JP7045510B1 - 吸音構造体 - Google Patents

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Abstract

【課題】吸音周波数を高い自由度で調整することのできる吸音構造体を提供する。【解決手段】吸音構造体20は、シート状をなす第1ベース部31と、同第1ベース部31に突設された第1ベース凸部32とを有する。第1ベース凸部32は、第1ベース部31から突出する筒状の第1周壁部33と、同第1周壁部33の突端部分を塞ぐ第1蓋部34とを有する。第1周壁部33は、その表面が部分的に凹んだ形状をなす先端凹部38を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、吸音構造体に関するものである。
特許文献1には、吸音構造体が開示されている。この吸音構造体は、シート状のベース部と、同ベース部に突設された凸部とを有している。こうした吸音構造体によれば、音波の入射に際して凸部が共振することにより、同凸部の共振周波数に対応する特定周波数の音の透過が抑制されることで、吸音効果が得られるようになる。
国際公開第2017/135409号
上記吸音構造体によって低減される音の周波数(吸音周波数)は同吸音構造体の共振周波数によって定まる。そして、吸音構造体の共振周波数は、ベース部および凸部の材質や凸部の質量によって定まる。このことをふまえて、ベース部および凸部の材質や凸部の質量を変更することで、吸音構造体の共振周波数、ひいては吸音周波数を調整することが考えられる。しかしながら、そうした材質や質量の変更による吸音構造体の共振周波数の調整には限界がある。この点において、上記吸音構造体は改善の余地があるものになっている。
上記課題を解決するための吸音構造体は、シート状をなすベース部と、同ベース部に突設されたベース凸部と、を有する吸音構造体において、前記ベース凸部は、前記ベース部から突出する筒状の周壁部と、同周壁部の突端部分を塞ぐ蓋部と、前記周壁部の表面が部分的に凹んだ形状をなす易変形部と、を有する。
上記課題を解決するための吸音構造体は、シート状をなすベース部と、同ベース部に突設されたベース凸部と、を有する吸音構造体において、前記ベース部は、同ベース部の他の部分と比較して変形し易い形状をなす易変形部が、前記ベース凸部の基端部分の周縁に設けられてなる。
第1実施形態の吸音構造体の正面図。 第1実施形態のカバーパネル、吸音構造体、およびダッシュパネルの分解斜視図。 第1実施形態の吸音構造体の図1の3-3線に沿った端面図。 パターンAの第1ベース凸部と第2ベース凸部を離間して示す斜視断面図。 パターンBの第1ベース凸部と第2ベース凸部を離間して示す斜視断面図。 第1実施形態の吸音構造体の図1の6-6線に沿った端面図。 パターンCの第1ベース凸部と第2ベース凸部を離間して示す斜視断面図。 パターンDの第1ベース凸部と第2ベース凸部を離間して示す斜視断面図。 第1シートを構成する弾性部材の弾性率と温度との関係を示すグラフ。 第2実施形態の吸音構造体の正面図。 第2実施形態の吸音構造体の図10の11-11線に沿った端面図。 第1ベース凸部62Eを斜め下方から見た斜視断面図。 第1ベース凸部62Fを斜め下方から見た斜視断面図。
(第1実施形態)
以下、図1~図9を参照して、吸音構造体の第1実施形態について説明する。
図2に示すように、車両10の前部には、ダッシュパネル12と、ダッシュパネル12を車両前後方向の後方から覆うカバーパネル11とが設けられている。
カバーパネル11は、ダッシュパネル12と車両前後方向において対向して配置されている。カバーパネル11は、運転席及び助手席の車両前後方向の前方に位置するとともに車室を区画する。なお、以降において、カバーパネル11とダッシュパネル12との対向方向を単に対向方向と称する。
カバーパネル11は、硬質の合成樹脂材料により構成されている。ダッシュパネル12は、金属材料によって構成されている。カバーパネル11とダッシュパネル12との間には、吸音構造体20が設けられる。本実施形態の車両10では、上記カバーパネル11を車両前後方向の後方から覆うようにインストルメントパネル(図示略)が設けられる。
(吸音構造体20)
以下、吸音構造体20の構造について詳しく説明する。
図1~図3に示すように、吸音構造体20は、いずれもシート状をなす第1シート30および第2シート40を有している。これら第1シート30および第2シート40は、第1シート30がカバーパネル11側に配置されるとともに第2シート40がダッシュパネル12側に配置される態様で、対向方向において重ね合わされている。
(第1シート30)
図1および図3に示すように、第1シート30は、シート状をなす第1ベース部31と、同第1ベース部31からカバーパネル11に向かって突出する複数の第1ベース凸部32とを有している。第1シート30は、弾性部材により構成されている。弾性部材としては、例えば軟質のエラストマーが好ましい。
第1ベース凸部32は、基本的には、以下の構造をなしている。
第1ベース凸部32は、第1ベース部31から突出する略正六角筒状の第1周壁部33と、同第1周壁部33の突端部分を塞ぐ第1蓋部34とを有している。第1蓋部34は略正六角形状である。本実施形態では、第1蓋部34が、カバーパネル11に対向する態様で延びている。第1ベース凸部32の内部は第2シート40に向かって開口している。第1ベース凸部32の第1開口35は、第1蓋部34よりも大きい略正六角形状である。第1ベース凸部32は、第2シート40に向かって開口する中空構造をなしている。第1周壁部33は、第1蓋部34に近づくほど先細の形状である。
図1に示すように、1つの第1ベース凸部32の周囲において同第1ベース凸部32の6つの辺に対する位置には、それぞれ第1ベース凸部32が配置されている。すなわち、1つの第1ベース凸部32の周囲には6つの第1ベース凸部32が配置されている。
