JP7041778B1 - チタン合金の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】チタン合金に含有する酸素の量を容易にコントロールできるチタン合金の製造方法を提供する。【解決手段】本発明のチタン合金の製造方法は、少なくとも、チタン(Ti)を主成分とするチタン粉末と、バナジウム族元素を主成分とするVa族粉末とを混合して混合粉末を得る混合工程と、前記混合工程で混合された前記混合粉末を加熱して固相拡散結合させることで固化体を得る固化工程と、前記固化体を加熱溶解して、チタン合金を生成する溶解工程と、を備える。そして、固化工程では、加熱及び加圧によって前記混合粉末を固相拡散結合させる。また、前記溶解工程では、真空アーク再溶解法又はコールドクルーシブル誘導溶解法によって前記固化体を溶解する。【選択図】 図1

Description

本発明は、チタン合金の製造方法に関する。
従来、チタン合金の製造方法として、例えば、柱状のチタンと、ワイヤ状又は薄板状の添加金属を浮揚溶解装置のるつぼ内にセットし、これらを所定の溶解条件で溶解させて、るつぼ内で自然冷却してチタン合金を得るものがあった(例えば、特許文献1参照)。また、チタン合金の製造方法として、例えば、チタン粉末と、バナジウム族元素の粉末を混合して加熱容器内にセットし、これらを加圧・加熱して焼結されることでチタン合金を得るものがあった(例えば、特許文献2参照)。
特開2002-012923号公報 特許第3375083号公報
ところで、チタン合金では、一般的に、不可避不純物となる酸素の含有率をできるだけ少なくすることが好ましいとされている。しかしながら、積極的にチタン合金に酸素を含有させようとする場合、上記特許文献1のチタン合金の製造方法では、溶解中において、大気中の元素がチタン合金に混入するので、チタン合金の組成を高精度に制御することが難しい。結果、特許文献1の製造方法では、そもそも酸素量のコントロールができないという問題があった。
また、本発明者らの研究によると、上記特許文献2のチタン合金の製造方法では、焼結後のチタン合金において、チタンとバナジウム族元素が不均一に拡散してしまうという問題があった。結果、特許文献2の製造方法では、チタン粉末の酸化被膜に含まれる酸素も不均一に拡散してしまうという問題があった。
本発明は、斯かる実情に鑑み、チタン合金に含有する組成比率を高精度に制御しつつ、全体を均質化可能なチタン合金の製造方法を提供しようとするものである。
本発明のチタン合金の製造方法は、少なくとも、チタン(Ti)を主成分とするチタン粉末と、バナジウム族元素を主成分とするVa族粉末とを混合して混合粉末を得る混合工程と、前記混合工程で混合された前記混合粉末を加熱して固相拡散結合させることで固化体を得る固化工程と、前記固化体を加熱溶解して、チタン合金を生成する溶解工程と、を備えることを特徴とする。
前記固化工程では、900~1400℃の間のいずれかの温度で加熱することで前記混合粉末を固相拡散結合させることを特徴とする。
本発明のチタン合金の製造方法において、前記固化工程では、前記混合粉末を真空下とし、加熱及び加圧によって前記混合粉末を固相拡散結合させることを特徴とする。
本発明のチタン合金の製造方法において、前記溶解工程では、真空アーク再溶解法、又はコールドクルーシブル誘導溶解法によって前記固化物を溶解することを特徴とする。
本発明のチタン合金の製造方法において、前記チタン合金が、全体を100原子%(at%)としたときに、0.4~1.7at%の酸素(O)を含むことを特徴とする。
本発明のチタン合金の製造方法において、前記Va族粉末が、タンタル(Ta)又はニオブ(Nb)を主成分とすることを特徴とする。
本発明のチタン合金の製造方法において、前記チタン合金が、全体を100原子%(at%)としたときに、1~8at%のスズ(Sn)を含むことを特徴とする。
本発明のチタン合金の製造方法は、更に前記溶解工程で生成された前記チタン合金に対して熱処理を行う熱処理工程と、前記熱処理された前記チタン合金に対して時効処理を行う時効処理工程と、を備え、前記溶解工程を経た前記チタン合金が、全体を100原子%(at%)としたときに、15~27at%のタンタル(Ta)と、1~8at%のスズ(Sn)と、0.4~1.7at%の酸素(O)と、残部がチタン(Ti)と不可避不純物とからなるようにし、前記時効処理工程では、前記チタン合金に対して24時間以下の時効処理を行って、前記チタン合金にα相を析出させることを特徴とする。
本発明のチタン合金の製造方法によれば、チタン合金に含有する組成比率を高精度に制御しつつ、チタン合金の各成分を均質化することができるという優れた効果を奏し得る。
本発明の実施形態におけるチタン合金の製造方法の流れを示すフローチャートである。 (A)は、本発明の実施形態におけるチタン合金の製造方法で用いられるHIP装置の概略図である。(B)は、本発明の実施形態におけるチタン合金の製造方法で用いられる真空アーク再溶解法(VAR)を行う装置の概略図である。 (A)は、HIP処理により生成された固化体を、走査電子顕微鏡(SEM)を用いて倍率400倍で観察した際のSEM像の写真である。(B)は、(A)の範囲においてX線を用いてTiの元素分析を行った際のSEM像の写真である。(C)は、(A)の範囲においてX線を用いてTaの元素分析を行った際のSEM像の写真である。(D)は、(A)の範囲においてX線を用いてSnの元素分析を行った際のSEM像の写真である。 (A)は、比較例となる比較例チタン合金(Ti-23.4Ta-3.4Sn―0.26O)の表面を、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて倍率2000倍で観察した際のTEM像の写真である。(B)は、第一チタン合金(Ti-23.4Ta-3.4Sn―0.75O)の表面を、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて倍率2000倍で観察した際のTEM像の写真である。(C)は、第二チタン合金(Ti-23.4Ta-3.4Sn―0.92O)の表面を、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて倍率2000倍で観察した際のTEM像の写真である。