JP7037181B2 - 熱管のガス漏洩箇所の補修方法及び熱管補修用パッチ - Google Patents

熱管のガス漏洩箇所の補修方法及び熱管補修用パッチ Download PDF

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Description

本発明は、熱管のガス漏洩箇所の補修方法及び熱管補修用パッチに関する。
高炉やコークス炉からは、高温のガスが発生する。高炉やコークス炉で発生した高温のガスは、配管を経て、別の場所に搬送される。配管は野外に設置されることがあるため、雨によって腐食することがある。また、配管内を流通するガスに含まれる成分によって配管が腐食することがある。配管が腐食によって破孔すると、外部に高温かつ有害なガスが放出されるだけでなく、炉内の気密性が損なわれてしまうので、配管の補修が必要である。
配管の補修に関しては、例えば、以下の特許文献1のような技術が知られている。この技術では、ガス配管の孔食部をエポキシ系のパテで塞いで、パテの上に板厚9mmのステンレス製の金属板を固定する。
また、特許文献2には、壁に適用される前に除去される裏打層と、粘着層と、ガラス繊維メッシュシートと、石膏の層とを、記載した順に下から上へと積層した壁補修用パッチが記載されている。
特開2017-166565号公報 特表2009-535537号公報
特許文献1の補修材では、エポキシ系のパテを使用している。エポキシ樹脂の耐熱温度は、150~200℃であるとされており、加熱条件となる配管等では、耐熱性が不足し、気密性が損なわれる場合がある。
特許文献2の壁補修パッチは、表面に石膏を載置し、裏面に粘着剤を適用したガラス繊維メッシュシートから構成されている。壁にできた穴の周囲に粘着剤を介して裏面を貼着し、石膏を載置した面が表側になるようにする。粘着剤は、加熱されると流動性が大きくなるため、加熱条件となる配管等の補修用途には使用することができない。
本発明は、加熱条件となる熱管におけるガスの漏洩箇所に対して適用する際の作業性に優れており、加熱条件となる熱管におけるガスの漏洩箇所にパテが入り込みやすいガス漏洩箇所の補修方法、及び熱管補修用パッチを提供することを目的とする。
耐熱性を有するシートと、耐熱性を有する多孔質材と、多孔質材に塗り付ける耐熱性及び熱硬化性を有するパテとを含む熱管補修用パッチを熱管のガス漏洩箇所に貼着してガス漏洩箇所を補修する方法であり、未硬化のパテを上記多孔質材に塗り付けてパテを多孔質材の孔に保持させて、シートによってパテのはみだしを防止する熱管のガス漏洩箇所の補修方法により、上記の課題を解決する。
また、耐熱性を有するシートと、該シートと一体とされた耐熱性を有する多孔質材と、多孔質材に塗り付ける耐熱性及び熱硬化性を有するパテとを含み、未硬化のパテを多孔質材に塗り付けると、パテが多孔質材の孔に保持され、シートによってパテのはみだしが防止される熱管補修用パッチにより、上記の課題を解決する。
上記の補修方法及び熱管補修用パッチでは、パテをパッチに適用する際には、パテが多孔質材の孔に保持され、シートによってパテのはみだしが防止される。このため、熱管に対して熱管補修用パッチを適用する際の作業性において優れる。また、シートによってパテのはみだしが防止されるため、熱管のガス漏洩箇所にパテが入り込みやすくなる。
上記の補修方法においては、熱管補修用パッチのパテを塗りつけた面を熱管のガス漏洩箇所に接面させて、パテを塗り付けた面の反対側に配されたシートを熱管に向けて押圧する工程を含むようにすることが好ましい。押圧することによって、熱管のガス漏洩箇所のより深いところまでパテを入り込ませて接合強度を向上させることができる。また、シートを押圧することによって、押圧する際に使用する冶具や手がパテで汚れることを防ぐことができる。
前記の押圧する工程は、ローラー又はヘラを使用してシートを熱管に向けて押圧することが好ましい。ローラー又はヘラを使用することによって、パテの発泡による接着面の剥離を防止し、ガス漏洩箇所に対する充填密度も上げて接合強度を得ることができる。
