JP7039120B2 - 切削ブレード及び切削方法 - Google Patents

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Description

本発明は、被加工物を切削する切削ブレード及び該切削ブレードを用いた切削方法に関する。
半導体ウェーハやパッケージ基板、セラミックス基板、ガラス基板等の被加工物を円環状の切削ブレードで精密に切削加工する切削装置が知られている。該切削装置では、該切削ブレードがスピンドルに回転可能に支持されている。そして、該スピンドルを回転させることで切削ブレードを回転させ、回転する切削ブレードを被加工物に切り込ませて被加工物を切削する。
該被加工物の表面には、例えば、格子状に設定された分割予定ラインによって区画される複数の領域のそれぞれに、ICやLSI等のデバイスが形成される。そして、該分割予定ラインに沿って被加工物が切削されて被加工物が分割されると、デバイスを有する複数のチップ(以下、デバイスチップという)が形成される。
切削される前の被加工物には、例えば、該デバイスや配線、電極、または、TEG(Test Element Group)等を構成する金属を含む層が形成されている場合がある。分割予定ラインにこのような金属を含む層が形成されている場合、切削ブレードは金属を切削することになる。
例えば、樹脂に覆われた複数のデバイスを有するパッケージ基板を切削して個々のデバイスチップに分割する場合、形成されたデバイスチップの側面に電極を露出させるために、金属を含む電極パッドを切削するように分割予定ラインが設定される場合がある。また、このようなパッケージ基板においては、例えば、該複数のデバイスは金属枠体に囲まれたデバイス領域に形成される場合があり、該パッケージ基板を切削するときに切削ブレードが該金属枠体を切削する。
切削ブレードは、金属や樹脂等からなるボンド材(結合剤)に、ダイヤモンド等の砥粒を混合して形成される。そのような切削ブレードで金属や樹脂等の延性材(延性の大きい材料)を含む層を切削すると、切削ブレードと、被加工物と、が接触する加工領域において、加工によって発生する熱で該延性材が伸びてバリと呼ばれる突起が大きく発生する場合がある。また、切削ブレードに目詰まりが生じて切削ブレードの切削能力が低下する場合がある。
例えば、パッケージ基板を切削した際に電極のバリが発生すると、電極同士が接触してショートする場合がある。また、形成されたデバイスチップの電極に金属ワイヤーをボンディングする際に該バリが挟み込まれてボンディング不良を生じる場合がある。そこで、各分割予定ラインに沿って厚みの薄い切削ブレードを用いて切削加工を2回行う技術が提案されている。
各分割予定ラインに沿って切削加工を2回行うことにより、1度に切削除去する体積を減らすことができる。該延性材を含む層のうち切削除去される部分が延ばされてバリが形成されるため、切削除去される部分の体積が減少するとバリを小さくすることができる。また、切削除去される部分の体積が減少すると加工による発熱も抑えられるため、これもまた形成されるバリを小さくできる要因となる。
特開2014-90126号公報
しかし、該技術においては各分割予定ラインに対して2度切削しなければならない。そのため、切削に要する時間も2倍となり生産性が悪くなるとの問題を生じる。また、各分割予定ラインにおいて、2度目に溝を形成する際、最初に形成した溝に対する切削ブレードの位置合わせの精度が特に高くなければならず、工程が複雑化する。
本発明はかかる問題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、生産性を落とすことなく加工品質の悪化を防止できる切削ブレード、及び該切削ブレードを用いた切削方法を提供することである。
