以下、添付図面を参照しながら情報処理装置、システム、移動端末、及びプログラムの実施形態について詳細に説明する。
(第1の実施形態)
本実施形態では、ショッピングモールなどの系列の複数の商業施設において導入可能な案内システムへの適用例を示す。
図1は、第1の実施形態に係る案内システムのネットワーク構成の一例を示す図である。図1に示す案内システム100は、サーバ装置1と、移動端末2と、ビーコン装置3とを有する。サーバ装置1は、運営会社などの社内LAN(Local Area Network)N1に設ける。移動端末2は、スマートフォンやウェアラブル端末などの移動式端末装置で、運営会社が提供するサービスの各利用者(サービス利用者Q)に携帯させる。ウェアラブル端末は、腕時計形式のもの、または眼鏡形式のものなどがある。ビーコン装置3は、それぞれの商業施設U内の通路や各店舗などの各所に配置する。このネットワーク構成において、移動端末2は、ビーコン装置3の送信エリアにおいてビーコン装置3が送信するビーコン信号を受信する。また、移動端末2は、3Gや4Gなどの携帯電話基地局やWiFiスポットなどの無線基地局4に通信接続し、モバイル通信網N2やインターネットN3を介してサーバ装置1にアクセスする。
案内システム100において、サーバ装置(情報処理装置)1、移動端末2、及びビーコン装置3は、次のように動作する。
サーバ装置1は、移動端末2の移動経路上の各位置を示す情報を記憶し、記憶した位置情報に基づいて各種サービスを提供する。本実施形態において、サーバ装置1は、サービス利用者Qが通った経路にある店舗の検索サービス(以下、「店舗検索サービス」と呼ぶ)を当該サービス利用者Qが携帯する移動端末2との通信により提供する。なお、移動端末2の位置はビーコン信号などにより推定される位置であるため、以下において、サーバ装置1で記憶する移動端末2の位置情報を「推定位置情報」と称す。
移動端末2は、サービス利用者Qが通った経路上の各所において、その位置を送信範囲とするビーコン装置3のビーコン信号を受信する。そして、移動端末2は、受信したビーコン信号が示す各所の位置情報をサーバ装置1に送信する。また、移動端末2は、目的の店舗の検索条件を示すキーワード(検索情報)等の情報をサーバ装置1に送信するなどして、サーバ装置1からサービス利用者Qが通った経路にある店舗の位置情報や、検索情報により更に絞り込まれた店舗の位置情報を取得する。
ビーコン装置3は、自装置の位置を知らせるための情報を周囲の移動端末2に通知する。本実施形態において、ビーコン装置3は、メモリに格納された一意の識別情報(例えば端末番号など)をBluetooth(登録商標)通信により自装置の周囲に送信する。本実施形態においてはBLE(Bluetooth Low Energy)通信により送信する。送信範囲は、例えば自装置を中心とする半径1mや、3mや、10mなど、予め決められた範囲とし、ビーコン装置3の設置場所や設置間隔などに応じて上記送信範囲を適宜設定する。
以下、本実施形態に係る案内システム100の各装置の具体的な構成について説明する。以下では、主にサーバ装置1と移動端末2の各種構成について説明する。
(各装置のハードウエア構成)
図2は、サーバ装置1のハードウエアの構成の一例を示すブロック図である。図2に示すサーバ装置1は、CPU(Central Processing Unit)101や、ROM(Read Only Memory)102や、RAM(Random Access Memory)103や、HDD(Hard Disk Drive)104や、I/O(Input/Output)105や、NIC(Network Interface Controller)106などを有する。各部はバス107により相互接続されている。各部は、バッテリやAC電源等の電源供給部(不図示)からの電力供給を受けて動作する。
CPU101は、演算処理や各部の制御処理を実行する。ROM102はBIOS(Basic Input/Output System)等の固定プログラムを記憶する。RAM103は、CPU101がプログラムを実行する際の作業エリアとして使用する。
HDD104は、各種のプログラムや各種のデータを記憶する。各種のプログラムには、OS(Operating System)や、ドライバや、サーバソフトや、データベースソフトや、店舗検索のためのサービスプログラムなどが含まれる。また、各種のデータには、外部機器(移動端末2など)に送信する画面情報や、データベースDB(図4参照)のデータファイルなどが含まれる。
I/O105は、キーボードやマウスや表示ディスプレイなどのI/O機器を対象とする信号の入出力回路である。
NIC106は、イーサネット(登録商標)により通信を行うコントローラである。
図3は、移動端末2のハードウエアの構成の一例を示すブロック図である。一例として、スマートフォンの構成を示している。図3に示す移動端末2は、CPU201や、RAM202や、フラッシュROM203や、タッチディスプレイモジュール204、カメラモジュール205、キーパッド206、マイク207、スピーカ208、センサ209、Bluetooth通信回路210、WiFi通信回路211、モバイル通信回路212、などを有する。各部はバス213によりCPU201に接続されている。各部は、バッテリ(不図示)からの電力供給を受けて動作する。
CPU201は、演算処理や各部の制御処理を実行する。RAM202は、CPU201がプログラムを実行する際の作業エリアとして使用する。
フラッシュROM203は、ストレージとして使用する。フラッシュROM203は、各種のプログラムや各種のデータを記憶する。各種のプログラムには、OSや、ドライバや、クライアントソフトや、店舗検索サービス用のアプリケーション(以下、店舗検索アプリとする)などが含まれる。また、各種のデータには、ホーム画面等の画面データや、店舗検索アプリが利用する画面情報などが含まれる。
タッチディスプレイモジュール204は、表示ディスプレイ250と、表示ディスプレイ250に積層したタッチパネル251とを備える。表示ディスプレイ250は、液晶などの表示ディスプレイである。タッチディスプレイモジュール204は、タッチパネル251に対するユーザ(つまりサービス利用者)のタッチ操作を検出し、そのタッチ操作を示す信号をCPU201に通知する。また、タッチディスプレイモジュール204は、CPU201から出力される画面データを表示ディスプレイ250で表示する。
カメラモジュール205は、CCD等の撮像素子を備え、撮像素子を駆動して被写体の撮像データを生成する。
キーパッド206には複数のハードキーが接続されている。キーパッド206は、何れかのハードキーが押下されると、そのハードキーに対応付けられたキー信号をCPU201に出力する。
マイク207は、アナログの音声信号を入力し、デジタルの音声データに変換する。
スピーカ208は、再生された音声データを音声信号に変換して出力する。
センサ209は、GPSセンサや、加速度センサや、方位センサなどの各種センサである。
Bluetooth通信回路210は、Bluetoothの通信プロトコルによる通信を行う。
WiFi通信回路211は、WiFi機器と無線通信を行う。
モバイル通信回路212は、3G回線や4G回線を介したモバイル通信を行う。
(各装置の機能構成)
続いて、サーバ装置1の機能の構成について説明する。サーバ装置1は、CPU101がROM102やHDD104の各種のプログラムをRAM103に順次読み出して実行することにより、店舗検索サービスに係る機能を発揮する。
図4は、店舗検索サービスに係る機能の一例を示すブロック図である。図4に示すように、サーバ装置1は、通信部10や、振分処理部11や、画面情報生成部12や、推定位置情報登録部13や、時系列データ抽出部14や、地図データ抽出部15や、動線生成部16や、移動範囲指定部17や、店舗情報抽出部18や、最短ルート検索部19などの機能を発揮する。
通信部10は、NIC106を介して外部機器(例えば移動端末2など)と通信を確立し、NIC106からの受信データの読み取りや、NIC106に対する画面情報等の送信データの送り出しなどを行う。また、通信部10は、受信データの要求内容等を振分処理部11に渡し、振分処理部11からその処理結果等を受け取る。
振分処理部11は、外部機器(移動端末2など)の識別情報毎にセッションを管理し、受信データの要求内容に応じて各機能部への処理の振り分けや機能部間のデータの受け渡しなどを行う。
画面情報生成部12は、HDD104の画面情報に処理結果を組み込むなどすることにより、外部機器(移動端末など)に送信する画面情報を生成する。
推定位置情報登録部13は、サービス利用者の推定位置情報を動線データ管理テーブルT1(図5参照)に時系列の順序情報(番号や時間など)に対応させて登録する。本実施形態では、移動端末2はビーコン装置3からビーコンIDを受信し、そのビーコンIDをサーバ装置1へ送信する。従って、推定位置情報登録部13は、位置情報変換テーブルT2(図6参照)を参照し、ビーコンIDを位置情報変換テーブルT2に対応付けられている位置情報に変換してから、動線データ管理テーブルT1に登録する。また、移動端末2から送信される情報に位置の補正情報が含まれる場合、推定位置情報登録部13は、位置の補正を行ってから動線データ管理テーブルT1に登録する。
時系列データ抽出部14は、サービス利用者の時系列の推定位置情報(時系列データ)を動線データ管理テーブルT1から抽出する。例えば、時系列データ抽出部14は、サービス利用者の動線データ管理テーブルT1を指定し、振分処理部11からデフォルト値としてその日の日時情報を受け取った場合に当該日付の時系列データを抽出する。また、時系列データ抽出部14は、振分処理部11から、受信データのデータ部に指定されている日時情報を受け取った場合にその指定日の時系列データを抽出する。
地図データ抽出部15は、時系列データ抽出部14により抽出された時系列データの推定位置情報が指す位置を含む地図データを地図情報テーブルT3(図7参照)から抽出する。
動線生成部16は、時系列データ抽出部14により抽出された時系列データに基づいて動線データを生成する。例えば、動線生成部16は、時系列の順序に従って各推定位置情報間を直線データで補間してなる動線データを生成する。また、動線生成部16は、地図データ抽出部15により抽出された地図データの通路などの人の移動が可能な経路を示す情報から、各推定位置情報が示す位置をその経路内に補正し、補正後のデータを使用して動線データを生成しても良い。なお、本明細書において、時系列データと動線データはそれぞれ、「動線情報」の一例として示している。
更に、動線生成部16は、外部機器(移動端末など)が備えるビューアに応じ、生成した動線データを地図データ抽出部15により抽出された地図データ上に合成し、動線データを合成した地図データをイメージ画像に変換しても良い。
移動範囲指定部17は、時系列データ抽出部14により抽出された時系列データの各推定位置情報を基に、各推定位置が属する所定範囲内のエリアを移動範囲として指定する。例えば、移動範囲指定部17は、各推定位置の座標を中心座標とする所定半径の円を範囲指定情報として生成し、各円内のエリアを上記エリアとして指定する。また、移動範囲指定部17は、各推定位置に基づく動線データから、動線上の経路に沿った一つ又は複数の所定の大きさの矩形枠(対角の2点の座標情報)を範囲指定情報として生成し、各矩形枠内のエリアを上記エリアとして指定しても良い。なお、上記エリアは、動線沿いの「検索範囲」の一例である。動線沿いの「検索範囲」は、時系列データの連続する点に沿った各点からの所定の範囲や、時系列データに基づいて生成される動線データの始点から終点までの直線や曲線などに沿った所定の範囲を差す。
店舗情報抽出部18は、移動範囲指定部17が指定した範囲指定情報やサービス利用者が供給する目的の店舗の検索情報などを条件に、該当する店舗の店舗情報(店舗ID、店舗位置情報、店舗紹介情報等)を抽出する。例えば、店舗情報抽出部18は、上記範囲指定情報が示すエリア内に位置する店舗を店舗情報テーブルT4(図8参照)の店舗位置情報802から検索し、ヒットした店舗のレコード(店舗ID、店舗位置情報、店舗紹介情報等)を抽出する。或いは、店舗情報抽出部18は、動線上又は動線と重なる通路沿いに位置する店舗を店舗情報テーブルT4から検索し、ヒットした店舗のレコードを抽出する。更に、店舗情報抽出部18は、サービス利用者の検索情報がある場合、上記の各処理に続き、抽出した任意の店舗ID801のそれぞれのテーブル名の商品情報テーブルT5(図9参照)に設定されている各種の被検索情報を対象に、上記検索情報による検索を行う。店舗情報抽出部18は、商品情報テーブルT5において検索がヒットすると、そのテーブル名である店舗IDの、先に抽出したレコード情報を、検索条件に該当する店舗の店舗情報として確定させる。
最短ルート検索部19は、「道案内情報処理手段」の一例である。最短ルート検索部19は、指定された地図データ上の、指定された開始位置から指定された終了位置(目的位置)までの最短ルートを検索して、「道案内情報」の一例として最短ルート情報を生成する。例えば、最短ルート検索部19は、上記地図データ上の上記開始位置から上記終了位置までを繋ぐ通路などの任意の取り得るルートの内、最短となるルートを検索する。
更に、最短ルート検索部19は、外部機器(移動端末など)が備えるビューアに応じ、生成した最短ルート情報を地図データ抽出部15により抽出された地図データ上に合成し、その合成したものを「道案内情報」としてのイメージ画像に変換しても良い。
各種のテーブルに対するデータの登録・更新・削除・抽出(検索)などの処理は、処理を指示する機能部がDBMS(Database Management System)に接続し、そのDBMSにSQL文を発行するなどして行う。
(テーブル構成)
ここで、HDD104(図2参照)が記憶する、図4の破線で示すデータベースDBのテーブルの構成について、図5~図9を用いて説明する。当該データベースDBは、情報テーブルとしての、動線データ管理テーブルや、位置情報変換テーブルや、地図情報テーブルや、対応情報としての店舗情報テーブルと商品情報テーブルなどを備えている。
図5は、上記動線データ管理テーブルのテーブル構成の一例を示す図である。図5に示す動線データ管理テーブルT1は、当該サービスの利用者が携帯する移動端末2の端末ID毎に生成されるテーブルである。動線データ管理テーブルT1は、日時情報501と推定位置情報502とを対応付けたテーブルである。日時情報501は、日付や時刻を示す情報である。推定位置情報502は、移動端末2の推定位置を示す情報である。本実施形態では、位置を示す情報の一例として、経度(X1、X2、・・・)と緯度(Y1、Y2、・・・)で構成される位置情報を示す。
図6は、上記位置情報変換テーブルのテーブル構成の一例を示す図である。図6に示す位置情報変換テーブルT2は、ビーコンID601とビーコン位置情報602とを対応付けたテーブルである。ビーコンID601は、商業施設Uに配置したビーコン装置3のビーコンID(個体を識別する端末番号など)である。ビーコン位置情報602は、商業施設U内のビーコン装置3の配置場所を一意に特定するための位置情報である。
図7は、上記地図情報テーブルのテーブル構成の一例を示す図である。図7に示す地図情報テーブルT3は、系列の商業施設UのID(商業施設ID)毎に設けたテーブルであり、エリア選択情報701や地図情報702などを対応付けたテーブルである。エリア選択情報701は、地図データが示すエリアの範囲を経度と緯度で表した情報である。例えば、経度X0~経度X5及び緯度Y0~緯度Y5の範囲を示す情報として、(X0,Y0)と(X5,Y5)の2点の情報を含む。地図情報702は、エリア選択情報701が示す範囲の地図データの保存先を示すディレクトリやファイル名などを示すパス情報である。なお、本実施形態では、系列の商業施設Uの各館内の地図データを対象に、館内地図毎に複数ブロックに分割した地図データを提供する。分割数は、一通りではなく、何通りかのものを提供する。図7において、データ7011とデータ7012は、(X0,Y0)から(X5,Y5)のエリアが共通する。それぞれは、分割数の違いから地図データの示す範囲は異なっている。
