水化物複合体である、実施形態49に記載の方法。
実施形態51。 前記材料が、膜貫通タンパク質を含む、実施形態37に記載の方法。
実施形態52。 前記材料が、前記表面に共有結合している、実施形態37から51のいずれか一つに記載の方法。
実施形態53。 前記材料が、前記表面に非共有結合している、実施形態37から51のいずれか一つに記載の方法。
実施形態54。 前記表面が、親水性である、実施形態1から53のいずれか一つに記載の方法。
実施形態55。 前記表面が、疎水性である、実施形態1から53のいずれか一つに記載の方法。
実施形態56。 前記表面が、帯電している、実施形態1から55のいずれか一つに記載の方法。
実施形態57。 前記細胞懸濁液が、哺乳動物細胞を含む、実施形態1から56のいずれか一つに記載の方法。
実施形態58。 前記細胞懸濁液が、混成の細胞集団を含む、実施形態1から57のいずれか一つに記載の方法。
実施形態59。 前記細胞懸濁液が、全血である、実施形態1から58のいずれか一つに記載の方法。
実施形態60。 前記細胞懸濁液が、リンパ液である、実施形態1から58のいずれか一つに記載の方法。
実施形態61。 前記細胞懸濁液が、末梢血単核球を含む、実施形態1から58のいずれか一つに記載の方法。
実施形態62。 前記細胞懸濁液が、精製された細胞集団を含む、実施形態1から57のいずれか一つに記載の方法。
実施形態63。 前記細胞が、免疫細胞、細胞株の細胞、幹細胞、腫瘍細胞、線維芽細胞、皮膚細胞、神経細胞、または赤血球である、実施形態1から58または62のいずれか一つに記載の方法。
実施形態64。 前記免疫細胞が、T細胞、B細胞、樹状細胞、単球、マクロファージ、好酸球、好塩基球、NK細胞、NKT細胞、マスト細胞または好中球である、実施形態63に記載の方法。
実施形態65。 前記細胞が、マウス、イヌ、ネコ、ウマ、ラット、ヤギ、またはウサギ細胞である、実施形態1から64のいずれか一つに記載の方法。
実施形態66。 前記細胞が、ヒト細胞である、実施形態1から64のいずれか一つに記載の方法。
実施形態67。 前記化合物が、核酸を含む、実施形態1から66のいずれか一つに記載の方法。
実施形態68。 前記化合物が、DNA、組換えDNA、cDNA、ゲノムDNA、RNA、siRNA、mRNA、miRNA、lncRNA、tRNA、shRNA、または自己増幅mRNAをコードする核酸を含む、実施形態1から67のいずれか一つに記載の方法。
実施形態69。 前記化合物が、プラスミドである、実施形態1から68のいずれか一つに記載の方法。
実施形態70。 前記化合物が、ポリペプチド-核酸複合体を含む、実施形態1から66のいずれか一つに記載の方法。
実施形態71。 前記化合物が、Cas9タンパク質およびガイドRNAまたはドナーDNAを含む、実施形態1から66または70のいずれか一つに記載の方法。
実施形態72。 前記化合物が、Cas9タンパク質をコードする核酸およびガイドRNAまたはドナーDNAを含む、実施形態1から67のいずれか一つに記載の方法。
実施形態73。 前記化合物が、タンパク質またはペプチドを含む、実施形態1から66のいずれか一つに記載の方法。
実施形態74。 前記化合物が、ヌクレアーゼ、TALENタンパク質、ジンクフィンガーヌクレアーゼ、メガヌクレアーゼ、CREリコンビナーゼ、FLPリコンビナーゼ、Rリコンビナーゼ、インテグラーゼ、またはトランスポザーゼを含む、実施形態1から66または73のいずれか一つに記載の方法。
実施形態75。 前記化合物が、抗体である、実施形態1から66または73のいずれか一つに記載の方法。
実施形態76。 前記化合物が、転写因子である、実施形態1から66または73のいずれか一つに記載の方法。
実施形態77。 前記化合物が、小分子である、実施形態1から66のいずれか一つに記載の方法。
実施形態78。 前記化合物が、ナノ粒子である、実施形態1から66のいずれか一つに記載の方法。
実施形態79。 前記化合物が、キメラ抗原受容体である、実施形態1から66のいずれか一つに記載の方法。
実施形態80。 前記化合物が、蛍光によりタグ付けされた分子である、実施形態1から79のいずれか一つに記載の方法。
実施形態81。 前記化合物が、リポソームである、実施形態1から66のいずれか一つに記載の方法。
実施形態82。 前記細胞懸濁液が、前記細孔を通って通過する前、それと同時またはその後に、前記化合物と接触する、実施形態1から81のいずれか一つに記載の方法。
実施形態83。 送達される前記化合物が、前記表面に被覆されている、実施形態1から81のいずれか一つに記載の方法。
実施形態84。 0℃から45℃の間で実行される、実施形態1から83のいずれか一つに記載の方法。
実施形態85。 前記細胞が、正圧または負圧により前記細孔を通って通過する、実施形態1から84のいずれか一つに記載の方法。
実施形態86。 前記細胞が、定圧または可変圧により前記細孔を通って通過する、実施形態1から85のいずれか一つに記載の方法。
実施形態87。 圧力が、注射器を使用して印加される、実施形態1から86のいずれか一つに記載の方法。
実施形態88。 圧力が、ポンプを使用して印加される、実施形態1から86のいずれか一つに記載の方法。
実施形態89。 圧力が、減圧を使用して印加される、実施形態1から86のいずれか一つに記載の方法。
実施形態90。 前記細胞が、毛細管圧により前記細孔を通って通過する、実施形態1から86のいずれか一つに記載の方法。
実施形態91。 前記細胞が、血圧により前記細孔を通って通過する、実施形態1から86のいずれか一つに記載の方法。
実施形態92。 前記細胞が、g-力により前記細孔を通って通過する、実施形態1から86のいずれか一つに記載の方法。
実施形態93。 前記細胞が、約0.05psiから約500psiの範囲の圧力下で前記細孔を通って通過する、実施形態1から92のいずれか一つに記載の方法。
実施形態94。 前記細胞が、約2psiの圧力下で前記細孔を通って通過する、実施形態1から93のいずれか一つに記載の方法。
実施形態95。 前記細胞が、約2.5psiの圧力下で前記細孔を通って通過する、実施形態1から93のいずれか一つに記載の方法。
実施形態96。 前記細胞が、約3psiの圧力下で前記細孔を通って通過する、実施形態1から93のいずれか一つに記載の方法。
実施形態97。 前記細胞が、約5psiの圧力下で前記細孔を通って通過する、実施形態1から93のいずれか一つに記載の方法。
実施形態98。 前記細胞が、約10psiの圧力下で前記細孔を通って通過する、実施形態1から93のいずれか一つに記載の方法。
実施形態99。 前記細胞が、約20psiの圧力下で前記細孔を通って通過する、実施形態1から93のいずれか一つに記載の方法。
実施形態100。 流体の流れにより前記細胞を前記細孔中に通過させる、実施形態1から99のいずれか一つに記載の方法。
実施形態101。 前記細胞が前記細孔を通って通過する前、前記流体の流れが、乱流である、実施形態100に記載の方法。
実施形態102。 前記細孔中を通る前記流体の流れが、層流である、実施形態100に記載の方法。
実施形態103。 前記細胞が前記細孔を通って通過した後、前記流体の流れが、乱流である、実施形態100に記載の方法。
実施形態104。 前記細胞が、均一な細胞速度で前記細孔を通って通過する、実施形態1から103のいずれか一つに記載の方法。
実施形態105。 前記細胞が、変動する細胞速度で前記細孔を通って通過する、実施形態1から103のいずれか一つに記載の方法。
実施形態106。 前記細胞が、約0.1mm/秒から約20m/秒の範囲の速度で前記細孔を通って通過する、実施形態1から105のいずれか一つに記載の方法。
実施形態107。 前記表面が、より大きなモジュール内に含有されている、実施形態1から106のいずれか一つに記載の方法。
実施形態108。 前記表面が、注射器内に含有されている、実施形態1から107のいずれか一つに記載の方法。
実施形態109。 前記細胞懸濁液が、水溶液を含む、実施形態1から108のいずれか一つに記載の方法。
実施形態110。 前記水溶液が、細胞培養培地、PBS、塩、糖、増殖因子、動物由来産物、増量材、界面活性剤、潤滑剤、ビタミン、タンパク質、キレート剤、および/またはアクチン重合に影響を与える薬剤を含む、実施形態109に記載の方法。
実施形態111。 前記アクチン重合に影響を与える薬剤が、ラトランクリンA、サイトカラシン、および/またはコルヒチンである、実施形態110に記載の方法。
実施形態112。 前記細胞培養培地が、DMEM、OptiMEM、IMDM、RPMI、またはX-VIVOである、実施形態110に記載の方法。
実施形態113。 前記細胞懸濁液の粘度が、約8.9×10-4Pa・秒から約4.0×10-3Pa・秒の範囲である、実施形態1から112のいずれか一つに記載の方法。
実施形態114。 前記表面に近接する少なくとも1つの電極により発生する電界を通って前記細胞を通過させるステップをさらに含む、実施形態1から113のいずれか一つに記載の方法。
実施形態115。 細孔を含有する表面を含む、細胞内に化合物を送達するためのデバイスであって、前記細孔が、溶液に懸濁された細胞が通過できるように構成されており、前記細孔が、前記細胞を変形させ、それによって前記化合物が前記細胞に入るように前記細胞の摂動が生じる、デバイス。
実施形態116。 前記表面が膜である、実施形態115に記載のデバイス。
実施形態117。 前記表面がフィルターである、実施形態115に記載のデバイス。
実施形態118。 前記表面が蛇行する経路の表面である、実施形態115から117のいずれか一つに記載のデバイス。
実施形態119。 前記表面が、ポリカーボネート、ポリマー、シリコン、ガラス、金属、ニトロセルロース、酢酸セルロース、ナイロン、ポリエステル、ポリエーテルスルホン、ポリテトラフルオロエチレン、グラファイト、およびセラミックの1つから選択される材料を含む、実施形態115から118のいずれか一つに記載のデバイス。
