JP7046258B1 - ポリエステル樹脂及びそれを含む活性エネルギー線硬化型インキ組成物、並びにそれらの製造方法 - Google Patents

ポリエステル樹脂及びそれを含む活性エネルギー線硬化型インキ組成物、並びにそれらの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】活性エネルギー線硬化型インキ組成物の調製にも使用可能であり、バイオマス由来の成分比率を高めることのできるインキ組成物用の樹脂を提供すること。【解決手段】エポキシ基を含む脂肪酸、及び多塩基酸を含む酸成分と、多価アルコールと、の縮重合体であり、上記脂肪酸をトリグリセリドに換算したときの過酸化物価が1meq/kg以上であることを特徴とするポリエステル樹脂を用いる。この樹脂は、エポキシ化油脂、多塩基酸及び多価アルコールを含む混合物を加熱することでエステル交換反応及び縮重合反応を生じさせてポリエステル樹脂を製造する方法であって、上記エポキシ化油脂の過酸化物価が1meq/kg以上であることを特徴とするポリエステル樹脂の製造方法により調製できる。【選択図】なし

Description

本発明は、ポリエステル樹脂及びそれを含む活性エネルギー線硬化型インキ組成物、並びにそれらの製造方法に関するものである。
近年、様々な業界や業種で環境負荷低減活動が展開されているが、最終的な目標は地球環境保全で共通している。印刷インキ業界においてもこれまで各種の観点から環境負荷低減を促す活動が行われ、そのような活動の趣旨に適合した製品には各種の認証マークが付されることになっている。このような認証マークとしては、NL規制マーク、ベジタブルマーク、GPマーク、クリオネマーク等が存在する。このような中にあって、最近、印刷インキ工業連合会によって新たにインキグリーンマーク(以下、IGマークと呼ぶ。)制度が制定された。IGマークは、主にインキ組成物を構成する各成分のうちのバイオマスに由来する成分の比率を指標とし、その程度に応じてインキ組成物の環境対応レベルを3段階にランク付けする制度である。つまりこの制度は、環境負荷の低減を目的として、化石資源由来の原材料をバイオマス由来の原材料に代替することを促すことを特徴とするものといえる。
ところで、最近、各種の印刷分野において、印刷直後の印刷物に紫外線や電子線等の活性エネルギー線を照射することにより、印刷物の表面に存在するインキ組成物を瞬時に乾燥させる印刷が普及し始めている。この印刷で用いられるインキ組成物では、活性エネルギー線の照射によりインキ組成物中にラジカルが発生するように設計されており、さらにこのラジカルと反応することで高分子量化するモノマーやオリゴマーが含まれる。そのため、この種のインキ組成物を用いて印刷を行ってからその印刷物に活性エネルギー線を照射すると、印刷物の表面に存在するインキ組成物がフィルム状の硬化物となって乾燥状態となる。このようなインキ組成物のうち紫外線で硬化するタイプの製品はUVインキと呼ばれ、特に、高速印刷が行われるオフセット印刷分野において様々な製品が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
UVインキにおいても、より少ない紫外線の照射で乾燥できる製品や、消費電力の少ない発光ダイオード(LED)の光で乾燥できる省エネ対応の製品が販売されており、環境負荷低減を目指した動きが広がっているのは他のインキ組成物と同様である。この点、特許文献2には、エチレン性不飽和結合を備えた成分をラジカル重合系で硬化させるタイプのインキ組成物において、さらにエポキシ化植物油をインキ組成物へ添加することにより、低照度の紫外線に対する硬化性が向上することが示されている。エポキシ化合物は、一般に、ラジカル重合性を示さないとされることを考えれば、上記の結果は意外なものということができる。
このように、UVインキの分野では、主として印刷の際の消費エネルギーに注目した環境対応が進められてきたが、その原材料をバイオマス由来の成分に置き換えるという上記のような環境対応は十分に進んでいるとはいえない。このことは、UVインキのみならず電子線で硬化するタイプのインキ組成物でもいえることであり、活性エネルギー線硬化型インキ組成物に共通する課題といえる。これは、活性エネルギー線硬化型インキ組成物が必要とする成分に起因する。活性エネルギー線硬化型インキ組成物では、その成分としてモノマーやオリゴマーを多量に用いなければならないことから、一般に、バイオマスを由来とする成分を多用することが困難であるとされる。実際、上記IGマークの認定基準には、バイオマス由来の成分比率が含まれておらず、これに代えてリサイクル適性や省エネ対応といった環境対応特性が指標として用いられているのが現状である。
特開2014-173070号公報 特開2018-115223号公報
以上のような背景において、活性エネルギー線硬化型インキ組成物においてもバイオマス由来の成分比率を高めることは社会的に有用であり、その意義は極めて大きいといえる。しかしながら、活性エネルギー線硬化型インキ組成物で用いられるモノマーやオリゴマーは、一般のインキ組成物で用いられるバイオマス由来の材料との相溶性が悪く、従来の材料を単に適用するのが難しいのが現状である。
本発明は、以上の状況に鑑みてなされたものであり、活性エネルギー線硬化型インキ組成物の調製にも使用可能であり、バイオマス由来の成分比率を高めることのできるインキ組成物用の樹脂を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、揚げ物等の食品加工に用いられた後の廃食用油のような酸化した植物油に注目した。周知のように、植物油は、脂肪酸とグリセリンとのエステル化合物の混合物であり、これら脂肪酸の中にはオレイン酸やリノール酸等の不飽和脂肪酸が含まれる。これが、例えば揚げ物に用いられたとき等のように高温状態に置かれると、脂肪酸の不飽和結合の一部に酸素が付加して、分子中にヒドロペルオキシド基(-OOH)を生じる。ヒドロペルオキシド基はその構造からも明らかなように極性の高い置換基となるので、廃食用油のような酸化した植物油は、未使用の植物油に比較して高い極性を備えることになる。
一方、活性エネルギー線硬化型のインキ組成物は、硬化性を持たせるためにエチレン性不飽和結合を有する化合物を主成分として含む。こうしたエチレン性不飽和結合を有する化合物としては、(メタ)アクリル酸エステル化合物等のように高い極性を有するものが選択されるのが一般的である。このため、この種のインキ組成物では、組成物全体として高い極性を有するものになり、相溶性の観点からは、酸化した植物油、すなわち上記のように高い極性を備えた油脂は、同じく高い極性の組成物である活性エネルギー線硬化型のインキ組成物と相性が良いことになる。そして、周知のように、植物油といったトリグリセリドは、インキ組成物用の樹脂として用いられるポリエステル樹脂の原料でもある。したがって、廃食用油のように酸化した植物油に対して特許文献2に示されるようにエポキシ基を導入した上でこれを原料としてポリエステル樹脂を調製すれば、活性エネルギー線硬化型のインキ組成物と同様に高い極性を備える、すなわち活性エネルギー線硬化型のインキ組成物と相性が良く、かつバイオマス由来の成分を豊富に含んだ、インキ組成物調製のための構成成分が得られることになる。さらに、上記のように、このポリエステル樹脂は、酸化した植物油として廃食用油を用いることもでき、そのようなポリエステル樹脂を用いたインキ組成物は、廃棄物の有効活用という点でより一層環境負荷の低減を図ることのできる製品となる。そればかりか、本発明者の検討によれば、酸化した植物油を由来としたポリエステル樹脂を含むインキ組成物は、極性の高い成分同士から構成されることによる相溶性の高さから、高い流動性や、かつ印刷物の光沢の向上をもたらし、印刷作業性や印刷物の付加価値を向上させる。なお、このように酸化した油脂が高い極性を備える点は、植物油に限らず、動物油等も含めた油脂(トリグリセリド及びそれを変性した脂肪酸エステル化合物)全般に言えることであり、これらの油脂を用いても同様の効果を奏することが期待される。このような態様も本発明の範囲といえる。なお、本明細書において、「(メタ)アクリレート」とは「アクリレート及び/又はメタクリレート」を意味し、「(メタ)アクリル酸」とは「アクリル酸及び/又はメタクリル酸」を意味する。
本発明は、以上の知見に基づいて完成されたものであり、以下のようなものを提供する。
(1)本発明は、エポキシ化油脂と、多塩基酸を含む酸成分と、多価アルコールと、の縮重合体であり、上記エポキシ化油脂の過酸化物価が1meq/kg以上であることを特徴とするポリエステル樹脂である。
(2)また本発明は、上記酸成分としてさらに樹脂酸を含む(1)項記載のポリエステル樹脂である。
