本出願の目的の実現、機能的特徴及び利点を、実施例を結合して添付の図面を参照しながらさらに説明する。
ここで記載された具体的な実施例は単に本出願を解釈するためのものであり、本出願を限定するものではないと理解されたい。
本出願はインテリジェントパワーモジュールの駆動IC回路100を提供し、従来のインテリジェントパワーモジュールの駆動ICがSiC系パワースイッチングデバイスを直接に駆動できないという問題を解決する。
図1は本出願によるインテリジェントパワーモジュールの駆動IC回路の第1実施例の構造概略図であり、図1を参照して、本実施例において、該インテリジェントパワーモジュールの駆動IC回路100は動作電圧入力端VDD0、インバータロジックバッファ回路101、上部ブリッジ駆動回路102、下部ブリッジ駆動回路103、PFCロジックバッファ回路104、PFC駆動回路105、第1電圧調整制御入力端RS1、第2電圧調整制御入力端RS2、第1電圧調整モジュール106及び第2電圧調整モジュール107を含む。
前記第1電圧調整制御入力端RS1は、第1電圧調整制御信号を入力する。
前記第1電圧調整モジュール106は、前記第1電圧調整制御入力端RS1により入力された前記第1電圧調整制御信号に基づいて、前記動作電圧入力端VDD0により入力された電圧を昇圧又は降圧処理し、前記インバータロジックバッファ回路101、上部ブリッジ駆動回路102及び下部ブリッジ駆動回路103に駆動入力電圧を提供する。あるいは前記動作電圧入力端VDD0により入力された電圧を前記インバータロジックバッファ回路101、上部ブリッジ駆動回路102及び下部ブリッジ駆動回路103の駆動電圧入力端に直接出力し、このとき、前記インバータロジックバッファ回路101、上部ブリッジ駆動回路102及び下部ブリッジ駆動回路103の駆動電圧入力端の駆動電圧が前記動作電圧入力端VDD0により入力された電圧に等しい。
前記第2電圧調整制御入力端RS2は、第2電圧調整制御信号を入力する。
前記第2電圧調整モジュール107は、前記第2電圧調整制御入力端RS2により入力された前記第2電圧調整制御信号に基づいて、前記動作電圧入力端VDD0により入力された電圧を昇圧又は降圧処理し、前記PFCロジックバッファ回路104及び前記PFC駆動回路105に駆動入力電圧を提供する。又は前記動作電圧入力端VDD0により入力された電圧を、前記PFCロジックバッファ回路104及び前記PFC駆動回路105の駆動電圧入力端に直接出力する。このとき、前記PFCロジックバッファ回路104及び前記PFC駆動回路105の駆動電圧入力端の駆動電圧が前記動作電圧入力端VDD0により入力された電圧に等しい。
本実施例において、前記第1電圧調整モジュール106の入力端が前記動作電圧入力端VDD0と接続され、前記第1電圧調整モジュール106の制御端子が前記第1電圧調整制御入力端RS1と接続され、前記第1電圧調整モジュール106の出力端がそれぞれ前記インバータロジックバッファ回路101、上部ブリッジ駆動回路102及び下部ブリッジ駆動回路103の駆動電圧入力端と接続される。前記第2電圧調整モジュール107の入力端が前記動作電圧入力端VDD0と接続され、前記第2電圧調整モジュール107の制御端子が前記第2電圧調整制御入力端RS2と接続され、前記第2電圧調整モジュール107の出力端がそれぞれ前記PFCロジックバッファ回路104及び前記PFC駆動回路105の駆動電圧入力端と接続される。本実施例において、前記インバータロジックバッファ回路101の出力端はそれぞれ前記上部ブリッジ駆動回路102の入力端及び前記下部ブリッジ駆動回路103の入力端と接続され、前記PFCロジックバッファ回路104の出力端は前記PFC駆動回路105の入力端と接続される。図におけるIN1、IN2及びIN3は本実施例によるインテリジェントパワーモジュールの駆動IC回路100の上部ブリッジ制御入力端であり、図におけるIN4、IN5及びIN6は本実施例によるインテリジェントパワーモジュールの駆動IC回路100の下部ブリッジ制御入力端であり、図におけるIN7は本実施例によるインテリジェントパワーモジュールの駆動IC回路100のPFC入力端であり、IN1、IN2、IN3、IN4、IN5及びIN6が前記インバータロジックバッファ回路101と接続され、IN7が前記PFCロジックバッファ回路と接続される。図におけるHO1は前記上部ブリッジ駆動回路102の第1出力端であり、HO2は前記上部ブリッジ駆動回路102の第2出力端であり、HO3は前記上部ブリッジ駆動回路102の第3出力端であり、図におけるLO1は前記下部ブリッジ駆動回路103の第1出力端であり、LO2は前記下部ブリッジ駆動回路103の第2出力端であり、LO3は前記下部ブリッジ駆動回路103の第3出力端であり、図におけるPFCOは前記PFC駆動回路105の出力端である。ここで、前記上部ブリッジ駆動回路102の第1出力端HO1、前記上部ブリッジ駆動回路102の第2出力端HO2及び前記上部ブリッジ駆動回路102の第3出力端HO3は、それぞれ前記インテリジェントパワーモジュール内の対応する上アームスイッチトランジスタ(図示せず)の制御端子と接続され、前記下部ブリッジ駆動回路103の第1出力端LO1、前記下部ブリッジ駆動回路103の第2出力端LO2及び前記下部ブリッジ駆動回路103の第3出力端LO3は、それぞれ前記インテリジェントパワーモジュール内の対応する上アームスイッチトランジスタ(図示せず)の制御端子と接続され、前記PFC駆動回路105の出力端PFCOが前記インテリジェントパワーモジュール内のPFCスイッチトランジスタ(図示せず)の制御端子と接続される。
図2は本出願によるインテリジェントパワーモジュールの駆動IC回路の第1実施例における前記第1電圧調整モジュールの構造概略図であり、図1及び図2を参照して、本実施例において、前記第1電圧調整モジュール106は第1昇圧モジュール1061、第1降圧モジュール1062及び第1アナログスイッチ1063を含む。前記第1昇圧モジュール1061及び前記第1降圧モジュール1062の入力端が前記動作電圧入力端VDD0と接続され、前記第1昇圧モジュール1061の出力端が前記第1アナログスイッチ1063の第1入力端(前記第1アナログスイッチ1063の1とマークされた端子に対応する)と接続され、前記第1降圧モジュール1062の出力端が前記第1アナログスイッチ1063の第2入力端(前記第1アナログスイッチ1063の2とマークされた端子に対応する)と接続され、前記第1アナログスイッチ1063の第3入力端(前記第1アナログスイッチ1063の0とマークされた端子に対応する)が前記動作電圧入力端VDD0と直接接続され、前記第1アナログスイッチ1063の共通端子が、それぞれ前記インバータロジックバッファ回路101、上部ブリッジ駆動回路102及び下部ブリッジ駆動回路103の駆動電圧入力端と接続され、前記第1アナログスイッチ1063の共通端子の電圧がVDD1であり、本実施例において、前記第1アナログスイッチ1063の制御端子が前記第1電圧調整制御入力端RS1と接続される。
図3は本出願によるインテリジェントパワーモジュールの駆動IC回路の第1実施例における前記第2電圧調整モジュールの構造概略図であり、図1及び図3を参照して、本実施例において、前記第2電圧調整モジュール107は第2昇圧モジュール1071、第2降圧モジュール1072及び第2アナログスイッチ1073を含み、前記第2昇圧モジュール1071及び前記第2降圧モジュール1072の入力端が前記動作電圧入力端VDD0と接続され、前記第2昇圧モジュール1071の出力端が前記第2アナログスイッチ1073の第1入力端(前記第2アナログスイッチ1073の1とマークされた端子に対応する)と接続され、前記第2降圧モジュール1072の出力端が前記第2アナログスイッチ1073の第2入力端(前記第2アナログスイッチ1073の2とマークされた端子に対応する)と接続され、前記第2アナログスイッチ1073の第3入力端(前記第2アナログスイッチ1073の0とマークされた端子に対応する)が前記動作電圧入力端VDD0と直接接続され、前記第2アナログスイッチ1073の共通端子がそれぞれ前記PFCロジックバッファ回路104及び前記PFC駆動回路105の駆動電圧入力端と接続され、前記第2アナログスイッチ1073の共通端子の電圧がVDD1であり、本実施例において、前記第2アナログスイッチ1073の制御端子が前記第2電圧調整制御入力端RS2と接続される。本実施例において、前記動作電圧入力端の電圧が15V又は20Vである。
