JP6761910B1 - エッチング終点検出装置、基板処理システム、エッチング終点検出方法及び分類器 - Google Patents
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Abstract
Description
一方、成膜処理を実行するプラズマ処理装置においては、一般的に、成膜処理を施した基板をチャンバ外に搬送した後、成膜処理によってチャンバ内に付着した膜組成物をクリーニングによって除去している。具体的には、プラズマを用いたエッチングによって、チャンバ内に付着した膜組成物を除去している。このクリーニングの際に実行するエッチングについても、プラズマを生成する処理ガスの過剰供給を防止するため、エッチングの終点(クリーニングの終点)を検出することが重要である。
本発明は、上記の本発明者の知見に基づき完成したものである。
そして、検出部は、機械学習を用いて生成された分類器を具備し、この分類器に入力データが入力されることで、基板処理装置におけるエッチングの終点前後の何れであるかを分類器が出力するように構成されている。したがい、エッチング処理を実行する過程において、逐次取得したプロセスログデータから作成された入力データが検出部の分類器に入力されることで、その入力データがエッチングの終点前後の何れのものであるかを分類器が出力することになり、これによりエッチングの終点を検出可能である。
このように、本発明に係るエッチング終点検出装置によれば、エッチングの終点を検出する際に、プロセスログデータに基づきチャンバ内に生じた光に関わる測定値以外の入力データを作成し、この入力データを用いるだけでエッチングの終点を検出可能である。すなわち、エッチングの終点を検出する際に分光器を用いる必要がない。
また、分類器としては、ニューラルネットワークやサポートベクターマシンなど、機械学習を用いて生成できる限りにおいて種々の構成を採用可能である。
上記のような教師データを用いた機械学習を行って分類器を生成することで、複雑な検出ロジックの検討や、しきい値等のパラメータの煩雑な調整が不要であり、機械学習後の分類器にプロセスログデータから作成された入力データを入力するだけで、エッチングの終点前後の何れであるかを容易に検出可能である。
具体的には、例えば、本発明に係るエッチング終点検出装置でエッチングの終点を検出する基板処理装置自体が分光器を備える場合には、その分光器を用いて、教師データとして用いる入力データの基になるプロセスログデータがエッチングの終点前後の何れであるかを判定すればよい。また、例えば、本発明に係るエッチング終点検出装置でエッチングの終点を検出する基板処理装置が分光器を備えていない場合には、分光器を備えた他の基板処理装置を用いた機械学習によって分類器を生成し、この分類器を本発明に係るエッチング終点検出装置に用いることも可能である。
また、必ずしも分光器を用いて判定する場合に限るものではなく、例えば、教師データを取得する際にエッチング中の基板の表面を観察し、エッチングの終点前後に応じた基板表面の色の違いから、プロセスログデータがエッチングの終点前後の何れであるかを判定することも考えられる。
具体的には、前記検出部は、前記プロセスログ取得部によって取得したプロセスログデータに基づき、一軸が前記プロセスログデータの種類であり、前記一軸に直交する他軸が前記プロセスログデータの値であるグラフを画像化した画像データを作成し、前記画像データを前記分類器への入力データとして用いることが考えられる。
具体的には、前記検出部は、前記プロセスログ取得部によって取得したプロセスログデータに対して、前記プロセスログデータの種類毎に最大値が1となり最小値が0となる正規化を行い、前記正規化後のプロセスログデータに基づき、前記分類器への入力データを作成することが好ましい。
図1は、第1実施形態に係る基板処理システムの概略構成を模式的に示す図である。図1(a)は基板処理システムの全体構成図であり、図1(b)はエッチング終点検出装置の概略構成を示すブロック図である。なお、図1(a)では、測定するパラメータを破線の矩形で囲って図示している。
図1(a)に示すように、第1実施形態に係る基板処理システム100は、基板処理装置10と、エッチング終点検出装置20と、を備えている。
プロセスログ取得部21は、図1(a)を参照して前述した各測定値を測定する測定器(例えば、マスフローコントローラ11)と有線又は無線で電気的に接続されており(図1(a)では、便宜上、圧力・流量計9、マスフローコントローラ11及び真空計12だけに有線で接続されている状態を図示している)、各測定器から逐次入力された測定データを所定のサンプリング周期(例えば、1秒)で取得(A/D変換)する機能を有する。プロセスログ取得部21は、例えば、コンピュータに搭載されたA/D変換ボードや、コンピュータが具備するROM、RAM等のメモリや、該メモリに記憶され、プロセスログ取得部21としての動作をCPUに実行させるプログラムによって構成される。取得された各測定値及び各測定値に対応する各設定値が、プロセスログデータとして、検出部22でのエッチングの終点検出に用いられる。