(3)また本発明は、(1)項又は(2)項記載のポリエステル樹脂を含むことを特徴とする活性エネルギー線硬化型インキ組成物である。
(4)本発明は、エポキシ化油脂、多塩基酸及び多価アルコールを含む混合物を加熱することでエステル交換反応及び縮重合反応を生じさせてポリエステル樹脂を製造する方法であって、上記エポキシ化油脂の過酸化物価が1meq/kg以上であることを特徴とするポリエステル樹脂の製造方法である。
(5)また本発明は、上記エポキシ化油脂の酸価が0.1mgKOH/g以上100mgKOH/g以下であることを特徴とする(4)項記載のポリエステル樹脂の製造方法である。
(6)また本発明は、上記エポキシ化油脂の過酸化物価が1meq/kg以上1000meq/kg以下であることを特徴とする(4)項又は(5)項記載のポリエステル樹脂の製造方法である。
(7)また本発明は、上記エポキシ化油脂のオキシラン酸素濃度が0.5%以上50%以下であることを特徴とする(4)項~(6)項のいずれか1項記載のポリエステル樹脂の製造方法である。
(8)また本発明は、上記混合物が、さらに樹脂酸を含むことを特徴とする(4)項~(7)項のいずれか1項記載のポリエステル樹脂の製造方法である。
(9)また本発明は、上記エポキシ化油脂が、廃食用油のエポキシ変性体である(4)項~(8)項のいずれか1項記載のポリエステル樹脂の製造方法である。
(10)本発明は、上記(4)項~(9)項のいずれか1項記載の方法で製造されたポリエステル樹脂を構成成分の一つとして用いることを特徴とする活性エネルギー線硬化型インキ組成物の製造方法でもある。
本発明によれば、活性エネルギー線硬化型インキ組成物の調製にも使用可能であり、バイオマス由来の成分比率を高めることのできるインキ組成物用の樹脂が提供される。
以下、本発明のポリエステル樹脂の製造方法の一実施態様、ポリエステル樹脂の一実施形態、活性エネルギー線硬化型インキ組成物の一実施形態、及び活性エネルギー線硬化型インキ組成物の製造方法の一実施態様についてそれぞれ説明する。なお、本発明は、以下の実施形態及び実施態様に限定されるものではなく、本発明の範囲において適宜変更を加えて実施をすることができる。また、ポリエステル樹脂とは、多塩基酸類と多価アルコールとの縮重合によって作られる樹脂のことであり、本発明におけるポリエステル樹脂は、多塩基酸類と多価アルコールに加えて、上記のように油脂(に含まれる脂肪酸)を組み合わせて縮重合したものである。このような樹脂はアルキッド樹脂とも呼ばれ、ゆえに、本発明におけるポリエステル樹脂はアルキッド樹脂と同義である。
<ポリエステル樹脂の製造方法>
まずは、本発明のポリエステル樹脂の製造方法の一実施態様について説明する。本発明のポリエステル樹脂の製造方法は、エポキシ化油脂、多塩基酸及び多価アルコールを含む混合物を加熱することでエステル交換反応及び縮重合反応を生じさせてポリエステル樹脂を製造する方法であって、上記エポキシ化油脂の過酸化物価が1meq/kg以上であることを特徴とする。
エポキシ化油脂は、少なくとも1つのエポキシ基を有する脂肪酸とアルコールとのエステルである。一般に「油脂」とは、脂肪酸とグリセリンとのエステル、すなわちトリグリセリドを指すが、本発明では、広く、脂肪酸とアルコール(モノオール又はポリオールであることを問わない。)とのエステルを「油脂」と呼ぶ。このようなアルコールとしては、グリセリン、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、2-エチルヘキサノール等の炭素数1~14のアルコールが例示されるが特に限定されない。グリセリン等のような多価アルコールの場合、当該多価アルコールには、少なくとも1つのエポキシ基を有する脂肪酸が少なくとも1つ縮合(すなわちエステル結合を形成)していればよく、少なくとも1つのエポキシ基を有する脂肪酸が複数個縮合していてもよい。この場合、それぞれの脂肪酸は互いに独立に選択されてもよい。このような油脂としては、植物油や動物油といったトリグリセリドの他、植物油や動物油等を由来とする脂肪酸と一価又は二価アルコールとのエステル(すなわち脂肪酸エステル)を挙げることができる。
本発明の製造方法では、エポキシ化油脂として過酸化物価が1meq/kg以上であるものを特に用いる点が特徴である。既に述べたように、酸化されてペルオキシド基を含むようになった油脂は極性が高く、このような油脂を原料としてポリエステル樹脂を調製すると、得られるポリエステル樹脂も同様にペルオキシド基を含んで極性の高いものとなり、同じく極性の高い活性エネルギー線硬化型のインキ組成物と高い相溶性を示すようになる。このため、このポリエステル樹脂の適用された活性エネルギー線硬化型インキ組成物は、高い流動性や、印刷物における光沢の向上をもたらす。また、エポキシ化油脂は、再生可能原料である動物油や植物油を由来とし、インキ組成物におけるバイオマスカウントを高めるのにも貢献する。
過酸化物価が1meq/kg以上であるエポキシ化油脂は、過酸化物価が1meq/kg以上である油脂、すなわちトリグリセリド又はそれを変性して得た脂肪酸エステルをエポキシ化することにより得られる。過酸化物価は、POV(Peroxide Value)とも呼ばれ、油脂の酸化の度合いを表す指標とされる。過酸化物価は、公知のように、測定対象となる油脂にヨウ化カリウムを作用させて遊離したヨウ素(I)を0.01Nチオ硫酸ナトリウム溶液で滴定して求めることができる。すなわち、油脂に含まれるヒドロペルオキシド基をヨウ素分子(I)に置き換え、ヨウ素分子がデンプンに反応して青紫色に変わる性質を利用してチオ硫酸ナトリウムで滴定して色が消えるまでの量を求め、滴定で消費したチオ硫酸ナトリウムの当量数を求めればよい。その滴定結果をもとに、油脂1kgに含まれる過酸化物のミリグラム当量(meq)を算出したものが過酸化物価(単位;meq/kg)となる。
エポキシ基は、酸素原子が、既に互いに結合している2個の炭素原子のそれぞれに結合している、3員環状エーテル(オキシラン又はアルキレンオキシドとも呼ばれる)である。エポキシ化油脂は、多様な方法で調製することができる。例えば、油脂がトリグリセリドである場合のエポキシ化油脂は、脂肪酸部分に不飽和結合を備えた植物油又は動物油を適切な酸化剤や過酸化物により酸化することで得られる。また、油脂がトリグリセリドでない場合のエポキシ化油脂は、不飽和結合を備えた脂肪酸をアルコール(モノオール又はポリオールであることを問わない。)と反応させてエステル化、エステル交換又はエステル置換反応をさせることにより脂肪酸エステルを得て、さらにこれらの脂肪酸エステルを適切な酸化剤や過酸化物により酸化することで得られる。なお、これらの調製方法は一例であり、その他の調製方法を採用することもできる。
エポキシ化油脂としては、エポキシ化大豆油(ESO)、エポキシ化トウモロコシ油、エポキシ化ヒマワリ油、エポキシ化亜麻仁油、エポキシ化カノーラ油、エポキシ化菜種油、エポキシ化ベニバナ油、エポキシ化トール油、エポキシ化桐油、エポキシ化魚油、エポキシ化牛脂油、エポキシ化ヒマシ油、エポキシ化ステアリン酸メチル、エポキシ化ステアリン酸ブチル、エポキシ化2-エチルヘキシルステアレート、エポキシ化ステアリン酸ステアリル、3,4-エポキシシクロヘキシルメチル-3,4-エポキシシクロヘキサンカルボキシレートエポキシ化大豆油、エポキシ化プロピレングリコールジオレエート、エポキシ化パーム油、エポキシ化脂肪酸メチルエステル等が例示される。
過酸化物価が1meq/kg以上であるエポキシ化油脂を得るには、例えば、揚げ物等のような調理の過程で高温に曝された廃食用油を原料として、これをエポキシ化すればよい。また、放置して古くなり酸化した油脂や、直射日光に曝されて酸化した油脂も同様にペルオキシド基を備えるので、これらのものも同様にエポキシ化して用いることができる。この他、意図して酸化操作することにより酸化した油脂等もエポキシ化して用いることができる。これらの中でも、廃棄物の有効活用という形でインキ組成物全体としての環境負荷を低減させることができるとの観点からは、廃食用油を原料としてエポキシ化油脂を調製することが好ましい。
エポキシ化に供される油脂としては、サラダ油、コーン油、オリーブ油、大豆油、トウモロコシ油、ヒマワリ油、カノーラ油、菜種油、紅花油、魚油、牛脂油等の食用油に加え、亜麻仁油、桐油、トール油、ヒマシ油等を挙げることができる。また、これらの油脂をエステル交換して得た脂肪酸エステルもエポキシ化に供される油脂とすることができる。なお、既に述べたように、本発明におけるエポキシ化油脂は、加熱調理に用いた廃食用油を由来とするものであってもよい。このような廃食用油としては、各飲食店、ファストフード、レストラン、コンビニエンスストア、スーパー等における惣菜調理後に使用された食用油、家庭で調理用として使用された食用油等が挙げられ、例えば、から揚げ、ポテト、てんぷら等の調理のように高温で加熱処理されたのちに廃棄される食用油が挙げられる。このような廃食用油を由来とするエポキシ化油脂を採用することで、食品廃棄物の有効活用につなげることができ、本発明のインキ組成物による環境負荷を大きく低減させることができる。また、廃食用油としては、上記のように調理で用いられたものに限られず、例えば、直射日光照射下で長時間放置されて酸化の進んだ食用油であってもよい。なお、廃食用油は、廃食用油を飲食店等から回収してこれをリサイクルするリサイクル業者から購入することも可能である。