なお、比較例チタン合金、及び第一,二チタン合金に対応する各括弧内のTa、Sn、Oの元素表示に付された数値は、比較例チタン合金、及び第一,二チタン合金のそれぞれの全体を100原子%(at%)とした時の、各元素(Ta、Sn、O)の原子%(at%)の数値を表す。 Ta-Tiの2元系状態図である。 全体を100原子%(at%)とした時、Taの含有率が23at%で、Snの含有率がx(at%)で、Oの含有率が0.26at%のチタン合金(Ti-23Ta-xSn―0.26O)についての冷間加工性評価試験の結果を示したグラフである。 全体を100原子%(at%)とした時、Taの含有率が23.4at%で、Snの含有率が3.4at%で、Oの含有率がx(at%)のチタン合金(Ti-23.4Ta-3.4Sn―xO)についての冷間加工性評価試験の結果を示した表である。 (A)は、本発明の実施形態におけるチタン合金を用いて作成した試験片H1,T1の組成を示す表である。(B)は、試験片H1,T1のそれぞれに対する引張試験の結果である応力―ひずみ線図である。 (A)は、試験片H1に対して繰り返し応力-歪を付与した引張試験を行った結果として得られた応力-ひずみ線図である。(B)は、試験片T1に対して繰り返し応力-歪を付与した引張試験を行った結果として得られた応力-ひずみ線図である。(C)は、(A),(B)の応力-ひずみ線図を重ね合わせた図である。 (A)は、本発明の実施形態におけるチタン合金を用いて作成した試験片H2,T2の組成を示す表である。(B)は、試験片H2,T2のそれぞれに対する引張試験の結果である応力―ひずみ線図である。 (A)は、試験片H2に対して繰り返し応力-歪を付与した引張試験を行った結果として得られた応力-ひずみ線図である。(B)は、試験片T2に対して繰り返し応力-歪を付与した引張試験を行った結果として得られた応力-ひずみ線図である。(C)は、(A),(B)の応力-ひずみ線図を重ね合わせた図である。 (A)は、試験片T1、試験片T2のそれぞれに対する引張試験の結果である応力―ひずみ線図を重ね合わせた図である。(B)は、試験片T1、試験片T2のそれぞれに対して繰り返し応力-歪を付与した引張試験を行った結果得られたそれぞれの応力-ひずみ線図を重ね合わせた図である。 (A)は、本発明の実施形態におけるチタン合金を用いて作成した試験片H3,T3,T4の組成を示す表である。(B)は、熱処理温度を変えた複数の試験片H3,T3,T4のそれぞれに対するビッカース硬さ試験の結果を示すグラフである。
以下、本発明の実施形態におけるチタン合金の製造方法について添付図面を参照して説明する。図1及び図2を参照して、本発明の実施形態におけるチタン合金の製造方法について以下説明する。
<混合工程>
まず、図1に示すように、チタン(Ti)を主成分とするTi粉末と、タンタル(Ta)を主成分とするTa粉末と、スズ(Sn)を主成分とするSn粉末を用意して、それらを所定の混合比で混合する混合工程を行う(ステップS100)。なお、本実施形態においてTi粉末、Ta族粉末、Sn粉末は、いずれも325(メッシュ:mesh/inch)以下のいずれかの大きさの網目を有する篩で篩い分けして、その篩を通過可能な粒度(粒径)を有するものを想定している。なお、上記Ti粉末は、チタン(Ti)が90%以上含まれるものが好ましく、チタン(Ti)が95%以上含まれるものがより好ましく、チタン(Ti)が99%以上含まれるものが更に好ましい。この場合、Ti粉末の残りの成分にはチタン(Ti)とは別の成分が含まれる。また、上記Ti粉末におけるチタン(Ti)には、純粋なチタン(Ti)が含まれてもよいし、酸化皮膜を有するチタン(Ti)が含まれてもよい。上記Ta粉末は、タンタル(Ta)が90%以上含まれるものが好ましく、タンタル(Ta)が95%以上含まれるものがより好ましく、タンタル(Ta)が99%以上含まれるものが更に好ましい。この場合、Ta粉末の残りの成分にはタンタル(Ta)とは別の成分が含まれる。また、上記Ta粉末におけるタンタル(Ta)には、純粋なタンタル(Ta)が含まれてもよいし、酸化皮膜を有するタンタル(Ta)が含まれてもよい。上記Sn粉末は、スズ(Sn)が90%以上含まれるものが好ましく、スズ(Sn)が95%以上含まれるものがより好ましく、スズ(Sn)が99%以上含まれるものが更に好ましい。この場合、Sn粉末の残りの成分にはスズ(Sn)とは別の成分が含まれる。また、上記Sn粉末におけるスズ(Sn)には、純粋なスズ(Sn)が含まれてもよいし、酸化皮膜を有するスズ(Sn)が含まれてもよい。
同じ重量なら、粒度が小さい粉末は、粒度が大きい粉末よりも粉末を構成する粒の数が多くなる。結果、同じ重量で比較した場合、粒度が小さい粉末の方が、粒度が大きい粉末よりも酸素に反応する表面面積が大きい。チタン粉末(Ti)やタンタル粉末(Ta)は、酸化被膜によって大気中で安定状態となっている。結果、同じ重量で比較した場合、粒度が小さいチタン粉末(Ti)やタンタル粉末(Ta)を混ぜた方が、粒度が大きい粉末よりも最終生成物であるチタン合金におけるOの含有率は増える。従って、チタン粉末(Ti)やタンタル粉末(Ta)の粒度は、チタン合金におけるOの含有率に影響するものであり、チタン合金におけるOの含有率は、各粉末の粒度を適切に選択することにより調整することができる。このため、チタン合金における酸素の含有率が異なるものを複数設けるには、Ti粉末、Ta粉末のうち少なくとも1つの粒度を変更すればよい。なお、Ti粉末及び/又はTa粉末の粒径を小さくするのみでは、希望する酸素含有量が達成できない場合に、チタニア粉末は、それ自身が酸素を含有していることから、追加でチタニア粉末を混ぜてもよい。
例えば、全体を100原子%(at%)としたときに、15~27at%のタンタル(Ta)と、1~8at%のスズ(Sn)と、0.4~1.7at%の酸素(O)と、残部がチタン(Ti)及び不可避不純物から成るような混合比でTi粉末又はチタニア粉末、Ta粉末、Sn粉末を均一に混合する。以上を、重量%に換算すると、全体を100重量%(wt%)としたときに、Taは、40~56wt%となり、Snは、2~10wt%となり、Oは、0.1~0.3wt%のOとなり、残部がチタン(Ti)及び不可避不純物となる。例えば、Ti-23.4Ta-3.4Sn―xOのチタン合金の場合、全体を100重量%としたときに、Ta粉末が52重量%で、Sn粉末が5重量%で、残りがTi粉末又はチタニア粉末となるように混合する。そして、Oの含有率は、表面に酸化皮膜を有するTi粉末やTa粉末の粒度で調整したり、チタニア粉末を用いたりして調整する。なお、本実施形態ではSn粉末の含有量が少ないため、Sn粉末がOの含有率に与える影響は少ないと推測される。なお、at%の表示は原子%を表すものであり、以下においてat%の表示は、対応するチタン合金全体を100原子%(at%)としたとき、対応する元素の原子%を表すものとして用いるものとする。また、以下において、チタン合金の組成を表すTa、Sn、Oの元素表示に付された数値(以下におけるチタン合金の直後の括弧内を参照。)は、チタン合金全体を100原子%(at%)とした時の、各元素(Ta、Sn、O)の原子%(at%)の数値を表す。
