JP7037711B2 - セラミックスの湿式成形用組成物および湿式成形体の製造方法 - Google Patents
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Description
(a)数平均繊維径が3nm以上1000nm以下。
(b)セルロースI型結晶構造を有する。
(c)平均アスペクト比が10以上1000以下。
可塑性粘土(A)は、湿式成形体を所望の形状に成形(賦形)することを可能にする性質(可塑性)を有する土である。可塑性粘土(A)としては、例えば、蛙目粘土、木節粘土、カオリン、セリサイト、ベントナイトなどが挙げられ、これらはいずれか1種用いても、2種以上組み合わせて用いてもよい。
骨材(B)は、可塑性粘土(A)による粘りを抑えて成形性を向上したり乾燥や焼成時における収縮を抑えたりするために配合されるセラミックス粉末であり、非可塑性原料とも称される。骨材(B)としては、例えば、珪石、珪砂、焼きカオリン(焼成カオリン)、陶石、蝋石、マサ土(風化花崗岩)、セルベン、シャモット、ジルコンなどが挙げられ、これらはいずれか1種用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。
融剤(C)は、セラミックスの焼結反応を促進する無機粉末であり、媒溶剤とも称される。融剤(C)としては、例えば、長石、準長石、石灰石、ドロマイト、滑石、リン酸カルシウム、亜鉛華、炭酸リチウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、炭酸ストロンチウム、ケイ酸リチウムなどが挙げられ、これらはいずれか1種用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。
繊維状セルロース(D)としては、(a)数平均繊維径が3nm以上1000nm以下であり、(b)セルロースI型結晶構造を有し、かつ、(c)平均アスペクト比が10以上1000以下であるものが用いられる。
平均アスペクト比=数平均繊維長(nm)/数平均繊維径(nm)
アニオン性官能基量(mmol/g)=V(mL)×〔0.05/セルロース試料質量(g)〕
水(E)は、湿式成形用組成物を湿式成形可能なスラリー状ないし粘土状にするために添加されるものである。水(E)には、繊維状セルロース(D)を水分散液として添加する場合に、当該水分散液に含まれる水も含まれる。
本実施形態に係る湿式成形用組成物には、上記成分(A)~(E)の他、本実施形態の効果を阻害しない範囲において、例えば、ケイ酸ナトリウム等の分散剤、水溶性高分子、有機溶媒などの添加剤を更に添加してもよい。
本実施形態に係る湿式成形体の製造方法は、上記湿式成形用組成物を湿式成形するものである。
本実施形態に係るセラミックスの製造方法は、上記で得られた湿式成形体を焼成することを含むものである。
本実施形態に係る湿式成形用組成物であると、可塑性粘土(A)と骨材(B)と融剤(C)と水(E)を含む湿式成形用組成物に上記特定の繊維状セルロース(D)を添加することにより、湿式成形体の強度を向上することができる。そのため、陶磁器などのセラミックスの製造プロセスにおける素焼き工程を省略又は削減することができるので、それに要する時間及びエネルギーを削減して製造コストを低減することができ、また二酸化炭素の削減にもなる。
下記表1に示す配合に従い、可塑性粘土、骨材、融剤を混合し、更にセルロース水分散体と水を添加し、逆流式高速混合機(日本アイリッヒ株式会社製)を用いて、10分間混練した後、得られた混合物を土練機で練ることにより、粘土状の湿式成形用組成物を得た。この湿式成形用組成物を小型押出し成形機(株式会社石川時鉄工所製)により、およそ幅30mm、厚さ10mm、長さ110mmに成形することにより押出成形した。
