JP7041776B1 - 基板処理装置のプロセス判定装置、基板処理システム、基板処理装置のプロセス判定方法、学習モデルの生成方法及びプログラム - Google Patents

基板処理装置のプロセス判定装置、基板処理システム、基板処理装置のプロセス判定方法、学習モデルの生成方法及びプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】プロセスの成否を高い判定精度で判定することが可能な基板処理装置のプロセス判定装置等を提供する。【解決手段】プロセス判定装置20は、プロセスログに基づき作成した入力データに基づき、基板群についてのプロセスの成否を判定する判定部22を備える。判定部は、機械学習を行うことで生成される学習モデル24を具備する。判定部は、基板群のうちの一の基板Wである基準基板についての入力データを教師データの入力として用いて、学習モデルの機械学習を行う。判定部は、基板群のうちの残りの判定対象基板についての入力データを学習モデルに入力した場合の出力と、基準基板についての入力データを学習モデルに入力した場合の出力とを比較することで、基板群についてのプロセスの成否を判定する。【選択図】図1

Description

本発明は、基板処理装置のプロセスの成否やプロセスのばらつきを判定する基板処理装置のプロセス判定装置、これを備えた基板処理システム、基板処理装置のプロセス判定方法、学習モデルの生成方法及びプログラムに関する。特に、本発明は、高い判定精度を得ることが可能な基板処理装置のプロセス判定装置、基板処理システム、基板処理装置のプロセス判定方法、学習モデルの生成方法及びプログラムに関する。
従来、半導体製造装置等の基板処理装置のプロセス(製造プロセス)の成否(正常又は異常)を判定する際、基板処理装置における基板の処理に関わる各種の測定値の履歴であるプロセスログが用いられている。
基板処理装置のプロセスの成否を判定する際には、プロセスログを構成する各パラメータに対する閾(しきい)値を、レシピと称されるプロセスの条件毎に予め設定しておき、判定対象とするプロセス(判定対象プロセス)のプロセスログを構成する各パラメータが、このレシピに応じて設定された閾値を超えるか否かで、このプロセスの成否を判定している。
しかしながら、プロセスログを構成する各パラメータの数やレシピの数は多いため、プロセスの成否を判定するために用いる適切な閾値を決めるのは困難である。適切な閾値を決めることができなければ、自ずとプロセスの成否を判定する精度も低下することになる。
上記の閾値の設定のようなオペレータの手間を軽減しつつ、プロセスログを用いてプロセスの異常度を判定する装置として、例えば、機械学習を利用した特許文献1に記載の装置が提案されている。
ここで、特許文献1に記載のような機械学習を利用した装置を基板処理装置のプロセスの成否の判定に用いる場合、通常、判定対象プロセスのレシピと同一のレシピで処理された基板について得られたプロセスログを教師データとして用いることが考えられる。この場合、少なくとも判定対象プロセスの成否を判定する時点では、教師データを用いた機械学習が終了していなければならない。このため、教師データとして用いるプロセスログが得られた基板(以下、適宜「基準基板」という)と、判定対象プロセスで処理される基板(以下、適宜「判定対象基板」という)とは、通常、別の製造ロット(製造ロットは、同一のレシピで順次処理される複数の基板からなる基板群である)に属すると考えられる。具体的には、基準基板が属する製造ロットの方が、判定対象基板が属する製造ロットよりも、先に処理された製造ロットになると考えられる。
しかしながら、本発明者らの知見によれば、判定対象基板と基準基板とが同一のレシピで処理されるものであったとしても、判定対象基板の属する製造ロットと、基準基板の属する製造ロットとが異なることに起因して、判定精度が低下する場合のあることが分かった。製造ロットが異なることで、教師データを得た時点と、判定対象プロセスを判定する時点とで、例え基板処理装置のプロセスが正常であったとしても、基板処理装置の状態(基板処理装置が具備するチャンバ内の汚れや部品の劣化等)が変化する場合のあることが原因の一つであると考えられる。また、基準基板の属する製造ロットでは、パターニング工程等の前工程に問題が生じていなかったものの、判定基板の属する製造ロットでは前工程に問題が生じていたなど、基板の状態が変化する場合のあることも原因の一つであると考えられる。
特許文献1には、上記のように、判定対象基板の属する製造ロットと、基準基板の属する製造ロットとが異なることに起因した判定精度の低下を解決する手段について、何ら提案されていない。
また、特許文献1には、同一の製造ロットに属する基板群についてのプロセスのばらつきを判定する手段について、何ら提案されていない。
特開2020-47078号公報
本発明は、上記の従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、基板処理装置のプロセスの成否を高い判定精度で判定することが可能な基板処理装置のプロセス判定装置、これを備えた基板処理システム、基板処理装置のプロセス判定方法、学習モデルの生成方法及びプログラムを提供することを課題とする。また、本発明は、基板処理装置のプロセスのばらつきを判定することが可能な基板処理装置のプロセス判定装置を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明は、第1の手段として、基板処理装置によって同一のレシピで複数の基板からなる基板群を順次処理する際の前記基板処理装置のプロセスの成否を判定する装置であって、前記基板処理装置のプロセスログに基づき入力データを作成し、前記入力データに基づき、前記プロセスの成否を判定する判定部を備え、前記判定部は、前記入力データが入力され、前記基板処理装置のプロセスの成否を出力する、学習モデルを具備し、前記判定部は、前記基板群のうち、一の基板を基準基板とし、前記基準基板についてのプロセスであり、そのプロセスの実際の成否は不明である基準プロセスのプロセスログから作成された入力データを教師データの入力として用いて、前記学習モデルの機械学習を行う学習工程と、前記基板群のうち、前記基準基板以外の基板を判定対象基板とし、前記判定対象基板についてのプロセスである判定対象プロセスのプロセスログから作成された入力データを前記学習工程後の学習モデルに入力した場合の出力と、前記基準プロセスのプロセスログから作成された入力データを前記学習工程後の学習モデルに入力した場合の出力とを比較することで、前記基板群についてのプロセスの成否を判定する判定工程と、を実行する、ことを特徴とする基板処理装置のプロセス判定装置を提供する。
本発明に係る第1の手段によれば、基板処理装置のプロセスの成否を判定する判定部が、学習モデルを具備する。この学習モデルは、機械学習を行うことで生成されるため、従来のように、プロセスログを構成する多くのパラメータに対する閾値を定める必要が無く、手間が軽減するという利点が得られる。
本発明に係る第1の手段によれば、判定部は、学習工程において、同一のレシピで順次処理される複数の基板からなる基板群(すなわち、一の製造ロットに含まれる基板全体又は一の製造ロットに含まれる一部の基板に相当)のうち、一の基板を基準基板とし、この基準基板についてのプロセスである基準プロセスのプロセスログから作成された入力データを教師データの入力として用いて、学習モデルの機械学習を行う。基準基板としては、例えば、基板群のうち最初に処理された1枚目の基板が選択される。この基準基板の基準プロセスの実際の成否は、通常、学習工程を実行する時点では不明である。このため、例えば、基準プロセスが正常であると仮定した教師データを用いて、学習モデルの機械学習を行うことになる。具体的には、例えば、基準プロセスのプロセスログから作成された入力データを学習モデルへの入力とし、異常度が0又は0に近い小さな値を学習モデルの出力とする教師データを用いて、学習モデルの機械学習を行う。
そして、本発明に係る第1の手段によれば、判定部は、判定工程において、基板群のうち、基準基板以外の基板(例えば、最初に処理された1枚目の基板以外の基板)を判定対象基板とし、判定対象基板についてのプロセスである判定対象プロセスのプロセスログから作成された入力データを学習工程後の学習モデルに入力した場合の出力(以下、適宜「判定対象プロセスの出力」という)と、基準プロセスのプロセスログから作成された入力データを学習工程後の学習モデルに入力した場合の出力(以下、適宜「基準プロセスの出力」という)とを比較する。前述のように、基準プロセスが正常であると仮定して機械学習を行った場合には、機械学習が適切に行われれば、基準プロセスの出力は、例えば、異常度が0又は0に近い小さな値となる。そして、判定対象プロセスの実際の成否が、基準プロセスの実際の成否と同じである場合には、判定対象プロセスの出力も、基準プロセスの出力と同様に、異常度が0又は0に近い小さな値になると考えられる。このため、判定対象プロセスの出力と基準プロセスの出力とを比較することで、判定対象プロセスの実際の成否が基準プロセスの実際の成否と同じであるか否かを判定可能である。
すなわち、判定対象プロセスの出力と基準プロセスの出力とが同等の値である場合には、判定対象プロセスの実際の成否が基準プロセスの実際の成否と同じであると判定でき、判定対象プロセスの出力と基準プロセスの出力との差が大きい場合には、判定対象プロセスの実際の成否が基準プロセスの実際の成否と異なると判定できる。
より具体的には、例えば、基準プロセスの実際の成否が、仮定したものと同じく正常であり、判定対象プロセスの出力と基準プロセスの出力とが同等の値である場合には、判定対象プロセスの実際の成否は正常であると考えられる。この場合は、判定対象プロセスの出力と基準プロセスの出力とが同等の値であって、判定対象プロセス及び基準プロセスの実際の成否が正常であると考えられるケースである。
また、例えば、基準プロセスの実際の成否が、仮定したものと異なり異常であり、判定対象プロセスの出力と基準プロセスの出力とが同等の値である場合には、判定対象プロセスの実際の成否は異常であると考えられる。この場合は、判定対象プロセスの出力と基準プロセスの出力とが同等の値であって、判定対象プロセス及び基準プロセスの実際の成否が異常であると考えられるケースである。
また、例えば、基準プロセスの実際の成否が、仮定したものと同じく正常であり、判定対象プロセスの出力と基準プロセスの出力との差が大きい場合には、判定対象プロセスの実際の成否は異常であると考えられる。この場合は、判定対象プロセスの出力と基準プロセスの出力との差が大きく、判定対象プロセスの実際の成否が異常であると考えられるケースである。
