JP7037751B2 - 炭化水素類合成用触媒、並びに、これを備える炭化水素類製造装置及び炭化水素燃料製造装置 - Google Patents

炭化水素類合成用触媒、並びに、これを備える炭化水素類製造装置及び炭化水素燃料製造装置 Download PDF

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本発明は、炭化水素類合成用触媒、並びに、これを備える炭化水素類製造装置及び炭化水素燃料製造装置に関し、より詳しくは、二酸化炭素を原料とした炭化水素類の合成反応に用いられる触媒、並びに、二酸化炭素を原料とする炭化水素類及び炭化水素燃料の製造装置に関する。
二酸化炭素を原料とした炭化水素類の合成反応は、地球温暖化対策の一つであるCOの有効利用という観点で注目されている。このような二酸化炭素を原料とした炭化水素類の合成反応に用いられる触媒として、Rhodri E.Owenら(非特許文献1)には、メソポーラスシリカにコバルト及びアルカリ金属を担持した触媒が記載されており、この触媒を用いた、二酸化炭素と水素とを原料とする炭化水素類の合成反応においては、主としてメタンが生成することも記載されている。
また、特開2009-34659号公報(特許文献1)には、多孔質シリカ単独又はイットリウム等を含有する多孔質シリカからなる担体にコバルト金属又はコバルト化合物が担持された触媒が開示されており、この触媒を用いた場合にも、一酸化炭素及び二酸化炭素と水素とを原料とする炭化水素類の合成反応において、主としてメタンが生成することが記載されている。
特開2009-34659号公報
Rhodri E.Owenら、Chem.Commun.、2013年、第49巻、11683~11685頁
しかしながら、従来の多孔質シリカやメソポーラスシリカにコバルトを担持した触媒においては、二酸化炭素と水素とを原料として炭化水素類を製造する場合、高圧下での反応が必要であり、また、C以上の炭化水素類の合成という観点では、従来の触媒の活性は必ずしも十分なものではなかった。
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、二酸化炭素と水素とを原料とするC以上の炭化水素類の合成反応において高い触媒活性を示し、さらに、常圧又は低加圧下での合成を可能とする炭化水素類合成用触媒を提供することを目的とする。また、本発明は、二酸化炭素と水素とを原料として常圧又は低加圧下において、C以上の炭化水素類の製造を可能とする炭化水素類製造装置並びにC以上の炭化水素類からなる炭化水素燃料の製造を可能とする炭化水素燃料製造装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、コバルト元素及びアルカリ金属元素を含有する炭化水素類合成用触媒において、触媒担体としてゼオライトを用いることによって、得られる炭化水素類合成用触媒が、二酸化炭素と水素とを原料とするC以上の炭化水素類の合成反応において高い触媒活性を示し、さらに、常温での合成を可能とすることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の炭化水素類合成用触媒は、ゼオライト担体と、前記ゼオライト担体に担持されている、コバルト元素及びアルカリ金属元素とを含有し、二酸化炭素と水素とを原料とする炭化水素類の合成反応に用いられることを特徴とするものである。
本発明の炭化水素類合成用触媒においては、前記ゼオライト担体の平均細孔径が、0.4~2.0nmであることが好ましく、また、前記ゼオライト担体中のSiとAlとのモル比がSi/Al=20~500であることが好ましい。
本発明の炭化水素類製造装置は、前記本発明の炭化水素類合成用触媒が配置されており、該炭化水素類合成用触媒に二酸化炭素と水素との原料混合ガスを接触させて炭化水素類を得るための水素化反応装置を備えることを特徴とするものである。
本発明の炭化水素燃料製造装置は、前記本発明の炭化水素類製造装置と、該炭化水素類製造装置において得られるC以下の低級炭化水素類を重合させてC以上の高級炭化水素類からなる炭化水素燃料を得るための重合反応装置とを備えることを特徴とするものである。
本発明の炭化水素燃料製造装置においては、前記炭化水素類製造装置において得られる炭化水素類及び前記重合反応装置において得られる炭化水素類をC以下の低級炭化水素類とC以上の高級炭化水素類とに分離して前記高級炭化水素類からなる炭化水素燃料を回収するための分離回収装置を更に備えることが好ましい。
