JP2000247271A - 装軌式車両の案内ローラ装置 - Google Patents

装軌式車両の案内ローラ装置

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JP2000247271A
JP2000247271A JP11050112A JP5011299A JP2000247271A JP 2000247271 A JP2000247271 A JP 2000247271A JP 11050112 A JP11050112 A JP 11050112A JP 5011299 A JP5011299 A JP 5011299A JP 2000247271 A JP2000247271 A JP 2000247271A
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cylindrical portion
peripheral side
roller device
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Hideki Akita
秀樹 秋田
Shoji Yamaguchi
祥司 山口
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Hitachi Construction Machinery Co Ltd
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Hitachi Construction Machinery Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 転輪体に対して過大な荷重が作用したとして
も、転輪体が変形するのを抑えることができるようにす
る。 【解決手段】 下側ローラ装置8を構成する転輪体14
の各円筒部14A内周側に補強筒15を嵌合させること
により、この補強筒15によって円筒部14Aを内周側
から補強する構成とする。これにより、転輪体14に過
大な荷重が作用したとしても、転輪体14の円筒部14
Aと補強筒15とによって荷重を支えることができ、転
輪体14の円筒部14Aが履帯6との当接部を支点とし
て上向きにく字状に変形するのを抑えることができる。
このため、転輪体14の変形に伴うオイルシール17の
抜け、変形等により潤滑油18が外部に漏れるのを防止
でき、転輪体14を長期に亘って円滑に回転させること
ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は油圧ショベル、油圧
クレーン等の装軌式車両に好適に用いられる装軌式車両
の案内ローラ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、油圧ショベル、油圧クレーン等
の装軌式車両は、整地されていない地面を走行するた
め、トラックフレームを構成するサイドフレームの一端
側に設けられた駆動輪と他端側に設けられた遊動輪との
間に巻装される履帯を備えている。そして、サイドフレ
ームには、通常、駆動輪と遊動輪との間に位置して複数
の案内ローラ装置が設けられ、これらの案内ローラ装置
によって履帯が無限軌道を保つように案内される構成と
なっている。
【0003】ここで、この種の案内ローラ装置のうち下
側の案内ローラ装置は、通常、トラックフレームに設け
られた支持軸と、支持軸の軸方向に離間して固定的に配
置された軸受と、履帯を案内するため支持軸に挿通して
設けられ、軸方向の両側が軸受に支持された円筒部とな
った筒状の転輪体と、転輪体内に充填された潤滑油を封
止するため各軸受の近傍に位置して設けられたシール部
材とからなっている。そして、転輪体内に封止された潤
滑油によって軸受等を潤滑することにより、転輪体の円
滑な回転を保つ構成となっている(例えば、特開平10
−86863号公報等)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した下
側の案内ローラ装置には、装軌式車両の自重等による下
向きの荷重が常時作用しており、例えば装軌式車両が岩
石等を乗越えるときには、案内ローラ装置に一時的に過
大な荷重が作用する場合がある。
【0005】この場合、案内ローラ装置を構成する転輪
体の円筒部が、履帯との当接部を支点として一時的に上
向きに屈曲してく字状、または山形状に変形してしまう
ことがあり、このときに、シール部材が転輪体の変形に
伴って変形したり、転輪体の内周側から食み出すことに
より、シール部材のシール性が低下してしまうという問
題がある。
【0006】このようにして、シール部材のシール性が
低下した場合には、転輪体内に封止した潤滑油が外部に
漏れてしまい、軸受に対する適正な潤滑が行われなくな
ることにより、転輪体の円滑な回転が妨げられるという
問題がある。
【0007】また、シール部材が変形して転輪体の内周
側から食み出すことにより、転輪体の内周側に土砂等の
異物(ダスト)が侵入した場合には、この異物によって
軸受が損傷してしまい、転輪体の円滑な回転が妨げられ
るという問題がある。
【0008】本発明は上述した従来技術の問題に鑑みな
されたもので、走行時に転輪体に対して過大な荷重が作
用したとしても、転輪体が変形するのを抑えることがで
き、転輪体の円滑な回転を保つことができるようにした
装軌式車両の案内ローラ装置を提供することを目的とし
ている。
【0009】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために本発明は、装軌式車両のトラックフレームに設け
られた支持軸と、前記支持軸の軸方向に離間して固定的
に配置された軸受と、履帯を案内するため前記支持軸に
挿通して設けられ、軸方向の両側が前記軸受に支持され
た円筒部となった筒状の転輪体と、前記転輪体内に充填
された潤滑油を封止するため前記各軸受の近傍に位置し
て設けられたシール部材とからなる装軌式車両の案内ロ
