JP7046615B2 - 眼科組成物 - Google Patents
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Description
コンタクトレンズのうちソフトコンタクトレンズは、水分を多く含むため、汚れが付着し易い。このため、ソフトコンタクトレンズは手入れを怠ると不快感が生じたり、眼病を招いたりする。
しかし、特許文献1は、花粉タンパク質以外のタンパク質の吸着抑制には言及しておらず、また、ハイドロゲルソフトコンタクトレンズへのタンパク質吸着抑制にも言及していない。
即ち、眼科組成物に、
(A)メチル硫酸ネオスチグミン;
(B)イプシロン-アミノカプロン酸、アラントイン、塩化ベルベリン又は硫酸ベルベリン、アズレンスルホン酸ナトリウム、グリチルリチン酸二カリウム、及び硫酸亜鉛又は乳酸亜鉛からなる群より選択される少なくとも3種;
(C)塩酸ジフェンヒドラミン又はマレイン酸クロルフェニラミン;
(D)フラビンアデニンジヌクレオチドナトリウム、シアノコバラミン、酢酸レチノール又はパルミチン酸レチノール、塩酸ピリドキシン、パンテノール又はパントテン酸カルシウム又はパントテン酸ナトリウム、及び酢酸トコフェロールからなる群より選択される少なくとも3種;並びに
(E)L-アスパラギン酸カリウム若しくはL-アスパラギン酸マグネシウム又はそれらの等量混合物、アミノエチルスルホン酸、及びコンドロイチン硫酸ナトリウム
という、11種以上の成分を配合することにより、ソフトコンタクトレンズとの濡れ性が著しく向上する。
また、上記11種以上の成分を含有する眼科組成物をソフトコンタクトレンズに接触させることにより、ソフトコンタクトレンズに吸着したタンパク質汚れを効果的に除去することができる。
項1. (A)メチル硫酸ネオスチグミン;
(B)イプシロン-アミノカプロン酸、アラントイン、塩化ベルベリン又は硫酸ベルベリン、アズレンスルホン酸ナトリウム、グリチルリチン酸二カリウム、及び硫酸亜鉛又は乳酸亜鉛からなる群より選択される少なくとも3種;
(C)塩酸ジフェンヒドラミン又はマレイン酸クロルフェニラミン;
(D)フラビンアデニンジヌクレオチドナトリウム、シアノコバラミン、酢酸レチノール又はパルミチン酸レチノール、塩酸ピリドキシン、パンテノール又はパントテン酸カルシウム又はパントテン酸ナトリウム、及び酢酸トコフェロールからなる群より選択される少なくとも3種;並びに
(E)L-アスパラギン酸カリウム若しくはL-アスパラギン酸マグネシウム又はそれらの等量混合物、アミノエチルスルホン酸、及びコンドロイチン硫酸ナトリウム
を含有するソフトコンタクトレンズ用眼科組成物。
項2. pHが5.5~8.5である項1に記載の眼科組成物。
項3. さらに、界面活性剤を含有する項1又は2に記載の眼科組成物。
項4. さらに、清涼化剤を含有する項1~3のいずれかに記載の眼科組成物。
項5. ポリエチレンテレフタレート製の容器に収容されている項1~4のいずれかに記載の眼科組成物。
項6. 1日当たり3~6回使用される項1~5のいずれかに記載の眼科組成物。
コンタクトレンズは、装用時に涙液の水層に異物として入り込む。この状態になるには、レンズと水層の親和性が重要である。レンズ表面が水層により濡れ難いと、コンタクトレンズ装用中の乾燥感、異物感などの不快感が生じる。従って、コンタクトレンズに対する濡れ性が良い眼科組成物を、コンタクトレンズ装用中又は装着時に使用することにより、このようなコンタクトレンズ装用に伴う不快感を軽減することができる。
この点、本発明のソフトコンタクトレンズ用眼科組成物は、特定の11種以上の成分を含むことにより、ソフトコンタクトレンズに対する濡れ性が非常に高い。従って、ソフトコンタクトレンズ装用中又は装着時の乾燥感、異物感などの不快な症状を緩和することができる。
