JP7043998B2 - 蓄電デバイス用組成物、蓄電デバイス電極用スラリー、蓄電デバイス電極及び蓄電デバイス - Google Patents
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Description
重合体(A)と、液状媒体(B)と、を含有し、
前記重合体(A)中に含まれる繰り返し単位の合計を100質量部としたときに、前記重合体(A)が、
共役ジエン化合物に由来する繰り返し単位(a1)20~70質量部と、
不飽和カルボン酸に由来する繰り返し単位(a2)10~50質量部と、
を含有し、
前記重合体(A)のJIS K7252に準拠するサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)によって得られる積分分子量分布曲線において、100万以下の範囲の分子量を有する共重合体画分を共重合体全体に対して30質量%以上含有する。
pHが7~11であることができる。
前記重合体(A)の固形分濃度20%水の、pH9における粘度(V9[mPa・s])と、pH4における粘度(V4[mPa・s])との比(V9/V4)の値が10以上であることができる。
前記重合体(A)の固形分濃度20%水のpH9における粘度が、200~100,000mPa・sであることができる。
前記重合体(A)が、水酸基またはエーテル基を有する不飽和カルボン酸エステルに由来する繰り返し単位(a3)、(メタ)アクリルアミドに由来する繰り返し単位(a4)、及びα,β-不飽和ニトリル化合物に由来する繰り返し単位(a5)からなる群より選ばれる少なくとも1種の繰り返し単位10~70質量部をさらに含有することができる。
前記重合体(A)についてJIS K7121に準拠した示差走査熱量測定(DSC)を行ったときに、70℃以下に吸熱ピークが観測されることができる。
前記液状媒体(B)が水であることができる。
前記いずれかの態様の蓄電デバイス用組成物と、活物質と、を含有する。
スチレン-ブタジエン共重合体、アクリル系重合体、及びフッ素系重合体からなる群より選択される少なくとも1種の重合体をさらに含有することができる。
増粘剤をさらに含有することができる。
集電体と、前記集電体の表面上に前記いずれかの態様の蓄電デバイス電極用スラリーが塗布及び乾燥されて形成された活物質層と、を備える。
前記態様の蓄電デバイス電極を備える。
本実施形態に係る蓄電デバイス用組成物は、重合体(A)と、液状媒体(B)とを含有する。本実施形態に係る蓄電デバイス用組成物は、柔軟性、耐擦性及び粉落ち耐性を向上させ、なおかつ充放電耐久特性に優れた蓄電デバイス電極(活物質層)を作製するための材料として使用することもできるし、充放電に伴って発生するデンドライトに起因する短絡を抑制するための保護膜を作製するための材料として使用することもできる。以下、本実施形態に係る蓄電デバイス用組成物に含まれる各成分について詳細に説明する。
本実施形態に係る蓄電デバイス用組成物は、重合体(A)を含有する。重合体(A)は、該重合体(A)中に含まれる繰り返し単位の合計を100質量部としたときに、共役ジエン化合物に由来する繰り返し単位(a1)(以下、単に「繰り返し単位(a1)」ともいう。)20~70質量部と、不飽和カルボン酸に由来する繰り返し単位(a2)(以下、単に「繰り返し単位(a2)」ともいう。)10~50質量部と、を含有し、JIS K7252に準拠するサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)によって得られる積分分子量分布曲線において、100万以下の範囲の分子量を有する共重合体画分を共重合体全体に対して30質量%以上含有する。また、重合体(A)は、前記繰り返し単位の他に、それと共重合可能な他の単量体に由来する繰り返し単位を含有してもよい。他の単量体としては、例えば、水酸基またはエーテル基を有する不飽和カルボン酸エステル、(メタ)アクリルアミド、α,β-不飽和ニトリル化合物、不飽和カルボン酸エステル(ただし、前記水酸基またはエーテル基を有する不飽和カルボン酸エステルを除く。)、カチオン性単量体、芳香族ビニル化合物、スルホン酸基を有する化合物等が挙げられる。
<共役ジエン化合物に由来する繰り返し単位(a1)>
共役ジエン化合物に由来する繰り返し単位(a1)の含有割合は、重合体(A)中に含まれる繰り返し単位の合計を100質量部としたときに、20~70質量部である。繰り返し単位(a1)の含有割合の下限としては、25質量部であることが好ましく、30質量部であることがより好ましい。繰り返し単位(a1)の含有割合の上限としては、65質量部であることが好ましく、55質量部であることがより好ましい。繰り返し単位(a1)を前記範囲で含有することにより、疎水性の高い重合体(A)が液状媒体(B)中に溶解もしくは一部溶解した状態で存在するので、重合体(A)の活物質やフィラーへの吸着性が向上し、良好な分散性を有するスラリーを作製できる。また、柔軟性の高い重合体(A)が活物質を覆うことにより、活物質層が硬脆性を示すことなく耐擦性や粉落ち性に優れた電極板が得られるとともに、良好な充放電耐久特性を有する蓄電デバイスが得られる。
