JP7041089B2 - 削土運搬用装軌車両 - Google Patents
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Description
この車両は、短期間の工事に使用されることが多く、車両を分解せずにトレーラ輸送ができるように、車両の高さ、幅寸法、重量が一定の値以下に作られている。
発明者等は、先に、ユーザーの種々の要望に応えて、例えば、スムーズに曲線走行をできるようにしたものや、ボウル容量の大きいものや、湿地帯で作業できるものなど種々開発(例えば、特許文献1、2、3)している。
しかしながら、従来の削土運搬用装軌車両は総じて、動力の伝達効率が悪いことが指摘されている。特に、エンジンから中空軸内の伝達軸までの動力伝達に、クラッチや変速機のほか、多数の歯車を経由していることと、エンジン回転数が低速での作業が多いことが原因に挙げられる。
また、走行速度を変える場合は、クラッチと変速機のシフト切り替え操作によっているので、走行が滑らかでなく、特に、上り路で土砂の運搬を行う作業では変速とともにエンジン回転数を上げる必要があり、作業現場における騒音が問題となっている。
すなわち、走行および作業用の動力源を搭載した基体に、削り取った土砂を収納するボウルと運転室を一体に設け、走行クローラに固設した中空軸に該基体を回動可能に支持するとともに、該基体と該走行クローラとをボウルシリンダで連結した削土運搬用装軌車両において、該動力源は、運転室後部の基体に設けた架台にエンジンと、発電機と、油圧ポンプとを載置し、該中空軸は左右の走行クローラの駆動輪の前方上方にそれぞれ基体中央に向かって固設され、該駆動輪を駆動する動力系統は、電動モータ、遊星減速機構、ブレーキ装置および操向用の油圧モータからなるドライブユニットを、該架台の直下で、その出力軸の軸心を該中空軸の軸心と一致させて配置するとともに、その両端部を、前記中空軸を内挿支持する基体に固設された支持部材に、下方へ脱着可能に取り付け、該中空軸の中心にドライブユニットからの動力を伝達する伝達軸を内挿し、該伝達軸に設けたピニオンから駆動歯車および遊星歯車機構を介して該駆動輪に動力を伝達するように構成したことを特徴としている。
ドライブユニットは、電動モータと、この出力を左右の出力軸へ伝達する複数の歯車と、左右の出力軸の回転数を変えるための油圧モータを一体に組み込んだもので、出力軸を左右中心部に設けて該中空軸の軸心と一致させて配置している。
また、ドライブユニットの大きさおよび重量も大きくなるので、設置スペースを確保することが困難で、しかも、基体にドライブユニットを載置する台を設けることは、不整地走行での接地が免れず、採ることができない。
また、中空軸が短くなることによって増大する荷重に対しては、請求項2に記載のよう
に、中空軸の両端側にメカニカルシールを設けるとともに、中央部に油溜まりを形成し、
中空軸の軸受周囲を密封し潤滑オイルを充填するのが望ましい。
また、請求項2に記載のように、基体は、該中空軸に軸受を介して揺動可能に設け、中
空軸の両端側にメカニカルシールを設けるとともに、中央部に油溜まりを形成し、中空軸
の軸受周囲を密封し潤滑オイルを充填した構造とすれば、軸受部の耐久性がよく、メンテ
ナンスフリーの状況にできる。
基体10には、土を削り取って収納するボウル11と運転室15が固設され、走行および作業のための、エンジン1、ラジエータ2、発電機3、油圧ポンプ4、油タンク5、燃料タンク6などが搭載されている。8は、これらを搭載するための架台である。
なお、エンジン、発電機、電動モータなどの電気制御装置や、油圧作動のためのバルブ類は運転室15内に設けられている。また、運転室15は、車両の進行方向に対して横向きに置かれている。
そして、後部にはエジェクタ12、前部にはエプロン13が設けられており、それぞれ、これを作動させるためのエジェクタシリンダ12A、エプロンシリンダ13Aが連結されている。
この伝達経路は、左右同じであるので、左側で説明すると、ドライブユニット20から伝達された動力は、伝達軸31aを介してピニオン32を駆動し、駆動輪軸34に固設された駆動ギヤ33に伝達され、駆動輪36内に設けられた第4遊星歯車機構35を駆動する。動力は遊星歯車35のキャリアを介して駆動輪36へ伝達されている。
また、ドライブユニット20には、伝達軸31aと伝達軸31bの回転数を変えるための油圧モータ28が、設けられている。
リングギヤ25cへの動力は、キャリア26dを介して伝達軸31aに送られ、サンギヤ25aへの動力は、センター軸24を経由して、電動モータ21の右側の第3遊星歯車機構27のサンギヤ27aから遊星ギヤ27bを介してリングギヤ27cとキャリア27dに伝達され、伝達軸31bに送られる。伝達軸31aと伝達軸31bへ伝達される動力および回転方向は同じである。
すなわち、油圧モータ28の動力は、油圧モータ出力ギヤ28aからアイドラ28bを介してリングギヤ26cに送られる。そして、第2遊星歯車機構26の遊星ギヤ26bを介してサンギヤ26aに伝達し、電動モータ21から第1遊星歯車機構25のサンギヤ25aから伝達されたセンター軸24への動力に加えられる。
この合成された動力は、センター軸24を介して第3遊星歯車機構27のサンギヤ27aに伝達され、遊星ギヤ27b、キャリア27d、リングギヤ27cを経由して増幅し、伝達軸31bへ伝達される。なお、旋回方向を変える場合は油圧モータ28を逆回転させる。
走行フレーム41の駆動輪36の中心から前方上方の所定の位置には水平方向へ中空軸50の一端がボルト44で固設され(図6参照)ており、基体10に固設されている円形穴を有する支持部材56に軸受52、53を介して嵌挿されている。なお、中空軸50の端部にはインローと称される嵌合部50aが設けられている。
そして、軸受52、53の両側をメカニカルシール54,55で密封し、その間に油溜まり57を形成している。図6において、57aは給油口で、57bはドレンである。
