JP7044572B2 - 階段構造およびユニット建物 - Google Patents

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Description

本発明は、複数階の床をつなぐ階段構造およびユニット建物に関するものである。
階段のうち、廻りながら昇降するようにした構造の廻り階段が広く普及するに至っている。このような廻り階段では、廻り階段の内側に設置された中間壁と、廻り階段の外側に設置された間仕切り壁と、を備える階段構造が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2008-196136号公報
ところで、階段には、居住者が通行するための吹き抜けを設ける必要がある。そのため、複数階の床をつなぐ階段を備える場合、特許文献1に記載の階段構造では、上階の中間壁を床に支持させることができず、上階の階段の荷重の全部を、階段の外周に設置された間仕切り壁に負担させることとなる。その結果、特許文献1に記載の階段構造では、階段の荷重を分散させることができない、という問題がある。
そこで、本発明は、複数階の床をつなぐ階段構造において、階段の荷重を分散させることが可能な階段構造およびユニット建物を提供することを目的としている。
前記目的を達成するために、本発明の階段構造は、複数階の床をつなぐ階段構造であって、矩形パネル状の中央壁と、前記中央壁の外側を取り巻くように設置される廻り階段と、前記廻り階段の外周に設置される外周壁と、を備え、前記廻り階段の内側は、前記中央壁に支持され、前記廻り階段の外側は、前記外周壁に支持され、前記外周壁は、前記外周壁が配置された階の前記床に支持され、前記中央壁は、下面に固定された床側受金具が、前記中央壁が配置された階の下階に配置された前記中央壁の上面に接続金具を介して固定された天井側受金具の上に設置された状態で上下に連結され、最下階に配置された前記中央壁は、最下階の前記床に支持される。
ここで、本発明の階段構造では、上階の前記床は、前記中央壁側の床補助梁によって下側から支持されると共に、該床補助梁の側面に前記床側受金具が固定されることにより、前記天井側受金具および前記接続金具を介して下階に配置された前記中央壁に支持されてもよい。
また、本発明の階段構造では、前記廻り階段は、前記中央壁を取り巻くように、270度向きを変えて配置されてもよい。
また、本発明の階段構造では、前記廻り階段の外側は、前記外周壁の内壁に取り付けられた支持手段によって支持されてもよい。
さらに、本発明のユニット建物は、各階を構成する建物ユニットを備え、各階の前記床には、上記の階段構造が接続されてもよい。
このように構成された本発明の階段構造では、上階の建物ユニットの階段の荷重の一部は、上階の建物ユニットの中央壁から、床側受金具、天井側受金具、接続金具、(最)下階の建物ユニットの中央壁を介して最下階の建物ユニットの床へ伝えられ、(最)下階の建物ユニットの階段の荷重の一部は、中央壁を介して最下階の建物ユニットの床へ伝えられる。また、上階の建物ユニットの階段の荷重の一部は、上階の建物ユニットの外周壁から、上階の建物ユニットの床へ伝えられ、最下階の建物ユニットの階段の荷重の一部は、最下階の建物ユニットの外周壁から、最下階の建物ユニットの床へ伝えられる。そのため、上階の階段の荷重を分散させることができる。
また、本発明の階段構造では、上階の前記床は、前記中央壁側の床補助梁によって下側から支持されると共に、該床補助梁の側面に前記床側受金具が固定されることにより、前記天井側受金具および前記接続金具を介して下階に配置された前記中央壁に支持されることで、上階の階段付近の床の荷重を、中央壁を介して、最下階の床で支持させることができるので、階段付近の床の荷重を分散させることができる。
また、本発明の階段構造では、前記廻り階段は、前記中央壁を取り巻くように、270度向きを変えて配置されることで、狭いスペースで、階段の長さを長くすることができるので、階段の勾配を緩やかにしたコンパクトな階段構造とすることができる。