さらに、例えば、基準プロセスの実際の成否が、仮定したものと異なり異常であり、判定対象プロセスの出力と基準プロセスの出力との差が大きい場合には、判定対象プロセスの実際の成否は異常である場合も考えられるし、正常である場合も考えられる。この場合は、判定対象プロセスの出力と基準プロセスの出力との差が大きく、少なくとも基準プロセスの実際の成否が異常であると考えられるケースである。
したがって、判定対象プロセスの出力と基準プロセスの出力とを比較することで、両者の差が大きくなれば、基準プロセスの実際の成否が不明であっても、判定対象プロセス及び基準プロセスの少なくとも何れか一方は異常であると正しく判定可能である。このため、判定対象プロセスの出力と、基準プロセスの出力とを比較することで、基板群についてのプロセスの成否(基板群を構成する全ての基板のうち、少なくとも何れか1つの基板についてのプロセスに異常が発生したか否か)を判定することが可能である。
本発明に係る第1の手段によれば、判定対象基板と基準基板とが同じ基板群に属するため、従来のように、判定対象基板の属する基板群と基準基板の属する基板群とが異なることに起因した判定精度の低下が生じることなく、基板群についてのプロセスの成否を高い判定精度で判定することが可能である。
なお、判定部は、基板処理装置のプロセスログを用いて、学習モデルに入力する入力データを作成するが、この入力データは、プロセスログを構成する全てのパラメータを用いて作成されたものである必要はなく、一部のパラメータを用いて作成されたものでもよい。例えば、プロセスの成否を判定する上で有用なパラメータを事前に試験して決定しておけばよい。
また、基準基板の選択(基準プロセスの選択)については、例えば、順次処理される複数の基板のうち何番目に処理される基板を基準基板とするかを予め決めておき、その順番を判定部に記憶させておくことで、判定部が自動的に選択するように構成することも可能であるし、例えば、基板群の処理が開始する前に、オペレータが手動で判定部への基準基板の選択指示を行うことも可能である。
好ましくは、本発明に係る第1の手段は、前記基板処理装置のプロセスログを取得するプロセスログ取得部を更に備える。
プロセスログの取得は、本発明に係る第1の手段のプロセス判定装置とは別の装置(例えば、基板処理装置の稼働を制御するために一般的に用いられる制御装置)で行ない、取得したプロセスログを本発明に係る第1の手段のプロセス判定装置の判定部に自動的に又は手動で入力してもよい。
しかしながら、上記の好ましい構成によれば、本発明に係る第1の手段のプロセス判定装置自体がプロセスログ取得部を備えてプロセスログを取得するため、別の装置が取得する場合に比べて、プロセスログの取得に要する時間、ひいては、基板群についてのプロセスの成否の判定に要する時間が短縮されることが期待できる。
本発明に係る第1の手段において、好ましくは、前記判定部は、前記学習工程において、前記基準プロセスが正常であると仮定した教師データを用いて、前記学習モデルの機械学習を行う。
一般に、プロセスが異常となる頻度は少ない。このため、基準プロセスが正常となる可能性の方が、異常となる可能性よりも高いと考えられる。
上記の好ましい構成によれば、より可能性が高いと考えられる基準プロセスが正常であると仮定した教師データを用いて、学習モデルの機械学習を行うため、基準プロセスが異常であると仮定した教師データを用いて機械学習を行う場合に比べて、基板群についてのプロセスの成否の判定精度が高まることが期待できる。また、基準プロセスが仮定通りに実際に正常であった場合には、基板群についてのプロセスの成否(基板群を構成する全ての基板のうち、少なくとも何れか1つの基板についてのプロセスに異常が発生したか否か)を判定できるだけではなく、判定対象基板の判定対象プロセスの個別の成否も精度良く判定できることが期待できる。
本発明に係る第1の手段の判定部は、単一の学習モデルを具備する構成とすることが可能である。
しかしながら、判定精度の信頼性を高める上では、互いに異なる教師データを用いて機械学習を行うことで生成される複数個の学習モデルを具備する構成とし、これら複数個の学習モデルを用いてプロセスの成否を判定することが好ましい。
すなわち、好ましくは、前記判定部は、前記学習モデルを複数個具備し、前記判定部は、前記学習工程において、互いに異なる教師データを用いて、前記複数個の学習モデルの機械学習を行い、前記判定工程において、前記判定対象プロセスのプロセスログから作成された入力データを前記学習工程後の複数個の学習モデルに入力した場合の出力から得られる判定結果と、前記基準プロセスのプロセスログから作成された入力データを前記学習工程後の複数個の学習モデルに入力した場合の出力から得られる判定結果とを比較することで、前記基板群についてのプロセスの成否を判定する。
上記の好ましい構成によれば、判定対象プロセスのプロセスログから作成された入力データを複数個の学習モデルに入力した場合の出力から得られる判定結果(すなわち、複数個の学習モデルのそれぞれから出力される判定対象プロセスの出力に基づく判定結果であり、例えば、各判定対象プロセスの出力の論理和や多数決が考えられる)と、基準プロセスのプロセスログから作成された入力データを複数個の学習モデルに入力した場合の出力から得られる判定結果(すなわち、複数個の学習モデルのそれぞれから出力される基準プロセスの出力に基づく判定結果であり、例えば、各基準プロセスの出力の論理和や多数決が考えられる)とを比較することになる。
したがって、単一の学習モデルから出力される判定対象プロセスの出力と判定対象プロセスの出力とを比較する場合に比べて、判定精度の信頼性を高めることが可能である。
なお、互いに異なる教師データについては、例えば、複数個の学習モデルのうち、一の学習モデルには、プロセスログを構成する一部のパラメータから作成された入力データを入力とする教師データを用い、他の学習モデルには、プロセスログを構成する他の一部のパラメータから作成された入力データを入力とする教師データを用いることが考えられる。
また、前記課題を解決するため、本発明は、基板処理装置と、前記の何れかに記載の第1の手段のプロセス判定装置と、を備えることを特徴とする基板処理システムとしても提供される。
また、前記課題を解決するため、本発明は、第1の手段に関連して、基板処理装置によって同一のレシピで複数の基板からなる基板群を順次処理する際の前記基板処理装置のプロセスの成否を、学習モデルを用いて判定する方法であって、前記基板処理装置のプロセスログを取得するプロセスログ取得工程と、前記基板群のうち、一の基板を基準基板とし、前記基準基板についてのプロセスであり、そのプロセスの実際の成否は不明である基準プロセスのプロセスログから作成された入力データを教師データの入力として用いて、前記学習モデルの機械学習を行う学習工程と、前記基板群のうち、前記基準基板以外の基板を判定対象基板とし、前記判定対象基板についてのプロセスである判定対象プロセスのプロセスログから作成された入力データを前記学習工程後の学習モデルに入力した場合の出力と、前記基準プロセスのプロセスログから作成された入力データを前記学習工程後の学習モデルに入力した場合の出力とを比較することで、前記基板群についてのプロセスの成否を判定する判定工程と、を含む、ことを特徴とする基板処理装置のプロセス判定方法としても提供される。
また、前記課題を解決するため、本発明は、第1の手段に関連して、基板処理装置によって同一のレシピで複数の基板からなる基板群を順次処理する際の前記基板処理装置のプロセスログに基づき作成された入力データが入力され、前記基板処理装置のプロセスの成否を出力する、学習モデルを生成する方法であって、前記基板群のうち、一の基板を基準基板とし、前記基準基板についてのプロセスであり、そのプロセスの実際の成否は不明である基準プロセスのプロセスログから作成された入力データを教師データの入力として用いて機械学習を行うことで、前記学習モデルを生成する、ことを特徴とする学習モデルの生成方法としても提供される。
また、前記課題を解決するため、本発明は、第1の手段に関連して、前記基板処理装置のプロセス判定方法が含む前記プロセスログ取得工程、前記学習工程及び前記判定工程をコンピュータ(CPU)に実行させるためのプログラムとしても提供される。また、前記課題を解決するため、本発明は、第1の手段に関連して、前記学習モデルの生成方法をコンピュータ(CPU)に実行させるためのプログラムとしても提供される。
なお、上記のプラグラムを記憶させた、コンピュータ(CPU)で読み取り可能な記憶媒体として提供することも可能である。
さらに、前記課題を解決するため、本発明は、第2の手段として、基板処理装置によって同一のレシピで複数の基板からなる基板群を順次処理する際の前記基板処理装置のプロセスのばらつきを判定する装置であって、前記基板処理装置のプロセスログに基づき入力データを作成し、前記入力データに基づき、前記基板群についてのプロセスのばらつきを判定する判定部を備え、前記判定部は、前記入力データが入力され、所定の基準からの乖離度を出力する、学習モデルを具備し、前記判定部は、前記基板群のうち、一の基板を基準基板とし、前記基準基板についてのプロセスであり、そのプロセスの実際の成否は不明である基準プロセスのプロセスログから作成された入力データを教師データの入力として用いて、前記学習モデルの機械学習を行う学習工程と、前記基板群のうち、前記基準基板以外の基板を判定対象基板とし、前記判定対象基板についてのプロセスである判定対象プロセスのプロセスログから作成された入力データを前記学習工程後の学習モデルに入力した場合の出力に基づき、前記基板群についてのプロセスのばらつきを判定する判定工程と、を実行する、ことを特徴とする基板処理装置のプロセス判定装置としても提供される。。
本発明に係る第2の手段によっても、基板処理装置のプロセスのばらつきを判定する判定部が学習モデルを具備し、この学習モデルが機械学習を行うことで生成されるため、手間が軽減するという利点が得られる。
また、本発明に係る第2の手段によっても、学習工程において、基準基板として、例えば、基板群のうち最初に処理された1枚目の基板が選択され、この基準基板の基準プロセスのプロセスログから作成された入力データを教師データの入力として用いて、学習モデルの機械学習を行う。具体的には、例えば、基準プロセスのプロセスログから作成された入力データを学習モデルへの入力とし、出力を0又は0に近い小さな値とする(すなわち、基準プロセスについての学習モデルの出力を所定の基準として、この基準からの乖離度を0又は0に近い小さな値とする)教師データを用いて、学習モデルの機械学習を行う。
