JP7041013B2 - 乗物用シート - Google Patents

乗物用シート Download PDF

Info

Publication number
JP7041013B2
JP7041013B2 JP2018122729A JP2018122729A JP7041013B2 JP 7041013 B2 JP7041013 B2 JP 7041013B2 JP 2018122729 A JP2018122729 A JP 2018122729A JP 2018122729 A JP2018122729 A JP 2018122729A JP 7041013 B2 JP7041013 B2 JP 7041013B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wire
slide mechanism
seat
seat cushion
frame
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2018122729A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2020001548A (ja
Inventor
宜久 檜山
勇也 鈴木
秀剛 井上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Honda Motor Co Ltd
TS Tech Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
TS Tech Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Honda Motor Co Ltd, TS Tech Co Ltd filed Critical Honda Motor Co Ltd
Priority to JP2018122729A priority Critical patent/JP7041013B2/ja
Publication of JP2020001548A publication Critical patent/JP2020001548A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7041013B2 publication Critical patent/JP7041013B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Seats For Vehicles (AREA)

Description

本発明は、乗物用シートに関する。
従来、シートクッションの下面に樹脂成型品のカバーを取り付けたり、全体が表皮材で被覆されたシートクッションを乗物のフロアパネルに固定したりすることで、乗物用シートにおけるシートクッションの下面全面を被覆する技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2016-37272号公報
ところで、乗物用シートには、当該乗物用シートをフロアパネルに対して前後方向にスライドさせるスライド機構が設けられる場合がある。
しかしながら、スライド機構を乗物用シートに取り付ける場合、スライド機構はシートクッションの下面に配置される。そのため、シートクッションの下面全面をカバーで被覆してしまうと、スライド機構の動作が妨げられてしまうおそれがある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その課題は、スライド機構の動作がカバー材によって阻害されにくくなるとともに、カバー材によってシートクッションの下面を被覆して保護することである。
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、乗物用シートであって、シートクッションと、前記シートクッションの下面に設けられ、前記シートクッションをスライド移動させるためのスライド機構と、前記シートクッションの骨格を構成し、前記スライド機構が設けられたシートクッションフレームと、を備えており、
前記シートクッションの下面の略全面が、前記スライド機構を避けてカバー材によって被覆されており、
前記シートクッションフレームには、前記スライド機構の周囲に沿って配置され、前記カバー材の端末が掛け止めされるワイヤーが固定され、かつ、前記シートクッションフレームに載せられるクッションパッドを支持する上方突出ワイヤーが設けられ、
前記上方突出ワイヤーの一部は、シート幅方向において、前記ワイヤーよりも外側に配置されていることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の乗物用シートにおいて、前記ワイヤーには、前記スライド機構のスライド方向に延在するとともに前記スライド機構よりも前記シートクッション外側に位置する外側ワイヤーが含まれており、
前記外側ワイヤーは、シート幅方向において、前記上方突出ワイヤーと重なる位置に配置されていることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項に記載の乗物用シートにおいて、前記スライド機構
に設けられるとともに乗物のフロアパネルに固定されて前記シートクッションを支持するフットブラケットを備え
前記外側ワイヤーは、シート幅方向において、前記フットブラケットと重なる位置に配置されていることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1~3のいずれか一項に記載の乗物用シートにおいて、前記スライド機構に設けられるとともに乗物のフロアパネルに固定されて前記シートクッションを支持するフットブラケットを備え、
前記フットブラケットの一部は、前記上方突出ワイヤーと重なる位置に配置されていることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1~4のいずれか一項に記載の乗物用シートにおいて、前記シートクッションの下面を除く略全面が表皮材によって被覆され、当該表皮材と前記カバー材とが一体的に形成されていることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項1~のいずれか一項に記載の乗物用シートにおいて、前記スライド機構の可動領域は、前記カバー材によって被覆されていない状態となっていることを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項3又は4を引用する請求項5又は6に記載の乗物用シートにおいて、前記フットブラケットと対向する前記シートクッションの下方は、前記カバー材によって被覆されていない状態となっていることを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、請求項3又は4、もしくは請求項3又は4を引用する請求項~7のいずれか一項に記載の乗物用シートにおいて、前記ワイヤーは、少なくとも前記フットブラケットの前方及び左右側方に隣り合い、かつ前記スライド機構よりも下方に突出する部位を有することを特徴とする。
請求項9に記載の発明は、請求項3又は4、もしくは請求項3又は4を引用する請求項~8のいずれか一項に記載の乗物用シートにおいて、前記ワイヤーは、下面視又は上面視において略コ字状に形成されていることを特徴とする。
請求項10に記載の発明は、請求項3又は4、もしくは請求項3又は4を引用する請求項~9のいずれか一項に記載の乗物用シートにおいて、前記ワイヤーには、前記スライド機構のスライド方向に延在するとともに前記スライド機構よりも前記シートクッション外側に位置する外側ワイヤーと、前記スライド機構のスライド方向に延在するとともに前記スライド機構よりも前記シートクッション中央側に位置する内側ワイヤーと、が含まれており、
前記外側ワイヤーの延在方向における長さは、前記内側ワイヤーの延在方向における長さよりも長く設定されていることを特徴とする。
