以下に、本発明の実施の形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。なお、本発明は、下記の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲内で適宜変形して実施することができるものである。以下の図においては、説明の便宜上、一部の構成を省略することがある。また、以下の説明において、特に明示しない限り、「上」、「下」、「左」、「右」、「前」、「後」は、各図において矢印で示した方向を基準として用いる。但し、各構成の向きは、一例にすぎず、任意の向きに変更することができる。
図1は、実施の形態に係る支持機構を上方から見た概略斜視図である。図2は、実施の形態に係る支持機構の一部構成を省略した図1と同様の斜視図である。図1及び図2に示すように、本実施の形態では、支持機構1は、弁当容器となる物品Wを支持するものであり、上下方向に複数(本実施の形態では3つ)積み重ねられた物品Wを支持可能に構成される。支持機構1は、物品Wを支持する際、かかる物品Wの左側に配置される左ハンド部3と、右側に配置される右ハンド部2とを備え、右ハンド部2と左ハンド部3とにより物品Wを下方から支持可能に設けられている。支持機構1は、概略長方形の板状をなして水平方向に向けられるベースプレート4を更に備え、ベースプレート4の下面側でスライダ機構5を介して右ハンド部2及び左ハンド部3が支持される。
図3は、実施の形態に係る支持機構の正面図である。図3に示すように、スライダ機構5は、右ハンド部2に連結されるスライダ6と、左ハンド部3に連結されるスライダ7とを備え、これらスライダ6、7を左右方向に変位可能に設けられる。従って、スライダ機構5は、スライダ6、7を左右方向に変位するよう駆動することで、各ハンド部2、3の左右方向の離間距離を調整して物品Wの左右幅の変化に対応可能となっている。
ここで、本実施の形態の物品Wは、下部のトレイ部Waと、トレイ部Waの上方を閉塞する蓋部Wbとを備えている。物品Wの側面外周側におけるトレイ部Waと蓋部Wbとの接続部分には、縁部Wcが外方に突出するように形成される。縁部Wcは、物品Wの底面より高い位置に形成され、上面視で物品Wの重心位置を挟む2点で下方から支持機構1で支持し得るために十分な剛性を備えている。
ベースプレート4の上面側にはロボット接続部8が突設されている。ロボット接続部8は、不図示の多関節アーム等のロボットアームや2軸或いは3軸の移動機構等に接続される部分であり、接続対象に応じて締結具等を装着するための図示省略した開口や突起等が形成されている。かかる移動機構等にて、各ハンド部2、3を上下方向に移動させる構成が昇降部9(図9参照)とされ、昇降部9は支持機構1の一部として構成される。なお、昇降部9は、上記移動機構による支持機構1全体の上下方向移動とは独立して、各ハンド部2、3における後述する複数段設けられた支持部17~19を同時に上下方向に移動可能な構成としてもよい。このとき、昇降部9は、例えば、上記移動機構とロボット接続部8とを連結するアクチュエータやソレノイド、エアシリンダ等によって構成される。
図4は、実施の形態に係る支持機構の平面図である。図4に示すように、支持機構1においては、上面視でベースプレート4の中心位置Cに対して点対称となるように右ハンド部2及び左ハンド部3が構成される。言い換えると、右ハンド部2は、連結されるスライダ6とスライダ7とで異なる点を除き、左ハンド部3を上面視で180°回転させた構成と同様となっている。従って、以下の説明では、右ハンド部2について説明し、左ハンド部3における左ハンド部3と共通する構成要素については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
図3に戻り、右ハンド部2は、スライダ6に連結されるブラケット11を備えている。ブラケット11は、スライダ6に連結される水平壁部12と、水平壁部12の外側(右側)の端部から下方に向かって延在するガイド板(ガイド部)13とを備えたアングル状に形成されている。ガイド板13は、左右方向に厚みを有し、その先端側が下方に向かって次第に細くなるよう尖った形状に形成されている。
図5は、実施の形態に係る支持機構の右側面図である。図5に示すように、ガイド板13には、前後方向に細長い形状となる矩形状の開口15が上下方向三箇所位置に形成されている。そして、ガイド板13における各開口15の上端側には、上方から下方に向かって順に上段支持部17、中間支持部18、下段支持部19が軸受13aを介して回動可能に支持されている。各支持部17~19は、先端が物品W側となる内向きとなって水平(左右)方向に向けられる突出位置(開状態、図7参照)と、先端が下向きとなって上下方向に向けられる退避位置(閉状態、図6及び図8参照)との間で変位される。各支持部17~19は上下方向に向けられた状態で開口15の内部に入り込んで位置するようになる。
上下方向において、上段支持部17と中間支持部18との離間距離と、中間支持部18と下段支持部19との離間距離とは概略同一に設定されている。また、それら離間距離は、図3に示す上下に積み重ねられた物品Wのつば部Wc間の離間距離に対し、若干大きく形成される。
