JP7035242B2 - 金属管柱の自由振動試験装置及び方法 - Google Patents

金属管柱の自由振動試験装置及び方法 Download PDF

Info

Publication number
JP7035242B2
JP7035242B2 JP2021035475A JP2021035475A JP7035242B2 JP 7035242 B2 JP7035242 B2 JP 7035242B2 JP 2021035475 A JP2021035475 A JP 2021035475A JP 2021035475 A JP2021035475 A JP 2021035475A JP 7035242 B2 JP7035242 B2 JP 7035242B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wire
metal tube
tube column
point
action
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2021035475A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2021101187A (ja
Inventor
智 菅原
慎平 寺田
智良 平山
Original Assignee
日鉄建材株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 日鉄建材株式会社 filed Critical 日鉄建材株式会社
Priority to JP2021035475A priority Critical patent/JP7035242B2/ja
Publication of JP2021101187A publication Critical patent/JP2021101187A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7035242B2 publication Critical patent/JP7035242B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、照明柱や標識柱等に使用される金属管柱の自由振動特性をより正確に計測する上で好適な金属管柱の自由振動試験装置及び方法に関するものである。
道路脇に設置される照明柱や標識柱等に使用される金属管柱は、風力や地振動に基づく曲げ荷重が負荷される。このような曲げ荷重に対する機械的特性や、交通振動に基づく振動特性を確認するためのシステム及び方法が従来より研究されている。(例えば特許文献1参照。)
図7(a)は、従来における金属管柱7の曲げ荷重に対する機械的特性を確認するためのシステム構成例を示している。固定用治具71に固定された金属管柱7の作用点7aにワイヤー81を取り付け、これを引っ張る。このワイヤー81に対してはロードセル82が取り付けられており、引張荷重を計測することが可能となる。金属管柱7は、基端部7bが固定用治具71に固定された上で、引張力が負荷されることにより、図7(b)に示すように曲げ荷重が負荷された状態になり、曲げ変形することになる。この曲げ変形に基づく撓み量を計測することにより、曲げ荷重に対する機械的特性や各種挙動を判別することが可能となる。
図8は、曲げ変形前後の金属管柱7の作用点7a付近を拡大した状態を示している。本来、曲げ荷重を正確に負荷するためには、金属管柱7の作用点7aにおける延伸方向Hに対して、ワイヤー81の引張方向が略垂直となるように制御することが重要になる。曲げ荷重の無負荷状態においては、金属管柱7の作用点7aにおける延伸方向Hが水平方向になるため、ワイヤー81の引張方向が当該延伸方向Hに対して垂直となっているため、計測精度の面において特段問題は無い。
しかしながら、曲げ荷重が負荷されるにつれて金属管柱7の作用点7aにおける延伸方向Hが大きく傾斜する。しかも、ワイヤー81による引張力を負荷するための力点83の高さが固定されているため、金属管柱7の作用点7aにおけるワイヤー81の引張方向は、金属管柱7の延伸方向Hに対して略垂直ではなく、斜めになってしまう。これに加えて、曲げ変形前の作用点7aの水平位置Gに対して、曲げ変形後の作用点7aの水平位置G´は変化していることが分かる。上述したようにワイヤー81の力点83の水平位置が固定されている前提では、この作用点7aの水平位置G´まで変化している分において、ワイヤー81の引張方向は当初よりも更に斜めになってしまう。
その結果、図8に示すように、ワイヤー81による引張力に基づいて、本来作用させたい延伸方向Hに対する略垂直方向の荷重PA1に加え、この延伸方向Hに沿った軸力PA2も作用することになる。この軸力PA2は、本来負荷すべき曲げ荷重とは異なる力の成分であることから、これが組み合わせ荷重として負荷されると、正確な曲げ変形特性を把握することができない。従って、このような金属管柱7の延伸方向Hへの軸力PA2をキャンセルする必要があった。
なお金属管柱の曲げ試験方法については、例えば特許文献1に開示されているが、金属管柱7が撓んだ場合であっても、その延伸方向Hへの軸力PA2をキャンセルし、更に延伸方向Hに対する略垂直方向の荷重PA1のみを負荷し続ける技術は特段開示されていない。
