JP7033242B1 - 膜成形体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

実施形態の膜成形体の製造方法は、膜成形用型の表面に、カルシウムイオンを含む溶液を付着させる付着工程と、前記付着工程の後、前記膜成形用型を、クロロスルホン化ポリエチレンのラテックスと、アルギン酸ナトリウムとを含むラテックス組成物に浸す浸漬工程と、前記膜成形用型を前記ラテックス組成物から引き上げ、前記膜成形用型の表面に前記膜成形体を成形する成形工程と、を備える。

Description

本発明は、膜成形用型を用いて膜成形体を成形する方法に関する。
ゴムの膜が備える伸縮性や追従性を利用した製品として、手袋、風船、サック等の種々の膜成形体が製造されている。このような膜成形体には、伸縮性及び追従性だけでなく、用途に応じて、種々の特性が求められている。例えば、化学品を取り扱う化学工場などにおいて、取り扱う化学物質から作業者の手を保護するために用いられるゴム手袋には、高濃度の強酸や強アルカリ、有機溶剤等に侵食されない高い耐薬品性や、耐熱性が要求される。クロロスルホン化ポリエチレン(CSM)製のゴム手袋は、耐薬品性、耐熱性に優れており、作業用手袋として適している。
膜成形体を作製する方法として、ゴムを含む液状の組成物に型を浸漬し、引き上げて乾燥させる浸漬法と呼ばれる方法が知られている。特許文献1には、手袋の型を浸漬させる組成物として、CSMの固形ゴム100重量部を350重量部の溶剤に溶かして調製したものが記載されている。特許文献2には、手袋の型を浸漬させる組成物として、CSMを乳化剤の作用によって水中にコロイド状に分散させたCSMのラテックスが記載されている。
特開平5-230702号公報 特開2011-32590号公報
特許文献1に記載の組成物には、多量の溶剤が用いられているので、環境への負荷が大きい。特許文献2には、CSMのラテックスを用いて手袋を作製しても、型の表面に正常な皮膜を形成できない場合があることが記載されている。その原因として、型の表面に付着させたCSMのラテックスが、乾燥するまでの間に流動してしまうことが特許文献2には記載されている。
そこで、本発明は、環境負荷が小さく、成膜性に優れた膜成形体の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の一態様は、膜成形体の製造方法である。
前記膜成形体の製造方法は、
膜成形用型の表面に、カルシウムイオンを含む溶液を付着させる付着工程と、
前記付着工程の後、前記膜成形用型を、クロロスルホン化ポリエチレンのラテックスと、アルギン酸ナトリウムとを含むラテックス組成物に浸す浸漬工程と、
前記膜成形用型を前記ラテックス組成物から引き上げ、前記膜成形用型の表面に前記膜成形体を成形する成形工程と、を備える。
前記浸漬工程の前に、前記溶液を付着させた前記膜成形用型を加熱し、乾燥させる乾燥工程をさらに備える、ことが好ましい。
前記浸漬工程の前に、前記加熱工程において加熱した前記膜成形用型を冷却する冷却工程をさらに備える、ことが好ましい。
前記アルギン酸ナトリウムの数平均分子量は40万~300万である、ことが好ましい。
前記ラテックス組成物は、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、及びポリアクリル酸ナトリウムの少なくとも1つをさらに含む、ことが好ましい。
前記浸漬工程における前記膜成形用型の浸漬時間は60~120秒である、ことが好ましい。
前記膜成形体の製造方法は、前記膜成形体を前記膜成形用型から取り外す脱型工程をさらに備え、
前記脱型工程では、前記膜成形用型の表面に成形された前記膜成形体の水洗を行う、ことが好ましい。
上述の膜成形体の製造方法は、環境負荷が小さく、成膜性に優れている。
以下、実施形態の膜成形体の製造方法について説明する。
本実施形態の膜成形体の製造方法は、付着工程と、浸漬工程と、成形工程と、を備える。