支持機構1は、各支持部17~19を上記のように回動するための駆動機構20を更に備えている。駆動機構20は、各支持部17~19に対して独立となる上段用駆動機構21、中間用駆動機構22、下段用駆動機構23を有している。これら駆動機構21~23は、構成する部材のレイウト等が異なるものの同様の動作機構によって支持部17~19を駆動するものである。従って、以下の説明では、上段用駆動機構21の構成について説明し、中間用駆動機構22及び下段用駆動機構23における上段用駆動機構21と共通する構成要素については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
図7は、上段支持部を開状態としたときの説明図であり、図7Aは部分正面断面図、図7Bは部分右側面図である。図8は、上段支持部を閉状態としたときの説明図であり、図8Aは部分正面断面図、図8Bは部分右側面図である。図7及び図8に示すように、上段用駆動機構21は、駆動部31と、圧縮ばね32と、カム33と、シャフト34と、上段支持部17に連なって形成される突軸35と、ねじりばね36(図7A、図8Aでは不図示)とを備えている。
駆動部31は、アクチュエータやソレノイド、エアシリンダ等によって構成され、ブラケット11の水平壁部12の上面側に配置されている。駆動部31は、左右方向に進退変位する出力軸を備え、駆動指令がオンにされると、図7に示すように、駆動部31の出力軸は圧縮ばね32の弾性力に抗して内側に退行する方向に変位される。また、駆動指令がオフの場合、図8に示すように、出力軸は圧縮ばね32の弾性力によって外側に進行する方向に変位される。
カム33は、ブラケット11に軸受38を介して回転可能に支持されており、また、駆動部31の出力軸に相対回転可能に連結されている。カム33は、駆動部31の出力軸における左右方向の変位をシャフト34の上下方向の変位に変換するものである。
カム33は、シャフト34の上端面に接触可能な第1の面33a及び第2の面33bを備えている。カム33の第1の面33aは、図7Aに示すように駆動部31の出力軸を内側に退行した位置としたときに、最下方に位置して左右方向に向けられる。カム33の第2の面33bは、図8Aに示すように駆動部31の出力軸を外側に進行した位置としたときに、最下方に位置して左右方向に向けられる。各面33a、33bが最下方に位置した場合の比較においては、第1の面33aの方が第2の面33bより下方に位置している。従って、図7の状態から図8の状態にカム33が回転すると、シャフト34の上端が第2の面33bに接触するまで上昇することを許容する。一方、図8の状態から図7の状態にカム33が回転すると、第1の面33aによってシャフト34を押し込んで下降させる。
カム33の回転支点33cは、駆動部31の出力軸との連結位置より下方であって、左右方向においてシャフト34の左右位置に近い位置に設けられている。これにより、図7に示す状態でシャフト34に上昇する力が加わったときに、シャフト34からカム33に加えられる力でカム33が回転することを規制することができる。
シャフト34は、ブラケット11のガイド板13に沿って上下方向に延出している。シャフト34の上端部は、カム33の第1の面33aや第2の面33bに接触し、シャフト34の下端部は、上段支持部17の近傍位置に配置される。シャフト34は、ガイド板13に設けられたシャフトガイド40に挿通されて上下方向に変位が案内される。
突軸35は、上段支持部17における前後方向両端部のうちシャフト34側に位置する端部に連なって形成される。突軸35は、シャフト34の下端部に相対回転可能に挿入されて連結される。突軸35は、上段支持部17と一体になって回動するものであり、上段支持部17の向きに応じて概略上下方向に変位する。具体的には、図7Aに示すように上段支持部17が左右方向に向けられた突出位置では突軸35が下降位置となり、図8Aに示すように上段支持部17が上下方向に向けられた退避位置では突軸35が下降位置より上方の上昇位置となる。
ねじりばね36は、上段支持部17における前後方向両端部のうちシャフト34と反対側の端部側に配置されている。ねじりばね36は、図7Aにて反時計方向に上段支持部17を回動する方向の弾性力を発揮する。なお、上段支持部17は、不図示のストッパを介して図8に示す上下方向に向けられた位置で反時計方向の回動が規制されており、かかる位置をねじりばね36の弾性力で維持できるようになっている。
ここで、上段用駆動機構21における動作について説明する。先ず、図8の状態を説明すると、図8では、ねじりばね36の弾性力で上段支持部17が上下方向に向けられた閉状態(退避位置)となる。また、突軸35は上昇位置となってシャフト34を上昇させており、駆動部31の出力軸は圧縮ばね32の弾性力によって外側に進行され、カム33の第2の面33bが最下方に位置してシャフト34の上端に接触している。
図8の状態から図7に示すように、上段支持部17が水平方向に向けられる開状態とする場合、駆動部31の出力軸を圧縮ばね32の弾性力に抗して内側に退行する方向に変位する。これにより、カム33の第1の面33aが最下方に位置してシャフト34の上端に接触し、カム33によってシャフト34を押し込んで下降させる。この下降によって突軸35が下降位置となり、ねじりばね36の弾性力に抗して上段支持部17が回動し、水平方向に向けられる開状態(突出位置)となる。このようにして、上段用駆動機構21では、駆動部31の出力軸を進退することで上段支持部17の開閉操作を行えるようになる。