あることができる。これらの中でも、1,3-ブタジエン、イソプレンが特に好ましい。
不飽和カルボン酸に由来する繰り返し単位(a2)の含有割合は、重合体(A)中に含まれる繰り返し単位の合計を100質量部としたときに、10~50質量部である。繰り返し単位(a2)の含有割合の下限としては、11質量部であることが好ましく、13質量部であることがより好ましく、15質量部であることが特に好ましい。繰り返し単位(a2)の含有割合の上限としては、48質量部であることが好ましく、45質量部であることがより好ましい。繰り返し単位(a2)を前記範囲で含有することにより、好適なガラス転移温度(Tg)を有する重合体(A)が得られ、また活物質やフィラーの分散性が良好となる。さらに、活物質としてのケイ素材料との親和性や重合体(A)の電解液耐性を向上させ、該ケイ素材料の膨潤を抑制することで良好な充放電耐久特性を示す。
重合体(A)は、水酸基またはエーテル基を有する不飽和カルボン酸エステルに由来する繰り返し単位(a3)を含有することができる。繰り返し単位(a3)の含有割合は、重合体(A)中に含まれる繰り返し単位の合計を100質量部としたときに、下限としては5質量部であることが好ましく、7質量部であることがより好ましく、10質量部であることが特に好ましい。上限としては、60質量部であることが好ましく、50質量部であることがより好ましく、45質量部であることが特に好ましい。繰り返し単位(a3)の含有割合が前記範囲内にあると、重合体(A)のガラス転移温度(Tg)が好適となり、柔軟な電極板の作製が可能となるため、該電極板を備えた蓄電デバイスの充放電耐久特性が向上する。また、重合体(A)と活物質やフィラーとの親和性が良好となり、活物質やフィラーの分散性が良好なスラリーが得られる。
重合体(A)は、(メタ)アクリルアミドに由来する繰り返し単位(a4)を含有することができる。繰り返し単位(a4)の含有割合は、重合体(A)中に含まれる繰り返し単位の合計を100質量部としたときに、下限としては5質量部であることが好ましく、7質量部であることがより好ましく、10質量部であることが特に好ましい。上限としては、40質量部であることが好ましく、30質量部であることがより好ましく、20質量部であることが特に好ましい。繰り返し単位(a4)の含有割合が前記範囲内にあると、重合体(A)のガラス転移温度(Tg)が好適となり、柔軟な電極板の作製が可能となるため、該電極板を備えた蓄電デバイスの充放電耐久特性が向上する。また、重合体(A)と活物質やフィラーとの親和性が良好となり、活物質やフィラーの分散性が良好なスラリーが得られる。
重合体(A)は、α,β-不飽和ニトリル化合物に由来する繰り返し単位(a5)を含有することができる。繰り返し単位(a5)の含有割合は、重合体(A)中に含まれる繰り返し単位の合計を100質量部としたときに、下限としては5質量部であることが好ましく、7質量部であることがより好ましく、10質量部であることが特に好ましい。上限としては、60質量部であることが好ましく、50質量部であることがより好ましく、40質量部であることが特に好ましい。繰り返し単位(a5)の含有割合が前記範囲内にあると、重合体(A)のガラス転移温度(Tg)が好適となり、柔軟な電極板の作製が可能となるため、該電極板を備えた蓄電デバイスの充放電耐久特性が向上する。また、重合体(A)と活物質やフィラーとの親和性が良好となり、活物質やフィラーの分散性が良好なスラリーが得られる。
重合体(A)は、前記繰り返し単位(a1)~(a5)の他に、これらと共重合可能な他の単量体に由来する繰り返し単位を含有してもよい。このような繰り返し単位としては、不飽和カルボン酸エステル(ただし、前記水酸基またはエーテル基を有する不飽和カルボン酸エステルを除く。)に由来する繰り返し単位(a6)(以下、単に「繰り返し単位(a6)」ともいう。)、芳香族ビニル化合物に由来する繰り返し単位(a7)(以下、単に「繰り返し単位(a7)」ともいう。)、スルホン酸基を有する化合物に由来する繰り返し単位(a8)(以下、単に「繰り返し単位(a8)」ともいう。)、カチオン性単量体に由来する繰り返し単位等が挙げられる。
アミノ-6-ジアリルアミノ-1,3,5-トリアジン、N-trans-シンナミル-N-メチル-(1-ナフチルメチル)アミン塩酸塩、trans-N-(6,6-ジメチル-2-ヘプテン-4-イニル)-N-メチル-1-ナフチルメチルアミン塩酸塩等が挙げられる。これらの単量体は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
