JP2000095156A - 装軌式車両の案内ローラ装置 - Google Patents

装軌式車両の案内ローラ装置

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JP2000095156A
JP2000095156A JP10285997A JP28599798A JP2000095156A JP 2000095156 A JP2000095156 A JP 2000095156A JP 10285997 A JP10285997 A JP 10285997A JP 28599798 A JP28599798 A JP 28599798A JP 2000095156 A JP2000095156 A JP 2000095156A
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roller device
bearing
guide roller
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Hideki Akita
秀樹 秋田
Norimitsu Sakuma
宣光 佐久間
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Hitachi Construction Machinery Co Ltd
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Hitachi Construction Machinery Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 装軌式車両の案内ローラ装置を構成する転輪
体が一時的に変形を生じたとしても、転輪体の円滑な回
転を保つことができるようにする。 【解決手段】 転輪体14の端面に当接したオイルシー
ル17(回転側シール17B)のフランジ部17B5 と
支持カラー12との間にスラストリング18を設け、こ
のスラストリング18によって回転側シール17Bが軸
方向に動くのを規制し、オイルシール17を転輪体14
に対して抜止めする構成とする。これにより、例えば装
軌式車両が岩石等を乗越える場合等において、転輪体1
4が一時的に変形したとしても、スラストリング18に
よってオイルシール17が転輪体14から抜出してしま
うのを防止することができる。このため、転輪体14内
に封止した潤滑油16が外部に漏れるのを阻止でき、転
輪体14を長期に亘って円滑に回転させることができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は油圧ショベル、油圧
クレーン等の装軌式車両に好適に用いられる装軌式車両
の案内ローラ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、油圧ショベル、油圧クレーン等
の装軌式車両は、整地されていない地面を走行するた
め、トラックフレームを構成するサイドフレームの一端
側に設けられた駆動輪と他端側に設けられた遊動輪との
間に巻装される履帯を備えている。そして、サイドフレ
ームには、通常、駆動輪と遊動輪との間に位置して複数
の案内ローラ装置が設けられ、これらの案内ローラ装置
によって履帯が無限軌道を保つように案内される構成と
なっている。
【0003】ここで、案内ローラ装置は、通常、トラッ
クフレームに固定された支持軸と、この支持軸に軸受を
介して回転可能に設けられ履帯を案内する転輪体とから
なり、転輪体内には潤滑油が封入される油溜め部が形成
されている。そして、油溜め部内に封入された潤滑油に
よって軸受等を潤滑することにより、転輪体の円滑な回
転を保つ構成となっている(例えば、実開平1−987
84号公報等)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述の案内
ローラ装置のうち下側の案内ローラ装置には、装軌式車
両の自重等による下向きの荷重が常時作用しており、例
えば装軌式車両が岩石等を乗越えるときには、下側の案
内ローラ装置に一時的に過大な荷重が作用する場合があ
る。
【0005】この場合、案内ローラ装置を構成する転輪
体が、履帯との当接部を支点として一時的に上向きに屈
曲してく字状、または山形状に変形してしまうことがあ
り、このときに、転輪体の両端側に配設されたシール部
材が、転輪体の変形に伴って変形したり、転輪体の内周
側から食み出すことにより、シール部材のシール性が低
下してしまうという問題がある。
【0006】このようにして、シール部材のシール性が
低下した場合には、転輪体内に封入した潤滑油が外部に
漏れてしまい、軸受に対する適正な潤滑が行われなくな
ることにより、転輪体の円滑な回転が妨げられるという
問題がある。
【0007】また、シール部材が変形して転輪体の内周
側から食み出すことにより、転輪体の内周側に土砂等の
異物(ダスト)が侵入した場合には、この異物によって
軸受が損傷してしまい、転輪体の円滑な回転が妨げられ
るという問題がある。
【0008】本発明は上述した従来技術の問題に鑑みな
されたもので、走行時に転輪体が一時的に変形を生じた
としても、転輪体の円滑な回転を保つことができるよう
にした装軌式車両の案内ローラ装置を提供することを目
的としている。
【0009】また、本発明の他の目的は、潤滑油によっ
て潤滑される軸受を備え、走行時に転輪体が一時的に変
形を生じたとしても、転輪体内に封入された潤滑油が外
部に漏れるのを防止でき、転輪体の円滑な回転を保つこ
とができるようにした装軌式車両の案内ローラ装置を提
供することを目的としている。
【0010】さらに、本発明の他の目的は、自己潤滑性
を有する軸受を備え、走行時に転輪体が一時的に変形を
生じたとしても、転輪体内に異物が侵入して軸受が破損
するのを防止でき、転輪体の円滑な回転を保つことがで
きるようにした装軌式車両の案内ローラ装置を提供する
ことを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために本発明は、装軌式車両のトラックフレームに設け
られた支持軸と、履帯を案内するため前記支持軸に回転
可能に設けられた転輪体と、前記転輪体の内周側に位置
して前記支持軸との間に軸方向に離間して設けられた軸
受と、前記軸受を潤滑する潤滑油を封止するため前記転
輪体の左,右方向両側に設けられたシール部材とからな
る装軌式車両の案内ローラ装置に適用される。
【0012】そして、請求項1の発明が採用する構成の