図8は、上記店舗情報テーブルのテーブル構成の一例を示す図である。図8に示す店舗情報テーブルT4は、店舗ID801や、店舗位置情報802や、店舗紹介情報A803、店舗紹介情報B804、・・・などを対応付けたテーブルである。店舗ID801は、店舗を一意に識別するIDである。店舗位置情報802は、地図データ上の店舗の位置を示す位置情報である。店舗紹介情報A803、店舗紹介情報B804、・・・は店舗の紹介情報である。例えば、店舗の名称や、店舗の取扱商品情報や、店舗の周辺情報や、店舗の概観を示す画像の保存先を示すディレクトリやファイル名などのパス情報など、店舗検索サービスの利用者による店舗の絞り込みを支援する客観情報である。
図9は、上記商品情報テーブルのテーブル構成の一例を示す図である。図9に示す商品情報テーブルT5は、商品コード901や、分類902や、商品名903や、単価904など、被検索情報として使用される情報が対応付けられているテーブルである。商品コード901は、例えばJAN(Japanese Article Number)コードなど、商品の種類を一意に識別するためのコードである。分類902は、商品が属するカテゴリ情報である。例えば日本において標準化されている「衣服」や「履物」などの大分類を示す情報や、「帽子」や「革靴」などの小分類を示す情報である。商品名903は、商品の呼称である。例えば、形状・機能などの特徴を示す一般名称や、「Lブランドの革靴」など、ブランド名と一般名称とを複合させた名称などである。この他、製造元や商品の特徴など、商品に関する情報が適宜設定されている。
(機能構成の続き)
続いて、移動端末2の機能の構成について説明する。移動端末2は、CPU201がフラッシュROM203の各種プログラムをRAM202に順次読み出して実行することにより、サーバ装置1の店舗検索サービスを受ける機能を発揮する。
図10は、店舗検索サービスを受ける機能の一例を示すブロック図である。図10に示すように、移動端末2は、入力受付部21や、画面表示部22や、第1の通信部23や、第2の通信部24や、推定位置情報通知部25や、ビューア部26などの機能を発揮する。
入力受付部21は、キーパッド206やタッチディスプレイモジュール204からのキー情報やタッチ操作情報などの入力情報を受け付ける。
画面表示部22は、画面データをタッチディスプレイモジュール(表示ディスプレイ250)に出力する。
第1の通信部23は、WiFi通信回路211やモバイル通信回路212を介して、サーバ装置1との通信確立やサーバ装置1との間の命令やデータの送受を行う。
第2の通信部24は、Bluetooth通信回路210を介して、ビーコン装置3から送信されるビーコンIDを読み取る。
推定位置情報通知部25は、第2の通信部24が読み取ったビーコンIDから自装置の推定位置情報を生成し、サーバ装置1に対する当該推定位置情報の送信を第1の通信部23に指示する。推定位置情報の生成は、推定位置情報通知部25が、ビーコンIDが所定形式のものかを判定するなどしてから行う。なお、本実施形態においては、サーバ装置1において移動端末2の推定位置情報を時系列の順序で管理する際に必要な日時情報を、移動端末2側で推定位置情報に付加する。つまり、推定位置情報通知部25は、読み取ったビーコンID毎に、ビーコンIDの受信時の日時情報を推定位置情報に付加する。また、推定位置情報のビーコンIDに更に位置の補正情報などを付加しても良い。例えば、推定位置情報通知部25は、第2の通信部24からビーコンIDを受け取る際に、Bluetooth通信回路210から、受信したビーコン信号の受信電波強度を示す情報を取得する。推定位置情報通知部25は、受信電波強度を示す取得情報からビーコン装置3との距離を推定し、ビーコンIDに位置の補正情報を付加する。サーバ装置1では、移動端末2の位置を、補正情報に基づいて補正する。
ビューア部26は、店舗検索サービスを利用するための画面情報を解析し、その画像データを画面表示部22に表示させる。ビューア部26は、入力受付部21からの受け付けに応じて画面を切り替えたり、サーバ装置1に対する要求信号の送信を第1の通信部23に指示したりする。
(データ構成)
図11は、推定位置情報通知部25が第1の通信部23にサーバ装置1への送信を指示する送信データのデータ部の格納エリアの構成の一例を示す図である。図11に示すように、データ部D1は、要求情報d1や、ビーコンIDd2や、補正情報d3や、日時情報d4などの格納エリアを有する。
図12は、ビューア部26が第1の通信部23にサーバ装置1への送信を指示する送信データのデータ部の格納エリアの構成の一例を示す図である。図12(a)、(b)、(c)、(d)は、それぞれ、動線データの要求、店舗一覧の要求、キーワード検索の要求、「道案内要求」としての最短ルート表示の要求を行う場合の送信データのデータ部の格納エリアの構成の一例を示す図である。
図12(a)に示すデータ部D2は、要求情報d1や日時指定情報d11などの格納エリアを有する。図12(b)に示すデータ部D3は、要求情報d1の格納エリアを有する。図12(c)に示すデータ部D4は、要求情報d1や検索情報d21などの格納エリアを有する。図12(d)に示すデータ部D5は、要求情報d1や店舗位置情報d31などの格納エリアを有する。
(全体システムの動作)
システムを運用するに当たり、システムの管理者などは、店舗側からオンラインやオフラインによる登録を受け付け、その登録情報を基にサーバ装置1の各種テーブルを設定する。
例えば、店舗側にオンラインによる登録を提供する場合、管理者は、登録サイトをインターネット上に公開する。店舗側は、店舗のクライアント端末からURLを指定して登録サイトにアクセスする。そして、店舗側は、そのクライアント端末から登録サイトに申請情報を送信するなどして登録を申し込む。
登録サイトは、申請内容に応じて申込店舗のアカウントを発行し、位置情報変換テーブルT2や、店舗情報テーブルT4や、及び商品情報テーブルT5などに申込店舗のレコードを追加する。例えば、登録サイトは、申込店舗が設置するビーコン装置3の位置情報とビーコンIDとを含むレコードを位置情報変換テーブルT2に追加する。また、登録サイトは、申込店舗の店舗情報等を含むレコードを店舗情報テーブルT4に追加する。また、登録サイトは、申込店舗が販売する商品の商品情報テーブルT5を追加する。なお、これらの追加する情報は、登録サイトが店舗のクライアント端末から申請の手続き時に受け付ける。
そして、登録サイトは、ネットワークを介してメールサーバに接続するなどして、申込店舗のアカウント情報を申込店舗側の携帯端末などにメールにより返信する。
店舗側は、登録後にビーコン装置3の移動や増設、店舗情報や商品情報の更新などがあると、返信されたアカウント情報を用いて登録サイトにアクセスし、情報の更新を随時依頼する。
また、システムの管理者などは、移動端末2に対して店舗検索アプリをオンラインやオフラインやプレインストールする形で配布する。オフラインであれば、CDやDVDやSDカードなどのメディアを介して配布し、移動端末2のユーザがメディアから店舗検索アプリをフラッシュROM203にコピーする。また、オンラインであれば、登録サイトにリンクを貼り、移動端末2が登録サイトのリンク先に指定された配布場所から店舗検索アプリをフラッシュROM203にダウンロードする。
(推定位置を蓄積するシーケンス)
図13は、移動端末2の推定位置をサーバ装置1に蓄積する場合の、案内システム100の各装置間の通信を示すシーケンス図である。先ず、移動端末2は、店舗検索アプリを起動し、ビーコン信号の受付を開始する(S1)。
続いて、移動端末2がビーコン装置3のビーコン信号の送信範囲に入ると、移動端末2は、自装置の位置を送信範囲として含むビーコン装置3からビーコン信号を受信する(S2)。
続いて、移動端末2は、サーバ装置1との通信を確立し、サーバ装置1にビーコン信号のビーコンIDなどを含めた推定位置情報登録信号を送信する(S3)。本実施形態では、移動端末2は、推定位置情報登録信号にビーコン信号のビーコンIDとビーコン信号の受信時の日時情報とを含める。
サーバ装置1は、移動端末2から推定位置情報登録信号を受信すると、その移動端末2の動線データ管理テーブルT1に、推定位置情報登録信号の日時情報と推定位置情報とを対応付けたレコードを追加する(S4)。
その後も、サービス利用者の移動により、移動端末2が経路に点在する各ビーコン装置3のそれぞれの送信範囲に入ると、その都度、ステップS2からステップS4の流れで処理が進む。
移動端末2とサーバ装置1との間の通信の確立及び切断については、移動端末2による推定位置情報登録信号の送信毎や、通信の確立後にサーバ装置1が一定時間移動端末2から信号を受信しなかった場合に切断するなど、適宜の設定として良い。
そして、移動端末2は、商業施設U内の移動途中や、出口などにおいて店舗検索アプリを終了させることにより、ビーコン信号の受付を終了する(S5)。
(推定位置を蓄積するシーケンスにおける移動端末2の処理フロー)
次に、移動端末2の推定位置をサーバ装置1に蓄積する場合の、移動端末2における処理について説明する。
移動端末2のCPU201は、電源の投入により、基本プログラムをRAM202に読み出して実行し、入力受付部21や、画面表示部22や、第1の通信部23や、第2の通信部24などを実現する。そして、画面表示部22が表示ディスプレイ250にホーム画面を表示する。
更に、ユーザがホーム画面のアイコンをタッチ操作するなどして店舗検索アプリを起動操作する。すると、その起動操作を入力受付部21が受け付け、CPU201は、店舗検索アプリのプログラムをRAM202に読み出して実行し、推定位置情報通知部25や、ビューア部26などを実現する。そして、画面表示部22が表示ディスプレイ250に店舗検索アプリのトップ画面(図22のトップ画面G1参照)を表示する。
更に、入力受付部21がトップ画面から位置情報通知処理の開始を指示する操作(図22の「通知開始」ボタンB3の操作)を受け付けると、CPU201は次に示す処理フローを実行する。
図14は、CPU201による位置情報通知処理の処理フローの一例を示す図である。先ず、CPU201(第2の通信部24)は、Bluetooth通信回路210が信号を受信したかを判定する(S201)。
Bluetooth通信回路210が信号を受信した場合(S201:Yes判定)、CPU201(推定位置情報通知部25)は、その信号に重畳されたデータ(受信データ)をBluetooth通信回路210から受け取る。そして、CPU201(推定位置情報通知部25)は、受信データのデータ部に本サービスのビーコンIDが含まれるかを判定する(S202)。
例えばビーコン装置3が所定の方法で符号化したビーコンIDを送信する場合を考える。その場合、CPU201(推定位置情報通知部25)は、データ部の情報を符号化の方法に対応する方法で複合化し、複合化後のデータが一定の形式に従っている場合に本サービスのビーコンIDであるものと判定する(ステップS202:Yes判定)。一方、複合化後のデータが一定の形式に従っていない場合、CPU201(推定位置情報通知部25)は、本サービスのビーコンIDではないと判定し(S202:No判定)、その受信データを破棄する(S203)。ステップS203の処理後は、ステップS201からの処理を繰り返す。
ステップS202においてYes判定の場合、CPU201(推定位置情報通知部25)は、その時に計時する日時情報と、ビーコンIDなどをデータ部D1(図11参照)に格納し、送信データを生成する(S204)。
続いて、CPU201(第1の通信部23)は、その時点で選択されている通信回路(WiFi通信回路211又はモバイル通信回路212)を介して、サーバ装置1に送信データを送信する(S205)。CPU201(第1の通信部23)は、送信データの送信時にサーバ装置1と通信接続を確立し、サーバ装置1での登録完了後にその通信を切断する。
ステップS205の処理後は、CPU201はステップS201からの処理を繰り返す。
なお、通信の切断は、推定位置情報の登録が保障されていれば、登録完了前のタイミングで行っても良い。また、登録完了後において、サーバ装置1が通信の接続を一定時間維持し、一定時間経過しても移動端末2から推定位置情報の登録の依頼がない場合に、サーバ装置1が通信接続を切断するように構成しても良い。
ステップS201がNo判定の場合、CPU201(入力受付部21)は、位置情報通知処理の終了操作(図22の「通知終了」ボタンB4の操作)があったかを判定する(S206)。終了操作があった場合(S206:Yes判定)、CPU201は位置情報通知処理を終了する。一方、終了操作がない場合(S206:No判定)、CPU201は、ステップS201からの処理を繰り返す。
(推定位置を蓄積するシーケンスにおけるサーバ装置1の処理フロー)
次に、移動端末2の推定位置をサーバ装置1に蓄積する場合の、サーバ装置1における処理について説明する。CPU101(通信部10)は、NIC106により移動端末2の接続要求信号を受信すると、NIC106を介して移動端末2と通信を確立する。CPU101(通信部10)は、更にNIC106により移動端末2からの送信信号を受信すると、その情報(受信データ)を読み取り、振分処理部11を呼び出して各種のサービス処理を任せる。CPU101(振分処理部11)は、要求のあった移動端末2毎にセッション情報を管理し、受信データの要求内容に応じて処理を制御する。ここで説明する推定位置の蓄積処理において、CPU101(振分処理部11)は、推定位置情報登録部13を対象に処理を制御する。CPU101(通信部10)は、NIC106により移動端末2からの切断要求信号を受信したり、予め設定した制限時間が経過したりすることにより、移動端末2との通信を切断する。
図15は、CPU101による推定位置情報登録処理の処理フローの一例を示す図である。以下においては特に示さないが、各機能部間のデータの受け渡しは振分処理部11が行うものとする。
先ず、CPU101(推定位置情報登録部13)は、送信データの送信元の動線データ管理テーブルT1が生成されているかを判定する(S101)。本実施形態では、送信元の識別情報を、動線データ管理テーブルT1のテーブル名に設定する。従って、CPU101(推定位置情報登録部13)は、送信データのヘッダに格納されたIPアドレスやMACアドレスなどを読み取り、これに対応する送信元の識別情報を動線データ管理テーブルT1に設定されているテーブル名と比較して判定を行う。
送信元の動線データ管理テーブルT1が生成されている場合(S101:Yes判定)、CPU101(推定位置情報登録部13)は、送信データの推定位置情報を送信元の動線データ管理テーブルT1に登録する(S102)。本実施形態では、CPU101(推定位置情報登録部13)は、位置情報変換テーブルT2(図6参照)を参照して、送信データのデータ部D1(図11参照)のビーコンIDd2の情報を位置情報に変換する。そして、CPU101(推定位置情報登録部13)は、変換した位置情報を、データ部D1の日時情報d4の情報と共に動線データ管理テーブルT1に対応付けて登録する。なお、データ部D1の補正情報d3に情報が格納されている場合、CPU101(推定位置情報登録部13)は、上記の変換した位置情報に代わり、その位置を補正情報により補正したものを登録に使用する。
送信元の動線データ管理テーブルT1が生成されていない場合(S101:No判定)、CPU101(推定位置情報登録部13)は、送信元の動線データ管理テーブルT1を生成する(S103)。そして、CPU101(推定位置情報登録部13)は、ステップS102に移行し、その送信元の動線データ管理テーブルT1に送信データの推定位置情報を登録する。
(店舗検索のシーケンス)
次に、移動端末2がサーバ装置1の店舗検索サービスを利用する場合について説明する。
図16は、移動端末2が店舗の一覧検索を行う場合の、案内システム100の各装置間の通信を示すシーケンス図である。先ず、移動端末2は、トップ画面を表示する(S11)。
続いて、移動端末2は、動線データを要求する操作入力の受け付けにより、サーバ装置1と通信を確立し、サーバ装置1に動線データ要求信号を送信する(S12)。
