JP7042719B2 - 硫酸ニッケル化合物の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、硫酸ニッケル化合物の製造方法に関する。
従来、硫酸ニッケル化合物は、各種のニッケル化合物または金属ニッケルの原料として、電解ニッケルメッキ、無電解ニッケルメッキ、触媒材料等の用途に利用されている。近年、電気自動車等の輸送機器、電子機器等の電源として、ニッケル化合物または金属ニッケルを正極材料に用いた二次電池の需要拡大が見込まれる。高性能な二次電池を得るため、高純度の硫酸ニッケル化合物の安定供給が望まれている。
低純度のニッケル化合物に含まれる可能性がある不純物としては、鉄、銅、コバルト、マンガン、マグネシウム等の、他の金属化合物が挙げられる。従来、高純度のニッケル化合物を得る方法として、溶媒抽出法が挙げられる。溶媒抽出法では、他の金属化合物を選択的に抽出して除去するか、ニッケル化合物を選択的に抽出して取り出す工程が実施される。いずれの場合も、特定の金属イオンを選択的に抽出するためには、特殊な薬剤が必要となり、高コストであった。
硫酸ニッケルを製造する方法として、イオン交換法によりニッケル化合物の陰イオンを硫酸根に交換する方法や、硫酸溶液中でニッケル金属粉末を、水素ガスを発生させながら溶解する方法も知られている。また特許文献1には、比重が6.30を超える緑色の酸化ニッケル粉末を硫酸中で加熱処理した後、熱水で浸出(leach)することにより、水溶性の硫酸ニッケルを得る方法が記載されている。特許文献1では、加熱処理に用いる硫酸として、濃度30%~60%の硫酸溶液(クレーム1~5)、濃度95%の濃硫酸(クレーム6~7)が挙げられている。特許文献1で濃度95%の濃硫酸を用いる場合(実施例7~9)には、275℃以上の高温が必要とされている。
米国特許第3002814号明細書
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、従来より温和な条件でも高い転換率で硫酸ニッケル化合物を製造することが可能な硫酸ニッケル化合物の製造方法を提供することを課題とする。
本発明の第1の態様は、ニッケル含有原料を、磨滅材と共に濃硫酸で処理して、前記ニッケル含有原料の少なくとも一部を硫酸ニッケル化合物に転換する転換工程と、前記転換工程で得られた混合物を固相と液相とに分離する固液分離工程と、前記固液分離工程で得られた前記固相に水を加え、前記固相に含まれる硫酸ニッケル化合物を前記水に溶解させ不純物を分離する溶解分離工程と、を有することを特徴とする硫酸ニッケル化合物の製造方法である。
本発明の第2の態様は、前記転換工程における前記ニッケル含有原料が、酸化ニッケル、水酸化ニッケル、硫化ニッケル、塩化ニッケル、金属ニッケル、フェロニッケル、ニッケル鉱石からなる群から選択される1種以上を含むことを特徴とする第1の態様の硫酸ニッケル化合物の製造方法である。
本発明の第3の態様は、前記転換工程において、前記ニッケル含有原料が硫化ニッケルを含み、酸化剤が添加され、酸化還元電位が300mV以上であることを特徴とする第1の態様の硫酸ニッケル化合物の製造方法である。
本発明の第4の態様は、前記固液分離工程で得られた前記液相に含まれる濃硫酸を、前記転換工程に再利用することを特徴とする第1~第3の態様のいずれかの硫酸ニッケル化合物の製造方法である。
本発明の第5の態様は、前記溶解分離工程において、前記固相に加える水の温度が15~60℃であることを特徴とする第1~第4の態様のいずれかの硫酸ニッケル化合物の製造方法である。
本発明の第6の態様は、前記溶解分離工程において、前記硫酸ニッケル化合物を前記水に溶解させた溶液のpHを4~5として不純物を分離することを特徴とする第1~第5の態様のいずれかの硫酸ニッケル化合物の製造方法である。
本発明の第7の態様は、前記溶解分離工程で得られた溶液に含まれるコバルト化合物を除去する精製工程を有することを特徴とする第1~第6の態様のいずれかの硫酸ニッケル化合物の製造方法である。
本発明の第8の態様は、前記溶解分離工程で得られた溶液に有機溶媒を加えて硫酸ニッケル化合物を析出させる晶析工程を有することを特徴とする第1~第7の態様のいずれかの硫酸ニッケル化合物の製造方法である。
本発明の第9の態様は、前記晶析工程における前記有機溶媒が、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブチルアルコール、エチレングリコール、アセトンからなる群から選択される1種以上であることを特徴とする第8の態様の硫酸ニッケル化合物の製造方法である。
