JP7044230B2 - パイロット式減圧弁 - Google Patents
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Description
また、蓋体5は、開閉部材6を支持する中央部が弁箱4とは反対側に突出する断面山形状に形成されている。蓋体5とダイヤフラム13との間には、流体室14が形成されている。蓋体5の頂部には空気抜き弁15が設けられている。
パイロット弁21は、第2の管路23内の圧力(下流側流体通路10の圧力)が所定の圧力より低い場合にのみ開き、その他の場合は閉じている。
また、従来のパイロット式減圧弁1は、図9に示すように、液体の流れる方向が水平方向となる姿勢で使用される他に、流体の流れる方向が下から上、あるいは上から下に向けて流れるような姿勢で使用されることがある。
流体室14に空気が溜められていると、開閉部材6を弁体18が弁座11に着座する方向へ押す押圧力が一定になり難く、この減圧弁1が開閉するときに開閉部材6がハンチングを起こすことがある。開閉部材6がハンチングを起こすと、液体の振動が下流側流体通路10から下流側の配管内を伝播し、広い範囲にわたって騒音が生じるおそれがある。
したがって、本発明によれば、流体が下から上に向けて流れる姿勢で使用しても内部に空気が溜まることがないパイロット式減圧弁を提供することができる。
図1に示すパイロット式減圧弁31は、水を流す設備に用いられるものである。この設備としては、例えばスプリンクラー設備がある。この実施の形態においては、本発明に係るパイロット式減圧弁31をスプリンクラー設備32に取付けて使用する場合の一例を説明する。
主弁部34は、図3に示すように、弁箱33に後述する複数の構成部品を組付けて構成されている。弁箱33は、下から上に水が流れる姿勢で使用される。弁箱33の下端部と上端部とには、それぞれフランジ36,37が設けられている。下側のフランジ36には、スプリンクラー設備32の上流側水通路38を形成する配管(図示せず)が接続され、上側のフランジ37には、スプリンクラー設備32の下流側水通路39を形成する配管(図示せず)が接続される。下側のフランジ36に形成された下側の配管接続口36aは、スプリンクラー設備32の水供給用ポンプ41に上流側水通路38を介して接続される。上側のフランジ37に形成された上側の配管接続口37aは、スプリンクラー設備32のスプリンクラーヘッド42に下流側水通路39を介して接続される。
蓋体53は、断面山形状の中央部53aを有し、弁体挿入口56を覆うように弁箱33に取付けられている。中央部53aの突出端には空気抜き弁57が設けられている。この蓋体53と弁箱33との間には、ダイヤフラム52によって水平方向に仕切られた流体室58と、弁体挿入口56側の空間(図3においては図示されていない)とが形成されている。
このため、弁箱33の弁体挿入口56は、ダイヤフラム52によって閉塞されることになる。
ダイヤフラム受65は、円筒状に形成され、一端部に弁体64が取付けられているとともに、他端部にダイヤフラム52が接続されている。弁体64は、ゴム材料によってリング状に形成されており、軸方向の一端部がダイヤフラム受65から突出する状態でダイヤフラム受65に取付けられている。弁体64の外周部は弁座47に接触し、内周部は弁体押え63に接触している。
パイロット弁部35は、図1および図2に示すように、弁箱33の下部に一端が接続された第1の管路71と、弁箱33の上部に一端が接続された第2の管路72と、蓋体53の上端部に一端が接続された第3の管路73と、第1および第2の管路71,72の他端にそれぞれ接続されたパイロット弁74とによって構成されている。
第1の管路71は、図1に示すように、弁箱33の下部に第1の継手75を介して一端が接続された第1のパイプ76と、この第1のパイプ76の他端に第2の継手77を介して一端が接続されるとともに他端がパイロット弁74の第1の接続口78に接続されたエゼクタ79などによって構成されている。エゼクタ79と、後述するパイロット弁74内の流体通路81(図6参照)とは、弁箱33の設置状態で流体室58の上端部より上に位置している。この実施の形態においては、この第1の管路71が本発明でいう「上流側導圧通路」に相当する。
第5の継手87は、蓋体53の上端部を貫通するねじ孔53b(図3参照)に螺着されている。絞り弁89は、図1に示すように、流体室58の上端部と同等の高さに設けられている。流量調節弁92は、流体室58の上端部より上に位置している。この実施の形態においては、この第3の管路73が本発明でいう「連通路」に相当する。
絞り弁89は、詳細には図示してはいないが、内部の通路の通路断面積を変える弁体と、この弁体の位置を変えるハンドル95などを備えている。
流量調節弁92は、図5に示すように、内部の通路96の通路断面積を変えるニードル形の弁棒97と、この弁棒97が貫通するリング状の弁体98とを備えている。弁棒97は、バルブボディ99に螺合されており、バルブボディ99の一端部からキャップ100を外してロックナット101を緩めた状態で回されることによって、前進あるいは後退する。