エポキシ化油脂の過酸化物価の上限としては、1000meq/kg程度が好ましく挙げられ、800meq/kg程度がより好ましく挙げられ、700meq/kg程度がさらに好ましく挙げられる。また、エポキシ化油脂の過酸化物価の下限は、上記のように1meq/kgだが、この下限としては、10meq/kg程度が好ましく挙げられ、30meq/kg程度がより好ましく挙げられる。
ところで、高温に曝されたり古くなったりした油脂は、一部が分解されて酸価を持つようになる(これは酸敗と呼ばれる。)ことが知られている。上記ヒドロキシペルオキシド基と同様に、酸価を与える酸性置換基もまた極性が高く、これを豊富に含む油脂を由来とするポリエステル樹脂は、活性エネルギー線硬化型のインキ組成物に対して良好な相溶性を示す。そのため、本発明で用いるエポキシ化油脂は、ある程度の酸価を持つことが好ましい。このような観点からは、エポキシ化油脂の酸価として0.1mgKOH/g以上100mgKOH/g以下が好ましく挙げられ、0.5mgKOH/g以上50mgKOH/g以下がより好ましく挙げられ、0.5mgKOH/g以上25mgKOH/g以下がさらに好ましく挙げられる。
エポキシ化油脂に含まれるエポキシ基の含有量を表すオキシラン酸素濃度としては、0.5%以上50%以下が好ましく挙げられる。このオキシラン酸素濃度としては、0.5%以上25%以下がより好ましく挙げられ、1%以上10%以下がさらに好ましく挙げられる。
多塩基酸は、複数のカルボキシ基を有する化合物であり、後述する多価アルコールと縮重合して高分子量化させるための成分である。複数のカルボキシ基を有する化合物としては、ポリエステル樹脂の合成に用いられてきたものを制限なく用いることができ、2又は3以上のカルボキシ基を備え、又はこれらの酸無水物であってもよい。
このような化合物としては、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、アジピン酸、トリメリット酸、1,2-シクロヘキサンジカルボン酸、1,2-シクロヘキセンジカルボン酸、1,3-シクロヘキセンジカルボン酸、1,4-シクロヘキセンジカルボン酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、5-ソディオスルホイソフタル酸、フマル酸、安息香酸、tert-ブチル安息香酸、テトラヒドロ無水フタル酸、無水マレイン酸、コハク酸、無水コハク酸、フマル酸、セバシン酸、アゼライン酸、テトラブロム無水フタル酸、無水メチルハイミック酸、テトラクロロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水ピロメリット酸、無水トリメリット酸、メチルシクロヘキセンジカルボン酸無水物等が挙げられる。これらは、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
多価アルコールは、上記エポキシ化油脂より生じた脂肪酸及び多塩基酸を含む酸成分とエステルを形成させ、これらの成分を高分子量化するものである。多価アルコールとしては、これまでポリエステル樹脂の合成に用いられてきたものを制限なく用いることができ、2又は3以上の水酸基を備える化合物が挙げられる。
このような化合物としては、エチレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,2-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3-ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、スピログリコール、ジオキサングリコール、アダマンタンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、メチルオクタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、2-メチルプロパンジオール1,3、3-メチルペンタンジオール1,5、ヘキサメチレングリコール、オクチレングリコール、9-ノナンジオール、2,4-ジエチル-1,5-ペンタンジオール、ビスフェノールAのごとき二官能フェノールのエチレンオキサイド変性化合物、ビスフェノールAのごとき二官能フェノールのプロピレンオキサイド変性化合物、ビスフェノールAのエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド共重合変性化合物、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとの共重合系ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートジオール、アダマンタンジオール、ポリエーテルジオール、ポリエステルジオール、ポリカプロラクトンジオール等が挙げられる。これらは、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記のエポキシ化油脂、多塩基酸及び多価アルコールを含む混合物が加熱されることにより、エステル交換反応及び縮重合反応を生じてポリエステル樹脂が合成される。このとき、上記混合物の一部としてさらに樹脂酸(ロジン)を含むことが好ましい。エポキシ化油脂、多塩基酸及び多価アルコールに加えて樹脂酸を用いてポリエステル樹脂を調製することにより、調製されるポリエステル樹脂の分子中に樹脂酸を由来とする構造が含まれるようになり、そのポリエステル樹脂は、顔料に対する親和性が向上し、また、バイオマス由来の成分比率が高まることになる。
樹脂酸は、ロジン類に含まれるアビエチン酸及びその異性体、並びにそれらの誘導体である。ロジン類は、松科の植物から採集される松脂の不揮発性の成分であり、アビエチン酸及びその異性体を主成分とする。アビエチン酸及びその異性体としては、アビエチン酸、ネオアビエチン酸、パラストリン酸、ピマール酸、イソピマール酸、デヒドロアビエチン酸等が挙げられ、これらはいずれもカルボキシ基を有し、上記多価アルコールや、エポキシ化油脂がエステル交換して生じたアルコールとエステルを形成することができる。
上記のアビエチン酸及びその異性体にはカルボキシ基が一つしか含まれないが、これを変性することにより複数のカルボキシ基を導入することができる。例えば、アビエチン酸はtrans-ジエン化合物であるが、これを加熱するとcis-ジエン化合物へ異性化させることができる。こうして得られたcis-ジエン化合物と、マレイン酸や1,2-シクロヘキセンジカルボン酸等のような複数のカルボキシ基を有するジエノフィル化合物とをディールスアルダー反応させることによって、アビエチン酸骨格に複数のカルボキシ基を導入することができる。また、複数分子のアビエチン酸又はその異性体を重合させることにより重合ロジンが合成されるが、こうした化合物も複数のカルボキシ基を有するものである。上記アビエチン酸及びその異性体の誘導体とはこうした化合物を指すものである。
ロジン類は樹脂酸を主成分とするものであるので、上記樹脂酸に代えてロジン類そのものを用いて合成を行うこともできる。本発明では、こうしたロジン類も樹脂酸に含まれるものとする。ロジン類は、製造方法やその後の化学処理等の違いから複数の種類が知られているが、本発明においてはいずれのロジン類を用いてもよい。このようなロジン類としては、ガムロジン、ウッドロジン、トールロジン、不均化ロジン、水添ロジン、重合ロジン等が挙げられる。また、ロジン類に対して、上記のようなディールスアルダー反応により変性を行ってもよい。なお、保存安定性の観点からは、共役二重結合を化学的に有さないか少ないロジン類を用いることが好ましい。このようなロジン類としては不均化ロジン、水添ロジンを挙げることができる。もっとも、共役二重結合を有するロジン類も合成された樹脂の保存安定性の面でやや劣るものの、問題無く使用することが可能である。
本発明のポリエステル樹脂の製造方法において、上記の各成分に加えて、必要に応じて各種の脂肪酸を用いてポリエステル樹脂を合成してもよい。このような脂肪酸としては、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、アラキジン酸、ベヘン酸等を挙げることができる。
