JP7031281B2 - メタン製造装置、メタン製造装置の制御方法、および、メタン製造方法 - Google Patents
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Description
1<MH2/(4×MCO2+0.1×MCA)<1.2 (1)
(式(1)において、MH2は供給する水素のモル数であり、MCO2は水素が供給される反応器内の触媒に吸蔵されている二酸化炭素のモル数であり、MCAは水素が供給される反応器内の触媒の金属モル数である。)
この構成によれば、水素供給後の反応器内の反応混合ガスに含まれる未反応の二酸化炭素または水素の量を低減でき、製造されるメタンの純度を向上させることができる。これにより、反応混合ガスから水素を取り除くための処理時間を短縮して製造コストの低減を図ることができる。また、二酸化炭素の蓄積による触媒の活性低下を抑制できる。
4.1<MH2/MCO2<5.5 (2)
(式(2)において、MH2は供給する水素のモル数であり、MCO2は水素が供給される反応器内の触媒に吸蔵されている二酸化炭素のモル数である。)
この構成によっても、反応混合ガスに含まれる未反応の二酸化炭素または水素の量を低減でき、製造されるメタンの純度を向上させることができる。
図1は、第1実施形態におけるメタン製造装置1の概略構成を示した説明図である。メタン製造装置1は、第1反応器10と、第2反応器20と、原料ガス供給部30と、水素供給部40と、第1出口CO2センサ50と、第2出口CO2センサ60と、制御部70と、水素分離部80と、を備えている。
ここで、MH2は、第1反応器10に供給するH2のモル数であり、MCO2は、触媒11の吸蔵CO2モル数であり、MCAは、触媒11に含まれる金属のモル数である。MCAは、製造時において予め特定されている。
MCO2=C×F×t×273/(0.224×(273+T)) ・・・(3)
ここで、Cは、ステップS11~S13の期間、すなわち、第1原料ガス供給バルブ32が開状態時の期間における原料ガスの平均CO2濃度[%/秒]であり、Fは、その期間における平均ガス流量[F/秒]であり、tは、その期間の長さ[秒]であり、Tは、その期間における原料ガスの平均温度[℃]である。Cは、その期間における第1入口CO2センサ93の測定値の平均であり、Fは、その期間における第1ガス流量計92のた測定値の平均であり、Tは、その期間における第1温度センサ91の測定値の平均である。
実施例1: MH2/(4×MCO2+0.1×MCA)=1.1
比較例1: MH2/(4×MCO2+0.1×MCA)=0.6
比較例2: MH2/(4×MCO2+0.1×MCA)=0.95
比較例3: MH2/(4×MCO2+0.1×MCA)=2.1
4.1<MH2/MCO2<5.5 ・・・(2)
本発明は上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
第1実施形態のメタン製造装置1は、2つの反応器(第1反応器10および第2反応器20)を備えているものとして説明した。しかし、メタン製造装置1は、3つ以上の反応器を備えていてもよい。また、第1実施形態の第1反応器10と第2反応器20は、互いに同様状、同容量であるものとした。しかし、第1反応器10と第2反応器20は、互いに形状や容量が異なっていてもよい。
第1実施形態のメタン製造装置1は、ガス経路制御処理において、第1反応器10と第2反応器20のいずれか一方に、常に原料ガスが供給されるものとした。しかし、一方の反応器から他方の反応器へ原料ガスの供給を切り替えるとき、両方の反応器に原料ガスを供給しない期間が存在してもよい。または、第1反応器10と第2反応器20の両方に同時に供給される期間が存在してもよい。
第1実施形態の原料ガス供給部30は、燃焼炉や原料ガスタンクの供給源によって構成されるものとした。しかし、原料ガス供給部30は、供給源ではなく、工場などの燃料炉から排出される排出ガスが流入する管として構成されていてもよい。すなわち、メタン製造装置1は、原料ガスの供給源を含んでいなくてもよい。
第1実施形態のガス経路制御処理では、閾値Th1は100ppmであるとした。しかし、閾値Th1は、大気のCO2濃度よりも小さい値であれば、100ppmに限定されず、任意の値とすることができる。ただし、閾値Th1は、20~400ppmの範囲が好ましく、20~150ppmの範囲がさらに好ましい。閾値Th2についても同様である。閾値Th1と閾値Th2は、互いに異なる値であってもよい。
第1実施形態のガス経路制御処理では、MCO2は、原料ガス供給管側の入口CO2センサ、ガス流量計、温度センサの測定値から推定するものとした。しかし、MCO2は、他の方法で推定してもよい。例えば、MCO2は、出口管側の出口CO2センサ、ガス流量計、温度センサの測定値の測定値から推定してもよい。また、ガス経路制御処理では、式(1)や式(2)を満たさないモル数のH2が反応器に供給されてもよい。しかし、式(1)または式(2)を満たすモル数のH2が供給されることが好ましい。
第1実施形態ののメタン製造装置1の構成は例示であり、一部の構成を備えていなくてもよいし、他の構成を備えていてもよい。例えば、メタン製造装置1は、原料ガス供給部30の下流側に脱水部を備えていてもよい。また、メタン製造装置1は、水素分離部80を備えていなくてもよい。また、第1原料ガス供給バルブ32や第2原料ガス供給バルブ34の代わりに三方弁を備えていてもよい。