特徴は、前記転輪体には前記シール部材が前記転輪体か
ら抜出すのを防止するシール抜止手段を設けたことにあ
る。
【0013】このように構成したことにより、例えば装
軌式車両が岩石等を乗越えるときに転輪体が一時的に変
形したとしても、シール抜止手段によってシール部材が
転輪体から抜出してしまうのを防止することができる。
このため、転輪体内に封入した潤滑油が外部に漏れるの
を阻止し、転輪体を長期に亘って円滑に回転させること
ができる。
【0014】また、請求項2の発明は、トラックフレー
ムと転輪体との間には前記トラックフレームに対して支
持軸を支持する支持カラーを設け、シール部材には転輪
体の端面に当接するフランジ部を有し、シール抜止手段
は支持カラーとシール部材のフランジ部との間に設けら
れ、シール部材が軸方向に動くのを規制するスラストリ
ングにより構成したことにある。
【0015】このように構成したことにより、転輪体の
変形によってシール部材が転輪体から抜出そうとして
も、このシール部材の軸方向への移動をスラストリング
によって規制することができ、シール部材を抜止めする
ことができる。
【0016】また、請求項3の発明は、シール抜止手段
はシール部材を転輪体に接着する接着剤により構成した
ことにある。
【0017】このように構成したことにより、シール部
材は接着剤によって転輪体に固着されるから、シール部
材を転輪体に対して抜止めすることができる。
【0018】さらに、請求項4の発明は、シール部材に
は転輪体の端面に当接するフランジ部を有し、シール抜
止手段はシール部材のフランジ部を転輪体の端面に固定
するアンカーピンにより構成したことにある。
【0019】このように構成したことにより、シール部
材のフランジ部がアンカーピンによって転輪体の端面に
固定されるから、シール部材を転輪体に対して抜止めす
ることができる。
【0020】また、請求項5の発明は、シール抜止手段
は転輪体の端面側に位置して転輪体の内周側に設けら
れ、シール部材が軸方向に動くのを規制するストップリ
ングにより構成したことにある。
【0021】このように構成したことにより、シール部
材が転輪体から抜出そうとしても、このシール部材の軸
方向への移動をストップリングによって規制することが
でき、シール部材を転輪体に対して抜止めすることがで
きる。
【0022】一方、請求項6の発明は、装軌式車両のト
ラックフレームに設けられた支持軸と、履帯を案内する
ため前記支持軸に回転可能に設けられた転輪体と、前記
転輪体の内周側に位置して前記支持軸との間に軸方向に
離間して設けられた軸受とからなる装軌式車両の案内ロ
ーラ装置において、前記軸受は自己潤滑性を有する軸受
により構成し、前記転輪体には前記転輪体の左,右両側
に位置して前記軸受に異物が侵入するのを防止するシー
ル部材を設ける構成したことにある。
【0023】このように構成したことにより、転輪体は
自己潤滑性を有する軸受によって円滑に回転するから、
転輪体内に潤滑油を封入する必要がなく、転輪体が一時
的に変形したとしても、潤滑油が転輪体の外部に漏れる
ことに起因する転輪体の回転不良を防止できる。また、
土砂等の異物が軸受に侵入するのをシール部材によって
阻止することにより軸受の破損を防止でき、転輪体を長
期に亘って円滑に回転させることができる。
【0024】また、請求項7の発明は、シール部材と軸
受との間にはグリスを溜めるグリス溜部を設ける構成と
したことにある。
【0025】このように構成したことにより、土砂等の
異物が転輪体の端面からダストシールを通過して転輪体
内に侵入したとしても、この異物をグリス溜部内のグリ
スによって捕捉することができる。
【0026】さらに、請求項8の発明は、トラックフレ
ームと転輪体との間にはトラックフレームに対して支持
軸を支持する支持カラーを設け、転輪体の端面と支持カ
ラーとの間にはOリングを設ける構成としたことにあ
る。
【0027】このように構成したことにより、土砂等の
異物が転輪体内に侵入するのを、シール部材、グリス溜
部内のグリス、Oリングからなる三重のシールによって
確実に阻止することができる。
【0028】また、請求項9の発明は、支持カラーには
Oリングを取囲んでOリングの食み出しを防止する環状
凹溝を設ける構成としたことにある。
【0029】このように構成したことにより、カラーの
環状凹溝によってOリングの食み出しを防止できる上
に、Oリングが土砂等によって破損するのを防止でき、
Oリングのシール性を保つことができる。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明による装軌式車両の
案内ローラ装置の実施の形態を、油圧ショベルの下部走
行体に適用した場合を例に挙げ、図1ないし図12を参
照しつつ説明する。
【0031】まず、図1ないし図3は第1の実施の形態
を示すに、1は下部走行体のトラックフレームで、この
トラックフレーム1は、センターフレーム2と、センタ
ーフレーム2の左,右両側に位置して前,後方向に伸長
した一対のサイドフレーム3(一方のみ図示)とから大
略構成されている。
【0032】4はサイドフレーム3の一端側に設けられ
た駆動輪で、駆動輪4は走行モータ(図示せず)等によ
って回転駆動されることにより、後述する履帯6を周回
させるものである。5はサイドフレーム3の他端側に設
けられた遊動輪で、遊動輪5は、サイドフレーム3内に
配設された履帯張り装置(図示せず)によって駆動輪4
から離間する方向に付勢され、履帯6に適度な張りを与
える構成となっている。
【0033】6は駆動輪4と遊動輪5との間に巻装され
た履帯で、この履帯6は、サイドフレーム3に設けられ
た後述の上側ローラ装置7、下側ローラ装置8によって
ガイドされた状態で、走行モータにより駆動輪4と遊動
輪5との間で周回され、下部走行体を走行させるもので
ある。
【0034】7,7はサイドフレーム3の上面側に設け
られた2個の上側ローラ装置で、これら上側ローラ装置
7は、履帯6を下側から支持することにより、履帯6が
サイドフレーム3に接触するのを防止している。
【0035】8,8,…はサイドフレーム3の下面側に
回転可能に設けられた複数の下側ローラ装置で、これら
下側ローラ装置8は、サイドフレーム3と履帯6との間
に位置して上側ローラ装置7と共に履帯6をガイドする
ものである。
【0036】ここで、各下側ローラ装置8には、本実施
の形態による案内ローラ装置が適用されており、以下、
図2を参照して下側ローラ装置8について説明する。
【0037】図2において、9,9はサイドフレーム3
の下面側に位置し、トラックフレーム1の一部を構成す