また、本発明の階段構造では、前記廻り階段の外側は、前記外周壁の内壁に取り付けられた支持手段によって支持されることで、廻り階段を、外周壁を貫通することなく支持することができるので、耐火性能に優れた階段構造とすることができる。
上記した構成なので、上記した本発明の床構造の効果を奏するユニット建物とすることができる。
実施例1のユニット建物の構成を示す構成図である。 実施例1のユニット建物の構成を示す分解斜視図である。 実施例1の最下階の建物ユニットの構成を示す斜視図である。 実施例1の上階の建物ユニットの構成を示す斜視図である。 実施例1の最上階の建物ユニットの構成を示す斜視図である。 実施例1の階段ユニットの構成を示す斜視図である。 実施例1の階段ユニットの構成を示す平面図である。 実施例1の階段の中央壁への取付構造を示す断面図である。 実施例1の中央壁について説明する断面図である。 実施例1の外周壁について説明する断面図である。 実施例1の階段ユニットのジグの構成を示す斜視図である。 実施例1の階段ユニットのジグの構成を示す断面図である。 実施例1のユニット建物の組立手順を説明する説明図である。 実施例1のユニット建物の組立手順を説明する説明図である。 実施例1のユニット建物の組立手順を説明する説明図である。 実施例1のユニット建物の組立手順を説明する説明図である。 実施例1の階段構造の作用を説明する説明図である。
以下、本開示による階段構造およびユニット建物を実現する実施形態を、図面に示す実施例1に基づいて説明する。
まず、構成を説明する。
実施例1における階段構造及びユニット建物は、最下階と上階と最上階とからなる3階建ての建物の各階の床をつなぐ階段構造を有するユニット建物に適用される。
[ユニット建物の構成]
図1は、実施例1のユニット建物1の構成を示す構成図である。図2は、実施例1のユニット建物1の構成を示す分解斜視図である。以下、図1および図2に基づいて、実施例1のユニット建物1の構成を説明する。
ユニット建物1は、図1および図2に示すように、基礎2の上に最下階の建物ユニット10が設置され、最下階の建物ユニット10の上に上階の建物ユニット110が設置され、上階の建物ユニット110の上に最上階の建物ユニット210が設置される多層階構造のものとなっている。
最下階の建物ユニット10の内部には、最下階の階段ユニット50が配置され、上階の建物ユニット110の内部には、上階の階段ユニット50が配置される。最上階の建物ユニット210の上方には、屋根パネル3が配置される。
[建物ユニットの構成]
図3は、実施例1の最下階の建物ユニットの構成を示す斜視図である。図4は、実施例1の上階の建物ユニットの構成を示す斜視図である。図5は、実施例1の最上階の建物ユニットの構成を示す斜視図である。以下、図3~図5に基づいて、実施例1の建物ユニットの構成を説明する。なお、説明を簡略化するために、外壁についての説明を省略する。
最下階の建物ユニット10と、上階の建物ユニット110と、最上階の建物ユニット210とは、いずれも、4本の角形鋼管から成る柱11と、これらの柱11の下端部間を連結した4本の溝形鋼から成る床大梁12と、これらの柱11上端部間を連結した4本の溝形鋼から成る天井大梁13と、を有する骨組み構造体を備える。
(最下階の建物ユニット)
図3に示すように、最下階の建物ユニット10の対向する長辺側の床大梁12間には、角形鋼管から成る複数の床小梁14が略平行に略等間隔で架け渡される。これらの床小梁14の上に、床板15が取り付けられる。床板15の上面は、床を構成する。床板15の荷重および床板15に加わる荷重は、床小梁14と床大梁12から基礎2に伝えられるようになっている。
最下階の建物ユニット10の対向する長辺側の天井大梁13間には、溝形鋼から成る複数の天井小梁16が略平行に架け渡される。これらの天井小梁16の下面に天井板17が取り付けられる。最下階の建物ユニット10の天井板17は、階段上に吹き抜け空間を有するように開口する。