本発明の一態様によれば、側面に切削液供給パイプから切削液が供給されつつ被加工物を切削する機能を有する円環状の切削ブレードであって、外周部の切り刃と、中央の貫通孔と、を有し、該切り刃には、該切り刃が外周から摩耗して該切削ブレードの直径が変化しても外周縁の接線に対する交差角度が所定の範囲となるベルヌーイの渦巻き線状の複数の溝が、該貫通孔から外周側に向かって形成されていることを特徴とする切削ブレードが提供される。
なお本発明の一態様において、該溝は該切削ブレードの該貫通孔の伸長方向に垂直な第1面と、該第1面の背面側の第2面と、にそれぞれ形成されていてもよい。
また、本発明の他の一態様によれば、該切削ブレードで被加工物を切削する切削方法であって、被加工物を保持手段で保持する保持ステップと、該保持ステップを実施した後、回転する該切削ブレードの側面に切削液供給パイプから切削液を供給することで、該切削ブレードと被加工物とが接触する加工領域に該溝を通じて該切削液を供給しつつ該切削ブレードで被加工物を切削する切削ステップと、を備え、該切削ステップでは、該溝の曲がる方向に該切削ブレードを回転させることを特徴とする切削方法が提供される。
本発明の一態様に係る切削ブレードの切り刃には複数の溝が形成されている。被加工物の切削時には、該貫通孔の周りに高速に回転する該切削ブレードに対して切削液が供給され、該切削液は該溝を通じて被加工物の加工箇所に供給される。すると、金属や樹脂等の延性材を有する被加工物が切削される際に、該加工箇所が冷却されるので、バリの発生が抑制される。
しかし、該切削ブレードによる切削加工が進行すると、該切削ブレードの切り刃が外周側から摩耗して切削ブレードの直径が次第に小さくなる。切削加工を実施している間、複数の該溝の縁が次々に被加工物に接触するが、該溝の形状次第では切削ブレードの直径が小さくなるのに伴い該溝の縁の被加工物に対する交差角度が変化する。すると、バリの発生状況が変化して、発生するバリの大きさや角度等が変わるため、切削加工の加工品質が一定とならない。
そこで、本発明の一態様に係る切削ブレードでは、切り刃に形成された該溝を、切り刃が外周から摩耗して該切削ブレードの直径が変化しても外周縁の接線に対する交差角度が所定の範囲となる形状とする。すると、切削ブレードが切削加工により摩耗しても、切削ブレードの溝の縁の被加工物に対する交差角度が一定となり、バリの発生状況も一定となる。そのため、該切削ブレードを用いた本発明の一態様に係る切削方法によるとバリを安定的に抑制でき、切削加工の加工品質が略一定となる。
したがって、本発明によると、生産性を落とすことなく加工品質の悪化を防止できる切削ブレード、及び該切削ブレードを用いた切削方法が提供される。
図1(A)は、被加工物の表面側を模式的に説明する平面図であり、図1(B)は、被加工物の裏面側を模式的に説明する平面図である。 切削装置を模式的に示す斜視図である。 図3(A)は、保持テーブルを模式的に示す平面図であり、図3(B)は、保持テーブルを模式的に示す断面図である。 切削ブレードを模式的に示す側面図である。 図5(A)は、第1の形態に係る切削ブレードの一部を模式的に示す断面図であり、図5(B)は、第2の形態に係る切削ブレードの一部を模式的に示す断面図である。 保持ステップを模式的に説明する部分断面図である。 切削ステップを模式的に説明する側面図である。
まず、本実施形態に係る切削ブレードを用いて切削する被加工物について説明する。被加工物は、例えば、シリコン、サファイア等の半導体ウェーハであり、また、ガラス、石英等の基板である。該被加工物の表面には、例えば、格子状に設定された分割予定ラインによって区画される複数の領域のそれぞれに、ICやLSI等のデバイスが形成される。そして、該分割予定ラインに沿って被加工物が切削されて被加工物が分割されると、デバイスを有する複数のチップ(以下、デバイスチップという)が形成される。