第1実施形態では、図1(a)に示す全ての測定値をプロセスログデータとしてエッチングの終点検出に用いているが、本発明はこれに限るものではない。ただし、少なくとも、フォアライン圧力又はAPC開度と、上部マッチングユニット5及び/又は下部マッチングユニット7の整合位置と、を用いることが好ましい。
図2(a)の左図は、プロセスログ取得部21によって取得したプロセスログデータを模式的に示す図である。図2(a)に示すパラメータ1〜Nは、例えば、パラメータ1が図1(a)に示すマスフローコントローラ11で測定したガスNo.1の流量であり、パラメータNが図1(a)に示す温度No.1−8である等、プロセスログデータの種類を意味する。図2(a)の左図に示すXij(i=1〜N、j=1〜M)は、パラメータiについてプロセス時間(エッチング開始からの経過時間)がj[sec]のときに取得されたプロセスログデータの値を意味する。例えば、X11は、パラメータ1についてプロセス時間が1[sec]のときに取得されたプロセスログデータの値であり、XNMは、パラメータNについてプロセス時間がM[sec]のときに取得されたプロセスログデータの値である。
具体的には、以下の式(1)に基づき、図2(a)の右図に示すように、正規化後のプロセスログデータYijを算出する。
Yij=(Xij−MINi)/(MAXi−MINi) ・・・(1)
上記の式(1)において、i=1〜Mであり、j=1〜Nである。
上記の式(1)から、Xij=MAXiのとき、Yij=1となり、Xij=MINiのとき、Yij=0となるように正規化されることは明らかである。
具体的には、画像化部24は、図2(b)の左図に示す正規化後のプロセスログデータに基づき、図2(b)の右図に示すように、一軸(図2(b)の右図に示す例では横軸)がプロセスログデータの種類(パラメータ1〜N)であり、一軸に直交する他軸(図2(b)の右図に示す例では縦軸)が正規化後のプロセスログデータの値Yijであるグラフ(棒グラフ)を画像化した画像データを逐次(例えば、1秒毎に)作成する。
画像データの種類としては、図2(b)の右図に示すようなモノクロ濃淡画像に限るものではなく、2値化画像やカラー画像など、任意の画像データを作成可能である。
具体的には、図2(c)に示すように、画像化部24は、画像データを一軸(横軸)方向及び他軸(縦軸)方向にそれぞれK分割して画素領域Aij(i=1〜K、j=1〜K)を作成する。そして、画像化部24は、画素領域Aij毎に平均濃度値(画素領域Aijを構成する複数の画素の濃度値の平均値)Iave(Aij)(i=1〜K、j=1〜K)を算出する。この平均濃度値Iave(Aij)が、分類器25への入力データとして用いられる。
また、第1実施形態では、画像化部24が画像データを画素領域に分割する例を示したが、本発明はこれに限るものではなく、画像データを構成する各画素の濃度値をそのまま分類器25への入力データとして用いることも可能である。
図3に示すように、第1実施形態の分類器25は、入力層、中間層及び出力層を有するニューラルネットワークから構成されている。図3では、2層の中間層を有する構成を例示しているが、本発明の分類器として用いることのできるニューラルネットワークはこれに限るものではなく、任意の層数の中間層を有する構成を採用可能である。また、図3に示す各層のノード(図3において「○」で示す部分)の個数は単なる例示であり、本発明の分類器として用いることのできるニューラルネットワークにおけるノードの個数は図示したものに限らない。
また、教師データの入力として、エッチングの終点後に取得したプロセスログデータから作成された入力データ(画像データ)を与え、前記入力と組み合わされる教師データの出力として、エッチングの終点後であること(第1実施形態では、OUT=1)を与えて、前記入力を入力層に入力した場合に、出力層からOUT=1が出力されるように、機械学習を行う。
第1実施形態の検出部22は、0≦OUT<0.5のとき(小数点1桁で四捨五入して0になるとき)には、エッチングの終点前であると判定し、0.5≦OUT≦1のとき(小数点1桁で四捨五入して1になるとき)には、エッチングの終点後であると判定するように構成されている。
図4に示すように、分光器を用いた判定と異なる判定をしたのは、No.1−3の基板Wの38秒時点における判定と、No.1−5の基板Wの38秒時点における判定だけであり、正解率は99.35%(=306/308×100)であった。したがい、第1実施形態に係る基板処理システム100のエッチング終点検出装置20によれば、基板Wのエッチングの終点を精度良く検出可能であるといえる。