これにより、判定工程において、判定対象基板の判定対象プロセスのプロセスログから作成された入力データを学習工程後の学習モデルに入力した場合の出力(乖離度)は、判定対象プロセスが基準プロセスと同等の状態である場合(例えば、基準プロセスが正常であり、判定対象プロセスも正常である場合)には、同等の値(例えば、0)となる。すなわち、ばらつきが無い又は小さいと判定できる。一方、判定対象プロセスが基準プロセスと異なる状態である場合(例えば、基準プロセスが正常であり、判定対象プロセスが異常である場合)には、異なる値(例えば、1)となる。すなわち、ばらつきが大きいと判定できる。したがって、判定部は、判定対象プロセスのプロセスログから作成された入力データを学習工程後の学習モデルに入力した場合の出力(乖離度)に基づき(出力の大小に基づき)、基板群についてのプロセスのばらつきを判定することが可能である。
なお、本発明に係る第2の手段についても、第1の手段と同様に、第2の手段に関連した、基板処理システム、基板処理装置のプロセス判定方法、学習モデルの生成方法及びプログラム(又はプログラムを記憶させたコンピュータで読み取り可能な記憶媒体)としても提供される。
以上に述べた本発明に係る第1及び第2の手段は、判定部が機械学習によって生成される学習モデルを具備する構成であるが、判定部が統計的手法を用いて判定する等、機械学習によって生成される学習モデルを具備しない構成を採用することも可能である。
すなわち、前記課題を解決するため、本発明は、第3の手段として、基板処理装置によって同一のレシピで複数の基板からなる基板群を順次処理する際の前記基板処理装置のプロセスの成否を判定する装置であって、前記基板処理装置のプロセスログに基づき判定用データを作成し、前記判定用データに基づき、前記プロセスの成否を判定する判定部を備え、前記判定部は、前記基板群のうち、一の基板を基準基板とし、前記基準基板についてのプロセスであり、そのプロセスの実際の成否は不明である基準プロセスのプロセスログから作成された判定用データを基準データとし、前記基板群のうち、前記基準基板以外の基板を判定対象基板とし、前記判定対象基板についてのプロセスである判定対象プロセスのプロセスログから作成された判定用データを判定対象データとして、前記判定対象データと前記基準データとを比較することで、前記基板群についてのプロセスの成否を判定する、ことを特徴とする基板処理装置のプロセス判定装置としても提供される。
本発明に係る第3の手段によれば、判定部が、判定対象基板についてのプロセスである判定対象プロセスのプロセスログから作成された判定用データ(判定対象データ)と、基準基板についてのプロセスである基準プロセスのプロセスログから作成された判定用データ(基準データ)とを比較することで、両者の差が大きくなれば、判定対象プロセス及び基準プロセスの少なくとも何れか一方は異常であると判定可能である。このため、判定対象プロセスの判定対象データと、基準プロセスの基準データとを比較することで、基板群についてのプロセスの成否(基板群を構成する全ての基板のうち、少なくとも何れか1つの基板についてのプロセスに異常が発生したか否か)を判定することが可能である。
なお、判定対象データと基準データとの比較としては、例えば、判定対象データの平均値と基準データの平均値とを比較したり、判定対象データの分散と基準データの分散とを比較する等、各判定用データの統計値を比較することが考えられる。
本発明によれば、基板処理装置のプロセスの成否(同一のレシピで順次処理される複数の基板からなる基板群についてのプロセスの成否)を高い判定精度で判定することが可能である。また、基板処理装置のプロセスのばらつき(同一のレシピで順次処理される複数の基板からなる基板群についてのプロセスのばらつき)を判定することが可能である。
本発明の第1実施形態に係る基板処理システムの概略構成を模式的に示す図である。 測定されるパラメータであるVpp及びVDCを説明する説明図である。 図1に示す正規化部23の動作を説明する説明図である。 図1に示す判定部22が実行する学習工程を概略的に示すフロー図である。 図1に示す判定部22が実行する判定工程を概略的に示すフロー図である。 本発明の第2実施形態に係る基板処理システムが備えるプロセス判定装置の概略構成を示すブロック図である。 本発明の第3実施形態に係る基板処理システムが備えるプロセス判定装置の概略構成を示すブロック図である。 本発明の第4実施形態に係る基板処理システムが備えるプロセス判定装置の概略構成及び判定工程を示す図である。 本発明の第5実施形態に係る基板処理システムが備えるプロセス判定装置の概略構成を示すブロック図である。 本発明の第4実施形態に係る基板処理システムを用いた試験の内容及び結果を説明する説明図である。
以下、添付図面を参照しつつ、本発明の実施形態に係るプロセス判定装置及びこれを備えた基板処理システムについて説明する。本実施形態(第1実施形態~第5実施形態)では、基板処理装置がプラズマ処理装置である場合を例に挙げて説明する。
最初に、本明細書で用いる語句の意味について説明する。
本明細書において、同一のレシピで順次処理される「複数の基板からなる基板群」とは、必ずしも一の製造ロットに含まれる基板全体を意味することに限られず、一の製造ロットに含まれる一部の基板も含む概念である。例えば、一の製造ロットが25枚の基板から構成されている場合に、1枚目の基板から5枚目までの基板を除いた残り20枚の基板を、本発明によってプロセスの成否を判定する基板群とすることも可能である。
本明細書において、「基板処理装置のプロセス」とは、基板処理装置の製造プロセス(基板処理装置における基板の製造プロセス)を意味する。そして、「基板処理装置のプロセスの成否を判定する」とは、基板処理装置の製造プロセスが正常であるか異常であるかを判定することを意味する。基板処理装置の製造プロセスとは、基板処理装置内で、基板を処理する間及び処理の前後に行われるプロセスを意味する。第1~第3及び第5実施形態に係るプロセス判定装置は、基板処理装置のプロセスの成否を判定するため、その判定結果が、基板処理装置で処理した後の基板の性能向上や良品率向上などに直接寄与し得る。
また、本明細書において、「基板処理装置のプロセスログ」とは、基板処理装置における基板の処理に関わる各種の測定値の履歴や、処理の経過時間(プロセス時間)を意味し、基板処理装置の稼働時に逐次得られるものが一般的である。ただし、プロセスログには、処理後の基板の検査(基板処理装置外に搬出された基板の検査)に関わる測定値が含まれてもよい。基板の処理の良否に応じて基板の検査結果も変わり得るため、処理後の基板の検査に関わる測定値も、基板処理装置における基板の処理に関わる測定値といえるからである。
また、本明細書において、「学習モデル」としては、サポートベクタマシンやニューラルネットワークや、マハラノビス距離を用いた分類器など、機械学習を用いて生成できる限りにおいて種々の構成を採用可能である。
また、本明細書において、「教師データ」とは、学習モデルへの既知の入出力の組み合わせを意味する。
さらに、本明細書において、「基板群についてのプロセスの成否を判定する」とは、基板群を構成する全ての基板のうち、少なくとも何れか1つの基板についての製造プロセスに異常が発生したか否かを判定することを意味する。
<第1実施形態>
第1実施形態は、本発明の第1の手段に相当する構成である。
図1は、第1実施形態に係る基板処理システムの概略構成を模式的に示す図である。図1(a)は、基板処理システムの全体構成図である。図1(b)は、プロセス判定装置の概略構成を示すブロック図である。図1(c)は、プロセス判定装置を構成するコンピュータのモニタ画面の表示例を模式的に示す図である。なお、図1(a)では、プロセスログとして測定されるパラメータを破線の矩形で囲って図示している。図2は、測定されるパラメータであるVpp及びVDCを説明する説明図である。
図1(a)に示すように、第1実施形態に係る基板処理システム100は、基板処理装置10と、プロセス判定装置20と、を備えている。
第1実施形態の基板処理装置10は、チャンバ1と、チャンバ1内に配置された載置台2と、を具備し、載置台2に載置された基板Wにプラズマ処理を施す装置である。より具体的には、第1実施形態の基板処理装置10は、基板Wにプラズマ処理としてのエッチングを施す誘導結合プラズマ(ICP)方式のプラズマエッチング装置である。
基板処理装置10のチャンバ1内には、ガス供給源(図示せず)からプラズマを生成するための処理ガスが供給される。図1(a)では、ガスNo.1~ガスNo.6までの6種類の処理ガスを供給可能とした構成が図示されている。しかしながら、エッチング処理を実行する際、6種類の処理ガスの全てを使用する場合に限るものではなく、何れか1種類以上の処理ガスを用いてエッチングを行うことが可能である。なお、供給する各処理ガスの流量は、ガス供給源からチャンバ1までの流路に設けられたマスフローコントローラ(Mass Flow Controller、MFC)11によって測定される。また、チャンバ1には、チャンバ1の壁面を加熱するヒータ(図示せず)が適宜の箇所に設けられており、各箇所のヒータの温度(図1(a)に示す温度No.1-1~No.1-4)が、熱電対等の公知の測定器(図示せず)によって測定される。さらに、チャンバ1内の圧力が、真空計12によって測定される。
基板処理装置10は、チャンバ1を囲うようにチャンバ1に配置されたコイル3を具備する(図1(a)では、便宜上、左側に位置するコイル3の断面のみを図示している)。コイル3には、上部高周波電源4から上部マッチングユニット5を介して高周波電力(上部高周波電力)が印加される。コイル3に上部高周波電力を印加することで、チャンバ1内に供給された処理ガスがプラズマ化される。なお、上部高周波電源4が印加する上部高周波電力と、上部マッチングユニット5の整合位置(上部マッチングユニット5が具備する可変コンデンサや可変コイルなどの定数)とが、それぞれ公知の測定器(図示せず)によって測定される。