実施形態120。 前記細孔への入口が、前記細孔よりも広いか、前記細孔よりも狭いか、または前記細孔と同じ幅である、実施形態115から119のいずれか一つに記載のデバイス。
実施形態121。 前記表面が、エッチング、トラックエッチング、リソグラフィー、レーザーアブレーション、スタンピング、微細孔パンチング、ポリマースポンジ、直接発泡成形、押出成形およびホットエンボス加工の方法から選択される方法を使用して製造される、実施形態115から120のいずれか一つに記載のデバイス。
実施形態122。 前記細孔のサイズが、細胞径と相関している、実施形態115から121のいずれか一つに記載のデバイス。
実施形態123。 前記細孔の横断面の幅が、前記細胞径の約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、または約99%である、実施形態115から122のいずれか一つに記載のデバイス。
実施形態124。 表面の横断面の幅が、約1mmから約1mの間の範囲である、実施形態115から123のいずれか一つに記載のデバイス。
実施形態125。 前記細孔の横断面の幅が、約0.01μmから約300μmの範囲である、実施形態115から124のいずれか一つに記載のデバイス。
実施形態126。 前記細孔の横断面の幅が、約0.01から約35μmの範囲である、実施形態115から125のいずれか一つに記載のデバイス。
実施形態127。 前記細孔の横断面の幅が、約0.4μm、約4μm、約5μm、約8μm、約10μm、約12μm、または約14μmである、実施形態115から126のいずれか一つに記載のデバイス。
実施形態128。 前記細孔の横断面の幅が、約200μmである、実施形態115から125のいずれか一つに記載のデバイス。
実施形態129。 前記細孔のサイズが、不均質である、実施形態115から128のいずれか一つに記載のデバイス。
実施形態130。 不均質な細孔の横断面の幅が、10から20%の範囲で変動する、実施形態115から129のいずれか一つに記載のデバイス。
実施形態131。 前記細孔のサイズが、均質である、実施形態115から128のいずれか一つに記載のデバイス。
実施形態132。 前記細孔が、同一の入口角および出口角を有する、実施形態115から131のいずれか一つに記載のデバイス。
実施形態133。 前記細孔が、異なる入口角および出口角を有する、実施形態115から131のいずれか一つに記載のデバイス。
実施形態134。 前記細孔の横断面の形状が、環状、円形、四角形、星形、三角形、多角形、五角形、六角形、七角形、および八角形の形状から選択される、実施形態115から133のいずれか一つに記載のデバイス。
実施形態135。 前記細孔の形状が、円柱形または円錐形から選択される、実施形態115から133のいずれか一つに記載のデバイス。
実施形態136。 前記細孔の縁が、滑らかである、実施形態115から135のいずれか一つに記載のデバイス。
実施形態137。 前記細孔の縁が、鋭い、実施形態115から135のいずれか一つに記載のデバイス。
実施形態138。 前記細孔の通路が、真っ直ぐである、実施形態115から137のいずれか一つに記載のデバイス。
実施形態139。 前記細孔の通路が、湾曲している、実施形態115から137のいずれか一つに記載のデバイス。
実施形態140。 前記細孔が、全表面積の約10から80%を構成する、実施形態115から139のいずれか一つに記載のデバイス。
実施形態141。 前記表面が、合計約1.0×105から約1.0×1030個の細孔を含む、実施形態115から140のいずれか一つに記載のデバイス。
実施形態142。 前記表面が、表面積1mm2当たり約10から約1.0×1015個の細孔を含む、実施形態115から141のいずれか一つに記載のデバイス。
実施形態143。 前記細孔が、平行に分布している、実施形態115から142のいずれか一つに記載のデバイス。
実施形態144。 複数の表面が、直列に分布している、実施形態115から143のいずれか一つに記載のデバイス。
実施形態145。 前記細孔の分布が、規則正しい、実施形態115から144のいずれか一つに記載のデバイス。
実施形態146。 前記細孔の分布が、ランダムである、実施形態115から144のいずれか一つに記載のデバイス。
実施形態147。 前記表面の厚さが、均一である、実施形態115から146のいずれか一つに記載のデバイス。
実施形態148。 前記表面の厚さが、均一ではない、実施形態115から146のいずれか一つに記載のデバイス。
実施形態149。 前記表面が、約0.01μmから約5mの厚さである、実施形態115から148のいずれか一つに記載のデバイス。
実施形態150。 前記表面が、約10μmの厚さである、実施形態115から149のいずれか一つに記載のデバイス。
実施形態151。 前記表面が、材料で被覆されている、実施形態115から150のいずれか一つに記載のデバイス。
実施形態152。 前記材料が、テフロン(登録商標)である、実施形態151に記載のデバイス。
実施形態153。 前記材料が、細胞に結合する接着性コーティングを含む、実施形態151に記載のデバイス。
実施形態154。 前記材料が、界面活性剤を含む、実施形態151に記載のデバイス。
実施形態155。 前記材料が、抗凝固剤を含む、実施形態151に記載のデバイス。
実施形態156。 前記材料が、ポリペプチドを含む、実施形態151に記載のデバイス。
実施形態157。 前記材料が、接着分子を含む、実施形態151に記載のデバイス。
実施形態158。 前記材料が、抗体を含む、実施形態151に記載のデバイス。
実施形態159。 前記材料が、細胞機能を調節する因子を含む、実施形態151に記載のデバイス。
実施形態160。 前記材料が、核酸を含む、実施形態151に記載のデバイス。
実施形態161。 前記材料が、脂質を含む、実施形態151に記載のデバイス。
実施形態162。 前記材料が、炭水化物を含む、実施形態151に記載のデバイス。
実施形態163。 前記材料が、複合体を含む、実施形態151に記載のデバイス。
実施形態164。 前記複合体が、脂質-炭水化物複合体である、実施形態163に記載のデバイス。
実施形態165。 前記材料が、膜貫通タンパク質を含む、実施形態151に記載のデバイス。
実施形態166。 前記材料が、前記表面に共有結合している、実施形態151から165のいずれか一つに記載のデバイス。
実施形態167。 前記材料が、前記表面に非共有結合している、実施形態151から165のいずれか一つに記載のデバイス。
実施形態168。 前記表面が、親水性である、実施形態115から167のいずれか一つに記載のデバイス。
実施形態169。 前記表面が、疎水性である、実施形態115から167のいずれか一つに記載のデバイス。
実施形態170。 前記表面が、帯電している、実施形態115から169のいずれか一つに記載のデバイス。
実施形態171。 前記細胞懸濁液が、哺乳動物細胞を含む、実施形態115から170のいずれか一つに記載のデバイス。
実施形態172。 前記細胞懸濁液が、混成の細胞集団を含む、実施形態115から171のいずれか一つに記載のデバイス。
実施形態173。 前記細胞懸濁液が、全血である、実施形態115から172のいずれか一つに記載のデバイス。
実施形態174。 前記細胞懸濁液が、リンパ液である、実施形態115から172のいずれか一つに記載のデバイス。
実施形態175。 前記細胞懸濁液が、末梢血単核球を含む、実施形態115から172のいずれか一つに記載のデバイス。
実施形態176。 前記細胞懸濁液が、精製された細胞集団を含む、実施形態115から171のいずれか一つに記載のデバイス。
実施形態177。 前記細胞が、免疫細胞、細胞株の細胞、幹細胞、腫瘍細胞、線維芽細胞、皮膚細胞、神経細胞、または赤血球である、実施形態115から172または176のいずれか一つに記載のデバイス。
実施形態178。 前記免疫細胞が、T細胞、B細胞、樹状細胞、単球、マクロファージ、好酸球、好塩基球、NK細胞、NKT細胞、マスト細胞または好中球である、実施形態177に記載のデバイス。
実施形態179。 前記細胞が、マウス、イヌ、ネコ、ウマ、ラット、ヤギ、またはウサギ細胞である、実施形態115から178のいずれか一つに記載のデバイス。
実施形態180。 前記細胞が、ヒト細胞である、実施形態115から178のいずれか一つに記載のデバイス。
実施形態181。 前記化合物が、核酸を含む、実施形態115から180のいずれか一つに記載のデバイス。
実施形態182。 前記化合物が、DNA、組換えDNA、cDNA、ゲノムDNA、RNA、siRNA、mRNA、miRNA、lncRNA、tRNA、shRNA、または自己増幅mRNAをコードする核酸を含む、実施形態115から181のいずれか一つに記載のデバイス。
実施形態183。 前記化合物が、プラスミドである、実施形態115から182のいずれか一つに記載のデバイス。
実施形態184。 前記化合物が、ポリペプチド-核酸複合体を含む、実施形態115から180のいずれか一つに記載のデバイス。
実施形態185。 前記化合物が、Cas9タンパク質およびガイドRNAまたはドナーDNAを含む、実施形態115から180または184のいずれか一つに記載のデバイス。
実施形態186。 前記化合物が、Cas9タンパク質をコードする核酸およびガイドRNAまたはドナーDNAを含む、実施形態115から181のいずれか一つに記載のデバイス。
実施形態187。 前記化合物が、タンパク質またはペプチドを含む、実施形態115から180のいずれか一つに記載のデバイス。
実施形態188。 前記化合物が、ヌクレアーゼ、TALENタンパク質、ジンクフィンガーヌクレアーゼ、メガヌクレアーゼ、CREリコンビナーゼ、FLPリコンビナーゼ、Rリコンビナーゼ、インテグラーゼ、またはトランスポザーゼを含む、実施形態115から180または187のいずれか一つに記載のデバイス。
実施形態189。 前記化合物が、抗体である、実施形態115から180または187のいずれか一つに記載のデバイス。
実施形態190。 前記化合物が、転写因子である、実施形態115から180または187のいずれか一つに記載のデバイス。