ここで、図3に示すように、ブラケット11にてガイド板13より外側には、カバー部材42が設けられている。カバー部材42は、上下方向三箇所の開口15を全て覆う上下位置に設けられ、また、3本のシャフト34の下部領域を覆う前後位置に設けられている。カバー部材42は、シャフト34より若干離れた位置でガイド板13と平行に配置され、下部領域がガイド板13に向かって傾斜する方向に向けられている。
図9は、実施の形態に係る搬送装置の構成を示すブロック図である。図9に示すように、支持機構1は、制御部51、記憶部52及び入力部53を備えている。
制御部51は、中央処理装置(CPU)等からなり、支持機構1全体を制御する。制御部51は、記憶部52に記憶されているプログラムに従い、記憶部52や入力部53から入力される情報に対する各種の演算処理や、スライダ機構5、昇降部9、各駆動機構21~23の駆動部31の駆動制御等を行う。
記憶部52は、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)等を備えている。RAMは、制御部51の作業領域として用いられたり、入力部53から出力された情報等が制御部51を介して記憶される。ROMでは、制御部51が各種の演算、制御を行うためのプログラムや、アプリケーションとして機能するためのプログラム、データ等が記憶される。
入力部53は、不図示の撮像手段やセンサ等を含み、支持機構1にて支持する直前やリアルタイムで支持中の物品Wの積み重ねた個数や種類の検出データを取得して制御部51に出力する。また、入力部53は、通信インターフェースとしてパソコン等の外部装置から有線又は無線通信によってデータを取得するようにしたり、データを内蔵するメモリーカード等の記憶媒体を接続可能なスロット等のインターフェースとしたりしてもよい。この場合、上記センサ等を省略して、上記検出データの代わりとなるデータを入力して制御部51に出力することができる。
図10は、実施の形態に係る制御部の機能ブロック図である。図10に示すように、本実施の形態に係る制御部51は、取得部51a、昇降制御部51b、駆動機構制御部51cとして機能する。これらの機能ブロックは、記憶部52に記憶されたプログラムが制御部51によって実行されることによって実現される。なお、図10に示す制御部51の機能ブロックは、本発明に関連する構成のみを示しており、それ以外の構成については省略している。
取得部51aは、入力部53から出力されたデータに基づき、支持する予定の物品Wの厚み(上下高さ)情報や、支持する予定の物品Wの段数情報を取得する。ここで、「段数情報」とは、物品Wの積み重ねた段数(個数)のみでなく、上から何段分を支持するべきか(例えば、下1段を残して上2段分のみを支持する等)も含むものである。
昇降制御部51bは、取得部51aが取得した情報に基づき、各支持部17~19が保持すべき物品Wの縁部Wcに対応する高さに位置するよう昇降部9の駆動を制御する。また、昇降制御部51bは、下段支持部19で支持した物品Wを所定の載置面上や、他の物品Wの上に載置できるよう昇降部9の駆動を制御する。なお、昇降部9が上述した移動機構による支持機構1全体の上下方向移動とは独立して、複数段設けられた支持部17~19を同時に上下方向に移動可能な構成である場合、その駆動部9を昇降制御部51bが制御する。
駆動機構制御部51cは、取得部51aが取得した情報に基づき、上段用駆動機構21、中間用駆動機構22、下段用駆動機構23の各駆動部31の駆動を制御し、上段支持部17、中間支持部18、下段支持部19の開閉及びそのタイミングを個々に独立して制御する。駆動機構制御部51cは、各駆動機構21~23での駆動部31への駆動指令をオンにすることで、上下方向に向けられた閉状態の各支持部17~19を水平方向に向けられた開状態(退避位置)とする。一方、駆動機構制御部51cは、各駆動機構21~23での駆動部31への駆動指令をオフにすることで、水平方向に向けられた開状態の各支持部17~19を上下方向に向けられた閉状態(下方位置、突出位置)とする。これにより、複数段設けられた支持部17~19の各駆動機構21~23について、支持部17~19における下方位置と退避位置とを個別に制御可能とする。
続いて、本実施の形態の支持機構1が物品Wを支持する支持方法及び支持した物品Wを載置する方法について説明する。図11ないし図14は、実施の形態に係る支持方法の一例を示す説明図である。先ず、上下方向に3段に積み重ねられた物品W全てを支持する場合について図11ないし図14を参照して説明する。この場合、図11に示すように、3段の物品Wの真上に支持機構1が位置するように、支持機構1を駆動する移動機構や、物品Wが載置されるコンベア101、102(図25参照)等を駆動する。
次いで、図12に示すように、昇降部9によって右ハンド部2及び左ハンド部3を下降し、3段の物品Wの左右両側に右ハンド部2及び左ハンド部3を配置する。このように配置した後、各駆動機構21~23での駆動部31への駆動指令をオンにする。
すると、図13に示すように、各支持部17~19が上下方向に向けられた閉状態から水平方向に向けられた開状態となる。このとき、各駆動機構21~23では、駆動部31がオンとなることで、駆動部31の出力軸が圧縮ばね32の弾性力に抗して内側に退行する方向に変位する。この変位で、カム33が回転してシャフト34が下降し、各支持部17~19が回動して水平方向に向けられる。