<ガラス転移温度>
重合体(A)は、JIS K7121に準拠する示差走査熱量測定(DSC)によって測定したときに、70℃以下の温度範囲において吸熱ピークを1つのみ有するものであることが好ましい。この吸熱ピークの温度(すなわちガラス転移温度(Tg))は、60℃以下の範囲にあることがより好ましく、50℃以下の範囲にあることが特に好ましい。DSC分析における重合体(A)の吸熱ピークが1つのみであり、かつ、該ピーク温度が前記範囲にある場合、重合体(A)は、活物質層に対してより良好な柔軟性及び粘着性を付与することができ好ましい。
重合体(A)は、JIS K7252に準拠するサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)によって測定したときに、分子量に対して累積重量分率をプロットすることにより得られる積分分子量分布曲線から計算された、100万以下の分子量を有する共重合体画分を共重合体全体に対して30質量%以上含有するが、35質量%以上含有することが好ましく、40質量%以上含有することがより好ましい。100万以下の分子量を有する共重合体画分が前記範囲であると、pHを7~11に調整したときに疎水性の高い共役ジエン成分が水溶液状で存在でき、活物質やフィラーへの吸着性が向上するため、良好な分散性を有するスラリーを作製できる。また、柔軟性を有する共役ジエン成分が活物質を覆うことができるため、活物質層が硬脆性を示すことなく、耐擦性や粉落ち耐性に優れた電極板を与える。
重合体(A)の製造方法については、特に限定されないが、水を主成分とした溶媒中で公知の乳化剤(界面活性剤)、重合開始剤、分子量調整剤、連鎖移動剤などの存在下で行う乳化重合法によることができる。重合体(A)を合成するための乳化重合法は、一段重合で行ってもよく、二段重合、さらに多段重合で行ってもよい。これら公知の乳化剤(界面活性剤)、重合開始剤、分子量調整剤、連鎖移動剤等の量や種類、及び合成方法については、特許第5477610号公報等に記載された化合物を用いることができる。
することにより、重合体(A)の良好な安定性を維持しながら固形分濃度を高くすることができる。
本実施形態に係る蓄電デバイス用組成物は、液状媒体(B)を含有する。液状媒体(B)としては、水を含有する水系媒体であることが好ましく、水であることがより好ましい。上記水系媒体には、水以外の非水系媒体を含有させることができる。この非水系媒体としては、例えばアミド化合物、炭化水素、アルコール、ケトン、エステル、アミン化合物、ラクトン、スルホキシド、スルホン化合物などを挙げることができ、これらの中から選択される1種以上を使用することができる。本実施形態に係る蓄電デバイス用組成物は、液状媒体(B)として水系媒体を使用することにより、環境に対して悪影響を及ぼす程度が低くなり、取扱作業者に対する安全性も高くなる。
本実施形態に係る蓄電デバイス用組成物は、必要に応じて上述した成分以外の添加剤を含有することができる。このような添加剤としては、例えば重合体(A)以外の重合体、防腐剤、増粘剤等が挙げられる。
本実施形態に係る蓄電デバイス用組成物は、重合体(A)以外の重合体を含有してもよい。このような重合体としては、特に限定されないが、SBR(スチレンブタジエンゴム)系重合体、不飽和カルボン酸エステルまたはこれらの誘導体を構成単位として含むアクリル系重合体、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)等のフッ素系重合体等が挙げられる。これらの重合体は、1種単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。重合体(A)以外の重合体を含有することにより、柔軟性や密着性がより向上する場合がある。
本実施形態に係る蓄電デバイス用組成物は、防腐剤を含有してもよい。防腐剤を含有することにより、蓄電デバイス用組成物を貯蔵した際に、細菌や黴などが増殖して異物が発生することを抑制できる場合がある。防腐剤の具体例としては、特許第5477610号公報等に記載された化合物が挙げられる。
本実施形態に係る蓄電デバイス用組成物は、増粘剤を含有してもよい。増粘剤を含有することにより、その塗布性や得られる蓄電デバイスの充放電特性等をさらに向上できる場合がある。
ロース化合物又は前記ポリ(メタ)アクリル酸のアンモニウム塩もしくはアルカリ金属塩;ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、エチレン-ビニルアルコール共重合体等のポリビニルアルコール系(共)重合体;(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸等の不飽和カルボン酸とビニルエステルとの共重合体の鹸化物等の水溶性ポリマーを挙げることができる。これらの中でも、カルボキシメチルセルロースのアルカリ金属塩、ポリ(メタ)アクリル酸のアルカリ金属塩等が好ましい。