実施形態191。 前記化合物が、小分子である、実施形態115から180のいずれか一つに記載のデバイス。
実施形態192。 前記化合物が、ナノ粒子である、実施形態115から180のいずれか一つに記載のデバイス。
実施形態193。 前記化合物が、キメラ抗原受容体である、実施形態115から180のいずれか一つに記載のデバイス。
実施形態194。 前記化合物が、蛍光によりタグ付けされた分子である、実施形態115から193のいずれか一つに記載のデバイス。
実施形態195。 前記化合物が、リポソームである、実施形態115から180のいずれか一つに記載のデバイス。
実施形態196。 前記細胞懸濁液が、前記細孔を通って通過する前、それと同時またはその後に、前記化合物と接触する、実施形態115から195のいずれか一つに記載のデバイス。
実施形態197。 送達される前記化合物が、前記表面に被覆されている、実施形態115から195のいずれか一つに記載のデバイス。
実施形態198。 前記デバイスは、0℃から45℃の間である、実施形態115から197のいずれか一つに記載のデバイス。
実施形態199。 前記細胞が、正圧または負圧により前記細孔を通って通過する、実施形態115から198のいずれか一つに記載のデバイス。
実施形態200。 前記細胞が、定圧または可変圧により前記細孔を通って通過する、実施形態115から199のいずれか一つに記載のデバイス。
実施形態201。 圧力が、注射器を使用して印加される、実施形態115から200のいずれか一つに記載のデバイス。
実施形態202。 圧力が、ポンプを使用して印加される、実施形態115から200のいずれか一つに記載のデバイス。
実施形態203。 圧力が、減圧を使用して印加される、実施形態115から200のいずれか一つに記載のデバイス。
実施形態204。 前記細胞が、毛細管圧により前記細孔を通って通過する、実施形態115から200のいずれか一つに記載のデバイス。
実施形態205。 前記細胞が、血圧により前記細孔を通って通過する、実施形態115から200のいずれか一つに記載のデバイス。
実施形態206。 前記細胞が、g-力により前記細孔を通って通過する、実施形態115から200のいずれか一つに記載のデバイス。
実施形態207。 前記細胞が、約0.05psiから約500psiの範囲の圧力下で前記細孔を通って通過する、実施形態115から206のいずれか一つに記載のデバイス。
実施形態208。 前記細胞が、約2psiの圧力下で前記細孔を通って通過する、実施形態115から207のいずれか一つに記載のデバイス。
実施形態209。 前記細胞が、約2.5psiの圧力下で前記細孔を通って通過する、実施形態115から207のいずれか一つに記載のデバイス。
実施形態210。 前記細胞が、約3psiの圧力下で前記細孔を通って通過する、実施形態115から207のいずれか一つに記載のデバイス。
実施形態211。 前記細胞が、約5psiの圧力下で前記細孔を通って通過する、実施形態115から207のいずれか一つに記載のデバイス。
実施形態212。 前記細胞が、約10psiの圧力下で前記細孔を通って通過する、実施形態115から207のいずれか一つに記載のデバイス。
実施形態213。 前記細胞が、約20psiの圧力下で前記細孔を通って通過する、実施形態115から207のいずれか一つに記載のデバイス。
実施形態214。 流体の流れにより前記細胞を前記細孔中に通過させる、実施形態115から213のいずれか一つに記載のデバイス。
実施形態215。 前記細胞が前記細孔を通って通過する前、前記流体の流れが、乱流である、実施形態214に記載のデバイス。
実施形態216。 前記細孔中を通る前記流体の流れが、層流である、実施形態214に記載のデバイス。
実施形態217。 前記細胞が前記細孔を通って通過した後、前記流体の流れが、乱流である、実施形態214に記載のデバイス。
実施形態218。 前記細胞が、均一な細胞速度で前記細孔を通って通過する、実施形態115から217のいずれか一つに記載のデバイス。
実施形態219。 前記細胞が、変動する細胞速度で前記細孔を通って通過する、実施形態115から217のいずれか一つに記載のデバイス。
実施形態220。 前記細胞が、約0.1mm/秒から約20m/秒の範囲の速度で前記細孔を通って通過する、実施形態115から219のいずれか一つに記載のデバイス。
実施形態221。 前記表面が、より大きなモジュール内に含有されている、実施形態115から220のいずれか一つに記載のデバイス。
実施形態222。 前記表面が、注射器内に含有されている、実施形態115から221のいずれか一つに記載のデバイス。
実施形態223。 前記細胞懸濁液が、水溶液を含む、実施形態115から222のいずれか一つに記載のデバイス。
実施形態224。 前記水溶液が、細胞培養培地、PBS、塩、糖、増殖因子、動物由来産物、増量材、界面活性剤、潤滑剤、ビタミン、タンパク質、キレート剤、および/またはアクチン重合に影響を与える薬剤を含む、実施形態223に記載のデバイス。
実施形態225。 前記アクチン重合に影響を与える薬剤が、ラトランクリンA、サイトカラシン、および/またはコルヒチンである、実施形態224に記載のデバイス。
実施形態226。 前記細胞培養培地が、DMEM、OptiMEM、IMDM、RPMI、またはX-VIVOである、実施形態224に記載のデバイス。
実施形態227。 前記細胞懸濁液の粘度が、約8.9×10-4Pa・秒から約4.0×10-3Pa・秒の範囲である、実施形態115から226のいずれか一つに記載のデバイス。
実施形態228。 複数の表面を含む、実施形態115から227のいずれか一つに記載のデバイス。
実施形態229。 前記表面が、トランスウェルである、実施形態115から228のいずれか一つに記載のデバイス。
実施形態230。 少なくとも1つの電極が、前記表面に近接して、電界を発生させる、実施形態115から229のいずれか一つに記載のデバイス。
実施形態231。 摂動を含む細胞であって、前記細胞が、細孔を含有する表面を通って前記細胞を通過させることにより生成され、前記細孔が、前記細胞を変形させ、それによって化合物が前記細胞に入ることができるように摂動が生じる、細胞。
実施形態232。 前記表面が膜である、実施形態231に記載の細胞。
実施形態233。 前記表面がフィルターである、実施形態231に記載の細胞。
実施形態234。 前記表面が蛇行する経路の表面である、実施形態231から233のいずれか一つに記載の細胞。
実施形態235。 前記表面が、ポリカーボネート、ポリマー、シリコン、ガラス、金属、ニトロセルロース、酢酸セルロース、ナイロン、ポリエステル、ポリエーテルスルホン、ポリテトラフルオロエチレン、グラファイト、およびセラミックの1つから選択される材料を含む、実施形態231から234のいずれか一つに記載の細胞。
実施形態236。 前記細孔への入口が、前記細孔よりも広いか、前記細孔よりも狭いか、または前記細孔と同じ幅である、実施形態231から235のいずれか一つに記載の細胞。
実施形態237。 前記表面が、エッチング、トラックエッチング、リソグラフィー、レーザーアブレーション、スタンピング、微細孔パンチング、ポリマースポンジ、直接発泡成形、押出成形およびホットエンボス加工の方法から選択される方法を使用して製造される、実施形態231から236のいずれか一つに記載の細胞。
実施形態238。 前記細孔の横断面の幅が、細胞径と相関している、実施形態231から237のいずれか一つに記載の細胞。
実施形態239。 前記細孔の横断面の幅が、前記細胞径の約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、または約99%である、実施形態231から238のいずれか一つに記載の細胞。
実施形態240。 表面の横断面の幅が、約1mmから約1mの間の範囲である、実施形態231から239のいずれか一つに記載の細胞。
実施形態241。 前記細孔の横断面の幅が、約0.01μmから約300μmの範囲である、実施形態231から240のいずれか一つに記載の細胞。
実施形態242。 前記細孔の横断面の幅が、約0.01から約35μmの範囲である、実施形態231から241のいずれか一つに記載の細胞。
実施形態243。 前記細孔の横断面の幅が、約0.4μm、約4μm、約5μm、約8μm、約10μm、約12μm、または約14μmである、実施形態231から242のいずれか一つに記載の細胞。
実施形態244。 前記細孔の横断面の幅が、約200μmである、実施形態231から241のいずれか一つに記載の細胞。
実施形態245。 前記細孔のサイズが、不均質である、実施形態231から244のいずれか一つに記載の細胞。
実施形態246。 不均質な細孔の横断面の幅が、10から20%の範囲で変動する、実施形態231から245のいずれか一つに記載の細胞。
実施形態247。 前記細孔のサイズが、均質である、実施形態231から244のいずれか一つに記載の細胞。
実施形態248。 前記細孔が、同一の入口角および出口角を有する、実施形態231から247のいずれか一つに記載の細胞。
実施形態249。 前記細孔が、異なる入口角および出口角を有する、実施形態231から247のいずれか一つに記載の細胞。
実施形態250。 前記細孔の横断面の形状が、環状、円形、四角形、星形、三角形、多角形、五角形、六角形、七角形、および八角形の形状から選択される、実施形態231から249のいずれか一つに記載の細胞。
実施形態251。 前記細孔の形状が、円柱形または円錐形から選択される、実施形態231から249のいずれか一つに記載の細胞。
実施形態252。 前記細孔の縁が、滑らかである、実施形態231から251のいずれか一つに記載の細胞。
実施形態253。 前記細孔の縁が、鋭い、実施形態231から251のいずれか一つに記載の細胞。
実施形態254。 前記細孔の通路が、真っ直ぐである、実施形態231から253のいずれか一つに記載の細胞。
実施形態255。 前記細孔の通路が、湾曲している、実施形態231から253のいずれか一つに記載の細胞。
