以下に、本発明に係る実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。なお、以下で説明する図2は、わかり易くするため可動ユニット等の一部を省略し簡略化して図示している。
[実施形態]
図1、図2に示す本実施形態に係る車両用表示装置1は、車両に適用され、車載メータを構成するものである。車両用表示装置1は、例えば、車両のダッシュボードに設けられたインストルメントパネル内に搭載される。車両用表示装置1は、車両の運転に供される情報として当該車両に関する種々の可視情報を表示する。以下、各図を参照して車両用表示装置1の構成について詳細に説明する。
なお、図1等に示す車両用表示装置1の第1方向としての奥行き方向Xとは、典型的には、この車両用表示装置1が適用される車両の前後方向、さらに言えば、車両の全長方向に相当する。また、車両用表示装置1の奥行き方向Xの前面側とは、奥行き方向Xにおいて車両の運転席と対面する側であり、典型的には、当該運転席に座った運転者によって視認される側である。一方、車両用表示装置1の奥行き方向Xの背面側とは、奥行き方向Xにおいて前面側とは反対側であり、典型的には、インストルメントパネルの内部に収容される側である。また、車両用表示装置1の第2方向としての幅方向Yとは、典型的には、この車両用表示装置1が適用される車両の車幅方向、さらに言えば、車両の全幅方向に相当する。以下の説明では、車両用表示装置1の幅方向Yにおいて、当該車両用表示装置1の前面に向かって左側を幅方向Y左側、向かって右側を幅方向Y右側という場合がある。また、車両用表示装置1の第3方向としての高さ方向Zとは、典型的には、この車両用表示装置1が適用される車両の高さ方向、さらに言えば、車両の車高方向に相当する。高さ方向Zは、典型的には、車両が水平面に位置した状態で鉛直方向に沿った方向である。以下の説明では、車両用表示装置1の高さ方向Zにおいて、鉛直方向上側を高さ方向Z上側、鉛直方向下側を高さ方向Z下側という場合がある。以下の説明で用いる各方向は、特に断りのない限り、車両用表示装置1の各構成が相互に組み付けられ当該車両用表示装置1がインストルメントパネルに組み付けられた状態での方向を表す。
車両用表示装置1は、筐体2と、照明対象物3と、光源4と、表示部5と、虚像表示部材6と、背面板7とを備える。車両用表示装置1は、筐体2内に各部が収容される。そして、車両用表示装置1は、表示部5から虚像表示部材6に向けて表示光を出射し、当該虚像表示部材6で反射した表示光による虚像6Aによって運転者等に種々の視覚情報を提示するものである。このとき、車両用表示装置1は、例えば、虚像表示部材6において、光源4によって照らされた照明対象物3に対して表示光による虚像6Aを重畳させて表示させる。また、本実施形態の車両用表示装置1は、照明対象物3と背面板7とが照明対象物3を可動させる可動ユニット8の一部を構成する。
具体的には、筐体2は、車両用表示装置1の各部を収容すると共に、予め定められた目視位置(アイポイント)EP側に開口した目視側開口部25を有するものである。筐体2は、例えば、絶縁性を有する合成樹脂によって形成される。筐体2は、例えば、筐体本体、背面カバー、見返し、上面フード等の複数の部材が組み合わせられることで中空箱状に形成される。筐体2は、内部の収容空間部21に、光源4、表示部5、虚像表示部材6、背面板7、可動ユニット8(照明対象物3、背面板7)等を収容する。筐体2は、この他、収容空間部21に制御回路や駆動回路等、車両用表示装置1の各部を制御、駆動するための種々の部品も収容する。ここでは、収容空間部21は、見返し壁部22によって相互に区画された第1空間部23、及び、第2空間部24を含む。見返し壁部22は、奥行き方向Xに沿って延在し、高さ方向Zに対して収容空間部21を第1空間部23と第2空間部24とに区画する。第1空間部23は、見返し壁部22を境界として高さ方向Zの下側に位置し、第2空間部24は、見返し壁部22を境界として高さ方向Zの上側に位置する。第1空間部23、第2空間部24は、共に奥行き方向Xの背面側が閉塞している。そして、第2空間部24は、奥行き方向Xの前面側も閉塞している。一方、第1空間部23は、筐体2に形成された目視側開口部25を介して奥行き方向Xの前面側に向けて開口している。言い換えれば、目視側開口部25は、奥行き方向Xの前面側にて筐体2の内外を連通し、第1空間部23は、当該目視側開口部25の奥行き方向Xの背面側に位置する。第1空間部23は、奥行き方向Xの前面側、ここでは、目視位置EPから目視側開口部25を介して直接的に目視可能な位置に照明対象物3、虚像表示部材6等を収容する。一方、第2空間部24は、当該目視位置EPから直接的に目視不能な位置に表示部5を収容する。そして、筐体2は、第1空間部23と第2空間部24との間に介在する見返し壁部22に連通開口部26が形成されている。連通開口部26は、見返し壁部22を貫通し第1空間部23と第2空間部24とを連通している。