本発明によれば、加熱条件となる熱管におけるガスの漏洩箇所に対して適用する際の作業性に優れており、加熱条件となる熱管におけるガスの漏洩箇所にパテが入り込みやすいガス漏洩箇所の補修方法、及び熱管補修用パッチを提供することができる。
シートと、シートと一体とされた多孔質材の一例を示す斜視図である。 図1のシートと多孔質材との一例にパテを塗り付ける様子を示す斜視図である。 熱管のガス漏洩箇所に図2で示した熱管補修用パッチの一例を適用する様子を示す図である。 図3の熱管補修用パッチの拡大断面図である。 図4の熱管補修用パッチをシート側から押圧した状態を示す拡大断面図である。 図4の熱管補修用パッチをシート側からローラーで押圧する様子を示す図である。 熱管の損傷箇所に熱管補修用パッチのパテが入り込んだ状態を示す拡大断面図である。
以下、図面を参照しながら、熱管補修用パッチ及びガス漏洩箇所の補修方法の一実施形態について説明する。
まず、本実施形態の熱管補修用パッチ1の構成について説明する。
本実施形態の熱管補修用熱管補修用パッチ1は、耐熱性を有するシートと、該シートと一体とされた耐熱性を有する多孔質材と、多孔質材に塗り付ける耐熱性及び熱硬化性を有するパテ21とを含む。図1ないし図7の例では、後述するように、耐熱性を有するシートとしてセラミックリボン11を使用し、多孔質材としてガラスメッシュ12を使用した。
本実施形態の熱管補修用パッチ1では、図1ないし図4に示したように、耐熱性を有するシートとして、セラミックリボン11を使用している。耐熱性を有するシートは、熱管の熱によってパッチを熱管に適用する間の短時間で溶融せず、熱管の熱によってパッチを熱管に適用する間の短時間で容易に変形しない耐熱性を有するものであればよい。耐熱性を有するシートとしては、その他、耐熱性繊維を紙状に成形した耐熱紙、耐熱性繊維を耐熱紙よりも密度の低い布状に成形した耐熱布、耐熱布よりも密度の低い不織布状に耐熱性繊維を成形した耐熱フェルト、耐熱フェルトよりも密度の低い綿状に耐熱性繊維を成形した耐熱ブランケット、スチール、銅、若しくはアルミニウムなどの金属箔などを使用することができる。耐熱性繊維としては、セラミック繊維、若しくはガラス繊維などの無機繊維、又は耐熱性アラミド繊維などの有機繊維が挙げられる。より好ましくは、断熱性と耐熱性を有するシートとしては、セラミックリボンの他に、例えば、セラミックペーパー、セラミックシート、セラミッククロス、セラミックブランケット、耐熱アラミドフェルト、シリカ繊維とアクリル繊維とから構成されるスパッタシートなどが挙げられる。断熱保護することで、パテの硬化を促進させて、パテに耐水性を付与する効果も期待される。シートは、パッチを熱管に適用した際に、パテがシート側にはみ出すことを防止できるものであればよく、その厚みは特に限定されない。シートの厚みは、例えば、0.1~50mm程度としてもよい。
本実施形態の熱管補修用パッチ1では、図1ないし図4に示したように、耐熱性を有する多孔質材として、ガラス繊維を網状に成形したガラスメッシュ12を使用している。多孔質材としては、パッチを熱管に適用した際に、熱によって容易に溶融せず、熱によって容易に変形しない耐熱性を有しており、複数の貫通孔を有するものであればよい。多孔質材としては、例えば、耐熱性を有する線条体を網状に成形したものが挙げられる。耐熱性を有する線条体としては、セラミック、ガラス、ステンレス鋼若しくはアルミニウムなどの金属等の耐熱素材で構成される線条が挙げられる。多孔質材の孔の内径は、パテを塗り付けた際に、パテを塗り付けた面の反対側にパテが通り抜けることができる程度の内径とすることが好ましい。
本実施形態の熱管補修用パッチ1では、図2に示したように、シート及びそれに一体化された多孔質材とは別に用意した未硬化のパテ21を、シートと一体化された多孔質材に塗り付ける。パテは、耐熱性及び熱硬化性を有するものであればよい。熱硬化性としては、熱管の表面の熱によって硬化する程度であることが好ましい。耐熱性としては、熱管の熱によってパテが溶融せず、熱収縮が少なく(耐熱限界による収縮ではないが、液分が気化した際の収縮は生じる)、熱により気密性が損なわれないものとすることが好ましい。パテとしては、例えば、耐熱性を有する骨材と、耐熱性を有する充填材と、加熱条件下で多価の陽イオンと反応して硬化する結合剤とを含有するものが好ましい。多価の陽イオンとしては、例えば、アルミニウムイオンが挙げられる。
