以下、本発明の好ましい実施の形態につき、図面を参照して具体的に説明する。
<第1実施形態 手摺>
図1~図17は、本発明の第1実施形態に係る手摺を示している。本実施形態の手摺A1は、カバー1、芯材2、複数のブラケット3およびLED照明ユニットB1を備えている。手摺A1は、たとえば住宅等の建築物の壁面等に取り付けられるものである。また、手摺A1は、LED照明ユニットB1を備えることにより、照明機能が付与されている。
図1は、手摺A1を示す斜視図である。図2は、手摺A1を示す要部斜視図である。図3は、手摺A1を示す要部斜視図である。図4は、手摺A1を示す要部拡大斜視図である。図5は、手摺A1を示す平面図である。図6は、手摺A1を示す底面図である。図7は、図5のVII-VII線に沿う断面図である。図8は、図5のVII-VII線に沿う要部拡大断面図である。図9は、図5のIX-IX線に沿う断面図である。図10は、手摺A1のLED照明ユニットを示す斜視図である。図11は、手摺A1のLED照明ユニットを示す斜視図である。図12は、手摺A1のLED照明ユニットを示す平面図である。図13は、手摺A1のLED照明ユニットを示す正面図である。図14は、手摺A1のLED照明ユニットを示す底面図である。図15は、手摺A1のLED照明ユニットを示す要部拡大底面図である。図16は、図15のXVI-XVI線に沿う断面図である。図17は、図15のXVII-XVII線に沿う断面図である。これらの図において、x方向が本発明の第1方向に相当し、y方向が本発明の第2方向に相当し、z方向が本発明の第3方向に相当する。なお、図2においては、理解の便宜上、後述の筒状部10を省略している。図3においては、カバー1および芯材2を省略している。図11および図14においては、透光カバー7を省略している。
カバー1は、手摺A1の外観をなすものであり、使用者が把持する部分を構成している。本実施形態においては、カバー1は、筒状部10および一対の端材部19を有する。なお、本実施形態とは異なり、芯材2がカバー1を含んで一体的に形成された構成であってもよい。
筒状部10は、カバー1の大部分をなしており、x方向に長く延びる略筒状部材である。図示された例においては、筒状部10は、略円筒状である。筒状部10の材質は特に限定されず、たとえば金属や樹脂が用いられる。カバー1は、内部に芯材2を収容している。図7および図8に示すように、筒状部10は、一対のリブ11、一対のリブ12、一対のリブ13、一対の突起14、一対の突起15、連結部16およびスリット101を有する。
スリット101は、z方向図中下方に設けられており、x方向に長く延びる細長い開口部である。スリット101は、LED照明ユニットB1からの光を出射させることや、ブラケット3を挿通させることを目的として設けられている。
一対のリブ11は、スリット101のy方向両側に設けられており、筒状部10の内面からz方向に突出している。リブ11は、x方向に長く延びており、たとえば筒状部10の全長にわたって形成されている。
一対のリブ12は、一対のリブ11のy方向両側に設けられており、筒状部10の内面からz方向に突出している。リブ12は、x方向に長く延びており、たとえば筒状部10の全長にわたって形成されている。リブ12のz方向寸法は、リブ11のz方向寸法よりも大きい。
一対のリブ13は、一対のリブ12のy方向両側に設けられており、筒状部10の内面のz方向略中央からy方向に突出している。リブ13は、x方向に長く延びており、たとえば筒状部10の全長にわたって形成されている。
一対の突起14は、一対のリブ13のz方向図中上方に設けられており、筒状部10の内面からy方向に突出している。突起14は、断面略三角形状であり、y方向を向く面を有する。突起14は、x方向に長く延びており、たとえば筒状部10の全長にわたって形成されている。
一対の突起15は、一対の突起14のz方向図中上方に設けられており、筒状部10の内面から突出している。突起15は、断面略三角形状であり、z方向を向く面を有する。突起15は、x方向に長く延びており、たとえば筒状部10の全長にわたって形成されている。図示された例においては、突起15には、中空部18が形成されている。中空部18は、突起15内をx方向に貫通する孔であり、たとえば断面略三角形状である。
連結部16は、一対の突起15を連結しており、一対の突起15よりもz方向図中上方に設けられている。連結部16は、z方向を向く面を有する。図示された例においては、連結部16には、一対の中空部17が形成されている。一対の中空部17は、連結部16内をx方向に貫通する孔であり、たとえば断面略台形状である。
芯材2は、手摺A1の剛性を確保するために設けられており、本実施形態においては、LED照明ユニットB1を保持するとともに、複数のブラケット3によって支持されている。芯材2は、x方向に長く延びており、x方向と直角である断面形状が一定である。芯材2の材質は特に限定されず、本実施形態においては、磁性体が用いられている。磁性体の例としては、鉄等の磁性体金属が挙げられる。図7および図8に示すように、芯材2は、天板部21、一対の段差部23、一対の側板部24、一対の側板部25、一対の段差部26および開口部27を有する。
天板部21は、x方向を長手方向としy方向を短手方向とする板状部分である。天板部21の厚さ方向がz方向である。図示された例においては、天板部21には、複数のねじ孔28が設けられている。複数のねじ孔28は、x方向に配列されており、各々が天板部21をz方向に貫通している。ねじ孔28は、芯材2に対してブラケット3を固定するためのねじ39を相通させるためのものである。
一対の天板部22は、天板部21を挟んでy方向両側に配置されており、z方向において天板部21よりも図中上方に位置する。天板部22は、x方向を長手方向としy方向を短手方向とする板状部分である。天板部21の厚さ方向は、z方向に沿っている。図示された例においては、天板部22の図中上面が、突起15の図中下面と対向しており、これらは隙間を隔てて向かい合うか、あるいは互いに接している。
一対の段差部23は、隣り合う天板部21と天板部22とをそれぞれが連結している。図示された例においては、段差部23は、x方向を長手方向とし、y方向およびz方向に対して傾いた方向を短手方向とする板状部分である。
一対の側板部24は、一対の天板部22を挟んでy方向両側に配置されており、一対の天板部22からz方向下方に向けて延びている。側板部24は、x方向を長手方向としz方向を短手方向とする板状部分である。側板部24の厚さ方向は、y方向に沿っている。図示された例においては、側板部24のy方向外面が、突起14およびリブ13と対向しており、これらは隙間を隔てて向かい合うか、あるいは互いに接している。