実施形態256。 前記細孔が、全表面積の約10から80%を構成する、実施形態231から255のいずれか一つに記載の細胞。
実施形態257。 前記表面が、合計約1.0×105から約1.0×1030個の細孔を含む、実施形態231から256のいずれか一つに記載の細胞。
実施形態258。 前記表面が、表面積1mm2当たり約10から約1.0×1015個の細孔を含む、実施形態231から257のいずれか一つに記載の細胞。
実施形態259。 前記細孔が、平行に分布している、実施形態231から258のいずれか一つに記載の細胞。
実施形態260。 複数の表面が、直列に分布している、実施形態231から259のいずれか一つに記載の細胞。
実施形態261。 前記細孔の分布が、規則正しい、実施形態231から260のいずれか一つに記載の細胞。
実施形態262。 前記細孔の分布が、ランダムである、実施形態231から260のいずれか一つに記載の細胞。
実施形態263。 前記表面の厚さが、均一である、実施形態231から262のいずれか一つに記載の細胞。
実施形態264。 前記表面の厚さが、均一ではない、実施形態231から262のいずれか一つに記載の細胞。
実施形態265。 前記表面が、約0.01μmから約5mの厚さである、実施形態231から264のいずれか一つに記載の細胞。
実施形態266。 前記表面が、約10μmの厚さである、実施形態231から265のいずれか一つに記載の細胞。
実施形態267。 前記表面が、材料で被覆されている、実施形態231から266のいずれか一つに記載の細胞。
実施形態268。 前記材料が、テフロン(登録商標)である、実施形態267に記載の細胞。
実施形態269。 前記材料が、細胞に結合する接着性コーティングを含む、実施形態267に記載の細胞。
実施形態270。 前記材料が、界面活性剤を含む、実施形態267に記載の細胞。
実施形態271。 前記材料が、抗凝固剤を含む、実施形態267に記載の細胞。
実施形態272。 前記材料が、ポリペプチドを含む、実施形態267に記載の細胞。
実施形態273。 前記材料が、接着分子を含む、実施形態267に記載の細胞。
実施形態274。 前記材料が、抗体を含む、実施形態267に記載の細胞。
実施形態275。 前記材料が、細胞機能を調節する因子を含む、実施形態267に記載の細胞。
実施形態276。 前記材料が、核酸を含む、実施形態267に記載の細胞。
実施形態277。 前記材料が、脂質を含む、実施形態267に記載の細胞。
実施形態278。 前記材料が、炭水化物を含む、実施形態267に記載の細胞。
実施形態279。 前記材料が、複合体を含む、実施形態267に記載の細胞。
実施形態280。 前記複合体が、脂質-炭水化物複合体である、実施形態279に記載の細胞。
実施形態281。 前記材料が、膜貫通タンパク質を含む、実施形態267に記載の細胞。
実施形態282。 前記材料が、前記表面に共有結合している、実施形態267から281のいずれか一つに記載の細胞。
実施形態283。 前記材料が、前記表面に非共有結合している、実施形態267から281のいずれか一つに記載の細胞。
実施形態284。 前記表面が、親水性である、実施形態231から283のいずれか一つに記載の細胞。
実施形態285。 前記表面が、疎水性である、実施形態231から283のいずれか一つに記載の細胞。
実施形態286。 前記表面が、帯電している、実施形態231から285のいずれか一つに記載の細胞。
実施形態287。 前記細胞が、哺乳動物細胞である、実施形態231から286のいずれか一つに記載の細胞。
実施形態288。 前記細胞が、免疫細胞、細胞株の細胞、幹細胞、腫瘍細胞、線維芽細胞、皮膚細胞、神経細胞、または赤血球である、実施形態231から287のいずれか一つに記載の細胞。
実施形態289。 前記免疫細胞が、T細胞、B細胞、樹状細胞、単球、マクロファージ、好酸球、好塩基球、NK細胞、NKT細胞、マスト細胞または好中球である、実施形態288に記載の細胞。
実施形態290。 前記細胞が、マウス、イヌ、ネコ、ウマ、ラット、ヤギ、またはウサギ細胞である、実施形態231から289のいずれか一つに記載の細胞。
実施形態291。 前記細胞が、ヒト細胞である、実施形態231から289のいずれか一つに記載の細胞。
実施形態292。 前記化合物が、核酸を含む、実施形態231から291のいずれか一つに記載の細胞。
実施形態293。 前記化合物が、DNA、組換えDNA、cDNA、ゲノムDNA、RNA、siRNA、mRNA、miRNA、lncRNA、tRNA、shRNA、または自己増幅mRNAをコードする核酸を含む、実施形態231から292のいずれか一つに記載の細胞。
実施形態294。 前記化合物が、プラスミドである、実施形態231から293のいずれか一つに記載の細胞。
実施形態295。 前記化合物が、ポリペプチド-核酸複合体を含む、実施形態231から291のいずれか一つに記載の細胞。
実施形態296。 前記化合物が、Cas9タンパク質およびガイドRNAまたはドナーDNAを含む、実施形態231から291または295のいずれか一つに記載の細胞。
実施形態297。 前記化合物が、Cas9タンパク質をコードする核酸およびガイドRNAまたはドナーDNAを含む、実施形態231から292のいずれか一つに記載の細胞。
実施形態298。 前記化合物が、タンパク質またはペプチドを含む、実施形態231から291のいずれか一つに記載の細胞。
実施形態299。 前記化合物が、ヌクレアーゼ、TALENタンパク質、ジンクフィンガーヌクレアーゼ、メガヌクレアーゼ、CREリコンビナーゼ、FLPリコンビナーゼ、Rリコンビナーゼ、インテグラーゼ、またはトランスポザーゼを含む、実施形態231から291または298のいずれか一つに記載の細胞。
実施形態300。 前記化合物が、抗体である、実施形態231から291または298のいずれか一つに記載の細胞。
実施形態301。 前記化合物が、転写因子である、実施形態231から291または298のいずれか一つに記載の細胞。
実施形態302。 前記化合物が、小分子である、実施形態231から291のいずれか一つに記載の細胞。
実施形態303。 前記化合物が、ナノ粒子である、実施形態231から291のいずれか一つに記載の細胞。
実施形態304。 前記化合物が、キメラ抗原受容体である、実施形態231から291のいずれか一つに記載の細胞。
実施形態305。 前記化合物が、蛍光によりタグ付けされた分子である、実施形態231から304のいずれか一つに記載の細胞。
実施形態306。 前記化合物が、リポソームである、実施形態231から291のいずれか一つに記載の細胞。
実施形態307。 前記細胞が、前記細孔を通って通過する前、それと同時またはその後に、前記化合物と接触する、実施形態231から306のいずれか一つに記載の細胞。
実施形態308。 送達される前記化合物が、前記表面に被覆されている、実施形態231から306のいずれか一つに記載の細胞。
実施形態309。 前記細胞が、0℃から45℃の間で前記細孔を通って通過する、実施形態231から308のいずれか一つに記載の細胞。
実施形態310。 前記細胞が、正圧または負圧により前記細孔を通って通過する、実施形態231から309のいずれか一つに記載の細胞。
実施形態311。 前記細胞が、定圧または可変圧により前記細孔を通って通過する、実施形態231から310のいずれか一つに記載の細胞。
実施形態312。 圧力が、注射器を使用して印加される、実施形態231から311のいずれか一つに記載の細胞。
実施形態313。 圧力が、ポンプを使用して印加される、実施形態231から311のいずれか一つに記載の細胞。
実施形態314。 圧力が、減圧を使用して印加される、実施形態231から311のいずれか一つに記載の細胞。
実施形態315。 前記細胞が、毛細管圧により前記細孔を通って通過する、実施形態231から311のいずれか一つに記載の細胞。
実施形態316。 前記細胞が、血圧により前記細孔を通って通過する、実施形態231から311のいずれか一つに記載の細胞。
実施形態317。 前記細胞が、g-力により前記細孔を通って通過する、実施形態231から311のいずれか一つに記載の細胞。
実施形態318。 前記細胞が、約0.05psiから約500psiの範囲の圧力下で前記細孔を通って通過する、実施形態231から317のいずれか一つに記載の細胞。
実施形態319。 前記細胞が、約2psiの圧力下で前記細孔を通って通過する、実施形態231から318のいずれか一つに記載の細胞。
実施形態320。 前記細胞が、約2.5psiの圧力下で前記細孔を通って通過する、実施形態231から318のいずれか一つに記載の細胞。
実施形態321。 前記細胞が、約3psiの圧力下で前記細孔を通って通過する、実施形態231から318のいずれか一つに記載の細胞。
実施形態322。 前記細胞が、約5psiの圧力下で前記細孔を通って通過する、実施形態231から318のいずれか一つに記載の細胞。
実施形態323。 前記細胞が、約10psiの圧力下で前記細孔を通って通過する、実施形態231から318のいずれか一つに記載の細胞。
実施形態324。 前記細胞が、約20psiの圧力下で前記細孔を通って通過する、実施形態231から318のいずれか一つに記載の細胞。
実施形態325。 流体の流れにより前記細胞を前記細孔中に通過させる、実施形態231から324のいずれか一つに記載の細胞。
実施形態326。 前記細胞が前記細孔を通って通過する前、前記流体の流れが、乱流である、実施形態325に記載の細胞。
実施形態327。 前記細孔中を通る前記流体の流れが、層流である、実施形態325に記載の細胞。
実施形態328。 前記細胞が前記細孔を通って通過した後、前記流体の流れが、乱流である、実施形態325に記載の細胞。
実施形態329。 前記細胞が、約0.1mm/秒から約5m/秒の範囲の速度で前記細孔を通って通過する、実施形態231から328のいずれか一つに記載の細胞。
実施形態330。 前記表面が、より大きなモジュール内に含有されている、実施形態231から329のいずれか一つに記載の細胞。