エポキシ化油脂に含まれる脂肪酸や上記のように必要に応じて添加された脂肪酸の合計質量がポリエステル樹脂全体の質量に占める割合(%)を油長という。得られるポリエステル樹脂におけるバイオマス成分比率を高めるとの観点からは、油長が5~85程度になるようにエポキシ化油脂や脂肪酸を用いることが好ましく、10~50程度になるようにエポキシ化油脂や脂肪酸を用いることが好ましい。
また、調製されるロジン変性ポリエステル樹脂の分子量を調節するために、脂肪酸以外の一塩基酸を酸成分として加えてもよい。このような一塩基酸としては、安息香酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸等が挙げられる。
上記の各成分を混合して加熱することでポリエステル樹脂が調製される。反応手順としては、これらの原料を仕込んだ反応釜に、窒素ガス等不活性ガスを流入させた状態で必要に応じてキシレン等の溶剤を少量加えて加熱を行い、縮合水と共沸させて水を除きながら縮重合させる方法を挙げることができる。反応温度としては170~250℃程度を挙げることができ、反応時間としては5~25時間程度を挙げることができるが特に限定されない。反応終了の判断は、反応時間の経過に応じて反応混合物の酸価をモニターすることで行うことができる。すなわち、縮重合に伴う反応混合物の酸価の低下が止まった時点で反応終了とすればよい。縮重合反応は、縮重合によって生じた水を系外に留出させるか反応触媒を用いることで、より短時間で行うことができる。反応触媒としては、トリフェニルホスフィン、テトラブチルジルコネート、モノブチルチンオキサイド(モノブチルすずオキサイド)、ジルコニウムナフテート、テトラブチルチタネート等を挙げることができる。
縮重合反応によって得られたポリエステル樹脂の重量平均分子量は、1000~100000程度であることが好ましい。ポリエステル樹脂の重量平均分子量は、酸成分と多価アルコールとのバランスによって決定されるものなので、初回の合成は小スケールで行い、反応条件や原材料の種類などを決定してから大スケールの合成へ移行することが望ましい。
縮重合反応によって得られたポリエステル樹脂の酸価は、1~50mgKOH/gであることを好ましく挙げることができる。酸価が50mgKOH以下であることにより、このポリエステル樹脂を例えばオフセット印刷用のインキ組成物に適用したときの異常乳化等のトラブルの発生を抑制することができる。この酸価は、1~25mgKOHであることが好ましく、1~10mgKOHであることがより好ましい。なお、反応終了時点でのロジン変性ポリエステル樹脂の酸価は、酸成分と多価アルコールとの量のバランスによって決定されるものなので、先に述べた重量平均分子量の場合と同様に、初回の合成は小スケールで行い、反応条件や原材料の種類などを決定してから大スケールの合成へ移行することが望ましい。
<ポリエステル樹脂>
次に、本発明のポリエステル樹脂の一実施形態について説明する。本発明のポリエステル樹脂は、上記製造方法により調製されるものであり、本発明の一つである。本発明のポリエステル樹脂は、エポキシ基を含む脂肪酸、及び多塩基酸を含む酸成分と、多価アルコールと、の縮重合体であり、上記脂肪酸をトリグリセリドに換算したときの過酸化物価が1meq/kg以上であることを特徴とする。なお、以下の説明を行うにあたり、既に説明したポリエステル樹脂の製造方法の説明と重複する部分についてはその説明を適宜省略する。
本発明のポリエステル樹脂は、過酸化物価が1meq/kg以上のエポキシ化油脂を原料の一つとして調製されるので極性が高く、同じく極性の高い材料で構成される活性エネルギー線硬化型のインキ組成物に対して良好な相溶性を示す。このため、本発明のポリエステル樹脂は、活性エネルギー線硬化型のインキ組成物の調製において好ましく用いられ、これの適用された活性エネルギー線硬化型インキ組成物は、高い流動性や、かつ印刷物の光沢の向上をもたらし、印刷作業性や印刷物の付加価値を向上させる。本発明のポリエステル樹脂は、バイオマス由来の原材料を多く含むため、これを含むインキ組成物のバイオマス由来成分の含有量を高めることができる。
本発明のポリエステル樹脂は、エポキシ基を含む脂肪酸、及び多塩基酸を含む酸成分と、多価アルコールと、の縮重合体である。エポキシ基を含む脂肪酸は、上記本発明の製造方法で説明したエポキシ化油脂を由来とするものであり、上記製造方法においてエポキシ化油脂を含む混合物が加熱されることにより、エポキシ化油脂がエステル交換されて生成したものである。「上記脂肪酸をトリグリセリドに換算したときの過酸化物価が1meq/kg以上である」とは、エステル交換によりエポキシを含む脂肪酸になる前の状態であるエポキシ化油脂の過酸化物価が1meq/kgであることを意味するものである。エポキシ化油脂の過酸化物価が1meq/kgであることの意義や、エポキシ化油脂の説明については、既に述べた通りなので、ここでの説明を省略する。また、多塩基酸及び多価アルコールの説明についても、既に述べた通りなので、ここでの説明を省略する。
本発明のポリエステル樹脂は、上記酸成分としてさらに樹脂酸を含むことが好ましい。これについても既に述べた通りなので、ここでの説明を省略する。
<活性エネルギー線硬化型インキ組成物>
上記本発明のポリエステル樹脂を含むことを特徴とする活性エネルギー線硬化型インキ組成物も本発明の一つである。既に説明したように、本発明のポリエステル樹脂は、原材料としてバイオマス由来の成分比率が高く、これを含むインキ組成物のバイオマス由来の成分比率を高めることができる。そのため、このインキ組成物は、環境負荷が低減されており、IGマーク認証等、各種の環境関連の認証を受けるのに適した製品となる。また、これも既に説明したように、本発明のポリエステル樹脂は、揚げ物等に用いられた廃食用油等を由来とするエポキシ化油脂を用いて調製することも可能であり、この場合には、さらにインキ組成物の環境負荷を低減させることが可能である。
また、既に説明したように、本発明のポリエステル樹脂は、活性エネルギー線硬化型のインキ組成物に含まれるモノマーやオリゴマーとの相溶性に優れるので、これが適用された活性エネルギー線硬化型インキ組成物は、流動性が高く、またこれを用いて印刷された印刷物の光沢の向上をもたらす。以下、活性エネルギー線硬化型インキ組成物の典型的な例を説明する。
活性エネルギー線硬化型インキ組成物は、主として、エチレン性不飽和結合を備えた化合物、及び任意成分として着色成分を含んでなる。本発明のインキ組成物が着色成分を含む場合には、文字や画像などを形成する用途に用いられ、本発明のインキ組成物が着色成分を含まない場合には、コーティング用途等に用いられる。本発明のインキ組成物は、これらの成分に加えて上記本発明のポリエステル樹脂を含む。硬化に用いる活性エネルギー線としては、紫外線又は電子線を好ましく挙げることができる。活性エネルギー線として紫外線を用いる場合、その波長としては、用いる光重合開始剤の吸収波長に合わせて適宜決定されればよいが、400nm以下を挙げることができる。このような紫外線を発生させる紫外線照射装置としては、メタルハライドランプ、高圧水銀ランプ、希ガスを封入したエキシマランプ、紫外線発光ダイオード(LED)等を挙げることができる。活性エネルギー線として電子線を用いる場合、電子線を照射する照射装置は特に限定されない。このような照射装置としては、コックロフトワルトシン型、バンデグラフ型または共振変圧器型等の照射装置が挙げられる。電子線のエネルギーは、50~1000eVであることが好ましく、100~300eVであることがより好ましい。いずれの活性エネルギー線を用いる場合であっても、その照射量としては、インキ組成物の硬化具合を見ながら適宜調整されることになる。なお、活性エネルギー線として紫外線を用いる場合には、後述する光重合開始剤をインキ組成物に添加し、この光重合開始剤が紫外線の照射により分子内開裂を生じてラジカルを発生させてインキ組成物を硬化させる。また、活性エネルギー線として電子線を用いる場合には、インキ組成物中に含まれる各種の成分が電子線の照射により分子内開裂を生じてラジカルを生じさせてインキ組成物を硬化させる。このため、活性エネルギー線として電子線が選択される場合、光重合開始剤はインキ組成物における必須成分とはならない。
エチレン性不飽和結合を備えた化合物は、インキ組成物中に生じたラジカルによって重合して高分子量化する成分であり、モノマーやオリゴマー等と呼ばれる成分である。また、オリゴマーよりもさらに高分子量であるポリマーについてもエチレン性不飽和結合を備えたものが各種市販されている。このようなポリマーも上記モノマーやオリゴマーによって、又は当該ポリマー同士によって架橋されて高分子量化することができる。そこで、こうしたポリマーを、上記モノマーやオリゴマーとともにエチレン性不飽和結合を備えた化合物として用いてもよい。