1.4.1.pH
本実施形態に係る蓄電デバイス用組成物のpHは、7~11であることが好ましく、8~10であることがより好ましく、8.5~9.5であることが特に好ましい。pHが前記範囲内にあれば、重合体(A)が液状媒体(B)中に溶解あるいは一部溶解することにより蓄電デバイス用組成物の粘度を高めることができる。これにより、レベリング性不足や液ダレ等の問題の発生を抑制することができ、良好な電気的特性と密着性とを両立させた電極板を製造することが容易となる。
重合体(A)の固形分濃度20%水のpH9における粘度は、200~100,000mPa・sであることが好ましく、220~95,000mPa・sであることがより好ましく、250~90,000mPa・sであることが特に好ましい。pH9における粘度が前記下限値以上であると、活物質やフィラーの分散性が良好となり、均質なスラリーを作成できるため好ましい。pH9における粘度が前記上限値以下であると、スラリーの塗布性が良好となるため好ましい。
ましい。粘度比(V9/V4)が前記値以上であると、活物質やフィラーの分散性が良好となり、均質な活物質層や保護膜を作成しやすい。また、耐擦性及び粉落ち耐性に優れ、なおかつ充放電耐久特性にも優れた蓄電デバイス電極が得られやすいため好ましい。
本実施形態に係る蓄電デバイス用スラリーは、上述の蓄電デバイス用組成物を含有するものである。本実施形態に係る蓄電デバイス用組成物は、上述したように、充放電に伴って発生するデンドライトに起因する短絡を抑制するための保護膜を形成するための材料として使用することもできるし、柔軟性、耐擦性及び粉落ち耐性を向上させた蓄電デバイス電極(活物質層)を作製するための材料として使用することもできる。そのため、保護膜を形成するための蓄電デバイス用スラリー(以下、「保護膜形成用スラリー」ともいう。)と、蓄電デバイス電極の活物質層を形成するための蓄電デバイス用スラリー(以下、「蓄電デバイス電極用スラリー」ともいう。)とに分けて説明する。
本明細書における「保護膜形成用スラリー」とは、これを電極またはセパレータの表面もしくはその両方に塗布した後、乾燥させて、電極またはセパレータの表面もしくはその両方に保護膜を形成するために用いられる分散液のことをいう。本実施形態に係る保護膜形成用スラリーは、上述した蓄電デバイス用組成物のみから構成されていてもよく、無機フィラーをさらに含有してもよい。以下、本実施形態に係る保護膜形成用スラリーに含まれる各成分について詳細に説明する。なお、蓄電デバイス用組成物については、上述した通りであるので説明を省略する。
本実施形態に係る保護膜形成用スラリーは、無機フィラーを含有することにより、形成される保護膜のタフネスを向上させることができる。無機フィラーとしては、シリカ、酸化チタン(チタニア)、酸化アルミニウム(アルミナ)、酸化ジルコニウム(ジルコニア)、及び酸化マグネシウム(マグネシア)よりなる群から選択される少なくとも1種の粒子を用いることが好ましい。これらの中でも、保護膜のタフネスをより向上させる観点から、酸化チタン、酸化アルミニウムが好ましい。また、酸化チタンとしてはルチル型の酸化チタンがより好ましい。
本実施形態に係る保護膜形成用スラリーは、上述の蓄電デバイス用組成物の「1.2.液状媒体(B)」に記載されている材料を必要に応じて用いることができる。液状媒体の添加量は、塗工方法等に応じて最適なスラリーの粘度が得られるように、必要に応じて調整することができる。
本実施形態に係る保護膜形成用スラリーは、上述の蓄電デバイス用組成物の「1.3.その他の添加剤」に記載されている材料を必要に応じて適量用いることができる。
本明細書における「蓄電デバイス電極用スラリー」とは、これを集電体の表面に塗布した後、乾燥させて、集電体表面上に活物質層を形成するために用いられる分散液のことをいう。本実施形態に係る蓄電デバイス電極用スラリーは、上述の蓄電デバイス用組成物と、活物質とを含有する。以下、本実施形態に係る蓄電デバイス電極用スラリーに含まれる成分について説明する。なお、蓄電デバイス用組成物については、上述した通りであるので説明を省略する。
本実施形態に係る蓄電デバイス電極用スラリーに使用される活物質としては、例えば炭素材料、ケイ素材料、リチウム原子を含む酸化物、鉛化合物、錫化合物、砒素化合物、アンチモン化合物、アルミニウム化合物などが挙げられる。これらの具体例としては、特許第5999399号公報等に記載された化合物が挙げられる。
本実施形態に係る蓄電デバイス電極用スラリーには、上述した成分以外に、必要に応じてその他の成分を添加してもよい。このような成分としては、例えば導電付与剤、増粘剤、液状媒体(ただし、蓄電デバイス用組成物からの持ち込み分を除く。)、pH調整剤、腐食防止剤などが挙げられる。導電付与剤としては、特許第5999399号公報等に記載された化合物が挙げられる。増粘剤としては、上述の「1.3.その他の添加剤」で例示した化合物の中から選択して用いることができる。
