JP7413756B2 - 移載装置 - Google Patents

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本発明は、移載装置、特に、段積みされた物品から一又は複数の物品を取り出すための移載装置に関する。
現在、物流業界での人手不足解消が求められており、その目的達成のためにロボット動作技術・画像認識技術が進歩してきており、重労働であるパレタイズ、デパレタイズの作業をロボットにさせる動きが広がっている。
パレタイズ、デパレタイズの動作では、一般的に、荷物の上面をハンド(ロボットの先端に付けて、実際に荷物を把持する機構)でエア吸着して搬送する。
例えば、段積みされた複数の物品からなる物品群に対し、ピッキングロボットにより最上段から物品を一つずつピッキングするピッキングシステムが存在している(例えば特許文献1)。
特開2019-5871号公報
従来のピッキングロボットは、荷物の上面をエア吸着して移載を行う。しかし、天面が開く形状の段ボール箱の場合は、上面吸着して移載することが難しい。
一方、段ボール箱の側面を吸着するピッキングロボットも開発されている。そのような装置は、基部と、吸着装置と、支持板とを有している。基部は、例えばロボットアームの先端に装着される。吸着装置は、基部に対して上下方向に移動可能である。支持板は、基部の下側において前後方向に移動可能である。
デパレタイズ動作では、最初に吸着装置が荷物の側面を吸着し、次に吸着装置が基部に対して上昇しつつ、基部がロボットアームによって後側に移動させられる。これにより、荷物の側面が持ち上げられ下側部材との間に隙間が形成される。そして、支持板が隙間に差し込まれて、次に荷物をその上に載置する。
しかし、支持板を上記の隙間に差し込むときに、支持板が荷物と干渉するおそれがある。
本発明の目的は、荷物の側面を吸着する移載装置においてリトライを確実に行えるようにすることにある。
以下に、課題を解決するための手段として複数の態様を説明する。これら態様は、必要に応じて任意に組み合せることができる。
本発明の一見地に係る移載装置は、荷物を前後方向に移動させることで移載を行うための装置であって、基部と、支持板と、前後駆動装置と、吸着装置と、上下駆動装置と、把握部と、コントローラとを備えている。
支持板は、荷物の底面を支持する。
前後駆動装置は、支持板を基部に対して前後方向に駆動する。
吸着装置は、荷物の側面を吸着する。
上下駆動装置は、吸着装置を基部に対して上下方向に駆動する。
把握部は、荷物の有無を把握する。
コントローラは、下記のステップを実行する。
◎吸着装置に荷物の側面を吸着させるステップ。
◎上下駆動装置に、荷物を吸着している吸着装置を上昇させるステップ。
◎把握部に、荷物と支持板の干渉の有無を把握させるステップ。
◎把握部により干渉が把握されると、荷物を元の位置に戻すステップ。
この装置では、干渉の有無を把握することで、支持板を荷物に接近させるときに、荷物を損傷させることが生じにくい。また、荷物の側面を吸着する移載装置においてリトライを行うことができる。になお、ここでの「荷物」とは、吸着した荷物とその下側の荷物の両方を含んでいる。
コントローラは、荷物を元の位置に戻すステップでは、基部を前側に移動させ、かつ、上下駆動装置に吸着装置を下降させてもよい。
この装置では、吸着に伴い荷物が後側に移動していても、荷物を前側に移動させることで、吸着前の元の位置に戻すことができる。このように荷物を吸着前の位置に戻すことで、ピッキング不可の場所に荷物を載置することが生じにくい。この結果、荷物移載のリトライを確実に行えるようになる。
コントローラは、荷物を元の位置に戻すステップでは、基部を前側に移動させ、かつ、上下駆動装置に吸着装置を下降させた後に、吸着装置に荷物の吸着を解除させてもよい。
