JP7037785B2 - 地山補強管 - Google Patents

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Description

本発明は、例えばNATM(New Austrian Tunneling Method)工法における補助工法としてトンネル周辺の地山に打ち込まれて地山を補強する補強管に関し、特に複数の管が一直線に順次継ぎ足されて長尺化される補強管に関する。
トンネル補助工法の1つであるAGF(All Ground Fasten)工法においては、長さ3m程度の鋼製の管体を4本程度、順次継ぎ足しながら、切羽前方の地山に打ち込み、先受け鋼管(地山補強管)を構成する。各管体の一端部には雄ネジが形成され、他端部には雌ネジが形成されている(特許文献1等参照)。最先端の管体及び最後尾の管体においては片方の端部だけに雄ネジ又は雌ネジが形成されていればよい。先行して打ち込んだ管体と後続の管体とをネジ接合することで一直線に継ぎ足す。
特許文献2における各管体は、管本体と、それとは別体の接続管部とを有している。管本体の一端部の内周面には雌ネジが形成されている。管本体の他端部に接続管部が摩擦圧接によって接合されている。接続管部は、管本体よりも厚肉かつ短い管によって構成され、その外周面に雄ネジが形成されている。
特許文献3においては、隣接する管体どうしをバヨネット嵌合によって接合している。
特開2016-12144号公報 特開2016-053268号公報 特許第6357063号公報
AGF工法用の鋼製の管体の標準スペックは、肉厚6mm程度、外直径114.3mm程度、長さ3m程度であり、重量は約50kgである。このため、継ぎ足しの度に管体を回転操作してネジ接合するのは作業者の負担が大きく、時間もかかる。また、ネジ接合は緩む可能性があるために、接合後にネジ山を潰す等の緩み止めの処置も必要となり、作業者の負担が更に増える。バヨネット嵌合式においても同様である。
本発明は、かかる事情に鑑み、先受け鋼管などの地山補強管の継ぎ足し作業を容易化して作業者の負担を軽減するとともに、作業時間を短縮することを目的とする。更に好ましくは、接続後は外れないようにして引張強度を確保することを目的とする。
前記課題を解決するため、本発明は、トンネル周辺の地山に打ち込まれる地山補強管であって、
先行管体と、
前記先行管体と一直線に継ぎ足される後続管体とを備え、
前記先行管体及び後続管体のうち一方の管体における他方の管体を向く第1端管部の内周面には、凹状又は凹凸状の第1係止部が形成され、
前記他方の管体における前記第1端管部に挿入される第2端管部の外周面には、凸状又は凹凸状の第2係止部が形成され、
かつ前記第2端管部には端面まで達するスリットが管軸に沿って形成されており、
前記第1係止部と第2係止部とが、前記第2端管部が縮径されながら前記第1端管部内の係止位置まで挿入されるのを許容するとともに、前記係止位置まで達したとき前記第2端管部の弾性復帰を許容しかつ引き抜きを阻止するように互いに係止されることを特徴とする。
先に地山に打ち込んだ先行管体に対して、後続管体を一直線になるよう軸合わせするとともに先行管体へ向けて真っ直ぐに前進させる。これによって、一方の管体の第1端管部内に他方の管体の第2端管部を挿し込む。このとき、第1係止部と第2係止部とが協働して第2端管部を弾性的に縮径させる。第2端管部にスリットを形成しておくことによって、第2端管部を確実に縮径変形させることができる。
第2端管部を係止位置まで挿入すると、第2端管部が拡径方向へ弾性復帰されるとともに、第1係止部と第2係止部とが係止され、引き抜きが阻止される。これによって、先行管体と後続管体との間で引張力を伝達できる。
後続管体を管軸に沿って一直線に平行移動させることで継ぎ足すことができ、回転操作は不要である。これによって、継ぎ足し作業を容易化でき、作業者の負担を軽減できる。作業時間も短縮される。
前記第1係止部及び前記第2係止部の少なくとも一方が、他方の係止部と摺擦して前記挿入時の第2端管部を縮径させるテーパ状の案内面と、前記案内面の案内終端に連なり、前記弾性復帰した第2端管部の引き抜きを阻止するように前記他方の係止部と係止される係止段差とを有していることが好ましい。
これによって、第2端管部が第1端管部内に挿し込まれるとき、テーパ状の案内面上を他方の係止部が管軸に沿って摺動されることによって第2端管部をスムーズに縮径させることができる。係止位置に達したときは、第2端管部の弾性復帰に伴って、係止段差と他方の係止部とが係止されることで、引き抜きが阻止される。これによって、引張強度を確保できる。