第1ベース凸部32としては、4種類のもの(詳しくは、第1ベース凸部32A,32B,32C,32D)が設けられている。以下、それら第1ベース凸部32A~32Dの特徴的な構造について各別に説明する。
(第1ベース凸部32A)
図1、図3および図4に示すように、第1ベース凸部32Aの第1蓋部34は、カバーパネル11に当接している。第1ベース凸部32Aは、第1蓋部34の中央部分が断面略六角形状で凹んだ形状をなす先端穴部36を有している。本実施形態では、この先端穴部36の底壁とカバーパネル11との間には隙間が形成されている。また、先端穴部36の底壁には貫通孔361が設けられている。この貫通孔361は、第1蓋部34の中心、詳しくは先端穴部36の底壁において同第1蓋部34を貫通している。第1ベース凸部32Aにおいては、第1周壁部33の各部の厚さや、第1蓋部34の各部の厚さは略同一になっている。
(第1ベース凸部32B)
図1、図3および図5に示すように、第1ベース凸部32Bは、第1周壁部33の基端部分の周縁に、蛇腹形状の蛇腹部37が設けられた構造をなしている。蛇腹部37は、第1ベース部31の一部を構成している。蛇腹部37は、第1ベース部31の延設方向において連続的に屈曲する形状をなすとともに、屈曲部分の稜線が第1周壁部33の外周面に沿って環状で延びる態様で、第1周壁部33の周囲を囲むように正六角形環状で延びている。なお本実施形態では、蛇腹部37が、第1ベース部31の他の部分と比較して変形し易い形状をなす易変形部に相当する。第1ベース凸部32Bの第1蓋部34とカバーパネル11との間には隙間が形成されている。第1ベース凸部32Bにおいては、第1周壁部33の各部の厚さや、第1蓋部34の各部の厚さは略同一になっている。
(第1ベース凸部32C)
図1、図6および図7に示すように、第1ベース凸部32Cは、第1周壁部33の突端の縁に沿って、言い換えれば第1蓋部34の縁に沿って正六角環状で延びる先端凹部38を有している。第1ベース凸部32Cの第1蓋部34とカバーパネル11との間には隙間が形成されている。第1ベース凸部32Cでは、先端凹部38が設けられた部分以外の部分においては、第1周壁部33の各部の厚さや、第1蓋部34の各部の厚さは略同一になっている。
(第1ベース凸部32D)
図1、図6および図8に示すように、第1ベース凸部32Dは、第1周壁部33の基端部分の周縁に、同第1周壁部33の外縁に沿って正六角形環状で延びる基端凹部39を有している。基端凹部39は、第1ベース部31の一部を構成している。基端凹部39は、第1ベース部31の上記第2シート40側の表面が凹む形状をなしている。なお本実施形態では、基端凹部39が、第1ベース部31の他の部分と比較して変形し易い形状をなす易変形部に相当する。第1ベース凸部32Dの第1蓋部34とカバーパネル11との間には隙間が形成されている。第1ベース凸部32Dにおいては、第1周壁部33の各部の厚さや、第1蓋部34の各部の厚さは略同一になっている。
(第2シート40)
図1~図8に示すように、第2シート40は、シート状の第2ベース部41と、第2ベース部41からダッシュパネル12に向かって突出する複数の第2ベース凸部42とを有している。第2シート40は、硬質の合成樹脂材料により構成されている。こうした合成樹脂材料としては、例えばポリプロピレンが好ましい。
第2ベース凸部42は、基本的には、以下の構造をなしている。
第2ベース凸部42は、第2ベース部41から突出する略正六角筒状の第2周壁部43と、同第2周壁部43の突端部分を塞ぐ第2蓋部44とを有している。第2蓋部44は、前記第1蓋部34と同一の大きさの略正六角形状である。本実施形態では、第2蓋部44が、ダッシュパネル12に当接している。第2ベース凸部42の内部は第1シート30に向かって開口している。第2ベース凸部42の第2開口45は、第1ベース凸部32の第1開口35と同一の大きさであって、且つ第2蓋部44よりも大きい略正六角形状である。第2ベース凸部42は、第1シート30に向かって開口する中空構造をなしている。第2周壁部43は、第2蓋部44に近づくほど先細の形状である。
1つの第2ベース凸部42の周囲において同第2ベース凸部42の6つの辺に対する位置には、それぞれ第2ベース凸部42が配置されている。すなわち、1つの第2ベース凸部42の周囲には6つの第2ベース凸部42が配置されている。
第2ベース凸部42としては、2種類のもの(詳しくは、第2ベース凸部42A,42B)が設けられている。以下、それら第2ベース凸部42A,42Bの特徴的な構造について各別に説明する。
(第2ベース凸部42A)
図3および図5に示すように、第2ベース凸部42Aは、第2蓋部44の中央部分が断面略六角形状で凹んだ形状をなす先端穴部46を有している。本実施形態では、この先端穴部46の底壁とダッシュパネル12との間には隙間が形成されている。また、先端穴部46の底壁には貫通孔461が設けられている。この貫通孔461は、第2蓋部44の中心、詳しくは先端穴部46の底壁において同第2蓋部44を貫通している。第2ベース凸部42Aにおいては、第2周壁部43の各部の厚さや、第2蓋部44の各部の厚さは略同一になっている。
(第2ベース凸部42B)
図3および図4に示すように、第2ベース凸部42Bは、上記先端穴部46や貫通孔461を有していない。この第2ベース凸部42Bにおいては、第2周壁部43の各部の厚さや、第2蓋部44の各部の厚さは略同一になっている。
(第1ベース凸部32と第2ベース凸部42との組み合わせ)
図3および図6に示すように、本実施形態では、第1シート30と第2シート40とが重ね合わされている状態では、第1シート30の1つの第1ベース凸部32と第2シート40の1つの第2ベース凸部42とによってヘルムホルツ共鳴室21が構成される。本実施形態では、第1ベース凸部32と第2ベース凸部42との組み合わせパターンとして、4つのパターンA~Dが定められている。以下、それらパターンA~Dについて各別に説明する。
(パターンA)