請求項11に記載の発明は、請求項3又は4、もしくは請求項3又は4を引用する請求項~10のいずれか一項に記載の乗物用シートにおいて、前記ワイヤーには、前記スライド機構のスライド方向に延在するとともに前記スライド機構よりも前記シートクッション外側に位置する外側ワイヤーと、前記スライド機構のスライド方向に延在するとともに前記スライド機構よりも前記シートクッション中央側に位置する内側ワイヤーと、が含まれており、
前記外側ワイヤー及び前記内側ワイヤーは、その延在方向を変更する屈曲部をそれぞれ有し、
前記外側ワイヤーにおける前記屈曲部と前記内側ワイヤーにおける前記屈曲部は、前記スライド機構を挟んで互いに対向する位置関係となっていることを特徴とする。
請求項12に記載の発明は、請求項11に記載の乗物用シートにおいて、前記上方突出ワイヤーは、前記外側ワイヤーにおける前記屈曲部に隣り合って配置され、かつ斜め上方に突出するように配置されていることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、シートクッションの下面の略全面が、スライド機構を避けてカバー材によって被覆されているので、スライド機構の動作がカバー材によって阻害されにくくなるとともに、カバー材によってシートクッションの下面を被覆して保護することができる。
また、カバー材の端末は、ワイヤーを介してシートクッションフレームに取り付けられた状態となるので、スライド機構の動作がカバー材によって阻害されにくくなるとともに、カバー材によってシートクッションの下面を被覆して保護することができる。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1と同様の効果を奏することが可能である。
請求項3に記載の発明によれば、シートクッションフレームとフットブラケットとの間にスライド機構が介在することになり、スライド機構の部品流用が可能になる。
また、フットブラケットを介して乗物用シートのフロアパネルへの設置を行うことができるので、例えばスライド機構を介して乗物用シートのフロアパネルへの設置を行う場合に比して、乗物用シートのフロアパネルへの組み付け作業性を向上させやすい。
請求項4に記載の発明によれば、スライド機構の下方は、カバー材によって被覆されていない状態となっているので、スライド機構の動作がカバー材によって阻害されにくくなるとともに、カバー材によってシートクッションの下面を被覆して保護することができる。
請求項5に記載の発明によれば、シートクッションの下面を除く略全面を被覆する表皮材とカバー材とが一体的に形成されているので、例えば樹脂成型品のカバー材を用いる場合に比して、構造の軽量化及び簡素化を図ることができ、シートクッションに対する組み付け作業性も向上させやすい。
請求項6に記載の発明によれば、スライド機構の可動領域は、カバー材によって被覆されていない状態となっているので、スライド機構の動作がカバー材によって、より阻害されにくくなる。
請求項7に記載の発明によれば、フットブラケットと対向するシートクッションの下方は、カバー材によって被覆されていない状態となっているので、スライド機構の動作がカバー材によって阻害されにくくなる。
請求項8に記載の発明によれば、少なくともフットブラケットの前方及び左右側方に隣り合い、かつスライド機構よりも下方に突出するワイヤーの部位にカバー材の端末が掛け止めされることになるので、スライド機構が動作した場合の、フットブラケットの前側部分におけるカバー材の余り皺の発生を抑制できる。
請求項9に記載の発明によれば、ワイヤーは、下面視又は上面視において略コ字状に形成されているので、スライド機構を避けやすい形状であり、このようなワイヤーにカバー材の端末が掛け止めされることで、スライド機構の動作がカバー材によって阻害されにくくなる。
請求項10に記載の発明によれば、外側ワイヤーの延在方向における長さは、内側ワイヤーの延在方向における長さよりも長く設定されているので、スライド機構が動作した場合の、スライド機構の外側におけるカバー材の余り皺の発生を抑制できる。
請求項11に記載の発明によれば、側ワイヤーにおける屈曲部と内側ワイヤーにおける屈曲部は、スライド機構を挟んで互いに対向する位置関係となっているので、ワイヤーの剛性を向上でき、ワイヤーによってカバー材を保持する上での確実性を向上できる。
請求項12に記載の発明によれば、上方突出ワイヤーが、外側ワイヤーにおける屈曲部に対応する位置に設けられ、シートクッションのうち、外側ワイヤーにおける屈曲部及び上方突出ワイヤーがある位置の剛性が向上されることになる。これにより、シートクッションの当該位置に着座する乗員を支持する上での確実性が高まり、外側ワイヤーに掛け止めされるカバー材の余り皺の発生を抑制できる。
乗物用シートを示す斜視図である。 シートフレームを前方から見た場合の斜視図である。 シートフレームを後方から見た場合の斜視図である。 シートフレームの左側端部を示す斜視図である。 上下一対の中央部フレームにおける前端部の取付構造を示す斜視図である。 シートフレームの左側端部を底面側から見た場合の正面図である。 乗物用シートを底面側から見た場合の斜視図である。 カバー材の端末を掛け止めする状態を説明する図である。 スライド機構を操作するためのノブ付近のカバー材による被覆の状態を説明する図である。 スライド機構を操作するためのノブ付近のカバー材による被覆の状態を説明するための図である。 シートフレームの右側端部を底面側から見た場合の斜視図である。 カバー材の端末が掛け止めされる掛け止めワイヤーを示す斜視図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。ただし、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の技術的範囲を以下の実施形態および図示例に限定するものではない。
図1において符号1は、乗物用シートを示す。乗物用シート1は、人の臀部及び大腿部を支持するシートクッション2と、背もたれとなるシートバック3と、人の頭部を支持するヘッドレスト4と、を備える。
なお、本実施形態における乗物用シート1は、乗用車のリアシート(後部座席)とされている。ただし、これに限られるものではなく、乗用車のリアシート以外のシートでもよいし、バスやトラック等の他の自動車におけるシートでもよいし、鉄道や船舶、航空機等の自動車以外の乗り物におけるシートでもよい。
本実施形態における乗物用シート1は、シートクッション2が一つであるのに対し、シートバック3が二つであり、これに伴ってヘッドレスト4も二つとなっている。
二つのシートバック3は、シートクッション2の後端部に左右方向に並んで設けられている。また、ヘッドレスト4は、二つのシートバック3それぞれの上端部中央に設けられている。
このような乗物用シート1は、概略的に、図2等に示すような、乗物用シート1の骨格を構成するシートフレーム11と、シートフレーム11によって支持されるクッションパッド(図示せず。)と、シートフレーム11及びクッションパッドを被覆する表皮材2a,3a,4aによって構成されている。
シートフレーム11は、シートクッションの骨格を構成するシートクッションフレーム12と、シートバック3の骨格を構成するシートバックフレーム13と、ヘッドレスト4の骨格を構成するヘッドレストフレーム14と、を備えている。
クッションパッド及び表皮材2a,3a,4aは、シートクッションフレーム12、シートバックフレーム13、ヘッドレストフレーム14のそれぞれに設けられている。
シートクッションフレーム12は、図1~図6等に示すように、後部フレーム12aと、前部フレーム12bと、左右一対の側部フレーム12c,12dと、上下一対の中央部フレーム12e,12fと、を備える。
また、後部フレーム12aと前部フレーム12bと左右一対の側部フレーム12c,12dには、乗員の荷重を受ける複数の受圧部材30,31,32が固定されている。
さらに、シートクッションフレーム12の下面には、シートクッション2、延いては乗物用シート1全体をスライド移動させるためのスライド機構40が設けられている。
後部フレーム12aは、シートクッションフレーム12の後部において左右方向に配置されており、大径のパイプフレームによって構成されている(すなわち、円筒状に形成されている。)。