モノマーは、エチレン性不飽和結合を有し、上記のように重合して高分子量化する成分であるが、重合する前の状態では比較的低分子量の液体成分であることが多く、樹脂成分を溶解させてワニスとする際の溶媒とされたり、インキ組成物の粘度を調節したりする目的にも用いられる。モノマーとしては、分子内にエチレン性不飽和結合を1つ備える単官能モノマーや、分子内にエチレン性不飽和結合を2つ以上備える2官能以上のモノマーが挙げられる。2官能以上のモノマーは、インキ組成物が硬化するのに際して分子と分子とを架橋することができるので、硬化速度を速めたり、強固な皮膜を形成させたりするのに寄与する。単官能のモノマーは、上記のような架橋能力を持たない反面、架橋に伴う硬化収縮を低減させるのに寄与する。これらのモノマーは、必要に応じて各種のものを組み合わせて用いることができる。
単官能モノマーとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート等のアルキルアクリレート、(メタ)アクリル酸、エチレンオキシド付加物の(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド付加物の(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、トリシクロデカンモノメチロール(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-ブトキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-メトキシプロピル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、アクリオロキシエチルフタレート、2-(メタ)アクリロイロキシエチル-2-ヒドロキシエチルフタレート、2-(メタ)アクリロイロキシプロピルフタレート、β-カルボキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸ダイマー、ω-カルボキシポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N-ビニルピロリドン、N-ビニルホルムアミド、(メタ)アクリロイルモルホリン等を挙げることができる。これらの単官能モノマーは、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
2官能以上のモノマーとしては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリルヒドロキシピバレートジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリルヒドロキシピバレートジカプロラクトネートジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,5-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、2,5-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,7-ヘプタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,8-オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2-オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9-ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2-デカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10-デカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2-デカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,12-ドデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2-ドデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,14-テトラデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2-テトラデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,16-ヘキサデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2-ヘキサデカンジオールジ(メタ)アクリレート、2-メチル-2,4-ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、3-メチル-1,5-ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、2-メチル-2-プロピル-1,3-プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、2,4-ジメチル-2,4-ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、2,2-ジエチル-1,3-プロパンジオ-ルジ(メタ)アクリレート、2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、ジメチロールオクタンジ(メタ)アクリレート、2-エチル-1,3-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、2,5-ジメチル-2,5-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、2-メチル-1,8-オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、2-ブチル-2-エチル-1,3-プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、2,4-ジエチル-1,5-ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,5-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、2,5-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,7-ヘプタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,8-オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2-オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9-ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2-デカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10-デカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2-デカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,12-ドデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2-ドデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,14-テトラデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2-テトラデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,16-ヘキサデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2-ヘキサデカンジオールジ(メタ)アクリレート、2-メチル-2,4-ペンタンジ(メタ)アクリレート、3-メチル-1,5-ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