一対の側板部25は、一対の側板部24に対してz方向図中下方に配置されている。一対の側板部25同士のy方向距離は、一対の側板部24同士のy方向距離よりも短い。側板部25は、x方向を長手方向としz方向を短手方向とする板状部分である。側板部25の厚さ方向は、y方向に沿っている。図示された例においては、側板部25のy方向内面が、リブ11と対向しており、これらは隙間を隔てて向かい合うか、あるいは互いに接している。
一対の段差部26は、隣り合う側板部24と側板部25とをそれぞれが連結している。図示された例においては、段差部26は、x方向を長手方向とし、y方向を短手方向とする板状部分である。
開口部27は、一対の側板部25の間に設けられており、x方向に長く延びる細長い開口部である。開口部27は、LED照明ユニットB1からの光を出射させることや、ブラケット3を挿通させることを目的として設けられている。
本実施形態においては、筒状部10と芯材2とのz方向における位置決めが、一対の突起15および一対の天板部22によってなされている。また、筒状部10と芯材2とのy方向における位置決めが、一対のリブ13および一対の側板部24と、一対のリブ11および一対の側板部25によってなされている。
複数のブラケット3は、壁面等に取付けられる部材であり、カバー1、芯材2およびLED照明ユニットB1を支持している。図1~図6に示すように、本実施形態においては、手摺A1は、2つのブラケット3を備えているが、ブラケット3の個数は特に限定されない。図9によく表れているように、図示された例においては、ブラケット3は、取付部31、湾曲部32および支持部33を有する。
取付部31は、壁面等に取付けられる部分である。図示された例においては、取付部31は、一対の取付孔311を有する。一対の取付孔311は、z方向に離間して設けられており、取付部31をy方向に貫通している。取付孔311は、ブラケット3を壁面等に取り付けるためのねじ等を挿通させるためのものである。
湾曲部32は、取付部31のz方向図中上端に繋がっており、x方向視において円弧形状の部分である。
支持部33は、芯材2を支持する部分であり、湾曲部32のz方向上端に繋がっている。図示された例においては、支持部33は、芯材2内に概ね収容されており、ねじ穴331および一対の延出部332を有する。ねじ穴331は、z方向上面から下方に向かって凹む雌ねじ穴である。ねじ穴331には、芯材2をブラケット3に取り付けるためのねじ39が螺合する。ねじ39を締結することにより、支持部33のz方向上面と芯材2の天板部21のz方向下面とが当接する。
一対の延出部332は、y方向両側に延出している。延出部332は、z方向において芯材2の天板部22と段差部26との間に位置する。また、一対の延出部332は、y方向において芯材2の一対の側板部24の間に位置している。なお、延出部332と段差部26とは、隙間を隔てているか、あるいは互いに当接している。一方、延出部332と天板部22とのz方向距離は、延出部332と段差部26との間に生じうる隙間よりも大きい。支持部33のz方向下側部分は、y方向において芯材2の一対の側板部25の間に位置している。
LED照明ユニットB1は、手摺A1に照明機能を付与するためのユニットであり、芯材2に対して着脱可能に保持される。LED照明ユニットB1は、磁力によって芯材2に保持されている。図10~図17に示すように、本実施形態においては、LED照明ユニットB1は、支持部材4、LED基板5、複数のLEDモジュール6、透光カバー7、磁石8、二対のローカル配線91、一対のバイパス配線92、二対の外部配線93、コネクタ94およびコネクタ95を有する。
支持部材4は、LED基板5および磁石8を支持している。支持部材4の材質は特に限定されず、本実施形態においては、非磁性体金属であるアルミからなる。図示された例においては、支持部材4は、中板部41、一対の側板部42、複数のリブ43および一対の係合部44を有する。図示された例においては、支持部材4のx方向に直角である断面形状は、一定である。
中板部41は、x方向を長手方向としy方向を短手方向とする板状部分である。中板部41のz方向下面には、LED基板5が取付けられる。
一対の側板部42は、中板部41のy方向両端に繋がっており、各々が中板部41からz方向両側に延びている。図示された例においては、側板部42のうち天板部21に対してz方向上側の部分よりもz方向下側の部分の方がy方向寸法が大きい。側板部42は、y方向を向く外面を有する。
複数のリブ43は、中板部41のz方向上面からz方向上側に起立しており、x方向に長く延びている。複数のリブ43の個数は特に限定されず、図示された例においては、3つのリブ43が設けられている。図示された例においては、一対の側板部42と3つのリブ43とが、y方向において等ピッチで配置されている。リブ43の中板部41からのz方向寸法は、側板部42の中板部41からのz方向寸法よりも小さい。
一対の係合部44は、磁石8と係合する部分であり、一対の側板部42のz方向図中上端からy方向内側に延出している。図示された例においては、係合部44は、z方向視において複数のリブ43とは重ならない位置および大きさとされている。
一対の側板部42には、溝部45および溝部46が形成されている。溝部45は、側板部42のうち中板部41と繋がる部分とz方向下方に隣接する位置に設けられており、y方向に凹んでいる。図示された例においては、溝部45は、断面円形状である。一対の溝部45は、LED基板5のy方向両端部を収容する部位である。溝部46は、側板部42のz方向下方部分に設けられており、y方向に凹んでいる。図示された例においては、溝部46は、断面矩形状である。一対の溝部46は、透光カバー7のy方向両端部(後述の一対のリブ73)を収容する部位である。
図10~図15に示すように、図示された例においては、支持部材4には、一対のエンドキャップ49が装着されている。一対のエンドキャップ49は、支持部材4のx方向両端に装着されており、支持部材4をx方向から塞いでいる。エンドキャップ49は、たとえば後述の外部配線93を挿通させるための貫通孔を有する。
LED基板5は、x方向を長手方向とし、y方向を短手方向とする板状部材であり、たとえばセラミックスやガラスエポキシ樹脂等の絶縁材料からなる主材と当該主材上に形成された配線パターン(図示略)とを有する。