<固化工程>
次に、図1に示すように、上記混合工程で均一に混合されたTi粉末又はチタニア粉末、Ta粉末、及びSn粉末の混合粉末(以下、単に、混合粉末と呼ぶ。)を真空下とし、混合粉末を固相拡散結合させることで固化する固化工程を行う(ステップS101)。固化工程により上記混合粉末が固化体となる。なお、混合粉末は、真空下に配置された状態で固相拡散結合されるため、固化体に、外気から想定しない酸素(O)が入り込むことを制限することができる。また、本実施形態において固化体とは、混合粉末を固相拡散結合させて一つの塊となったものを言う。また、固化工程では、例えば、通常の加熱処理(例えば、加熱による焼結処理)、加圧と加熱を同時に行う加圧・加熱処理等が採用される。加圧・加熱処理としては、例えば、熱間等方圧加圧法(HIP:Hot Isostatic Pressing)、スパーク・アイソスタティック・プレス法(SIP:Spark Isostatic Pressing)、放電プラズマ焼結法(SPS:Spark Plasma Sintering)のいずれかが用いられ、それらのいずれかにより混合粉末が固化される。ちなみに、HIP,SIPは、等方(静水)加圧であり、SPSは、プレス機械及び金型を用いるので方向性を有する加圧(軸方向加圧)である。また、本実施形態において混合粉末が配置される真空下での圧力は、例えば、1.0×10-1(Pa)以下が好ましく、1.0×10-2~1.0×10-5(Pa)の範囲内がより好ましく、1.0×10-2~1.0×10-3(Pa)の範囲内が更に好ましい。
ここでは、図2(A)を参照して、固化工程で熱間等方圧加圧法による処理(以下、HIP処理と呼ぶ。)を用いる場合を例にとって説明する。まず、HIP用容器2に上記混合粉末5を加圧充填する。HIP用容器2は、例えば、一方の端面側が開口し、他方の端面側が閉塞された円筒容器と、蓋とにより構成される。円筒容器に対して混合粉末5を圧縮しながら充填して、その円筒容器を電子ビーム装置(図示せず)の真空チャンバー内に設置する。そして、真空チャンバー内の圧力を、例えば、1.0×10-2~1.0×10-3(Pa)の範囲内の真空状態にして電子ビーム溶接を行い、HIP用容器2の開口に蓋を溶接してHIP用容器2を密封する。これにより、混合粉末は、HIP用容器2内で真空下に配置される。
HIP用容器2の素材は、Ta以外の材料が採用されることが好ましいが、Taは極めて高価であり、量産で用いるには現実的ではない。このため、例えば、HIP用容器2の素材として、Tiまたは鉄を主成分とする素材が用いることが好ましく、望ましくは鉄を主成分とするものがより好ましい。ちなみに、一般的なHIP処理では、混合粉末5の中で最も融点の高い素材(ここではTa)と同一材料でHIP用容器2を製作する。
そして、HIP装置1が有するHIP炉3の断熱部3Aの内側にHIP用容器2を設置する。なお、HIP装置1は、アルゴンなどの実質的に不活性なガス及びヒーター4の加熱によりHIP炉3の断熱部3Aの内側領域を高温・高圧の雰囲気にすることができるように構成される。また、ガスは、HIP炉3のガス導入通路3Bを通じて外部からHIP炉3の内部に供給される。そして、HIP用容器2に対して高温・高圧が所定時間加わると、HIP用容器2を通じて混合粉末5は加圧および加熱される。結果、混合粉末5は、固相拡散結合して固化体となる。なお、混合粉末5は、真空状態でHIP用容器2内に密封されるため、HIP用容器2を通じて混合粉末5が加圧および加熱されても、固化体に、外気から想定しない酸素(O)が入り込むことを制限することができる。ちなみに、HIP処理の直後には、HIP用容器2と固化体は、強固に結合された状態になっている。このため、HIP用容器2と固化体を分離するには、HIP用容器2、及びHIP用容器2と固化体が混合している層を工作機械により切削する。結果、固化体のみが残る。これにより、円柱形状の固化体が形成される。
HIP処理においてHIP装置のHIP炉3の内部の温度を、例えば、1000℃とし、圧力を98MPaとし、その条件下でHIP用容器を所定時間程度置くと固化体が出来上がる。なお、HIP炉3の内部の温度は、HIP用容器2が破損したり、溶解したりしない範囲なら、いずれであってもよい。そのようなHIP炉3の内部の温度として、例えば、700℃~1600℃が好ましく、900℃~1400℃がより好ましく、1000℃~1200℃が更に好ましい。また、HIP炉3の内部の圧力は、50~200(MPa)が好ましく、70~180(MPa)がより好ましく、90~120(MPa)が更に好ましい。
なお、Taの融点は、3017℃とかなり高温である。HIP炉3の内部温度を、例えば、900℃~1400℃程度にしても、本実施形態のチタン合金のように、Taの割合が15at%以上の高い含有比率の場合、各粉末が完全に均一に拡散する可能性は低い。つまり、HIP処理で生成された固化体には、Ta、Sn、Ti及びOが均一に拡散されず、Ta、Sn、Ti及びOのいずれかが偏在する領域が含まれてしまう可能性がある。そのことを確認するため、本願発明者は、HIP炉3の内部温度を1000℃とし、HIP炉3の内部圧力を98MPaとして上記のように混合粉末(Ta粉末の含有率が23.4at%で、Sn粉末の含有率が3.4at%で、残りがTi粉末で、各粉末の粒度が10~45μm)を固化体にした際、走査電子顕微鏡(SEM)及びX線を用いて、固化体においてTa、Sn、Tiがどのように分布しているのかを調べた。その結果を図3(A)~(D)に示す。図3(A)は、走査電子顕微鏡(SEM)を用いて倍率400倍で固化体を観察した際のSEM像の写真である。図3(B)~(D)に示すように、図3(A)のSEM像の範囲におけるTi、Ta、Snの分布は、一様に分布しておらず、Ti粉末、Ta粉末、及びSn粉末は、均一に拡散していないことがわかる。以上から、Ti粉末、Ta粉末、及びSn粉末は、HIP炉3の内部温度を900℃~1400程度では、Taの割合が非常に高いこの組成では各粉末同士が拡散して完全に合金化する可能性が低いことが実際に確認された。