耐熱性を有する骨材としては、例えば、セラミックを主成分とする骨材が挙げられる。耐熱性を有する充填材としては、例えば、セラミックを主成分とする粉末が挙げられる。本実施形態では、骨材はアルミナを主成分とするものを使用し、充填材はアルミナを主成分とする粉末を使用した。アルミナは、熱管を構成する鋼と熱膨張係数が近い。このため、アルミナを採用することによって、パテの膨張率と熱管の膨張率とを近づけることが可能になる。これによって、膨張率の差に起因して生じるパテの剥離を緩和することができる。骨材及び充填剤におけるアルミナの純度は、できるだけ高純度のものであることが好ましく、アルミナの含有量が90質量%以上であることが好ましく、95質量%であることがより好ましく、99質量%以上であることがさらに好ましい。上記の熱管を構成する鋼としては、例えば、構造用鋼(SS400)が挙げられる。
パテは、水などの液分を配合することによって、モルタル程度の柔らかさ(JIS R 2506に基づいて測定した稠度で、100~230)に調整して、パッチの多孔質材に塗り付けることが好ましい。パテの柔らかさを上記のようにすることで、ガス漏洩箇所の奥までパテが入り込みやすくなり、例えば、熱管の温度が300℃程度の場合など高めの場合でもパテの熱管に対する接着性を高めることができる(温度が高い程、流動性の低下が速いため入り込みにくい)。上記のパテの軟らかさは、耐火物の補修用途としては、液分が多い傾向がある。パテに含まれる液分が多いと流動性が高まるため、ガス漏洩箇所の奥までパテがより入り込みやすくなる。しかしながら、パテに含まれる液分が多いと液分が蒸発する際に発泡してパテの剥離が生じやすくなる。パテの剥離は、セラミックリボンを押圧することにより、解消することができる。
上記の結合剤としては、例えば、リン酸系バインダーを使用することが好ましい。リン酸系バインダーは、パテが熱管の熱で加熱されることで、耐水性を発揮する。このため例えば、熱管が野外に設置されている場合に特に好適に使用することができる。またリン酸は強酸性であるため、パテに耐酸性を付与することができると期待される。
パテには、キレート剤、又は増粘剤などのその他の成分が含まれていてもよい。キレート剤は、陽イオンとリン酸イオンとの反応を抑制することによって、パテの貯蔵中における安定性を向上させることができる。増粘剤は、保形性や初期の接着力を調節することができる。
本実施形態の熱管補修用パッチ1では硬化したパテが熱管からのガスの漏出を防止するので、多孔質材とシートとは、熱管補修用パッチを熱管に対して適用する際に一体化されていればよい。例えば、パテが加熱されて硬化し、多孔質材が硬化したパテによって保持された状態となった後には、シートは剥離しても差し支えない。すなわち、シートはパテを熱管のガス漏洩箇所に入り込ませるための手段(アプリケーター)として作用するので剥離してもよい。このため、多孔質材とシートとを一体化させるには、任意の接合手段を使用すればよい。接合手段としては、例えば、アクリル系、スチレン・ブタジエンゴム系などの粘着剤、変性シリコーン系、エポキシ系などの接着剤を含む接合剤などが挙げられる。
多孔質材は、上記の実施形態におけるガラスメッシュ12の網目のように、複数の貫通孔を有するため、パテをパッチに対して塗り付ける際に、パテが複数の貫通孔に引っかかって定着しやすくなる。また、パテは、複数の貫通孔を通り抜けることによって、多孔質材はパテの中に埋設された状態となる。パテが熱管によって加熱された際には、多孔質材がパテの収縮を抑制し、パテに亀裂が入ることが防止される。
耐熱性を有するシート及び耐熱性を有する多孔質材は、可撓性を有するものを使用することが好ましい。例えば、図2に示したように、セラミックリボン11及びそれと一体化されたガラスメッシュ12は、可撓性を有するため、熱管補修用パッチ1に対してパテ21を塗り付ける際にセラミックリボン11及びガラスメッシュ12をパテを塗り付けやすいように撓むように押圧することができる。また、セラミックリボン11及びガラスメッシュ12が熱管3の外形や熱管のガス漏洩箇所31の形状に沿うように押圧することによって、パテ21を熱管3のガス漏洩箇所31に対してより充填されやすくすることが可能になる。例えば、ガス漏洩箇所が亀裂状など微細な場合は、パテが微細な構造に入り込んでアンカー効果を発揮する。