、2-メチル-2-プロピル-1,3-プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、2,4-ジメチル-2,4-ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、2,2-ジエチル-1,3-プロパンジオ-ルジ(メタ)アクリレート、2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、ジメチロールオクタンジ(メタ)アクリレート、2-エチル-1,3-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、2,5-ジメチル-2,5-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、2-ブチル-2-エチル-1,3-プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、2,4-ジエチル-1,5-ペンタンジオールジ(メタ)アクリレートトリシクロデカンジメチロールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメチロールジカプロラクトネートジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAテトラエチレンオキサイド付加体ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFテトラエチレンオキサイド付加体ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールSテトラエチレンオキサイド付加体ジ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールAテトラエチレンオキサイド付加体ジ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールFテトラエチレンオキサイド付加体ジ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノーAジ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAテトラエチレンオキサイド付加体ジカプロラクトネートジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFテトラエチレンオキサイド付加体ジカプロラクトネートジ(メタ)アクリレート等の2官能モノマー;グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリカプロラクトネートトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールヘキサントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールオクタントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等の3官能モノマー;トリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラカプロラクトネートテトラ(メタ)アクリレート、ジグリセリンテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラカプロラクトネートテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールエタンテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールブタンテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールヘキサンテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールオクタンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールポリアルキレンオキサイドヘプタ(メタ)アクリレート等の4官能以上のモノマー;等を挙げることができる。これらの中でも、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA;3官能)、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート(DITMPTA;4官能)、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA;6官能)、グリセリンプロポキシトリアクリレート(GPTA;3官能)、ヘキサンジオールジアクリレート(HDDA;2官能)等を好ましく挙げることができる。これらの2官能以上のモノマーは、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、モノマーの一種として、エポキシ化植物油をアクリル変性することにより得られるエポキシ化植物油アクリレートがある。これは、不飽和植物油の二重結合に過酢酸、過安息香酸等の酸化剤でエポキシ化したエポキシ化植物油のエポキシ基に、(メタ)アクリル酸を開環付加重合させた化合物である。不飽和植物油とは、少なくとも1つの脂肪酸が炭素-炭素不飽和結合を少なくとも1つ有するトリグリセリドのことであり、アサ実油、アマニ油、エノ油、オイチシカ油、オリーブ油、カカオ油、カポック油、カヤ油、カラシ油、キョウニン油、キリ油、ククイ油、クルミ油、ケシ油、ゴマ油、サフラワー油、ダイコン種油、大豆油、大風子油、ツバキ油、トウモロコシ油、ナタネ油、ニガー油、ヌカ油、パーム油、ヒマシ油、ヒマワリ油、ブドウ種子油、ヘントウ油、松種子油、綿実油、ヤシ油、落花生油、脱水ヒマシ油等が例示される。この種のモノマーは、植物油を由来とするものなので、インキ組成物におけるバイオマス成分量を増加させるのに役立つ。エポキシ化植物油アクリレートは、各種のものが市販されているのでそれを用いてもよい。
オリゴマーは、上記のように重合して高分子量化する成分であるが、もともとが比較的高分子量の成分であるので、インキ組成物に適度な粘性や弾性を付与する目的にも用いられる。オリゴマーとしては、エポキシ樹脂等といったエポキシ化合物に含まれるエポキシ基を酸や塩基で開環させた後に生じる水酸基と(メタ)アクリル酸とのエステルに例示されるエポキシ変性(メタ)アクリレート、ロジン変性エポキシアクリレート、二塩基酸とジオールとの縮重合物の末端水酸基と(メタ)アクリル酸とのエステルに例示されるポリエステル変性(メタ)アクリレート、ポリエーテル化合物の末端水酸基と(メタ)アクリル酸とのエステルに例示されるポリエーテル変性(メタ)アクリレート、ポリイソシアネート化合物とポリオール化合物との縮合物における末端水酸基と(メタ)アクリル酸とのエステルに例示されるウレタン変性(メタ)アクリレート等を挙げることができる。このようなオリゴマーは市販されており、例えば、ダイセル・サイテック株式会社製のエベクリルシリーズ、サートマー社製のCN、SRシリーズ、東亜合成株式会社製のアロニックスM-6000シリーズ、7000シリーズ、8000シリーズ、アロニックスM-1100、アロニックスM-1200、アロニックスM-1600、新中村化学工業株式会社製のNKオリゴ等の商品名で入手することができる。これらのオリゴマーは、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
エチレン性不飽和結合を備えたポリマーは、上述のモノマーやオリゴマーとともに高分子量化する成分であり、活性エネルギー線が照射される前から大きな分子量を備えているので、インキ組成物の粘弾性の向上に役立つ成分である。このようなポリマーは、例えば、低粘度の液体であるモノマー中に溶解又は分散された状態で用いられる。エチレン性不飽和結合を備えたポリマーとしては、ポリジアリルフタレート、未反応の不飽和基を備えたアクリル樹脂、アクリル変性フェノール樹脂等を挙げることができる。これらの中でも、ポリジアリルフタレートは、上記モノマーやオリゴマーとの相溶性が特に優れているので好ましく用いることができる。
インキ組成物中における、エチレン性不飽和結合を備えた化合物の含有量は、30~70質量%が好ましく、40~60質量%がより好ましい。エチレン性不飽和結合を備えた化合物の含有量が上記の範囲であることにより、良好な硬化性と良好な印刷適性とを両立できる。また、エチレン性不飽和結合を備えたポリマーの含有量としては、0~50質量%が好ましく、0~30質量%がより好ましく、0~20質量%がさらに好ましい。ポリマーの含有量が上記の範囲であることにより、インキ組成物に適度な粘弾性を付与してミスチング等の発生を抑制できるとともに、インキ組成物の良好な硬化性を確保することができるので好ましい。
