JP7044747B2 - 走行支援システム、走行支援方法 - Google Patents

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Description

本発明は、走行を支援する走行支援システム、走行支援方法に関する。
特許文献1には、移動体の自己位置を検知し、この自己位置を表す情報を逐次送信する無線送信手段と、他の移動体から送信された上記自己位置を表す情報を逐次受信して他の移動体の位置を表す情報として出力する無線受信手段とを設け、自己位置を表す情報と他の移動体の位置を表す情報とに基づいて、自己の移動体と他の移動体の相対位置を検出することが記載されている。特許文献1では、そのような構成により、地上などに特別な機器を設置することなく、異常接近等による警報、緊急停止制御が行えると記載されている。
特開平8-86853号公報
自動ブレーキ等、緊急停止のための構成を動作させると、車両のタイプによっては姿勢を大きく崩してしまうおそれがある。従って、周辺の車両に対する緊急停止を回避可能な構成が求められる。
本発明は、周辺の車両に対する緊急停止を回避可能な走行支援システム、走行支援方法を提供することを目的とする。
本発明に係る走行支援システムは、車両の走行を支援する走行支援システムであって、前記車両の速度と前記車両の周辺を走行する周辺車両の速度を取得する第1の取得手段と、前記第1の取得手段により取得された前記車両の速度と前記周辺車両の速度に基づいて、前記車両を含む第1領域と前記周辺車両を含む第2領域とを設定する設定手段と、前記設定手段により設定された前記第1領域と前記第2領域とが重なったことに基づいて、前記第1領域と前記第2領域とが重ならないよう前記車両と前記周辺車両の少なくともいずれかに対する制御を実行する制御手段と、を備え、前記設定手段は、前記車両の速度から得られる制動距離に基づいて、前記車両の走行方向における長さと前記車両の幅方向における長さとを取得し、該取得した2つの長さに基づいて前記第1領域を設定前記制御手段により実行される制御は、前記車両の速度制御を含み、前記車両が前記周辺車両に対して接近することにより、前記第1領域と前記第2領域とが重なった場合、前記制御手段は、前記車両の減速制御を行い、前記車両が旋回中に前記周辺車両に対して接近することにより、前記第1領域と前記第2領域とが重なった場合、前記制御手段は、前記車両の減速制御の前に前記車両の加速制御を行う、ことを特徴とする。
本発明に係る走行支援方法は、車両の走行を支援する走行支援システムにおいて実行される走行支援方法であって、前記車両の速度と前記車両の周辺を走行する周辺車両の速度を取得する第1の取得工程と、前記第1の取得工程において取得された前記車両の速度と前記周辺車両の速度に基づいて、前記車両を含む第1領域と前記周辺車両を含む第2領域とを設定する設定工程と、前記設定工程において設定された前記第1領域と前記第2領域とが重なったことに基づいて、前記第1領域と前記第2領域とが重ならないよう前記車両と前記周辺車両の少なくともいずれかに対する制御を実行する制御工程と、を有し、前記設定工程では、前記車両の速度から得られる制動距離に基づいて、前記車両の走行方向における長さと前記車両の幅方向における長さとを取得し、該取得した2つの長さに基づいて前記第1領域を設定前記制御工程において実行される制御は、前記車両の速度制御を含み、前記車両が前記周辺車両に対して接近することにより、前記第1領域と前記第2領域とが重なった場合、前記制御工程では、前記車両の減速制御を行い、前記車両が旋回中に前記周辺車両に対して接近することにより、前記第1領域と前記第2領域とが重なった場合、前記制御工程では、前記車両の減速制御の前に前記車両の加速制御を行う、ことを特徴とする。
本発明によれば、周辺の車両に対する緊急停止を回避することができる。
走行支援システムの構成を示す図である。 車両の構成を示す図である。 携帯型端末のブロック構成を示す図である。 サーバのブロック構成を示す図である。 本実施形態の動作について説明するための図である。 本実施形態の第1のケースにおけるシーケンス図である。 本実施形態の第2のケースにおけるシーケンス図である。 車両において実行される処理を示すフローチャートである。 携帯型端末において実行される処理を示すフローチャートである。 サーバにおいて実行される処理を示すフローチャートである。 S306の不可侵領域の設定処理を示すフローチャートである。 S307の重なりの判定処理を示すフローチャートである。 S311の駆動制御データの生成処理を示すフローチャートである。 不可侵領域の設定を説明するための図である。 鞍乗り型二輪車両の隊列走行のシーンを示す図である。 カーブを走行するシーンを示す図である。 カーブにおける速度変化を示す図である。
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。尚、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明に必須のものとは限らない。実施形態で説明されている複数の特徴のうち二つ以上の特徴が任意に組み合わされてもよい。また、同一若しくは同様の構成には同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
[第1実施形態]
図1は、本実施形態における走行支援システムの構成を示す図である。走行支援システム100は、走行支援サービスを提供するサーバ101、サーバ101とネットワーク102を介して接続された基地局103を含む。ネットワーク102は、無線通信ネットワーク、有線通信ネットワーク、若しくは両者を含むネットワークである。走行支援システム100は、車両105、107を含み、本実施形態では、車両105は四輪車両であり、車両107は鞍乗り型二輪車両である。しかしながら、車両105、107は、図1に示す車両タイプに限られない。例えば、両車両が四輪車両であっても良いし、鞍乗り型二輪車両であっても良い。もしくは、特殊用途向けの車両であっても良い。本実施形態では、車両107の搭乗者(運転者)が、カメラなどの撮像機能を有する携帯型端末106を保持している。携帯型端末106は、例えばスマートフォンである。車両105、107、携帯型端末106は、基地局103との間での無線通信104とネットワーク102とを介して、サーバ101と相互に通信可能である。また、車両107と携帯型端末106の間では相互に通信可能であり、例えば、車両107は、携帯型端末106を介してサーバ101と通信可能である。なお、本実施形態では、車両105、107と基地局103の間での無線通信104は必ずしも行われていなくても良い。