本発明の第10の態様は、前記晶析工程で得られる前記硫酸ニッケル化合物が、硫酸ニッケル6水和物であることを特徴とする第8又は第9の態様の硫酸ニッケル化合物の製造方法である。
第1の態様によれば、ニッケル含有原料を、磨滅材と共に濃硫酸で処理することにより、従来より温和な条件でも高い転換率で硫酸ニッケル化合物を生成させることができる。また、生成した硫酸ニッケル化合物と未反応の濃硫酸とを含む混合物を固液分離する場合には、硫酸ニッケル化合物は固相、未反応の濃硫酸は液相として容易に分離することができるので、未反応の濃硫酸を水と接触させることなく、容易に処理が可能になる。
第2の態様によれば、比較的調達が容易なニッケル含有原料を用いることができるので、生産性を向上させることができる。
第3の態様によれば、ニッケルマット等の硫化ニッケルを含むニッケル含有原料を用いる場合に、転換反応時の酸化還元電位を300mV以上の酸化域とし、硫黄の析出、硫化水素ガスの生成を防止してイオン状の硫黄、例えばHSO イオンが生成する条件を維持することで、硫化ニッケルから硫酸ニッケル化合物への転換効率を向上することができる。
第4の態様によれば、未反応の濃硫酸を有効に利用することができ、濃硫酸の廃棄処理に要するコストを低減することができる。
第5の態様によれば、鉄塩などの不純物の溶解を抑制しつつ、硫酸ニッケル化合物を選択的に水相に抽出することができる。
第6の態様によれば、鉄塩などの不純物の溶解を抑制しつつ、硫酸ニッケル化合物を選択的に水相に抽出することができる。
第7の態様によれば、硫酸ニッケル化合物と共存しやすいコバルト化合物を除去して、より高品位の硫酸ニッケル化合物を製造することができる。
第8の態様によれば、固相に含まれる硫酸ニッケル化合物を水に溶解した後不純物を除去して、有機溶媒を用いて晶析することにより、不純物は、水に溶解しない成分、または晶析に際して水相に残る部分として除去されるので、高純度の硫酸ニッケル化合物をより効率的に製造することができる。
第9の態様によれば、水と混和しやすい有機溶媒を用いた晶析で効果的な精製が可能となる。また、晶析により得られた水および有機溶媒を含む液相から、蒸留により有機溶媒を効率的に回収することができる。
第10の態様によれば、溶液から硫酸ニッケル6水和物として析出させることにより、晶析する際に高純度品が得やすく、工業製品としても有用性が高い。
第1実施形態の硫酸ニッケル化合物の製造方法の概略を示す流れ図である。 第2実施形態の硫酸ニッケル化合物の製造方法の概略を示す流れ図である。
以下、好適な実施形態に基づいて、本発明を説明する。
本実施形態の硫酸ニッケル化合物の製造方法は、図1に示すように、ニッケル含有原料10を、磨滅材と共に濃硫酸で処理して、ニッケル含有原料10の少なくとも一部を硫酸ニッケル化合物に転換する転換工程S1と、転換工程S1で得られた混合物11を固相21と液相22とに分離する固液分離工程S2と、固液分離工程S2で得られた固相21に水を加え、固相21に含まれる硫酸ニッケル化合物を水に溶解させ不純物32を分離する溶解分離工程S3と、を有する。溶解分離工程S3により、硫酸ニッケル化合物を含む溶液31が得られる。
本実施形態の転換工程では、ニッケル含有原料を、磨滅材と共に濃硫酸で処理する。
ニッケル含有原料としては、ニッケル元素を含有するのであれば、ニッケル化合物でも、金属ニッケルでもよい。ニッケル化合物としては、特に限定されないが、酸化ニッケル、水酸化ニッケル、硫化ニッケル、塩化ニッケル等のニッケル塩類が挙げられる。ニッケル化合物は、水和物でもよい。金属ニッケルは、フェロニッケル等のニッケル合金でもよい。金属状のニッケル(単体または合金)をニッケル含有原料として用いるときは、溶融金属を小片化したショット等としてもよい。ニッケル含有原料として、ニッケル鉱石を使用することもできる。ニッケル鉱石としては、酸化鉱石、硫化鉱石などの1種以上が挙げられる。硫化ニッケルを主成分とするニッケルマット等をニッケル含有原料として用いることもできる。
転換工程において、ニッケル含有原料は、1種に限らず、2種以上を用いてもよい。2種以上のニッケル含有原料は、混合した状態で供給されてもよく、別々に供給されてもよい。ニッケル含有原料を転換工程に供給する前に、細断、粉砕、磨滅などの操作で粒子径を小さくすることが好ましい。粉砕手段としては、特に限定されないが、ボールミル、ロッドミル、ハンマーミル、流体エネルギーミル、振動ミル等の1種または2種以上を用いることができる。粉砕後の粒子径は、特に限定されないが、例えば1~1000μm程度、あるいは10~100μm程度が挙げられる。
