JP7037683B1 - 水添ブロック共重合体、その製造方法、及びそのクラム、並びに水添ブロック共重合体を含むゲル組成物 - Google Patents

水添ブロック共重合体、その製造方法、及びそのクラム、並びに水添ブロック共重合体を含むゲル組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】経時的に粘度変化が少なく、かつ物性バランスに優れたゲル組成物を与えることができる水添ブロック共重合体、その製造方法、及びそのクラム、並びにゲル組成物を提供する。【解決手段】芳香族ビニル化合物に由来する構造単位を含有する重合体ブロック(A)及び共役ジエン化合物に由来する構造単位を含有する重合体ブロック(B)からなるブロック共重合体の水素添加物であって、下記条件を満たす水添ブロック共重合体、その製造方法及びクラム、並びにゲル組成物。(1)前記ブロック共重合体のピークトップ分子量が50,000~300,000である。(2)前記水添ブロック共重合体における前記重合体ブロック(A)の含有量が20.0~50.0質量%である。(3)基油としてパラフィンオイルと前記水添ブロック共重合体とを質量比9:1の割合で含有するゲル組成物において、前記ゲル組成物が特定の条件を満たす。【選択図】なし

Description

本発明は、水添ブロック共重合体、その製造方法、及びそのクラム、並びに水添ブロック共重合体を含むゲル組成物に関する。
光ファイバーケーブルや電線ケーブル等のケーブル類は、一般的に、1本以上のケーブル等を樹脂製の保護チューブ等に収容した状態で敷設される。よって、敷設に際して保護チューブに対して衝撃や応力が加わると、保護チューブと内部のケーブル、または、内部のケーブル同士が干渉し、内部のケーブルが損傷するという問題がある。この問題を解消する方法として、例えば、保護チューブとケーブルとの空隙にゲル組成物等の緩衝材を充填する方法がある。また、光ファイバーケーブルの場合は、繊細な光ファイバー心線の損傷を防止するため、ケーブル内の光ファイバー心線の周りにゲル組成物等の緩衝材を充填する方法もある。
このような用途に用いられる緩衝材は、内部を保護するために弾力性を有している必要があると共に、保護チューブやケーブル内に容易に充填でき、ケーブルの屈曲等の形状変化に追従して形状を変化させ、且つ保護チューブやケーブルが損傷した場合に内部から充填材が流れ出ない程度の粘度を有している必要がある。また、様々な温度下において一定の特性を示す性質や、保護チューブやケーブルが損傷した場合に内部に水が浸入することを防ぐことができる性質等も求められている。
このようなゲル組成物として、例えば、特許文献1には、特定のオイル、スチレン-(エチレン/プロピレン)ジブロックコポリマー、光酸化防止剤、光金属不活性化剤を含む充填材料が記載されている。また、特許文献2には、(i)フィッシャー・トロプシュ誘導基油;及び(ii)増粘系;を含み、増粘系は少なくとも1種類のブロックコポリマーを含む、光ファイバーケーブル用のケーブル充填材組成物が記載されている。
特開平10-67913号公報 特表2015-527448号公報
特許文献1及び2等に記載のケーブル用充填材組成物は、所定の粘度範囲、一定以上の滴点及び離油度等の物性バランスについてさらに優れることが望まれている。
また例えば、ケーブル充填材組成物を生産する会社と、これをケーブルに充填する会社とが異なる場合もあり、ケーブル充填材組成物を生産してから充填するまでにある程度の日数が経過するため、ケーブル充填材組成物の生産直後から粘度が極力変化せずに安定していることが望まれている。
そこで本発明は、経時的に粘度変化が少なく、かつ物性バランスに優れたゲル組成物を与えることができる水添ブロック共重合体、その製造方法、及びそのクラム、並びに水添ブロック共重合体を含むゲル組成物を提供することを課題とする。
上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明者らは下記本発明を想到し、当該課題を解決できることを見出した。
すなわち、本発明は下記のとおりである。
[1]芳香族ビニル化合物に由来する構造単位を含有する重合体ブロック(A)及び共役ジエン化合物に由来する構造単位を含有する重合体ブロック(B)からなるブロック共重合体の水素添加物であって、下記条件を満たす、水添ブロック共重合体。
(1)前記ブロック共重合体のピークトップ分子量が50,000~300,000である。
(2)前記水添ブロック共重合体における前記重合体ブロック(A)の含有量が20.0~50.0質量%である。
(3)基油としてパラフィンオイルと前記水添ブロック共重合体とを質量比9:1の割合で含有するゲル組成物において、前記ゲル組成物が下記条件を満たす。
(3-1)前記ゲル組成物の調製直後に対する、調製から48時間経過後の25℃、50/秒で測定するせん断速度条件における粘度の変化率が95~110%である。
(3-2)前記ゲル組成物のJIS K 2220:2013に準拠して測定した滴点が200℃以上である。
(3-3)前記ゲル組成物のJIS K 2220:2013に準拠して測定した離油度が1.0%以下である。
[2]反応系内に、共役ジエン化合物を添加して重合した後、芳香族ビニル化合物を添加して重合することでブロック共重合体を得る工程を有する、前記水添ブロック共重合体の製造方法。
[3]前記水添ブロック共重合体からなるクラム。
[4]基油及び前記水添ブロック共重合体を含有する、ゲル組成物。
[5]前記ゲル組成物からなるケーブル充填材。
本発明によれば、経時的に粘度変化が少なく、かつ物性バランスに優れたゲル組成物を与えることができる水添ブロック共重合体、その製造方法、及びそのクラム、並びに水添ブロック共重合体を含むゲル組成物を提供することができる。
<水添ブロック共重合体>
水添ブロック共重合体は、芳香族ビニル化合物に由来する構造単位を含有する重合体ブロック(A)及び共役ジエン化合物に由来する構造単位を含有する重合体ブロック(B)からなるブロック共重合体の水素添加物であって、下記条件(1)~(3)を満たすことを特徴とする。
[条件(1)]
(1)上記ブロック共重合体のピークトップ分子量が50,000~300,000である。
ブロック共重合体のピークトップ分子量が50,000未満であると、ゲル組成物に適した粘度に調製することが困難になる。また、ピークトップ分子量が300,000を超えると水添ブロック共重合体を基油に溶解させるのに時間が掛かり過ぎるおそれがある。