本実施形態では、車両107が車両105の後方を縦列に走行しているケースを想定する。そのようなケースにおいて、車両107を含む不可侵領域と、車両105を含む不可侵領域とが設定される。不可侵領域については後述するが、本実施形態では、互いの不可侵領域が重なることに基づいて、車両107の速度制御、若しくは車両105に対する通知制御が行われ、その結果、車両107と車両105の車間距離が接近しないよう制御される。本実施形態の動作については後述する。
図2は、車両107のブロック構成を示す図である。上述したように、本実施形態では、車両107は、鞍乗り型二輪車両とする。ECU(Electronic Control Unit)210は、車両107の各部を統括的に制御する。車両107は、例えば、スロットルバイワイヤ(throttle by wire)方式で走行制御が行われる構成であり、ECU210は、操舵部213のアクセル開度の電気信号を受けてスロットルバルブを開閉することにより、エンジンを含む駆動部211を制御する。制動部212は、ブレーキ機構を含む。センサ群214は、速度センサ、スロットルセンサ、大気圧センサ等の各種センサを含み、ECU210は、それらの検知信号を受信する。通知部215は、ランプ、LED等を含む。撮像部216は、例えばカメラであり、車両107の前方を撮像する。撮像部216は、例えば、車両107の前方を走行する車両105を撮像する。また、車両107は、撮像機能を有する携帯型端末106をアタッチメント等で車両107に取り付け、撮像部216の代わりに撮像機能を実現するようにしても良い。
制御部200は、通信I/F206を介して携帯型端末106との間での無線通信を実行可能なブロックである。なお、通信I/F206は、基地局103との間での無線通信が可能なように構成されても良い。制御部200は、制御部200内の動作を統括的に制御するプロセッサ201、メモリ202、車両情報送信部203、撮像データ送信部204、駆動制御部205を含むコンピュータシステムである。本実施形態における車両107の動作は、例えば、プロセッサ201がメモリ202上でプログラムを実行することにより実現される。車両情報送信部203は、センサ群214からの検知信号から得られる車両情報を通信I/F205を介して外部に送信する。撮像データ送信部204は、撮像部216により撮像された撮像データを通信I/F206を介して携帯型端末106に送信する。駆動制御部205は、携帯型端末106から送信された駆動制御データに基づいて、駆動部211、制動部212の制御をECU210に要求する。例えば、駆動制御部205は、携帯型端末106から送信された駆動制御データをECU210が処理可能な信号に変換し、ECU210に送信する。また、制御部200は、USB等の記憶部217と接続可能である。例えば、サーバ101により提供されるアプリケーションが記憶部217に記憶される。また、例えば、そのアプリケーションにより、制御部200の各ブロックが実現され、サーバ101への登録、携帯型端末106の制御部300とのペアリングが行われる。
車両107は、図2に示すブロック構成に限られず、例えば、車両107の機能に応じた機能ブロックを適宜含む。また、車両情報送信部203、撮像データ送信部204は設けられていなくても良い。例えば、上述したように、携帯型端末106が撮像部216の代わりに用いられる場合や、携帯型端末106において車両情報が取得される場合には、車両情報送信部203、撮像データ送信部204、撮像部216は設けられていなくても良い。
図3は、携帯型端末106のブロック構成を示す図である。制御部300は、携帯型端末106を統括的に制御する。制御部300は、制御部300内の動作を統括的に制御するプロセッサ301、メモリ302、撮像データ送信部303、GPS情報送信部304、表示制御部305、駆動制御データ送信部306を含むコンピュータシステムである。本実施形態における携帯型端末106の動作は、例えば、プロセッサ301がメモリ302上でプログラムを実行することにより実現される。撮像データ送信部303は、例えばカメラである撮像部315で撮像された撮像データ、若しくは、車両107の撮像部216で撮像された撮像データを通信I/F313を介して外部に送信する。GPS情報送信部304は、GPS314により取得されたGPS情報を通信I/F313を介して外部に送信する。表示制御部305は、表示部311での表示を制御する。駆動制御データ送信部306は、サーバ101から送信された駆動制御データに基づいて、車両107で用いられる駆動制御データを生成し、通信I/F313を介して車両107へ送信する。
記憶部310は、携帯型端末106が動作するためのプログラムやデータ、および本実施形態の動作で必要なプログラムやデータを記憶する。例えば、サーバ101により提供されるアプリケーションが記憶部310に記憶され、そのアプリケーションにより、制御部300の各ブロックが実現される。また、例えば、携帯型端末106のユーザは、そのアプリケーションを起動し、設定画面上で、サーバ101への登録、車両107の制御部200とのペアリングを行う。表示部311は、例えばタッチパネルであり、携帯型端末106のユーザに対して、各種ユーザインタフェース画面を表示する。なお、本実施形態では、携帯型端末106のユーザは、車両107の搭乗者に対応する。操作部312は、ユーザからの操作を受付可能であり、ハードキー、タッチパネル上に表示されるソフトキーを含む。GPS(Global Positioning System)314は、携帯型端末106の現在位置を検出するための位置検出機構である。通信I/F313は、外部との無線通信104を可能とする。なお、通信I/F313は、通信距離が異なる複数の無線通信に対応するように構成されても良い。携帯型端末106は、図3に示すブロック構成に限られず、例えば、携帯型端末106の機能に応じた機能ブロックを適宜含む。
本実施形態では、車両107は鞍乗り型車両であるとして説明するが、他のタイプの車両、例えば四輪車両であっても良い。その場合、図2の制御部200と図3の制御部300が四輪車両に一体的に構成されるようにしても良い。また、本実施形態では、車両105は、図2の制御部200と図3の制御部300の構成を含み、本実施形態の車両107と同じ動作を実現可能であるとする。