また図9は、従来における自由振動試験を行うためのシステムを示している。この自由振動試験では、金属管柱7に対して加振し、その加速度応答を測定するものである。加振方法としては、作用点7aにワイヤー81を取り付け、当該ワイヤー81の他端にある力点83から引張力を加える。その結果、作用点7aから地上にある力点83に向けてワイヤー81を介して斜め下方向の荷重が負荷されることとなる。このような荷重が負荷されると、作用点7aには、水平方向の荷重PB1に加え、鉛直方向の荷重PB2も組み合わせ荷重として負荷されることになる。かかる状態でワイヤー81を切断することで無負荷状態に移行することにより、金属管柱7は振動することとなるが、このときに加わる振動力も水平方向の荷重PB1、鉛直方向の荷重PB2に基づくものとなる。
このため、自由振動試験を行う上で、本来作用させたい水平方向の荷重PB1に基づく振動力に加え、鉛直方向の荷重PB2に基づく振動力も作用することになる。この荷重PB2は、本来負荷すべき水平方向の荷重PB1とは異なる力の成分であることから、これが組み合わせ振動力として負荷されると、金属管柱7単体の減衰率を正確に把握することが難しくなる。このため、この加振に基づいて発生する鉛直方向の荷重PB2に基づく振動力をキャンセルし、あくまで水平方向の荷重PB1のみに基づき、自由振動試験に対する水平方向の加速度応答を正確に検出するシステムが従来より望まれていた。
また切断したワイヤー81を作用点7aに取り付けたまま金属管柱7を振動させた場合、金属管柱7がワイヤー81及び滑車45の影響をうけてしまい、金属管柱7単体の減衰率を正確に把握することが難しくなるとともに、これに応じて当該ワイヤー81が四方八方に飛んでしまい、危険な状態になる。
このため、ワイヤー81により引張力を解除して無負荷状態に移行する際に、当該ワイヤー81を作用点7aから落下させることで、測定作業の安全性を確保する必要性もあった。
特開2016-118433号公報
そこで本発明は、上述した問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、照明柱や標識柱等に使用される金属管柱の自由振動特性をより正確に計測する上で、水平方向の荷重PB1のみに基づき、自由振動試験に対する水平方向の加速度応答を正確に検出することが可能な金属管柱の自由振動試験装置及び方法を提供することにある。
上述した課題を解決するため、本発明者らは、略鉛直方向に立設された金属管柱の作用点にワイヤーを取り付け、これを略水平方向に張設すると共に滑車を介して略鉛直下向きに吊り下げ、上記ワイヤーの下端から引張力を負荷することにより、上記金属管柱を上記作用点を介して撓ませた後にこれを無負荷状態に移行させることにより、当該金属管柱を振動させ、上記金属管柱における上記振動の略水平方向の加速度応答を測定する自由振動試験装置及び方法を発明した。
第1発明に係る金属管柱の自由振動試験装置は、金属管柱の自由振動特性を確認するための自由振動試験装置であって、略鉛直方向に立設された金属管柱の作用点に取り付けられ、略水平方向に張設されると共に滑車を介して略鉛直下向きに吊り下げられたワイヤーと、上記ワイヤーの下端から引張力を負荷することにより、上記金属管柱を上記作用点を介して撓ませた後にこれを無負荷状態に移行させることにより、当該金属管柱を振動させる負荷手段と、上記金属管柱における上記振動の略水平方向の加速度応答を測定する加速度測定手段とを備えることを特徴とする。
第2発明に係る自由振動試験装置は、第1発明において、上記ワイヤーは、一端に形成させたリングを、上記金属管柱から突出されて下向きに折り曲げられたフックに係止させてなり、上記負荷手段は、上記ワイヤーの下端から錘を吊り下げる引張力を負荷し、上記ワイヤーを切断することにより無負荷状態に移行させることで上記ワイヤーを上記フックから自然落下させることを特徴とする。
第3発明に係る金属管柱の自由振動試験方法は、金属管柱の自由振動特性を確認するための自由振動試験方法であって、略鉛直方向に立設された金属管柱の作用点にワイヤーを取り付け、これを略水平方向に張設すると共に滑車を介して略鉛直下向きに吊り下げ、上記ワイヤーの下端から引張力を負荷することにより、上記金属管柱を上記作用点を介して撓ませた後にこれを無負荷状態に移行させることにより、当該金属管柱を振動させ、上記金属管柱における上記振動の略水平方向の加速度応答を測定することを特徴とする。
上述した構成からなる本発明によれば、自由振動試験を行う上で、本来作用させたい水平方向の荷重に基づく振動力のみが作用し、鉛直方向の荷重に基づく振動力は特段作用することは無い。従って、金属管柱の水平方向の減衰率を正確に把握することが可能となる。即ち、この自由振動試験装置によれば、加振に基づいて発生する鉛直方向の荷重に基づく振動力をキャンセルし、あくまで水平方向の荷重のみに基づき、自由振動試験に対する水平方向の加速度応答を正確に検出することが可能となる。
第1実施形態としての金属管柱の曲げ試験装置の形態を示す図である。 第1実施形態において金属管柱を曲げ変形させた場合について示す図である。 第1実施形態において、更にレーザ変位計と、制御用PCを備える例を示す図である。 油圧シリンダの伸縮軸の角度を直接変化させる構成について説明するための図である。 第2実施形態としての金属管柱の自由振動試験装置の形態を示す図である。 L字状に構成されている折曲部について説明するための図である。 従来における金属管柱の曲げ荷重に対する機械的特性を確認するためのシステム構成例を示す図である。 曲げ変形前後の金属管柱の作用点付近を拡大した状態を示す図である。 従来における自由振動試験を行うためのシステムを示す図である。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しながら詳細に説明をする。