耐熱性を有するシートは、断熱性を有するものを使用することが好ましい。例えば、上記のセラミックリボン11は、熱伝導率が金属よりも小さく、断熱性を有している。セラミックリボン11を使用することによって、熱管補修用パッチ1を熱管3に適用する際に、熱管3の熱をセラミックリボン11によって遮断し、セラミックリボン11を押さえる手42やローラー41などの冶具が加熱されることを防ぐことができる。断熱性を有するシートを使用することによって、熱管補修用パッチを適用した部分において、熱の放散を防いで、パテの硬化を促す効果も期待される。
熱管補修用パッチの適用対象となる熱管は、表面が加熱状態となり、内部に気体を流通又は貯めておくことができるものであればよい。熱管としては、コークス炉の炉ガスを排出する上昇管と呼ばれる配管、高炉の炉ガスを排出する配管、銅を溶錬する過程で生じる硫酸ガスを搬送する配管などが挙げられる。熱管は、文字通りの管に限定されず、例えば、増湿塔などの容器も含む。増湿塔は、高温の硫酸ガスなどの気体を冷却及び増湿するのに使用される。熱管補修用パッチは、加熱状態の管に対して適用されるため、100~500℃において、構成する材料が短時間で、溶融したり、変形したりしない耐熱性を有するように構成することが好ましい。
次に、上記の実施形態の熱管補修用パッチ1を使用して熱管3のガス漏洩箇所を補修する方法について説明する。
上記の実施形態の熱管補修用パッチ1は、図1、図3及び図4に示したように、耐熱性、断熱性及び可撓性を有するセラミックリボン11と、耐熱性及び可撓性を有しており、セラミックリボン11と一体化されたガラスメッシュ12と、ガラスメッシュに塗り付けられるパテ21とを含む。
熱管3に破孔などによるガス漏洩箇所31が発見された場合は、まず図2に示したように、セラミックリボン11と一体化されたガラスメッシュ12に対して、パテ21をヘラ51などを用いて塗り付ける。パテ21はやや水が多めに配合されており、モルタル状の柔らかさとなっているため、垂れ落ちやすい。しかし、パテ21は、ガラスメッシュ12の網目に保持されることにより、垂れ落ちにくい状態となる。このとき、ガラスメッシュ12の網目は、セラミックリボン11によって塞がれているため、施工者の手42にパテ21が付着することが防止される。パテ21の厚みは、特に限定されないが、例えば3~10mmとすることが好ましい。
次に、図3に示したように、ガス61が漏れ出している熱管3のガス漏洩箇所31に対して、パテ21を塗り付けたガラスメッシュ12とセラミックリボン11とを含む熱管補修用パッチ1を張り付ける。このときパテを塗り付けた面が、熱管のガス漏洩箇所に接し、かつセラミックリボン11が熱管3の表面に位置するようにする。
次に、図5に示したように、ローラー41でセラミックリボン11の上側から熱管補修用パッチ1を熱管3のガス漏洩箇所31に対して押圧する作業を行う。押圧は、セラミックリボン11の上をローラー41が転がるようにして押圧するとよい。セラミックリボン11を押圧する工程は、パテは加熱されると硬化し始めるため、熱管補修用パッチ1を熱管に適用した後直ちに行うことが好ましい。
セラミックリボン11の上から押圧すると、未硬化のパテ21がガラスメッシュ12の網目121を抜けてセラミックリボン側に移動する。しかし、セラミックリボン11によって、ローラー側へのパテのはみだしが防止されている。このため、ローラー41にパテ21が付着してパテの歩留まりの低下が防止されると共にローラー41などの冶具が汚れることが防止される。また、パテ21は、図6に示したように、網目121を通ってガラスメッシュ12のブランケット側に移動してガラスメッシュ12がパテ21の中に埋設した状態となる。さらにパテ21はセラミックリボン11によってブロックされているため、ガス漏洩箇所31となっている孔の奥へとパテ21が入り込むように移動する。セラミックリボン11を押圧する工程は、パテが流動性が失われる程度に硬化するまで押圧することが好ましい。例えば、熱管補修用パッチ1を熱管に適用した後、熱管の表面の温度に応じて、1~15秒以内を目安に押圧する工程を行うことが好ましい。これによって、より強固に熱管補修用パッチを熱管に対して固定することができる。