一般に、眼科用組成物が多種類の成分を含むほど、製剤化に種々の問題が生じたり、コンタクトレンズとの相互作用により種々の問題が生じ易い。この点、本発明の眼科組成物は、多機能の眼科組成物をソフトコンタクトレンズ用に実用できるようにした点で有用なものである。特に、特定の成分から選ばれる11~17種を含むことにより、上記説明した本発明の効果を奏し、かつ広い生理活性を発揮しつつ、製剤化時の問題やコンタクトレンズとの相互作用による問題が極力抑えられて、実用的な眼科組成物となっている。
(A)成分
本発明の眼科組成物は、メチル硫酸ネオスチグミンを含有する。メチル硫酸ネオスチグミンは、眼筋調節剤であり、眼の調節機能を改善し、疲れ目による不快感を緩和する作用を有する。
メチル硫酸ネオスチグミンの含有量は、眼科組成物の全量に対して、0.0002w/v%以上、中でも0.0005w/v%以上、中でも0.001w/v%以上が好ましく、また、0.02w/v%以下、中でも0.01w/v%以下、中でも0.005w/v%以下が好ましい。
本発明の眼科組成物は、イプシロン-アミノカプロン酸、アラントイン、塩化ベルベリン又は硫酸ベルベリン、アズレンスルホン酸ナトリウム、グリチルリチン酸二カリウム、及び硫酸亜鉛又は乳酸亜鉛からなる群より選ばれる化合物の3種以上、例えば3種、4種、5種、又は6種を含む。これらは、抗炎症作用を有する成分である。
中でも、イプシロン-アミノカプロン酸、アラントイン、グリチルリチン酸二カリウム、及び硫酸亜鉛又は乳酸亜鉛からなる群より選ばれる化合物の3種以上、例えば3種、又は4種を含むことが好ましい。
(B)成分としては、本発明の効果を顕著に奏する点から、イプシロン-アミノカプロン酸、アラントイン、及びグリチルリチン酸二カリウムを含むことが好ましい。また、ソフトコンタクトレンズ装用時に点眼した際の使用感が良い点で、或いは、メントールなどの清涼化剤を含む場合にソフトコンタクトレンズ装用時に点眼した際の使用感が良い点で、イプシロン-アミノカプロン酸、アラントイン、及び硫酸亜鉛を含むことが好ましい。
本発明の眼科組成物は、塩酸ジフェンヒドラミン又はマレイン酸クロルフェニラミンを含む。これらは、抗ヒスタミン作用を有する化合物である。
(C)成分としては、ソフトコンタクトレンズ装用時に点眼した際の使用感が良い点で、或いは、メントールなどの清涼化剤を含む場合にソフトコンタクトレンズ装用時に点眼した際の使用感が良い点で、マレイン酸クロルフェニラミンを含むことが好ましい。
本発明の眼科組成物は、フラビンアデニンジヌクレオチドナトリウム、シアノコバラミン、酢酸レチノール又はパルミチン酸レチノール、塩酸ピリドキシン、パンテノール又はパントテン酸カルシウム又はパントテン酸ナトリウム、及び酢酸トコフェロールからなる群より選ばれる化合物の3種以上、例えば3種、4種、5種、又は6種を含む。これらは、ビタミンとして作用する化合物である。
中でも、シアノコバラミン、塩酸ピリドキシン、パンテノール又はパントテン酸カルシウム又はパントテン酸ナトリウム、及び酢酸トコフェロールからなる群より選ばれる化合物の3種以上、例えば3種、又は4種を含むことが好ましい。
(D)成分としては、本発明の効果を顕著に奏する点から、シアノコバラミン、パンテノール、及び酢酸トコフェロールを含むことが好ましい。また、ソフトコンタクトレンズ装用時に点眼した際の使用感が良い点で、或いは、メントールなどの清涼化剤を含む場合にソフトコンタクトレンズ装用時に点眼した際の使用感が良い点で、塩酸ピリドキシン、パンテノール、及び酢酸トコフェロールを含むことが好ましい。
本発明の眼科組成物は、L-アスパラギン酸カリウム、若しくはL-アスパラギン酸マグネシウム、又はそれらの等量混合物、アミノエチルスルホン酸(タウリン)、及びコンドロイチン硫酸ナトリウムの3種を含む。これらは、アミノ酸に分類される化合物である。
本発明の眼科組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、眼科組成物に配合されるその他の成分を含むことができる。
具体的には、例えば、一般用医薬品製造販売承認基準2012年版(一般財団法人 レギュレトリーサイエンス学会監修)に記載された眼科用薬における有効成分を配合することができる。