図1、図3および図4に示すように、パターンAでは、第1シート30の第1ベース凸部32Aと、第2シート40の第2ベース凸部42Bとが組み合わされている。本実施形態では、第1ベース凸部32Aと第2ベース凸部42Aとによってヘルムホルツ共鳴室21が構成される。このパターンAでは、第1ベース凸部32Aの第1蓋部34の貫通孔361が、ヘルムホルツ共鳴器の一部をなす連通孔として機能する。
(パターンB)
図1、図3および図5に示すように、パターンBでは、第1シート30の第1ベース凸部32Bと第2シート40の第2ベース凸部42Aとが組み合わされている。本実施形態では、第1ベース凸部32Bと第2ベース凸部42Bとによってヘルムホルツ共鳴室21が構成される。このパターンBでは、第2蓋部44の貫通孔461が、ヘルムホルツ共鳴器の一部をなす連通孔として機能する。また、パターンBでは、第1シート30の第1周壁部33の基端部分と第2シート40の第2周壁部43の基端部分との間に隙間(図3参照)が形成されている。
(パターンC)
図1、図6および図7に示すように、パターンCでは、第1シート30の第1ベース凸部32Cと第2シート40の第2ベース凸部42Aとが組み合わされている。本実施形態では、第1ベース凸部32Cと第2ベース凸部42Aとによってヘルムホルツ共鳴室21が構成される。このパターンCでは、第2蓋部44の貫通孔461が、ヘルムホルツ共鳴器の一部をなす連通孔として機能する。
(パターンD)
図1、図6および図8に示すように、パターンDでは、第1シート30の第1ベース凸部32Dと第2シート40の第2ベース凸部42Aとが組み合わされている。本実施形態では、第1ベース凸部32Dと第2ベース凸部42Aとによってヘルムホルツ共鳴室21が構成される。このパターンDでは、第2蓋部44の貫通孔461が、ヘルムホルツ共鳴器の一部をなす連通孔として機能する。また、パターンDでは、第1シート30の第1周壁部33の基端部分と第2シート40の第2周壁部43の基端部分との間に隙間(図6参照)が形成されている。
(易変形部の形状)
ここで図9に一例を示すように、弾性部材(図9に示す例では、熱可塑性エラストマー)は、温度が高くなるほど弾性率が低くなるといった特性を有する。なお図9中の線L1は、弾性部材の「貯蔵弾性率」と温度との関係を示している。図9中の線L2は弾性部材の「損失弾性率」と温度との関係を示している。そのため単に、弾性部材によって形成される第1シート30の形状を上記第1ベース凸部32の共振周波数が狙いの周波数になるように定めても、第1シート30の温度が変化した場合に狙いの周波数の騒音を適正に低減することができなくなるおそれがある。
本実施形態では、第1ベース凸部32Bの周縁に設けられる蛇腹部37の形状や、第1ベース凸部32Cの先端に設けられる先端凹部38の形状、第1ベース凸部32Dの周縁に設けられる基端凹部39の形状が、それぞれ3種類設定されている。
(蛇腹部37の形状)
上記蛇腹部37の3種類の形状(具体的には、肉厚)は以下のように定められている。
3種類の蛇腹部37が設けられた3種類の第1ベース凸部32Bの共振周波数が、互いに異なる温度条件下において同一の値(狙いの周波数である特定周波数Tf)になる態様で、それら蛇腹部37の肉厚は各別に定められている。
具体的には、蛇腹部371の肉厚としては、第1温度T1であるときにおいて同蛇腹部371が設けられた第1ベース凸部32Bの共振周波数が特定周波数Tfになる「厚さdB1」が定められている。また、蛇腹部372の肉厚としては、第1温度T1よりも高い第2温度T2であるときにおいて同蛇腹部372が設けられた第1ベース凸部32Bの共振周波数が特定周波数Tfになる「厚さdB2」が定められている。さらに、蛇腹部373の肉厚としては、第2温度よりも高い第3温度T3であるときにおいて同蛇腹部373が設けられた第1ベース凸部32Bの共振周波数が特定周波数Tfになる「厚さdB3」が定められている。なお本実施形態では、3種類の蛇腹部37の肉厚dB1,dB2,dB3は、関係式(dB1<dB2<dB3)を満たす値になる。
(先端凹部38の形状)
上記先端凹部38の3種類の形状は、以下のように定められている。
3種類の先端凹部38が設けられた3種類の第1ベース凸部32Cの共振周波数が、互いに異なる温度条件下において上記特定周波数Tfになる態様で、それら先端凹部38の形状は各別に定められている。
具体的には、先端凹部381の形状としては、第1温度T1であるときにおいて同先端凹部381が設けられた第1ベース凸部32Cの共振周波数が特定周波数Tfになる「形状dC1」が定められている。また、先端凹部382の肉厚としては、第1温度T1よりも高い第2温度T2であるときにおいて同先端凹部382が設けられた第1ベース凸部32Cの共振周波数が特定周波数Tfになる「形状dC2」が定められている。さらに、先端凹部383の形状としては、第2温度よりも高い第3温度T3であるときにおいて同先端凹部383が設けられた第1ベース凸部32Cの共振周波数が特定周波数Tfになる「形状dC3」が定められている。なお本実施形態では、3種類の先端凹部381,382,383の形状は、先端凹部381、先端凹部382、先端凹部383の順に深さ寸法が小さくなるように定められている。
(基端凹部39の形状)
上記基端凹部39の3種類の形状は、以下のように定められている。
3種類の基端凹部39が設けられた3種類の第1ベース凸部32Dの共振周波数が、互いに異なる温度条件下において上記特定周波数Tfになる態様で、それら基端凹部39の形状は各別に定められている。
具体的には、基端凹部391の形状としては、第1温度T1であるときにおいて同基端凹部391が設けられた第1ベース凸部32Dの共振周波数が特定周波数Tfになる「形状dD1」が定められている。また、基端凹部392の肉厚としては、第1温度T1よりも高い第2温度T2であるときにおいて同基端凹部392が設けられた第1ベース凸部32Dの共振周波数が特定周波数Tfになる「形状dD2」が定められている。さらに、基端凹部393の形状としては、第2温度よりも高い第3温度T3であるときにおいて同基端凹部393が設けられた第1ベース凸部32Dの共振周波数が特定周波数Tfになる「形状dD3」が定められている。なお本実施形態では、3種類の基端凹部391,392,393の形状は、基端凹部391、基端凹部392、基端凹部393の順に深さ寸法が小さくなるように定められている。