第1実施形態
図1は、第1実施形態としての曲げ試験装置1の形態を示している。この曲げ試験装置1は、曲げ試験対象の金属管柱2の基端2aを固定する固定用治具11と、金属管柱2における作用点2bに一端が取り付けられたワイヤー12と、金属管柱2の上端2cに設けられた照明部13と、ワイヤー12における中段に設けられたロードセル14と、ワイヤー12を巻回させる滑車15と、ワイヤー12の他端が取り付けられた油圧シリンダ16とを備えている。曲げ試験装置1は、更にこの滑車15の水平方向の位置を制御するための油圧シリンダ17を備えている。
曲げ試験対象の金属管柱2は、例えば道路脇に設置される照明柱や標識柱、更には道路とは無関係のアンテナ柱、柵用の柱等、あらゆる柱状構造体に適用される鋼管状の柱である。以下の説明においては上端2cに照明部13が設けられた照明柱について試験する場合を例にとり説明をする。
固定用治具11は、金属管柱2の基端2aを嵌め込んで固定するための固定手段が設けられている。この固定用治具11は、無負荷状態において、金属管柱2の延伸方向Bが図1に示すように略水平方向となるようにその基端2aを固定可能に構成されている。なお、固定用治具11への固定については、基端2aを嵌め込むことに限定されず、ベースプレート付きの金属管柱2の場合は、ボルト止めによりベースプレートを固定用治具11に固定する等、金属管柱2の基端2aを固定できれば、どのような固定方法でもよい。
ワイヤー12は、金属管柱2の作用点2bに一端を取り付ける際には、当該作用点2bに巻回させて結び付けるようにしてもよい。またワイヤー12は、作用点2bに当初から設けられた図示しない治具にその一端を取り付けるようにしてもよい。ワイヤー12は、ロードセル14により中継されている。これにより、ワイヤー12に引張力が負荷された場合には、当該応力がロードセル14に対して直接伝達されることとなる。ワイヤー12は、図1に示す無負荷状態において、金属管柱2の作用点2bから鉛直下向きに張設されている。このワイヤー12の他端は、滑車15に巻回された上で略水平方向に張設され、油圧シリンダ16に取り付けられる。
照明部13は、電気信号に基づいて照明灯をON/OFFするためのデバイスであり、例えば白熱ランプ、LED等で構成されている。照明部13が金属管柱2の性能に影響を及ぼさないと思われる場合には、この照明部13の構成は省略するようにしてもよい。また照明部13のない金属管柱2についても同様である。
ロードセル14は、ワイヤー12に負荷される引張力が直接負荷される。このロードセル14は、このワイヤー12に負荷される引張力を計測する。ロードセル14により計測された引張力の計測値は電気信号化されてPC等の解析装置に送られる。
滑車15は、作用点2bから張設されてきたワイヤー12の張設方向を略水平方向に導く。滑車15は、取り付けられた油圧シリンダ17の伸縮に応じてその水平方向が移動自在となるように構成されている。
油圧シリンダ16は、伸縮軸16aが略水平方向となるようにして設置されている。油圧シリンダ16は、電気信号に応じてこの伸縮軸16aが伸縮自在となるように構成されている。伸縮軸16aの先端には、ワイヤー12の他端が取り付けられている。油圧シリンダ16は、この伸縮軸16aを収縮させることによりワイヤー12を水平方向に向けて引っ張ることが可能となる。また油圧シリンダ16は、この伸縮軸16aを伸張させることにより、ワイヤー12の引張力を緩めることが可能となる。この油圧シリンダ16に送信する電気信号を制御することにより、伸縮軸16aを収縮させることができ、ひいてはワイヤー12の引張力を調整することが可能となる。
油圧シリンダ17は、伸縮軸17aが略水平方向となるようにして設置されている。油圧シリンダ17は、電気信号に応じてこの伸縮軸17aが伸縮自在となるように構成されている。伸縮軸17aの先端には、滑車15が取り付けられている。油圧シリンダ17は、この伸縮軸17aを収縮させることにより滑車15を水平方向に向けて自身に近づけるように制御することが可能となる。油圧シリンダ17は、この伸縮軸17aを伸張させることにより滑車15を水平方向(図中の引張方向A)に向けて押し出すように制御することが可能となる。即ち、この油圧シリンダ17の伸縮軸17aを伸縮させることで滑車15の水平方向の位置を自在に調整することができ、これに応じて図2に示すように作用点2bからのワイヤー12の張設角度φを制御することが可能となる。ここでいう張設角度φは、無負荷状態において鉛直方向に張設されているワイヤー12を基準として、これを0°に設定する。この張設角度φは、油圧シリンダ17の伸縮軸17aが伸張するにつれて滑車15が引張方向Aに向けて押し出され、これに応じて徐々に増加することとなる。
次に第1実施形態における測定動作について説明をする。先ず上述した図1に示すように無負荷状態における金属管柱2並びに曲げ試験装置1の各種構成をセッティングする。次に油圧シリンダ16による引っ張り動作を開始するべく、これに対して電気信号を送信する。その結果、油圧シリンダ16の伸縮軸16aは収縮を開始し、これに取り付けられているワイヤー12が引っ張られる。その結果、ワイヤー12に引張応力が負荷され、その一端に取り付けられている金属管柱2の作用点2bに対して、ワイヤー12を介して曲げ荷重が負荷されることとなる。なお、このワイヤー12に負荷される引張応力は、ロードセル14により逐次測定されることとなる。