図5は、第2実施形態に係る基板処理システムの概略構成を模式的に示す図である。なお、図5においても、前述の図1(a)と同様に、測定するパラメータを破線の矩形で囲って図示している。図5では、前述の図1(b)に相当する構成の図示を省略している。
図5に示すように、第2実施形態に係る基板処理システム200は、基板処理装置10Aと、エッチング終点検出装置20と、を備えている。
以下、主として第1実施形態に係る基板処理システム100と相違する点について説明し、第1実施形態に係る基板処理システム100と同様の構成要素については同一の符号を付して説明を省略する。
このため、第1実施形態の基板処理装置10と異なり、コイル3(図1(a)参照)の代わりに、チャンバ1内に載置台2と平行に対向配置された上部電極18を備えている。
また、上部高周波電源4が印加する上部高周波電力と、上部マッチングユニット5の整合位置(上部マッチングユニット5が具備する可変コンデンサや可変コイルなどの定数)とが、それぞれ公知の測定器(図示せず)によって測定される。
また、下部高周波電源6が印加する下部高周波電力と、下部マッチングユニット7の整合位置(下部マッチングユニット7が具備する可変コンデンサや可変コイルなどの定数)とが、それぞれ公知の測定器(図示せず)によって測定される。
さらに、自動圧力制御装置13の温度(図5に示す温度No.2−5)と、排気管17の適宜の箇所に設けられたヒータ(図示せず)の温度(図5に示す温度No.2−4、No.2−6、No.2−7)とが、熱電対等の公知の測定器(図示せず)によって測定される。また、自動圧力制御装置13のAPC開度が、エンコーダ等の公知の測定器(図示せず)によって測定される。
第2実施形態では、図5に示す全ての測定値をプロセスログデータとして判定に用いているが、本発明はこれに限るものではない。ただし、少なくとも、APC開度と、上部マッチングユニット5及び/又は下部マッチングユニット7の整合位置と、を用いることが好ましい。
図6に示すように、分光器を用いた判定と異なる判定をしたのは、No.2−1のクリーニングの35〜39秒時点における判定と、No.2−3のクリーニングの3秒時点における判定と、No.2−5のクリーニングの44秒時点における判定だけであり、正解率は99.1%(=743/750×100)であった。したがい、第2実施形態に係る基板処理システム200のエッチング終点検出装置20によれば、チャンバ1内に付着した膜組成物のエッチング(クリーニング)の終点を精度良く検出可能であるといえる。
具体的には、画像化しない場合、例えば、図3に示す分類器25の入力層に、図2に示すプロセスログデータXij(i=1〜N、j=1〜M)又は正規化後のプロセスログデータYij(i=1〜N、j=1〜M)が入力されることになる。
一般に、チャンバ1内に生じた光をチャンバ1外に設置した分光器に導くために、チャンバ1の側壁に石英ガラス等の透明材料からなる光学窓が設けられる。この光学窓は、チャンバ1内のプラズマによってエッチングされて粗面化したり、チャンバ1内の反応生成物が付着することで曇る場合がある。光学窓が曇ると、分光器で検出される光の光量が低下することで、分光器によるエッチングの終点検出精度が低下する場合がある。このため、例えば、既設の基板処理装置10、10Aに既に分光器が設けられている場合には、エッチング終点検出装置20によるエッチングの終点検出を、分光器によるエッチングの終点検出の補助(例えば、アラームを出すための用途)として使用する態様を採用することも可能である。
2・・・載置台
10、10A・・・基板処理装置
20・・・エッチング終点検出装置
21・・・プロセスログ取得部
22・・・検出部
23・・・正規化部
24・・・画像化部
25・・・分類器
100、200・・・基板処理システム
W・・・基板
Claims (13)
- チャンバ内に配置された基板に処理を施す基板処理装置のプロセスログデータを取得するプロセスログ取得部と、
前記プロセスログ取得部によって取得したプロセスログデータに基づき、前記チャンバ内に生じた光に関わる測定値以外の入力データを作成し、前記入力データに基づき、前記基板処理装置におけるエッチングの終点を検出する検出部と、を備え、
前記検出部は、前記入力データが入力され、前記基板処理装置におけるエッチングの終点前後の何れであるかを出力する、機械学習を用いて生成された分類器を具備する、
ことを特徴とするエッチング終点検出装置。 - 前記検出部は、前記分類器の出力を所定のしきい値と比較し、その大小に応じて、前記基板処理装置におけるエッチングの終点を検出する、
