JP7045835B2 - ボイル・レトルト殺菌処理用包装フィルム及びその製造方法 - Google Patents
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Description
(1)二軸延伸フィルムからなる基材層、押出ラミネート層、シーラント層を順に備えるボイル・レトルト殺菌処理用包装フィルムであって、
前記押出ラミネート層は直鎖状低密度ポリエチレン(A)を主成分として含む樹脂組成物から形成され、
前記直鎖状低密度ポリエチレン(A)は、密度が0.915~0.940g/cm3であり、MFRが5~20g/10分であり、且つ示差走査熱量計(DSC)により測定された融解吸熱曲線において120℃以上の吸熱面積の割合が全吸熱面積の10%以上であり、
前記シーラント層は直鎖状低密度ポリエチレン(B)を主成分として含む樹脂組成物から形成されていることを特徴とするボイル・レトルト殺菌処理用包装フィルムが提供され、
(2)前記直鎖状低密度ポリエチレン(A)は、示差走査熱量計(DSC)により測定された融解吸熱曲線において125℃以上の吸熱面積の割合が全吸熱面積の5%以上であることを特徴とする(1)記載のボイル・レトルト殺菌処理用包装フィルムが提供され、
(3)前記直鎖状低密度ポリエチレン(A)は、融点が120℃以上であることを特徴とする(1)又は(2)記載のボイル・レトルト殺菌処理用包装フィルムが提供され、
(4)前記前記直鎖状低密度ポリエチレン(B)は、密度が0.915~0.945g/cm3であり、MFRが0.1~10g/10分であり、融点が115℃以上であることを特徴とする(1)乃至(3)のいずれかに記載のボイル・レトルト殺菌処理用包装フィルムが提供され、
(5)(1)乃至(4)のいずれかに記載のボイル・レトルト殺菌処理用包装フィルムの製造方法であって、
前記基材層と前記シーラント層との間に前記直鎖状低密度ポリエチレン(A)を主成分として含む樹脂組成物を溶融状態で押出し、該樹脂組成物を冷却固化させてラミネートすることを特徴とするボイル・レトルト殺菌処理用包装フィルムの製造方法が提供される。
図1は、本発明の一実施形態を示す拡大断面図である。図1に示すように、本発明の包装フィルム1は、基材層2、押出ラミネート層3、シーラント層4がこの順に積層された多層構成である。なお、本発明の目的を達成しうる範囲で、各層の間に他の層を設けることも可能である。
本発明に用いられる基材層は、二軸延伸フィルムからなる。二軸延伸フィルムとしては、二軸延伸ナイロンフィルムや二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムなどが挙げられる。基材層に用いられる二軸延伸フィルムは、二軸延伸フィルム上にポリ塩化ビニリデンやポリビニルアルコールなどをコーティングしたものや、アルミ、アルミナ、シリカ及びこれらの混合物を蒸着したものであっても良く、また二軸延伸フィルムにアルミニウム箔等の金属箔がラミネートされていても良い。基材層の厚さは、包装フィルムの用途に応じ適宜決定すれば良く、特に制限するものではないが、例えば、10~100μmである。基材層の厚さは10~60μmが好ましく、10~40μmがより好ましい。基材層の厚さが上記範囲よりも薄い場合は機械的強度が小さく、上記範囲よりも厚い場合は熱伝導する時間が長くなりヒートシール性が悪化する恐れがある。
押出ラミネート層は、直鎖状低密度ポリエチレン(A)を主成分として含む樹脂組成物から形成される。なお、本発明において、「主成分とする」とは、樹脂組成物を構成する樹脂成分のうち、構成比率が50質量%以上であることを意味するものであり、好ましくは60質量%以上であり、より好ましくは80質量%以上であり、さらに好ましくは90質量%以上であり、特に好ましくは95質量%以上である。
直鎖状低密度ポリエチレン(A)は、エチレンに基づく単量体単位とα-オレフィンに基づく単量体単位とが共重合された重合体であり、エチレンに基づく単量体単位の含有量が直鎖状低密度ポリエチレン(A)の全重量(100重量%)に対して50重量%以上の重合体である。直鎖状低密度ポリエチレン(A)におけるα-オレフィンとしては、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、4-メチル-1-ペンテン、1-ヘキセン、1-オクテン、1-デセン、1-ドデセンなどを例示することができるが、1-ヘキセンや1-オクテンが製膜性安定性の観点から望ましい。また本発明に用いる直鎖状低密度ポリエチレン(A)は、以下の物性を有することが重要である。
シーラント層は、直鎖状低密度ポリエチレン(B)を主成分として含む樹脂組成物から形成される。
直鎖状低密度ポリエチレン(B)は、エチレンに基づく単量体単位とα-オレフィンに基づく単量体単位とが共重合された重合体であり、エチレンに基づく単量体単位の含有量が直鎖状低密度ポリエチレン(B)の全重量(100重量%)に対して50重量%以上の重合体である。直鎖状低密度ポリエチレン(B)におけるα-オレフィンとしては、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、4-メチル-1-ペンテン、1-ヘキセン、1-オクテン、1-デセン、1-ドデセンなどを例示することができるが、1-ヘキセンや1-オクテンが製膜性安定性の観点から望ましい。