切削される前の被加工物には、例えば、該デバイスや配線、電極等の金属を含む層が形成されている場合がある。分割予定ラインにこのような金属を含む層が形成されている場合、該切削ブレードは金属を切削することになる。
また、被加工物は、樹脂に覆われた複数のデバイスを有するパッケージ基板である。図1(A)に、被加工物の一例であるパッケージ基板1の上面図を示す。図1(B)は、該パッケージ基板1の底面図である。図1(A)及び図1(B)に示す通り、パッケージ基板1は、平面視で略矩形状に形成された金属枠体3を含む。
金属枠体3は、例えば、42アロイ(鉄とニッケルとの合金)や銅等の金属で構成されており、複数のデバイス領域5と、各デバイス領域5を囲む外周余剰領域7と、を備えている。図1(B)に示すように、金属枠体3の裏面3b側には、複数のステージ9が配されている。ステージ9の表側(金属枠体3の表面3a側)には、各ステージ9に重なるようにIC、LED等のデバイス(不図示)が設けられている。
金属枠体3の表面3a側には、該デバイスを封止する封止樹脂13が形成されている。封止樹脂13は、所定の厚みに形成されており、金属枠体3の表面3aから突出している。各ステージ9上では、それぞれのデバイスがこの封止樹脂13によって覆われている。
図1(B)に示すように、各ステージ9の周囲には複数の電極パッド11が形成されており、それぞれのデバイス領域5において複数の電極パッド11が行列状に配列されている。各電極パッド11は封止樹脂13により表側が覆われるとともに、裏側は外部に露出している。このパッケージ基板1では、封止樹脂13が形成される前に各デバイスの各電極が、それぞれ対応する電極パッド11に金属ワイヤー(不図示)等で接続される。
このとき、隣接する2つのデバイスに挟まれた位置にある電極パッド11は、該隣接する2つのデバイスのそれぞれの電極に接続されており、後に切削ブレードによる切削により個々のデバイスチップが形成されるとき、該電極パッド11が分断されてそれぞれのデバイスチップの電極端子が形成される。
金属枠体3の裏面3b側には、マーカー15が形成されている。該マーカー15は、行列状に並んだ複数の電極パッド11のそれぞれの行および列の先頭側と末尾側とに、各行または列を挟むように形成されている。該マーカー15は、切削時の切削ブレードの位置を所定の位置に合わせるための目印として使用される。
すなわち、各行または列において複数の電極パッド11を次々と分断するように切削ブレードを切り込ませて、各ステージ9の周辺において電極パッド11ごと封止樹脂13を切削することで、個々のデバイスチップが形成される。つまり、複数の電極パッド11が並ぶ各行および列が分割予定ラインとなる。したがって、パッケージ基板1等を分割予定ラインに沿って切削ブレードにより切削するとき、該切削ブレードは電極パッド11等に含まれる金属、及び、封止樹脂13を切削することになる。
切削ブレードで金属や樹脂等の延性材(延性の大きい材料)を含む層を切削すると、切削ブレードと、被加工物と、が接触する加工領域において、加工によって発生する熱により該延性材が伸びてバリと呼ばれる突起が発生する場合がある。該バリが発生すると、電極同士が接触してショートする場合がある。また、形成されたチップの電極に金属ワイヤーをボンディングする際に該バリが挟み込まれてボンディング不良を生じる場合がある。また、切削ブレードに目詰まりが生じて切削ブレードの切削能力が低下する場合がある。
次に、本実施形態に係る切削ブレードが装着され、被加工物に切削加工を実施する切削装置22について説明する。図2に示すように、基台24の上面には、被加工物を切削する切削ユニット(切削手段)40を支持する門型の支持構造42が、開口24aを跨ぐように配置されている。支持構造42の前面上部には、切削ユニット40をY軸方向(割り出し送り方向)及びZ軸方向(鉛直方向)に移動させる切削ユニット移動機構(割り出し送り手段)44が設けられている。
