JP7041468B2 - 灯油基材の製造方法 - Google Patents
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さらに特許文献3には、灯油と蒸留性状の近い軽油の製造において、流動接触分解(FCC)装置から留出する軽質留分を水素化脱硫処理して得られる重質分解ガソリン基材と、原油を常圧蒸留して得た灯油留分を水素化脱硫処理して得られる灯油基材とを混合することが提案されている。
このような状況において、灯油製品の生産量を増加させる新規な方法の出現が求められていた。
〔1〕石油の流動接触分解(FCC)装置に付随する蒸留塔から得られる還流ガソリン(A)を含む脱硫原料油を、水素化脱硫する工程を含むことを特徴とする灯油基材の製造方法。
〔2〕前記脱硫原料油が、前記還流ガソリン(A)1~50容量%と、原油を常圧蒸留して得られる灯油留分(B)50~99容量%とを含むことを特徴とする前記〔1〕に記載の灯油基材の製造方法。
〔3〕前記脱硫原料油が、前記還流ガソリン(A)1~30容量%と、原油を常圧蒸留して得られる灯油留分(B)70~99容量%とを含むことを特徴とする前記〔1〕または〔2〕に記載の灯油基材の製造方法。
〔4〕前記還流ガソリン(A)が、蒸留性状における5容量%留出温度が90℃以上、95容量%留出温度が200℃以下、終点が215℃以下であることを特徴とする前記〔1〕~〔3〕のいずれかに記載の灯油基材の製造方法。
〔5〕前記水素化脱硫を、反応温度200~400℃、水素分圧1~10MPaの条件で行うことを特徴とする前記〔1〕~〔4〕のいずれかに記載の灯油基材の製造方法。
〔6〕石油の流動接触分解(FCC)装置に付随する蒸留塔から得られる還流ガソリン(A)を含む脱硫原料油を、水素化脱硫してなることを特徴とする灯油基材。
〔7〕前記脱硫原料油が、前記還流ガソリン(A)を1~50容量%含むことを特徴とする前記〔6〕に記載の灯油基材。
〔8〕前記脱硫原料油が、前記流動接触分解装置に付随する蒸留塔から得られる還流ガソリン(A)1~50容量%と、原油を常圧蒸留して得られる灯油留分(B)50~99容量%とを含むことを特徴とする前記〔7〕に記載の灯油基材。
〔9〕全芳香族分が35容量%以下、二環以上の芳香族分が1容量%以下であることを特徴とする前記〔6〕~〔8〕のいずれかに記載の灯油基材。
〔10〕JIS K2605の付属書に規定の方法により測定される臭素指数が、100mgBr2/100g以下であることを特徴とする前記〔6〕~〔9〕のいずれかに記載の灯油基材。
本発明の灯油基材の製造方法は、石油の流動接触分解(FCC)装置に付随する蒸留塔から得られる還流ガソリン(A)を含む脱硫原料油を、水素化脱硫する工程を含む。
また本発明の灯油基材は、石油の流動接触分解(FCC)装置に付随する蒸留塔から得られる還流ガソリン(A)を含む脱硫原料油を、水素化脱硫してなる。
本発明の灯油基材の製造方法で用いる脱硫原料油は、少なくとも、石油の流動接触分解(FCC)装置に付随する蒸留塔から得られる還流ガソリン(A)を含む。
本発明において、水素化脱硫に供する脱硫原料油は、上述の還流ガソリン(A)のみであってもよいが、還流ガソリン(A)以外の灯油留分を含有することが好ましく、原油を常圧蒸留して得られる灯油留分(以下、直留灯油留分ともいう)(B)を含有することがより好ましい。
石油の流動接触分解(FCC)装置は、減圧蒸留装置から得られる重質軽油などを原料として、触媒の存在下の熱分解により高オクタン価ガソリン、分解軽油、LPGなどを製造する装置であり、この流動接触分解装置には、接触分解によって生成した分解油を原料炭化水素とし、これを精留分離して高オクタン価ガソリン、分解軽油、石油ガスなどの留分に分離するための蒸留塔が付随して設けられている。そして流動接触分解装置に付随する蒸留塔には、塔内流体を抜き出して冷却し、液化して蒸留塔内に戻すサイドリフラックスが単数または複数設けられている。
なお、本発明において、蒸留性状は、それぞれJIS K2254「石油製品-蒸留試験方法-常圧法蒸留試験方法」により測定される値を意味する。
本発明で用いられる直留灯油留分(B)は、原油を常圧蒸留して得られる灯油留分であって、通常未脱硫の留分である。
上記脱硫原料油を水素化脱硫する工程は、前記の脱硫原料油を水素化脱硫装置に導入し、装置内に具備された水素化脱硫触媒と接触させて、硫黄分等を除去する工程である。水素化脱硫装置としては、特に限定されるものではないが、原油を常圧蒸留して得られる灯油留分(直流灯油留分)を水素化脱硫する装置を用いることができる。本発明において、水素化脱硫する工程は、好ましくは、還流ガソリン(A)と直留灯油留分(B)とを合流した脱硫原料油を、常圧蒸留灯油留分を水素化脱硫する装置に導入して処理することにより行うことができる。