前部フレーム12bは、シートクッションフレーム12の前部において左右方向に配置されており、パイプフレームによって構成されている(すなわち、円筒状に形成されている。)。
後部フレーム12aと前部フレーム12bは、互いに平行に配置されている。また、前部フレーム12bは、後部フレーム12aよりも上方に配置されている。
左右一対の側部フレーム12c,12dは、シートクッションフレーム12の右側端部と左側端部において前後方向に配置されており、後部フレーム12aと前部フレーム12bの両端部間を接続している。
より詳細に説明すると、左右一対の側部フレーム12c,12dの後端部には、高剛性のピボットブラケット15が設けられ、このピボットブラケット15に対して後部フレーム12aが設けられている。
左右一対の側部フレーム12c,12dと、ピボットブラケット15は共に、断面コ字状(断面チャンネル形ともいう。)に形成されており、左右一対の側部フレーム12c,12dの内側にピボットブラケット15が嵌合され、双方の底部同士がボルトで連結されている。つまり、後部フレーム12aと左右一対の側部フレーム12c,12dとが、ピボットブラケット15を介して連結されている。
なお、ピボットブラケット15の上端部には、シートバックフレーム13が前後方向に回転可能に設けられている。
上下一対の中央部フレーム12e,12fは、シートクッションフレーム12の中央部において前後方向に配置されており、後部フレーム12aと前部フレーム12bとの間に架け渡されて設けられている。また、これら上下一対の中央部フレーム12e,12fは、パイプフレームによって構成されている。
より詳細に説明すると、後部フレーム12aの中央部には、後部フレーム12aの外周面に固定されるとともにシートバックフレーム13を支持する中間強度部材20が設けられている。上下一対の中央部フレーム12e,12fは、前部フレーム12bと中間強度部材20との間に架け渡され、後端部が、後部フレーム12aよりも上側と下側に位置するようにして中間強度部材20に固定され、前端部が、前部フレーム12bに固定されている。
さらに、上下一対の中央部フレーム12e,12fのうち、上側中央部フレーム12eの前端部は潰れた状態(上下に偏平化した状態)で前部フレーム12bに溶接され、下側中央部フレーム12fの前端部は、第一ブラケット17を介して前部フレーム12bに固定されている。
第一ブラケット17は、ウェブ部とその両側縁に設けられたフランジ部とを有して断面コ字状に形成されている。より詳細には、各フランジ部が前部フレーム12bの外周面に溶接固定され、ウェブ部の下面に、下側中央部フレーム12fの前端部が潰れた状態(上下に偏平化した状態)で溶接固定されている。
上下一対の中央部フレーム12e,12fの前端部は、双方とも潰れた状態で溶接固定されているが、これにより、溶接範囲を広く確保して溶接部の強度を高めることができるとともに、上下方向におけるコンパクト化を図ることができるという利点がある。
なお、中間強度部材20は、互いに組み合わされて中間強度部材20として一体化される第一分割体21及び第二分割体22からなる箱状体であり、上端部には、シートバックフレーム13の角度を調整するためのリクライニング機構を構成するリクライニングブラケット16が設けられている。リクライニングブラケット16には、シートバックフレーム13が前後方向に回転可能に設けられている。
また、リクライニング機構は、リクライニングブラケット16とシートバックフレーム13との間に設けられている。
リクライニング機構の操作部18は、図1,図2に示すように、二つのシートバック3それぞれの上端部におけるシート中央側に設けられている。
複数の受圧部材30,31,32は、複数のワイヤーとされている。
複数のワイヤー30,31,32には、後部フレーム12aと前部フレーム12bとの間に架け渡される複数の前後ワイヤー30と、左右方向に配置されて少なくとも一方の端部が左右一対の側部フレーム12c,12dのどちらかに固定される左右ワイヤー31,32とが含まれている。これら複数の前後ワイヤー30と複数の左右ワイヤー31,32は互いに交差して配置され、ワイヤー同士の交差部は接合されている。
前後ワイヤー30は、前後方向に長く形成された長尺部30aと、長尺部30aの両端部のそれぞれから斜め上方に突出する傾斜部30bと、双方の傾斜部30bそれぞれの上端部から左右のいずれか一方に突出する固定端30cと、を有しており、全体として平面視において略コ字状に形成されている。固定端30cは、後部フレーム12aと前部フレーム12bに対して溶接固定される。
つまり、二つの固定端30cは、同じ方向に突出した状態となっている。また、二つの傾斜部30bの、長尺部30aからの長さは等しく、長尺部30aに対する角度も等しく設定されている。
このような形状の前後ワイヤー30は、長尺部30aと傾斜部30bが所定の位置(設計どおりの位置)に配置されていればよく、固定端30cが左右のどちらを向いて配置されていても問題がないため、左右の向きを逆転させて使用することができる。換言すれば、前後ワイヤー30を、後部フレーム12aと前部フレーム12bとの間に架け渡して溶接固定する際は、固定端30cの向きを気にせずに作業を行うことができる。
左右ワイヤー31,32には、第一左右ワイヤー31と、第二左右ワイヤー32と、が含まれている。
第一左右ワイヤー31は、左右方向に長尺に形成されており、本実施形態においては右側端部が、右側の側部フレーム12cに固定され、左側端部が、左側の側部フレーム12dに固定されている。また、第一左右ワイヤー31の中央部は、上下一対の中央部フレーム12e,12fのうち下側中央部フレーム12fの上面に沿って湾曲し、当該下側中央部フレーム12fの上面に溶接固定されている。すなわち、第一左右ワイヤー31は、下側中央部フレーム12fを介して、左右一対の側部フレーム12c,12dに架け渡されて設けられている。
第二左右ワイヤー32は、平面視において略U字状(平面視コ字状でもよい)に曲げ加工されている。第二左右ワイヤー32の一端部と他端部は、同一の側部フレーム12c(12d)に対して固定されている。また、第二左右ワイヤー32は、曲げ加工された部分が、上下一対の中央部フレーム12e,12fまで到達しない長さに設定されている。第二左右ワイヤー32の曲げ加工された部分から上下一対の中央部フレーム12e,12fまでの間には、受圧部材のないスペースが形成されている。そして、図示はしないが、このようなスペースを利用して、シートベルトのバックルが配置されるようになっている。
シートクッションフレーム12における受圧部材の一つとして、左右一対の側部フレーム12c,12dにおけるシートクッションフレーム12の外側には、斜め上方に突出するように配置された上方突出ワイヤー33が設けられている。
より詳細に説明すると、上方突出ワイヤー33は、両端部が、左右一対の側部フレーム12c,12dの外側面に固定され、その固定位置から斜め上方に突出するようにして設けられている。上方突出ワイヤー33は、固定端である両端部から斜め上方に突出する突出部33aと、双方の突出部33aの上端部同士を連結する連結部33bと、を備え、連結部33bの中央は、略V字状に曲げ加工されて鉛直下方に突出する下方突出部33cとされている。
上方突出ワイヤー33は、シートクッションフレーム12に載せられるクッションパッドのうち、左右一対の側部フレーム12c,12dよりも外側にはみ出した部分を下から支持することができる。そのため、上方突出ワイヤー33は、乗物用シート1の乗降時における耐久性を向上させ、クッションパッドのはみ出した部分が元の形状を保持する機能を発揮することができる。
スライド機構40は、左右一対の側部フレーム12c,12dそれぞれの下面と、乗物のフロアパネルとの間に設けられており、シートクッションフレーム12、延いては乗物用シート1全体を、乗物の前後方向に沿ってスライド移動させることができる。
このようなスライド機構40は、可動レール41と、固定レール42と、スライドロック機構と、を備えている。