ゲル組成物のケーブル用充填材としての適度な粘度を容易に発現する観点から、ピークトップ分子量は、好ましくは70,000以上、より好ましくは100,000以上、さらに好ましくは110,000以上である。また、上記と同様の観点から、ピークトップ分子量は、好ましくは250,000以下、より好ましくは200,000以下、さらに好ましくは150,000以下である。
ブロック共重合体のピークトップ分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー測定によって求めた標準ポリスチレン換算のピークトップ分子量であり、より詳細には実施例に記載の方法に従って測定した値である。
[条件(2)]
(2)上記水添ブロック共重合体における上記重合体ブロック(A)の含有量が20.0~50.0質量%である。
水添ブロック共重合体中の重合体ブロック(A)の含有量が20.0質量%未満であると、ケーブル用の充填材として用いることができる十分な粘度及び高い滴点が得られにくくなる。また、重合体ブロック(A)の上記含有量が50.0質量%を超えると、粘度が高くなりケーブルの製造時にゲル組成物を保護チューブやケーブル内に充填することが困難となる。
本発明にあっては、ゲル組成物を保護チューブやケーブル内に充填するような高せん断速度条件において容易に充填できるようにする観点から、ゲル組成物の粘度が低いことが求められている。一方、ケーブルの使用中に欠損が生じた際に充填材が流出するような低せん断速度条件において、ゲル組成物がケーブル外に流出しにくくする観点から、ゲル組成物の粘度が高いことが求められる。そのため、高せん断速度条件での粘度に対する低せん断速度条件での粘度の比は高いことが好ましく、この粘度比を高くすることを目的とする場合は、水添ブロック共重合体中の重合体ブロック(A)の含有量は、好ましくは30.0質量%以上、より好ましくは32.5質量%以上、さらに好ましくは34.0質量%以上、よりさらに好ましくは35.5質量%以上である。また上記観点から、水添ブロック共重合体中の重合体ブロック(A)の含有量は、好ましくは48.0質量%以下、より好ましくは45.0質量%以下、さらに好ましくは43.0質量%以下である。
水添ブロック共重合体における重合体ブロック(A)の含有量は、H-NMRスペクトルにより求めた値であり、より詳細には実施例に記載の方法に従って測定した値である。
[条件(3)]
(3)基油としてパラフィンオイルと水添ブロック共重合体とを質量比(基油:水添ブロック共重合体)9:1の割合で含有するゲル組成物において、ゲル組成物が下記条件(3-1)、(3-2)及び(3-3)を満たす。
上記条件(3)は、粘度、滴点及び離油度に影響を及ぼさない範囲において酸化防止剤等の各種添加剤をさらに含有するゲル組成物にも適用できる。例えば、条件(3)は、パラフィンオイル90質量部、水添ブロック共重合体10質量部、及びヒンダードフェノール系酸化防止剤0.05質量部のゲル組成物であってもよい。
(3-1)上記ゲル組成物の調製直後に対する、調製から48時間経過後の25℃、50/秒で測定するせん断速度条件における粘度の変化率が95~110%である。
上記ゲル組成物の粘度変化率が95%未満であると、ケーブルの使用中に欠損が生じた際にゲル組成物が流出するおそれがある。また、上記ゲル組成物の粘度変化率が110%を超えると、ゲル組成物を生産してからケーブル充填材として使用されるまでにある程度の日数があるとゲル組成物を充填するのが困難になるおそれがあり、さらにケーブルとして使用できる弾力性を超えてしまうおそれも生じる。
ゲル組成物を生産してからケーブル充填材として使用されるまでにある程度の日数がある場合において、調製直後のケーブル充填材の充填のしやすさと流出のしにくさの両方の観点から、上記ゲル組成物の上記粘度変化率は好ましくは98%以上、より好ましくは99%以上であり、また好ましくは109%以下、より好ましくは108%以下である。
なお本明細書において、48時間経過後の上記粘度変化率は次の式により算出した値である。
粘度変化率%=[(調製から48時間経過後の粘度mPa・s)/(ゲル組成物の調製直後の粘度mPa・s)]×100
また、上記粘度変化率の範囲は、後述する工程を有する製造方法によりブロック共重合体を製造すること等によって達成される。
また、ケーブルとして使用できる範囲の弾力性を保つ観点から、上記条件で測定する96時間経過以降の粘度は、48時間経過後の粘度と比べてほとんど変化しないことが好ましい。具体的には、48時間経過後と96時間経過後との上記条件で測定した粘度の変化率は好ましくは3%以下である。
また、本明細書における粘度は、レオメーターにより測定した値を指し、具体的には、実施例に記載の測定方法により測定した値を指す。
なお、本発明の水添ブロック共重合体は、条件(3)で示した基油と水添ブロック共重合体の含有割合に限定されず、またパラフィンオイル以外の種類の基油を用いても、経時的に粘度変化が少なく、かつ物性バランスに優れたゲル組成物を与えることが可能である。
(3-2)上記ゲル組成物のJIS K 2220:2013に準拠して測定した滴点(ゲル組成物が半固体から液状に変わる温度)が200℃以上である。
ゲル組成物の滴点が200℃未満であると、保護チューブが破損した場合に保護チューブやケーブル内から充填材としてのゲル組成物が容易に流出するおそれがある。
保護チューブが破損した場合であっても広い範囲の温度下において保護チューブやケーブル内から充填材としてのゲル組成物が流出しにくくなり、またゲル組成物の耐久性及び長期安定性の観点から、上記ゲル組成物の滴点は、好ましくは180℃以上、より好ましくは185℃以上、さらに好ましくは190℃以上、よりさらに好ましくは195℃以上、よりさらに好ましくは200℃以上、よりさらに好ましくは204℃以上であり、上限値に制限はないが、通常400℃以下であってもよく、300℃以下であってもよい。
なお、本明細書における滴点は、JIS K 2220:2013に準じた方法で測定した値を指し、具体的には、実施例に記載の測定方法により測定した値を指す。
(3-3)上記ゲル組成物のJIS K 2220:2013に準拠して測定した離油度が1.0%以下である。
上記ゲル組成物の離油度が1.0%を超えると、保護チューブやケーブル内において基油が分離しやすくなりケーブル充填材の柔軟性が損なわれ、また分離した基油は保護チューブ等が破損すると容易に流出するため水等が流入しやすくなるおそれがある。なお、離油度とは、長期間経過後におけるオイル保持率の指標である。
上記ゲル組成物の離油度は、保護チューブやケーブル内においてゲル組成物の分離を防ぎ、またゲル組成物の耐久性及び長期安定性の観点から、好ましくは0.8%以下、より好ましくは0.6%以下、さらに好ましくは0.5%以下であり、0%に近づくほど好適である。