ここで、上述の目視位置EPは、典型的には、車両におけるいわゆるアイレンジ内に位置するものとして予め想定される。ここで、アイレンジとは、「自動車の運転者アイレンジ」であり、車両に応じて予め定まる運転者の視点が位置する領域に相当する。アイレンジは、典型的には、車両において運転者の目の位置の分布を統計的に表したものであり、例えば、運転者が運転席に座った状態で所定割合(例えば、95%)の運転者の目の位置が含まれる領域に相当する。
照明対象物3は、光源4が出射した照明光によって照らされる対象物である。照明対象物3は、虚像表示部材6と共に筐体2の第1空間部23内に収容されるものである。照明対象物3は、第1空間部23内において、目視位置EPから目視側開口部25を介して直接的に目視可能な位置に、種々の支持構造を介して支持される。ここでは、照明対象物3は、第1空間部23内において、後述する虚像表示部材6の目視位置EP側とは反対側、すなわち、虚像表示部材6の奥行き方向Xの背面側に設けられる。照明対象物3は、実体を伴う構造物である。照明対象物3は、例えば、種々の加飾を施すための加飾部材、指針によって種々の計測値を指し示すアナログ式計器等である。ここでは、照明対象物3は、一例として、中心軸線X1を中心とする略円環状に形成された加飾体(加飾リング)であるものとして説明するがこれに限らない。照明対象物3は、例えば、略円弧状に形成された加飾体であってもよい。照明対象物3は、例えば、金属材料、あるいは、金属調の表面塗装が施された樹脂成形品によって構成される。本実施形態の照明対象物3は、筐体2の第1空間部23内において、複数の固定位置の間で変位可能である。ここでは、照明対象物3は、上述したように照明対象物3を可動させる可動ユニット8の一部を構成する。当該可動ユニット8の構成については、後で詳細に説明する。
光源4は、照明対象物3に向けて照明光を照射し当該照明対象物3を照らすための加飾用光源である。光源4は、第1空間部23内において、照明対象物3に向けて照明光を照射可能な位置に、種々の支持構造を介して支持される。光源4は、例えば、第1空間部23内において、照明対象物3の高さ方向Zの上側に設けられる。光源4は、高さ方向Zに沿って下側の照明対象物3に向けて照明光を照射する。ここでは、光源4による照明光の照射方向(典型的には光軸方向)L1は、高さ方向Zに沿いつつ、当該、高さ方向Zに対してやや傾きを有する方向となっている。光源4は、例えば、幅方向Yに沿って間隔をあけて複数設けられる。光源4は、例えば、LED(Light Emitting Diode)素子等によって構成されるがこれに限らない。車両用表示装置1は、照明対象物3を加飾体として視認させる際に光源4から照明対象物3に向けて照明光を照射することで、当該光源4によって照明対象物3を照らすことができる。
表示部5は、車両に関する情報を表す表示光を出射可能なものである。表示部5は、表示光を出射するデバイスとして、例えば、薄型の液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ等を用いることができる。表示部5は、略矩形状に形成された出射面5aから後述する虚像表示部材6に向けて表示光を出射する。表示部5が出射する表示光は、虚像表示部材6に表示させる虚像6Aを表す表示光であり、少なくとも可視光域成分の光を含む。ここで、可視光域成分の光とは、人が視認できる可視光領域の波長成分の光であり、例えば、波長が360~830nmの範囲の成分の光である。表示部5は、第2空間部24内に収容される。表示部5は、第2空間部24内において、目視位置EPから直接的に目視不能な位置に、種々の支持構造を介して支持される。表示部5は、出射面5aが見返し壁部22の連通開口部26と対向して第1空間部23側を向く位置関係で、第2空間部24内に支持される。表示部5は、第2空間部24側に位置する出射面5aから、当該連通開口部26を介して、第1空間部23側に位置する虚像表示部材6に向けて表示光を出射する。言い換えれば、連通開口部26は、第2空間部24側に位置する表示部5の出射面5aが出射した表示光を、虚像表示部材6が位置する第1空間部23側に導出するための光路開口を構成する。なおここでは、車両用表示装置1は、連通開口部26内にマスク部材9やスモークガラス10等が嵌めこまれている。表示部5の出射面5aから出射された表示光は、筐体2に形成された連通開口部26、マスク部材9に形成された露出開口部9a、スモークガラス10等を介して虚像表示部材6に至る。