一方で、HIP炉3の内部温度を上記温度よりも高温にすると、HIP用容器2自体の破損を招き、ひいては、HIP炉3自体の故障も生じやすい。また、1400℃よりも高温の加熱を実現するために、HIP用容器2を高温に耐え得る材料(例えば、Ta)で形成することも考えられるが、既に述べたように、HIP用容器2をTa材料にすると、極めて高額となるため、現実的ではない。
<溶解工程>
次に、図1に示すように、上記固化工程で固化された混合粉末の固化体を溶解する溶解工程を行う(ステップS102)。溶解工程により固化体が溶解され、チタン合金のインゴットとなる。上記のように、固化体は、各成分が均一に拡散していないが、溶解工程を行うことにより各成分が均一に溶融(溶解)し、各成分が均一に分散されたチタン合金のインゴットを得ることができる。なお、溶解工程では、融点が異なるTa、Sn、及びTiを同時に溶解させて均一に拡散させるために、Ta、Sn、及びTiの全てを同時に溶解することができる温度で固化体を溶解させる好ましい。溶解工程では、例えば、真空アーク再溶解法(VAR:Vacuum Arc Remelting)、エレクトロスラグ再溶解法(ESR:ElectroSlag Remelting)、真空誘導溶解法(VIM:Vacuum Induction Melting)、コールドクルーシブル誘導溶解法(CCIM:Cold Crucible Induction Melting)、プラズマアーク溶解法(PAM:Plasma Arc Melting)、電子ビーム溶解法(EBM:Electron Beam Melting)のいずれかが用いられ、それらのいずれかにより固化体が溶解される。
ここでは、図2(B)を参照して、溶解工程で真空アーク再溶解法(VAR)を用いる場合を例にとって説明する。まず、固化工程で設けられた円柱形状の固化体を消耗電極6として、アーク溶解炉8内において吊下げられるロッド9に連結する。結果、消耗電極6は、アーク溶解炉8内において真下に溶湯プール10が位置する状態で、ロッド9に吊下げ支持される。この状態において、ロッド9を経て消耗電極6に電流を流すと、消耗電極6と溶湯プール10の間にアーク放電が生じる。アーク放電により発する高熱により、消耗電極6が加熱されて溶解され、それがその下に溜まってチタン合金のインゴット11となる。
なお、上記チタン合金のインゴット11を消耗電極6として、ロッド9に連結した後に、上記のようにアーク溶解炉8内に設置して、再度、電流を流して溶解してもよい。そして、この処理は、複数回行うことにより、各成分の均一化の信頼性を高めることができるため、更に繰り返し行ってもよい。以上のようにしてチタン合金が設けられる。
<冷間加工工程>
次に、図1に示すように、上記溶解工程で設けられたチタン合金のインゴットに対して冷間加工を行う(ステップS103)。チタン合金のインゴットに対する冷間加工により、線材や棒材等のチタン合金の加工物が形成される。
<熱処理工程>
次に、図1に示すように、上記冷間加工工程で設けられたチタン合金の加工物に対して熱処理をする熱処理工程を行う(ステップS104)。熱処理温度は、例えば、600℃~1000℃が好ましく、700℃~900℃がより好ましい。
<時効処理工程>
次に、図1に示すように、上記熱処理工程で熱処理を施されたチタン合金に対して時効処理をする時効処理工程を行う(ステップS105)。時効処理温度は、200℃~550℃が好ましく、300℃~500℃がより好ましい。本実施形態におけるチタン合金に所定時間、上記時効処理をすると、チタン合金に等軸α相等が析出する。なお、α相は、等軸組織化されたものに限定されるものではなく、その他の態様のものが含まれてもよい。
図4(B),(C)に、本実施形態における第一チタン合金(Ti-23.4Ta-3.4Sn―0.75O)、第二チタン合金(Ti-23.4Ta-3.4Sn―0.92O)の表面を、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて倍率2000倍で観察した際のTEM像の写真を示す。そして、図4(A)には、比較例となる比較例チタン合金(Ti-23.4Ta-3.4Sn―0.26O)の上記と同様の条件でのTEM像の写真を示す。第一,二チタン合金及び比較例チタン合金は、890℃で2時間熱処理を施された後に、300℃で2時間時効処理を施されている。
図4(B),(C)に示す第一チタン合金および第二チタン合金のTEM像の写真には、白い等軸α相が析出している。そして、Oの含有率が多い図4(C)に示す写真の方が、図4(B)に示す写真の方よりも多くの等軸α相が析出している。一方、図4(A)に示す比較例チタン合金のTEM像の写真には、白い等軸α相がほとんど析出してしない。図4(B),(C)に示すようなOの含有率が高いものは、2時間程度の時効処理でも等軸α相が析出するが、図4(A)に示すようなOの含有率が低いものは、2時間程度の時効処理では等軸α相が析出しないことが確認できた。この結果から、Oの含有率と時効処理の時間でチタン合金における等軸α相の析出量をコントロールできることが確認できた。チタン合金全体を100at%としたときのOの含有率は、0.4at%以上であることが好ましく、0.6at%以上であればより好ましく、0.75at%以上であることが最も好ましいことがわかる。
ちなみに、図4(B),(C)に示すTEM像の写真を解析した結果、第一チタン合金(Ti-23.4Ta-3.4Sn―0.75O)における等軸α相の平均粒径は、0.13μmであった。また、第二チタン合金(Ti-23.4Ta-3.4Sn―0.92O)における等軸α相の平均粒径は、0.17μmであった。この結果から、Oの含有率が増えると、それに伴って、時効処理により析出する等軸α相の平均粒径は大きくなる傾向にあると推測できる。そして、本発明のチタン合金において、等軸α相の平均粒径は、0.05~1.00μmの間のいずれかであることが好ましく、0.05~0.50μmの間のいずれかであることがより好ましく、0.05~0.30μmの間のいずれかであることが更に好ましい。