最下階の建物ユニット10において、天井大梁13の内側であって、最下階の階段ユニット50が設置される位置には、天井小梁16が設けられておらず、溝形鋼から成る第1天井補助梁21と、溝形鋼から成る第2天井補助梁22と、溝形鋼から成る天井側受金具23と、溝形鋼から成る天井仮梁24と、溝形鋼から成る接続金具25と、が設けられる。
第1天井補助梁21は、天井小梁16と直交して、一方の端部が天井小梁16に、取付金具を介して固定される。第2天井補助梁22は、天井小梁16と略平行にして、一方の端部が天井大梁13に、取付金具を介して固定される。第1天井補助梁21の他方の端部と、第2天井補助梁22の他方の端部とは、取付金具を介して固定される。
天井側受金具23は、天井小梁16と略平行にして、第2天井補助梁22に、取付金具を介して、例えば、4つのボルトによって固定される。天井仮梁24は、一方端が天井大梁13に、取付金具を介して、例えば2つのボルトによって仮固定され、他方端が天井側受金具23に、取付金具を介して、例えば2つのボルトによって仮固定される。なお、天井仮梁24は、ユニット建物1が構築される過程で、撤去される。
接続金具25は、天井側受金具23の下方に配置され、後述する中央壁60の上面と、天井側受金具23の下面とを接続する。なお、接続金具25は、ユニット建物1が構築される過程で取り付けられる。
(上階の建物ユニット)
図4に示すように、上階の建物ユニット110の対向する長辺側の床大梁12間には、角形鋼管から成る複数の床小梁14が略平行に略等間隔で架け渡される。これらの床小梁14の上に、床板115が取り付けられる。床板115の上面は、床を構成する。上階の建物ユニット110の床板115は、階段上に吹き抜け空間を有するように開口する。床板115の荷重および床板115に加わる荷重は、床小梁14と床大梁12から、下階の柱11を介して、基礎2に伝えられるようになっている。
上階の建物ユニット110の対向する長辺側の天井大梁13間には、溝形鋼から成る複数の天井小梁16が略平行に架け渡される。これらの天井小梁16の下面に天井板17が取り付けられる。上階の建物ユニット110の天井板17は、階段上に吹き抜け空間を有するように開口する。
上階の建物ユニット110において、床大梁12の内側であって、上階の階段ユニット50が設置される位置には、床小梁14が設けられておらず、角形鋼管から成る第1床補助梁31と、角形鋼管から成る第2床補助梁32と、溝形鋼から成る床側受金具33と、溝形鋼から成る床仮梁34と、が設けられる。
第1床補助梁31は、床小梁14と直交して、一方の端部が床小梁14に、取付金具を介して固定される。第2床補助梁32は、床小梁14と略平行にして、一方の端部が床大梁12に、取付金具を介して固定される。第1床補助梁31の他方の端部と、第2床補助梁32の他方の端部とは、取付金具を介して固定される。
床側受金具33は、床小梁14と略平行にして、第2床補助梁32に、取付金具を介して、例えば4つのボルトによって固定される。
床仮梁34は、一方端が床大梁12に、取付金具を介して、例えば2つのボルトによって、仮固定され、他方端が床側受金具33に、取付金具を介して、例えば2つのボルトによって、仮固定される。なお、床仮梁34は、ユニット建物1が構築される過程で、撤去される。
上階の建物ユニット110において、天井大梁13の内側であって、上階の階段ユニット50が設置される位置には、天井小梁16が設けられておらず、最下階の建物ユニット10と同様に、溝形鋼から成る第1天井補助梁21と第2天井補助梁22と天井側受金具23と天井仮梁24と接続金具25とが設けられる。
(最上階の建物ユニット)
図5に示すように、最上階の建物ユニット210の対向する長辺側の床大梁12間には、角形鋼管から成る複数の床小梁14が略平行に略等間隔で架け渡される。これらの床小梁14の上に、床板115が取り付けられる。床板115の上面は、床を構成する。最上階の建物ユニット210の床板115は、階段上に吹き抜け空間を有するように開口する。床板115の荷重および床板115に加わる荷重は、床小梁14と床大梁12から、上階の柱11と最下階の柱11を介して、基礎2に伝えられるようになっている。