(作用)
次に、本実施形態の作用について説明する。
本実施形態の吸音構造体20では、第1ベース凸部32と第2ベース凸部42との組み合わせパターンである4つのパターンA~Dのいずれにおいても、第1ベース凸部32と第2ベース凸部42とによってヘルムホルツ共鳴器が構成される。そのため、各ヘルムホルツ共鳴器において、ヘルムホルツ共鳴室21の容積、貫通孔361,461の断面積、および貫通孔361,461の長さに応じて決まる共鳴周波数の騒音が低減されるようになる。
また、本実施形態の吸音構造体20は、弾性部材によって形成された第1シート30を備えている。そして、第1シート30は、シート状の第1ベース部31と同第1ベース部31に突設された多数の第1ベース凸部32とを備えている。そのため、この吸音構造体20によれば、音波が入射されると、第1シート30の第1ベース凸部32が振動するようになる。そして、そうした第1ベース凸部32の振動に際して、同第1ベース凸部32が共振することにより、共振周波数に対応する周波数の音の透過が抑制されることで吸音効果が得られるようになる。
次に、本実施形態の効果について説明する。
(1-1)第1シート30の第1ベース凸部32の第1周壁部33の表面には、部分的に凹んだ形状をなす先端凹部38が設けられている。
これにより本実施形態の吸音構造体20は、第1周壁部33に先端凹部38が設けられていない比較例の吸音構造体と比較して、第1ベース凸部32の第1周壁部33が変形し易い構造になっている。本実施形態によれば、このようにして第1周壁部33の表面に先端凹部38を設けることにより、第1ベース凸部32の共振周波数を調整することができる。そして、これにより吸音構造体20による吸音周波数を調整することができる。
本実施形態によれば、吸音構造体20による吸音周波数を、同吸音構造体20の材質によって調整することに限らず、第1ベース凸部32に凹部を設けることといった吸音構造体20の構造によっても調整することができる。そのため、吸音構造体20による吸音周波数を高い自由度で調整することができる。
(1-2)第1ベース凸部32Cには、第1蓋部34の縁に沿って正六角環状で延びる先端凹部38が設けられている。こうした構成によれば、第1ベース凸部32Cの先端において上記先端凹部38によって囲まれた部分、すなわち第1蓋部34が振動し易い構造にすることができる。
本実施形態の吸音構造体20では、第1周壁部33の表面が部分的に凹んだ形状の凹部が同第1周壁部33の突出方向の中間にあたる部分や基端部分に設けられる吸音構造体と比較して、凹部を設けることによって振動し易くなる部分が小さくなる。そのため、第1周壁部33の先端に先端凹部38を設ける構成を採用することにより、第1周壁部33の表面に凹部を設ける構成の中でも、第1ベース凸部32Cの共振周波数を高くする効果を見込むことができると云える。したがって、第1周壁部33の先端に先端凹部38を設ける構成は、高い周波数の騒音の低減に適した構成であると云える。
(1-3)第1ベース部31には、第1ベース凸部32Bの基端部分の周縁に、蛇腹形状をなす蛇腹部37が設けられている。
こうした構成によれば、第1ベース部31において上記蛇腹部37が設けられた部分が変形し易くなる。これにより本実施形態の吸音構造体20は、第1ベース部31に蛇腹部37が設けられていない比較例の吸音構造体と比較して、蛇腹部37によって囲まれた部分である第1ベース凸部32Bが振動し易い構造になっている。本実施形態によれば、このようにして第1ベース部31に蛇腹部37を設けることにより、第1ベース凸部32Bの共振周波数を調整することができるようになる。そして、これにより吸音構造体20による吸音周波数を調整することができるようになる。
本実施形態によれば、吸音構造体20による吸音周波数を、同吸音構造体20の材質によって調整することに限らず、第1ベース部31に蛇腹部37を設けるといった吸音構造体20の構造によっても調整することができる。そのため、吸音構造体20による吸音周波数を高い自由度で調整することができる。
(1-4)第1ベース部31には、第1ベース凸部32Dの基端部分の周縁に、同第1ベース部31の表面が部分的に凹んだ形状をなす基端凹部39が設けられている。
こうした構成によれば、第1ベース部31において上記基端凹部39が設けられた部分が変形し易くなる。これにより本実施形態の吸音構造体20は、第1ベース部31に基端凹部39が設けられていない比較例の吸音構造体と比較して、基端凹部39によって囲まれた部分である第1ベース凸部32Dが振動し易い構造になっている。本実施形態によれば、このようにして第1ベース部31に基端凹部39を設けることにより、第1ベース凸部32Dの共振周波数を調整することができるようになる。そして、これにより吸音構造体20による吸音周波数を調整することができるようになる。
本実施形態によれば、吸音構造体20による吸音周波数を、同吸音構造体20の材質によって調整することに限らず、第1ベース部31に基端凹部39を設けるといった吸音構造体20の構造によっても調整することができる。そのため、吸音構造体20による吸音周波数を高い自由度で調整することができる。
(1-5)本実施形態では、第1ベース凸部32Bの周縁に設けられる蛇腹部37の形状や、第1ベース凸部32Cの先端に設けられる先端凹部38の形状、第1ベース凸部32Dの周縁に設けられる基端凹部39の形状が、それぞれ3種類設定されている。
ここで、形状の異なる複数種類の易変形部(具体的には、蛇腹部37や先端凹部38、基端凹部39)は、その変形し易さも異なる。したがって、形状の異なる易変形部が設けられた複数種類の第1ベース凸部32では、共振周波数が異なる値になる。本実施形態の吸音構造体20によれば、そうした共振周波数の異なる複数種類の第1ベース凸部32を一つの吸音構造体20に設けることができるため、吸音構造体20による吸音周波数を高い自由度で設定することができる。