なお、本発明の炭化水素類合成用触媒が、二酸化炭素と水素とを原料とするC以上の炭化水素類の合成反応において高い触媒活性を示す理由は必ずしも定かではないが、本発明者らは以下のように推察する。すなわち、本発明の炭化水素類合成用触媒を用いた、二酸化炭素と水素とを原料とする炭化水素類の合成反応は、図1に示す反応機構により進行すると推察される。図1に示すように、コバルト触媒を用いた、二酸化炭素と水素とを原料とする炭化水素類の合成反応においては、先ず、原料である二酸化炭素がコバルト触媒1に吸着する。吸着した二酸化炭素は、逆水性ガスシフト(RWGS)反応により一酸化炭素に変換される。本発明の炭化水素類合成用触媒においては、アルカリ金属元素2が担持されているため、二酸化炭素の吸着が促進され、RWGS反応も促進される。また、RWGS反応により生成した水がゼオライト担体3の疎水性により脱離しやすいため、一酸化炭素と水の反応(水性ガスシフト(WGS)反応)が抑制される。そして、RWGS反応により生成した一酸化炭素は、Fischer-Tropsch synthesis(FTS)反応により水素と反応して炭化水素に変換される。本発明の炭化水素類合成用触媒においては、ゼオライト担体3の微細孔4が反応場として作用するとともに、生成した炭化水素の滞留時間を増長させること、さらに、ゼオライト担体3の酸性サイトが炭素鎖成長の活性サイトとして作用することから、生成した炭化水素が鎖成長しやすく、C以上の炭化水素類が形成されやすいため、C以上の炭化水素類の合成反応において高い触媒活性を示すと推察される。
本発明によれば、二酸化炭素と水素とを原料とするC以上の炭化水素類の合成反応において高い触媒活性を示し、さらに、常圧又は低加圧下での合成を可能とする炭化水素類合成用触媒を得ることができる。また、本発明によれば、二酸化炭素と水素とを原料として常圧又は低加圧下において、C以上の炭化水素類の製造やC以上の炭化水素類からなる炭化水素燃料の製造が可能となる。
本発明の炭化水素類合成用触媒を用いた、二酸化炭素と水素とを原料とする炭化水素類の合成反応の反応機構を示す概略図である。 担体が異なる種々の触媒のCO転化率と反応温度との関係を示すグラフである。 担体が異なる種々の触媒によるCH生成量と反応温度との関係を示すグラフである。 担体が異なる種々の触媒によるC炭化水素の生成量と反応温度との関係を示すグラフである。 担体が異なる種々の触媒によるC炭化水素の生成量と反応温度との関係を示すグラフである。 担体が異なる種々の触媒によるC炭化水素の生成量と反応温度との関係を示すグラフである。 Na担持量が異なる種々の触媒のCO転化率と反応温度との関係を示すグラフである。 Na担持量が異なる種々の触媒によるCH生成量と反応温度との関係を示すグラフである。 Na担持量が異なる種々の触媒によるC炭化水素の生成量と反応温度との関係を示すグラフである。 Na担持量が異なる種々の触媒によるC炭化水素の生成量と反応温度との関係を示すグラフである。 Na担持量が異なる種々の触媒によるC炭化水素の生成量と反応温度との関係を示すグラフである。 ゼオライト担体のSi/Al比が異なる種々の触媒のCO転化率と反応温度との関係を示すグラフである。 ゼオライト担体のSi/Al比が異なる種々の触媒によるCH生成量と反応温度との関係を示すグラフである。 ゼオライト担体のSi/Al比が異なる種々の触媒によるC炭化水素の生成量と反応温度との関係を示すグラフである。 ゼオライト担体のSi/Al比が異なる種々の触媒によるC炭化水素の生成量と反応温度との関係を示すグラフである。 ゼオライト担体のSi/Al比が異なる種々の触媒によるC炭化水素の生成量と反応温度との関係を示すグラフである。 本発明の炭化水素燃料製造装置の好適な一実施態様を示す概略図である。
以下、本発明をその好適な実施形態に即して詳細に説明する。
〔炭化水素類合成用触媒〕
先ず、本発明の炭化水素類合成用触媒について説明する。本発明の炭化水素類合成用触媒は、ゼオライト担体と、前記ゼオライト担体に担持されている、コバルト元素及びアルカリ金属元素とを含有するものである。担体としてゼオライトを用いることによって、二酸化炭素と水素とを原料とするC以上の炭化水素類の合成反応において高い触媒活性を示す触媒を得ることができる。一方、担体として、メソポーラスシリカ、シリカ微粒子、アルミナ微粒子を用いた場合には、二酸化炭素と水素とを原料とするC以上の炭化水素類の合成反応における触媒活性が低くなる。
本発明に用いられるゼオライト担体としては、ZSM-5型、BEA型、モルデナイト型、Y型、L型、フェリエライト型、A型、X型等の各種ゼオライト担体が挙げられる。これらのゼオライト担体の中でも、より高い触媒活性が得られるという観点から、ZSM-5型ゼオライト担体、BEA型ゼオライト担体が好ましく、ZSM-5型ゼオライト担体がより好ましい。これらのゼオライト担体は、1種を単独で使用しても2種以上を併用してもよい。また、本発明においては、前記ゼオライト担体として、イオン交換したゼオライト(例えば、HZSM-5型ゼオライト)を用いてもよい。
また、本発明に用いられるゼオライト担体においては、平均細孔径が0.4~2.0nmであることが好ましく、0.5~1.0nmであることがより好ましい。ゼオライト担体の平均細孔径が前記下限未満になると、炭化水素の鎖成長空間が不十分となり、炭化水素の鎖成長が起こりにくいため、C以上の炭化水素類が形成されにくく、C以上の炭化水素類の合成反応における触媒活性が低くなる傾向にあり、他方、前記上限を超えると、生成した炭化水素の滞留時間が短く、炭化水素の鎖成長が起こりにくいため、C以上の炭化水素類が形成されにくく、C以上の炭化水素類の合成反応における触媒活性が低くなる傾向にある。