ーラ装置に適用される。
【0010】そして、請求項1の発明が採用する構成の
特徴は、前記転輪体の円筒部には、前記転輪体に作用す
る荷重に対して強度を補う補強手段を設けたことにあ
る。
【0011】このように構成したことにより、例えば装
軌式車両が岩石等を乗越えるときに転輪体に過大な荷重
が作用したとしても、転輪体の円筒部に設けた補強手段
によって転輪体の変形を抑えることができる。このた
め、転輪体の変形に伴うオイルシールの抜け、変形等に
より、転輪体内に封止した潤滑油が外部に漏れるのを阻
止することができ、転輪体を長期に亘って円滑に回転さ
せることができる。
【0012】請求項2の発明は、補強手段は、転輪体の
円筒部の内周側と外周側のうちのいずれか一方側に嵌合
する補強筒により構成したことにある。
【0013】このように構成したことにより、転輪体に
過大な荷重が作用したとしても、補強筒が転輪体の円筒
部と共に荷重を支えるので、転輪体が変形するのを抑え
ることができる。
【0014】請求項3の発明は、軸受は、支持軸の外周
側に嵌合される内輪と、転輪体の円筒部内周側に嵌合さ
れ、内輪よりも広幅となって転輪体の軸方向に延び補強
手段を兼ねる広幅外輪とにより構成したことにある。
【0015】このように構成したことにより、転輪体に
過大な荷重が作用したとしても、軸受の広幅外輪が転輪
体の円筒部と共に荷重を支えるので、転輪体が変形する
のを抑えることができる。
【0016】請求項4の発明は、補強手段は、支持軸の
外周側に遊嵌された状態で転輪体の円筒部内周側に嵌合
して設けられ、転輪体の円筒部に荷重が作用したときに
支持軸に摺接するブッシュにより構成したことにある。
【0017】このように構成したことにより、転輪体に
作用する荷重が小さいときには、ブッシュと支持軸との
間に微小な隙間が確保された状態で転輪体が円滑に回転
する。一方、転輪体に過大な荷重が作用し、転輪体が僅
かに変形を生じたときには、転輪体に押圧されたブッシ
ュが支持軸に摺接することにより、転輪体が大きく変形
するのを抑えることができる。
【0018】請求項5の発明は、トラックフレームと転
輪体との間には、トラックフレームに対して支持軸を支
持し転輪体の円筒部内に延びる軸支持部を有した支持カ
ラーを設け、補強手段は、支持カラーの軸支持部外周側
に遊嵌された状態で転輪体の円筒部内周側に嵌合して設
けられ、転輪体の円筒部に荷重が作用したときに支持カ
ラーの軸支持部に摺接するブッシュにより構成したこと
にある。
【0019】このように構成したことにより、転輪体に
作用する荷重が小さいときには、ブッシュと支持カラー
の軸支持部との間に微小な隙間が確保された状態で転輪
体が円滑に回転する。一方、転輪体に過大な荷重が作用
し、転輪体が僅かに変形を生じたときには、転輪体に押
圧されたブッシュが支持カラーの軸支持部に摺接するこ
とにより、転輪体が大きく変形するのを抑えることがで
きる。
【0020】請求項6の発明は、ブッシュは自己潤滑性
を有する材料により形成したことにある。
【0021】このように構成したことにより、転輪体が
僅かに変形してブッシュが支持軸または支持カラーの軸
支持部に摺接したとしても、ブッシュと支持軸または支
持カラーの軸支持部との摺接部が焼付き等を生じるのを
抑えることができる。このため、転輪体に過大な荷重が
作用した状態でも、転輪体を円滑に回転させることがで
きる。
【0022】請求項7の発明は、転輪体の円筒部は軸方
向の中間部よりも厚肉に形成し、補強手段はこの厚肉円
筒部により構成したことにある。
【0023】このように構成したことにより、転輪体に
過大な荷重が作用したとしても、この過大な荷重を厚肉
円筒部によって支えることができ、転輪体の変形を抑え
ることができる。
【0024】請求項8の発明は、転輪体の円筒部は軸方
向の中間部よりも強度に優れた高強度材料により形成
し、補強手段はこの高強度円筒部により構成したことに
ある。
【0025】このように構成したことにより、転輪体に
過大な荷重が作用したとしても、この過大な荷重を高強
度円筒部によって支えることができ、転輪体の変形を抑
えることができる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明による装軌式車両の
案内ローラ装置の実施の形態を、油圧ショベルの下部走
行体に適用した場合を例に挙げ、図1ないし図13を参
照しつつ説明する。
【0027】まず、図1ないし図3は第1の実施の形態
を示すに、1は下部走行体のトラックフレームで、この
トラックフレーム1は、センターフレーム2と、センタ
ーフレーム2の左,右両側に位置して前,後方向に伸長
した一対のサイドフレーム3(一方のみ図示)とから大
略構成されている。
【0028】4はサイドフレーム3の一端側に設けられ
た駆動輪で、駆動輪4は走行モータ(図示せず)等によ
って回転駆動されることにより、後述する履帯6を周回
させるものである。5はサイドフレーム3の他端側に設
けられた遊動輪で、遊動輪5は、サイドフレーム3内に
配設された履帯張り装置(図示せず)によって駆動輪4
から離間する方向に付勢され、履帯6に適度な張りを与
える構成となっている。
【0029】6は駆動輪4と遊動輪5との間に巻装され
た履帯で、この履帯6は、サイドフレーム3に設けられ
た後述の上側ローラ装置7、下側ローラ装置8によって
ガイドされた状態で、走行モータにより駆動輪4と遊動
輪5との間で周回され、下部走行体を走行させるもので
ある。
【0030】7,7はサイドフレーム3の上面側に設け
られた2個の上側ローラ装置で、これら上側ローラ装置
7は、履帯6を下側から支持することにより、履帯6が
サイドフレーム3に接触するのを防止している。
【0031】8,8,…はサイドフレーム3の下面側に
回転可能に設けられた複数の下側ローラ装置で、これら
下側ローラ装置8は、サイドフレーム3と履帯6との間
に位置して上側ローラ装置7と共に履帯6をガイドする
ものである。
