JP7033454B2 - Aerd/喘息におけるトロンボキサン受容体拮抗薬 - Google Patents

Aerd/喘息におけるトロンボキサン受容体拮抗薬 Download PDF

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Description

本発明は、AERD(アスピリン喘息)および喘息の治療におけるトロンボキサン受容体拮抗薬(例えば、イフェトロバン)の使用、ならびにそれの治療のための医薬組成物に関するものである。
アスピリン喘息(アスピリンにより悪化する喘息、AERD)は、喘息、鼻ポリープを有する再発性副鼻腔疾患、ならびにアスピリンおよび他の非ステロイド系抗炎症薬類(NSAID類)に対する感受性からなる慢性の医学的状態である。患っている患者は代表的には、アスピリンその他のNSAID類によって誘発される反応を生じる。これらの反応には、鼻の鬱血または詰まりの亢進;涙目および目の充血;咳、喘鳴、または胸部絞扼感;前頭部頭痛または副鼻腔痛の感覚;顔面紅潮および/または発疹;吐き気および/または腹部痙攣;およびめまいを伴う場合がある全身けん怠感などがあるが、これらに限定されるものではない。
科学的な観点からは、AERDは、アスピリンもしくはNSAID類などの医薬によるCOX-1の阻害後のシステイニルロイコトリエン類の過剰産生による肥満細胞活性化を特徴とする。COX-1阻害後に起こる肥満細胞活性化の原因は不明である。
喘息を有する成人の約10%がAERDに冒されている。喘息および鼻ポリープを有する患者のかなりの割合(約40%)が、アスピリンおよびNSAID類に対して感受性である。
代表的には、AERDを患っているヒト患者は、喘息、鼻鬱血、および鼻ポリープも有する。そのような患者は、従来の治療には応答しない場合が多い。
AERDは、一般にはサンター(Samter)の三徴候またはアスピリン感受性喘息とも称される。
AERDに現在使える最も一般的な治療は、アスピリン脱感作である。アスピリン脱感作には、例えば患者の入院および患者が最初に非常に低用量(20から40mg)のアスピリン投与を受け、1.5時間から3時間ごとに徐々に用量を高くする投与法の開始を伴い得る。アスピリン誘発反応(およびそれに続く患者の安定化)後に、さらに追加用量のアスピリンを投与する。脱感作は、患者がそれ以上の反応を起こすことなくアスピリン325mgの投与を受けたら完了したと見なされる。次に、その患者は退院させ、アスピリン治療を続ける(代表的には、1日2回325mgまたは650mg)。しかしながら、アスピリン脱感作は、多くのAERD患者にとっては有効ではない。
他の治療には、トブラマイシンまたはビアキシン(biaxin)などの抗生物質、サリチル酸非含有食、ベタメタゾンなどのコルチコステロイドおよび/またはアセチルシステインなどがある。
アスピリン喘息(AERD)対象者のアスピリン負荷によって、肥満細胞(MC)の活性化が生じ、それは血清(Bochenek 2003)および鼻洗浄液(Fischer 1994)の両方におけるトリプターゼレベルの上昇によって裏付けられる。さらに、アスピリンに対する反応時に、血漿においてPGD2代謝物である9α-11β-PGF2のレベルが上昇する(Bochenek 2003)。PGD2は、気管支平滑筋で認められるトロンボキサンプロスタノイド(TP)受容体を活性化させることで気管支収縮を引き起こすことが明らかになっている(Armour 1989;Bochenek 2003;Pettipher 2007)。イン・ビトロでのイフェトロバンの投与が、PGD2によって誘発されるモルモットの気管の収縮を阻害し(Ogletree 1992)、ラットおよびモルモットにおけるTP受容体誘発気管支痙攣の阻止および逆転の両方を行うことが明らかになっている。リジン-アスピリンの直接気管支内投与は、AERD患者からの気管支肺胞洗浄(BAL)液から回収されるPGD2およびPGD2代謝物のレベルを低下させない。しかしながら、リジン-アスピリンの気管支内投与によって、他のプロスタグランジン類の濃度が低下する(Sladek 1994; Szczeklik 1996)。従って、AERDにおけるPGD2産生は、アスピリンによる抑制に抵抗するものである。
相対的にアスピリン抵抗性の酵素であるCOX-2の発現は、アスピリン耐性対照の場合と比較して、AERD患者からの気管支生検中の高いMCパーセントによって表現される(Sousa 1997)。鼻ポリープにおけるCOX-2の全体的な発現はアスピリン耐性対照と比較してAERDで低下することから(Picado 1999)、MC類によるCOX-2発現の選択的上昇は恐らく、COX-2アイソフォームの制御における細胞特異的差を反映するものである。従って、MCがアスピリン負荷時にAERDでPGD2を放出する能力は、それらがこの機能についてCOX-2を優先的に使用するためである可能性がある。PGD2が免疫エフェクター細胞を動員および活性化し、血管拡張を誘発し、気管支収縮を引き起こす能力は、特にはそれの産生が低用量アスピリンによる抑制に抵抗することから、AERDの病態生理における役割と良好に適合するものと考えられる。
ヒト試験により、アスピリン耐性対照と比較したAERD患者の副鼻腔組織におけるPGE2のCOX-2依存性合成の顕著な障害が示されている(Picado 1999; Yoshimura 2008)。以前の臨床試験も、AERDのヒト被験者でのシステイニルロイコトリエン類(cys-LTs)源としての血小板接着性顆粒球の非常に重要な役割を強く支持している(Laidlaw 2012)。COX-2依存性PGE2発生、持続性PGD2発生、およびAERDでの血小板の役割における欠陥の病原的結果についてさらに調べるため、ミクロソームPGE2シンターゼ欠損マウス(ptges-/-マウス)が開発された(Liu 2012; Liu 2013)。PGE2シンターゼは、COX-2由来PGH2のPGE2への変換を行う支配的な終末酵素である(Murakami 2000)。
ptges-/-マウスでのAERD表現型を誘発するため、イエダニであるデルマトファゴイデス・ファリナ(Dermatophagoides farina)(Df)からのアレルゲンの抽出物6用量を投与したところ、動物は、対照と比較して顕著な好酸球性気管支血管炎症を生じた(Liu 2012)。ptges-/-マウスの血液および肺では、ヒトでの所見と同様の、顆粒球に接着する血小板数の顕著な増加があった。リジンアスピリンの吸引による負荷の場合、Df処理ptges-/-マウスは、BAL液でのcys-LT類、ヒスタミン、およびマウスMCプロテアーゼ1のレベル上昇を伴う、気道抵抗の大幅な上昇を示した。気道抵抗の上昇は、ジレウトンまたはモンテルカストによる阻害に対して感受性であり(Liu 2013)、それはヒトでのAERDの既知の薬理と一致するものであった。Lys-ASA負荷に先だって外因性抗体が介在する血小板欠乏とすることで、気道抵抗およびcys-LT類の上昇が完全になくなった。さらに、ptges-/-マウスからのTP受容体の欠落またはTP受容体の選択的拮抗薬であるSQ29、548の投与によって、アスピリンに対する反応およびcys-LT類の上昇が完全に遮断された(図1)。これらの所見は、アスピリン負荷時におけるロイコトリエンC4(LTC4)の細胞間合成に血小板が介在する上で、TP受容体を介したシグナル伝達が必須であることを示唆している。これらの知見は、TP受容体遮断がAERDでのcys-LT類の合成を低下させることで、当該疾患の新たな治療形態を提供し、アスピリンに対する脱感作を容易にするという仮説を裏付けるものである。
本発明の一つの目的は、AERDおよび/または喘息の新規な治療方法を提供することにある。
本発明の一つの目的は、AERDを患うヒト患者でのアスピリン誘発反応の結果として必要な救急薬を減らすことにある。
本発明の別の目的は、AERD患者でのアスピリン脱感作の症状を軽減させることにある。
上記目的および他の目的によれば、本発明は、一部において、治療上有効量のトロンボキサン受容体拮抗薬を投与することによる、ヒト患者でのAERDまたは喘息の治療および/または予防方法を提供することに関するものである。好ましくは、トロンボキサン受容体拮抗薬の治療上有効量は、約0.1ng/mLから約10、000ng/mL、好ましくは約1.0ng/mLから約6000ng/mL、または約40ng/mLから約3500ng/mL、または約300ng/mLから約2500ng/mLのトロンボキサン受容体拮抗薬の血漿濃度を提供するのに十分なものである。