付着工程は、膜成形用型(以降、単に型という)の表面に、カルシウム塩を含む溶液を付着させる工程である。型は、膜成形体の形状と対応する形状を有するものが好ましく用いられる。膜成形体の一例である手袋の作製に用いられる型は、人の手(手首から指先にかけての部分を含む。袖と対応する腕の部分をさらに含む場合がある。)の形状を模った物体であり、例えばセラミックや金属の一体成型品である。カルシウムイオンを含む溶液は、好ましくは水溶性のカルシウム塩が溶解した水溶液である。カルシウム塩は、好ましくは、硝酸カルシウム、塩化カルシウムであり、特に好ましくは硝酸カルシウムである。カルシウムイオンを含む溶液は、後述するラテックス組成物中のアルギン酸ナトリウムと反応し、ラテックス組成物をゲル化し、凝固させる作用を有する。本明細書では、カルシウムイオンを含む溶液を、凝固剤ともいう。凝固剤中のカルシウム塩の濃度は、好ましくは5~50%である。カルシウム塩の濃度が5%未満であると、ラテックス組成物をゲル化させる作用が十分に得られ難い。本明細書において%は、重量%を意味する。型への凝固剤の付着は、例えば、浸漬や塗布により行われる。
浸漬工程は、付着工程の後、型を、クロロスルホン化ポリエチレン(CSM)のラテックスと、アルギン酸ナトリウムとを含むラテックス組成物に浸す工程である。CSMのラテックスは、CSMの微粒子を水中に分散させたエマルションである。CSMの微粒子は、ラテックス中、例えば、30~60%含まれる。CSMのラテックスを膜成形体の原料とすることで、耐薬品性、耐熱性、耐候性等に優れた膜成形体が得られる。また、CSMのラテックスを膜成形体の原料とすることで、有機溶剤にCSMの固形ゴムを溶かしたものを原料として用いる場合と比べ、環境への負荷が小さい。
アルギン酸ナトリウムは、カルシウムイオンと速やかに反応し、ラテックス組成物をゲル化させる機能を有する。アルギン酸ナトリウムがラテックス組成物に含まれていることで、型に付着したラテックス組成物の流動が抑制され、液だれが抑制されることにより、型の表面に良好な皮膜が形成される。すなわち、本実施形態の膜成形体の製造方法は、成膜性に優れる。また、アルギン酸ナトリウムは、ラテックス組成物の粘度を高めることができる成分である。そのため、ラテックス組成物から型を引き上げたときに、型に多くのラテックス組成物が付着し、膜成形体をなす皮膜の膜厚を効果的に厚くすることができる。ラテックス組成物にアルギン酸ナトリウムが含まれていないと、カルシウムイオンとの反応によるゲル化が起きないので、ラテックス組成物の粘度を高くしても、液だれを抑えることができず、良好な皮膜が形成されない。また、皮膜の膜厚を厚くすることが困難となる。
ラテックス組成物中のアルギン酸ナトリウムの濃度は、好ましくは0.1~1.0%であり、より好ましくは0.4~0.6%である。アルギン酸ナトリウムの濃度が上記範囲より低いと、ラテックス組成物を十分にゲル化させることができない恐れがある。また、ラテックス組成物の粘度を十分に高められない場合がある。アルギン酸ナトリウムの濃度が上記範囲より高いと、型の表面に形成された皮膜の表面に多量の未加硫ゲルが残ることによって、膜成形体の脱型が困難となる場合がある。アルギン酸ナトリウムは、CSMのラテックス100重量部に対し、好ましくは0.3~4.0重量部であり、より好ましくは1.0~2.0重量部である。
ラテックス組成物は、酸化マグネシウム、酸化亜鉛等の受酸剤や、ポリアミン、ポリオール等の加硫剤をさらに含むことが好ましい。また、ラテックス組成物は、気泡の少ない膜成形体を得るため、消泡剤をさらに含むことが好ましい。消泡剤の添加量は、ラテックス組成物中、CSMラテックス100重量部に対し、例えば0.2~0.8重量部である。
成形工程は、型をラテックス組成物から引き上げ、型の表面に膜成形体を成形する工程である。型に付着したラテックス組成物を乾燥させ、CSMを加硫させるため、成形工程では、加熱処理を行うことが好ましい。加熱処理は、好ましくは60~160℃、より好ましくは70~120℃の雰囲気下、好ましくは30~180分間、より好ましくは60~120分間行われる。CSMが加硫することで、型の表面に膜成形体となる皮膜が形成される。手袋を作製する場合の加熱処理は、ラテックス組成物から引き上げた型を、指先と対応する型の部分を上にして行われるのが好ましい。
成形工程では、加熱処理を行う前に、ラテックス組成物から引き上げた型を、クロロプレンゴム(CR)やニトリルゴム(NBR)等の異種ラテックスの配合液(他のゴムのラテックス組成物)に浸漬する浸漬処理をさらに行ってもよい。このような成形工程を行うことにより、膜成形体であるCSMゴムの層及び他のゴムの層が積層された複層構造の膜製品が得られる。