切削ユニット40は、Y軸方向に平行な回転軸を構成するスピンドル(不図示)の一端側に装着された円環状の切削ブレード2を備えている。スピンドルの他端側にはモータ等の回転駆動源(不図示)が連結されており、切削ブレード2は、スピンドルを介して回転駆動源から伝達する回転力によって回転する。
基台24の上面には、X軸方向(前後方向、切削送り方向)に長い矩形状の開口24aが形成されている。この開口24a内には、X軸移動テーブル26、X軸移動テーブル26をX軸方向に移動させるX軸移動機構(切削送り手段)(不図示)、及びX軸移動機構を覆う防塵防滴カバー28が設けられている。
X軸移動テーブル26上には、パッケージ基板1を吸引保持するための保持テーブル(保持手段)30が配置されている。保持テーブル30は、2種類の吸引口を備えたベース32を含む。このベース32の上面32aには、パッケージ基板1に対応する保持治具34が装着される。
図3(A)は、保持治具34を模式的に示す平面図であり、図3(B)は、ベース32の上面32aに載置された状態の保持治具34を模式的に示す図である。図3(A)及び図3(B)に示すように、保持治具34は、略矩形の平板状に形成されおり、その上面は、パッケージ基板1を吸引保持する保持面34aとなっている。
保持面34aには、パッケージ基板1のストリート(分割予定ライン)に対応する逃げ溝34cが形成されている。この逃げ溝34cによって、保持治具34の保持面34aは、パッケージ基板1から分割される各チップに対応する複数の領域に区画される。
逃げ溝34cの幅は後述の切削ブレード2の幅より広くなっており、逃げ溝34cの深さは切削ブレード2の切り込み深さより深くなっている。そのため、パッケージ基板1をストリート(分割予定ライン)に沿って切削する際に切削ブレード2を深く切り込ませても、切削ブレード2は保持治具34と接触しない。なお、保持治具34は、逃げ溝34cの深さより厚く形成される。
逃げ溝34cで区画された各領域には、保持治具34を上下に貫通して保持面34aに開口する細孔34dが形成されている。図3(B)に示すように、ベース32の上面32aに保持治具34を載置すると、各細孔34dは、ベース32の上面32a側の中央部分に形成された吸引口32bと接続される。
吸引口32bは、ソレノイドバルブ36aを通じて吸引源38に接続されている。そのため、ベース32の上面32aに載置された状態の保持治具34の保持面34aにパッケージ基板1を重ね、パッケージ基板1の各チップに対応する領域を各細孔34dに合わせた後にソレノイドバルブ36aを開けば、パッケージ基板1を保持テーブル30で吸引保持できる。
なお、ベース32の上面32a側の外周部分には、保持治具34をベース32に装着するための吸引口32cが形成されている。この吸引口32cは、ソレノイドバルブ36bを通じて吸引源38に接続されている。そのため、ベース32の上面32aに保持治具34の下面34bを接触させて、ソレノイドバルブ36bを開けば、保持治具34をベース32の上面32aに装着できる。
切削ユニット40に装着される本発明の実施形態に係る切削ブレードについて説明する。図4は、該切削ブレード2の一例を模式的に示す側面図である。図4に示す通り、該切削ブレード2は、例えば、ワッシャータイプブレードであり、中央に貫通孔4と、外周に切り刃6と、を有する。該貫通孔4の伸長方向に垂直な第1の面8と、該第1の面8の背面側の第2の面14(図5参照)と、には溝10が形成される。該切削ブレード2は、金属や樹脂等のボンド材(結合剤)に、ダイヤモンド等の砥粒を混合して形成される。
円環状の該切削ブレード2は、該貫通孔4に切削装置22のスピンドルが通されることで該切削装置22に装着される。該スピンドルが回転するとことで該切削ブレード2が回転し、回転する切削ブレード2の切り刃6が被加工物に当たると被加工物が切削される。切削加工を継続すると、切り刃6の該砥粒が消耗するが、該ボンド材も消耗して次々と新しい砥粒が露出されるため、一定水準の切削能力が維持される。