下記表1に示す配合に従い、可塑性粘土、骨材、融剤を混合し、更にセルロース水分散体と水及びケイ酸ナトリウムを添加し、ミキサーで混合することにより、スラリー状の湿式成形用組成物を得た。得られた湿式成形用組成物は、石膏鋳型に流し込み、着肉完了後、石膏鋳型から脱型し、室温で一昼夜以上静置した後、110℃で24時間乾燥させ、およそ幅30mm、厚さ10mm、長さ110mmにカットした湿式成形体を、3点曲げ強度の試験片として用いた。また、得られた湿式成形体を、室温で一昼夜以上静置し、110℃で24時間乾燥させた後、800℃で1時間保持し焼成して、素焼き試料とした。この素焼き試料を1150℃で1時間保持し焼成して、本焼成試料とし、吸水率を測定した。
下記表1に示す配合に従い、可塑性粘土、骨材、融剤を混合し、更にビニル樹脂としてスミカフレックスRP-100S(エチレン-酢酸ビニル共重合樹脂、住化ケムテックス株式会社製)と水及びケイ酸ナトリウムを添加し、ミキサーで混合することにより、スラリー状の湿式成形用組成物を得た。得られた湿式成形用組成物は、石膏鋳型に流し込み、着肉完了後、石膏鋳型から脱型し、室温で一昼夜以上静置した後、110℃で24時間乾燥させ、およそ幅30mm、厚さ10mm、長さ110mmにカットした湿式成形体を、3点曲げ強度の試験片として用いた。また、得られた湿式成形体を、室温で一昼夜以上静置し、110℃で24時間乾燥させた後、800℃で1時間保持し焼成して、素焼き試料とした。この素焼き試料を1150℃で1時間保持し焼成して、本焼成試料とし、吸水率を測定した。
実施例7で得られた湿式成形体を、室温で一昼夜以上静置し、110℃で24時間乾燥させた後、ハンマーで粗粉砕し、粗粉砕物を得た。下記表2に示す配合に従い、得られた粗粉砕物と水を、ボールミルを用いて、24時間回転させて粉砕を行い、スラリー状の湿式成形用組成物を得て、粉砕状態を評価した。得られた湿式成形用組成物は、実施例7と同様にして湿式成形体を作製し、3点曲げ強度を測定した。また、得られた湿式成形体を実施例7と同様に焼成して、本焼成試料の吸水率を測定した。
比較例6で得られた湿式成形体を、室温で一昼夜以上静置し、110℃で24時間乾燥させた後、ハンマーで粗粉砕し、粗粉砕物を得た。下記表2に示す配合に従い、得られた粗粉砕物と水を、ボールミルを用いて、24時間回転させて粉砕を行い、スラリー状の湿式成形用組成物を得て、粉砕状態を評価した。得られた湿式成形用組成物は、比較例6と同様にして湿式成形体を作製し、3点曲げ強度を測定した。また、得られた湿式成形体を比較例6と同様に焼成して、本焼成試料の吸水率を測定した。
・土岐口蛙目粘土:(株)オクムラセラム
・本山木節粘土:丸北窯業(株)
・愛知県産珪石・珪砂:丸北窯業(株)
・三国陶石:ハットリ(株)
・土橋陶石:土橋鉱山(株)
・平木陶石:ハットリ(株)
・天草陶石:共立マテリアル(株)
・マサ土(風化花崗岩):日陶連原料(株)
・三石ろう石:土橋鉱山(株)
・釜戸長石:丸昭釜戸鉱業協同組合
・インド長石:共立マテリアル(株)
・ペタライト:日陶産業(株)
・ネフェリンサイアナイト:共立マテリアル(株)
製造例1:針葉樹パルプ2gに、水150mlと、臭化ナトリウム0.25gと、TEMPO0.025gとを加え、充分撹拌して分散させた後、13質量%次亜塩素酸ナトリウム水溶液(共酸化剤)を、上記パルプ1.0gに対して次亜塩素酸ナトリウム量が12.0mmol/gとなるように加え、反応を開始した。反応の進行に伴いpHが低下するため、pHを10~11に保持するように0.5N水酸化ナトリウム水溶液を滴下しながら、pHの変化が見られなくなるまで反応させた(反応時間:120分)。反応終了後、0.1N塩酸を添加して中和した後、ろ過と水洗を繰り返して精製し、繊維表面が酸化されたセルロース繊維を得た。続いて、遠心分離機で固液分離した後、精製水を加えて固形分濃度4質量%に調整した。その後、24%NaOH水溶液にてスラリーのpHを10に調整した。スラリーの温度を30℃としてNaBH4を0.3g(0.2mmol/g)を加え2時間反応させることにより還元処理した。反応後、1MのHClを添加して中和した後、ろ過と水洗を繰り返して精製し、セルロース繊維を得た。次に、上記セルロース繊維に純水と水酸化ナトリウムを0.15g加えて2質量%に希釈し、高圧ホモジナイザー(H11、三和エンジニアリング社製)を用いて圧力100MPaで1回処理し、セルロース水分散体D1を得た。