図16に示すように、LED基板5は、主面51および裏面52を有する。主面51と裏面52とは、LED基板5の厚さ方向であるz方向において互いに反対側を向いている。主面51は、z方向図中下方を向いており、複数のLEDモジュール6が実装される。裏面52は、z方向図中上方を向いており、中板部41のz方向図中下面と正対している。裏面52は、たとえば接着剤や接着テープ等によって中板部41の下面に接合されている。LED基板5のy方向両端部は、支持部材4の一対の溝部45に収容されている。
複数のLEDモジュール6は、LED照明ユニットB1の光源であり、図14に示すように、LED基板5の主面51にx方向に並んで実装されている。複数のLEDモジュール6の配置は、1列、複数列、千鳥配列等、様々に設定される。図示された例においては、複数のLEDモジュール6は、x方向に沿って1列に配置されている。
LEDモジュール6は、LEDチップ(図示略)を含む。LEDモジュール6は、LEDチップ単体からなるものでも、LEDチップ以外の構成要素を含むものであってもよい。LEDモジュール6の構成例としては、たとえばLEDチップが搭載されたモジュール基板またはリードと、LEDチップを覆う透光樹脂とを含む構成が挙げられる。LEDチップの発光色は特に限定されず、たとえば青色光を発する。また、透光樹脂は、たとえば透明な樹脂に蛍光材料が混入された材質によって形成される。この蛍光材料は、LEDチップからの青色光によって励起されることにより、黄色光を発する。このような構成により、LEDモジュール6は、白色光を発する構成とすることができる。
透光カバー7は、支持部材4に取り付けられており、LED基板5およびLEDモジュール6に対して中板部41とはz方向において反対側に配置されている。透光カバー7は、x方向を長手方向とする形状であり、LEDモジュール6からの光を透過させる材質からなる。また、透光カバー7は、LEDモジュール6からの光を透過させつつ拡散させる材質からなるものであっても良く、たとえば半透明の乳白色樹脂からなる。
図16に示すように、図示された例においては、透光カバー7は、底板部71、一対の側板部72および一対のリブ73を有する。底板部71は、x方向を長手方向とし、y方向を短手方向とする板状部分であり、LEDモジュール6のz方向図中下方に位置している。一対の側板部72は、底板部71のy方向両端に繋がっており、x方向を長手方向とし、z方向を短手方向とする板状部分である。側板部72のz方向図中上端は、LED基板5の主面51に対して隙間を隔てて対向している。一対のリブ73は、一対の側板部72のz方向中央付近からy方向外方に延出している。一対のリブ73は、支持部材4の一対の溝部46に収容されている。
複数の磁石8は、LED照明ユニットB1を芯材2に対して着脱可能に取り付けるための磁力を発揮するのである。磁石8は、たとえばフェライト磁石、ネオジム磁石、アルニコ磁石等の永久磁石が好ましい。本実施形態においては、図3、図4、図10および図12に示すように、複数の磁石8がx方向に互いに離間して配置されている。図示された例においては、LED照明ユニットB1は、3つの磁石8を有している。1つの磁石8は、支持部材4のx方向中央付近に配置されており、他の2つの磁石8は、支持部材4のx方向両端付近に配置されている。
図16に示すように、図示された例においては、磁石8は、本体部81および一対の係合部82を有する。本体部81は、x方向と直角である断面形状が矩形状であり、z方向図中上方を向く面を有する。一対の係合部82は、本体部81のz方向図中下方部分からy方向両側外方に延出している。一対の係合部82は、支持部材4の一対の係合部44と係合することにより、磁石8が支持部材4に対してz方向図中上方に移動することを規制している。磁石8のz方向図中下端は、支持部材4の中板部41からz方向に離間しており、さらに、複数のリブ43のz方向図中上端からz方向に離間している。図8に示すように、本実施形態においては、磁石8と芯材2とが磁力によって互いに引き合うことにより、LED照明ユニットB1が芯材2に対して着脱可能に保持されている。より具体的には、磁石8の本体部81のz方向図中上面と、芯材2の天板部21のz方向図中下面とが接した状態で、芯材2と磁石8とが互いに引き合っている。
図14および図15に示すように、コネクタ94およびコネクタ95は、外部からの給電コネクタ(図示略)に接続されることにより、LED照明ユニットB1の複数のLEDモジュール6を発光させるための電力を受けるものである。また、コネクタ94およびコネクタ95は、他のLED照明ユニットB1のコネクタ95またはコネクタ94と接続されるものであってもよい。
図14および図15に示すように、二対の外部配線93は、一対の外部配線93がコネクタ94に接続され、一対の外部配線93がコネクタ95に接続されている。図示された例においては、二対の外部配線93は、一対のエンドキャップ49を通じて支持部材4内に導かれている。
図14および図15に示すように、二対のローカル配線91および一対のバイパス配線92は、二対の外部配線93にそれぞれ導通している。二対のローカル配線91は、一対のローカル配線91がLED基板5のx方向一端寄りに配置されており、他の一対のローカル配線91がLED基板5のx方向他端寄りに配置されている。二対のローカル配線91は、LED基板5の上述の配線パターンに導通しており、コネクタ94またはコネクタ95から受けた電力を複数のLEDモジュール6へと供給するための導通経路を構成している。
一対のバイパス配線92は、二対の外部配線93を介してコネクタ94およびコネクタ95を導通させる導通経路を構成している。図15~図17に示すように、本実施形態においては、一対のバイパス配線92は、LED基板5に対してz方向図中下方側に位置している。また、一対のバイパス配線92は、z方向視においてLED基板5に重なり、且つ複数のLEDモジュール6を挟んでy方向両側に離間して配置されている。また、図示された例においては、一対のバイパス配線92は、LED基板5と透光カバー7とに囲まれた空間に収容されている。
二対のローカル配線91は、LED基板5に対してz方向図中下方側に位置している。一対ずつのローカル配線91は、複数のLEDモジュール6に対してx方向外側に位置している。二対のローカル配線91は、y方向において一対のバイパス配線92の間に位置している。図17に示すように、二対のローカル配線91と一対のバイパス配線92とは、互いのz方向位置が略同じである。