本実施形態に係る蓄電デバイス電極用スラリーに追加で添加し得る液状媒体は、蓄電デバイス用組成物に含まれていた液状媒体(B)と同種であってもよく、異なっていてもよいが、上述の「1.2.液状媒体(B)」で例示した液状媒体の中から選択して使用されることが好ましい。
本実施形態に係る蓄電デバイス電極用スラリーは、活物質の種類に応じて集電体の腐食
を抑制することを目的として、pH調整剤または腐食防止剤を含有することができる。
本実施形態に係る蓄電デバイス電極用スラリーは、上述の蓄電デバイス用組成物と活物質とを含有するものである限り、どのような方法によって製造されたものであってもよいが、例えば特許第5999399号公報等に記載されている方法により製造することができる。
本実施形態に係る蓄電デバイス電極は、集電体と、前記集電体の表面上に上述の蓄電デバイス電極用スラリーが塗布及び乾燥されて形成された活物質層と、を備えるものである。かかる蓄電デバイス電極は、金属箔などの集電体の表面に、上述の蓄電デバイス電極用スラリーを塗布して塗膜を形成し、次いで該塗膜を乾燥して活物質層を形成することにより製造することができる。このようにして製造された蓄電デバイス電極は、集電体上に、上述の重合体(A)及び活物質、さらに必要に応じて添加した任意成分を含有する活物質層が結着されてなるものであるから、柔軟性、耐擦性及び粉落ち耐性に優れるとともに、良好な充放電耐久特性を示す。
本実施形態に係る蓄電デバイスは、上述の蓄電デバイス電極を備え、さらに電解液を含有し、セパレータなどの部品を用いて、常法に従って製造することができる。具体的な製造方法としては、例えば、負極と正極とをセパレータを介して重ね合わせ、これを電池形状に応じて巻く、折るなどして電池容器に収納し、該電池容器に電解液を注入して封口する方法などを挙げることができる。電池の形状は、コイン型、円筒型、角形、ラミネート型など、適宜の形状であることができる。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。実施例、比較例中の「部」及び「%」は、特に断らない限り質量基準である。なお、本明細書において、実施例1で得られた重合体(A)を「重合体(A1)」と呼称し、同様に、実施例2で得られた重合体(A)を「重合体(A2)」などと呼称する。また、比較例1で得られた重合体を「重合体(B1)」と呼称し、同様に、比較例2で得られた重合体を「重合体(B2)」などと呼称する。
5.1.1.蓄電デバイス用組成物の調製及び評価
(1)蓄電デバイス用組成物の調製
攪拌機を備えた温度調節可能なオートクレーブ中に、水300質量部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.5質量部、過硫酸カリウム0.5質量部、α-メチルスチレンダイマー0.3質量部、ドデシルメルカプタン1.8質量部、及び表1に示した重合単量体成分である、1,3-ブタジエン70質量部、及びメタクリル酸30質量部を順次仕込み、50℃にて10時間重合反応を行い、ラテックス状の重合体(A1)を含有する反応混合物を得た。
その後、反応混合物を冷却して2つに分け、2質量%水酸化ナトリウム水溶液を用いて、一方をpH4.0となるように調整し、他方をpH9.0となるように調整した。次いで、残留単量体を水蒸気蒸留によって除去し、減圧下で濃縮することにより、重合体(A1)を20質量%含有するpH4.0の蓄電デバイス用組成物と重合体(A1)を20質量%含有するpH9.0の蓄電デバイス用組成物をそれぞれ得た。なお、pHの調整は、pHメーター(株式会社堀場製作所製)を用いて25℃においてpHを測定しながら、2質量%水酸化ナトリウム水溶液を滴下することにより行った。
上記で得られた2つの蓄電デバイス用組成物について、B型粘度計を用いて25℃における粘度を測定したところ、pH4.0の蓄電デバイス用組成物の粘度が13mPa・sであり、pH9.0の蓄電デバイス用組成物の粘度が250mPa・sであった。その結果を表1に示す。
上記で得られたpH4.0の蓄電デバイス用組成物に含まれる重合体(A1)について、JIS K7252に準拠するサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)により、分子量に対して累積重量分率をプロットすることにより得られる積分分子量分布曲線から計算された、100万以下の分子量を有する共重合体画分の共重合体全体に対する割合を求めた。測定条件は以下の通りである。その結果を表1に示す。
<測定条件>
・測定機器:東ソー株式会社製、GPC(型番:HLC-8220)
・カラム:TSKgel guardcolum HHR(東ソー株式会社製)、TSK-GEL GMHHR-H(東ソー株式会社製)