最上階の建物ユニット210の対向する長辺側の天井大梁13間には、溝形鋼から成る複数の天井小梁16が略平行に架け渡される。これらの天井小梁16の下面に天井板117が取り付けられる。
最上階の建物ユニット210において、床大梁12の内側であって、上階の階段ユニット50が設置される位置には、床小梁14が設けられておらず、上階の建物ユニット110と同様に、角形鋼管から成る第1床補助梁31と第2床補助梁32と、溝形鋼から成る床側受金具33と床仮梁34とが設けられる。
[階段ユニットの構成]
図6は、実施例1の階段ユニットの構成を示す斜視図である。図7は、実施例1の階段ユニットの構成を示す平面図である。図8は、実施例1の階段の中央壁への取付構造を示す断面図である。図9は、実施例1の中央壁について説明する断面図である。図10は、実施例1の外周壁について説明する断面図である。以下、図6~図10に基づいて、実施例1の階段ユニットの構成を説明する。なお、最下階の階段ユニットと上階の階段ユニットとは、同様の構成であるため、最下階の階段ユニットについて説明し、上階の階段ユニットについての説明を省略する。
階段ユニット50は、図6および図7に示すように、階段ユニット50の中央に配置される中央壁60と、中央壁60の外側を取り巻くように設置される廻り階段51と、廻り階段51の外周に設置される外周壁70と、から構成される。
中央壁60は、枠状に形成された溝形鋼から成る枠材61に、二枚の石膏ボード等から成る壁材62が取り付けられて、矩形パネル状に形成される。枠材61の内側には、廻り階段51を支持する溝形鋼から成る複数の内側支持部材63を有する。
廻り階段51は、複数の踏板52と、複数の蹴込み板53と、蹴込み板53の両端部に配置される支持手段としての複数のささら板55と、から構成される。
踏板52は、アルミニウムやスチールなど金属製の板で形成される。蹴込み板53は、アルミやスチールなど金属製の板で形成される。蹴込み板53は、踏板52に、取付金具などにより取り付けられる。なお、踏板52と蹴込み板53は、金属製に限定されるものではない。
ささら板55は、金属製板材から成り、図8および図10に示すように、基部55aと、基部55aの両端部から基部55aと垂直方向に延在する張出部55bとから成る角型U字状(コノ字状)に形成される。ささら板55は、踏板52の幅方向両端部に配置され、踏板52を下方から支持する。
廻り階段51は、中央壁60の外側を取り巻くように270度向きを変えて、G字状に形成され、最下階の床から上階の床までアクセス可能に構成される。廻り階段51の幅方向の一方端は、ささら板55を介して、中央壁60に支持される。すなわち、廻り階段51の内側は、中央壁60に支持される。
廻り階段51の幅方向の他方端は、ささら板55を介して、外周壁70に支持される。すなわち、廻り階段51の外側は、外周壁70に支持される。廻り階段51は、最下階の建物ユニット10の床から上階の建物ユニット110の床に、中央壁60を取り巻くように、270度向きを変えて配置される。
外周壁70は、枠状に形成された溝形鋼から成る枠材71に、二枚の石膏ボード等から成る壁材72が取り付けられて形成される。枠材71の内側には、廻り階段51を支持する溝形鋼から成る複数の外側支持部材73を有する(図10参照)。外周壁70は、廻り階段51の外周を囲むように、複数設置される。
(廻り階段の中央壁への取付構造)
廻り階段51の踏板52は、図8に示すように、ささら板55を介して中央壁60に取り付けられる。ささら板55の張出部55bに、踏板52が載置される。張出部55bに載置された踏板52は、ビス91によって複数個所を固定される。ささら板55の基部55aは、ビス91によって、中央壁60の壁材62を介して、複数個所を内側支持部材63に固定される。すなわち、ささら板55は、中央壁60の壁面に取り付けられる。