次に、手摺A1の作用について説明する。
本実施形態によれば、LED照明ユニットB1は、磁力によって芯材2に着脱可能に保持されている。このため、LED照明ユニットB1を芯材2に保持させるために、互いの一部同士を係合させる必要がない。これにより、LED照明ユニットB1や芯材2に不可避的に有する製造上の誤差が存在しても、LED照明ユニットB1を芯材2に適切に保持させることができる。また、LED照明ユニットB1を交換する際に、LED照明ユニットB1や芯材2が摩耗したり欠けたりすることを回避することが可能である。したがって、LED照明ユニットB1を適切に着脱させることができる。
LED照明ユニットB1は、磁石8を有しており、芯材2は、磁性体によって形成されている。磁石8と芯材2の天板部21とが磁力によって引き合うことにより、LED照明ユニットB1は芯材2に保持される。天板部21は、x方向を長手方向とする板状部分であり、LED照明ユニットB1は、x方向を長手方向とする細長形状である。したがって、芯材2のx方向外方からLED照明ユニットB1をスライドさせることにより、LED照明ユニットB1を芯材2によって適切に保持することができる。x方向に離間配置された複数の磁石8を備えることにより、LED照明ユニットB1のx方向における複数箇所を芯材2によって保持することが可能であり、LED照明ユニットB1をより安定して保持することができる。
磁石8は、LED基板5に対してz方向図中上方に設けられている。このため、図8に示すように、磁石8によってLED照明ユニットB1を芯材2に保持させると、LED照明ユニットB1が芯材2によって吊り下げられた姿勢となる。この姿勢において、複数のLEDモジュール6が搭載された主面51は、z方向図中下方を向いている。そして、芯材2には、開口部27が設けられており、筒状部10には、スリット101が設けられている。したがって、LED照明ユニットB1を芯材2に保持させると、複数のLEDモジュール6(LED照明ユニットB1)からの光を開口部27およびスリット101を通じてz方向図中下方へと出射することができる。
支持部材4の中板部41のz方向下面にLED基板5が取り付けられており、中板部41のz方向上面には、複数のリブ43が設けられている。これにより、複数のLEDモジュール6を発光させた際の熱が、中板部41を介して複数のリブ43へと伝達される。複数のリブ43は、z方向に起立する形状であり、熱を外部に放散させるのに好ましい。特に、本実施形態においては、支持部材4はアルミからなり、放熱効果を高めるのに適している。また、複数のリブ43は、磁石8と隙間を隔ててz方向下方に位置している。このため、複数のリブ43から磁石8へと熱が不当に伝わってしまうことを回避することができる。一方、x方向において磁石8が存在しない領域においては、複数のリブ43のz方向上方には、芯材2の天板部21に至るまでの空間が存在する。この空間は、複数のリブ43からの放熱を促進させるのに好ましい。
LED照明ユニットB1のx方向両側に、コネクタ94およびコネクタ95が設けられている。このため、LED照明ユニットB1のx方向におけるいずれの側であっても、LED照明ユニットB1への電力供給を行うことができる。一対のバイパス配線92が設けられていることにより、LED基板5の配線パターンに、一対のバイパス配線92が担うべき導通経路を設ける必要がない。これにより、LED基板5の小型化、特にy方向寸法の縮小を図ることができる。また、一対のバイパス配線92を、LED基板5の配線パターンとz方向視において重なる配置とすることが好ましい。これにより、LED照明ユニットB1、ひいては手摺A1の小型化を図ることができる。
手摺A1においてLED照明ユニットB1を備えることによって実現される照明機能は、周囲を鮮明に照らす用途ではなく、いわゆる間接照明用途である。このため、複数のLEDモジュール6の近傍に一対のバイパス配線92が存在することによって、複数のLEDモジュール6からの光の一部が一対のバイパス配線92に遮られたとしても、LED照明ユニットB1は、間接照明としての機能を十分に果たすことができる。
x方向において複数のLEDモジュール6を避けた領域において、一対のバイパス配線92の間に二対のローカル配線91を配置することにより、LED照明ユニットB1の小型化を図ることができる。
図18~図25は、本発明の変形例および他の実施形態に係る手摺を示している。なお、これらの図において、上記実施形態と同一または類似の要素には、上記実施形態と同一の符号を付している。
<第1実施形態 第1変形例 手摺>
図18は、手摺A1の第1変形例を示している。本変形例の手摺A11は、LED照明ユニットB11を備えている。LED照明ユニットB11は、支持部材4の構成が上述した手摺A1のLED照明ユニットB1と異なっている。本変形例においては、支持部材4は、樹脂によって形成されている。本変形例から理解されるように、支持部材4の材質は、磁石8の磁力を用いてLED照明ユニットB11を芯材2に保持させることが可能であれば、様々な材質を用いることができる。また、図示されたように、支持部材4が樹脂からなる場合、たとえば、支持部材4は、上述した複数のリブ43を有さない構成であってもよい。
<第1実施形態 第2変形例 手摺>
図19は、手摺A1の第2変形例を示している。本変形例の手摺A12は、LED照明ユニットB12を備えている。手摺A12は、LED照明ユニットB12を芯材2に保持させるための磁力を発揮させる具体的構成が、上述した例と異なっている。
手摺A12においては、芯材2に磁石8が取り付けられている。図示された例においては、磁石8は、接合層89によって芯材2に取り付けられている。芯材2は、幅広の天板部21を有しており、上述した一対の天板部22および一対の段差部23は設けられていない。
LED照明ユニットB12は、金属部材85を有している。金属部材85は、磁性体金属からなり、たとえば鉄製である。金属部材85は、一対の係合部87を有している。一対の係合部87は、支持部材4の一対の係合部44と係合することにより、金属部材85によって支持部材4を支持するためのものである。
本変形例によっても、磁力によってLED照明ユニットB12を芯材2に着脱可能に保持させることができる。また、磁力を生じさせるための磁石等は、LED照明ユニットB12の一部として設けられてもよいし、芯材2の側に設けられてもよい。本変形例においても、磁石8および金属部材85の少なくともいずれかは、複数個が備えられ、x方向に離間配置されていてもよい。