虚像表示部材6は、表示部5から出射された表示光を予め定められた目視位置EP側に反射することで表示光による虚像6Aを表示させるものである。虚像表示部材6は、表示部5から出射された表示光によって種々の可視情報が表示される。虚像表示部材6は、筐体2内において照明対象物3の目視位置EP側の位置に収容される。虚像表示部材6は、上述した照明対象物3と共に筐体2の第1空間部23内に収容される。つまり、虚像表示部材6は、第1空間部23内において、照明対象物3の目視位置EP側、すなわち、照明対象物3の奥行き方向Xの前面側に設けられる。虚像表示部材6は、第1空間部23内において、目視位置EPから目視側開口部25を介して直接的に目視可能な位置に、種々の支持構造を介して支持される。虚像表示部材6は、照明対象物3の奥行き方向Xの前面側の全体を覆うように設けられる。ここでは、虚像表示部材6は、略板状に形成され、表示部5側を向くように傾斜して設けられる。すなわち、虚像表示部材6は、高さ方向Zの上側から下側に向かうにしたがって奥行き方向Xの前面側に向かうように傾斜して設けられる。そして、虚像表示部材6は、第1空間部23を、奥行き方向Xの前面側の空間部(目視位置EP側の空間部)と背面側の空間部(照明対象物3側の空間部)とに仕切っている。
本実施形態の虚像表示部材6は、入射する可視光域成分の光の一部を反射すると共に、入射する可視光域成分の光の他の一部を透過させる半透過性の部材、いわゆるハーフミラーである。虚像表示部材6は、透明な合成樹脂やガラス等により形成された本体部と、ハーフミラー層とを有する。ハーフミラー層は、本体部の表面に蒸着等により形成された、金属又は無機多層薄膜などである。虚像表示部材6は、光源4からの照明光や照明対象物3等による反射光を含む当該光源4側からの可視光域成分の光を透過させ、目視位置EPにおいて照明対象物3を視認可能とする。その上で、虚像表示部材6は、表示部5から出射された表示光を目視位置EP側に反射することで虚像6Aを表示する。虚像6Aは、虚像表示部材6で目視位置EP側に反射した表示光による反射像であり、目視位置EPから視認可能な像である。ここでは、虚像表示部材6は、目視位置EPから視て照明対象物3と重畳可能な位置に表示光による虚像6Aを表示させる。つまり、虚像表示部材6は、表示光による虚像6Aが照明対象物3とほぼ重なる位置に結像するように配置されている。虚像6Aは、車両に関する種々の可視情報を表す。図1に例示する虚像6Aは、例えば、軸線を回動中心として回動する指針の画像、及び、当該指針によって指し示される目盛等の指標部の画像を含み、当該照明対象物3が構成する加飾リングと共に種々の計測値を指し示す計器を構成する画像である。表示光による虚像6Aは、この他、例えば、車両の速度、積算走行距離、冷却水温、走行用動力源の出力回転数、燃料残量、バッテリ蓄電量、ナビゲーション情報、地図情報、交差点情報、各種の警告灯(ウォーニングランプ、いわゆるテルテール)、シフトポジションインジケータ、方向指示記号等の車両情報に応じた種々の図柄、記号、文字列等の画像を含んでいてもよい。また、表示光による虚像6Aは、後述するように照明対象物3が複数の固定位置の間で変位した際には、当該照明対象物3の位置に応じて表示位置が適宜変更される。
背面板7は、筐体2内において光源4から照射された照明光によって照らされる位置に収容されるものである。背面板7は、光源4から照射された照明光によって照らされる照明対象物3の背景を構成するものであり、当該照明光の一部によって照らされる。本実施形態の背面板7は、1つの固定背面板71、及び、1つの可動背面板72を含んで構成される。固定背面板71は、筐体2内において、当該筐体2、及び、光源4との相対位置が固定されたものである。一方、可動背面板72は、筐体2内において、照明対象物3と共に変位可能なものである。固定背面板71、可動背面板72は、例えば、絶縁性を有する合成樹脂によって形成される。固定背面板71、可動背面板72は、例えば、光を反射し難いように艶消しの黒色とされることが好ましい。なお、以下、固定背面板71と可動背面板72とを特に区別して説明する必要がない場合には、単に背面板7という場合がある。当該背面板7は、上述したように照明対象物3と共に可動ユニット8を構成する。以下、図3、図4、図5を参照して可動ユニット8について説明する。
図3、図4、図5に示す可動ユニット8は、照明対象物3を可動させるユニットである。可動ユニット8は、筐体2の第1空間部23内において、照明対象物3を複数の固定位置の間で変位可能に支持する。ここでは、可動ユニット8は、照明対象物3を2つの固定位置、すなわち、図3に示す第1固定位置、及び、図5に示す第2固定位置に変位させることができる。このとき、可動ユニット8は、筐体2の第1空間部23内において、可動背面板72も照明対象物3と共に複数の固定位置の間で変位させる。
具体的には、可動ユニット8は、照明対象物3と、固定背面板71と、可動背面板72と、チルト機構81とを備える。