パテには液分が含まれているため、熱管に対してパテを適用すると、パテに含まれる液分が気化して発泡する。パテが発泡すると熱管の補修箇所からパテが弾かれて剥離しやすくなる。ローラー、ヘラ、又は手42などで押圧することにより、パテをガス漏洩箇所に入り込むようにすることで、熱管補修用パッチ1がガス漏洩箇所から剥離しにくいように固定することが可能である。熱管補修用パッチ1をガス漏洩箇所に適用する際には、ローラーを使用すると効率がよい。
上記のように、ガラスメッシュ12がパテ21の中に埋設され、パテ21がガス漏洩箇所31に深く入り込んだ状態で、しばらく静置すると、熱管3の熱によってパテ21が硬化する。パテの温度が変化した際は、パテ21が膨張又は収縮しようとする。しかし、硬化したパテの中にはガラスメッシュが埋まった状態となっている。このため、パテの膨張又は収縮がガラスメッシュによって緩和される。これによって、パテの寸法変化に起因するパテの剥離が効果的に緩和される。また、パテは熱管の熱によって加熱されパテに含まれる水分が蒸発し、硬化したパテが収縮して亀裂が発生する。ガラスメッシュがパテに埋め込まれた状態とすることにより、パテの収縮を緩和して亀裂の発生も防止することができる。また、パテ21は、図7に示したように、ガス漏洩箇所31に深く入り込んだ状態で硬化しているため、アンカー効果によって剥離しにくい状態となる。
図7の例では、セラミックリボン11を押圧することによって、押し出されたパテ21がガス漏洩箇所31の孔を通って熱管の内側に達した状態で硬化している。硬化したパテ21が熱管の内壁に係合しているため、熱管補修用パッチは簡単には剥がれない状態となっている。
以下の実施例1の構成を有する熱管補修用パッチ、比較例1~4の構成を有する熱管補修材を作製して、加熱した鉄管に対する接着強度、施工性について、評価を行った。
[実施例1]
外径0.3mmのガラス繊維で構成した目開3.0mmのガラスメッシュと、アルカリアースシリケートウールを主成分とし、密度0.45g/cmのセラミックリボンとをアクリル系両面テープによって接合して、パッチ基材を得た。このパッチ基材に対して、アルミナ骨材と、アルミナフィラーと、増粘剤と、リン酸系バインダーと、キレート剤と、水とを含有するパテをヘラで塗り付けて実施例1に係る熱管補修用パッチを得た。パテの柔らかさは、モルタル状(稠度230)に調整した。
アルミナ骨材及びアルミナフィラーは、アルミナを99質量%含有する。増粘剤は、モンモリロナイトの粉末である。リン酸系バインダーは、正リン酸及び第一リン酸アルミニウムの混合物である。キレート剤は、ホウ酸及び弱酸を含有するものである。
実施例1の熱管補修用パッチで使用したパテは、1剤型のものであるため、主剤及び硬化剤を施工時に混合する手間がなく、熱によって硬化するものであるため、パテの可使時間に大きな制約がない。このようなパテの特性も相まって、実施例1の熱管補修用パッチは、施工しやすいものであった。
[比較例1]
実施例1のパテの加水量を変更して、紙粘土程度(稠度80)のパテを調整した。これを比較例1に係る熱管補修材とした。
[比較例2]
実施例1で使用したパテを比較例2に係る熱管補修材として使用した。
[比較例3]
実施例1で使用したセラミックリボンと、実施例1で使用したパテとを使用して比較例2に係る熱管補修材を得た。
[比較例4]
実施例1で使用したガラスメッシュと、実施例1で使用したパテとを使用して比較例4に係る熱管補修材を得た。
実施例1の熱管補修用パッチ、及び比較例1から4に係る熱管補修材を、500℃に加熱した錆びた鉄管に対して適用した。実施例1では、ローラーを使用してパッチを熱管に対して押さえつけた。比較例1から4に係る熱管補修材は、耐熱手袋を着用した手で鉄管に対して押さえつけた。