・溶離液:THF
・検量線:標準ポリスチレン
・測定方法:重合体(A1)の濃度が0.3wt%となるように溶離液に溶解した後、溶液10mLに対し、2mLのメタノール、2mLのトリメチルシリルジアゾメタン(10%ヘキサン溶液)を順に滴下した。その後、溶液を5時間撹拌し、孔径1μmのフィルターでろ過後に測定を開始した。
上記で得られたpH9.0の蓄電デバイス用組成物について、JIS K7121に準拠する示差走査熱量計(NETZSCH社製、DSC204F1 Phoenix)を用いて測定したところ、重合体(A1)の吸熱ピークが-21℃に1つ観測された。
(1)ケイ素材料(活物質)の合成
粉砕した二酸化ケイ素粉末(平均粒子径10μm)と炭素粉末(平均粒子径35μm)との混合物を、温度を1100~1600℃の範囲に調整した電気炉中で、窒素気流下(0.5NL/分)、10時間の加熱処理を行い、組成式SiOx(x=0.5~1.1)で表される酸化ケイ素の粉末(平均粒子径8μm)を得た。この酸化ケイ素の粉末300gをバッチ式加熱炉内に仕込み、真空ポンプにより絶対圧100Paの減圧を維持しながら、300℃/hの昇温速度にて室温(25℃)から1100℃まで昇温した。次いで、加熱炉内の圧力を2000Paに維持しつつ、メタンガスを0.5NL/分の流速にて導入しながら、1100℃、5時間の加熱処理(黒鉛被膜処理)を行った。黒鉛被膜処理終了後、50℃/hの降温速度で室温まで冷却することにより、黒鉛被膜酸化ケイ素の粉末約330gを得た。この黒鉛被膜酸化ケイ素は、酸化ケイ素の表面が黒鉛で被覆された導電性の粉末(活物質)であり、その平均粒子径は10.5μmであり、得られた黒鉛被膜酸化ケイ素の全体を100質量%とした場合の黒鉛被膜の割合は2質量%であった。
二軸型プラネタリーミキサー(プライミクス株式会社製、商品名「TKハイビスミックス 2P-03」)に増粘剤(株式会社ダイセル製、商品名「CMC2200」)を1質量部(固形分換算値、濃度2質量%の水溶液として添加)、負極活物質として結晶性の高いグラファイトである人造黒鉛(日立化成工業株式会社製、商品名「MAG」)90質量部(固形分換算値)、上記で得られた黒鉛被覆膜酸化ケイ素の粉末を10質量部(固形分換算値)、及び水68質量部を投入し、60rpmで1時間攪拌を行った。その後、上記で得られた重合体(A1)を0.8質量部(固形分換算値、上記で得られた重合体(A1)を20質量%含有するpH9.0の蓄電デバイス用組成物として添加)、及びSBR(JSR株式会社製、商品名「TRD105A」)1.2質量部に相当する量だけ加え、さらに1時間攪拌しペーストを得た。得られたペーストに水を投入し、固形分濃度を50質量%に調整した後、攪拌脱泡機(株式会社シンキー製、商品名「泡とり練太郎」)を使用して、200rpmで2分間、1800rpmで5分間、さらに減圧下(約2.5×104Pa)において1800rpmで1.5分間攪拌混合することにより、負極活物質中にSiを10質量%含有する蓄電デバイス電極用スラリー(C/Si(10%))を調製した。
電極用スラリー(C)を調製した。
(1)蓄電デバイス電極(負極)の製造
厚み20μmの銅箔よりなる集電体の表面に、上記で得られた蓄電デバイス電極用スラリー(C/Si(10%))を、乾燥後の膜厚が80μmとなるようにドクターブレード法によって均一に塗布し、60℃で10分乾燥し、次いで120℃で10分乾燥処理した。その後、活物質層の密度が1.5g/cm3となるようにロールプレス機によりプレス加工することにより、蓄電デバイス電極(負極)を得た。
二軸型プラネタリーミキサー(プライミクス株式会社製、商品名「TKハイビスミックス 2P-03」)に、電気化学デバイス電極用バインダー(株式会社クレハ製、商品名「KFポリマー#1120」、以下「PVDF」と略す。)4.0質量部(固形分換算値)、導電助剤(デンカ株式会社製、商品名「デンカブラック50%プレス品」)3.0質量部、正極活物質として平均粒子径5μmのLiCoO2(ハヤシ化成株式会社製)100質量部(固形分換算値)及びN-メチルピロリドン(NMP)36質量部を投入し、60rpmで2時間攪拌を行った。得られたペーストにNMPを追加し、固形分濃度を65質量%に調整した後、攪拌脱泡機(株式会社シンキー製、商品名「泡とり練太郎」)を使用して、200rpmで2分間、1,800rpmで5分間、さらに減圧下(約2.5×104Pa)において1,800rpmで1.5分間攪拌混合することにより、正極用スラリーを調製した。アルミニウム箔よりなる集電体の表面に、この正極用スラリーを、溶媒除去後の膜厚が80μmとなるようにドクターブレード法によって均一に塗布し、120℃で20分間加熱して溶媒を除去した。その後、活物質層の密度が3.0g/cm3となるようにロールプレス機によりプレス加工することにより、対極(正極)を得た。