【0032】ここで、各下側ローラ装置8には、本実施
の形態による案内ローラ装置が適用されており、以下、
図2および図3を参照して下側ローラ装置8について説
明する。
【0033】図2において、9,9はサイドフレーム3
の下面側に位置し、トラックフレーム1の一部を構成す
る左,右の支持ブラケットで、各支持ブラケット9の下
端側には、後述のボルト11が挿通されるボルト挿通孔
9Aが穿設されている。
【0034】10は左,右の支持ブラケット9間に設け
られた支持軸で、この支持軸10は、軸方向中間部に位
置する大径部10Aと、大径部10Aの軸方向両側に位
置し後述の玉軸受13が嵌合する小径部10B,10B
とからなり、各小径部10Bの端面にはねじ穴10Cが
螺設されている。そして、支持軸10は、支持ブラケッ
ト9のボルト挿通孔9Aに挿通されたボルト11,11
をねじ穴10Cに螺入することにより、左,右の支持ブ
ラケット9間に固定されている。
【0035】12,12はトラックフレーム1に対して
支持軸10を支持するため支持ブラケット9と支持軸1
0との間に設けられた左,右の支持カラーで、各支持カ
ラー12の下端側は支持ブラケット9側に突出する突出
部12Aとなり、突出部12Aの上面側は支持ブラケッ
ト9の下端部を支持する荷重受部12Bとなっている。
従って、油圧ショベルの荷重は、各支持ブラケット9か
ら支持カラー12を通じて支持軸10に伝わる構成とな
っている。
【0036】13,13は支持軸10の軸方向に離間し
て固定的に配置された左,右の玉軸受で、各玉軸受13
は、支持軸10の小径部10B外周側に圧入して嵌合さ
れた内輪13Aと、転輪体14の円筒部14A内周側に
圧入して嵌合された外輪13Bと、内輪13Aと外輪1
3Bとの間に設けられた複数(2個のみ図示)の鋼球1
3Cとからなっている。そして、各玉軸受13は、支持
軸10の大径部10A端縁部と後述の止め輪16との間
で軸方向に位置決めされている。
【0037】14は履帯6を案内するため支持軸10に
挿通して設けられた円筒状の転輪体で、この転輪体14
は、軸方向の両側に位置し、後述の補強筒15を介して
玉軸受13に支持された左,右の円筒部14A,14A
と、軸方向の中間に位置して径方向外向きに膨出した膨
出部14Bとからなり、例えばバルジ加工によって一体
に形成されている。
【0038】15,15は転輪体14の各円筒部14A
内周側に設けられた補強手段としての補強筒で、各補強
筒15は、例えば硬質な金属材料等によって円筒状に形
成され、その内周側には止め輪16が嵌着されている。
ここで、補強筒15は、その外周側を転輪体14の円筒
部14A内周側に圧入して嵌合することにより、円筒部
14Aを内周側から補強し、転輪体14に作用する荷重
に対して円筒部14Aの強度を補うものである。
【0039】そして、転輪体14は、円筒部14Aに嵌
合した補強筒15の内周側に玉軸受13の外輪を圧入し
て嵌合することにより、玉軸受13および補強筒15を
介して支持軸10に回転可能に支持されている。また、
玉軸受13は、補強筒15の内周側に嵌着された止め輪
16によって軸方向に抜止めされている。
【0040】17,17は各玉軸受13の近傍に位置し
て転輪体14の円筒部14A内に設けられたシール部材
としてのオイルシールで、各オイルシール17は、支持
軸10の小径部10Bに嵌合された固定側シール17A
と、補強筒15の内周側に嵌合された回転側シール17
Bとからなっている。
【0041】ここで、図3に示すように、固定側シール
17Aは、小径部10Bに嵌合した円筒状の嵌合部17
A1 と、嵌合部17A1 の外周側に固着された鍔付き円
筒状の芯金17A2 とからなっている。一方、回転側シ
ール17Bは、芯金17B1が埋設され補強筒15の内
周側に嵌合された嵌合部17B2 と、嵌合部17B2か
ら固定側シール17Aに向けて延び、固定側シール17
Aの芯金17A2 に摺接するオイル用リップ部17B3
と、オイル用リップ部17B3 の径方向中間部位から軸
方向に突出し、固定側シール17Aの芯金17A2 に摺
接するダスト用リップ部17B4 と、嵌合部17B2 の
外周側から径方向外向きに延び、転輪体14の端面に当
接したフランジ部17B5 とからなっている。そして、
オイルシール17は、転輪体14等と共に回転する回転
側シール17Bのオイル用リップ部17B3 が固定側シ
ール17Aの芯金17A2 に常時摺接することにより、
転輪体14内に充填した潤滑油18を転輪体14内に封
止し、ダスト用リップ部17B4 が固定側シール17A
の芯金17A2 に常時摺接することにより、転輪体14
内に土砂等の異物が侵入するのを阻止するものである。
【0042】本実施の形態による下側ローラ装置8は上
述の如き構成を有するもので、油圧ショベルの走行時
に、下側ローラ装置8の転輪体14は、支持軸10を中
心として回転しつつ履帯6上を移動する。このとき、転
輪体14の膨出部14B内に封止された潤滑油18が玉
軸受13等を常時潤滑することにより、転輪体14を円
滑に回転させることができる。
【0043】ここで、例えば油圧ショベルが岩石等を乗
越えるときに、複数の下側ローラ装置8のうちの1個に
過大な荷重が作用する場合がある。
【0044】しかし、本実施の形態では、下側ローラ装
置8を構成する転輪体14の各円筒部14A内周側に補
強筒15を嵌合させることにより、この補強筒15によ
って円筒部14Aを内周側から補強する構成としたの
で、転輪体14の円筒部14Aが履帯6との当接部を支
点として上向きにく字状に変形するのを抑えることがで
きる。
【0045】このため、転輪体14の円筒部14Aの変
形に伴うオイルシール17の抜け、変形等により、転輪
体14内に封止した潤滑油18が外部に漏れたり、土砂
等の異物が転輪体14の端面からオイルシール17を通
過して玉軸受13等に侵入するのを確実に防止すること
ができる。従って、玉軸受13を潤滑油18によって常
時適正に潤滑することができ、転輪体14を長期に亘っ
て円滑に回転させることができる。