さらに、本発明に用いられるゼオライト担体においては、SiとAlとのモル比がSi/Al=20~500であることが好ましく、24~350であることがより好ましい。Si/Al比が前記下限未満になると、ゼオライト担体中の炭素鎖成長の活性サイトとして作用する酸性サイトの強度が低く、炭化水素の鎖成長が起こりにくいため、C以上の炭化水素類が形成されにくく、C以上の炭化水素類の合成反応における触媒活性が低くなる傾向にあり、他方、前記上限を超えると、ゼオライト担体中の炭素鎖成長の活性サイトとして作用する酸性サイトの数が少なく、炭化水素の鎖成長が起こりにくいため、C以上の炭化水素類が形成されにくく、C以上の炭化水素類の合成反応における触媒活性が低くなる傾向にある。
本発明の炭化水素類合成用触媒は、このようなゼオライト担体に担持されているコバルト元素を含有するものである。このコバルト元素は、コバルト金属単体の状態で担持されていてもよいし、コバルト化合物の状態で担持されていてもよいが、コバルト元素の分散度が高くなるという観点から、コバルト化合物の状態で担持されていることが好ましい。
このようなコバルト元素(コバルト金属単体及び/又はコバルト化合物)の含有量としては、ゼオライト担体100質量部に対して、コバルト金属換算で4~30質量部が好ましく、10~25質量部がより好ましい。コバルト元素の含有量が前記下限未満になると、触媒活性が低くなる傾向にあり、他方、前記上限を超えると、コバルト元素が凝集した状態となり、分散度が低下するため、触媒活性が低くなる傾向にある。
また、本発明の炭化水素類合成用触媒は、このようなコバルト元素(コバルト金属単体及び/又はコバルト化合物)のほかに、ゼオライト担体に担持されているアルカリ金属元素を含有するものである。このアルカリ金属元素は通常、アルカリ金属化合物の状態で担持されているが、本発明においては、これに限定されるものではない。このようなアルカリ金属元素としては、Na、K、Csが挙げられ、中でも、C~Cの炭化水素類の生成が促進されるという観点から、Na、Kが好ましい。これらのアルカリ金属元素は、1種を単独で使用しても2種以上を併用してもよい。また、前記アルカリ金属化合物としては、前記アルカリ金属の炭酸化合物、水酸化物、酢酸化合物、硝酸化合物が挙げられ、中でも、触媒調製中の焼成処理においてアルカリ金属化合物が分解しやすいという観点から、前記アルカリ金属の炭酸化合物、水酸化物が好ましい。これらのアルカリ金属化合物は、1種を単独で使用しても2種以上を併用してもよい。
このようなアルカリ金属元素(アルカリ金属化合物)が1種類含まれる場合には、アルカリ金属元素(アルカリ金属化合物)の含有量は、ゼオライト担体100質量部に対して、アルカリ金属換算で1.0~10.0質量部であることが好ましく、2.0~8.0質量部であることがより好ましい。また、アルカリ金属元素(アルカリ金属化合物)が2種以上含まれる場合には、ゼオライト担体100質量部に対して、各アルカリ金属元素(アルカリ金属化合物)の含有量がアルカリ金属換算で1.0~10.0質量部であることが好ましく、1.5~8.0質量部であることがより好ましく、かつ、それらの合計量がアルカリ金属換算で1.0~15.0質量部であることが好ましく、2.0~12.0質量部であることがより好ましい。各アルカリ金属元素の含有量又はそれらの合計量が前記下限未満になると、二酸化炭素の吸着が促進されず、触媒活性が低くなる傾向にあり、他方、前記上限を超えると、ゼオライト担体中の炭素鎖成長の活性サイトとして作用する酸性サイトの強度が低く、触媒活性が低くなる傾向にある。
このような本発明の炭化水素類合成用触媒の製造方法としては、ゼオライト担体にコバルト元素(コバルト金属単体及び/又はコバルト化合物)及びアルカリ金属元素(アルカリ金属化合物)を担持できる方法であれば特に制限はなく、例えば、含浸法、共沈法等の公知の方法を採用することができる。
〔炭化水素類の合成方法及びそれに用いる炭化水素類製造装置〕
次に、本発明の炭化水素類合成用触媒を用いた炭化水素類の合成方法について説明する。本発明の炭化水素類合成用触媒は、二酸化炭素及び水素を原料とする炭化水素類の合成方法に好適に用いることができる。この炭化水素類の合成方法においては、本発明の炭化水素類合成用触媒に二酸化炭素と水素とを含有する原料混合ガスを接触させる。これにより、二酸化炭素からC以上の炭化水素類を効率よく合成することができる。
このような炭化水素類の合成方法において、原料混合ガス中の水素と二酸化炭素との体積比(H/CO)としては2.0~4.0が好ましく、2.5~3.5がより好ましく、2.8~3.2が特に好ましい。また、原料混合ガス中の水素の含有量としては65~85体積%が好ましく、70~80体積%がより好ましく、73~78体積%が特に好ましい。原料混合ガス中の二酸化炭素の含有量としては15~35体積%が好ましく、20~30体積%がより好ましく、22~27体積%が特に好ましい。さらに、前記原料混合ガスには予め脱硫処理が施されていることが好ましい。これにより、硫黄被毒による前記炭化水素類合成用触媒の劣化を抑制することができる。
また、このような炭化水素類の合成方法において、炭化水素類合成用触媒と原料混合ガスとを接触させる際の温度(水素化反応温度)としては、200~400℃が好ましく、220~380℃がより好ましい。反応温度が前記下限未満になると、触媒活性が低くなる傾向にあり、他方、前記上限を超えると、炭素鎖の成長反応の進行が抑制される傾向にある。
また、本発明の炭化水素類合成用触媒を用いた炭化水素類の合成方法においては、常圧下で炭化水素類を合成することができるが、3.0MPa以下(好ましくは2.0MPa以下)の低加圧下で合成してもよい。