載置台2には、下部高周波電源6から下部マッチングユニット7を介して高周波電力(下部高周波電力)が印加される。載置台2に下部高周波電力を印加することで、載置台2とチャンバ1内のプラズマとの間にバイアス電位を与え、プラズマ中のイオンを加速して載置台2に載置された基板Wに引き込む。これにより、基板Wにエッチングが施される。なお、下部高周波電源6が印加する下部高周波電力と、下部マッチングユニット7の整合位置(下部マッチングユニット7が具備する可変コンデンサや可変コイルなどの定数)とが、それぞれ公知の測定器(図示せず)によって測定される。
また、載置台2に印加される高周波電力の電圧が、電圧計18によって測定される。そして、図2に示すように、その電圧の大きさ(peak to peak)がVppとして測定され、載置台2がプラズマ中の電子を引き込むことで載置台2に生じる帯電が生み出す電圧成分(直流成分)の大きさがVDCとして測定される。
プラズマ処理の実行中、載置台2は、チラー8によって冷却される。チラー8の温度が、熱電対等の公知の測定器(図示せず)によって測定される。また、プラズマ処理の実行中、基板Wの裏面にHeガスが供給され、このHeガスによって基板Wが冷却される。この際、供給するHeガスの圧力・流量が、Heガス供給源(図示せず)から基板Wの裏面(載置台2の上面)までの流路に設けられた圧力・流量計9によって測定される。
プラズマ処理を実行することでチャンバ1内に生成された反応生成物等は、チャンバ1内に連通する排気管17を通じてチャンバ1外に排気される。排気管17には、バルブ開度を調整することにより、チャンバ1内の圧力を制御する自動圧力制御装置(Auto Pressure Controller,APC)13、反応生成物を排気するための第1ポンプ(ターボ分子ポンプ)14、及び、第1ポンプ14を補助する第2ポンプ(ドライポンプやロータリーポンプなど)15が設けられている。なお、自動圧力制御装置13の温度(図1(a)に示す温度No.1-5)と、第1ポンプ14の温度(図1(a)に示す温度No.1-6)とが、熱電対等の公知の測定器(図示せず)によって測定される。また、排気管17には、排気管17を加熱するヒータ(図示せず)が適宜の箇所(例えば、第1ポンプ14と第2ポンプ15との間)に設けられており、各箇所のヒータの温度(図1(a)に示す温度No.1-7、No.1-8)が、熱電対等の公知の測定器(図示せず)によって測定される。また、自動圧力制御装置13のバルブ開度(APC開度)が、エンコーダ等の公知の測定器(図示せず)によって測定される。さらに、第1ポンプ14と第2ポンプ15との間に位置する排気管17内の圧力(フォアライン圧力)が、真空計16によって測定される。
第1実施形態のプロセス判定装置20は、上記の構成を有する基板処理装置10に電気的に接続されており、基板処理装置10のプロセスの成否を判定する装置である。
具体的には、プロセス判定装置20は、同一のレシピで順次処理される複数の基板Wからなる基板群についてのプロセスの成否を判定する装置である。
図1(b)に示すように、プロセス判定装置20は、プロセスログ取得部21と、判定部22と、を備え、例えば、コンピュータから構成されている。
プロセス判定装置20が、基板処理装置10の稼働を制御するために一般的に用いられる制御装置としての機能も有する場合(制御装置がプロセス判定装置20としても兼用される場合)、プロセスログ取得部21は、図1(a)を参照して前述した各測定値を測定する測定器(例えば、マスフローコントローラ11)と有線又は無線で電気的に接続されており(図1(a)では、便宜上、圧力・流量計9、マスフローコントローラ11及び真空計12だけに有線で接続されている状態を図示している)、各測定器から逐次入力された測定データを所定のサンプリング周期(例えば、1秒)で取得(A/D変換)し、プロセスログとして記憶する機能を有する。
プロセスログ取得部21は、例えば、コンピュータに搭載されたA/D変換ボードや、コンピュータが具備するROM、RAM等のメモリや、該メモリに記憶され、プロセスログ取得部21としての動作をCPUに実行させるプログラムによって構成される。後述の判定部22、正規化部23、学習モデル24、比較部25、論理和演算部26及び多数決決定部27も同様に、コンピュータが具備するROM、RAM等のメモリや、該メモリに記憶され、各部としての動作をCPUに実行させるプログラムによって構成される。
動作をCPUに実行させるプログラムは、プロセス判定装置20が備える記憶媒体であるハードディスク29に記憶され、ハードディスク29からRAMに読み込む態様であってもよい。また、ハードディスク29がプロセスログ取得部21の一部を構成し、プロセスログをハードディスク29に記憶させる態様であってもよい。図1(a)では、ハードディスク29が外付けである場合を図示しているが、コンピュータに内蔵されたハードディスクでもよい。以上のようにして取得されたプロセスログは、判定部22に入力される。
なお、プロセス判定装置20が上記の制御装置と別体である場合には、測定器と電気的に接続された制御装置によってプロセスログが取得され、制御装置に記憶される。そして、制御装置に記憶されたプロセスログが、制御装置と電気的に接続されたプロセス判定装置20のプロセスログ取得部21に送信されることになる。
判定部22は、プロセスログ取得部21によって逐次(例えば、1秒毎に)取得したプロセスログから入力データを作成し、この入力データに基づき、基板処理装置10のプロセスの成否を判定する部分である。
判定部22は、プロセスログから入力データを作成するが、入力データは、プロセスログを構成する全てのパラメータを用いて作成されたものである必要はなく、一部のパラメータを用いて作成されたものでもよい。第1実施形態の判定部22は、プロセスログを構成するパラメータのうち、Vpp及びVDCの計2個のパラメータの測定値を用いて、入力データを作成する。
判定部22は、正規化部23、学習モデル24及び比較部25を具備する。
図3は、正規化部23の動作を説明する説明図である。
図3の左図は、プロセスログ取得部21によって取得したプロセスログを模式的に示す図である。図3に示すパラメータ1~Nは、例えば、パラメータ1が図1(a)に示す電圧計18で測定したVppであり、パラメータNが図1(a)に示す電圧計18で測定したVDCである等、プロセスログの種類を意味する。図3の左図に示すXij(i=1~N、j=1~M)は、パラメータiについてプロセス時間(エッチング開始からの経過時間)がj[sec]のときに取得されたプロセスログの値を意味する。例えば、X11は、パラメータ1についてプロセス時間が1[sec]のときに取得されたプロセスログの値であり、XNMは、パラメータNについてプロセス時間がM[sec]のときに取得されたプロセスログの値である。
正規化部23は、プロセスログの種類毎(パラメータi毎)に、全プロセス時間(1~M[sec])でのプロセスログの最大値MAX、最小値MINを予め算出する。例えば、パラメータ1についての最大値はMAX、最小値はMINであり、パラメータNについての最大値はMAX、最小値はMINである。なお、これらの最大値MAX及び最小値MINは、1つの基板Wをエッチングする際に取得されたプロセスログ毎に算出するのではなく、例えば、後述の基準プロセスのプロセスログを用いて予め算出しておき、この算出した最大値MAX及び最小値MINを後述の判定対象プロセスのプロセスログの最大値MAX及び最小値MINとしても用いることが好ましい。算出したプロセスログの種類毎(パラメータi毎)の最大値MAX及び最小値MINは、正規化部23に記憶される。
そして、正規化部23は、プロセスログ取得部21によって逐次取得したプロセスログXijに対して、プロセスログの種類毎(パラメータi毎)に最大値が1となり最小値が0となり得る正規化を行う。
具体的には、以下の式(1)に基づき、図3の右図に示すように、正規化後のプロセスログYijを算出する。
ij=(Xij-MIN)/(MAX-MIN) ・・・(1)
上記の式(1)において、i=1~Nであり、j=1~Mである。
上記の式(1)から、Xij=MAXのとき、Yij=1となり、Xij=MINのとき、Yij=0となるように正規化されることは明らかである。
プロセスログXijの値は、電圧、圧力、温度、流量など、プロセスログXijの種類に応じて大きく異なる。また、どのような単位で表すかによっても異なる値となる。このため、プロセスの成否を判定するに際し、各種類のプロセスログXijの値をそのまま用いると、判定精度に影響を及ぼす可能性がある。これを避けるには、上記のように正規化して、正規化後の各種類のプロセスログYijの値が何れも一定の範囲内で変動するようにすることが好ましい。
第1実施形態の判定部22は、プロセスログ取得部21で取得した全てのプロセスログXijを正規化部23でYijに正規化した後、計2個のパラメータであるVpp及びVDCに関するYijを用いて、学習モデル24への入力データを作成し、基板群についてのプロセスの成否を判定する。具体的には、判定部22は、学習工程と、判定工程と、を実行する。
図4は、判定部22が実行する学習工程を概略的に示すフロー図である。図5は、判定部22が実行する判定工程を概略的に示すフロー図である。なお、図4及び図5では、基板処理装置10及びプロセスログ取得部21の動作も含めて図示しており、図4及び図5の破線で囲った領域が判定部22の動作である。
以下、判定部22が実行する各工程について説明する。
<学習工程S1>
図4に示すように、学習工程S1を実行する前には、基板群のうち、一の基板Wを基準基板として選択し、この基準基板についてのプロセスである基準プロセスを開始する。
基準基板の選択は、判定部22が自動的に行うように構成してもよいし、オペレータが手動で判定部22への選択指示を行ってもよい。
第1実施形態では、プロセス判定装置20を構成するコンピュータのモニタ画面に、選択された基準基板が表示されるように構成されている。具体的には、オペレータが手動で判定部22への選択指示を行う場合には、例えば、図1(c)に示すように、基板群を構成する全ての基板Wの選択ボタン20bがそれぞれモニタ画面に表示される。図1(c)に示す例では、基板群が8枚の基板Wから構成されており、「基板1枚目」~「基板8枚目」の各表示欄20a内に選択ボタン20bが表示されている。そして、キーボードやマウスを使って何れかの選択ボタン20bを選んだり、モニタがタッチパネル式の場合には指で何れかの選択ボタン20bを選ぶことで、基準基板として選択された基板Wが他の基板Wと識別可能に表示される態様を採用可能である。例えば、図1(c)に示す例では、選択された「基板1枚目」の表示欄20aがモニタ画面に点灯表示されている。点灯表示に限らず、点滅表示やカラー表示など、選択された基板Wを識別可能な限り、種々の態様を採用可能である。