(1-6)形状の異なる3種類の蛇腹部37が設けられた3種類の第1ベース凸部32Bの共振周波数が、互いに異なる温度条件下において特定周波数Tfになる態様で、それら蛇腹部37の形状は各別に定められている。また、形状の異なる3種類の先端凹部38が設けられた3種類の第1ベース凸部32Cの共振周波数が、互いに異なる温度条件下において特定周波数Tfになる態様で、それら易変形部の形状は各別に定められている。さらに、形状の異なる3種類の基端凹部39が設けられた3種類の第1ベース凸部32Dの共振周波数が、互いに異なる温度条件下において特定周波数Tfになる態様で、それら基端凹部39の形状は各別に定められている。
本実施形態の吸音構造体20では、第1温度T1であるときには、3種類の第1ベース凸部32のうちの一つ、詳しくは(イ)~(ハ)に記載する第1ベース凸部32の共振周波数が特定周波数Tfになる。(イ)肉厚dB1の蛇腹部371が周縁に設けられた第1ベース凸部32B。(ロ)形状dC1の先端凹部381が設けられた第1ベース凸部32C。(ハ)形状dD1の基端凹部391が周縁に設けられた第1ベース凸部32D。したがって、第1温度T1であるときには、上記(イ)~(ハ)に記載の第1ベース凸部32が共振することにより、特定周波数Tfの騒音が適正に低減されるようになる。
一方、吸音構造体20が第2温度T2であるときには、3種類の第1ベース凸部32のうちの一つ、詳しくは(ニ)~(ヘ)に記載する第1ベース凸部32の共振周波数が特定周波数Tfになる。(ニ)肉厚dB2の蛇腹部372が周縁に設けられた第1ベース凸部32B。(ホ)形状dC2の先端凹部382が設けられた第1ベース凸部32C。(ヘ)形状dD2の基端凹部392が周縁に設けられた第1ベース凸部32D。したがって、第2温度T2であるときには、上記(ニ)~(ヘ)に記載の第1ベース凸部32が共振することにより、特定周波数Tfの騒音が適正に低減されるようになる。
他方、吸音構造体20が第3温度T3であるときには、3種類の第1ベース凸部32のうちの一つ、詳しくは(ト)~(リ)に記載する第1ベース凸部32の共振周波数が特定周波数Tfになる。(ト)肉厚dB3の蛇腹部373が周縁に設けられた第1ベース凸部32B。(チ)形状dC3の先端凹部383が設けられた第1ベース凸部32C。(リ)形状dD3の基端凹部393が周縁に設けられた第1ベース凸部32D。したがって、第3温度T3であるときには、上記(ト)~(リ)に記載の第1ベース凸部32が共振することにより、特定周波数Tfの騒音が適正に低減されるようになる。
このように本実施形態の吸音構造体20によれば、3つの温度条件下において、狙いの周波数である特定周波数Tfの騒音を低減する効果を適正に得ることができる。そのため、広い温度範囲において、狙いの周波数の騒音を低減することができる。
(1-7)第1シート30と第2シート40との間には、第1シート30の第1ベース凸部32と第2シート40の第2ベース凸部42とによってヘルムホルツ共鳴室21が区画形成されている。そのため、ヘルムホルツ共鳴室21を共鳴室とするヘルムホルツ共鳴器において、同ヘルムホルツ共鳴室21の容積、貫通孔361,461の断面積、および貫通孔361,461の長さに応じて決まる共鳴周波数の騒音が低減されるようになる。しかも、共振による吸音効果を得るための第1ベース凸部32を利用するかたちで、吸音構造体20にヘルムホルツ共鳴器を設けることができる。そのため、省スペースで広い周波数範囲の騒音を低減することができる。
(第2実施形態)
次に、吸音構造体の第2実施形態について、先の第1実施形態との相違点を中心に説明する。なお以下では、本実施形態の吸音構造体の各構成のうち、第1実施形態の吸音構造体と同様の構成については同一の符号もしくは対応する符号を付すとともに、それら構成についての重複する説明は省略する。
本実施形態の吸音構造体は、以下の点において第1実施形態の吸音構造体と相違している。
図10~図13に示すように、本実施形態の吸音構造体50は、第1シート60のみによって構成されている。すなわち本実施形態の吸音構造体50は第2シート40(図3参照)を有していない。
また、吸音構造体50の第1シート60には、第1ベース凸部32A(図1参照)が設けられていない。
さらに、吸音構造体50の第1シート60には、第1ベース凸部32B,32C,32Dが設けられることに加えて、第1ベース凸部62E,62Fが設けられている。
(第1ベース凸部62E)
図10~図12に示すように、第1ベース凸部62Eは、第1ベース部31から略正六角柱状で突出する形状をなしている。第1ベース凸部62Eは、突端部分63に近づくほど先細の形状である。本実施形態では、吸音構造体50を構成する第1シート60がカバーパネル11とダッシュパネル12との間に設けられた状態(図11に示す状態)において、第1ベース凸部62Eの突端部分63とカバーパネル11との間に隙間が形成されている。
また、第1ベース凸部62Eは、基端部分64の周縁に蛇腹形状の蛇腹部67が設けられた構造をなしている。蛇腹部67は、第1ベース部31の一部を構成している。蛇腹部67は、第1ベース部31の延設方向において連続的に屈曲する形状をなすとともに、屈曲部分の稜線が第1ベース凸部62Eの外周面に沿って環状で延びる態様で、同第1ベース凸部62Eの周囲を囲むように正六角形環状で延びている。なお本実施形態では、蛇腹部67が、第1ベース部31の他の部分と比較して変形し易い形状をなす易変形部に相当する。