ある種の実施形態において、トロンボキサン(thromoboxane)受容体拮抗薬は、ヒト患者に対するトロンボキサンA受容体拮抗薬である。好ましい実施形態において、トロンボキサンA拮抗薬は、[1S-(1α、2α、3α、4α)]-2-[[3-[4-[(ペンチルアミノ)カルボニル]-2-オキサゾリル]-7-オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-イル]メチル]-ベンゼンプロパン酸(イフェトロバン)、またはそれの医薬として許容される塩(製薬上許容される塩)である。ある種の好ましい実施形態において、トロンボキサンA受容体拮抗薬は、イフェトロバンまたはそれの医薬として許容される塩(例えば、イフェトロバンナトリウム)であり、ヒト患者に経口投与される用量は、大体1日用量で約25mgから約400mgである。そのような実施形態において、患者は(好ましくは)、イフェトロバン投与されないヒト患者と比較して、必要とする救急薬の量が少なくなるであろう。ある種の好ましい実施形態において、イフェトロバンは約150mgから約400mg、約200mgから約300mgの量で経口投与され、ある種の実施形態では最も好ましくは約200mgである。ある種の好ましい実施形態において、イフェトロバンはイフェトロバンナトリウムである。
本発明はさらに、一部において、治療上有効量の[1S-(1α、2α、3α、4α)]-2-[[3-[4-[(ペンチルアミノ)カルボニル]-2-オキサゾリル]-7-オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-イル]メチル]-ベンゼンプロパン酸・1ナトリウム塩(イフェトロバンナトリウム)をヒト患者に投与することで、AERDまたは喘息を治療および/または予防する方法を提供することに関するものである。好ましくは、その治療上有効量は、約0.1ng/mLから約10、000ng/mL、好ましくは約1.0ng/mLから約6000ng/mL、または約40ng/mLから約3500ng/mL、または約300ng/mLから約2500ng/mLのイフェトロバン血漿濃度を提供する。ある種の好ましい実施形態において、トロンボキサンA受容体拮抗薬はイフェトロバンまたはそれの医薬として許容される塩(例えば、イフェトロバンナトリウム)であり、ヒト患者に経口投与される用量は、大体1日用量で約25mgから約400mgである。そのような実施形態において、患者は(好ましくは)、イフェトロバン投与されないヒト患者と比較して、必要とする救急薬の量が少なくなるであろう。ある種の好ましい実施形態において、イフェトロバンは約150mgから約400mg、約200mgから約300mgの量で経口投与され、ある種の実施形態では最も好ましくは約200mgである。ある種の好ましい実施形態において、イフェトロバンはイフェトロバンナトリウムである。
上記の目的によれば、本発明は、処置を必要とする患者に対して治療上有効量のトロンボキサン受容体拮抗薬(好ましくは、トロンボキサンA受容体拮抗薬)を投与することによる、鼻鬱血(または詰まり)、涙目、目の充血、咳、喘鳴、胸部絞扼感;前頭部頭痛、副鼻腔痛の感覚、顔面紅潮、発疹、蕁麻疹、吐き気、腹部痙攣、全身けん怠感、めまい、呼吸困難、および前記のいずれかの組み合わせなど(これらに限定されるものではない)のAERDまたは喘息関連の症状を予防、改善もしくは治療する方法を提供する。ある種の好ましい実施形態において、トロンボキサンA受容体拮抗薬の治療上有効量は、約0.1ng/mLから約10、000ng/mLのトロンボキサンA受容体拮抗薬血漿濃度を提供し、その所望の血漿濃度によって、患者は前記症状の軽減を経験することになる。好ましい実施形態において、トロンボキサンA拮抗薬は、[1S-(1α、2α、3α、4α)]-2-[[3-[4-[(ペンチルアミノ)カルボニル]-2-オキサゾリル]-7-オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-イル]メチル]-ベンゼンプロパン酸(イフェトロバン)、またはそれの医薬として許容される塩である。別の好ましい実施形態において、トロンボキサン受容体拮抗薬は、[1S-(1α、2α、3α、4α)]-2-[[3-[4-[(ペンチルアミノ)カルボニル]-2-オキサゾリル]-7-オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-イル]メチル]-ベンゼンプロパン酸・1ナトリウム塩(イフェトロバンナトリウム)である。ある種の好ましい実施形態において、トロンボキサンA受容体拮抗薬は、イフェトロバンまたはそれの医薬として許容される塩(例えば、イフェトロバンナトリウム)であり、ヒト患者に経口投与される用量は、約150mg/日から約400mg/日であり、単回投与または分割投与で投与される。ある種の好ましい実施形態において、トロンボキサンA受容体拮抗薬はイフェトロバンナトリウムであり、用量は、AERDおよび/または喘息を患うヒト患者に経口投与する場合は約200mg/日である。
本発明は、一部において、約25mgから約400mgの1日用量でイフェトロバンまたはそれの医薬として許容される塩を投与することを含む、AERDを患うヒト患者でのアスピリン誘発反応の結果としての救急薬低減方法に関するものでもある。そのような実施形態において、患者は(好ましくは)、イフェトロバン投与されないヒト患者と比較して、必要とする救急薬の量が少なくなるであろう。ある種の好ましい実施形態において、イフェトロバンは約150mgから約400mg、約200mgから約300mgの量で経口投与され、ある種の実施形態では最も好ましくは約200mgである。ある種の好ましい実施形態において、イフェトロバンはイフェトロバンナトリウムである。
本発明は、イフェトロバンまたはそれの医薬として許容される塩を、約25mgから約400mgの1日用量で経口投与することを含む、AERDを患うヒト患者でのアスピリン誘発反応の結果としての救急薬を含むヒトAERD患者におけるアスピリン脱感作の症状の軽減方法に関するものでもある。そのような実施形態において、患者は(好ましくは)、イフェトロバン投与されないヒト患者と比較して、必要とする救急薬の量が少なくなるであろう。ある種の好ましい実施形態において、イフェトロバンは、約150mgから約400mg、約200mgから約300mgの量で経口投与され、ある種の実施形態において、最も好ましくは約200mgである。ある種の好ましい実施形態において、イフェトロバンはイフェトロバンナトリウムである。
上記の方法のいずれにおいても、トロンボキサンA受容体拮抗薬は、約25mg、約50mg、約75mg、約100mg、約125mg、約150mg、約175mg、約200mg、約225mg、約250mg、約275mg、約300mg、約325mg、約350mg、約375mg、および約400mgの1日用量でのイフェトロバンまたはそれの医薬として許容される塩(例えば、イフェトロバンナトリウム)であることができる。その1日用量は、1日1回、1日2回、1日3回、または1日4回投与することができる。
「治療上有効量」という表現は、あらゆる処置で適用可能な妥当な利益/リスク比で何らかの所望の局所もしくは全身効果を発揮する物質の量を指す。そのような物質の有効量は、治療される対象者および疾患状態、対象者の体重および年齢、疾患状態の重度、投与形態などに応じて変動するものであるが、それは当業者が容易に決定できるものである。
本明細書で使用される「トロンボキサンA受容体拮抗薬」という用語は、標準的なバイオアッセイでもしくはイン・ビボで、または治療上有効な用量で使用した場合に、トロンボキサン受容体の発現もしくは活性を、少なくともまたは少なくとも約30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%阻害する化合物を指す。ある種の実施形態において、トロンボキサンA受容体拮抗薬は、トロンボキサンAの受容体への結合を阻害する。トロンボキサンA受容体拮抗薬には、競合的拮抗薬(すなわち、受容体の作動薬と競合する拮抗薬)および非競合的拮抗薬などがある。トロンボキサンA受容体拮抗薬には、受容体への抗体などがある。その抗体はモノクローナルであることができる。それらは、ヒト抗体またはヒト化抗体であることができる。トロンボキサンA受容体拮抗薬には、トロンボキサンシンターゼ阻害薬、ならびにトロンボキサンA受容体拮抗薬活性およびトロンボキサンシンターゼ阻害薬活性の両方を有する化合物もある。
図1は、TP受容体の欠落または遮断がPGE2不足マウスでのアスピリン感受性を弱めることを示す図である。(A)PBSまたはDfによる最終処置から24時間後のptges-/-またはptges/tpr-/-(DKO)マウスのLys-ASA負荷に対する応答で生じるRLにおけるピーク変化。(B)Lys-ASAによる負荷以前のTP受容体選択的拮抗薬SQ29.548の2回投与を受けたptges-/-マウスでのRLにおけるピーク変化。 (C)(B)と同じマウスからのBAL液中のcys-LT類、mMCP-1およびヒスタミンのレベル。結果はマウス10匹/群からのものである(Liu 2013から適応させた。)。