また、判定部22が基準基板の選択を自動的に行う場合には、例えば、順次処理される複数の基板Wのうち何番目に処理される基板Wを基準基板とするかを予め決めておき、その順番を判定部22に記憶させておく態様が考えられる。この場合も、例えば、図1(c)に示す例と同様に(ただし、この場合は、選択ボタン20bは不要)、全ての表示欄20aのうち、基準基板として選択された基板Wの表示欄20aをモニタ画面に点灯表示等することによって、他の基板Wと識別可能にする態様を採用可能である。或いは、選択された基板Wの表示欄20aのみをモニタ画面に表示(選択されていない基板Wの表示欄20aは非表示)することも可能である。
上記のように、選択された基準基板が表示される構成にすることで、例えば、判定結果を解析するとき(例えば、判定精度が低下した原因を調査するとき)等に有効である。特に、判定部22が基準基板の選択を自動的に行う場合には、選択された基準基板が表示されないと、どの基準プロセスのプロセスログから作成された入力データを教師データとして用いて学習モデル24の機械学習を行ったかが一見しただけでは分からないブラックボックスの状態になるため、上記のように表示される構成にすることが有効である。
また、判定結果を解析する上で、選択された基準基板と、これに対応する基準プロセスのプロセスログや判定結果とを紐付けて、例えば、ハードディスク29に記憶させることも有効である。
以上のようにして、基準基板を選択し、基準プロセスを開始することで、プロセスログ取得部21が逐次基準プロセスのプロセスログを取得する。そして、基準プロセス終了後に、判定部22が学習工程S1を実行する。
学習工程S1では、判定部22が、基準プロセスのプロセスログから学習モデル24への入力データ(以下、適宜「基準プロセス用入力データ」という)を作成する。そして、判定部22において、基準プロセス用入力データを教師データの入力として用いた機械学習を行うことで、学習モデル24を生成する。第1実施形態では、単一の学習モデル24を生成する。学習モデル24は、入力データが入力された場合に、基板処理装置10のプロセスの成否を出力する構成である。第1実施形態では、プロセスの異常の程度を表す異常度(0~1の値であり、完全に正常である場合には0、完全に異常である場合には1である)が学習モデル24から出力される構成になっている。
第1実施形態の学習モデル24としては、サポートベクタマシンの一種である、1classSVMが用いられている。1classSVMの構成は公知の内容と同様であるため、その詳細な説明は省略する。
基板処理装置10のプロセスの実際の成否は、例えば、プロセス終了後に、基板Wに施されたエッチングの深さを測定し、この測定した深さが所望する範囲内にあった場合を正常とし、範囲外であった場合を異常とすることで判断される。このため、基準基板の基準プロセスの実際の成否は、通常、学習工程S1を実行する時点では不明である。
このため、第1実施形態では、学習工程S1において、基準プロセスが正常であると仮定した教師データを用いて、学習モデル24の機械学習を行う。具体的には、判定部22が、教師データとして、基準プロセスの開始から終了(基準基板のエッチングの開始から終了)までの間の適宜の時間帯に逐次得られた(例えば、1秒毎に得られた)正規化後のプロセスログから作成された基準プロセス用入力データを入力とし、異常度が0又は0に近い小さな値を出力としたデータを生成し、判定部22において、この教師データを用いた学習モデル24の機械学習を行うことで、学習モデル24(機械学習後の学習モデル)を生成する。
上記の機械学習により、概念的には、例えば、後述の図10(b)に示すものと同様に、横軸をVppとし、縦軸をVDCとする座標空間が学習モデル24に生成され、図10(b)に破線で示すように、第1実施形態では、正常であると考えられる領域(正常領域)がこの座標空間に描かれることになる。図10(b)に示す座標空間や破線は、学習モデル24の機械学習後の状態を概念的に表したものであるものの、このような図をプロセス判定装置20を構成するコンピュータのモニタ画面に実際に表示させる構成を採用すれば、学習結果や判定結果を解析するとき等に有効である。
<判定工程S2>
図5に示すように、判定工程S2を実行する前には、基板群のうち、基準基板以外の基板Wを判定対象基板とし、この判定対象基板についてのプロセスである判定対象プロセスを開始する。
判定対象プロセスを開始することで、プロセスログ取得部21が逐次判定対象プロセスのプロセスログを取得する。そして、判定対象プロセス終了後に、判定部22が判定工程S2を実行する。
判定工程S2では、判定部22が、判定対象プロセスのプロセスログから学習モデル24への入力データ(以下、適宜「判定対象プロセス用入力データ」という)を作成する。具体的には、判定部22が、学習工程S1と同様に、判定対象プロセスの開始から終了(判定対象基板のエッチングの開始から終了)までの間の適宜の時間帯に逐次得られた(例えば、1秒毎に得られた)正規化後のプロセスログから判定対象プロセス用入力データを作成する。
そして、判定部22は、作成した判定対象プロセス用入力データを学習工程S1後の学習モデル24に入力する。これにより、概念的に、学習モデル24において、判定対象プロセス用入力データを構成するVpp及びVDCが、学習工程S1で生成された座標空間にプロットされる。学習モデル24は、プロットされた各点が座標空間に描かれた正常領域内にあるか否かを判定する。そして、学習モデル24は、全ての点の個数に対する正常領域外にある点の個数の割合を異常度として算出し、比較部25に出力する。
同様に、判定部22は、基準プロセス用入力データを学習工程S1後の学習モデル24に入力する。これにより、概念的に、学習モデル24において、基準プロセス用入力データを構成するVpp及びVDCが、学習工程S1で生成された座標空間にプロットされる。学習モデル24は、プロットされた各点が座標空間に描かれた正常領域内にあるか否かを判定する。そして、学習モデル24は、全ての点の個数に対する正常領域外にある点の個数の割合を異常度として算出し、比較部25に出力する。
次に、判定工程S2では、比較部25が、判定対象プロセス用入力データを学習モデル24に入力した場合の出力(異常度)と、基準プロセス用入力データを学習モデル24に入力した場合の出力(異常度)とを比較する。そして、比較部25は、互いの出力が同等であるか否かを判定する。
具体的には、第1実施形態では、比較部25に予め閾値Th(例えば、Th=0.5)が設定されている。そして、比較部25は、判定対象プロセス用入力データを学習モデル24に入力した場合に出力される異常度が閾値Th未満であれば、判定対象プロセスは正常であると判定し、異常度が閾値Th以上であれば、判定対象プロセスは異常であると判定する。同様に、比較部25は、基準プロセス用入力データを学習モデル24に入力した場合に出力される異常度が閾値Th未満であれば、基準プロセスは正常であると判定し、異常度が閾値Th以上であれば、基準プロセスは異常であると判定する。なお、前述のように、第1実施形態では、基準プロセスが正常であると仮定した教師データを用いて、学習モデル24の機械学習を行うため、機械学習が適切に行われれば、基準プロセス用入力データを学習モデル24に入力した場合に出力される異常度は閾値Th未満となり、基準プロセスは正常であると判定される。
比較部25は、判定対象プロセス用入力データを学習モデル24に入力した場合に出力される異常度及び基準プロセス用入力データを学習モデル24に入力した場合に出力される異常度の双方が閾値Th未満であれば(すなわち、判定対象プロセス及び基準プロセスの双方が正常であれば)、互いの出力が同等であると判定し、未だ判定していない次の基板Wがある場合には、その次の基板Wを判定対象基板とし、前述の動作を繰り返し実行する。そして、基板群を構成する全ての判定対象基板について、判定対象プロセス用入力データを学習モデル24に入力した場合に出力される異常度と、基準プロセス用入力データを学習モデル24に入力した場合に出力される異常度とが同等である場合には、基板群についてのプロセスが正常である(基板群を構成する全ての基板Wのプロセスが正常である)と判定する。そして、比較部25は、最終的な判定結果が正常であるとして、出力値=0を出力し、判定工程S2を終了する。
一方、比較部25は、何れかの判定対象プロセス用入力データを学習モデル24に入力した場合に出力される異常度が閾値Th以上であり、基準プロセス用入力データを学習モデル24に入力した場合に出力される異常度が閾値Th未満であれば(すなわち、判定対象プロセスが異常で、基準プロセスが正常であれば)、互いの出力が同等ではないと判定し、基板群についてのプロセスに異常があった(基板群を構成する全ての基板Wのうち、少なくとも何れか1つの基板Wについてのプロセスに異常が発生した)と判定する。そして、比較部25は、最終的な判定結果が異常であるとして、出力値=1を出力し、判定工程S2を終了する。
なお、第1実施形態では、何れかの判定対象プロセス用入力データを学習モデル24に入力した場合に出力される異常度が閾値Th以上であれば、未だ判定していない次の基板Wがあったとしても、その時点で判定工程S2を終了するが、本発明はこれに限るものではなく、全ての判定対象プロセス用入力データについて判定工程S2を実行することも可能である。全ての判定対象プロセス用入力データについて判定工程S2を実行する態様を採用すれば、基準プロセスが仮定通りに実際に正常であった場合には、基板群についてのプロセスの成否を判定できるだけではなく、判定対象基板の判定対象プロセスの個別の成否も精度良く判定できることが期待できる。
例えば、プロセス判定装置20を構成するコンピュータのモニタ画面に、最終的な判定結果が正常であれば、「正常に処理終了しました」、異常であれば、「異常終了しました。処理基板に異常がないか確認して下さい」というような判定結果を表示させたり、異常と判定した場合に警告音を出力する等の態様を採用可能である。判定部22による判定に要する時間は数秒以下であるため、これらの表示や警告音の出力は、異常と判定した場合には一の基板Wの判定対象プロセスの終了毎に行ってもよいし、同一のレシピで順次処理される複数の基板Wからなる基板群の処理の終了毎に行ってもよい。異常と判定した場合の表示や警告音の出力を一の判定対象プロセスの終了毎に行う場合、オペレータがこれを確認して、次の基板Wを処理しない運用が可能である。また、表示や警告音の出力を基板群の処理の終了毎に行う場合、オペレータがこれを確認して、最終的な判定結果が異常であれば、次の基板群の基板Wを処理しない運用が可能である。