可動レール41は、スライド方向(前後方向)に長尺に形成され、左右一対の側部フレーム12c,12dの下面に固定されるとともに、固定レール42の内側に設けられて当該固定レール42に摺動可能に支持されている。
固定レール42は、スライド方向(前後方向)に長尺に形成され、左右一対の側部フレーム12c,12dの下方に設けられるとともに、可動レール41を摺動可能に支持している。また、この固定レール42の下面には、乗物のフロアパネルに固定されてシートクッション2、延いては乗物用シート1全体を支持する前側フットブラケット43及び後側フットブラケット44が固定されている。
スライドロック機構は、可動レール41と固定レール42との間に設けられ、乗物用シート1を複数の前後調整位置で選択的にロック可能な従来公知の機構である。各可動レール41には、スライドロック機構のロック状態を解除するレリーズレバー45が軸支されるとともに、各レリーズレバー45には、当該レリーズレバー45をスライドロック機構のロック作動方向に付勢するロックスプリング46が接続されている。
左右のレリーズレバー45には、レリーズバー47の両端部が連結されている。このレリーズバー47は、一本の丸棒を屈曲させたもので、左右のレリーズレバー45から前方に延びる左右一対の腕部47aと、これら腕部47aの前端部間を一体に連結する杆部47bとを有しており、その杆部47bは、シートクッションフレーム12の下部においてシートクッションフレーム12の前縁と平行に配置されている。
杆部47bの中央部にはノブ48が固定されている。ノブ48は、杆部47bの中央部前面よりシートクッションフレーム12の前面に臨むように突出するとともにコ字状に形成されており、手で握りやすい状態となっている。
ノブ48を引き上げることによって、レリーズバー47がレリーズレバー45と共に上方へ揺動して、スライドロック機構のロック状態を解除することができ、可動レール41のスライド移動、すなわち乗物用シート1の前後方向へのスライド移動が可能となる。乗物用シート1の前後位置を調節した後、ノブ48を解放することによって、ロックスプリング46の作用によりスライドロック機構は作動して、乗物用シート1を調節位置にロックすることができる。
スライドロック機構は、ノブ48による操作だけでなく、乗物用シート1の後方からも操作可能に構成されている。
すなわち、後方用操作部材49が、乗物用シート1の後方に露出するようにして設けられており、この後方用操作部材49には、ボーデンケーブル49aが接続されている。ボーデンケーブル49aは、アウターケーブルとインナーケーブルとを備える。アウターケーブルは、上側中央部フレーム12eに沿って配線されるとともに留め付けられている。インナーケーブルは、一端部が後方用操作部材49に接続され、他端部がレリーズバー47の中央部に接続されている。そして、後方用操作部材49を引っ張るように操作することで、インナーケーブルを介してレリーズバー47が引き上げられ、スライドロック機構のロック状態を解除できるようになっている。
なお、アウターケーブルにおける前端部は、第一ブラケット17のウェブ部に形成された切欠部17aに引っ掛けられて保持されており、インナーケーブルを、レリーズバー47側にガイドできるようになっている。
また、第一ブラケット17における両側縁のフランジ部には、ノブ48のコ字状内部を通過して下方に延びる規制リング19が設けられている。規制リング19は、第一ブラケット17よりも前方に位置しており、例えば表皮材2a等がボーデンケーブル49aに干渉することを規制している。
シートクッション2の前端部中央における下部には、ノブ48の位置に対応し、周囲よりも凹んだ状態に形成された凹部2bがある。ノブ48は、少なくともその基端部側(レリーズバー47側)の部分が、凹部2b内に納まるようになっている。そのため、ノブ48は、シートクッション2の前端部から前方に突出しすぎない状態にすることができる。
シートクッションフレーム12には、以上のような基本構成に付属して、シート後方に設けられた荷室Rに配置された物品を支持する支持ワイヤー50と、後部フレーム12aに対する前向き荷重を吸収するエネルギー吸収ワイヤー55が設けられている。
支持ワイヤー50は、一本のワイヤーを曲げ加工することによって形成されており、上方に突出するように配置されている。また、支持ワイヤー50は、第二ブラケット51を介して後部フレーム12aの長さ方向両端部における後側面に固定されている。
第二ブラケット51は、ウェブ部とその両側縁に設けられたフランジ部とを有して断面コ字状に形成されている。より詳細には、各フランジ部が後部フレーム12aの後側面に溶接固定され、ウェブ部に形成された二つの貫通孔に、支持ワイヤー50の両端部が差し込まれて溶接固定されている。
支持ワイヤー50によって支持される物品には、荷室R内に配置された荷物や固定具、収納具等の種々の物品が含まれており、特に限定されるものではない。支持ワイヤー50に対しては、当該物品が引っ掛けられたり、固定されたりして、当該物品を支持ワイヤー50によって確実に支持できるようになっている。
エネルギー吸収ワイヤー55は、一本のワイヤーを曲げ加工することによって形成されており、後部フレーム12aのうち支持ワイヤー50よりも中央側に、後方斜め下向きに突出するように設けられている。また、エネルギー吸収ワイヤー55は、その両端部が、後部フレーム12aの上側面に固定されている。
シートバックフレーム13は、一つのシートクッションフレーム12に対して二つとされている。それぞれのシートバックフレーム13は、曲げ加工されたパイプフレームによって上辺、下辺、左右側辺が形成されたフレーム本体13aと、ピボットブラケット13bと、サイドフレーム13cと、を有する。
ピボットブラケット13bは、フレーム本体13aにおける外側の側辺に設けられ、シートクッションフレーム12におけるピボットブラケット15に対して回転可能に連結されている。
サイドフレーム13cは、フレーム本体13aにおける内側の側辺に設けられ、シートクッションフレーム12におけるリクライニングブラケット16に対して回転可能に連結されている。また、サイドフレーム13cとリクライニングブラケット16との間に、リクライニング機構が設けられている。
なお、フレーム本体13aの上辺には、ヘッドレスト4におけるヘッドレストピラー14bを保持するピラー保持部13dが設けられている。
ヘッドレストフレーム14は、シートバックフレーム13の上端部中央に設けられており、フレーム本体14aと、フレーム本体14aの下端部から下方に突出するヘッドレストピラー14bと、を有する。
ヘッドレストピラー14bは、シートバックフレーム13の上端部に設けられたピラー保持部13dによって保持されている。
以下、本実施形態における乗物用シート1について、より詳細に説明する。
[カバー材について]
乗物のフロアパネルと、乗物用シート1(シートクッション2の下面)との間には隙間が形成されており、人の手が入ることになる。そこで、シートクッション2の下面には、図7に示すように、当該シートクッション2の下面を被覆するカバー材5が設けられている。
より詳細に説明すると、シートクッション2の下面の略全面が、スライド機構40を避けてカバー材5によって被覆されている。換言すれば、シートクッション2の下面のうちスライド機構40を避けた略全面がカバー材5によって被覆されている。
乗物用シート1におけるシートクッション2は、シートクッションフレーム12及びクッションパッドを被覆する表皮材2aを含んで構成されている。
すなわち、シートクッション2は、表皮材2aによって、シートクッション2の下面を除く略全面が被覆されており、カバー材5によって、シートクッション2の下面の略全面が被覆された状態となっている。このような表皮材2aとカバー材5は、隣接する端末同士が縫い合わされており、一体的に形成されている。
カバー材5は、いわゆるトリムカバーと称される従来公知のものであって、ワディング材と、ワディング材の表面に接着された表層材と、ワディング材の裏面に接着された裏打材とが層状に重ねられて構成されている。
ワディング材は、スラブウレタン等から形成されており、クッション性を有する。
表層材は、ポリエステル等の化学繊維から形成されている。