以上の膜成形体の製造方法は、環境負荷が小さく、成膜性に優れ、耐薬品性、耐熱性、耐候性等に優れた膜成形体を製造することができる。膜成形体は、CSMが有する伸縮性、追従性、柔軟性等の特性を備えており、手袋、風船、サック、スポイト、チューブ、袖カバー、シューズカバー等として好適である。
また、本実施形態の膜成形体の製造方法では、ポリビニルメチルエーテル、ポリアルキレングリコール、ポリエーテルポリオール等のいわゆる感熱化剤をラテックス組成物に含ませる必要がなく、したがって、浸漬工程の前に型を予め加熱(予熱)する必要がない。
本実施形態の膜成形体の製造方法により得られる膜成形体をなす皮膜の膜厚は、好ましくは0.1~2.0mmであり、より好ましくは0.20~0.50mmである。上記範囲の膜厚は、膜成形体が手袋、指サック等である場合に好ましい。また、一方で、膜成形体をなす皮膜の膜厚は、膜成形体がシューズカバー等である場合に、好ましくは1.0~2.0mmである。
実施形態の膜成形体の製造方法は、加熱工程をさらに備えることが好ましい。加熱工程は、浸漬工程の前に、凝固剤が付着した型が乾燥するよう、型を加熱する工程である。型を加熱することにより、浸漬工程の前に、凝固剤が付着した型を速く乾燥させることができ、膜成形体の生産性が向上する。凝固剤が乾燥していることにより、ラテックス組成物をゲル化させる効果が型の表面において均一に得られ、膜成形体をなす皮膜の膜厚にムラが発生することを抑えられる。
加熱工程は、付着工程の後に行うことが好ましいが、付着工程の前に行うことも好ましく、付着工程の前後のそれぞれにおいて行うことも好ましい。型は、好ましくは60~80℃に加熱される。60℃未満であると、凝固剤を速く乾燥させることができず、膜成形体の生産性を向上させ難い。80℃を超えると、浸漬工程を行う際の型の温度が高すぎて、型と接するラテックス組成物の粘度が下がり、型に付着するラテックス組成物の量が少なくなるので、膜成形体の膜厚が薄くなりやすい。
膜成形体の生産性を確保する観点からは、浸漬工程の前に、加熱工程により加熱した型の冷却を行わないことが好ましいが、一方で、加熱工程により加熱された型を、浸漬工程の前に、冷却することも好ましい。すなわち、実施形態の膜成形体の製造方法は、浸漬工程の前に、加熱工程において加熱した型を冷却する冷却工程をさらに備えることが好ましい。これにより、浸漬工程の際に、型と接するラテックス組成物の粘度が下がり、型に付着するラテックス組成物の量が少なくなることを抑え、膜成形体の膜厚を効果的に厚くすることができる。型の冷却は、型が、好ましくは室温(例えば25℃)になるまで行われる。型の冷却は、膜厚のムラが生じるのを避けるため、送風等を行うことなく、放冷により行うことが好ましい。
ラテックス組成物の粘度に関して、回転速度を6rpmとして回転粘度計を用いてJIS Z8803:2011に従い、測った25℃での粘度は、好ましくは500~20000mPa・sであり、より好ましくは2000~15000mPa・sである。また、回転速度を60rpmとした点を除いて上記と同様に測った粘度は、好ましくは100~5000mPa・sであり、より好ましくは500~4000mPa・sである。ラテックス組成物の粘度が上記範囲に調整されていることにより、型の表面に形成される皮膜の膜厚を厚くし、膜厚を調節しやすくなる。ラテックス組成物の粘度は、アルギン酸ナトリウムの配合量や分子量の調整、所定の物質の添加等により調整できる。
アルギン酸ナトリウムの数平均分子量は20万~300万であることが好ましく、50万~200万であることがより好ましい。このような分子量を持つアルギン酸ナトリウムによれば、ラテックス組成物の粘度を上述の範囲に調節しやすいので、引き上げた型に付着するラテックス組成物の量が多く、型の表面に形成される皮膜の膜厚を効果的に厚くすることができる。本明細書において分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)法を用いて測定したものをいう。