サーバ装置1は、移動端末2が送信した動線データ要求信号を受信すると、動線を示す画面情報(動線画面情報)を生成し(S13)、その画面情報を要求元の移動端末2に送信する(S14)。
移動端末2は、サーバ装置1が送信した動線画面情報に基づいて動線画面を表示する(S15)。更に、移動端末2は、ステップS15において、操作入力に応じて適宜画面を切り替えて検索画面を表示する。
続いて、移動端末2は、店舗一覧を要求する操作入力の受け付けにより、サーバ装置1に店舗一覧要求信号を送信する(S16)。
サーバ装置1は、移動端末2が送信した店舗一覧要求信号を受信すると、店舗一覧を示す画面情報(店舗一覧画面情報)を生成し(S17)、その画面情報を要求元の移動端末2に送信する(S18)。なお、本実施形態では、サーバ装置1は、店舗一覧画面情報と共に、一覧店舗の各店舗の店舗情報(詳細情報)も要求元の移動端末2に送信するものとする。
移動端末2は、サーバ装置1が送信した店舗一覧画面情報に基づいて店舗一覧画面を表示する(S19)。更に、移動端末2は、ステップS19において、店舗一覧画面から選択された店舗についての店舗情報画面を表示する。
続いて、移動端末2は、最短ルートを要求する操作入力の受け付けにより、サーバ装置1に最短ルート要求信号を送信する(S20)。
サーバ装置1は、移動端末2が送信した最短ルート要求信号を受信すると、その要求情報に基づいて最短ルートを示す画面情報(最短ルート画面情報)を生成し(S21)、その画面情報を要求元の移動端末2に送信する(S22)。
移動端末2は、サーバ装置1が送信した最短ルート画面情報に基づいて最短ルート画面を表示する(S23)。
その後、移動端末2は、サーバ装置1に対して画面情報を要求する画面を操作入力により再び表示し、その画面で操作入力を受け付けると、それに対応するステップS12、ステップS16、又はステップS20から手続きを繰り返す。
その後、移動端末2は、店舗検索サービスの利用を終了する操作入力を受け付けると、サーバ装置1との間に確立した通信を切断し、上記操作入力に基づく画面を表示する(S24)。例えば、移動端末2は、店舗検索アプリを終了する操作入力を受け付けた場合にホーム画面を表示する。その他の例として、移動端末2は、店舗検索サービスを終了する操作入力を受け付けた場合に店舗検索アプリのトップ画面を表示する。
図17は、移動端末2が店舗のキーワード検索を行う場合の、案内システム100の各装置間の通信を示すシーケンス図である。以下では、図16のシーケンス図と異なる部分について説明する。
移動端末2は、ステップS15において、動線画面を表示し、操作入力に応じて画面を更に切り替えるなどして、キーワード入力画面を表示する。移動端末2は、キーワード入力画面においてキーワードと当該キーワードによる検索の要求を受け付けると、当該キーワードをキーワード検索要求信号に含めてサーバ装置1に送信する(S16-1)。
サーバ装置1は、移動端末2が送信したキーワード検索要求信号に基づいて、該当する店舗(候補店舗)の画面情報(候補画面情報)を生成し(S17-1)、その画面情報を要求元の移動端末2に送信する(S18-1)。なお、本実施形態では、サーバ装置1は、候補画面情報と共に各候補店舗の詳細情報を示す店舗情報も要求元の移動端末2に送信するものとする。
移動端末2は、サーバ装置1が送信した候補画面情報に基づいて候補画面を表示する(S19-1)。更に、移動端末2は、ステップS19-1において、候補画面から選択された店舗についての店舗情報画面を表示する。
その後、移動端末2は、図16のステップS20からの手続きと同様の手続きをとる。
(店舗検索のシーケンスにおけるサーバ装置1の処理フロー)
次に、移動端末2がサーバ装置1の店舗検索サービスを利用する場合の、サーバ装置1のサービス処理について説明する。サーバ装置1のサービス処理は、図15の推定位置情報登録処理において説明した振分処理部11による制御の下に行われ、移動端末2に送信する画面情報を取得する。CPU101(通信部10)は、その画面情報を受け取り、NIC106を介して移動端末2に返信する。
図18~図21は、各種のサービス処理のフローの一例を示す図である。各図において特に説明しないが各機能部のデータの受け渡しは振分処理部11が行うものとし、以下、各図の処理フローについて説明する。
図18は、サーバ装置1が動線データ要求信号を受信した場合のサービス処理のフロー図である。先ず、CPU101(時系列データ抽出部14)が、送信元の動線データ管理テーブルT1から時系列データを抽出する(S111)。
具体的に、CPU101(時系列データ抽出部14)は、受信データのヘッダに格納されているIPアドレスやMACアドレスなどを読み取り、これに対応する送信元の識別情報に基づいて送信元の動線データ管理テーブルT1を指定する。そして、CPU101(時系列データ抽出部14)は、当該動線データ管理テーブルT1から、その日の時系列データを抽出する。
なお、CPU101(時系列データ抽出部14)は、受信データのデータ部D2(図12参照)の日時指定情報d11に日時情報が格納されている場合、その日時情報が示す日時の時系列データを抽出する。例えば、日時指定情報として、「2015年11月11日午後5:00」から「2015年11月11日午後6:00」までの範囲が指定されているとする。その場合、CPU101(時系列データ抽出部14)は動線データ管理テーブルT1の日時情報501において当該指定範囲に該当するレコードを時系列データの抽出範囲とする。
続いて、CPU101(地図データ抽出部15)は、時系列データ抽出部14により抽出された時系列データの推定位置情報が指し示す位置を含む地図データを地図情報テーブルT3(図7参照)から抽出する(S112)。本実施形態では、地図情報テーブルT3のエリア選択情報701に指定されているエリアの範囲と、時系列データの各推定位置情報が指し示す位置とを比較し、全ての位置を含む最小エリアの地図データを抽出する。
続いて、CPU101(動線生成部16)は、時系列データ抽出部14により抽出された時系列データに基づいて動線データを生成する(S113)。例えば、CPU101(動線生成部16)は、時系列順の各推定位置情報を時系列順に直線データで補間することにより、時系列データの開始位置から終了位置までの動線データを生成する。
続いて、CPU101(画面情報生成部12)は、上記動線データと上記地図データとを合成した画像などを上記画面情報として生成する(S114)。
図19は、サーバ装置1が店舗一覧要求信号を受信した場合のサービス処理のフロー図である。先ず、CPU101(移動範囲指定部17)は、時系列データ抽出部14により抽出された時系列データの各推定位置情報を基に、各推定位置を結ぶ経路の経路沿いのエリアを移動範囲とする範囲指定情報を算出する(S121)。
続いて、CPU101(店舗情報抽出部18)は、移動範囲指定部17が算出した範囲指定情報を検索条件に、該当する店舗を全て抽出する(S122)。具体的に、CPU101(店舗情報抽出部18)は、範囲指定情報が示すエリア内に位置する店舗を店舗情報テーブルT4の店舗位置情報802から検索する。例えば、範囲指定情報が推定位置からの距離を示す情報であるとする。その場合、店舗位置情報802の位置情報が推定位置からの距離の間にあるものを範囲指定情報が示すエリア内の店舗とし、その店舗を示す店舗情報を抽出する。
続いて、CPU101(画面情報生成部12)は、店舗情報抽出部18により抽出された店舗を一覧で示す店舗一覧画面の画面情報や、店舗ごとの詳細情報を示す店舗情報画面の画面情報を生成する(S123)。
図20は、サーバ装置1がキーワード検索要求信号を受信した場合のサービス処理のフロー図である。先ず、CPU101(移動範囲指定部17)は、時系列データ抽出部14により抽出された時系列データの各推定位置情報を基に、各推定位置を結ぶ経路の経路沿いのエリアを移動範囲とする範囲指定情報を算出する(S121)。
続いて、CPU101(店舗情報抽出部18)は、移動範囲指定部17が算出した範囲指定情報と上記キーワード検索要求信号に含まれる検索情報とを検索条件に、該当する店舗を抽出する(S132)。
具体的に、CPU101(店舗情報抽出部18)は、範囲指定情報が示すエリア内に位置する店舗を店舗情報テーブルT4の店舗位置情報802から検索し、それらの店舗情報を抽出する。更に、CPU101(店舗情報抽出部18)は、抽出した任意の店舗の店舗IDに対応する商品情報テーブルT5(図9参照)を対象に検索情報(キーワード等)により検索を行う。当該検索情報は、上記キーワード検索要求信号のデータ部D4(図12参照)の検索情報d21に格納されている情報である。CPU101(店舗情報抽出部18)は、対象の商品情報テーブルT5において検索がヒットすると、そのテーブル名である店舗IDの、先に抽出した店舗情報を、候補店舗の店舗情報として確定する。
続いて、CPU101(画面情報生成部12)は、店舗情報抽出部18が確定した候補店舗を示す検索結果画面の画面情報や候補店舗の詳細情報を示す店舗情報画面の画面情報を生成する(S133)。
図21は、サーバ装置1が最短ルート要求信号を受信した場合のサービス処理のフロー図である。先ず、CPU101(最短ルート検索部19)は、最短ルート検索信号に含まれる店舗位置情報の示す位置までの最短ルートを検索する(S141)。
例えば、CPU101(最短ルート検索部19)は、時系列データ抽出部14により抽出された時系列データの順番が最後の推定位置情報を現在地として始点に設定し、店舗位置情報の示す位置(目的地)までの最短ルートを検索する。因みに、上記店舗位置情報は、最短ルート要求信号のデータ部D5(図12)の店舗位置情報d31に格納されている。
続いて、CPU101(画面情報生成部12)は、上記最短ルートを示すデータと上記地図データとを合成した画像を上記画面情報として生成する(S142)。
(移動端末2の処理フロー)
次に、移動端末2の店舗検索アプリの画面フローに従い、移動端末2における処理を説明する。移動端末2は、フラッシュROM203にダウンロードした店舗検索アプリを実行することにより、店舗アプリの起動処理を行うなどしてトップ画面を表示ディスプレイに表示する。その後、移動端末2は、ユーザ(サービス利用者)からのボタンのタッチ操作を受け付け、その操作に応じて表示画面の切り替えや、サーバ装置1へのアクセスを行う。移動端末2は、サーバ装置1へアクセスした場合、サーバ装置1が返信する画面情報を受信し、受信した画面情報に基づいて表示ディスプレイの表示画面を更新する。
図22~図25は、店舗検索アプリで使用する各画面の画面構成とその画面フローの一例を示す図である。図22に示すトップ画面G1は、「今日の動線確認」ボタンB1や、「過去の動線確認」ボタンB2や、「通知開始」ボタンB3や、「通知終了」ボタンB4や、「終了」ボタンB5などを有する。
「今日の動線確認」ボタンB1は、今日の動線の表示をビューア部26に指示するための操作ボタンである。「過去の動線確認」ボタンB2は、過去の動線の表示をビューア部26に指示するための操作ボタンである。「終了」ボタンB5は、店舗検索アプリの終了をビューア部26に指示するための操作ボタンである。「終了」ボタンB5は、後述する各画面にも設けている。
なお、「通知開始」ボタンB3や「通知終了」ボタンB4は、それぞれ、サーバ装置1に対する自装置の推定位置の通知の開始、開始した通知の終了を、推定位置情報通知部25に指示するための操作ボタンである。
「今日の動線確認」ボタンB1がタッチ操作されると、ビューア部26は通信によりその日の動線を示す動線画面情報を取得し、その動線画面G2を表示する。一方、「過去の動線確認」ボタンB2がタッチ操作されると、ビューア部26は入力フォーム画面を表示し、指定日時の入力を受け付ける。
図22に示す入力フォーム画面G1-1は、ユーザが任意の期間を指定できるように、開始日時の入力ボックスC1と、終了日時の入力ボックスC2とを設けている。ビューア部26は、「送信」ボタンB6がタッチ操作されると、入力ボックスC1の開始日時と入力ボックスC2の終了日時により範囲指定された期間の動線を示す動線画面情報を通信により取得して、その動線を含む動線画面G2を表示する。因みに、入力フォーム画面G1-1の「戻る」ボタンB7は、一つ前の表示画面に戻すことをビューア部26に指示するための操作ボタンである。「戻る」ボタンB7は、後述する他の画面にも適宜設けている。
図22に示す動線画面G2は、要求を行った日(又は指定日時)の動線とその動線の地図データを表示する地図表示エリアE1や「次へ」ボタンB8などを有する。
地図表示エリアE1は、本実施形態では、サーバ装置1で地図データ上に動線を合成して生成した画像を表示する。図22に示す動線画面G2には、ビーコン信号の送信エリアにいるサービス利用者の推定位置を黒丸の記号(黒丸rの記号)で示し、各推定位置を時系列順に結んだ動線を点線lで示すなどの簡易的な表示例を示している。なお、網掛の矩形Rは一つの店舗を示している。また、各店舗と店舗沿いの通路Lとを含む地図Mは、サーバ装置1が選択した、動線(点線l)を含む最小範囲の地図である。
「次へ」ボタンB8は、店舗検索の利用をビューア部26に指示するための操作ボタンである。ビューア部26は「次へ」ボタンB8がタッチ操作されると、店舗検索の方法を選択するための画面(検索方法選択画面)を表示する。
図23に示す検索方法選択画面G3は、「一覧リスト表示」ボタンB9と「キーワード検索」ボタンB10などを有する。「一覧リスト表示」ボタンB9は、動線上にある店舗の店舗一覧の表示をビューア部26に指示するための操作ボタンである。「キーワード検索」ボタンB10は、動線上にある店舗の内、キーワードに該当する店舗の表示をビューア部26に指示するための操作ボタンである。
「一覧リスト表示」ボタンB9がタッチ操作されると、ビューア部26はサーバ装置1との通信により店舗一覧画面情報を取得し、店舗一覧画面G4を表示する。一方、「キーワード検索」ボタンB10がタッチ操作されると、ビューア部26はキーワードの入力フォーム画面を表示し、キーワードの入力を受け付ける。
図24に示すキーワードの入力フォーム画面G4-1は、キーワードの入力ボックスC3や「送信」ボタンB6などを有する。なお、キーワードの入力方法については適宜設定しても良い。例えば、入力ボックスC3において一つのキーワードを入力しても良いし、複数のキーワードを入力して各キーワード間を「AND」や「OR」などの検索条件情報により繋いで入力したりしても良い。また、複数の入力ボックスを設け、各入力ボックスの入力キーワードをAND検索やOR検索に関連付けても良い。
「送信」ボタンB6がタッチ操作されると、ビューア部26は、入力されたキーワードに該当する店舗の候補画面情報をサーバ装置1との通信により取得し、候補画面G4-2を表示する。
図24に示す店舗一覧画面G4は、店舗一覧リストE2や、店舗一覧リストE2内の店舗毎の「選択」ボタンB11などを有する。店舗一覧リストE2は、動線上にある各店舗の簡易店舗情報を表示する。例えば、店舗情報に含まれる店名や位置情報や客観情報の内、予めユーザなどが設定した一つ又は複数の情報を表示する。図24においては一例として客観情報の一つの販売商品の名称を表示している。店舗一覧リストE2の一つの店舗の「選択」ボタンB11がタッチ操作されると、ビューア部26は、タッチ操作された店舗の詳細情報を示す店舗情報画面G5を表示する。
図24に示す候補画面G4-2は、キーワードにより更に絞り込まれた店舗の店舗一覧リストE2や、店舗一覧リストE2内の店舗ごとの「選択」ボタンB11などを有する。店舗一覧リストE2は、動線上にある店舗の内、キーワードにより絞り込まれた店舗の簡易店舗情報を表示する。店舗一覧リストE2の一つの店舗の「選択」ボタンB11がタッチ操作されると、ビューア部26は、その店舗の店舗情報画面G5を表示する。
図24に示す店舗情報画面G5は、店舗の詳細情報E3や「最短ルート」ボタンB12などを有する。店舗の詳細情報E3は、選択された当該店舗の店舗情報(例えば店舗の概観を示す画像や、商品画像が登録されている場合にはキーワードに対応する商品画像など)を表示する。「最短ルート」ボタンB12は、当該店舗までの最短ルート情報の表示をビューア部26に指示するための操作ボタンである。「最短ルート」ボタンB12がタッチ操作されると、ビューア部26は、最短ルート情報をサーバ装置1との通信により取得し、最短ルート画面G6を表示する。
