JP7044837B2 - オゾン殺菌装置 - Google Patents

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Description

本発明は、密閉空間内をオゾンで殺菌するオゾン殺菌装置、とくに人体に影響を与えるオゾンの安全管理に優れたオゾン殺菌装置に関する。
オゾンは強い酸化力を持つ気体で、浄水設備や空気浄化装置などの殺菌技術に活用されている。新型コロナウィルス(COVID-19)の感染拡大を機に殺菌装置の需要が増大しており、オゾン活用の場面が増えている。大学研究においても、令和2年5月14日に、奈良県立医科大学の研究グループが世界で初めてオゾンガス曝露による新型コロナウイルスの不活化を確認したことをプレスリリースしている。
オゾン殺菌装置を使用した技術としては、例えば、文献1に示すように、収納空間を囲む内面の所要個所にオゾン発生装置を設置し、白衣などの衣服を空間内で収納し、それら衣類の衛生度合いを高めるようにしたものなどがある。
特開平8-150194号公報
しかしながら、高濃度のオゾンは人体に影響を与える危険性があるため、オゾン殺菌装置を使用する際は空間のオゾン濃度管理は欠かせない。
したがって、本発明は、人体に影響を与えるオゾンの安全管理に優れたオゾン殺菌装置を提供することを目的としている。
以下に、課題を解決するための手段として複数の態様を説明する。これら態様は、必要に応じて任意に組み合せることができる。
本発明に係るオゾン殺菌装置の特徴構成は、密閉空間の空気を吸気口から吸気する吸気ファンと、オゾンを発生するオゾン発生器と、オゾン発生器を通過した空気を送出口より送出し、密閉空間に充満させる送出ファンと、オゾンを分解するオゾン分解器と、を備えた1以上のオゾン殺菌装置本体と、オゾン殺菌装置本体外に検知器として配置され、密閉空間のオゾン濃度を監視するオゾンセンサと、オゾン殺菌装置本体内またはオゾン殺菌装置本体外に配置され、オゾンセンサで検知されたオゾン濃度に基づいて、少なくとも吸気ファン、オゾン発生器および送出ファンの稼働を制御するコントローラと、を備えている。
この構成により、密閉空間内のオゾン濃度を監視しながら殺菌処理開始から完了まで(より詳しくは発生、殺菌、分解の3段階)を行うので、十分な殺菌効果が得られるCT値 (Concentration-Time Value:ガス濃度ppm×時間min)に殺菌処理開始から短時間で到達させ、その後はさらに不必要な殺菌処理を続けることなく、密閉空間内のオゾン濃度が人体に有害でない状態になる殺菌処理完了まで短時間で到達させることができ、極めて効率的である。したがって、本発明のオゾン殺菌装置は、密閉空間の安全管理に優れる。
1つの態様として、オゾンセンサが、密閉空間に分散して複数配置されていると好適である。例えば、密閉空間の少なくとも天井付近にオゾンセンサが配置されているとより好適である。
この構成により、分散した複数の箇所でオゾン濃度を監視するため、密閉空間におけるオゾンの充満具合を正確に把握することができる。オゾンは空気よりも重く、密閉空間の床に向かって降りていくため、密閉空間内でも場所によってオゾンの拡散具合に差が出る。例えば、密閉空間の天井付近、その中でも立方体状の密閉空間であればとくにその四隅にオゾンが届くのが遅れる。したがって、オゾンセンサを密閉空間に分散配置することで、隅々までオゾンが行き渡っていることを確認する。
1つの態様として、送出口が、送出側風向調整板をさらに備え、オゾン発生器から発生したオゾンを含む空気を密閉空間へ送出している間、1以上のオゾン殺菌装置本体について、コントローラが、密閉空間のうちオゾン濃度が薄い方向に優先的にオゾンを含む空気を送出するように、送出側風向調整板を制御すると好適である。
この構成により、オゾン発生段階およびオゾン殺菌段階で、密閉空間に分散して複数配置されているオゾンセンサで検知されたオゾン濃度にバラツキがあるとき、密閉空間のうちオゾン濃度が薄い方向に優先的にオゾンを含む空気を送出することで、密閉空間内のオゾン濃度のバラツキを解消することができる。その結果、密閉空間の全ての個所で十分な殺菌効果が得られるとともに、CT値に殺菌処理開始から短時間で到達させることができる。
送出側風向調整板を備える別の態様として、オゾン濃度が薄い方向に優先的にオゾンを含む空気を送出しているオゾン殺菌装置本体について、コントローラが、当該オゾン殺菌装置本体の送出量を増やすように、送出ファンを制御すると好適である。
この構成により、オゾン発生段階およびオゾン殺菌段階で、密閉空間内のオゾン濃度のバラツキを解消することがさらに容易になる。
1つの態様として、吸気口が、吸気側風向調整板をさらに備え、密閉空間から吸気した空気中に含まれるオゾンをオゾン分解器が分解している間、1以上のオゾン殺菌装置本体について、コントローラが、密閉空間のうちオゾン濃度が濃い方向から優先的にオゾンを含む空気を吸気するように、吸気側風向調整板を制御すると好適である。
この構成により、オゾン分解段階で、密閉空間に分散して複数配置されているオゾンセンサで検知されたオゾン濃度にバラツキがあるとき、密閉空間のうちオゾン濃度が濃い方向から優先的にオゾンを含む空気を吸気することで、密閉空間内のオゾン濃度のバラツキを解消することができる。その結果、密閉空間の全ての個所でオゾン濃度が人体に有害でない状態に短時間で到達させることができる。
吸気側風向調整板を備える別の態様として、オゾン濃度が濃い方向から優先的にオゾンを含む空気を吸気しているオゾン殺菌装置本体について、コントローラが、当該オゾン殺菌装置本体の吸気量を増やすように、吸気ファンを制御すると好適である。
この構成により、オゾン分解段階で、密閉空間内のオゾン濃度のバラツキを解消することがさらに容易になる。
1つの態様として、送出口が、送出側風向調整板をさらに備え、
空気を密閉空間へ送出している間、
1以上のオゾン殺菌装置本体について、分散して複数配置されたオゾンセンサで検知されたオゾン濃度に基づいて、コントローラが、密閉空間の空気が攪拌されるように、送出側風向調整板を床方向へ向けて制御すると好適である。
この構成により、オゾン発生、殺菌、分解段階で、密閉空間に分散して複数配置されているオゾンセンサで検知されたオゾン濃度にバラツキがあるとき、送出側風向調整板を床方向へ向けて空気を送出することで、密閉空間内の空気が攪拌され、密閉空間内のオゾン濃度のバラツキを解消することができる。より好ましくは、攪拌度合いを増すために、床方向へ向けて送出する空気を水平方向に変化させる。
1つの態様として、前記密閉空間内の空気を攪拌させる空気循環器を床方向に向けてさらに備え、
分散して複数配置された前記オゾンセンサで検知された前記オゾン濃度に基づいて、前記コントローラが、前記空気循環器の稼働を制御すると好適である。
この構成により、オゾン発生、殺菌、分解段階で、密閉空間に分散して複数配置されているオゾンセンサで検知されたオゾン濃度にバラツキがあるとき、空気循環器から床方向へ向けて風を送ることで、密閉空間内の空気が攪拌され、密閉空間内のオゾン濃度のバラツキを解消することができる。