なお、図12での右ハンド部2及び左ハンド部3における上下方向の位置決めは、水平方向に向けられた各支持部17~19が3段の物品Wの各縁部Wcの下端から若干離れて位置するように実施する。このときの各ハンド部2、3の上下方向の位置は、支持する物品Wについて記憶されたデータから算出する。
図13に示すように各支持部17~19を水平方向に向けた後、図14に示すように昇降部9によって右ハンド部2及び左ハンド部3を上昇する。この上昇により、3段の物品Wの各縁部Wcから離れていた各支持部17~19が各縁部Wcの下端に接触した後、各縁部Wcを介して物品Wを下方から持ち上げ、3段に積み重ねられた物品W全てを支持機構1によって支持することができる。
続いて、上下方向に3段に積み重ねられた物品W全てを支持した状態から、その支持を解除して所定位置に載置する場合について図11ないし図14を参照して説明する。図14に示すように、3段の物品Wを支持機構1によって支持した状態から、昇降部9によって右ハンド部2及び左ハンド部3を下降し、図13に示すように3段の物品Wのうち最下段の物品Wを所定の載置面に載置する。かかる載置時の各ハンド部2、3の上下方向の位置は、支持する物品Wについて記憶されたデータから算出する。
このように3段の物品Wを載置した後、各駆動機構21~23での駆動部31への駆動指令をオフにする。すると、図12に示すように、各支持部17~19が水平方向に向けられた開状態から上下方向に向けられた閉状態(退避位置)となる。このとき、各駆動機構21~23では、駆動部31がオフとなることで、圧縮ばね32の弾性力で駆動部31の出力軸が外側に進行する方向に変位する。この変位で、カム33が回転してシャフト34が上昇し、各支持部17~19が回動して上下方向に向けられる。その後、図11に示すように昇降部9によって右ハンド部2及び左ハンド部3を上昇し、載置した物品Wの上方に支持機構1を配置する。
次に、上下方向に3段に積み重ねられた物品Wのうち、上から2段の物品Wを支持する場合について図11、図15ないし図17を参照して説明する。図15ないし図17は、実施の形態に係る支持方法の他の一例を示す説明図である。この場合も、図11に示すように、3段の物品Wの真上に支持機構1が位置するようにしてから、図15に示すように、昇降部9によって右ハンド部2及び左ハンド部3を下降し、上から2段の物品Wの左右両側に右ハンド部2及び左ハンド部3を配置する。その後、各駆動機構21~23での駆動部31への駆動指令をオンにし、上記と同様の要領で各支持部17~19を上下方向に向けられた閉状態から、図16に示すように水平方向に向けられた開状態とする。
なお、図15での右ハンド部2及び左ハンド部3における上下方向の位置決めは、水平方向に向けられた下段支持部19が3段の物品Wのうちの中段の物品Wの縁部Wcの下端と、最下段の物品Wの縁部Wcの上端との間に位置するように実施する。このときの各ハンド部2、3の上下方向の位置は、支持する物品Wについて記憶されたデータから算出する。
図16に示すように各支持部17~19を水平方向に向けた後、図17に示すように昇降部9によって右ハンド部2及び左ハンド部3を上昇する。この上昇により、下段支持部19が中段の物品Wの縁部Wcに接触して下方から持ち上げ、中間支持部18が最上段の物品Wの縁部Wcに接触して下方から持ち上げる。これにより、3段に積み重ねられた物品Wのうち、上から2段の物品Wを支持機構1によって支持することができる。また、この状態では、載置面上において3段に積み重ねられた物品Wを1段だけにすることができる。
なお、図17に示すように2段の物品Wを支持機構1によって支持状態から、その支持を解除して所定位置に載置する場合については、図16、図15の状態を経て、図11の状態とすればよい。この要領については、各支持部17~19で支持する物品Wの高さ位置が異なるだけで、3段の物品Wを載置する場合と同様になる。
また、最上段の物品Wを支持する場合は、上述した要領にて下段支持部19が最上段の物品Wの縁部Wcに接触して下方から持ち上げて支持する。一方、その支持を解除する場合は、上述した要領にて下段支持部19で支持された物品Wを載置してから各支持部17~19を上下方向に向けて各ハンド部2、3を上昇する。
ここで、本実施の形態の支持機構1にあっては、上記の物品Wより上下幅が大きくなる物品Vを支持することもできる。物品Vは、本実施の形態では、物品Wの約1.5倍の上下幅に設定されたものであり、物品Wと同様に、トレイ部Va、蓋部Vb及び縁部Vcを備えている。以下において、上下方向に積み重ねられた2段の物品Vを支持する場合について図18ないし図24を参照して説明する。この場合、図18に示すように、2段の物品Vの真上に支持機構1が位置するようにしてから、図19に示すように、昇降部9によって右ハンド部2及び左ハンド部3を下降し、2段の物品Vの左右両側に右ハンド部2及び左ハンド部3を配置する。
その後、各駆動機構21~23での駆動部31への駆動指令をオンにし、上記と同様の要領で各支持部17~19を上下方向に向けられた閉状態から、図20に示すように水平方向に向けられた開状態とする。