前記係止段差が、前記案内終端から径方向に遠ざかるにしたがって、前記案内面より急傾斜をなして前記案内面の案内始端側へ傾斜する急テーパ面であることが好ましい。
これによって、係止段差と他方の係止部とが確実に係止され、引き抜きを確実に阻止できる。
前記第1係止部が、前記第1端管部の管軸方向に間隔を置いて複数段の第1係止爪を有し、前記第2係止部が、前記第2端管部の管軸方向に間隔を置いて複数段の第2係止爪を有し、互いに対応する段の第1係止爪及び第2係止爪どうしが係止されることが好ましい。
これによって、第1端管部と第2端管部の接合強度が高まる。
前記第1係止爪が、前記案内面及び前記係止段差を有していてもよい。
前記第2係止爪が、前記案内面及び前記係止段差を有していてもよい。
前記先行管体及び後続管体における少なくとも第2端管部が、引張強度650N/mm~1200N/mm、耐力600N/mm~900N/mmの鋼材(高張力鋼材)によって構成されていることが好ましい。
これによって、少なくとも第2端管部の反発力(スプリングバック)が高まる。したがって、第2端管部を第1端管部内の係止位置まで挿入したとき確実に弾性復帰させることができ、第1、第2係止部どうしを確実に係止させることができる。
好ましくは、第1、第2端管部の各々の材質として前記高張力鋼材を用いる。
より好ましくは、前記先行管体及び後続管体の材質として前記高張力鋼材を用いる。これによって、先行管体及び後続管体を薄肉化しても所要強度を確保できる。薄肉化によって先行管体及び後続管体を軽量化できるから、継ぎ足し作業性を改善できる。
本発明の地山補強管によれば、継ぎ足し操作を容易化できる。
図1は、本発明の第1実施形態に係る長尺先受け鋼管(地山補強管)をトンネル周辺の地山に打設する様子を示す断面図である。 図2は、前記長尺先受け鋼管の各管体の断面図である。 図3は、前記管体の第1端管部を含む一端部の断面図である。 図4(a)は、前記管体の第2端管部を含む他端部の断面図である。図4(b)は、前記第2端管部の斜視図である。 図5(a)は、図3の円部Vaの断面図である。図5(b)は、図4(a)の円部Vbの断面図である。 図6は、前記長尺先受け鋼管の先行管体と後続管体の接合部を示し、図1の円部VIの断面図である。 図7は、前記先行管体と後続管体を接合する途中の状態を示す拡大断面図である。 図8(a)は、前記先行管体と後続管体の接合状態を、後続管体を更に挿入しようとした状態で示す拡大断面図である。図8(b)は、前記接合状態を、後続管体を引き抜こうとした状態で示す拡大断面図である。 図9(a)は、本発明の第2実施形態に係る長尺先受け鋼管の先行管体の第1端管部の断面図である。図9(b)は、前記第2実施形態に係る長尺先受け鋼管の後続管体の第2端管部の断面図である。 図10(a)は、図9(a)の円部Xaの断面図である。図10(b)は、図9(b)の円部Xbの断面図である。 図11は、前記第2実施形態に係る長尺先受け鋼管の先行管体と後続管体との接合状態を示す断面図である。
以下、本発明の実施形態を図面にしたがって説明する。
図1は、NATM工法によって施工中のトンネル1を示したものである。地山2が掘削されてトンネル1が構築されている。トンネル1の軸方向の一定間隔置きに、H型断面の鋼材からなるアーチ状の支保工3が設置されている。支保工3間の掘削面2aには、吹付コンクリート4が吹付けられている。支保工3及び吹付コンクリート4の内周側には、二次覆工(図示省略)が構築される。
トンネル1の施工においては、地山補強のための補助工法として例えばAGF工法が実施されている。AGF工法においては、ドリルジャンボ5を用いて、複数本(例えば4本程度)の鋼製の管体10を順次継ぎ足しながら、切羽1bの前方(図1において右)の地山2に斜めに打ち込み、長尺の先受け鋼管9(地山補強管)を形成する。詳細な図示は省略するが、先受け鋼管9のまわりの地山2には、シリカレジンやモルタルなどの注入材が注入されている。
先受け鋼管9の全長は、例えば12m程度である。
各管体10の長さは例えば3m程度である。隣接する2つの管体10どうしが一直線に連なっている。前記2つの管体10を互いに区別する際は、先に打ち込まれた管体10を「先行管体11」と称し、該先行管体11に継ぎ足される側の管体10を「後続管体12」と称する(図6参照)。