図25に示す最短ルート画面G6は、最短ルートを示す地図データを表示する地図表示エリアE4などを有する。
地図表示エリアE4は、本実施形態では、サーバ装置1で地図データ上に最短ルートを合成して生成した画像を表示する。図25に示す最短ルート画面G6には、サービス利用者の動線上の最終位置を黒丸の記号(黒丸r1の記号)とし、サービス利用者の目的地を星印r2とし、更に、最終位置から目的地までの最短ルートを点線l1で表した簡易的な表示例を示している。
以上のように、本実施形態に係る情報処理装置としてのサーバ装置1は、移動端末2からサービスに係る情報を受信する通信部10や、その受信データの要求内容を受け付ける振分処理部11などにより、サービスに係る情報を入力する入力手段としての機能を有する。
また、サーバ装置1は、移動端末の時系列データを動線データ管理テーブルT1から抽出する時系列データ抽出部14や、上記時系列データの示すエリアの地図データを地図情報テーブルT3から抽出する地図データ抽出部15や、上記時系列データと上記地図データから移動端末2の移動範囲を指定する移動範囲指定部17や、その移動範囲に含まれる店舗の位置情報を店舗情報テーブルT4から抽出する店舗情報抽出部18などにより、特定処理手段としの機能を有する。
また、サーバ装置1は、店舗の位置情報を含む画面情報を生成する画面情報生成部12や、その画面情報を要求元の移動端末2に送信する通信部10などにより、特定処理手段が特定した店舗の位置情報を出力する出力手段としての機能を有する。
更に、サーバ装置1は、移動端末2から受信したデータに検索情報が含まれる場合に各店舗IDの商品情報テーブルT5を検索して検索情報に該当する商品を含む店舗IDを抽出する店舗情報抽出部18などにより、抽出処理手段としての機能を有する。
更に、サーバ装置1は、サービス利用者の店舗検索時の推定位置から所望の店舗までの最短ルートを検索する最短ルート検索部19などにより、道案内情報処理手段としての機能を有する。
更に、サーバ装置1は、推定位置情報登録部13などにより、登録処理手段としての機能を有する。また、サーバ装置1は、動線データ管理テーブルT1や、位置情報変換テーブルT2などにより、上記登録処理手段が登録する推定位置情報を時系列の順序情報に対応付けて記憶する記憶部を有する。
本実施形態に係る移動端末2は、ビーコン装置3から送信されるビーコンIDを読み取る第2の通信部24や、その読み取ったビーコンIDをサーバ装置1に通知する推定位置情報通知部25などにより、生成手段としての機能を有する。
また、移動端末2は、第1の通信部23やビューア部26などにより、第1送信手段と、第2送信手段と、第1受信手段としての機能を有する。
また、移動端末2は、入力受付部21などにより、検索情報入力手段としての機能を有する。
また、移動端末2は、画面表示部22やビューア部26などにより、表示手段としての機能を有する。
なお、本実施形態では、商業施設内の案内システムを例とし、移動端末2の一例として、各所に設置されたビーコン装置3からビーコンIDを受信し、自装置の位置に係る情報をビーコンIDから生成する態様のものについて示した。しかしながら、移動端末2が自装置の位置情報を生成する手段は、この限りではない。屋外であれば、移動端末2は、GPSからの位置情報を受信できるように変形しても良い。また、GPSから位置情報が受信できない場合には、移動端末2は、地磁気データから位置情報を生成するように変形しても良い。
例えば、移動端末2にGPSユニットや、歩行者自立航法を実施するための3軸磁気センサや3軸加速度センサなどを設ける。移動端末2はGPSからの位置情報を受信できる場合には、GPSユニットにより位置情報を受信し、その位置情報や受信時間を用いて時系列データを生成する。また、移動端末2は、GPSからの信号が受信できなくなった場合、3軸磁気センサや3軸加速度センサが随時出力する出力信号をモニタし、GPSから最後に受信した位置情報を起点に続きの時系列データを生成する。
その他の例として、移動端末2に気圧センサを設ける。また、サーバ装置1に、位置情報とその場の高低位置を示す情報とを対応付けた測位データベースを設ける。移動端末2は、気圧センサの出力により移動中の移動端末の高低位置を測位し、その高低位置を示す情報や測位時間や端末IDなどをサーバ装置1に送信する。サーバ装置1は、測位データベースを参照し、移動端末2から受信した高低位置を示す情報に対応する位置情報を取得する。そして、サーバ装置1は、取得した位置情報を移動端末2の推定位置情報として蓄積し、時系列データを管理する。
この他、測位の方法として、WiFi測位や、携帯電話基地局測位や、音波測位や、Bluetooth測位や、可視光測位や、カメラ画像測位など、適宜適用しても良い。また、各種の測位を複合的に適用しても良い。
また、本実施形態では、場所検索の一例として店舗検索の例を示したが、検索対象とする場所を店舗に限定するものではない。検索対象とする場所は、位置を公開している「位置公開場所」であれば良い。例えば、位置公開場所として、商品や役務などのサービスを提供する店舗に限らず、公園や、施設や、名所などを含めても良い。また、位置公開場所は、位置が固定のものに限らず、位置が変わるものであっても良い。
例えば、位置が変わる位置公開場所に、献血やビラ配りや路上ライブなどの場所を含めても良い。この場合、位置が変わる位置公開場所において献血やビラ配りや路上ライブなどのサービスを提供する者に移動端末2を所持させる。この移動端末2では、ビーコン信号の受信後の、位置を示す情報をサーバ装置1へ送信する送信処理において、時系列データへの位置情報の登録要求を当該位置公開場所の位置情報の更新要求に変更する。サーバ装置1は、この更新要求により、移動端末2の識別情報に対応付けられている位置公開場所の位置情報を受信した位置情報により更新する。
また、本実施形態では、人が徒歩で移動する場合の例を示したが、車などの乗り物などで移動するサービス利用者に対して店舗検索サービスを提供しても良い。例えば、カーナビゲーションシステムにおいて店舗検索サービスを提供しても良い。
また、推定位置が属する所定範囲については、サービス利用者が移動した範囲の通路沿いに並ぶ店舗までとしたり、通路から数件分外側の店舗までとしたり、任意に設定しても良い。
また、本実施形態では、店舗検索サービスを利用する者を「サービス利用者」としたが、「サービス利用者」を本システムへの登録者(会員など)に限定したものではない。例えば、登録者以外のユーザに対して店舗検索サービスを広く提供しても良い。
また、本実施形態では、サーバ装置1が各種テーブル(動線データ管理テーブルや、位置情報変換テーブルや、地図情報テーブルや、対応情報としての店舗情報テーブルと商品情報テーブルなど)を有し、それぞれのテーブルに対する登録や抽出などを行うものとして説明した。しかし、サーバ装置1の構成をその構成に限定するものではない。サーバ装置1は、各種テーブルの内の1つ又は複数を外部装置に備え、外部装置からデータを取得する構成に変形しても良い。例えば、サーバ装置1は、外部装置が提供する移動端末2の時系列データを取得し、その取得した時系列データに基づいて上述した店舗検索サービスを提供しても良い。また、サーバ装置1は、外部装置が提供する地図データベースから所定範囲の地図データを取得し、その取得した地図データに基づいて上述した店舗検索サービスを提供しても良い。また、サーバ装置1は、外部装置が提供する店舗の位置情報を取得し、その取得した情報に基づいて上述した店舗検索サービスを提供しても良い。
また、本実施形態では、サービス利用者の時系列データの最終位置を開始位置として最短ルートの検索を行う例を示したが、この限りではない。サーバ装置1は、例えば、店舗検索時に移動端末2から位置に係る情報を受信して、その推定位置を開始位置として最短ルート検索を行っても良い。
本実施形態では、サーバ装置1において動線や最短ルートを合成した画像を移動端末2に送信する例を示したが、この限りではない。移動端末2に地図データを表示するビューアをインストールし、サーバ装置1から地図データと動線データ或いは最短ルートデータの送信を受けて、移動端末2においてそのデータをレイヤ管理するなどして表示するようにしても良い。
本実施形態では、一例として、サービス利用者Qが動線上において見たことを前提に、サービス利用者Qが記憶している店舗や商品などの検索情報を移動端末2に打ち込んで、サーバ装置1から、検索情報に該当する店舗の位置の検索結果を取得する一連の処理の流れについて示した。しかし、サービス利用者Qが、動線内に有るかどうか分からない店舗の位置の検索に本システムを利用する場合もあり得る。その場合、サービス利用者Qが移動端末2に検索情報を打ち込んでもサーバ装置1において該当する店舗が得られないという場合も有り得る。従って、このような使い方をさせる場合には、検索情報に該当する店舗が無い場合にサーバ装置1から移動端末2に対して該当無しを画面情報などにより通知する通知手段を設けても良い。
以上のような各種の構成により、移動端末2は、店舗検索を要求するとサーバ装置1から自装置が移動した範囲内の所望の店舗の位置情報を取得することができる。また、移動端末2は、検索情報を送信する場合、自装置が移動した範囲内の上記検索条件に該当する店舗の位置情報をサーバ装置1から取得することができる。検索情報に該当する店舗が無かった場合であっても、サーバ装置1から移動端末2に該当無しを示す通知を行うことができるようになるため、自装置が移動した範囲内に所望の店舗が有るか無いかを移動端末2側で知ることができる。
また、移動端末2は、最短ルートの生成を指示した場合には、サーバ装置1から、所望の店舗までの最短ルートを示す情報を取得することができる。
例えば、サービス利用者が、ショッピング中に、通ってきた道にあった店舗をふと思い出したとする。その場合、携帯している移動端末2によりサーバ装置1に店舗検索を要求することにより、自分が移動してきた範囲に含まれる店舗(移動した通路沿いの店舗など)の位置情報を取得することができる。更に、頭に浮かんだ商品のキーワードを移動端末2に打ち込んでサーバ装置1に送信することにより、自分が移動してきた範囲内からキーワードに該当する商品を取り扱う店舗の位置情報を取得することができる。サービス利用者は、その位置情報に従い、所望の店舗へ戻ることができる。更に、最短ルートを要求すれば、移動端末2において所望の店舗までの最短ルートが表示され、サービス利用者は、その表示に従い、所望の店舗へ確実に戻ることができる。
(第2の実施形態)
第2の実施形態では、第1の実施形態に示すサーバ装置1を例えばPaas(Platform as a Service)などのクラウドコンピューティングにより提供する実施形態を示す。
図26は、サーバ装置1の機能部を複数のサーバ装置(クラウド)に分散させて提供する一形態を示す図である。
図26に示す例では、図4に示す通信部10や、振分処理部11や、画面情報生成部12や、推定位置情報登録部13や、時系列データ抽出部14や、地図データ抽出部15や、動線生成部16や、移動範囲指定部17や、店舗情報抽出部18や、最短ルート検索部19などを、関連する機能部毎に、異なるサーバ装置上に実装した場合の概念図を示している。
図26に示す例では、サーバ装置1-1が通信部10と振分処理部11の機能部を実装し、移動端末2からの各種の要求や、移動端末2とのセッション情報や、振り分け先の情報などを管理する。例えば、サーバ装置1-1は、移動端末2からの各種の要求を番号により管理するなどし、振り分け先のサーバ装置のサービス処理の実行結果情報を他のサーバ装置に送信して画面情報等の最終的な結果情報を得る。
その他のサーバ装置1-2、サーバ装置1-3、・・・、サーバ装置1-8は、振分処理部11からの依頼により、それぞれの実装する機能部のサービス処理を実行し、振分処理部11に対して実行結果を返信する。例えば、サーバ装置1-3は、動線データ管理テーブルT1(図5参照)と位置情報変換テーブルT2(図6参照)とを備え、動線データ管理テーブルT1に対する時系列データの登録処理や、動線データ管理テーブルT1からの時系列データの抽出処理などを行う。また、サーバ装置1-4は地図情報テーブルT3を備え、地図データの抽出処理などを行う。また、サーバ装置1-7は店舗情報テーブルT4と商品情報テーブルT5とを備え、店舗情報の抽出処理などを行う。
なお、第2の実施形態として示した図26の構成は提供形態の一例であり、クラウドコンピューティングによる提供形態をこれに限定するものではない。インターネットN3のハードウエア資源やインフラ資源や実行環境を提供するソフトウエア資源などを活用できるものであれば、提供形態を適宜変形しても良い。例えば、サーバ装置1-1、1-2、・・・の数を増減し、各サーバ装置1-1、1-2、・・・に実装する機能部の組み合わせを適宜変形しても良い。また、各機能部を更に細かく分割し、分割したものを適宜組み合わせて複数のサーバ装置1-1、1-2、・・・に実装しても良い。また、各種のテーブルT1~T5をデータベースサーバ装置に設け、各サーバ装置からデータベースサーバ装置にテーブルを参照するように変形しても良い。
(第3の実施形態)
第3の実施形態では、第1の実施形態に示すサーバ装置1を商業施設毎に設けた場合の実施形態について示す。以下において、第1の実施形態と同様の箇所については同一の番号を付与するなどして説明を省略し、主に第1の実施形態と異なる箇所についての説明を行う。
図27は、第3の実施形態に係る案内システム500のネットワーク構成の一例を示す図である。図27に示す案内システム500は、サーバ装置5と、POS端末(位置公開場所の機器)6と、無線通信装置7と、移動端末2と、ビーコン装置3とを有する。サーバ装置5、POS端末6、及び無線通信装置7は、一つの商業施設U1に配設したLAN(Local Area Network)N4に設ける。POS端末6は、商業施設U1の各店舗が備えるPOS(Point Of Sales)端末である。POS端末6は、その店舗の商品情報テーブルを備える。無線通信装置7は、商業施設U1の各所に設けた、移動端末2がサーバ装置5にアクセスするための無線中継装置である。本実施形態に示す移動端末2は、一例としてWiFi方式により無線通信を行うことが可能な無線中継装置であるものとする。
このネットワーク構成において、移動端末2は、ビーコン装置3の各送信エリアにおいてビーコン装置3が発信するビーコン信号を受信する。また、移動端末2は、無線通信装置7にWiFi方式により無線通信接続し、無線通信装置7を介してサーバ装置5にアクセスする。
案内システム500において、サーバ装置5、POS端末6、移動端末2は、次のように動作する。
サーバ装置5は、第1の実施形態に示すサーバ装置1と同様に、移動端末2からのアクセスによりサービス利用者Qに店舗検索サービスを提供する。ただし、サーバ装置5は、キーワード等の検索情報により店舗を絞込む場合に、各POS端末6に検索情報を送信し、各POS端末6が備える商品情報テーブルを対象にした商品の照会を行わせる。従って、第1の実施形態に示す商品情報テーブルT5(図9参照)は、本実施形態においては各POS端末6が備える商品情報テーブルにとって代わる。
各POS端末6は、サーバ装置5から照会の要求があると、自装置が備える商品情報テーブルを照会し、その照会結果をサーバ装置5に対して通知する。
移動端末2は、ビーコン装置3から受信したビーコン信号の位置情報を、携帯電話基地局やWiFiスポットなどの無線基地局4ではなく、上記無線通信装置7を介してサーバ装置5に送信することを除いて、第1の実施形態に示す移動端末2と略同様である。
(各装置の具体例)
続いて、第3の実施形態に係るサーバ装置5とPOS端末6のそれぞれの構成について説明する。なお、移動端末2は、第1の実施形態に示す移動端末2(図3、図10参照)と同様の構成であるため、ここでの説明を省略する。また、無線通信装置7は、移動端末2とサーバ装置5との間の伝送データの中継を行う中継装置である。無線通信装置7は、移動端末2側と無線通信を行い、サーバ装置5側とLANN4によりイーサネット通信を行う。無線通信装置7については、その構成は良く知られているものであるため、ここでの詳しい説明を省略する。