この装置では、基部を前側に移動させ、かつ、上下駆動装置に前記吸着装置を下降させた後に荷物の吸着を解除することで、荷物を元の位置に確実に戻すことができる。上記とは異なって基部の前進前に荷物の吸着を解除することの問題点は、把持部が伸縮性のある部材である場合、伸縮性のある部材で荷物を移動させることになるので、元の位置まで荷物を移動させられない可能性がある。つまり、この場合、基部の移動量と荷物の移動量が等しくない可能性がある。
移載装置は、荷物を撮像する撮像装置をさらに備えていてもよい。
コントローラは、前後方向において画像処理を行う処理範囲が定められていてもよい。
元の位置とは、処理範囲内に荷物の吸着面が位置する位置であってもよい。
この装置では、干渉の有無を把握することで、支持板を荷物に接近させるときに、荷物を損傷させることが生じにくい。また、撮像装置の処理範囲内に荷物の吸着面が位置する位置に荷物を戻す。この結果、荷物移載のリトライを確実に行えるようになる。
コントローラは、把握部に荷物と支持板の干渉の有無を把握させるステップの前に、基部を移動させることで、支持板の前側端が後側端より下側に位置するように支持板を傾けるステップを実行してもよい。
この装置では、支持板を差し込むときに傾けているので、支持板と下方の荷物のクリアランスが広くとれる。その結果、支持板が下側の荷物に接触しにくい。また、支持板を傾けた状態で干渉の有無を把握しているので、支持板が対象荷物と衝突しにくい。
コントローラは、荷物を元の位置に戻すステップの前に、基部を移動させることで、支持板を水平状態に戻すステップを実行してもよい。
この装置では、支持板を水平に戻した後に元の位置に戻す動作を行うため、荷物を元の位置に確実に戻すことができる。
本発明に係る移載装置では、荷物移載のリトライを確実に行えるようになる。
第1実施形態のピッキングシステムの概略平面図。 ハンドの斜め上からの斜視図。 ハンドの斜め下からの斜視図。 ハンドの平面図。 ハンドの側面図。 ハンドの模式的側面図。 ハンドの模式的側面図。 ハンドのハンドベースと上下駆動装置の関係を示す模式図。 保持機構の模式図。 保持機構の模式図。 ハンドの制御構成を示すブロック図。 デパレタイズ制御動作のフローチャート。 デパレタイズ制御動作のフローチャート。 ハンドによるデパレタイズ動作の一状態を示す模式図。 ハンドによるデパレタイズ動作の一状態を示す模式図。 ハンドによるデパレタイズ動作の一状態を示す模式図。 ハンドによるデパレタイズ動作の一状態を示す模式図。 ハンドによるデパレタイズ動作の一状態を示す模式図。 ハンドによるデパレタイズ動作の一状態を示す模式図。 ハンドによるデパレタイズ動作の一状態を示す模式図。 ハンドによるデパレタイズ動作の一状態を示す模式図。 ハンドによる荷物戻し動作の一状態を示す模式図。 ハンドによる荷物戻し動作の一状態を示す模式図。 ハンドによる荷物戻し動作の一状態を示す模式図。 第2実施形態におけるデパレタイズ制御動作のフローチャート。 第2実施形態におけるデパレタイズ制御動作のフローチャート。 第2実施形態におけるハンドによるデパレタイズ動作の一状態を示す模式図。 第2実施形態におけるハンドによるデパレタイズ動作の一状態を示す模式図。 第2実施形態におけるハンドによるデパレタイズ動作の一状態を示す模式図。 第2実施形態におけるハンドによるデパレタイズ動作の一状態を示す模式図。 第2実施形態におけるハンドによるデパレタイズ動作の一状態を示す模式図。 第2実施形態におけるハンドによるデパレタイズ動作の一状態を示す模式図。 第2実施形態におけるハンドによるデパレタイズ動作の一状態を示す模式図。 第2実施形態におけるハンドによるデパレタイズ動作の一状態を示す模式図。
1.第1実施形態
(1)ピッキングシステムの全体構成
図1を用いて、本発明の第1実施形態として、ピッキングシステム1を説明する。図1は、第1実施形態のピッキングシステムの概略平面図である。
ピッキングシステム1は、要求された物品をピッキングする装置であり、具体的には、荷物WをパレットP上に段積みする(パレタイズ)動作と、段積みされた荷物Wから荷物Wを取り出す(デパレタイズ)動作とを行う。