発明の詳細な説明
ほぼ30年にわたり、多くの製薬会社の目的がトロンボキサンA受容体拮抗薬の発見および開発にあった(Dogne J-M、 et al.、 Exp. Opin. Ther. Patents 11:1663-1675(2001)参照)。トロンボキサンAシンターゼ阻害活性を伴うか伴わない、これらの会社が確認したある種の個々の化合物には、イフェトロバン(BMS)、リドグレル(Janssen)、テルボグレル(BI)、UK-147535(Pfizer)、GR32191(Glaxo)、およびS-18886(Servier)などがある。前臨床薬理学によって、この種類の化合物が、トロンボキサン経路の阻害によって得られる有効な抗血栓活性を有することが明らかになった。これらの化合物はまた、血管床内のトロンボキサンA受容体に作用するトロンボキサンAおよび他のプロスタノイドによって誘発される血管収縮を防止することから、肝腎症候群および/または肝性脳症の予防および/または治療での使用に有益であることができる。
本発明での使用に好適なトロンボキサンA受容体拮抗薬には、例えば、イフェトロバン(BMS;[1S-(1α,2α,3α,4α)]-2-[[3-[4-[(ペンチルアミノ)カルボニル]-2-オキサゾリル]-7-オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-イル]メチル]ベンゼンプロパン酸)などの小分子、ならびに米国特許出願公開番号第2009/0012115号(これの開示内容は、参照によってその全体が本明細書に組み込まれる。)に記載の他のものなど(これらに限定されるものではない)があり得る。
本発明での使用に好適な別のトロンボキサンA受容体拮抗薬は、米国特許第4,839,384号(Ogletree);同5,066,480号(Ogletree, et al.);同5,100,889号(Misra, et al.);同5,312,818号(Rubin, et al.);同5,399,725号(Poss, et al.);および同6,509,348号(Ogletree)(これらの開示内容は参照によってその全体が本明細書に組み込まれる。)にも記載されている。これらには、米国特許第5,100,889号に開示の内部フェニレン7-オキサビシクロ-ヘプチル置換された複素環アミドプロスタグランジン類縁体、例えば:
[1S-(1α,2α,3α,4α)]-2-[[3-[4-[[(4-シクロ-ヘキシルブチル)アミノ]カルボニル]-2-オキサゾリル]-7-オキサビシクロ[2.2.1]-ヘプタ-2-イル]メチル]ベンゼンプロパン酸(SQ33,961)またはそれのエステルもしくは塩;
[1S-(1α,2α,3α,4α)]-2-[[3-[4-[[[(4-クロロ-フェニル)-ブチル]アミノ]カルボニル]-2-オキサゾリル]-7-オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-イル]メチル]ベンゼンプロパン酸またはそれのエステルもしくは塩;
[1S-(1α,2α,3α,4α)]-3-[[3-[4-[[(4-シクロヘキシルブチル)-アミノ]カルボニル]-2-オキサゾリル]-7-オキサビシクロ]2.2.1]ヘプタ-2-イル]ベンゼン酢酸またはそれのエステルもしくは塩;
[1S-(1α,2α,3α,4α)]-[2-[[3-[4-[[(4-シクロヘキシル-ブチル)アミノ]カルボニル]-2-オキサゾリル]-7-オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-イル]メチル]フェノキシ]酢酸またはそれのエステルもしくは塩;
[1S-(1α,2α,3α,4α]-2-[[3-[4-[[(7,7-ジメチルオクチル)-アミノ]カルボニル]-2-オキサゾリル]-7-オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-イル]-メチル]ベンゼンプロパン酸またはそれのエステルもしくは塩.
1992年3月31日発行の米国特許第5,100,889号に開示の7-オキサビシクロヘプチル置換された複素環アミドプロスタグランジン類縁体、例えば[1S-[1α,2α(Z),3α,4α)]-6-[3-[4-[[(4-シクロヘキシルブチル)アミノ]-カルボニル]-2-オキサゾリル]-7-オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-イル]-4-ヘキセン酸またはそれのエステルもしくは塩;
[1S-[1α,2α(Z),3α,4α)]]-6-[3-[4-[[(4-シクロヘキシル-ブチル)アミノ]カルボニル]-2-チアゾリル]-7-オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-イル]-4-ヘキセン酸またはそれのエステルもしくは塩;
[1S-[1α,2α(Z),3α,4α)]]-6-[3-[4-[[(4-シクロヘキシル-ブチル)メチルアミノ]カルボニル]-2-オキサゾリル]-7-オキサビシクロ-[2.2.1]ヘプタ-2-イル]-4-ヘキセン酸またはそれのエステルもしくは塩;
[1S-[1α,2α(Z),3α,4α)]]-6-[3-[4-[(1-ピロリジニル)-カルボニル]-2-オキサゾリル]-7-オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-イル]-4-ヘキセン酸またはそれのエステルもしくは塩;
[1S-[1α,2α(Z),3α,4α)]]-6-[3-[4-[(シクロヘキシルアミノ)-カルボニル]-2-オキサゾリル]-7-オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-イル-4-ヘキセン酸またはそれのエステルもしくは塩;
[1S-[1α,2α(Z),3α,4α)]]-6-[3-[4-[[(2-シクロヘキシル-エチル)アミノ]カルボニル]-2-オキサゾリル]-7-オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-イル]-4-ヘキセン酸またはそれのエステルもしくは塩;
[1S-[1α,2α(Z),3α,4α)]]-6-[3-[4-[[[2-(4-クロロ-フェニル)エチル]アミノ]カルボニル]-2-オキサゾリル]-7-オキサビシクロ-[2.2.1]ヘプタ-2-イル]-4-ヘキセン酸またはそれのエステルもしくは塩;
[1S-[1α,2α(Z),3α,4α)]-6-[3-[4-[[(4-クロロフェニル)-アミノ]カルボニル]-2-オキサゾリル]-7-オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-イル]-4-ヘキセン酸またはそれのエステルもしくは塩;
[1S-[1α,2α(Z),3α,4α)]]-6-[3-[4-[[[4-(4-クロロ-フェニル)ブチル]アミノ]カルボニル]-2-オキサゾリル]-7-オキサビシクロ-[2.2.1]ヘプタ-2-イル]-4-ヘキセン酸またはそれのエステルもしくは塩;
[1S-[11α,2α(Z),3α,4α)]]-6-[3-[4α-[[-(6-シクロヘキシル-ヘキシル)アミノ]カルボニル]-2-オキサゾリル]-7-オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-イル]-4-ヘキセン酸、またはそれのエステルもしくは塩;
[1S-[1α,2α(Z),3α,4α)]]-6-[3-[4-[[(6-シクロヘキシル-ヘキシル)アミノ]カルボニル]-2-オキサゾリル]-7-オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-イル]-4-ヘキセン酸またはそれのエステルもしくは塩;
[1S-[1α,2α(Z),3α,4α]]-6-[3-[4-[(プロピルアミノ)-カルボニル]-2-オキサゾリル]-7-オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-イル]-4-ヘキセン酸またはそれのエステルもしくは塩;
[1S-[1α,2α(Z),3α,4α)]]-6-[3-[4-[[(4-ブチルフェニル)-アミノ]カルボニル]-2-オキサゾリル]-7-オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-イル]-4-ヘキセン酸またはそれのエステルもしくは塩;
[1S-[1α,2α(Z),3α,4α)]]-6-[3-[4-[(2,3-ジヒドロ-1H-インドール-1-イル)カルボニル]-2-オキサゾリル]-7-オキサビシクロ(2.2.1]ヘプタ-2-イル]-4-ヘキセン酸またはそれのエステルもしくは塩;