次に、このような炭化水素類の合成方法に用いられる本発明の炭化水素類製造装置について説明する。本発明の炭化水素類製造装置は、前記炭化水素類合成用触媒が配置(好ましくは充填)された水素化反応装置を備えるものである。この水素化反応装置に前記原料混合ガスを導入して前記炭化水素類合成用触媒に前記原料混合ガスを接触させることによって、常圧又は3.0MPa以下(好ましくは2.0MPa以下)の低加圧下で二酸化炭素と水素とを反応させることが可能となり、C以上の炭化水素類を効率よく製造することができる。
本発明の炭化水素類製造装置においては、前記水素化反応装置のガス入口及びガス出口にそれぞれ熱交換器が接続されていることが好ましい。前記ガス出口の熱交換器においては、二酸化炭素と水素との反応によって生成したガス(水素化反応生成ガス)から水が分離除去されるとともに、水素化反応生成ガスを冷却することによって反応熱(熱エネルギー)が回収され、この熱エネルギーを前記ガス入口の熱交換器において前記原料混合ガスの昇温に利用することが可能となり、炭化水素類製造装置全体のエネルギー効率を向上させることができる。
また、本発明の炭化水素類製造装置においては、前記水素化反応装置の下流(好ましくは、前記ガス出口の熱交換器の下流)と前記水素化反応装置の上流(好ましくは、前記ガス入口の熱交換器の上流)との間に、前記水素化反応生成ガス(好ましくは、水を分離除去した後の水素化反応生成ガス)の一部を前記水素化反応装置に循環させるための循環ガス流路が配設されていることが好ましい。水素化反応生成ガスの一部を前記水素化反応装置に循環させることによって、残存する二酸化炭素や一酸化炭素が還元され、二酸化炭素の転化率が高まり、C以上の炭化水素類の収率が向上する。
〔炭化水素燃料製造装置〕
次に、本発明の炭化水素燃料製造装置について図面を参照しながら説明するが、本発明の炭化水素燃料製造装置は前記図面のものに限定されない。図5は、本発明の炭化水素燃料製造装置の好適な一実施態様を示す概略図である。なお、以下の説明及び図面中、同一又は相当する要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
本発明の炭化水素燃料製造装置は、前記本発明の炭化水素類製造装置(炭化水素類製造ユニット)10と、この炭化水素類製造装置10において得られるC以下の低級炭化水素類を重合させてC以上の高級炭化水素類からなる炭化水素燃料を得るための重合反応装置111(以下、この重合反応装置を備えるユニットを「重合反応ユニット」という)とを備えるものである。また、本発明の炭化水素燃料製造装置は、炭化水素類製造装置10において得られる炭化水素類及び重合反応装置111において得られる炭化水素類をC以下の低級炭化水素類とC以上の高級炭化水素類とに分離して前記高級炭化水素類からなる炭化水素燃料を得るための分離回収装置121(以下、この分離回収装置を備えるユニットを「分離回収ユニット」という)を更に備えていることが好ましい。
〔炭化水素類製造ユニット〕
本発明の炭化水素燃料製造装置における炭化水素類製造ユニット10は、前記本発明の炭化水素類製造装置であり、前記本発明の炭化水素類合成用触媒101が配置(好ましくは充填)された水素化反応装置102を備えるものである。この炭化水素類製造ユニット10における炭化水素類の合成方法は、〔炭化水素類の合成方法及びそれに用いる炭化水素類製造装置〕において説明したとおりである。したがって、本発明の炭化水素燃料製造装置の炭化水素類製造ユニット10においては、二酸化炭素と水素とを原料として常圧又は3.0MPa以下(好ましくは2.0MPa以下)の低加圧下でC以上の炭化水素類を効率よく製造することができる。
また、炭化水素類製造ユニット10においては、水素化反応装置102のガス入口及びガス出口にそれぞれ熱交換器103及び104を接続することによって、反応熱(熱エネルギー)を回収して前記原料混合ガスの昇温に利用することができる。また、回収した熱エネルギーを後述する重合反応ユニット11や分離回収ユニット12におけるガスの昇温に利用することもできる。その結果、炭化水素燃料製造装置全体のエネルギー効率を向上させることができる。さらに、水素化反応装置102の下流(好ましくは、ガス出口の熱交換器104の下流)と水素化反応装置102の上流(好ましくは、ガス入口の熱交換器103の上流)との間に循環ガス流路105を配設することによって、前記水素化反応生成ガス(好ましくは、水を分離除去した後の水素化反応生成ガス)の一部を水素化反応装置102に循環させ、二酸化炭素の転化率を高め、C以上の炭化水素類の収率を向上させることができる。
〔重合反応ユニット〕
本発明の炭化水素燃料製造装置における重合反応ユニット11は、炭化水素類製造装置10において得られるC以下の低級炭化水素類を重合させてC以上の高級炭化水素類からなる炭化水素燃料を得るための重合反応装置111を備えるものである。この重合反応装置には、重合触媒112が配置(より好ましくは充填)されていることが好ましい。前記重合触媒としては、例えば、70質量%以上の白金担持ゼオライト触媒と30質量%以下の前記本発明の炭化水素合成用触媒との重合用混合触媒が挙げられる。このような重合用混合触媒を用いることによって、炭化水素類製造装置10において得られるC以下の低級炭化水素類が重合反応によりC以上の高級炭化水素類に変換されるとともに、炭化水素類製造装置10において得られる水素化反応生成ガス中に残存する一酸化炭素がFTS反応によりC以下の低級炭化水素類に変換され、さらに、重合反応によりC以上の高級炭化水素類に変換される。したがって、本発明の炭化水素燃料製造装置においては、C以上の高級炭化水素類からなる炭化水素燃料を高収率で製造することができる。