実施形態331。 前記表面が、注射器内に含有されている、実施形態231から330のいずれか一つに記載の細胞。
実施形態332。 前記細胞が、水溶液を含む細胞懸濁液中にある、実施形態231から331のいずれか一つに記載の細胞。
実施形態333。 前記水溶液が、細胞培養培地、PBS、塩、糖、増殖因子、動物由来産物、増量材、界面活性剤、潤滑剤、ビタミン、タンパク質、キレート剤、および/またはアクチン重合に影響を与える薬剤を含む、実施形態332に記載の細胞。
実施形態334。 前記アクチン重合に影響を与える薬剤が、ラトランクリンA、サイトカラシン、および/またはコルヒチンである、実施形態333に記載の細胞。
実施形態335。 前記細胞培養培地が、DMEM、OptiMEM、IMDM、RPMI、またはX-VIVOである、実施形態333に記載の細胞。
実施形態336。 前記細胞が、前記表面に近接する少なくとも1つの電極により発生する電界を通ってさらに通過した、実施形態231から335のいずれか一つに記載の細胞。
以下の実施例は本開示の様々な実施形態を図示するために与えられ、決して本開示を限定するものでない。目的を実行し、指摘した結末および利点、ならびに本明細書に内在する目的、結末および利点を得るのに本開示が好適であることを、当業者は容易に理解する。請求項の範囲によって規定される本開示の趣旨の範囲内に包含されるその中の変更および他の使用は、当業者であれば想到されるものである。
(実施例1)
HeLa細胞へのデキストラン粒子の送達
序論
細胞内への分子のフィルター媒介送達を評価するために、規定サイズの細孔を含有するフィルターを通って、蛍光性デキストラン粒子と混合されたHeLa細胞を通過させ、細胞内粒子送達をFACS分析により評価した。
材料および方法
ポリカーボネートメンブレンフィルターは、STERLITECH(商標)(PCT8013100)から得られた。比較的均一な細孔サイズであるがランダム分布の細孔を生じさせるために核リアクター内で帯電粒子にカーボネートフィルムを曝露させることによって、これらのポリカーボネートフィルターは生成される。その結果としての細孔の直径は、0.010μmから35μmの範囲内であった。フィルター細孔は、概ね10μmの厚さであった。ポリカーボネートフィルターおよびフィルター細孔の例示的な画像を、図1AおよびBに示す。本明細書に記載される研究において、8μm、10μm、12μmおよび14μmの細孔サイズを有するフィルターを使用した。フィルター送達実験で使用したさらなる材料を、表1に列挙する。
Figure 0007046795000001
HeLa細胞を、細胞4×10個/mLでoptiMEM培地に懸濁した。陰性対照としての使用のために、100μlの細胞をピペットで吸い出した。メンブレンフィルターを濡らすために、鉗子を使用してポリカーボネートメンブレンフィルターをPBSに懸濁した。プラスチックフィルターホルダーのキャップを取り、輝く側を上にしてフィルターを内部表面の上に置き、フィルターホルダーに再びキャップをした。デキストラン粒子と混合した200μlの細胞を、フィルターホルダーに加えた。細胞4×10個/mLの5mLの細胞に、デキストランを0.2mg/mLで懸濁した。定圧送達のために、圧力調整器を備えた窒素ガス送達システムを使用した。24ウェルプレートまたはFACSチューブに、フィルターフロースルーを収集した。FACS分析の前に、4℃で4分の間、全ての試料を400rcfで3回遠心分離、洗浄し、細胞外デキストランを除去した。FACS分析の準備をするために、以下のステップをとった。最初に、FACS緩衝液を調製し(PBS+最終濃度:1%FBS+2nM EDTA)、使用直前にヨウ化プロピジウムを加えた(1:100希釈)。チューブ当たり400μLのFACS緩衝液を加え、細胞を再懸濁した。全細胞事象を可視化するようにフローサイトメトリーの前方散乱、側方散乱および蛍光チャネル電圧を調整し、試料当たり10,000事象を記録した。デキストラン粒子と混合したがフィルターを通過しなかった細胞は、エンドサイトーシスによる粒子送達のための対照として使用した。これらの細胞は色素と接触したが、フィルターを通過しなかった。全ての他のステップは、エンドサイトーシス対照の場合と同じであった。陰性対照試料は色素と接触しなかったが、実験試料と同じステップにかけられた。
結果
8μm、10μm、12μmおよび14μmサイズのフィルターの細孔を通るHeLa細胞へのデキストラン粒子の送達効率。
3kDa PacBlueおよび10kDa Alexa488デキストラン粒子と混合したHeLa細胞を、8μm、10μm、12μmおよび14μmサイズのフィルターの細孔に低圧(5psi、10psiまたは20psi)で通過させた。送達後の細胞を表す例示的なフローサイトメトリープロットを、図2A~Gに示す。図2A~Cは、5psiの下で14μm(図2A)、12μm(図2B)および10μm(図2C)サイズのフィルターの細孔を通過した細胞を表す。図2EとGは、10psi(図2E)および20psi(図2G)の下で12μmのフィルターの細孔を通過した細胞を表す。図2DとFは、エンドサイトーシス対照(図2D)および陰性対照(図2F)のプロットを表す。フィルター送達後に3kDaおよび10kDaの両方のデキストラン粒子を含有する細胞は、PacBlueおよびAlexa488(Q2象限)のための二重陽性細胞染色によって示される。フィルター送達後の3kDaおよび10kDaの両方のデキストラン粒子に陽性の細胞の百分率によって示される送達効率を、下の表2に示す。デキストラン粒子の送達効率は細孔サイズおよび圧変動によって予想通り異なり、最も高い送達(86%)は5psiで、8μm孔で観察された。
Figure 0007046795000002
細胞生存度は、フィルター送達後に測定した。フィルター送達後の生細胞の百分率によって示される細胞生存度は、下の表3に示す。フィルターを通過した細胞の細胞生存度は加えた圧の増加に伴って減少し、各細孔サイズについて5psiが最も高い細胞生存度をもたらした。エンドサイトーシス対照と比較してフィルターを通過した細胞で、細胞生存度は減少した。細胞生存度は、細孔サイズおよび圧変動によって予想通り異なった。
Figure 0007046795000003
(実施例2)
5μmサイズのフィルターの細孔を通るヒトT細胞へのデキストラン粒子の送達
序論
一次免疫細胞内への分子のフィルター媒介送達を評価するために、5μmサイズのフィルターの細孔に、蛍光性デキストラン粒子と混合された一次ヒトT細胞を通し、細胞内粒子送達を、FACS分析により判定した。手動でのシリンジ加圧または定圧の下での、一次ヒトT細胞へのデキストラン粒子のフィルター媒介送達を比較した。
材料および方法
フィコール分離を通して、末梢血単核細胞(PBMC)を新鮮なヒト血液から先ず単離した。磁気カラムを使用した負の選択によって、T細胞をPBMCから次に分離した。T細胞を、細胞4×10個/mLでoptiMEM培地に懸濁した。陰性対照としての使用のために、100μlの細胞をピペットで吸い出した。メンブレンフィルターを濡らすために、鉗子を使用してポリカーボネートメンブレンフィルターをPBSに懸濁した。プラスチックフィルターホルダーのキャップを取り、輝く側を上にしてフィルターを内部表面の上に置き、フィルターホルダーに再びキャップをした。デキストラン粒子と混合した200μlの細胞を、フィルターホルダーに加えた。細胞4×10個/mLの5mLの細胞に、デキストランを0.2mg/mLで懸濁した。定圧送達のために、圧力調整器を備えた窒素ガス送達システムを使用した。24ウェルプレートまたはFACSチューブに、フィルターフロースルーを収集した。FACS分析の前に、4℃で4分の間、全ての試料を400rcfで3回遠心分離、洗浄し、細胞外デキストランを除去した。FACS分析の準備をするために、以下のステップをとった。最初に、FACS緩衝液を調製し(PBS+最終濃度:1%FBS+2nM EDTA)、使用直前にヨウ化プロピジウムを加えた(1:100希釈)。チューブ当たり400μLのFACS緩衝液を加え、細胞を再懸濁した。全細胞事象を可視化するようにフローサイトメトリーの前方散乱、側方散乱および蛍光チャネル電圧を調整し、試料当たり10,000事象を記録した。デキストラン粒子と混合したがフィルターを通過しなかった細胞は、エンドサイトーシスによる粒子送達のための対照として使用した。これらの細胞は色素と接触したが、フィルターを通過しなかった。全ての他のステップは、エンドサイトーシス対照の場合と同じであった。陰性対照試料は色素と接触しなかったが、実験試料と同じステップにかけられた。
結果
3kDa PacBlueおよび10kDa Alexa488デキストラン粒子と混合した一次ヒトT細胞を、手動でのシリンジ加圧または5psiの定圧の下で5μmサイズのフィルター細孔に通した。PacBlueおよびAlexa488(Q2象限)のための二重陽性細胞染色によって示されるように、手動でのシリンジ加圧(図3A)の下で通過した細胞の8.60%、および5psiの定圧(図3B)の下で通過した細胞の18.9%は、フィルター送達後に3kDaおよび10kDaの両方のデキストラン粒子を含有した。手動でのシリンジ加圧(図3A)の下で通過した細胞の85.4%および5psiの定圧(図3B)の下で通過した細胞の83.1%は、送達後に生存能力があった。
(実施例3)
2psiおよび3psiでのHeLa細胞へのデキストラン粒子の送達
序論
細胞内への分子のフィルター媒介送達を評価するために、規定サイズの細孔を含有するフィルターを通って、蛍光性デキストラン粒子と混合されたHeLa細胞を通し、細胞内粒子送達をFACS分析により評価した。
材料および方法