露点が-80℃以下となるようAr置換されたグローブボックス内で、上記で製造した負極を直径15.95mmに打ち抜き成形したものを、2極式コインセル(宝泉株式会社製、商品名「HSフラットセル」)上に載置した。次いで、直径24mmに打ち抜いたポリプロピレン製多孔膜からなるセパレータ(セルガード株式会社製、商品名「セルガード#2400」)を載置し、さらに、空気が入らないように電解液を500μL注入した後、上記で製造した正極を直径16.16mmに打ち抜き成形したものを載置し、前記2極式コインセルの外装ボディーをネジで閉めて封止することにより、リチウムイオン電池セル(蓄電デバイス)を組み立てた。ここで使用した電解液は、エチレンカーボネート/エチルメチルカーボネート=1/1(質量比)の溶媒に、LiPF6を1モル/Lの濃度で溶解した溶液である。
上記で得られた2種類の蓄電デバイス電極(負極)の各々から、幅2cm×長さ12cmの試験片を切り出し、その試験片の集電体側を直径2mmφのSUS軸に当てて、上下に3往復させたときの塗工層の状態を光学顕微鏡により観察し、塗工層の割れの有無を下記の4段階の評価基準で評価した。この試験では、塗工層の割れが少ないほど、電極板の柔軟性が高いと評価することができる。なお、電極板の柔軟性は、耐擦性や粉落ち耐性と強い相関があることがわかっており、当該評価試験により電極板の耐擦性や粉落ち耐性についても評価することが可能である。
(評価基準)
◎:塗工層の割れが見られない。
○:塗工層の端部にわずかな割れが見られる。
△:塗工層の端部にのみ割れが見られる。
×:塗工層全面に割れが見られる。
上記で製造した蓄電デバイスにつき、25℃に調温された恒温槽にて、定電流(1.0C)にて充電を開始し、電圧が4.2Vになった時点で引き続き定電圧(4.2V)にて充電を続行し、電流値が0.01Cとなった時点を充電完了(カットオフ)とした。その後、定電流(1.0C)にて放電を開始し、電圧が3.0Vになった時点を放電完了(カットオフ)とし、1サイクル目の放電容量を算出した。このようにして100回充放電を繰り返し、100サイクル目の放電容量を算出した。このようにして得られた100サイクル目の放電容量を、1サイクル目の放電容量で割った値を100サイクル放電容量維持率(%)とした。全ての活物質について100サイクル目の放電容量維持率が80%以上である場合、充放電サイクルで起こる電極の劣化が抑制されており良好と判断できる。各活物質での100サイクル目の放電容量維持率(%)を表1に示す。
上記「5.1.1.蓄電デバイス用組成物の調製及び評価 (1)蓄電デバイス用組成物の調製」において、各単量体の種類及び量を、それぞれ下表1ないし下表3に記載の通りとした以外は上記実施例1と同様にして重合体成分を20質量%含有する蓄電デバイス用組成物を得た。
上記「5.1.1.蓄電デバイス用組成物の調製及び評価 (1)蓄電デバイス用組成物の調製」において、各単量体の種類及び量を下表1に記載の通りとした以外は同様にして重合体(A4)を20質量%含有する蓄電デバイス用組成物を得た。
次いで、二軸型プラネタリーミキサー(プライミクス株式会社製、商品名「TKハイビスミックス 2P-03」)に、重合体(A4)を0.5質量部(固形分換算値、上記で得られたpH9.0の蓄電デバイス用組成物として添加)、水系バインダー(富士フイルム和光純薬株式会社製、商品名「10CLPAH」、架橋型ポリアクリル酸)を2.5質量部(固形分換算値、水酸化ナトリウムで中和し、pH9.0、濃度2質量%の水溶液として添加)、負極活物質として結晶性の高いグラファイトである人造黒鉛(日立化成工業株式会社製、商品名「MAG」)を90質量部(固形分換算値)、上記で得られた黒鉛被覆膜酸化ケイ素の粉末を10質量部(固形分換算値)、及び水103質量部を投入し、60rpmで1時間攪拌を行った。その後、攪拌脱泡機(株式会社シンキー製、商品名「泡とり練太郎」)を使用して、200rpmで2分間、1800rpmで1.5分間攪拌混合することにより、負極活物質中にSiを10質量%含有する蓄電デバイス電極用スラリ
ー(C/Si(10%))を調製した。
上記「5.1.1.蓄電デバイス用組成物の調製及び評価 (1)蓄電デバイス用組成物の調製」において、各単量体の種類及び量を、それぞれ下表1ないし下表3に記載の通りとした以外は上記実施例1と同様にして重合体成分を20質量%含有する蓄電デバイス用組成物を得た。
下表1~下表3に、実施例1~20及び比較例1~8で使用した重合体組成、各物性及び各種評価結果をまとめた。
<共役ジエン化合物>
・BD:1,3-ブタジエン
・IP:イソプレン
<不飽和カルボン酸>
・AA:アクリル酸
・MAA:メタクリル酸
・TA:イタコン酸
・HOMS:2-メタクリロイロキシエチルコハク酸
<水酸基を有する不飽和カルボン酸エステル>
・HEA:アクリル酸2-ヒドロキシエチル
・HEMA:メタクリル酸2-ヒドロキシエチル
・GLM:グリセリンモノメタクリレート