図4は、サーバ101のブロック構成を示す図である。制御部400は、サーバ101を統括的に制御する。制御部400は、制御部400内の動作を統括的に制御するCPUやGPU等のプロセッサ401、メモリ402、撮像データ受信部403、画像処理部404、画像認識部405、車両情報取得部406、領域設定部407、重なり判定部408、通知制御データ生成部409、駆動制御データ生成部410を含むコンピュータシステムである。本実施形態におけるサーバ101の動作は、例えば、プロセッサ401がメモリ402上でプログラムを実行することにより実現される。撮像データ受信部403は、携帯型端末106から送信された撮像データを受信する。本実施形態では、この撮像データには、車両105が撮像されている。画像処理部404は、撮像データに対して画像認識を実行するための前処理を行い、前処理として、例えば、撮像データの揺れの補正が行われる。画像認識部405は、クラス分類等の手法を用いて、撮像データ受信部403により受信された撮像データ上でオブジェクトを認識する。車両情報取得部406は、携帯型端末106から送信されたGPS情報に基づいて、車両107の車両情報(速度等)を取得する。また、車両情報取得部406は、携帯型端末106から送信された撮像データに基づいて、車両105の車両情報(速度等)を取得する。領域設定部407は、車両情報取得部406が取得した車両情報に基づいて、その車両情報に対応する車両の不可侵領域を設定する。不可侵領域とは、車間距離を保つために車両の周囲に設定される領域であり、詳細は後述する。重なり判定部408は、車両107の不可侵領域と、他車両である車両105の不可侵領域との間に重なりが生じているか否かを判定する。通知制御データ生成部409は、車両105に通知するための通知制御データを生成して送信する。駆動制御データ生成部410は、車両107を駆動するための駆動制御データを生成して送信する。
記憶部410は、サーバ101が動作するためのプログラムやデータ、および本実施形態の動作で必要なプログラムやデータを記憶する。また、記憶部410は、地図情報411、環境情報412を記憶する。地図情報411は、例えば地図データベースであり、環境情報412は、例えば路面情報や気象情報である。地図情報411、環境情報412は、記憶部410内に構成されずに、外部のデータベースサーバから取得するようにしても良い。表示部420は、例えばディスプレイであり、サーバ101のユーザに対して、各種ユーザインタフェース画面を表示する。操作部421は、ユーザからの操作を受付可能であり、例えば、キーボードやポインティングデバイスである。通信I/F422は、サーバ101とネットワーク102との間の通信を可能とする。サーバ101は、図4に示すブロック構成に限られず、例えば、サーバ101の機能に応じた機能ブロックを適宜含む。なお、図4では、サーバ101は1つの装置として示されているが、複数の装置で構成されても良い。即ち、本実施形態におけるサーバ101は、1つの装置でサーバ機能を提供する構成、複数の装置で連携してサーバ機能を提供する構成、を含む。
以下、図5(a)、(b)を参照しながら、本実施形態の動作について説明する。図5(a)に示すように、車両501が車両502の後方を走行している。車両501は、図1の車両107に対応し、車両502は図1の車両105に対応する。また、携帯型端末106は、アタッチメントにより車両501に取り付けられている。携帯型端末106の撮像部313は、前方の車両502を撮像し、携帯型端末106は、その撮像データをサーバ101に送信する。領域503は、車両501に対して設定された不可侵領域であり、領域504は、車両502に対して設定された不可侵領域である。また、不可侵領域は、各車両の速度および制動距離に基づいて設定されている。
図5(b)は、車両501と車両502との車間距離が縮まり、領域503と領域504との間に重なり505が生じた状態を示している。図5(b)の状態は、図5(a)の状態から車両501が加速する、もしくは、車両502が減速することのいずれによっても生じ得る。本実施形態では、車両501が加速することによって図5(b)の状態が生じた場合(第1のケース)には、車両501に対して駆動制御データが送信され、その結果、車両501が減速するよう制御される。一方、車両502が減速することによって図5(b)の状態が生じた場合(第2のケース)には、車両502に対して通知制御データが送信され、車両502の搭乗者に対して車間距離が縮まっていることが通知される。本実施形態では、そのような構成により、車両501の搭乗者が緊急停止のための急ブレーキ操作を必要とする状況を回避することができる。
図6は、本実施形態の第1のケースにおけるシーケンス図である。図6は、第1のケースとして、車両501が加速することによって図5(b)の状態が生じた場合を表している。第1のケースとは、即ち、車両501の不可侵領域が他の車両の不可侵領域に侵入した場合を表す。
携帯型端末106は、所定の時間間隔でGPS情報をサーバ101に送信する(工程601)。携帯型端末106は、車両107の搭乗者に保持され、もしくは、車両107に取り付けられているので、そのGPS情報は、車両107の位置情報(車両情報)と対応する。従って、本実施形態では、携帯型端末106のGPS情報は、車両107の車両情報として扱われる。携帯型端末106は、撮像部315により撮像された撮像データをサーバ101に送信する(工程602)。
サーバ101は、携帯型端末106から送信されたGPS情報に基づいて車両107の車両情報を取得し、車両107に対応する不可侵領域を設定する。例えば、サーバ101は、携帯型端末106から送信されたGPS情報に基づいて、車両107の速度を取得する。また、サーバ101は、携帯型端末106から送信された撮像データに基づいて、車両105の車両情報を取得し、車両105に対応する不可侵領域を設定する(工程603)。例えば、サーバ101は、携帯型端末106から送信された撮像データの車両画像に基づいて、車両105の速度を取得する。そして、サーバ101は、車両105の不可侵領域と、車両107の不可侵領域との間の重なりを判定し、重なっていると判定した場合、いずれの不可侵領域が侵入側であるかを判定する(工程604)。ここでは、車両107が加速することによって重なりが生じているケースであるので、車両107の不可侵領域が侵入側であると判定される。
そして、サーバ101は、車両107を減速制御するための駆動制御データを生成し、生成した駆動制御データを携帯型端末106に送信する(工程605)。携帯型端末106は、サーバ101から送信された駆動制御データを車両107に送信する(工程606)。その後、車両107では、駆動制御データに基づいて減速制御が行われる。
図7は、本実施形態の第2のケースにおけるシーケンス図である。図7は、第2のケースとして、車両502が減速することによって図5(b)の状態が生じたケースを表している。第2のケースとは、即ち、車両502の不可侵領域が他の車両の不可侵領域に侵入した場合を表す。
携帯型端末106は、所定の時間間隔でGPS情報をサーバ101に送信する(工程701)。携帯型端末106は、車両107の搭乗者に保持され、もしくは、車両107に取り付けられているので、そのGPS情報は、車両107の位置情報(車両情報)と対応する。従って、本実施形態では、携帯型端末106のGPS情報は、車両107の車両情報として扱われる。携帯型端末106は、撮像部313により撮像された撮像データをサーバ101に送信する(工程702)。