る左,右の支持ブラケットで、各支持ブラケット9の下
端側には、後述のボルト11が挿通されるボルト挿通孔
9Aが穿設されている。
【0038】10は左,右の支持ブラケット9間に設け
られた支持軸で、この支持軸10は、軸方向中間部に位
置する大径部10Aと、大径部10Aの軸方向両側に位
置し後述のベアリング13が嵌合する軸受嵌合部10
B,10Bと、各軸受嵌合部10Bの軸方向外側に位置
する小径部10C,10Cとからなり、小径部10Cの
端面にはねじ穴10Dが螺設されている。そして、支持
軸10は、支持ブラケット9のボルト挿通孔9Aに挿通
されたボルト11,11をねじ穴10Dに螺入すること
により、左,右の支持ブラケット9間に固定されてい
る。
【0039】12,12はトラックフレーム1に対して
支持軸10を支持するため支持ブラケット9と支持軸1
0との間に設けられた左,右の支持カラーで、各支持カ
ラー12の下端側は支持ブラケット9側に突出し、支持
ブラケット9の下端部を支持する荷重受部12Aとなっ
ている。従って、油圧ショベルの荷重は、各支持ブラケ
ット9から支持カラー12を通じて支持軸10に伝わる
構成となっている。13,13は軸方向に離間して支持
軸10の各軸受嵌合部10Bに内輪が圧入嵌合された軸
受としての玉軸受で、各玉軸受13は、支持軸10の大
径部10A端縁部と後述の止め輪15との間で位置決め
されている。そして、玉軸受13の外輪は後述する転輪
体14の円筒部14A内周側に圧入して嵌合されてい
る。
【0040】14は玉軸受13を介して左,右の支持ブ
ラケット9間に回転可能に設けられた転輪体で、この転
輪体14は、長さ方向の両端側に位置する一対の円筒部
14A,14Aと、各円筒部14A間に位置し径方向外
向きに拡径した膨出部14Bとからなり、例えば鋳造成
形、バルジ加工、鍛造加工等によって一体に形成されて
いる。
【0041】そして、転輪体14は、各円筒部14Aの
内周側に玉軸受13の外輪を圧入して嵌合させることに
より支持軸10に回転可能に支持され、円筒部14Aの
内周側に嵌着された止め輪15,15によって玉軸受1
3を抜止め状態に保持している。また、転輪体14の膨
出部14B内には潤滑油16が封入され、この潤滑油1
6によって玉軸受13等が潤滑される構成となってい
る。
【0042】17,17は転輪体14の左,右方向両側
に位置して各円筒部14A内に設けられたシール部材と
してのオイルシールで、各オイルシール17は、支持軸
10の軸受嵌合部10Bに嵌合した固定側シール17A
と、転輪体14の円筒部14A内周側に圧入された回転
側シール17Bとからなっている。
【0043】ここで、図3に示すように、固定側シール
17Aは、軸受嵌合部10Bに嵌合した円筒状の嵌合部
17A1 と、嵌合部17A1 の外周側に固着された鍔付
き円筒状の芯金17A2 とからなっている。一方、回転
側シール17Bは、芯金17B1 が埋設され転輪体14
の円筒部14A内周側に嵌合された嵌合部17B2 と、
嵌合部17B2 から固定側シール17Aに向けて延び、
固定側シール17Aの芯金17A2 に摺接するオイル用
リップ部17B3 と、オイル用リップ部17B3 の径方
向中間部位から軸方向に突出し、固定側シール17Aの
芯金17A2 に摺接するダスト用リップ部17B4 と、
嵌合部17B2 の外周側から径方向外向きに延び、転輪
体14の端面に当接したフランジ部17B5 とからなっ
ている。そして、オイルシール17は、転輪体14と共
に回転する回転側シール17Bのオイル用リップ部17
B3 が固定側シール17Aの芯金17A2 に常時摺接す
ることにより、潤滑油16を転輪体14内に封止し、ダ
スト用リップ部17B4 が固定側シール17Aの芯金1
7A2 に常時摺接することにより、転輪体14内に土砂
等の異物が侵入するのを阻止するものである。
【0044】18,18はオイルシール17を構成する
回転側シール17Bのフランジ部17B5 と支持カラー
12との間に設けられたシール抜止め手段としてのスラ
ストリングで、各スラストリング18は、例えばウレタ
ン、ポリエチレン等の自己潤滑性を有する弾性材料から
なっている。そして、スラストリング18は、オイルシ
ール17のフランジ部17B5 を転輪体14の端面に適
度な圧力をもって当接させることにより、回転側シール
17Bが軸方向に移動するのを規制し、オイルシール1
7を転輪体14に対して抜止めしている。
【0045】本実施の形態による下側ローラ装置8は上
述の如き構成を有するもので、油圧ショベルの走行時
に、下側ローラ装置8の転輪体14は、支持軸10を中
心として回転しつつ履帯6上を移動する。このとき、転
輪体14内に封入された潤滑油16が、玉軸受13等を
常時潤滑することにより、転輪体14の円滑な回転を保
つことができる。
【0046】ここで、例えば油圧ショベルが岩石等を乗
越えるときに、複数の下側ローラ装置8のうちの1個に
過大な荷重が加わると、転輪体14が一時的に上向きに
屈曲してく字状に変形し、オイルシール17に対して転
輪体14から抜出す方向への力が作用するようになる。
【0047】しかし、本実施の形態では、支持カラー1
2と転輪体14の端面に当接したオイルシール17のフ
ランジ部17B5 との間にスラストリング18を設け、
このスラストリング18によって、オイルシール17の
回転側シール17Bが軸方向に移動するのを規制してい
る。このため、例えば転輪体14が一時的にく字状に変
形し、回転側シール17Bに対して転輪体14から抜出
す方向への力が作用したとしても、スラストリング18
によって回転側シール17Bが転輪体14から抜出すの
を抑え、転輪体14内に封入した潤滑油16が外部に漏
れるのを確実に防止することができる。従って、玉軸受
13を潤滑油16によって常時適正に潤滑することがで
き、転輪体14を長期に亘って円滑に回転させることが
できる。
【0048】また、転輪体14の端面と支持カラー12
との間の隙間をスラストリング18によって閉塞するこ
とができ、土砂等の異物が、転輪体14の端面からオイ
ルシール17を通過して玉軸受13等に侵入するのを防
止でき、転輪体14を一層長期に亘って円滑に回転させ
ることができる。
【0049】次に、図4は本発明による第2の実施の形
態を示し、本実施の形態の特徴は、シール抜止め手段と
して接着剤を用いたことにある。なお、本実施の形態で
は、上述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一
符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0050】図4において、21は本実施の形態による