本実施例によるインテリジェントパワーモジュールの駆動IC回路100は、前記第1電圧調整モジュール106及び前記第2電圧調整モジュール107を設けたため、ユーザーはインテリジェントパワーモジュール内のパワースイッチングデバイスの種類の違い(Si系パワースイッチングデバイス又はSiC系パワースイッチングデバイス)に基づいて、前記第1電圧調整制御入力端RS1及び前記第2電圧調整制御入力端RS2にそれぞれ異なる電圧調整制御信号を入力し、それにより前記第1電圧調整モジュール106及び前記第2電圧調整モジュール107が、前記動作電圧入力端VDD0により入力された電圧を調整(昇圧又は降圧)し、異なる種類のパワースイッチングデバイスに適する駆動電圧信号を取得する。具体的に、本実施例において、前記第1電圧調整モジュール106は前記動作電圧入力端VDD0により入力された電圧を駆動電圧VDD1に調整し、駆動電圧VDD1を前記インバータロジックバッファ回路101、前記上部ブリッジ駆動回路102及び前記下部ブリッジ駆動回路103の駆動電圧入力端に出力し、本実施例において、前記第2電圧調整モジュール107は前記動作電圧入力端VDD0により入力された電圧を駆動電圧VDD2に調整し、駆動電圧VDD2を前記PFCロジックバッファ回路104及びPFC駆動回路105の駆動電圧入力端に出力する。本実施例において、前記第1電圧調整モジュール106及び前記第2電圧調整モジュール107は昇圧機能を実現してもよく、降圧機能を実現してもよい。
具体的に、本実施例において、前記動作電圧入力端VDD0の電圧が15Vであり、前記インテリジェントパワーモジュールにおける上アームスイッチトランジスタ及び下アームスイッチトランジスタがSi系パワースイッチングデバイス(例えばSi系IGBT)であり、前記インテリジェントパワーモジュールにおけるPFCスイッチトランジスタがSiC系パワースイッチングデバイス(例えばSiC系MOSFET)である場合、本実施例は、前記第1電圧調整制御入力端RS1の第1電圧調整制御信号を制御することにより、前記第1電圧調整モジュール106における前記第1アナログスイッチ1063を0とマークされた端子にスイッチさせる。すなわち、前記第1電圧調整モジュール106が15V駆動電圧を前記インバータロジックバッファ回路101、前記上部ブリッジ駆動回路102及び前記下部ブリッジ駆動回路103の駆動電圧入力端に直接出力し、前記上部ブリッジ駆動回路102の出力端と接続される上アームスイッチトランジスタ(Si系パワースイッチングデバイス)及び前記下部ブリッジ駆動回路103の出力端と接続される下アームスイッチトランジスタ(Si系パワースイッチングデバイス)に15Vの駆動電圧を提供する。同時に、本実施例はさらに前記第2電圧調整制御入力端RS2の第2電圧調整制御信号を制御することにより、前記第2電圧調整モジュール107の前記第2アナログスイッチ1073を1とマークされた端子にスイッチさせる。それにより前記第2電圧調整モジュール107における第2昇圧モジュール1071が入力された15V電圧を昇圧処理し、15Vの電圧を前記PFCスイッチトランジスタ(SiC系パワースイッチングデバイス)の動作を駆動する20V電圧に昇圧する。
本実施例において、前記動作電圧入力端VDD0の電圧が15Vであり、前記インテリジェントパワーモジュールにおける上アームスイッチトランジスタ、下アームスイッチトランジスタ及びPFCスイッチトランジスタがSi系パワースイッチングデバイスである場合、本実施例は前記第1電圧調整制御入力端RS1を制御する第1電圧調整制御信号により、前記第1電圧調整モジュール106の前記第1アナログスイッチ1063を0とマークされた端子にスイッチさせると同時に、前記第2電圧調整制御入力端RS2を制御する第2電圧調整制御信号により、前記第2電圧調整モジュール107の前記第2アナログスイッチ1073を0とマークされた端子にスイッチさせる。すなわち、それにより前記第1電圧調整モジュール106及び前記第2電圧調整モジュール107がいずれも15Vの駆動電圧を出力し、前記上アームスイッチトランジスタ、前記下アームスイッチトランジスタ及び前記PFCスイッチトランジスタの動作を駆動する。
本実施例において、前記動作電圧入力端VDD0の電圧が15Vであり、前記インテリジェントパワーモジュールにおける上アームスイッチトランジスタ、下アームスイッチトランジスタ及びPFCスイッチトランジスタがSiC系パワースイッチングデバイスである場合、本実施例は前記第1電圧調整制御入力端RS1を制御する第1電圧調整制御信号により、前記第1電圧調整モジュール106の前記第1アナログスイッチ1063を1とマークされた端子にスイッチさせると同時に、前記第2電圧調整制御入力端RS2の第2電圧調整制御信号を制御することにより、前記第2電圧調整モジュール107の前記第2アナログスイッチ1073を1とマークされた端子にスイッチさせる。すなわち前記第1電圧調整モジュール106及び前記第2電圧調整モジュール107がいずれも前記動作電圧入力端VDD0により入力された15V電圧を昇圧処理し、SiC系パワースイッチングデバイスを駆動する20Vの駆動電圧を出力する。
本実施例において、前記動作電圧入力端VDD0の電圧が20Vであり、前記インテリジェントパワーモジュールにおける上アームスイッチトランジスタ及び下アームスイッチトランジスタがSi系パワースイッチングデバイス(例えばSi系IGBT)であり、前記インテリジェントパワーモジュールにおけるPFCスイッチトランジスタがSiC系パワースイッチングデバイス(例えばSiC系MOSFET)である場合、本実施例は前記第1電圧調整制御入力端RS1の第1電圧調整制御信号を制御することにより、前記第1電圧調整モジュール106の前記第1アナログスイッチ1063を2とマークされた端子にスイッチさせる。すなわち、前記第1電圧調整モジュール106における前記第1降圧モジュール1062が入力された20V電圧を降圧処理し、20V電圧を前記上アームスイッチトランジスタ(Si系パワースイッチングデバイス)及び前記下アームスイッチトランジスタ(Si系パワースイッチングデバイス)の動作を駆動する15V電圧に下げる。また、本実施例はさらに前記第2電圧調整制御入力端RS2を制御する第2電圧調整制御信号により、前記第2電圧調整モジュール107における前記第2アナログスイッチ1073を0とマークされた端子にスイッチさせる。すなわち、前記第2電圧調整モジュール107が20Vの駆動電圧を、前記PFCロジックバッファ回路104及びPFC駆動回路105の駆動電圧入力端に直接出力し、前記PFC駆動回路105の出力端と接続される前記PFCスイッチトランジスタ(SiC系パワースイッチングデバイス)に20Vの駆動電圧を提供する。
本実施例において、前記動作電圧入力端VDD0の電圧が20Vであり、かつ前記インテリジェントパワーモジュールにおける上アームスイッチトランジスタ、下アームスイッチトランジスタ及びPFCスイッチトランジスタがSi系パワースイッチングデバイスである場合、本実施例は前記第1電圧調整制御入力端RS1を制御する第1電圧調整制御信号により、前記第1電圧調整モジュール106における前記第1アナログスイッチ1063を2とマークされた端子にスイッチさせるとともに、前記第2電圧調整制御入力端RS2の第2電圧調整制御信号を制御することにより、前記第2電圧調整モジュール107における前記第2アナログスイッチ1073を2とマークされた端子にスイッチさせる。すなわち、前記第1電圧調整モジュール106及び前記第2電圧調整モジュール107が前記動作電圧入力端VDD0により入力された20V電圧を降圧処理し、Si系パワースイッチングデバイスを駆動する15Vの駆動電圧を出力する。
本実施例において、前記動作電圧入力端VDD0の電圧が20Vであり、かつ前記インテリジェントパワーモジュールにおける上アームスイッチトランジスタ、下アームスイッチトランジスタ及びPFCスイッチトランジスタがSiC系パワースイッチングデバイスである場合、本実施例は前記第1電圧調整制御入力端RS1を制御する第1電圧調整制御信号により、前記第1電圧調整モジュール106における前記第1アナログスイッチ1063を0とマークされた端子にスイッチさせるとともに、前記第2電圧調整制御入力端RS2を制御する第2電圧調整制御信号により、前記第2電圧調整モジュール107における前記第2アナログスイッチ1073を0とマークされた端子にスイッチさせる。すなわち前記第1電圧調整モジュール106及び前記第2電圧調整モジュール107がSiC系パワースイッチングデバイスを駆動する20Vの駆動電圧を出力する。
前述したように、本実施例によるインテリジェントパワーモジュールの駆動IC回路100に、前記第1電圧調整モジュール106及び前記第2電圧調整モジュール107が設けられ、前記第1電圧調整モジュール106及び前記第2電圧調整モジュール107両方とも昇圧機能、降圧機能も実現することができ、前記第1電圧調整制御入力端RS1及び前記第2電圧調整制御入力端RS2の電圧調整制御信号を調整することにより、異なる駆動電圧間の切り替えを実現し、従来のインテリジェントパワーモジュールの駆動ICがSiC系パワースイッチングデバイスを直接に駆動できないという問題を解決する。すなわち、本実施例によるインテリジェントパワーモジュールの駆動IC回路100は、従来のSi系パワースイッチングデバイス、例えばSi系IGBTデバイスの駆動に適用でき、SiC系パワースイッチングデバイス、例えばSiC系MOSFETワイドバンドギャップパワースイッチングデバイスの駆動にも適用できる。すなわち、本実施例によるインテリジェントパワーモジュールの駆動IC回路100は、柔軟性が高いとともに、電子制御設計の難度を低減させ、従来のSi系パワースイッチングデバイスとSiC系パワースイッチングデバイスとの両方が必要とされる場合に非常に適し、SiC系パワースイッチングデバイスの性能の有効利用及びその使用の普及を促進する。