比較例1の熱管補修材は、鉄管を500℃に維持した状態では、鉄管に対して接着した状態を維持していた。しかしながら、鉄管の温度を緩やかに300℃まで低下させるとパテが簡単に剥がれ落ちてしまった。
比較例2の熱管補修材は、鉄管を500℃に維持した状態、そしてそこから緩やかに300℃まで低下させた状態の両方においてパテが鉄管に対して接着している状態を維持していた。しかしながら、パテが施工者の手に付着してパテの歩留まりが低下する、歩留まりが低下することによってガス漏洩箇所の奥までパテが入り込みにくい、パテの流動性が高いため鉄管の補修箇所にパテが垂れ落ちやすく汚れやすい、施工者の手が熱で火傷するおそれがある、パテを施工してから時間が経過すると鉄管の熱によってパテに含まれる水分が蒸発してパテに亀裂が入るといった問題があった。比較例4の熱管補修材でもほとんど同様の状態であったが、パテに亀裂は入らなかった。
比較例2の問題を解消するために比較例3の熱管補修材を用意してみたが、比較例3の熱管補修材では、セラミックリボンに対して、パテが全く定着せず、パテを塗り付けることが困難であった。
実施例1の熱管補修用パッチでは、500℃に維持した状態、そしてそこから緩やかに300℃まで低下させた状態の両方においてパッチが鉄管に対して強固に接着している状態を維持していた。また、施工時においては、パテがガラスメッシュの網目に保持されるため、パテをガラスメッシュに塗り付ける際にパテが垂れ落ちず、作業性も良好であった。熱管補修用パッチを熱管に張り付けてから時間が経過してパテに含まれる水分が蒸発した後においても目立った亀裂は生じていなかった。
実施例1の熱管補修用パッチの接着強度は、100℃よりも300℃の方が高く、500℃よりも300℃の方が高かった。実施例1の熱管補修用パッチは、表面の温度が90℃以上となる熱管に対して好適に使用することができる。より好適には、表面の温度が200~350℃なる熱管に対して好適に使用することができる。
次に、実施例1の熱管補修用パッチの耐水性を評価した。評価は実施例1で使用したパテを150℃又は110℃で加熱して硬化体を得た。この硬化体を沸騰した湯につけて硬化体の状態を目視により確認した。110℃で加熱したパテは、沸騰した湯の中で膨潤して脆化した。150℃で加熱したパテは、沸騰した湯の中でも膨潤せず脆化もしなかった。
1 熱管補修用パッチ
11 セラミックリボン
12 ガラスメッシュ
121 網目
21 パテ
3 熱管
31 ガス漏洩箇所
41 ローラー
51 ヘラ
61 ガス

Claims (5)

  1. 耐熱性を有するシートと、耐熱性を有する多孔質材と、多孔質材に塗り付ける耐熱性及び熱硬化性を有するパテとを含む熱管補修用パッチを熱管のガス漏洩箇所に貼着してガス漏洩箇所を補修する方法であり、
    上記多孔質材は、耐熱性を有する線条体を網状に成形したものであり、複数の網目状の貫通孔を備えており、
    未硬化のパテを上記多孔質材に塗り付けてパテを多孔質材の編目状の貫通孔に保持させて、シートによってパテのはみだしを防止する熱管のガス漏洩箇所の補修方法。
  2. 熱管補修用パッチのパテを塗りつけた面を熱管のガス漏洩箇所に接面させて、パテを塗り付けた面の反対側に配されたシートを熱管に向けて押圧する工程を含む請求項1に記載の熱管のガス漏洩箇所の補修方法。
  3. 前記の押圧する工程は、ローラー又はヘラを使用してシートを熱管に向けて押圧するものである請求項2に記載の熱管のガス漏洩箇所の補修方法。
  4. 耐熱性を有するシートと、該シートに接合された耐熱性を有する多孔質材と、多孔質材に塗り付ける耐熱性及び熱硬化性を有するパテとを含み、
    上記多孔質材は、耐熱性を有する線条体を網状に成形したものであり、複数の網目状の貫通孔を備えており、
    未硬化のパテを多孔質材に塗り付けると、パテが多孔質材の編目状の貫通孔に保持され、シートによってパテのはみだしが防止される熱管補修用パッチ。
  5. パテはアルミナを主成分とする請求項4に記載の熱管補修用パッチ。
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