1つの態様として、密閉空間またはオゾン殺菌装置本体が、0.1ppm以下のオゾンを含む空気を密閉空間から排気する排気手段をさらに備え、オゾンセンサで検知されたオゾン濃度に基づいて、コントローラが排気手段の稼働を制御すると好適である。
この構成により、オゾン分解段階で密閉空間の全ての個所でオゾン濃度が人体に有害でない0.1ppm以下の状態に到達した後、この人体に有害でない空気を排気手段で密閉空間から排気するので、一気に密閉空間内のオゾンを除去できる。したがって、オゾン殺菌装置本体内のオゾン分解器(フィルタ)による分解時間が減るため、オゾン分解器の寿命が延び、オゾン分解器の交換回数を減らすことができる。
1つの態様として、密閉空間の外側に配置されて密閉空間への立ち入り可否を可変表示する状態表示器をさらに備え、オゾンセンサで検知されたオゾン濃度に基づいて、コントローラが状態表示器の稼働を制御すると好適である。
この構成により、密閉空間内のオゾン濃度が人体に有害な状態で高くなっているとオゾンセンサで検知すると、コントローラが状態表示器を稼働させて密閉空間へ立ち入り不可であることを表示する。逆に、密閉空間内のオゾン濃度が人に無害な状態まで低くなっているとオゾンセンサで検知すると、コントローラが状態表示器を稼働させて密閉空間へ立ち入り可能であることを表示する。その結果、密閉空間への立ち入り可否を、密閉空間の外側に居て視覚的に知ることができる。
1つの態様として、密閉空間の出入口の扉を施解錠する電気錠をさらに備え、オゾンセンサで検知されたオゾン濃度に基づいて、コントローラが電気錠の稼働を制御すると好適である。
この構成により、密閉空間内のオゾン濃度が人体に有害な状態まで高くなっているとオゾンセンサで検知すると、コントローラが電気錠を稼働させて密閉空間の出入口の扉を施錠する。逆に、密閉空間内のオゾン濃度が人に無害な状態まで低くなっているとオゾンセンサで検知すると、コントローラが電気錠を稼働させて密閉空間の出入口の扉を開錠する。その結果、有害なオゾン濃度の空気が密閉空間内に充満している状態で、そのことを知らずに人が密閉空間内に立ち入ろうとしても、施錠されているので扉が開かない。
1つの態様として、密閉空間に別の検知器として配置され、人の動きを監視する人感センサをさらに備え、人感センサで検知された密閉空間内の人の動きに基づいて、コントローラがオゾン発生器の稼働を制御すると好適である。
この構成により、オゾン殺菌開始前または開始時に密閉空間内にいる人の存在をオゾンセンサで検知すると、コントローラがオゾン発生器の稼働を開始しないか、開始していても即刻停止する。逆に、オゾン殺菌開始前または開始時に密閉空間内にいる人の存在をオゾンセンサで検知しないと、コントローラがオゾン発生器の稼働を開始するか、開始後も継続する。その結果、密閉空間内に人がいる状態では、密閉空間内の空気が人体に有害なオゾン濃度にならない。
1つの態様として、密閉空間の出入口付近に別の検知器として配置された人感センサと、警報を発する警報器と、をさらに備え、人感センサで検知された出入口付近の人の動きに基づいて、コントローラが警報器の稼働を制御すると好適である。
この構成により、オゾン殺菌中に密閉空間の出入口付近にいる人の存在をオゾンセンサで検知すると、コントローラが警報器を稼働させてオゾン殺菌中であることを密閉空間の出入口付近にいる人に警告する。その結果、オゾン殺菌中に密閉空間内に人が立ち入ることを防止できる。
人感センサと警報器を備える別の態様として、密閉空間の出入口付近に別の検知器として配置され、人の動きを監視するカメラをさらに備え、人感センサおよびカメラで検知された出入口付近の人の動きに基づいて、コントローラが警報器の稼働を制御すると好適である。
この構成により、オゾン殺菌中に密閉空間の出入口付近にいる人の存在をオゾンセンサだけでなくカメラでも検知すると、二重の監視となるため、さらに安全性が高まる。
1つの態様として、検知器、コントローラおよびコントローラによって制御される各機器の間の通信のうち少なくとも一つが無線であると好適である。
この構成により、通信のためのケーブルが不要となるため、密閉空間への各機器の設置の自由度が増す。とくに、密閉空間内にオゾンセンサを分散して複数配置する態様においいては顕著である。
1つの態様として、検知器からの検知情報およびコントローラからの稼働状況の情報が無線にて送信される管理者端末をさらに備えたと好適である。
この構成により、無線にて送信された情報が管理者端末表示されるので、オゾン殺菌装置の稼働状況の管理が、離れた場所から容易にできる。
1つの態様として、密閉空間が、室内、フロア内、屋内または乗り物内であると好適である。
本発明では、人体に影響を与えるオゾンの安全管理に優れたオゾン殺菌装置を得ることができる。
本発明の第1実施形態であるオゾン殺菌装置を示す説明図 本発明におけるオゾン殺菌装置本体の構造の一例を示す説明図 本発明におけるオゾンセンサの配置の一例を示す説明図 本発明の第2実施形態における送出口の一例を示す説明図 本発明の第2実施形態における送出口からの空気の流れの一例を示す説明図 本発明の第3実施形態における吸気口の一例を示す説明図 本発明の第3実施形態における吸気口への空気の流れの一例を示す説明図 本発明の第4実施形態における空気循環の一例を示す説明図 本発明の第5実施形態における空気循環の一例を示す説明図 本発明の第6実施形態における排気の一例を示す説明図 本発明の第7実施形態における立ち入り可否表示の一例を示す説明図 本発明の第8実施形態における出入口ロックの一例を示す説明図 本発明の第9実施形態における不在確認の一例を示す説明図 本発明の第10実施形態における接近アラームの一例を示す説明図 本発明におけるオゾン殺菌装置本体の構造の別の例を示す説明図 本発明におけるオゾン殺菌装置本体の配置の別の例を示す説明図 本発明におけるオゾン殺菌装置本体の配置の別の例を示す説明図 本発明における管理者端末の一例を示す説明図
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態について、図面に基づいて説明する。なお、本発明に関して提出した図面は、各図の説明の中で先に説明した図と重複する部分は、図を理解しやすくするために一部省略または簡略化している場合がある。
図1は、本発明の第1実施形態であるオゾン殺菌装置を示す説明図である。図2は、本発明におけるオゾン殺菌装置本体の構造の一例を示す説明図である。図3は、本発明におけるオゾンセンサの配置の一例を示す説明図である。
(1)オゾン殺菌装置の全体構造
本発明のオゾン殺菌装置1は、密閉空間2をオゾン殺菌するものである。密閉空間2とは、オゾン殺菌処理時に密閉され、通常時には出入口の扉を開閉して人が出入りできるものであり、例えば、室内、フロア内、屋内または乗り物内であるが、本実施形態では、バスを例として説明する。
