JP7041467B2 - 光学装置 - Google Patents
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Description
このように本発明の光学装置では、光学素子の姿勢調整を行うための工具等を用意する必要がなく、作業性を向上できる。さらに、調整を行わない時は、治具は本体に装着されているため、治具の紛失を防止できる。
このような本発明では、本体に対して保持部を摺動させ、保持部の姿勢を調整することにより、光学素子の角度または方向を調整できる。このため、光学素子の姿勢調整作業の作業性を向上できる。
このような本発明では、本体に対して保持部を球面状の摺動面に沿って摺動させることができる。このため、光学素子の光路軸をあらゆる方向に調整でき、光学素子の姿勢調整作業の作業性を向上できる。
このような本発明では、治具の係合構造を固定用ねじに係合させることにより、固定用ねじを容易に操作できる。このため、固定用ねじを操作するための工具等を用意する必要がなく、作業性を向上できる。
このような本発明では、光学素子の姿勢調整を行わない時は、固定部をカバーで覆うことができる。このため、例えば、作業者の不注意等により誤って固定部に接触して、光学素子の姿勢がずれることを防止できる。
以下、本発明に係る一実施形態の干渉計(光学装置)における干渉対物レンズ1について、図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る干渉対物レンズ1の概略構成を示す図である。
図1において、干渉対物レンズ1は、対物レンズ系2と、光干渉ユニット3と、を備えるマイケルソン型干渉対物レンズである。
対物レンズ系2は、対物レンズ21と、この対物レンズ21を内部に収納するレンズ保持筒22と、を備える。
対物レンズ系2の観察対象となる観察対象面Sは、対物レンズ21の光軸ALを延長した一方側で対物レンズ21の焦点位置に配置される。レンズ保持筒22の他方側には、例えば顕微鏡装置等にこの干渉対物レンズ1を取り付けるための取付部23が設けられている。
光干渉ユニット3は、ビームスプリッタ4(光路分割部材)と、参照光調整部5と、を備えている。
参照光調整部5は、ハーフミラー41で生成された参照光LRを初期の光軸方向に調整するものであり、詳細について以下に説明する。
図2は、本発明の一実施形態に係る参照光調整部5を示す断面図である。
図2において、参照光調整部5は、本体部である鏡筒部51と、参照ミラー52と、保持部53と、支持部54と、固定部55と、カバー56と、を備える。
参照ミラー52は、ビームスプリッタ4に対向するように保持部53に保持され、参照光LRを反射して再びビームスプリッタ4に再帰させる。ここで、参照ミラー52は、ビームスプリッタ4から観察対象面Sまでの距離に対して、ビームスプリッタ4から参照ミラー52の反射面までの距離を略等しくする位置に配置されている。
保持部材531は、参照ミラー52を保持する保持面533と、保持面533とは反対側に球面534とを有する。
保持面533には、中心部に凹部535が形成され、参照ミラー52はこの凹部535に嵌め込まれることにより、保持部53に保持される。この時、参照ミラー52は、反射面の中心点が球面534の曲率中心と重なるように保持される。
軸部材532の保持部材531とは反対側の先端には、円盤状のフランジ部536が設けられている。そして、このフランジ部536の中心部には、後述する固定部55の固定ねじ553が挿入されるねじ孔537が設けられている。
支持部54は、円筒状に形成された円筒部材541を有し、円筒部材541には、先端側に円筒部材541の軸方向の内側に向かって、球面状の第1球面座542が設けられ、基端側に円筒部材541の軸方向の外側に向かって、球面状の第2球面座543が設けられている。
第1球面座542は、保持部材531の球面534と径が略等しくなるように形成され、中心部に保持部53の軸部材532が挿通される軸部挿通孔544が形成されている。
このような支持部54は、軸部挿通孔544に軸部材532を挿通させ、第1球面座542と球面534とを当接させることにより、保持部53を球面に沿って摺動可能に支持する。
固定部材551には、支持部54の第2球面座543と当接する面に、第2球面座543と径が略等しくなるように球面555が設けられ、球面555の反対側の面には、固定用ピン552が嵌め込まれる凹部556が形成されている。また、中央部には、保持部53の軸部材532が挿通される軸部挿通孔557が形成されている。
固定用ピン552は棒状の部材であり、軸方向の中央部には、軸方向に対して直交する方向に、固定ねじ553を挿通させるためのねじ孔558が形成されている。