ムコ多糖類としては、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸ナトリウムなどが挙げられる。
(B)成分以外の抗炎症剤としては、グリチルリチン酸モノアンモニウム、塩化リゾチーム、インドメタシン、硝酸銀、ジクロフェナクナトリウム、ブロムフェナクナトリウム、甘草などが挙げられる。
(C)成分以外の抗ヒスタミン剤としては、フマル酸クロルフェニラミン、イプロヘプチン、フマル酸ケトチフェン、ペミロラストカリウム、塩酸オロパタジンなどが挙げられる。
(D)成分以外のビタミンとしては、アスコルビン酸、ユビキノン誘導体などが挙げられる。
(E)成分以外のアミノ酸としては、グルタミン酸ナトリウム、クレアチニン、グリシン、アラニン、アルギニン、リジン、γ-アミノ酪酸、γ-アミノ吉草酸、ヒアルロン酸ナトリウム、アルギン酸ナトリウムなどが挙げられる。
本発明の必須成分以外の成分は、1種又は2種以上を配合できる。
また、本発明の眼科組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、眼科組成物に配合される種々の添加物を含むことができる。
具体的には、例えば、医薬品添加物辞典2016(日本医薬品添加剤協会編集)に記載された添加物を配合することができる。
添加物としては、増粘剤、界面活性剤、糖類、糖アルコール、pH調節剤、緩衝剤、安定化剤、香料又は清涼化剤、無機塩類などが挙げられる。
グリシン型両性界面活性剤(例えば、アルキルジアミノエチルグリシン、アルキルポリアミノエチルグリシン)、及びベタイン型両性界面活性剤(例えば、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、イミダゾリニウムベタイン)のような両性界面活性剤;並びに
アルキル4級アンモニウム塩(例えば、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、ヘキサメチレンビグアニドおよびそのポリマー(即ち、ポリヘキサメチレンビグアニド(略記:PHMB))、クロルヘキシジン、アレキシジン、ヘキセチジン、塩化ポリドロニウム)のような陽イオン性界面活性剤などが挙げられる。なお、括弧内の数字は付加モル数を示す。
中でも、非イオン性界面活性剤、グリシン型両性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤が好ましい。非イオン性界面活性剤の中では、ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレンブロックコポリマー、POEソルビタン脂肪酸エステル、POE硬化ヒマシ油、POEヒマシ油、及びステアリン酸ポリオキシルが好ましい。また、グリシン型両性界面活性剤の中では、アルキルポリアミノエチルグリシンが好ましい。また、陽イオン性界面活性剤の中では、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、ヘキサメチレンビグアニドおよびそのポリマー、クロルヘキシジン、アレキシジン、塩化ポリドロニウムが好ましい。
なお、本発明の眼科組成物は界面活性剤を含まないものとすることもできる。
糖アルコールとしては、キシリトール、ソルビトール、マンニトールなどが挙げられる。