裏打材は、ポリプロピレン、ポリエチレン又は不織布等から形成されている。表層材及び裏打材とワディング材とは、ワディング材に熱を加えて、接着性を有する状態とした後に、ワディング材の表面と裏面とに、それぞれを重ねるようにして接着されている。したがって、カバー材5は、表皮材2aに比して、やや厚みがあるものの、布状に形成されることで取り扱いがしやすい。また、厚みがあるので、シートクッション2の下面の保護には好適である。
カバー材5は、上述のように、シートクッション2の下面の略全面を被覆しているが、シートクッションフレーム12の下面に設けられたスライド機構40を避けて設けられている。
そのため、スライド機構40の下方は、カバー材5によって被覆されていない状態となっている。また、スライド機構40の可動領域も、カバー材5によって被覆されていない状態となっている。さらに、スライド機構40に含まれる前側フットブラケット43及び後側フットブラケット44と対向するシートクッション2の下方も、カバー材5によって被覆されていない状態となっている。
すなわち、カバー材5は、シートクッションフレーム12の下面の略全面を被覆した状態においては、スライド機構40を露出させるための開口部6を備えた構成となっている。換言すれば、カバー材5には、スライド機構40の位置に対応して開口部6が形成されており、スライド機構40を、カバー材5から露出できるようになっている。
カバー材5は、シートクッションフレーム12及びクッションパッドを被覆しやすいように、複数の片に分かれて構成されている。本実施形態において、カバー材5は、前側片5aと、後側片5bと、右側片5cと、左側片5dに分かれて構成されている。
前側片5aは、シートクッション2の下面における前端部側から中央部を越えて後端部側に至る範囲(領域)を被覆できる面積に設定されている。
後側片5bは、シートクッション2の下面における後端部側から前側片5aの端末のある位置までの範囲(領域)を被覆できる面積に設定されている。
右側片5c及び左側片5dは、前側片5a及び後側片5bによって被覆されないシートクッション2の下面における左右側端部の領域を被覆できる面積に設定されている。
また、カバー材5は、図9,図10に示すように、上記各片5a~5dの他にも、シートクッション2における凹部2bを被覆する凹部片5eと、規制リング19を被覆する化粧片5fと、を備えている。
凹部片5eには、開口が形成されており、この開口から規制リング19及び第一ブラケット17付近(ボーデンケーブル49aも含む)を露出可能とすることができ、後方用操作部材49による操作が、凹部片5eによって阻害されにくくなっている。化粧片5fは、帯状に形成され、ノブ48と規制リング19との間に通されるようにして配置されることで、凹部片5eに形成された開口(規制リング19等)を被覆することができる。
化粧片5fの先端裏面には面ファスナー5gが設けられており、化粧片5fを前側片5aに留めることができる。
また、カバー材5における各片5a~5dの端末には、図8に示すように、当該端末の延在方向に沿って、略J字状に形成された複数の掛け止め部材7(フック状部材)が取り付けられている。カバー材5は、掛け止め部材7を、シートクッションフレーム12を構成するワイヤーに対して引っ掛けることで、シートクッション2の下面を被覆できるようになっている。
カバー材5における各片5a~5dは、開口部6に臨むようにして形成されており、開口部6付近、すなわちスライド機構40付近に設けられたワイヤーに対して、図8(a)に示すように、複数の掛け止め部材7が引っ掛けられるようになっている。
また、各片5a~5dの端末同士が近接する位置又は重なり合う位置においては、図8(b)に示すように、当該位置に設けられたワイヤーに対して複数の掛け止め部材7が引っ掛けられるようになっている。この場合、一方の片の掛け止め部材7と、他方の片の掛け止め部材7が、一本のワイヤーに対して逆向きとなるように引っ掛けられる。
複数の掛け止め部材7が各ワイヤーに引っ掛けられると、カバー材5における各片5a~5dが極力撓みを抑えて張られた状態(ぴんと張られた状態)となり、シートクッション2の下面における略全面を被覆することができる。
開口部6付近において掛け止め部材7が引っ掛けられるワイヤーは、左右一対の側部フレーム12c,12dに固定された掛け止めワイヤー70とされている。換言すれば、シートクッションフレーム12における左右一対の側部フレーム12c,12dには、図2~図4,図6,図11に示すように、スライド機構40の周囲に沿って配置され、カバー材5における各片5a~5dの端末が掛け止めされる掛け止めワイヤー70が固定されている。
ここで、左右一対の側部フレーム12c,12dは、上述のように断面コ字状(断面チャンネル形ともいう。)に形成されている。そのため、左右一対の側部フレーム12c,12dは、ウェブ部60とその両側縁に設けられたフランジ部61,62とを有する。
ウェブ部60は、左右一対の側部フレーム12c,12dにおける下面を構成し、フランジ部61,62には、シート外側に位置する外側フランジ61と、シート中央側に位置する内側フランジ62と、が含まれている。
掛け止めワイヤー70は、図12等に示すように、ワイヤーが曲げ加工されて形成されており、下面視又は上面視において略コ字状に形成されている。また、掛け止めワイヤー70は、スライド機構40における前側に配置されている。すなわち、掛け止めワイヤー70は、左右一対の側部フレーム12c,12dにおける外側フランジ61から、左右一対の側部フレーム12c,12dの前端部を通過し、左右一対の側部フレーム12c,12dにおける内側フランジ62に至るように配置されている。
また、掛け止めワイヤー70は、前側フットブラケット43の前方及び左右側方に隣り合い、かつスライド機構40よりも下方に突出する部位を有する。つまり、掛け止めワイヤー70は、下面視又は上面視において略コ字状に形成されているが、正面視や側面視、斜視においては、上下方向にも延びた状態となっており、複数の屈曲部を含んで構成されている。
このような掛け止めワイヤー70は、スライド機構40のスライド方向に延在するとともにスライド機構40よりもシートクッション2外側に位置する外側ワイヤー71と、スライド機構40のスライド方向に延在するとともにスライド機構40よりもシートクッション2中央側に位置する内側ワイヤー72と、スライド機構40よりも前方に位置する前側ワイヤー73と、外側ワイヤー71及び内側ワイヤー72の延在方向を変更する複数の屈曲部と、を備えている。
外側ワイヤー71は、外側フランジ61から間隔を空けて配置されるとともに外側フランジ61と平行する平行離間部71aと、平行離間部71aの両端部から外側フランジ61まで延びる第一突出部71b及び第二突出部71cと、第一突出部71bの端部から上方に延びて外側フランジ61の側面に固定される第一固定部71dと、第二突出部71cの端部から前方に延びて外側フランジ61の側面に固定される第二固定部71eと、を有する。第二固定部71eの前端部は、外側フランジ61の前端部よりも前方に位置する。
なお、第一突出部71b及び第二突出部71cは、鉛直方向に対して斜めに傾いて配置され、これにより、平行離間部71aは、第一固定部71d及び第二固定部71eよりも下方に位置している。つまり、外側ワイヤー71は、平行離間部71aが斜め下方に突出するような位置になるように形成されている。
そして、右側の側部フレーム12cに対応する平行離間部71aには、カバー材5における右側片5cの端末に設けられた掛け止め部材7が引っ掛けられる。左側の側部フレーム12dに対応する平行離間部71aには、カバー材5における左側片5dの端末に設けられた掛け止め部材7が引っ掛けられる。
内側ワイヤー72は、内側フランジ62から間隔を空けて配置されるとともに内側フランジ62と平行する平行離間部72aと、平行離間部72aの後端部から内側フランジ62まで延びる突出部72bと、突出部72bの端部から上方に延びて内側フランジ62の側面に固定される固定部72cと、を有する。
なお、突出部72bは、鉛直方向に対して斜めに傾いて配置され、これにより、平行離間部72aは、固定部72cよりも下方に位置している。つまり、内側ワイヤー72は、平行離間部72aが斜め下方に突出するような位置になるように形成されている。