磨滅材としては、ニッケル含有原料の粒子表面を磨滅する機能を有する材料であればよい。濃硫酸に耐蝕性があるステンレス、セラミックス等が好ましく、特に、セラミックボールが好ましい。本実施形態の場合、詳しくは後述するように、転換工程の後の固液分離工程において、濃硫酸を液相として分離することから、鋼鉄のように希硫酸には溶解する物質であっても、濃硫酸には溶解しにくい物質であれば、使用可能である。鋼鉄等を濃硫酸に接触させて鉄分が若干溶解しても、後述する工程で分離除去が可能である。
従来、ニッケル含有原料を硫酸溶液に溶解させる場合には、硫酸溶液がニッケル含有原料の粒子内部まで浸透し、ニッケルが硫酸と反応して溶け出すという溶解反応であった。この場合、粒子表面での硫酸溶液の拡散が反応の律速となる。例えば酸化還元域とpH域との関係で、粒子表面に不溶性の結晶等が生成すると、粒子表面が不溶物で被覆されることにより、内部のニッケルが溶解しないという問題が考えられる。このため、硫酸ニッケルへの転換率を向上するには、滞留時間を長くする、あるいは反応温度を高くする等の必要があった。
転換工程では、ニッケル含有原料と磨滅材と濃硫酸を混合した状態で、撹拌などによりニッケル含有原料と磨滅材とを衝突させることが好ましい。これにより、ニッケル含有原料と濃硫酸との反応は、磨滅材を介したメカノケミカル反応となり、ニッケル含有原料の粒子表面に不溶物が堆積しにくく、粒子内部まで硫酸が浸透しやすくなる。このため、温和な条件でも硫酸ニッケル化合物への転換率を向上することができる。
転換工程における混合物の温度は、例えば15~200℃で良好な転換が進み、常温、90℃、120℃、150℃と温度が高くなるほど転換に要する時間は短くなる。温和な反応条件としては、硫酸ミストが飛ばない90℃以下が好ましい。ニッケルと硫酸とが反応して硫酸ニッケル化合物が得られる。加熱条件下で転換反応を行う場合、ニッケル含有原料、濃硫酸等は、転換反応の系中に供給、混合される前から加熱しておいてもよい。
転換工程で生成する硫酸ニッケル化合物は、硫酸ニッケルの無水塩、または1水和物、2水和物、5水和物、6水和物、7水和物等の状態となっていてもよい。濃硫酸としては、例えば90%以上の硫酸を含む液体が挙げられる。濃硫酸の濃度の例としては、95%、96%、98%等が挙げられる。転換工程に用いる濃硫酸の少なくとも一部は、他の供給源から調達して使用してもよい。転換工程に用いる濃硫酸の少なくとも一部として、後述する固液分離工程で液相から回収される濃硫酸を再利用することもできる。
ニッケル含有原料と濃硫酸との混合比は、スラリー状となった混合物の粘性が適正となる範囲内で選択することが好ましい。例えば、ニッケル含有原料と濃硫酸との合計を100wt%としたときに、ニッケル含有原料の割合が5wt%~50wt%であることが好ましい。ニュートン流体の特性を有する範囲で、5wt%~15wt%が望ましい。
ニッケル含有原料が硫化ニッケルを含む場合は、酸素(O)ガスを注入する、あるいは過酸化水素(H)、オゾン(O)等の酸化剤を添加する等して、転換反応を促進させることが好ましい。これにより、ニッケルマット等の硫化ニッケルを含むニッケル含有原料を用いる場合に、硫化ニッケルから硫酸ニッケル化合物への転換効率を向上することができる。通常、ニッケル含有原料から硫酸ニッケル化合物への転換には濃硫酸中のHSO が利用されるが、ニッケル含有原料として硫化ニッケルを含む場合には、硫化ニッケル中の硫黄がイオン状態で存在し、且つ硫黄ガスとして逃げることが無く、硫黄分が減少し難い。そのため、濃硫酸中のHSO 量が所定量で維持され、濃硫酸を追加する必要が無いかまたは追加量を低減することができる。また、酸素等の酸化剤との反応を促進するため、例えば95~200℃程度、あるいは100~150℃程度等に濃硫酸を加熱することが好ましい。濃硫酸として、熱濃硫酸を用いてもよい。