以上に説明した第1実施形態に係る基板処理システム100(プロセス判定装置20)によれば、基板処理装置10のプロセスの成否を判定する判定部22が、機械学習を行うことで生成される学習モデル24を具備するため、従来のように、プロセスログを構成する多くのパラメータに対する閾値を定める必要が無く、手間が軽減するという利点が得られる。
そして、判定部22の比較部25が、判定対象プロセスの出力と基準プロセスの出力とを比較することで、両者の差が大きくなれば、基準プロセスの実際の成否が不明であっても、判定対象プロセス及び基準プロセスの少なくとも何れか一方は異常であると正しく判定可能である。このため、判定対象プロセスの出力と、基準プロセスの出力とを比較することで、基板群についてのプロセスの成否(基板群を構成する全ての基板Wのうち、少なくとも何れか1つの基板Wについてのプロセスに異常が発生したか否か)を判定することが可能である。判定対象基板と基準基板とが同じ基板群に属するため、従来のように、判定対象基板の属する基板群と基準基板の属する基板群とが異なることに起因した判定精度の低下が生じることなく、基板群についてのプロセスの成否を高い判定精度で判定することが可能である。
<第2実施形態>
第2実施形態も、本発明の第1の手段に相当する構成である。
第2実施形態に係る基板処理システムは、プロセス判定装置が具備する判定部の構成のみが第1実施形態と異なり、その他の構成は第1実施形態と同様である。
したがって、以下の説明では、第2実施形態に係る基板処理システムが備えるプロセス判定装置について、第1実施形態と異なる点を説明し、同様の構成については同じ符号を付して説明を省略する。
図6は、第2実施形態に係る基板処理システムが備えるプロセス判定装置の概略構成を示すブロック図である。
図6に示すように、第2実施形態のプロセス判定装置20Aの判定部22Aは、学習モデル24として、複数個の学習モデルを具備する。図6に示す例では、判定部22Aは、3個の学習モデル24(学習モデル24a、学習モデル24b、学習モデル24c)を具備する。すなわち、第1実施形態では、生成される学習モデル24が単一の学習モデルであったのに対し、第2実施形態では、複数個の学習モデル24が生成されている(図4に示す学習工程S1において、「複数個の学習モデル24の生成」のケースに相当)。各学習モデル24は、学習工程S1において、互いに異なる教師データを用いた機械学習によって生成されたものである。互いに異なる教師データについては、例えば、複数個の学習モデル24のうち、一の学習モデル24には、プロセスログを構成する一部のパラメータから作成された基準プロセス用入力データを入力とする教師データを用い、他の学習モデル24には、プロセスログを構成する他の一部のパラメータから作成された基準プロセス用入力データを入力とする教師データを用いることが考えられる。
なお、図6に示す例では、判定部22Aは、3個の学習モデル24を具備するが、これに限るものではなく、2個又は4個以上の学習モデル24を具備することも可能である。
また、判定部22Aは、論理和演算部26を具備する。
第2実施形態では、判定工程S2において、判定部22Aが、複数個の学習モデル24を用いて基板群についてのプロセスの成否を判定する。図6に示す例では、学習モデル24a、学習モデル24b及び学習モデル24cのそれぞれに、判定対象プロセス用入力データを入力して、基板群についてのプロセスの成否を判定する。各学習モデル24に入力する判定対象プロセス用入力データは、各学習モデル24の機械学習に用いた基準プロセス用入力データと同じパラメータを用いて作成される。
図6に示す学習モデル24a~学習モデル24cのそれぞれからは、第1実施形態の第1学習モデル24と異なり、算出した異常度を所定の閾値と比較した結果を論理和演算部26に対して出力する。すなわち、算出した異常度が閾値未満であれば、正常であることを示す出力値=0を出力し、閾値以上であれば、異常であることを示す出力値=1を出力するように構成されている。
図6に示す例では、論理和演算部26は、判定対象プロセス用入力データを学習モデル24a~学習モデル24cのそれぞれに入力した場合の出力値の論理和を演算して、判定対象プロセス用入力データの判定結果とし、比較部25に出力する。また、論理和演算部26は、基準プロセス用入力データを学習モデル24a~学習モデル24cのそれぞれに入力した場合の出力値の論理和を演算して、基準プロセス用入力データの判定結果とし、比較部25に出力する。
比較部25は、第1実施形態と同様に、論理和演算部26から出力された判定対象プロセス用入力データの判定結果と、論理和演算部26から出力された基準プロセス用入力データの判定結果とを比較する。そして、比較部25は、第1実施形態と同様に、互いの判定結果が同等(同一)であるか否かを判定する。比較部25は、基板群を構成する全ての判定対象基板について、判定結果が同等(同一)である場合には、基板群についてのプロセスが正常である(基板群を構成する全ての基板Wのプロセスが正常である)と判定する。そして、比較部25は、最終的な判定結果が正常であるとして、出力値=0を出力し、判定工程S2を終了する。
一方、比較部25は、何れかの判定対象プロセス用入力データの判定結果が基準プロセス用入力データの判定結果と同等(同一)でなければ、基板群についてのプロセスに異常があった(基板群を構成する全ての基板Wのうち、少なくとも何れか1つの基板Wについてのプロセスに異常が発生した)と判定する。そして、比較部25は、最終的な判定結果が異常であるとして、出力値=1を出力し、判定工程S2を終了する。
以上に説明した第2実施形態に係る基板処理システム(プロセス判定装置20A)によれば、複数個の学習モデル24を用いて基板群についてのプロセスの成否を判定するため、単一の学習モデル24を具備する第1実施形態の構成に比べて、判定精度の信頼性を高めることが可能である。
特に、第2実施形態では、論理和演算部26によって、少なくとも1つの学習モデル24の判定結果が異常であれば、残りの学習モデル24の判定結果が正常であったとしても、比較部25に出力される判定結果が異常となるため、異常を見逃す可能性が低減するという利点を有する。
<第3実施形態>
第3実施形態も、本発明の第1の手段に相当する構成である。
第3実施形態に係る基板処理システムは、プロセス判定装置が具備する判定部の構成のみが第2実施形態と異なり、その他の構成は第2実施形態と同様である。
したがって、以下の説明では、第3実施形態に係る基板処理システムが備えるプロセス判定装置について、第2実施形態と異なる点を説明し、同様の構成については同じ符号を付して説明を省略する。
図7は、第3実施形態に係る基板処理システムが備えるプロセス判定装置の概略構成を示すブロック図である。
図7に示すように、第3実施形態のプロセス判定装置20Bの判定部22Bも、第2実施形態のプロセス判定装置20Aの判定部22Aと同様に、学習モデル24として、複数個の学習モデルを具備する。
しかしながら、第3実施形態の判定部22Bは、第2実施形態の判定部22Aが具備する論理和演算部26に代えて、多数決決定部27を具備する点が相違する。
図7に示す例では、多数決決定部27は、学習モデル24a、学習モデル24b及び学習モデル24cの出力値の多数決を判定結果として比較部25に出力する。例えば、学習モデル24aの出力値=0(正常)であり、学習モデル24bの出力値=0(正常)であり、学習モデル24cの出力値=1(異常)であれば、多数決決定部27は、出力値=0(正常)を判定結果として比較部25に出力することになる。
なお、複数個の学習モデル24が偶数個の学習モデル24である場合、同じ判定結果を出力する学習モデル24の個数が同数になる可能性がある。同数になった場合には、予め決めた判定結果を比較部25に出力することが考えられる。例えば、判定部22Bが4個の学習モデル24を具備し、何れか2個の学習モデル24が正常であると判定し、残りの2個の学習モデル24が異常であると判定した場合には、同数であるため、比較部25に出力する判定結果を異常とすることを予め決めておけばよい。
比較部25は、第2実施形態と同様に、多数決決定部27から出力された判定対象プロセス用入力データの判定結果と、多数決決定部27から出力された基準プロセス用入力データの判定結果とを比較し、互いの判定結果が同等(同一)であるか否かに応じて、基板群についてのプロセスの成否を判定する。
以上に説明した第3実施形態に係る基板処理システム(プロセス判定装置20B)によれば、第2実施形態と同様に、複数個の学習モデル24を用いて基板群についてのプロセスの成否を判定するため、単一の学習モデル24を具備する第1実施形態の構成に比べて、判定精度の信頼性を高めることが可能である。
特に、第3実施形態では、多数決決定部27によって、複数個の学習モデル24の判定結果の多数決を比較部25に出力する判定結果とするため、複数個の学習モデル24の中に、仮に判定精度の低い学習モデル24が含まれていたとしても、比較部25に出力する判定結果、ひいては比較部25が出力する最終的な判定結果の判定精度に信頼性をもたせることが可能である。
<第4実施形態>
第4実施形態は、本発明の第2の手段に相当する構成である。
第4実施形態に係る基板処理システムは、プロセス判定装置が具備する判定部の構成のみが第1実施形態と異なり、その他の構成は第1実施形態と同様である。
したがって、以下の説明では、第4実施形態に係る基板処理システムが備えるプロセス判定装置について、第1実施形態と異なる点を説明し、同様の構成については同じ符号を付して説明を省略する。
図8は、第4実施形態に係る基板処理システムが備えるプロセス判定装置の概略構成及び判定工程を示す図である。図8(a)は、プロセス判定装置の概略構成を示すブロック図である。図8(b)は、図8(a)に示す判定部22Cが実行する判定工程の一例を概略的に示すフロー図である。なお、図8(b)では、基板処理装置10及びプロセスログ取得部21の動作も含めて図示しており、図8(b)の破線で囲った領域が判定部22Cの動作である。
図8(a)に示すように、第4実施形態のプロセス判定装置20Cの判定部22Cは、学習モデル24の出力に基づき、基板群についてのプロセスのばらつきを判定するばらつき判定部28を具備する。
