JP7037927B2 - 吸収性物品 - Google Patents
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Description
上記表面シートは、上記吸収体と第1軸方向に対向して配置され、頂部を含む上記第1軸方向外方に凸な形状の複数の凸部を有する。
上記複数の凸部各々は、上記第1軸方向に直交する第2軸方向に延在し、上記第1軸方向及び上記第2軸方向に直交する上記第3軸方向の幅寸法が上記第2軸方向の第1端部から第2端部に向かって漸減する。
図1は、本発明の一実施形態に係る吸収性物品1の平面図である。図1に示す吸収性物品1では、X軸方向が着用者の前後方向に沿う方向である縦方向に対応し、第2軸方向と一致しており、Y軸方向が、縦方向と直交する方向である横方向に対応し、第3軸方向と一致しており、Z軸方向が厚み方向に対応し、第1軸方向と一致している。したがって、本実施形態では、表面シートの第1軸方向、第2軸方向、第3軸方向を、それぞれ、厚み方向Z(Z軸方向)、縦方向X(X軸方向)、横方向Y(Y軸方向)とも記載する。
本実施形態の吸収性物品1は、生理用ナプキンとして構成され、以下、ナプキン1と称する。
サイドガードGは、本体Mの横方向Y周縁において、縦方向Xに延びるように配置される。
圧搾溝Cは、本体Mの周縁に形成された線状溝であり、本体Mの後述する表面シート12側から厚み方向Zに圧搾加工することによって形成される。
ナプキン1は、吸収体11と、表面シート12と、中間シート13と、裏面シート14と、一対のサイドシート15と、を備える。本体Mにおいて、ナプキン1は、裏面シート14、吸収体11、中間シート13及び表面シート12が厚み方向Zに積層された構成を有する。
吸収体11は、例えば、パルプ繊維等の親水性繊維で構成された繊維集合体で形成されてもよいし、当該繊維集合体に吸水性ポリマーを保持させた構成を有していてもよい。また、吸収体11は、上記繊維集合体等で構成されたコアと、当該コアを被覆するコアラップシートとを含んでいてもよい。
さらに、裏面シート14には、ナプキン1を下着に対して固定させるための粘着層が所定パターンで形成されていてもよい(図示せず)。
図3は、表面シート12の一部を拡大した拡大平面図であり、外表面12a側から見た図である。図4は、図3のIV-IV線で切断した部分断面図であり、一つの凸部20の断面形状を示す。なお図4には、表面シート12の下層の中間シート13も記載している。
表面シート12は、複数の凸部20がXY平面内に配列された構成を有する。表面シート12は、各凸部20の構成にも特徴を有し、かつ、凸部20の配列にも特徴を有する。以下では、まず各凸部20の外観、内部構造について説明し、続いて凸部20の配列形態について説明する。
図3及び図4に示すように、凸部20は、Z軸方向外方に突出しており、頂部Tを含むZ軸方向外方に凸な形状を有する。隣接する凸部20間には谷底部が形成されており、この谷底部を凸部20間の境界部Pと定義する。凸部20とは、境界部Pによって囲まれた頂部Tを含む領域を構成単位とした範囲を言うものとする。
第1端部21及び第2端部22は、長手方向に相互に対向する。第1端部21は凸部20の幅広部側に位置し、第2端部22は幅狭部側に位置する。
頂部Tは、後述する中間部23に位置する。
着用時にZ軸方向下方に向かう外力が加えられた場合、まず最も高さの高い頂部Tで着用者と接触し、外力が増加するに従い、頂部Tを中心として接触領域が徐々に大きくなる。このため、外力が付加されても着用者との接触面積が拡大しにくく、着用者と表面シート12との間の隙間を維持することができる。したがって、通気性を確保し、ムレ感等の不快感をより抑制することができる。
上述のように、着用時にはZ軸方向下方へ向かう外力が加わり、頂部T付近に最も大きな荷重が加わる。上記構成では、頂部Tが第1端部21側に偏って形成されることで、幅広の第1端部21側に大きな荷重が加わることとなる。第1端部21付近の外表面12aは、頂部Tに向かって比較的急峻な斜面で構成されるため、緩やかな斜面の第2端部22側よりもZ軸方向の荷重に対して大きな抗力を及ぼしやすい。したがって、外力が付加されても凸部20の構造を維持しやすくなる。