このワイヤー12を介して曲げ荷重が負荷されることにより、金属管柱2は図2に示すように曲げ変形することになる。曲げ変形により金属管柱2が撓み始めた場合には、作用点2bにおける撓み角θを測定する。撓み角θは、図2に示すように作用点2bにおける金属管柱2の延伸方向B´と、水平方向との差分角に相当する。無負荷状態における金属管柱2の延伸方向Bは水平方向であることから、この撓み角θは、0°となる。これに対して金属管柱2の曲げ変形量が大きくなるにつれて、撓み角θは徐々に増加することになる。
撓み角θの測定方法は、作業員によりマニュアル的に行うようにしてもよい。かかる場合には、ロッドやロープ等を作用点2bに取り付けておき、作用点2bにおける撓み量yを計算してもよい。基端2aから作用点2bまでの距離は既知であることから、この算出された撓み量yに基づき、撓み角θを計算により求めることができる。
次に計測した撓み量yから算出した撓み角θに基づいて滑車15の引張方向Aの位置を制御する。このとき、作用点2bからのワイヤー12の張設角度φが撓み角θと等しくなるように、滑車15の引張方向Aの位置を制御する。滑車15の引張方向Aの位置は、油圧シリンダ17により制御する。即ち、作業員は、張設角度φに対する滑車15の引張方向Aの位置関係を予め取得しておく。そして、計算により求めた撓み角θと等しくなる張設角度φの引張方向Aの位置を、上記予め取得した位置関係を参照することにより特定する。そして、この特定した引張方向Aの位置上に滑車15を移動させる。
その結果、ワイヤー12の張設角度φがちょうど撓み角θとほぼ等しくなるように制御されることとなる。ワイヤー12の張設角度φが撓み角θとほぼ等しくなることは、作用点2bにおける延伸方向に対してワイヤー12の張設方向がほぼ垂直であることを意味する。即ち、本発明によれば、曲げ変形を通じて金属管柱2における作用点2bが撓んで延伸方向が変化した場合においても、当該作用点2bの延伸方向に対して垂直方向に向けて曲げ荷重を加えることが可能となる。その結果、金属管柱2の曲げ試験を行う上で本来作用させたい曲げ荷重のみを負荷することができ、金属管柱2の延伸方向に負荷する軸力をほぼ0にすることができることから、高精度な測定を行うことが可能となる。実際の曲げ変形特性を解析する上では、ロードセル14により検知された引張荷重と、検知した変位量をもとに算出した撓み量yや撓み角θ等のデータに基づいて行うこととなる。
また油圧シリンダ16により伸縮軸16aを更に収縮させることにより、金属管柱2が更に曲げ変形し、作用点2bにおける撓み角θも変化する。この変化した後の撓み角θを検知した上で、ワイヤー12の張設角度φが撓み角θとほぼ等しくなるように油圧シリンダ17を制御する。これにより、金属管柱2が更に曲げ変形して作用点2bの撓み角θが変化する都度、当該作用点2bの延伸方向に対して垂直方向に向けて曲げ荷重を加え続けることが可能となる。その結果、ワイヤー12による引張力Pに基づいて金属管柱2が曲げ変形を開始してから試験が終了するまで常時、作用点2bの延伸方向に対して垂直方向に向けて曲げ荷重を加え続けることが可能となる。これにより、金属管柱2の曲げ変形性能について高精度な測定を行うことが可能となる。なお、本発明においては、ワイヤー12の張設角度φと撓み角θが完全に等しくなることは必須ではなく、両者間の値に多少のズレがあってもよい。
なお、上述した実施の形態においては、作用点2bにおける撓み角θの測定と、ワイヤー12の張設角度φの制御を共に作業員によるマニュアル動作を行う場合を例に取り説明をしたが、これに限定されるものではない。
例えば図3に示すように、更にレーザ変位計18と、制御用PC19とを備えるようにしてもよい。レーザ変位計18は、測定対象である作用点2b、及び上端2cに対してレーザ光を照射し、作用点2b及び上端2cにおける変位量を測定する。この測定した変位量に基づき、制御用PC19は、撓み量yを算出する。
制御用PC19は、算出した撓み量yから、上述したように撓み角θを計算する。制御用PC19は、その計算した撓み角θとワイヤー12の張設角度φがほぼ等しくなるように、油圧シリンダ17の伸縮軸17aを制御し、滑車15を移動させる。
これにより、ワイヤー12による引張力Pに基づいて金属管柱2が曲げ変形を開始してから試験が終了するまで、作用点2bの延伸方向に対して曲げ荷重の負荷方向が垂直となるように自動制御することが可能となる。特に自動制御とすることで、人手を介さずに曲げ試験を行うことができ、試験労力の負担を軽減できる。これに加えて、金属管柱2の撓み角θをレーザ変位計18を通じてリアルタイムに計測することができ、これに応じてワイヤー12による作用点2bの引張方向をリアルタイムに制御することができる。特にレーザ変位計は、作用点2bの僅かな変位を微細なピッチで計測することが可能となり、これに応じた制御用PC19による自動制御も微細なピッチで実現できる。このため、曲げ試験の測定精度を更に向上させることが可能となる。
なお、本発明は、上述した処理動作を事項する場合以外に、撓み角θから金属管柱2の作用点2bにおける延伸方向を算出し、算出した当該作用点2bにおける延伸方向に対してワイヤー12の張設角度φが略垂直となるように制御するものであればいかなるものであってもよい。