第4実施形態の判定部22Cが具備する学習モデル24は、入力データが入力された場合に、所定の基準からの乖離度を出力するように構成されている。具体的には、判定部22Cは、学習工程において、基準プロセスのプロセスログから作成された入力データを学習モデル24への入力とし、出力を0又は0に近い小さな値とする(すなわち、基準プロセスについての学習モデル24の出力を所定の基準として、この基準からの乖離度を0又は0に近い小さな値とする)教師データを用いて、学習モデル24の機械学習を行う。
図8(b)に示すように、判定部22Cが判定工程S2’を実行する前には、第1実施形態と同様に、判定対象プロセスを開始し、プロセスログ取得部21が逐次判定対象プロセスのプロセスログを取得する。そして、判定対象プロセス終了後に、判定部22Cが判定工程S2’を実行する。
判定工程S2’では、第1実施形態と同様に、判定部22Cが、判定対象プロセスのプロセスログから学習モデル24への入力データ(判定対象プロセス用入力データ)を作成する。
そして、判定部22Cは、作成した判定対象プロセス用入力データを学習工程後の学習モデル24に入力する。これにより、学習モデル24は、基準プロセスに対する判定対象プロセスの乖離度(0~1の値であり、判定対象プロセスが基準プロセスと完全に同一の状態である場合には学習工程で用いた教師データと同じ値(例えば、0)、完全に異なる状態である場合には1である)をばらつき判定部28に出力することになる。
ばらつき判定部28は、学習モデル24の出力(乖離度)に基づき、基板群についてのプロセスのばらつきを判定する。
ばらつき判定部28の出力(判定結果)としては、種々の態様が考えられる。
例えば、各判定対象プロセスについての学習モデル24の出力(乖離度)をそのまま判定結果として出力する態様が考えられる。この態様の場合、何れかの判定対象プロセスについての学習モデル24の出力に大きな値(1に近い値)が存在していれば、これを見たオペレータは、基板群についてのプロセスにばらつきがあると判定することができる。
また、ばらつき判定部28に予め閾値Th(例えば、Th=0.5)を設定しておき、図8(b)に示すように、ばらつき判定部28が、何れかの判定対象プロセス用入力データを学習モデル24に入力した場合に出力される乖離度が閾値Th以上であれば、基板群についてのプロセスにばらつきがあり、判定対象プロセス用入力データを学習モデル24に入力した場合に出力される乖離度が全て閾値Th未満であれば、基板群についてのプロセスにばらつきが無いと判定することも可能である。
また、ばらつき判定部28が、各判定対象プロセスについての学習モデル24の出力(乖離度)に基づき、これらの最大値、平均値、分散等を演算し、その演算結果を判定結果として出力する態様も考えられる。このような演算結果を判定結果として出力することで、基板群についてのプロセスのばらつきを定量的に把握することができる。
そして、基板群についてのプロセスにばらつきがあれば、基板群を構成する全ての基板(基準基板及び判定対象基板)のうち、少なくとも何れか1つの基板についてのプロセスに異常が発生していると判定することも可能である。
<第5実施形態>
第5実施形態は、本発明の第3の手段に相当する構成である。
第5実施形態に係る基板処理システムは、プロセス判定装置が具備する判定部の構成のみが第1実施形態と異なり、その他の構成は第1実施形態と同様である。
したがって、以下の説明では、第5実施形態に係る基板処理システムが備えるプロセス判定装置について、第1実施形態と異なる点を説明し、同様の構成については同じ符号を付して説明を省略する。
図9は、第5実施形態に係る基板処理システムが備えるプロセス判定装置の概略構成を示すブロック図である。
図9に示すように、第5実施形態のプロセス判定装置20Dの判定部22Dは、第1実施形態と異なり学習モデル24を具備せず、プロセスログ取得部21で取得したプロセスログを正規化部23で正規化した後、判定用データ(第1実施形態の入力データに対応)を作成し、これを比較部25に直接入力する。具体的には、判定部22Dは、基板群のうち、基準基板についてのプロセスである基準プロセスのプロセスログから作成された判定用データを基準データとし、判定対象基板についてのプロセスである判定対象プロセスのプロセスログから作成された判定用データを判定対象データとして、それぞれ比較部25に入力する。
比較部25では、判定対象データと基準データとを比較することで、基板群についてのプロセスの成否を判定する。すなわち、両者の差が大きくなれば、判定対象プロセス及び基準プロセスの少なくとも何れか一方は異常であると判定可能である。このため、判定対象データと基準データとを比較することで、基板群についてのプロセスの成否(基板群を構成する全ての基板のうち、少なくとも何れか1つの基板についてのプロセスに異常が発生したか否か)を判定することが可能である。
なお、判定対象データと基準データとの比較としては、例えば、判定対象データの平均値と基準データの平均値とを比較したり、判定対象データの分散と基準データの分散とを比較する等、各判定用データの統計値を比較することが考えられる。
以下、基板処理システム100の基板処理装置10によって基板Wをエッチングし、第4実施形態のプロセス判定装置20Cによって基板群についてのプロセスのばらつきを判定する試験を行った結果の一例について説明する。
図10は、本試験の内容及び結果を説明する説明図である。図10(a)は、本試験で用いた基板群(製造ロット)及びそのレシピを説明する図である。図10(b)は、機械学習の結果を説明する説明図である。図10(c)及び図10(d)は判定結果の一例を説明する説明図である。図10(c)は2枚目の基板W(正常)についての判定結果の説明図であり、図10(d)は8枚目の基板W(異常)についての判定結果の説明図である。
本試験では、図10(a)に示すレシピR1によって基板Wをエッチングし、正常又は異常であることをオペレータが確認した製造ロットPL1(計8枚の基板W)を用いた。そして、学習工程において、1枚目の基板Wを基準基板とし、この基準基板の基準プロセスのプロセスログから作成された基準プロセス用入力データを教師データの入力として用いて学習モデル24の機械学習を行った。具体的には、基準プロセスのプロセスログを構成するパラメータのうち、Vpp及びVDCの計2個のパラメータの測定値を正規化したデータを入力とし、乖離度=0.05を出力とする教師データを作成し、学習モデル24の機械学習を行った。
図10(b)に示すように、上記の教師データを用いて学習モデル24の機械学習を行った結果、概念的に、横軸をVppとし、縦軸をVDCとする座標空間が学習モデル24に生成され、図10(b)に破線で示すように、基準に対して乖離していないと考えられる領域(不乖離領域)がこの座標空間に描かれた。この座標空間にプロットされた各点が、製造ロットPL1の基準基板(1枚目の基板W)について得られたプロセスログのVpp及びVDCに対応する。この座標空間にプロットされた全ての点(不乖離領域内にある点「●」と不乖離領域外にある点「×」)の個数に対する不乖離領域外にある点の個数の割合は0.05(5%)、すなわち、乖離度=0.05であり、機械学習が適切に行なわれたことが分かる。
図10(c)に示すように、判定工程S2’における2枚目の基板W(正常)についての学習モデル24の出力は、学習モデル24に概念的に生成される座標空間にプロットされた全ての点のうち、約82%の点(「●」で示す点)が破線で示す不乖離領域内にあり、約18%の点(「×」で示す点)が不乖離領域外にあるため、乖離度=0.18である。前述の閾値Th=0.5とすると、閾値未満であるため、基準基板に対して乖離していない(すなわち、2枚目の基板Wについての判定対象プロセスの状態(正常)が、基準基板についての基準プロセスの状態(正常)と乖離していない)と正しく判定されることが分かった。
図10(d)に示すように、8枚目の基板W(異常)についての学習モデル24の出力は、学習モデル24に概念的に生成される座標空間にプロットされた全ての点(「×」で示す点)が、破線で示す不乖離領域外にあるため、乖離度=1である。前述の閾値Th=0.5とすると、閾値以上であるため、基準基板に対して乖離している(すなわち、8枚目の基板Wについての判定対象プロセスの状態(異常)が、基準基板についての基準プロセスの状態(正常)と乖離している)と正しく判定されることが分かった。
なお、図示を省略するが、製造ロットPL1を構成する全ての判定対象基板(2枚目~8枚目の基板W)について、正しく判定されることが確認できた。
以上の結果より、判定対象プロセスの出力に基づき、製造ロットPL1についてのプロセスのばらつき(基準に対して乖離しているか否か)を精度良く判定できることが分かる。そして、製造ロットPL1についてのプロセスにばらつきがあれば、製造ロットPL1を構成する全ての基板W(基準基板及び判定対象基板)のうち、少なくとも何れか1つの基板Wについてのプロセスに異常が発生していると判定することも可能である。
なお、以上に説明した第1実施形態~第4実施形態では、判定対象プロセス終了後に、判定部22、22A、22B、22Cが学習モデル24への判定対象プロセス用入力データを作成し、これを用いて判定対象プロセスの成否を判定する態様について説明したが、本発明はこれに限るものではなく、判定対象プロセスの途中で判定を行うことも可能である。例えば、判定部22、22A、22B、22Cの判定に要する時間が許す限りにおいて、プロセスログ取得部21でプロセスログを逐次取得するタイミングで(例えば、1秒毎に)、或いは、その数倍のピッチで(例えば、数秒毎に)、判定を行う態様が考えられる。第1実施形態~第4実施形態について、判定対象プロセスの途中で判定を行う場合には、図5又は図8(b)に示す「判定対象プロセス終了」が「次の基板あり?」の一つだけ上流側の位置(「出力は同等?」又は「出力は閾値Th未満?」の一つだけ下流側の位置)に移動し、一の判定対象基板についての判定対象プロセスが終了するまで判定を繰り返す動作手順となる。判定対象プロセスの途中で判定を行う場合、判定結果が異常又はばらつきありであれば、その直後、すなわち、判定対象プロセスの途中で基板Wの処理を中止することができ、基板Wの歩留まりが向上することが期待できる。
また、第1実施形態~第4実施形態では、何れの学習モデル24も1classSVMである態様について説明したが、本発明はこれに限るものではなく、学習モデル24として、他のサポートベクタマシンや、ニューラルネットワーク(オートエンコーダを含む)や、マハラノビス距離を用いた分類器を用いることも可能である。