先ず、サーバ装置5の機能構成について説明する。サーバ装置5のハードウエア構成については、第3の実施形態に係る機能部の対応プログラムをHDDに格納することや、HDDのデータベースから商品情報テーブルを省略することを除き、第1の実施形態に示すサーバ装置1と略同様となる。このため、サーバ装置5のハードウエア構成については、ハードウエア構成図(図2)を参照する。
図28は、第3の実施形態に係るサーバ装置5の店舗検索サービスに関する機能の一例を示すブロック図である。図28に示すものは、第1の実施形態に示すサーバ装置1の機能ブロック(図4参照)において、店舗情報抽出部18の一部の機能を照会実行部52として置き換え、また新たにPOS通信部51を追加したものになっている。サーバ装置5は、図2に示すハードウエア構成においてCPU101がROM102やHDD104の対応プログラムをRAM103に順次読み出して実行することにより、図28に示す各機能部を発揮する。
店舗情報抽出部18は、振分処理部11からの依頼により、移動範囲指定部17が指定した範囲指定情報を条件に、店舗情報テーブルT4から該当店舗の店舗情報(店舗ID、店舗位置情報、店舗紹介情報、POS端末6のネットワークアドレスの一例のIPアドレス等)を抽出する。更に、店舗情報抽出部18は、振分処理部11からの依頼においてキーワードなどの検索情報を受け取った場合には、上記の店舗情報の抽出処理に続き、照会実行部52の照会処理を実行する。
照会実行部52は、店舗情報抽出部18が受け取ったキーワードなどの検索情報を照会要求信号(照会データ)のデータ部に格納する。そして、照会実行部52は、上記抽出処理により店舗情報が抽出された所定エリアの店舗のそれぞれのPOS端末6のIPアドレスを宛先とする照会要求信号の送信をPOS通信部51に指示する。また、照会実行部52は、POS通信部51から、POS端末6が返信した照会結果情報(照会結果データ)を受け取り、受け取った照会結果情報を店舗情報抽出部18に渡す。これにより、店舗情報抽出部18は各POS端末6の照会結果情報から該当商品があったPOS端末6の店舗を確定する。
POS通信部51は、NIC106を介して指定されたPOS端末6に照会要求信号を送信し、それらのPOS端末6から返信された照会結果情報をNIC106から読み取る。
なお、ここでは一例として、照会実行部52は、抽出処理により店舗情報が抽出された所定エリアの店舗のPOS端末6を対象に照会要求信号の送信を指示するとして説明したが、この限りではない。照会実行部52は、LANN4内の全てのPOS端末6を対象とする照会要求信号の送信を指示するものであっても良い。この場合、店舗情報抽出部18が、各POS端末6の照会結果情報の内、該当商品があったPOS端末6の店舗と、上記抽出処理により抽出した店舗情報に対応する店舗とを照合して一致する店舗を絞り込む。
続いて、POS端末6の構成について説明する。
図29は、POS端末6のハードウエアの構成の一例を示す図である。図29に示すように、POS端末6は、CPU301、ROM302、RAM303、HDD304、プリンタ305、ドロワ306、キーボード307、表示ディスプレイ308、タッチパネル309、スキャナ310、カード読取装置311、NIC312などを有する。各部はバス313により相互接続されている。各部は、バッテリやAC電源等の電源供給部(不図示)からの電力供給を受けて動作する。
CPU301は、演算処理や各部の制御処理を実行する。ROM302はBIOS等の固定プログラムを記憶する。RAM303は、CPU301がプログラムを実行する際の作業エリアとして使用する。
HDD304は、各種のプログラムや各種のデータを記憶する。各種のプログラムには、基本動作を行うOS(Operating System)や、各部を駆動するドライバや、クライアントソフトや、データベースソフトや、アプリケーションプログラムなどが含まれる。また、各種のデータには、画面情報や、自店舗の商品情報テーブル(図9参照)のデータファイルや登録/売上テーブルのデータファイルなどが含まれる。
プリンタ305は、印字データをレシート用紙に印字する。
ドロワ306は、ドロワの解放を制御する。
キーボード307は、押下キーの入力信号を所定のコードに変換するなどしてCPU301に通知する。
表示ディスプレイ308は、所定の画面を表示する。
タッチパネル309は、タッチ操作を検出し、そのタッチ操作をCPU301に通知する。
スキャナ310は、コードシンボルを読み取ってその情報をCPU301に通知する。
カード読取装置311は、クレジットカードなどからカード情報を読み取る。
NIC312は、イーサネットにより通信を行うコントローラである。サーバ装置5や、ストアコンピュータや、カード会社のサーバ等とデータ通信を行う。
続いて、POS端末6の機能の構成について説明する。POS端末6は、CPU301がROM302やHDD304の各種のプログラムをRAM303に順次読み出して実行することにより、商品登録や、会計や、商品照会などに係る機能を発揮する。
図30は、その内の商品照会に係る機能の一例を示すブロック図である。図30に示すように、POS端末6は、通信部60や照会部61などの機能を発揮する。
通信部60は、NIC312を介してサーバ装置5と通信を確立し、NIC312からの受信データの読み取りや、NIC312に対する照会結果情報等の送信データの送り出しなどを行う。
照会部61は、通信部60が読み取った受信データに含まれる検索情報を用いて、HDD304の商品情報テーブルT5(図9参照)に検索情報に該当する商品が含まれているか照会する。
例えば、検索情報に商品名を示す「Lブランドの帽子」が含まれていたとする。その場合、照会部61は、商品情報テーブルT5の商品名903から「Lブランドの帽子」に該当するレコードがあるかを照会する。本例では、商品名903に「Lブランドの帽子」が設定されているため、一致の照会結果を得ることができる。仮に、商品名903に「Lブランドの帽子」が設定されていなかった場合は、不一致の照会結果を得ることになるが、「Lブランドの帽子」を「Lブランド」と「帽子」とに分割し、それぞれのキーワードを含むレコードが存在する場合に一致の照会結果を得るように変形しても良い。
そして、照会部61は、照会結果情報を返信データに格納し、サーバ装置5への送信を通信部60に指示する。
なお、上記照会結果情報にはヒットした商品の詳細情報を含めても良いものとする。
(データ構成)
図31は、サーバ装置5の送信データとPOS端末6の返信データのデータ格納部の格納エリアの構成の一例を示す図である。
図31(a)は、サーバ装置5の照会実行部52がPOS通信部51に対してPOS端末6への送信を指示する送信データのデータ部の格納エリアの構成の一例を示す図である。図31(a)に示すように、データ部D6は、要求情報d1や検索情報d41などの格納エリアを有する。
図31(b)は、POS端末6の照会部61が通信部60に対してサーバ装置5への返信を指示する返信データのデータ部の格納エリアの構成の一例を示す図である。図31(b)に示すように、データ部D7は、要求情報d1や照会結果情報d51などの格納エリアを有する。
(店舗検索のシーケンス)
図32は、移動端末2が店舗のキーワード検索を行う場合の、案内システム500の各装置間の通信を示すシーケンス図である。以下では、第1の実施形態に係る案内システム100のシーケンス図(図17参照)と主に異なる部分について説明する。
サーバ装置5は、移動端末2からキーワード検索要求信号を受信すると、そのキーワードを照会要求信号に格納して所定エリアのPOS端末6に送信する(S16-2)。
各POS端末6は、照会要求信号を受信すると、自装置が有する商品情報テーブルを、受信したキーワードにより照会する(S16-3)。そして、POS端末6は、その照会結果をサーバ装置5に通知する(S16-4)。
サーバ装置5は、POS端末6からの照会結果に基づき、動線上の店舗の内の候補店舗の画面情報(候補画面情報)を生成し(S17-1)、その画面情報を要求元の移動端末2に送信する(S18-1)。
(店舗検索のシーケンスにおけるサーバ装置5の処理フロー)
次に、第3の実施形態に係るサーバ装置5がキーワード検索要求信号を受信した場合のサービス処理の処理フローについて説明する。
図33は、サーバ装置5がキーワード検索要求信号を受信した場合のサービス処理のフロー図である。先ず、CPU101(移動範囲指定部17)は、時系列データ抽出部14により抽出された時系列データの各推定位置情報を基に、各推定位置を結ぶ経路の経路沿いのエリアを移動範囲とする範囲指定情報を算出する(S121)。
続いて、CPU101(店舗情報抽出部18)は、移動範囲指定部17が算出した範囲指定情報を検索条件に、該当する店舗を全て抽出する(S122)。
続いて、CPU101(照会実行部52)は、店舗情報抽出部18から受け取ったキーワードなどの検索情報を照会要求信号のデータ部に格納し、ステップS122で抽出された所定エリア(移動範囲のエリア)の店舗のそれぞれのPOS端末6を宛先とする照会要求信号の送信をPOS通信部51に指示する(S151)。
続いて、CPU101(POS通信部51)は、照会実行部52により指示された全てのPOS端末6のIPアドレスを宛先とする照会要求信号を生成して送信する(S152)。
続いて、CPU101(POS通信部51)は、照会要求信号の送信先から照会結果情報を受信する(S153)。
続いて、CPU101(照会実行部52)は、POS通信部51から照会結果情報を受け取り、受け取った照会結果情報を店舗情報抽出部18に渡す。
続いて、CPU101(店舗情報抽出部18)は、各POS端末6の照会結果情報から該当商品があったPOS端末6の店舗を候補店舗として確定する(S154)。
続いて、CPU101(画面情報生成部12)は、店舗情報抽出部18が確定した候補店舗を示す検索結果画面の画面情報や候補店舗の詳細情報を示す店舗情報画面の画面情報を生成する(S155)。
本実施形態に係る情報処理装置としてのサーバ装置5は、主にPOS通信部51などが、位置公開場所の機器に検索情報についての照会データを送信する送信手段と、当該機器から返信された照会結果データを受信する受信手段としての機能を有する。また、サーバ装置5は、照会実行部52などが、上記検索情報がヒットした機器を特定する照会処理手段としての機能を有する。
以上のような構成により、店舗がその時点で取り扱っている最新の商品情報などに基づいてサービス利用者が所望する店舗を特定することも可能になる。なお、本実施形態では、POS端末のHDDに商品情報テーブルを設けたが、店舗サーバなど当該店舗に設けられたサーバに設けても良い。さらには、クラウド上のサーバに商品情報テーブルを設けても良い。その場合は、店舗の位置情報と連携して商品情報テーブルを設ければよい。
(第4の実施形態)
第4の実施形態では、あるエリアのサーバ装置に蓄積したサービス利用者の動線データを、他のエリアのサーバ装置で利用する場合の実施形態について示す。以下、第3の実施形態に示す商業施設U1をあるエリアとして見立て、そのサーバ装置5で蓄積した動線データを別の商業施設で利用する場合を例に説明する。
図34は、第4の実施形態に係る案内システム600のサーバ装置の構成を示す概念図である。図34に示すように、案内システム600は、サーバ装置として、エリアサーバ装置8と上位装置9とを有する。エリアサーバ装置8は、商業施設U1、商業施設U2、・・・にそれぞれ設けた各エリアを管轄するサーバ装置であり、第3の実施形態に示すサーバ装置5に相当する。また、上位装置9は、各エリアサーバ装置8を統括するサーバ装置であり、各エリアのLANN4-1、N4-2、・・・と接続可能なように本部のLANなどに設けている。本部のLANと各エリアのLANN4-1、N4-2、・・・とは、WAN(Wide Area Network)などにより接続されている。
図34に示す構成において、上位装置9は、各エリアN4-1、N4-2、・・・のエリアサーバ装置8などからのアップロードにより、全エリアのテーブル、例えば動線データ管理テーブルT1や、位置情報変換テーブルT2や、地図情報テーブルT3や、店舗情報テーブルT4や、商品情報テーブルT5などを管理する。
各エリアサーバ装置8は、位置情報変換テーブルT2や、地図情報テーブルT3や、店舗情報テーブルT4や、商品情報テーブルT5などのデータに更新があると、その差分データを夜間などに上位装置9に通知する。また、各エリアサーバ装置8は、所定のタイミングで動線データ管理テーブルT1の時系列データを上位装置9に通知する。例えば、移動端末の通知機能の終了のタイミングや、移動端末から位置登録の通知が所定時間ない場合などに時系列データを上位装置9に通知する。
上位装置9は、全てのエリアサーバ装置8の通知情報Hを各エリアサーバ装置8に一斉配信し、各エリアサーバ装置8に全エリアの各種テーブルを設定させる。
エリアサーバ装置8は、動線データ管理テーブルT1が記憶する時系列データを上位装置9に送信する上位装置送信手段や、上位装置9から他のエリアサーバ装置8の動線データ管理テーブルT1が記憶する時系列データを受信する上位装置受信手段などを備える。
上位装置送信手段や、上位装置受信手段は、通信部10や振分処理部11などにより構成される。
エリアサーバ装置8は、上位装置受信手段が受信した時系列データを動線データ管理テーブルT1に登録する。具体的には、振分処理部11が推定位置情報登録部13に指示するなどして登録する。
これにより、サービス利用者は、第1のエリアの動線を用いた店舗検索を別のエリアにおいて実行し、第1のエリアの店舗の情報を別のエリアでも確認することができる。
(第5の実施形態)
第5の実施形態では、第3の実施形態に示すサーバ装置(情報処理装置)5の店舗検索サービスを商業施設内に配置したマルチメディア端末(キオスク端末)により利用する場合の形態について示す。
図35は、第5の実施形態に係る案内システム700のネットワーク構成の一例を示す図である。図35に示す案内システム700は、第3の実施形態に示す案内システム500(図27参照)において更にマルチメディア端末(情報処理装置)M1を設けたものである。
マルチメディア端末M1は、商業施設U1内の所定のエリアに配置し、LAN(Local Area Network)N4に対しLANケーブルなどにより接続される。マルチメディア端末M1は、商業施設U1のサービス利用者Qに対し、チケットの販売や、当該店舗検索など、各種のサービスを提供する。
(マルチメディア端末M1のハードウエア構成)
図36は、マルチメディア端末M1のハードウエアの構成の一例を示す図である。図36に示すように、マルチメディア端末M1は、CPU401、ROM402、RAM403、画像メモリ404、HDD405、タッチパネル406、表示ディスプレイ407、キーボード408、カード読取装置409、プリンタ410、Bluetooth通信回路411、NIC412などを有する。各部はバス413により相互接続されている。各部は、バッテリやAC電源等の電源供給部(不図示)からの電力供給を受けて動作する。
CPU401は、演算処理や各部の制御処理を実行する。ROM402はBIOS等の固定プログラムを記憶する。RAM403は、CPU401がプログラムを実行する際の作業エリアとして使用する。画像メモリ404は、印字用の画像メモリである。
HDD405は、各種のプログラムや各種のデータを記憶する。各種のプログラムには、基本動作を行うOS(Operating System)や、各部を駆動するドライバや、クライアントソフトや、店舗検索やチケット販売等に係るアプリケーションが含まれる。また、各種のデータには、画面情報などが含まれる。
タッチパネル406は、タッチパネルに対するタッチ操作を検出し、検出信号をCPU401に通知する。
表示ディスプレイ407は、CPU401が出力する所定の画面を液晶等の表示ディスプレイに表示する。
キーボード408は、キーボード上の押下キーの入力信号を所定のコードに変換するなどしてCPU401に通知する。