図4は本出願によるインテリジェントパワーモジュールの駆動IC回路の第2実施例の回路構造概略図であり、図4を参照して、本実施例において、該インテリジェントパワーモジュールの駆動IC回路200は動作電圧入力端VDD0、インバータロジックバッファ回路101、上部ブリッジ駆動回路102、下部ブリッジ駆動回路103、PFCロジックバッファ回路104、PFC駆動回路105、電圧調整制御入力端RS及び電圧調整モジュール108を含む。
本実施例において、前記電圧調整制御入力端RSは電圧調整制御信号を入力する。
前記電圧調整モジュール108は、前記電圧調整制御入力端RSにより入力された電圧調整制御信号に基づいて、前記動作電圧入力端VDD0により入力された電圧を調整処理し、前記インバータロジックバッファ回路101、上部ブリッジ駆動回路102、下部ブリッジ駆動回路103、PFCロジックバッファ回路104及びPFC駆動回路105に駆動入力電圧を提供する。あるいは、前記動作電圧入力端VDD0により入力された電圧を前記インバータロジックバッファ回路101、上部ブリッジ駆動回路102、下部ブリッジ駆動回路103、PFCロジックバッファ回路104及びPFC駆動回路105の駆動電圧入力端に直接出力する。
本実施例において、前記電圧調整モジュールの入力端RSが前記動作電圧入力端VDD0と接続され、前記電圧調整モジュール108の制御端子が前記電圧調整制御入力端RSと接続され、前記電圧調整モジュール108の出力端がそれぞれ前記インバータロジックバッファ回路101、上部ブリッジ駆動回路102、下部ブリッジ駆動回路103、PFCロジックバッファ回路104及びPFC駆動回路105の駆動電圧入力端と接続される。本実施例において、前記インバータロジックバッファ回路101の出力端が、それぞれ前記上部ブリッジ駆動回路102の入力端と前記下部ブリッジ駆動回路103の入力端とに接続され、前記PFCロジックバッファ回路104の出力端がさらに前記PFC駆動回路105の入力端と接続される。図において、IN1、IN2及びIN3は本実施例によるインテリジェントパワーモジュールの駆動IC回路200の上部ブリッジ制御入力端であり、図において、IN4、IN5及びIN6は本実施例によるインテリジェントパワーモジュールの駆動IC回路200の下部ブリッジ制御入力端である。図において、IN7は本実施例によるインテリジェントパワーモジュールの駆動IC回路200のPFC入力端である。IN1、IN2、IN3、IN4、IN5及びIN6は前記インバータロジックバッファ回路101と接続され、IN7が前記PFCロジックバッファ回路と接続される。図において、HO1は前記上部ブリッジ駆動回路102の第1出力端であり、HO2は前記上部ブリッジ駆動回路102の第2出力端であり、HO3は前記上部ブリッジ駆動回路102の第3出力端であり、図において、LO1は前記下部ブリッジ駆動回路103の第1出力端であり、LO2は前記下部ブリッジ駆動回路103の第2出力端であり、LO3は前記下部ブリッジ駆動回路103の第3出力端である。図において、PFCOは前記PFC駆動回路105の出力端である。ここで、前記上部ブリッジ駆動回路102の第1出力端HO1、前記上部ブリッジ駆動回路102の第2出力端HO2及び前記上部ブリッジ駆動回路102の第3出力端HO3は、それぞれ前記インテリジェントパワーモジュール内の対応する上アームスイッチトランジスタ(図示せず)の制御端子と接続され、前記下部ブリッジ駆動回路103の第1出力端LO1、前記下部ブリッジ駆動回路103の第2出力端LO2及び前記下部ブリッジ駆動回路103の第3出力端LO3は、それぞれ前記インテリジェントパワーモジュール内の対応する上アームスイッチトランジスタ(図示せず)の制御端子と接続され、前記PFC駆動回路105の出力端PFCOが前記インテリジェントパワーモジュール内のPFCスイッチトランジスタ(図示せず)の制御端子と接続される。
図5は本出願によるインテリジェントパワーモジュールの駆動IC回路の第2実施例における前記電圧調整モジュールの一実施例の構造概略図であり、図4及び図5を参照して、本実施例において、前記電圧調整モジュール108は降圧モジュール1081及びアナログスイッチ1082を含み、前記降圧モジュール1081の入力端が前記動作電圧入力端VDD0と接続され、前記降圧モジュール1081の出力端が前記アナログスイッチ1082の第1入力端(前記アナログスイッチ1082の1とマークされた端子に対応する)と接続され、前記アナログスイッチ1082の第2入力端(前記アナログスイッチ1082の0とマークされた端子に対応する)が前記動作電圧入力端VDD0と直接接続され、前記アナログスイッチ1082の共通端子がそれぞれ前記インバータロジックバッファ回路101、上部ブリッジ駆動回路102、下部ブリッジ駆動回路103、PFCロジックバッファ回路104及びPFC駆動回路105の駆動電圧入力端と接続され、前記アナログスイッチ1082の共通端子の電圧がVDDであり、前記アナログスイッチ1082の制御端子が前記電圧調整制御入力端RSと接続される。本実施例において、前記動作電圧入力端の電圧は20Vである。
本実施例において、前記動作電圧入力端の電圧が20Vであり、前記インテリジェントパワーモジュールにおける上アームスイッチトランジスタ、下アームスイッチトランジスタ及びPFCスイッチトランジスタがSi系パワースイッチングデバイスである場合、本実施例は前記電圧調整制御入力端RSの電圧調整制御信号を制御することにより、前記電圧調整モジュール108における前記アナログスイッチ1082を1とマークされた端子にスイッチさせ、前記電圧調整モジュール108が前記動作電圧入力端VDD0により入力された20V電圧を降圧処理し、Si系パワースイッチングデバイスの駆動に適する15Vの駆動電圧を出力する。本実施例において、前記インテリジェントパワーモジュールにおける上アームスイッチトランジスタ、下アームスイッチトランジスタ及びPFCスイッチトランジスタがSiC系パワースイッチングデバイスである場合、本実施例は前記電圧調整制御入力端RSの電圧調整制御信号を制御することにより、前記電圧調整モジュール108における前記アナログスイッチ1082を0とマークされた端子にスイッチさせ、前記電圧調整モジュール108がSiC系パワースイッチングデバイスの駆動に適する20Vの駆動電圧を直接出力する。
図6は本出願によるインテリジェントパワーモジュールの駆動IC回路の第2実施例における前記電圧調整モジュールの他の実施例の構造概略図であり、図4及び図6を参照して、本実施例において、前記電圧調整モジュール108は昇圧モジュール1081’及びアナログスイッチ1082’を含み、前記昇圧モジュール1081’の入力端が前記動作電圧入力端VDD0と接続され、前記昇圧モジュール1081’の出力端が前記アナログスイッチ1082’の第1入力端(前記アナログスイッチ1082’の1とマークされた端子に対応する)と接続され、前記アナログスイッチ1082’の第2入力端(前記アナログスイッチ1082’の0とマークされた端子に対応する)が前記動作電圧入力端VDD0と直接接続され、前記アナログスイッチ1082’の共通端子がそれぞれ前記インバータロジックバッファ回路101、上部ブリッジ駆動回路102、下部ブリッジ駆動回路103、PFCロジックバッファ回路104及びPFC駆動回路105の駆動電圧入力端と接続され、前記アナログスイッチ1082’の制御端子が前記電圧調整制御入力端RSと接続される。
本実施例において、前記動作電圧入力端の電圧が15Vであり、かつ前記インテリジェントパワーモジュールにおける上アームスイッチトランジスタ、下アームスイッチトランジスタ及びPFCスイッチトランジスタがSi系パワースイッチングデバイスである場合、本実施例は前記電圧調整制御入力端RSの電圧調整制御信号を制御することにより、前記電圧調整モジュール108における前記アナログスイッチ1082’を0とマークされた端子にスイッチさせて、前記電圧調整モジュール108がSi系パワースイッチングデバイスの駆動に適する15Vの駆動電圧を出力する。本実施例において、前記インテリジェントパワーモジュールにおける上アームスイッチトランジスタ、下アームスイッチトランジスタ及びPFCスイッチトランジスタがSiC系パワースイッチングデバイスである場合、本実施例は前記電圧調整制御入力端RSの電圧調整制御信号を制御することにより、前記電圧調整モジュール108における前記アナログスイッチ1082’を1とマークされた端子にスイッチさせて、前記電圧調整モジュール108が前記動作電圧入力端VDD0により入力された15V電圧を昇圧処理し、SiC系パワースイッチングデバイスの駆動に適する20Vの駆動電圧を出力する。