固定ねじ553は、ねじ頭が四角柱状の全ねじボルトであり、フランジ部536に形成されたねじ孔537と、固定用ピン552に形成されたねじ孔558と、に挿通される。
カバー56の底面部561には、フランジ部536の形状に応じて円柱状の第1凹部562が設けられている。そして、当該第1凹部562には、固定ねじ553のねじ頭の形状に応じて四角柱状の第2凹部563が設けられている。つまり、カバー56には、固定ねじ553のねじ頭と係合する係合構造である第2凹部563が設けられている。このため、第2凹部563を固定ねじ553のねじ頭に係合させ、カバー56を回転させることにより、固定ねじ553を締め込んだり、緩めたりすることができる。
このように構成された本実施形態の参照光調整部5において、参照ミラー52の角度を調整する方法を以下に説明する。
図3に示すように、参照ミラー52の角度調整に際し、作業者は、先ず、カバー56を鏡筒部51から取り外す。そうすると、フランジ部536や固定ねじ553が露出した状態となる。この際、固定ねじ553は、ねじ孔537およびねじ孔558に締め込まれた状態であり、固定部材551は第2球面座543上に固定された状態となっている。
そして、図5に示すように、底面部561の第1凹部562をフランジ部536に嵌め合わせるとともに、第2凹部563を固定ねじ553のねじ頭に嵌め合わせる。そうすると、第2凹部563と固定ねじ553のねじ頭とが係合された状態となる。この状態で、カバー56を反時計回りに回転させ、固定ねじ553を緩める。
最後に、カバー56を鏡筒部51に取り付けて、図2に示す状態に戻す。
このような本実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
本実施形態では、参照ミラー52の角度調整に際し、カバー56により、固定部材551を固定している固定ねじ553を締め込んだり、緩めたりすることができる。このため、固定ねじ553を操作するために通常用いるレンチやドライバー等の工具を用意する必要がなく、参照ミラー52の角度調整作業の作業性を向上できる。
さらに、フランジ部536や固定ねじ553よりも大きくて持ちやすいカバー56を操作して、保持部53の姿勢を調整することができる。このため、参照ミラー52の微小な角度調整を容易にできる。
また、フランジ部536や固定ねじ553がカバー56に覆われて露出しないため、作業者の不注意によりフランジ部536や固定ねじ553に接触して、参照ミラー52の角度がずれることを防止できる。
なお、本発明は、前述した実施形態の構成に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形等は本発明に含まれる。
前述した実施形態では、球面状に形成された第1球面座542に沿って保持部材531を摺動させて、参照ミラー52の角度を調整していたが、これに限らず、例えば、保持部材531を円筒状に形成し、支持部54には円筒面を設け、この保持部材531を支持部54の円筒面に沿って摺動させることで、参照ミラー52の角度を調整できるようにしてもよい。また、支持部54の摺動面に高さの異なる複数の平面を設け、保持部材531が固定される平面によって参照ミラー52の角度が調整できるようにしてもよい。
さらに、支持部54の摺動面を平面とし、保持部材531をこの平面に沿って摺動させることにより、参照ミラー52の光軸上の位置を調整できるようにしてもよい。この場合、例えば、摺動面である平面に保持部53の軸部材532が挿通される長穴を設け、支持部54に対して保持部53を摺動させて、軸部材532を長穴内で移動させるようにしてもよい。
また、干渉対物レンズに限らず、例えば、カメラや顕微鏡のようにミラーやレンズを用いる光学装置に適用することができる。
さらに、カバー56を操作し易くするために、円筒面に滑り止めラバーを貼ったり、表面に凹凸を形成してもよい。
Claims (2)
- 光学素子を保持し、本体に対して姿勢調整可能な保持部と、
前記保持部を前記本体に対して任意の姿勢で固定する固定部と、
前記固定部を回転操作可能な治具と、を備え、
前記保持部は、前記本体との間に摺動構造を有し、
前記摺動構造により、前記保持部を前記本体に対して摺動させることで、前記保持部の姿勢を調整でき、
前記固定部は、前記摺動構造を圧迫して固定する固定用ねじを有し、
前記治具は、前記固定部を覆うカバーであって、前記固定用ねじに係合可能な係合構造を有し、前記本体に着脱可能に装着されていることを特徴とする光学装置。 - 請求項1に記載の光学装置において、
前記摺動構造は、球面状の摺動面を有していることを特徴とする光学装置。
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