図1に示すように、本発明のオゾン殺菌装置1は、オゾン殺菌装置本体10と、オゾン殺菌装置本体10外に検知器として配置されたオゾンセンサ11と、オゾン殺菌装置本体10外に配置されたコントローラ12と、を備えている。オゾン殺菌装置本体10は、図1に示す例では、天井と側面中央との間に左右1箇所ずつ配置されている。
(2)オゾン殺菌装置本体
オゾン殺菌装置本体10は、図2に示すように、密閉空間2の空気3を吸気口4から吸気する吸気ファン5と、オゾンを発生するオゾン発生器6と、オゾン発生器6を通過した空気3を送出口7より送出し、密閉空間2に充満させる送出ファン8と、オゾンを分解するオゾン分解器9と、を備えている。
図2に示す例では、オゾン殺菌装置本体10を構成する吸気ファン5、オゾン分解器9、オゾン発生器6および送出ファン8は、この順番で直列配置され、これらの間を空気3が移動する。なお、オゾン分解器9とオゾン発生器6との順番を入れ替えてもよいし、オゾン分解器9とオゾン発生器6とが並列配置されてもよい(図15参照)。
また、オゾン殺菌装置本体10内を移動した空気3は、吸気口4および送出口7を介して密閉空間2に出入りする。図1に示す例では、密閉空間2を構成するバスの外側に一体化してオゾン殺菌装置本体10が2つ配置されており、図2に示すように、吸気口4および送出口7のみがバス内部の密閉空間2に接している。
オゾン発生器6は、公知のものを使用することができる。
オゾン発生器6のオゾン発生方式は、大別すると無声放電方式、紫外線ランプ方式、コロナ放電方式等があり、最も一般的な方法は無声放電方式やコロナ放電方式である。
無声放電とは、平行電極間に誘電体を設け、この間に酸素ガス、乾燥空気等を供給し、両極間に交流高電圧を印加する際に観察される放電現象である。さらに無声放電の一種に沿面放電がある。沿面放電は、誘電体を挟んで一方に面電極(誘電電極)、他方に線電極(放電電極)を設け、この両電極間に交流高電圧を印加すると放電電極と誘電体の間で放電し、この際に線電極の周囲に沿って青白い放電が観察される。また、コロナ放電も無声放電と同様の放電である。
オゾン生成原理は、第1ステップとして、上記の各種放電により気体中に放出された電子を安定な酸素分子に衝突させ酸素原子に解離させる。第2ステップとして、3体衝突によりオゾンを形成させる。
オゾン分解器9は、公知のものを使用することができる。
オゾン分解器9のオゾン分解方式は、一般的には、低濃度域であれば活性炭吸着法を使用し、高濃度域の場合は触媒分解法などのフィルタが適している。また、触媒分解法と活性炭吸着法を組み合わせて、高濃度のオゾンを一気に分解してもよい。
活性炭吸着法では、オゾンは活性炭と反応し分解される。すなわち、炭素が酸化されて炭酸ガス、一酸化炭素が生成される。触媒分解法では、触媒を50~150℃にヒーター加熱して用い、オゾンの自己分解反応の活性化エネルギーを低下させる。オゾン分解触媒としては、例えばシリカ(SiO),アルミナ(Al),二酸化マンガン(MnO)などが挙げられる。中でも二酸化マンガン系の触媒は、オゾン分解効率が高いため広く利用されている。また、ハニカム構造の触媒を利用することで効率化できる。
吸気ファン5は、図2に示すようにオゾン殺菌装置本体10内の吸気口4近傍に配置され、回転することによって吸気口4から送出口7に向う空気流を発生させるものである。前述のように、本実施形態では、吸気ファン5、オゾン分解器9、オゾン発生器6、送出ファン8の順で直列配置されているので、吸気ファン5によって密閉空間2から吸気された空気3は、オゾン分解器9、オゾン発生器6の順で流れる。吸気ファン5としては、公知のものを使用することができる。
送出ファン8は、図2に示すようにオゾン殺菌装置本体10内の送出口7近傍に配置され、回転することによって吸気口4から送出口7に向う空気流を発生させるものである。前述のように、本実施形態では、吸気ファン5、オゾン分解器9、オゾン発生器6、送出ファン8の順で直列配置されているので、オゾン分解器9、オゾン発生器6の順で流れてきた空気3が、送出ファン8によって密閉空間2へ送出される。送出ファン8としては、公知のものを使用することができる。
なお、オゾンの気体は空気よりも重いため、時間の経過とともに自然に落下する。この性質を利用して、密閉空間2の天井付近に、オゾン殺菌装置本体10の送出口7を設けるのが効率的である。
(3)オゾンセンサ
オゾンセンサ11は、密閉空間2のオゾン濃度を監視するものである。
密閉空間2のオゾン濃度を監視するのは、第一に、高濃度のオゾンによって殺菌された密閉空間2内に人が入るときに、人への影響がないように密閉空間2の安全性を確保するためである。具体的には、安全基準である0.1ppm以下までオゾン濃度が十分に低くなっているか否かを監視する。米国のACGIH(米国政府関係産業衛生者会議)および日本の産業衛生学会許容濃度委員会は、0.1ppmを労働環境における許容濃度(8時間平均値)としている。
また、密閉空間2のオゾン濃度を監視するのは、第二に、高濃度のオゾンによって密閉空間2内を殺菌するときに、必要な殺菌効果を確保するためである。具体的には、殺菌に必要な少なくとも0.5ppm程度までオゾン濃度が十分に高くなっているか否かを監視する。
オゾンセンサ11としては、例えば、ITO(インジウム-スズ複合酸化物)を感ガス材に使用した半導体式ガスセンサを用いることができる。半導体式ガスセンサは、アルミナ基板上に形成した感ガス材薄膜をヒーターで加熱した際に起こる酸化還元反応を利用してガスを検出するものです。また、他方式のガスセンサを用いてもよい。
オゾンセンサ11は、密閉空間2に分散して複数配置されていると好適である。例えば、図3に示す例では、密閉空間2が立方体状であり、天井付近の四隅にオゾンセンサ11がそれぞれ配置されている。
このように構成されたオゾン殺菌装置1では、分散した複数の箇所でオゾン濃度を監視するため、密閉空間2におけるオゾンの充満具合を正確に把握することができる。
例えば、オゾンは空気よりも重く、密閉空間2の床に向かって降りていくため、密閉空間2内でも場所によってオゾンの拡散具合に差が出やすい。すなわち、密閉空間2の天井付近ではオゾン濃度が低く、密閉空間2の床付近ではオゾン濃度が高くなる。
また、図2に示すように、吸気口4および送出口7のみがバス内部の密閉空間2に接している場合、吸気口4および送出口7の開口面は、密閉空間2の壁面に平行である。何故ならば、密閉空間2の内側全体に対する空気3の送出または吸気の効率が最も良いからである。しかし、例示したバスのように立方体状の密閉空間2であれば、その四隅にオゾンが届くのが遅れるため、やはり密閉空間2内でも場所によってオゾンの拡散具合に差が出やすい。すなわち、密閉空間2の四隅付近ではオゾン濃度が低く、中央空間2の床付近ではオゾン濃度が高くなる。
したがって、オゾンセンサ11を密閉空間2に分散配置することで、隅々までオゾンが行き渡っていることを確認できる。
なお、本実施形態におけるオゾンセンサ11の分散配置は、天井付近だけに限定されるものではなく、図3に示すように、その他の個所にもオゾンセンサ11を適宜配置することができる。
(4)コントローラ