後述する方法で測定したところ、得られたセルロース水分散体D1が含有するアニオン変性の微細繊維状セルロースのカルボキシル基の含有量は1.98mmol/g、カルボニル基の含有量は0.10mmol/gであり、一方、アルデヒド基の検出は認められなかった。セルロース水分散体D1が含有するアニオン変性の微細繊維状セルロースの数平均繊維径は4nm、平均アスペクト比は280であった。該変性微細繊維状セルロースが含有するセルロースの結晶構造を広角X線回折像測定により確認したところ、I型結晶構造が「あり」であった。また、酸化前のセルロースの13C-NMRチャートで確認できるグルコース単位の1級水酸基のC6位に相当する62ppmのピークが、酸化反応後は消失し、代わりに、178ppmにカルボキシル基に由来するピークが現れていた。よって、グルコース単位のC6位水酸基のみがカルボキシル基等に酸化されていることが確認された。
製造例2:酸化及び還元処理後のセルロース繊維の分散工程において、水酸化ナトリウムに代えてトリエタノールアミンを0.56g用いること以外は、製造例1と同様にして、セルロース水分散体D2を得た。得られたセルロース水分散体D2が含有するアニオン変性の微細繊維状セルロースのカルボキシル基の含有量は1.97mmol/g、カルボニル基の含有量は0.10mmol/gであり、アルデヒド基の検出は認められなかった。セルロース水分散体D2が含有するアニオン変性の微細繊維状セルロースの数平均繊維径は6nm、平均アスペクト比は245であった。該変性微細繊維状セルロースが含有するセルロースの結晶構造を広角X線回折像測定により確認したところ、I型結晶構造が「あり」であった。また、酸化前のセルロースの13C-NMRチャートで確認できるグルコース単位の1級水酸基のC6位に相当する62ppmのピークが、酸化反応後は消失し、代わりに178ppmにカルボキシル基に由来するピークが現れていた。よって、グルコース単位のC6位水酸基のみがカルボキシル基等に酸化されていることが確認された。
製造例3:酸化及び還元処理後のセルロース繊維の分散工程において、高圧ホモジナイザーの代わりに、ホモミキサー(プライミクス株式会社)を用い、12000回転で10分間、微細化処理すること以外は、製造例1と同様にして、セルロース水分散体D3を得た。得られたセルロース水分散体D3が含有するアニオン変性の微細繊維状セルロースのカルボキシル基の含有量は1.97mmol/g、カルボニル基の含有量は0.10mmol/gであり、アルデヒド基の検出は認められなかった。セルロース水分散体D3が含有するアニオン変性の微細繊維状セルロースの数平均繊維径は400nm、平均アスペクト比は20であった。該アニオン変性微細繊維状セルロースが含有するセルロースの結晶構造はI型結晶構造が「あり」であった。また、酸化前のセルロースの13C-NMRチャートで確認できるグルコース単位の1級水酸基のC6位に相当する62ppmのピークが、酸化反応後は消失し、代わりに178ppmにカルボキシル基に由来するピークが現れていた。よって、グルコース単位のC6位水酸基のみがカルボキシル基等に酸化されていることが確認された。
製造例4:撹拌機に、パルプ(LBKP、日本製紙(株)製)を乾燥質量で200g、水酸化ナトリウムを乾燥質量で308g加え、パルプ固形分濃度が15質量%になるように水を加えた。その後、30℃で30分攪拌した後に70℃まで昇温し、モノクロロ酢酸ナトリウムを410g(有効成分換算)添加した。1時間反応した後に、反応物を取り出して中和、洗浄して、カルボキシル基の含有量1.42mmol/gでグルコース単位当たりの置換度0.25のアニオン変性されたセルロースを得た。その後、アニオン変性したパルプに水を添加して固形分濃度2質量%とし、高圧ホモジナイザーにより20℃、140MPaの圧力で5回処理し、数平均繊維径10nm、平均アスペクト比171で、I型結晶構造を有するセルロース水分散体D4を得た。