図4に示す通り、該切削ブレード2の切り刃6の第1の面8には、複数の溝10が形成される。パッケージ基板1等の被加工物の切削時には、該貫通孔4の周りに高速に回転する該切削ブレード2に向けて切削液が供給され、該切削液は該溝10を通じて被加工物の加工箇所に供給される。すると、被加工物が切削される際に該加工箇所が冷却されるので、バリの発生が抑制される。
該切削ブレード2による切削加工が進行すると、該切削ブレード2の切り刃6が外周側から摩耗して切削ブレード2の直径が小さくなっていく。すると、該溝10の形状次第では、該溝10の縁の被加工物に対する交差角度が変化して、バリの発生状況も変わる。バリの発生状況が変化してバリの大きさや角度も変わると、切削加工の加工品質が一定とならない。
そこで、本発明の一態様に係る切削ブレード2では、切り刃6に形成された該溝10を、切り刃6が外周から摩耗して該切削ブレード2の直径が変化しても外周縁の接線に対する交差角度が所定の範囲となる形状とする。
例えば、図1に示すように該溝10の形状をベルヌーイの渦巻き線(螺旋)とする。なお、ベルヌーイの渦巻き線は自己相似形であり、任意の倍率で拡大または縮小したものは適当な回転によって元の線と一致する。そして、ベルヌーイの渦巻き線の中心から引いた半直線と、該渦巻き線の接線と、のなす角度が常に一定となる。
溝10をそのような形状で形成すると、切削ブレード2が切削加工により摩耗して直径が変化しても、溝10の縁の被加工物に対する交差角度が一定となるためバリの発生状況が一定となる。そのため、バリを安定的に抑制でき切削加工の加工品質が一定となる。
なお、該交差角度は完全に一定とならなくてもよく、切削ブレードの摩耗により直径が変化していく間に該交差角度が大きく変化しない所定の範囲に収まっていればよい。例えば、該交差角度が溝10の全域に渡り、溝10を構成する各点における該交差角度の平均値からプラスマイナス10°の範囲に収まるのが好ましい。さらに、該交差角度の平均値からプラスマイナス5°の範囲に収まるのがより好ましい。
溝10の形状をベルヌーイの渦巻き線とするとき、例えば、図4に示すように、貫通孔4から外周方向に向けて、切削ブレード2の回転方向12と同じ方向へ曲がる形状とする。すると、切削液が該溝10を伝って被加工物に供給されやすくなる。さらに、該溝10は、切削ブレード2の第1の面8とは背面側の第2の面14にも形成されてもよい。第1の面8と、第2の面14と、の両方に複数の溝10が形成された切削ブレード2の一部の断面図を図5(A)及び図5(B)に示す。
図5(A)に示す第1の形態においては、第1の面8に形成する溝10と、第2の面14に形成する溝10と、が互いに重なるように形成する。溝10をこのように形成すると、加工箇所に対して第1の面8側と、第2の面14側と、から切削水が同様に供給される。
または、例えば、図5(B)に示す第2の形態においては、第1の面8に形成する溝10と、第2の面14に形成する溝10と、が互いに重ならないように形成する。両面の溝10が互いに重なると、該溝10が形成されている部分で切削ブレード2の厚さが薄くなり、剛性が失われやすくなる。両面の溝10を互いに重ならないように形成すると、切削ブレード2の厚さが極端に薄くなる部分がなくなるため、切削ブレード2の剛性が保たれやすい。
溝10の幅が大きすぎると、切削ブレード2に必要な剛性を保てなくなる。そこで、例えば、溝10の幅を1mm以下とする。また、溝10が深すぎると、やはり必要な剛性を保てなくなる。そこで、例えば、溝10の深さを切削ブレード2の厚みの3分の1以下とする。
次に切削ブレード2の形成方法について説明する。まず、切削ブレード2を構成するボンド材の原料として、例えば、樹脂または金属を準備する。該ボンド材の原料にダイヤモンド等の砥石を混合させる。次に、溝10に沿った凸部が形成された金型を用意し、焼結プレスする。すると、溝10が形成された切削ブレード2が形成される。