ピッキングシステム1は、パレタイズ部3と、デパレタイズ部5とを有している。パレタイズ部3では、荷物Wが段積みされていく。デパレタイズ部5では、荷物Wが取られていく。荷物Wは、例えば、パレットP上に上下前後左右に整列状態で積み重なっている。
ピッキングシステム1は、搬入コンベヤ装置7を有している。搬入コンベヤ装置7は、荷物Wをピッキング位置に搬入する装置である。
ピッキングシステム1は、搬出コンベヤ装置9を有している。搬出コンベヤ装置9は、荷物Wをピッキング位置から搬出する装置である。
搬入コンベヤ装置7と搬出コンベヤ装置9は、隣接して配置されており、一水平方向に延びて平行に並んでいる。
ピッキングシステム1は、ピッキングロボット15(移載装置の一例)を有している。ピッキングロボット15は、パレタイズ動作とデパレタイズ動作をするための装置である。ピッキングロボット15は、パレタイズ部3と、デパレタイズ部5との間に配置されている。
(2)ピッキングロボット
ピッキングロボット15は、ロボットアーム21を有している。ロボットアーム21は、公知の技術である。
ピッキングロボット15は、ハンド23(移載装置の一例)を有している。ハンド23は、荷物Wを前後方向(荷物Wに近づく側を前側とし、離れる側を後側とする方向)に移動させることで移載を行うための装置であり、ロボットアーム21の先端に装着されている。
図2~図5を用いて、ハンド23を説明する。図2は、ハンドの斜め上からの斜視図である。図3は、ハンドの斜め下からの斜視図である。図4は、ハンドの平面図である。図5は、ハンドの側面図である。
ハンド23は、ハンドベース25(基部の一例)を有している。ハンドベース25は、ロボットアーム21のアームの先端下部に回転自在に連結されている。旋回装置26(図1)によって、ハンド23はロボットアーム21に対して旋回させられる。
ハンド23は、移載テーブル27(支持板の一例)を有している。移載テーブル27は、ハンドベース25の下面に前後方向に移動可能に設けられ、荷物Wの底面を支持可能である。具体的には、移載テーブル27は、ハンドベース25の下面にあるガイド部(図示せず)に対して移動自在に支持されている。移載テーブル27は、ハンドベース25に比べて前後方向に長く形成された矩形状であり、ハンドベース25の前後方向いずれの側に突出することができる。
ハンド23は、図4及び図5に示すように、移載テーブル駆動装置29(前後駆動装置の一例)を有している。移載テーブル駆動装置29は、移載テーブル27をハンドベース25に対して前後方向に駆動する装置である。
移載テーブル駆動装置29は、ハンド23に設けられたモータ30、移載テーブル27に設けられた複数のプーリ(図示せず)、プーリに掛けられたベルト(図示せず)からなる。移載テーブル駆動装置は、チェーン機構、ラック&ピニオン機構、電動シリンダやエアシリンダでもよい。
なお、移載テーブル駆動装置29は、移載テーブル27を、前端が吸着装置31(後述)より前後方向前側にある第1位置(例えば、図7)と、前端が吸着装置31より前後方向後側にある第2位置(例えば、図2)との間で移動可能である。
図6及び図7を用いて、移載テーブル27の構造を説明する。図6は、ハンドの模式的側面図である。図7は、ハンドの模式的側面図である。
移載テーブル27には、スライドベルト47が巻かれている。スライドベルト47は、両端がハンドベース25の下部に固定されており、移載テーブル27の両側上面及び下面を覆って巻回されている。移載テーブル27がハンドベース25に対して前後方向に移動すると、スライドベルト47が移載テーブルの移動位置に沿うように変形する。したがって、荷物Wが移載テーブル27に移載されるときは、荷物Wからスライドベルト47に前後方向の荷重が作用すると、スライドベルト47の荷物Wと接触する部分は、荷物と共に移載テーブル27に対して前後方向に移動する。つまり、スライドベルト47は移載テーブル27に対して摺動するが、荷物Wはスライドベルト47と摺動することなく移載テーブル27の上に引き込まれる。したがって、荷物Wが破損しにくい。