ニッケルマットをニッケル含有原料として用いる場合は、例えば20μm程度に粉砕してから転換工程に供給することが好ましい。ニッケルマットに含まれる鉄分は、あらかじめ転炉等により低減されることが好ましい。例えば、Feが1wt%以下のニッケルマットが挙げられる。元素状態の硫黄(S)が析出せず、イオン状態のHSO が生成するように、反応系中の酸化還元電位が300mV以上であることが好ましい。即ち、反応系中の酸化還元電位を300mV以上とすることで、硫化ニッケルから発生した硫黄がイオン状態で利用されるため、例えばエレメンタリーサルファー(S)が硫化ニッケルの表面で析出し、硫化ニッケルから硫酸ニッケル化合物への転換を阻害することなく転換効率を向上させることができる。また、反応系中の酸化還元電位を300mV以上とすることで、硫化水素(HS)の発生が抑制される。
酸素ガスを注入する場合には、酸素を含む混合ガス、例えば空気を用いてもよい。本実施形態の転換工程は常圧でも効果的に実施することができるが、濃硫酸に対する酸素ガスの溶解度を高めるため、加圧条件で実施してもよい。酸素ガスの分圧は、空気中と同じく約0.02MPa程度でもよく、それ以上に高い圧力でもよい。
本実施形態の固液分離工程では、転換工程で得られた混合物を固相と液相とに分離する。
固液分離の方法は、特に限定されず、濾過法、遠心分離法、沈降分離法などが挙げられる。望ましくは、固相に含まれる微粒子の分離性能が高く、液相に含まれる濃硫酸と接触し得る部分の硫酸に対する耐食性に優れる装置とすることが好ましい。例えば、濾過法において、ろ材等に耐硫酸性の材料を用いることができる。濾過の方式は特に限定されず、重力濾過、減圧濾過、加圧濾過、遠心濾過、濾過助剤添加型濾過、圧搾絞り濾過等が挙げられる。
固液分離工程で得られた液相に含まれる濃硫酸は、転換工程においてニッケル含有原料に添加される濃硫酸として再利用することができる。これにより、未反応の濃硫酸を有効に利用することができ、濃硫酸の廃棄処理に要するコストを低減することができる。回収した濃硫酸に金属化合物が溶解している場合は、浄化装置で処理して濃硫酸から金属化合物を除去することが好ましい。
固液分離工程で得られた固相には、後述する溶解分離工程において好ましいpH範囲の溶液を得るため、微量の濃硫酸が残留するようにしてもよい。残留する濃硫酸が過剰となっている場合には、固相のケーキに対してエアブロー等を行い、濃硫酸の量を固相から減少させてもよい。固相から濃硫酸を除去する場合、固相中の硫酸塩及び濃硫酸と反応しない流体としてエアを用いることが経済的であるが、他の流体又は方法を用いてもよい。
本実施形態の溶解分離工程では、固液分離工程で得られた固相に水を加え、固相に含まれる硫酸ニッケル化合物を水に溶解させ、不純物を分離させる。
溶解分離工程で固相に添加される水は、不純物を含まないように処理された純水が好ましい。水処理方法としては、特に限定されないが、濾過、膜分離、イオン交換、蒸留、消毒、薬剤処理、吸着などの1種以上が挙げられる。溶解用の水として、水源から得られる上水、工業用水等を用いてもよく、後述する晶析工程または他のプロセスで生じた排水を処理した水を用いてもよい。2種類以上の水を用いてもよい。
固相を水で浸出させることにより、固相中の成分が水に溶解して溶液が得られる。固相中の硫酸ニッケル化合物を水に溶解させるため、得られる溶液のpHを酸性とする。硫酸鉄等の不純物の溶解を抑制しつつ、硫酸ニッケル化合物を選択的に水相に抽出するには、溶液のpHが4~5程度で、酸化還元電位測定で酸化域が好ましく、例えば3.8~5.5が挙げられる。
溶液のpHを調整する方法は、上述した固液分離工程における濃硫酸の残留量の調整に限られず、酸又はアルカリの添加によって行うこともできる。酸は、濃硫酸に限らず、希硫酸等であってもよい。アルカリとしては、硫酸イオンの共存下で沈殿を生成することにより、水相からの除去が容易なアルカリ土類金属の水酸化物(例えば水酸化カルシウム)が好ましい。また、溶液を酸化域に維持するため、必要に応じて、H等の酸化剤を加えてもよい。また、転換工程で用いた酸化剤が溶解分離工程まで残留し得る場合は、酸化剤の残留量を調整してもよい。
硫酸ニッケル化合物と共存し得る不純物としては、鉄(Fe)、コバルト(Co)、アルミニウム(Al)等が挙げられる。これらの金属塩が転換工程において硫酸塩となっている場合、硫酸ニッケル化合物を水に溶解させたときに、硫酸鉄、硫酸コバルト等も溶解する。さらに、水中では例えばFeOOH、Fe、Fe等の酸化物等として沈殿し、硫酸ニッケル化合物から不純物の除去が容易になる。硫酸ニッケルは高温ほど水に対する溶解度が大きいが、不純物の溶解を抑制するため、水の温度は15~60℃程度が好ましい。水の温度を調整するため、硫酸ニッケル化合物に加える水の温度または硫酸ニッケル化合物の溶解に用いる容器の周囲の温度を制御してもよい。