ポリカーボネートメンブレンフィルターは、STERLITECH(商標)から得られた。本明細書に記載される研究では、10μmの細孔サイズを有するフィルターを使用した。HeLa細胞を細胞2.5×10個/mLでOptiMEM培地に懸濁し、3kDaデキストラン粒子を0.1mg/mLの最終濃度で加えた。メンブレンフィルターおよびプラスチックフィルターホルダーを、実施例1に記載されているように調製した。デキストラン粒子と混合した200μlの細胞を、フィルターホルダーに加えた。定圧送達のために、圧力調整器を備えた窒素ガス送達システムを使用した。24ウェルプレートまたはFACSチューブに、フィルターフロースルーを収集した。FACS分析の前に、4℃で4分の間、全ての試料を400相対遠心力(rcf)で3回遠心分離、洗浄し、細胞外デキストランを除去した。FACS分析の準備をするために、以下のステップをとった。最初に、FACS緩衝液を調製し(PBS+最終濃度:1%FBS+2nM EDTA)、使用直前にヨウ化プロピジウムを加えた(1:100希釈)。チューブ当たり400μLのFACS緩衝液を加え、細胞を再懸濁した。全細胞事象を可視化するようにフローサイトメトリーの前方散乱、側方散乱および蛍光チャネル電圧を調整し、試料当たり10,000事象を記録した。デキストラン粒子と混合したがフィルターを通過しなかった細胞は、エンドサイトーシスによる粒子送達のための対照として使用した。これらの細胞は色素と接触したが、フィルターを通過しなかった。全ての他のステップは、エンドサイトーシス対照の場合と同じであった。陰性対照試料は色素と接触しなかったが、実験試料と同じステップにかけられた。3つのフィルターを各圧(2psiおよび3psi)で使用し、実験ごとに3つの試料が各フィルターを流れた。実験は別個の3日間にわたって繰り返し、各圧で合計27回実行された。
結果
2psiおよび3psiでの10μmサイズのフィルターの細孔を通したHeLa細胞へのデキストラン粒子の送達効率。
3kDa PacBlueデキストラン粒子と混合されたHeLa細胞を、2psiおよび3psiで10μmサイズのフィルター細孔に通した。3kDaデキストラン粒子に陽性の細胞の百分率によって示される送達効率、フィルター送達後の生細胞の百分率によって示される細胞生存度、および、フローサイトメトリーによる相対平均蛍光強度(rMFI)を、下の表4(2psi)および表5(3psi)に示す。送達効率、生存度およびrMFI値は再現可能で、実験全体で有意であった。2psiでは、細胞生存度および送達効率は約80%であった。3psiでは、細胞生存度は約60~70%であったが、送達効率は約90%であった。
Figure 0007046795000004

Figure 0007046795000005
(実施例4)
市販のまたは特注のシリンジフィルターによって媒介されるHeLa細胞へのデキストラン粒子の送達
序論
細胞内への分子のフィルター媒介送達を評価するために、市販または特注のシリンジフィルターを通って、蛍光性デキストラン粒子と混合されたHeLa細胞を通過され、細胞内粒子送達をFACS分析により評価した。
材料および方法
市販のフィルターおよびホルダー組合せを有する10μmの細孔を有するポリカーボネートメンブレンフィルター(COTSフィルター)を、STERLITECH(商標)から得た。10μmの細孔を有する特注のシリンジフィルターも使用した。
HeLa細胞を細胞3×10個/mLでOptiMEM培地に懸濁し、3kDaデキストラン粒子を0.1mg/mLの最終濃度で加えた。メンブレンフィルターおよびプラスチックフィルターホルダーを、実施例1に記載されているように調製した。デキストラン粒子と混合した200μlの細胞を、フィルターホルダーに加えた。定圧送達のために、圧力調整器を備えた窒素ガス送達システムを使用した。24ウェルプレートまたはFACSチューブに、フィルターフロースルーを収集した。FACS分析の前に、4℃で4分の間、全ての試料を400rcfで3回遠心分離、洗浄し、細胞外デキストランを除去した。FACS分析の準備をするために、以下のステップをとった。最初に、FACS緩衝液を調製し(PBS+最終濃度:1%FBS+2nM EDTA)、使用直前にヨウ化プロピジウムを加えた(1:100希釈)。チューブ当たり400μLのFACS緩衝液を加え、細胞を再懸濁した。全細胞事象を可視化するようにフローサイトメトリーの前方散乱、側方散乱および蛍光チャネル電圧を調整し、試料当たり10,000事象を記録した。デキストラン粒子と混合したがフィルターを通過しなかった細胞は、エンドサイトーシスによる粒子送達のための対照として使用した。これらの細胞は色素と接触したが、フィルターを通過しなかった。全ての他のステップは、エンドサイトーシス対照の場合と同じであった。陰性対照試料は色素と接触しなかったが、実験試料と同じステップにかけられた。1つのフィルターを各圧(2psiおよび3psi)で使用し、実験ごとに3つの試料が各フィルターを流れた。実験は別個の2日間にわたって繰り返し、各圧で合計6回実行された。
結果
市販または特注のフィルターを通したHeLa細胞へのデキストラン粒子の送達効率
3kDa PacBlueデキストラン粒子と混合されたHeLa細胞を、2psiおよび3psiで10μmサイズのフィルター細孔に通した。COTSフィルターおよび特注のフィルターからの結果を比較した。3kDaデキストラン粒子に陽性の細胞の百分率によって示される送達効率、およびフィルター送達後の生細胞の百分率によって示される細胞生存度を、表4に示す。3psiで3回の実行の平均蛍光強度(MFI)値を実証する代表的フローサイトメトリーヒストグラムプロットを、図5A(COTSフィルター)および図5B(特注のシリンジフィルター)に示す。実行全体での平均相対平均蛍光強度(rMFI)値を、図5Cに示す。2日目に実行された実験の間のメッシュインサートの除去は、送達効率にも細胞生存度にも影響しなかった。COTSフィルターと比較して特注のフィルターを使用したとき、死容積低減の結果として利点は観察されなかった。全体として、COTSフィルターおよび特注のシリンジフィルターは、同等の細胞生存度および送達効率をもたらした。以降の実験は、COTSフィルターを使用して実行された。
(実施例5)
HeLa細胞へのEGFP mRNAのフィルター媒介送達
序論
分子のフィルター媒介送達後の細胞の機能性を評価するために、蛍光性デキストラン粒子およびEGFP mRNAと混合されたHeLa細胞を10μmの細孔サイズを有するCOTSフィルターに通し、細胞内粒子送達およびmRNA発現をFACS分析により評価した。
材料および方法
市販の既製の(commercial-off-the-shelf:COTS)フィルターおよびホルダー組合せを有する10μmの細孔サイズを有するポリカーボネートメンブレンフィルターを、STERLITECH(商標)から得た。HeLa細胞を細胞2×10個/mLでOptiMEM培地に懸濁し、3kDaデキストラン粒子を0.1mg/mLの最終濃度で加え、EGFPをコードするmRNAを0.1mg/mLの最終濃度で加えた。メンブレンフィルターおよびプラスチックフィルターホルダーを、実施例1に記載されているように調製した。デキストラン粒子と混合した200μlの細胞をフィルターホルダーに加え、2psi、2.5psiまたは3psiでフィルターを通過させた。定圧送達のために、圧力調整器を備えた窒素ガス送達システムを使用した。24ウェルプレートまたはFACSチューブに、フロースルーを収集した。
FACS分析の前に、4℃で4分の間、全ての試料を400rcfで3回遠心分離、洗浄し、細胞外デキストランを除去した。FACS分析の準備をするために、以下のステップをとった。最初に、FACS緩衝液を調製し(PBS+最終濃度:1%FBS+2nM EDTA)、使用直前にヨウ化プロピジウムを加えた(1:100希釈)。チューブ当たり400μLのFACS緩衝液を加え、細胞を再懸濁した。全細胞事象を可視化するようにフローサイトメトリーの前方散乱、側方散乱および蛍光チャネル電圧を調整し、試料当たり10,000事象を記録した。デキストラン粒子またはEGFP mRNAと混合したがフィルターを通過しなかった細胞は、エンドサイトーシスによる送達のための対照として使用した。これらの細胞は色素またはEGFP mRNAと接触したが、フィルターを通過しなかった。全ての他のステップは、エンドサイトーシス対照の場合と同じであった。陰性対照試料は色素ともEGFP mRNAとも接触しなかったが、実験試料と同じステップにかけられた。各圧(2psi、2.5psiまたは3psi)で、4つの試料を、フィルターを通して流した。
結果
3kDa PacBlueデキストラン粒子およびEGFP mRNAと混合されたHeLa細胞を、2psi、2.5psiまたは3psiで10μmサイズのフィルター細孔に通した。3kDaデキストラン粒子に陽性の細胞の百分率またはGFP発現細胞の百分率によって示される送達効率、フィルター送達後の生細胞の百分率によって示される細胞生存度、および、フローサイトメトリーによる相対平均蛍光強度(rMFI)を、下の図6および表6~8に示す。2.5psiおよび3psiで同等の送達効率および細胞生存度が観察され、2psiと比較してより高い送達が観察された。持続した生存度およびGFP発現によって示されるように、細胞は、デキストラン粒子およびEGFP mRNAの同時送達の24時間後に機能を保持した。
Figure 0007046795000006

Figure 0007046795000007

Figure 0007046795000008
(実施例6)
ヒトRBCへのデキストランおよびIgG抗体の圧縮媒介送達
序論
無核細胞内への分子のフィルター媒介送達を評価するために、規定サイズの細孔を含有するシリンジフィルターを通って、蛍光性デキストラン粒子またはIgG抗体と混合されたヒトRBCを通過させ、細胞内粒子送達をFACS分析により評価した。
材料および方法