下側ローラ装置で、この下側ローラ装置21は、第1の
実施の形態による下側ローラ装置8とほぼ同様に、支持
軸10、支持カラー12、玉軸受13、転輪体14、オ
イルシール17等からなるものの、オイルシール17は
後述の接着剤22によって転輪体14に固着されてい
る。
【0051】22は左,右のオイルシール17を転輪体
14に接着したシール抜止め手段としての接着剤で、こ
の接着剤22は、例えば転輪体14の円筒部14A内周
面と回転側シール17Bの嵌合部17B2 との間、およ
び転輪体14の端面と回転側シール17Bのフランジ部
17B5 との間に塗布され、回転側シール17Bを転輪
体14に対して強固に接着することにより、オイルシー
ル17を転輪体14に対して抜止めしている。
【0052】本実施の形態による下側ローラ装置21は
上述の如き構成を有するもので、例えば転輪体14が一
時的にく字状に変形し、オイルシール17の回転側シー
ル17Bに対して転輪体14から抜出す方向への力が作
用したとしても、回転側シール17Bは接着剤22によ
って転輪体14に強固に接着されているから、回転側シ
ール17Bが転輪体14から抜出すのを抑えることがで
きる。これにより、転輪体14内に封入した潤滑油16
が外部に漏れるのを確実に防止することができ、転輪体
14を円滑に回転させることができる。
【0053】次に、図5は本発明による第3の実施の形
態を示し、本実施の形態の特徴は、シール抜止め手段と
してアンカーピンを用いたことにある。なお、本実施の
形態では、上述した第1の実施の形態と同一の構成要素
に同一符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0054】図5において、31は本実施の形態による
下側ローラ装置で、この下側ローラ装置31は、第1の
実施の形態による下側ローラ装置8とほぼ同様に、支持
軸10、支持カラー12、玉軸受13、転輪体14、オ
イルシール17等からなるものの、オイルシール17は
後述のアンカーピン32によって転輪体14に固定され
ている。
【0055】32は左,右のオイルシール17の回転側
シール17Bを、転輪体14に対して抜止めするシール
抜止め手段としての複数(2個ずつ図示)のアンカーピ
ンで、アンカーピン32は、転輪体14の円筒部14A
端面に全周に亘って一定の間隔をもって設けられてい
る。ここで、アンカーピン32は、先端側が回転側シー
ル17Bのフランジ部17B5 を貫通して転輪体14の
端面に打込まれた軸部32Aと、軸部32Aの基端側に
設けられた円板状の頭部32Bとからなり、軸部32A
が転輪体14の端面に打込まれた状態で、頭部32Bに
よって回転側シール17Bのフランジ部17B5 を転輪
体14の端面に固定することにより、オイルシール17
を転輪体14に対して抜止めしている。
【0056】本実施の形態による下側ローラ装置31は
上述の如き構成を有するもので、例えば転輪体14が一
時的にく字状に変形し、オイルシール17の回転側シー
ル17Bに対して転輪体14から抜出す方向への力が作
用したとしても、回転側シール17Bはアンカーピン3
2によって転輪体14に固定されているから、回転側シ
ール17Bが転輪体14から抜出すのを抑えることがで
きる。これにより、転輪体14内に封入した潤滑油16
が外部に漏れるのを確実に防止でき、転輪体14を円滑
に回転させることができる。
【0057】次に、図6は本発明による第4の実施の形
態を示し、本実施の形態の特徴は、シール抜止め手段と
してストップリングを用いたことにある。なお、本実施
の形態では、上述した第1の実施の形態と同一の構成要
素に同一符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0058】図6において、41は本実施の形態による
下側ローラ装置で、この下側ローラ装置41は、第1の
実施の形態による下側ローラ装置8とほぼ同様に、支持
軸10、支持カラー12、玉軸受13、転輪体14、後
述のオイルシール42等からなるものの、オイルシール
42は後述のストップリング43によって抜止めされて
いる。
【0059】42は転輪体14の左,右両側に位置して
円筒部14A内周側に設けられた本実施の形態に適用さ
れるオイルシールで、このオイルシール42は、第1の
実施の形態によるオイルシール17とほぼ同様に、支持
軸10の軸受け嵌合部10Bに嵌合した固定側シール4
2Aと、転輪体14の円筒部14A内周側に圧入された
回転側シール42Bとからなり、固定側シール42A
は、嵌合部42A1 と、芯金42A2 とを有し、回転側
シール42Bは、芯金42B1 が埋設された嵌合部42
B2 と、オイル用リップ部42B3 と、ダスト用リップ
部42B4 とを有している。そして、オイルシール42
は、転輪体14と共に回転する回転側シール42Bのオ
イル用リップ部42B3 が固定側シール42Aの芯金4
2A2 に常時摺接することにより、潤滑油16を転輪体
14内に封止し、ダスト用リップ部42B4 が固定側シ
ール17Aの芯金17A2 に常時摺接することにより、
転輪体14内に土砂等の異物が侵入するのを阻止してい
る。
【0060】43は左,右のオイルシール42を転輪体
14に対して抜止めするシール抜止め手段としてのスト
ップリングで、このストップリング43は、転輪体14
の円筒部14A内周側に形成された全周溝44内に嵌着
されている。そして、ストップリング43は、回転側シ
ール42Bの嵌合部42B2 の外周縁部に当接すること
により、回転側シール42Bが軸方向に移動するのを規
制し、オイルシール42を転輪体14に対して抜止めし
ている。
【0061】本実施の形態による下側ローラ装置41は
上述の如き構成を有するもので、例えば転輪体14が一
時的に変形することにより、オイルシール42の回転側
シール42Bに対して転輪体14から抜出す方向への力
が作用したとしても、ストップリング43によって回転
側シール42Bが転輪体14から抜出すのを抑えること
ができる。これにより、転輪体14内に封入した潤滑油
16が外部に漏れるのを確実に防止することができ、転
輪体14を円滑に回転させることができる。
【0062】次に、図7および図8は本発明による第5
の実施の形態を示し、本実施の形態の特徴は、自己潤滑
性を有する軸受によって転輪体を支持すると共に、転輪
体の左,右両側に異物の侵入を防止するシール部材を設
けたことにある。なお、本実施の形態では、上述した第
1の実施の形態と同一の構成要素に同一符号を付し、そ