ここで、溝10は他の方法で形成してもよい。例えば、フォトリソグラフィーにより形成してもよい。この場合、環状の切削ブレードを形成した後、レジストマスクで溝10を形成する部分以外の領域を覆い、エッチングすることにより溝10を形成する。さらに、環状の切削ブレードの溝10となる領域にだけレーザビームを照射することで溝10を形成してもよい。
切削ブレード2に溝10を切削ブレード2の直径が変化しても外周縁の接線に対する交差角度が所定の範囲となる形状で形成すると、切削加工により摩耗しても、該溝10の被加工物に対する交差角度が一定となる。そのため、バリの発生状況が変化せずバリを安定的に抑制でき、切削加工の加工品質を一定にできる。
次に、本実施形態に係る切削ブレード2を用いたパッケージ基板1等の被加工物の切削方法について説明する。該切削方法は、切削ブレード2が装着された切削ユニット40を備えた切削装置22で実施される。
該切削方法は、被加工物を保持手段で保持する保持ステップと、該保持ステップを実施した後、該切削ブレードでパッケージ基板1等の被加工物を切削する切削ステップと、を備える。切削ステップでは、回転する該切削ブレードに切削液を供給することで、該切削ブレードと被加工物とが接触する加工領域に該溝を通じて該切削液を供給しつつ被加工物を切削する。
図6を用いて該切削方法に係る保持ステップについて説明する。図6は、該保持ステップを模式的に説明する部分断面図である。まず、保持治具34をベース32に装着する。ベース32の上面32aに保持治具34の下面34bを接触させて、ソレノイドバルブ36bを開き、吸引源38から吸引口32cを通して負圧を作用させることで、保持治具34をベース32の上面32aに装着する。
次に、金属枠体3の裏面3bを上方に向けた状態でパッケージ基板1を保持治具34の上に載せる。このとき、パッケージ基板1のストリート(分割予定ライン)を、保持治具34に形成された逃げ溝34cに重ねる。そして、ソレノイドバルブ36aを開き、吸引源38から吸引口32bを通して負圧を作用させることで、保持治具34にパッケージ基板1を吸引保持させる。
該保持ステップを実施した後、切削ステップを実施する。該切削ステップについて図7を用いて説明する。図7は、切削ステップを模式的に説明する側面図である。まず、切削ユニット40を移動させて切削ブレード2が該パッケージ基板1のストリートに沿ってパッケージ基板1を切削できるように、切削ブレード2を金属枠体3の外の該ストリートの延長線上に位置づける。次に、切削ブレード2の回転を開始し、切削ブレード2に切削液を供給する。
ここで、切削ブレード2への該切削液の供給は、図7に示す切削液噴出口46aから行われる。切削ブレード2の切り刃に面した切削液噴出口46aには、切削液送液パイプ46を通じて該切削液が供給されて、該切削液が切削液噴出口46aから切削ブレード2に噴射される。
さらに、該切削液は、切削液供給パイプ48から切削ブレード2の側面(第1の面8,第2の面14)に供給される。切削液供給パイプ48の側方には、切削ブレードの該側面に向いた複数の孔が開けられており、該孔を通して切削液供給パイプ48に供給された切削液を切削ブレード2の側面に噴出する。
次に、切削ユニット40を下降させて、切削ブレード2を所定の高さ位置に位置付ける。そして、切削装置22のX軸移動テーブルをX軸方向に移動させて、パッケージ基板1を加工送りする。そして、回転する切削ブレード2がパッケージ基板1に当たると切削が開始される。切削時には、切削ブレード2の溝10を通じて該切削液が切削ブレード2と、パッケージ基板1と、が接触する加工領域に供給される。