(中央壁の取付構造)
図9に示すように、最下階の建物ユニット10の中央壁60の上側の枠材61は、ボルトによって、接続金具25に固定される。接続金具25は、ボルトによって、最下階の建物ユニット10の天井側受金具23に固定される。上階の建物ユニット110の中央壁60の下側の枠材61は、ボルトによって、上階の建物ユニット110の床側受金具33に固定される。
上階の床側受金具33は、ボルトによって、制振シート81を介して、最下階の建物ユニット10の天井側受金具23に固定される。すなわち、上階の建物ユニット110に配置された中央壁60は、その下階に配置された中央壁60に連結される。
最下階の建物ユニット10の中央壁60の下端は、最下階の建物ユニット10の床板15上に載置される。すなわち、最下階の建物ユニット10に配置された中央壁60は、最下階の建物ユニット10の床板15に支持される。
上階の建物ユニット110の床板115の中央壁60に接続する辺は、第2床補助梁32によって支持される。
(外周壁の取付構造)
廻り階段51の踏板52は、図10に示すように、ささら板55を介して外周壁70に取り付けられる。ささら板55の張出部55bに、踏板52が載置される。張出部55bに載置された踏板52は、ビス91によって複数個所を固定される。
ささら板55の基部55aは、ビス91によって、外周壁70の壁材72を介して、複数個所を外側支持部材73に固定される。すなわち、ささら板55は、外周壁70の内壁に取り付けられる。これにより、ささら板55は、外周壁70を貫通することなく外周壁70に取り付けられ、廻り階段51の外側を支持する。
最下階の建物ユニット10の外周壁70は、最下階の建物ユニット10の床板15上に載置される。すなわち、外周壁70は、外周壁70が配置された階の床板15に支持される。
[階段ユニットのジグの構成]
図11は、実施例1の階段ユニットのジグの構成を示す斜視図である。図12は、実施例1の階段ユニットのジグの構成を示す断面図である。以下、図11および図12に基づいて、実施例1の階段ユニットのジグの構成を説明する。なお、最下階の階段ユニットのジグと上階の階段ユニットのジグとは、同様の構成であるため、最下階の階段ユニットのジグについて説明し、上階の階段ユニットのジグについての説明を省略する。
階段ユニット50のジグ85は、階段ユニット50を建物ユニット10に設置する過程で、廻り階段51の姿勢を保つために使用される。階段ユニット50のジグ85は、図11に示すように、複数の角形鋼管で形成される。廻り階段51が中央壁60と外周壁70とに取り付けられていない状態で、ジグ85は、階段ユニット50の姿勢を保つように、ささら板55の下側の張出部55bを下方から支持する。
ささら板55の下側の張出部55bと当接するジグ85の上面には、図12に示すように、複数の取付孔86が形成される。ささら板55の下側の張出部55bには、ジグ85の取付孔86に対応して、複数の取付孔55cが形成される。
ボルト93が、ささら板55の取付孔55cを介して、ジグ85の取付孔86に挿入されることで、ささら板55がジグ85に仮固定される。ささら板55の取付孔55cとジグ85の取付孔86は、ボルト93の径より十分に大きく形成され、ささら板55の取付孔55cとジグ85の取付孔86に対して着脱自在とする。これにより、作業者は、ジグ85を階段ユニット50から容易に取り外すことができる。
[ユニット建物の組立手順]
図13~図17は、実施例1のユニット建物の組立手順を説明する説明図である。以下、図13~図17に基づいて、実施例1のユニット建物の組立手順を説明する。
(階段ユニット取付工程)
階段ユニット取付工程では、図13に示すように、最下階の階段ユニット50を最下階の建物ユニット10に設置する。最下階の建物ユニット10には、天井仮梁24が取り付けられている。最下階の階段ユニット50には、中央壁60と外周壁70が取り付けられておらず、ジグ85が取り付けられている。