不純物のうち、例えば銅(Cu)、金(Au)、銀(Ag)、白金族金属(PGM)等、水素(H)よりイオン化傾向が低い金属は、固体として残るため、濾過等の固液分離により除去することができる。固液分離の方法は、特に限定されないが、濾過法、遠心分離法、沈降分離法などが挙げられる。固液分離により除去される固体には、上記の不純物のほか、As,Pb,Zn等の化合物が含まれ得る。これらの不純物が含まれる固体は、有価物としてリサイクル処理することもできる。
固相に濃硫酸が含まれている場合、硫酸と水との溶解発熱で温度が上昇するが、後述する晶析工程等の精製工程における使用に適した温度範囲に調節することが好ましい。温度調節手法として、例えば、溶解分離工程で添加する水の温度または量の調整、熱交換、放熱、冷却などが挙げられる。硫酸ニッケル化合物の溶解性等の観点から、溶液の温度は常温以上が好ましい。また、晶析工程を行う場合には、溶解分離工程により得られる溶液の温度が、晶析工程で使用する有機溶媒の沸点より低く、また、有機溶媒と水との混合物の共沸点より低いことが好ましい。
溶解分離工程により得られる溶液は、硫酸ニッケル化合物を主成分とするため、硫酸ニッケル化合物の溶液のまま、あるいは乾燥等により硫酸ニッケル化合物の固体として、輸送し、利用することができる。用途によっては、溶液中の不純物として、例えば硫酸コバルト等を低減することが望まれる場合には、溶媒抽出、電解透析(Electrowinning)、電解精製(Electro refining)、イオン交換、晶析等の技術を利用することができる。
溶媒抽出の場合は、ニッケルよりもコバルトを優先的又は選択的に溶媒中に抽出できる抽出剤を用いることが好ましい。これにより、硫酸ニッケル化合物を水系の溶液中に残して、効率的な精製が可能になる。抽出剤としては、ホスフィン酸基、チオホスフィン酸基等の、金属イオンと結合し得る官能基を有する有機化合物が挙げられる。溶媒抽出においては、希釈剤として、抽出剤を水から分離させることが可能な有機溶媒を用いてもよい。コバルト等の金属イオンと結合した抽出剤を希釈剤に溶解させることにより、抽出剤を大量に使用しなくても、硫酸ニッケル化合物を含有する水溶液からの分離が容易になる。希釈剤は、水と混和しにくい有機溶媒が好ましい。
図2に、溶解分離工程S3で得られた溶液31に有機溶媒を加えて硫酸ニッケル化合物41を析出させる晶析工程S4を有する実施形態を示す。転換工程S1、固液分離工程S2、溶解分離工程S3については、上述のとおりであるから、重複する説明は省略する。
本実施形態の晶析工程では、溶解分離工程で得られた溶液に有機溶媒を加えて硫酸ニッケル化合物を析出させる。溶解分離工程および晶析工程を回分法(バッチ法)で実施する場合は、溶解分離工程で溶液を得るために用いた容器を、引き続き晶析工程に使用することができる。連続法の場合などでは、溶解分離工程で用いる容器から晶析工程で用いる容器に向けて、溶解分離工程で得られた溶液を移送してもよい。
晶析に用いられる有機溶媒としては、水と混和する有機溶媒が好ましく、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブチルアルコール、エチレングリコール、アセトンからなる群から選択される1種以上が挙げられる。2種類以上の有機溶媒が用いられてもよい。有機溶媒が水と混和する濃度範囲については、硫酸ニッケル化合物が析出する程度に有機溶媒が添加された濃度で混和することが好ましく、任意の割合で自由に混和することがより好ましい。晶析工程で加える有機溶媒は、無水の有機溶媒に限らず、晶析に支障のない程度で含水の有機溶媒であってもよい。水と有機溶媒との比率は、特に限定されないが、例えば1:20~20:1の範囲で設定してもよいが、1:1程度、例えば1:2~2:1が好ましい。
晶析工程で析出する硫酸ニッケル化合物は、硫酸ニッケル6水和物等の状態となっていてもよい。析出した硫酸ニッケル化合物は、固液分離により溶液から分離することができる。固液分離の方法は、特に限定されないが、濾過法、遠心分離法、沈降分離法などが挙げられる。溶液側に溶解した金属は、中和して沈殿等の方法により溶液から取り除くことが好ましい。浄化された溶液が、水と有機溶媒との混合物が主体とする場合、蒸留等の方法で水と有機溶媒とを分離することができる。