10…第1反応器
20…第2反応器
11、21…触媒
12、22…原料ガス入口
13、23…H2入口
14、24…ガス出口
30…原料ガス供給部
31、33、35…原料ガス供給管
32、34…原料ガス供給バルブ
40…水素供給部
41、43…水素供給管
42、44…水素供給バルブ
50、60…出口CO2センサ
51、61…出口管
52、62…排気バルブ
53、63…外部排出管
54、64…反応ガスバルブ
70…制御部
80…水素分離部
81…反応混合ガス管
82…再利用管
83…反応ガス管
91、94…温度センサ
92、95…ガス流量計
93、96…入口CO2センサ
Claims (7)
- 二酸化炭素と水素からメタンを製造するメタン製造装置であって、
メタン化触媒性能を有する金属と、二酸化炭素吸蔵性能を有する金属と、を含む触媒を収容し、内部のガスを取り出すための出口を備える複数の反応器と、
二酸化炭素を含有する原料ガスの供給源と前記複数の反応器との間のガス流路上に設けられ、前記原料ガスの供給先を切り替える供給先切替部と、
各前記反応器の前記出口における二酸化炭素濃度を測定する測定部と、
前記複数の反応器に水素を供給する水素供給部と、
前記供給先切替部を制御して、前記複数の反応器のうち、特定の反応器に前記原料ガスを供給可能な制御部であって、前記水素供給部を制御して、前記複数の反応器のうち、特定の反応器に水素を供給可能な制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記原料ガスを供給している前記反応器の出口における二酸化炭素濃度が大気の二酸化炭素濃度より小さい所定値になると、前記原料ガスの供給先を他の前記反応器に切り替え、
前記原料ガスの供給によって前記出口における二酸化炭素濃度が前記所定値になった前記反応器に対して水素を供給する、
メタン製造装置。 - 請求項1に記載のメタン製造装置において、
前記制御部は、前記原料ガスの供給によって前記出口における二酸化炭素濃度が前記所定値となった前記反応器に対して、下記の式(1)を満たすモル数の水素を供給する、
メタン製造装置。
1<MH2/(4×MCO2+0.1×MCA)<1.2 (1)
(式(1)において、MH2は供給する水素のモル数であり、MCO2は水素が供給される反応器内の触媒に吸蔵されている二酸化炭素のモル数であり、MCAは水素が供給される反応器内の触媒の金属モル数である。) - 請求項1に記載のメタン製造装置において、
前記制御部は、前記原料ガスの供給によって前記出口における二酸化炭素濃度が前記所定値となった前記反応器に対して、下記の式(2)を満たすモル数の水素を供給する、
メタン製造装置。
4.1<MH2/MCO2<5.5 (2)
(式(2)において、MH2は供給する水素のモル数であり、MCO2は水素が供給される反応器内の触媒に吸蔵されている二酸化炭素のモル数である。) - 請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載のメタン製造装置において、
前記制御部は、前記原料ガスを供給している前記反応器の出口における二酸化炭素濃度が100ppmより大きくなると、前記原料ガスの供給先を他の前記反応器に切り替える、
メタン製造装置。 - 請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載のメタン製造装置は、さらに、
前記複数の反応器から取り出された反応混合ガスから水素を分離するための水素分離部を備える、
メタン製造装置。 - メタン化触媒性能を有する金属と、二酸化炭素吸蔵性能を有する金属と、を含む触媒を収容し、内部のガスを取り出すための出口を備える複数の反応器と、
二酸化炭素を含有する原料ガスの供給源と前記複数の反応器との間のガス流路上に設けられ、前記原料ガスの供給先を切り替える供給先切替部と、
各前記反応器の前記出口における二酸化炭素濃度を測定する測定部と、
前記複数の反応器に水素を供給する水素供給部と、を備えるメタン製造装置の制御方法であって、
前記原料ガスを供給している前記反応器の出口における二酸化炭素濃度が大気の二酸化炭素濃度より小さい所定値になると、前記原料ガスの供給先を他の前記反応器に切り替え、
前記原料ガスの供給によって前記出口における二酸化炭素濃度が前記所定値になった前記反応器に対して水素を供給する、メタン製造装置の制御方法。 - メタン製造方法であって、
メタン化触媒性能を有する金属と、二酸化炭素吸蔵性能を有する金属と、を含む触媒が収容された反応器に対して、二酸化炭素を含有する原料ガスを供給して、前記触媒に二酸化炭素を吸蔵させる工程と、
前記原料ガスが供給されている前記反応器の出口における二酸化炭素の濃度を測定する工程と、
前記二酸化炭素の濃度が大気の二酸化炭素濃度より小さい所定値になると、前記原料ガスの供給先を他の反応器に切り替える工程と、
前記原料ガスの供給によって前記出口における二酸化炭素濃度が前記所定値となった前記反応器に対して水素を供給する工程と、を備える、
メタン製造方法。
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