(壁取付工程)
壁取付工程では、図14に示すように、最下階の階段ユニット50に、中央壁60と、図14で手前側以外の外周壁70と、を取り付ける。
(接続金具取付工程)
接続金具取付工程では、図15に示すように、接続金具25を、中央壁60と天井側受金具23とに取り付ける。この接続金具取付工程では、12段目の踏板52および蹴込み板53と、13段目の踏板52および蹴込み板53とを階段ユニット50に取り付ける。
(仮梁取外工程・ジグ取外工程)
仮梁取外工程では、図16に示すように、天井仮梁24を最下階の建物ユニット10から取り外す。ジグ取外工程では、ジグ85を最下階の階段ユニット50から取り外す。ジグ取外工程では、図16で手前側の外周壁70を取り付ける。
上階の建物ユニット110についても、同様に、階段ユニット取付工程と、壁取付工程と、接続金具取付工程と、仮梁取外工程と、ジグ取外工程とを経て組み立てられる。最上階の建物ユニット210は、仮梁取外工程を経て組み立てられる。
(建物ユニット設置工程)
建物ユニット設置工程では、図1に示すように、基礎2の上に、最下階の建物ユニット10が設置される。最下階の建物ユニット10の上に、上階の建物ユニット110が設置される。上階の建物ユニット110の上に、最上階の建物ユニット210が設置される。
最上階の建物ユニット210の上に、屋根パネル3が設置される。
このように、ユニット建物1は、階段ユニット取付工程と、壁取付工程と、接続金具取付工程と、仮梁取外工程と、ジグ取外工程と、建物ユニット設置工程とを経て、組み立てられる。
次に、作用を説明する。
実施例1の階段構造及びユニット建物における作用を説明する。図17は、実施例1の階段構造の作用を説明する説明図である。
実施例1の階段構造は、複数階の床をつなぐ階段構造であって、矩形パネル状の中央壁60と、中央壁60の外側を取り巻くように設置される廻り階段51と、廻り階段51の外周に設置される外周壁70と、を備え、廻り階段51の内側は、中央壁60に支持され、廻り階段51の外側は、外周壁70に支持され、外周壁70は、外周壁70が配置された階の床に支持され、中央壁60は、中央壁60が配置された階の下階に配置された中央壁60に連結され、最下階に配置された中央壁60は、最下階の床に支持される(図9,図10)。
これにより、図17に示すように、上階の建物ユニット110の廻り階段51の荷重の一部を、上階の建物ユニット110の中央壁60から、最下階の中央壁60を介して、最下階の建物ユニット10の床板15に伝える。また、最下階の建物ユニット10の廻り階段51の荷重の一部を、最下階の建物ユニット10の中央壁60から、最下階の建物ユニット10の床板15に伝える。また、上階の建物ユニット110の廻り階段51の荷重の一部を、上階の建物ユニット10の外周壁70から、上階の建物ユニット10の床板115に伝える。また、最下階の建物ユニット10の廻り階段51の荷重の一部を、最下階の建物ユニット10の外周壁70から、最下階の建物ユニット10の床板15に伝える。そのため、上階の廻り階段51の荷重を分散させることができる。
実施例1の階段構造は、上階の床(床板115)は、中央壁60側の床補助梁(第2床補助梁32)によって(下側から)支持されると共に、床補助梁の側面に床側受金具33が固定されることにより、天井側受金具23および接続金具25を介して下階に配置された中央壁60に支持される(図9)。これにより、階段付近の上階の床の荷重を、中央壁60を介して、最下階の床(床板15)で支持することができる。そのため、階段付近の上階の床の荷重を分散させることができる。
実施例1の階段構造は、廻り階段51は、中央壁60を取り巻くように、270度向きを変えて配置される(図7)。これにより、狭いスペースで、階段の長さを長くすることができる。そのため、階段の勾配を緩やかにしたコンパクトな階段とすることができる。