カード読取装置409は、カード読取装置を駆動し、クレジットカードなどからカード情報を読み取る。
プリンタ410は、プリンタを制御し、画像メモリ404の画像をプリント用紙に印字する。
Bluetooth通信回路411は、Bluetoothの通信プロトコルによる通信を行う。
NIC412は、イーサネットにより通信を行うコントローラである。サーバ装置5や、カード会社のサーバ装置(不図示)等とデータ通信を行う。
(マルチメディア端末M1の機能構成)
続いて、マルチメディア端末M1の機能の構成について説明する。マルチメディア端末M1は、CPU401がROM402やHDD405の各種のプログラムをRAM403に順次読み出して実行することにより、店舗検索やチケット販売などのマルチメディア機能を発揮する。
図37は、マルチメディア機能の内の店舗検索に係る機能の一例を示すブロック図である。図37に示すように、マルチメディア端末M1は、入力受付部81や、画面表示部82や、第1の通信部83や、第2の通信部84や、印字出力部85や、ビューア部86などの機能を発揮する。
入力受付部81は、キーボード408やタッチパネル406からのキー入力やタッチ操作による入力情報を受け付ける。
画面表示部82は、画面データを表示ディスプレイ407に出力する。
第1の通信部83は、NIC412を介して、サーバ装置5との通信確立やサーバ装置5との間の命令やデータの送受を行う。
第2の通信部84は、Bluetooth通信回路411を介して、移動端末2と通信を確立し、移動端末2の端末固有の識別情報を読み取る。
印字出力部85は、表示ディスプレイ407の表示画面情報を画像メモリ404に展開し、プリンタ410を駆動してプリント用紙に印字する。
ビューア部86は、店舗検索サービスに係る画面情報を取得して画面表示部82に出力する。例えば、ビューア部86は、入力受付部81の受け付け内容に応じて対応する画面を画面表示部82に出力する。また、ビューア部86は、入力受付部81の受け付け内容に応じて第1の通信部83を介してサーバ装置5から画面情報を取得し、その画面を出力する。
このような構成において、マルチメディア端末M1は、店舗検索サービスを開始する操作ボタンを構成したマルチメディア端末M1専用のトップ画面を表示ディスプレイ407に表示する。そして、その操作ボタンがタッチ操作されるなどした場合に、店舗検索サービス用のトップ画面に切り替える。マルチメディア端末M1は、店舗検索サービス用のトップ画面において各種の操作を受け付けることにより、移動端末2に代わって、サーバ装置5の店舗検索サービスを利用する。
(マルチメディア端末M1の処理フロー)
図38は、マルチメディア端末M1のCPU401の処理フローの一例を示す図である。先ず、CPU401は、店舗検索サービスを開始する操作ボタンがタッチ操作されると、表示ディスプレイ407に、移動端末2を所定の読取位置に近づけるように促すメッセージ情報(通信メッセージ画面)を表示し、Bluetooth通信回路411を介して移動端末2との通信を確立する(S401)。
続いて、CPU401は、移動端末2が送信する端末固有の識別情報を読み取り、RAM403の所定の格納領域に一時的に保存する(S402)。
続いて、CPU401は、移動端末2との通信を切断する(S403)。
続いて、CPU401は、店舗検索サービス用のトップ画面を表示ディスプレイ407に表示し、操作入力を受け付ける(S404)。
なお、トップ画面において操作入力を受け付けた後のマルチメディア端末M1の画面フローや、各装置間の通信フローについては、第3の実施形態に示すものと略同様である。つまり、画面フローについては、図22~図25に示すものとなり、通信フローについては、図32において移動端末2をマルチメディア端末M1に置き換えたものとなる。
主に異なるのは、図32の通信フローに示すステップS21のサーバ装置5側の処理と、ステップS23以降のマルチメディア端末M1における処理である。
ステップS21の最短ルート画面生成処理では、サーバ装置5は、マルチメディア端末M1の位置情報を始点に、店舗位置情報の示す位置(目的地)までの最短ルートを検索する。具体的には、サーバ装置5は、マルチメディア端末M1の位置情報を、予め管理テーブルなどにマルチメディア端末M1のIPアドレスやMACアドレスなどと対応付けして管理する。これにより、振分処理部11は、マルチメディア端末M1から要求を受け取ると、その要求元を示すIPアドレスやMACアドレスなどに基づき管理テーブルから位置情報を取得し、現在地として最短ルート検索部19に渡す。最短ルート検索部19は、その位置情報を始点に、店舗位置情報の示す位置(目的地)までの最短ルートを検索する。
(マルチメディア端末M1の処理フローの続き)
ステップS23以降のマルチメディア端末M1のCPU401の処理は次の通りとなる。
図38に示すように、先ず、CPU401は、プリントボタンの操作入力を受け付ける(S405)。
続いて、CPU401は、プリントボタンの操作入力を基に、表示ディスプレイ407の表示画面情報を画像メモリ404に展開し、プリンタ410を駆動してプリント用紙に印字する(S406)。これにより、最短ルート画面のプリント用紙が排出口から排出される。
その後、CPU401は、終了ボタンの操作入力を基に、端末固有の識別情報の格納領域を解放するなどしてマルチメディア端末M1専用のトップ画面を表示する。
(マルチメディア端末M1の表示画面)
図39は、マルチメディア端末M1の表示画面の一例を示す図である。図39(a)は、マルチメディア端末M1専用のトップ画面である。図39(b)は、通信メッセージ画面である。図39(c)は、店舗検索サービス用のトップ画面である。図39(d)は、最短ルート画面である。なお、その他の画面については図示を省略している。
図39(a)に示すマルチメディア端末M1専用のトップ画面g1は、「店舗検索」ボタンb1を含んでいる。「店舗検索」ボタンb1は、店舗検索サービスの開始をビューア部86に指示するための操作ボタンである。「店舗検索」ボタンb1がタッチ操作されると、ビューア部86は、通信メッセージ画面を表示する。
図39(b)に示す通信メッセージ画面g2は、移動端末2を所定の読取位置に近づけるように促すメッセージ情報j0を含んでいる。CPU401は移動端末2の端末固有の識別情報を読み取ると、店舗検索サービス用のトップ画面を表示する。
図39(c)に示す店舗検索サービス用のトップ画面g3は、図22に示す移動端末2のトップ画面G1に対応するマルチメディア端末M1の画面である。一例として、トップ画面g3は、「今日の動線確認」ボタンB1と、「過去の動線確認」ボタンB2と、「終了」ボタンb5などを有する。
「今日の動線確認」ボタンB1と「過去の動線確認」ボタンB2は、図22に示すものと同様である。「終了」ボタンb5は、店舗検索サービスの終了をビューア部86に指示するための操作ボタンである。「終了」ボタンb5がタッチ操作されると、ビューア部86は、マルチメディア端末M1のトップ画面を表示する。なお、「終了」ボタンb5は、後述する各画面にも設けている。
図39(d)に示す最短ルート画面g4は、図25に示す移動端末2の最短ルート画面G6に対応するマルチメディア端末M1の画面である。一例として示す最短ルート画面g4は、図25の最短ルート画面G6に「プリント」ボタンb2を追加したものとなっている。
「プリント」ボタンb2は、表示画面のプリントをビューア部86に指示するための操作ボタンである。「プリント」ボタンb2がタッチ操作されると、印字出力部85は、ビューア部86により呼び出されて、表示ディスプレイ407の表示画面情報をプリント用紙に印字する。
本実施形態に係る情報処理装置としてのマルチメディア端末M1は、移動端末2からサービスに係る情報を受け付ける入力受付部81や移動端末2の端末固有の識別情報を読み取る第2の通信部84などにより、サービスに係る情報を入力する入力手段としての機能を有する。
また、マルチメディア端末M1は、印字出力部85などにより、受信した店舗などの位置情報を出力する出力手段としての機能を有する。
このような構成により、サービス利用者は、移動端末2に代わり、マルチメディア端末M1において店舗検索サービスを利用することができる。また、マルチメディア端末M1では、店舗などの位置情報や店舗までの最短ルートなどのプリント出力が可能なため、サービス利用者はそのプリントを確認しながら所望の店舗に向かうことができる。
(第6の実施形態)
第6の実施形態では、第3の実施形態に示すサーバ装置5として商業施設内のマルチメディア端末(情報処理装置)が店舗検索サービスを提供する場合の形態について示す。
図40は、第6の実施形態に係る案内システム800のネットワーク構成の一例を示す図である。図40に示す案内システム800は、第3の実施形態に示す案内システム500(図27参照)においてサーバ装置(情報処理装置)5をマルチメディア端末(情報処理装置)M2に置き換え、ビーコン装置3を取り除いたものである。
マルチメディア端末M2は、商業施設U1内の所定のエリアに配置し、LANケーブルなどによりLAN(Local Area Network)N4に接続される。
このネットワーク構成において、移動端末2は、移動中、WiFiなどにより無線通信装置7に自装置の固有の識別情報を送信する。無線通信装置7は、移動端末2の識別情報に自装置の識別情報(ビーコンIDに相当)を付加したデータをマルチメディア端末M2に送信する。マルチメディア端末M2は、無線通信装置7からデータを受信すると、受信データに格納された移動端末2の識別情報に対応する動線データ管理テーブルT1(図5参照)に、上記受信データに格納されている無線通信装置7の識別情報を時系列データとして登録する。
その後の、サービス利用者によるマルチメディア端末M2における操作は、店舗検索サービス処理の実態がマルチメディア端末M2にあることを除いて、第5の実施形態に示すマルチメディア端末M1と略同様である。
つまり、マルチメディア端末M2は自装置の画面に店舗検索サービスに係る操作画面を表示する。マルチメディア端末M2は、その操作画面により、店舗検索サービスに係る操作を受け付けると、移動端末2からBuluetooth通信などにより移動端末2の識別情報を受け付ける。更に、マルチメディア端末M2は、その操作画面により店舗検索に係る操作を受け付けると、自装置内で店舗検索サービスに係る処理を実行し、実行結果を操作画面に表示する。なお、これらの処理の詳細は、他の実施形態において既に説明済みのことの再度繰り返すことになるため、ここでの更なる説明は省略する。
(第7の実施形態)
第7の実施形態では、第6の実施形態に示す移動端末2が時系列データを蓄積し、マルチメディア端末(情報処理装置)が提供する店舗検索サービスを利用する場合の形態について示す。
図41は、第7の実施形態に係る案内システム900のネットワーク構成の一例を示す図である。図41に示す案内システム900は、第6の実施形態に示す案内システム800(図40参照)において、主に、ビーコン装置3を配置し、無線通信装置7を取り除いたものである。
このネットワーク構成において、移動端末2は、ビーコン装置3の各送信エリアにおいてビーコン装置3が発信するビーコン信号を受信する。そして、移動端末2は、ビーコン信号のビーコンIDを、ビーコン信号を受信したときの日時情報に対応付けて自装置内に記憶する。移動端末2は、ビーコン装置3が発信するビーコン信号を受信する度に、ビーコンIDをその受信時の日時情報と対応付け、時系列データとして自装置内で管理する。
マルチメディア端末M3は自装置の画面に店舗検索サービスに係る操作画面を表示する。マルチメディア端末M3は、その操作画面により、店舗検索サービスに係る操作を受け付けると、移動端末2からBuluetooth通信などにより時系列データを受け付ける。
マルチメディア端末M3は、更に、その操作画面により店舗検索に係る操作を受け付けると、移動端末2から受け付けた時系列データに基づいて自装置内で店舗検索サービスに係る処理を実行し、実行結果を操作画面に表示する。その後の、サービス利用者によるマルチメディア端末M2における操作は、第6の実施形態に示すマルチメディア端末M2と略同様である。
(第8の実施形態)
移動端末2が自装置内に第1の実施形態に示すサーバ装置1の店舗サービス処理の機能部を有するように構成しても良い。その場合、移動端末2は、ビーコン装置3の各送信エリアにおいてビーコン装置3が発信するビーコン信号を受信する。そして、移動端末2は、ビーコン信号のビーコンIDを、ビーコン信号を受信したときの日時情報に対応付けて自装置のフラッシュROM203(図3参照)に記憶する。移動端末2は、ビーコン装置3が発信するビーコン信号を受信する度に、ビーコンIDをその受信時の日時情報と対応付け、フラッシュROM203でそれらの時系列データを管理する。
移動端末2は、自装置の表示ディスプレイ250(図3参照)に、フラッシュROM203に予め記憶した店舗検索サービスに係る操作画面を表示する。移動端末2は、その操作画面から、店舗検索サービスに係る操作を受け付けると、フラッシュROM203で管理する時系列データに基づいて店舗検索サービスに係る処理を実行し、実行結果を表示ディスプレイ250に表示する。これらの処理の詳細は、第1の実施形態において移動端末2とサーバ装置1との間の処理として既に説明済みのことを移動端末2の処理として再度繰り返すことになるため、ここでの更なる説明は省略する。
(第9の実施形態)
第9の実施形態では、商業施設などにおいて駐車場内の車の停車位置を探す場合の形態について示す。先ず車の停車位置で移動端末の店舗検索アプリを起動する。この起動により、移動端末は、近くのビーコン装置からビーコン信号を受信し、サーバ装置1にビーコンIDや日時情報を送信する。この移動端末のユーザが買物を終えて駐車場に戻ったときなどに、ユーザは、移動端末から停車位置の検索ボタンを押下するなどしてサーバ装置に停車位置についての要求信号を送信する。サーバ装置は、移動端末から停車位置についての要求信号を受信すると、移動端末の時系列データを抽出して時系列データの始点を停車位置として判定する。そして、サーバ装置は、位置情報や地図情報などを要求元の移動端末に送信する。位置情報には、駐車場に設置された停車位置を示す番号などを送信する。
(第10の実施形態)
本実施形態では、商業施設の利用者に落とし物についての情報を案内する落とし物案内システムの実施形態について示す。
図42は、第10の実施形態に係る落とし物案内システム500-1のネットワーク構成の一例を示す図である。図42に示す落とし物案内システム500-1は、第3の実施形態に示す案内システム500(図27参照)において、サーバ装置5とPOS端末6とを、それぞれ、落とし物機能を有するサーバ装置5-1とPOS端末6-1として設けたものである。落とし物案内システム500-1において、サーバ装置5-1、POS端末6-1、及び移動端末2は、店舗検索サービスに係る動作に加え、次に示す落とし物の案内に係る動作を行う。
サーバ装置5-1は、移動端末2からのアクセスにより、落とし物の調査の実施や落とし物の保管場所の案内などのサービスを提供する。例えば、サーバ装置5-1は、移動端末2から落とし物についての問い合わせがあると、各POS端末6-1からの情報提供を基に、落とし物に該当する拾得物の保管場所を案内する。
POS端末6-1は、拾得物を発見した場合に、その拾得物の情報(拾得した日時や、拾得物の名称や、拾得物の特徴などを示す情報)をサーバ装置5-1に通知する。
移動端末2は、落とした物をサーバ装置5-1に問い合わせることにより、サーバ装置5-1から、その落とし物の保管場所などの情報を取得する。
(各装置の具体例)
続いて、本実施形態に係る落とし物案内システム500-1の各装置の具体的な構成について説明する。ここでは、サーバ装置5-1とPOS端末6-1の構成について説明する。サーバ装置5-1については、第3の実施形態に示すサーバ装置5と異なる「落とし物案内に係る機能」やテーブル構成について説明する。また、POS端末6-1については、POS端末6-1の外観を示すと共に、第3の実施形態に示すPOS端末6の構成と異なる「落とし物案内に係る機能」について説明する。サーバ装置5-1とPOS端末6-1のハードウエア構成については、それぞれ、図2と図29を参照するものとする。