【0046】次に、図4は本発明による第2の実施の形
態を示し、本実施の形態の特徴は、転輪体を構成する円
筒部の外周側に補強筒を嵌合させたことにある。なお、
本実施の形態では、上述した第1の実施の形態と同一の
構成要素に同一符号を付し、その説明を省略するものと
する。
【0047】図4において、21は本実施の形態による
下側ローラ装置で、この下側ローラ装置21は、支持軸
10、支持カラー12、玉軸受13、オイルシール1
7、後述の転輪体22、補強筒23等からなっている。
【0048】22は本実施の形態による転輪体で、この
転輪体22は、軸方向の両側に位置する左,右の円筒部
22A(一方のみ図示)と、軸方向の中間に位置して径
方向外向きに膨出した膨出部22Bとからなり、例えば
バルジ加工によって一体に形成されている。また、円筒
部22Aの内周側には止め輪16が嵌着されている。そ
して、転輪体22は、円筒部22Aの内周側に玉軸受1
3の外輪を圧入して嵌合させることにより支持軸10に
回転可能に支持されている。
【0049】23は転輪体22の各円筒部22A外周側
に設けられた補強手段としての補強筒で、この補強筒2
3は、例えば硬質な金属材料等によって円筒状に形成さ
れている。そして補強筒23は、その内周側を転輪体1
4の円筒部14A外周側に圧入して嵌合することによ
り、円筒部22Aを外周側から補強し、転輪体22に作
用する荷重に対して円筒部22Aの強度を補うものであ
る。
【0050】本実施の形態による下側ローラ装置21は
上述の如き構成を有するもので、例えば油圧ショベルが
岩石等を乗越えるときに、下側ローラ装置21を構成す
る転輪体22に過大な荷重が作用したとしても、転輪体
22の円筒部22Aは、その外周側に嵌合された補強筒
23によって補強されているので、転輪体22の円筒部
22Aが履帯6との当接部を支点として上向きにく字状
に変形するのを抑えることができる。
【0051】このため、転輪体22内に封止した潤滑油
18が外部に漏れたり、土砂等の異物がオイルシール1
7を通過して玉軸受13等に侵入するのを確実に防止す
ることができ、転輪体22を長期に亘って円滑に回転さ
せることができる。
【0052】また、補強筒23を転輪体22の円筒部2
2A外周側に嵌合させる構成としたので、転輪体22の
円筒部22Aが履帯6に接触して摩耗するのを補強筒2
3によって防止できる。しかも、補強筒23の外周面に
表面処理を施すことにより、履帯6に常時接触する補強
筒23の耐摩耗性を向上させることができる。さらに、
補強筒23が摩耗した場合に、新たな補強筒23を転輪
体22の円筒部22Aに嵌合する作業を容易に行うこと
ができ、メンテナンス性を向上させることができる。
【0053】次に、図5は本発明による第3の実施の形
態を示し、本実施の形態の特徴は、補強手段を兼ねる広
幅外輪を有する軸受を設けたことにある。なお、本実施
の形態では、上述した第1の実施の形態と同一の構成要
素に同一符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0054】図5において、31は本実施の形態による
下側ローラ装置で、この下側ローラ装置31は、支持軸
10、支持カラー12、オイルシール17、後述の玉軸
受32、転輪体33等からなっている。
【0055】32は支持軸10の軸方向に離間して固定
的に配置された本実施の形態による左,右の玉軸受(一
方のみ図示)で、この玉軸受32は、支持軸10の小径
部10B外周側に圧入して嵌合された内輪32Aと、転
輪体33の円筒部33A内周側に圧入して嵌合され、内
輪32Aよりも広幅となって転輪体33の軸方向に延び
る広幅外輪32Bと、内輪32Aと広幅外輪32Bとの
間に設けられた複数(2個のみ図示)の鋼球32Cとか
らなっている。そして、広幅外輪32Bは、転輪体33
の円筒部33Aを内周側から補強する補強手段を構成し
ている。
【0056】33は本実施の形態による転輪体で、この
転輪体33は、軸方向の両側に位置する左,右の円筒部
33A(一方のみ図示)と、軸方向の中間に位置して径
方向外向きに膨出した膨出部33Bとからなり、例えば
バルジ加工によって一体に形成されている。また、円筒
部33Aの内周側には止め輪16が嵌着されている。そ
して、転輪体33は、円筒部33Aの内周側に玉軸受3
2の広幅外輪32Bを圧入して嵌合させることにより支
持軸10に回転可能に支持されている。
【0057】本実施の形態は上述の如き構成を有するも
ので、例えば油圧ショベルが岩石等を乗越えるときに、
下側ローラ装置31を構成する転輪体33に過大な荷重
が作用したとしても、玉軸受32の広幅外輪32Bが、
転輪体33の円筒部33Aを内周側から補強しているの
で、転輪体33の円筒部33Aが履帯6との当接部を支
点として上向きにく字状に変形するのを抑えることがで
きる。このため、転輪体33内に封止した潤滑油18が
外部に漏れたり、土砂等の異物がオイルシール17を通
過して玉軸受32等に侵入するのを確実に防止すること
ができ、転輪体33を長期に亘って円滑に回転させるこ
とができる。
【0058】次に、図6および図7は本発明による第4
の実施の形態を示し、本実施の形態の特徴は、支持軸の
外周側に遊嵌された状態で転輪体の円筒部内周側に嵌合
して設けられたブッシュにより、補強手段を構成したこ
とにある。なお、本実施の形態では、上述した第1の実
施の形態と同一の構成要素に同一符号を付し、その説明
を省略するものとする。
【0059】図6および図7において、41は本実施の
形態による下側ローラ装置で、この下側ローラ装置41
は、支持軸10、支持カラー12、後述の玉軸受42、
転輪体43、ブッシュ44、オイルシール45等からな
っている。
【0060】42,42は本実施の形態による玉軸受
で、各玉軸受42は、支持軸10の小径部10B外周側
に圧入して嵌合された内輪42Aと、転輪体43の円筒
部43A内周側に圧入して嵌合された外輪42Bと、内
輪42Aと外輪42Bとの間に設けられた複数(2個の