ハンド23は、吸着装置31(吸着装置の一例)を有している。吸着装置31は、ハンドベース25に上下方向に移動可能に設けられ、荷物Wの側面を吸着可能である。吸着装置31は、吸引装置49(図11)によって吸引及び吸引解除が行われる。吸着装置31は、実際に荷物Wに当接する吸着パッド31a(図8)を有している。
図8を用いて、ハンド23をさらに説明する。図8は、ハンドのハンドベースと上下駆動装置の関係を示す模式図である。
ハンド23は、上下駆動装置33(上下駆動装置の一例)を有している。上下駆動装置33は、吸着装置31をハンドベース25に対して上下方向に駆動する。
上下駆動装置33は、エアシリンダ35を有している。エアシリンダ35は、吸着装置31をハンドベース25に対して上昇方向へ駆動する。エアシリンダ35は、下降方向には吸着装置31から離脱可能である。エアシリンダ35はピストン35aを有しており、ピストン35aは吸着装置31の受け部31bに下方から当接して、吸着装置31を押し上げることが可能である。エアシリンダ35は、図4に示すように、ハンドベース25の吸着装置31寄りにおいて、幅方向中間に配置されている。
上下駆動装置33は、吸着装置31を下方に付勢するバネ部材37を有している。具体的には、バネ部材37は一端がハンドベース25に固定され、他端が吸着装置31に固定され、ハンドベース25に対して吸着装置31を下方に引っ張っている。バネ部材37を利用することで、エアシリンダ35が吸着装置31から下方に離れた後でも、荷物Wを確実に下降させて移載テーブル27の上に載せることができる(後述)。バネ部材37は、例えば、ハンドベース25の吸着装置31寄りにおいて、幅方向の両外側の2箇所に配置されている。図8では、バネ部材37はエアシリンダ35の近傍に配置されているが、これは模式的に描いただけであり、実際の配置を限定しない。また、バネ部材37の固定先は特に限定されない。なお、より詳細には、エアシリンダ35のピストン35aが下方に下がるときに、吸着装置31は、自重及びバネ部材37に引っ張られることでピストン35aに追従し続け、荷物Wが下方の装置又は荷物に載ると下方への移動を停止する。これ以降、ピストン35aが吸着装置31から離れる。
上下駆動装置33は、吸着装置31を移載テーブル27と高さ方向に重複する位置まで下降可能である(図14を参照)。このとき、移載テーブル27は吸着装置31の前後方向位置よりも後側(前述の第2位置)にある。したがって、背の低い荷物Wもピッキング可能である。上記が可能となるのは、エアシリンダ35が最も縮んだ状態において吸着装置31はハンドベース25及び移載テーブル27に対して最下方位置にあるが、このとき吸着装置31の下面が移載テーブル27の上面より下方にあるからである。ただし、上記構造は必須ではない。
ハンド23は、図3に示すように、吸着装置31の下面に接触部材39をさらに有している。接触部材39は、吸着装置31の下面に部分的に形成されている。接触部材39は、ゴム等の弾性部材である。具体的には、接触部材39は、図3に示すように、吸着装置31の幅方向外側の両端付近に設けられており、前後方向に延びる帯状である。接触部材の形状、個数、位置、材料は特に限定されない。また、接触部材は省略されてもよい。
ハンド23は、吸着装置保持機構43(以下、保持機構43という)を有している。保持機構43は、吸着装置31を下降位置で揺動不能に固定するとともに、上昇位置で揺動可能に保持する。
図9及び図10を用いて、保持機構43を具体的に説明する。図9及び図10は、保持機構の模式図である。