本発明に係る灯油基材、すなわち本発明の灯油基材の製造方法により得られる灯油基材ならびに本発明の灯油基材は、上述の脱硫原料油を水素化脱硫してなる。本発明では、水素化脱硫装置から得られる水素化脱硫処理油を、そのまま灯油基材としてもよく、水素化脱硫装置から得られる水素化脱硫処理油のうちの所望の特性を有する成分を分取して灯油基材としてもよい。例えば、本発明に係る灯油基材は、水素化脱硫処理油のうち、沸点が140~300℃程度等の所望の蒸留性状を有する留分を分取して得ることができる。
初留点は、140℃以上であることが好ましく、143℃以上であることがより好ましく、145℃以上であることがさらに好ましい。初留点が140℃未満の場合は引火点低下による安全性への影響があるため好ましくない。一方、低温時の着火特性維持の観点から、175℃以下であることが好ましく、170℃以下であることがより好ましい。
終点は、300℃以下であることが好ましく、295℃以下であることがより好ましく、290℃以下であることがさらに好ましい。終点が300℃を超えると、燃焼時に煤やタールが発生しやすくなる。
なお、本発明でいう引火点とは、JIS K2265「引火点の求め方」のタグ密閉式で測定される値を意味する。
なお、本発明でいう硫黄分とは、JIS K2541「原油及び石油製品-硫黄分試験方法」により微量電療的定式酸化法で測定される値を意味する。
なお、本発明でいう15℃における密度とは、JIS K2249「原油及び石油製品-密度の求め方」で測定される値を意味する。
本発明に係る灯油基材の煙点は、不完全燃焼を防止する観点から、21mm以上であることが好ましく、22mm以上であることがより好ましい。
本発明に係る灯油基材の過酸化物価(パーオキサイド含有量)は、1質量ppm以下であることが好ましい。過酸化物価が1質量ppmを超える場合には、過酸化物の生成による燃焼不良への懸念が生じる。
なお、本発明でいう過酸化物価とは、石油学会法JPI-5S-46-96「灯油の過酸化物価試験方法」で測定される値を意味する。
以下の実施例において、各性状の測定方法は上述したとおりである。
[実施例1]
流動接触分解装置に付随する蒸留塔の上部に設けられたサイドリフラックスから得られた留分である還流ガソリン(A-1)と、直留灯油留分(B-1)とを、還流ガソリン(A-1)5容量%、直留灯油留分(B-1)95容量%の割合となるよう合流し、これを脱硫原料油(a-1)として、水素化脱硫を行い、灯油基材1を得た。水素化脱硫は、Ni-Co-Moを活性金属とし、アルミナ単体に担持した触媒を充てんした水素化脱硫装置を用いて、反応温度320℃、水素分圧4.5MPa、LHSV5h-1、水素/油比240NL/Lの条件で行い、灯油留分を回収して灯油基材1を得た。還流ガソリン(A-1)、直留灯油留分(B-1)、および脱硫原料油(a-1)の性状を表1に、得られた灯油基材1の性状を表2にそれぞれ示す。
実施例1において、脱硫原料油(a-1)に代えて、還流ガソリン(A-1)と、直留灯油留分(B-1)とを、還流ガソリン(A-1)10容量%、直留灯油留分(B-1)90容量%の割合となるよう合流した、脱硫原料油(a-2)を用いたことのほかは、実施例1と同様にして、灯油基材2を得た。脱硫原料油(a-2)の性状を表1に、得られた灯油基材2の性状を表2にそれぞれ示す。
実施例1において、脱硫原料油(a-1)に代えて、還流ガソリン(A-1)と、直留灯油留分(B-1)とを、還流ガソリン(A-1)15容量%、直留灯油留分(B-1)85容量%の割合となるよう合流した、脱硫原料油(a-3)を用いたことのほかは、実施例1と同様にして、灯油基材3を得た。脱硫原料油(a-3)の性状を表1に、得られた灯油基材3の性状を表2にそれぞれ示す。
直留灯油留分(B-1)を脱硫原料油として用い、実施例1と同様に水素化脱硫を行い、灯油基材4を得た。得られた灯油基材4の性状を表2に示す。
Claims (5)
- 石油の流動接触分解装置に付随する蒸留塔から得られる還流ガソリン(A)を含む脱硫原料油を、水素化脱硫する工程を含み、
前記還流ガソリン(A)が、蒸留性状における5容量%留出温度が100~120℃であり、
前記脱硫原料油が、前記還流ガソリン(A)1~30容量%と、原油を常圧蒸留して得られる灯油留分(B)70~99容量%とを含むことを特徴とする灯油基材の製造方法。 - 前記還流ガソリン(A)が、蒸留性状における95容量%留出温度が200℃以下、終点が215℃以下であることを特徴とする請求項1に記載の灯油基材の製造方法。
- 前記水素化脱硫を、反応温度200~400℃、水素分圧1~10MPaの条件で行うことを特徴とする請求項1または2に記載の灯油基材の製造方法。
- 全芳香族分が35容量%以下、二環以上の芳香族分が1容量%以下の灯油基材を製造することを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の灯油基材の製造方法。
- JIS K2605の付属書に規定の方法により測定される臭素指数が、100mgBr2/100g以下である灯油基材を製造することを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の灯油基材の製造方法。
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