このような重合反応ユニット11におけるFTS反応や重合反応の温度(重合反応温度)としては、200~400℃が好ましく、220~380℃がより好ましい。反応温度が前記下限未満になると、触媒活性が低くなる傾向にあり、他方、前記上限を超えると、炭素鎖の成長反応の進行が抑制される傾向にある。また、前記FTS反応や前記重合反応は常圧下で実施することができるが、3.0MPa以下(好ましくは2.0MPa以下)の低加圧下で実施してもよい。
また、重合反応ユニット11においては、重合反応装置111のガス入口及びガス出口にそれぞれ熱交換器113及び114が接続されていることが好ましい。ガス出口の熱交換器113においては、前記FTS反応及び前記重合反応によって生成したガス(重合反応生成ガス)から前記FTS反応において生成した水が分離除去されるとともに、重合反応生成ガスを冷却することによって反応熱(熱エネルギー)が回収され、この熱エネルギーをガス入口の熱交換器113において重合反応装置111に供給されるガス(前記水素化反応生成ガス及び後述する分離回収ユニットからの排出ガス)の昇温に利用することが可能となる。また、回収した熱エネルギーを炭化水素類製造ユニット10や後述する分離回収ユニット12におけるガスの昇温に利用することもできる。その結果、炭化水素燃料製造装置全体のエネルギー効率を向上させることができる。
〔分離回収ユニット〕
本発明の炭化水素燃料製造装置における分離回収ユニット12は、炭化水素類製造装置10において得られる炭化水素類及び重合反応装置111において得られる炭化水素類をC以下の低級炭化水素類とC以上の高級炭化水素類とに分離して前記高級炭化水素類からなる炭化水素燃料を得るための分離回収装置121を備えるものである。このような分離回収ユニット12には2以上の分離回収装置121が備えられていることが好ましい。2以上の分離回収装置を順次切替えて使用することにより、分離回収操作を連続的に実施することができる。
炭化水素類製造装置10において得られる水素化反応生成ガスには、C以上の高級炭化水素類のほかに、C~Cの低級炭化水素類や一酸化炭素、水素も含まれている。このため、本発明の炭化水素燃料製造装置は、前記水素化反応生成ガスを重合反応ユニット11に供給する前に、前記水素化反応生成ガスからC以下の低級炭化水素類や一酸化炭素、水素を分離除去して、C以上の高級炭化水素類からなる炭化水素燃料を回収するための分離回収ユニット12を備えていることが好ましい。また、重合反応装置111において得られる重合反応生成ガスには、C以上の高級炭化水素類のほかに、C以下の低級炭化水素類も含まれている。このため、本発明の炭化水素燃料製造装置は、前記重合反応生成ガスからC以下の低級炭化水素類を分離除去して、C以上の高級炭化水素類からなる炭化水素燃料を回収するための分離回収ユニット12を備えていることが好ましい。
前記水素化反応生成ガス及び前記重合反応生成ガスからC以下の低級炭化水素類や一酸化炭素、水素を分離除去する方法としては特に制限はないが、ゼオライト等の吸着剤を用いた吸着分離法が好ましい。例えば、先ず、分離回収装置121に配置(好ましくは充填)した吸着剤に前記水素化反応生成ガス及び前記重合反応生成ガスを接触させ、前記水素化反応生成ガス及び前記重合反応生成ガス中のC以上の高級炭化水素類を吸着剤に吸着させる。これにより、分離回収ユニット12からは、C以下の低級炭化水素類や一酸化炭素、水素を含むガスが排出され、このガスを重合反応ユニット11に供給して前記FTS反応や前記重合反応を行うことによって、前記低級炭化水素類や一酸化炭素をC以上の高級炭化水素類に変換することができる。その後、前記高級炭化水素類が吸着している吸着剤にN等の不活性ガスを脱着ガスとして導入して吸着剤から前記高級炭化水素類を脱離させることにより、前記高級炭化水素類からなる炭化水素燃料を得ることができる。
このようなC以上の高級炭化水素類の吸脱着操作は、温度及び圧力を調整することによって制御することができる。すなわち、前記低級炭化水素類や一酸化炭素、水素に比べて前記高級炭化水素類の吸着性が高くなるという観点から、前記高級炭化水素類を吸着させる際の温度(吸着温度)としては、20~40℃が好ましく、25~35℃がより好ましく、前記高級炭化水素類を吸着させる際の圧力(吸着圧力)としては、0.1~2.0MPaが好ましい。一方、前記高級炭化水素類を脱着させる際の温度(脱着温度)としては、100~200℃が好ましく、130~170℃がより好ましく、前記高級炭化水素類を脱着させる際の圧力(脱着圧力)としては、0.1~1.0MPaが好ましい。