市販のフィルターとホルダーの組合せを有する2μm孔直径を有するポリカーボネートメンブレンフィルター(COTSフィルター)を、STERLITECH(商標)から得た。Ficoll勾配分離法を使用して、全血または白血球低減カラーからヒトRBCを分離し、Optimemに所望の濃度(50~500M/mL)で再懸濁させた。メンブレンフィルターを濡らすために、鉗子を使用してポリカーボネートメンブレンフィルターをOptimemに懸濁した。プラスチックフィルターホルダーのキャップを取り、輝く側を上にしてフィルターを内部表面の上に置き、フィルターホルダーに再びキャップをした。デキストラン粒子およびIgG抗体を、0.1mg/mLで懸濁した。デキストラン粒子またはIgG抗体と混合した1mLの細胞を、室温でフィルターホルダーに加えた。細胞をフィルターに通すために、指でシリンジをプッシュすることを使用した。15mlのファルコンチューブまたはFACSチューブに、フィルターフロースルーを収集した。FACS分析の前に、4℃で4分の間、全ての試料を400rcfで3回遠心分離、洗浄し、細胞外デキストランを除去した。FACS分析の準備をするために、以下のステップをとった。FACS緩衝液を調製し(PBS+最終濃度:1%FBS+2mM EDTA)、チューブ当たり400μLのFACS緩衝液を加え、細胞を再懸濁した。全細胞事象を可視化するようにフローサイトメトリーの前方散乱、側方散乱および蛍光チャネル電圧を調整し、試料当たり≧10,000事象を記録した。デキストラン粒子またはIgG抗体と混合したがフィルターを通過しなかった細胞は、エンドサイトーシスによる送達のための対照として使用した。これらの細胞は色素と接触したが、フィルターを通過しなかった。全ての他のステップは、エンドサイトーシス対照の場合と同じであった。
結果
10kDa Alexa Fluor(登録商標)647デキストラン粒子またはAlexa Fluor(登録商標)647とコンジュゲートした150kDa IgG抗体と混合したRBCを、2μmサイズのフィルター細孔に通した。エンドサイトーシス対照に対して圧縮媒介送達(SQZ)後の蛍光を表す例示的なフローサイトメトリーヒストグラムプロットを、図7AおよびBに示す。フィルター送達後のIgG抗体のデキストラン粒子に陽性の細胞の百分率によって示される送達効率を、図8Aに示す。フィルター送達後にIgG抗体の送達効率は88.6%であって、デキストラン粒子の送達効率は95.6%であった。
細胞生存度は、フィルター送達後に測定した。フィルター送達後にFSCおよびSSCゲート内に存在する細胞の百分率によって示される推定細胞生存度を、図8Bに示す。フィルター送達後のIgG抗体を送達された細胞の推定生存度は68.8%であって、デキストラン粒子を送達された細胞の推定生存度は63.3%であった。
ヒトRBC内へのデキストラン粒子およびIgG抗体の圧縮媒介送達が達成された。
(実施例7)
マウスRBCへのデキストランおよびIgG抗体の圧縮媒介送達
序論
無核細胞内への分子のフィルター媒介送達を評価するために、規定サイズの細孔を含有するシリンジフィルターを通って、蛍光性デキストラン粒子またはIgG抗体と混合されたマウスRBCを通過させ、細胞内粒子送達をFACS分析により評価した。
材料および方法
市販のフィルターおよびホルダー組合せを有する1μmおよび2μmの孔直径を有するポリカーボネートメンブレンフィルター(COTSフィルター)を、STERLITECH(商標)から得た。全血を遠心回転し、細胞をOptimemに所望の濃度(100~500M/ml)で再懸濁させた。メンブレンフィルターを濡らすために、鉗子を使用してポリカーボネートメンブレンフィルターをOptimemに懸濁した。プラスチックフィルターホルダーのキャップを取り、輝く側を上にしてフィルターを内部表面の上に置き、フィルターホルダーに再びキャップをした。デキストラン粒子およびIgG抗体を、0.1mg/mLで懸濁した。デキストラン粒子またはIgG抗体と混合した1mLの細胞を、室温でフィルターホルダーに加えた。細胞をフィルターに通すために、指でシリンジをプッシュすることを使用した。あるいは、デキストラン粒子またはIgG抗体と混合された200μLの細胞をフィルターに通すために、制御圧力システムが使用される。15mlのファルコンチューブまたはFACSチューブに、フィルターフロースルーを収集した。FACS分析の前に、24℃で10分の間、全ての試料を1000rcfで3回遠心分離、洗浄し、細胞外デキストランを除去した。FACS分析の準備をするために、以下のステップをとった。FACS緩衝液を調製し(PBS+最終濃度:1%FBS+2mM EDTA)、チューブ当たり400μLのFACS緩衝液を加え、細胞を再懸濁した。全細胞事象を可視化するようにフローサイトメトリーの前方散乱、側方散乱および蛍光チャネル電圧を調整し、試料当たり≧10,000事象を記録した。デキストラン粒子またはIgG抗体と混合したがフィルターを通過しなかった細胞は、エンドサイトーシスによる送達のための対照として使用した。これらの細胞は色素と接触したが、フィルターを通過しなかった。全ての他のステップは、エンドサイトーシス対照の場合と同じであった。NC(無接触)試料は色素と接触しなかったが、実験試料と同じステップにかけられたが、フィルターに通過しなかった。
結果
手動でのシリンジ加圧を使用して、IgG抗体(150kDa)と混合されたマウスRBCを1μmおよび2μmサイズのフィルター細孔に通した。エンドサイトーシス(Endo)、陰性(NC)および無材料の対照に対して圧縮媒介送達(SQZ)後の蛍光を表す例示的なフローサイトメトリーヒストグラムプロットを、図9Aに示す。「無材料」対照はIgG抗体と接触しなかったが、実験試料と同じステップにかけられ、フィルターを通過させた。
細胞生存度は、フィルター送達後に測定した。手動でのシリンジ加圧を使用したIgG抗体のフィルター送達後にFSCおよびSSCゲート内に存在する細胞の百分率によって示される推定細胞生存度を、図9Bに示す。手動でのシリンジ加圧を使用したフィルター送達後のIgG抗体に陽性の細胞の百分率によって示されるIgG抗体の送達効率を、図9Cに示す。
2psi、4psi、6psi、10psi、20psiの下の制御圧力システムを使用して、または手動でのシリンジ加圧を使用して、70kDa Alexa Fluor(登録商標)488デキストラン粒子またはIgG抗体(150kDa)と混合したRBCを、2μmサイズのフィルター細孔に通した。エンドサイトーシス(Endo)、陰性(NC)および無材料の対照に対して圧縮媒介送達(SQZ)後の蛍光を表す例示的なフローサイトメトリーヒストグラムプロットを、図10A~Iに示す。細胞生存度は、フィルター送達後に測定した。デキストラン粒子のフィルター送達後にFSCおよびSSCゲート内に存在する細胞の百分率によって示される推定細胞生存度を、図11Aに示す。フィルター送達後のデキストラン粒子またはIgG抗体に陽性の細胞の百分率によって示される送達効率を、図11Bに示す。デキストラン粒子またはIgG抗体のフィルター送達後の幾何平均蛍光を、図11Cに示す。
10psi、12psi、14psi、16psiまたは18psiの下の制御圧力システムを使用して、70kDa Alexa Fluor(登録商標)488デキストラン粒子と混合したRBCを、2μmサイズのフィルター細孔に通した。エンドサイトーシス(Endo)および陰性(NC)対照に対して圧縮媒介送達(SQZ)後の蛍光を表す例示的なフローサイトメトリーヒストグラムプロットを、図12Aに示す。細胞生存度は、フィルター送達後に測定した。デキストラン粒子のフィルター送達後にFSCおよびSSCゲート内に存在する細胞の百分率によって示される推定細胞生存度を、図12Bに示す。フィルター送達後のデキストラン粒子に陽性の細胞の百分率によって示される送達効率を、図12Cに示す。デキストラン粒子のフィルター送達後の幾何平均蛍光を、図12Dに示す。
マウスRBC内へのデキストラン粒子およびIgG抗体の圧縮媒介送達が達成された。
(実施例8)
HeLa細胞およびT細胞へのマイクロシーブ送達
分子のマイクロシーブ媒介送達を評価するために、蛍光性デキストラン粒子と混合されたHeLa細胞またはT細胞をマイクロシーブに通し、細胞内粒子送達をFACS分析により評価した。
材料および方法
STERLITECH(商標)からの10μmの細孔サイズを有するポリカーボネートマイクロシーブ(空隙率8%)またはAQUAMARIJNからの10μmの細孔サイズを有するシリコン/セラミックマイクロシーブ(空隙率36.3%)を、HeLa細胞のために使用した。HeLa細胞を細胞5×10個/mLでOptiMEM培地に懸濁し、3kDaデキストラン粒子を1mg/mLの最終濃度で加えた。デキストラン粒子と混合した200μlの細胞をマイクロシーブに加え、室温の3~7psiでマイクロシーブに通過させた。回収は、37℃においてであった。
ナイーブT細胞を細胞10×10個/mLでOptiMEM培地に懸濁し、3kDaデキストラン粒子を1mg/mLの最終濃度で加えた。デキストラン粒子と混合した200μlの細胞を、氷上の6~8psiで4μmフィルターまたは4μmマイクロシーブに通過させた。回収は、室温においてであった。
FACS分析の前に、4℃で4分の間、全ての試料を400rcfで3回遠心分離、洗浄し、細胞外デキストランを除去した。FACS分析の準備をするために、以下のステップをとった。最初に、FACS緩衝液を調製し(PBS+最終濃度:1%FBS+2nM EDTA)、使用直前にヨウ化プロピジウムを加えた(1:100希釈)。チューブ当たり400μLのFACS緩衝液を加え、細胞を再懸濁した。全細胞事象を可視化するようにフローサイトメトリーの前方散乱、側方散乱および蛍光チャネル電圧を調整し、試料当たり10,000事象を記録した。デキストラン粒子と混合したがフィルターを通過しなかった細胞は、エンドサイトーシスによる送達のための対照として使用した。これらの細胞は色素またはEGFP mRNAと接触したが、フィルターを通過しなかった。全ての他のステップは、エンドサイトーシス対照の場合と同じであった。陰性対照試料は色素ともEGFP mRNAとも接触しなかったが、実験試料と同じステップにかけられた。
結果