さらに、本実施形態では、上記蛇腹部67として、3種類の形状のものが設けられている。蛇腹部67の3種類の形状(具体的には、肉厚)は、次のように定められている。3種類の蛇腹部67が設けられた3種類の第1ベース凸部62Eの共振周波数が、互いに異なる温度条件下において同一の値(狙いの周波数である特定周波数Tf)になる態様で、それら蛇腹部67の形状(具体的には、肉厚)は各別に定められている。具体的には、蛇腹部671の肉厚としては、第1温度T1であるときにおいて同蛇腹部671が設けられた第1ベース凸部62Eの共振周波数が特定周波数Tfになる「厚さdE1」が定められている。また、蛇腹部672の肉厚としては、第1温度T1よりも高い第2温度T2であるときにおいて同蛇腹部672が設けられた第1ベース凸部62Eの共振周波数が特定周波数Tfになる「厚さdE2」が定められている。さらに、蛇腹部673の肉厚としては、第2温度よりも高い第3温度T3であるときにおいて同蛇腹部673が設けられた第1ベース凸部62Eの共振周波数が特定周波数Tfになる「厚さdE3」が定められている。なお本実施形態では、3種類の蛇腹部37の肉厚dE1,dE2,dE3は、関係式(dE1<dE2<dE3)を満たす値になる。
(第1ベース凸部62F)
図10、図11および図13に示すように、第1ベース凸部62Fは、第1ベース部31から略正六角柱状で突出する形状をなしている。第1ベース凸部62Fは、突端部分63に近づくほど先細の形状である。本実施形態では、吸音構造体50を構成する第1シート60がカバーパネル11とダッシュパネル12との間に設けられた状態(図11に示す状態)において、第1ベース凸部62Fの突端部分63とカバーパネル11との間に隙間が形成されている。
また、第1ベース凸部62Fは、基端部分64およびその周縁に基端凹部69が設けられた構造をなしている。基端凹部69は、第1ベース部31の一部を構成している。具体的には、基端凹部69は第1ベース部31におけるダッシュパネル12側(図11の下側)の表面が凹む形状をなしている。基端凹部69は、第1ベース凸部62Fの基端部分64およびその外縁を含む範囲に設けられて断面略正六角形状をなしている。なお本実施形態では、基端凹部69が、第1ベース部31の他の部分と比較して変形し易い形状をなす易変形部に相当する。
さらに、本実施形態では、上記基端凹部69として、3種類の形状のものが設けられている。基端凹部69の3種類の形状は、次のように定められている。3種類の基端凹部69が設けられた3種類の第1ベース凸部62Fの共振周波数が特定周波数Tfになる態様で、それら基端凹部69の形状は各別に定められている。
具体的には、基端凹部691の形状としては、第1温度T1であるときにおいて同基端凹部691が設けられた第1ベース凸部62Eの共振周波数が特定周波数Tfになる「形状dF1」が定められている。また、基端凹部692の形状としては、第1温度T1よりも高い第2温度T2であるときにおいて同基端凹部692が設けられた第1ベース凸部62Fの共振周波数が特定周波数Tfになる「形状dF2」が定められている。さらに、基端凹部693の形状としては、第2温度よりも高い第3温度T3であるときにおいて同基端凹部693が設けられた第1ベース凸部62Fの共振周波数が特定周波数Tfになる「形状dF3」が定められている。なお本実施形態では、3種類の基端凹部691,692,693の形状は、基端凹部691、基端凹部692、基端凹部693の順に深さ寸法が小さくなるように定められている。
(作用)
次に、本実施形態の作用について説明する。
本実施形態の吸音構造体50は、弾性部材によって形成された第1シート60を備えている。そして、第1シート60は、シート状の第1ベース部31と同第1ベース部31に突設された多数の第1ベース凸部32(32B,32C,32D),62(62E,62F)とを備えている。そのため、この吸音構造体50によれば、音波が入射されると、第1シート60の各第1ベース凸部32,62が振動するようになる。そして、そうした第1ベース凸部32,62の振動に際して、同第1ベース凸部32,62が共振することにより、共振周波数に対応する周波数の音の透過が抑制されることで吸音効果が得られるようになる。
次に、本実施形態の効果について説明する。
(2-1)本実施形態によれば、第1実施形態の効果(1-1)~(1-6)と同様の効果を奏することができる。
(2-2)第1シート60は、周縁に蛇腹部67が設けられた第1ベース凸部62Eを有している。そのため、この第1ベース凸部62Eにより、第1実施形態の効果(1-3)に準じた効果を奏することができる。
(2-3)基端部分64およびその周縁を含む範囲に基端凹部69が設けられた第1ベース凸部62Fを有している。そのため、この第1ベース凸部62Fにより、第1実施形態の効果(1-4)に準じた効果を奏することができる。
(他の実施形態)
なお、上記各実施形態は、以下のように変更して実施することができる。上記各実施形態および以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・第1実施形態において、第1ベース凸部32の各部の厚さを異なる厚さにしてもよい。要は、第1シート30において、易変形部(具体的には、蛇腹部37や、先端凹部38、基端凹部39)が設けられた部分の形状が、それ以外の部分と比較して変形し易い形状になっていればよい。
・第1実施形態において、第1ベース凸部32および第2ベース凸部42を同一の形状、且つ同一の大きさにすることの他、第1ベース凸部32および第2ベース凸部42を異なる形状にしたり異なる大きさにしたりすることができる。例えば、第1ベース凸部32の第1蓋部34と第2ベース凸部42の第2蓋部44とを異なる形状にしたり異なる大きさにしたりしてもよい。また、第1ベース凸部32の第1開口35と第2ベース凸部42の第2開口45とを異なる形状にしたり異なる大きさにしたりすることができる。
・第1実施形態において、第1ベース凸部32における貫通孔361の配設位置は、第1蓋部34の中心にすることに限らず、同第1蓋部34の中心からずれた位置にするなど、任意に変更することができる。また、第2ベース凸部42における貫通孔461の配設位置は、第2蓋部44の中心にすることに限らず、同第2蓋部の中心からずれた位置にするなど、任意に変更することができる。