図4に示すように、凸部20は、頂部Tが形成された長手方向における中間部23と、中間部23の長手方向外方に形成された周縁部24と、を含む。
低繊維密度部23aは、表面シート12を構成する不織布の繊維を実質的に含まない空間として構成されるが、構造部23bから突出した繊維や分離した繊維をわずかに含んでいてもよい。
構造部23bは、表面シート12を構成する不織布がZ軸方向上方に向かって凸状に湾曲している部分である。構造部23bは、両端部21,22側の周縁部24から頂部Tに向かって、Z軸方向に徐々に大きく凸になるように構成される。構造部23bの繊維密度は、低繊維密度部23aよりも大きく、全部又は一部が周縁部24と同程度の繊維密度を有していてもよい。
上述のように、着用時の表面シート12には、Z軸方向下方に向かう荷重が加わる。中間部23の中心C23付近は、構造部23bがZ軸方向に凸な形状に湾曲していることに加えて、中間シート13と接合される基底部24a(後述する)からも離れている。このため、仮に中心C23付近に大きな荷重が加わった場合、当該荷重に対して十分な抗力を及ぼしにくい。一方で、上記構成によれば、中間部23の中心C23よりも第1端部21側へ偏っている頂部T付近に最も大きな荷重が加えられるため、当該荷重に対して十分な抗力を及ぼすことができる。これにより、凸部20の形状安定性を高めることができる。
加えて、頂部Tが第1端部21側に配置されることで、幅狭領域242における外表面12aの傾斜を、幅広領域241における外表面12aの傾斜よりも緩やかに構成することができる。これにより、外表面12aを流れる液が幅狭領域242にとどまりやすい構成とすることができ、液をより効率よく引き込むことができる。
再び図3を参照し、表面シート12では、複数の凸部20が、長手方向(X軸方向)及び幅方向(Y軸方向)にそれぞれ配列される。「複数の凸部20が長手方向(X軸方向)及び幅方向(Y軸方向)に配列される」とは、各凸部20が長手方向(X軸方向)及び幅方向(Y軸方向)に平行な1又は複数の直線上に並んで配置されることをいう。複数の凸部20は、略同一の大きさで形成される。
複数の凸部20が規則的に配列されることで、上述の各凸部20の外観及び内部構造に基づく作用効果を一層高めることができるとともに、以下に説明するように、配列態様に基づく作用効果も発揮させることができる。
なお、「幅方向に隣接する2つの凸部20」とは、幅方向に配列された凸部20のうち隣り合う2つの凸部20をいう。
これにより、境界部Pを挟んで凸部20が最密充填されることとなり、表面シート12内の凸部20の数を増やすことができる。したがって、各凸部20により発揮される作用効果を一層高めることができる。
この構成により、着用時に着用者と最も接触しやすい頂部Tを相互に離間して配置することができるため、接触点間の距離を十分に確保し、通気性を高めることができる。したがって、ムレ感などの不快感をより一層低減させることができる。
これにより、一方の凸部20の構造部23bの斜面を伝って幅方向に流れる液を、境界部P及び他方の凸部20の周縁部24で引き込むことができる。したがって、外表面12aにおける液残りをより確実に防止することができる。
さらに、凸部20の中間部23が、幅方向に隣接する凸部20の周縁部24に境界部Pを挟んで接続することとなり、中間部23の形状安定性を高めることができる。
以上のように、表面シート12では、凸部20が第2軸方向(長手方向)に沿って第3軸方向(幅方向)の幅寸法が漸減するような形状(略三角形状)を有することで、各凸部20と着用者との接触面積を低減させることができる。これにより、表面シート12の通気性を高め、排泄された液によるムレ感やベタ付き感などの不快感を低減させることができる。更に、凸部20は、頂部Tから第2端部22に向かって第1軸方向(Z軸方向)の高さが漸減するので、上述した効果が一層高くなる。また、第3軸方向(幅方向)に隣接する凸部20同士を第2軸方向(長手方向)に反転して配置し、隣接する頂部Tが第3軸方向(幅方向)に整列しないように配置することで、接触点となる頂部T間の距離を十分に確保し、通気性をより高めることができる。また、頂部Tを表面シート12全体に均一に散在させ、肌触りや着用時の着用感を向上させることができる。