また、分離回収ユニット12においては、分離回収装置121のガス入口に熱交換器122が接続されていることが好ましい。この熱交換器122において供給される熱エネルギーとしては、炭化水素類製造ユニット10及び重合反応ユニット11において回収した熱エネルギーが好ましい。これにより、炭化水素燃料製造装置全体のエネルギー効率を向上させることができる。さらに、分離回収装置121の下流と分離回収装置121の上流との間に、分離除去された前記低級炭化水素類や一酸化炭素、水素の一部を前記水素化反応装置に循環させるための循環ガス流路123が配設されていることが好ましい。分離除去された前記低級炭化水素類や一酸化炭素、水素の一部を前記水素化反応装置に循環させることによって、残存する二酸化炭素や一酸化炭素が還元され、二酸化炭素の転化率が高まり、C以上の炭化水素類の収率が向上する。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
酢酸コバルト及び炭酸カリウムを含む水溶液〔酢酸コバルト四水和物((CHCOO)Co・4HO、和光純薬工業株式会社製)及び炭酸カリウム(KCO、和光純薬工業株式会社製)を水に溶解して調製したもの〕に、HZSM-5型ゼオライト(Zeolyst International社製、平均細孔径:0.58nm、Si/Alモル比:40)を浸漬して、前記ゼオライト100質量部に対してCo元素の担持量が20質量部、K元素の担持量が6.0質量部となるように、前記ゼオライトに酢酸コバルト(II)及び炭酸カリウムを付着させた。得られた触媒前駆体から水分を蒸発させて触媒前駆体を乾燥した後、大気中、500℃で5時間焼成して、前記HZSM-5型ゼオライト100質量部にコバルト20質量部及びカリウム6.0質量部が担持された触媒を得た。
<触媒活性評価試験>
得られた触媒0.2gを固定床触媒評価装置のステンレス反応管に充填し、これに水素含有ガス(H(10%)+He(90%))を流量20ml/分で流通させながら400℃で60分間加熱して還元前処理を行い、その後、触媒を100℃まで放冷した。この還元前処理後の触媒に原料混合ガス(CO(10%)+H(30%)+He(60%))を流量20ml/分で流通させながら昇温速度5℃/分で100℃から400℃まで加熱した。この間の触媒出ガス中のCO及び生成した炭化水素類についてガス分析計(株式会社アルバック製「Qulee BGM-202」)を用いて質量分析を行なった。図2Aには各触媒温度におけるCO転化率を示す。また、図2B~図2Eには各触媒温度における生成した炭化水素類(CH、C2~C4)のマススペクトル(MS)強度)を示す。なお、実施例1の結果は、図3A~図4Eにも示した。また、図2A中の転化率の大小及び図2B~図2E中の活性の高低は、温度300~400℃の範囲内でのCO転化率の最大値及びMS強度の最大値に基づいて評価した。
(実施例2)
HZSM-5型ゼオライトの代わりにBEA型ゼオライト(Zeolyst International社製、平均細孔径:0.65nm、Si/Alモル比:38.5)を用いた以外は実施例1と同様にして、前記BEA型ゼオライト100質量部にコバルト20質量部及びカリウム6.0質量部が担持された触媒を得た。得られた触媒について、実施例1と同様にして触媒活性評価試験を行なった。その結果を図2A~図2Eに示す。
(比較例1)
HZSM-5型ゼオライトの代わりにシリカ微粒子(日本アエロジル株式会社製「90G」、比表面積:90m/g)を用いた以外は実施例1と同様にして、前記シリカ微粒子100質量部にコバルト20質量部及びカリウム6.0質量部が担持された触媒を得た。得られた触媒について、実施例1と同様にして触媒活性評価試験を行なった。その結果を図2A~図2Eに示す。
(比較例2)
HZSM-5型ゼオライトの代わりにアルミナ微粒子(Sasol社製「Puralox TH100」、比表面積:100m/g)を用いた以外は実施例1と同様にして、前記アルミナ微粒子100質量部にコバルト20質量部及びカリウム6.0質量部が担持された触媒を得た。得られた触媒について、実施例1と同様にして触媒活性評価試験を行なった。その結果を図2A~図2Eに示す。
(比較例3)
HZSM-5型ゼオライトの代わりに平均細孔径が3.9nmのメソポーラスシリカ(太陽化学株式会社製「TMPS-4R」)を用いた以外は実施例1と同様にして、前記メソポーラスシリカ100質量部にコバルト20質量部及びカリウム6.0質量部が担持された触媒を得た。得られた触媒について、実施例1と同様にして触媒活性評価試験を行なった。その結果を図2A~図2Eに示す。
(比較例4)
HZSM-5型ゼオライトの代わりに平均細孔径が8.0nmのメソポーラスシリカ(シグマ-アルドリッチ社製「SBA-15」)を用いた以外は実施例1と同様にして、前記メソポーラスシリカ100質量部にコバルト20質量部及びカリウム6.0質量部が担持された触媒を得た。得られた触媒について、実施例1と同様にして触媒活性評価試験を行なった。その結果を図2A~図2Eに示す。
<触媒活性評価結果>
図2C~図2Eに示したように、担体としてHZSM-5型ゼオライトを用いた場合(実施例1)には、C~Cの炭化水素類の合成反応において、シリカ微粒子(比較例1)、アルミナ微粒子(比較例2)又はメソポーラスシリカ(比較例3~4)を用いた場合に比べて高い触媒活性を示す触媒が得られることが確認された。また、図2Bに示したように、担体としてHZSM-5型ゼオライトを用いた場合(実施例1)には、CHの生成反応が抑制されることがわかった。一方、担体としてBEA型ゼオライトを用いた場合(実施例2)には、C及びCの炭化水素類の合成反応においては、シリカ微粒子(比較例1)、アルミナ微粒子(比較例2)又はメソポーラスシリカ(比較例3~4)を用いた場合に比べて高い触媒活性を示し、Cの炭化水素類の合成反応においては、アルミナ微粒子(比較例2)又はメソポーラスシリカ(比較例3~4)を用いた場合に比べて高い触媒活性を示す触媒が得られることが確認された。