実施例1の階段構造は、廻り階段51の外側は、外周壁70の内壁に取り付けられた支持手段(ささら板55)によって支持される(図10)。これにより、廻り階段51は、外周壁70を貫通することなく支持される。そのため、耐火性能に優れた階段構造とすることができる。
実施例1のユニット建物1は、各階を構成する建物ユニットを備え、各階の床には、上記階段構造が接続される(図2)。これにより、各階の階段ユニットを、別々の建物ユニットに設置することができる。そのため、ユニット建物の施工性を向上させることができる。
以上、本開示の階段構造およびユニット建物を実施例1に基づき説明してきた。しかし、具体的な構成については、この実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
実施例1では、第1天井補助梁21と、第2天井補助梁22と、天井側受金具23と、天井仮梁24と、接続金具25と、床側受金具33と、床仮梁34とは、溝形鋼から成る例を示した。しかし、これらは、角形鋼管であっても良いし、スチフナなどの補強プレートが溶接などにより取り付けられてもよい。
実施例1では、第1床補助梁31と、第2床補助梁32とは、角形鋼管から成る例を示した。しかし、これらは、溝形鋼であっても良いし、スチフナなどの補強プレートが溶接などにより取り付けられてもよい。
実施例1では、床板115と天井板17が、階段上に吹き抜け空間を有するように開口する例を示した。しかし、床板と天井板としては、開口を有さずに、複数に分割されて設けられてもよい。
実施例1では、外周壁は、間仕切りとする例を示した。しかし、外周壁としては、界壁、外壁、内壁など、様々な壁に適用することができる。
実施例1では、本発明を3階建ての建物の各階の床をつなぐ階段構造を有するユニット建物に適用する例を示した。しかし、本発明は、屋上を有する2階建の建物や、4階建以上の建物に適用することができる。
実施例1では、本発明とユニット建物に適用する例を示した。しかし、本発明は、一般的な鉄骨構造の建物や、在来工法の建物、ツーバイフォー式の建物にも適用可能である。
1 ユニット建物
10,110,210 建物ユニット
51 廻り階段
55 ささら板(支持手段の一例)
60 中央壁
70 外周壁

Claims (5)

  1. 複数階の床をつなぐ階段構造であって、
    矩形パネル状の中央壁と、
    前記中央壁の外側を取り巻くように設置される廻り階段と、
    前記廻り階段の外周に設置される外周壁と、を備え、
    前記廻り階段の内側は、前記中央壁に支持され、
    前記廻り階段の外側は、前記外周壁に支持され、
    前記外周壁は、前記外周壁が配置された階の前記床に支持され、
    前記中央壁は、下面に固定された床側受金具が、前記中央壁が配置された階の下階に配置された前記中央壁の上面に接続金具を介して固定された天井側受金具の上に設置された状態で上下に連結され、
    最下階に配置された前記中央壁は、最下階の前記床に支持される
    ことを特徴とする階段構造。
  2. 上階の前記床は、前記中央壁側の床補助梁によって下側から支持されると共に、該床補助梁の側面に前記床側受金具が固定されることにより、前記天井側受金具および前記接続金具を介して下階に配置された前記中央壁に支持される
    ことを特徴とする請求項1に記載の階段構造。
  3. 前記廻り階段は、前記中央壁を取り巻くように、270度向きを変えて配置される
    ことを特徴とする、請求項1または2に記載の階段構造。
  4. 前記廻り階段の外側は、前記外周壁の内壁に取り付けられた支持手段によって支持される
    ことを特徴とする、請求項1~3の何れか一項に記載の階段構造。
  5. 各階を構成する建物ユニットを備え、
    各階の前記床には、請求項1~4の何れか一項に記載の階段構造が接続される
    ことを特徴とするユニット建物。
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