み図示)の鋼球42Cと、内輪42Aと外輪42Bとの
間に設けられ異物の侵入を防止するシール42Dとから
なっている。
【0061】43は本実施の形態による転輪体で、この
転輪体43は、軸方向の両側に位置する左,右の円筒部
43A,43Aと、軸方向の中間に位置して径方向外向
きに膨出した膨出部43Bとからなり、例えばバルジ加
工によって一体に形成されている。また、円筒部43A
の内周側には止め輪16が嵌着されている。そして、転
輪体43は、円筒部43Aの内周側に玉軸受42の外輪
42Bを圧入して嵌合させることにより、支持軸10に
回転可能に支持されている。
【0062】44,44は支持軸10と転輪体43の各
円筒部43Aとの間に設けられた補強手段としてのブッ
シュで、各ブッシュ44は、例えば4フッ化エチレン樹
脂(PTFE)、ポリアミド、超高分子量ポリエチレン
等のエンジニアリングプラスチック、焼結含油合金、固
体潤滑剤を埋込んだ金属、青銅等の自己潤滑性を有する
材料により円筒状に形成されている。また、ブッシュ4
4の内周側にはオイルシール45を保持する環状凹部4
4Aが形成されている。
【0063】そして、ブッシュ44は、内周側が支持軸
10の小径部10B外周側に遊嵌された状態で、外周側
が転輪体43の円筒部43A内周側に圧入して嵌合さ
れ、支持軸10の小径部10Bとブッシュ44の内周面
44Bとの間には微小な隙間が形成されている。
【0064】従って、転輪体43に作用する荷重が小さ
いときには、支持軸10の小径部10Bとブッシュ44
の内周面44Bとの間に微小な隙間が確保され、転輪体
43は支持軸10を中心として円滑に回転する。一方、
転輪体43に過大な荷重が作用して転輪体43の円筒部
43Aが僅かに変形したときには、ブッシュ44の内周
面44Bが、支持軸10の小径部10Bに摺接すること
により、転輪体43が大きく変形するのをブッシュ44
によって抑えることができる構成となっている。
【0065】45,45は支持軸10と各ブッシュ44
との間に設けられたオイルシールで、各オイルシール4
5は、図7に示すように、ブッシュ44の環状凹部44
A内周側に嵌合された嵌合部45Aと、嵌合部45Aか
ら径方向内側に延び、支持軸10の小径部10Aに摺接
するリップ部45Bとからなっている。そして、オイル
シール45は、転輪体43内に潤滑油18を封止し、か
つ土砂等の異物(ダスト)が支持軸10とブッシュ44
との間の隙間を通じて玉軸受42内に侵入するのを阻止
するものである。
【0066】本実施の形態は上述の如き構成を有するも
ので、例えば油圧ショベルが岩石等を乗越える場合に、
下側ローラ装置41を構成する転輪体43に過大な荷重
が作用し、転輪体43の円筒部43Aが僅かに変形する
と、この円筒部43Aに押圧されたブッシュ44の内周
面44Bが、支持軸10の小径部10Bに摺接する。こ
れにより、転輪体43が大きく変形してしまうのをブッ
シュ44によって抑えることができる。このため、転輪
体43内に封止した潤滑油18が外部に漏れるのを防止
でき、転輪体43を長期に亘って円滑に回転させること
ができる。
【0067】この場合、ブッシュ44はエンジニアリン
グプラスチック等の自己潤滑性を有する材料により形成
されているので、転輪体43の変形に伴ってブッシュ4
4の内周面44Bが支持軸10に摺接したとしても、こ
のブッシュ44と支持軸10との摺接部が焼付いたり、
ブッシュ44と支持軸10との摺接部から騒音が発生す
るのを防止することができる。
【0068】次に、図8は本発明による第5の実施の形
態を示し、本実施の形態では、支持カラーに転輪体の円
筒部内に延びる軸支持部を設け、この軸支持部と転輪体
の円筒部との間に設けたブッシュにより補強手段を構成
したことにある。なお、本実施の形態では、上述した第
1の実施の形態と同一の構成要素に同一符号を付し、そ
の説明を省略するものとする。
【0069】図8において、51は本実施の形態による
下側ローラ装置で、この下側ローラ装置51は、支持軸
10、後述の支持カラー52、玉軸受53、転輪体5
4、ブッシュ55、オイルシール56等からなってい
る。
【0070】52はトラックフレーム1に対して支持軸
10を支持するため支持ブラケット9と支持軸10との
間に設けられた左,右の支持カラー(一方のみ図示)
で、この支持カラー52は、円板状の鍔部52Aと、鍔
部52Aの下端側から支持ブラケット9側に突出した突
出部52Bと、突出部52Bの上面側に位置し支持ブラ
ケット9の下端部を支持する荷重受部52Cと、転輪体
54の円筒部54A内に延び、内周側に支持軸10の小
径部10Bが挿通された円筒状の軸支持部52Dとから
なっている。
【0071】53は本実施の形態による玉軸受で、この
玉軸受53は、支持軸10の小径部10Bに圧入して嵌
合された内輪53Aと、転輪体54の円筒部54A内周
側に圧入して嵌合された外輪53Bと、複数(2個のみ
図示)の鋼球53Cと、内輪53Aと外輪53Bとの間
に設けられたシール53Dとからなっている。
【0072】54は本実施の形態による転輪体で、この
転輪体54は、軸方向の両側に位置する左,右の円筒部
54A(一方のみ図示)と、軸方向の中間に位置して径
方向外向きに膨出した膨出部54Bとからなり、例えば
バルジ加工によって一体に形成されている。また、円筒
部54Aの内周側には止め輪16が嵌着されている。そ
して、転輪体54は、円筒部54Aの内周側に玉軸受5
3の外輪53Bを圧入して嵌合させることにより、支持
軸10に回転可能に支持されている。
【0073】55は支持軸10と左,右の支持カラー5
2の軸支持部52Dとの間に設けられた補強手段として
のブッシュで、このブッシュ55は、例えば4フッ化エ
チレン樹脂(PTFE)、ポリアミド、超高分子量ポリ
エチレン等のエンジニアリングプラスチック、焼結含油
合金、固体潤滑剤を埋込んだ金属、青銅等の機械的強度
に優れ、かつ自己潤滑性を有する材料により円筒状に形
成されている。