・第1実施形態において、第1シート30に、3種類の第1ベース凸部32B,32C,32Dのうちの1種類のみを設けるようにしたり、2種類のみを設けるようにしたりしてもよい。また、第1シート30に、基本形状の異なる4種類以上の易変形部が設けられた4種類以上の第1ベース凸部を設けることも可能である。
・第1実施形態において、先端凹部38を第1周壁部33の外周面に形成することの他、先端凹部38を第1周壁部33の内周面に形成することもできる。なお、先端凹部38が設けられた第1ベース凸部32Cにおいては、第1蓋部34の厚さを調節することによって同第1蓋部34の質量を調節することができ、ひいては第1ベース凸部32Cの共振周波数を調整することができる。
・第1実施形態において、3種類の易変形部(蛇腹部37、または先端凹部38、または基端凹部39)が設けられた3種類の第1ベース凸部32の共振周波数が、同一の温度条件下において異なる値になる態様で、3種類の易変形部の形状を各別に定めてもよい。例えば第1温度T1であるときに、3種類の第1ベース凸部32B~32Dの共振周波数が異なる値になる態様で、第1ベース凸部32B~32Dに対応する易変形部(蛇腹部371、先端凹部381、および基端凹部391)の形状を各別に定めることができる。こうした構成によれば、3種類の第1ベース凸部32B,32C,32Dによって、異なる周波数の音を低減することができる。したがって、広い周波数範囲の騒音を低減することができるようになる。
・第1実施形態において、先端凹部38を、第1周壁部33の先端において連続的に延びる形状にすることに代えて、同第1周壁部33の先端において断続的に延びる形状にしてもよい。また、蛇腹部37や基端凹部39を、第1ベース凸部32の周縁において連続的に延びる形状にすることに代えて、同第1ベース凸部32の周縁において断続的に延びる形状にしてもよい。
・第1実施形態において、第1周壁部33の外面が部分的に凹んだ形状の凹部を、第1周壁部33の突端(例えば、先端凹部38)に設けることに限らず、第1周壁部33の突出方向における中間に設けたり、第1周壁部33の基端部分に設けたりしてもよい。
こうした構成によれば、第1周壁部33の外面に凹部が設けられないものと比較して、第1ベース凸部32を、上記凹部が設けられた部分よりも突端側の部分が振動し易い構造にすることができる。上記凹部が第1周壁部33の基端部分に設けられる構成によれば、第1ベース凸部32の全体を振動し易い構造にすることができる。
なお、上記凹部が第1周壁部33の基端部分に設けられる吸音構造体では、凹部が第1周壁部33の先端や突出方向の中間に設けられる吸音構造体と比較して、凹部を設けることによって振動し易くなる部分(詳しくは、その質量)が大きくなる。したがって、第1周壁部33の基端部分に凹部を設ける構成を採用することにより、第1周壁部33の表面に凹部を設ける構成の中でも、第1ベース凸部32の共振周波数を低くする効果を見込むことができると云える。このことから、第1周壁部33の基端部分に凹部を設ける構成は、低い周波数の騒音の低減に適した構成であると云える。
・第1実施形態において、易変形部(具体的には、蛇腹部37や、先端凹部38、基端凹部39)を第1ベース凸部32Aに設けるようにしてもよい。その他、易変形部(具体的には、蛇腹部37や、先端凹部38、基端凹部39)を、第2シート40の第2ベース凸部42に設けることなども可能である。
・第2実施形態において、第1シート60に、5種類の第1ベース凸部32B,32C,32D,62E,62Fのうちの1種類のみを設けたり、2種類のみを設けたり、3種類のみを設けたり、4種類のみを設けたりしてもよい。
・第2実施形態において、5種類の易変形部が設けられた5種類の第1ベース凸部32B,32C,32D,62E,62Fの共振周波数が、同一の温度条件下において異なる値になる態様で、5種類の易変形部の形状を各別に定めてもよい。例えば第1温度T1であるときに、5種類の第1ベース凸部32,62の共振周波数が異なる値になる態様で、それら第1ベース凸部32,62に対応する5種類の易変形部の形状を各別に定めることができる。なお、この場合における5種類の易変形部は蛇腹部371、先端凹部381、基端凹部391、蛇腹部671、および基端凹部691である。こうした構成によれば、5種類の第1ベース凸部32B,32C,32D,62E,62Fによって、異なる周波数の音を低減することができる。したがって、広い周波数範囲の騒音を低減することができるようになる。
・第2実施形態において、蛇腹部67を、第1ベース凸部62の周縁において連続的に延びる形状にすることに代えて、同第1ベース凸部62の周縁において断続的に延びる形状にしてもよい。
・第2実施形態において、第1ベース凸部32B,32C,32Dの第1蓋部34に貫通孔を設けるようにしてもよい。こうした構成によれば、ダッシュパネル12(図11参照)と1つの第1ベース凸部32と第1蓋部34の貫通孔とによってヘルムホルツ共鳴器を構成することが可能になる。また、第1シート60とダッシュパネル12との間に、第1ベース凸部32B,32C,32Dの第1開口35を塞ぐシート状の部材を設けるようにしてもよい。こうした構成によれば、上記シート状の部材と1つの第1ベース凸部32と第1蓋部34の貫通孔とによってヘルムホルツ共鳴器を構成することができる。
・第1実施形態および第2実施形態において、第1ベース凸部32B,32C,32Dを、第1蓋部34がカバーパネル11に当接する形状に形成してもよい。また第2実施形態において、第1ベース凸部62E,62Fを、突端部分63がカバーパネル11に当接する形状に形成してもよい。
・第1実施形態および第2実施形態において、基端凹部39を、第1ベース部31におけるカバーパネル11側の表面が凹む形状に形成してもよい。第2実施形態において、基端凹部69における第1ベース凸部62Fの周縁に設けられる部分を、第1ベース部31におけるカバーパネル11側の表面が凹む形状に形成してもよい。