本発明の包装フィルムは押出ラミネート法により製造される。押出ラミネート法としては、基材層上に押出ラミネート層を形成する溶融樹脂を押出し、該溶融樹脂を冷却固化させて基材層上に押出ラミネート層をラミネートした後、押出ラミネート層上にシーラント層を形成する溶融樹脂を押出し、該溶融樹脂を冷却固化させて押出ラミネート層上にシーラント層をラミネートするタンデム押出ラミネート法、基材層とシーラントフィルム(シーラント層)との間に押出ラミネート層を形成する溶融樹脂を押出し、該溶融樹脂を冷却固化(押出ラミネート層)させて基材層とシーラント層とをラミネートするサンドイッチラミネート法、基材層上に押出ラミネート層を形成する樹脂とシーラント層を形成する樹脂とを別々の押出機に供給して同時に押出し、基材層上に2種類の樹脂層を同時に積層する共押出ラミネート法等が挙げられるが、生産性に優れることから、特に本発明においては、サンドイッチラミネート法によることが好ましい。
JIS-K7112に準拠して測定した。
(2)MFR
JIS-K7210に準拠して測定した。
(3)融点
JIS-K7121に準拠して測定した。なお、DSC測定により得られた融解吸熱曲線において昇温時の吸熱ピークが複数存在する場合は全ての温度を融点として記載した。
(4)吸熱面積比
明細書の本文中に記載した方法により測定した。
(5)ボイル評価
各フィルムを用いて被包装物(蒸留水、ソース(油:酢:ケチャップ=1:1:1)、サラダ油)を充填した四方シール(150mm×200mm)の袋を作成し、ボイル漕にて100℃で60分間ボイルした後、各袋におけるデラミの発生状況を目視により確認した。評価基準は以下の通りである。
〇:デラミの発生無し
×:デラミが発生(デラミの発生数が10個中、1個以上)
-:未評価
(6)レトルト評価
各フィルムを用いて被包装物(蒸留水、ソース(油:酢:ケチャップ=1:1:1))を充填した四方シール(150mm×200mm)の袋を作成し、高温高圧調理殺菌試験機にて熱水レトルト処理(条件A:105℃×60分、条件B:110℃×60分)を行った後、各袋におけるデラミ、外観不良の発生状況を目視により確認した。評価基準は以下の通りである。
〇:デラミ、外観不良の発生無し
×:デラミが発生(デラミの発生数が10個中、5個未満)
××:デラミが発生(デラミの発生数が10個中、5個以上)
イソシアネート系アンカーコート剤が塗工された厚さ15μmの二軸延伸ナイロンフィルムの基材層上に、厚さが40μmの直鎖状低密度ポリエチレン(B)[密度:0.925g/cm3、MFR:4.5g/10分、融点:120.2℃]からなるフィルムを、厚さが20μmとなるよう直鎖状低密度ポリエチレン(A-1)[密度:0.920g/cm3、MFR:9g/10分、融点101.1℃、125.7℃、128.4℃]からなる押出ラミネート樹脂を介してラミネートし、基材層と押出ラミネート樹脂層とシーラント層との3層構成となる包装フィルムを作製した。得られたフィルムのボイル評価、レトルト評価を表1に記す。
押出ラミネート層を形成する樹脂として直鎖状低密度ポリエチレン(A-2)[密度:0.920g/cm3、MFR:10.5g/10分、融点:109℃]を用いた以外は実施例1と同様にして包装フィルムを作製した。得られたフィルムのボイル評価、レトルト評価を表1に示す。
押出ラミネート層を形成する樹脂として直鎖状低密度ポリエチレン(A-3)[密度:0.911g/cm3、MFR:10g/10分、融点:99.8℃、110.2℃]を用いた以外は実施例1と同様にして包装フィルムを作製した。得られたフィルムのボイル評価、レトルト評価を表1に示す。
押出ラミネート層を形成する樹脂として直鎖状低密度ポリエチレン(A-4)[密度:0.910g/cm3、MFR:9g/10分、融点:99.8℃、116.1℃、122.7℃]を用いた以外は実施例1と同様にして包装フィルムを作製した。得られたフィルムのボイル評価、レトルト評価を表1に示す。
2:基材層
3:押出ラミネート層
4:シーラント層
Claims (3)
- 二軸延伸フィルムからなる基材層、押出ラミネート層、シーラント層を順に備えるボイル・レトルト殺菌処理用包装フィルムであって、
前記押出ラミネート層は直鎖状低密度ポリエチレン(A)を主成分として含む樹脂組成物から形成され、
前記直鎖状低密度ポリエチレン(A)は、密度が0.915~0.940g/cm3であり、MFRが5~20g/10分であり、且つ示差走査熱量計(DSC)により測定された融解吸熱曲線において125℃以上の吸熱面積の割合が全吸熱面積の10%以上であり、示差走査熱量計(DSC)により得られた少なくとも一つの融点が120℃以上であり、
前記シーラント層は直鎖状低密度ポリエチレン(B)を主成分として含む樹脂組成物から形成されており、
前記ボイル・レトルト殺菌処理用包装フィルムは、下記レトルト評価においてデラミ、外観不良の発生が起こらないことを特徴とするボイル・レトルト殺菌処理用包装フィルム。
<レトルト評価>
各フィルムを用いて被包装物(ソース:(油:酢:ケチャップ=1:1:1)を充填した四方シール(150mm×200mm)の袋を作成し、
高温高圧調理殺菌試験機にて熱水レトルト処理(110℃×60分)を行った。 - 前記直鎖状低密度ポリエチレン(B)は、密度が0.915~0.945g/cm 3 であり、MFRが0.1~10g/10分であり、融点が115℃以上であることを特徴とする請求項1に記載のボイル・レトルト殺菌処理用包装フィルム。
- 請求項1又は2に記載のボイル・レトルト殺菌処理用包装フィルムの製造方法であって、
前記基材層と前記シーラント層との間に前記直鎖状低密度ポリエチレン(A)を主成分として含む樹脂組成物を溶融状態で押出し、該樹脂組成物を冷却固化させてラミネートすることを特徴とするボイル・レトルト殺菌処理用包装フィルムの製造方法。
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