ラテックス組成物は、アルギン酸ナトリウムに加え、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、及びポリアクリル酸ナトリウムの少なくとも1つをさらに含むことが好ましい。これらの物質は、ラテックス組成物の粘度を高める機能を有し、ラテックス組成物の粘度をさらに高めることができ、皮膜の膜厚を厚くすることに貢献する。ラテックス組成物中のこれらの物質の合計の濃度は、好ましくは0.1~1.0%であり、より好ましくは0.3~0.7%である。
浸漬工程では、皮膜の膜厚を厚くするため、ラテックス組成物の温度を30℃以下に維持することが好ましく、10~25℃に維持することがより好ましい。この温度範囲に維持することで、ラテックス組成物の粘度を高め、皮膜の膜厚を厚くする効果を向上させることができる。
浸漬工程における型の浸漬時間は30~180秒であることが好ましく、60~120秒であることがより好ましい。浸漬時間が上記範囲より短いと、型を浸漬したラテックス組成物中でのゲル化が不十分となり、引き上げた後の液だれを抑制し難くなる。浸漬時間が上記範囲より長いと、膜成形体の生産性を向上させ難い。
本実施形態の膜成形体の製造方法は、さらに、脱型工程を備えることが好ましい。脱型工程は、膜成形体を型から取り外す工程である。脱型工程では、型の表面に成形された膜成形体の水洗を行う。これにより、皮膜の表面に残った未加硫の固くなったゲルを洗い落とすことができ、CSMの皮膜が持つ柔軟性が発揮され、容易に脱型を行える。膜成形体の水洗は、例えば、膜成形体を型ごと、水に浸漬することにより行うことができる。浸漬時間は、好ましくは60~120秒間である。水洗の際、未加硫のゲルの水への溶解を促すため、水をエアバブリングすることが好ましい。未加硫のゲルは、水に容易に溶けるので、水中で皮膜の表面を手で擦る等の作業の必要がない。
(実施例、比較例)
表1及び表2に示す、ラテックス組成物と凝固剤の種々の組み合わせを用いて膜成形体である手袋の作製を行い、成膜性、脱型性、膜厚を調べた。手袋の作製は、表中及び下記に断った場合を除いて、次の要領で行った。
洗浄し乾燥させた型の表面に凝固剤を塗布し、70℃で10分間、型を加熱し乾燥させた。次いで型を、室温(25℃)に維持したラテックス組成物に10秒間浸漬し、引き上げ、指先の部分を上にして70℃で60分間、型を加熱し、皮膜を形成した。
凝固剤の濃度は、比較例3では1%とし、比較例1、2及び実施例では25%とした。
比較例3では、凝固剤中のアルギン酸ナトリウムとラテックス組成物中のカルシウムイオンの反応を促進するため、凝固剤を乾燥させるための型の加熱を行わなかった。
表中、「組成物」はラテックス組成物を意味する。ラテックス組成物は、CSMのラテックスのほか、表中に示す「組成物中の成分」を0.5%含み、実施例4では、さらに、表中に示す「組成物中の他の成分」を0.25%含む。
表中、「凝固剤」は、浸漬工程の前に、型の表面に付着させる溶液を意味する。
表2中、「浸漬前の冷却」は、凝固剤を付着させた型を乾燥させるための加熱処理を行った後、浸漬工程の前に、室温(25℃)まで放冷したことを意味する。「浸漬前の冷却」が「無」の実施例では、型の加熱乾燥後、60秒以内に浸漬工程を行った。
表中の成分には、下記のものを用いた。
・κ-カラギーナン:富士フィルム和光純薬社製、「κ-カラジーナン」
・ペクチン:富士フィルム和光純薬社製、「ペクチン(リンゴ由来)」
・アルギン酸ナトリウム1:キミカ社製、「B-3」(数平均分子量180万~200万)
・アルギン酸ナトリウム2:キミカ社製、「BL-2」(数平均分子量50万~80万)
・アルギン酸ナトリウム3:キミカ社製、「B-8」(数平均分子量270万~290万)
・硝酸カルシウム:富士フィルム和光純薬社製、「硝酸カルシウム」
・カルボキシメチルセルロース:キミカ社製、「キミカCMC」
CSMのラテックスには、住友精化社製、「セポレックスCSM」を用いた。
成膜性は、型を引き上げ後に発生した液だれの有無、及び、液だれがなかったものに関しては膜の平滑性を確認し、その結果、液だれがあったものをCとし、液だれがなかったが、膜の平滑性が悪いものをBとし、液だれがなく、膜の平滑性が良かったものをAとし、Aは成膜性に優れ、B及びCは成膜性が悪いと評価した。膜の平滑性の良否は、皮膜に明らかな凹凸や凝集体が表れていないかどうかにより判断した。