照明対象物3は、上述したように、略円環状に形成された加飾リングであり、ここでは、可動背面板72と共に可動リング体82を構成する。可動背面板72は、略円板状に形成される。本実施形態の照明対象物3と可動背面板72とは、それぞれ別体に構成されると共に、相互に組み付けられ一体化されることで可動リング体82を構成する。可動リング体82は、照明対象物3と可動背面板72とが一体となった状態で複数の固定位置の間で変位可能である。つまり、可動背面板72は、照明対象物3と一体となって第1固定位置、及び、第2固定位置の間で変位可能である。なお、本実施形態の可動リング体82のより詳細な構成については、図6、図7、図8、図9等を参照して後で詳細に説明する。
固定背面板71は、奥行き方向Xに対して照明対象物3の目視位置EP側とは反対側、すなわち、背面側に位置する。固定背面板71は、筐体2の第1空間部23内にネジ等を介して固定される。固定背面板71は、第1空間部23内において、高さ方向Zに対してやや傾きを有して立設される。この固定背面板71は、可動ユニット8の各部が組み付けられるベース部を構成するものであり、上述したように第1空間部23内において、筐体2、及び、光源4との相対位置が固定される。ここでは、可動ユニット8は、当該固定背面板71にチルト機構81が支持され、当該チルト機構81に支持部材83が支持され、当該支持部材83に可動リング体82が支持される。
支持部材83は、可動リング体82をチルト機構81に支持する部材である。支持部材83は、奥行き方向Xに対して照明対象物3の目視位置EP側とは反対側、すなわち、背面側に位置する。より詳細には、支持部材83は、奥行き方向Xに対して可動リング体82の可動背面板72と固定背面板71との間に介在して位置する。ここでは、支持部材83は、略円環板状に形成される。支持部材83は、目視位置EP(図2参照)から視て可動背面板72の背面側に隠れるように、当該可動背面板72よりやや小さい形状に形成される。支持部材83は、奥行き方向Xの前面側に可動リング体82が組み付けられ、奥行き方向Xの背面側にチルト機構81が組み付けられ、チルト機構81に支持される。
チルト機構81は、支持部材83を可動リング体82と共に正対位置と傾斜位置との間で変位可能に支持するものである。言い換えれば、チルト機構81は、支持部材83を介して可動リング体82を正対位置と傾斜位置との間で変位可能に支持する。チルト機構81は、上述した固定背面板71に組み付けられ支持される。チルト機構81は、例えば、モータ等の動力源、当該動力源で発生させた動力を各部に伝達するギヤ、シャフト等の伝達部材、支持部材83、可動リング体82の変位をガイドする一対のガイドレール等を含んで構成される。チルト機構81は、各部が動作することで、支持部材83と共に可動リング体82を、奥行き方向X及び高さ方向Zに沿って正対位置と傾斜位置との間でチルト(傾斜)させることができる。ここで、可動リング体82の正対位置は、図3に示すように、当該可動リング体82が支持部材83と共に高さ方向Zに沿って立った起立位置であり、目視位置EPと略正対する位置である。この起立位置は、上述の第1固定位置に相当する。可動リング体82は、正対位置にある状態では、奥行き方向Xに対する照明対象物3の中心軸線X1(図2参照)の傾斜角度θ(図2参照)が最小となり、さらに言えば、高さ方向Zの上側端部と下側端部との奥行き方向Xに沿った離間距離D(図2参照)が最小となる。ここでは、可動リング体82は、正対位置にある状態では、高さ方向Zの上側端部が下側端部よりもわずかに奥行き方向Xの背面側に位置するように傾斜している。一方、可動リング体82の傾斜位置は、図5に示すように、正対位置を基準として当該可動リング体82が支持部材83と共に傾斜した傾倒位置であり、目視位置EPに対して寝かされた位置である。この傾倒位置は、上述の第2固定位置に相当する。可動リング体82は、傾斜位置にある状態では、奥行き方向Xに対する照明対象物3の中心軸線X1の傾斜角度θが最大となり、さらに言えば、高さ方向Zの上側端部と下側端部との奥行き方向Xに沿った離間距離Dが最大となる。ここでは、可動リング体82は、傾斜位置にある状態では、正対位置を基準として、高さ方向Zの下側端部が奥行き方向Xの前面側に位置し、高さ方向Zの上側端部が高さ方向Zの下側に位置した状態となる。
上記のように構成される可動ユニット8は、チルト機構81の動作によって、支持部材83と共に可動リング体82を起立位置(第1固定位置)、及び、傾倒位置(第2固定位置)の間で変位させることができる。この場合、可動背面板72は、可動リング体82の変位に伴って常に照明対象物3と共に変位する。ここでは、照明対象物3を含む可動リング体82は、少なくとも目視位置EPから視て虚像表示部材6において表示光による虚像6Aが表示される虚像表示領域T(図1参照)と重畳する位置に変位可能である。可動リング体82は、例えば、図3に示す起立位置において、虚像表示領域Tと重畳して位置し、図5に示す、傾倒位置において、虚像表示領域T外に位置するように設けられてもよい。つまりこの場合、照明対象物3を含む可動リング体82は、目視位置EPから視て、虚像表示領域T内から虚像表示領域T外に、あるいは、虚像表示領域T外から虚像表示領域T内に変位可能に構成されてもよい。また、可動ユニット8は、さらに、起立位置と傾倒位置との間の位置で可動リング体82を固定してもよい。