なお、図19での右ハンド部2及び左ハンド部3における上下方向の位置決めは、水平方向に向けられた上段支持部17が上方の物品Vの縁部Vcの下端から若干離れて位置するように実施する。この位置決めによって、水平方向に向けられた中間支持部18が2段の物品Vの各縁部Vcの間に位置し、下段支持部19が下方の物品Vの縁部Vcより下方に離れて位置する。各支持部17~19を上記のように位置させるための各ハンド部2、3の上下方向の位置は、支持する物品Vについて記憶されたデータから算出する。
図20に示すように各支持部17~19を水平方向に向けた後、図21に示すように昇降部9によって右ハンド部2及び左ハンド部3を上昇する。この上昇により、先ず、上段支持部17が上方の物品Vの縁部Vcに接触して下方から持ち上げ、上方の物品Vを下方の物品Vから上方に離して支持した状態となる。そして、昇降部9による上昇を継続することで、図22に示すように、下段支持部19が下方の物品Vの縁部Vcに接触し、図23に示すように、縁部Vcを介して下方の物品Vが下段支持部19によって下方から持ち上げられる。これにより、2段に積み重ねられた物品Vを上下に離した状態として、支持機構1によって支持することができる。
続いて、図23に示すように上下に離した2段の物品Wを支持した状態から、その支持を解除して所定位置に載置する場合について図18ないし図23を参照して説明する。図23に示すように、上下に2段の物品Wを支持機構1によって支持した状態から、昇降部9によって右ハンド部2及び左ハンド部3を下降し、先ず、図22に示すように2段の物品Vのうち下方の物品Vを載置面に載置した状態とする。
そして、昇降部9による下降を継続することで、図21に示すように下段支持部19が下方の物品Vの縁部Vcから下方に離れた後、図20に示すように下方の物品Vの上に上方の物品Vが載置される。言い換えると、2段の物品Vを上下に積み重ねた状態で載置面に載置した状態となる。なお、2段の物品Vそれぞれを載置するときの各ハンド部2、3の上下方向の位置は、支持する物品Vについて記憶されたデータから算出する。
その後、各駆動機構21~23での駆動部31への駆動指令をオフにし、上記と同様の要領で各支持部17~19を水平方向に向けられた開状態から、図19に示すように上下方向に向けられた閉状態とする。そして、図18に示すように昇降部9によって右ハンド部2及び左ハンド部3を上昇し、載置した物品Vの上方に支持機構1を配置する。
ここで、上下方向に2段に積み重ねられた物品Vのうち、上方の物品Vだけを支持する場合は、最上段の物品Wを支持する場合と同様の要領で、図24に示すように下段支持部19が上方の物品Vの縁部Vcに接触して下方から持ち上げて支持する。一方、その支持を解除する場合は、上述した要領にて下段支持部19で支持された物品Vを載置してから各支持部17~19を上下方向に向けて各ハンド部2、3を上昇する。
上記支持機構1を用いた搬送方法では、各支持部17~19が上下方向に複数段として設けられるので、上下に積み重なった複数の物品W、Vが縁部Wc、Vcを介して各支持部17~19により下方から支持される。言い換えると、それぞれの支持部17~19によって支持する物品W、Vは1個だけとなり、1個の物品W、Vの縁部Wc、Vcに複数個の物品W、V分の重量が荷重として加わることを回避することができる。これにより、上下に積み重ねた物品W、Vを支持部17~19で支持する際、物品W、Vにおいて縁部Wc、Vcやその周辺部が損傷することを回避することができる。
また、上記の搬送では、昇降部9の駆動によって各支持部17~19を上下方向に移動可能としている。更に、昇降制御部51b(図10参照)にて、支持する物品W、Vの縁部Wc、Vcの高さ等の条件に応じ、各支持部17~19の上下方向の位置を調整するよう昇降部9の駆動を制御する。これにより、上下に積み重なる物品W、Vを高さ位置が異なる何れの支持部17~19で支持するか選択可能となる。従って、例えば、図17に示すように、下段支持部19で3段のうちの中間の物品Wを支持することができ、その物品Wを載置面上に載置することができる。更には、既に載置された物品W、Vの上に支持した物品W、Vを重ねて載置する等、載置する高さ位置を選択することもできる。
また、昇降制御部51bの制御によって、物品W、Vの高さが変わっても、該物品W、Vにおける縁部Wc、Vcの高さ位置より下方に各支持部17~19が突出して該物品W、Vを支持可能となる。これにより、中間支持部18及び下段支持部19で3段の物品Wのうちの2段を支持したり、下段支持部19で1個の物品W、Vを支持したり、上段支持部17及び下段支持部19で2段の物品Vを支持したりする等、支持する物品W、Vの個数を選択することができる。
また、各支持部17~19は閉状態(退避位置)でガイド板13の厚み内に入り込んで位置するので、閉状態での各支持部17~19周りでの左右幅を小さくすることができる。これにより、左右に並ぶ物品W間の間隔が狭い場合であっても、各ハンド部2、3を差し込むように配置することができ、物品Wのレイアウトの自由度を高めることができる。
なお、駆動機構制御部51c(図10参照)では、上段用駆動機構21による上段支持部17、中間用駆動機構22による中間支持部18、下段用駆動機構23による下段支持部19の変位を個々に独立して制御することができる。従って、上記のように各支持部17~19全てを同時に開閉するよう変位可能とする他、また、それらの一部だけを開閉するよう変位し、それ以外の開閉変位を停止した状態に保つこともできる。これにより、支持する物品Wの形状等に応じ、物品Wを支持するときに接触して邪魔になるような支持部17~19を上下方向に向けて退避することができ、種々の物品Wを支持できるようにして汎用性を高めることができる。