図2に示すように、各管体10(11,12)は、主管部19と、一対の端管部13,14を有している。
これら管部19,13,14は、一般構造用炭素鋼鋼管STK400(JIS G3444)よりも高引張強度の鋼管によって構成されている。好ましくは、管部19,13,14は、引張強度650N/mm~1200N/mm、耐力600N/mm~900N/mmの鋼材によって構成されている。鋼材に含まれるC,Si,Mn,P,Sその他成分の配合比を調整することによって、前記引張強度及び耐力を得ることができる。管部19,13,14として、例えば特開2002-003941に開示された鋼管を用いてもよい。
なお、管体10における管部19,13,14の鋼材質が互いに異なっていてもよい。例えば、端管部13,14は、前記高引張強度の鋼管によって構成され、主管部19は、一般構造用炭素鋼鋼管STK400(JIS G3444)によって構成されていてもよい。或いは、第2端管部14は前記高引張強度の鋼管によって構成され、主管部19及び第1端管部13は、一般構造用炭素鋼鋼管STK400(JIS G3444)によって構成されていてもよい。
主管部19は、管体10の全長(例えば3m程度)より少しだけ短い直管である。主管部19の外直径は、好ましくは70mm~120mm程度である。主管部19の厚さは、好ましくは2.5mm~4mm程度、より好ましくは2.5mm~3.5mm程度である。主管部19は端管部13,14より薄肉である。これによって、管体10が軽量化されている。
主管部19の一端に第1端管部13が接合されている。主管部19の他端に第2端管部14が接合されている。主管部19と端管部13,14との接合手段としては、開先溶接(詳細な図示は省略)が適用されているが、これに限らず摩擦圧接などを適用してもよい。端管部13,14の管長は、主管部19の管長に比べて十分に短い。
なお、管体10が単一の1本の鋼管によって構成され、その中間部が主管部19となり、両端部が端管部13,14となっていてもよい。
ここでは、第1端管部13が打ち込み方向の後尾側(ドリルジャンボ5側)へ向けられ、第2端管部14が打ち込み方向の先端側(図1において右斜め上方)へ向けられているものとする。最先端の管体10においては後尾側にだけ第1端管部13が設けられていればよい。最後尾の管体10においては先端側にだけ第2端管部14が設けられていればよい。
なお、第1端管部13が打ち込み方向の先端側へ向けられ、第2端管部14が後尾側へ向けられていてもよい。
図3に示すように、第1端管部13には、ストレート部13aと第1係止部30が設けられている。ストレート部13aは円筒形状になっている。ストレート部13aが前記接合手段を介して主管部19と接合されている。ストレート部13aの外直径ひいては第1端管部13の外直径は、主管部19の外直径(70mm~120mm程度)と等しく、第1端管部13の外周面が主管部19の外周面と面一に連続している。ストレート部13aの内直径は、主管部19の内直径より小さい。ストレート部13aの厚さt13a(外半径と内半径の差)は、主管部19の厚さより大きく、好ましくはt13a=2.8mm~6.0mm程度である。
第1端管部13における端面13eからストレート部13aまでの部分の内周面には、凹状又は凹凸状の第1係止部30が形成されている。第1係止部30は、クサビ状ないしはヤジリ状の断面を有し、第1端管部13の全周にわたる環状になっている。詳しくは、第1係止部30は、案内面31と、係止段差32と、係止面33を含む。
案内面31は、端面13e(案内始端)からストレート部13a側へ向かって比較的緩やかに縮径するテーパ状になっている。図5(a)に示すように、管軸に対する案内面31の傾斜角度θ31は例えばθ31=1°~6°程度である。
図3に示すように、案内面31におけるストレート部13a側の端部(案内終端)に係止段差32が連なっている。係止段差32は、端面13e側へ反り返っている。すなわち、係止段差32は、前記案内終端から径方向外側に遠ざかるにしたがって、案内面31より急傾斜をなして端面13e側へ傾斜する急テーパ面となっている。図5(a)に示すように、管軸に対する係止段差32の角度θ32は例えばθ32=60°~90°程度である。
案内面31と係止段差32によって三角形断面の第1係止爪35が形成されている。