本明細書における離油度は、JIS K 2220:2013に準じた方法により80℃で24時間保持した後に測定した値であり、具体的には実施例の記載に基づいて測定することができる。
[条件(4)]
さらに、水添ブロック共重合体は、ケーブル充填材としてのゲル組成物の充填のしやすさと流出のしにくさの両方を考慮し、ケーブル充填材の取扱性を高める観点から下記条件(4)を満たすことが好ましい。
(4)前記(3)のゲル組成物について、調製直後及び調製から48時間経過後の25℃、50/秒で測定するせん断速度条件における粘度がいずれも2,000~10,000mPa・sである。
ゲル組成物の上記条件(4)における粘度が上記範囲内であれば、ゲル組成物を保護チューブやケーブルに充填しやすく、またこれらが損傷した場合に内部からゲル組成物が流れ出ることを抑制できる観点で好ましい。
上記観点から、上記条件(4)における粘度は、より好ましくは3,000mPa・s以上、さらに好ましくは3,500mPa・s以上、よりさらに好ましくは3,800mPa・s以上である。またケーブルの製造時にゲル組成物を保護チューブやケーブル内に容易に充填する観点から、より好ましくは9,000mPa・s以下、さらに好ましくは8,000mPa・s以下、よりさらに好ましくは7,000mPa・s以下、よりさらに好ましくは6,000mPa・s以下、よりさらに好ましくは5,000mPa・s以下である。
[ブロック共重合体]
ブロック共重合体は、芳香族ビニル化合物に由来する構造単位を含有する重合体ブロック(A)及び共役ジエン化合物に由来する構造単位を含有する重合体ブロック(B)からなる。ゲル組成物に適度な粘度を発現でき、滴点及び離油度等の物性バランスに優れさせるのに好適である観点から、好ましい結合様式は重合体ブロック(A)及び重合体ブロック(B)からなるジブロック共重合体である。
(重合体ブロック(A))
重合体ブロック(A)は、芳香族ビニル化合物に由来する構造単位を主体とすることが好ましい。本明細書における「主体とする」とは、重合体ブロック(A)の合計質量に基づいて芳香族ビニル化合物に由来する構造単位を50質量%以上含むことをいう。重合体ブロック(A)中の芳香族ビニル化合物由来の構造単位の含有量は、ゲル組成物の粘度をケーブルとして使用できる適度な範囲にする観点から、重合体ブロック(A)の合計質量に基づいて、好ましくは70質量%以上、より好ましくは80質量%以上であり、さらに好ましくは90質量%以上であり、よりさらに好ましくは95質量%以上であり、100質量%であってもよい。
前記芳香族ビニル化合物としては、例えば、スチレン、o-メチルスチレン、m-メチルスチレン、p-メチルスチレン、α-メチルスチレン、β-メチルスチレン、2,6-ジメチルスチレン、2,4-ジメチルスチレン、α-メチル-o-メチルスチレン、α-メチル-m-メチルスチレン、α-メチル-p-メチルスチレン、β-メチル-o-メチルスチレン、β-メチル-m-メチルスチレン、β-メチル-p-メチルスチレン、2,4,6-トリメチルスチレン、α-メチル-2,6-ジメチルスチレン、α-メチル-2,4-ジメチルスチレン、β-メチル-2,6-ジメチルスチレン、β-メチル-2,4-ジメチルスチレン、o-クロロスチレン、m-クロロスチレン、p-クロロスチレン、2,6-ジクロロスチレン、2,4-ジクロロスチレン、α-クロロ-o-クロロスチレン、α-クロロ-m-クロロスチレン、α-クロロ-p-クロロスチレン、β-クロロ-o-クロロスチレン、β-クロロ-m-クロロスチレン、β-クロロ-p-クロロスチレン、2,4,6-トリクロロスチレン、α-クロロ-2,6-ジクロロスチレン、α-クロロ-2,4-ジクロロスチレン、β-クロロ-2,6-ジクロロスチレン、β-クロロ-2,4-ジクロロスチレン、o-t-ブチルスチレン、m-t-ブチルスチレン、p-t-ブチルスチレン、o-メトキシスチレン、m-メトキシスチレン、p-メトキシスチレン、o-クロロメチルスチレン、m-クロロメチルスチレン、p-クロロメチルスチレン、o-ブロモメチルスチレン、m-ブロモメチルスチレン、p-ブロモメチルスチレン、シリル基で置換されたスチレン誘導体、インデン、及びビニルナフタレン等が挙げられる。
これらの中でも、製造コスト及び物性バランスの観点から、スチレン、α-メチルスチレン、及びp-メチルスチレン及びこれらの混合物が好ましく、スチレンがより好ましい。
重合体ブロック(A)は、本発明の効果の妨げにならない限り、芳香族ビニル化合物以外の他の重合性単量体に由来する構造単位を含有していてもよい。他の重合性単量体としては、例えば、ブタジエン、イソプレン、2,3-ジメチル-1,3-ブタジエン、1,3-ペンタジエン、1,3-ヘキサジエン、イソブチレン、メタクリル酸メチル、メチルビニルエーテル、β-ピネン、8,9-p-メンテン、ジペンテン、メチレンノルボルネン、及び2-メチレンテトラヒドロフラン等から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。
重合体ブロック(A)が他の重合性単量体に由来する構造単位を含有する場合、その結合形態は特に制限はなく、ランダム、テーパー状のいずれでもよい。
重合体ブロック(A)が芳香族ビニル化合物以外の他の重合性単量体に由来する構造単位を含有している場合、その含有量は、重合体ブロック(A)の合計質量に基づいて30質量%以下であることが好ましく、20質量%以下であることがより好ましく、10質量%以下であることがさらに好ましく、5質量%以下であることがよりさらに好ましい。
重合体ブロック(A)のピークトップ分子量(Mt)は、ゲル組成物のケーブル用充填材としての適度な粘度と滴点を向上させる観点から、好ましくは10,000以上、より好ましくは15,000以上、さらに好ましくは30,000以上である。また重合体ブロック(A)のピークトップ分子量(Mt)は、好ましくは100,000以下、より好ましくは70,000以下、さらに好ましくは50,000以下である。
なお、重合体ブロック(A)のピークトップ分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)測定によって求めた標準ポリスチレン換算のピークトップ分子量である。水添ブロック共重合体の製造において、共役ジエン化合物を初めに重合して重合体ブロック(B)を形成し、続いて芳香族ビニル化合物を重合して重合体ブロック(A)を形成する場合には、得られたブロック共重合体(水素添加前)のピークトップ分子量(Mt)から重合体ブロック(B)のピークトップ分子量(Mt)を差し引くことによって、重合体ブロック(A)のピークトップ分子量を求めることができる。より詳細には実施例に記載の方法に従って測定した値である。