図2に示すように、晶析工程S4後の溶液42から蒸留43等により分離された有機溶媒45は、晶析工程S4において、溶解分離工程S3で得られた溶液31に添加される段階に再利用してもよい。また、晶析工程S4後の溶液42から分離された水44は、溶解分離工程S3において、固液分離工程S2で得られた固相21に添加される段階に再利用してもよい。
水または有機溶媒を再利用する場合、必要に応じて精製工程を経てもよい。金属等の不純物を除去する工程は、蒸留前に限らず、蒸留後に実施してもよい。例えば、不純物が少ない場合は、溶液を蒸留した後に残る溶液から不純物を除去する工程を設けてもよい。
本実施形態の硫酸ニッケル化合物の製造方法によれば、次の効果が得られる。
1)種々のニッケル含有原料から、付加価値の高い硫酸ニッケル化合物を製造することができるので、需要地の近くでも生産が可能となり、輸送費を削減することができる。
2)高純度の硫酸ニッケル化合物を生成することができる。
3)濃硫酸の再利用等により、運転コストを低減することができる。
4)転換工程において反応速度を促進することができる。また、水素(H)ガスの発生を低減することもできる。
5)転換工程において滞留時間を低減することにより、装置を小型化しても生産性を高めることができる。
6)濃硫酸を利用することで、低コストの材料を適用することができる。
7)利用する薬剤が少なく、管理が容易になる。
8)晶析工程において硫酸ニッケル化合物に有機溶媒を利用するため、従来の蒸発晶析より蒸発エネルギーの利用が少ない。また析出に要する時間が短くなり、設備を小型化することができる。
9)従来法に比べて設備コストを低減することができる。
10)転換工程において硫化ニッケルを酸化しながら反応させる場合には、硫化物から硫酸根を生成して、常圧下でも短時間で高収率を得ることができる。
以上、本発明を好適な実施形態に基づいて説明してきたが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
上記実施形態の転換工程は、金属又は金属化合物を含有する原料を、磨滅材と共に濃硫酸で処理して、原料の少なくとも一部を金属硫酸塩化合物に転換する工程に応用することができる。この場合の原料としては、ニッケルマットに限らず、銅マット、Ni/Cu混合マット等でもよく、これらのマットは、白金族金属(PGM)を含有してもよい。マットからの転換では、ニッケルマットと同様に、酸素などの酸化剤を用いることが好ましい。転換工程の後、固液分離工程及び溶解分離工程を経ることにより、硫酸ニッケル化合物に限らず、硫酸銅化合物等の水溶性の金属硫酸塩を効率的に得ることができる。
以下、実施例をもって本発明を具体的に説明する。
<実施例1-1>
100mLの濃硫酸(HSOとして98%純度の試薬)と5gの酸化ニッケル(緑色NiOの試薬)粉末を、容量300mLのガラス容器に入れ、フッ素樹脂で被覆されたスターラにて撹拌しながら電気ヒータで加熱した。温度が100℃を超えた時点で、水蒸気と白煙状の硫酸ミストがガス側に発生した。120℃まで加熱した後、電気ヒータは止め、撹拌は72時間継続した。撹拌を継続するうちに、ガラス容器中の混合物は自然に冷却された。混合物には、添加した酸化ニッケルとは異なった非常に硬い結晶が一部発生していた。X線解析の結果、NiSO・HOが生成していることが判明した。
<実施例1-2>
容量300mLのガラス容器に6mm径のセラミックボール粉砕メディアを約15mmの高さまで加えた。そこにフッ素樹脂製の撹拌翼を差し込んで、ガラス容器内部の温度が90℃になるように外部からウォータバスにて加温した。撹拌翼の回転数は60rpmとした。さらにガラス容器には、5gの酸化ニッケル(緑色NiOの試薬)粉末と、100mLの濃硫酸(HSOとして98%純度の試薬)を加えた。約30分後にガラス容器内部の温度が90℃に到達し、その後は温度を90℃に維持した。この状態で撹拌を6時間まで継続した。その途中の3時間経過した時点と、6時間経過した時点で、粉末および濃硫酸を含む混合物のサンプルをガラス容器内部から採取した。サンプルは遠心管に回収して、遠心分離により固相と液相とに分離した。液相側は1154mg/Lのニッケル濃度となったが、固相側はX線分析の結果、ガラス容器に加えた酸化ニッケルの97.3%が硫酸ニッケルに変換していた。この結果から、酸化ニッケルを磨滅しながら濃硫酸で直接硫酸ニッケルへの転換反応を行うことができることを確認できた。
<実施例1-3>