保持機構43は、カム部材53とローラ55とを有している。カム部材53は、ハンドベース25の本体に固定されている。カム部材53は、ローラ55を支持するためくり抜き部54を有している。くり抜き部54は、吸着装置31側の側面下部において、上下方向に直線状に延びる係止面54aを有する。くり抜き部54は、さらに、吸着装置31側の側面において、係止面54aから連続すると共に、滑らかに湾曲する湾曲面54bを有している。湾曲面54bは、係止面54aから前後方向の後側に凹んでいる。くり抜き部54は、係止面54a及び湾曲面54bに対向する第2係止面54cを有している。第2係止面54cは上下方向に延びている。カム部材53は、例えば、ハンドベース25の吸着装置31寄りにおいて、幅方向の両外側の2箇所に配置されている。
ローラ55は、吸着装置31の下部のカム部材53側に回動自在に設けられている。ローラ55の回動軸はハンド23の幅方向に平行である。ローラ55は、カム部材53の係止面54a、湾曲面54bの近傍で当接又は近接している。
吸着装置31は、上部のカム部材53側に回動中心となる支点31cを有している。支点31cの回動軸は、ハンド23の幅方向に平行である。支点31cは、例えばピンであり、ピンはハンドベース25のプレート(図示せず)に形成された上下方向に延びる長穴(図示せず)内を移動自在にガイドされている。
吸着装置31は、ストッパ(図示せず)によって、図9の状態から時計回りには回動できないようになっている。つまり、吸着装置31は、図9の状態から反時計回りにのみハンドベース25に対して回動自在になっている。
図9に示すように吸着装置31が下方にある場合は、ローラ55がカム部材53の係止面53aに当接しており、そのため吸着装置31は反時計回りに回動不能になっている。
図10に示すように吸着装置31が上昇すると、ローラ55がカム部材53の湾曲面53bに摺動していき、それにより吸着装置31が荷物Wの姿勢に合わせてハンドベース25に対して傾くことができる。この状態で吸着装置31が時計回りに回動しようとすると、ローラ55が第2係止面54cに当接することで吸着装置31の回動を制限する。
以上のように、カム部材53を用いることで、吸着装置31の揺動のロックと解除を行うことを、吸着装置31の昇降動作によって切り替えられる。
ピッキングシステム1は、図18に示すように、隙間センサ36(把握部の一例)を有している。隙間センサ36は、例えばハンド23に設けられ、後述の荷物デパレタイズ動作中に荷物Wの下方の隙間を検出する(後述)。具体的には、隙間センサ36は、レーザ距離センサであり、物体までの距離を測定できる。具体的には、レーザ距離センサの検出範囲は、吸着装置31の前面を基準として、その基準面と移載テーブル27を差し込む方向とが交差する部分までの距離を閾値とし、その閾値までの距離までの範囲である。
ピッキングシステム1は、図1に示すように、荷物Wを撮像するカメラ38(撮像装置の一例)をさらに備えている。カメラ38は、例えば、パレットPに載置された複数の荷物Wを撮影する。カメラ38の撮像データは、荷物Wの位置や形状を識別するために用いられる(後述)。
なお、カメラの数、位置、種類等は特に限定されない。
(3)ハンドの制御構成
図11を用いて、ハンド23の制御構成を説明する。図11は、ハンドの制御構成を示すブロック図である。
ハンド23は、コントローラ51を有している。
コントローラ51は、プロセッサ(例えば、CPU)と、記憶装置(例えば、ROM、RAM、HDD、SSDなど)と、各種インターフェース(例えば、A/Dコンバータ、D/Aコンバータ、通信インターフェースなど)を有するコンピュータシステムである。コントローラ51は、記憶部(記憶装置の記憶領域の一部又は全部に対応)に保存されたプログラムを実行することで、各種制御動作を行う。
コントローラ51は、単一のプロセッサで構成されていてもよいが、各制御のために独立した複数のプロセッサから構成されていてもよい。
コントローラ51の各要素の機能は、一部又は全てが、コントローラ51を構成するコンピュータシステムにて実行可能なプログラムとして実現されてもよい。その他、コントローラ51の各要素の機能の一部は、カスタムICにより構成されていてもよい。