なお本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではない。例えば滑車15の構成を省略し、例えば図4に示すように油圧シリンダ16の伸縮軸16aの角度を直接変化させることにより、張設角度φを制御するようにしてもよい。
第2実施形態
図5は、第2実施形態としての自由振動試験装置4の形態を示している。この自由振動試験装置4は、試験対象の金属管柱2の基端2aを地上に固定し、その延伸方向が鉛直方向となるように立設させる。この自由振動試験装置4は、金属管柱2における作用点2bに一端が取り付けられたワイヤー42と、金属管柱2の上端2cに設けられた照明部43と、ワイヤー42における下端に取り付けられた錘44と、ワイヤー42を巻回させる滑車45と、金属管柱2の作用点2bの近傍に設けられた加速度センサ46とを備えている。
自由振動試験対象の金属管柱2は、例えば道路脇に設置される照明柱や標識柱、更には道路とは無関係のアンテナ柱、柵用の柱等、あらゆる柱状構造体に適用される鋼管状の柱であることは第1実施形態と同様である。以下の説明においては上端2cに照明部13が設けられた照明柱について試験する場合を例にとり説明をする。
ワイヤー42は、金属管柱2の作用点2bに一端を取り付ける際には、当該作用点2bに巻回させて結び付けるようにしてもよい。またワイヤー42は、作用点2bに当初から設けられた図示しない治具にその一端を取り付けるようにしてもよい。ワイヤー42は、作用点2bに対して略水平方向に向けて張設されている。このワイヤー42の他端は、滑車45に巻回された上で略鉛直方向に張設され、錘44に取り付けられる。
滑車45は、作用点2bから略水平方向に張設されてきたワイヤー42の張設方向を略鉛直方向に導くために、作用点2bとの間で高さが調整されている。
加速度センサ46は、加速度を測定し、適切な信号処理を施すことにより、作用点2bの傾きや動き、振動や衝撃等の情報を取得する。
第2実施形態における自由振動試験方法について説明をする。先ず上述した図5に示すように金属管柱2並びに自由振動試験装置4の各種構成をセッティングする。このセッティング時においてワイヤー42に錘44が吊り下げられることにより、ワイヤー42に引張力が負荷され、当該ワイヤー42が取り付けられる金属管柱2の作用点2bに対して曲げ荷重が負荷される。その結果、金属管柱2は曲げ変形することとなる。
次に錘44が吊り下げられているワイヤー42を切断する。このワイヤー42が切断されることにより金属管柱2が無負荷状態になり、図5中点線に示されるように金属管柱2が自由振動する。この金属管柱2の自由振動に応じて作用点2bも振動することになるが、その近傍に取り付けられた加速度センサ46により、加速度が計測されることとなる。
特に自由振動試験装置4においては、金属管柱2の作用点2bに対してワイヤー42を介して水平方向の荷重のみ加えている。このため作用点7aには、水平方向の荷重PC1のみが負荷され、鉛直方向の荷重は負荷されることが無くなる。かかる状態でワイヤー42を切断することで引張力を開放して無負荷状態に移行することにより、金属管柱2は振動することとなるが、このときに加わる振動力も水平方向の荷重PC1のみに基づくものとなる。
このため、自由振動試験を行う上で、本来作用させたい水平方向の荷重PC1に基づく振動力のみが作用し、鉛直方向の荷重に基づく振動力は特段作用することは無い。従って、金属管柱7の水平方向の減衰率を正確に把握することが可能となる。即ち、この自由振動試験装置4によれば、加振に基づいて発生する鉛直方向の荷重に基づく振動力をキャンセルし、あくまで水平方向の荷重PC1のみに基づき、自由振動試験に対する水平方向の加速度応答を正確に検出することが可能となる。
なお、第2実施形態においては、図6に示すように、ワイヤー42の一端に形成させたリング48を、金属管柱2における作用点2bから突出されて下向きに折り曲げられた折曲部51を有するフック50に係止させるようにしてもよい。リング48は、ワイヤー42に別途結び付けられた輪状構造体とされていてもよいし、或いはワイヤー42自体を輪が構成されるように結び付けるものであってもよい。
折曲部51は図6に示すようにL字状に構成されている場合に限定されるものではなく、少なくとも折曲部51が下向きに折り曲げられるものであればいかなる形状とされていてもよい。
ワイヤー42に引張力が負荷されている場合には、図6に示すようにリング48を折曲部51に係止させたワイヤー42を介して金属管柱2に引張力を負荷することができ、これを撓ませることが可能となる。
しかし、ワイヤー42を切断した場合には、ワイヤー42の重力によりフックから自然落下することになる。これにより、切断したワイヤー42を作用点2bに取り付けたまま金属管柱2を振動させることで、金属管柱2がワイヤー42及び滑車45の影響を受けることなく金属管柱2単体の減衰率を正確に把握することが可能になるとともに、当該ワイヤー42が四方八方に飛んでしまうのを防止することができ、測定作業の安全性を確保することが可能となる。
1 曲げ試験装置
2、7 金属管柱
2a 基端
2b 作用点
2c 上端
4 自由振動試験装置
11 固定用治具
12、42 ワイヤー
13、43 照明部
14 ロードセル
15 滑車
16、17 油圧シリンダ
16a、17a 伸縮軸
18 レーザ変位計
44 錘
45 滑車
46 加速度センサ
48 リング
50 フック
51 折曲部