<第1実施形態 第3変形例 手摺>
図20は、手摺A1の第3変形例を示している。本変形例の手摺A13は、LED照明ユニットB13を備えている。LED照明ユニットB13は、透光カバー7の構成が上述した例と異なっている。
本変形例においては、透光カバー7は、底板部71、一対の側板部72、一対のリブ73、一対の側板部74および一対の段差部75を有している。一対の側板部74は、一対の底板部71のy方向両端に繋がっており、z方向に沿って起立している。一対の側板部74同士のy方向距離は、一対の側板部72のy方向距離よりも小さい。一対の段差部75は、隣り合う側板部72と側板部74とを連結している。側板部72のz方向寸法は、側板部74のz方向寸法よりも大きい。
このような構成により、本変形例の底板部71は、上述した例の底板部71よりもLED基板5および複数のLEDモジュール6からz方向図中下方に離間している。図示された例においては、底板部71は、芯材2からz方向下方に突出しており、筒状部10のスリット101に収容されている。本変形例から理解されるように、透光カバー7の構成は、複数のLEDモジュール6からの光を適切に出射させうるものであればよい。
<第1実施形態 第4変形例 手摺>
図21は、手摺A1の第4変形例を示している。本変形例の手摺A14は、LED照明ユニットB14を備えている。LED照明ユニットB14は、透光カバー7の構成が上述した例と異なっている。
本変形例においては、透光カバー7は、導光部76を有している。導光部76は、LED基板5および複数のLEDモジュール6のz方向図中下方に位置している。導光部76のx方向と直角である断面形状は、z方向を長手方向とする長矩形状である。導光部76のz方向図中下端は、スリット101に位置している。
また、本変形例の透光カバー7は、透明な樹脂によって形成されている。これにより、導光部76は、z方向図中上面から入射した複数のLEDモジュール6からの光を、z方向図中下方へと導き、z方向図中下面から出射する導光体としての機能を果たす。このような変形例は、LED照明ユニットB14(手摺A14)から出射される光量を増加するのに適している。
<第2実施形態 手摺>
図22~図25は、本発明の第2実施形態に係る手摺を示している。本実施形態の手摺A2は、2つのLED照明ユニットB1を備えている。
図22は、手摺A2を示す斜視図である。図23は、手摺A2を示す要部斜視図である。図24は、手摺A2を示す要部拡大斜視図である。図25は、図22のXXV-XXV線に沿う要部拡大断面図である。なお、図23および図24においては、理解の便宜上、カバー1および芯材2を省略している。
図23に示すように、手摺A2は、2つのLED照明ユニットB1を備えている。2つのLED照明ユニットB1は、x方向に配列されている。カバー1は、一つのみの筒状部10を備えている。そして、2つのLED照明ユニットB1が1つの筒状部10に収容されている。すなわち、筒状部10のx方向寸法は、LED照明ユニットB1のx方向寸法よりも若干長い。
手摺A2は、3つのブラケット3を備えている。3つのブラケット3は、x方向に互いに離間して配置されている。2つのブラケット3は、筒状部10のx方向両端付近に設けられている。他の1つのブラケット3は、筒状部10のx方向中央付近に設けられている。2つのLED照明ユニットB1は、ブラケット3を挟んで並べられている。
図24に示すように、本実施形態においては、一方のLED照明ユニットB1のコネクタ94と、他方のLED照明ユニットB1のコネクタ95とが接続されている。これにより、いずれかのLED照明ユニットB1のコネクタ94またはコネクタ95に給電されると、互いに接続されたコネクタ94およびコネクタ95を介して2つのLED照明ユニットB1の双方に給電がなされる。
図24および図25に示すように、一方のLED照明ユニットB1の一対の外部配線93は、z方向においてブラケット3の延出部332と芯材2の天板部22との間の空間に収容されている。
本実施形態によっても、LED照明ユニットB1を適切に着脱させることができる。また、共通仕様のLED照明ユニットB1を用いて、LED照明ユニットB1のx方向長さの整数倍に近い長さの手摺A2を実現することが可能である。
隣り合うLED照明ユニットB1のコネクタ94とコネクタ95とを接続することにより、いずれかのLED照明ユニットB1に給電すれば、2つのLED照明ユニットB1の双方に給電することができる。また、延出部332と天板部22との間に一対の外部配線93を配置することにより、ブラケット3を挟んで隣り合うLED照明ユニットB1を適切に接続することができる。延出部332のz方向図中上面は、ねじ穴331の開口部分よりもz方向図中下方に位置している。また、天板部22は、天板部21に対してz方向図中上方に位置している。これらにより、延出部332と天板部22との間に、一対の外部配線93を収容するのに十分な大きさの空間を確保することができる。
本発明に係る手摺は、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明に係る手摺の各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
<第1実施形態 巾木>
図26および図27は、本開示の第1実施形態に係る巾木を示している。本実施形態の巾木C1は、土台部材910、ケース920、LED基板930、複数のLEDモジュール940、透光カバー950および意匠面960を備えている。
図26は、巾木C1を示す斜視図である。図27は、図26のXXVII-XVII線に沿う断面図である。
たとえば、住居の建築においては、壁WLの設置をスムーズに行うことを目的として、床FLと壁WLとの間に隙間を設けることが一般的である。巾木C1は、この隙間を塞ぐために設けられる。また、巾木C1は、床FLおよび壁WLの境界部分を縁取る意匠部材としての機能を果たすことが多い。
土台部材910は、たとえば木材等からなり、壁WLの下端に沿うx方向に長く延びる細長い部材である。図示された例においては、土台部材910は、x方向と直角である断面形状が、z方向を長手方向とし、y方向を短手方向とする長矩形状である。
ケース920は、LED基板930およびLEDモジュール940を収容するものであり、たとえば、金属や樹脂からなる。本実施形態においては、ケース920は、土台部材910に対してz方向上方に配置されており、たとえば接着剤や接着テープ等によって土台部材910に接合されている。