[1S-[1α,2α(Z),3α,4α)]]-6-[3-[4-[[(4-シクロヘキシル-ブチル)アミノ]カルボニル]-2-オキサゾリル]-7-オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-イル]-N-(フェニルスルホニル)-4-ヘキセンアミド;
[1S-[11α,2α(Z),3α,4α)]]-6-[3-[4-[[(4-シクロヘキシル-ブチル)アミノ]カルボニル]-2-オキサゾリル]-N-(メチルスルホニル)-7-オキサビシクロ[2-.2.1]ヘプタ-2-イル]-4-ヘキセンアミド;
[1S-[1α,2α(Z),3α,4α)]]-7-[3-[4-[[(4-シクロヘキシル-ブチル)アミノ]カルボニル]-2-オキサゾリル]-7-オキサビシクロ(2.2.1]ヘプタ-2-イル]-5-ヘプテン酸またはそれのエステルもしくは塩;
[1S-[1α,2α(Z),3α,4α)]]-6-[3-[4-[[(4-シクロヘキシル-ブチル)アミノ]カルボニル]-1H-イミダゾール-2-イル]-7-オキサビシクロ-[2.2.1]ヘプタ-2-イル]-4-ヘキセン酸またはそれのエステルもしくは塩;
[1S-[1α,2α,3α,4α)]-6-[3-[4-[[(7,7-ジメチルオクチル)-アミノ]カルボニル]-2-オキサゾリル]-7-オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-イル]-4-ヘキセン酸またはそれのエステルもしくは塩;
[1S-[1α,2α(E),3α,4α)]]-6-[3-[4-[[(4-シクロヘキシル-ブチル)アミノ]カルボニル]-2-オキサゾリル]-7-オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-イル]-4-ヘキセン酸;
[1S-[1α,2α,3α,4α)]-3-[4-[[(4-(シクロヘキシルブチル)-アミノ]カルボニル]-2-オキサゾリル]-7-オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-ヘキサン酸またはそれのエステルもしくは塩、
[1S-[1α,2α(Z),3α,4α)]]-6-[3-[4-[[(4-シクロヘキシル-ブチル)アミノ]カルボニル]-2-オキサゾリル]-7-オキサビシクロ-[2.2.1]ヘプタ-2-イル]-4-ヘキセン酸またはそれのエステルもしくは塩;
Snitmanらへの米国特許第4,537,981号(その開示内容は、参照によってその全体が本明細書に組み込まれる。)に開示の7-オキサビシクロヘプタンおよび7-オキサビシクロヘプテン化合物、例えば[1S-(1α,2α(Z),3α(1E,3S*,4R*),4α)]]-7-[3-(3-ヒドロキシ-4-フェニル-1-ペンテニル)-7-オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-イル]-5-ヘプテン酸(SQ29,548);Nakaneらに対する米国特許第4,416,896号(その開示内容は、参照によってその全体が本明細書に組み込まれる。)に開示の7-オキサビシクロヘプタン置換されたアミノプロスタグランジン類縁体、例えば[1S-[1α,2α(Z),3α,4α)]]-7-[3-[[2-(フェニルアミノ)カルボニル]-ヒドラジノ]メチル]-7-オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-イル]-5-ヘプテン酸;Nakaneらに対する米国特許第4,663,336号(その開示内容は、参照によってその全体が本明細書に組み込まれる。)に開示の7-オキサビシクロヘプタン置換されたジアミドプロスタグランジン類縁体、例えば[1S-[1α,2α(Z),3α,4α)]]-7-[3-[[[[(1-オキソヘプチル)アミノ]-アセチル]アミノ]メチル]-7-オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-イル]-5-ヘプテン酸および相当するテトラゾール、および[1S-[1α,2α(Z),3α,4α)]]-7-[3-[[[[(4-シクロヘキシル-1-オキソブチル)-アミノ]アセチル]アミノ]メチル]-7-オキサビシクロ]2.2.1]ヘプタ-2-イル]-5-ヘプテン酸;
米国特許第4,977,174号(その開示内容は、参照によってその全体が本明細書に組み込まれる。)に開示の7-オキサビシクロヘプタンイミダゾールプロスタグランジン類縁体、例えば[1S-[1α,2α(Z),3α,4α)]]-6-[3-[[4-(4-シクロヘキシル-1-ヒドロキシブチル)-1H-イミダゾール-1-イル]メチル]-7-オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-イル]-4-ヘキセン酸またはそれのメチルエステル;
[1S-[1α,2α(Z),3α,4α)]]-6-[3-[[4-(3-シクロヘキシル-プロピル)-1H-イミダゾール-1-イル]メチル]-7-オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-イル]-4-ヘキセン酸またはそれのメチルエステル;
[1S-[1α.,2α(X(Z),3α,4α)]]-6-[3-[[4-(4-シクロヘキシル-1-オキソブチル)-1H-イミダゾール-1-イル]メチル]-7-オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-イル]-4-ヘキセン酸またはそれのメチルエステル;
[1S-[1α,2α(Z),3α,4α]]-6-[3-(1H-イミダゾール-1-イルメチル)-7-オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-イル]-4-ヘキセン酸またはそれのメチルエステル;または
[1S-[1α,2α(Z),3α,4α)]]-6-[3-[[4-[[(4-シクロヘキシル-ブチル)アミノ]カルボニル]-1H-イミダゾール-1-イル]メチル-7-オキサビシクロ-[2.2.1]-ヘプタ-2-イル]-4-ヘキセン酸、またはそれのメチルエステル;
Witteらに対する米国特許第4,258,058号(その開示内容は、参照によってその全体が本明細書に組み込まれる。)に開示のフェノキシアルキルカルボン酸、例えば4-[2-(ベンゼンスルファミド)エチル]フェノキシ-酢酸(BM13,177-Boehringer Mannheim)、Witteらに対する米国特許第4,443,477号(その開示内容は、参照によってその全体が本明細書に組み込まれる。)に開示のスルホンアミドフェニルカルボン酸、例えば4-[2-(4-クロロベンゼンスルホンアミド)エチル]-フェニル酢酸(BM13,505,Boehringer Mannheim)、米国特許第4,752,616号(その開示内容は、参照によってその全体が本明細書に組み込まれる。)に開示のアリールチオアルキルフェニルカルボン酸類、例えば4-(3-((4-クロロフェニル)スルホニル)プロピル)ベンゼン酢酸
などがあり得るが、これらに限定されるものではない。
本発明での使用に好適なトロンボキサンA受容体拮抗薬の他の例には、バピプロスト(好ましい例である)、R68,070とも称される(E)-5-[[[(ピリジニル)]3-(トリフルオロメチル)フェニル]メチレン]アミノ]-オキシ]ペンタン酸-Janssen Research Laboratories、3-[1-(4-クロロフェニルメチル)-5-フルオロ-3-メチルインドール-2-イル]-2,-2-ジメチルプロパン酸[(L-655240 Merck-Frosst)Eur. J. Pharmacol. 135(2):193、1987年3月17日]、5(Z)-7-([2,4,5-シス]-4-(2-ヒドロキシフェニル)-2-トリフルオロメチル-1,3-ジオキサン-5-イル)ヘプテン酸(ICI185282、Brit. J. Pharmacol. 90(Proc. Suppl):228P-Abs、1987年3月)、5(Z)-7-[2,2-ジメチル-4-フェニル-1,3-ジオキサン-シス-5-イル]ヘプテン酸(ICI159995、Brit. J. Pharmacol. 86(Proc. Suppl):808P-Abs.、1985年12月)、N,N′-ビス[7-(3-クロロベンゼンアミノ-スルホニル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-イソキノリル]ジスルホニルイミド(SKF88046、Pharmacologist 25(3):116Abs.,117Abs、1983年8月)、(1α(Z)-2β,5α]-(+)-7-[5-[[(1,1′-ビフェニル)-4-イル]-メトキシ]-2-(4-モルホリニル)-3-オキソシクロペンチル]-4-ヘプテン酸(AH23848-Glaxo、Circulation 72(6):1208、1985年12月、レバロルファンアリルブロミド(CM32,191 Sanofi, Life Sci. 31(20-21):2261、1982年11月15日)、(Z,2-エンド-3-オキソ)-7-(3-アセチル-2-ビシクロ[2.2.1]ヘプチル-5-ヘプタ-3Z-エン酸、4-フェニル-チオセミカルバゾン(EP092-Univ. Edinburgh, Brit. J. Pharmacol. 