また、内側ワイヤー72における平行離間部72aは、外側ワイヤー71における平行離間部71aよりも下方に位置している。より具体的には、内側ワイヤー72における平行離間部72aは、スライド機構40よりも下方に位置している。
さらに、内側ワイヤー72における平行離間部72aの前端部は、内側フランジ62の前端部よりも前方に位置する。
そして、内側ワイヤー72における平行離間部72aには、カバー材5における前側片5aの端末に設けられた掛け止め部材7が引っ掛けられる。
前側ワイヤー73は、スライド機構40よりも前方に位置して離間し、内側ワイヤー72における平行離間部72aの前端部から水平方向外側に延びる前方離間部73aと、前方離間部73aの外側端部から外側ワイヤー71における第二固定部71eの前端部まで上方に突出する突出部73bと、を有する。
なお、前方離間部73aは、内側ワイヤー72における平行離間部72aと同じ高さ位置に配置されており、外側ワイヤー71における平行離間部71aよりも下方に位置している。
そして、前側ワイヤー73における前方離間部73aには、カバー材5における前側片5aの端末に設けられた掛け止め部材7が引っ掛けられる。
また、外側ワイヤー71の延在方向における長さは、内側ワイヤー72の延在方向における長さよりも長く設定されている。
さらに、外側ワイヤー71及び内側ワイヤー72の延在方向を変更する複数の屈曲部には、スライド機構40を挟んで互いに対向する位置関係となっている第一屈曲部74及び第二屈曲部75が含まれている。
第一屈曲部74は、外側ワイヤー71における第二突出部71cと第二固定部71eとの間の屈曲部であり、第二屈曲部75は、内側ワイヤー72における平行離間部72aと突出部72bとの間の屈曲部である。
外側ワイヤー71は、上方突出ワイヤー33に近接して配置されている。さらに、外側ワイヤー71における上記の第一屈曲部74は、上方突出ワイヤー33と隣り合って配置されている。
シートクッション2の下面における中央部付近であって、かつ、前側片5aの端末と後側片5bの端末とが近接する位置において掛け止め部材7が引っ掛けられるワイヤーは、第一左右ワイヤー31又は第二左右ワイヤー32とされている。
なお、カバー材5における各片5a~5dの端末に設けられた掛け止め部材7が引っ掛けられるワイヤーとして、掛け止めワイヤー70や、第一左右ワイヤー31、第二左右ワイヤー32を挙げたが、これに限られるものではなく、カバー材5における各片5a~5dの端末に対応する他のワイヤーでもよい。
以上のような構成を採用することで、カバー材5によって、シートクッション2の下面における略全面を被覆できるようになっている。
本実施の形態によれば、シートクッション2の下面の略全面が、スライド機構40を避けてカバー材5によって被覆されているので、スライド機構40の動作がカバー材5によって阻害されにくくなるとともに、カバー材5によってシートクッション2の下面を被覆して保護することができる。
また、シートクッション2の下面を除く略全面を被覆する表皮材2aとカバー材5とが一体的に形成されているので、例えば樹脂成型品のカバー材を用いる場合に比して、構造の軽量化及び簡素化を図ることができ、シートクッション2に対する組み付け作業性も向上させやすい。
また、シートクッションフレーム12と前側フットブラケット43及び後側フットブラケット44との間にスライド機構40が介在しているので、スライド機構40の部品流用が可能になる。
また、前側フットブラケット43及び後側フットブラケット44を介して乗物用シート1のフロアパネルへの設置を行うことができるので、例えばスライド機構40を介して乗物用シート1のフロアパネルへの設置を行う場合に比して、乗物用シート1のフロアパネルへの組み付け作業性を向上させやすい。
また、スライド機構40の下方は、カバー材5によって被覆されていない状態となっているので、スライド機構40の動作がカバー材5によって阻害されにくくなるとともに、カバー材5によってシートクッション2の下面を被覆して保護することができる。
また、スライド機構40の可動領域は、カバー材5によって被覆されていない状態となっているので、スライド機構40の動作がカバー材5によって、より阻害されにくくなる。
また、前側フットブラケット43及び後側フットブラケット44と対向するシートクッション2の下方は、カバー材5によって被覆されていない状態となっているので、スライド機構40の動作がカバー材5によって阻害されにくくなる。
また、カバー材5の端末は、掛け止めワイヤー70を介してシートクッションフレーム12に取り付けられた状態となるので、スライド機構40の動作がカバー材5によって阻害されにくくなるとともに、カバー材5によってシートクッション2の下面を被覆して保護することができる。
また、少なくとも前側フットブラケット43の前方及び左右側方に隣り合い、かつスライド機構40よりも下方に突出する掛け止めワイヤー70の部位にカバー材5の端末が掛け止めされるので、スライド機構40が動作した場合の、前側フットブラケット43の前側部分におけるカバー材5の余り皺の発生を抑制できる。
また、掛け止めワイヤー70は、下面視又は上面視において略コ字状に形成されているので、スライド機構40を避けやすい形状であり、このような掛け止めワイヤー70にカバー材5の端末が掛け止めされることで、スライド機構40の動作がカバー材5によって阻害されにくくなる。
また、掛け止めワイヤー70における外側ワイヤー71の延在方向における長さは、内側ワイヤー72の延在方向における長さよりも長く設定されているので、スライド機構40が動作した場合の、スライド機構40の外側におけるカバー材5の余り皺の発生を抑制できる。
また、外側ワイヤー71における第一屈曲部74と内側ワイヤー72における第二屈曲部75は、スライド機構40を挟んで互いに対向する位置関係となっているので、掛け止めワイヤー70の剛性を向上でき、掛け止めワイヤー70によってカバー材5を保持する上での確実性を向上できる。
また、上方突出ワイヤー33が、外側ワイヤー71における第一屈曲部74に対応する位置に設けられ、シートクッション2のうち、外側ワイヤー71における第一屈曲部74及び上方突出ワイヤー33がある位置の剛性が向上されることになる。これにより、シートクッション2の当該位置に着座する乗員を支持する上での確実性が高まり、外側ワイヤー71に掛け止めされるカバー材5の余り皺の発生を抑制できる。
1 乗物用シート
2 シートクッション
2a 表皮材
2b 凹部
3 シートバック
4 ヘッドレスト
5 カバー材
5a 前側片
5b 後側片
5c 右側片
5d 左側片
5e 凹部片
5f 化粧片
5g 面ファスナー
6 開口部
7 掛け止め部材
11 シートフレーム
12 シートクッションフレーム
12a 後部フレーム
12b 前部フレーム
12c 側部フレーム
12d 側部フレーム
12e 上側中央部フレーム
12f 下側中央部フレーム
13 シートバックフレーム
14 ヘッドレストフレーム
16 リクライニングブラケット
17 第一ブラケット
19 規制リング
20 中間強度部材
21 第一分割体
22 第二分割体
30 前後ワイヤー
30a 長尺部
30b 傾斜部
30c 固定端
31 第一左右ワイヤー
32 第二左右ワイヤー
33 上方突出ワイヤー
33a 突出部
33b 連結部
33c 下方突出部
40 スライド機構
41 可動レール
42 固定レール
43 前側フットブラケット
44 後側フットブラケット
45 レリーズレバー
46 ロックスプリング
47 レリーズバー
47a 腕部
47b 杆部
48 ノブ
49 後方用操作部材
49a ボーデンケーブル
60 ウェブ部
61 外側フランジ
62 内側フランジ
70 掛け止めワイヤー
71 外側ワイヤー
71a 平行離間部
71b 第一突出部
71c 第二突出部
71d 第一固定部
71e 第二固定部
72 内側ワイヤー
72a 平行離間部
72b 突出部
72c 固定部
73 前側ワイヤー
73a 前方離間部
73b 突出部
74 第一屈曲部(外側)
75 第二屈曲部(内側)