・第1実施形態および第2実施形態において、以下の(形状1)または(形状2)または(形状3)として、1種類のみを設定したり、2種類のみを設定したり、4種類以上設定したりすることができる。(形状1)第1ベース凸部32Bの周縁に設けられる蛇腹部37の形状。(形状2)第1ベース凸部32Cの先端に設けられる先端凹部38の形状。(形状3)第1ベース凸部32Dの周縁に設けられる基端凹部39の形状。また、第2実施形態において、以下の(形状4)または(形状5)として、1種類のみを設定したり、2種類のみを設定したり、4種類以上設定したりすることができる。(形状4)第1ベース凸部62Eの周縁に設けられる蛇腹部67の形状。(形状5)第1ベース凸部62Fの基端部分64およびその周縁に設けられる基端凹部69の形状。
・第1実施形態および第2実施形態において、第1ベース凸部32,62の一部を、前記第2ベース凸部42B(図3および図4参照)と同一の構造のものによって構成するようにしてもよい。
・第1実施形態および第2実施形態において、第1ベース凸部32,62(詳しくは、第1ベース凸部32B,32C,32D,62E,62F)を正面視正三角形、正方形、正五角形などの他の正多角形状にすることができる。また、第1ベース凸部32,62の正面視形状を、正多角形以外の多角形状や円形状にすることもできる。この場合には、第1ベース凸部32,62の正面視形状に応じて易変形部(具体的には、蛇腹部37,67や先端凹部38、基端凹部39,69)の形状を適宜変更することができる。
・第1実施形態および第2実施形態において、蛇腹部37,67の形状は任意に変更することができる。要は、第1ベース部31において蛇腹部37,67が設けられた部分が、同第1ベース部31の他の部分(詳しくは、易変形部が設けられない部分)と比較して変形し易い構造になればよい。
・第1実施形態および第2実施形態において、第1シート30,60を構成する材料は、軟質のエラストマーに限定されず、硬質の合成樹脂材料によって構成することもできる。また、第1実施形態において、第2シート40を構成する材料は、硬質の合成樹脂材料に限定されず、第1シート30と同様な軟質のエラストマーなどの弾性部材によって構成することができる。
・第1実施形態および第2実施形態において、吸音構造体20,50は、ダッシュパネル12とカバーパネル11との間に設けられるものに限定されない。各実施形態にかかる吸音構造体20,50は、車両におけるダッシュパネル12以外の他の構造体と同構造体を覆うカバーパネルとの間に設けられるものとして具体化することができる。
20,50…吸音構造体
21…ヘルムホルツ共鳴室
30,60…第1シート
31…第1ベース部
32(32A,32B,32C,32D,32E,32F)…第1ベース凸部
33…第1周壁部
34…第1蓋部
35…第1開口
36…先端穴部
361,461…貫通孔
37(371,372,373),67(671,672,673)…蛇腹部
38(381,382,383)…先端凹部
39(391,392,393),69(691,692,693)…基端凹部
40…第2シート
62(62E,62F)…第1ベース凸部

Claims (10)

  1. シート状をなすベース部と、同ベース部に突設されたベース凸部と、を有する吸音構造体において、
    前記ベース部は、同ベース部の他の部分と比較して変形し易い形状をなす易変形部が、前記ベース凸部の基端部分の周縁に設けられてなる、
    吸音構造体。
  2. 前記易変形部は、蛇腹形状をなす蛇腹部である
    請求項に記載の吸音構造体。
  3. 前記易変形部は、前記ベース部の表面が部分的に凹んだ形状をなす凹部である
    請求項に記載の吸音構造体。
  4. 前記吸音構造体は、形状の異なる前記易変形部が設けられた複数種類の前記ベース凸部を有する
    請求項1~のいずれか一項に記載の吸音構造体。
  5. 異なる温度条件下において前記複数種類の前記ベース凸部の共振周波数が同一の値になる態様で、前記形状の異なる前記易変形部についての当該形状が各別に定められている
    請求項に記載の吸音構造体。
  6. 前記吸音構造体は、前記ベース部および前記ベース凸部を有する第1シートと、前記第1シートに重ね合わされる第2シートと、を備えており、
    前記ベース凸部は、前記第2シートに向かって開口する中空構造をなしており、
    前記ベース凸部と前記第2シートとの間には前記ベース凸部と前記第2シートとによってヘルムホルツ共鳴室が区画形成されている
    請求項1~のいずれか一項に記載の吸音構造体。
  7. シート状をなすベース部と、同ベース部に突設されたベース凸部と、を有する吸音構造体において、
    前記ベース凸部は、前記ベース部から突出する筒状の周壁部と、同周壁部の突端部分を塞ぐ蓋部と、前記周壁部の表面が部分的に凹んだ形状をなす易変形部と、を有しており、
    前記吸音構造体は、形状の異なる前記易変形部が設けられた複数種類の前記ベース凸部を有しており、
    異なる温度条件下において前記複数種類の前記ベース凸部の共振周波数が同一の値になる態様で、前記形状の異なる前記易変形部についての当該形状が各別に定められている
    吸音構造体。
  8. 前記易変形部は、前記周壁部の突端部分に設けられている
    請求項7に記載の吸音構造体。
  9. 前記易変形部は、前記周壁部の基端部分に設けられている
    請求項7または8に記載の吸音構造体。
  10. 前記吸音構造体は、前記ベース部および前記ベース凸部を有する第1シートと、前記第1シートに重ね合わされる第2シートと、を備えており、
    前記ベース凸部は、前記第2シートに向かって開口する中空構造をなしており、
    前記ベース凸部と前記第2シートとの間には前記ベース凸部と前記第2シートとによってヘルムホルツ共鳴室が区画形成されている
    請求項7~9のいずれか一項に記載の吸音構造体。
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