なお、移動端末2の構成については、図3と図10を参照し、処理の流れについて説明する。また、無線通信装置7は、移動端末2とサーバ装置5-1との間の伝送データの中継を行う中継装置である。無線通信装置7は、移動端末2側と無線通信を行い、サーバ装置5-1側とLANN4によりイーサネット通信を行う。無線通信装置7の構成のこれ以上の説明については省略する。
(サーバ装置5-1の機能構成)
先ず、サーバ装置5-1の機能構成について説明する。サーバ装置5-1は、CPU101がROM102やHDD104の予め記憶されている対応プログラムをRAM103に順次読み出して実行することにより、図43に示す各機能部を発揮する。
図43は、サーバ装置5-1の落とし物案内サービスに係る機能の一例を示すブロック図である。図43に示すように、サーバ装置5-1は、通信部10や、振分処理部11や、画面情報生成部12や、推定位置情報登録部13や、時系列データ抽出部14や、地図データ抽出部15や、移動範囲指定部17や、最短ルート検索部19や、拾得物情報登録部90や、拾得物情報抽出部91や、落とし物問い合わせ部92や、通知部93などの機能を発揮する。なお、各機能部について、第3の実施形態に示す機能部と同様の機能部は同一の番号を付している。以下、本実施形態において追加した機能部について説明する。
拾得物情報登録部90は、POS端末6-1が発見した拾得物の情報(拾得物情報)を拾得物管理テーブルT6(図44参照)に登録する。
拾得物情報抽出部91は、移動端末2から情報提供された落とし物についての情報を検索条件に、該当する拾得物情報を拾得物管理テーブルT6から抽出する。
落とし物問い合わせ部92は、サービス利用者の移動範囲内の各店舗に設置されているPOS端末6-1に対し、落とし物についての問い合わせ要求信号を送信し、何れかのPOS端末6-1から拾得物情報を取得する。
通知部93は、移動端末2の報知機能を作動させる通知データを生成する。例えば、振分処理部11から受け取った移動端末2が有する機能情報を基に報知音や振動などを作動させる信号を埋め込むなどして通知データを生成する。
(テーブル構成)
図44は、拾得物管理テーブルのテーブル構成の一例を示す図である。図44に示す拾得物管理テーブルT6は、拾得日情報1001や、拾得物の名称1002や、拾得物の特徴1003、保管場所1004などを対応付けたテーブルである。拾得日情報1001は、拾得した日付や時刻を示す情報である。拾得物の名称1002は、「ハンカチ」や「バッグ」などのような拾得物の名称情報である。拾得物の特徴1003は、取得物の形状や色や大きさなどの特徴を示す情報である。保管場所1004は、拾得物の保管場所を示す情報、例えば拾得物を一時的に保管する店舗名やその位置情報、或いは、拾得物を収集する管理事務所やその位置情報などである。
(POS端末6-1のハードウエア構成)
図45は、POS端末6-1の一例として示すPOSレジスターの外観斜視図である。POS端末6-1の各部には、POS端末6のハードウエア構成(図29参照)と対応する箇所に同一の番号を付している。
図45に示すPOS端末6-1は、制御ボードを内蔵する本体300と、紙幣や硬貨などの釣銭を収容するドロワ306とを有する。ドロワ306は、一例として本体300下部に配置した構成のものを示している。
POS端末6-1は、本体300上面に、「0」~「9」等の置数キーや締めキー等を含む多数の押下キーを配列したキーボード307を備えている。更に、POS端末6-1は、本体300上部に、タッチパネル309を表面に設けた表示ディスプレイ(液晶表示ディスプレイなど)308を備えている。
また、POS端末6-1は、キーボード307の左側にレシートの排出口305-1を備えている。本体300に内蔵されているプリンタ305は、印字したレシートを、その排出口305-1から排出する。その他に、POS端末6-1は、商品のコードシンボルを読み取るスキャナ310や、クレジットカード等のカード情報の読み取りを行うカード読取装置311などを備えている。
(POS端末6-1の機能構成)
続いて、POS端末6-1の機能の構成について説明する。POS端末6-1は、CPU301がROM302やHDD304の予め記憶した対応プログラムをRAM303に順次読み出して実行することにより、商品登録や、会計や、商品照会や、拾得物届けなどに係る機能を発揮する。
図46は、その内の拾得物届けに係る機能の一例を示すブロック図である。図46に示すように、POS端末6-1は、通信部60や、入力受付部62や、画面表示部63や、拾得物情報届出部64や、落とし物報知部65などの機能を発揮する。
通信部60は、NIC312を介してサーバ装置5-1と通信を確立し、NIC312からの受信データの読み取りや、NIC312に対する拾得物情報等の送信データの送り出しなどを行う。
入力受付部62は、キーボード307やタッチパネル309からの入力操作を受け付ける。
画面表示部63は、表示ディスプレイ308に対し、拾得物届出画面やポップアップ画面などの画面情報を表示する。
拾得物情報届出部64は、拾得物届出画面でオペレータから入力を受け付けた拾得物情報を登録要求信号のデータ部に格納し、サーバ装置5-1に対する登録要求信号の送信を通信部60に指示する。
落とし物報知部65は、通信部60が読み取った受信データが問い合わせ要求信号のものである場合に、落とし物が付近にないか調査を促す画面情報(メッセージ等)を生成して画面表示部63に出力する。問い合わせ要求信号のデータ部に落とし物についての情報が格納されている場合には、落とし物報知部65は、当該落とし物についての情報を含む画面情報を生成する。当該画面情報の表示方法については、ポップアップによる表示やアラートによる表示など、適宜設定して良い。
移動端末2は、図10に示す機能構成において、ビューア部26が、更に、落とし物案内サービスを利用する機能を有する。なお、移動端末2のハードウエア構成については図3を参照する。
(拾得物の届出に係る全体システムのシーケンス)
次に、落とし物案内システム500-1の装置間の通信フローについて説明する。
図47は、POS端末6-1がサーバ装置5-1に拾得物情報を届ける場合の、落とし物案内システム500-1の装置間の通信を示すシーケンス図である。
先ず、POS端末6-1を有する店舗において店員が客の落とし物を発見する(S31)。
続いて、店員の操作により、POS端末6-1は、拾得物届出画面を表示ディスプレイ308に表示し、拾得物情報の入力を受け付ける(S32)。
そして、POS端末6-1は、拾得物情報を格納した登録要求信号をサーバ装置5-1に送信する(S33)。
サーバ装置5-1は、POS端末6-1から送信された登録要求信号を受信すると、その届出のあった拾得物情報を拾得物管理テーブルT6に登録する(S34)。
その他の店舗において店員が別の落とし物を発見した場合は、ステップS31~ステップS34と同様の手続きにより各装置間で届出の手続きが行われる。
(サーバ装置5-1の処理フロー)
ここで、サーバ装置5-1における拾得物情報の登録処理について説明する。CPU101(通信部10)は、NIC106によりPOS端末6-1の接続要求信号を受信すると、NIC106を介してPOS端末6-1と通信を確立する。
CPU101(通信部10)は、更にNIC106によりPOS端末6-1からの送信信号を受信すると、その情報(受信データ)を読み取り、振分処理部11を呼び出して各種のサービス処理を任せる。
CPU101(振分処理部11)は、要求のあったPOS端末6-1毎にセッション情報を管理し、受信データの要求内容に応じて処理を制御する。ここで説明する拾得物情報の登録処理において、CPU101(振分処理部11)は、拾得物情報登録部90を対象に処理を制御する。CPU101(拾得物情報登録部90)は、受信データの拾得物情報を拾得物管理テーブルT6に登録する。
本実施形態では、CPU101(拾得物情報登録部90)は、店舗情報テーブルT4(図8参照)を参照し、受信データの送信元アドレス(IPアドレスやMACアドレスなど)に対応する店舗の店名や位置情報などを取得する。そして、CPU101(拾得物情報登録部90)は、拾得物情報と上記の取得した情報とを対応付けて拾得物管理テーブルT6に登録する。
例えば、CPU101(拾得物情報登録部90)が、拾得物情報として、拾得日「2016年1月11日 午後2時」、拾得物の名称「バッグ」、拾得物の特徴「ベージュ」と「ショルダー式」を受け取ったとする。その場合、CPU101(拾得物情報登録部90)は、それらの情報と、店舗情報テーブルT4から取得した店舗を特定する情報(店名や位置情報)とを、一レコード情報として、それぞれ、拾得日情報1001と、拾得物の名称1002と、拾得物の特徴1003と、保管場所1004とに登録する。
この登録により、図44に示すレコードDTが生成される。CPU101(通信部10)は、NIC106によりPOS端末6-1からの切断要求信号を受信したり、予め設定した制限時間が経過したりすることにより、POS端末6-1との通信を切断する。
なお、拾得物の一時保管後に、その拾得物が管理事務所などへ移った場合には、管理事務所の管理端末などからサーバ装置5-1へ接続し、拾得物管理テーブルT6の対象レコードを更新し、その保管場所を管理事務所の情報に変更する。
(POS端末6-1の表示画面)
図48は、拾得物届出画面の一例を示す図である。図48に示す拾得物届出画面G20は、入力ボックスC20と、入力ボックスC21と、入力ボックスC22と、入力ボックスC23とを有する。また、拾得物届出画面G20は、「送信」ボタンB20と「終了」ボタンB21とを有する。入力ボックスC20は、拾得日時を示す情報を入力するためのものである。入力ボックスC21は、拾得物の名称を入力するためのものである。入力ボックスC22は、拾得物の特徴を入力するためのものである。入力ボックスC23は、保管場所を示す情報を入力するためのものである。「送信」ボタンB20は、各入力ボックスC20、C21、C22、C23に入力した情報の送信を宣言するための操作ボタンである。「終了」ボタンB21は、拾得物届出画面の終了を宣言するための操作ボタンである。
POS端末6-1のCPU301は、店員によるアイコンなどの操作により拾得物届出プログラムの実行指示が入力されると、対応する機能部を実現し、表示ディスプレイ308に拾得物届出画面G20を表示する。CPU301は、拾得物情報の入力を受け付け、更に「送信」ボタンB20の入力を受け付けると、CPU301(拾得物情報届出部64)が拾得物情報を格納した送信データを生成し、CPU301(通信部60)がそのデータをサーバ装置5-1へ送信する。
(落とし物の問い合わせに係る全体システムのシーケンス)
図49は、移動端末2がサーバ装置5-1に落とし物の問い合わせを行う場合の、落とし物案内システム500-1の装置間の通信を示すシーケンス図(その1)である。
先ず、移動端末2は、入力画面(落とし物入力画面)を表示ディスプレイ250に表示し、落とし物についての情報の入力を受け付ける(S41)。本実施形態では、移動端末2は、トップ画面に落とし物探索ボタンを設けておき、その操作入力により、表示ディスプレイ250に落とし物入力画面を表示する。
そして、移動端末2は、落とし物についての情報を格納した落とし物情報要求信号をサーバ装置5-1に送信する(S42)。
サーバ装置5-1は、移動端末2から送信された落とし物情報要求信号を受信すると、それに対応する拾得物情報の届出があるか拾得物管理テーブルT6の登録情報を照会する(S43)。
サーバ装置5-1は、拾得物管理テーブルT6の登録情報において該当する拾得物情報の届出があると当該拾得物情報を問い合わせ元の移動端末2に返信する(S44)。
移動端末2は、サーバ装置5-1から送信された上記拾得物情報を表示ディスプレイ250に表示する(S45)。
図50は、移動端末2がサーバ装置5-1に落とし物の問い合わせを行う場合の、落とし物案内システム500-1の装置間の通信を示すシーケンス図(その2)である。なお、シーケンス図(その1)と重複する箇所については適宜説明を省略する。
サーバ装置5-1は、シーケンス図(その1)のステップS43において、拾得物情報の届出があるか拾得物管理テーブルT6の登録情報を照会する。この照会により、該当する拾得物情報の届出がない場合に、サーバ装置5-1は、問い合わせ元の移動端末2の移動範囲内の各店舗のPOS端末6-1に対し、問い合わせ要求信号を送信する(S51)。
POS端末6-1は、店員が周辺を調査するなどし、特徴に似た落とし物を発見すると、拾得物の発見信号をサーバ装置5-1に返信する(S52)。
サーバ装置5-1は、問い合わせを行った少なくとも何れか一つのPOS端末6-1から発見信号を受信すると、届出登録処理を行う(S53)。
そして、サーバ装置5-1は、問い合わせ元の移動端末2に通知信号を送信する(S54)。
移動端末2は、サーバ装置5-1から通知信号を受信すると、移動端末2の設定に応じて例えば報知音を鳴らしたり振動部を振動させたりするなどして、サービス利用者に落とし物の発見を報知する(S55)。
その後、移動端末2は、再び、サーバ装置5-1に当該落とし物の問い合わせを行うなどの、シーケンス図(その1)のステップS42~ステップS45に対応するステップS56~ステップS59の手続きを通じて、拾得物情報を取得する。
(サーバ装置5-1の処理フロー)
次に、サーバ装置5-1のサービス処理について説明する。サーバ装置5-1のサービス処理は、振分処理部11による制御の下に行われる。
図51は、サーバ装置5-1の処理フローの一例を示す図である。先ず、CPU101(振分処理部11)は、通信部10により読み取られた受信データの要求情報を確認し、落とし物の問い合わせを示すものであるかを判定する(S161)。
要求内容が落とし物の問い合わせを示す要求である場合(ステップS161:Yes判定)、振分処理部11による制御により、CPU101(拾得物情報抽出部91)は、受信データのデータ部に格納されている落とし物についての情報を検索条件としてセットし、拾得物管理テーブルT6から該当レコードを抽出する(S162)。
例えば、上記データ部に、落とし物についての情報として「拾得物の名称」を示す情報(例えばタグ情報)と検索情報が格納されているとする。その場合、CPU101(拾得物情報抽出部91)は、拾得物管理テーブルT6の拾得物の名称1002をキーに検索情報に該当するレコードの抽出処理を行う。なお、落とし物についての情報として「拾得日情報」と「拾得物の名称」と「拾得物の特徴」など、複数のタグ情報と検索情報のセットが格納されている場合には、それぞれに対応する項目に各検索情報を有するレコードを、拾得物管理テーブルT6から抽出する。
続いて、CPU101(振分処理部11)は、拾得物情報抽出部91により該当レコードが抽出されたかを判定する(S163)。
拾得物情報抽出部91により該当レコードが抽出された場合(S163:Yes判定)、振分処理部11による制御により、CPU101(時系列データ抽出部14)は、問い合わせ元の動線データ管理テーブルT1から時系列データを抽出する(S164)。具体的に、CPU101(時系列データ抽出部14)は、受信データのヘッダに格納されているIPアドレスやMACアドレスなどを読み取り、これに対応する問い合わせ元の識別情報に基づいて問い合わせ元の動線データ管理テーブルT1を指定する。そして、CPU101(時系列データ抽出部14)は、当該動線データ管理テーブルT1から、その日の時系列データを抽出する。
続いて、振分処理部11による制御により、CPU101(地図データ抽出部15)は、時系列データ抽出部14により抽出された時系列データの推定位置情報が指し示す位置を含む地図データを地図情報テーブルT3(図7参照)から抽出する(S165)。
続いて、振分処理部11による制御により、CPU101(最短ルート検索部19)は、保管場所までの最短ルートを検索する(S166)。具体的に、CPU101(最短ルート検索部19)は、拾得物情報抽出部91が抽出した該当レコードに含まれる保管場所(位置情報)を目的地として設定する。また、CPU101(最短ルート検索部19)は、時系列データ抽出部14により抽出された時系列データの順番が最後の推定位置情報を現在地として設定する。そして、CPU101(最短ルート検索部19)は、現在地から保管場所(目的地)までの最短ルートを、地図データ抽出部15により抽出された地図データに基づいて検索する。