図3に示すように、係止段差32とストレート部13aとの間に係止面33が設けられている。係止面33は、係止段差32の径方向外側の端部からストレート部13aへ向かって縮径するテーパ面となっている。図5(a)に示すように、管軸に対する係止面33の傾斜角度θ33は、案内面31の傾斜角度θ31より少し大きく、例えばθ33=5°~20°程度である。係止面33の軸長は、案内面31の軸長よりも短い。
係止面33とストレート部13aとの間には、段差状の挿入規制面34が設けられている。
係止面33の中間付近から挿入規制面34側をR加工して曲面としてもよい。
図4(a)及び図4(b)に示すように、第2端管部14には、ストレート部14aと第2係止部40が設けられている。ストレート部14aは、円筒形状になっている。ストレート部14aが前記接合手段を介して主管部19と接合されている。ストレート部14aの外直径は、主管部19の外直径(70mm~120mm程度)と等しく、ストレート部14aの外周面が主管部19の外周面と面一に連続している。ストレート部14aの内直径ひいては第2端管部14の内直径は、ストレート部13aの内直径と等しく、主管部19の内直径より小さい。ストレート部14aの厚さt14a(外半径と内半径の差)は、ストレート部13aの厚さt13aと等しく、主管部19の厚さより大きい。
第2端管部14における端面14eからストレート部14aまでの部分の外周面には、凸状又は凹凸状の第2係止部40が形成されている。第2係止部40は、クサビ状ないしはヤジリ状の断面を有し、第2端管部14の全周にわたる環状になっている。詳しくは、第2係止部40は、案内面41と、係止段差42と、係止面43を含む。
案内面41は、端面14e(案内始端)からストレート部14a側へ向かって拡径するテーパ状になっている。図5(b)に示すように、管軸に対する案内面41の傾斜角度θ41は、係止面33の傾斜角度θ33と等しく、例えばθ41=5°~20°程度である。案内面41の軸長は、係止面33の軸長より僅かに短い。係止面33と同様に、案内面41 の中間付近から端面14e側をR加工して曲面としてもよい。
図4に示すように、案内面41におけるストレート部14a側の端部(案内終端)に係止段差42が連なっている。係止段差42は、端面14e側へ反り返っている。すなわち、係止段差42は、前記案内終端から径方向内側に遠ざかるにしたがって、案内面41より急傾斜をなして端面14e側へ傾斜する急テーパ面となっている。図5(b)に示すように、管軸に対する係止段差42の角度θ42は例えばθ42=60°~90°程度である。
案内面41と係止段差42によって三角形断面の第2係止爪45が形成されている。
図4に示すように、係止段差42とストレート部14aとの間に係止面43が設けられている。係止面43は、係止段差42の径方向内側の端部からストレート部14aへ向かって緩やかに拡径するテーパ面となっている。図5(b)に示すように、管軸に対する係止面43の傾斜角度θ43は、案内面31の傾斜角度θ31と等しく、例えばθ43=1°~6°程度である。係止面43の軸長は、案内面41の軸長よりも長く、案内面31の軸長より僅かに長い。
係止面43とストレート部14aとの間には、段差状の挿入規制面44が設けられている。
図4(b)に示すように、さらに、第2端管部14には、3つ(複数)のスリット15が形成されている。スリット15は、第2端管部14の周方向に等間隔置きに例えば120°間隔で配置されている。各スリット15の開放端部15aは、端面14eに達するとともに第2端管部14の管軸に沿って延びている。スリット15の奥端部15bは、挿入規制面44まで延びている。これによって、第2端管部14におけるストレート部14aより端面14e側の部分が、3つ(複数)に分割され、弾性的に拡縮変形可能になっている。
なお、スリット15の奥端部15bは、係止面43の途中に位置されていてもよく、ストレート部14aまで延びていてもよい。
スリット15の数は、3つに限らず、1つだけでもよく、2つでもよく、4つ以上でもよい。
図6に示すように、先受け鋼管9においては、後続管体12の第2端管部14が先行管体11の第1端管部13に対して管軸方向における係止位置に配置されている。これによって、先行管体11の第1係止部30と、後続管体12の第2係止部40とが互いに係止され、後続管体12の抜き差しが規制又は阻止されている。