上記のように構成される車両用表示装置1は、表示部5の出射面5aから出射された表示光が筐体2の連通開口部26、マスク部材9の露出開口部9a、スモークガラス10を介して虚像表示部材6に至る。そして、車両用表示装置1は、当該表示光が虚像表示部材6によって目視位置EP側に反射される。この構成により、車両用表示装置1は、表示光による虚像6Aが当該虚像表示部材6に表示される。この場合、車両用表示装置1は、当該虚像表示部材6で反射した表示光による虚像6Aが照明対象物3に重畳されて表示され、運転者等に種々の視覚情報を提示する。このとき、車両用表示装置1は、照明対象物3を含む可動リング体82の変位に伴い、当該照明対象物3の位置に応じて虚像6Aの表示位置が適宜変更される。
そして、本実施形態の可動背面板72は、図3、図4、図5、図6に示すように、上記のような構成の車両用表示装置1にあって、網状部72aが設けられることで、当該車両用表示装置1における適正な視認性の確保を図ったものである。
具体的には、網状部72aは、可動背面板72において、網の目形状(メッシュ形状)に形成された部分である。網状部72aは、典型的には、可動背面板72において、目視位置EPから目視可能な部位に形成される。本実施形態の網状部72aは、網の目形状における各網目72bが多角形状をなす。各網目72bは、略同形状をなしている。ここでは、網状部72aは、網の目形状における各網目72bが正六角形状をなす。言い換えれば、網状部72aは、正六角形状の網目72bを隙間なく並べたいわゆるハニカム構造をなす。各網目72bは、可動背面板72を板厚方向(中心軸線X1に沿った方向)に沿って貫通しており、可動背面板72の一方側と他方側とを連通する。
本実施形態の網状部72aは、当該網目72bを区画する区画壁72cが目視位置EP側に向けて先細り形状となるテーパ面72dを有する。区画壁72cは、各網目72bを形成し、正六角形状の空間部を区画する壁体である。区画壁72cは、1つの網目72bにおいて正六角形状に対応して6辺分形成される。その上で、各区画壁72cは、隣接する網目72b同士で兼用される。言い換えれば、区画壁72cは、隣接する網目72bの各辺の間に介在し、隣接する網目72b同士を相互に正六角形状に区画する。各区画壁72cは、照明対象物3の中心軸線X1に沿って延在する。そして、テーパ面72dは、各区画壁72cの目視位置EP側の端部に形成される。本実施形態のテーパ面72dは、各区画壁72cにそれぞれ一対で設けられる。一対のテーパ面72dは、各区画壁72cの厚み方向D1の中心線Cを基準として略対称形状に形成される。ここで、区画壁72cの厚み方向D1とは、区画壁72cの延在方向D2と直交しかつ隣接する網目72bの隣接方向に沿った方向であり、さらに言えば、区画壁72c主面と直交する方向である。各区画壁72cは、当該厚み方向D1に沿って対向する一対のテーパ面72dによって目視位置EP側の端部が先細り形状に形成される。つまり、各区画壁72cは、一対のテーパ面72dによって厚み方向D1に沿った幅が目視位置EP側の端部に向かって徐々に狭くなるように先細り形状に形成される。
より詳細には、可動背面板72を含む本実施形態の可動リング体82は、図7、図8に示すように、照明対象物3と、可動背面板72と、リングアンカー84と、中間環状部材85と、弾性体86とを備え、これらが相互に組み付けられることで構成される。照明対象物3は、上述したように中心軸線X1を中心とする略円環状に形成される。中間環状部材85も、照明対象物3と同様に、中心軸線X1を中心とする略円環状に形成される。可動背面板72は、中心軸線X1を中心とする略円板状に形成される。照明対象物3と中間環状部材85と可動背面板72とは、外径がほぼ同等に形成される。また、照明対象物3と中間環状部材85とは、内径がほぼ同等に形成される。可動リング体82は、中心軸線X1に沿って目視位置EP側から、照明対象物3、中間環状部材85、可動背面板72の順で設けられる。そして、可動リング体82は、照明対象物3と中間環状部材85との間にリングアンカー84が介在し、中間環状部材85と可動背面板72との間に弾性体86が介在する。