ケース920は、x方向に長く延びる細長い部材であり、本実施形態においては、底板部921および側板部922を有する。底板部921は、x方向を長手方向とし、y方向を短手方向とする細長い板状部分であり、土台部材910に接合されている。側板部922は、底板部921のy方向端に繋がっており、x方向を長手方向とし、z方向を短手方向とする細長い板状部分である。このような構成により、本実施形態のケース920は、x方向と直角である断面形状が略L字状である。
LED基板930は、x方向を長手方向とし、z方向を短手方向とする板状部材であり、たとえばセラミックスやガラスエポキシ樹脂等の絶縁材料からなる主材と当該主材上に形成された配線パターン(図示略)とを有する。本実施形態においては、LED基板930は、ケース920の側板部922に、接着剤や接着テープ等からなる接合層931によって接合されている。
複数のLEDモジュール940は、巾木C1に照明機能を付与するための光源であり、LED基板930の片面にx方向に並んで実装されている。複数のLEDモジュール940の配置は、1列、複数列、千鳥配列等、様々に設定される。図示された例においては、複数のLEDモジュール940は、x方向に沿って1列に配置されている。
LEDモジュール940は、LEDチップ(図示略)を含む。LEDモジュール940は、LEDチップ単体からなるものでも、LEDチップ以外の構成要素を含むものであってもよい。LEDモジュール940の構成例としては、たとえばLEDチップが搭載されたモジュール基板またはリードと、LEDチップを覆う透光樹脂とを含む構成が挙げられる。LEDチップの発光色は特に限定されず、たとえば青色光を発する。また、透光樹脂は、たとえば透明な樹脂に蛍光材料が混入された材質によって形成される。この蛍光材料は、LEDチップからの青色光によって励起されることにより、黄色光を発する。このような構成により、LEDモジュール940は、白色光を発する構成とすることができる。また、励起光の波長を適宜設定することにより、LEDモジュール940から発せられる白色光の色合いを調整することができる。
透光カバー950は、複数のLEDモジュール6からの光を透過させるものであり、本実施形態においては、複数のLEDモジュール6からの光を拡散させつつ透過させる材質からなり、たとえば半透明の乳白色樹脂からなる。本実施形態においては、透光カバー950は、天板部951、側板部952およびリブ953を有する。
天板部951は、複数のLEDモジュール6に対してz方向上方に位置しており、x方向を長手方向とし、y方向を短手方向とする板状部分である。天板部951は、複数のLEDモジュール6からの光を拡散させつつ透過させる。側板部952は、天板部951のy方向に繋がっており、x方向を長手方向とし、z方向を短手方向とする、板状部分である。側板部952のz方向下端は、ケース920の底板部921に到達している。リブ953は、天板部951の端部付近からz方向下方に延びた部分である。リブ953は、ケース920の側板部922と当接することにより、透光カバー950をケース920に対して位置決めするためのものである。
意匠面960は、巾木C1のy方向前面から観察した場合の外観を構成するものである。本実施形態においては、意匠面960は、土台部材910とケース920とのy方向前面に設けられている。意匠面960は、たとえば木目調の印刷が施された印刷層が、土台部材910およびケース920にわたって設けられることにより構成されている。
次に、巾木C1の作用について説明する。
本実施形態によれば、巾木C1は、複数のLEDモジュール6が不点灯の状態においては、照明機能を有さない一般的な巾木と同様の外観である。一方、複数のLEDモジュール6が点灯すると、一般的な巾木と同様の外観である巾木C1のz方向上方に位置する壁WLの部分が、ほのかに照らされる。これにより、室内の見栄えをいたずらに煩雑にすることなく、巾木C1によるいわゆる間接照明によって室内をより優雅に彩ることができる。
巾木C1のy方向前面に現れる意匠面960を設けることにより、巾木C1が照明機能を果たす構成であることを居住者等に意識させないことができる。
ケース920が断面L字状であることにより、巾木C1の組立において、LED基板930をケース920の側板部922に接合する作業をスムーズに行えるという利点がある。
図28~図35は、本開示の他の実施形態に係る巾木を示している。なお、これらの図において、上記実施形態と同一または類似の要素には、上記実施形態と同一の符号を付している。
<第2実施形態 巾木>
図28は、本開示の第2実施形態に係る巾木を示している。本実施形態の巾木C2は、上述の土台部材910を備えていない。ケース920は、土台部923および側板部922を有しており、たとえば巾木C1における土台部材910とケース920とが一体化された構成に相当する。土台部923は、x方向と直角である断面形状が、z方向を長手方向とし、y方向を短手方向とする長矩形状である。側板部922は、土台部923に対してz方向上方繋がっている。このようなケース920は、たとえば、アルミ等の金属からなる。なお、ケース920をアルミによって形成する場合、図示された例のように、土台部923を中空構造としてもよい。また、土台部923を板状部分とし、ケース920を断面L字状としてもよい。
本実施形態によっても、室内の見栄えをいたずらに煩雑にすることなく、巾木C2によるいわゆる間接照明によって室内をより優雅に彩ることができる。また、本実施形態から理解されるように、巾木C1における土台部材910を備えない構成であってもよい。
<第3実施形態 巾木>
図29は、本開示の第3実施形態に係る巾木を示している。本実施形態の巾木C3は、土台部材910を備えているが、巾木C2と同様に、土台部材910を備えない構成であってもよい。ケース920は、底板部921、一対の側板部922および係合部924を有する。一対の側板部922は、底板部921のy方向両端に繋がっており、各々がx方向を長手方向とし、z方向を短手方向とする板状部分である。係合部924は、y方向前方の側板部922のz方向上端から、y方向に突出している。ケース920は、x方向と直角である断面形状が、長矩形状の三辺に相当する部分を有するコの字状である。