次に、コンベアを含む搬送システムにおいて、上記実施の形態に係る支持機構1を利用した場合の搬送方法について、図25ないし図38を参照して説明する。図25は、実施の形態に係る支持機構を用いた搬送システムの概略構成図である。図25に示すように、搬送システム100は、第1のコンベア101、第2のコンベア102が左右に並んで設けられ、第1のコンベア101が上流側、第2のコンベア102が下流側となる。従って、各コンベア101、102によって、その上に載置された物品Wが右から左方向に搬送される。第1のコンベア101は、集積用として用いられ、第2のコンベア102は仕分け用として用いられ、第2のコンベア102の下流側には番重等の容器に物品Wを収容するためのシュータや、別のコンベアが設けられる。支持機構1は、第2のコンベア102の上方に配置され、第2のコンベア102上の物品Wを支持して上方に移動したり、支持した物品Wを第2のコンベア102上に載置したりする。
特に限定されるものでないが、本実施の形態では、第1のコンベア101にて物品Wを上下に3段積み重ねた状態として順次搬送され、第2のコンベア102の下流側での物品Wの必要個数が1~3個の間で都度変化するものである。
上記搬送システム100による支持機構1での各種の動作パターンについて以下に説明する。動作パターンとしては、支持動作、追加支持動作、全部載置動作、一部載置動作、スルー動作とがある。
[支持動作]
図25ないし図29は、搬送システムにおける支持機構の支持動作の説明図である。支持動作は、図25に示すように、支持機構1にて物品Wを支持していない状態で開始され、ここでは、3段に積み重ねられた物品Wのうち最上段の物品Wを支持する場合につい説明する。支持動作は、先ず、図25に示す状態から各コンベア101、102を駆動し、図26に示すように、第2のコンベア102上に3段の物品Wを搬送して支持機構1の直下位置で位置決めする。
そして、図27に示すように、支持機構1の下段支持部19で3段に積み重ねられた物品Wのうち最上段の物品Wを支持できるよう、昇降部(図示省略)を介して各ハンド部2、3を下降及び位置決めする。その後、図28に示すように、各支持部17~19を水平方向に向け、各ハンド部2、3を上昇することで下段支持部19が最上段の物品Wの縁部Wcに接触し、下方から持ち上げて1個の物品Wを第2のコンベア102上方で支持する。このように支持した後、図29に示すように、第2のコンベア102を駆動し、2段の物品Wとして第2のコンベア102の下流側に搬送し、必要に応じて第1のコンベア101から第2のコンベア102上に次の3段の物品Wを搬送する。
なお、上記では、最上段の1個の物品Wを支持機構1で支持する場合を説明したが、図15ないし図17に示すように、上から2段の物品Wを支持するようにしてもよい。この場合、1個の物品Wが第2のコンベア102の下流側に搬送される。
[追加支持動作]
図30ないし図33は、搬送システムにおける支持機構の追加支持動作の説明図である。追加支持動作は、支持機構1にて1個の物品Wを下段支持部19で支持した状態で開始される(図29参照)。追加支持動作は、図30に示すように、各コンベア101、102を駆動し、第2のコンベア102上に3段の物品Wを搬送して支持機構1の直下位置で位置決めする。その後、図31に示すように、昇降部(図示省略)を介して各ハンド部2、3を下降し、下段支持部19で支持していた物品Wを3段の物品Wの上に載置する。これにより、第2のコンベア102上で物品Wが上下方向に4段に積み重ねられた状態となる。
続いて、各支持部17~19を上下方向に向けてから各ハンド部2、3を更に下降する。そして、中間支持部18で4段に積み重ねられた物品Wのうち最上段の物品Wを支持でき、下段支持部19で上から2番目の物品Wを支持できるよう、各ハンド部2、3の上下の位置を位置決めする。
その後、図32に示すように、各支持部17~19を水平方向に向け、各ハンド部2、3を上昇することで中間支持部18及び下段支持部19が対応する物品Wの縁部Wcに接触し、下方から持ち上げて2個の物品Wを第2のコンベア102上方で支持する。このように支持した後、図33に示すように、第2のコンベア102を駆動し、2段の物品Wとして第2のコンベア102の下流側に搬送され、必要に応じて第1のコンベア101から第2のコンベア102上に次の3段の物品Wが搬送される。
[全部載置動作]
図34及び図35は、搬送システムにおける支持機構の全部載置動作の説明図である。全部載置動作は、支持機構1にて1個又は2個の物品Wを支持した状態で開始され、ここでは、下段支持部19で1個の物品Wを支持している場合(図29参照)につい説明する。全部載置動作は、第1のコンベア101の駆動を停止し、第2のコンベア102上に物品Wがない状態にする。この状態で、図34に示すように、昇降部(図示省略)を介して各ハンド部2、3を下降し、下段支持部19で支持していた物品Wを第2のコンベア102上に載置する。