サーバ101は、携帯型端末106から送信されたGPS情報に基づいて車両107の車両情報を取得し、車両107に対応する不可侵領域を設定する。例えば、サーバ101は、携帯型端末106から送信されたGPS情報に基づいて、車両107の速度を取得する。また、サーバ101は、携帯型端末106から送信された撮像データに基づいて、車両105の車両情報を取得し、車両105に対応する不可侵領域を設定する(工程703)。例えば、サーバ101は、携帯型端末106から送信された撮像データの車両画像に基づいて、車両105の速度を取得する。そして、サーバ101は、車両105の不可侵領域と、車両107の不可侵領域との間の重なりを判定し、重なっていると判定した場合、いずれの不可侵領域が侵入側であるかを判定する(工程704)。ここでは、車両105が減速することによって重なりが生じているケースであるので、車両105の不可侵領域が侵入側であると判定される。
そして、サーバ101は、車両105との通信が可能であるならば、車間距離が縮まっていることを車両105に通知するための通知制御データを生成し、通知制御データを車両105に送信する(工程705)。その後、車両105では、車間距離が縮まっていることの通知が表示や音声等の出力により実行される。
図8は、車両107において実行される処理を示すフローチャートである。図8の処理は、例えば、プロセッサ201がメモリ202上でプログラムを実行することにより実現される。
S101において、プロセッサ201は、駆動制御部205により、携帯型端末106から駆動制御データを受信したか否かを判定する。ここで、駆動制御データを受信していないと判定された場合、S101の処理を繰り返す。一方、駆動制御データを受信したと判定された場合、S102において、プロセッサ201は、駆動制御部205により、駆動制御データに基づいてECU210に減速制御するよう要求する。例えば、携帯型端末106から送信された「○○km/h分の減速」を表すデータをECU210が処理可能な信号に変換し、ECU210に送信する。S102の後、S101からの処理を繰り返す。
図9は、携帯型端末106において実行される処理を示すフローチャートである。図9の処理は、例えば、プロセッサ301がメモリ302上でプログラムを実行することにより実現される。
S201において、プロセッサ301は、GPS情報送信部304により、携帯型端末106のGPS情報をサーバ101に送信する。上述したように、携帯型端末106のGPS情報は、車両107の車両情報に対応し、車両107の車両情報として扱われる。S202において、プロセッサ301は、撮像データ送信部303により、撮像部315で撮像された撮像データをサーバ101へ送信する。ここで、送信される撮像データは、車両107の撮像部216で撮像された撮像データ、若しくは携帯型端末106の撮像部315で撮像された撮像データである。
S203において、プロセッサ301は、駆動制御データ送信部306により、サーバ101から駆動制御データを受信したか否かを判定する。ここで、駆動制御データを受信していないと判定された場合、S201からの処理を繰り返す。一方、駆動制御データを受信したと判定された場合、S204において、プロセッサ301は、駆動制御データ送信部306により、サーバ101から受信した駆動制御データに基づいて、車両107での駆動制御に用いられる駆動制御データを生成し、生成した駆動制御データを車両107に送信する。例えば、サーバ101から受信された駆動制御データが「〇〇km/h分の減速」というデータを、車両107において減速制御が可能なデータに変換された駆動制御データが車両107に送信される。S204の後、S201からの処理を繰り返す。
上記では、S204においてプロセッサ301が、サーバ101から受信した駆動制御データから、車両107での駆動制御に用いられる駆動制御データを生成すると説明した。しかしながら、プロセッサ301は、サーバ101から受信した駆動制御データを車両107に転送するようにしても良い。その場合、車両107の駆動制御部205が、携帯型端末106から受信した駆動制御データから、駆動部211を駆動可能な駆動制御データを生成する。
図10は、サーバ101において実行される処理を示すフローチャートである。図10の処理は、例えば、プロセッサ401がメモリ402上でプログラムを実行することにより実現される。
S301において、撮像データ受信部403により、携帯型端末106から送信された撮像データを受信する。そして、S302において、プロセッサ401は、画像処理部404により、S301で受信した撮像データに対して前処理を実行する。ここでは、前処理として、撮像データの揺れの補正が行われる。
S303において、プロセッサ401は、画像認識部405により、画像認識を行い、S304において、前方に車両105があるか否かを判定する。S304で前方に車両105がないと判定された場合には、S301からの処理を繰り返す。一方、前方に車両105があると判定された場合には、S305に進む。
S305において、プロセッサ401は、車両情報取得部406により、携帯型端末106から送信されたGPS情報に基づいて、車両107の車両情報を取得する。例えば、プロセッサ401は、所定の時間間隔で受信した複数のGPS情報と地図情報411とから、車両107の速度を取得する。そして、プロセッサ401は、車両情報取得部406により、S301で受信した撮像データに撮像されている車両105の車両画像に基づいて、車両105の車両情報を取得する。例えば、プロセッサ401は、車両画像の変化と、車両107の速度とから、車両105の速度を取得する。
S306において、プロセッサ401は、領域設定部407により、S305で取得された車両105、107の車両情報に基づいて、各車両の不可侵領域を設定する。S306の不可侵領域の設定については後述する。S307において、プロセッサ401は、重なり判定部408により、S306で設定された各車両の不可侵領域間の重なりを判定する。S307の重なりの判定については後述する。
S308において、プロセッサ401は、S308の重なりの判定の結果、各車両の不可侵領域間に重なりがあるか否かを判定する。ここで、重なりがないと判定された場合、S301からの処理を繰り返す。一方、重なりがあると判定された場合、S309に進む。
S309において、プロセッサ401は、重なりがある不可侵領域間において侵入側を判定する。例えば、プロセッサ401は、車両105が等速であり且つ車両107が加速している場合には、車両107の不可侵領域が車両105の不可侵領域に近づいて重なったということなので、車両107を侵入側と判断する。一方、プロセッサ401は、車両107が等速であり且つ車両105が減速している場合には、車両105の不可侵領域が車両107の不可侵領域に近づいて重なったということなので、車両105を侵入側と判断する。
S310において、プロセッサ401は、車両107が侵入側であるか否かを判定する。ここで、車両107が侵入側であると判定された場合、S311において、プロセッサ401は、駆動制御データ生成部410により、不可侵領域間の重なりを解消するための侵入側の車両の減速の程度を算出して駆動制御データを生成する。そして、S312において、プロセッサ401は、S311で生成された駆動制御データを車両107に送信する。S312の後、図10の処理を終了する。