ホウ酸緩衝剤の成分としては、ホウ酸、ホウ酸塩(ホウ酸ナトリウム、テトラホウ酸カリウム、メタホウ酸カリウム、ホウ酸アンモニウム、ホウ砂など)などが挙げられる。リン酸緩衝剤の成分としては、リン酸、リン酸塩(リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸二カリウム、リン酸一水素カルシウム、リン酸二水素カルシウムなど)などが挙げられる。炭酸緩衝剤の成分としては、炭酸、炭酸塩(炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸マグネシウムなど)などが挙げられる。クエン酸緩衝剤の成分としては、クエン酸、クエン酸塩(クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、クエン酸カルシウム、クエン酸二水素ナトリウム、クエン酸二ナトリウムなど)などが挙げられる。酢酸緩衝剤の成分としては、酢酸、酢酸塩(酢酸アンモニウム、酢酸カリウム、酢酸カルシウム、酢酸ナトリウムなど)などが挙げられる。トリス緩衝剤の成分としては、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン又はその塩(塩酸塩、酢酸塩、スルホン酸塩など)などが挙げられる。アスパラギン酸の成分としては、アスパラギン酸又はその塩(アスパラギン酸ナトリウム、アスパラギン酸マグネシウム、アスパラギン酸カリウム)などが挙げられる。これらは水和物であってもよい。
キレート剤としては、エチレンジアミン二酢酸(EDDA)、エチレンジアミン三酢酸、エチレンジアミン四酢酸(エデト酸、EDTA)、N-(2-ヒドロキシエチル)エチレンジアミン三酢酸(HEDTA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)などが挙げられる。
添加物は、1種又は2種以上を配合することができる。
本発明の眼科組成物は、組成物の全量に対して、80重量%以上の水を含む水性組成物であることが好ましい。中でも、組成物の全量に対して、83重量%以上、特に85重量%以上、特に88重量%以上、特に90重量%以上の水を含むことができる。水含有量の上限は、各成分含有量により異なるが、組成物の全量に対して、98重量%程度であり得る。
本発明の眼科組成物のpHは、生理的に許容される範囲であればよく、例えば、約5.5~8.5とすることができる。中でも、5.8以上、6以上、6.5以上、又は7以上とすることができ、また、8以下、7.5以下、又は7以下とすることができる。
本発明の眼科組成物の浸透圧は、眼科組成物として許容される範囲であればよく、例えば、0.5~5、好ましくは0.6~3、特に好ましくは0.7~2とすることができる。
浸透圧の調整は、必要に応じて、無機塩、多価アルコール、糖アルコール、糖類等を用いて行うことができる。浸透圧比は、第十七改正日本薬局方に基づき286mOsm(0.9w/v%塩化ナトリウム水溶液の浸透圧)に対する試料の浸透圧の比とし、浸透圧は日本薬局方記載の浸透圧測定法(氷点降下法)に従い測定する。
眼科組成物の性状は特に限定されず、例えば、液体状、流動状、ゲル状、又は半固形状などが挙げられる。また、用時調製により、液体状、流動状、ゲル状、又は半固形状になったものも含まれる。半固形状は、力を加えることにより変形させ得る塑性を有する性状をいう。
本発明の眼科組成物は、ソフトコンタクトレンズと接触させて使用するための組成物である。例えば、ソフトコンタクトレンズを装着したまま使用可能な点眼剤であるソフトコンタクトレンズ用点眼剤、ソフトコンタクトレンズを装着したまま使用可能な洗眼剤であるソフトコンタクトレンズ用洗眼剤、ソフトコンタクトレンズ装着液、ソフトコンタクトレンズ用液(洗浄液、保存液、消毒液、マルチパーパスソリューション)などが挙げられる。中でも、ソフトコンタクトレンズ用点眼剤として好適に使用できる。
ソフトコンタクトレンズ用点眼剤、及びソフトコンタクトレンズ用洗眼剤は、ソフトコンタクトレンズを装着又は装用していないときにも使用できるが、ソフトコンタクトレンズ装着又は装用時に使用するのに適したものである。
本発明の眼科組成物は、眼筋調節剤、抗炎症剤、抗ヒスタミン剤、ビタミン、及びアミノ酸の11種以上を含むため、これらに由来する多くの生理活性を兼ね備える。また、上記説明した通り、ソフトコンタクトレンズとの濡れ性が良く、ソフトコンタクトレンズのタンパク質汚れを効果的に除去することができ、ソフトコンタクトレンズの乾燥を抑制することができる。