本実施形態の可動背面板72は、上記網状部72a、円環状部72e、係止爪部72f、及び、弾性体保持突起部72gを含んで構成され、これらが一体で形成される。円環状部72eは、中心軸線X1を中心とする略円環状に形成される。円環状部72eは、外径が照明対象物3、中間環状部材85とほぼ同等に形成される。網状部72aは、円環状部72eの内側に略円板状に形成される。網状部72aは、可動リング体82の各部が相互に組み付けられた状態で、照明対象物3、中間環状部材85、円環状部72eの内側から目視位置EP側に露出して位置する。係止爪部72f、及び、弾性体保持突起部72gは、円環状部72eに形成される。係止爪部72fは、リングアンカー84が係止される部分である。係止爪部72fは、円環状部72eから中心軸線X1に沿って照明対象物3側に突出するようにして爪状に形成される(図9、図10も参照)。係止爪部72fは、円環状部72eに対して複数、ここでは、4つ設けられる。4つの係止爪部72fは、中心軸線X1周り方向に沿って等間隔で設けられる。弾性体保持突起部72gは、中間環状部材85との間に弾性体86を保持する部分である。弾性体保持突起部72gは、円環状部72eから中心軸線X1に沿って中間環状部材85側に突出するようにして板状に形成される。弾性体保持突起部72gは、円環状部72eに対して複数、ここでは、2つ設けられる。2つの弾性体保持突起部72gは、中心軸線X1周り方向に沿って等間隔で設けられる。
リングアンカー84は、照明対象物3に固定され、当該照明対象物3を可動背面板72に係止するための部材である。リングアンカー84は、固定本体部84a、及び、係止爪部84bを含んで構成され、これらが一体で形成される。固定本体部84aは、略円弧状に形成され、照明対象物3に固定される部分である。固定本体部84aは、ボルト等の締結部材84cを介して照明対象物3の中間環状部材85側の面(目視位置EP側の化粧面とは反対側の面)に締結、固定される。係止爪部84bは、可動背面板72の係止爪部72fに係止される部分である。係止爪部84bは、固定本体部84aから中心軸線X1に沿って可動背面板72側に突出するようにして爪状に形成される(図9、図10も参照)。リングアンカー84は、照明対象物3に対して複数、ここでは、4つ設けられる。4つのリングアンカー84は、係止爪部72fの位置に対応するように、中心軸線X1周り方向に沿って等間隔で設けられる。
中間環状部材85は、照明対象物3と可動背面板72との間に介在する介在部材である。中間環状部材85は、係止挿入部85a、及び、弾性体収容部85bを含んで構成され、これらが一体で形成される。係止挿入部85aは、中間環状部材85の円環状部分を中心軸線X1に沿って貫通して形成され、可動背面板72の係止爪部72fとリングアンカー84の係止爪部84bとが挿入される部分である。係止挿入部85aは、中間環状部材85の円環状部分に対して複数、ここでは、4つ設けられる。4つの係止挿入部85aは、係止爪部72f、係止爪部84bの位置に対応するように、中心軸線X1周り方向に沿って等間隔で設けられる。弾性体収容部85bは、弾性体86を収容、保持する部分である。弾性体収容部85bは、中間環状部材85の円環状部分から中心軸線X1に沿って照明対象物3側に突出するようにしてフード状に形成される。弾性体収容部85bは、内径側、及び、可動背面板72側が開口している。弾性体収容部85bは、可動リング体82の各部が相互に組み付けられた状態で、内部に可動背面板72の弾性体保持突起部72gが位置する。そして、弾性体収容部85bは、中心軸線X1周り方向に対して、壁部と当該弾性体保持突起部72gとの間に弾性体86を収容し弾性変形可能に保持する。弾性体収容部85bは、中間環状部材85の円環状部分に対して複数、ここでは、2つ設けられる。2つの弾性体収容部85bは、弾性体保持突起部72gの位置に対応するように、中心軸線X1周り方向に沿って等間隔で設けられる。可動背面板72と中間環状部材85とは、各係止爪部72fが各係止挿入部85aに挿入された状態で、スリット、ボス部、ボルト等を介して中心軸線X1周り方向に沿って相対回転に組み付けられる。
弾性体86は、弾性変形可能な弾性部材である。ここでは、弾性体86は、圧縮コイルバネが用いられる。弾性体86は、中心軸線X1周り方向に対して、可動背面板72の弾性体保持突起部72gと中間環状部材85の弾性体収容部85bの壁部との間に介在するような位置関係で、当該弾性体収容部85b内に収容され保持される。弾性体86は、各弾性体収容部85bにそれぞれ1つずつ、ここでは合計2つ設けられる。弾性体86は、可動背面板72と中間環状部材85との中心軸線X1周り方向の相対回転に伴って、弾性体保持突起部72gと当該弾性体収容部85bの壁部との間で圧縮される。これにより、弾性体86は、その付勢力によって可動背面板72と中間環状部材85とを上記相対回転の方向とは逆方向に押圧する押圧力(復元力)を発生させる。