続いて、各支持部17~19を上下方向に向けてから各ハンド部2、3を上昇し、図35に示すように、第2のコンベア102を駆動して1個の物品Wを第2のコンベア102の下流側に搬送する。なお、上記では、1個の物品Wを支持機構1で載置する場合を説明したが、上下方向に2段の物品Wを載置するようにしてもよい。この場合、2個の物品Wが第2のコンベア102の下流側に搬送される。
[一部載置動作]
図36ないし図38は、搬送システムにおける支持機構の一部載置動作の説明図である。一部載置動作は、図36に示すように、支持機構1の中間支持部18及び下段支持部19にて2個の物品Wを支持した状態で開始される。全部載置動作は、第1のコンベア101の駆動を停止し、第2のコンベア102上に物品Wがない状態にする。この状態で、図37に示すように、各ハンド部2、3を下降し、下段支持部19で支持している物品Wを第2のコンベア102上に載置する。そして、各支持部17~19を上下方向に向け、第2のコンベア102上に2段の物品Wが載置された状態とする。
その後、2段の物品Wのうち最上段の物品Wを下段支持部19で支持できるよう、各ハンド部2、3を上昇及び位置決めする。その後、図38に示すように、各支持部17~19を水平方向に向け、各ハンド部2、3を上昇することで下段支持部19が最上段の物品Wの縁部Wcに接触し、下方から持ち上げて1個の物品Wを第2のコンベア102の上方で支持する。このように支持した後、第2のコンベア102を駆動して1個の物品Wを第2のコンベア102の下流側に搬送する。
[スルー動作]
スルー動作は、物品Wの支持の有無に拘らずに支持機構1を駆動せずに、支持機構1の下方を通過するよう、各コンベア101、102を駆動して3段の物品Wを第2のコンベア102の下流側に搬送する。
次いで、上記搬送システム100を用いた物品Wの搬送方法にて用いられる支持機構1の制御部51の機能について、図39を参照して以下に説明する。ここでは、制御部51は、把握部51d、判定部51e、動作選択部51fとして機能する。なお、図39に示す制御部51の機能ブロックは、搬送システム100での搬送に関連する構成のみを示しており、それ以外の構成については省略している。
把握部51dは、入力部53(図9参照)から出力されたデータに基づき、1回の搬送で各コンベア101、102より下流側に搬送する物品Wの数量を搬送数として把握する。また、入力部53から出力されたデータに基づき、支持機構1における現在の物品Wの数量を支持数として把握する。
判定部51eは、把握部51dが把握した物品Wの搬送数が3個であるか否かの判定と、該搬送数が1個であるか2個であるかの判定を行う。また、判定部51eは、支持機構1における現在の物品Wの支持数が、0個~2個の何れであるかを判定する。
動作選択部51fは、判定部51eの判定結果に基づき、支持機構1で実施する動作を、支持動作、追加支持動作、全部載置動作、一部載置動作、スルー動作の動作パターンから選択して実行させる。
続いて、上記搬送システム100を用いた物品Wの搬送方法について、図39の機能ブロック図に加え、図40及び図41のフロー図を用いて説明する。この搬送方法では、物品Wを上下に3段積み重ねた状態として第1のコンベア101で順次搬送し、都度変化する物品Wの必要個数を第2のコンベア102の下流側へと搬送する。
先ず、搬送する物品Wの搬送数を把握部51dにて把握するステップ(ステップ(以下、「ST」という)01)を実施する。ステップST01の実施後、第1のコンベア101で搬送する物品Wの積み重ね数(3個)に対し、把握部51dで把握した物品Wの搬送数が同一になるか否かを判定部51eにて判定するステップST02を実施する。具体的には、ステップST02では、搬送数が3個であるか否かを判定する。搬送数が3個である場合(ST02:YES)、動作選択部51fにて上記スルー動作を選択し実行させるステップST03を実施する。ステップST03のスルー動作では、支持機構1を駆動せずに各コンベア101、102を駆動して3段の物品Wを第2のコンベア102の下流側に搬送して、取得した搬送数の搬送を終了する。
ステップST02において搬送数が3個でない場合(ST02:NO)、その時点での支持機構1の物品Wの支持数を把握部51dにて取得し、その支持数が0~2個の何れであるかを判定部51eにて判定するステップST04を実施する。
ステップST04において支持数が0個の場合(ST04:0)、把握部51dで把握した物品Wの搬送数が1個であるか2個であるかを判定部51eにて判定するステップST05を実施する。
ステップST05において搬送数が1個の場合(ST05:1)、動作選択部51fにて上記支持動作を選択し実行させるステップST06を実施する。ステップST06の支持動作では、支持機構1にて3段に積み重ねられた物品Wのうち上から2段(2個)の物品Wを支持する。そして、第2のコンベア102を駆動して1個の物品Wを第2のコンベア102の下流側に搬送し、取得した搬送数の搬送を終了する。
ステップST05において搬送数が2個の場合(ST05:2)、動作選択部51fにて上記支持動作を選択し実行させるステップST07を実施する。ステップST07の支持動作では、支持機構1にて3段に積み重ねられた物品Wのうち最上段の1個の物品Wを支持する(図28参照)。そして、第2のコンベア102を駆動して2個の物品Wを第2のコンベア102の下流側に搬送し(図29参照)、取得した搬送数の搬送を終了する。