LED基板930は、x方向視においてケース920の対角線に沿うような配置とされている。LED基板930の図中右下に位置する短手方向一端は、底板部921と側板部922との結合部分に位置している。LED基板930の図中左上に位置する短手方向他端は、係合部924に対してz方向下方から係合している。これにより、LED基板930は、z方向に対して傾いている。複数のLEDモジュール940は、LED基板930のうち図中右上を向く面に搭載されている。
本実施形態によっても、室内の見栄えをいたずらに煩雑にすることなく、巾木C3によるいわゆる間接照明によって室内をより優雅に彩ることができる。また、LED基板930をケース920に取り付けるには、たとえばケース920のx方向一端から、LED基板930をx方向にスライドさせてケース920内に挿入すればよい。したがって、巾木C3の組立をより容易に行うことができる。また、z方向に対して傾いたLED基板930に複数のLEDモジュール940が搭載されていることにより、複数のLEDモジュール940からの光をz方向上方へとより効果的に向かわせることができる。断面コの字状であることにより、ケース920の剛性を高めることができる。
<第4実施形態 巾木>
図30は、本開示の第4実施形態に係る巾木を示している。本実施形態の巾木C4は、ケース920が、一対の側板部922を有する断面コの字状である。また、ケース920には、溝部925が形成されている。溝部925は、底板部921のy方向前方端付近に設けられており、z方向下方に凹み、x方向に長く延びている。溝部925には、LED基板930のz方向下端が挿入されている。
本実施形態によっても、室内の見栄えをいたずらに煩雑にすることなく、巾木C4によるいわゆる間接照明によって室内をより優雅に彩ることができる。また、接着等の手法によらず、LED基板930をケース920に固定することが可能である。断面コの字状であることにより、ケース920の剛性を高めることができる。
<第5実施形態 巾木>
図31は、本開示の第5実施形態に係る巾木を示している。本実施形態の巾木C5は、土台部材910が、基部911および前面部912を有する。基部911は、土台部材910のうちz方向下方に位置する部分であり、y方向寸法が土台部材910全体のy方向寸法と同じである。基部911は、x方向と直角である断面形状が、たとえば矩形状である。本実施形態においては、基部911は、たとえば接合層919によって壁WLに接合されている。
前面部912は、基部911からz方向上方に延びており、y方向において壁WLとは反対側の前側に位置している。前面部912は、x方向を長手方向、z方向を幅方向、y方向を厚さ方向とする帯板状である。前面部912と壁WLとの間には、空間が存在する。
本実施形態のケース920は、底板部921および一対の側板部922を有しており、x方向視においてz方向上方に開口する断面コの字状である。透光カバー950は、天板部951と一対のリブ953とを有しており、ケース920をz方向上側から塞いでいる。ケース920は、前面部912と壁WLとの間の空間に挿入されている。ケース920の挿入は、若干の隙間が生じた状態でもよいし、いわゆる圧入された状態であってもよい。
本実施形態のLED基板930は、たとえば接合層931によってy方向図中左側の側板部922に接合されている。
本実施形態によっても、室内の見栄えをいたずらに煩雑にすることなく、巾木C5によるいわゆる間接照明によって室内をより優雅に彩ることができる。また、前面部912と壁WLとの間にケース920を挿入する構成であることにより、ケース920と土台部材910との接合やケース920と壁WLとの接合が必須ではなく、設置作業をよりスムーズに行うことができる。
<第6実施形態 巾木>
図32は、本開示の第6実施形態に係る巾木を示している。本実施形態の巾木C6は、土台部材910の基部911と前面部912とが、z方向に離間した構成とされている。前面部912のy方向背面には、LED基板930および透光カバー950が取付けられている。LED基板930は、前面部912に対して取付けられたベース基板929に対して、たとえば接合層931によって接合されている。透光カバー950は、たとえば一対のリブ953をベース基板929に係合させることにより、前面部912に対して固定されていてもよいし、図示しない接着剤によって前面部912に接合されていてもよい。
透光カバー950は、天板部951、側板部952および底板部954を有する。天板部951と底板部954とは、z方向において互いに離間しており、互いに平行な帯板状である。側板部952は、天板部951と底板部954とのy方向端縁同士を繋いでいる。
本実施形態によっても、室内の見栄えをいたずらに煩雑にすることなく、巾木C6によるいわゆる間接照明によって室内をより優雅に彩ることができる。また、前面部912が基部911に対してz方向上方に離間している。そして、透光カバー950の天板部951と底板部954とから、z方向の両側に光が出射される。これにより、より幅広い光の帯をたとえば壁WLに現出させることが可能であり、室内を優雅に彩るのに好ましい。
<第7実施形態 巾木>
図33~図35は、本開示の第7実施形態に係る巾木を示している。本実施形態の巾木C7は、互いに略直角に繋がる2つの壁WLに設置されることが意図されている。図34に示すように巾木C7の土台部材910は、たとえば基部911および前面部912を有する構成であり、前面部912と壁WLとの間に空間が存在する。
巾木C7は、LEDユニット980を備えている。LEDユニット980は、LED基板930、複数のLEDモジュール940および透光樹脂970を備えている。本実施形態のLED基板930は、いわゆるフレキシブル配線基板である。LED基板930は、細長い帯状であり、屈曲および切断が可能に構成されている。複数のLEDモジュール940は、LED基板930の長手方向に配列されている。透光樹脂970は、LED基板930の片面側に設けられており、複数のLEDモジュール940を覆っている。透光樹脂970は、LEDモジュール940からの光を透過させる材質からなり、さらに、LEDモジュール940からの光を拡散させつつ透過させるものであってもよい。透光樹脂970は、LEDモジュール940からの光を少なくともz方向上方に出射させる。
LEDユニット980は、前面部912と壁WLとの間の空間に配置されている。LEDユニット980は、当該空間に単に挿入されたものでもよいし、たとえば前面部912に対して接合されてもよい。