84(3):595、1985年3月);GR32,191(バピプロスト)-[1R-[1α(Z),2β,3β,5α]]-(+)-7-[5-([1,1′-ビフェニル]-4-イルメトキシ)-3-ヒドロキシ-2-(1-ピペリジニル)シクロペンチル]-4-ヘプテン酸;ICI192,605-4(Z)-6-[(2,4,5-シス)2-(2-クロロフェニル)-4-(2-ヒドロキシフェニル)-1,3-ジオキサン-5-イル]ヘキセン酸;BAY u3405(ラマトロバン)-3-[[(4-フルオロフェニル)-スルホニル]アミノ]-1,2,3,4-テトラヒドロ-9H-カルバゾール-9-プロパン酸;またはONO3708-7-[2α,4α-(ジメチルメタノ)-6β-(2-シクロペンチル-2β-ヒドロキシアセトアミド)-1α-シクロヘキシル]-5(Z)-ヘプテン酸;(.+-.)(5Z)-7-[3-エンド-((フェニルスルホニル)アミノ]-ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-エキソ-イル]-ヘプテン酸(S-1452、塩野義ドミトロバン、Anboxan(登録商標));(-)6,8-ジフルオロ-9-p-メチルスルホニルベンジル-1,2,3,4-テトラヒドロカルバゾール-1-イル-酢酸(L670596、Merck)および(3-[1-(4-クロロベンジル)-5-フルオロ-3-メチル-インドール-2-イル]-2,2-ジメチルプロパン酸(L655240、Merck)などがあるが、これらに限定されるものではない。
本発明の好ましいトロンボキサンA受容体拮抗薬は、イフェトロバンまたはそれの医薬として許容される塩である。
ある種の好ましい実施形態において、好ましいトロンボキサンA受容体拮抗薬は、イフェトロバンナトリウム(化学的には[1S-(1α,2α,3α,4α)]-2-[[3-[4-[(ペンチルアミノ)カルボニル]-2-オキサゾリル]-7-オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-イル]メチル]-ベンゼンプロパン酸・1ナトリウム塩として知られる)である。
ある種の実施形態において、AERDおよび/または喘息は、約0.1ng/mLから約10,000ng/mLの範囲のトロンボキサン受容体拮抗薬(例えば、トロンボキサンA受容体拮抗薬)を投与することで治療される。好ましくは、トロンボキサン受容体拮抗薬の血漿濃度は、約1ng/mLから約1,000ng/mL、好ましくは約1.0ng/mLから約6000ng/mL、または約40ng/mLから約3500ng/mL、または約300ng/mLから約2500ng/mLの範囲である。
ある種の好ましい実施形態において、トロンボキサンA受容体拮抗薬は、イフェトロバンまたはそれの医薬として許容される塩(例えば、イフェトロバンナトリウム)であり、ヒト患者に経口投与される用量は約150mg/日から約400mg/日であり、単回投与または分割投与される。ある種の好ましい実施形態において、トロンボキサンA受容体拮抗薬はイフェトロバンナトリウムであり、その用量は、AERDおよび/または喘息を患うヒト患者に経口投与する場合、約200mg/日である。
トロンボキサンA受容体拮抗薬がイフェトロバンである場合、AERDおよび/または喘息の治療に関して治療効果を提供するための所望の血漿濃度は、約10ng/mL(イフェトロバン遊離酸)を超えるべきである。トロンボキサンA受容体拮抗薬、例えば、イフェトロバンの何らかの治療効果は、約1ng/mLを超える濃度で認められ得る。
投与される用量は、患者の年齢、体重および状態、ならびに投与経路、剤形および投与法および所望の結果に応じて注意深く調節すべきである。
しかしながら、トロンボキサンA受容体拮抗薬の所望の血漿濃度を得るために、約0.1mgから約5000mgの範囲のトロンボキサンA受容体拮抗薬の1日用量を投与すべきである。好ましくは、トロンボキサンA受容体拮抗薬の1日用量は、約1mgから約1000mg;約10mgから約1000mg;約50mgから約500mg;約100mgから約500mg;約200mgから約500mg;約300mgから約500mg;および約400mgから約500mg/日の範囲である。
ある種の好ましい実施形態において、約10mgから約250mgのイフェトロバンナトリウムの1日用量(イフェトロバン遊離酸の量)は、イフェトロバン遊離酸の効果的な血漿レベルを生じるものである。
本発明のトロンボキサンA受容体拮抗薬は、医薬として有効な経路によって投与することができる。例えば、トロンボキサンA受容体拮抗薬は、経口、腹腔内、直腸、経膣、舌下、口腔、非経口または経皮的に投与でき、従ってそれに応じて製剤できるような形で製剤することができる。
ある種の実施形態において、トロンボキサンA受容体拮抗薬は、医薬として許容される経口剤形で製剤することができる。経口製剤には、経口固体製剤および経口液体製剤などがあり得るが、これらに限定されるものではない。
経口固体製剤には、錠剤、カプセル、カプレット、粉剤、ペレット、マルチパーティクル、ビーズ、球体およびこれらのいずれかの組み合わせなどがあり得るが、これらに限定されるものではない。これらの経口固体製剤は、即時放出製剤、徐放製剤、持続(延長)製剤または放出調節製剤として製剤することができる。
本発明の経口固体製剤は、充填剤、希釈剤、潤滑剤、界面活性剤、流動促進剤、結合剤、分散剤、懸濁剤、崩壊剤、増粘剤、塗膜形成剤、造粒助剤、香味剤、甘味剤、コーティング剤、可溶化剤およびこれらの組み合わせなどの医薬として許容される賦形剤を含むこともできる。
所望の放出プロファイルに応じて、本発明の経口固体製剤は、好適な量の徐放剤、持続放出剤、放出調節剤を含むことができる。
経口液体製剤には、液剤、乳濁液、懸濁液およびシロップなどがあるが、これらに限定されるものではない。これらの経口製剤は、液体製剤調製に関して当業者に公知の医薬として許容される賦形剤を用いて製剤することができる。例えば、水、グリセリン、単シロップ剤、アルコールおよびそれらの組合せである。
本発明のある種の実施形態において、トロンボキサンA受容体拮抗薬は、非経口使用に好適な製剤に製剤することができる。例えば、その製剤は、凍結乾燥粉剤、液剤、懸濁液(例えば、デポー懸濁液)であることができる。
他の実施形態では、トロンボキサン受容体拮抗薬は、それに限定されないが、貼付剤、ゲル、ペースト、クリーム、乳濁液、リニメント剤、バルム、ローションおよび軟膏など(これらに限定されるものではない)の局所製剤に製剤することができる。
喘息を患う患者のかなりの割合が、喘息の症状を予防または弱めるために毎日(慢性)、1回以上の服薬を行う。そのような薬剤には、コルチコステロイド類(吸入コルチコステロイドなどがあるが、それに限定されるものではない)、クロモリン、オマリズマブ、短期もしくは長期作用性β-2作動薬(代表的には、吸入される)、ロイコトリエン調節剤(例えば、ザフィルルカスト(Accolate(登録商標))、モンテルカスト(Singulair(登録商標))、およびジロートン(Zyflo(登録商標)))、およびテオフィリンなどがある。アドベア(ステロイドおよび長期作用性気管支拡張剤を含む組み合わせ薬剤)。吸入ステロイド薬には、次のもの:Aerobid(登録商標)、Asmanex(登録商標)、Azmacort(登録商標)、Dulera(登録商標)(長期作用性気管支拡張剤も含む組み合わせ薬剤)、Flovent(登録商標)、Pulmicort(登録商標)、Symbicort(登録商標)(ステロイドおよび長期作用性気管支拡張剤を含む組み合わせ薬剤)、Qvar(登録商標)などがあるが、これらに限定されるものではない。吸入ステロイドは、定量吸入器(MDI)、乾燥粉末吸入器(DPI)、およびネブライザー液という3種類の形態で提供される。オマリズマブ(商標名Xolair(登録商標)、Roche/GenentechおよびNovartis)は、特には高用量のコルチコステロイドに応答しない中等度ないし重度のアレルギー性喘息の抑制における吸入もしくは経口摂取されたアレルゲンに対する感受性を低下させるように元々設計されたヒト化抗体である。ある種の実施形態において、本発明の治療方法はさらに、トロンボキサン受容体拮抗薬および1以上の上記薬剤を、AERDおよび/または喘息を患うヒト患者に投与することを含む併用療法を想到するものである。
好ましい実施形態の詳細な説明
以下の実施例は、限定的なものではなく、本発明のある種の実施形態を代表するものである。
(実施例)
実施例I