(重合体ブロック(B))
重合体ブロック(B)は、共役ジエン化合物に由来する構造単位を主体とすることが好ましい。本明細書における「主体とする」とは、重合体ブロック(B)の合計質量に基づいて共役ジエン化合物に由来する構造単位を50質量%以上含むことをいう。重合体ブロック(B)中の共役ジエン化合物に由来する構造単位の含有量は、重合体ブロック(B)の合計質量に基づいて、好ましくは70質量%以上、より好ましくは80質量%以上であり、さらに好ましくは90質量%以上であり、よりさらに好ましくは95質量%以上であり、100質量%であってもよい。重合体ブロック(B)中の共役ジエン化合物に由来する構造単位の含有量が前記範囲内であると、水添ブロック共重合体の基油への溶解性が高くなり、ゲル組成物の製造が容易になる。
前記共役ジエン化合物としては、例えば、炭素数12以下の共役ジエン化合物を挙げることができる。共役ジエン化合物の炭素数は、好ましくは4以上であり、また好ましくは10以下、より好ましくは8以下である。
炭素数12以下の共役ジエン化合物としては、例えば、ブタジエン、イソプレン、2,3-ジメチル-ブタジエン、2-フェニル-ブタジエン、1,3-ペンタジエン、2-メチル-1,3-ペンタジエン、1,3-ヘキサジエン、1,3-オクタジエン、1,3-シクロヘキサジエン、2-メチル-1,3-オクタジエン、1,3,7-オクタトリエン、ミルセン、及びクロロプレン等が挙げられる。これらの中ではブタジエン、イソプレン、及びミルセンが好ましく、ブタジエン及びイソプレンがより好ましく、イソプレンがさらに好ましい。これらの共役ジエン化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの結合形態は、ランダム、テーパー、完全交互、一部ブロック状、ブロック、又はそれらの2種以上の組合せからなることができる。
重合体ブロック(B)のピークトップ分子量(Mt)は、水添ブロック共重合体の基油への溶解性を良好にできる観点から、好ましくは40,000以上、より好ましくは60,000以上、さらに好ましくは70,000以上、よりさらに好ましくは75,000以上である。また、重合体ブロック(B)のピークトップ分子量(Mt)は、好ましくは200,000以下、より好ましくは130,000以下、さらに好ましくは110,000以下である。
なお、重合体ブロック(B)のピークトップ分子量は、前述と同様に、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)測定によって求めた標準ポリスチレン換算のピークトップ分子量である。水添ブロック共重合体の製造において、共役ジエン化合物を初めに重合して重合体ブロック(B)を形成し、続いて芳香族ビニル化合物を重合して重合体ブロック(A)を形成する場合には、重合体ブロック(B)を形成した後に反応液の一部を採取し、それをGPC測定することで重合体ブロック(B)のピークトップ分子量を求めることができる。より詳細には実施例に記載の方法に従って測定した値である。
重合体ブロック(B)は、本発明の効果の妨げにならない限り、共役ジエン化合物以外の他の重合性単量体に由来する構造単位を含有していてもよい。他の重合性単量体としては、スチレン、α-メチルスチレン、o-メチルスチレン、m-メチルスチレン、p-メチルスチレン、p-t-ブチルスチレン、2,4-ジメチルスチレン、ビニルナフタレン及びビニルアントラセン等の芳香族ビニル化合物、メタクリル酸メチル、メチルビニルエーテル、N-ビニルカルバゾール、β-ピネン、8,9-p-メンテン、ジペンテン、メチレンノルボルネン、及び2-メチレンテトラヒドロフラン等から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。
重合体ブロック(B)が他の重合性単量体に由来する構造単位を含有する場合、その結合形態は特に制限はなく、ランダム、テーパー状のいずれでもよい。
重合体ブロック(B)が共役ジエン化合物以外の他の重合性単量体に由来する構造単位を含有している場合、その含有量は、重合体ブロック(B)の合計質量に基づいて30質量%以下であることが好ましく、20質量%以下であることがより好ましく、10質量%以下であることがさらに好ましく、5質量%以下であることがよりさらに好ましい。
<水添ブロック共重合体の製造方法>
水添ブロック共重合体の製造方法は、反応系内に、共役ジエン化合物を添加して重合した後、芳香族ビニル化合物を添加して重合することでブロック共重合体を得る工程を有することを特徴とする。上記工程を経ることにより、経時的な粘度変化が少なく、かつ物性バランスに優れるゲル組成物を与えることができる水添ブロック共重合体とすることができる。一方、例えば、芳香族ビニル化合物を添加して重合した後、共役ジエン化合物を添加して重合することでブロック共重合体を得る工程のように、上記工程を経ずに製造する水添ブロック共重合体では、本発明の効果を奏することは困難である。
本発明者らは、上記工程を経る製造方法に加え、前述したブロック共重合体のピークトップ分子量や重合体ブロック(A)の含有量、及び発明の各種構成要件等についてさらに検討することで、保護チューブやケーブル等により好適な粘度、滴点及び離油度等の物性を有するゲル組成物を達成し得ることを見出した。
上記重合反応は、例えば、溶液重合法、乳化重合法、又は固相重合法等により製造することができる。中でも溶液重合法が好ましく、例えば、アニオン重合、カチオン重合等のイオン重合法、ラジカル重合法等の公知の方法を適用できる。中でも、アニオン重合法が好ましい。アニオン重合法では、溶媒、アニオン重合開始剤、及び必要に応じてルイス塩基の存在下、上記の順番で芳香族ビニル化合物及び共役ジエン化合物を逐次添加して、ブロック共重合体を得る。そして、得られたブロック共重合体を水素添加することにより水添ブロック共重合体を得ることができる。
アニオン重合の重合開始剤として使用し得る有機リチウム化合物としては、例えばメチルリチウム、エチルリチウム、n-ブチルリチウム、sec-ブチルリチウム、tert-ブチルリチウム、ペンチルリチウム等が挙げられる。また、重合開始剤として使用し得るジリチウム化合物としては、例えばナフタレンジリチウム、ジリチオヘキシルベンゼン等が挙げられる。
これらの重合開始剤の使用量は、水添ブロック共重合体の所望とする重量平均分子量により適宜決定される。通常は、有機リチウム化合物、ジリチウム化合物等の開始剤は、重合に用いる芳香族ビニル化合物及び共役ジエン化合物等の単量体の合計100質量部あたり0.01~0.2質量部の割合で用いられるのが好ましい。