パイロット弁74は、図6に示すように、流体通路81が形成された弁箱111と、この弁箱111の下端部にダイヤフラム112を介して取付けられた蓋体113とを備えている。流体通路81は、第1の管路71(エゼクタ79)に接続された第1の通路114と、第2の管路72(ニップル86)に接続された第2の通路115とによって構成されている。第1の通路114の一端は、弁箱111の中央部で上方に向けて開口する弁座116によって形成されている。
弁体117は、ダイヤフラム112に接続された下端部から弁座116の側方を通って上方に延びる連結部117aと、この連結部117aの上端に設けられた柱状部117bとを備えている。この弁体117の下端部は、円板状のダイヤフラム押え117cと、このダイヤフラム押え117cから下方に突出するボルト117dとによって構成されている。ボルト117dは、ダイヤフラム112と、円板状のダイヤフラム受118とをこの順に貫通している。
この実施の形態によるパイロット式減圧弁31は、下側のフランジ36が下に位置する状態でスプリンクラー設備32の配管(図示せず)に接続される。このパイロット式減圧弁31は、水が供給されていない初期の状態では、弁体64がばね部材69のばね力で弁座47に押し付けられており、閉じた状態にある。また、このとき、パイロット弁74は、弁体117が圧縮コイルばね120のばね力によって押されて開いた状態である。
スプリンクラー設備32は、このように配管内の圧力が定常圧力となる状態に維持される。
しかし、この空気は、スプリンクラー設備32の点検時などでパイロット弁74が開いたときに流体室58の上端部から第3の管路73と、第1の管路71と、パイロット弁74および第2の管路72とを通って下流側流体通路44に排出される。このようにパイロット弁74が開いて流体室58の圧力が低下することにより、開閉部材61が上流側流体通路43内の水圧で押されてばね部材69のばね力に抗して弁座47から離れ、パイロット式減圧弁31が開く。パイロット式減圧弁31は、下流側流体通路44の圧力が定常圧力に達した時に閉じる。
したがって、この実施の形態によれば、流体が下から上に向けて流れる姿勢で使用しても内部に空気が溜まることがなく、流体の振動に伴う騒音が発生することがないパイロット式減圧弁を提供することができる。
このため、流体室58内の空気が第3の管路73(連通路)と第1の管路71(上流側導圧通路)とを通ってパイロット弁74側に移動するから、空気がより一層溜まり難いパイロット式減圧弁を提供することができる。
このため、この実施の形態によれば、内部に空気が溜まり難いパイロット式減圧弁31がスプリンクラー設備32に使用されるから、減圧弁31のハンチングに起因する騒音が生じることがないスプリンクラー設備を提供することができる。
Claims (3)
- 上下方向の両端部に形成された配管接続口と、下側の前記配管接続口から上方に延びる上流側流体通路と、上側の前記配管接続口から下方に延びる下流側流体通路と、水平方向の一側部に形成されて前記下流側流体通路に開口する弁体挿入口と、前記弁体挿入口と対向する位置で水平方向に延びて前記下流側流体通路と上流側流体通路とを連通する連通孔とを有する弁箱と、
前記連通孔における前記下流側流体通路側の端部に設けられた弁座と、
前記弁箱の前記一側部に弁体挿入口を覆うように取付けられ、前記弁箱との間に流体室を形成する蓋体と、
前記弁体挿入口に挿入された状態で前記弁箱と前記蓋体とに水平方向へ移動自在に支持された弁体と、
前記弁体と一体的に設けられて前記弁箱内と前記蓋体内とを水平方向に仕切るダイヤフラムと、
前記弁体を前記弁座に向けて付勢するばね部材と、
前記上流側流体通路に上流側導圧通路を介して接続されるとともに前記下流側流体通路に下流側導圧通路を介して接続され、前記下流側導圧通路内の流体圧が所定圧力より低い場合にのみ開くパイロット弁と、
前記上流側導圧通路の途中に前記流体室の上端部を接続する連通路とを備え、
前記上流側導圧通路と前記連通路との接続部と、
前記上流側導圧通路の前記接続部から前記パイロット弁に至る部分と、
前記パイロット弁内の流体通路と、
前記下流側導圧通路とは、
前記弁箱の設置状態で前記流体室の上端部より上に位置しているとともに、前記下流側流体通路と前記下流側導圧通路との接続部と同じ高さに位置していることを特徴とするパイロット式減圧弁。 - 請求項1記載のパイロット式減圧弁において、
前記上流側導圧通路と前記連通路との前記接続部はエゼクタによって構成され、
前記エゼクタは、前記上流側流体通路から前記上流側導圧通路に流入した水が通るノズルと、このノズルの下流側に位置するディフューザーと、吸い込み口とを備え、
前記連通路は、前記吸い込み口に接続されていることを特徴とするパイロット式減圧弁。 - 請求項1または請求項2記載のパイロット式減圧弁において、
前記下側の配管接続口は、スプリンクラー設備のポンプに上流側水通路を介して接続され、
前記上側の配管接続口はスプリンクラー設備のスプリンクラーヘッドに下流側水通路を介して接続されていることを特徴とするパイロット式減圧弁。
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