コントローラ12は、本実施形態では、オゾンセンサで検知されたオゾン濃度に基づいて、吸気ファン5、オゾン発生器6および送出ファン8の稼働を制御する。
例えば、吸気ファン5、オゾン発生器6および送出ファン8のオン/オフや、吸気ファン5および送出ファン8の回転数を制御することで、密閉空間2内のオゾン量を調節する。また、オゾン分解器9が触媒分解法の場合には、ヒーターのオン/オフも制御する。
(5)無線通信
本実施形態において、オゾンセンサ11、コントローラ12およびコントローラ12によって制御される上記した各機器の間の通信は全て無線21である(図1および図2参照)。なお、図1においては、図面の簡略化のため無線21の描写は一部省略している。
無線通信とすることで、機器間を繋ぐケーブルが不要となるため、密閉空間2への各機器の設置の自由度が増す。とくに、密閉空間2内にオゾンセンサ11を分散して複数配置する本実施形態においては顕著である。
(6)オゾン殺菌処理について
オゾンは、非常に不安定で、分解して非常に反応性の大きい発生期の酸素(O)を放出する。そのためオゾンと接触した物質は直ちに酸化される。このような強力な酸化力によって、細菌の細胞壁や細胞膜に作用することにより機能を変化させ、最終的に菌を溶かしてしまうものと考えられている。またウイルスについてはオゾンによって直接RNAやDNAが破壊され、活性を失うことが確認されている。本明細書では、不活性化も含めて殺菌と呼ぶ。
オゾンで殺菌される各種の細菌およびウイルスとしては、例えば、大腸菌・黄色ブドウ球菌(MRSA)・緑膿菌・インフルエンザウイルス・野兎病菌・コクシジオイデス真菌・エボラウイルス・天然痘ウイルス・サルモネラ菌・O-157・コレラ菌・セレウス菌・コロナウイルスなどが挙げられる。
オゾン殺菌処理は、発生、殺菌、分解の3段階からなる。以下、それぞれについて説明する。
オゾン発生段階は、オゾン殺菌装置本体10の吸気ファン5、オゾン発生器6および送出ファン8はオン状態である(ここでは、オゾン分解器9が活性炭吸着法の場合を中心に説明する)。
図1、図2に示す例では、吸気ファン5を回転させることにより、密閉空間2の空気3が吸気口4からオゾン殺菌装置本体10内に吸気される。吸気された空気3は、オゾン分解器9とオゾン発生器6の順で移動する。オゾン分解器9で空気3中のオゾンは分解され、オゾン発生器6で新たに発生したオゾンが空気3中に含まれることになるが、このときオゾン発生量がオゾン分解量より大きくなるようにする。送出ファン8を回転させることにより、新たに発生したオゾンを含む空気3を送出口7より次々と送出する。これを繰り返して、オゾン殺菌装置本体10と密閉空間2との間で空気3を循環させながら、密閉空間2にオゾンを充満させていく。
なお、オゾン分解器9とオゾン発生器6との順番を入れ替えた配置の場合も、同様である。
また、オゾン分解器9とオゾン発生器6とが並列配置された配置の場合、オゾン発生量がオゾン分解量より大きくなるようにしてもよいし、図15に示すように、吸気ファン5とオゾン分解器9およびオゾン発生器6との間に開閉弁30を設けて空気3をオゾン発生器6のみに経由させてもよい。後者の場合には、開閉弁30の開閉をコントローラ12で制御する。
また、オゾン分解器9が接触分解法の場合には、ヒーター加熱がオフ状態のため、オゾン発生段階では、オゾンは分解しにくくなる。
殺菌に必要なオゾン濃度まで、すなわち少なくとも0.5ppm程度までオゾン濃度が十分に高くなると、オゾン発生段階からオゾン殺菌段階に移行する。
オゾン殺菌段階は、十分な殺菌効果が得られるCT値となるように、所定時間まで密閉空間2内のオゾン濃度を保持する。CT値は、オゾンで殺菌される細菌およびウイルスの種類によって異なる。例えば、1ppm60分(CT値60)で大腸菌が99%死滅するとの文献がある。
このとき、オゾン殺菌装置本体10の吸気ファン5、オゾン発生器6および送出ファン8は完全にオフ状態にしてもよいが、前述の通り、密閉空間2の天井付近ではオゾン濃度が低く、密閉空間2の床付近ではオゾン濃度が高くなりやすいので、密閉空間2の天井付近のオゾン濃度が下がり過ぎと検知した場合には、適宜、オンオフをコントロールする。
十分な殺菌効果が得られるCT値となった後は、オゾン殺菌段階からオゾン分解段階に移行する。
オゾン分解段階は、オゾン殺菌装置本体10の吸気ファン5および送出ファン8はオン状態で、オゾン発生器6はオフ状態である(ここでは、オゾン分解器9が活性炭吸着法の場合を中心に説明する)。
図1、図2に示す例では、吸気ファン5を回転させることにより、密閉空間2のオゾンを含んだ空気3が吸気口4からオゾン殺菌装置本体10内に吸気される。吸気された空気3は、オゾン分解器9とオゾン発生器6の順で移動する。このとき、オゾン分解器9で空気3中のオゾンは分解されるが、オフ状態のオゾン発生器6では新たに発生しない。したがって、このときオゾンは分解されるのみである。送出ファン8を回転させることにより、オゾンを含む分解された空気3を送出口7より次々と密閉空間2へ送出する。これを繰り返して、オゾン殺菌装置本体10と密閉空間2との間で空気3を循環させながら、密閉空間2のオゾンを除去していく。
なお、オゾン分解器9とオゾン発生器6との順番を入れ替えた配置の場合も、オゾン分解器9とオゾン発生器6とが並列配置された配置の場合も同様である。
また、オゾン分解器9が接触分解法の場合には、ヒーター加熱をオン状態にするする必要がある。
その後、密閉空間2内のオゾン濃度を監視して、少なくとも人体に有害でない状態になるとオゾン殺菌処理は完了する。
以上のように、本発明のオゾン殺菌装置1は、密閉空間2内のオゾン濃度を監視しながら殺菌処理開始から完了までを行うので、十分な殺菌効果が得られるCT値に殺菌処理開始から短時間で到達させ、その後はさらに不必要な殺菌処理を続けることなく、密閉空間2内のオゾン濃度が人体に有害でない状態になる殺菌処理完了まで短時間で到達させることができる。
[第2実施形態]
図4は、本発明の第2実施形態における送出口の一例を示す説明図である。図5は、本発明の第2実施形態における送出口からの空気の流れの一例を示す説明図である。
本実施形態では、第1実施形態の構成に加えて、送出口7が、送出側風向調整板13をさらに備えている(図4参照)。オゾン発生器6から発生したオゾンを含む空気3を密閉空間2へ送出している間、オゾン殺菌装置本体10について、コントローラ12が、密閉空間2のうちオゾン濃度が薄い方向に優先的にオゾンを含む空気3を送出するように、送出側風向調整板13を無線21にて制御するように構成されている(図5参照)。
オゾンセンサ11の分散配置に関する段落で述べたとおり、オゾンは空気よりも重く、密閉空間2の床に向かって降りていくため、密閉空間2内でも場所によってオゾンの拡散具合に差が出る。本実施形態は、オゾン発生段階およびオゾン殺菌段階で、この差を考慮してオゾン発生およびオゾン殺菌の効率化を図るものである。図5中の「低」、「中」、「高」は、発生時にオゾンセンサ11で検知したオゾン濃度が、それぞれ低濃度、中濃度、高濃度であったことを表している。