溶媒としては、アニオン重合反応に悪影響を及ぼさなければ特に制限はなく、例えば、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、n-ヘキサン、n-ペンタン等の脂肪族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素等が挙げられる。また、重合反応は、通常0~100℃、好ましくは20~80℃の温度で、0.5~50時間、好ましくは1~30時間行う。
ルイス塩基は共役ジエン化合物由来の構造単位におけるミクロ構造を制御する役割がある。かかるルイス塩基としては、例えば、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、ピリジン、N,N,N’,N’-テトラメチルエチレンジアミン、トリメチルアミン、N-メチルモルフォリン等が挙げられる。ルイス塩基は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記した方法により重合を行なった後、アルコール類、カルボン酸類、水等の活性水素化合物を添加して重合反応を停止させて、ブロック共重合体を得てもよい。
上述の工程を経て得られたブロック共重合体を、公知の方法にしたがって不活性有機溶媒中で水添触媒の存在下に水素添加することにより、水添ブロック共重合体を得ることができる。当該水添反応により、ブロック共重合体における重合体ブロック(B)中の共役ジエン化合物に由来する炭素-炭素二重結合が水素添加され、ブロック共重合体の水素添加物とすることができる。
水添ブロック共重合体における、重合体ブロック(B)の水素添加率は好ましくは90.0~99.8モル%である。水素添加率は、より好ましくは95.0モル%以上、さらに好ましくは97.0モル%以上であり、上限は好ましくは99.8モル%である。
上記水素添加率は、重合体ブロック(B)中の共役ジエン化合物由来の構造単位中の炭素-炭素二重結合の含有量を、水素添加後のH-NMR測定によって求めた値であり、より詳細には実施例に記載の方法に従って測定した値である。
水添反応は、水素圧力を0.1~20MPa程度、好ましくは0.5~15MPa、より好ましくは0.5~5MPa、反応温度を20~250℃程度、好ましくは50~180℃、より好ましくは70~180℃、反応時間を通常0.1~100時間、好ましくは1~50時間として実施することができる。
水添触媒としては、例えば、ラネーニッケル;Pt、Pd、Ru、Rh、Ni等の金属をカーボン、アルミナ、珪藻土等の担体に担持させた不均一系触媒;遷移金属化合物とアルキルアルミニウム化合物、アルキルリチウム化合物等との組み合わせからなるチーグラー系触媒;メタロセン系触媒等が挙げられる。
これら水添触媒の中でも、共役ジエン化合物に由来する炭素-炭素二重結合の水素添加を良好に進行させることができる観点から、好ましくはチーグラー系触媒、より好ましくは遷移金属化合物とアルキルアルミニウム化合物との組み合わせからなるチーグラー系触媒ある。
このようにして得られた水添ブロック共重合体は、水添反応液を放冷及び放圧した後、水洗により触媒を除去し乾燥することで単離することができる。より具体的に、水添反応液をメタノール等に注ぐことにより凝固させた後、加熱又は減圧乾燥させるか、水添反応液をスチームと共に熱水中に注ぎ、溶媒を共沸させて除去するいわゆるスチームストリッピングを施した後、加熱又は減圧乾燥することにより取得することができる。
水添ブロック共重合体は、クラム状、パウダー状、ペレット状、及びポーラスペレット状等のいずれの形状とすることができ、用途に応じて選択できる。例えば、水添ブロック共重合体を後述するゲル組成物に用いる場合、水添ブロック共重合体からなるクラムとしてもよい。
水添ブロック共重合体を含む溶液(好ましくは反応が終了した状態の溶液)を、公知の方法でスチームストリッピングすることによって、クラム状の水添ブロック共重合体を単離することができる。具体的には、重合体溶液をスチームと共に水中に導入して溶媒を共沸回収すると同時に重合体を水性スラリーとして取得し(スチームストリッピング工程)、次いでこの水性スラリーを通常の方法で脱水し、乾燥することにより、クラム状の水添ブロック共重合体を単離することができる。
<ゲル組成物>
本発明のゲル組成物は上述の水添ブロック共重合体及び基油を含有する。
水添ブロック共重合体は、クラム状又はパウダー状であることが好ましい。水添ブロック共重合体がクラム状又はパウダー状であれば、ゲル組成物を製造する際に混合時間を短くすることができ、短時間でゲル組成物を製造しやすくなる。また、短時間でゲル組成物を製造することで、混合時の熱によるゲル組成物の劣化が抑えられ、滴点などのゲル組成物の物性を損なうおそれが少なくなる。
またゲル組成物は、水添ブロック共重合体及び基油の合計100質量部に対し、基油の含有量は、好ましくは80質量部以上、好ましくは94質量部以下である。
ゲル組成物中の基油の上記含有量が80質量以上であれば、ケーブルの製造時にゲル組成物をケーブル用充填材として用いる場合に、ゲル組成物を保護チューブやケーブル内に容易に充填できる。また、ゲル組成物中の基油の上記含有量が94質量部以下であれば、ケーブル用充填材として十分な粘度が得られ、ケーブルが損傷した場合に内部からゲル組成物が流れ出ることを抑制しやすくなる。また、上述の水添ブロック共重合体を用いることにより、上記含有量の範囲内において、粘度、滴点及び離油度等の物性バランスに優れたゲル組成物を安定して得ることが容易となる。
また水添ブロック共重合体及び基油の合計100質量部に対し、基油の含有量は、より好ましくは83質量部以上、さらに好ましくは86質量部以上、よりさらに好ましくは88質量部以上である。また、水添ブロック共重合体及び基油の合計100質量部に対し、基油の含有量は、より好ましくは93質量部以下、さらに好ましくは92質量部以下、よりさらに好ましくは90.5質量部以下である。
[基油]
基油としては、例えば、鉱油、及び合成油が挙げられる。
鉱油としては、溶剤精製、水添精製等の通常の精製法により得られた、パラフィン系鉱油、及びナフテン系鉱油、さらにフィッシャートロプシュプロセス等により製造されたワックス(ガストゥリキッドワックス)、ワックスを異性化することによって製造された鉱油等が挙げられる。
合成油としては、炭化水素系合成油、エーテル系合成油等が挙げられる。炭化水素系合成油としては、ポリブテン、ポリイソブチレン、1-オクテンオリゴマー、1-デセンオリゴマー、及びエチレン-プロピレン共重合体等のα-オレフィンオリゴマー又はその水素化物、アルキルベンゼン、及びアルキルナフタレン等が挙げられる。エーテル系合成油としては、ポリオキシアルキレングリコール、及びポリフェニルエーテル等が挙げられる。