Claims (3)

  1. 金属管柱の自由振動特性を確認するための自由振動試験装置であって、
    略鉛直方向に立設された金属管柱の作用点に取り付けられ、略水平方向に張設されると共に滑車を介して略鉛直下向きに吊り下げられたワイヤーと、
    上記ワイヤーの下端から引張力を負荷することにより、上記金属管柱を上記作用点を介して撓ませた後にこれを無負荷状態に移行させることにより、当該金属管柱を振動させる負荷手段と、
    上記金属管柱における上記振動の略水平方向の加速度応答を測定する加速度測定手段とを備えること
    を特徴とする金属管柱の自由振動試験装置。
  2. 上記ワイヤーは、一端に形成させたリングを、上記金属管柱から突出されて下向きに折り曲げられたフックに係止させてなり、
    上記負荷手段は、上記ワイヤーの下端から錘を吊り下げる引張力を負荷し、上記ワイヤーを切断することにより無負荷状態に移行させることで上記ワイヤーを上記フックから自然落下させること
    を特徴とする請求項1記載の自由振動試験装置。
  3. 金属管柱の自由振動特性を確認するための自由振動試験方法であって、
    略鉛直方向に立設された金属管柱の作用点にワイヤーを取り付け、これを略水平方向に張設すると共に滑車を介して略鉛直下向きに吊り下げ、
    上記ワイヤーの下端から引張力を負荷することにより、上記金属管柱を上記作用点を介して撓ませた後にこれを無負荷状態に移行させることにより、当該金属管柱を振動させ、
    上記金属管柱における上記振動の略水平方向の加速度応答を測定すること
    を特徴とする金属管柱の自由振動試験方法。
JP2021035475A 2017-03-31 2021-03-05 金属管柱の自由振動試験装置及び方法 Active JP7035242B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021035475A JP7035242B2 (ja) 2017-03-31 2021-03-05 金属管柱の自由振動試験装置及び方法