送出口7には、図4に示すように、送出される空気3の流れを変更するフラップ24およびルーバ25が送出側風向調整板13の一例として設置される。
フラップ24は、長尺状の板状部材であり、送出口7において長手方向が水平方向に対して平行となるように設置される。フラップ24は、フラップ24の長手方向に対して平行な軸を中心にして回動する。これにより、フラップ5は、送出口7から送出される空気3の風向を上下方向に調整できる。
ルーバ25は、長尺状の板状部材であり、送出口7において長手方向が鉛直方向に対して平行となるように設置される。ルーバ25は、ルーバ25の長手方向に対して平行な軸を中心にして回動する。これにより、ルーバ25は、送出口7から吹き出される空気3の風向を左右方向に調整できる。
送出口7には、フラップ24とルーバ25のいずれか一方のみ設置されてもよい。また、フラップ24とルーバ25の数は、図4に示したものに限定されず、適宜必要な枚数を設置できる。例えば、フラップ24やルーバ25は、1枚のみでも構わない。
このように構成されたオゾン殺菌装置1では、オゾン発生段階およびオゾン殺菌段階で、密閉空間2に分散して複数配置されているオゾンセンサ11で検知されたオゾン濃度にバラツキがあるとき、密閉空間2のうちオゾン濃度が薄い方向に優先的にオゾンを含む空気3を送出することで、密閉空間3内のオゾン濃度のバラツキを解消することができる。その結果、密閉空間2の全ての個所で十分な殺菌効果が得られるとともに、CT値に殺菌処理開始から短時間で到達させることができる。
なお、コントローラ12が、当該オゾン殺菌装置本体10の送出量を増やすように、加えて送出ファン8を制御すると、バラツキを解消することがさらに容易になる。
その他の点については第1実施形態と同様であるので、説明を省略する。
[第3実施形態]
図6は、本発明の第3実施形態における吸気口の一例を示す説明図である。図7は、本発明の第3実施形態における吸気口への空気の流れの一例を示す説明図である。
本実施形態では、第1実施形態の構成に加えて、吸気口4が、吸気側風向調整板14をさらに備えている(図6参照)。また、本実施形態では、密閉空間2から吸気した空気3中に含まれるオゾンをオゾン分解器9が分解している間、オゾン殺菌装置本体10について、コントローラ12が、密閉空間2のうちオゾン濃度が濃い方向から優先的にオゾンを含む空気3を吸気するように、吸気側風向調整板14を無線21にて制御するように構成されていている(図7参照)。
オゾンセンサ11の分散配置に関する段落で述べたとおり、オゾンは空気よりも重く、密閉空間2の床に向かって降りていくため、密閉空間2内でも場所によってオゾンの拡散具合に差が出る。本実施形態は、オゾン分解段階で、この差を考慮してオゾン分解の効率化を図るものである。図7中の「低」、「中」、「高」は、分解時にオゾンセンサ11で検知したオゾン濃度が、それぞれ低濃度、中濃度、高濃度であったことを表している。
吸気口4には、図6に示すように、吸気される空気3の流れを変更するフラップ28およびルーバ29が吸気側風向調整板14の一例として設置される。
フラップ28は、長尺状の板状部材であり、吸気口4において長手方向が水平方向に対して平行となるように設置される。フラップ28は、フラップ28の長手方向に対して平行な軸を中心にして回動する。これにより、フラップ28は、吸気口4から送出される空気3の風向を上下方向に調整できる。
ルーバ29は、長尺状の板状部材であり、吸気口4において長手方向が鉛直方向に対して平行となるように設置される。ルーバ29は、ルーバ29の長手方向に対して平行な軸を中心にして回動する。これにより、ルーバ29は、吸気口4から吹き出される空気3の風向を左右方向に調整できる。
吸気口4には、フラップ28とルーバ29のいずれか一方のみ設置されてもよい。フラップ28とルーバ29の数は、図6に示したものに限定されず、適宜必要な枚数を設置できる。例えば、フラップ28やルーバ29は、1枚のみでも構わない。
このように構成されたオゾン殺菌装置1では、オゾン分解段階で、密閉空間2に分散して複数配置されているオゾンセンサ11で検知されたオゾン濃度にバラツキがあるとき、密閉空間2のうちオゾン濃度が濃い方向から優先的にオゾンを含む空気3を吸気することで、密閉空間2内のオゾン濃度のバラツキを解消することができる。その結果、密閉空間2の全ての個所でオゾン濃度が人体に有害でない状態に短時間で到達させることができる。
なお、コントローラ12が、当該オゾン殺菌装置本体10の送出量を増やすように、加えて送出ファン8を制御すると、バラツキを解消することがさらに容易になる。
その他の点については第1実施形態と同様であるので、説明を省略する。
[第4実施形態]
図8は、本発明の第4実施形態における空気循環の一例を示す説明図である。
本実施形態では、送出口7が、第2実施形態と同様に送出側風向調整板13をさらに備え、図8に示すように、空気3を密閉空間2へ送出している間、オゾン殺菌装置本体10について、分散して複数配置されたオゾンセンサ11で検知されたオゾン濃度に基づいて、コントローラ12が、密閉空間2の空気3が攪拌されるように、送出側風向調整板13を床方向へ向けて無線21にて制御するように構成されている。
送出口7の送出側風向調整板13の構造については、第2実施形態での説明と同様であるので、説明を省略する。
このように構成されたオゾン殺菌装置1では、オゾン発生、殺菌、分解の少なくとも1つの段階で、密閉空間2に分散して複数配置されているオゾンセンサ11で検知されたオゾン濃度にバラツキがあるとき、送出側風向調整板13を床方向へ向けて空気を送出することで、密閉空間2内の空気3が攪拌され、密閉空間2内のオゾン濃度のバラツキを解消することができる。より好ましくは、攪拌度合いを増すために、床方向へ向けて送出する空気を水平方向に変化させる。
その他の点については第1実施形態と同様であるので、説明を省略する。
[第5実施形態]
図9は、本発明の第10実施形態における空気循環の一例を示す説明図である。
本実施形態では、図9に示すように、密閉空間2内の空気3を攪拌させる空気循環器43を床方向に向けてさらに備え、分散して複数配置されたオゾンセンサ11で検知されたオゾン濃度に基づいて、コントローラ12が、空気循環器32の稼働を無線21にて制御するように構成されている。
空気循環器32としては、公知の空気循環器(サーキュレーター)を使用することができる。また、扇風機を用いても類似の効果を得ることができる。また、空気循環器32は複数配置してもよい。
このように構成されたオゾン殺菌装置1では、オゾン発生、殺菌、分解の少なくとも1つの段階で、密閉空間2に分散して複数配置されているオゾンセンサ11で検知されたオゾン濃度にバラツキがあるとき、空気循環器32から床方向へ向けて風を送ることで、密閉空間2内の空気3が攪拌され、密閉空間2内のオゾン濃度のバラツキを解消することができる。
その他の点については第1実施形態と同様であるので、説明を省略する。
[第6実施形態]
図10は、本発明の第6実施形態における排気の一例を示す説明図である。