また、図4(B)に示す第一チタン合金のTEM像の写真を解析した結果、第一チタン合金(Ti-23.4Ta-3.4Sn―0.75O)における等軸α相の面積率は、1.89%であった。また、図4(C)に示す第二チタン合金(Ti-23.4Ta-3.4Sn―0.92O)における等軸α相の面積率は、5.24%であった。なお、等軸α相の面積率とは、図4(B),(C)に示す断面のTEM像の写真において単位面積当たりに等軸α相が占める面積の割合(面積占有率)を指す。この結果から、Oの含有率が増えると、それに伴って、時効処理により析出する等軸α相の面積占有率は大きくなると推測できる。そして、本発明のチタン合金において、等軸α相の面積占有率は、0.1~20%の間のいずれかであることが好ましく、0.1~15%の間のいずれかであることがより好ましく、0.1~10%の間のいずれかであることが更に好ましい。
以上のように、時効処理時間が同じでもチタン合金におけるOの含有率が多いと、等軸α相の析出量は多くなり、チタン合金におけるOの含有率が少ないと、等軸α相の析出量は少なくなる。従って、チタン合金において等軸α相を時効処理で特定の量を析出させる場合、Oの含有率が多いチタン合金の方がOの含有率が少ないチタン合金よりも短い時効処理時間で済む。
ただし、等軸α相は、チタン合金の強度を上げる。しかし、Oの含有率が多くなり過ぎると、Oの固溶限界を超えてしまい、TiOやTiOが生成されて加工性が低下する。このことが、後述する図7に示す冷間加工性評価試験に表れている。
なお、一般的なチタン合金にも、不可避不純物としての酸素がわずかに含有するが、その場合のチタン合金全体を100at%としたときのOの含有率は0.2at%以下となる。そのようなチタン合金では、α安定元素としてのOよりもβ安定元素としてのTaの方が機能して、時効処理を行っても等軸α相がなかなか析出せず、等軸α相の析出に数日間にも亘る時効処理が必要となる。一方で、本実施形態のチタン合金のように、積極的にOの含有率を上げ、Oの含有率が0.4at%に達すれば、α安定元素としてのOが機能して、12時間の時効処理で最低限の等軸α相が析出し、24時間の時効処理で十分な等軸α相が析出する。また、チタン合金におけるOの含有率が1.7at%に達すると、α安定元素としてのOが十分に機能して、1時間の時効処理でも十分な等軸α相が析出する。このため、時効処理時間は、1~24時間が好ましく、1~4時間がより好ましい。
<チタン合金の構成>
次に、以上のチタン合金の製造方法により製造されるチタン合金の一例について説明する。本発明の実施形態におけるチタン合金は、全体を100原子%(at%)としたときに、15~27at%のタンタル(Ta)と、1~8at%のスズ(Sn)と、0.4~1.7at%の酸素(O)と、残部がチタン(Ti)及び不可避不純物から成る。なお、残部のチタン(Ti)の含有率は特に限定されるものではなく、原子比率で考えたときに、含有元素中で最も多い元素がチタン(Ti)であればよい。
また、チタン合金は、最密六方晶(HCP)であるα相を母相とするα型チタン合金、体心立方晶(BCC)であるβ相を母相とするβ型チタン合金、最密六方晶(HCP)であるα相と体心立方晶(BCC)であるβ相とが共存するα+β型チタン合金の3種類に大きく分類されるが、本発明に係るチタン合金の種類は特に限定されない。
<タンタル(Ta)>
タンタル(Ta)は、本実施形態におけるチタン合金を、熱弾性型マルテンサイト変態を起こすチタン合金にする。Taは、β相からα相への変態温度を低温側に下げ、室温においてβ相を安定化させるとともに、すべり変形(塑性変形)を起こしにくくする機能を有する。
Taの含有率は、チタン合金全体を100原子%(at%)としたときに、15~27at%とするのが好ましく、19~25at%であればより好ましく、22~24at%であることが最も好ましい。
Taの含有率の上限値は、チタン合金の融点に基づいて設定される。図5は、Ta-Tiの2元系状態図である。図5に示されるように、Taの含有率が27%を超えると、チタン合金の融点が約2000K以上となる可能性があるため、特殊な溶解炉が必要となり、生産コストが増大する。また、Ta原料の溶融が不完全となる可能性が生じるため、チタン合金の品質低下を招くこととなる。
Taの含有率の下限値は、上述のβ相安定化機能、およびチタン合金の医療機器用材料や生体用材料等としての機械的性質に基づいて設定される。すなわち、β相安定化機能は、Taの含有率が低下する程低下し、Taの含有率を15at%未満とした場合にはβ相を常温まで維持することが困難となる。このため、Taの含有率が15at%未満である場合、例えスズ(Sn)を添加したとしても医療機器用材料や生体用材料等に要求される機械的性質(ヤング率、引張強度、および弾性変形ひずみ)を得ることが難しくなる。従って、チタン合金全体を100at%としたときのTaの含有率は、15at%以上であることが好ましく、19at%以上であればより好ましく、22at%以上であることが最も好ましい。
<スズ(Sn)>
スズ(Sn)は、変態温度を上昇させ、α相を安定させるα相安定化機能を有する。また、Snは、ヤング率を上昇させる要因となるω相の析出を抑制し、チタン合金の超弾性効果を高める機能を有する。
Snの含有率は、チタン合金全体を100原子%(at%)としたときに、1~8at%とするのが好ましく、2~6at%であればより好ましい。
Snの含有率の上限値は、チタン合金の加工性(冷間加工性)に基づいて設定される。チタン合金全体を100at%としたときのTaの含有率が23at%のチタン合金(Ti-23Ta-xSn―0.26O)についての冷間加工性評価試験の結果を示したグラフである。なお、xはチタン合金全体を100at%としたときのSnの含有率(at%)である。本冷間加工性評価試験では、まずチタン合金全体を100at%としたときのSnの含有率xを0at%、1.5at%、3at%、6at%および9at%と変化させた複数の試験片(厚さ:1mm、熱処理なし)を用意した。そして、これらの試験片を0.1mmの厚さまで冷間圧延(加工率86%)し、冷間圧延後の各試験片における1mm以上の長さの亀裂の個数をカウントした。なお、この亀裂のカウントは、各試験片における圧延方向に140mmの範囲内で行った。