本実施例では、イフェトロバンナトリウム錠剤を、表1に挙げた下記成分を用いて調製する。
表1
Figure 0007033454000001
イフェトロバンのナトリウム塩、酸化マグネシウム、マンニトール、微結晶セルロー、およびクロスポビドンを、好適な混合機を用いて、約2から約10分間にわたって一緒に混和する。得られた混合物を#12から#40メッシュ径の篩に通す。その後、ステアリン酸マグネシウムおよびコロイド状シリカを加え、混和を約1から約3分間続ける。
得られた均一混合物を圧縮して、それぞれイフェトロバンナトリウム塩35mgを含む錠剤とする。
実施例II
本実施例では、それぞれイフェトロバンナトリウム400mgを含む錠剤100個を、表2に挙げた下記成分えから製造する。
表2
Figure 0007033454000002
実施例III
本実施例では、表3に挙げた下記成分と用いて、静脈使用向けのイフェトロバンナトリウム注射液を調製する。
表3
Figure 0007033454000003
イフェトロバンのナトリウム塩、保存剤および塩化ナトリウムを、注射用水3リットルに溶かしてから、体積を5リットルとする。その溶液を無菌フィルターで濾過し、滅菌済みバイアルに無菌的に充填し、次にそれを滅菌済みゴム栓で密閉する。各バイアルは、溶液150mL当たり75mgの濃度の有効成分を含む。
実施例IV
実施例IVは、アスピリン喘息(AERD)病歴のある患者における経口イフェトロバンの安全性を確認するための多施設、二重盲検、無作為化、プラシーボ対照試験である。
参加資格を有する被験者を、スクリーニング、処置および追跡期間からなるこの7日間試験で無作為に割り付けた(3:1有効成分:プラシーボ)。少なくともIMPの部分投与を受けた被験者は代えず、試験解析に含めた。試験処置に登録および無作為に割り付けた被験者19名中、14名(74%)を無作為にイフェトロバン群に割り付け、5名(26%)をプラシーボ群に割り付けた。イフェトロバンに無作為に割り付けた14名中、12名(86%)の被験者を処置し、処置を受けた被験者の100%が処置を完了した。プラシーボに無作為に割り付けた被験者5名中、4名(80%)が処置を開始し、100%が処置を完了した。処置を受けた被験者全員について、安全性および効力の変数の解析を行った。
プラシーボ処置群を本試験に含めて、AERD被験者の自発応答率に関するデータを得て、イフェトロバン投与を受けた被験者における安全性および効力のシグナルを確認しやすくした。多くの試験で、プラシーボに割り当てられた喘息被験者が、症状、生活の質、さらにはFEV1などの肺機能においても改善を示している。概して、喘息におけるプラシーボ効果は、どのエンドポイントを選ぶかに応じて30%から50%の大きさとなり得る(Castro, 2007; Placebo versus Best-Available-Therapy Control Group in Clinical Trials for Pharmacologic Therapies. Proceedings of the American Thoracic Society, 570-573)。
AERDを有する全ての個人が、最も多くの場合、81mg以下の用量で、アスピリンに対する臨床反応を経験するであろう。安定な喘息を有し、COX阻害薬に対する生命を脅かす反応の履歴がない個人に試験を限定し、負荷/脱感作を受ける個人全員にシステイニルロイコトリエン受容体1(Cys-LT1)拮抗薬モンテルカストを投与する改訂スクリプス研究所プロトコール(Hope, Woessner, Simon, & Stevenson, 2009)を用いることで、通院/外来患者診療所設定で、その手順を安全に行うことができた。2006年に発表された試験(White, Ludington, Mehra, Stevenson, & Simon, 2006)の結果からは、モンテルカストのようなロイコトリエン修飾剤薬がアスピリン負荷/脱感作を受ける被験者において、下気道を重度の反応から保護する上で有意な効果(P=0.004)を有することが示された。従って、モンテルカストは、アスピリン負荷/脱感作の安全性を大幅に高めるものであり、アスピリン負荷/脱感作を受ける予定のあるAERDを有する被験者について前処置としてモンテルカストを用いることが標準治療である。モンテルカストはCYP2C9やCYP3A4を阻害しないことから、モンテルカストは、イフェトロバン除去に影響するとは考えられなかった。
本試験の主目的は、治験薬(IMP)投与(試験第1日)後またはIMP投与後であるがアスピリン負荷開始前の基底線と比較して1秒以内での努力呼気肺活量(FEV1)における≧20%低下によって測定される、プラシーボとの比較での経口イフェトロバンの安全性を求めることにあった。第2の目的は、(i)IMP投与(試験第1日)後またはIMP投与後であるがアスピリン負荷開始前の基底線と比較したピーク鼻吸入気流速度(NIFR)によって測定される、プラシーボとの比較での経口イフェトロバンの安全性を確認すること;(ii)IMP投与(試験第1日)後またはIMP投与後であるがアスピリン負荷開始前の基底線と比較した鼻症状合計スコア(TNSS)における変化によって測定される、プラシーボとの比較での経口イフェトロバンの安全性を確認すること;(iii)治療時発生の有害事象によって測定される、プラシーボとの比較での経口イフェトロバンの安全性および耐容性を確認すること;(iv)アスピリン負荷時の基底線と比較したFEV1における変化によって測定される、経口アスピリンに対する呼吸反応低下でのプラシーボと比較した経口イフェトロバンの効力を確認すること;(v)アスピリン負荷時の基底線と比較したNIFRにおける変化によって測定される、経口アスピリンに対する呼吸反応低下でのプラシーボと比較した経口イフェトロバンの効力を確認すること;(vi)アスピリン負荷時の基底線と比較したTNSSにおける変化によって測定される、経口アスピリンに対する呼吸反応低下でのプラシーボと比較した経口イフェトロバンの効力を確認すること;(vii)アスピリン負荷時の救急薬量によって測定される、経口アスピリンに対する呼吸反応低下でのプラシーボと比較した経口イフェトロバンの効力を確認すること;(viii)アスピリン脱感作用量レベルによって測定される、COX-1阻害に対する呼吸感受性低下でのプラシーボと比較した経口イフェトロバンの効力を確認すること;および(ix)治療期間中の喘息反応回数によって測定される、プラシーボと比較した経口イフェトロバンの効力を確認することであった。
試験の主たる参加基準は、医師診断の安定喘息歴(少なくとも1.25リットル(L)および2回の過去の来院で予想される(性別、年齢などに基づく肺活量計によって計算される)より60%以上高いFEV1であり、それらの値における変動が10%以下であり、少なくとも3ヶ月間にわたり喘息に対する経口糖質コルチコイドの基底線用量に増加がなく、少なくとも事前の6ヶ月間にわたり喘息のための入院歴や救急室来院歴がない。)を有し、鼻ポリープ症歴があり、下気道(咳、胸部絞扼感、喘鳴、呼吸困難)および/または上気道(鼻漏、くしゃみ、鼻閉塞、結膜の痒みおよび液排出)の関与の特徴を有する経口アスピリンその他の非選択的シクロオキシゲナーゼ(COX)阻害薬に対する少なくとも一つの臨床反応歴を有し、現在、モンテルカスト(少なくとも10mg/日、経口)またはザフィルルカスト(少なくとも20mg、1日2回、経口)投与を受けており、治験薬(IMP)の初回投与を受ける前に少なくとも1週間の療法を行っている成人であった。
被験者は、次の医薬:用量≦10mg/日の経口コルチコステロイド類、プレドニゾンもしくはプレドニゾン等価物、吸入/経鼻コルチコステロイド、吸入長期作用性β-アドレナリン作動薬および吸入イプラトロピウムの投薬を受けた状態での試験参加が許可された。しかしながら、喘息が悪化して介入が必要となった場合に、経口コルチコステロイド用量の一時的上昇以外は、試験中に投薬は許可されなかった。被験者は、24時間前の短期作用性β-アドレナリン作動薬、鼻充血除去薬および喘息が悪化して介入が必要でなければIMPの初回投与の48時間前および試験全体を通じて抗ヒスタミン薬を使用することを止めることが要求された。
経口、経鼻、吸入コルチコステロイドおよび吸入長期作用性β-アドレナリン作動薬および吸入イプラトロピウムは、被験者がそのような投薬を受けた状態で試験に参加した場合に、被験者の投与法に対する変更がなければ、試験期間中に使用が許可された。これらの投薬は、アスピリン負荷に対する起こり得る応答をマスクすることはないであろうと考えられている。吸入短期作用性β-アドレナリン作動薬、鼻充血除去薬、および抗ヒスタミン薬は、それらの投薬が起こり得る応答をマスクする可能性があるために、試験効力エンドポイントに影響する可能性があることから、試験前の所定の期間およびアスピリン負荷実施を通じて許可されなかった。ワーファリン、抗血小板薬または抗凝血薬は、登録前の2週間および試験経過中は禁止された。