本実施形態では、図10に示すように、第1実施形態の構成に加えて、密閉空間2が、0.1ppm以下のオゾンを含む空気3を密閉空間2から排気する排気手段15をさらに備え、オゾンセンサ11で検知されたオゾン濃度に基づいて、コントローラ12が排気手段15の稼働を無線21にて制御するように構成されている。
排気手段15としては、例えば、換気扇、自動開閉窓(天窓を含む)、自動開閉扉などが挙げられる。
なお、密閉空間2をバスとする場合には、既存設備である自動開閉扉を利用することもできる。
このように構成されたオゾン殺菌装置1では、オゾン分解段階で密閉空間2の全ての個所でオゾン濃度が人体に有害でない0.1ppm以下の状態に到達した後、この人体に有害でない空気3を排気手段15で密閉空間2から排気するので、一気に密閉空間2内のオゾンを除去できる。したがって、オゾン殺菌装置本体10内のオゾン分解器9(フィルタ)による分解時間が減るため、オゾン分解器9の寿命が延び、オゾン分解器9の交換回数を減らすことができる。
その他の点については第1実施形態と同様であるので、説明を省略する。
[第7実施形態]
図11は、本発明の第7実施形態における立ち入り可否表示の一例を示す説明図である、
本実施形態では、図11に示すように、第1実施形態の構成に加えて、密閉空間2の外側に配置されて密閉空間2への立ち入り可否を可変表示する状態表示器16をさらに備え、オゾンセンサ11で検知されたオゾン濃度に基づいて、コントローラ12が状態表示器16の稼働を無線21にて制御するように構成されている。
密閉空間2には出入口2aが形成され、この出入口2aには密閉空間2を外部と遮断する扉2bが設けられている。すなわち、出入口2aの扉2bを開閉して密閉空間2に人が出入りすることができる。
しかしながら、前述の通り、0.1ppmを超えるオゾンを含む空気3は、人にとって有害である。そこで、有害な空気が充満した密閉空間2に迂闊に立ち入りしてしまわないように、密閉空間2への立ち入り可否を密閉空間2の外側に居て知る必要がある。
状態表示器16としては、例えば、発光ダイオード (LED) や液晶、電球などを用いて文字や画像情報を発信する電光掲示板のほか、後述する警報器としても使用される回転灯、表示灯なども含む。表示の例としては、例えば、図11に示すように、「殺菌中 立入不可」、「立ち入り可能まであと30分」などである。
密閉空間2をバスとする場合には、図11に示すように、既存設備である前面や側面の行先案内用の電光掲示板を利用することができる。
このように構成されたオゾン殺菌装置1では、密閉空間2内のオゾン濃度が人体に有害な状態で高くなっているとオゾンセンサ11で検知すると、コントローラ12が状態表示器16を稼働させて密閉空間2へ立ち入り不可であることを表示する。逆に、密閉空間2内のオゾン濃度が人に無害な状態まで低くなっているとオゾンセンサ11で検知すると、コントローラ12が状態表示器16を稼働させて密閉空間2へ立ち入り可能であることを表示する。その結果、密閉空間2への立ち入り可否を、密閉空間2の外側に居て視覚的に知ることができる。
その他の点については第1実施形態と同様であるので、説明を省略する。
[第8実施形態]
図12は、本発明の第8実施形態における出入口ロックの一例を示す説明図である。
本実施形態では、図12に示すように、第1実施形態の構成に加えて、密閉空間2の出入口2aの扉2bを施解錠する電気錠17をさらに備え、オゾンセンサ11で検知されたオゾン濃度に基づいて、コントローラ12が電気錠17の稼働を無線21にて制御するように構成されている。
電気錠17は、電気的に施解錠をする機構を組み込んだロックシステムであり、公知のものを使用することができる。
このように構成されたオゾン殺菌装置1では、密閉空間2内のオゾン濃度が人体に有害な状態で高くなっているとオゾンセンサ11で検知すると、コントローラ12が電気錠17を稼働させて密閉空間2の出入口2aの扉2bを施錠する。逆に、密閉空間2内のオゾン濃度が人に無害な状態まで低くなっているとオゾンセンサ11で検知すると、コントローラ12が電気錠17を稼働させて密閉空間2の出入口2aの扉2bを開錠する。その結果、有害なオゾン濃度の空気が密閉空間2内に充満している状態で、そのことを知らずに人が密閉空間2内に立ち入ろうとしても、施錠されているので扉2bが開かない。
その他の点については第1実施形態と同様であるので、説明を省略する。
[第9実施形態]
図13は、本発明の第9実施形態における不在確認の一例を示す説明図である。
本実施形態では、図13に示すように、第1実施形態の構成に加えて、密閉空間2にオゾンセンサ11とは別の検知器として配置され、人の動きを監視する人感センサ18をさらに備え、人感センサ18で検知された密閉空間2内の人の動きに基づいて、コントローラ12がオゾン発生器6の稼働を無線21にて制御するように構成されている。
人感センサ18は、人間の所在を検知するためのセンサである。
人感センサ18では、赤外線、超音波、可視光、電波やこれらの組み合わせなどが用いられる。
このように構成されたオゾン殺菌装置1では、オゾン殺菌時に密閉空間2内にいる人の存在をオゾンセンサ11で検知すると、コントローラ12がオゾン発生器6の稼働を開始しないか、開始していても即刻停止する。逆に、オゾン殺菌開始前または開始時に密閉空間2内にいる人の存在をオゾンセンサ11で検知しないと、コントローラ12がオゾン発生器6の稼働を開始するか、開始後も継続する。その結果、密閉空間2内に人がいる状態では、密閉空間2内の空気が人体に有害なオゾン濃度にならない。また、コントローラ12は、オゾン発生器6だけでなく、併せて送出ファン8の稼働を開始しないか、開始していても即刻停止するようにしてもよい。
その他の点については第1実施形態と同様であるので、説明を省略する。
[第10実施形態]
図14は、本発明の第10実施形態における接近アラームの一例を示す説明図である。
本実施形態では、図14に示すように、第1実施形態の構成に加えて、密閉空間2の出入口2a付近に別の検知器として配置された人感センサ18と、警報を発する警報器19と、をさらに備え、人感センサ18で検知された出入口2a付近の人の動きに基づいて、コントローラ12が警報器19の稼働を無線21にて制御するように構成されている。
警報器19としては、例えば、ブザー、ベル、合成音声、回転灯、表示灯やこれらの組み合わせなどが挙げられる。また、前述の状態表示器の説明で挙げた電光掲示板を、危険色で表示したり、点滅させたりして、警報器19として利用することもできる。
密閉空間2をバスとする場合には、図14に示すように、既存設備であるインターホンのスピーカーを利用することができる。
このように構成されたオゾン殺菌装置1では、オゾン殺菌中に密閉空間2の出入口2a付近にいる人の存在をオゾンセンサで検知すると、コントローラ12が警報器を稼働させてオゾン殺菌中であることを密閉空間2の出入口2a付近にいる人に警告する。その結果、オゾン殺菌中に密閉2に人が立ち入ることを防止できる。