基油は、前記鉱油及び合成油から選ばれる1種を用いたものでも、鉱油の2種以上、合成油の2種以上、又は鉱油及び合成油のそれぞれの1種以上を混合したものでもよい。
本発明においては、ゲル組成物中の水添ブロック共重合体の配合比率が少ない場合であってもケーブル用の充填材として適した粘度を有するゲル組成物を得る観点から、鉱油が好ましく、パラフィン系鉱油、及びナフテン系鉱油から選ばれる少なくとも1種がより好ましい。さらに、水添ブロック共重合体中の重合体ブロック(A)を可塑化されにくくすることによりゲル組成物の粘度を、ケーブルとして使用できる適度な範囲にする観点から、パラフィン系鉱油がさらに好ましい。
本発明において用いる鉱油、及び合成油は、米国石油協会の基油分類においてグループI、II、III、IV、及びVに分類される。そのうち、グループII及びグループIIIに分類されるパラフィン系鉱油が、硫黄分が少なく飽和分が多いため好ましく、グループIIに分類されるパラフィン系鉱油が特に好ましい。
本発明において用いる基油の粘度指数は、好ましくは70以上、より好ましくは80以上、さらに好ましくは90以上、よりさらに好ましくは100以上である。そして基油の粘度指数は、好ましくは200以下、より好ましくは180以下、さらに好ましくは160以下、よりさらに好ましくは150以下、よりさらに好ましくは140以下である。
[その他の成分]
本発明のゲル組成物は、本発明の効果を損なわない限りにおいて、必要に応じて、酸化防止剤、界面活性剤、流動点降下剤、消泡剤、ゲル化剤、粘度指数向上剤、増粘剤、吸水剤、難燃剤、フィラー、粘着付与樹脂、チキソトロープ剤、石油ワックス、金属不活性化剤、銅不動態化剤及び摩擦調整剤等のその他の成分を含有していてもよい。
酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、芳香族アミン系酸化防止剤、ヒンダードアミン系酸化防止剤、スルフィド系酸化防止剤、及び有機リン酸系酸化防止剤等を挙げることができる。これらの中でも、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、芳香族アミン系酸化防止剤、及び有機リン酸系酸化防止剤が好ましく、ヒンダードフェノール系酸化防止剤がさらに好ましい。これら酸化防止剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明のゲル組成物が酸化防止剤を含有する場合、酸化防止剤の含有量は、前記基油及び前記水添ブロック共重合体の合計100質量部に対して、好ましくは0.01~1質量部、より好ましくは0.02~0.5質量部、さらに好ましくは0.03~0.3質量部である。
[ゲル組成物の製造方法]
本発明のゲル組成物は、本分野で周知の製造方法を用いて製造することができる。例えば、前記水添ブロック共重合体、前記の基油、及び必要に応じて前記その他の成分を混合することによって製造することができる。混合は、周知の混合装置を用いて行うことができる。
より具体的には、前記水添ブロック共重合体、前記基油、及び必要に応じて前記その他の成分を、空気下又は窒素下で100~200℃で0.1~10時間混合し、必要に応じて真空下にした後、冷却することにより製造することができる。
[粘度]
本発明のゲル組成物は前記水添ブロック共重合体及び基油を含有するものであり、前記水添ブロック共重合体は経時的に粘度変化が少ないゲル組成物を与えることができる。
したがって本発明のゲル組成物は、好ましい態様の一つとして、ゲル組成物の調製直後に対する、調製から48時間経過後の25℃、50/秒で測定するせん断速度条件における粘度の変化率を95~110%とすることも可能である。上記条件におけるゲル組成物の粘度の変化率が上記範囲内であれば、ゲル組成物を生産してからケーブル充填材として使用されるまでにある程度の日数があってもゲル組成物を容易に充填でき、ケーブルの使用中に欠損が生じた際にゲル組成物の流出を防ぎやすくなり、かつケーブルとして使用できる弾力性を超えるおそれもほとんどない。上記変化率はより好ましくは98%以上、さらに好ましくは99%以上、また上記変化率の上限はより好ましくは109%以下、さらに好ましくは108%以下である。
上記条件におけるゲル組成物の粘度の変化率である95~110%は、例えば前述の水添ブロック共重合体を適切な製造方法により製造すること、ゲル組成物に用いる基油の適正化、水添ブロック共重合体と基油との含有割合を好適に調整することによりさらに達成しやすくなる。
また、例えば水添ブロック共重合体及び基油の合計100質量部に対し、基油の含有量が90質量部であるゲル組成物の場合において、容易に達成することができるが、上記変化率を達成するための好適な態様は上記水添ブロック共重合体と基油との含有割合に限定されない。
ゲル組成物をケーブル用の充填材として用いる際の取扱性の観点から、ゲル組成物の25℃、50/秒で測定するせん断速度条件における粘度は、2,000~10,000mPa・sであることが好ましい。好ましい当該粘度範囲は、ゲル組成物を調製直後及び48時間経過後のゲル組成物の粘度である。調製直後のゲル組成物の上記粘度及び調製から48時間経過後のゲル組成物の上記粘度のより好ましい範囲は前述した条件(4)と同様である。
<用途>
本発明の水添ブロック共重合体はさまざまな用途に適用できるが、特にゲル組成物として用いることが好ましい。
また本発明のゲル組成物は、ケーブル充填材として有用である。上記ゲル組成物は経時的に粘度変化が少ないため、ケーブル用の充填材としてゲル組成物を製造してから充填するまでにある程度日数が経過しても、ゲル組成物を保護チューブやケーブル内に容易に充填することができる。また、上記ゲル組成物はケーブル用の充填材に求められる物性バランスに優れているため、保護チューブやケーブルが破損した場合であっても充填材が流出しにくいといった好ましい特性を有している。
本発明のゲル組成物は、上記ケーブル充填材以外に、例えば、化粧製品を構成する化粧組成物に使用することができる。化粧製品としては、例えば、シャンプー、毛髪セットジェル又はローション、ブロー乾燥ローション、固定及びスタイリング剤等の毛髪用メイクアップ製品;
ファンデーション、アイシャドウ、ブラッシャー、コンシーラー、コンパクトパウダー、及びメイクアップベース等の皮膚用メイクアップ製品;
口紅、液体リップ、及びリップグロス等の唇用メイクアップ製品;
洗顔フォーム、及びメイク落とし等のクレンジング製品等;
ワセリンクリーム、ハンドクリーム、及び超音波診断用クリーム等のクリーム製品が挙げられる。