S310で車両107が侵入側でないと判定された場合、S313において、プロセッサ401は、侵入側の車両に対して通知制御データを送信可能であるか否かを判定する。例えば、サーバ101が無線通信104を介して車両105と通信可能であり且つ車両105が本実施形態を実現するアプリケーションによりサーバ101で登録されている場合、通知制御データを送信可能と判定する。ここで、通知制御データを送信可能でないと判定された場合、図10の処理を終了する。一方、通知制御データを送信可能であると判定した場合、S314において、プロセッサ401は、不可侵領域間に重なりがある旨のメッセージを通知するための通知制御データを生成する。そして、S315において、プロセッサ401は、S314で生成された通知制御データを車両105に送信する。車両105では、例えば、表示や音声により、車間距離が詰まっている旨のメッセージが通知される。メッセージの通知は、車両105に設けられた表示装置やスピーカにより出力されても良いし、車両105の搭乗者の携帯型端末の表示装置やスピーカに出力されても良い。また、S314でプロセッサ401は、不可侵領域間の重なりを解消するための侵入側の車両の加速の程度を算出し、上記のメッセージにその情報を含めるようにしても良い。その後、図10の処理を終了する。
S309において、車両105と車両107の両車両の速度から、侵入側の判定ができない場合には、車両105と車両107の両方に対して、不可侵領域間に重なりがある旨のメッセージを通知するようにしても良い。
図11は、S306の不可侵領域の設定の処理を示すフローチャートである。S401において、プロセッサ401は、S305で取得された車両107の車両情報に基づいて、車両107の制動距離を取得する。S402において、プロセッサ401は、車両107が走行している地点の環境情報412を取得する。環境情報412とは、例えば、濃霧などの気象情報、凍結などを示す路面情報である。そして、S403において、プロセッサ401は、S401で取得された制動距離とS402で取得された環境情報とに基づいて、不可侵領域の縦軸長さを決定し、S404において、不可侵領域の横軸長さを決定する。そして、S405において、プロセッサ401は、S403で決定された縦軸長さと、S404で決定された横軸長さとから楕円領域を決定する。
図14(a)、(b)、(c)は、不可侵領域の設定を説明するための図である。図14(a)において、車両1401は、図1の車両107に対応する。図14(a)の縦軸1405は、S403で決定される縦軸長さに対応し、横軸1404は、S404で決定される横軸長さに対応する。また、車幅1403は、車両1401の車幅に対応し、例えば、鞍乗り型車両の場合、右ハンドルの右端部から左ハンドルの左端部までの幅である。S403で決定される縦軸長さは、例えば、制動距離1411に対して、環境情報412に応じて設定された所定の係数を乗じた長さとしても良い。その際の係数は、1より大きい値とする。また、S404で決定される横軸長さは、例えば、車幅1403に応じて決定されても良いし、制動距離に所定の係数を乗じた長さとしても良い。その際の係数は、1以下の値とする。つまり、制動距離1411が横軸長さよりも縦軸長さの方により大きく影響するように、縦軸方向と横軸方向の各所定係数を異ならせる。
S405において、プロセッサ401は、車両1401を中心とし、S403で決定された縦軸長さを縦軸とし、S404で決定された横軸長さを横軸とした楕円領域を決定し、不可侵領域として設定する。その後、図11の処理を終了する。
図14(a)では、車両1401の位置が楕円領域の中心に位置しているが、そのような位置に限られない。例えば、環境情報412に基づいて、図14(b)に示すように、車両1401の位置が中心1406より後方に位置するようにしても良いし、図14(c)に示すように、車両1401の位置が中心1406より前方に位置するようにしても良い。その際、例えば、中心1406と端部1407もしくは1409との中間に、車両1401を位置させるようにして不可侵領域1408、1410を設定するようにしても良い。例えば、路面が凍結傾向にある場合には、車両1401の前方の面積が大きい不可侵領域1408を設定する。一方、路面が舗装されておらず、土埃が舞う可能性が高い路面状況の場合には、車両1401の後方の面積が大きい不可侵領域1410を設定する。
図12は、S307の重なり判定の処理を示すフローチャートである。S501において、プロセッサ401は、車両間の距離を取得する。例えば、プロセッサ401は、S301で受信された撮像データの車両画像に基づいて、車両間の距離を取得しても良い。S502において、プロセッサ401は、S306で設定された各車両の不可侵領域同士に重なりが生じているか否かを判定する。ここで、重なりが生じていないと判定された場合、S505において、プロセッサ401は、重なりがないと判定し、その判定結果をメモリ402等の記憶領域に格納する。その後、図12の処理を終了する。
一方、S502で重なりが生じていると判定された場合、S503において、プロセッサ401は、生じた重なりは閾値以上であるか否かを判定する。閾値は、例えば、不可侵領域の所定の割合として定められていても良い。また、その閾値は、環境情報412に基づいて変動するようにしても良く、例えば、霧など視界不良が予測される場合には、閾値を小さくするようにして、重なりの判定基準を厳しくするようにしても良い。S503で閾値以上であると判定された場合、S504において、プロセッサ401は、重なりがあると判定し、その判定結果をメモリ402等の記憶領域に格納する。その後、図12の処理を終了する。一方、閾値以上でないと判定された場合、S505に進む。
以上のように、本実施形態によれば、車両107が車両105の後方を走行しているケースにおいて、車両107が車両105に近づき過ぎた場合、各車両の不可侵領域が重ならないよう、車両107の減速制御が行われる。そのような構成により、車両107の搭乗者が急ブレーキを必要とする状況を回避することができる。また、上記のケースにおいて、車両105が車両107に近づき過ぎた場合、車両107に対して近づき過ぎている旨を通知することができる。
図14(a)、(b)、(c)で説明したように、本実施形態では、不可侵領域は車両の周囲を楕円状に設定される。そのような構成により、以下のような効果を奏することができる。