図6に示されるように、この評価試験の結果、Snの含有率を9at%とした場合に、急激に1mm以上の亀裂の発生が増加する、すなわち加工性が急激に悪化することが確認された。また、Taの含有率が異なる場合においても、同様の傾向を示す結果となった。従って、チタン合金全体を100at%としたときのSnの含有率は、良好な加工性を得るためには、8at%以下であることが好ましく、6at%以下であればより好ましい。
Snの含有率の下限値は、特に限定されないが、上述のω相抑制機能を十分に発揮させるためには、チタン合金全体を100at%としたときのSnの含有率は、1at%以上であることが好ましい。
<酸素(O)>
酸素(O)は、変態温度を上昇させ、α相を安定させるα相安定化機能を有する。そして、Oは、Snよりもα相安定化機能が強い。また、Oは、結晶の変形を拘束し、形状記憶性の発現や軟化を防ぐ機能を有する。
Oの含有率は、チタン合金全体を100原子%(at%)としたときに、0.4~1.7at%とするのが好ましく、0.6~1.0at%であればより好ましい。そして、Oの含有率は、Ti粉末、及びTa粉末うち少なくとも1つの粒度を変えることにより変えることができる。なお、Sn粉末の粒度を変えることによりOの含有率を変えることは可能であるが、本実施形態においてSn粉末の含有量は少ないため、Sn粉末の粒度を変えてもチタン合金におけるOの含有率に影響を与えづらい。
<Oの含有率の上限について(冷間加工評価)>
Oの含有率の上限値は、チタン合金の加工性(冷間加工性)に基づいて設定される。Oの含有率を高くし過ぎると、Oの軟化を防ぐ機能によりチタン合金が硬くなり過ぎて、加工性が悪くなる。図3は、チタン合金全体を100at%としたときのTaの含有率が23.4at%で、Snの含有率が3.4at%のチタン合金(Ti-23.4Ta-3.4Sn―xO)についての冷間加工性評価試験の結果を示した表である。なお、xはチタン合金全体を100at%としたときのOの含有率(at%)である。
本冷間加工性評価試験では、まずチタン合金(Ti-23.4Ta-3.4Sn―xO)全体を100at%としたときのOの含有率xを0.26at%、0.59at%、0.75at%、0.92at%、1.14at%、1.4at%および1.59at%に変化させた複数の試験片(直径φ10mmの丸線形状、熱処理なし)を用意した。これらの試験片に対して回転鍛造を行った。この際、どれくらいの加工率まで回転鍛造を行うことができるか否かについて、各試験片に対して評価を行った。
図7に示されるように、この評価試験の結果、Oの含有率が0.26~1.14at%の試験片は、75%以上の加工率となるように回転鍛造を行っても問題ないことが確認された。Oの含有率が1.4at%の試験片は、50~75%の加工率となるように回転鍛造を行っても問題なかったが、加工率が75%を超えると亀裂が発生した。Oの含有率が1.59at%の試験片は、50%を超える加工率となるように回転鍛造を行うと亀裂が発生した。従って、良好な加工性を得るためには、チタン合金全体を100at%としたときのOの含有率は、1.7at%以下であることが好ましく、1.4at%以下であればより好ましく、1.2at%以下であれば更に好ましい。
<Oの含有率の下限について(チタン合金の組織の評価)>
Oの含有率の下限値は、特に機械的性質に基づいて設定される。つまり、従来のチタン合金では、β相が多く、小さい力で変形が生じてしまうため、成形後の形状を維持できない問題があった。このため、本実施形態のチタン合金では、結晶の変形を拘束し、その合金の強度を高めて軟化を防止する機能を有する等軸α相がある程度の量を析出していることが好ましい。図4(B),(C)に示すように、本実施形態におけるチタン合金は、熱処理を行った後に、時効処理を行うと、等軸α相が析出する。しかしながら、既に説明したように、チタン合金においてOの含有率が十分でないと、α安定元素としてのOよりもβ安定元素としてのTaの方が機能して、時効処理を行っても等軸α相がなかなか析出せず、等軸α相の析出に数日間にも亘る時効処理が必要となることがある。そして、Oの含有率が0.4at%未満であると、図4(A)に示すように、時効処理を2時間程度行っても等軸α相の析出量が十分でないため、成形後の形状を維持することが困難である。従って、チタン合金全体を100at%としたときのOの含有率は、0.4at%以上であることが好ましく、0.6at%以上であればより好ましく、0.75at%以上(図4(B)参照)であることが最も好ましい。
本実施形態に係るチタン合金は、構成元素であるTi、Ta、Snの金属イオンの溶出量が極めて少ない上に、優れた耐食性を示し、細胞毒性が低く、生体親和性が高く、外部の磁界により磁化がされにくい非磁性体であって磁気を嫌う医療機器(MRI等)に悪影響を及ぼすおそれが極めて低く、高弾性で適度な剛性を有し、加工性の高い合金である。すなわち、本実施形態に係るチタン合金は、従来のチタン合金に比べて細胞毒性が低く、磁気特性、耐食性、機械的性質および加工性に優れたチタン合金となっている。このため、医療用のガイドワイヤ、デリバリーワイヤ、ステント、動脈瘤塞栓コイルもしくは静脈フィルタ等のカテーテル分野、または歯科治療用のクレンザー、リーマー、ファイルもしくは歯列矯正ワイヤ等の歯科分野や人工骨等の整形分野等の医療器具に好適である。
なお、本発明に係るチタン合金の製造方法は、上記した実施形態に限定されるものではなく、例えば、タンタル(Ta)粉末と一緒に又はタンタル(Ta)粉末に代えて、バナジウム(Va)族の他の元素であるバナジウム(Va)またはニオブ(Nb)で構成される粉末を用いてもよい。つまり、チタン合金の組成として、タンタル(Ta)と一緒に又はタンタル(Ta)に代えて、バナジウム(Va)族の他の元素であるバナジウム(Va)またはニオブ(Nb)を含有させてもよい。本製造方法で得られるチタン合金によって、品質が極めて安定する。ちなみに、バナジウム(Va)またはニオブ(Nb)も、タンタルと同様に融点が高いため、固相拡散結合のみでは、チタン合金の内部組成が不均一になりやすく、冷間加工後の金属部品の品質保証が困難となる。