(実施例3)
酢酸コバルト及び炭酸カリウムを含む水溶液の代わりに、酢酸コバルト、炭酸カリウム及び炭酸ナトリウムを含む水溶液〔酢酸コバルト四水和物((CHCOO)Co・4HO、和光純薬工業株式会社製)、炭酸カリウム(KCO、和光純薬工業株式会社製)及び炭酸ナトリウム(NaCO、和光純薬工業株式会社製)を水に溶解して調製したもの〕を用い、前記ゼオライト100質量部に対してCo元素の担持量が20質量部、K元素の担持量が6.0質量部、Na元素の担持量が1.8質量部となるように、前記ゼオライトに酢酸コバルト(II)、炭酸カリウム及び炭酸ナトリウムを付着させた以外は実施例1と同様にして、前記HZSM-5型ゼオライト100質量部にコバルト20質量部、カリウム6.0質量部及びナトリウム1.8質量部が担持された触媒を得た。得られた触媒について、実施例1と同様にして触媒活性評価試験を行なった。その結果を図3A~図3Eに示す。
(実施例4)
前記ゼオライト100質量部に対してNa元素の担持量が3.6質量部となるように、前記ゼオライトに酢酸コバルト(II)、炭酸カリウム及び炭酸ナトリウムを付着させた以外は実施例3と同様にして、前記HZSM-5型ゼオライト100質量部にコバルト20質量部、カリウム6.0質量部及びナトリウム3.6質量部が担持された触媒を得た。得られた触媒について、実施例1と同様にして触媒活性評価試験を行なった。その結果を図3A~図3Eに示す。
(実施例5)
前記ゼオライト100質量部に対してNa元素の担持量が7.2質量部となるように、前記ゼオライトに酢酸コバルト(II)、炭酸カリウム及び炭酸ナトリウムを付着させた以外は実施例3と同様にして、前記HZSM-5型ゼオライト100質量部にコバルト20質量部、カリウム6.0質量部及びナトリウム7.2質量部が担持された触媒を得た。得られた触媒について、実施例1と同様にして触媒活性評価試験を行なった。その結果を図3A~図3Eに示す。
<触媒活性評価結果>
図3C~図3Eに示したように、ゼオライト担体100質量部に対してNaを1.8~3.6質量部(Kとの合計量で7.8~9.6質量部)担持した場合(実施例3~4)には、C~Cの炭化水素類の合成反応において、Naを担持しなかった場合(実施例1)に比べて高い触媒活性を示す触媒が得られることが確認された。また、Naを7.2質量部(Kとの合計量で13.2質量部)担持した場合(実施例5)には、C及びCの炭化水素類の合成反応において、Naを担持しなかった場合(実施例1)に比べて僅かに高い触媒活性を示す触媒が得られることが確認された。
(実施例6)
Si/Alモル比が40のHZSM-5型ゼオライトの代わりに、Si/Alモル比が30のHZSM-5型ゼオライト(Zeolyst International社製、平均細孔径:0.58nm)を用いた以外は実施例1と同様にして、前記HZSM-5型ゼオライト100質量部にコバルト20質量部及びカリウム6.0質量部が担持された触媒を得た。得られた触媒について、実施例1と同様にして触媒活性評価試験を行なった。その結果を図4A~図4Eに示す。
(実施例7)
Si/Alモル比が40のHZSM-5型ゼオライトの代わりに、Si/Alモル比が50のHZSM-5型ゼオライト(Zeolyst International社製、平均細孔径:0.58nm)を用いた以外は実施例1と同様にして、前記HZSM-5型ゼオライト100質量部にコバルト20質量部及びカリウム6.0質量部が担持された触媒を得た。得られた触媒について、実施例1と同様にして触媒活性評価試験を行なった。その結果を図4A~図4Eに示す。
(実施例8)
Si/Alモル比が40のHZSM-5型ゼオライトの代わりに、Si/Alモル比が80のHZSM-5型ゼオライト(Zeolyst International社製、平均細孔径:0.58nm)を用いた以外は実施例1と同様にして、前記HZSM-5型ゼオライト100質量部にコバルト20質量部及びカリウム6.0質量部が担持された触媒を得た。得られた触媒について、実施例1と同様にして触媒活性評価試験を行なった。その結果を図4A~図4Eに示す。
(実施例9)
Si/Alモル比が40のHZSM-5型ゼオライトの代わりに、Si/Alモル比が280のHZSM-5型ゼオライト(Zeolyst International社製、平均細孔径:0.58nm)を用いた以外は実施例1と同様にして、前記HZSM-5型ゼオライト100質量部にコバルト20質量部及びカリウム6.0質量部が担持された触媒を得た。得られた触媒について、実施例1と同様にして触媒活性評価試験を行なった。その結果を図4A~図4Eに示す。
図4C~図4Eに示したように、ゼオライト担体のSi/Al比が30~280の場合(実施例1、6~9)には、Si/Al=∞の場合(比較例1、図2C~図2EのC2:SiO)及びSi/Al=0の場合(比較例2、図2C~図2EのC2:Al)に比べて高い触媒活性を示す触媒が得られることが確認された。また、ゼオライト担体のSi/Al比が高くなるにつれて、触媒活性が高くなる傾向にあることがわかった。