以下、本実施形態の表面シート12の説明を追加する。
以上の構成を有する表面シート12は、一例として、繊維同士が融着される前の繊維ウェブを所定形状の支持体プレートに供給し、加熱して賦形することができる。
支持体プレート100は、複数の突起状の支持体110と、これらの支持体110を所定の位置に支持する複数の台座120とを有する。支持体110は、台座120からZ軸方向上方に突出している。台座120は、支持体110間の通気性を確保しつつ複数の支持体110を支持するように構成される。
例えば図7Aに示す幅広間隙部S1では、支持体110間の幅が広いため、熱風を当てた繊維ウェブFの下垂部F20の下垂量も大きくなる。すなわち幅広間隙部S1により、凸部20の高さが高く低繊維密度部23aを有する中間部23を形成することができる。
一方、図7Bに示す幅狭間隙部S2では、支持体110間の幅が狭いため、繊維ウェブFがほとんど下垂しない。これにより、低繊維密度部23aを有さない周縁部24を形成することができる。
表面シート12は、単層構造を有する不織布で形成されてもよいし、多層構造を有するエアースルー不織布等で形成されてもよい。
表面シート12の不織布を構成する繊維は、一種類の樹脂を単独で用いた繊維、並びに芯鞘型及びサイドバイサイド型等の構造の複合繊維を用いることができる。これらの繊維を形成する材料は、好ましくは、ポリエチレン(PE)及びポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)及びポリアミド等の熱可塑性樹脂から選ばれる1種又は2種以上を用いることができる。具体的に、芯鞘型の繊維は、好ましくは、PET(芯)/PE(鞘)、PP(芯)/PE(鞘)及びPP(芯)/低融点PP(鞘)を用いることができる。
表面シート12の中間部23の低繊維密度部23aの繊維密度の値は、30本/mm2以下、好ましくは10本/mm2以下である。これにより、低繊維密度部23aを実質的に空間状に構成することができ、上述した液戻り防止や通気性向上の作用効果を発揮することができる。また、周縁部24の繊維密度の値は、30本/mm2以上600本/mm2以下、好ましくは60本/mm2以上550本/mm2以下である。これにより、良好な毛管力を発揮することができるともに、凸部20の形状を安定的に維持できる。
表面シート12の切断面を、走査電子顕微鏡を用いて拡大観察(150~500倍)し、一定面積当たり(0.5mm2程度)の上記切断面によって切断されている繊維の断面数を数える。次に1mm2当たりの繊維の断面数に換算し、これを繊維密度とする。測定は3箇所行い、平均してそのサンプルの繊維密度とする。走査電子顕微鏡としては、例えば日本電子(株)社製のJCM-5100(商品名)を用いることができる。
(各凸部の寸法)
各凸部20の長手方向の寸法は、好ましくは2mm以上50mm以下であり、より好ましくは4mm以上40mm以下である。これにより、表面シートに凸部を適度な数、または密度で設けることができるので、凸部の形状維持性に優れる。また、頂部Tから第2端部22に向かってZ軸方向の高さが漸減するような凸部20が得られやすくなる。なお、第2軸方向における各凸部間には境界部Pが明確に形成されていない場合がある。その場合における長手方向の寸法とは、凸部20の形状が繰り返される1つのユニットにおける寸法である。
各凸部20の幅方向の寸法は、好ましくは1mm以上20mm以下であり、より好ましくは2mm以上10mm以下である。これにより、低繊維密度部23aと周縁部24を効果的に形成できる。
凸部20の第1端部21は、幅方向に平行な直線で構成される例に限定されず、長手方向に凸に湾曲して形成されていてもよい。
凸部20の頂部Tは、曲面でなく平坦に形成されていてもよい。
頂部Tの位置は、凸部20の中心C20と一致していてもよく、低繊維密度部23aの中心C23と一致していてもよい。
周縁部24の幅広領域241と幅狭領域242の長手方向に沿った長さは、略同一でもよい。
凸部20は、低繊維密度部23aを有さず、全体が中実に構成されてもよい。
また、幅方向に隣接する2つの凸部20の頂部Tは、長手方向における位置が同一であり、幅方向に整列されていてもよい。