Claims (12)

  1. シートクッションと、前記シートクッションの下面に設けられ、前記シートクッションをスライド移動させるためのスライド機構と、前記シートクッションの骨格を構成し、前記スライド機構が設けられたシートクッションフレームと、を備えており、
    前記シートクッションの下面の略全面が、前記スライド機構を避けてカバー材によって被覆されており、
    前記シートクッションフレームには、前記スライド機構の周囲に沿って配置され、前記カバー材の端末が掛け止めされるワイヤーが固定され、かつ、前記シートクッションフレームに載せられるクッションパッドを支持する上方突出ワイヤーが設けられ、
    前記上方突出ワイヤーの一部は、シート幅方向において、前記ワイヤーよりも外側に配置されていることを特徴とする乗物用シート。
  2. 前記ワイヤーには、前記スライド機構のスライド方向に延在するとともに前記スライド機構よりも前記シートクッション外側に位置する外側ワイヤーが含まれており、
    前記外側ワイヤーは、シート幅方向において、前記上方突出ワイヤーと重なる位置に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の乗物用シート。
  3. 記スライド機構に設けられるとともに乗物のフロアパネルに固定されて前記シートクッションを支持するフットブラケットを備え
    前記外側ワイヤーは、シート幅方向において、前記フットブラケットと重なる位置に配置されていることを特徴とする請求項に記載の乗物用シート。
  4. 前記スライド機構に設けられるとともに乗物のフロアパネルに固定されて前記シートクッションを支持するフットブラケットを備え、
    前記フットブラケットの一部は、前記上方突出ワイヤーと重なる位置に配置されていることを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の乗物用シート。
  5. 前記シートクッションの下面を除く略全面が表皮材によって被覆され、当該表皮材と前記カバー材とが一体的に形成されていることを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の乗物用シート。
  6. 前記スライド機構の可動領域は、前記カバー材によって被覆されていない状態となっていることを特徴とする請求項1~のいずれか一項に記載の乗物用シート。
  7. 前記フットブラケットと対向する前記シートクッションの下方は、前記カバー材によって被覆されていない状態となっていることを特徴とする請求項3又は4を引用する請求項5又は6に記載の乗物用シート。
  8. 前記ワイヤーは、少なくとも前記フットブラケットの前方及び左右側方に隣り合い、かつ前記スライド機構よりも下方に突出する部位を有することを特徴とする請求項3又は4、もしくは請求項3又は4を引用する請求項~7のいずれか一項に記載の乗物用シート。
  9. 前記ワイヤーは、下面視又は上面視において略コ字状に形成されていることを特徴とする請求項3又は4、もしくは請求項3又は4を引用する請求項~8のいずれか一項に記載の乗物用シート。
  10. 前記ワイヤーには、前記スライド機構のスライド方向に延在するとともに前記スライド機構よりも前記シートクッション外側に位置する外側ワイヤーと、前記スライド機構のスライド方向に延在するとともに前記スライド機構よりも前記シートクッション中央側に位置する内側ワイヤーと、が含まれており、
    前記外側ワイヤーの延在方向における長さは、前記内側ワイヤーの延在方向における長さよりも長く設定されていることを特徴とする請求項3又は4、もしくは請求項3又は4を引用する請求項~9のいずれか一項に記載の乗物用シート。
  11. 前記ワイヤーには、前記スライド機構のスライド方向に延在するとともに前記スライド機構よりも前記シートクッション外側に位置する外側ワイヤーと、前記スライド機構のスライド方向に延在するとともに前記スライド機構よりも前記シートクッション中央側に位置する内側ワイヤーと、が含まれており、
    前記外側ワイヤー及び前記内側ワイヤーは、その延在方向を変更する屈曲部をそれぞれ有し、
    前記外側ワイヤーにおける前記屈曲部と前記内側ワイヤーにおける前記屈曲部は、前記スライド機構を挟んで互いに対向する位置関係となっていることを特徴とする請求項3又は4、もしくは請求項3又は4を引用する請求項~10のいずれか一項に記載の乗物用シート。
  12. 前記上方突出ワイヤーは、前記外側ワイヤーにおける前記屈曲部に隣り合って配置され、かつ斜め上方に突出するように配置されていることを特徴とする請求項11に記載の乗物用シート。
JP2018122729A 2018-06-28 2018-06-28 乗物用シート Active JP7041013B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018122729A JP7041013B2 (ja) 2018-06-28 2018-06-28 乗物用シート