また、本発明のゲル組成物は、さらにアスファルト改質剤、接着剤、粘着剤、樹脂改質剤、相容化剤、シーリング材、コーティング材、成形品、繊維・不織布、粘度指数向上剤、油吸着材、及び掘削流体等に使用することができる。
以下、本発明を実施例及び比較例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例及び比較例において使用した各成分は以下のとおりである。
<基油>
パラフィン(粘度指数:135、色相:透明)
<その他の成分>
酸化防止剤
(ヒンダードフェノール系酸化防止剤:(株)ADEKA製、AO-60)
[実施例1]
(1)水添ブロック共重合体(a1)の製造
乾燥した窒素で置換された耐圧容器に、シクロヘキサン2,500gを仕込み、アニオン重合開始剤としてsec-ブチルリチウム(1.01mol/L、シクロヘキサン溶液)7.7mlを用い、イソプレン518gを添加して重合し反応を追い込んだ後にスチレン305gを添加して重合することによりジブロック共重合体を含む反応液を得た。
なお、イソプレンの重合は50℃で6.5時間、スチレンの重合は50℃で0.5時間の条件にて行った。
この反応液に、オクチル酸ニッケル及びトリメチルアルミニウムから形成されるチーグラー系水素添加触媒を水素雰囲気下で添加し、水素圧力1.0MPa、80℃の条件で4時間反応させた。続いて反応液を放冷及び放圧させた後、水洗により上記触媒を除去し、真空乾燥させることにより、ポリスチレン-ポリイソプレンジブロック共重合体の水素添加物(以下、「共重合体(a1)」ともいう)を得た。なお、上記真空乾燥前に沈殿、凝固操作を行っており、得られた共重合体(a1)はクラムの状態であった。
得られた共重合体(a1)について、物性評価を下記方法に従って行った。その結果を表1に示す。
(2)ゲル組成物の製造
表2に記載の配合にしたがって、上記水添ブロック共重合体(a1)、上記基油、及び上記酸化防止剤を窒素下で新東化学(株)製スリーワンモーターを用いて170℃で3時間混合した。その後、混合物を室温まで冷却してゲル組成物を作製した。
得られたゲル組成物について、下記の方法により粘度、滴点及び離油度を測定した。結果を表2に示す。
[実施例2]
(1)水添ブロック共重合体(a2)の製造
表1に記載のピークトップ分子量になるようにイソプレン及びスチレンの量を変更したこと以外は、実施例1と同様にして水添ブロック共重合体(a2)(以下、「共重合体(a2)」ともいう)を製造した。なお、得られた共重合体はクラムの状態であった。
得られた共重合体について、物性評価を下記方法に従って行った。その結果を表1に示す。
(2)ゲル組成物の製造
表2に記載の配合にしたがって、上記水添ブロック共重合体(a2)、上記基油、及び上記酸化防止剤を窒素下で新東化学(株)製スリーワンモーターを用いて170℃で3時間混合した。その後、混合物を室温まで冷却してゲル組成物を作製した。
得られたゲル組成物について、下記の方法により粘度、滴点及び離油度を測定した。結果を表2に示す。
[比較例1~4]
(1)比較共重合体(x1)及び(x2)の製造
表1に記載のピークトップ分子量になるようにイソプレン及びスチレンの量を変更した他に、モノマーの添加順序をスチレン、イソプレンの順で添加したが、その他の条件については実施例1と同様にして比較共重合体(x1)及び(x2)(以下、「共重合体(x1)、(x2)」ともいう)を製造した。なお、得られた比較共重合体はクラムの状態であった。
物性評価を下記方法に従って行った。その結果を表1に示す。
(2)ゲル組成物の製造
表2に記載の配合にしたがって、上記比較共重合体(x1)又は(x2)、上記基油、及び上記酸化防止剤を窒素下で新東化学(株)製スリーワンモーターを用いて170℃で3時間混合した。その後、混合物を室温まで冷却してゲル組成物を作製した。
得られたゲル組成物について、下記の方法により粘度、滴点及び離油度を測定した。結果を表2に示す。
〔水添ブロック共重合体(a)及び比較共重合体(x)の物性の測定方法〕
(1)ピークトップ分子量(Mt)
下記条件のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定により、水添前の各共重合体、重合体ブロック(A)及び重合体ブロック(B)のポリスチレン換算のピークトップ分子量(Mt)を求めた。
(GPC測定装置及び測定条件)
・装置 :GPC装置「HLC-8320」(東ソー株式会社製)
・分離カラム :カラム「TSKgel Super HM-N(東ソー株式会社製)」
・溶離液 :テトラヒドロフラン
・溶離液流量 :0.5mL/分
・サンプル濃度:5mg/10mL
・カラム温度 :40℃
・検出器:示差屈折率(RI)検出器
・検量線:標準ポリスチレンを用いて作成
(2)重合体ブロック(A)の含有量
水素添加後の共重合体をCDClに溶解してH-NMRスペクトルを測定[装置:「ULTRASHIELD 400 PLUS」(Bruker社製)、測定温度:50℃]し、スチレンに由来するピーク面積とイソプレンに由来するピーク面積の比率から重合体ブロック(A)の含有量を算出した。
(3)共重合体の水素添加率
水素添加前後における共重合体をCDClに溶解してH-NMRスペクトルを測定[装置:「ULTRASHIELD 400 PLUS」(Bruker社製)、測定温度:50℃]し、水素添加前後の共役ジエン重合体ブロックの炭素-炭素二重結合に由来するピーク面積比の減少率から水素添加率を求めた。
〔ゲル組成物の物性の測定方法〕
(1)粘度(mPa・s)
ゲル組成物の粘度は、レオメーター(BROOKFIELD社製、R/S+ RHEOMETER)を用いて、25℃、50/秒の条件にて、調製直後、調製から48時間後、調製から96時間後のそれぞれの時点で測定した。
(2)滴点(℃)
滴点は、JIS K 2220:2013に準じた方法で行った。すなわち、滴点の測定は、規定の試料容器にゲル組成物を入れ、滴点より17℃低い温度に達するまで4~7℃/分で昇温した後、続けて1.0~1.5℃/分で昇温し、試料容器の孔からゲル組成物が軟化して滴下したときの温度を求めた。
(3)離油度(%)
離油度は、JIS K 2220:2013に準じた方法で行った。すなわち、離油度の測定は、10gのゲル組成物を金網円すいろ過器(JIS Z 8801-1に規定する目開き250μm(線径160μm)のステンレス金網からなる円すいろ過器)に量り入れ、80℃で24時間オーブン内で保持した後、ゲル組成物から分離した油の質量を測定し、離油度を算出した。
Figure 0007037683000001
Figure 0007037683000002
<考察>