試薬の硫酸ニッケル6水和物(青色のNiSO・6HO)を10g採取し、容量300mLのガラス容器に入れた。これに試薬硫酸6.3gと純水83.7gとの混合液を加えることにより、硫酸ニッケル6水和物を硫酸水溶液に溶解させた溶液を調製した。この溶液を各10mLずつ遠心管に分注した後、各遠心管に各15mLの有機溶媒を加えた。有機溶媒はイソプロパノール、アセトン、リン酸トリブチル(TBP)、トルエンの4種類である。さらに溶液に有機溶媒を加えることなく、遠心管を外部から急冷した場合の試験を併せて行った。結果を表1に示す。
Figure 0007042719000001
この結果、水と混和性を有するイソプロパノールまたはアセトンを溶液に加えた場合は、有機溶媒の添加と同時に瞬時に硫酸ニッケル水和物の結晶が生成した。イソプロパノールを加えた場合は全体的にシャーベット状の結晶が得られ、アセトンを加えた場合は針状の微細結晶が得られた。このため、水と混和性を有するメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブチルアルコール、エチレングリコール、アセトン等が晶析に適用できることが判明した。
また、イソプロパノールを加えた場合は、瞬時にほぼ全量の溶解ニッケル塩が水和物として析出した。このことから、有機溶媒を加える晶析方法によれば、連続蒸発晶析のように、水溶液を飽和溶解度を超えて濃縮する方法と比べ、蒸発エネルギーが不要で、かつ回分操作(バッチ操作)で結晶化、固液分離が可能になった。
<実施例2-1>
容量300mLのガラス容器に、ニッケルマット(Ni:78%、Fe:1%、Co:1%、S:20%)と95%硫酸とからなる原料スラリーを、6mm径のセラミックボールとともに加えた。原料スラリー及びセラミックボールをオイルバス中で撹拌しながら、バスを昇温した。撹拌の回転数は60rpmとした。所定の温度に到達した後、所定の時間ごとに撹拌中のスラリーから少量のサンプルを採取した。サンプルのスラリーは、遠心分離により液相を除去した。固相を水洗して、洗浄水に含まれるNiイオンを定量することで、硫酸ニッケル化合物の量をNiSO・HOとして求めた。また、水洗後の固相の残渣から、蛍光X線元素分析法(XRF)により、S,Al,Ni、Feの比を定量し、ニッケルマットの量と、セラミックボールに由来する酸化アルミニウムの量を求めた。
洗浄水に含まれる硫酸ニッケル化合物及び残渣に含まれるニッケルマットの量から固相中のNiの総量を求め、これと洗浄水に含まれる硫酸ニッケル化合物との量の比から、硫酸ニッケル化合物への転換率を求めた。転換反応を行う所定の温度を90℃、120℃、150℃の3通りとして各々実施した結果を表2に示す。
Figure 0007042719000002
この結果、温度が高いほど効率が向上し、硫酸ニッケル化合物への転換率が高いことが示された。時間の経過に従ってサンプル中のAlの量が増加したことから、セラミックボールが磨滅してスラリー中に混入することが判明した。さらに表2の結果から、アレニウスプロットにより速度kを求めたところ、次の実験式が得られた。
y=-6232.727x+11.693、R2=0.998
ここで、x=1/T(k)、y=ln kとする。
このアレニウスプロットから、180℃及び200℃における転換率を算出した。すると、180℃では15分で91%、200℃では15分で98%の転換率となった。
<実施例2-2>
FeSOを102g/L、HSOを33g/Lの濃度で含有する水溶液90mLをオートクレーブで60分かけて230℃まで昇温した後、水溶液中に分圧1.8MPaの酸素ガスを吹き込んだ。発熱とともに圧力上昇が起こり、温度が平衡に戻った時点で圧力を確認した。これにより、吹き込んだ酸素ガスの量が63mmolであるのに対して、Fe(II)の酸化に消費される量が15mmol、分圧低下から換算される気相中の酸素ガスの減少量は26mmolで、高温の硫酸水溶液中に酸素が溶解して反応することを確認した。温度を230℃に維持したまま、1回目の酸素ガスの吹き込みから更に60分経過した時点で2度目の吹き込みを行ったところ、1回目のようには圧力低下がみられなかったことから、酸化反応が1回目の吹き込みだけで完全に終了していることを確認した。
この試験から、硫酸酸性下の水溶液に酸素を溶解させて酸化反応を行うことができることを確認した。ここでは参考として、希硫酸中でFeSOを酸化する例を挙げたが、上記の実施例2-1のように濃硫酸中でNiSを酸化する反応において、酸素を加圧下で供給することも、同様に可能と考えられる。
<実施例2-3>