評価される主要効力変数は、肺活量測定によって測定されるFEV1であった。二次効力変数には、Youltenメーター(または同等品)を用いるNIFR、および被験者が記入するアンケート、鼻症状合計スコア(TNSS)などがあった。別の効力変数は、喘息反応の発生率、経口アスピリンに対する呼吸反応の発生率、アスピリン誘発反応を管理するのに用いられる薬剤の量および脱感作プロセス中に反応が誘発されるアスピリン用量であった。
治療期間は、第1日および第2日に投与されたIMPの安全性および効力を評価するA相と、それに続く第2日および第3日のアスピリン負荷時のIMPの安全性および効力を評価するB相からなるものであった。A相中に≧20%のFEV1低下を経験した被験者は、試験のB相には進まないものとした。追跡期間は、アスピリン負荷完了時に開始し、安全性を評価するための電話かけを行う第7日で終了とした。被験者全員が、経口モンテルカストまたはザフィルルカスト(それぞれ、少なくとも10mg/日または1日2回20mg)のいずれかを、試験前1週間および試験期間にわたり服用することを求められた。イフェトロバンは、50mgイフェトロバンナトリウムカプセルとして提供され、3連続日にわたって24時間ごとに200mgの用量で経口投与された。見かけが同じプラシーボカプセルを盲検目的で提供され、3連続日にわたり24時間ごとに4個のカプセルを経口投与した。IMP処置の期間は3日間であった。試験期間は7日間であった。
この一次エンドポイントを満足した被験者はなかったことから、被験者全員が試験のB相に進んだ。アスピリン負荷時(B相)にFEV1に≧20%低下を経験した被験者はなかった。基底線では、FEV1は、処置群間で同等であった(表8および表10)。基底線FEV1からの平均変化は、両処置群において処置期間を通じて十分に20%以下のままであった。基底線では、FEV1は、治療群間で同等であった。基底線FEV1からの平均変化は、両処置群において処置期間を通じて十分に20%以下のままであった。処置群間で、明瞭な傾向は全く認められなかった。
安全性評価には、肺活量測定、NIFR、TNSS、有害事象および生命兆候などがあった。重度の有害事象(SAE)やまたは治療中発生SAEは全く報告されなかった。
別の二次的目的には、ピークNIFR(鼻吸気流速)において≧25%低下のあった被験者の割合およびA相およびB相中にTNSS(鼻症状合計スコア)に≧25%、50%および75%上昇があった被験者の割合に関して処置群を評価することが含まれていた。結果をさらに、下記の表4に記載している。
表4-A相およびB相中のNIFRおよびTNSSにおける基底線からの変化
Figure 0007033454000004
全体で、試験中に、ピークNIFRにおける≧25%低下を経験した被験者は6名(38%)あり、TNSSにおける≧25%上昇を経験した被験者は4名(25%)あった。予想通り、これらの事象は、主として、アスピリン脱感作プロセスのB相で起こった。イフェトロバン投与された被験者5名(42%)およびプラシーボ投与された被験者1名(25%)が、試験中にピークNIFRにおける≧25%低下を経験した。各処置群中の被験者1名が、A相およびB相の両方でピークNIFRにおける≧25%低下を経験した。試験中に、TNSSにおいて≧50%もしくは75%の上昇や低下を経験した者はなかった。A相中にTNSSにおいて≧25%上昇を経験した被験者はなかった。
逆に、A相時の被験者1名(8%)およびB相時の被験者2名(17%)が、TNSSにおける≧25%低下を経験したが、イフェトロバン群でのみであった。プラシーボでの被験者で、試験中にTNSSにおける≧25%低下を経験した者はなかった。試験中にピークNIFRにおける≧25%上昇を経験した被験者は、イフェトロバン投与を受けた被験者で9名(75%)であり、プラシーボ投与を受けた被験者では2名(50%)であった。ピークNIFRにおけるこれらの上昇は、主としてアスピリン脱感作プロセス中のB相で起こった。NIFRまたはTNSS悪化のあった被験者の割合に処置群間で明瞭な傾向は認められなかったが、A相およびB相中にNIFRおよびTNSSに、イフェトロバン群においてより大きい改善の傾向が認められる。
アスピリン開始前のA相中に、喘息反応は報告されず、救急薬は用いられなかった。このため、IMPによる処置を受けた被験者16名全員がB相に進んだ。救急薬は、アスピリン脱感作プロセス中のアスピリン誘発反応(AIR)の結果としてのみ投与されたものであり、7日間の試験期間を通じて、喘息反応のために診療所外で救急薬を必要とした被験者はなかった。イフェトロバン投与の被験者2名(17%)およびプラシーボ投与の1名(25%)被験者が、これらの被験者3名(19%)に救急薬は投与されなかったことから、アスピリン脱感作プロセス中にAIRを経験しなかった。イフェトロバン群の被験者1名(10%)がAIRを経験したが、症状をなくすために救急薬を全く必要としなかった。AIRを経験したプラシーボ群での被験者3名全員(100)が救急薬を必要とし、AIRを経験したイフェトロバン投与の被験者と比較して、平均でより多数の投薬を、それらの症状の解決に必要であった。アスピリン負荷(B相)時に必要であった救急薬の量を、二次効力エンドポイントとして評価した。プラシーボ群での被験者は、平均で、アスピリン誘発反応(AIR)を解決するために7.33救急薬を必要としたが、イフェトロバン投与の被験者は平均2.90救急薬を必要とし、2.5倍の差があった。イフェトロバン群に有利に、救急薬が少ない傾向がある。AIRおよび救急薬のまとめを、下記の表5に提供している。
表5-AERD 2a相データのまとめ:AIRおよび救急薬使用
Figure 0007033454000005
イフェトロバン群に有利に、救急薬が少ない傾向がある。
各アスピリン用量で誘発されるAIRの発生率を、処置群間で評価し、この表にまとめた。AIRを経験した被験者全員が、60および/または100mgの誘発用量に反応した。100mg誘発用量後に、反応は全く起こらなかった。プラシーボ群における初期反応は全て60mg用量で起こったが、イフェトロバン群では、初期反応の50%が60mgで起こり、他の半数は100mgであった。プラシーボ投与の被験者1名が、第2日に60mgで誘発用量反応を経験し、第3日に100mgで別のAIRを経験した。2回のAIRの重度は、互いに同等であった。他の被験者全員が、アスピリン脱感作プロセス中に1回のAIRを経験した。アスピリン用量ごとのAERD 2a相AIRに関するさらなるデータを、下記の表6に提供する。
表6-アスピリン用量ごとのAIRの発生率
Figure 0007033454000006
各アスピリン用量で誘発されるAIRの発生率を、処置群間で評価し、表6にまとめた。AIRを経験した被験者全員が、60および/または100mgの誘発用量に反応した。100mg誘発用量後に、反応は全く起こらなかった。プラシーボ群における初期反応は全て60mg用量で起こったが、イフェトロバン群では、初期反応の50%が60mgで起こり、他の半数は100mgであった。プラシーボ投与の被験者1名が、第2日に60mgで誘発用量反応を経験し、第3日に100mgで別のAIRを経験した。2回のAIRの重度は、互いに同等であった。他の被験者全員が、アスピリン脱感作プロセス中に1回のAIRを経験した。
AIRの重度を、アスピリン負荷時に発現した別個の症状の数により、処置群間で比較した。症状の総数は、被験者13名、すなわちイフェトロバン処置被験者10名およびプラシーボ処置被験者3名で起こった14のAIRに基づいている。以前言及したように、プラシーボ群の被験者1名が2回のAIRを経験した。AIR当たりの症状の平均数は、処置群間で同等であった。両群とも、同様の割合でAIRの一部として気管支反応(FEV1、喘鳴、胸部絞扼感で<20%低下)を経験した。上気道効果(鼻漏、鼻閉塞、くしゃみ)が処置群間で等しく一般的であったが、眼症状発現は、イフェトロバン群より高頻度でプラシーボ群に起こる傾向があるように思われる。当該試験におけるAIR重度を、下記の表7で報告している。
表7-臨床症状ごとのAIRの重度
Figure 0007033454000007
結論として、本臨床試験において、200mg/日のイフェトロバンは良好に耐容され、AERD歴のある被験者において安全であることが示された。プラシーボと比較してイフェトロバン群でAE上昇は全く報告されなかった。被験者全員が処置およびアスピリン脱感作を完了した。一次エンドポイントが満足され、イフェトロバンはFEV1での≧20%低下を引き起こさなかった。この小規模安全性試験の結果は、イフェトロバンが、AERD患者に投与した場合に安全であることを示した。さらに、本試験からの結果は、用量200mg/日でのイフェトロバンの使用によって、AERD患者におけるアスピリン脱感作の症状を消失させることができることを示唆している。