前述したように、本実施例によるインテリジェントパワーモジュールの駆動IC回路200に、前記電圧調整モジュール108を設け、本実施例における前記電圧調整モジュール108が降圧機能(図5に対応する)又は昇圧機能(図6に対応する)を実現可能であるため、前記インテリジェントパワーモジュール内の上アームスイッチトランジスタ、下アームスイッチトランジスタ及びPFCスイッチトランジスタがいずれもSi系パワースイッチングデバイスである場合、又は前記インテリジェントパワーモジュール内の上アームスイッチトランジスタ、下アームスイッチトランジスタ及びPFCスイッチトランジスタがいずれもSiC系パワースイッチングデバイスである場合、本実施例は前記電圧調整制御入力端RSの電圧調整制御信号を調整することにより、異なる駆動電圧間の切り替えを実現し、従来のインテリジェントパワーモジュールの駆動ICがSiC系パワースイッチングデバイスを直接に駆動できないという問題を解決できる。すなわち本実施例によるインテリジェントパワーモジュールの駆動IC回路200は、従来のSi系パワースイッチングデバイス、例えばSi系IGBTデバイスの駆動に適用でき、SiC系パワースイッチングデバイス、例えばSiC系MOSFETワイドバンドギャップパワースイッチングデバイスの駆動にも適用できる。すなわち、本実施例によるインテリジェントパワーモジュールの駆動IC回路200は、柔軟性が高いとともに、電子制御設計の難度を低減させ、本実施例によるインテリジェントパワーモジュールの駆動IC回路200は従来のSi系パワースイッチングデバイスとSiC系パワースイッチングデバイスの両方が必要とされる場合に非常に適し、SiC系パワースイッチングデバイスの性能の有効利用及びその使用の普及を促進する。
本出願はさらにインテリジェントパワーモジュールを提供する。図7が本出願によるインテリジェントパワーモジュールの第1実施例の構造概略図である。図7を参照して、該インテリジェントパワーモジュール300は低圧領域給電電源入力端VCC、第1電圧調整端CTR1、第2電圧調整端CTR2、第1上アーム制御入力端HIN1、第2上アーム制御入力端HIN2、第3上アーム制御入力端HIN3、第1下アーム制御入力端LIN1、第2下アーム制御入力端LIN2、第3下アーム制御入力端LIN3、PFC制御入力端PFCIN、複数の抵抗(例えば図における抵抗R11、抵抗R21、抵抗R31、抵抗R41及び抵抗R42)、第1上アームスイッチトランジスタPD11、第2上アームスイッチ(図示せず)、第3上アームスイッチトランジスタ(図示せず)、第1下アームスイッチトランジスタPD21、第2下アームスイッチトランジスタ(図示せず)、第3下アームスイッチトランジスタ(図示せず)、PFCスイッチトランジスタPD31及びインテリジェントパワーモジュールの駆動IC回路を含み、本実施例における前記インテリジェントパワーモジュールの駆動IC回路は前記インテリジェントパワーモジュールの駆動IC回路100(すなわち図1に示すインテリジェントパワーモジュールの駆動IC回路100に対応する)である。
図7及び図1を参照して、本実施例において、前記低電圧領域給電電源入力端VCCが前記インテリジェントパワーモジュールの駆動IC回路100の動作電圧入力端VDD0と接続され、前記第1電圧調整端CTR1が前記インテリジェントパワーモジュールの駆動IC回路100の第1電圧調整制御入力端RS1と接続され、前記第2電圧調整端CTR2が前記インテリジェントパワーモジュールの駆動IC回路100の第2電圧調整制御入力端RS2と接続され、前記第1上アーム制御入力端HIN1が前記インテリジェントパワーモジュールの駆動IC回路100のIN1端と接続され、第2上アーム制御入力端HIN2が前記インテリジェントパワーモジュールの駆動IC回路100のIN2端と接続され、前記第3上アーム制御入力端HIN3が前記インテリジェントパワーモジュールの駆動IC回路100のIN3端と接続され、前記第1下アーム制御入力端LIN1が前記インテリジェントパワーモジュールの駆動IC回路100のIN4端と接続され、前記第2下アーム制御入力端LIN2が前記インテリジェントパワーモジュールの駆動IC回路100のIN5端と接続され、前記第3下アーム制御入力端LIN3が前記インテリジェントパワーモジュールの駆動IC回路100のIN6端と接続され、前記PFC制御入力端PFCINが前記インテリジェントパワーモジュールの駆動IC回路100のIN7端と接続され、前記インテリジェントパワーモジュールの駆動IC回路100における上部ブリッジ駆動回路102の第1出力端HO1が抵抗R11を介して前記第1上アームスイッチトランジスタPD11の制御端子と接続される。本実施例において、前記上部ブリッジ駆動回路102の第2出力端HO2が抵抗(図示せず)を介して前記第2上アームスイッチトランジスタ(図示せず)の制御端子と接続され(図7には前記第2上アームスイッチトランジスタの接続構造が示されず、その接続構造が前記第1上アームスイッチトランジスタPD11の接続構造と同じである)、前記上部ブリッジ駆動回路102の第3出力端HO3が抵抗(図示せず)を介して前記第3上アームスイッチトランジスタ(図示せず)の制御端子と接続される(図7には前記第3上アームスイッチトランジスタの接続構造が示されず、その接続構造は前記第1上アームスイッチトランジスタPD11の接続構造と同じである)。前記インテリジェントパワーモジュールの駆動IC回路100における下部ブリッジ駆動回路103の第1出力端LO1は、抵抗R21を介して前記第1下アームスイッチトランジスタPD21の制御端子と接続され、前記下部ブリッジ駆動回路103の第2出力端LO2は抵抗(図示せず)を介して、前記第2下アームスイッチトランジスタ(図示せず)の制御端子と接続され(図7には前記第2下アームスイッチトランジスタの接続構造が示されず、その接続構造が前記第1下アームスイッチトランジスタPD21の接続構造と同じである)、前記下部ブリッジ駆動回路103の第3出力端L03は抵抗(図示せず)を介して、前記第3下アームスイッチトランジスタ(図示せず)の制御端子と接続される(図7には前記第3下アームスイッチトランジスタの接続構造が示されず、その接続構造が前記第1下アームスイッチトランジスタPD21の接続構造と同じである)。前記PFC駆動回路105の出力端PFCOが抵抗R31を介して前記PFCスイッチトランジスタPD31の制御端子と接続される。本実施例において、前記第1上アームスイッチトランジスタPD11、第2上アームスイッチトランジスタ(図示せず)、第3上アームスイッチトランジスタ(図示せず)、第1下アームスイッチトランジスタPD21、第2下アームスイッチトランジスタ(図示せず)、第3下アームスイッチトランジスタ(図示せず)及び前記PFCスイッチトランジスタPD31は、Si系IGBT又はSiC系MOSFETである。好ましくは、本実施例において、前記第1上アームスイッチトランジスタPD11、第2上アームスイッチトランジスタ(図示せず)、第3上アームスイッチトランジスタ(図示せず)、第1下アームスイッチトランジスタPD21、第2下アームスイッチトランジスタ(図示せず)、第3下アームスイッチトランジスタ(図示せず)は、Si系IGBTであり、前記PFCスイッチトランジスタPD31はSiC系MOSFETである。本実施例において、前記低電圧領域給電電源入力端VCCの電圧は15V又は20Vである。
本実施例において、前記インテリジェントパワーモジュール300はさらに第1高電圧領域給電電源入力端P1、第2高電圧領域給電電源入力端P2、複数のフリーホイールダイオード(例えば図におけるD11及びD21)を含む。本実施例は、前記第1上アームスイッチトランジスタPD11、第2上アームスイッチトランジスタ(図示せず)、第3上アームスイッチトランジスタ(図示せず)、第1下アームスイッチトランジスタPD21、第2下アームスイッチトランジスタ(図示せず)、第3下アームスイッチトランジスタ(図示せず)がSi系IGBTであり、前記PFCスイッチトランジスタPD31がSiC系MOSFETである場合、前記第1上アームスイッチトランジスタPD11のコレクター、第2上アームスイッチトランジスタ(図示せず)のコレクター及び前記第3上アームスイッチトランジスタ(図示せず)のコレクターが前記第1高電圧領域給電電源入力端P1と接続され、前記第1上アームスイッチトランジスタPD11のエミッタが前記第1下アームスイッチトランジスタPD21のコレクターと接続され、前記第2上アームスイッチトランジスタ(図示せず)のエミッタが前記第2下アームスイッチトランジスタ(図示せず)のコレクターと接続され、前記第3上アームスイッチトランジスタ(図示せず)のエミッタが前記第3下アームスイッチトランジスタ(図示せず)のコレクターと接続され、前記第1下アームスイッチトランジスタPD21のエミッタ、前記第2下アームスイッチトランジスタ(図示せず)のエミッタ及び前記第3下アームスイッチトランジスタ(図示せず)のエミッタがいずれも抵抗R42を介して接地する。本実施例において、前記PFCスイッチトランジスタPD31がSiC系NMOSである場合、前記PFCスイッチトランジスタPD31のドレインが前記第2高電圧領域給電電源入力端P2と接続され、前記PFCスイッチトランジスタPD31のソースが抵抗R41を介して接地し、フリーホイールダイオードD11の陰極が前記第1上アームスイッチトランジスタPD11のコレクターと接続され、フリーホイールダイオードD11の陽極が前記第1上アームスイッチトランジスタPD11のエミッタと接続され、フリーホイールダイオードD21の陰極が前記第1下アームスイッチトランジスタPD21のコレクターと接続され、フリーホイールダイオードD21の陽極が前記第1下アームスイッチトランジスタPD21のエミッタと接続される。同様に、前記第2上アームスイッチトランジスタ、前記第3上アームスイッチトランジスタ、前記第2下アームスイッチトランジスタ及び前記第3下アームスイッチトランジスタのコレクターとエミッタとの間にも、フリーホイールダイオード(図示せず)が接続される。本実施例において、前記第1上アームスイッチトランジスタPD11と前記第1下アームスイッチトランジスタPD21との接続ノード、前記第2上アームスイッチトランジスタと前記第2下アームスイッチトランジスタとの接続ノード、及び前記第3上アームスイッチトランジスタと前記第3下アームスイッチトランジスタとの接続ノードがモータMと接続される。