図15は、鞍乗り型二輪車両1501、1502、1503が3台、隊列走行しているシーンを示す図である。つまり、本実施形態では、車両105、107が縦列で走行するケースを説明したが、図15に示すように、縦列に限られず周辺を走行する周辺車両との間においても本実施形態の動作は適用される。不可侵領域1504は車両1501に設定され、不可侵領域1505は車両1502に設定され、不可侵領域1506は車両1503に設定されている。また、接点1507は、不可侵領域1504と不可侵領域1505とが接触するポイントを示し、接点1508は、不可侵領域1505と不可侵領域1506とが接触するポイントを示している。図15に示すような隊列走行においては、前後方向だけでなく、横方向のポジションも維持して走行することが求められる。本実施形態によれば、不可侵領域は楕円状であるので、前後方向および横方向の重なりを検知可能となるので、搭乗者の運転技量が高くないとしても、図15に示すような隊列走行をより容易に実現させることができる。
本実施形態では、車両107の車両情報は、携帯型端末106から送信されたGPS情報に基づいて取得されるとして説明した。しかしながら、他の構成により車両107の車両情報が取得されても良い。例えば、車両107の車両情報送信部203がセンサ群214からの検知信号に基づいて、車両情報を携帯型端末106に送信するようにしても良い。若しくは、車両107の車両情報送信部203がセンサ群214からの検知信号に基づいて、車両情報を携帯型端末107を介さずにサーバ101に送信するようにしても良い。
また、本実施形態では、車両105の車両情報は、携帯型端末106から送信された撮像データの車両画像に基づいて取得されるとして説明した。しかしながら、他の構成により、車両105の車両情報が取得されても良い。例えば、車両105が無線通信104を介してサーバ101と通信可能である場合、サーバ101のプロセッサ401は、車両105から車両情報を取得するようにしても良い。
また、本実施形態では、車両107に対して駆動制御データが送信されるとして説明したが、駆動制御データが送信される代わりに、不可侵領域間に重なりがある旨のメッセージを通知するための通知制御データを送信するようにし、車両107の駆動制御は搭乗者に委ねるようにしても良い。その際、通知制御データは、携帯型端末106の表示部311に表示されるようにしても良いし、車両107において通知されるようにしても良い。車両107における通知は、例えば、通知部215のランプ等により通知されるものであっても良い。
また、本実施形態では、車両107が車両105の後方を走行するケースを説明した。しかしながら、車両107が車両105の後方を走行する以外のケースであっても、本実施形態の動作を適用可能である。例えば、車両105が車両107の後方を走行するケースであっても、本実施形態の動作を適用可能である。例えば、車両107の後方を走行する車両(後方車両)が無線通信104を介してサーバ101と通信可能である場合には、後方車両から車両情報を取得し、後方車両について不可侵領域を設定するようにしても良い。その場合、後方車両が加速して車両107の不可侵領域に侵入すると、プロセッサ401は、S314において、不可侵領域間に重なりがある旨のメッセージを通知するための通知制御データを生成する。そして、S315において、プロセッサ401は、S314で生成された通知制御データを後方車両に送信する。その際、S314でプロセッサ401は、不可侵領域間の重なりを解消するための侵入側の車両の減速の程度を算出し、上記のメッセージにその情報を含めるようにしても良い。また、車両107が減速することにより、車両107の不可侵領域と車両105の不可侵領域との間に重なりが生じた場合には、S311において、不可侵領域間の重なりを解消するための車両の加速の程度を算出して駆動制御データを生成するようにしても良い。
また、本実施形態では、サーバ101が車両105、107の外部に設けられている構成を説明したが、図2の制御部200、図3の制御部300、図4の制御部400の構成が車両107において一体的に構成され、リアルタイム性を向上させるようにしても良い。
[第2実施形態]
以下、第2実施形態について第1実施形態と異なる点について説明する。鞍乗り型二輪車両である車両107と、車両105とが走行中に、車両105がカーブに差し掛かり、減速することがあり得る。図16(a)、(b)は、車両107と車両105とがカーブを走行するシーンを示す図である。
図16(a)では、車両107が速度v11で走行している一方、車両105は、カーブ走行のため、速度21に減速している。図16(b)は、図16(a)からさらに時間が経過した図を示しており、車両107は、カーブ走行のため、速度v11から速度v12に減速している。一方、車両105は、カーブを抜けるため、速度v21から速度v22に加速している。
図16(a)においては、v11>v21である。つまり、図16(a)の状況は、図5(b)、図6で説明した第1のケースに相当し、車両107の不可侵領域が車両105の不可侵領域に侵入することがある。第1実施形態では、そのようなケースにおいては、車両107が減速するよう制御されるが、図16(b)に示すように、車両107は、カーブ走行のため、既に減速を開始している。また、鞍乗り型二輪車両である車両107は、カーブ走行のため、その車体は傾いた状態にある。そこで、本実施形態では、車両107が減速中に駆動制御を行う際、車体の傾きを起こすために一時的に加速を行う。その後、不可侵領域の重なりの解消のための車両107の減速制御を行う。
図17は、カーブ走行の際の車両107の速度変化を示す図である。本実施形態の動作が行われない場合、車両107は、速度v11でカーブに接近すると、速度v12に減速し、さらにv14を介して減速してカーブを曲がり、速度v11に加速してカーブを抜けていく。一方、本実施形態によれば、速度v11から速度v12を介して減速していく中、車両105の不可侵領域との重なりが検出された場合、一時的に加速を行う。図17では、時間t1~t2において速度v12から速度v13への一時的な加速が行われる。その結果、車両107の車体が起き上がり、その状態での速度v13から速度v14への減速制御が行われ、不可侵領域の重なりが解消される。
図13は、本実施形態におけるS306以降の処理を示すフローチャートである。図10のS306で不可侵領域が設定された後、図13の処理が行われる。S601において、プロセッサ401は、車両情報取得部406により、現在の車両107の位置に基づいて、前方にカーブがあるか否かを判定する。ここで、前方にカーブがないと判定された場合、図10のS307の処理が行われる。前方にカーブがあると判定された場合、S602に進む。
S602において、プロセッサ401は、通知制御データ生成部409により、携帯型端末106に対して通知制御データを送信する。これは、車両107の旋回動作中に、不可侵領域の重なりに基づいて加速制御が行われる旨を通知するためのデータであり、例えば、携帯型端末106の表示部311に表示される表示データである。例えば、表示部311に、「カーブにおいて一瞬加速が行われる可能性があります」等のメッセージが表示される。そのような構成により、車両107の搭乗者に対して、前もって余裕を持たせることができる。また、通知の構成は、例えば、本実施形態の動作を実現するためのアプリケーションの設定画面上で通知の実行可否を予め設定可能としても良い。