脱型性は、手袋を水洗することなく型から取り外せたものをAとし、手袋を水洗することで型から取り外せたものをBとし、手袋を水洗しても型から取り外せず、皮膜が破れたものをCとし、Aは脱型性に優れ、B及びCは脱型性が悪いと評価した。手袋の水洗は、手袋を型ごと、水に120秒間浸漬し、その間、軽く揺り動かすことで行った。
膜厚は、得られた手袋の5箇所以上でマイクロメータを用いて測定し、測定値の最大値と最小値の範囲で示す。その結果、膜厚の最小値が0.2mm以上のものを十分な膜厚と評価し、0.2mm未満のものを不十分な膜厚と評価した。
Figure 0007033242000001
実施例1と比較例1,2の対比から、カルシウムイオンを含む溶液を付着させた型を、アルギン酸ナトリウムを含むラテックス組成物に浸漬させることで、成膜性及び脱型性に優れ、十分な膜厚の膜成形体が得られることがわかる。
比較例1では、組成物中のκ-カラギーナンが固化し、作業性が悪かった。また、固化したκ-カラギーナンの粒が皮膜に付着していた。
比較例2では、膜厚が不十分で、脱型が困難であった。浸漬時間を長くして同様に膜成形体の作製を行っても、膜厚は変わらなかった。
実施例1と比較例3の対比から、ラテックス組成物にアルギン酸ナトリウムを含ませ、凝固剤にカルシウムイオンを含ませることで、成膜性及び脱型性に優れ、十分な膜厚の膜成形体が得られることがわかる。
比較例3では、凝固剤中のアルギン酸ナトリウムがゲル化したが、液だれが発生し、ラテックス組成物の膜は形成されなかった。そのため、脱型性の評価及び膜厚の測定ができなかった。なお、比較例1,2及び実施例1~5では、浸漬した型の部分のすべてに皮膜が形成されていた。
Figure 0007033242000002
実施例1、3と実施例2の対比から、アルギン酸ナトリウムの数平均分子量が150万以上であることで、皮膜の膜厚が厚くなることがわかる。
実施例1と実施例4の対比から、ラテックス組成物が、所定の物質を含むことで、皮膜の膜厚が厚くなることがわかる。
実施例1と実施例5の対比から、浸漬工程の前に、加熱した型の冷却を行うことで、皮膜の膜厚が厚くなることがわかる。
以上、本発明の膜成形体の製造方法について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態及び上記実施例に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのはもちろんである。

Claims (7)

  1. 膜成形体の製造方法であって、
    膜成形用型の表面に、カルシウムイオンを含む溶液を付着させる付着工程と、
    前記付着工程の後、前記膜成形用型を、クロロスルホン化ポリエチレンのラテックスと、アルギン酸ナトリウムとを含むラテックス組成物に浸す浸漬工程と、
    前記膜成形用型を前記ラテックス組成物から引き上げ、前記膜成形用型の表面に前記膜成形体を成形する成形工程と、を備えることを特徴とする膜成形体の製造方法。
  2. 前記浸漬工程の前に、前記溶液を付着させた前記膜成形用型を加熱し、乾燥させる加熱工程をさらに備える、請求項1に記載の膜成形体の製造方法。
  3. 前記浸漬工程の前に、前記加熱工程において加熱した前記膜成形用型を冷却する冷却工程をさらに備える、請求項2に記載の膜成形体の製造方法。
  4. 前記アルギン酸ナトリウムの数平均分子量は40万~300万である、請求項1から3のいずれか1項に記載の膜成形体の製造方法。
  5. 前記ラテックス組成物は、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、及びポリアクリル酸ナトリウムの少なくとも1つをさらに含む、請求項1から4のいずれか1項に記載の膜成形体の製造方法。
  6. 前記浸漬工程における前記膜成形用型の浸漬時間は60~120秒である、請求項1から5のいずれか1項に記載の膜成形体の製造方法。
  7. 前記膜成形体を前記膜成形用型から取り外す脱型工程をさらに備え、
    前記脱型工程では、前記膜成形用型の表面に成形された前記膜成形体の水洗を行う、請求項1から6のいずれか1項に記載の膜成形体の製造方法。
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