本実施例によるインテリジェントパワーモジュール300において、インテリジェントパワーモジュールの駆動IC回路100内に前記第1電圧調整モジュール106及び前記第2電圧調整モジュール107が設けられており、かつ前記第1電圧調整モジュール106及び前記第2電圧調整モジュール107両方とも昇圧機能も、降圧機能も実現可能で、前記第1電圧調整制御入力端RS1及び前記第2電圧調整制御入力端RS2の電圧調整制御信号を調整することにより異なる駆動電圧間の切り替えを実現することができるため、従来のインテリジェントパワーモジュールにおける駆動ICがSiC系パワースイッチングデバイスを直接に駆動できないという問題を解決できる。すなわち、本実施例によるインテリジェントパワーモジュールの駆動IC回路100は、従来のSi系パワースイッチングデバイス、例えばSi系IGBTデバイスの駆動に適用でき、SiC系パワースイッチングデバイス、例えばSiC系MOSFETワイドバンドギャップパワースイッチングデバイスの駆動にも適用でき、すなわち、本実施例によるインテリジェントパワーモジュール300は、柔軟性が高いとともに、電子制御設計の難度を低減させ、従来のSi系パワースイッチングデバイスとSiC系パワースイッチングデバイスの両方が必要とされる場合に非常に適し、SiC系パワースイッチングデバイスの性能の有効利用及びその使用の普及を促進する。
図8は本出願によるインテリジェントパワーモジュールの第2実施例の構造概略図である。図8を参照し、該インテリジェントパワーモジュール400は、低電圧領域給電電源入力端VCC、電圧調整端CTR、第1上アーム制御入力端HIN1、第2上アーム制御入力端HIN2、第3上アーム制御入力端HIN3、第1下アーム制御入力端LIN1、第2下アーム制御入力端LIN2、第3下アーム制御入力端LIN3、PFC制御入力端PFCIN、複数の抵抗(例えば図における抵抗R11、抵抗R21、抵抗R31、抵抗R41及び抵抗R42)、第1上アームスイッチトランジスタPD11、第2上アームスイッチトランジスタ(図示せず)、第3上アームスイッチトランジスタ(図示せず)、第1下アームスイッチトランジスタPD21、第2下アームスイッチトランジスタ(図示せず)、第3下アームスイッチトランジスタ(図示せず)、PFCスイッチトランジスタPD31及びインテリジェントパワーモジュールの駆動IC回路を含み、本実施例における前記インテリジェントパワーモジュールの駆動IC回路は、例えば前記インテリジェントパワーモジュールの駆動IC回路200(すなわち図4に示すインテリジェントパワーモジュールの駆動IC回路200に対応する)である。
図8及び図4を参照して、本実施例において、前記低電圧領域給電電源入力端VCCは前記インテリジェントパワーモジュールの駆動IC回路200の動作電圧入力端VDD0と接続され、前記電圧調整端CTRが前記インテリジェントパワーモジュールの駆動IC回路200の電圧調整制御入力端RSと接続される。この実施例における他の構成要素の接続関係は、上記インテリジェントパワーモジュール300と同じであり、その詳細をここでは説明しない。
なお、本実施例において、前記第1上アームスイッチトランジスタPD11、第2上アームスイッチトランジスタ(図示せず)、第3上アームスイッチトランジスタ(図示せず)、第1下アームスイッチトランジスタPD21、第2下アームスイッチトランジスタ(図示せず)、第3下アームスイッチトランジスタ(図示せず)及び前記PFCスイッチトランジスタPD31はSi系IGBTである。あるいは、前記第1上アームスイッチトランジスタPD11、第2上アームスイッチトランジスタ(図示せず)、第3上アームスイッチトランジスタ(図示せず)、第1下アームスイッチトランジスタPD21、第2下アームスイッチトランジスタ(図示せず)、第3下アームスイッチトランジスタ(図示せず)及び前記PFCスイッチトランジスタPD31はSi系IGBT又はSiC系MOSFETである。
本実施例において、前記低電圧領域給電電源入力端VCCの電圧が15Vである場合、前記インテリジェントパワーモジュールの駆動IC回路200は図6に示す前記電圧調整モジュール108を用いる。具体的に、前記第1上アームスイッチトランジスタPD11、第2上アームスイッチトランジスタ(図示せず)、第3上アームスイッチトランジスタ(図示せず)、第1下アームスイッチトランジスタPD21、第2下アームスイッチトランジスタ(図示せず)、第3下アームスイッチトランジスタ(図示せず)及び前記PFCスイッチトランジスタPD31がSi系IGBTである場合、本実施例では、前記電圧調整制御入力端RSの電圧調整制御信号を制御することにより、前記電圧調整モジュール108における前記アナログスイッチ1082’を0とマークされた端子にスイッチさせ、前記電圧調整モジュール108がSi系パワースイッチングデバイスの駆動に適する15Vの駆動電圧を直接出力する。本実施例において、前記第1上アームスイッチトランジスタPD11、第2上アームスイッチトランジスタ(図示せず)、第3上アームスイッチトランジスタ(図示せず)、第1下アームスイッチトランジスタPD21、第2下アームスイッチトランジスタ(図示せず)、第3下アームスイッチトランジスタ(図示せず)及び前記PFCスイッチトランジスタPD31がSiC系パワースイッチングデバイスである場合、本実施例では、前記電圧調整制御入力端RSの電圧調整制御信号を制御することにより、前記電圧調整モジュール108における前記アナログスイッチ1082’を1とマークされた端子にスイッチさせ、前記電圧調整モジュール108が前記動作電圧入力端VDD0により入力された15V電圧を昇圧処理して、SiC系パワースイッチングデバイスの駆動に適する20Vの駆動電圧を出力する。
本実施例において、前記低電圧領域給電電源入力端VCCの電圧が20Vである場合、前記インテリジェントパワーモジュールの駆動IC回路200は図5に示す前記電圧調整モジュール108を用いる。具体的に、前記第1上アームスイッチトランジスタPD11、第2上アームスイッチトランジスタ(図示せず)、第3上アームスイッチトランジスタ(図示せず)、第1下アームスイッチトランジスタPD21、第2下アームスイッチトランジスタ(図示せず)、第3下アームスイッチトランジスタ(図示せず)及び前記PFCスイッチトランジスタPD31がSi系パワースイッチングデバイスである場合、本実施例では、前記電圧調整制御入力端RSの電圧調整制御信号を制御することにより、前記電圧調整モジュール108における前記アナログスイッチ1082をを1とマークされた端子にスイッチさせ、前記電圧調整モジュール108が前記動作電圧入力端VDD0により入力された20V電圧を降圧処理し、Si系パワースイッチングデバイスの駆動に適する15Vの駆動電圧を出力する。本実施例において、前記第1上アームスイッチトランジスタPD11、第2上アームスイッチトランジスタ(図示せず)、第3上アームスイッチトランジスタ(図示せず)、第1下アームスイッチトランジスタPD21、第2下アームスイッチトランジスタ(図示せず)、第3下アームスイッチトランジスタ(図示せず)及び前記PFCスイッチトランジスタPD31がSiC系パワースイッチングデバイスである場合、本実施例では、前記電圧調整制御入力端RSの電圧調整制御信号を制御することにより、前記電圧調整モジュール108における前記アナログスイッチ1082を0とマークされた端子にスイッチさせ、前記電圧調整モジュール108がSiC系パワースイッチングデバイスの駆動に適する20Vの駆動電圧を直接出力する。