(製造例)
図5に示した炭化水素燃料製造装置を用いて、二酸化炭素と水素とを含有する原料混合ガスから炭化水素燃料を製造した。下記の定常状態に達した時点において、各ユニットで以下のような組成のガスが得られ、炭化水素燃料を高収率(C以上の炭化水素類が95体積%以上)で製造できることが確認された。
(定常状態)
水素化反応温度:300℃、水素化反応圧力:0.1~2.0MPa
吸着温度:30℃、吸着圧力:0.1~2.0MPa
脱着温度:150℃、脱着圧力:0.1~1.0MPa
重合反応温度:300℃、重合反応圧力:0.1~2.0MPa。
(炭化水素類製造ユニット10)
HZSM-5型ゼオライトにコバルト、カリウム及びナトリウムが担持された本発明の炭化水素類合成用触媒を用いて、原料混合ガス(CO:22~27体積%、H:73~78体積%、H/CO(体積比):約3)から、水素化反応生成ガス(C~C:35体積%以下、C以上:35体積%以下、CH:5体積%以下、CO:3体積%以下、CO:3体積%以下、H:5体積%以下)が得られた。
(重合反応ユニット11)
HZSM-5型ゼオライトに白金が担持された触媒とHZSM-5型ゼオライトにコバルト、カリウム及びナトリウムが担持された本発明の炭化水素類合成用触媒との重合用混合触媒(白金担持触媒70質量%以上+炭化水素類合成用触媒30質量%以下)を用いて、下記の分離回収ユニット12において分離除去されたC以下の低級炭化水素類を含有するガス(C~C:50体積%以下、CH:30体積%以下、CO:10体積%以下、H:10体積%以下)から、重合反応生成ガス(C以上:50体積%以下、C~C:25体積%以下、CH:20体積%以下、CO:1体積%以下、H:2体積%以下)が得られた。
(分離回収ユニット12)
ゼオライト吸着剤(ZSM-5型ゼオライト+BEA型ゼオライト)を用いて、前記水素化反応生成ガスと前記重合反応生成ガスとの混合ガスから、前記C以下の低級炭化水素類を含有するガスを分離除去することによって、C以上の炭化水素類が95体積%以上の炭化水素燃料(C以上:90体積%以上、C~C:8体積%以下、CH:2体積%以下)が得られた。
以上説明したように、本発明によれば、C以上の炭化水素類の合成反応において高い触媒活性を示し、さらに、常圧又は低加圧下での合成を可能とする炭化水素類合成用触媒を得ることができる。したがって、本発明の炭化水素類合成用触媒は、二酸化炭素及び水素から炭化水素類(特に、C以上の炭化水素類)を得るための触媒として有用である。
また、本発明の炭化水素類製造装置は、このような本発明の炭化水素類合成用触媒を備えていることから、二酸化炭素と水素とを原料として常圧又は低加圧下で炭化水素類(特に、C以上の炭化水素類)を製造するための装置として有用である。
さらに、本発明の炭化水素燃料製造装置は、このような本発明の炭化水素類製造装置と、C以下の低級炭化水素類からC以上の炭化水素類を重合するための重合反応装置とを備えていることから、二酸化炭素と水素とを原料として常圧又は低加圧下でC以上の高級炭化水素類からなる炭化水素燃料を高収率で製造するための装置として有用である。
1:コバルト触媒、2:アルカリ金属元素、3:ゼオライト担体、4:微細孔、10:炭化水素類製造装置(炭化水素類製造ユニット)、101:炭化水素類合成用触媒、102:水素化反応装置、103、104:熱交換器、105:循環ガス流路、11:重合反応ユニット、111:重合反応装置、112:重合触媒、113、114:熱交換器、12:分離回収ユニット、121:分離回収装置、122:熱交換器、123:循環ガス流路。

Claims (6)

  1. ゼオライト担体と、前記ゼオライト担体に担持されている、コバルト元素及びアルカリ金属元素とを含有し、二酸化炭素と水素とを原料とする炭化水素類の合成反応に用いられることを特徴とする炭化水素類合成用触媒。
  2. 前記ゼオライト担体の平均細孔径が、0.4~2.0nmであることを特徴とする請求項1に記載の炭化水素類合成用触媒。
  3. 前記ゼオライト担体中のSiとAlとのモル比がSi/Al=20~500であることを特徴とする請求項1又は2に記載の炭化水素類合成用触媒。
  4. 請求項1~3のうちのいずれか一項に記載の炭化水素類合成用触媒が配置されており、該炭化水素類合成用触媒に二酸化炭素と水素との原料混合ガスを接触させて炭化水素類を得るための水素化反応装置を備えることを特徴とする炭化水素類製造装置。
  5. 請求項4に記載の炭化水素類製造装置と、
    該炭化水素類製造装置において得られるC以下の低級炭化水素類を重合させてC以上の高級炭化水素類からなる炭化水素燃料を得るための重合反応装置と、
    を備えることを特徴とする炭化水素燃料製造装置。
  6. 前記炭化水素類製造装置において得られる炭化水素類及び前記重合反応装置において得られる炭化水素類をC以下の低級炭化水素類とC以上の高級炭化水素類とに分離して前記高級炭化水素類からなる炭化水素燃料を回収するための分離回収装置を更に備えることを特徴とする請求項5に記載の炭化水素燃料製造装置。
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