製造例6:添加する次亜塩素酸ナトリウム水溶液を、パルプ1.0gに対して次亜塩素酸ナトリウム量が1.2mmol/gとした以外は、製造例1と同様の手法で酸化、還元後、0.1N塩酸を添加して中和した後、ろ過と水洗を繰り返して精製し、繊維表面が酸化された未解繊のセルロース繊維を含むセルロース水分散体D6を得た。得られたセルロース水分散体D6が含有するアニオン変性の未解繊のセルロース繊維のカルボキシル基の含有量は0.3mmol/g、カルボニル基の含有量は0.10mmol/gであり、アルデヒド基の検出は認められなかった。セルロース水分散体D6が含有するアニオン変性の未解繊のセルロース繊維の数平均繊維径は1020nm、平均アスペクト比は2400であった。該変性未解繊のセルロース繊維が含有するセルロースの結晶構造を広角X線回折像測定により確認したところ、I型結晶構造が「あり」であった。また、酸化前のセルロースの13C-NMRチャートで確認できるグルコース単位の1級水酸基のC6位に相当する62ppmのピークが、酸化反応後は消失し、代わりに、178ppmに、カルボキシル基に由来するピークが現れていた。よって、グルコース単位のC6位水酸基のみがカルボキシル基等に酸化されていることが確認された。
製造例7:原料を針葉樹パルプに替えて再生セルロースを使用し、添加する次亜塩素酸ナトリウム水溶液を、再生セルロース1.0gに対して次亜塩素酸ナトリウム量が27.0mmol/gとした以外は、製造例1と同様の手法で、セルロース水分散体D7を作製した。得られたセルロース水分散体D7は、数平均繊維径は測定不可能(1nm以下)で、カルボキシル基量3.1mmol/gであり、結晶構造を有していなかった。
試料0.25gを水に分散させた水分散体60mlを調製し、0.1Mの塩酸水溶液によってpHを約2.5とした後、0.05Mの水酸化ナトリウム水溶液を滴下して、電気伝導度測定を行った。測定はpHが約11になるまで続けた。電気伝導度の変化が緩やかな弱酸の中和段階において消費された水酸化ナトリウム量(V)から、下記の式(1)に従いカルボキシル基量を求めた。
カルボキシル基量(mmol/g)=V(mL)×〔0.05/セルロース試料質量(g)〕 …(1)
試料を約0.2g(乾燥質量)精秤し、これに、リン酸緩衝液によってpH=5に調整したセミカルバジド塩酸塩3g/l水溶液を正確に50ml加え、密栓し、二日間振とうした。次いで、この溶液10mlを正確に100mlビーカーに採取し、5N硫酸を25ml、0.05Nヨウ素酸カリウム水溶液を5ml加え、10分間撹拌した。その後、5%ヨウ化カリウム水溶液10mlを加えて、直ちに自動滴定装置を用いて、0.1Nチオ硫酸ナトリウム溶液にて滴定し、その滴定量等から、下記の式(2)に従い、試料中のカルボニル基量(アルデヒド基とケトン基との合計含量)を求めた。
カルボニル基量(mmol/g)=(D-B)×f×〔0.125/w〕 …(2)
D:サンプルの滴定量(ml)
B:空試験の滴定量(ml)
f:0.1Nチオ硫酸ナトリウム溶液のファクター(-)
w:試料量(g)
試料を0.4g精秤し、日本薬局方に従って調製したフェーリング試薬(酒石酸ナトリウムカリウム及び水酸化ナトリウムの混合溶液5mlと、硫酸銅五水和物水溶液5mlとの混合液)を加えた後、80℃で1時間加熱した。そして、上澄みが青色、試料部分(固形分)が紺色を呈するものは、アルデヒド基が検出されなかったと判断し、「なし」と評価した。また、上澄みが黄色、試料部分が赤色を呈するものは、アルデヒド基が検出されたと判断し、「あり」と評価した。
繊維状セルロースの数平均繊維径を、透過型電子顕微鏡(TEM)(日本電子社製、JEM-1400)を用いて観察した。すなわち、試料を親水化処理済みのカーボン膜被覆グリッド上にキャストした後、2質量%ウラニルアセテート水溶液でネガティブ染色したTEM像(倍率:10000倍)から、先に述べた方法に従い、数平均繊維径を算出した。
繊維状セルロースの平均アスペクト比を、以下のようにして測定した。すなわち、試料を、親水化処理済みのカーボン膜被覆グリッド上にキャストした後、2質量%ウラニルアセテート水溶液でネガティブ染色したTEM像(倍率:5000倍又は10000倍)から、先に述べた方法に従い、繊維状セルロースの数平均繊維径と数平均繊維長を求め、これらの値から、先に述べた方法に従い、平均アスペクト比を算出した。