前述したように、本実施例によるインテリジェントパワーモジュール400において、前記インテリジェントパワーモジュールの駆動IC回路200内に前記電圧調整モジュール108が設けられ、本実施例における前記電圧調整モジュール108が降圧機能(図5に対応する)又は昇圧機能(図6に対応する)を実現することができるため、本実施例によるインテリジェントパワーモジュール400内の前記第1上アームスイッチトランジスタPD11、第2上アームスイッチトランジスタ(図示せず)、第3上アームスイッチトランジスタ(図示せず)、第1下アームスイッチトランジスタPD21、第2下アームスイッチトランジスタ(図示せず)、第3下アームスイッチトランジスタ(図示せず)及び前記PFCスイッチトランジスタPD31がいずれもSi系パワースイッチングデバイスであるか、又は前記第1上アームスイッチトランジスタPD11、第2上アームスイッチトランジスタ(図示せず)、第3上アームスイッチトランジスタ(図示せず)、第1下アームスイッチトランジスタPD21、第2下アームスイッチトランジスタ(図示せず)、第3下アームスイッチトランジスタ(図示せず)及び前記PFCスイッチトランジスタPD31がいずれもSiC系パワースイッチングデバイスである場合、本実施例では、前記電圧調整制御入力端RSの電圧調整制御信号を調整することにより、異なる駆動電圧間の切り替えを実現することができ、従来のインテリジェントパワーモジュールの駆動ICがSiC系パワースイッチングデバイスを直接に駆動できないという問題を解決できる。すなわち本実施例によるインテリジェントパワーモジュールの駆動IC回路200は従来のSi系パワースイッチングデバイス、例えばSi系IGBTデバイスの駆動に適用でき、SiC系パワースイッチングデバイス、例えばSiC系MOSFETワイドバンドギャップパワースイッチングデバイスの駆動にも適用できる。すなわち、本実施例によるインテリジェントパワーモジュール400は、柔軟性が高いとともに、電子制御設計の難度を低減させ、本実施例によるインテリジェントパワーモジュール400はスイッチトランジスタが全部従来のSi系パワースイッチングデバイスを用いる場合、又はスイッチトランジスタが全部SiC系パワースイッチングデバイスを用いる場合に非常に適し、SiC系パワースイッチングデバイスの性能の有効利用及びその使用の普及を促進する。
本出願はインテリジェントパワーモジュールの駆動IC回路500を提供し、インテリジェントパワーモジュールの集積度をさらに改善し、インテリジェントパワーモジュールのコストを削減し、インテリジェントパワーモジュールの信頼性を向上させる。
図9は本出願によるインテリジェントパワーモジュールの駆動IC回路の一実施例の構造概略図であり、図9を参照して、本実施例において、該インテリジェントパワーモジュールの駆動IC回路500は第1上部ブリッジ制御信号入力端HIN1、第2上部ブリッジ制御信号入力端HIN2、第3上部ブリッジ制御信号入力端HIN3、第4上部ブリッジ制御信号入力端HIN4、第5上部ブリッジ制御信号入力端HIN5、第6上部ブリッジ制御信号入力端HIN6、第1下部ブリッジ制御信号入力端LIN1、第2下部ブリッジ制御信号入力端LIN2、第3下部ブリッジ制御信号入力端LIN3、第4下部ブリッジ制御信号入力端LIN4、第5下部ブリッジ制御信号入力端LIN5、第6下部ブリッジ制御信号入力端LIN6、PFC制御信号入力端PFCIN、ロジック入力バッファ回路501、第1上部ブリッジ駆動回路502、第1下部ブリッジ駆動回路503、第2上部ブリッジ駆動回路504、第2下部ブリッジ駆動回路505及びPFC駆動回路506を含む。
前記ロジック入力バッファ回路501は、前記第1上部ブリッジ制御信号入力端HIN1、第2上部ブリッジ制御信号入力端HIN2及び前記第3上部ブリッジ制御信号入力端HIN3により入力された制御信号を全波フィルタリング処理し、全波フィルタリング処理した後の制御信号を前記第1上部ブリッジ駆動回路502に出力する。前記ロジック入力バッファ回路501は、前記第1下部ブリッジ制御信号入力端LIN1、第2下部ブリッジ制御信号入力端LIN2及び前記第3下部ブリッジ制御信号入力端LIN3により入力された制御信号を全波フィルタリング処理し、全波フィルタリング処理した後の制御信号を前記第1下部ブリッジ駆動回路503に出力する。前記ロジック入力バッファ回路501は前記第4上部ブリッジ制御信号入力端HIN4、第5上部ブリッジ制御信号入力端HIN5及び前記第6上部ブリッジ制御信号入力端HIN6により入力された制御信号を全波フィルタリング処理し、全波フィルタリング処理した後の制御信号を前記第2上部ブリッジ駆動回路504に出力する。前記ロジック入力バッファ回路501は前記第4下部ブリッジ制御信号入力端LIN4、第5下部ブリッジ制御信号入力端LIN5及び前記第6下部ブリッジ制御信号入力端LIN6により入力された制御信号を全波フィルタリング処理し、全波フィルタリング処理した後の制御信号を前記第2下部ブリッジ駆動回路505に出力する。前記ロジック入力バッファ回路501は前記PFC制御信号入力端PFCINにより入力された制御信号を全波フィルタリング処理し、全波フィルタリング処理した後の制御信号を前記PFC駆動回路506に出力する。
前記第1上部ブリッジ駆動回路502は、前記ロジック入力バッファ回路501により出力された制御信号に基づいて、外部第1モータ(図示せず)に対応する上アームスイッチトランジスタ(図示せず)の動作を駆動する。なお、外部第1モータに対応する上アームスイッチトランジスタは3つのスイッチトランジスタを含み、したがって、前記第1上部ブリッジ駆動回路502の出力端が第1出力端HO1、第2出力端HO2及び第3出力端HO3を含む。
前記第1下部ブリッジ駆動回路503は、前記ロジック入力バッファ回路501により出力された制御信号に基づいて、外部第1モータに対応する下アームスイッチトランジスタ(図示せず)の動作を駆動する。なお、外部第1モータに対応する下アームスイッチトランジスタも3つのスイッチトランジスタを含み、したがって、前記第1下部ブリッジ駆動回路503の出力端が第1出力端LO1、第2出力端LO2及び第3出力端LO3を含む。
前記第2上部ブリッジ駆動回路504は、前記ロジック入力バッファ回路501により出力された制御信号に基づいて、外部第2モータ(図示せず)に対応する上アームスイッチトランジスタ(図示せず)の動作を駆動する。なお、外部第2モータに対応する上アームスイッチトランジスタは3つのスイッチトランジスタを含み、したがって、前記第2上部ブリッジ駆動回路504の出力端が第1出力端HO4、第2出力端HO5及び第3出力端HO6を含む。
前記第2下部ブリッジ駆動回路505は、前記ロジック入力バッファ回路501により出力された制御信号に基づいて、外部第2モータに対応する下アームスイッチトランジスタ(図示せず)の動作を駆動する。なお、外部第2モータに対応する下アームスイッチトランジスタも3つのスイッチトランジスタを含み、したがって、前記第2下部ブリッジ駆動回路505の出力端が第1出力端LO4、第2出力端LO5及び第3出力端LO6を含む。
前記PFC駆動回路506は、前記ロジック入力バッファ回路501により出力された制御信号に基づいて、外部PFCスイッチトランジスタ(図示せず)の動作を駆動し、前記PFC駆動回路506の出力端がPFCOである。
さらに、本実施例によるインテリジェントパワーモジュールの駆動IC回路500はさらにイネーブル端EN、エラー信号出力端FAULT、リセット端RS、保護回路507、エラー判定ロジック回路508及び駆動ロジック回路509を含む。前記駆動IC回路500はリセット端RSがリセット信号を入力するときにリセットする。
具体的に、前記保護回路507は、本実施例によるインテリジェントパワーモジュールの駆動IC回路500の低圧側給電電源入力端VDD(すなわち駆動電圧入力ポート)が電圧不足のとき、第1電圧不足保護信号を前記エラー判定ロジック回路508に出力し、上記各前記スイッチトランジスタの任意の1つのスイッチトランジスタに過電流が発生した場合、過電流保護信号を前記エラー判定ロジック回路508に出力し、及び前記インテリジェントパワーモジュールが過熱した場合、過熱保護信号を前記エラー判定ロジック回路508に出力する。
前記エラー判定ロジック回路508は、前記第1電圧不足保護信号、前記過電流保護信号又は/及び前記過熱保護信号を受信した場合、エラー信号を前記エラー信号出力端FUALTに出力する。
前記駆動ロジック回路509は、前記エラー判定ロジック回路508が前記エラー信号を出力せず、かつ前記イネーブル端ENがイネーブル信号を入力した場合、起動信号を前記ロジック入力バッファ回路501に出力し、前記第1上部ブリッジ駆動回路502、前記第1下部ブリッジ駆動回路503、前記第2上部ブリッジ駆動回路504、前記第2下部ブリッジ駆動回路505及び前記PFC駆動回路506を制御して動作を開始させる。
さらに、本実施例において、前記保護回路507は低圧側電圧不足保護回路5071、過電流保護回路5072及び過熱保護回路5073を含む。
前記低圧側電圧不足保護回路5071は、本実施例によるインテリジェントパワーモジュールの駆動IC回路500の低圧側給電電源入力端VDDが電圧不足のとき、第1電圧不足保護信号を前記エラー判定ロジック回路508に出力する。
前記過電流保護回路5072は、上記各前記スイッチトランジスタの任意の1つのスイッチトランジスタに過電流が発生した場合、過電流保護信号を前記エラー判定ロジック回路508に出力する。
前記過熱保護回路5073は、前記インテリジェントパワーモジュールが過熱した場合、過熱保護信号を前記エラー判定ロジック回路508に出力する。