すなわち、ドライブユニット20のセンター軸24と同芯上の両端には出力フランジ20aが突設されており、基体10に固設されている支持部材56にフランジ51で取り付けられている。
下側の取付部材51bはフランジ51と一体であり、取付部材51aは、ボルト51cで取付部材51bに取り付けられる。このように構成されたフランジ51により、ドライブユニット20は、伝達軸31aと自動的に芯合わせが行われるようにしている。
この実施の形態の構造にすると、架台8が取り付けられた状態においてもドライブユニット20を脱着することができる。
なお、ドライブユニット20の近傍には、ドライブユニット20内の歯車機構の潤滑のためのオイルを貯蔵するオイルタンク20Aが搭載されており、近傍には、電動モータ21の蓄電池18も搭載されている。
まず、車両を削土する地点に移動し、エプロンシリンダ13Aを作動させてエプロン13を上方へ開放する。なお、エジェクタ12は、予めボウル11の後方部へ移動させておく。
そして、ボウルシリンダ11Aを作動させてボウル11を下降させてボウルカッタ11cを地中に落とし込み車両を前進させ、土を削り取ってボウル11内に収納する。
ボウル11内に土が一杯になったら、ボウルシリンダ11Aでボウル11を上昇させ、エプロン22を下降させて前部の底部を塞ぎ、目的地(排土場所)へ走行する。
排土場所ではエプロン22を上方へ開放し、エジェクタ21を前方へ押し出して排土する。そして、削土位置へ戻るときは後進で走行する。なお、整地が必要なときはブレード14を作用させる。
本発明の車両では、駆動輪21より前方の中空軸26を走行クローラ20の回動中心としているので、走行クローラ20の前部側が浮き上がる現象が起きずらいものとなっている。
2 ラジエータ
3 発電機
4 油圧ポンプ
5 油タンク
6 燃料タンク
7 エアフィルタ
8 架台
10 基体
10d 底カバー
11 ボウル
11A ボウルシリンダ
11a 側板
11c ボウルカッタ
12 エジェクタ
12A エジェクタシリンダ
13 エプロン
14 ブレード
15 運転室
18 蓄電池
20 ドライブユニット
20A オイルタンク
20a 出力フランジ
21 電動モータ
21a モータ出力ギヤ
22 アイドラギア
23 キャリア
24 センター軸
25 第1遊星歯車機構
25a サンギヤ
25b 遊星ギヤ
25c リングギヤ
26 第2遊星歯車機構
26a サンギヤ
26b 遊星ギヤ
26c リングギヤ
26d キャリア
27 第3遊星歯車機構
27a サンギヤ
27b 遊星ギヤ
27c リングギヤ
27d キャリア
28 油圧モータ
28a 油圧モータ出力ギヤ
28b アイドラギヤ
28c アイドラギヤ
29 ブレーキ装置
30 走行駆動装置
31a 伝達軸(左)
31b 伝達軸(右)
32 ピニオン
33 駆動ギヤ
34 駆動輪軸
35 第4遊星歯車機構
35a サンギヤ
35b 遊星ギヤ
35c リングギヤ
36 駆動輪
40 走行クローラ
41 走行フレーム
42 履帯
43 アイドラ
44 ボルト
50 中空軸
50a 嵌合部
51 フランジ
51a 取付部材
51b 取付部材
51c ボルト
51d 嵌合部
51e ボルト
52 軸受
53 軸受
54 メカニカルシール
55 メカニカルシール
56 支持部材
57 油溜まり
57a 給油口
57b ドレン
Claims (2)
- 走行および作業用の動力源を搭載した基体に、削り取った土砂を収納するボウルと運転
室を一体に設け、走行クローラに固設した中空軸に該基体を回動可能に支持するとともに
、該基体と該走行クローラとをボウルシリンダで連結した削土運搬用装軌車両において、
該動力源は、運転室後部の基体に設けた架台にエンジンと、発電機と、油圧ポンプとを載置し、該中空軸は左右の走行クローラの駆動輪の前方上方にそれぞれ基体中央に向かって固設され、該駆動輪を駆動する動力系統は、電動モータ、遊星減速機構、ブレーキ装置および操向用の油圧モータからなるドライブユニットを、該架台の直下で、その出力軸の軸心を該中空軸の軸心と一致させて配置するとともに、その両端部を、前記中空軸を内挿支持する基体に固設された支持部材に、下方へ脱着可能に取り付け、該中空軸の中心にドライブユニットからの動力を伝達する伝達軸を内挿し、該伝達軸に設けたピニオンから駆動歯車および遊星歯車機構を介して該駆動輪に動力を伝達するように構成したことを特徴とする削土運搬用装軌車両。 - 前記基体は、前記中空軸に軸受を介して揺動可能に設けられ、中空軸の両端側にメカニ
カルシールを設けるとともに、中央部に油溜まりを形成し、中空軸の軸受周囲を密封し潤
滑オイルを充填したことを特徴とする請求項1に記載の削土運搬用装軌車両 。
Priority Applications (1)
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JP2019051281A JP7041089B2 (ja) | 2019-03-19 | 2019-03-19 | 削土運搬用装軌車両 |
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JP2020153113A JP2020153113A (ja) | 2020-09-24 |
JP7041089B2 true JP7041089B2 (ja) | 2022-03-23 |
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Family Applications (1)
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JP2019051281A Active JP7041089B2 (ja) | 2019-03-19 | 2019-03-19 | 削土運搬用装軌車両 |
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2019
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