コントローラ51は、旋回装置26、移載テーブル駆動装置29、吸引装置49、エアシリンダ35を制御する。
コントローラ51は、図11には示されていないが、ロボットアーム21全体も制御する。
コントローラ51には、隙間センサ36(把握部の一例)からの検出信号が送信される。
コントローラ51には、カメラ38からの撮像データとしての画像信号が送信される。コントローラ51は、上記画像信号に基づいて、荷物Wの位置、形状、大きさ等を判断できる。なお、コントローラ51は、画像処理を行う処理範囲が定められている。これは、画像処理計算量を減らすためである。
コントローラ51には、図示しないが、荷物Wの大きさ、形状及び位置を検出するセンサ、各装置の状態を検出するためのセンサ及びスイッチ、並びに情報入力装置が接続されている。
(4)デパレタイズ動作
(4-1)基本動作
図12~図21を用いて、段積みされた荷物Wのうち一又は複数を取り出す動作を(デパレタイズ動作)説明する。図12及び図13はデパレタイズ制御動作のフローチャートである。図14~図21は、ハンドによるデパレタイズ動作の一状態を示す模式図である。
以下に説明する制御フローチャートは例示であって、各ステップは必要に応じて省略及び入れ替え可能である。また、複数のステップが同時に実行されたり、一部又は全てが重なって実行されたりしてもよい。
さらに、制御フローチャートの各ブロックは、単一の制御動作とは限らず、複数のブロックで表現される複数の制御動作に置き換えることができる。
なお、以下の制御動作は、コントローラ51が各装置に制御信号を送信することで行われる。
図12のステップS1では、カメラ38からの画像信号に基づいて画像処理が行われ、対象の荷物Wの位置や形状が認識される。具体的には、コントローラ51の画像処理部が上記動作を実行する。
図12のステップS2では、図14に示すように、ロボットアーム21がハンド23を目的とする荷物Wに対応する位置に移動させる。このとき、移載テーブル27は水平状態である。
ステップS3では、図15に示すように、ロボットアーム21がハンド23を前進させる。
ステップS4では、図15に示すように、吸着装置31を荷物Wの下基準で荷物Wの側面に当て、吸着する(吸着装置に荷物の側面を吸着させるステップの一例)。具体的には、吸着装置31が荷物Wに接触する直前に、吸引装置49によって吸引を開始し、ロボットアーム21がハンド23全体を移動することで吸着装置31を荷物W側に押し付ける。
ステップS5では、図16に示すように、ロボットアーム21がハンド23全体を後側に移動させる。このとき、吸着装置31がハンドベース25に対して上昇することで、荷物Wを持ち上げる。具体的には、エアシリンダ35が吸着装置31をハンドベース25に対して上昇させる。したがって、荷物Wは、吸着装置31で持ち上げられて、吸着装置31と共に傾いた状態になる。この結果、対象荷物Wが奥にある荷物Wに干渉しにくい。
上記のように、吸着装置31は上昇位置で保持機構43によって揺動可能になるので、吸着装置31に大きな負荷が作用しない。
ステップS6では、図17に示すように、ロボットアーム21がハンド23の姿勢を傾ける。これにより、移載テーブル27は、前側端が後側端に対して下側になる傾斜姿勢となる。
ステップS7では、図18に示すように、荷物Wの上昇後に隙間センサ36によって隙間検出を行う。具体的には、隙間センサ36からレーザ光が発射され、その先にある物体までの距離が測定される。なお、レーザ光は荷物Wの下方に出射される。
ステップS8では、対象荷物Wとその下側の荷物Wとの間に移載テーブル27を入れるスペースができているか否かが判断される。スペースがあればプロセスはステップS9に移行し、スペースがなければプロセスはステップS13に移行する。ステップS13の後は、プロセスはステップS1に戻る。