さらに、本実施例によるインテリジェントパワーモジュールの駆動IC回路500はさらに高圧側電圧不足保護回路510を含み、前記高圧側電圧不足保護回路510は、本実施例によるインテリジェントパワーモジュールの駆動IC回路500の高圧側給電電源入力端(図示せず)が電圧不足のとき、第2電圧不足保護信号を前記ロジック入力バッファ回路501に出力し、前記第1上部ブリッジ駆動回路502、第1下部ブリッジ駆動回路503、第2上部ブリッジ駆動回路504、第2下部ブリッジ駆動回路505及びPFC駆動回路506を制御して動作を停止させる。
本実施例によるインテリジェントパワーモジュールの駆動IC回路500は、外部第1モータに対応する上アームスイッチトランジスタの動作を駆動するための前記第1上部ブリッジ駆動回路502、外部第1モータに対応する下アームスイッチトランジスタの動作を駆動するための前記第1下部ブリッジ駆動回路503、外部第2モータに対応する上アームスイッチトランジスタの動作を駆動するための前記第2上部ブリッジ駆動回路504、外部第2モータに対応する下アームスイッチトランジスタの動作を駆動するための前記第2下部ブリッジ駆動回路505、及び前記PFC駆動回路506を同じICチップに統合することにより、本実施例のインテリジェントパワーモジュールの駆動IC回路500が従来の技術におけるインテリジェントパワーモジュールの駆動IC回路に対し、インテリジェントパワーモジュールの集積度をさらに向上させ、インテリジェントパワーモジュールのコストを削減するとともに、インテリジェントパワーモジュールの信頼性を向上させた。
本出願はさらにインテリジェントパワーモジュールを提供し、図10が本出願によるインテリジェントパワーモジュールの一実施例の構造概略図である。図9及び図10を参照し、該インテリジェントパワーモジュール600はPFCスイッチトランジスタQ5と、複数の抵抗(例えば抵抗R1、抵抗R2、抵抗R3、抵抗R4、抵抗R5)と、外部第1モータM1に対応する第1上アームスイッチトランジスタQ1、第2上アームスイッチトランジスタ(図示せず)、第3上アームスイッチトランジスタ(図示せず)、第1下アームスイッチトランジスタQ2、第2下アームスイッチトランジスタ(図示せず)及び第3下アームスイッチトランジスタ(図示せず)と、外部第2モータに対応する第4上アームスイッチトランジスタQ3、第5上アームスイッチトランジスタ(図示せず)、第6上アームスイッチトランジスタ(図示せず)、第4下アームスイッチトランジスタQ4、第5下アームスイッチトランジスタ(図示せず)及び第6下アームスイッチトランジスタ(図示せず)と、例えば前記インテリジェントパワーモジュールの駆動IC回路500(すなわち図9に示すインテリジェントパワーモジュールの駆動IC回路500)とを含む。
具体的に、本実施例において、前記駆動IC回路500における第1上部ブリッジ駆動回路502の第1出力端HO1は前記抵抗R1を介して前記第1上アームスイッチトランジスタQ1の制御端子と接続され、前記第1上部ブリッジ駆動回路502の第2出力端HO2が抵抗(図示せず)を介して前記第2上アームスイッチトランジスタ(図示せず)の制御端子と接続され(すなわち図10には前記第2上アームスイッチトランジスタの接続構造が示されず、その接続構造が前記第1上アームスイッチトランジスタQ1の接続構造と同じである)、前記第1上部ブリッジ駆動回路502の第3出力端HO3が抵抗(図示せず)を介して、前記第3上アームスイッチトランジスタ(図示せず)の制御端子と接続され(すなわち、図10には前記第3上アームスイッチトランジスタの接続構造が示されず、その接続構造が前記第1上アームスイッチトランジスタQ1の接続構造と同じである)、前記駆動IC回路500における第1下部ブリッジ駆動回路503の第1出力端LO1が抵抗R2を介して前記第1下アームスイッチトランジスタQ2の制御端子と接続され、前記第1下部ブリッジ駆動回路503の第2出力端LO2が抵抗(図示せず)を介して、前記第2下アームスイッチトランジスタ(図示せず)の制御端子と接続され(すなわち図10には前記第2下アームスイッチトランジスタの接続構造が示されず、その接続構造が前記第1下アームスイッチトランジスタQ2の接続構造と同じである)、前記第1下部ブリッジ駆動回路503の第3出力端LO3が抵抗(図示せず)を介して、前記第3下アームスイッチトランジスタ(図示せず)の制御端子と接続される(すなわち図10には前記第3下アームスイッチトランジスタの接続構造が示されず、その接続構造が前記第1下アームスイッチトランジスタQ2の接続構造と同じである)。
前記駆動IC回路500における第2上部ブリッジ駆動回路504の第1出力端HO4が抵抗R3を介して前記第4上アームスイッチトランジスタQ3の制御端子と接続され、前記第2上部ブリッジ駆動回路504の第2出力端HO5が抵抗(図示せず)を介して前記第5上アームスイッチトランジスタ(図示せず)の制御端子と接続され(すなわち図10には前記第5上アームスイッチトランジスタの接続構造が示されず、その接続構造が前記第4上アームスイッチトランジスタQ3の接続構造と同じである)、前記第2上部ブリッジ駆動回路504の第3出力端HO6が抵抗(図示せず)を介して、前記第6上アームスイッチトランジスタ(図示せず)の制御端子と接続され(すなわち、図10には前記第6上アームスイッチトランジスタの接続構造が示されず、その接続構造が前記第4上アームスイッチトランジスタQ3の接続構造と同じである)、前記駆動IC回路500における第2下部ブリッジ駆動回路505の第1出力端LO4が抵抗R4を介して前記第4下アームスイッチトランジスタQ4の制御端子と接続され、前記第2下部ブリッジ駆動回路505の第2出力端LO5が抵抗(図示せず)を介して、前記第5下アームスイッチトランジスタ(図示せず)の制御端子と接続され(すなわち、図10には前記第5下アームスイッチトランジスタの接続構造が示されず、その接続構造が前記第4下アームスイッチトランジスタQ4の接続構造と同じである)、前記第2下部ブリッジ駆動回路505の第3出力端LO6が抵抗(図示せず)を介して前記第6下アームスイッチトランジスタ(図示せず)の制御端子と接続される(すなわち、図10には前記第6下アームスイッチトランジスタの接続構造が示されず、その接続構造が前記第4下アームスイッチトランジスタQ4の接続構造と同じである)。本実施例において、前記駆動IC回路500におけるPFC駆動回路506の出力端PFCOが抵抗R5を介して前記PFCスイッチトランジスタQ5の制御端子と接続される。本実施例において、前記駆動IC回路500の低圧側給電電源入力端VDDが外部第1モータM1、外部第2モータM2及び前記PFC駆動回路506に駆動電圧を提供する。
本実施例によるインテリジェントパワーモジュール600はさらに第1電流サンプリング抵抗R6、第2電流サンプリング抵抗R7及び第3電流サンプリング抵抗R8を含む。前記第1電流サンプリング抵抗R6の第1端は前記PFCスイッチトランジスタQ5の電流出力端と接続され、前記第1電流サンプリング抵抗R6の第2端が接地する。前記第2電流サンプリング抵抗R7の第1端がそれぞれ前記第1下アームスイッチトランジスタQ2、前記第2下アームスイッチトランジスタ(図示せず)及び前記第3下アームスイッチトランジスタ(図示せず)の電流出力端と接続され、前記第2電流サンプリング抵抗R7の第2端が接地する。前記第3電流サンプリング抵抗R8の第1端がそれぞれ前記第4下アームスイッチトランジスタQ4、前記第5下アームスイッチトランジスタ(図示せず)及び前記第6下アームスイッチトランジスタ(図示せず)の電流出力端と接続され、前記第3電流サンプリング抵抗R8の第2端が接地する。本実施例において、前記第1電流サンプリング抵抗R6の第1端はさらに前記駆動IC回路500における前記過電流保護回路5072の第1入力端と接続され、前記第2電流サンプリング抵抗R7の第1端がさらに前記駆動IC回路500における前記過電流保護回路5072の第2入力端と接続され、前記第3電流サンプリング抵抗R8の第1端がさらに前記駆動IC回路500における前記過電流保護回路5072の第3入力端と接続される。
本実施例によるインテリジェントパワーモジュール600は、本実施例によるインテリジェントパワーモジュール600の温度を検出する温度検出回路601をさらに含み、前記温度検出回路601が前記駆動IC回路500における前記過熱保護回路5073の入力端と接続される。
本実施例において、前記PFCスイッチトランジスタQ5、第1上アームスイッチトランジスタQ1、第2上アームスイッチトランジスタ(図示せず)、第3上アームスイッチトランジスタ(図示せず)、第1下アームスイッチトランジスタQ2、第2下アームスイッチトランジスタ(図示せず)、第3下アームスイッチトランジスタ(図示せず)、第4上アームスイッチトランジスタQ3、第5上アームスイッチトランジスタ(図示せず)、第6上アームスイッチトランジスタ(図示せず)、第4下アームスイッチトランジスタQ4、第5下アームスイッチトランジスタ(図示せず)及び前記第6下アームスイッチトランジスタ(図示せず)は、IGBTである。