上記のように構成される可動リング体82は、図8に示すように、典型的には、可動背面板72、中間環状部材85、及び、弾性体86が相互に組み付けられた状態で支持部材83に固定され後、加飾体である照明対象物3が後付けされる。この場合、照明対象物3は、図9に例示するように、リングアンカー84の各係止爪部84bを中間環状部材85の各係止挿入部85aに挿入するようにして押し込まれる。そして、照明対象物3は、係止爪部72f、及び、係止爪部84bの先端にそれぞれ形成されているテーパ面同士が当接した状態でさらに押し込まれることで、各弾性体86による付勢力にうちかって可動背面板72と中間環状部材85とを中心軸線X1周り方向に相対回転させる。そして、照明対象物3は、図10に示すように、係止爪部84bが係止爪部72fを乗り越えて当該係止爪部72fとの係合位置まで押し込まれると、各係止爪部84bが各係止爪部72fに係止される。そして、可動リング体82は、各弾性体86が発生させる押圧力(復元力)によって、可動背面板72と中間環状部材85とが上記相対回転の方向とは逆方向に押し戻され初期位置に戻ることで、照明対象物3が可動背面板72に係止され固定された状態で保持される。
以上で説明した車両用表示装置1、可動リング体82は、筐体2内に変位可能に収容される可動背面板72が網の目形状に形成された網状部72aを有し、当該網状部72aの網の目形状の網目72bが多角形状をなす。この結果、車両用表示装置1、可動リング体82は、可動背面板72の目視位置EP側の表面に照射された照明光や外光等の光の少なくとも一部を網状部72aの多角形状の網目72bによって目視位置EPとは異なる方向に乱反射させ、散乱させることができる。この場合、車両用表示装置1、可動リング体82は、可動背面板72がいかなる位置にあっても、多角形状の網目72bによって万遍なく光の一部を乱反射、散乱させることができる。また、車両用表示装置1、可動リング体82は、可動背面板72の目視位置EP側の表面に照射された光の他の一部を当該網状部72aの網目72bを通過させることで、目視位置EP側に反射させないようにすることもできる。この構成により、車両用表示装置1、可動リング体82は、目視位置EP側に至る反射光の光量を抑制することができる。この結果、車両用表示装置1、可動リング体82は、適正な視認性を確保することができる。
また、この車両用表示装置1、可動リング体82は、可動背面板72の少なくとも一部が網状部72aとされることで、例えば、網状部72aを有さず全体が板によって構成された場合と比較して軽量化を図ることができる。言い換えれば、車両用表示装置1、可動リング体82は、可動背面板72の低反射化と軽量化とを両立することができる。この結果、車両用表示装置1、可動リング体82は、適正な視認性を確保した上で装置の軽量化を図ることができる。この構成により、車両用表示装置1、可動リング体82は、当該可動リング体82を可動させる機構であるチルト機構81において可動対象物の重量を抑制することができるので、可動リング体82を変位させる際の電気負荷、電力消費量を抑制することができる。そして、車両用表示装置1、可動リング体82は、例えば、チルト機構81のモータ等の体格の大型化を抑制することができ、装置の大型化を抑制することができる。
また、以上で説明した車両用表示装置1、可動リング体82は、網状部72aがテーパ面72dを有するので、可動背面板72の目視位置EP側の表面に照射された光を、より確実に目視位置EPとは異なる方向に乱反射させ、散乱させることができる。この構成により、車両用表示装置1、可動リング体82は、目視位置EP側に至る反射光の光量をより確実に抑制することができ、より適正な視認性を確保することができる。
さらに、以上で説明した車両用表示装置1、可動リング体82は、網状部72aの網目72bが正六角形状をなすので、可動背面板72がいかなる位置にあっても、網目72bによってより万遍なく光の一部を乱反射、散乱させることができる。この点でも、車両用表示装置1、可動リング体82は、目視位置EP側に至る反射光の光量をより確実に抑制することができ、より適正な視認性を確保することができる。
ここでは、以上で説明した車両用表示装置1は、光源4が筐体2内に収容された照明対象物3に向けて照明光を照射することで虚像表示部材6を介して目視位置EPから視認可能なように当該照明対象物3を照らすことができる。また、車両用表示装置1は、表示部5から出射された表示光を虚像表示部材6によって目視位置EP側に反射させる。この構成により、車両用表示装置1は、当該虚像表示部材6に対して目視位置EPから視認可能なように表示光による虚像6Aの表示を行うことができる。この構成により、車両用表示装置1は、照明対象物3と虚像6Aとを組み合わせたより多様な表示を行うことができる。そして、車両用表示装置1は、筐体2内において光源4から照射された照明光によって照らされる位置に変位可能に収容された可動背面板72が上述の網状部72aを有する。この構成により、車両用表示装置1は、上記のように可動背面板72において目視位置EP側に至る照明光の反射光の光量を抑制することができる。