詳しくは、先行管体11及び後続管体12の係止部30,40における、案内面31と係止面43とが互いに対面し、かつ係止面33と案内面41とが互いに対面している。かつ係止段差32,42どうしが互いに対面している。ひいては、係止爪35,45どうしが係止されている。さらに、先行管体11及び後続管体12における、挿入規制面34と端面14eとが互いに対面し、かつ端面13eと挿入規制面44とが互いに対面している。係止部30,40どうしの間には、僅かな(好ましくは1mm以下)のクリアランスが設けられている。
先行管体11に後続管体12を継ぎ足す際は、後続管体12を先行管体11に対して一直線上に配置したうえで、先行管体11へ向けて真っ直ぐに平行移動させて、後続管体12の第2端管部14を先行管体11の第1端管部13に挿し込む。
すると、図7に示すように、テーパ状の案内面41が、テーパ状の案内面31上を管軸に沿って摺動されることによって、後続管体12の第2端管部14が縮径されていく。第2端管部14の縮径によって、後続管体12の更なる挿し込みが許容される。
やがて、図8に示すように、後続管体12の第2端管部14が、先行管体11の第1端管部13との係止位置に達する。このとき、係止爪45が係止爪35を乗り越えることで、第2端管部14が拡径方向へ弾性復帰される。第2端管部14は、引張強度650N/mm~1200N/mm、耐力600N/mm~900N/mmの高張力鋼材によって構成されており、反発力(スプリングバック)が高いから、係止位置に達すると同時に瞬間的に、かつ確実に弾性復帰させることができる。これによって、図8(a)に示すように、係止爪35,45どうしが互いに係止され、先行管体11の挿入規制面34と後続管体12の端面14eとが互いに突き当たるとともに、先行管体11の端面13eと後続管体12の挿入規制面44とが互いに突き当たる。これにより、後続管体12が、先行管体11の奥側へ更に挿入されるのが阻止される。
図8(b)に示すように、係止爪35,45どうしが一旦係止された後、後続管体12を引き抜こうとすると、係止段差32,42どうしが互いに突き当たる。これにより、後続管体12の引き抜きが阻止される。この結果、後続管体12が先行管体11に引き抜き不能に接合される。
係止段差32,42が反り返っているために、後続管体12の引き抜きを確実に阻止できる。これによって、後続管体12が先行管体11から外れるのを確実に防止できる。
後続管体11を管軸に沿って一直線に平行移動させることで継ぎ足すことができ、回転操作は不要である。したがって、継ぎ足し作業を容易化でき、作業者の負担を軽減できる。作業時間も短縮される。
さらに、係止段差32,42どうしの当たりによって、先行管体11と後続管体12との間で引張力を伝達できる。したがって、管体11,12どうしの接合部における先受け鋼管9の引張強度を確保できる。
次に、本発明の他の実施形態を説明する。以下の実施形態において既述の形態と重複する構成に関しては、図面に同一符号を付して説明を省略する。
<第2実施形態>
図9~図11は、本発明の第2実施形態を示したものである。図9(a)及び図10(a)に示すように、第2実施形態においては、第1係止部30Bが2段(複数段)の第1係止爪35A,35Bを有している。第1係止爪35A,35Bは、第1端管部13の管軸方向に間隔を置いて配置されている。各第1係止爪35A,35Bが、緩テーパ状の案内面31と、急テーパ状に反り返る係止段差32とを含み、三角形断面の環状をなしている。
これら第1係止爪35A,35Bの案内面31のテーパ角度θ31A,θ31Bは、例えばθ31A=θ31B=2°~8°程度である。
また、第1係止爪35A,35Bの係止段差32のテーパ角度θ32A,θ32Bは、例えばθ32A=θ32B=60°~90°程度である。
係止面33のテーパ角度θ33は、例えばθ33=2°~8°程度である。
図9(b)に示すように、第2実施形態の第2係止部40Bは、2段(複数段)の第2係止爪45A,45Bを有している。第2係止爪45A,45Bは、第2端管部14の管軸方向に間隔を置いて配置されている。各第2係止爪45A,45Bが、緩テーパ状の案内面41と、急テーパ状に反り返る係止段差42とを含み、三角形断面の環状をなしている。
端面14e側(図10において右側)の第2係止爪45Aの案内面41のテーパ角度θ41Aは、係止面33のテーパ角度θ33と等しく、例えばθ41A=2°~8°程度である。
奥側の第2係止爪45Bの案内面41のテーパ角度θ41Bは、第1係止爪35Bの案内面31のテーパ角度θ31Bと等しく、例えばθ41B=2°~8°程度である。