これらの結果、本発明の眼科組成物は、目の乾き、目の疲れ、目やにが多いときなどの目のかすみ、目のかゆみ、光線による眼炎、ソフトコンタクトレンズを使用しているときの不快感などの緩和、改善、又は治療のために用いることができる。目の乾きの緩和、改善、又は治療は、涙液を補助する作用による場合もある。また、本発明の眼科組成物は、眼病(水泳のあと、ほこりや汗が目の入ったときなど)の予防や、紫外線その他の光線による眼炎(雪目など)の緩和、改善、又は治療のために用いることができる。また、ソフトコンタクトレンズの装着を容易にするために用いることができる。
また、本発明の眼科組成物が点眼剤又は洗眼剤である場合、症状が現れると同時又はその後に使用開始してもよいが、症状が現れる例えば約1~14日前、中でも約1~10日前、中でも約1~7日前から使用開始してもよく、これにより、症状を効果的に予防できる。
本発明の眼科組成物は、通常、眼科容器に収容ないしは充填される。容器の材質は特に限定されず、例えば、プラスチック製容器、金属製容器、ガラス製容器などが挙げられる。具体的には、例えば、ポリオレフィン、アクリル酸樹脂、テレフタル酸エステル、2,6-ナフタレンジカルボン酸エステル、ポリカーボネート、ポリメチルペンテン、フッ素樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ABS樹脂、AS樹脂、ポリアセタール、変性ポリフェニレンエテル、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリイミド、セルロースアセテートのようなプラスチック、アルミニウムのような金属、ガラスなどが挙げられる。容器は、1種の材料で構成されていてもよく、2種以上の材料で構成されていてもよい。プラスチックの場合は、混合物や共重合体であってもよい。
中でも、プラスチック製容器が好ましく、ポリオレフィン製容器、テレフタル酸エステル製容器がより好ましい。
注出口又はノズルを有する容器では、注出口又はノズルを含む全部分が上記材料で成型されていてもよく、注出口又はノズル以外の本体部分だけが上記材料で成型されていてもよい。
アクリル酸樹脂としては、アクリル酸メチルのようなアクリル酸エステル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸t-ブチルシクロヘキシルのようなメタクリル酸エステルなどが挙げられる。
テレフタル酸エステルとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどが挙げられる。
2,6-ナフタレンジカルボン酸エステルとしては、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレートなどが挙げられる。
フッ素樹脂としては、フッ素置換ポリエチレン(ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレンなど)、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、パーフルオロアルコキシフッ素樹脂、四フッ化エチレン・六フッ化プロピレンコポリマー、エチレン・四フッ化エチレンコポリマー、エチレン・クロロトリフルオロエチレンコポリマーなどが挙げられる。
ポリアミドとしては、ナイロンなどが挙げられる。
ポリアセタールとしては、オキシメチレン単位のみからなるものの他、一部にオキシエチレン単位を含むものが挙げられる。
変性ポリフェニレンエステルとしては、ポリスチレン変性ポリフェニレンエステルなどが挙げられる。
ポリアリレートとしては、非晶質ポリアリレートなどが挙げられる。
ポリイミドとしては、芳香族ポリイミド、例えばピロメリット酸二無水物と4,4’-ジアミノジフェニルエーテルとを重合させたものが挙げられる。
セルロースアセテートとしては、セルロースジアセテート、セルローストリアセテートなどが挙げられる。