なお、より好ましくは、図14に示すように、密閉空間2の出入口付近2aに別の検知器として配置され、人の動きを監視するカメラ20をさらに備え、人感センサ18およびカメラ20で検知された出入口2a付近の人の動きに基づいて、コントローラ12が警報器19の稼働を制御するのがよい。
カメラ20は、人感センサ18と連動して動画・静止画を自動撮影するカメラである。カメラ20としては、図14に示すように機器として人感センサ18と別体のもののほか、機器として人感センサ18と一体化されているものも含む。
このように構成されたオゾン殺菌装置1では、オゾン殺菌中に密閉空間2の出入口2a付近にいる人の存在をオゾンセンサ11だけでなくカメラ20でも検知すると、二重の監視となるため、さらに安全性が高まる。
その他の点については第1実施形態と同様であるので、説明を省略する。
[その他の実施形態]
(1)上記の各実施形態では、密閉空間2を構成するバスにオゾン殺菌装置本体10が2つ配置されている例(図1参照)について説明したが、本発明のオゾン殺菌装置1は、これに限定されない。
例えば、オゾン殺菌装置本体10は、1つだけ配置されてもよいし、3つ以上配置されてもよい。
(2)また、上記の各実施形態では、密閉空間2を構成するバスの外側にオゾン殺菌装置本体10が一体化され、吸気口4および送出口7のみがバス内部の密閉空間2に接している例(図1、図2参照)について説明したが、本発明のオゾン殺菌装置1は、これに限定されない。
例えば、オゾン殺菌装置本体10は、密閉空間2を構成するバスとは別体としてもよい。例えば、オゾン殺菌装置本体10をバス内に持ち込める置き型またはロボット型としてもよい(図16参照)。ロボット型の場合、無線21にて水平方向へ移動したり、ロボットの一部又は全体が鉛直線を軸に回転したりすることによって、空気3の送出方向が自由自在となる。また、ロボット型の変形例として、ドローンのように空中を浮遊して移動してもよい。また、オゾン殺菌装置本体10バスの近くに配置してホース31等介して送出口7および吸気口4を窓の隙間に嵌めてもよい(図17参照)。
このように構成されたオゾン殺菌装置1では、オゾン殺菌装置本体10と密閉空間2を構成するバスとは別体なので、1つのオゾン殺菌装置本体10を複数のバスで共用でき、設備費用が安くて済む。
(3)また、上記の各実施形態では、密閉空間2を構成するバスの車内にコントローラ12が設置されている例(図1参照)について説明したが、本発明のオゾン殺菌装置1は、これに限定されない。
例えば、オゾン殺菌装置本体10に、コントローラ12が内蔵されていてもよい。
(4)また、上記の各実施形態では、検知器、コントローラ12およびコントローラ12によって制御される各機器の間の通信の全てを無線21として説明したが、これに限定されない。
例えば、一部の通信のみが無線21で、残りは有線であってもよい。
(5)また、上記の各実施形態の構成に加えて、検知器からの検知情報およびコントローラ12からの稼働状況の情報が無線にて送信される管理者端末22をさらに備えていてもよい。
管理者端末22としては、例えば、タブレットやスマートフォンなどが挙げられ、無線にて送信された情報、例えば、オゾンの充満状態、分解状態、人の動きなどが、アプリケーション等のソフトウェアによって表示される(図18参照)。これによって、オゾン殺菌装置1の稼働状況の管理が、離れた場所から容易にできる。図18に示す例では、複数のオゾン殺菌装置1を一括で管理している。
また、逆に管理者端末22から、充満させる濃度、時間からなるCT値、密閉空間2への立ち入り可とする濃度設定など、運用時に必要な項目をアプリケーション等のソフトウェアで設定し、それらの情報を無線にてコントローラ12に送信し、効率的な運営を可能とすることができる。
(6)第2実施形態では、密閉空間2のうちオゾン濃度が薄い方向に優先的にオゾンを含む空気3を送出するように、送出側風向調整板13を制御する例(図5参照)について説明した。しかし、送出側風向調整板13の制御を、密閉空間2内のオゾン濃度のバラツキを解消するためではなく、別の目的でも利用できる。
例えば、密閉空間2のうち重点的にオゾンを充満させて他の箇所よりも高濃度としたい場合に、その方向にオゾンを含んだ空気3を送出するように送出側風向調整板13を制御してもよい。なお、この方向の特定にオゾンセンサ11を用いてもよい。
(7)また、上記の各実施形態では、密閉空間2をバスとして説明したが、これに限定されない。
例えば、病院の病室や手術室、老人ホーム等の部屋、ホテル等の客室、学校の教室、カラオケボックスの個室およびその他の室内であってもよい。また、百貨店やオフィスビルの各フロアおよびその他のフロア内であってもよい。また、飲食店等、工場、倉庫およびその他の屋内であってもよい。また、バス以外の人や貨物を運ぶ自動車、トラック、電車、船舶およびその他の乗り物内であってもよい。
また、密閉空間2の形状は、上記の各実施形態に示した立方体形状に限定されず、その他の形状をしていてもよい。
本発明のオゾン殺菌装置は、上記した各種の密閉空間に有効利用され、オゾン殺菌処理の安全性、作業効率化の向上を図るために利用できる。
1 :オゾン殺菌装置
2 :密閉空間
2a :出入口
2b :扉
3 :空気
4 :吸気口
5 :吸気ファン
6 :オゾン発生器
7 :送出口
8 :送出ファン
9 :オゾン分解器
10 :オゾン殺菌装置本体
11 :オゾンセンサ
12 :コントローラ
13 :送出側風向調整板
14 :吸気側風向調整板
15 :排気手段
16 :状態表示器
17 :電気錠
18 :人感センサ
19 :警報器
20 :カメラ
21 :無線
22 :管理者端末
24,28:フラップ
25,29:ルーバ
30 :開閉弁
31 :ホース
32 :空気循環器

Claims (15)

  1. 密閉空間の空気を吸気口から吸気する吸気ファンと、
    オゾンを発生するオゾン発生器と、
    前記オゾン発生器を通過した前記空気を送出口より送出し、前記密閉空間に充満させる送出ファンと、
    前記オゾンを分解するオゾン分解器と、
    を備えた1以上のオゾン殺菌装置本体と、
    前記オゾン殺菌装置本体外に検知器として前記密閉空間に分散して複数配置され、前記密閉空間のオゾン濃度を監視するオゾンセンサと、
    前記オゾン殺菌装置本体内または前記オゾン殺菌装置本体外に配置され、前記オゾンセンサで検知された前記オゾン濃度に基づいて、少なくとも前記吸気ファン、前記オゾン発生器および前記送出ファンの稼働を制御するコントローラと、
    を備えたオゾン殺菌装置であって、
    前記送出口が、送出側風向調整板をさらに備え、
    前記オゾン発生器から発生した前記オゾンを含む前記空気を前記密閉空間へ送出している間、
    1以上の前記オゾン殺菌装置本体について、前記コントローラが、前記密閉空間のうち前記オゾン濃度が薄い方向に優先的に前記オゾンを含む前記空気を送出するように、前記送出側風向調整板を制御する殺菌装置。
  2. 前記オゾン濃度が薄い方向に優先的に前記オゾンを含む前記空気を送出している前記オゾン殺菌装置本体について、前記コントローラが、当該オゾン殺菌装置本体の送出量を増やすように、前記送出ファンを制御する、請求項1のオゾン殺菌装置。