S603は、図10のS307における説明と同じであるので、その説明を省略する。S604において、プロセッサ401は、S603の重なりの判定の結果、各車両の不可侵領域間に重なりがあるか否かを判定する。ここで、重なりがないと判定された場合、図10のS301からの処理を繰り返す。一方、重なりがあると判定された場合、S605に進む。
S605において、プロセッサ401は、車両情報取得部406により、車両107の挙動が旋回中であるか否かを判定する。例えば、プロセッサ401は、車両107の速度変化(例えば、減速)を検出することにより、車両107が旋回中であると判定しても良い。車両107が旋回中でないと判定された場合、図10のS309の処理が行われる。車両107が旋回中であると判定された場合、S606に進む。
S606において、プロセッサ401は、駆動制御データ生成部410により、車両107の車体の傾きを起こすための加速期間(t1~t2)、および、車体の傾きを起こした後、不可侵領域間の重なりを解消するための減速期間(t3~t4)を定めた駆動制御データを生成する。S607は、S312における説明と同じであるので、その説明を省略する。その後、図13の処理を終了する。
以上のように、本実施形態によれば、車両107がカーブ走行のために減速している際、車体が傾いたまま、本実施形態の減速制御を行ってしまうことを防ぐことができる。また、S601では、カーブが所定の条件を満たすか否かを判定するようにしても良い。例えば、前方に検出したカーブの曲率が所定以上である場合には、本実施形態の動作を行わないようにしても良い。
<実施形態のまとめ>
上記実施形態の走行支援システムは、車両の走行を支援する走行支援システム(100)であって、前記車両を含む第1領域(503)と前記車両の周辺を走行する周辺車両を含む第2領域(504)とを設定する設定手段(S306)と、前記設定手段により設定された前記第1領域と前記第2領域とが重なったことに基づいて、前記第1領域と前記第2領域とが重ならないよう前記車両と前記周辺車両の少なくともいずれかに対する制御を実行する制御手段(S309~S315)と、を備えることを特徴とする。
そのような構成により、各車両に領域が設定され、その領域の重なりに基づいて車両と周辺車両の少なくともいずれかの制御が行われる。その結果、車間距離が保たれ、緊急停止を回避することができる。
また、環境情報を取得する第1の取得手段(S402)、をさらに備え、前記設定手段は、前記第1の取得手段により取得された前記環境情報に基づいて、前記第1領域と前記第2領域とを設定することを特徴とする。
そのような構成により、例えば凍結などの路面情報に基づいて、各車両に領域を設定することができる。
また、前記車両の車両情報と前記周辺車両の車両情報とを取得する第2の取得手段(S305)、をさらに備え、前記設定手段は、前記第2の取得手段により取得された前記車両の車両情報と前記周辺車両の車両情報とに基づいて、前記第1領域と前記第2領域とを設定することを特徴とする。また、前記車両の車両情報と前記周辺車両の車両情報は、少なくとも速度を含むことを特徴とする。
そのような構成により、例えば、車両の速度に応じて、各車両に領域を設定することができる。
また、前記設定手段は、前記車両の制動距離に基づいて前記第1領域を設定し、前記周辺車両の制動距離に基づいて前記第2領域を設定することを特徴とする。
そのような構成により、緊急停止の回避の可能性をより高めることができる。
また、前記第1領域と前記第2領域の少なくともいずれかは、車幅(1403)に基づいて設定されることを特徴とする。
そのような構成により、車両のタイプに対して適切な領域が設定されることができる。
また、前記第2の取得手段は、前記車両とともに移動する端末(106)のGPS情報に基づいて、前記車両の車両情報を取得することを特徴とする。
そのような構成により、例えば、車両の搭乗者が保持する携帯型端末のGPS情報に基づいて、その車両の速度を取得することができる。
また、前記制御手段は、前記端末を介して、前記車両に対する制御を実行することを特徴とする。
そのような構成により、例えば、車両の搭乗者が保持する携帯型端末を介して車両の速度制御を行うことができる。
また、前記制御手段により実行される制御は、前記車両の速度制御を含むことを特徴とする。また、前記車両が前記周辺車両に対して接近することにより、前記第1領域と前記第2領域とが重なった場合、前記制御手段は、前記車両の減速制御を行うことを特徴とする。
そのような構成により、例えば、周辺車両に対して自車両が接近し過ぎた場合には、自車両の減速制御が行われ、車間距離が保たれる。
また、前記車両が旋回中に前記周辺車両に対して接近することにより、前記第1領域と前記第2領域とが重なった場合、前記制御手段は、前記車両の減速制御の前に前記車両の加速制御(S602)を行うことを特徴とする。
そのような構成により、車両が鞍乗り型車両である場合、車両が旋回動作に入る際の減速により車体に傾きが生じたまま、領域の重なりを解消するための減速制御を行うことを防ぐことができる。
また、前記制御手段により実行される制御は、前記第1領域と前記第2領域とが重なっていることを示す情報の通知(S314、S315)、を含むことを特徴とする。また、前記周辺車両が前記車両に対して接近することにより、前記第1領域と前記第2領域とが重なった場合、前記制御手段は、前記周辺車両に対して前記情報の通知を行うことを特徴とする。
そのような構成により、周辺車両が自車両に対して接近した場合、その周辺車両に対して、例えば、車間距離が縮まっているメッセージを通知することができる。
また、前記走行支援システムは、前記車両に構成されていることを特徴とする。そのような構成により、走行支援システムにおけるリアルタイム性を向上させることができる。
また、前記車両は、鞍乗り型車両であることを特徴とする。そのような構成により、車両が鞍乗り型車両である場合にも、走行支援システムの動作を適用することができる。
発明は上記の実施形態に制限されるものではなく、発明の要旨の範囲内で、種々の変形・変更が可能である。
100 走行支援システム: 101 サーバ: 105、107 車両: 106 携帯型端末: 200、300、400 制御部: 201、301、401 プロセッサ: 202、302、402 メモリ

Claims (16)

  1. 車両の走行を支援する走行支援システムであって、
    前記車両の速度と前記車両の周辺を走行する周辺車両の速度を取得する第1の取得手段と、
    前記第1の取得手段により取得された前記車両の速度と前記周辺車両の速度に基づいて、前記車両を含む第1領域と前記周辺車両を含む第2領域とを設定する設定手段と、