X線回折装置(リガク社製、RINT-Ultima3)を用いて、試料の回折プロファイルを測定し、2θ=14°~17°付近と、2θ=22°~23°付近の2つの位置に典型的なピークが見られる場合は結晶構造(I型結晶構造)が「あり」と評価し、ピークが見られない場合は「なし」と評価した。
試料表面上のグルコースユニットのC6位の水酸基のみが選択的にカルボキシル基等に酸化されているかどうかについて、13C-NMRチャートで確認した。
上記カルボキシル基量の測定値を用い、下式を用いて算出した。ここで言う置換度とは、無水グルコース単位1モル当たりの置換基のモル数の平均値を表している。
カルボキシメチル置換度=(162×C)/(1-58×C)
C:カルボキシル基量(mol/g)
・3点曲げ強度:測定装置として引張圧縮試験機(AL-100kNB、ミネベア株式会社製)を用いて、JIS R1601(2008)に準じ、支点間距離80mm、クロスヘッド速度1.0mm/分の条件下で3点曲げ強度を測定した。なお、3点曲げ強度は、20試料の平均値を採用した。
吸水率(%)=(W2-W1)/W1×100
・湿式成形用組成物における粉砕状態:ボールミルを用いて、24時間回転させて粉砕を行った後のスラリー状の湿式成形用組成物の状態を観察し、以下の基準により評価した。
〇:湿式成形体が完全に粉砕され、スラリー状の湿式成形用組成物中に、未粉砕物や粗粒物が含まれない。
×:湿式成形体が完全には粉砕されておらず、スラリー状の湿式成形用組成物中に、未粉砕物や粗粒物が含まれる。
Claims (10)
- 可塑性粘土(A)と、骨材(B)と、融剤(C)と、繊維状セルロース(D)と、水(E)とを含有し、前記繊維状セルロース(D)が下記条件(a)、(b)および(c)を満たす、セラミックスの湿式成形用組成物。
(a)数平均繊維径が3nm以上1000nm以下。
(b)セルロースI型結晶構造を有する。
(c)平均アスペクト比が10以上1000以下。 - 前記繊維状セルロース(D)がカルボキシル基を有する、請求項1に記載の湿式成形用組成物。
- 前記繊維状セルロース(D)の含有量が、可塑性粘土(A)と骨材(B)と融剤(C)の総量100質量部に対し、0.2質量部以上である、請求項1又は2に記載の湿式成形用組成物。
- 前記可塑性粘土(A)が、蛙目粘土、木節粘土、カオリン、セリサイト、及びベントナイトからなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1~3のいずれか1項に記載の湿式成形用組成物。
- 前記可塑性粘土(A)の含有量が、可塑性粘土(A)と骨材(B)と融剤(C)の総量100質量部中、10~50質量部である、請求項1~4のいずれか1項に記載の湿式成形用組成物。
- 前記骨材(B)が、珪石、珪砂、焼きカオリン、陶石、蝋石、マサ土、セルベン、シャモット、及びジルコンからなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1~5のいずれか1項に記載の湿式成形用組成物。
- 前記融剤(C)が、長石、準長石、石灰石、ドロマイト、滑石、リン酸カルシウム、亜鉛華、炭酸リチウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、炭酸ストロンチウム、及びケイ酸リチウムからなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1~6のいずれか1項に記載の湿式成形用組成物。
- 請求項1~7のいずれか1項に記載の湿式成形用組成物を湿式成形する、湿式成形体の製造方法。
- 前記湿式成形が、手びねり成形、紐つくり成形、型起こし成形、ろくろ成形、ローラーマシーン成形、鋳込み成形、又は押出成形である請求項8に記載の湿式成形体の製造方法。
- 請求項8又は9に記載の製造方法により得られた湿式成形体を焼成することを含む、セラミックスの製造方法。
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