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017071969A JP6908411B2 (ja) 2017-03-31 2017-03-31 金属管柱の曲げ試験装置及び方法
JP2021035475A JP7035242B2 (ja) 2017-03-31 2021-03-05 金属管柱の自由振動試験装置及び方法

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017071969A Division JP6908411B2 (ja) 2017-03-31 2017-03-31 金属管柱の曲げ試験装置及び方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2021101187A JP2021101187A (ja) 2021-07-08
JP7035242B2 true JP7035242B2 (ja) 2022-03-14

Family

ID=64108562

Family Applications (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017071969A Active JP6908411B2 (ja) 2017-03-31 2017-03-31 金属管柱の曲げ試験装置及び方法
JP2021035475A Active JP7035242B2 (ja) 2017-03-31 2021-03-05 金属管柱の自由振動試験装置及び方法

Family Applications Before (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017071969A Active JP6908411B2 (ja) 2017-03-31 2017-03-31 金属管柱の曲げ試験装置及び方法

Country Status (1)

Country Link
JP (2) JP6908411B2 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6940806B2 (ja) * 2017-05-04 2021-09-29 東京電力ホールディングス株式会社 レーザ距離計を用いたコンクリート柱の曲げ試験方法および曲げ試験装置
CN110243686A (zh) * 2019-05-22 2019-09-17 航天科工防御技术研究试验中心 一种加载装置及力的加载方法
KR102338996B1 (ko) * 2020-10-07 2021-12-14 서울대학교산학협력단 지반 조건을 반영한 파이프 구조물의 구조 실험장치
CN112307545B (zh) * 2020-10-30 2023-05-16 大连海事大学 一种考虑轴向力作用的大直径单桩水平振动分析方法
CN112304747B (zh) * 2020-11-12 2023-10-13 山东大业股份有限公司 一种金属丝弯折试验机
CN114323946A (zh) * 2021-12-29 2022-04-12 深圳中宝集团有限公司 键合金丝拉力自动测试的方法、装置和计算机设备
JP7286858B2 (ja) * 2022-10-26 2023-06-05 日本発條株式会社 撓み測定装置、撓み測定方法及び品質管理方法

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5952580A (en) 1997-09-30 1999-09-14 Grafalloy Apparatus and method for producing shafts having preselected lengths and flexural properties
JP2006250682A (ja) 2005-03-10 2006-09-21 Railway Technical Res Inst 電柱もしくは電話柱の健全度判定方法
JP2008286680A (ja) 2007-05-18 2008-11-27 Japan Pile Corp 杭の動的水平載荷試験方法及び動的水平載荷試験装置
JP2016118433A (ja) 2014-12-19 2016-06-30 Jfe建材株式会社 鋼管柱曲げ試験方法および装置
JP6322998B2 (ja) 2013-12-25 2018-05-16 セイコーエプソン株式会社 記録装置