  3. 密閉空間の空気を吸気口から吸気する吸気ファンと、
    オゾンを発生するオゾン発生器と、
    前記オゾン発生器を通過した前記空気を送出口より送出し、前記密閉空間に充満させる送出ファンと、
    前記オゾンを分解するオゾン分解器と、
    を備えた1以上のオゾン殺菌装置本体と、
    前記オゾン殺菌装置本体外に検知器として前記密閉空間に分散して複数配置され、前記密閉空間のオゾン濃度を監視するオゾンセンサと、
    前記オゾン殺菌装置本体内または前記オゾン殺菌装置本体外に配置され、前記オゾンセンサで検知された前記オゾン濃度に基づいて、少なくとも前記吸気ファン、前記オゾン発生器および前記送出ファンの稼働を制御するコントローラと、
    を備えたオゾン殺菌装置であって、
    前記吸気口が、吸気側風向調整板をさらに備え、
    前記密閉空間から吸気した前記空気中に含まれる前記オゾンを前記オゾン分解器が分解している間、
    1以上の前記オゾン殺菌装置本体について、前記コントローラが、前記密閉空間のうち前記オゾン濃度が濃い方向から優先的に前記オゾンを含む前記空気を吸気するように、前記吸気側風向調整板を制御するオゾン殺菌装置。
  4. 前記オゾン濃度が濃い方向から優先的に前記オゾンを含む前記空気を吸気している前記オゾン殺菌装置本体について、前記コントローラが、当該オゾン殺菌装置本体の吸気量を増やすように、前記吸気ファンを制御する、請求項3のオゾン殺菌装置。
  5. 密閉空間の空気を吸気口から吸気する吸気ファンと、
    オゾンを発生するオゾン発生器と、
    前記オゾン発生器を通過した前記空気を送出口より送出し、前記密閉空間に充満させる送出ファンと、
    前記オゾンを分解するオゾン分解器と、
    を備えた1以上のオゾン殺菌装置本体と、
    前記オゾン殺菌装置本体外に検知器として前記密閉空間に分散して複数配置され、前記密閉空間のオゾン濃度を監視するオゾンセンサと、
    前記オゾン殺菌装置本体内または前記オゾン殺菌装置本体外に配置され、前記オゾンセンサで検知された前記オゾン濃度に基づいて、少なくとも前記吸気ファン、前記オゾン発生器および前記送出ファンの稼働を制御するコントローラと、
    を備えたオゾン殺菌装置であって、
    前記送出口が、送出側風向調整板をさらに備え、
    前記空気を前記密閉空間へ送出している間、
    1以上の前記オゾン殺菌装置本体について、分散して複数配置された前記オゾンセンサで検知された前記オゾン濃度に基づいて、前記コントローラが、前記密閉空間の空気が攪拌されるように、前記送出側風向調整板を床方向へ向けて制御するオゾン殺菌装置。
  6. 密閉空間の空気を吸気口から吸気する吸気ファンと、
    オゾンを発生するオゾン発生器と、
    前記オゾン発生器を通過した前記空気を送出口より送出し、前記密閉空間に充満させる送出ファンと、
    前記オゾンを分解するオゾン分解器と、
    を備えた1以上のオゾン殺菌装置本体と、
    前記オゾン殺菌装置本体外に検知器として前記密閉空間に分散して複数配置され、前記密閉空間のオゾン濃度を監視するオゾンセンサと、
    前記オゾン殺菌装置本体内または前記オゾン殺菌装置本体外に配置され、前記オゾンセンサで検知された前記オゾン濃度に基づいて、少なくとも前記吸気ファン、前記オゾン発生器および前記送出ファンの稼働を制御するコントローラと、
    を備えたオゾン殺菌装置であって、
    前記密閉空間内の空気を攪拌させる空気循環器を床方向に向けてさらに備え、
    分散して複数配置された前記オゾンセンサで検知された前記オゾン濃度に基づいて、前記コントローラが、前記密閉空間の空気が攪拌されるように、前記空気循環器の稼働を制御するオゾン殺菌装置。
  7. 密閉空間の空気を吸気口から吸気する吸気ファンと、
    オゾンを発生するオゾン発生器と、
    前記オゾン発生器を通過した前記空気を送出口より送出し、前記密閉空間に充満させる送出ファンと、
    前記オゾンを分解するオゾン分解器と、
    を備えた1以上のオゾン殺菌装置本体と、
    前記オゾン殺菌装置本体外に検知器として配置され、前記密閉空間のオゾン濃度を監視するオゾンセンサと、
    前記オゾン殺菌装置本体内または前記オゾン殺菌装置本体外に配置され、前記オゾンセンサで検知された前記オゾン濃度に基づいて、少なくとも前記吸気ファン、前記オゾン発生器および前記送出ファンの稼働を制御するコントローラと、
    を備えたオゾン殺菌装置であって、
    前記密閉空間または前記オゾン殺菌装置本体が、0.1ppm以下の前記オゾンを含む前記空気を前記密閉空間から排気する排気手段をさらに備え、
    前記オゾンセンサで検知された前記オゾン濃度に基づいて、前記コントローラが前記排気手段の稼働を制御するオゾン殺菌装置。
  8. 前記密閉空間の外側に配置されて前記密閉空間への立ち入り可否を可変表示する状態表示器をさらに備え、
    前記オゾンセンサで検知された前記オゾン濃度に基づいて、前記コントローラが前記状態表示器の稼働を制御する、請求項1~のオゾン殺菌装置。
  9. 前記密閉空間の出入口の扉を施解錠する電気錠をさらに備え、
    前記オゾンセンサで検知された前記オゾン濃度に基づいて、前記コントローラが前記電気錠の稼働を制御する、請求項1~のオゾン殺菌装置。
  10. 前記密閉空間に別の検知器として配置され、人の動きを監視する人感センサをさらに備え、
    前記人感センサで検知された前記密閉空間内の前記人の動きに基づいて、前記コントローラが前記オゾン発生器の稼働を制御する、請求項1~のオゾン殺菌装置。
  11. 前記密閉空間の前記出入口付近に別の検知器として配置された前記人感センサと、
    警報を発する警報器と、をさらに備え、
    前記人感センサで検知された前記出入口付近の前記人の動きに基づいて、前記コントローラが前記警報器の稼働を制御する、請求項1~10のオゾン殺菌装置。
  12. 前記密閉空間の前記出入口付近に別の検知器として配置され、人の動きを監視するカメラをさらに備え、
    前記人感センサおよび前記カメラで検知された前記出入口付近の前記人の動きに基づいて、前記コントローラが前記警報器の稼働を制御する、請求項11のオゾン殺菌装置。
  13. 前記検知器、前記コントローラおよび前記コントローラによって制御される各機器の間の通信のうち少なくとも一つが無線である、請求項1~12のオゾン殺菌装置。
  14. 前記検知器からの検知情報および前記コントローラからの稼働状況の情報が無線にて送信される管理者端末をさらに備えた、請求項1~13のオゾン殺菌装置。
  15. 前記密閉空間が、室内、フロア内、屋内または乗り物内である、請求項1~14のオゾン殺菌装置。
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