の説明を省略するものとする。
【0063】図において、51は本実施の形態による下
側ローラ装置で、この下側ローラ装置51は、第1の実
施の形態による下側ローラ装置8とほぼ同様に、支持軸
10、支持カラー12、転輪体14、後述の玉軸受52
等からなるものの、転輪体14内には潤滑油が封入され
ておらず、転輪体14の左,右両側にはオイルシールに
代えて後述のダストシール53が設けられている。
【0064】52,52は本実施の形態に適用される軸
受としての玉軸受で、各玉軸受52は、図8に示すよう
に、内輪52Aと、外輪52Bと、複数の鋼球52C
(2個のみ図示)と、リテーナ52Dとからなり、リテ
ーナ52Dは、例えば焼結合金等の多孔質材料から形成
され、内部にギアオイル等の粘度の低い潤滑油が含浸さ
れている。そして、玉軸受52は、鋼球52Cが転動す
るときの摩擦熱等によってリテーナ52Dに含浸された
潤滑油がにじみ出すことにより、この潤滑油によって鋼
球52C等を自己潤滑することができる構成となってい
る。
【0065】53,53は転輪体14の左,右両側に位
置して円筒部14A内周側に設けられたシール部材とし
てのダストシールで、このダストシール53は、支持軸
10の外周面に適度な圧力をもって接触するラジアル方
向シール部53Aと、支持カラー12の内側面に適度な
圧力をもって接触するスラスト方向シール部53Bとを
有している。ここで、ダストシール53は、例えばウレ
タン、NBRゴム、ポリテトラフルオロエチレンを加え
た高分子材料等、潤滑油がない状況下での使用に適した
自己潤滑性を有する材料により形成されている。
【0066】そして、ダストシール53は、ラジアル方
向シール部53Aを支持軸10の外周面に常時接触さ
せ、スラスト方向シール部53Bを支持カラー12の内
側面に常時接触させることにより、支持カラー12と転
輪体14との間の隙間を通じて土砂等の異物が転輪体1
4内に侵入するのを防止するものである。
【0067】本実施の形態による下側ローラ装置51は
上述の如き構成を有するもので、油圧ショベルの走行時
に転輪体14が回転すると、玉軸受52は、鋼球52C
が転動するときの摩擦熱等によってリテーナ52Dから
にじみ出した潤滑油により鋼球52Cを自己潤滑する。
このため、玉軸受52を潤滑するための潤滑油を転輪体
14内に封入する必要がなくなり、仮に走行時において
転輪体14が一時的に変形したとしても、この転輪体1
4の変形に伴う潤滑油の漏れ等によって転輪体14の円
滑な回転が阻害されることがなく、転輪体14を長期に
亘って円滑に回転させることができる。
【0068】また、ダストシール53は、転輪体14と
一体に回転し、ラジアル方向シール部53Aを支持軸1
0の外周面に常時接触させると共に、スラスト方向シー
ル部53Bを支持カラー12の内側面に常時接触させ
る。これにより、支持カラー12と転輪体14との間の
隙間に土砂等の異物が侵入したとしても、この異物が転
輪体14の端面から玉軸受52に侵入するのをダストシ
ール53によって阻止することができる。このため、玉
軸受52が異物によって損傷するのを防止でき、転輪体
14を長期に亘って円滑に回転させることができる。
【0069】次に、図9および図10は本発明による第
6の実施の形態を示し、本実施の形態の特徴は、自己潤
滑性を有する軸受によって転輪体を支持すると共に、転
輪体の左,右両側にダストシール、グリス溜部、Oリン
グを設けたことにある。なお、本実施の形態では、上述
した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一符号を付
し、その説明を省略するものとする。
【0070】図において、61は本実施の形態による下
側ローラ装置で、下側ローラ装置61は、第1の実施の
形態による下側ローラ装置8とほぼ同様に、支持軸1
0、転輪体14、後述の支持カラー62、玉軸受63等
からなるものの、転輪体14内には潤滑油が封入されて
おらず、転輪体14の左,右両側にはオイルシールに代
えて後述のダストシール64、グリス溜部65、Oリン
グ66が設けられている。
【0071】62,62はトラックフレーム1に対して
支持軸10を支持するため支持ブラケット9と支持軸1
0との間に設けられた左,右の支持カラーで、各支持カ
ラー62は、転輪体14の内周側へと延びる円筒部62
Aを有し、この円筒部62Aの内周側には支持軸10の
小径部10Cと軸受嵌合部10Bとが挿通されている。
そして、各支持カラー62の下端側は支持ブラケット9
側に突出し、支持ブラケット9の下端部を支持する荷重
受部62Bとなっている。また、支持カラー62の内側
面には、Oリング66が嵌合する段部62Cが環状に形
成されている。
【0072】63,63は本実施の形態に適用される軸
受としての玉軸受で、各玉軸受63は、図10に示すよ
うに、内輪63Aと、外輪63Bと、複数の鋼球63C
(2個のみ図示)と、リテーナ63Dとからなり、リテ
ーナ63Dは、例えば焼結合金等の多孔質材料から形成
され、内部に潤滑油が含浸されている。そして、玉軸受
63は、鋼球63Cが転動するときの摩擦熱等によって
リテーナ63Dに含浸された潤滑油がにじみ出すことに
より、この潤滑油によって鋼球63C等を自己潤滑する
ことができる構成となっている。
【0073】64,64は転輪体14の左,右両側に位
置して各円筒部14A内周側に設けられたダストシール
で、各ダストシール64は、支持カラー62の円筒部6
2A外周面に摺接するダスト用リップ部64Aを有して
いる。そして、ダストシール64は、転輪体14と共に
回転するときに、ダスト用リップ部64Aを支持カラー
62の円筒部62Aに常時摺接させ、土砂等の異物が転
輪体14の端面と支持カラー62との間の隙間から転輪
体14内に侵入するのを阻止する。
【0074】65,65は転輪体14の左,右両側に位
置してダストシール64と玉軸受63との間に設けられ
た環状のグリス溜部で、このグリス溜部65内にはグリ
スが封入されている。そして、グリス溜部65内のグリ
スは、ダストシール64を通過して転輪体14内に侵入
した異物を捕捉し、この異物が玉軸受63内に侵入する
のを防止すると共に、玉軸受63に対する潤滑をも行う
ものである。
【0075】66,66は転輪体14の左,右の端面と
支持カラー62との間に設けられたOリングで、各Oリ
ング66は支持カラー62の段部62Cに嵌合し、転輪
体14の端面に密着している。そして、Oリング66
は、土砂等の異物が転輪体14の端面と支持カラー62
との間の隙間から転輪体14内に侵入するのを阻止する
ものである。