    前記設定手段により設定された前記第1領域と前記第2領域とが重なったことに基づいて、前記第1領域と前記第2領域とが重ならないよう前記車両と前記周辺車両の少なくともいずれかに対する制御を実行する制御手段と、を備え、
    前記設定手段は、前記車両の速度から得られる制動距離に基づいて、前記車両の走行方向における長さと前記車両の幅方向における長さとを取得し、該取得した2つの長さに基づいて前記第1領域を設定
    前記制御手段により実行される制御は、前記車両の速度制御を含み、
    前記車両が前記周辺車両に対して接近することにより、前記第1領域と前記第2領域とが重なった場合、前記制御手段は、前記車両の減速制御を行い、
    前記車両が旋回中に前記周辺車両に対して接近することにより、前記第1領域と前記第2領域とが重なった場合、前記制御手段は、前記車両の減速制御の前に前記車両の加速制御を行う、
    ことを特徴とする走行支援システム。
  2. 環境情報を取得する第2の取得手段、をさらに備え、
    前記設定手段は、前記第2の取得手段により取得された前記環境情報に基づいて、前記第1領域と前記第2領域とを設定する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の走行支援システム。
  3. 前記設定手段は、前記周辺車両の速度から得られる制動距離に基づいて前記第2領域を設定することを特徴とする請求項1又は2に記載の走行支援システム。
  4. 前記第1の取得手段は、前記車両とともに移動する端末のGPS情報に基づいて、前記車両の速度を取得することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の走行支援システム。
  5. 前記制御手段は、前記端末を介して、前記車両に対する制御を実行することを特徴とする請求項4に記載の走行支援システム。
  6. 前記制御手段により実行される制御は、前記第1領域と前記第2領域とが重なっていることを示す情報の通知を含むことを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の走行支援システム。
  7. 前記周辺車両が前記車両に対して接近することにより、前記第1領域と前記第2領域とが重なった場合、前記制御手段は、前記周辺車両に対して前記情報の通知を行うことを特徴とする請求項に記載の走行支援システム。
  8. 前記走行支援システムは、前記車両に構成されていることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の走行支援システム。
  9. 前記車両は、鞍乗り型車両であることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の走行支援システム。
  10. 車両の走行を支援する走行支援システムにおいて実行される走行支援方法であって、
    前記車両の速度と前記車両の周辺を走行する周辺車両の速度を取得する第1の取得工程と、
    前記第1の取得工程において取得された前記車両の速度と前記周辺車両の速度に基づいて、前記車両を含む第1領域と前記周辺車両を含む第2領域とを設定する設定工程と、
    前記設定工程において設定された前記第1領域と前記第2領域とが重なったことに基づいて、前記第1領域と前記第2領域とが重ならないよう前記車両と前記周辺車両の少なくともいずれかに対する制御を実行する制御工程と、を有し、
    前記設定工程では、前記車両の速度から得られる制動距離に基づいて、前記車両の走行方向における長さと前記車両の幅方向における長さとを取得し、該取得した2つの長さに基づいて前記第1領域を設定
    前記制御工程において実行される制御は、前記車両の速度制御を含み、
    前記車両が前記周辺車両に対して接近することにより、前記第1領域と前記第2領域とが重なった場合、前記制御工程では、前記車両の減速制御を行い、
    前記車両が旋回中に前記周辺車両に対して接近することにより、前記第1領域と前記第2領域とが重なった場合、前記制御工程では、前記車両の減速制御の前に前記車両の加速制御を行う、
    ことを特徴とする走行支援方法。
  11. 車両の走行を支援する走行支援システムであって、
    前記車両を含む第1領域と前記車両の周辺を走行する周辺車両を含む第2領域とを設定する設定手段と、
    前記設定手段により設定された前記第1領域と前記第2領域とが重なったことに基づいて、前記第1領域と前記第2領域とが重ならないよう前記車両と前記周辺車両の少なくともいずれかに対する制御を実行する制御手段と、を備え、
    前記制御手段により実行される制御は、前記車両の速度制御を含み、
    前記車両が前記周辺車両に対して接近することにより、前記第1領域と前記第2領域とが重なった場合、前記制御手段は、前記車両の減速制御を行い、
    前記車両が旋回中に前記周辺車両に対して接近することにより、前記第1領域と前記第2領域とが重なった場合、前記制御手段は、前記車両の減速制御の前に前記車両の加速制御を行う、
    ことを特徴とする走行支援システム。
  12. 前記制御手段により実行される制御は、前記第1領域と前記第2領域とが重なっていることを示す情報の通知を含むことを特徴とする請求項11に記載の走行支援システム。
  13. 前記周辺車両が前記車両に対して接近することにより、前記第1領域と前記第2領域とが重なった場合、前記制御手段は、前記周辺車両に対して前記情報の通知を行うことを特徴とする請求項12に記載の走行支援システム。
  14. 前記走行支援システムは、前記車両に構成されていることを特徴とする請求項11乃至13のいずれか1項に記載の走行支援システム。
  15. 前記車両は、鞍乗り型車両であることを特徴とする請求項11乃至14のいずれか1項に記載の走行支援システム。
  16. 車両の走行を支援する走行支援システムにおいて実行される走行支援方法であって、
    前記車両を含む第1領域と前記車両の周辺を走行する周辺車両を含む第2領域とを設定する設定工程と、
    前記設定工程において設定された前記第1領域と前記第2領域とが重なったことに基づいて、前記第1領域と前記第2領域とが重ならないよう前記車両と前記周辺車両の少なくともいずれかに対する制御を実行する制御工程と、を有し、
    前記制御工程において実行される制御は、前記車両の速度制御を含み、
    前記車両が前記周辺車両に対して接近することにより、前記第1領域と前記第2領域とが重なった場合、前記制御工程では、前記車両の減速制御を行い、
    前記車両が旋回中に前記周辺車両に対して接近することにより、前記第1領域と前記第2領域とが重なった場合、前記制御工程では、前記車両の減速制御の前に前記車両の加速制御を行う、
    ことを特徴とする走行支援方法。
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