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3192277B2 (ja) * 1993-05-14 2001-07-23 新日本製鐵株式会社 コンクリート柱
JP3938993B2 (ja) * 1997-11-26 2007-06-27 関西電力株式会社 3次元地震応答解析方法
JP2000002527A (ja) * 1998-06-17 2000-01-07 Daiwa Seiko Inc 管状体のたわみ特性の指標を表示する測定方法、及びその測定方法を指標とした管状体、並びにそのたわみ特性を測定する測定装置
US6397545B1 (en) * 1999-03-29 2002-06-04 Kazak Composites, Inc. Energy-absorbing utility poles and replacement components
AU2002242023B2 (en) * 2001-01-31 2008-01-03 Board Of Control Of Michigan Technological University System for and method of performing evaluation techniques on a log or round timber
JP5556598B2 (ja) * 2010-11-02 2014-07-23 東京電力株式会社 架空設備用支持物の負荷応力推定方法及び柱状構造物の形状測定方法

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5952580A (en) 1997-09-30 1999-09-14 Grafalloy Apparatus and method for producing shafts having preselected lengths and flexural properties
JP2006250682A (ja) 2005-03-10 2006-09-21 Railway Technical Res Inst 電柱もしくは電話柱の健全度判定方法
JP2008286680A (ja) 2007-05-18 2008-11-27 Japan Pile Corp 杭の動的水平載荷試験方法及び動的水平載荷試験装置
JP6322998B2 (ja) 2013-12-25 2018-05-16 セイコーエプソン株式会社 記録装置
JP2016118433A (ja) 2014-12-19 2016-06-30 Jfe建材株式会社 鋼管柱曲げ試験方法および装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP6908411B2 (ja) 2021-07-28
JP2018173359A (ja) 2018-11-08
JP2021101187A (ja) 2021-07-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7035242B2 (ja) 金属管柱の自由振動試験装置及び方法
JP5642813B2 (ja) トレンチ壁要素の作製方法及び装置
JP2018189493A (ja) レーザ照射を用いた試験体の曲げ試験方法及び曲げ試験装置
JP6723540B2 (ja) 加振装置、振動測定システム、振動測定方法および張力の計測方法
JP2018200208A (ja) 加力試験装置
KR102009001B1 (ko) 시설물의 안전진단용 균열계측장치
JP5886724B2 (ja) エレベーターのロープ張力検査装置及びロープ張力検査方法
US7591168B2 (en) Test equipment system and method for testing a component
EP2687445B1 (en) Measurement of the inertial properties of an aircraft movable control surface
JP2018203409A (ja) 電波暗室用懸吊回転装置
JP2018084479A (ja) 渦流探傷検査のための高所測定治具、渦流探傷検査装置、および渦流探傷検査方法
JP6030536B2 (ja) 車固定システム
KR20180019537A (ko) 크레인에 대한 최적화된 부하 곡선을 규정하기 위한 방법, 크레인에 매달려 있는 부하를 최적화된 부하 곡선에 근거하여 제어하기 위한 방법 및 제어 장치
ES2682966A1 (es) Dispositivo de ensayo para torres y cimentaciones eólicas
JP2005345164A (ja) エレベータ主ロープの張力測定装置
KR101804021B1 (ko) 장경간 교량의 동(動) 하중 시험장치
KR101526511B1 (ko) 크랭크 샤프트의 고유진동수를 측정하기 위한 모달 테스팅용 지그
KR101104268B1 (ko) 유공압을 이용한 러그 로드 테스트 방법 및 그 장치
JP2004053437A (ja) 変位測定装置
WO2020148794A1 (en) Device for the static and dynamic monitoring of supporting structures
KR102225777B1 (ko) 투명관을 이용한 방풍용 변위 측정장치
Sapiński et al. Facility for testing of magnetorheological damping systems for cable vibrations
DE102022103042B3 (de) Vorrichtung und Verfahren zur Überprüfung der Standsicherheit von Masten
JP2023178156A (ja) 構造物の変位計測器
KR101717446B1 (ko) 관성력을 이용한 고속 인장 시험기

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210324

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20220224

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220301

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220302

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7035242

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150