一次エンドポイントは満足されなかった。イフェトロバンは、IMP処置またはアスピリン脱感作プロセスの経過中、FEV1における≧20%低下を引き起こさなかった。基底線FEV1からの平均変化は、両群において処置期間を通じて十分に20%以下のままであり、明瞭な傾向は認められなかった。処置群間でNIFRまたはTNSSを悪化させた被験者の割合に、ほとんど差が認められなかったが、イフェトロバン群に好ましく、A相およびB相中にNIFRおよびTNSSに対してより大きい改善の傾向が認められる。さらに、イフェトロバン群に好ましく救急薬が少ない明らかな傾向があるが、上気道効果が処置群間で等しく一般的であり、眼症状発現は、イフェトロバン群より高頻度でプラシーボ群に起こる傾向があるように思われる。サンプルサイズは統計的に有意な処置効力を示すのに不十分であるが、これらのデータは有望なものである。AERDにおけるイフェトロバン効力についての正式な結論を得るには、処置期間がより長い規模のより大きい試験が必要である。この小規模安全性試験の結果は、AERD被験者についての治療用量200mg/日でのイフェトロバンのさらなる治験を裏付けるものである。
結論
以上の記述では、具体的な例示的実施形態およびそれの実施例を参照して、本発明について説明してきた。しかしながら、添付の特許請求の範囲に記載の本発明のより広い精神および範囲から逸脱しない限りにおいて、本発明に対して各種の修正および変更を行うことが可能であることは明らかであろう。従って、明細書および図面は、限定的意味ではなく例示的なものであると見なすべきである。
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本発明は以下の実施形態を包含する。
[1] ヒト患者に、イフェトロバンまたはそれの医薬として許容される塩を、1日用量約25mgから約400mgで投与することを含む、ヒト患者でAERDまたは喘息を治療および/または予防する方法。
[2] 前記1日用量が、トロンボキサン受容体拮抗薬の血漿濃度を約40ng/mLから約3,500ng/mLとするのに十分なものである、実施形態1に記載の方法。
[3] 前記トロンボキサンA2拮抗薬が[1S-(1α,2α,3α,4α)]-2-[[3-[4-[(ペンチルアミノ)カルボニル]-2-オキサゾリル]-7-オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-イル]メチル]-ベンゼンプロパン酸・1ナトリウム塩(イフェトロバンナトリウム)である、実施形態1に記載の方法。
[4] 前記イフェトロバンナトリウムを経口投与し、前記用量が約150mg/日から約400mg/日である、実施形態3に記載の方法。
[5] 前記用量が約200mg/日から約300mg/日である、実施形態4に記載の方法。
[6] 前記用量が約200mg/日である、実施形態5に記載の方法。
[7] AERDを患うヒトに対して、1日用量約25mgから約400mgで、イフェトロバンまたはそれの医薬として許容される塩を投与することを含む、AERD患者におけるアスピリン脱感作の症状の予防、逆転または治療方法。
[8] 前記イフェトロバンが経口投与され、用量が約150mg/日から約400mg/日である実施形態7に記載の方法。
[9] 前記イフェトロバンがイフェトロバンナトリウムであり、用量が約200mg/日から約300mg/日である実施形態8に記載の方法。
[10] 前記イフェトロバンがイフェトロバンナトリウムであり、用量が約200mg/日である実施形態9に記載の方法。
[11] イフェトロバンの1日用量が、鼻鬱血(または詰まり)、涙目、目の充血、咳、喘鳴、胸部絞扼感;前頭部頭痛、副鼻腔痛の感覚、顔面紅潮、発疹、蕁麻疹、吐き気、腹部痙攣、全身けん怠感、めまい、呼吸困難およびこれらのいずれかの組み合わせなどを含むがこれらに限定されるものではない、のAERDまたは喘息関連の症状を治療する、実施形態7に記載の方法。
[12] イフェトロバンの用量が、約40ng/mLから約3,500ng/mLのトロンボキサン受容体拮抗薬血漿濃度を提供し、前記所望の血漿濃度により、患者が経験する前記症状が軽くなる、実施形態7に記載の方法。
[13] 患者に対して、約25mgから約400mgの1日用量でイフェトロバンまたはそれの医薬として許容される塩を投与することを含む、AERDを患うヒト患者でのアスピリン誘発反応の結果として必要な救急薬の低減方法。
[14] 前記イフェトロバンが経口投与され、用量が約150mg/日から約400mg/日である、実施形態13に記載の方法。
[15] 前記イフェトロバンがイフェトロバンナトリウムであり、用量が約200mg/日から約300mg/日である、実施形態14に記載の方法。
[16] 前記イフェトロバンがイフェトロバンナトリウムであり、用量が約200mg/日である、実施形態15に記載の方法。
[17] イフェトロバンの1日用量が、鼻鬱血(または詰まり)、涙目、目の充血、咳、喘鳴、胸部絞扼感;前頭部頭痛、副鼻腔痛の感覚、顔面紅潮、発疹、蕁麻疹、吐き気、腹部痙攣、全身けん怠感、めまい、呼吸困難、およびこれらのいずれかの組み合わせなどを含むがこれらに限定されるものではない、AERDまたは喘息関連の症状を治療する、実施形態13に記載の方法。
[18] イフェトロバンの用量が、約40ng/mLから約3,500ng/mLのトロンボキサン受容体拮抗薬血漿濃度を提供し、前記所望の血漿濃度により、患者が経験する前記症状が軽くなる、実施形態17に記載の方法。
[19] 前記1日用量が、約40ng/mLから約3,500ng/mLのトロンボキサン受容体拮抗薬血漿濃度を提供するのに十分である、実施形態13に記載の方法。

Claims (12)

  1. イフェトロバンまたはその医薬として許容される塩を、1日用量約200mgにて含み、経口投与されるものである、ヒト患者におけるAERDまたは喘息を治療および/または予防するための組成物。
  2. 前記1日用量が、イフェトロバンまたはその医薬として許容される塩の血漿濃度を約1ng/mLから約1,000ng/mLとするのに十分なものである、請求項1に記載の組成物。
  3. 前記イフェトロバンまたはその医薬として許容される塩が[1S-(1α,2α,3α,4α)]-2-[[3-[4-[(ペンチルアミノ)カルボニル]-2-オキサゾリル]-7-オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-イル]メチル]-ベンゼンプロパン酸・1ナトリウム塩(イフェトロバンナトリウム)である、請求項1に記載の組成物。
  4. 1日用量約200mgにて、イフェトロバンまたはその医薬として許容される塩を含み、経口投与されるものである、AERD患者におけるアスピリン脱感作の症状の予防、逆転または治療のための組成物。
  5. 前記イフェトロバンがイフェトロバンナトリウムである、請求項に記載の組成物。
  6. イフェトロバンの1日用量が、鼻ポリープ、鼻鬱血(または詰まり)、涙目、目の充血、咳、喘鳴、胸部絞扼感;前頭部頭痛、副鼻腔痛の感覚、顔面紅潮、発疹、蕁麻疹、吐き気、腹部痙攣、全身けん怠感、めまい、呼吸困難およびこれらのいずれかの組み合わせを含むがこれらに限定されるものではない、AERDまたは喘息関連の症状を治療する、請求項に記載の組成物。
  7. イフェトロバンの用量が、約40ng/mLから約3,500ng/mLのトロンボキサン受容体拮抗薬血漿濃度を提供し、前記所望の血漿濃度により、患者が経験する前記症状が軽くなる、請求項に記載の組成物。
  8. 約200mgの1日用量にてイフェトロバンまたはその医薬として許容される塩を含み、経口投与されるものである、AERDを患うヒト患者でのアスピリン誘発反応の結果として必要な救急薬の低減のための組成物。
  9. 前記イフェトロバンがイフェトロバンナトリウムである、請求項に記載の組成物。
  10. イフェトロバンの1日用量が、鼻ポリープ、鼻鬱血(または詰まり)、涙目、目の充血、咳、喘鳴、胸部絞扼感;前頭部頭痛、副鼻腔痛の感覚、顔面紅潮、発疹、蕁麻疹、吐き気、腹部痙攣、全身けん怠感、めまい、呼吸困難、およびこれらのいずれかの組み合わせなどを含むがこれらに限定されるものではない、AERDまたは喘息関連の症状を治療する、請求項に記載の組成物。
  11. イフェトロバンの用量が、約40ng/mLから約3,500ng/mLのトロンボキサン受容体拮抗薬血漿濃度を提供し、前記所望の血漿濃度により、患者が経験する前記症状が軽くなる、請求項10に記載の組成物。
  12. 前記1日用量が、約40ng/mLから約3,500ng/mLのトロンボキサン受容体拮抗薬血漿濃度を提供するのに十分である、請求項に記載の組成物。
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