図35は、巾木C7の組み立て例を示している。本例においては、壁WLに対して土台部材910が予め取付けられている。同図(a)は、たとえば一定の長さを有するように製造されたLEDユニット980を示している。図示された例においては、LEDユニット980は、x方向に延びる土台部材910よりも長い。このため、同図(b)に示すように、LEDユニット980を切断線CLに沿って切断し、LEDユニット980の長さを土台部材910に応じた長さに短縮する。LEDユニット980のLED基板930は、切断された後も、同一のLED基板930に搭載された複数のLEDモジュール940を適切に点灯させ得る配線パターン(図示略)を有する。次いで、同図(c)に示すように、切断後のLEDユニット980を、前面部912と壁WLとの間の空間に配置する。これにより、巾木C7が完成する。
本実施形態によっても、室内の見栄えをいたずらに煩雑にすることなく、巾木C7によるいわゆる間接照明によって室内をより優雅に彩ることができる。また、切断可能なLEDユニット980を備えることにより、室内の壁WL等の形状に応じてより広い領域に巾木C7を設けることが可能であり、室内のより広い範囲を優雅に彩ることができる。なお、LEDユニット980を切断することにより、土台部材910に取り付ける構成例の他に、たとえばLEDユニット980を略直角に屈曲させることにより、LEDユニット980を土台部材910に取り付けてもよい。
本開示に係る巾木は、上述した実施形態に限定されるものではない。本開示に係る巾木の各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
<第1実施形態 階段>
図36~図38は、本開示の第1実施形態に係る階段を示している。本実施形態の階段D1は、複数の踏板991、複数の蹴込み板992および複数のLEDユニット980を備えている。階段D1は、複数のLEDユニット980を備えることにより、照明機能が付与されている。なお、同図に示す例においては、階段D1に沿うように上述の巾木C1が設けられている。図示された巾木C1は、光の出射方向がz方向下方とされており、階段D1側を照らしている。
図36は、階段D1を示す要部斜視図である。図37は、図36のXXXVII-XXXVI線に沿う要部断面図である。図38は、図37のXXXVIII-XXXVIII線に沿う要部断面図である。
複数の踏板991および複数の蹴込み板992は、一般的な階段を構成する部材である。踏板991は、使用者が昇降する際に足を置く部材である。蹴込み板992は、隣り合う踏板991をz方向において互いに離間させるための部材である。
踏板991は、段鼻993を有する。段鼻993は、踏板991のうち蹴込み板992からy方向に突出する部分である。本実施形態においては、段鼻993には、凹部994が形成されている。凹部994は、段鼻993のz方向下面からz方向上方に凹んでおり、x方向に長く延びている。凹部994は、たとえば断面矩形状の溝である。
複数のLEDユニット980は、階段D1に照明機能を付与するものである。本実施形態においては、複数のLEDユニット980は、複数の踏板991の段鼻993に各別に収容されている。図37および図38に示すように、本実施形態のLEDユニット980は、LED基板930、LEDモジュール940および導光体971を有する。
LED基板930は、LEDモジュール940を搭載するためのものである。本実施形態においては、導光体971のx方向両側に、一対のLED基板930が設けられている。各LED基板930は、x方向に対して直角である姿勢とされている。
LEDモジュール940は、LED基板930のx方向内側を向く面に実装されている。一対のLED基板930が設けられていることに対応して、一対のLEDモジュール940が設けられている。
導光体971は、LEDモジュール940からの光をz方向下方へと出射するためのものである。図示された例においては、導光体971は、x方向に長く延びる棒状部材であり、たとえばアクリル樹脂等の透明な樹脂からなる。
本実施形態の導光体971は、一対の入射部972、反射部973および出射部974を有する。
一対の入射部972は、一対のLEDモジュール940からの光が入射する部分である。図示された例においては、一対の入射部972は、導光体971のx方向両端に設けられており、各々がx方向に凹んだ部分である。導光体971のx方向底面は、たとえばx方向に対して直角である平滑な平面である。このx方向底面に、LEDモジュール940が正対している。
反射部973は、一対の入射部972から入射して導光体971内を進行してきた光を、z方向下方に向けて反射する部分である。反射部973は、たとえば、導光体971のz方向上面に、粗面を形成することによって構成される。または、反射部973は、導光体971のz方向上面に白色の反射層を設けることによって構成されてもよい。
出射部974は、反射部973によって反射された光をz方向下方へと出射する部分である。出射部974は、たとえばz方向に対して直角である平滑な平面である。あるいは、出射部974は、所定のレンズ形状部分を有するものであってもよい。
次に、階段D1の作用について説明する。
本実施形態によれば、踏板991の段鼻993からz方向下方に向けて光が出射される。この照明機能により階段D1の各部がいわゆる間接照明によって照らされる。したがって、室内をより優雅に彩ることができる。
LEDユニット980が導光体971を有することにより、比較的少数のLEDモジュール940によって照明機能を実現することができる。
<第2実施形態 階段>
図39は、本開示の第2実施形態に係る階段を示している。本実施形態の階段D2は、LEDユニット980の構成が、上述した実施形態と異なっている。
本実施形態においては、LEDユニット980は、LED基板930、複数のLEDモジュール940および透光樹脂970を有する。
LED基板930は、x方向に長く延びる細長い帯状である。LED基板930は、厚さ方向がz方向に沿うように段鼻993の凹部994内に固定されている。
複数のLEDモジュール940は、LED基板930のz方向下面にx方向に沿って配列されている。透光樹脂970は、LED基板930に対してz方向下方に設けられており、複数のLEDモジュール940からの光を透過させる。透光樹脂970は、LEDモジュール940からの光を拡散させつつ透過させることが好ましい。
このような実施形態によっても、室内をより優雅に彩ることができる。
本開示に係る階段は、上述した実施形態に限定されるものではない。本開示に係る巾木の各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。