【0076】本実施の形態による下側ローラ装置61は
上述の如き構成を有するもので、転輪体14が回転する
と、玉軸受63は、鋼球63Cが転動するときの摩擦熱
等によってリテーナ63Dからにじみ出した潤滑油によ
り、鋼球63Cを自己潤滑する。このため、玉軸受63
を潤滑するための潤滑油を転輪体14内に封入する必要
がなくなり、仮に走行時において転輪体14が一時的に
変形したとしても、この転輪体14の変形に伴う潤滑油
の漏れ等によって転輪体14の円滑な回転が阻害される
ことがなく、転輪体14を長期に亘って円滑に回転させ
ることができる。
【0077】しかも、本実施の形態では、Oリング6
6、ダストシール64、グリス溜部65によって三重の
シールが構成されているので、土砂等の異物が転輪体1
4内に侵入するのを確実に阻止することができる。これ
により、玉軸受63が異物によって損傷するのを防止で
き、転輪体14を一層長期に亘って円滑に回転させるこ
とができる。
【0078】次に、図11は本発明による第7の実施の
形態を示し、本実施の形態の特徴は、自己潤滑性を有す
る軸受によって転輪体を支持すると共に、転輪体の左,
右両側にダストシール、グリス溜部、Oリングを設け、
さらに支持カラーにはOリングを取囲む環状凹溝を設け
たことにある。なお、本実施の形態では、上述した第1
の実施の形態と同一の構成要素に同一符号を付し、その
説明を省略するものとする。
【0079】図11において、71は本実施の形態によ
る下側ローラ装置で、この下側ローラ装置71は、第1
の実施の形態による下側ローラ装置8とほぼ同様に、支
持軸10、転輪体14、後述の支持カラー72、玉軸受
73等からなるものの、転輪体14内には潤滑油が封入
されておらず、転輪体14にはオイルシールに代えて後
述のダストシール74、グリス溜部75、Oリング76
が設けられている。
【0080】72はトラックフレーム1に対して支持軸
10を支持するため支持ブラケット9と支持軸10との
間に設けられた左,右の支持カラーで、支持カラー72
は、支持軸10の小径部10Cと軸受嵌合部10Bとが
挿通された円筒部72Aと、支持ブラケット9の下端部
を支持する荷重受部72Bとを有している。
【0081】ここで、支持カラー72の内側面には、O
リング76が嵌合すると共にOリング76を全周に亘っ
て取囲む環状凹溝72Cが形成され、この環状凹溝72
Cの内周側には、転輪体14の円筒部14Aが僅かな隙
間Sをもって挿入される構成となっている。そして、環
状凹溝72Cは、転輪体14の端面との間でOリング7
6を保持し、Oリング76が転輪体14の端面から食み
出すのを防止するものである。
【0082】73は本実施の形態に適用される軸受とし
ての玉軸受で、この玉軸受73は、内輪73Aと、外輪
73Bと、複数の鋼球73C(2個のみ図示)と、リテ
ーナ73Dとからなり、リテーナ73Dは、例えば焼結
合金等の多孔質材料から形成され、内部に潤滑油が含浸
されている。そして、玉軸受73は、鋼球73Cが転動
するときの摩擦熱等によってリテーナ73Dに含浸され
た潤滑油がにじみ出すことにより、この潤滑油によって
鋼球73C等を自己潤滑することができる構成となって
いる。
【0083】74は転輪体14の左,右両側に位置して
円筒部14A内周側に設けられたダストシールで、この
ダストシール74は、支持カラー72の円筒部72A外
周面に摺接するダスト用リップ部74Aを有し、土砂等
の異物が転輪体14の端面と支持カラー72との間の隙
間から転輪体14内に侵入するのを阻止するものであ
る。
【0084】75は転輪体14の左,右両側に位置して
ダストシール74と玉軸受73との間に設けられた環状
のグリス溜部で、このグリス溜部75内にはグリスが封
入されている。そして、グリス溜部75内のグリスは、
ダストシール74を通過して転輪体14内に侵入した異
物を捕捉し、この異物が玉軸受73内に侵入するのを防
止すると共に、玉軸受73に対する潤滑をも行うもので
ある。
【0085】76は転輪体14の端面と支持カラー72
との間に設けられたOリングで、このOリング76は、
支持カラー72の環状凹溝72C内に保持された状態で
転輪体14の端面に密着し、土砂等の異物が転輪体14
の端面と支持カラー72との間の隙間から転輪体14内
に侵入するのを阻止するものである。
【0086】本実施の形態による下側ローラ装置71は
上述の如き構成を有するもので、転輪体14が回転する
と、玉軸受73は、鋼球73Cが転動するときの摩擦熱
等によってリテーナ73Dからにじみ出した潤滑油によ
り、鋼球73Cを自己潤滑する。このため、玉軸受73
を潤滑するための潤滑油を転輪体14内に封入する必要
がなくなり、仮に走行時において転輪体14が一時的に
変形したとしても、この転輪体14の変形に伴う潤滑油
の漏れ等によって転輪体14の円滑な回転が阻害される
ことがなく、転輪体14を長期に亘って円滑に回転させ
ることができる。
【0087】また、Oリング76、ダストシール74、
グリス溜部75によって三重のシールが構成されている
ので、土砂等の異物が転輪体14内に侵入するのを確実
に阻止することができ、この異物によって玉軸受73が
損傷するのを確実に防止でき、転輪体14を長期に亘っ
て円滑に回転させることができる。
【0088】しかも、本実施の形態では、支持カラー7
2に、Oリング76を全周に亘って取囲む環状凹溝72
Cを設けたので、Oリング76が転輪体14の端面から
食み出すのを防止できる上に、Oリング76が土砂等に
よって破損するのを阻止することができ、Oリング76
のシール性を良好に保つことができる。
【0089】また、環状凹溝72Cの内径寸法に応じ
て、転輪体14の円筒部14Aと環状凹溝72Cとの間
の隙間Sを調整することができるため、例えば隙間Sを
通過してOリング76と接触する土砂の粒径を小さくす
ることにより、Oリング76が破損するのを確実に防止
することができる。
【0090】なお、上述した第5,第6,第7の実施の
形態では、自己潤滑性を有する軸受として玉軸受52,
63,73を用いた場合を例に挙げたが、本発明はこれ
に限るものではなく、例えば図12に示す変形例のよう
に、焼結合金等の多孔質材料から円筒状に形成され、内
部に潤滑油を含浸した自己潤滑性を有するすべり軸受8
1を用いる構成としてもよい。
【0091】また、上述した第5,第6,第7の実施の
形態では、自己潤滑性を有する軸受として、リテーナ5
2Dに潤滑油を含浸した玉軸受52、リテーナ63Dに
潤滑油を含浸した玉軸受63、リテーナ73Dに潤滑油
を含浸した玉軸受73を用いたが、本発明はこれに限ら