続いて、振分処理部11による制御により、CPU101(画面情報生成部12)は、画面情報を生成する(S167)。例えば、上記最短ルートを示すデータと上記地図データとを合成した画像や、拾得物情報抽出部91が抽出したレコードの情報などを含む画面情報を生成する。
そして、CPU101(振分処理部11)は、通信部10に対し、画面情報生成部12が生成した画面情報を渡して、問い合わせ元の移動端末2を宛先とする当該画面情報の返信を指示する(S168)。
なお、ステップS161において要求内容が落とし物の問い合わせを示す要求でない場合(ステップS161:No判定)、CPU101(振分処理部11)は、その要求が拾得物の発見を示す要求(拾得物発見要求)であるかを判定する(S174)。その要求が拾得物発見要求でもない場合には(ステップS174:No判定)、その他のサービス処理に対応する機能部に処理を振り分けて処理を行う(S175)。その要求が拾得物発見要求である場合は(ステップS174:Yes判定)、CPU101は、ステップS176からの処理を行う。ステップS176からの処理については後に説明するものとする。
また、ステップS163において、拾得物情報抽出部91により該当レコードが抽出されなかった場合(S163:No判定)、CPU101は次のように動作する。先ず、振分処理部11による制御により、CPU101(時系列データ抽出部14)は、問い合わせ元の動線データ管理テーブルT1から時系列データを抽出する(S169)。
続いて、振分処理部11による制御により、CPU101(地図データ抽出部15)は、時系列データ抽出部14により抽出された時系列データの推定位置情報が指し示す位置を含む地図データを地図情報テーブルT3(図7参照)から抽出する(S170)。
続いて、振分処理部11による制御により、CPU101(移動範囲指定部17)は、時系列データ抽出部14により抽出された時系列データの各推定位置情報を基に、各推定位置を結ぶ経路の経路沿いのエリアを移動範囲とする範囲指定情報を算出する(S171)。
続いて、振分処理部11による制御により、CPU101(落とし物問い合わせ部92)は、移動範囲指定部17が算出した範囲指定情報を検索条件に、該当する店舗の店舗情報を全て抽出する(S172)。具体的に、CPU101(落とし物問い合わせ部92)は、範囲指定情報が示すエリア内に位置する店舗を店舗情報テーブルT4の店舗位置情報802から検索する。例えば、範囲指定情報が推定位置からの距離を示す情報であるとする。その場合、店舗位置情報802の位置情報が推定位置からの距離の間にあるものを範囲指定情報が示すエリア内の店舗とし、その店舗を示す店舗情報を抽出する。なお、店舗情報には、その店舗に設置されたPOS端末6-1のIPアドレスやMACアドレス等の識別情報が含まれるものとする。
続いて、CPU101(振分処理部11)は、移動端末2から送信された落とし物についての情報を問い合わせ要求信号のデータ部に格納し、ステップS171で抽出した移動範囲のエリアの店舗のそれぞれのPOS端末6-1を宛先とする問い合わせ要求信号の送信を通信部10に指示する(S173)。これにより、CPU101(通信部10)は、指定されたPOS端末6-1のIPアドレスを宛先とする照会要求信号を生成して送信する。
続いて、ステップS174においてYes判定の場合の、ステップS176からの処理について説明する。
先ず、振分処理部11による制御により、CPU101(拾得物情報登録部90)は、移動端末2から提供された落とし物についての情報を届出登録処理する(S176)。具体的に、振分処理部11は、移動端末2の識別情報や、移動端末2から提供された落とし物についての情報や、ステップS172で取得した店舗情報や、問い合わせ番号などを対応付けて一時的に管理している。振分処理部11は、受信データの要求が拾得物発見要求である場合、受信データが含む問い合わせ番号や送信元のIPアドレスなどから、該当する店舗の店舗情報を選択する。これにより、CPU101(拾得物情報登録部90)は、振分処理部11から落とし物についての情報や選択された店舗情報を受け取り、それらを一レコード情報として拾得物管理テーブルT6に登録する。
続いて、振分処理部11による制御により、CPU101(通知部93)は、通知データを生成する(S177)。通知部93は、移動端末2が有する報知機能を作動させる信号を埋め込むなどして通知データを生成する。
そして、CPU101(振分処理部11)は、通信部10に対し、通知部93が生成した通知データを渡し、問い合わせ元の移動端末2を宛先とする通知データの送信を指示する(S178)。これにより、CPU101(通信部10)により問い合わせ元の移動端末2に向けて通知信号が送信され、移動端末2の報知機能が作動する。
(POS端末6-1の処理フロー)
図52は、POS端末6-1の処理フロー図である。先ず、CPU301(通信部60)は、受信データを確認し、受信データが問い合わせ要求信号のものであるかを判定する(S301)。
受信データが問い合わせ要求信号のものでない場合(ステップS301:No判定)、受信データの要求処理を行う他の機能部が処理を行う(S306)。
受信データが問い合わせ要求信号のものである場合(ステップS301:Yes判定)、CPU301(落とし物報知部65)は、落とし物が付近にないか調査を促す画面情報を生成して画面表示部63に出力する(S302)。
続いて、CPU301(画面表示部63)は、上記画面情報に基づき、表示ディスプレイ308に落とし物が付近にないか調査を促す画面を表示させる(S303)。一例として、ポップアップ画面を表示させるものとする。
続いて、CPU301(入力受付部62)は、ポップアップ画面から発見ボタンの入力を受け付ける(S304)。
入力受付部62が発見ボタンの入力を受け付けると、CPU301(落とし物報知部65)は、通信部60に対し、問い合わせ要求のあったサーバ装置5-1に発見信号を送信するように指示する(S305)。これにより、POS端末6-1はサーバ装置5-1に発見信号を送信する。
(調査を促す画面)
図53は、POS端末6-1で表示する調査を促す画面の一例のポップアップ画面を示す図である。図53に示すポップアップ画面G21は、確認情報J1と、落とし物についての情報J2と、「発見」ボタンB22とを有する。確認情報J1は、落とし物の調査を依頼するメッセージ情報である。落とし物についての情報J2は、落とし物の名称や特徴など、サービス利用者から提供された落とし物についての情報である。「発見」ボタンB22は、店員などが落とし物を発見した場合に押下する操作ボタンである。「発見」ボタンB22の押下により、POS端末6-1はサーバ装置5-1に発見信号を送信する。
(移動端末2の画面フロー)
図54は、移動端末2のアプリで使用する落とし物案内に係る画面の画面構成と画面フローの一例を示す図である。
図54に示すトップ画面G1aは図22に示すトップ画面G1に「落とし物探索ボタン」B1aを追加したものである。「落とし物探索ボタン」B1aは、落とし物の問い合わせをサーバ装置5-1に行うための入力フォーム画面の呼び出しをビューア部26に指示するための操作ボタンである。「落とし物探索ボタン」B1aがタッチ操作されると、ビューア部26は入力フォーム画面G2aを表示し、落とし物についての情報の入力を受け付ける。
図54に示す入力フォーム画面G2aは、入力ボックスC1aと、入力ボックスC2aと、入力ボックスC3aと、「送信」ボタンB2aと、「戻る」ボタンB7と、「終了」ボタンB5を設けている。
入力ボックスC1aは、落とした物の名称を入力するための入力ボックスである。入力ボックスC2aは、落とした物の特徴を入力するための入力ボックスである。入力ボックスC3aは、落とした日時や時間帯を入力するための入力ボックスである。
ビューア部26は、「送信」ボタンB2aがタッチ操作されると、入力ボックスC1aと、入力ボックスC2aと、入力ボックスC3aとにそれぞれ入力された情報を、それぞれのタグ情報などを付加しサーバ装置5-1に落とし物情報要求信号として送信する。
因みに、入力フォーム画面G2aの「戻る」ボタンB7は、一つ前の表示画面に戻すことをビューア部26に指示するための操作ボタンである。「戻る」ボタンB7は、後述する他の画面にも適宜設けている。また、「終了」ボタンB5は、アプリの終了をビューア部26に指示するための操作ボタンである。「終了」ボタンB5もまた、後述する各画面に設けている。
サーバ装置5-1において落とし物に該当する拾得物がある場合、移動端末2は、サーバ装置5-1からその拾得物の保管場所を示す最短ルート情報を受信し、最短ルート画面を表示する。
図54に示す最短ルート画面G4aは、保管場所までの最短ルートを示す地図データを表示する地図表示エリアE4aなどを有する。
地図表示エリアE4aは、図25に示す最短ルート画面G6の地図表示エリアE4と同様のものである。つまり、サービス利用者の動線上の最終位置を黒丸の記号(黒丸r1aの記号)で示し、保管場所を星印r2aで示し、最終位置から保管場所までの最短ルートを点線l1aで示している。
サーバ装置5-1において落とし物に該当する拾得物が無く、サーバ装置5-1がPOS端末6-1に問い合わせを行った場合には、移動端末2はサーバ装置5-1からの通知により通知画面を表示し、その後、サーバ装置5-1へアクセスして最短ルート情報を取得する。
図54に示す通知画面G3aは、通知情報J3と「送信」ボタンB3aなどを設けている。通知画面G3aは、サーバ装置5-1からの通知により、移動端末2の報知機能が作動し、それと共に表示される。通知情報J3aは、落とし物が発見されたことを示すメッセージ情報である。「送信」ボタンB3aは、落とし物の保管場所を再度取得するための操作ボタンである。「送信」ボタンB3aがタッチ操作されると、直近に入力された落とし物についての情報を、サーバ装置5-1に落とし物情報要求信号として送信する。
以上のような構成により、移動端末2は、落とし物の探索を要求すると、サーバ装置5-1から、自装置が移動した範囲内において発見された拾得物の保管場所を示す情報を取得することができる。また、既に発見された拾得物の中に利用者の落とし物に一致するものが無い場合であっても、サーバ装置5-1は、移動端末2が移動した範囲内の店舗のPOS端末などに落とし物の問い合わせ信号を送信し、落とし物が発見されるとPOS端末からその通知を受信する。そして、サーバ装置5-1は、落とし物が発見されたことを移動端末に通知する。このため、移動端末2は、発見後のサーバ装置5-1からの通知により、そのサーバ装置5-1から、拾得物の保管場所を示す情報を取得することができる。
(第11の実施形態)
本実施形態では、第10の実施形態に示すサーバ装置5の落とし物に係るサービスをマルチメディア端末が提供する場合の実施形態について示す。
本実施形態に係る落とし物案内システムは、第10の実施形態に示す落とし物案内システム500-1のネットワーク構成において、サーバ装置5-1をマルチメディア端末M4(図55参照)に代えたものである。なお、このマルチメディア端末M4は、商業施設U1内の所定の場所に設置し、サービス利用者に対し、移動端末2の操作画面に代えて落とし物に係る案内画面を提供する。
マルチメディア端末M4は、サービス利用者のアクセスにより、落とし物の調査の実施や落とし物の保管場所の案内などのサービスを提供する。例えば、マルチメディア端末M4は、案内画面の操作によりサービス利用者から落とし物についての問い合わせの入力があると、各POS端末6-1からの情報提供を基に、落とし物に該当する拾得物の保管場所を案内画面に表示する。
POS端末6-1は、拾得物を発見した場合に、その拾得物の情報(拾得した日時や、拾得物の名称や、拾得物の特徴などを示す情報)をマルチメディア端末M4に通知する。
(マルチメディア端末M4の機能構成)
続いて、マルチメディア端末M4の機能の構成について説明する。なお、マルチメディア端末M4のハードウエア構成については、図36を参照するものとする。
マルチメディア端末M4は、CPU401がROM402やHDD405の各種のプログラムをRAM403に順次読み出して実行することにより、図55に示す各機能部を発揮する。
図55は、マルチメディア端末M4の落とし物案内サービスに係る機能の一例を示すブロック図である。なお、第10の実施形態に示すサーバ装置5-1が提供する機能(図43参照)と同様の機能については同一の番号を付す。また、第5の実施形態に示すマルチメディア端末M1の機能(図37参照)と同様の機能については同一の番号を付す。
以下、主に、サービス利用者とのインターフェースに係る機能について説明する。
ビューア部95は、落とし物案内サービスに係る画面情報をHDD405から取得して画面表示部82に出力する。例えば、ビューア部95は、入力受付部81の受け付け内容に応じて対応する画面を画面表示部82に出力する。また、ビューア部95は、入力受付部81の受け付け内容に応じて振分処理部11から画面情報を取得し、その画面を出力する。
振分処理部11は、ビューア部95からの依頼により、自装置内の各種のサービス処理を制御する。また、振分処理部11は、ビューア部95からの依頼内容に応じて、第1の通信部83を介してPOS端末6-1に落とし物の問い合わせを行う。
なお、これ以上の各部の説明や、通信処理などの説明については、第5の実施形態や第10の実施形態など、その他の実施形態において既に説明済みのことを再度繰り返すことになるため、ここでの更なる説明は省略する。
本実施形態の情報処理装置、システム、移動端末で使用する各種プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供し、各装置のHDDやフラッシュROMなどに読み込ませて実行してもよい。
また、当該プログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。
ビーコンを利用した場合、そのビーコンの設置の必要性から、コストがかかる場合がある。また、ビーコンの設置にあたっては、建物や土地の関係者への調整が必要となることから、活用が狭い領域に限られる場合がある。GPSは、市街地などの広範囲で活用できる。しかしGPSは地下街などの電波が届きにくい場所では利用できない場合がある。さらにはGPSを一般的に利用する場合において、10m程度の誤差が発生する場合がある。地磁気データの利用も可能であるため、地磁気データを利用しても良い。
地磁気データを用いることで比較的測位精度が高く、徒歩にも適しているシステムを提供することができる。例えば、事前に、建物や地下街の地図情報とそれぞれの地点における地磁気データを、データベースに登録しておく。また、移動端末の有しているセンサ技術を用いて移動端末の場所の地磁気データを収集する。そして、上記データベースに登録されている地磁気データと、移動端末の場所の地磁気データとを重ね合わせることにより、移動端末の現在地を特定する。これにより、移動端末の各移動場所で測位されたログデータを用いることにより、動線データを収集することができる。
徒歩で買い物等をしているユーザが移動してきた経路上で目にした店舗へ戻りたい、ただし目的の店舗ではなかったことから、具体的な店舗の場所までは記憶に残っていないといったことがある。このような場合に、上記のような精度の高い動線データを用いることにより、経路に沿っている店舗に絞り込んで店舗を探すことを精度良く行うことが可能になる。例えば、自分が通ってきた経路で見かけたカバンを再び見たい場合に、自分が通ってきた経路に沿った店舗の中から、カバン店を探すことで、見かけた店舗に容易に戻ることが可能となる。
以上の実施形態において、情報処理装置、システム、移動端末、及びプログラムについての構成を説明したが、各実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態や変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。