また、第1実施形態~第3実施形態では、基準プロセスが正常であると仮定した教師データを用いて、学習モデル24の機械学習を行う態様について説明したが、本発明はこれに限るものではなく、基準プロセスが異常であると仮定した教師データを用いて、学習モデル24の機械学習を行う態様を採用することも可能である。基準プロセスの実際の成否が、仮定したもの(異常)と異なっていた場合、判定対象プロセスの個別の成否を精度良く判定できないものの、判定対象プロセスの出力と基準プロセスの出力とを比較することで、基板群についてのプロセスの成否は精度良く判定可能である。
また、第1実施形態~第4実施形態では、判定部22、判定部22A、判定部22B及び判定部22Cが、何れも正規化部23を具備する構成を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限るものではない。判定部22、判定部22A、判定部22B及び判定部22Cが正規化部23を具備せず、プロセスログ取得部21によって取得したプロセスログを正規化せずに、そのまま用いて入力データを作成することも可能である。
さらに、第1実施形態~第5実施形態では、プロセス判定装置20を適用する基板処理装置10が誘導結合プラズマ方式のプラズマ処理装置である場合を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限るものではない。例えば、容量結合プラズマ(CCP)方式のプラズマ処理装置に適用することも可能であるし、プラズマ処理装置以外の基板処理装置に適用することも可能である。
1・・・チャンバ
2・・・載置台
10・・・基板処理装置
20、20A、20B、20C、20D・・・プロセス判定装置
21・・・プロセスログ取得部
22、22A、22B、22C、22D・・・判定部
23・・・正規化部
24・・・学習モデル
25・・・比較部
26・・・論理和演算部
27・・・多数決決定部
28・・・ばらつき判定部
100・・・基板処理システム
W・・・基板

Claims (13)

  1. 基板処理装置によって同一のレシピで複数の基板からなる基板群を順次処理する際の前記基板処理装置のプロセスの成否を判定する装置であって、
    前記基板処理装置のプロセスログに基づき入力データを作成し、前記入力データに基づき、前記プロセスの成否を判定する判定部を備え、
    前記判定部は、前記入力データが入力され、前記基板処理装置のプロセスの成否を出力する、学習モデルを具備し、
    前記判定部は、
    前記基板群のうち、一の基板を基準基板とし、前記基準基板についてのプロセスであり、そのプロセスの実際の成否は不明である基準プロセスのプロセスログから作成された入力データを教師データの入力として用いて、前記学習モデルの機械学習を行う学習工程と、
    前記基板群のうち、前記基準基板以外の基板を判定対象基板とし、前記判定対象基板についてのプロセスである判定対象プロセスのプロセスログから作成された入力データを前記学習工程後の学習モデルに入力した場合の出力と、前記基準プロセスのプロセスログから作成された入力データを前記学習工程後の学習モデルに入力した場合の出力とを比較することで、前記基板群についてのプロセスの成否を判定する判定工程と、を実行する、
    ことを特徴とする基板処理装置のプロセス判定装置。
  2. 前記基板処理装置のプロセスログを取得するプロセスログ取得部を更に備える、
    ことを特徴とする請求項1に記載の基板処理装置のプロセス判定装置。
  3. 前記判定部は、前記学習工程において、前記基準プロセスが正常であると仮定した教師データを用いて、前記学習モデルの機械学習を行う、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の基板処理装置のプロセス判定装置。
  4. 前記判定部は、前記学習モデルを複数個具備し、
    前記判定部は、
    前記学習工程において、互いに異なる教師データを用いて、前記複数個の学習モデルの機械学習を行い、
    前記判定工程において、前記判定対象プロセスのプロセスログから作成された入力データを前記学習工程後の複数個の学習モデルに入力した場合の出力から得られる判定結果と、前記基準プロセスのプロセスログから作成された入力データを前記学習工程後の複数個の学習モデルに入力した場合の出力から得られる判定結果とを比較することで、前記基板群についてのプロセスの成否を判定する、
    ことを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の基板処理装置のプロセス判定装置。
  5. 基板処理装置によって同一のレシピで複数の基板からなる基板群を順次処理する際の前記基板処理装置のプロセスの成否を、学習モデルを用いて判定する方法であって、
    前記基板処理装置のプロセスログを取得するプロセスログ取得工程と、
    前記基板群のうち、一の基板を基準基板とし、前記基準基板についてのプロセスであり、そのプロセスの実際の成否は不明である基準プロセスのプロセスログから作成された入力データを教師データの入力として用いて、前記学習モデルの機械学習を行う学習工程と、
    前記基板群のうち、前記基準基板以外の基板を判定対象基板とし、前記判定対象基板についてのプロセスである判定対象プロセスのプロセスログから作成された入力データを前記学習工程後の学習モデルに入力した場合の出力と、前記基準プロセスのプロセスログから作成された入力データを前記学習工程後の学習モデルに入力した場合の出力とを比較することで、前記基板群についてのプロセスの成否を判定する判定工程と、を含む、
    ことを特徴とする基板処理装置のプロセス判定方法。
  6. 基板処理装置によって同一のレシピで複数の基板からなる基板群を順次処理する際の前記基板処理装置のプロセスログに基づき作成された入力データが入力され、前記基板処理装置のプロセスの成否を出力する、学習モデルを生成する方法であって、
    前記基板群のうち、一の基板を基準基板とし、前記基準基板についてのプロセスであり、そのプロセスの実際の成否は不明である基準プロセスのプロセスログから作成された入力データを教師データの入力として用いて機械学習を行うことで、前記学習モデルを生成する、
    ことを特徴とする学習モデルの生成方法。
  7. 基板処理装置によって同一のレシピで複数の基板からなる基板群を順次処理する際の前記基板処理装置のプロセスのばらつきを判定する装置であって、
    前記基板処理装置のプロセスログに基づき入力データを作成し、前記入力データに基づき、前記基板群についてのプロセスのばらつきを判定する判定部を備え、
    前記判定部は、前記入力データが入力され、所定の基準からの乖離度を出力する、学習モデルを具備し、
    前記判定部は、
    前記基板群のうち、一の基板を基準基板とし、前記基準基板についてのプロセスであり、そのプロセスの実際の成否は不明である基準プロセスのプロセスログから作成された入力データを教師データの入力として用いて、前記学習モデルの機械学習を行う学習工程と、
    前記基板群のうち、前記基準基板以外の基板を判定対象基板とし、前記判定対象基板についてのプロセスである判定対象プロセスのプロセスログから作成された入力データを前記学習工程後の学習モデルに入力した場合の出力に基づき、前記基板群についてのプロセスのばらつきを判定する判定工程と、を実行する、
    ことを特徴とする基板処理装置のプロセス判定装置。
  8. 基板処理装置によって同一のレシピで複数の基板からなる基板群を順次処理する際の前記基板処理装置のプロセスのばらつきを、所定の基準からの乖離度を出力する学習モデルを用いて判定する方法であって、
    前記基板処理装置のプロセスログを取得するプロセスログ取得工程と、
    前記基板群のうち、一の基板を基準基板とし、前記基準基板についてのプロセスであり、そのプロセスの実際の成否は不明である基準プロセスのプロセスログから作成された入力データを教師データの入力として用いて、前記学習モデルの機械学習を行う学習工程と、
    前記基板群のうち、前記基準基板以外の基板を判定対象基板とし、前記判定対象基板についてのプロセスである判定対象プロセスのプロセスログから作成された入力データを前記学習工程後の学習モデルに入力した場合の出力に基づき、前記基板群についてのプロセスのばらつきを判定する判定工程と、を含む、
    ことを特徴とする基板処理装置のプロセス判定方法。
  9. 基板処理装置によって同一のレシピで複数の基板からなる基板群を順次処理する際の前記基板処理装置のプロセスログに基づき作成された入力データが入力され、所定の基準からの乖離度を出力する、学習モデルを生成する方法であって、
    前記基板群のうち、一の基板を基準基板とし、前記基準基板についてのプロセスであり、そのプロセスの実際の成否は不明である基準プロセスのプロセスログから作成された入力データを教師データの入力として用いて機械学習を行うことで、前記学習モデルを生成する、
    ことを特徴とする学習モデルの生成方法。
  10. 基板処理装置と、請求項1から4又は7の何れかに記載のプロセス判定装置と、
    を備えることを特徴とする基板処理システム。
  11. 請求項5又は8に記載の基板処理装置のプロセス判定方法が含む前記プロセスログ取得工程、前記学習工程及び前記判定工程をコンピュータに実行させるためのプログラム。
  12. 請求項6又は9に記載の学習モデルの生成方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
  13. 基板処理装置によって同一のレシピで複数の基板からなる基板群を順次処理する際の前記基板処理装置のプロセスの成否を判定する装置であって、
    前記基板処理装置のプロセスログに基づき判定用データを作成し、前記判定用データに基づき、前記プロセスの成否を判定する判定部を備え、
    前記判定部は、前記基板群のうち、一の基板を基準基板とし、前記基準基板についてのプロセスであり、そのプロセスの実際の成否は不明である基準プロセスのプロセスログから作成された判定用データを基準データとし、前記基板群のうち、前記基準基板以外の基板を判定対象基板とし、前記判定対象基板についてのプロセスである判定対象プロセスのプロセスログから作成された判定用データを判定対象データとして、前記判定対象データと前記基準データとを比較することで、前記基板群についてのプロセスの成否を判定する、
    ことを特徴とする基板処理装置のプロセス判定装置。
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