ず、例えばリテーナの外周部分に潤滑剤を含んだ樹脂を
装着した玉軸受を用いてもよい。
【0092】また、上述した各実施の形態では、油圧シ
ョベルの下部走行体に配設される下側ローラ装置に適用
した場合を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限る
ものではなく、例えば上側ローラ装置等にも適用するこ
とができる。
【0093】さらに、上述した各実施の形態では、装軌
式車両として油圧ショベルを例に挙げて説明したが、本
発明はこれに限るものではなく、例えば油圧クレーン、
農業機械等にも適用することができる。
【0094】
【発明の効果】以上詳述した如く、請求項1の発明によ
れば、転輪体には、潤滑油を封止するためのシール部材
が転輪体から抜出すのを防止するシール抜止手段を設け
る構成としたので、例えば装軌式車両が岩石等を乗越え
る場合等において転輪体が一時的に変形したとしても、
シール抜止手段によってシール部材が転輪体から抜出し
てしまうのを防止することができる。このため、転輪体
内の潤滑油が外部に漏れるのを阻止し、転輪体を長期に
亘って円滑に回転させることができる。
【0095】また、請求項2の発明によれば、シール抜
止手段を、支持カラーとシール部材のフランジ部との間
に設けられ、シール部材が軸方向に動くのを規制するス
ラストリングにより構成したので、転輪体の変形によっ
てシール部材に転輪体から抜出す方向への力が作用して
も、シール部材の軸方向への移動をスラストリングによ
って規制することができ、シール部材が転輪体から抜出
すのを防止できる。このため、転輪体内に封入した潤滑
油の漏れを阻止し、転輪体を長期に亘って円滑に回転さ
せることができる。
【0096】また、請求項3の発明によれば、シール抜
止手段を、シール部材を転輪体に接着する接着剤により
構成したので、転輪体が一時的に変形したとしても、接
着剤によって強固に固着されたシール部材が転輪体から
抜出すのを防止することができる。
【0097】さらに、請求項4の発明によれば、シール
抜止手段を、シール部材のフランジ部を転輪体の端面に
固定するアンカーピンにより構成したので、シール部材
のフランジ部がアンカーピンによって転輪体に固着さ
れ、転輪体が一時的に変形したとしても、シール部材が
転輪体から抜出すのを防止することができる。
【0098】また、請求項5の発明によれば、シール抜
止手段を、転輪体の端面側に位置して転輪体の内周側に
設けられシール部材が軸方向に動くのを規制するストッ
プリングにより構成したので、転輪体の変形によってシ
ール部材に転輪体から抜出す方向への力が作用しても、
シール部材の軸方向の移動をストップリングによって規
制することができ、シール部材を転輪体に対して抜止め
することができる。
【0099】また、請求項6の発明によれば、転輪体と
支持軸との間に設けられる軸受を自己潤滑性を有する軸
受により構成し、転輪体の左,右両側には軸受に異物が
侵入するのを防止するシール部材を設ける構成したの
で、転輪体内に潤滑油を封入する必要がなく、転輪体が
一時的に変形したとしても、潤滑油が転輪体の外部に漏
れることに起因する転輪体の回転不良を防止できる。ま
た、土砂等の異物が軸受に侵入するのをシール部材によ
って阻止することにより、軸受の破損を防止し転輪体を
長期に亘って円滑に回転させることができる。
【0100】さらに、請求項7の発明によれば、シール
部材と軸受との間にはグリスを溜めるグリス溜部を設け
る構成としたので、土砂等の異物が転輪体の端面からシ
ール部材を通過して転輪体内に侵入したとしても、この
異物をグリス溜部内のグリスによって捕捉することがで
き、自己潤滑性を有する軸受によって転輪体を円滑に回
転させることができる。
【0101】また、請求項8の発明によれば、トラック
フレームに対して支持軸を支持する支持カラーと転輪体
の端面との間にはOリングを設ける構成としたので、土
砂等の異物が転輪体の端面から軸受内に侵入するのを、
シール部材、グリス溜部、Oリングからなる三重のシー
ルによって確実に阻止することができ、自己潤滑性を有
する軸受によって転輪体を円滑に回転させることができ
る。
【0102】さらに、請求項9の発明によれば、支持カ
ラーにはOリングを取囲んでOリングの食み出しを防止
する環状凹溝を設ける構成としたので、カラーの環状凹
溝によってOリングの食み出しを防止できる上に、Oリ
ングが土砂等によって破損するのを防止でき、Oリング
のシール性を保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態による案内ローラ装
置を、油圧ショベルの下部走行体に設けた下側ローラ装
置に適用した状態で示す正面図である。
【図2】第1の実施の形態による下側ローラ装置を示す
図1中の矢示II−II方向からみた断面図である。
【図3】図2中のローラ、オイルシール、スラストリン
グ等を示す要部拡大図である。
【図4】第2の実施の形態による転輪体、オイルシー
ル、接着剤等を示す要部拡大図である。
【図5】第3の実施の形態による転輪体、オイルシー
ル、アンカーピン等を示す要部拡大図である。
【図6】第4の実施の形態による転輪体、オイルシー
ル、ストップリング等を示す要部拡大図である。
【図7】第5の実施の形態による下側ローラ装置を示す
断面図である。
【図8】図7中の玉軸受、転輪体、ダストシール等を示
す要部拡大図である。
【図9】第6の実施の形態による下側ローラ装置を示す
断面図である。
【図10】図9中の玉軸受、ダストシール、グリス溜
部、Oリング等を示す要部拡大図である。
【図11】第7の実施の形態によるダストシール、グリ
ス溜部、Oリング、支持カラー等を示す要部拡大図であ
る。
【図12】本発明の変形例による下側ローラ装置を示す
図8と同様の要部拡大図である。
【符号の説明】
1 トラックフレーム 10 支持軸 12,62,72 支持カラー 13 玉軸受(軸受) 14 転輪体 16 潤滑油 17,42 オイルシール(シール部材) 18 スラストリング(シール抜止め手段) 22 接着剤(シール抜止め手段) 32 アンカーピン(シール抜止め手段) 43 ストップリング(シール抜止め手段) 52,63,73 玉軸受(自己潤滑性を有する軸受) 53,64,74 ダストシール(シール部材) 65,75 グリス溜部 66,76 Oリング 72C 環状凹溝 81 すべり軸受(自己潤滑性を有する軸受)
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成10年10月29日(1998.10.