・HBA:アクリル酸4-ヒドロキシブチル
<エーテル基を有する不飽和カルボン酸エステル>
・PEGMMA:ポリエチレングリコールモノメタクリレート
・PPGMA:ポリプロピレングリコールモノアクリレート
・MPEGMMA:メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート
・EEMMA:2-エトキシエチルメタクリレート
・PEGDMMA:ポリエチレングリコールジメタクリレート
<(メタ)アクリルアミド>
・AAm:アクリルアミド
・MAAm:メタクリルアミド
・DMAAm:N,N-ジメチルアクリルアミド
<α,β-不飽和ニトリル化合物>
・AN:アクリロニトリル
・MAN:メタクリロニトリル
<不飽和カルボン酸エステル>
・MMA:メタクリル酸メチル
・EA:アクリル酸エチル
・BA:アクリル酸n-ブチル
・CHMA:アクリル酸シクロヘキシル
<芳香族ビニル化合物>
・ST:スチレン
化によりバインダーが剥離してしまい、容量を維持することができなかったと考えられる。比較例2の蓄電デバイス用組成物は、ゴム弾性を示さないバインダーを含むが、活物質の膨張収縮のような微小変形領域においては破断することなく高い弾性率を示すため、比較的良好な容量維持率を示したと考えられる。比較例7、8の蓄電デバイス用組成物は、非常に電解液に膨潤しやすいバインダーを含むため、活物質層の構造維持にはほとんど寄与できず、また活物質や電極から剥離しやすくなってしまうため密着性も維持することができなかったと考えられる。さらに、電解液に溶出した成分が抵抗の上昇を引き起こし活物質の劣化を促進したことにより、容量維持率が著しく悪化したと考えられる。
Claims (12)
- 重合体(A)と、液状媒体(B)と、を含有し、
前記重合体(A)中に含まれる繰り返し単位の合計を100質量部としたときに、前記重合体(A)が、
共役ジエン化合物に由来する繰り返し単位(a1)20~70質量部と、
不飽和カルボン酸に由来する繰り返し単位(a2)10~50質量部と、
を含有し、
前記重合体(A)のJIS K7252に準拠するサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)によって得られる積分分子量分布曲線において、100万以下の範囲の分子量を有する共重合体画分を共重合体全体に対して30質量%以上含有する、蓄電デバイス用組成物。 - pHが7~11である、請求項1に記載の蓄電デバイス用組成物。
- 前記重合体(A)の固形分濃度20%水の、pH9における粘度(V9[mPa・s])と、pH4における粘度(V4[mPa・s])との比(V9/V4)の値が10以上である、請求項1または請求項2に記載の蓄電デバイス用組成物。
- 前記重合体(A)の固形分濃度20%水のpH9における粘度が、200~100,000mPa・sである、請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の蓄電デバイス用組成物。
- 前記重合体(A)が、水酸基またはエーテル基を有する不飽和カルボン酸エステルに由来する繰り返し単位(a3)、(メタ)アクリルアミドに由来する繰り返し単位(a4)、及びα,β-不飽和ニトリル化合物に由来する繰り返し単位(a5)からなる群より選ばれる少なくとも1種の繰り返し単位10~70質量部をさらに含有する、請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の蓄電デバイス用組成物。
- 前記重合体(A)についてJIS K7121に準拠した示差走査熱量測定(DSC)を行ったときに、70℃以下に吸熱ピークが観測される、請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の蓄電デバイス用組成物。
- 前記液状媒体(B)が水である、請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載の蓄電デバイス用組成物。
- 請求項1ないし請求項7のいずれか一項に記載の蓄電デバイス用組成物と、活物質と、を含有する蓄電デバイス電極用スラリー。
- スチレン-ブタジエン共重合体、アクリル系重合体、及びフッ素系重合体からなる群より選択される少なくとも1種をさらに含有する、請求項8に記載の蓄電デバイス電極用スラリー。
- 増粘剤をさらに含有する、請求項8または請求項9に記載の蓄電デバイス電極用スラリー。
- 集電体と、前記集電体の表面上に請求項8ないし請求項10のいずれか一項に記載の蓄電デバイス電極用スラリーが塗布及び乾燥されて形成された活物質層と、を備える蓄電デバイス電極。
- 請求項11に記載の蓄電デバイス電極を備える蓄電デバイス。
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