光重合開始剤は、紫外線の照射を受けてラジカルを発生させる成分であり、生じたラジカルが上記エチレン性不飽和結合を備えた化合物を重合させ、インキ組成物を硬化させる。光重合開始剤としては、紫外線が照射された際にラジカルを生じさせるものであれば特に限定されない。なお、光重合開始剤は、インキ組成物の硬化のための活性エネルギー線として紫外線を採用する場合に必須となる成分であり、活性エネルギー線として電子線を採用する場合には必須の成分とはならず任意成分となる。
光重合開始剤としては、ベンゾフェノン、ジエチルチオキサントン、2-メチル-1-(4-メチルチオ)フェニル-2-モルフォリノプロパン-1-オン、4-ベンゾイル-4’-メチルジフェニルサルファイド、1-クロロ-4-プロポキシチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ビス-2,6-ジメトキシベンゾイル-2,4,4-トリメチルペンチルフォスフィンオキサイド、1-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)-フェニル]-2-ヒドロキシ-2-メチル-1-プロパン-1-オン、2,2-ジメチル-2-ヒドロキシアセトフェノン、2,2-ジメトキシ-2-フェニルアセトフェノン、2,4,6-トリメチルベンジル-ジフェニルフォスフィンオキサイド、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(モルホリノフェニル)-ブタン-1-オン等が挙げられる。このような光重合開始剤は市販されており、例えばIGM Resins B.V.社からOmnirad907、Omnirad369、Omnirad184、Omnirad379、Omnirad819、OmniradTPO等の商品名で、Lamberti社からDETX等の商品名で入手することができる。これらの光重合開始剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
インキ組成物中における光重合開始剤の含有量としては、1~20質量%が好ましく挙げられ、2~15質量%がより好ましく挙げられ、2~13質量%がさらに好ましく挙げられる。インキ組成物中における光重合開始剤の含有量が上記の範囲であることにより、インキ組成物の十分な硬化性と、良好な内部硬化性やコストとを両立できるので好ましい。なお、本発明のインキ組成物は、後述のエポキシ化油脂を含むことにより紫外線照射時の硬化性が向上しているので、従来の製品よりも光重合開始剤の含有量を削減することが可能である。そのため、実際の印刷条件を考慮しながら、光重合開始剤の使用量を適宜削減することが好ましい。
本発明のインキ組成物には、必要に応じて着色成分を添加することができる。着色成分は、インキ組成物に着色力や隠蔽力等を付与するために添加される成分であり、着色顔料、白色顔料、金属パウダー等が挙げられる。このような着色成分としては、従来からインキ組成物に使用されている有機及び/又は無機顔料を特に制限無く挙げることができる。なお、本発明のインキ組成物が着色成分を含まない場合にはコーティング用途等に好ましく用いられる。
着色成分としては、ジスアゾイエロー(ピグメントイエロー12、ピグメントイエロー13、ピグメントイエロー14、ピグメントイエロー17、ピグメントイエロー1)、ハンザイエロー等のイエロー顔料、ブリリアントカーミン6B、レーキレッドC、ウオッチングレッド等のマゼンタ顔料、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、アルカリブルー等のシアン顔料、カーボンブラック等の黒色顔料、酸化チタン等の白色顔料、アルミニウムペースト、ブロンズパウダー等の金属パウダー等が例示される。
着色成分の含有量としては、インキ組成物の全体に対して1~30質量%程度が例示されるが、特に限定されない。なお、着色されたインキ組成物を調製する場合、補色として他の色の着色成分を併用したり、他の色のインキ組成物を添加したりすることも可能である。
本発明のインキ組成物は、上記本発明のポリエステル樹脂を含む。このポリエステル樹脂をインキ組成物に添加する場合、これら液状を呈する場合にはそのままインキ組成物へ添加すればよいし、そうでなければ、例えばジトリメチロールプロパントリアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート等といった低粘度のモノマーに溶解させてワニスとすればよい。
インキ組成物中における本発明のポリエステル樹脂の添加量としては、5~40質量%程度が好ましく挙げられ、5~30質量%程度がより好ましく挙げられ、10~30質量%程度がさらに好ましく挙げられる。
本発明のインキ組成物には、上記の各成分に加えて、必要に応じて他の成分を添加することができる。そのような成分としては、体質顔料、樹脂成分、重合禁止剤、分散剤、リン酸塩等の塩類、ポリエチレン系ワックス・オレフィン系ワックス・フィッシャートロプシュワックス等のワックス類、アルコール類等が挙げられる。
体質顔料は、インキ組成物に適度な印刷適性や粘弾性等の特性を付与するための成分であり、インキ組成物の調製において通常用いられる各種のものを用いることができる。このような体質顔料としては、クレー、カオリナイト(カオリン)、硫酸バリウム、硫酸マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化ケイ素(シリカ)、ベントナイト、タルク、マイカ、酸化チタン等が例示される。こうした体質顔料の添加量としては、インキ組成物全体に対して0~33質量%程度が例示されるが、特に限定されない。
樹脂成分は、インキ組成物に適度な印刷適性や粘弾性等の特性を付与するのに寄与する成分である。このような樹脂成分としては、従来から印刷用のインキ組成物用途に用いられてきた各種の樹脂を挙げることができるが、上記モノマーやオリゴマーとの相溶性を有するものであることが好ましく、スチレン-アクリル樹脂、アクリル樹脂、アルキッド樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性アルキッド樹脂、ロジン変性石油樹脂、ロジンエステル樹脂、石油樹脂変性フェノール樹脂、植物油変性アルキッド樹脂、石油樹脂等を挙げることができる。
インキ組成物中に樹脂成分を添加する場合、インキ組成物中におけるその含有量は、1~30質量%が好ましく、1~20質量%がより好ましく、1~10質量%がさらに好ましい。樹脂成分の含有量が上記の範囲であることにより、インキ組成物に適度な粘弾性を付与してミスチング等の発生を抑制できるとともに、インキ組成物の良好な硬化性を確保することができるので好ましい。
重合禁止剤としては、ブチルヒドロキシトルエン等のフェノール化合物や、酢酸トコフェロール、ニトロソアミン、ベンゾトリアゾール、ヒンダードアミン等を好ましく例示することができ、中でもブチルヒドロキシトルエンをより好ましく例示することができる。インキ組成物にこのような重合禁止剤が添加されることにより、保存時に重合反応が進行してインキ組成物が増粘するのを抑制できる。インキ組成物中の重合禁止剤の含有量としては、0.01~1質量%程度を例示することができる。
分散剤は、インキ組成物中に含まれる着色成分や体質顔料を良好な状態に分散させるために用いられる。このような分散剤は、各種のものが市販されており、例えばビックケミー・ジャパン株式会社製のDISPERBYK(商品名)シリーズ等を挙げることができる。
上記の各成分を用いて本発明のインキ組成物を製造するには、従来公知の方法を適用できる。このような方法としては、上記の各成分を混合した後にビーズミルや三本ロールミル等で練肉して顔料(すなわち着色成分及び体質顔料)を分散させた後、必要に応じて添加剤(重合禁止剤、アルコール類、ワックス類等)を加え、さらに上記モノマー成分や油成分の添加により粘度調整することが例示される。インキ組成物における粘度としては、例えばオフセット印刷用である場合には、ラレー粘度計による25℃での値が10~70Pa・sであることを例示できるが、特に限定されない。
<活性エネルギー線硬化型インキ組成物の製造方法>
上記本発明の活性エネルギー線硬化型インキ組成物の製造方法もまた、本発明の一つである。この製造方法は、上記ポリエステル樹脂の製造方法で製造されたポリエステル樹脂をインキ組成物の構成成分の一つとして用いることを特徴とする。これらの事項については、既に述べた通りなので、ここでの説明を省略する。