本実施例によるインテリジェントパワーモジュール600はさらに第1高電圧領域給電電源入力端P1、第2高電圧領域給電電源入力端P2、複数のフリーホイールダイオード(例えばフリーホイールダイオードFRD1、フリーホイールダイオードFRD2、フリーホイールダイオードFRD3、フリーホイールダイオードFRD4及びフリーホイールダイオードFRD5)、PFC信号出力端PFCOUT及び第1ダイオードD1を含む。具体的には、本実施例において、前記第1上アームスイッチトランジスタQ1のコレクター、第2上アームスイッチトランジスタ(図示せず)のコレクター、前記第3上アームスイッチトランジスタ(図示せず)のコレクター、第4上アームスイッチトランジスタQ3のコレクター、第5上アームスイッチトランジスタ(図示せず)のコレクター、前記第6上アームスイッチトランジスタ(図示せず)のコレクターが前記第1高電圧領域給電電源入力端P1と接続され、前記第1上アームスイッチトランジスタQ1のエミッタが前記第1下アームスイッチトランジスタQ2のコレクターと接続され、前記第2上アームスイッチトランジスタ(図示せず)のエミッタが前記第2下アームスイッチトランジスタ(図示せず)のコレクターと接続され、前記第3上アームスイッチトランジスタ(図示せず)のエミッタが前記第3下アームスイッチトランジスタ(図示せず)のコレクターと接続され、前記第4上アームスイッチトランジスタQ3のエミッタが前記第4下アームスイッチトランジスタQ4のコレクターと接続され、前記第5上アームスイッチトランジスタ(図示せず)のエミッタが前記第5下アームスイッチトランジスタ(図示せず)のコレクターと接続され、前記第6上アームスイッチトランジスタ(図示せず)のエミッタが前記第6下アームスイッチトランジスタ(図示せず)のコレクターと接続される。前記第1下アームスイッチトランジスタQ2のエミッタ、前記第2下アームスイッチトランジスタ(図示せず)のエミッタ及び前記第3下アームスイッチトランジスタ(図示せず)のエミッタが前記第2電流サンプリング抵抗R7の第1端と接続され、前記第4下アームスイッチトランジスタQ4のエミッタ、前記第5下アームスイッチトランジスタ(図示せず)のエミッタ及び前記第6下アームスイッチトランジスタ(図示せず)のエミッタが前記第3電流サンプリング抵抗R8の第1端と接続され、前記PFCスイッチトランジスタQ5のコレクターがそれぞれ前記PFC信号出力端PFCOUT及び前記第1ダイオードD1の陽極と接続され、前記第1ダイオードD1の陰極が前記第2高電圧領域給電電源入力端P2と接続され、前記PFCスイッチトランジスタQ5のエミッタが前記第1電流サンプリング抵抗R6の第1端と接続される。
本実施例において、フリーホイールダイオードFRD1の陰極が前記第1上アームスイッチトランジスタQ1のコレクターと接続され、フリーホイールダイオードFRD1の陽極が前記第1上アームスイッチトランジスタQ1のエミッタと接続され、フリーホイールダイオードFRD2の陰極が前記第1下アームスイッチトランジスタQ2のコレクターと接続され、フリーホイールダイオードFRD2の陽極が前記第1下アームスイッチトランジスタQ2のエミッタと接続され、フリーホイールダイオードFRD3の陰極が前記第4上アームスイッチトランジスタQ3のコレクターと接続され、フリーホイールダイオードFRD3の陽極が前記第4上アームスイッチトランジスタQ3のエミッタと接続され、フリーホイールダイオードFRD4の陰極が前記第4下アームスイッチトランジスタQ4のコレクターと接続され、フリーホイールダイオードFRD4の陽極が前記第4下アームスイッチトランジスタQ4のエミッタと接続され、同様に、他の各スイッチトランジスタのコレクターとエミッタとの間にフリーホイールダイオード(図示せず)が接続され、ここでは詳しく説明しない。
本実施例において、前記第1上アームスイッチトランジスタQ1と前記第1下アームスイッチトランジスタQ2との接続ノード、前記第2上アームスイッチトランジスタと前記第2下アームスイッチトランジスタとの接続ノード及び前記第3上アームスイッチトランジスタと前記第3下アームスイッチトランジスタとの接続ノードが外部第1モータM1と接続され、前記第4上アームスイッチトランジスタQ3と前記第4下アームスイッチトランジスタQ4との接続ノード、前記第5上アームスイッチトランジスタと前記第5下アームスイッチトランジスタとの接続ノード、及び前記第6上アームスイッチトランジスタと前記第6下アームスイッチトランジスタとの接続ノードが外部第2モータM2と接続される。本実施例によるインテリジェントパワーモジュール600はエアコン(例えばインバータエアコン)に用いられる場合、前記第1モータM1がエアコンのファンであってもよく、前記第2モータM2がエアコンのコンプレッサであってもよい。
本実施例のインテリジェントパワーモジュール600は内部の前記駆動IC回路500が第1上部ブリッジ駆動回路502、前記第1下部ブリッジ駆動回路503、前記第2上部ブリッジ駆動回路504、前記第2下部ブリッジ駆動回路505及び前記PFC駆動回路506をすべて同じICチップ内に統合することにより、本実施例のインテリジェントパワーモジュール600が従来の技術におけるインテリジェントパワーモジュールに対し、インテリジェントパワーモジュールの集積度をさらに向上させ、インテリジェントパワーモジュールのコストを削減した。さらに、本実施例によるインテリジェントパワーモジュール600の外部第1モータM1、外部第2モータM2及びPFCスイッチトランジスタQ5などが1つの保護回路507を共有する。具体的に、本実施例では、前記駆動IC回路500の低圧側給電電源入力端VDDが電圧不足のとき、前記保護回路507における前記低圧側電圧不足保護回路5071が第1電圧不足保護信号を前記エラー判定ロジック回路508に出力し、本実施例では、上記各前記スイッチトランジスタの任意の1つのスイッチトランジスタに過電流が発生した場合、前記保護回路507における前記過電流保護回路5072が過電流保護信号を前記エラー判定ロジック回路508に出力し、本実施例のインテリジェントパワーモジュール600の温度が高すぎる場合、前記保護回路507における前記過熱保護回路5073が過熱保護信号を前記エラー判定ロジック回路508に出力する。前記エラー判定ロジック回路508は前記第1電圧不足保護信号、前記過電流保護信号又は/及び前記過熱保護信号を受信した場合、エラー信号を前記エラー信号出力端FUALTに出力する。前記エラー信号出力端FUALTが外部コントローラ(図示せず)と接続され、外部コントローラが前記エラー信号を受信した場合、外部コントローラが対応する制御信号を前記駆動IC回路500に出力し、前記第1上部ブリッジ駆動回路502、前記第1下部ブリッジ駆動回路503、前記第2上部ブリッジ駆動回路504、前記第2下部ブリッジ駆動回路505及び前記PFC駆動回路506を制御して動作を停止させ、さらに第1モータM1、第2モータM2及び前記PFCスイッチトランジスタQ5を制御して動作を停止させる。同様に、本実施例では、前記駆動IC回路500の高圧側給電電源入力端(図示せず)に電圧不足のとき、前記高圧側電圧不足保護回路510が第2電圧不足保護信号を前記ロジック入力バッファ回路501に出力し、前記第1上部ブリッジ駆動回路502、第1下部ブリッジ駆動回路503、第2上部ブリッジ駆動回路504、第2下部ブリッジ駆動回路505及びPFC駆動回路506を制御して動作を停止させる。すなわち、本実施例は、別々のデバイスのうちの1つに問題が生じても他のモジュールが動作し続けることを効果的に防止し、それにより本実施例のインテリジェントパワーモジュール600をよりよく保護し、インテリジェントパワーモジュール600の信頼性を向上させた。
前述したように、本実施例のインテリジェントパワーモジュール600は高集積化された前記駆動IC回路500を採用し、本実施例のインテリジェントパワーモジュール600は1つの保護回路507を共有することで、高集積インテリジェントパワーモジュール(高集積IPMとも呼ばれる)の内部構造を単純化し、インテリジェントパワーモジュールの集積度及び信頼性を大幅に向上させるとともに、コストも削減し、体積を小さくした。本実施例のインテリジェントパワーモジュール600はさらにインテリジェントパワーモジュールの内部配線難度を低下させた。本実施例のインテリジェントパワーモジュール600は単純で合理的な構造を有し、柔軟に操作でき、低コスト、高集積度、高信頼性及び広い応用範囲の利点を持っている。
本出願はさらにエアコンを提供し、該エアコンがインテリジェントパワーモジュールを含み、該インテリジェントパワーモジュールの構造については、上記実施例を参照してもよく、ここで繰り返して説明しない。もちろん、本実施例のエアコンは上記インテリジェントパワーモジュールの技術的解決手段を用いたため、該エアコンは上記インテリジェントパワーモジュールの全ての有利な効果を有する。
上記は本出願の好ましい実施例に過ぎず、本出願の特許の範囲を限定するものではなく、本出願の明細書及び添付の図面によって行われる等価構造もしくは等価のプロセスの変換、あるいは他の関連技術分野への直接的又は間接的な適用も、全て本出願の特許保護範囲に含まれる。