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018122729A JP7041013B2 (ja) 2018-06-28 2018-06-28 乗物用シート

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020001548A JP2020001548A (ja) 2020-01-09
JP7041013B2 true JP7041013B2 (ja) 2022-03-23

Family

ID=69098316

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018122729A Active JP7041013B2 (ja) 2018-06-28 2018-06-28 乗物用シート

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7041013B2 (ja)

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014100991A (ja) 2012-11-19 2014-06-05 Ts Tech Co Ltd シート装置
JP2017019346A (ja) 2015-07-08 2017-01-26 トヨタ紡織株式会社 乗物用シート

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0537558U (ja) * 1991-10-31 1993-05-21 池田物産株式会社 車両用シート

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014100991A (ja) 2012-11-19 2014-06-05 Ts Tech Co Ltd シート装置
JP2017019346A (ja) 2015-07-08 2017-01-26 トヨタ紡織株式会社 乗物用シート

Also Published As

Publication number Publication date
JP2020001548A (ja) 2020-01-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN110053525B (zh) 车用座椅
JP2018090143A (ja) シートベルトの配索構造及びそれを備えた乗物用シート
JP7518414B2 (ja) 乗物用シート
JP2024045684A (ja) 乗物用シート
JP7469721B2 (ja) シートクッションフレーム構造
JP7041013B2 (ja) 乗物用シート
US10647225B2 (en) Vehicle seat
JP7193703B2 (ja) 乗物用シート
JP6634120B2 (ja) シートクッションフレームの補強構造
JP7386207B2 (ja) 乗物用シート
JP6658304B2 (ja) 乗物用シート
JP7105094B2 (ja) 乗物用シート
WO2022059792A1 (ja) 乗物用シート
JP7397825B2 (ja) 乗物用シート
JP7381854B2 (ja) 乗物用シート
JP2022051709A (ja) 乗物用シート
WO2020054677A1 (ja) 乗物用シート
JP6708941B2 (ja) 車両用シート
JP5809427B2 (ja) 乗り物用シート
JP2023060140A (ja) 乗物用シート
JP2022188673A (ja) 乗り物用シート
JP2023152048A (ja) 乗物用シート
JP4380417B2 (ja) 車両用シート装置
JP2021120253A (ja) 乗物用シート
JP3453077B2 (ja) 自動車用シートの位置、姿勢可変装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20201019

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210616

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210622

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210819

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20211124

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220121

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220208

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220310

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7041013

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150