濡れ性試験は、特許第5078254号公報に開示された方法に準じ、以下の手順で行った。
1. 前処理として、ソフトコンタクトレンズ(グループI;販売名「メダリストプラス」)を4mLの生理食塩液にそれぞれ浸漬し、室温にて4時間以上保存した。
2. 前処理した各レンズに各眼科組成物をそれぞれ5μL滴下し、その0.5秒後にレンズの真横からデジタルカメラで撮影を行った。なお、カメラのピントは液滴がコンタクトレンズと接している部分と液滴の頂点に合わせた。
3. 撮影した画像につき、画像解析ソフトを用いて表面と接している液滴の接触角を測定した。
4.下記式によりコントロールに対する接触角改善率を算出した。
コントロールに対する接触角改善率(%)
={1-(各被験液の接触角/コントロールの接触角)}×100
比較例1~5は、本発明の(B)成分、(D)成分、又は(E)成分に代えて、類似の他成分を含む組成物である。従って、本発明の(A)~(E)成分を組み合わせて配合することにより、ソフトコンタクトレンズとの濡れ性が改善し、それにより、ソフトコンタクトレンズの使用感が改善することが分かる。
タンパク質洗浄試験は、特許第5506357号公報に開示された方法に準じ、以下の手順で行った。
1. 前処理として、ソフトコンタクトレンズ(グループI;販売名「メダリストプラス」)を4mLの生理食塩液に1枚ずつ浸漬し、4時間以上室温にて保存した。
2. 12穴プレートの各穴に、表3に示す組成のタンパク質溶液を1.0mLずつ入れ、前処理したレンズの余分な水分をふき取った後に浸漬し、34℃、400rpmで14時間振とうした。
4. レンズを取り出し、生理食塩水100mLに素早く(約1秒)浸漬して余分な液をすすいだ後、ビーカーのふちを使って、軽く水分を切り、12穴プレートに入れたタンパク質分離用液(1%炭酸ナトリウム及び1%SDS含有水溶液)2.0mLに浸漬した。
5. 34℃、120rpmで3時間振とうし、レンズに吸着したタンパク質をタンパク質分離用液中に分離した。
6. マイクロBCAアッセイキット(Thermo Scientific,Pierce ♯23235)を用いて、タンパク質分離用液中に存在するタンパク質の量を、アルブミン換算値として定量し、レンズに残存しているタンパク質の量(タンパク質残存量)を計算した。なお、タンパク質残存量の算出に際して、各サンプルの吸光度から、上記ブランク群の吸光度を差し引いて、アルブミン換算値として算出することにより、タンパク質残存量を求めた。
試験に供したタンパク質溶液には4種類のタンパク質が含まれる。従って、本発明の(A)~(E)成分を組み合わせて配合することにより、ソフトコンタクトレンズに吸着した種々のタンパク質汚れを効果的に洗浄除去できることが分かる。
Claims (6)
- (A)メチル硫酸ネオスチグミン;
(B)イプシロン-アミノカプロン酸、アラントイン、グリチルリチン酸二カリウム、及び硫酸亜鉛又は乳酸亜鉛からなる群より選択される少なくとも3種;
(C)塩酸ジフェンヒドラミン又はマレイン酸クロルフェニラミン;
(D)シアノコバラミン、塩酸ピリドキシン、パンテノール又はパントテン酸カルシウム又はパントテン酸ナトリウム、及び酢酸トコフェロールからなる群より選択される少なくとも3種;並びに
(E)L-アスパラギン酸カリウム若しくはL-アスパラギン酸マグネシウム又はそれらの等量混合物、アミノエチルスルホン酸、及びコンドロイチン硫酸ナトリウム
を含有するソフトコンタクトレンズ用眼科組成物。 - pHが5.5~8.5である請求項1に記載の眼科組成物。
- さらに、界面活性剤を含有する請求項1又は2に記載の眼科組成物。
- さらに、清涼化剤を含有する請求項1~3のいずれかに記載の眼科組成物。
- ポリエチレンテレフタレート製の容器に収容されている請求項1~4のいずれかに記載の眼科組成物。
- 1日当たり3~6回使用される請求項1~5のいずれかに記載の眼科組成物。
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