HeLa細胞へのデキストランのマイクロシーブ媒介送達の結果を、図13A~13Dに示す。STERLITECH(商標)およびAQUAMARIJNマイクロシーブのための細胞生存度は図13Aに示し、デキストランの送達は図13Bに示す。AQUAMARIJNおよびSTERLITECH(商標)マイクロシーブのための代表的ヒストグラムは、図13Cおよび13Dにそれぞれ示す。
T細胞へのデキストランのマイクロシーブ媒介送達の結果を、図14Aおよび14Bに示す。AQUAMARIJNマイクロシーブのための細胞生存度およびデキストランの送達を、図14Aに示す。AQUAMARIJNマイクロシーブのための代表的フローサイトメトリーヒストグラムを、図14Bに示す。結果は、フィルター媒介送達と同等であった。
結果は、HeLa細胞およびT細胞へのデキストランのマイクロシーブ送達の後の、優れた送達および生存度の最小限の減少を示す。
本明細書で開示および請求される組成物および/または方法の全ては、本開示を考慮して過度の実験なしで作製および実行することができる。本開示の組成物および方法は実施形態の点から記載されたが、本開示の概念、趣旨および範囲を逸脱せずに、組成物および/または方法に、ならびに本明細書に記載される方法のステップまたはステップの順序に変更を加えることができることは、当業者に明らかである。より具体的には、同じか類似した結果を達成しつつ、化学的および生理的に関連したある特定の薬剤を本明細書に記載される薬剤の代わりに置換することができることが明白である。当業者に明らかな全てのそのような類似した代替物および改変は、添付の請求項によって規定される本開示の趣旨、範囲および概念内にあるとみなされる。

Claims (30)

  1. 細孔を含有する表面を通って細胞懸濁液を通過させるステップを含む、化合物を細胞内に送達するための方法であって、前記細孔が、前記細胞を変形させ、それによって前記化合物が前記細胞に入るように前記細胞の摂動が生じ、前記細胞懸濁液が、前記化合物と接触し、さらに前記細胞懸濁液が全血もしくはリンパ液、および/または末梢血単核球を含むか、または前記細胞懸濁液が免疫細胞、幹細胞、または赤血球を含み、前記細孔の横断面の幅が、約1μm~約5μmである、方法。
  2. 前記表面が膜および/またはフィルターである、請求項1に記載の方法。
  3. (i)前記表面が蛇行する経路の表面である;
    (ii)前記表面が、ポリカーボネート、ポリマー、シリコン、ガラス、金属、ニトロセルロース、酢酸セルロース、ナイロン、ポリエステル、ポリエーテルスルホン、ポリテトラフルオロエチレン、グラファイト、およびセラミックの1つから選択される材料を含む;
    (iii)前記表面が、エッチング、トラックエッチング、リソグラフィー、レーザーアブレーション、スタンピング、微細孔パンチング、ポリマースポンジ、直接発泡成形、押出成形およびホットエンボス加工の方法から選択される方法を使用して製造される
    iv)前記細孔の横断面の形状が、環状、円形、四角形、星形、三角形、多角形、五角形、六角形、七角形、八角形、円柱形および円錐形の形状から選択される;ならびに/あるいは
    )前記表面が、約0.01μmから約5mの厚さである;
    請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記細孔の横断面の幅が、前記細胞径の約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、または約99%である、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 記表面が、約10μmの厚さである請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記細孔が、平行および/または直列に分布している、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記表面が、材料で被覆されており、前記材料が、
    (i)テフロン(登録商標)である;
    (ii)細胞に結合する接着性コーティングを含む;
    (iii)界面活性剤を含む;
    (iv)抗凝固剤を含む;
    (v)ポリペプチドを含む;
    (vi)接着分子を含む;
    (vii)抗体を含む;
    (viii)細胞機能を調節する因子を含む;
    (ix)核酸を含む;
    (x)脂質を含む;
    (xi)炭水化物を含む;
    (xii)複合体を含む;ならびに/あるいは
    (xiii)膜貫通タンパク質を含む、
    請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記材料が、前記表面に共有結合しているおよび/または非共有結合している、請求項7に記載の方法。
  9. 前記表面が、
    (a)親水性もしくは疎水性である;または
    (b)帯電している;
    請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記細胞懸濁液が、哺乳動物細胞を含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記細胞懸濁液が、全血もしくはリンパ液であるか、および/または前記細胞懸濁液が、末梢血単核球を含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記細胞が、免疫細胞、幹細胞、または赤血球である、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
  13. 前記免疫細胞が、T細胞、B細胞、樹状細胞、単球、マクロファージ、好酸球、好塩基球、NK細胞、NKT細胞、マスト細胞または好中球である、請求項12に記載の方法。
  14. 前記細胞が、ヒト細胞、マウス細胞、イヌ細胞、ネコ細胞、ウマ細胞、ラット細胞、ヤギ細胞、またはウサギ細胞である、請求項1~13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 前記化合物が、
    (i)核酸;
    (ii)タンパク質またはペプチド;
    (iii)ポリペプチド-核酸複合体;
    (iv)小分子;
    (v)ナノ粒子;または
    (vi)リポソーム
    のうちの1つまたは複数を含む、請求項1~14のいずれか一項に記載の方法。
  16. (a)前記化合物が、核酸を含み、前記核酸が、DNA、組換えDNA、cDNA、ゲノムDNA、RNA、siRNA、mRNA、miRNA、lncRNA、tRNA、shRNA、または自己増幅mRNAをコードする;
    (b)前記化合物が、核酸を含み、前記核酸が、プラスミドである;
    (c)前記化合物が、核酸を含み、前記核酸が、Cas9タンパク質およびガイドRNAまたはドナーDNAをコードする;
    (d)前記化合物が、タンパク質またはペプチドを含み、前記タンパク質またはペプチドが、ヌクレアーゼ、TALENタンパク質、ジンクフィンガーヌクレアーゼ、メガヌクレアーゼ、CREリコンビナーゼ、FLPリコンビナーゼ、Rリコンビナーゼ、インテグラーゼ、またはトランスポザーゼのうちの1つまたは複数である;
    (e)前記化合物が、タンパク質またはペプチドを含み、前記タンパク質またはペプチドが、転写因子、抗体またはキメラ抗原受容体である;
    (f)前記化合物が、ポリペプチド-核酸複合体を含む;
    請求項1~15のいずれか一項に記載の方法。
  17. 前記細胞懸濁液が、前記細孔を通って通過する前、それと同時またはその後に、前記化合物と接触する、請求項1~16のいずれか一項に記載の方法。
  18. 前記細胞が、正圧または負圧により前記細孔を通って通過する、請求項1~17のいずれか一項に記載の方法。
  19. 圧力が、(i)注射器;(ii)ポンプ;および/または(iii)減圧を使用して印加される、請求項1~18のいずれか一項に記載の方法。
  20. 前記細胞が、約0.05psiから約500psiの範囲の圧力下で前記細孔を通って通過する、請求項1~19のいずれか一項に記載の方法。
  21. 前記細胞が、約2psi、約2.5psi、約3psi、約5psi、約10psiまたは約20psiのうちのいずれか1つの圧力下で前記細孔を通って通過する、請求項1~20のいずれか一項に記載の方法。
  22. 流体の流れにより前記細胞を前記細孔中に通過させる、請求項1~21のいずれか一項に記載の方法。
  23. 前記細胞が前記細孔を通って通過する前、前記流体の流れが、乱流である;
    前記細孔中を通る前記流体の流れが、層流である;および/または
    前記細胞が前記細孔を通って通過した後、前記流体の流れが、乱流である、請求項22に記載の方法。
  24. 前記細胞が、均一な細胞速度でまたは変動する細胞速度で前記細孔を通って通過する、請求項1~23のいずれか一項に記載の方法。
  25. 前記細胞が、約0.1mm/秒から約20m/秒の範囲の速度で前記細孔を通って通過する、請求項1~24のいずれか一項に記載の方法。
  26. 前記表面が、より大きなモジュール内におよび/または注射器内に含有されている、請求項1~25のいずれか一項に記載の方法。
  27. 前記細胞懸濁液が、水溶液を含み、前記水溶液が、細胞培養培地、PBS、塩、糖、増殖因子、動物由来産物、増量材、界面活性剤、潤滑剤、ビタミン、タンパク質、キレート剤、および/またはアクチン重合に影響を与える薬剤を含む、請求項1~26のいずれか一項に記載の方法。
  28. 前記細胞懸濁液の粘度が、約8.9×10-4Pa・秒から約4.0×10-3Pa・秒の範囲である、請求項1~27のいずれか一項に記載の方法。
  29. 前記方法が、前記表面に近接する少なくとも1つの電極により発生する電界を通って前記細胞を通過させるステップをさらに含む、請求項1~28のいずれか一項に記載の方法。
  30. 請求項1~29のいずれか一項に記載の方法によって調製された、摂動を含む細胞。
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