切削ブレード2による切削加工が進行すると、徐々に切削ブレード2に含まれる砥石が消耗するが、切削ブレード2のボンド材も徐々に消耗するため、次々に新しい砥石が表出するため、切削ブレード2の切削能力は維持される。また、切削加工により切削ブレード2が摩耗しても、本実施形態に係る切削ブレード2では該溝10の被加工物に対する交差角度が一定となる。そのため、溝10に起因するバリの発生状況が変化せずバリを安定的に抑制でき、切削加工の加工品質を一定にできる。
なお、切削ブレード2の最下点が該パッケージ基板1を厚み方向に完全切断する高さ位置に切削ブレード2が位置付けられても、該切削ブレード2は保持治具34の逃げ溝34cに進入するため、切削ブレード2は保持治具34等を切削しない。すると、切削ブレード2の無用な消耗を避けられる。
そして、切削ブレード2による切削加工が進行し、すべてのストリートに沿ってパッケージ基板1が分割されると個々のチップが形成される。ここで、保持治具34には各チップの位置に対応して細孔34dが設けられており、吸引源38に起因する負圧を該細孔34dを通して個々のチップに作用できる。そのため、形成された個々のチップは、そのまま保持治具34に保持される。
なお、本発明は、上記の実施形態の記載に限定されず、種々変更して実施可能である。例えば、上記の実施形態においては、ワッシャータイプブレードについて説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、ハブタイプのブレードや、金属基台の外周に切り刃が形成されたキンバレータイプのブレードでもよい。同様に切削ブレードに含まれるボンド材も樹脂や金属に限定されず、例えば、ビトリファイドボンドや、電鋳ボンドにより形成されてもよい。
その他、上記実施形態に係る構造、方法等は、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施できる。
1 パッケージ基板
3 金属枠体
3a 表面
5 デバイス領域
7 外周余剰領域
9 ステージ
11 電極パッド
13 封止樹脂
15 マーカー
2 切削ブレード
4 貫通孔
6 切り刃
8 第1の面
10 溝
12 切削ブレードの回転方向
14 第2の面
22 切削装置
24 基台
24a 開口
26 X軸移動テーブル
28 防塵防滴カバー
30 保持テーブル(保持手段)
32 ベース
32a 上面
32b,32c 吸引口
34 保持治具
34a 保持面
34b 下面
34c 逃げ溝
34d 細孔
36a,36b ソレノイドバルブ
38 吸引源
40 切削ユニット(切削手段)
42 支持構造
44 切削ユニット移動機構(割り出し送り手段)
46 切削液送液パイプ
46a 切削液噴出口
48 切削液供給パイプ

Claims (3)

  1. 側面に切削液供給パイプから切削液が供給されつつ被加工物を切削する機能を有する円環状の切削ブレードであって、
    外周部の切り刃と、中央の貫通孔と、を有し、
    該切り刃には、該切り刃が外周から摩耗して該切削ブレードの直径が変化しても外周縁の接線に対する交差角度が所定の範囲となるベルヌーイの渦巻き線状の複数の溝が、該貫通孔から外周側に向かって形成されていることを特徴とする切削ブレード。
  2. 該溝は該切削ブレードの該貫通孔の伸長方向に垂直な第1面と、該第1面の背面側の第2面と、にそれぞれ形成されている、請求項1に記載の切削ブレード。
  3. 請求項1または2に記載の切削ブレードで被加工物を切削する切削方法であって、
    被加工物を保持手段で保持する保持ステップと、
    該保持ステップを実施した後、回転する該切削ブレードの側面に切削液供給パイプから切削液を供給することで、該切削ブレードと被加工物とが接触する加工領域に該溝を通じて該切削液を供給しつつ該切削ブレードで被加工物を切削する切削ステップと、を備え、
    該切削ステップでは、該溝の曲がる方向に該切削ブレードを回転させることを特徴とする切削方法。
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