ただし、Va、Nb、Taの比重は、それぞれ5.96(g/cm3)、8.40(g/cm3)、16.60(g/cm3)であり、チタンの比重は、4.5(g/cm3)である。つまり、Vaの比重は、チタンの比重に比べて若干大きい程度であるが、Nb,Taの比重は、チタンの比重に比べて2倍弱以上ある。このため、固化工程においてNb,Taは、均一に拡散できない度合いがVaよりも大きいと推測される。結果、Nbは、Taと同様に、固化工程において図3に示す分布に類似したものになり得る。従って、Nb,Taは、Vaに比べて溶解工程で均一化されることが特に重要であると言える。
なお、本発明に係るチタン合金は、上記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、本発明に係るチタン合金から、医療用のガイドワイヤ、デリバリーワイヤ、ステント、クリップ、動脈瘤塞栓コイルもしくは静脈フィルタ、または歯科治療用のクレンザー、リーマー、ファイルもしくは歯列矯正ワイヤなどを成形する方法は、従来公知の方法を採用することができ、例えば、伸線加工、引抜加工、鋳造、鍛造、プレス加工などが挙げられる。
次に、本発明に係るチタン合金の実施例について説明する。
<引張試験1>
本願発明者は、Oの含有率を変えた本発明の実施形態におけるチタン合金を用いて作成した実施例1にかかる試験片T1と、比較例1にかかる試験片H1に対して引張試験を行った。図8(A)は、引張試験を行う対象の試験片T1,H1の組成を表す表である。試験片T1,H1は、加工率が75%となるような冷間加工(伸線加工)を行った直径φ0.406mmの丸線形状である。また、比較例1にかかる試験片H1は、Ti-23Ta-3Sn―0.25Oの組成のチタン合金を用いて作成されたものであり、Oの含有量が少ない。実施例1にかかる試験片T1は、Ti-23Ta-3Sn―0.8Oの組成のチタン合金を用いて作成されたものである。そして、試験片T1,H1を構成するチタン合金には、890℃で熱処理を1分行い、時効処理は行っていない。以上の試験片T1,H1に対して引張試験機を用いて引張試験を実施した。測定条件としては、評点間距離を50mm、引張速度を2mm/分とした。
試験片T1,H1に対して引張試験を行った結果として得られた応力-ひずみ線図を図8(B)に示す。応力が200MPa付近までは、試験片T1,H1は同様のひずみが生ずるように変形している。そして、応力が200MPa付近においてグラフは、変曲点K1を有する。図8(B)に示すように、試験片H1では、変曲点K1以降はグラフの傾斜がそれまでの傾斜に比べてかなり緩やかになり、途中において降伏領域を有していると推測される(図8(B)の点線円領域参照)。一方、試験片T1では、図8(B)に示すように、試験片H1の場合と同様に変曲点K1以降はグラフの傾斜がそれまでの傾斜に比べて緩やかになるが、グラフの傾斜は試験片H1のものと比較すると急となっている(図8(B)の点線円領域参照)。つまり、時効処理の有無に関係なく、Oの含有量が多い実施例1の試験片T1は、比較例1の試験片H1よりも硬い(降伏しにくい)材料特性を有すると言え、成形後の製品の形状を安定させることができると言える。
<引張試験2>
図9(A)は、引張試験1と同様の測定条件で、比較例1の試験片H1に対して繰り返し応力-歪を付与した引張試験を行った結果として得られた応力-ひずみ線図である。図9(B)は、引張試験1と同様の測定条件で、実施例1の試験片T1に対して繰り返し応力-歪を付与した引張試験を行った結果として得られた応力-ひずみ線図である。図9(C)は、図9(A),(B)の応力-ひずみ線図を重ね合わせた図である。図9(C)から明らかなように、試験片H1に約500(MPa)弱の引張応力を加えて2%程度歪ませた後に除荷すると、約0.35%程度の永久ひずみが残る。一方、同様に試験片T1に約500(MPa)弱の引張応力を加えて2%程度歪ませた後に除荷すると、約0.2%程度の永久歪しか残らない。結果、Oの含有率を増加させた実施例1の試験片T1の方が、比較例1の試験片H1よりも弾性限が高いことが確認できた。
<引張試験3>
また、本願発明者は、Oの含有率を変えた本発明の実施形態におけるチタン合金を用いて作成した実施例2にかかる試験片T2と、比較例2にかかる試験片H2に対して引張試験を行った。図10(A)は、引張試験を行う対象の試験片T2,H2の組成を表す表である。試験片T2,H2を構成するチタン合金の組成は、実施例1の試験片T1,比較例1の試験片H2を構成するチタン合金に対して、更に300℃で時効処理を1時間追加したものとなる。以上の試験片T2,H2に対して,引張試験機を用いて引張試験を実施した。測定条件としては、評点間距離を50mm、引張速度を2mm/分とした。
試験片T2,H2に対して引張試験を行った結果として得られた応力-ひずみ線図を図10(B)に示す。応力が200MPa付近までは、試験片T2,H2は同様のひずみが生ずるように変形している。そして、応力が200MPa付近においてグラフは、変曲点K2を有する。図10(B)に示すように、試験片H2では、変曲点K2以降はグラフの傾斜がそれまでの傾斜に比べてかなり緩やかになる(図10(B)の点線円領域参照)。一方、試験片T2では、図10(B)に示すように、試験片H2の場合と同様に変曲点K2以降はグラフの傾斜がそれまでの傾斜に比べて緩やかになるが、グラフの傾斜は試験片H2のものと比較すると急となっている(図10(B)の点線円領域参照)。つまり、時効処理後でも、試験片T2は、試験片H2に比べて硬い(降伏しにくい)材料特性を有すると言え、成形後の製品の形状を安定させることができると言える。
そして、試験片T2,H2と、試験片T1,H1を比較すると、変曲点以降のグラフの傾斜度合いが試験片T2,H2の方が試験片T1,H1よりも急である。これは、時効処理を行っていないチタン合金と比較して、時効処理を行った方のチタン合金の方が、等軸α相が多く含まれてるため、硬質な金属の特性を有することに起因する。結果、時効処理を行った本実施形態のチタン合金の方が冷間加工後に成形をし易いと言える。
更に、実施例1の試験片T1の引張試験1の結果(図8(B)参照)と、実施例2の試験片T2の引張試験3の結果(図10(B)参照)を比較すると、図12(A)に示すように、互いのグラフが交わる応力が800(MPa)弱の区間までは、同じ応力を加えても試験片T2の方が試験片T1よりも生じるひずみが小さい。また、試験片T1,T2のそれぞれの応力が最大値(引張強さ)に至った以降は、試験片T1,T2共にほぼ一定の応力(引張強さ)でひずみが増大していく。ちなみに、試験片T1の応力の最大値(引張強さ)は、略870(MPa)程度で、試験片T2の応力の最大値(引張強さ)は、略840(MPa)程度である。そして、試験片T2は、試験片T1に比べて破断に至るひずみが略1.2倍程度大きくなっている。この結果から、時効処理を行った方のチタン合金は、時効処理を行っていないチタン合金に比べて、等軸α相がより多く析出してより硬質な特性を示すと共に、より延性が向上すると言える。