さらに、凸部20は長手方向及び幅方向に配列されていなくてもよく、ランダムに配置されていてもよいし、斜め方向に配列されていてもよい。また、凸部20の幅方向とナプキン1の幅方向が一致していなくてもよい。
凸部20の形状は同一でなくてもよく、ナプキン1の部位等に応じて異なる形状を有していてもよい。
11…吸収体
12…表面シート
13…中間シート
20…凸部
T…頂部
21…第1端部
22…第2端部
23…中間部
23a…低繊維密度部
24…周縁部
241…幅広領域
242…幅狭領域
Claims (10)
- 吸収体と、
前記吸収体と第1軸方向に対向して配置され、前記第1軸方向の高さが最大となる部分である頂部を含む前記第1軸方向外方に凸な形状の複数の凸部を有する表面シートと
を具備し、
前記複数の凸部各々は、
前記第1軸方向に直交する第2軸方向に延在し、前記第1軸方向及び前記第2軸方向に直交する第3軸方向の幅寸法が前記第2軸方向の第1端部から第2端部に向かって漸減し、
前記頂部は、前記複数の凸部各々の前記第2軸方向における中心よりも前記第1端部側に位置し、
前記複数の凸部各々は、さらに、
前記吸収体に面して形成された低繊維密度部を含み、前記頂部が形成された、前記第2軸方向における中間部と、
前記中間部の前記第2軸方向外方に形成され、前記低繊維密度部よりも繊維密度の高い中実の周縁部と、を含む
吸収性物品。 - 請求項1に記載の吸収性物品であって、
前記複数の凸部各々は、前記頂部から前記第2端部に向かって前記第1軸方向の高さが漸減する
吸収性物品。 - 請求項1又は2に記載の吸収性物品であって、
前記頂部は、前記低繊維密度部の前記第2軸方向における中心よりも前記第1端部側に位置する
吸収性物品。 - 請求項1から3のいずれか一項に記載の吸収性物品であって、
前記周縁部は、前記中間部を挟んで前記第2軸方向に相互に対向する、前記第1端部側の幅広領域と、前記第2端部側の幅狭領域とを含み、
前記幅狭領域は、前記幅広領域よりも前記第2軸方向に沿った寸法が大きい
吸収性物品。 - 請求項1から4のうちいずれか一項に記載の吸収性物品であって、
前記複数の凸部は、前記第2軸方向及び前記第3軸方向にそれぞれ配列される
吸収性物品。 - 請求項5に記載の吸収性物品であって、
前記複数の凸部のうち前記第3軸方向に隣接する2つの凸部は、前記第1端部から前記第2端部へ向かう方向が反対となるように配置される
吸収性物品。 - 請求項5又は6に記載の吸収性物品であって、
前記複数の凸部のうち前記第3軸方向に隣接する2つの凸部は、前記頂部の前記第2軸方向における位置がそれぞれ異なるように配置される
吸収性物品。 - 請求項5から7のうちいずれか一項に記載の吸収性物品であって、
前記複数の凸部各々は、
前記吸収体に面して形成された低繊維密度部を含み、前記頂部が形成された、前記第2軸方向における中間部と、
前記中間部の前記第2軸方向外方に形成され、前記低繊維密度部よりも繊維密度の高い中実の周縁部と、を含み、
前記複数の凸部のうち前記第3軸方向に隣接する一方の凸部の前記中間部は、少なくとも一部において、他方の凸部の前記周縁部と前記第3軸方向に対向する
吸収性物品。 - 請求項1から8のうちいずれか一項に記載の吸収性物品であって、
前記表面シートと前記吸収体との間に配置された中間シート
をさらに具備し、
前記中間シートは、前記表面シートと接着剤により接合されている
吸収性物品。 - 第1軸方向の高さが最大となる部分である頂部を含む前記第1軸方向外方に凸な形状の複数の凸部
を具備し、
前記複数の凸部各々は、
前記第1軸方向に直交する第2軸方向に延在し、前記第1軸方向及び前記第2軸方向に直交する第3軸方向の幅寸法が前記第2軸方向の第1端部から第2端部に向かって漸減し、
前記頂部は、前記複数の凸部各々の前記第2軸方向における中心よりも前記第1端部側に位置し、
前記複数の凸部各々は、さらに、
前記吸収体に面して形成された低繊維密度部を含み、前記頂部が形成された、前記第2軸方向における中間部と、
前記中間部の前記第2軸方向外方に形成され、前記低繊維密度部よりも繊維密度の高い中実の周縁部と、を含む
吸収性物品用の表面シート。
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