【0074】そして、ブッシュ55は、内周側が支持カ
ラー52の軸支持部52D外周側に遊嵌された状態で、
外周側が転輪体54の円筒部54A内周側に圧入して嵌
合され、支持カラー52の軸支持部52Dとブッシュ5
5の内周面55Aとの間には微小な隙間が形成されてい
る。
【0075】従って、転輪体54に作用する荷重が小さ
いときには、支持カラー52の軸支持部52Dとブッシ
ュ55の内周面55Aとの間に微小な隙間が確保され、
転輪体54は支持軸10を中心として円滑に回転する。
一方、転輪体54に過大な荷重が作用して転輪体54の
円筒部54Aが僅かに変形したときには、ブッシュ55
の内周面55Aが支持カラー52の軸支持部52Dに摺
接することにより、転輪体54が大きく変形するのをブ
ッシュ55によって抑えることができる構成となってい
る。
【0076】56は支持カラー52の軸支持部52Dと
転輪体54の円筒部54Aとの間に設けられたオイルシ
ールで、このオイルシール56は、転輪体54の円筒部
54A内周側に嵌合された嵌合部56Aと、嵌合部56
Aから径方向内側に延び、支持カラー52の軸支持部5
2Dに摺接するリップ部56Bとからなっている。そし
て、オイルシール56は、玉軸受53のシール53Dと
共に、転輪体54内に潤滑油18を封止し、かつ土砂等
の異物(ダスト)が支持軸10とブッシュ55との間の
隙間を通じて玉軸受53内に侵入するのを阻止するもの
である。
【0077】本実施の形態は上述の如き構成を有するも
ので、下側ローラ装置51を構成する転輪体54に過大
な荷重が作用し、転輪体54の円筒部54Aが僅かに変
形すると、この円筒部54Aに押圧されたブッシュ55
の内周面55Aが、支持カラー52の軸支持部52Dに
摺接することにより、転輪体54が大きく変形してしま
うのをブッシュ55によって抑えることができる。この
ため、転輪体54内に封止した潤滑油18が外部に漏れ
たり、土砂等の異物がオイルシール56を通過して玉軸
受53等に侵入するのを確実に防止することができ、転
輪体54を長期に亘って円滑に回転させることができ
る。
【0078】次に、図9は本発明による第6の実施の形
態を示し、本実施の形態の特徴は、転輪体の円筒部を膨
出部よりも厚肉に形成し、この厚肉円筒部により補強手
段を構成したことにある。なお、本実施の形態では、上
述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一符号を
付し、その説明を省略するものとする。
【0079】図9において、61は本実施の形態による
下側ローラ装置で、この下側ローラ装置61は、支持軸
10、支持カラー12、玉軸受13、オイルシール1
7、後述の転輪体62等からなっている。
【0080】62は本実施の形態に用いられる転輪体
で、この転輪体62は、軸方向の両側に位置する左,右
の厚肉円筒部62A,62Aと、軸方向の中間に位置し
て径方向外向きに膨出した膨出部62Bとからなり、各
厚肉円筒部62Aは、その肉厚Tが、膨出部62Bの肉
厚tよりも大きく(T>t)形成されている。これによ
り、転輪体62に作用する荷重に対して厚肉円筒部62
Aの強度が高められ、本実施の形態では、転輪体62の
厚肉円筒部62Aが補強手段を構成している。
【0081】ここで、転輪体62は、例えば冷間加工等
によって、軸方向の両側が肉厚Tとなり軸方向の中間が
肉厚tとなったパイプ材を成形した後、このパイプ材に
バルジ加工を施すことにより、肉厚Tを有する左,右の
厚肉円筒部62Aと、肉厚tを有する膨出部62Bが一
体形成されている。
【0082】本実施の形態は上述の如き構成を有するも
ので、下側ローラ装置61を構成する転輪体62に過大
な荷重が作用したとしても、転輪体62の各厚肉円筒部
62Aの肉厚Tは、膨出部62Bの肉厚tよりも大きく
形成されているため、転輪体62の厚肉円筒部62Aが
履帯6との当接部を支点として上向きにく字状に変形す
るのを抑えることができる。
【0083】このため、転輪体62内に封止した潤滑油
18が外部に漏れたり、土砂等の異物がオイルシール1
7を通過して玉軸受13等に侵入するのを確実に防止す
ることができ、転輪体62を長期に亘って円滑に回転さ
せることができる。
【0084】また、転輪体62を構成する厚肉円筒部6
2Aによって補強手段を構成したので、転輪体62に格
別の補強手段等を設ける場合に比較して、部品点数を削
減することができ、下側ローラ装置61全体のコストの
低減にも寄与することができる。
【0085】次に、図10は本発明による第7の実施の
形態を示し、本実施の形態の特徴は、転輪体の円筒部を
膨出部よりも強度に優れた高強度材料により形成し、こ
の高強度円筒部により補強手段を構成したことにある。
なお、本実施の形態では、上述した第1の実施の形態と
同一の構成要素に同一符号を付し、その説明を省略する
ものとする。
【0086】図10において、71は本実施の形態によ
る下側ローラ装置で、この下側ローラ装置71は、支持
軸10、支持カラー12、玉軸受13、オイルシール1
7、後述の転輪体72等からなっている。
【0087】72は本実施の形態に用いられる転輪体
で、この転輪体72は、軸方向の両側に位置する左,右
の高強度円筒部72A,72Aと、各高強度円筒部72
A間に溶接等の手段によって固着され、軸方向の中間に
位置して径方向外向きに膨出した膨出部72Bとからな
っている。
【0088】ここで、各高強度円筒部72Aと膨出部7
2Bとは略等しい肉厚を有しているものの、膨出部72
Bは、例えば炭素鋼等の材料からなるパイプ材にバルジ
加工を施すことにより形成され、各高強度円筒部72A
は、膨出部72Bを構成するパイプ材よりも強度に優れ
た材料、例えばマンガン鋼等の高強度材料からなるパイ
プ材により形成されている。これにより、転輪体72に
作用する荷重に対して高強度円筒部72Aの強度が高め
られ、本実施の形態では、転輪体72の高強度円筒部7
2Aが補強手段を構成している。
【0089】本実施の形態は上述の如き構成を有するも