<引張試験4>
図11(A)は、引張試験3と同様の測定条件で、試験片H2に対して繰り返し応力-歪を付与した引張試験を行った結果として得られた応力-ひずみ線図である。図11(B)は、引張試験3と同様の測定条件で、試験片T2に対して繰り返し応力-歪を付与した引張試験を行った結果として得られた応力-ひずみ線図である。図11(C)は、図11(A),(B)の応力-ひずみ線図を重ね合わせた図である。図11(C)から明らかなように、試験片H2を0から2%程度歪ませた後に除荷すると、約0.2%程度の永久歪が残る。一方、同様に試験片T2を0から2%程度歪ませた後に除荷すると、約0.1%弱程度の永久歪しか残らない。結果、Oの含有率を増加させた試験片T2の方が試験片H2よりも弾性限が高いことが確認できた。
更に、実施例1の試験片T1の引張試験2の結果(図9(B)参照)と、実施例2の試験片T2の引張試験4の結果(図11(B)参照)を比較すると、図12(B)に示すように、例えば、時効処理を行っていない試験片T1は、約500(MPa)程度の引張応力を加えて2%程度歪ませた後に除荷すると0.2%のひずみが生じるが、時効処理を行った試験片T2は、約600(MPa)程度の引張応力を加えて2%程度歪ませた後に除荷すると0.1%弱程度のひずみしか発生しない。つまり、時効処理を行っていないチタン合金に比べて、時効処理を行ったチタン合金の方が、弾性限が高いと言える。
<ビッカース硬さ試験>
また、本願発明者は、Oの含有率を変えた本発明の実施形態におけるチタン合金を用いて作成した実施例3-1の試験片T3、および実施例3-2の試験片T4に対してビッカース硬さ試験を行った。本ビッカース硬さ試験では、測定点を10点とし、0.1(N)の荷重を測定点に掛けた。なお、比較例3の試験片H3も用意して同様にビッカース硬さ試験を行った。
図13(A)は、ビッカース硬さ試験を行う対象の試験片T3、T4、H3の組成を表す表である。試験片T3、T4、H3は、直径φ0.517mmの丸線形状である。また、試験片H3は、Ti-23Ta-3Sn―0.25Oの組成のチタン合金を用いて作成されたものであり、Oの含有量が少ない。試験片T3は、Ti-23Ta-3Sn―0.6Oの組成のチタン合金を用いて作成されたものであり、試験片T4は、Ti-23Ta-3Sn―0.8Oの組成のチタン合金を用いて作成されたものである。そして、試験片T3、T4、H3に対して熱処理を施していないもの及び、試験片T3、T4、H3に対して450℃、500℃、550℃、650℃、700℃、750℃で熱処理を30分施したものを用意した。
本ビッカース硬さ試験の結果を図13(B)に示す。図13(B)に示すように、熱処理温度が550℃までは、試験片T3、T4、H3は、熱処理による大きな変化はなかった。一方、650℃以上の熱処理では、Oの含有率が多いほどチタン合金の硬さが大きくなる傾向にあることが確認できた。つまり、Oの含有率を高めた場合は、熱処理温度は、例えば、600℃~1000℃が好ましく、700℃~900℃がより好ましいことがわかる。
以上の<引張試験1>~<引張試験4>及び<ビッカース硬さ試験>により、Oの含有率を増加させることにより弾性限及び材料の強度が向上することが確認できた。結果、Oの含有率を適度に増やせば、後加工がしやすい適度な硬さと弾性限を有するチタン合金となることがわかった。
尚、本発明のチタン合金及びチタン合金の製造方法は、上記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
本発明のチタン合金は、医療用のガイドワイヤ、デリバリーワイヤ、ステント、クリップ、動脈瘤塞栓コイルもしくは静脈フィルタ等のカテーテル分野、または歯科治療用のクレンザー、リーマー、ファイルもしくは歯列矯正ワイヤ等の歯科分野や人工骨等の整形分野等に利用することができる。
1 HIP装置
2 HIP用容器
3 HIP炉
3A 断熱部
3B ガス導入通路
4 ヒーター
5 混合粉末
6 消耗電極
8 アーク溶解炉
9 ロッド
10 溶湯プール
11 インゴット

Claims (4)

  1. 少なくとも、チタン(Ti)を主成分とするチタン粉末と、バナジウム(Va)族元素を主成分とするVa族粉末とを混合して混合粉末を得る混合工程と、
    前記混合工程で混合された前記混合粉末を加熱して固相拡散結合させることで固化体を得る固化工程と、
    前記固化体を加熱溶解して、チタン合金を生成する溶解工程と、
    前記溶解工程で生成された前記チタン合金に対して熱処理を行う熱処理工程と、
    前記熱処理された前記チタン合金に対して時効処理を行う時効処理工程と、
    を備え、
    前記溶解工程を経た前記チタン合金が、全体を100原子%(at%)としたときに、15~27at%のタンタル(Ta)と、1~8at%のスズ(Sn)と、0.4~1.7at%の酸素(O)と、残部がチタン(Ti)と不可避不純物とからなるようにし、
    前記時効処理工程では、前記チタン合金に対して24時間以下の時効処理を行って、前記チタン合金にα相を析出させることを特徴とする、
    チタン合金の製造方法。
  2. 前記固化工程では、900~1400℃の間のいずれかの温度で加熱することで前記混合粉末を固相拡散結合させることを特徴とする、
    請求項1に記載のチタン合金の製造方法。
  3. 前記固化工程では、前記混合粉末を真空下とし、加熱及び加圧によって前記混合粉末を固相拡散結合させることを特徴とする、
    請求項1または2に記載のチタン合金の製造方法。
  4. 前記溶解工程では、真空アーク再溶解法又はコールドクルーシブル誘導溶解法によって前記固化体を溶解することを特徴とする、
    請求項1~3のいずれか一項に記載のチタン合金の製造方法。
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