以下、実施例を示すことでさらに具体的に本発明を説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
厚さ1mmにスライスしたジャガイモを市販食用油500mLに加え、180℃で加熱調理を行った。この操作を5~100回繰り返すことで過酸化物価(POV)の異なる廃食用油のサンプルを調製した。この調製において、食用油の種類や調理回数を変えることで、OL1及びOL2の2種の廃食用油を得た。なお、OL1は、日清オイリオ株式会社製のサラダ油を用い、OL2は、同社製の大豆白絞油を用いた。また、サカタインクス株式会社東京工場の社員食堂内で調理使用した廃食用油(日清オイリオ株式会社製、大豆白絞油)を採取し、これをOL3とした。また、廃油リサイクル会社(株式会社吉川油脂)より入手した廃食用油をOL4とした。さらに、市販の未使用食用油2点をOL5及びOL6とした。なお、OL5は、日清オイリオ株式会社製のサラダ油であり、OL6は、同社製の大豆白絞油である。OL1~OL6の各スペックを表1に示す。
Figure 0007046258000001
OL1~OL6について公知の方法でエポキシ化することで、これらをそれぞれエポキシ化油脂EPOL1~EPOL6とした。なお、油脂としてOL1を用いて調製されたものがエポキシ化油脂EPOL1に対応し、油脂OL2~OL6のいずれかを用いて調製されたものについても同様に、それぞれエポキシ化油脂EPOL2~EPOL6に対応する。さらに、市販のエポキシ化大豆油をEPOL7とした。EPOL1~EPOL7の各スペックを表2に示す。
Figure 0007046258000002
EPOL1~EPOL7のいずれかをそれぞれエポキシ化油脂として用いて、ポリエステル樹脂の調製を行った。撹拌機、還流冷却器及び温度計を備えた反応釜に、エポキシ化油脂(EPOL1~7のいずれか)125質量部、不均化ロジン(富士フイルム和光純薬株式会社製、商品名「デヒドロアビエチン酸」、酸価136mgKOH/g)375質量部、トリフェニルホスフィン1.5質量部、1,2-シクロヘキセンジカルボン酸25質量部、及びグリセリン25質量部をそれぞれ加え、窒素雰囲気下で、200℃で5時間反応させてエステル交換及び縮重合(脱水縮合)反応を行うことで、R1~R7のポリエステル樹脂を調製した。なお、エポキシ化油脂としてEPOL1を用いて調製されたものがポリエステル樹脂R1に対応し、エポキシ化油脂EPOL2~EPOL7のいずれかを用いて調製されたものについても同様に、それぞれポリエステル樹脂R2~R7に対応する。得られたポリエステル樹脂R1~R7の酸価及び重量平均分子量を表3にそれぞれ示す。
Figure 0007046258000003
上記で得たポリエステル樹脂を用いてワニスを調製した。ポリエステル樹脂R1~R7のいずれか40質量部に、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート60質量部及びブチルヒドロキシトルエン(BHT)0.15質量部を加え、100℃で1時間加熱及び撹拌を行うことで、V1~V7のワニスを調製した。なお、ポリエステル樹脂としてR1を用いて調製されたものがワニスV1に対応し、ポリエステル樹脂R2~R7のいずれかを用いて調製されたものについても同様に、それぞれワニスV2~V7に対応する。
上記で得たV1~V7の各ワニスを用いて、実施例1~5及び比較例1~4のインキ組成物を調製した。インキの調製に際しては、表4及び5に記載の各成分を混合した後、三本ロールミルで混練を行った。なお、表4において、各配合量は質量部であり、「カーボンブラック」は、三菱ケミカル株式会社製の#60であり、「炭酸カルシウム」は、白石カルシウム株式会社製の白艶華DDであり、「DiTMPTA」は、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレートであり、「ワニス」は、上記V1~V7のいずれかであって調製に際していずれを用いたのかは配合量の横に記載されており、「TPO」は、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシドであり、「EAB」は、4,4’-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンである。実施例1~4及び比較例1~3のインキ組成物は、活性エネルギー線として紫外線を用いるタイプのものであって光重合開始剤(TPO及びEAB)を含み、実施例5及び比較例4のインキ組成物は、活性エネルギー線として電子線を用いるタイプのものであって光重合開始剤を含まない。
[流動性評価]
各実施例及び比較例のインキ組成物のそれぞれについて、スプレッドメーターにてフロー値を測定し、フロー傾斜(スロープ)値として流動性を調べた。なお、フロー傾斜値とは、スプレッドメーターで100秒後の広がり直径をmm単位で計った数値から、10秒後の広がり直径をmm単位で計った数値を差し引いた数値であり、この値が大きいほど流動性が良好となる。算出されたフロー傾斜値の値を表4及び5の「流動性」欄に示した。
[光沢の評価]
実施例1~4及び比較例1~3のインキ組成物のそれぞれについて、インキ組成物0.1ccを、RI展色機(2分割ロール、株式会社明製作所製)を用いて塗工紙(日本製紙株式会社製、オーロラコート)に展色した後に、メタルハライドランプを用い120W/cmの出力で展色物に40mJ/cmの紫外線を照射して硬化させ、硬化直後の濃度をSpectroeye濃度計(Gretagmacbeth社製)により測定し、その濃度が1.50になるように調整した。次いで、村上式デジタル光沢計(村上色彩研究所製)を用いて展色面の60°反射光沢値を求めた。その結果を表4及び5の「光沢」欄に示した。また、実施例5及び比較例4のインキ組成物については、紫外線照射に代えて電子線照射装置(加速電圧90kV、照射光量30kGy)により電子線を照射することで硬化させたことを除いて実施例1~8及び比較例1~5のインキ組成物と同様の手順で光沢を評価し、その結果を表4及び5の「光沢」欄に示した。
Figure 0007046258000004
Figure 0007046258000005
表4及び5に示すように、本発明に係る実施例1~4のインキ組成物は、過酸化物価が1meq/kg以上のエポキシ化油脂由来のポリエステル樹脂を含まない比較例1~3のインキ組成物に比べて流動性が高く、硬化膜の光沢も良好だった。また、この傾向は活性エネルギー線として電子線を用いた場合でも同様であり、本発明に係る実施例5のインキ組成物は、過酸化物価が1meq/kg以上のエポキシ化油脂由来のポリエステル樹脂を含まない比較例4のインキ組成物に比べて流動性が高く、硬化膜の光沢も良好だった。これらのことから、本発明所定のポリエステル樹脂を含むインキ組成物の有用性が理解できる。

Claims (10)

  1. エポキシ化油脂と、多塩基酸を含む酸成分と、多価アルコールと、の縮重合体であり、前記エポキシ化油脂の過酸化物価が1meq/kg以上であることを特徴とするポリエステル樹脂。
  2. 前記酸成分としてさらに樹脂酸を含む請求項1記載のポリエステル樹脂。
  3. 請求項1又は2記載のポリエステル樹脂を含むことを特徴とする活性エネルギー線硬化型インキ組成物。
  4. エポキシ化油脂、多塩基酸及び多価アルコールを含む混合物を加熱することでエステル交換反応及び縮重合反応を生じさせてポリエステル樹脂を製造する方法であって、
    前記エポキシ化油脂の過酸化物価が1meq/kg以上であることを特徴とするポリエステル樹脂の製造方法。
  5. 前記エポキシ化油脂の酸価が0.1mgKOH/g以上100mgKOH/g以下であることを特徴とする請求項4記載のポリエステル樹脂の製造方法。
  6. 前記エポキシ化油脂の過酸化物価が1meq/kg以上1000meq/kg以下であることを特徴とする請求項4又は5記載のポリエステル樹脂の製造方法。
  7. 前記エポキシ化油脂のオキシラン酸素濃度が0.5%以上50%以下であることを特徴とする請求項4~6のいずれか1項記載のポリエステル樹脂の製造方法。
  8. 前記混合物が、さらに樹脂酸を含むことを特徴とする請求項4~7のいずれか1項記載のポリエステル樹脂の製造方法。
  9. 前記エポキシ化油脂が、廃食用油のエポキシ変性体である請求項4~8のいずれか1項記載のポリエステル樹脂の製造方法。
  10. 請求項4~9のいずれか1項記載の方法で製造されたポリエステル樹脂を構成成分の一つとして用いることを特徴とする活性エネルギー線硬化型インキ組成物の製造方法。
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