ことを特徴とする請求項1に記載のエッチング終点検出装置。 - 前記プロセスログ取得部は、所定のサンプリング周期で前記プロセスログデータを取得し、
前記検出部は、前記入力データを前記サンプリング周期毎に作成し、
前記分類器は、前記サンプリング周期毎に前記入力データが入力され、前記基板処理装置におけるエッチングの終点前後の何れであるかを前記サンプリング周期毎に出力する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のエッチング終点検出装置。 - 前記分類器は、教師データの入力として、前記エッチングの終点前に取得した前記プロセスログデータから作成された入力データが与えられた場合に、前記エッチングの終点前であることを出力し、教師データの入力として、前記エッチングの終点後に取得したものを含む前記プロセスログデータから作成された入力データが与えられた場合に、前記エッチングの終点後であることを出力するように、機械学習を用いて生成されている、
ことを特徴とする請求項1から3の何れかに記載のエッチング終点検出装置。 - 前記基板処理装置は、前記基板にエッチングを施すエッチング装置であり、
前記検出部で検出するエッチングの終点は、前記基板に施すエッチングの終点である、
ことを特徴とする請求項1から4の何れかに記載のエッチング終点検出装置。 - 前記基板処理装置は、前記基板上に膜を形成する成膜装置であり、
前記検出部で検出するエッチングの終点は、前記基板上に膜を形成した後、前記チャンバ内に付着した膜組成物を除去するために実行するエッチングの終点である、
ことを特徴とする請求項1から4の何れかに記載のエッチング終点検出装置。 - 前記基板処理装置は、前記基板にプラズマ処理を施すプラズマ処理装置である、
ことを特徴とする請求項1から6の何れかに記載のエッチング終点検出装置。 - 前記基板処理装置は、前記チャンバ内に配置された載置台に載置された前記基板にプラズマ処理装置を施すプラズマ処理装置であり、
前記基板処理装置は、
前記チャンバを囲うように前記チャンバに配置されたコイル又は前記チャンバ内に前記載置台と平行に対向配置された上部電極と、
前記コイル又は前記上部電極に上部マッチングユニットを介して高周波電力を印加する上部高周波電源と、
前記載置台に下部マッチングユニットを介して高周波電力を印加する下部高周波電源と、
前記チャンバ内に連通する排気管と、
前記排気管に設けられ、バルブ開度を調整することにより、前記チャンバ内の圧力を制御する自動圧力制御装置と、を備え、
前記プロセスログデータには、少なくとも、前記排気管内の圧力又は前記自動圧力制御装置のバルブ開度と、前記上部マッチングユニット及び/又は前記下部マッチングユニットの整合位置と、が含まれる、
ことを特徴とする請求項1から6の何れかに記載のエッチング終点検出装置。 - 前記検出部は、前記プロセスログ取得部によって取得したプロセスログデータに基づき、一軸が前記プロセスログデータの種類であり、前記一軸に直交する他軸が前記プロセスログデータの値であるグラフを画像化した画像データを作成し、前記画像データを前記分類器への入力データとして用いる、
ことを特徴とする請求項1から8の何れかに記載のエッチング終点検出装置。 - 前記検出部は、前記プロセスログ取得部によって取得したプロセスログデータに対して、前記プロセスログデータの種類毎に最大値が1となり最小値が0となる正規化を行い、前記正規化後のプロセスログデータに基づき、前記分類器への入力データを作成する、
ことを特徴とする請求項1から9の何れかに記載のエッチング終点検出装置。 - チャンバ内に配置された基板に処理を施す基板処理装置と、請求項1から10の何れかに記載のエッチング終点検出装置と、
を備えることを特徴とする基板処理システム。 - チャンバ内に配置された基板に処理を施す基板処理装置のプロセスログデータを取得するプロセスログ取得工程と、
前記プロセスログ取得工程によって取得したプロセスログデータに基づき、前記チャンバ内に生じた光に関わる測定値以外の入力データを作成し、前記入力データに基づき、前記基板処理装置におけるエッチングの終点を検出する検出工程と、を含み、
前記検出工程では、機械学習を用いて生成された分類器を用いて、前記分類器に前記入力データを入力し、前記分類器から前記基板処理装置におけるエッチングの終点前後の何れであるかを出力する、
ことを特徴とするエッチング終点検出方法。 - チャンバ内に配置された基板に処理を施す基板処理装置のプロセスログデータに基づき作成された、前記チャンバ内に生じた光に関わる測定値以外の入力データが入力され、前記基板処理装置におけるエッチングの終点前後の何れであるかを出力する、機械学習を用いて生成された分類器。
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