したがって、車両用表示装置1は、可動背面板72で反射し目視位置EP側に至る照明光の反射光によって照明対象物3の背景となる可動背面板72自体が目立ってしまうことを抑制し、照明対象物3や虚像6A等が視認し難くなることを抑制することができる。この結果、車両用表示装置1は、上記のように適正な視認性を確保することができる。また、車両用表示装置1は、照明対象物3を含む可動リング体82が筐体2内において変位し、少なくとも目視位置EPから視て虚像表示領域Tと重畳する位置に変位可能である。この構成により、車両用表示装置1は、虚像表示領域Tにおいて照明対象物3を含む可動リング体82と当該可動リング体82に重畳される虚像6Aとを組み合わせたより多様な表示を行うことができる。その上で、車両用表示装置1、可動リング体82は、上記のように適正な視認性を確保することができる。
さらに、以上で説明した車両用表示装置1、可動リング体82は、可動背面板72と照明対象物3とが別体に構成され、相互に組み付けられる。この構成により、車両用表示装置1、可動リング体82は、例えば、可動背面板72等を筐体2側の支持部材83に固定した後に、照明対象物3を可動背面板72に後付けすることができる。この結果、車両用表示装置1、可動リング体82は、加飾体である照明対象物3を車両用表示装置1に組み付ける工程を、車両用表示装置1の組立工程の後期(好適には最終工程)に行うことができるので、組立作業中に照明対象物3に傷がつくことを抑制することができる。また、車両用表示装置1、可動リング体82は、可動背面板72と照明対象物3との組み付け構造が上記のような構造とされることで、例えば、車両振動が作用しても照明対象物3が外れ難い構造とすることができる。さらに、車両用表示装置1、可動リング体82は、可動背面板72と照明対象物3との組み付け構造自体を、目視位置EPから目視し難い構造とすることができるので、この点でも適正な視認性を確保することができる。
なお、上述した本発明の実施形態に係る車両用表示装置、及び、可動リング体は、上述した実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された範囲で種々の変更が可能である。
以上の説明では、網状部72aは、網の目形状における各網目72bが正六角形状をなすものとして説明したがこれに限らず、多角形状であれば正三角形状、正四角形状、正五角形状等であってもよい。また、網状部72aは、網の目形状における各網目72bが扁平の三角形状、四角形状、五角形状、六角形状等であってもよい。また、網状部72aは、全ての網目72bが同形状でなくてもよい。
以上の説明では、各網目72bを区画する区画壁72cは、当該厚み方向D1に沿って対向する一対のテーパ面72dによって目視位置EP側の端部が先細り形状に形成されるものとして説明したがこれに限らない。区画壁72cは、目視位置EP側の端部だけでなく全体が先細り形状となるようにテーパ面72dが形成されてもよい。また、テーパ面72dは、各区画壁72cにおいて、中心線Cを基準として略対称形状に一対で形成されるものとして説明したがこれに限らず、中心線Cを基準として非対称形状であってもいし1つのテーパ面72dによって先細り形状とされてもよい。またさらに言えば、網状部72aは、テーパ面72d自体を有していなくてもよい。
以上の説明では、車両用表示装置1は、表示部5から虚像表示部材6に向けて表示光を出射し、当該虚像表示部材6で反射した表示光による虚像6Aによって運転者等に種々の視覚情報を提示するものであるとして説明したがこれに限らない。以上の説明では、車両用表示装置1は、照明対象物3を備えるものとして説明したがこれに限らない。車両用表示装置1は、照明対象物3、光源4、表示部5、又は、虚像表示部材6のいずれかを備えない構成であってもよい。また、照明対象物3と可動背面板72とは、それぞれ別体に構成されると共に、相互に組み付けられ一体化されることで可動リング体82を構成するものとして説明したがこれに限らない。車両用表示装置1は、照明対象物3を備えない場合、可動背面板72が筐体2内において、単体で変位可能に構成されればよい。また、可動背面板72を含む背面板7は、筐体2内において光源4から照射された照明光によって照らされる位置に収容されるものとして説明したが、これに限らなず、外光によって照らされる位置に収容されるものであってもよい。
以上の説明では、車両用表示装置1は、チルト機構81が可動リング体82を正対位置と傾斜位置との間でチルト(傾斜)させることで、筐体2内で可動リング体82を変位可能に構成されるものとして説明したがこれに限らない。車両用表示装置1は、筐体2内で可動リング体82を変位させる構成として、チルト機構81にかえて、可動リング体82を幅方向Yや高さ方向Zにスライド移動させるスライド機構を備えていてもよいし、チルト機構81、スライド機構の双方を備えていてもよい。
以上で説明した可動背面板72は、上述した位置とは異なる他の位置に設けられてもよい。