ので、例えば油圧ショベルが岩石等を乗越えるときに、
下側ローラ装置71を構成する転輪体72に過大な荷重
が作用したとしても、転輪体72の各高強度円筒部72
Aの強度は、膨出部72Bよりも高められているため、
転輪体72の高強度円筒部72Aが履帯6との当接部を
支点として上向きにく字状に変形するのを抑えることが
できる。
【0090】このため、転輪体72内に封止した潤滑油
18が外部に漏れたり、土砂等の異物がオイルシール1
7を通過して玉軸受13等に侵入するのを確実に防止す
ることができ、転輪体72を長期に亘って円滑に回転さ
せることができる。
【0091】なお、上述した第1の実施の形態では、転
輪体14の各円筒部14A内周側に嵌合させるために2
本の補強筒15を用いた場合を例に挙げたが、本発明は
これに限るものではなく、例えば図11に示す変形例の
ように、転輪体14と略等しい長さ寸法を有する1本の
補強筒81を用い、この補強筒81の長さ方向両側を各
円筒部14A内周側に嵌合させる構成としてもよい。
【0092】また、上述した第4の実施の形態では、支
持軸10の大径部10A端縁部と止め輪16との間で玉
軸受42を軸方向に位置決めし、止め輪16と支持カラ
ー12との間に位置して転輪体43の円筒部43A内周
側にブッシュ44を嵌合させた場合を例に挙げたが、本
発明はこれに限らず、例えば図12に示す変形例のよう
に、オイルシール45を保持する環状凹部91A、玉軸
受42の外輪42B端面に当接する環状のストッパ部9
1Bを有するブッシュ91を、転輪体43の円筒部43
A内周側に圧入して嵌合させることにより、支持軸10
の大径部10A端縁部とブッシュ91のストッパ部91
Bとの間で玉軸受42を軸方向に位置決めする構成とし
てもよい。
【0093】また、上述した第6の実施の形態では、肉
厚Tの厚肉円筒部62A,62Aと肉厚tの膨出部62
Bとからなる転輪体62を、バルジ加工により一体形成
した場合を例に挙げたが、本発明はこれに限るものでは
なく、例えば図13に示す変形例のように、長さ方向の
一側に位置する肉厚Tの厚肉円筒部101Aと、長さ方
向の他側に位置する肉厚tの膨出部101Bとからなる
半割転輪体101を2個形成し、各半割転輪体101の
膨出部101B端面間を溶接等の手段によって接合する
ことにより、肉厚Tの厚肉円筒部101A,101Aと
肉厚tの膨出部101Bとを有する1個の転輪体を構成
してもよい。
【0094】さらに、上述した各実施の形態では、軸受
として玉軸受13,32,42,53を用いた場合を例
に挙げたが、本発明はこれに限らず、軸受として滑り軸
受を用いてもよい。
【0095】
【発明の効果】以上詳述した如く、請求項1の発明によ
れば、転輪体の円筒部には、転輪体に作用する荷重に対
して強度を補う補強手段を設ける構成としたので、例え
ば装軌式車両が岩石等を乗越えるときに転輪体に過大な
荷重が作用したとしても、転輪体の円筒部に設けた補強
手段によって転輪体の変形を抑えることができる。この
ため、転輪体の変形に伴うオイルシールの抜け、変形等
により、転輪体内に封止した潤滑油が外部に漏れたり、
土砂等の異物が軸受等に侵入するのを防止することがで
き、軸受を潤滑油によって常時適正に潤滑することがで
き、転輪体を長期に亘って円滑に回転させることができ
る。
【0096】請求項2の発明によれば、補強手段は、転
輪体の円筒部の内周側と外周側のうちのいずれか一方側
に嵌合する補強筒により構成したので、転輪体に過大な
荷重が作用したとしても、補強筒が転輪体の円筒部と共
に荷重を支えることにより、転輪体が変形するのを抑え
ることができ、転輪体内に封止した潤滑油が外部に漏れ
たり、土砂等の異物が軸受等に侵入するのを防止するこ
とができる。
【0097】請求項3の発明によれば、軸受を、支持軸
の外周側に嵌合される内輪と、転輪体の円筒部内周側に
嵌合され、内輪よりも広幅となって転輪体の軸方向に延
び補強手段を兼ねる広幅外輪とから構成したので、転輪
体に過大な荷重が作用したとしても、軸受の広幅外輪が
転輪体の円筒部と共に荷重を支えることにより、転輪体
が変形するのを抑えることができ、転輪体内に封止した
潤滑油が外部に漏れたり、土砂等の異物が軸受等に侵入
するのを防止することができる。
【0098】請求項4の発明によれば、補強手段は、支
持軸の外周側に遊嵌された状態で転輪体の円筒部内周側
に嵌合して設けられ、転輪体の円筒部に荷重が作用した
ときに支持軸に摺接するブッシュにより構成したので、
転輪体に作用する荷重が小さいときには、ブッシュと支
持軸との間に微小な隙間が確保された状態で転輪体を円
滑に回転させることができる。一方、転輪体に過大な荷
重が作用し、転輪体の円筒部が僅かに変形したときに
は、ブッシュが支持軸に摺接することにより、転輪体が
大きく変形するのを抑えることができる。
【0099】請求項5の発明によれば、トラックフレー
ムと転輪体との間には、トラックフレームに対して支持
軸を支持し転輪体の内周側に延びる軸支持部を有した支
持カラーを設け、補強手段は、支持カラーの軸支持部外
周側に遊嵌された状態で転輪体の内周側に嵌合して設け
られたブッシュにより構成したので、転輪体に過大な荷
重が作用し、転輪体の円筒部が僅かに変形したときに
は、ブッシュが支持カラーの軸支持部に摺接することに
より、転輪体が大きく変形するのを抑えることができ
る。
【0100】請求項6の発明によれば、ブッシュは自己
潤滑性を有する材料により形成したので、転輪体が僅か
に変形してブッシュが支持軸、または支持カラーの軸支
持部に摺接したとしても、ブッシュと支持軸または支持
カラーの軸支持部との摺接部が焼付き等を生じるのを抑
えることができる。このため、転輪体に過大な荷重が作
用した状態でも、転輪体を円滑に回転させることができ
る。
【0101】請求項7の発明によれば、転輪体の円筒部
は軸方向の中間部よりも厚肉に形成し、補強手段はこの
厚肉円筒部により構成したので、転輪体に過大な荷重が
作用したとしても、この過大な荷重を厚肉円筒部によっ