29)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正内容】
【0011】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために本発明は、装軌式車両のトラックフレームに設け
られた支持軸と、前記支持軸の軸方向に離間して固定的
に配置された軸受と、履帯を案内するため前記支持軸に
挿通して設けられ、軸方向の両側が前記軸受に支持され
た円筒部となった筒状の転輪体と、前記転輪体内に充填
された潤滑油を封止するため前記各軸受の近傍に位置し
設けられたシール部材とからなる装軌式車両の案内ロ
ーラ装置に適用される。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正内容】
【0022】一方、請求項6の発明は、装軌式車両のト
ラックフレームに設けられた支持軸と、前記支持軸の軸
方向に離間して固定的に配置された軸受と、履帯を案内
するため前記支持軸に挿通して設けられ、軸方向の両側
が前記軸受に支持された円筒部となった筒状の転輪体
からなる装軌式車両の案内ローラ装置において、前記軸
受は自己潤滑性を有する軸受により構成し、前記転輪体
には前記転輪体の左,右両側に位置して前記軸受に異物
が侵入するのを防止するシール部材を設ける構成した
ことにある。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0039
【補正方法】変更
【補正内容】
【0039】12,12はトラックフレーム1に対して
支持軸10を支持するため支持ブラケット9と支持軸1
0との間に設けられた左,右の支持カラーで、各支持カ
ラー12の下端側は支持ブラケット9側に突出し、支持
ブラケット9の下端部を支持する荷重受部12Aとなっ
ている。従って、油圧ショベルの荷重は、各支持ブラケ
ット9から支持カラー12を通じて支持軸10に伝わる
構成となっている。13,13は軸方向に離間して支持
軸10の各軸受嵌合部10Bに内輪が圧入嵌合された軸
受としての玉軸受で、各玉軸受13は、支持軸10の大
径部10A端縁部と後述の止め輪15との間で位置決め
されている。そして、玉軸受13の外輪は後述する転輪
体14の円筒部14A内周側に圧入して嵌合されてい
る。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 装軌式車両のトラックフレームに設けら
    れた支持軸と、履帯を案内するため前記支持軸に回転可
    能に設けられた転輪体と、前記転輪体の内周側に位置し
    て前記支持軸との間に軸方向に離間して設けられた軸受
    と、前記軸受を潤滑する潤滑油を封止するため前記転輪
    体の左,右方向両側に設けられたシール部材とからなる
    装軌式車両の案内ローラ装置において、 前記転輪体には前記シール部材が前記転輪体から抜出す
    のを防止するシール抜止手段を設ける構成としたことを
    特徴とする装軌式車両の案内ローラ装置。
  2. 【請求項2】 前記トラックフレームと転輪体との間に
    は前記トラックフレームに対して前記支持軸を支持する
    支持カラーを設け、前記シール部材には前記転輪体の端
    面に当接するフランジ部を有し、前記シール抜止手段は
    前記支持カラーと前記シール部材のフランジ部との間に
    設けられ、前記シール部材が軸方向に動くのを規制する
    スラストリングにより構成してなる請求項1に記載の装
    軌式車両の案内ローラ装置。
  3. 【請求項3】 前記シール抜止手段は前記シール部材を
    前記転輪体に接着する接着剤により構成してなる請求項
    1に記載の装軌式車両の案内ローラ装置。
  4. 【請求項4】 前記シール部材には前記転輪体の端面に
    当接するフランジ部を有し、前記シール抜止手段は前記
    シール部材のフランジ部を前記転輪体の端面に固定する
    アンカーピンにより構成してなる請求項1に記載の装軌
    式車両の案内ローラ装置。
  5. 【請求項5】 前記シール抜止手段は前記転輪体の端面
    側に位置して前記転輪体の内周側に設けられ、前記シー
    ル部材が軸方向に動くのを規制するストップリングによ
    り構成してなる請求項1に記載の装軌式車両の案内ロー
    ラ装置。
  6. 【請求項6】 装軌式車両のトラックフレームに設けら
    れた支持軸と、履帯を案内するため前記支持軸に回転可
    能に設けられた転輪体と、前記転輪体の内周側に位置し
    て前記支持軸との間に軸方向に離間して設けられた軸受
    とからなる装軌式車両の案内ローラ装置において、 前記軸受は自己潤滑性を有する軸受により構成し、前記
    転輪体には前記転輪体の左,右両側に位置して前記軸受
    に異物が侵入するのを防止するシール部材を設ける構成
    したことを特徴とする装軌式車両の案内ローラ装置。
  7. 【請求項7】 前記シール部材と前記軸受との間にはグ
    リスを溜めるグリス溜部を設ける構成としてなる請求項
    6に記載の装軌式車両の案内ローラ装置。
  8. 【請求項8】 前記トラックフレームと転輪体との間に
    は前記トラックフレームに対して前記支持軸を支持する
    支持カラーを設け、前記転輪体の端面と前記支持カラー
    との間にはOリングを設ける構成としてなる請求項6ま
    たは7に記載の装軌式車両の案内ローラ装置。
  9. 【請求項9】 前記支持カラーには前記Oリングを取囲
    んで前記Oリングの食み出しを防止する環状凹溝を設け
    る構成としてなる請求項8に記載の装軌式車両の案内ロ
    ーラ装置。
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