ステップST04において支持数が1個の場合(ST04:1)、把握部51dで把握した物品Wの搬送数が1個であるか2個であるかを判定部51eにて判定するステップST08を実施する。
ステップST08において搬送数が1個の場合(ST08:1)、動作選択部51fにて上記全部載置動作を選択し実行させるステップST09を実施する。ステップST09の全部載置動作では、支持機構1にて支持している1個の物品を第2のコンベア102上に載置する(図34参照)。そして、第2のコンベア102を駆動して1個の物品Wを第2のコンベア102の下流側に搬送し(図35参照)、取得した搬送数の搬送を終了する。
ステップST08において搬送数が2個の場合(ST08:2)、動作選択部51fにて上記追加支持動作を選択し実行させるステップST10を実施する。ステップST10の追加支持動作では、支持機構1にて支持している1個の物品を第2のコンベア102上の3段の物品W上に載置し、物品Wを4段に積み重ねる(図31参照)。その後、支持機構1にて、4段に積み重ねられた物品Wのうち上から1段目及び2段目の物品Wを支持し、第2のコンベア102に2段(2個)の物品Wを載置した状態にする(図32参照)。そして、第2のコンベア102を駆動して2個の物品Wを第2のコンベア102の下流側に搬送し(図33参照)、取得した搬送数の搬送を終了する。
ステップST04において支持数が2個の場合(ST04:2)、把握部51dで把握した物品Wの搬送数が1個であるか2個であるかを判定部51eにて判定するステップST11を実施する(図41参照)。
ステップST11において搬送数が1個の場合(ST11:1)、動作選択部51fにて上記一部載置動作を選択し実行させるステップST12を実施する。ステップST12の一部載置動作では、支持機構1にて支持している2個の物品を第2のコンベア102上に一旦載置する(図37参照)。その後、支持機構1にて、2段に積み重ねられた物品Wのうち最上段の1個の物品Wを支持し、第2のコンベア102に1個の物品Wを載置した状態にする(図38参照)。そして、第2のコンベア102を駆動して1個の物品Wを第2のコンベア102の下流側に搬送し、取得した搬送数の搬送を終了する。
ステップST11において搬送数が2個の場合(ST11:2)、動作選択部51fにて上記全部載置動作を選択し実行させるステップST12を実施する。ステップST12の全部載置動作では、支持機構1にて支持している2個の物品を第2のコンベア102上に載置する。そして、第2のコンベア102を駆動して2段(2個)の物品Wを第2のコンベア102の下流側に搬送し、取得した搬送数の搬送を終了する。
このような搬送システム100を用いた搬送では、予め複数の動作パターンを設定し、搬送数と支持数とに応じて動作パターンを選択して支持機構1が駆動するよう制御することができる。これにより、必要な個数の物品Wを途切れることなく搬出することができる上、搬送経路を迂回したりさせずに各コンベア101、102を直線的に配置して搬送でき、搬送時間の短縮を図ることができる。
また、支持機構1は、前後及び左右方向に移動せずに昇降部9によって上下方向だけに移動するので、物品Wの載置に関する位置精度を良好に維持することができる。これにより、物品Wの上に支持機構1で支持した物品Wを積み重ねるように載置するときに、それらが高い位置精度で相互に嵌合する形状となっていても、かかる嵌合を容易且つ安定的に行うことができる。
本発明の実施の形態は上記の各実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の趣旨を逸脱しない範囲において様々に変更、置換、変形されてもよい。更には、技術の進歩又は派生する別技術によって、本発明の技術的思想を別の仕方で実現することができれば、その方法を用いて実施されてもよい。従って、特許請求の範囲は、本発明の技術的思想の範囲内に含まれ得る全ての実施態様をカバーしている。
上記実施の形態において、支持部を上段支持部17、中間支持部18、下段支持部19として上下方向の3段設けた場合を説明したが、複数段であれば、2段若しくは4段以上設けてもよい。これに応じ、搬送システム100にて、支持機構1の上流側から搬送される物品Wの積み重ねの段数を2段若しくは4段以上としてもよい。
また、上述した各駆動機構21~23の構成は、一例にすぎないものであり、上記実施の形態と同様に各支持部17~19を駆動可能な他の構成としてもよい。また、各駆動機構21~23の駆動源を単一とし、該駆動源からの動力伝達によって全ての支持部17~19を同時に駆動する構成としてもよい。
また、ガイド部は、板状のガイド板13に限られず、フレーム等を組み立てて形成したものにする等、種々の変更が可能である。
また、上記実施の形態では、支持する物品W、Vを弁当容器としたが、支持機構1によって支持できる物品であれば何ら限定されるものでない。例えば、サンドイッチやパン、弁当等の他の食品、各種の電気機器、装置、それらの部品としたり、弁当容器以外の箱やトレイによって梱包されたものとしたりしてもよい。更に、物品W、Vにおいて、支持部17~19による支持箇所は、上記のような縁部Wc、Vcに限られず、物品W、Vの側面や、下面から側面に亘って形成される凹凸部分、傾斜部分、突出部分等とすることができる。かかる支持箇所が物品W、Vに形成されると、支持機構1において、物品W、Vを水平な載置面で載置された状態から支持することができる。