て支えることができ、転輪体の変形を抑えることができ
る。この場合、転輪体とは別部材からなる補強手段を転
輪体に設ける場合に比較して部品点数を削減でき、コス
トの低減にも寄与することができる。
【0102】請求項8の発明によれば、転輪体の円筒部
は軸方向の中間部よりも強度に優れた高強度材料により
形成し、補強手段はこの高強度円筒部により構成したの
で、転輪体に過大な荷重が作用したとしても、この過大
な荷重を高強度円筒部によって支えることができ、転輪
体の変形を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態による案内ローラ装
置を、油圧ショベルの下部走行体に設けた下側ローラ装
置に適用した状態で示す正面図である。
【図2】第1の実施の形態による下側ローラ装置を拡大
して示す図1中の矢示II−II方向からみた断面図であ
る。
【図3】図2中の転輪体、玉軸受、補強筒等を示す要部
拡大断面図である。
【図4】第2の実施の形態による下側ローラ装置の転輪
体、玉軸受、補強筒等を示す要部拡大断面図である。
【図5】第3の実施の形態による下側ローラ装置の転輪
体、オイルシール、玉軸受等を示す要部拡大断面図であ
る。
【図6】第4の実施の形態による下側ローラ装置を示す
断面図である。
【図7】図6中の転輪体、玉軸受、ブッシュ等を示す要
部拡大断面図である。
【図8】第5の実施の形態による下側ローラ装置の支持
カラー、転輪体、ブッシュ等を示す要部拡大断面図であ
る。
【図9】第6の実施の形態による下側ローラ装置を示す
断面図である。
【図10】第7の実施の形態による下側ローラ装置を示
す断面図である。
【図11】第1の実施の形態の変形例を示す断面図であ
る。
【図12】第4の実施の形態の変形例を示す要部拡大断
面図である。
【図13】第6の実施の形態の変形例を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
1 トラックフレーム 10 支持軸 13,32,42,53 玉軸受(軸受) 14,22,33,43,54,62,72 転輪体 14A,22A,33A,43A,54A 円筒部 14B,22B,33B,43B,54B,62B,7
2B 膨出部 15,23,81 補強筒(補強手段) 17,45,56 オイルシール(シール部材) 18 潤滑油 32B 広幅外輪(補強手段) 44,55 ブッシュ(補強手段) 52 支持カラー 52D 軸支持部 62A 厚肉円筒部 72A 高強度円筒部

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 装軌式車両のトラックフレームに設けら
    れた支持軸と、前記支持軸の軸方向に離間して固定的に
    配置された軸受と、履帯を案内するため前記支持軸に挿
    通して設けられ、軸方向の両側が前記軸受に支持された
    円筒部となった筒状の転輪体と、前記転輪体内に充填さ
    れた潤滑油を封止するため前記各軸受の近傍に位置して
    設けられたシール部材とからなる装軌式車両の案内ロー
    ラ装置において、 前記転輪体の円筒部には、前記転輪体に作用する荷重に
    対して強度を補う補強手段を設ける構成としたことを特
    徴とする装軌式車両の案内ローラ装置。
  2. 【請求項2】 前記補強手段は、前記転輪体の円筒部の
    内周側と外周側のうちのいずれか一方側に嵌合する補強
    筒により構成してなる請求項1に記載の装軌式車両の案
    内ローラ装置。
  3. 【請求項3】 前記軸受は、前記支持軸の外周側に嵌合
    される内輪と、前記転輪体の円筒部内周側に嵌合され、
    前記内輪よりも広幅となって前記転輪体の軸方向に延び
    前記補強手段を兼ねる広幅外輪とにより構成してなる請
    求項1に記載の装軌式車両の案内ローラ装置。
  4. 【請求項4】 前記補強手段は、前記支持軸の外周側に
    遊嵌された状態で前記転輪体の円筒部内周側に嵌合して
    設けられ、前記転輪体の円筒部に荷重が作用したときに
    前記支持軸に摺接するブッシュにより構成してなる請求
    項1に記載の装軌式車両の案内ローラ装置。
  5. 【請求項5】 前記トラックフレームと転輪体との間に
    は、前記トラックフレームに対して前記支持軸を支持し
    前記転輪体の円筒部内に延びる軸支持部を有した支持カ
    ラーを設け、前記補強手段は、前記支持カラーの軸支持
    部外周側に遊嵌された状態で前記転輪体の円筒部内周側
    に嵌合して設けられ、前記転輪体の円筒部に荷重が作用
    したときに前記支持カラーの軸支持部に摺接するブッシ
    ュにより構成してなる請求項1に記載の装軌式車両の案
    内ローラ装置。
  6. 【請求項6】 前記ブッシュは自己潤滑性を有する材料
    により形成してなる請求項4または5に記載の装軌式車
    両の案内ローラ装置。
  7. 【請求項7】 前記転輪体の円筒部は軸方向の中間部よ
    りも厚肉に形成し、前記補強手段はこの厚肉円筒部によ
    り構成してなる請求項1に記載の装軌式車両の案内ロー
    ラ装置。
  8. 【請求項8】 前記転輪体の円筒部は軸方向の中間部よ
    りも強度に優れた高強度材料により形成し、前記補強手
    段はこの高強度円筒部により構成してなる請求項1に記
    載の装軌式車両の案内ローラ装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2020153113A (ja) * 2019-03-19 2020-09-24 山▲さき▼建設株式会社 削土運搬用装軌車両
JP2021177097A (ja) * 2020-05-07 2021-11-11 エヴァーパッズ カンパニー, リミテッド トラックローラ部材

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