市販の硫酸ニッケル試薬(99%純度)の粉末を規定量計量し、100gの純水中に投入し規定の温度になってから10分撹拌を続け、溶液からサンプリングして、溶解した硫酸ニッケルの量を定量分析した。この結果、硫酸ニッケルの溶解度(100g溶液に対する値)として次の通りの結果が得られた。
0℃:22g、15℃:26.5g、35℃:32g、50℃:35g、60℃:37g
また、実施例2-1と同様にして、150℃で転換工程を実施して生成した固形分を、加圧濾過器にて固液分離して、温度が120℃のスラッジを得た。このスラッジを50g採取して、スラッジ濃度が30wt%になるように15℃の純水を100g加えると、温度が22℃の溶液が得られた。撹拌を30分継続して得られた溶液中のFeイオンを分析すると、数10ppmであった。一方、硫酸ニッケルは、22℃の飽和溶解度に近い値、すなわち28gの硫酸ニッケルが100gの溶液に溶解していた。この結果から、溶解性が高い硫酸ニッケルは、冷水にて水に溶解させることで不純物の除去効果があることが分かった。
本発明は、二次電池等の電気部品、化学製品などに利用される各種のニッケル化合物または金属ニッケルの原料として有用な高純度の硫酸ニッケル化合物の製造に利用することができる。
S1…転換工程、S2…固液分離工程、S3…溶解分離工程、S4…晶析工程、10…ニッケル含有原料、11…混合物、21…固相、22…液相、31…溶液、32…不純物、41…硫酸ニッケル化合物、42…溶液、43…蒸留、44…水、45…有機溶媒。

Claims (10)

  1. ニッケル含有原料を、磨滅材と共に濃硫酸で処理して、前記ニッケル含有原料の少なくとも一部を硫酸ニッケル化合物に転換する転換工程と、
    前記転換工程で得られた混合物を固相と液相とに分離する固液分離工程と、
    前記固液分離工程で得られた前記固相に水を加え、前記固相に含まれる硫酸ニッケル化合物を前記水に溶解させ不純物を分離する溶解分離工程と、
    を有することを特徴とする硫酸ニッケル化合物の製造方法。
  2. 前記転換工程における前記ニッケル含有原料が、酸化ニッケル、水酸化ニッケル、硫化ニッケル、塩化ニッケル、金属ニッケル、フェロニッケル、ニッケル鉱石からなる群から選択される1種以上を含むことを特徴とする請求項1に記載の硫酸ニッケル化合物の製造方法。
  3. 前記転換工程において、前記ニッケル含有原料が硫化ニッケルを含み、酸化剤が添加され、酸化還元電位が300mV以上であることを特徴とする請求項1に記載の硫酸ニッケル化合物の製造方法。
  4. 前記固液分離工程で得られた前記液相に含まれる濃硫酸を、前記転換工程に再利用することを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の硫酸ニッケル化合物の製造方法。
  5. 前記溶解分離工程において、前記固相に加える水の温度が15~60℃であることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の硫酸ニッケル化合物の製造方法。
  6. 前記溶解分離工程において、前記硫酸ニッケル化合物を前記水に溶解させた溶液のpHを4~5として不純物を分離することを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の硫酸ニッケル化合物の製造方法。
  7. 前記溶解分離工程で得られた溶液に含まれるコバルト化合物を除去する精製工程を有することを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の硫酸ニッケル化合物の製造方法。
  8. 前記溶解分離工程で得られた溶液に有機溶媒を加えて硫酸ニッケル化合物を析出させる晶析工程を有することを特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載の硫酸ニッケル化合物の製造方法。
  9. 前記晶析工程における前記有機溶媒が、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブチルアルコール、エチレングリコール、アセトンからなる群から選択される1種以上であることを特徴とする請求項8に記載の硫酸ニッケル化合物の製造方法。
  10. 前記晶析工程で得られる前記硫酸ニッケル化合物が、硫酸ニッケル6水和物であることを特徴とする請求項8又は9に記載の硫酸ニッケル化合物の製造方法。
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