基油及び共重合体の合計100質量部に対する共重合体の含有量が10質量部である実施例1、2のゲル組成物は、調製直後の粘度と比較して48時間経過した場合の粘度の変化率が95~105%の数値を示し、粘度は3,800~5,000mPa・s、滴点は204℃以上、離油度は0.5%以下と全て良好な数値を示した。
一方で基油及び共重合体の合計100質量部に対する共重合体の含有量が10質量部である比較例1、2のゲル組成物は、粘度の48時間経過した場合の変化率が110%以上であることが確認できた。
比較例4において調製直後のゲル組成物の粘度と比較して、48時間経過した場合の粘度の変化率は、92%となり比較的変化率が大きくなった。また、比較例3及び4において滴点は199℃を示し、離油度は0.3%及び2.5%を示した。
なお、比較例2~4から共重合体(x2)であっても、基油と共重合体(x2)との含有割合を調製すれば、本発明の水添ブロック共重合体と同等の効果が得られるようにも思える。しかし、共重合体(x2)は、経時的にゲル組成物の粘度上昇を引き起こすと推測され、共重合体(x2)を含むゲル組成物は経時的な粘度変化が大きくなる傾向にあると考えられる。
一方、本発明の水添ブロック共重合体を用いることで、粘度、滴点及び離油度等の物性バランスに優れたゲル組成物を安定して得ることが期待できる。

Claims (18)

  1. 芳香族ビニル化合物に由来する構造単位を重合体ブロック(A)の合計質量に基づいて100質量%含有する重合体ブロック(A)及び共役ジエン化合物に由来する構造単位を重合体ブロック(B)の合計質量に基づいて100質量%含有する重合体ブロック(B)からなるブロック共重合体の水素添加物であって、下記条件を満たす、水添ブロック共重合体(ただし、末端に水酸基を有する水添ブロック共重合体を除く)。
    (1)前記ブロック共重合体のピークトップ分子量が50,000~300,000である。
    (2)前記水添ブロック共重合体における前記重合体ブロック(A)の含有量が20.0~50.0質量%である。
    (3)基油としてパラフィンオイルと前記水添ブロック共重合体とを質量比9:1の割合で含有するゲル組成物において、前記ゲル組成物が下記条件を満たす。
    (3-1)前記ゲル組成物の調製直後に対する、調製から48時間経過後の25℃、50/秒で測定するせん断速度条件における粘度の変化率が95~110%である。
    (3-2)前記ゲル組成物のJIS K 2220:2013に準拠して測定した滴点が200℃以上である。
    (3-3)前記ゲル組成物のJIS K 2220:2013に準拠して測定した離油度が1.0%以下である。
  2. 下記条件(4)をさらに満たす、請求項1に記載の水添ブロック共重合体。
    (4)前記(3)のゲル組成物について、調製直後及び調製から48時間経過後の25℃、50/秒で測定するせん断速度条件における粘度がいずれも2,000~10,000mPa・sである。
  3. 前記芳香族ビニル化合物がスチレンを含有する、請求項1又は2に記載の水添ブロック共重合体。
  4. 前記共役ジエン化合物がイソプレンを含有する、請求項1~3のいずれかに記載の水添ブロック共重合体。
  5. 前記重合体ブロック(B)の水素添加率が90.0~99.8モル%である、請求項1~4のいずれかに記載の水添ブロック共重合体。
  6. 前記水添ブロック共重合体における前記重合体ブロック(A)の含有量が20.0~48.0質量%である、請求項1~5のいずれかに記載の水添ブロック共重合体。
  7. 反応系内に、共役ジエン化合物を添加して重合した後、芳香族ビニル化合物を添加して重合することでブロック共重合体を得る工程を有する、請求項1~6のいずれかに記載の水添ブロック共重合体の製造方法。
  8. 請求項1~6のいずれかに記載の水添ブロック共重合体からなるクラム。
  9. 基油、及び
    芳香族ビニル化合物に由来する構造単位を重合体ブロック(A)の合計質量に基づいて100質量%含有する重合体ブロック(A)及び共役ジエン化合物に由来する構造単位を重合体ブロック(B)の合計質量に基づいて100質量%含有する重合体ブロック(B)からなるブロック共重合体の水素添加物であって、下記条件を満たす水添ブロック共重合体を含有する、ゲル組成物。
    (1)前記ブロック共重合体のピークトップ分子量が50,000~300,000である。
    (2)前記水添ブロック共重合体における前記重合体ブロック(A)の含有量が20.0~50.0質量%である。
    (3)基油としてパラフィンオイルと前記水添ブロック共重合体とを質量比9:1の割合で含有するゲル組成物において、前記ゲル組成物が下記条件を満たす。
    (3-1)前記ゲル組成物の調製直後に対する、調製から48時間経過後の25℃、50/秒で測定するせん断速度条件における粘度の変化率が95~110%である。
    (3-2)前記ゲル組成物のJIS K 2220:2013に準拠して測定した滴点が200℃以上である。
    (3-3)前記ゲル組成物のJIS K 2220:2013に準拠して測定した離油度が1.0%以下である。
  10. 前記水添ブロック共重合体が下記条件(4)をさらに満たす、請求項9に記載のゲル組成物。
    (4)前記(3)のゲル組成物について、調製直後及び調製から48時間経過後の25℃、50/秒で測定するせん断速度条件における粘度がいずれも2,000~10,000mPa・sである。
  11. 前記芳香族ビニル化合物がスチレンを含有する、請求項9又は10に記載のゲル組成物。
  12. 前記共役ジエン化合物がイソプレンを含有する、請求項9~11のいずれかに記載のゲル組成物。
  13. 前記重合体ブロック(B)の水素添加率が90.0~99.8モル%である、請求項9~12のいずれかに記載のゲル組成物。
  14. 前記基油及び前記水添ブロック共重合体の合計100質量部に対し、前記基油の含有量が80質量部以上94質量部以下である、請求項9~13のいずれかに記載のゲル組成物。
  15. 前記基油が、パラフィン系鉱油、及びナフテン系鉱油から選ばれる少なくとも1種である、請求項9~14のいずれかに記載のゲル組成物。
  16. 前記ゲル組成物の調製直後に対する、調製から48時間経過後の25℃、50/秒で測定するせん断速度条件における粘度の変化率が95~110%である、請求項9~15のいずれかに記載のゲル組成物。
  17. 25℃、50/秒で測定するせん断速度条件における粘度が、2,000~10,000mPa・sである、請求項9~16のいずれかに記載のゲル組成物。
  18. 請求項9~17のいずれかに記載のゲル組成物からなるケーブル充填材。
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