第2係止爪45A,45Bの係止段差42のテーパ角度θ42A,θ42Bは、係止段差32のテーパ角度θ32A,θ32Bと等しく、例えばθ42A=θ42B=60°~90°程度である。
係止面43のテーパ角度θ43は、第2係止爪45Bの案内面41のテーパ角度θ41Bと等しく、かつ第1係止爪35Aの案内面31のテーパ角度θ31Aと等しい。
図11に示すように、先行管体11及び後続管体12の接合状態において、対応する段の第1、第2係止爪どうしが係止されている。すなわち、先行管体11の端面13e側の第1係止爪35Aと、後続管体12の奥側の第2係止爪45Bとが互いに係止され、かつ、先行管体11の奥側の第1係止爪35Bと、後続管体12の端面14e側の第2係止爪45Aとが互いに係止されている。
これによって、先行管体11と後続管体12との接合強度を高めることができる。
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の改変をなすことができる。
例えば、実施形態では、先行管体11の第1端管部13と、後続管体12の第2端管部14とを接合させているが、先行管体11の第2端管部14と、後続管体12の第1端管部13とを互いに対向させて接合するようにしてもよい。
第1係止爪及び第2係止爪の段数は、1段(図6)又は2段(図11)に限らず、3段以上であってもよい。
本発明は、例えばAGF工法用の先受け鋼管に適用できる。
1 トンネル
2 地山
9 先受け鋼管(地山補強管)
10 管体
11 先行管体
12 後続管体
13 第1端管部
13e 端面(案内始端)
14 第2端管部
14e 端面(案内始端)
15 スリット
19 主管部
30,30B 第1係止部
31 案内面
32 係止段差
33 係止面
34 挿入規制面
35 第1係止爪
35A,35B 第1係止爪
40,40B 第2係止部
41 案内面
42 係止段差
43 係止面
44 挿入規制面
45 第2係止爪
45A,45B 第1係止爪

Claims (4)

  1. トンネル周辺の地山に打ち込まれる地山補強管であって、
    先行管体と、
    前記先行管体と一直線に継ぎ足される後続管体とを備え、
    前記先行管体及び後続管体のうち一方の管体における他方の管体を向く第1端管部の内周面には、三角形断面の第1係止爪を有する凹状又は凹凸状の第1係止部が形成され、
    前記他方の管体における前記第1端管部に挿入される第2端管部の外周面には、三角形断面の第2係止爪を有する凸状又は凹凸状の第2係止部が形成され、
    かつ前記第2端管部には、管軸に沿って延びて端面まで達する複数のスリットが、互いに前記第2端管部の周方向に間隔を置いて形成され、これらスリットによって、前記第2端管部が周方向に複数の部分に分割され、分割された各部分が弾性的に拡縮変形可能であり、
    前記第1係止部と第2係止部とが、前記第2端管部が縮径されながら前記第1端管部内の係止位置まで挿入されるのを許容するとともに、前記係止位置まで達したとき前記第2端管部の弾性復帰を許容しかつ引き抜きを阻止するように互いに係止され
    前記先行管体及び後続管体における少なくとも第2端管部が、引張強度650N/mm ~1200N/mm 、耐力600N/mm ~900N/mm の鋼材によって構成されていることを特徴とする地山補強管。
  2. 前記第1係止部及び前記第2係止部の少なくとも一方が、他方の係止部と摺擦して前記挿入時の第2端管部を縮径させるテーパ状の案内面と、前記案内面の案内終端に連なり、前記弾性復帰した第2端管部の引き抜きを阻止するように前記他方の係止部と係止される係止段差とを有し、前記案内面及び前記係止段差によって前記第1係止爪又は前記第2係止爪が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の地山補強管。
  3. 前記係止段差が、前記案内終端から径方向に遠ざかるにしたがって、前記案内面より急傾斜をなして前記案内面の案内始端側へ傾斜する急テーパ面であることを特徴とする請求項2に記載の地山補強管。
  4. 前記第1係止部が、前記第1端管部の管軸方向に間隔を置いて複数段の第1係止爪を有し、前記第2係止部が、前記第2端管部の管軸方向に間隔を置いて複数段の第2係止爪を有し、互いに対応する段の第1係止爪及び第2係止爪どうしが係止されることを特徴とする請求項1~3の何れか1項の地山補強管。
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