ステップS9では、図19に示すように、移載テーブル駆動装置29が傾斜姿勢の移載テーブル27を前方に移動させ、荷物Wの下にある隙間に差し込む。移載テーブル27はさらに前進することで、荷物Wの底面に少し接触する。上記の動作中に、ロボットアーム21がハンドベース25を吸着位置から移載テーブル27の傾斜方向に沿って後側へ移動させる(このとき、移載テーブル27の前後方向位置は変わらない)。それにより、吸着装置31及び荷物Wが移載テーブル27の上に引き込まれる。なお、移載テーブル27の差し込み量は、荷物の大きさによって適宜変更される。
上記の動作中においてハンドベース25が吸着位置から上側に移動させられているので、移載テーブル27とハンドベース25が完全同期していなくても、移載テーブル27が下側の荷物Wを引っかけにくい。
なお、上述のようにハンド23を傾斜姿勢とすることで、図17~図19に示すように、移載テーブル27と吸着した荷物Wが平行又は略平行となるので、移載テーブル27と吸着した荷物が干渉しにくい。また、移載テーブル27が荷物Wに刺さる方向に移動しない。
また、移載テーブル27を斜めに差し込むことで、差し込む量が図19で示す程度であれば、下側の荷物Wと干渉しない。
さらに、図18に示すようにハンド23が傾斜姿勢で隙間センサ36により隙間を確認しているので、吸着した荷物Wと光軸が平行又は略平行になる。したがって、吸着した荷物Wの吸着面の下端を検知する可能性が減る。
仮に吸着位置が荷物Wの下端側に近い位置であっても、傾斜姿勢とした後に少し差し込む程度しか移載テーブル27を移動させない。したがって、移載テーブル27と吸着した荷物Wの下方の荷物Wが干渉する可能性が減る。言い換えると、ハンド23を傾斜させない場合、吸着位置が荷物Wの下端側に近い位置だと、吸着した荷物Wの下方の荷物Wと移載テーブル27が干渉する可能性が高い。
上記動作では、ハンドベースの25の移動傾斜角度は、傾斜姿勢の移載テーブル27の傾斜角度より大きくしてもよい。その理由は、移載テーブル27の後退とロボットアーム21によるハンドベース25の後退が完全に同期できていない可能性を考慮して、下に向けて出している移載テーブル27が下の荷物Wと干渉しないように移載テーブル27を上に逃がすことが好ましいからである。
ステップS10では、図20に示すように、上下駆動装置33が吸着装置31を下方に下げる。具体的には、ピストン35aが下降していく。そして、エアシリンダ35のピストン35aが吸着装置31から下方に離れると、吸着装置31も荷物Wと共に下降していく。このとき、吸着装置31及び荷物Wの自重に加えてバネ部材37の付勢力によって、吸着装置31は確実に下降する。以上の結果、荷物Wが移載テーブル27の上に載る。
また、吸着装置31は保持機構43によって下降位置で揺動不能になるので、荷物Wを安定的に保持できる。その結果、荷物Wが移載テーブル27に安定的に載置され、その後も安定的に搬送される。
ステップS11では、図21に示すように、ロボットアーム21がハンド23を水平姿勢にする。これにより、移載テーブル27も水平姿勢になる。このようにして、荷物Wが移載テーブル27に安定的に載置され、その後も安定的に搬送される。
ステップS12では、ロボットアーム21が荷物Wを搬出コンベヤ装置9に搬出する。その後、プロセスはステップS1に戻る。
以上のハンド23の動作の効果を順番に説明する。
(a)図20に示すように吸着装置31が荷物Wを吸着した状態のまま、荷物Wの荷重を移載テーブル27に預けることができる。したがって、吸着装置31に大きな荷重が作用しない。その結果、ハンド23の安全性が向上する。
(b)図18に示すように隙間センサ36によって干渉の有無を把握するので、移載テーブル27を荷物Wに接近させるときに、荷物Wを損傷させることが生じにくい。
(c)吸着装置31が荷物Wを吸着した後に、図17に示すように移載テーブル27を傾斜姿勢にするので、移載テーブル27を傾けて前側に出すことできる。このように移載テーブル27を傾けて前側に出すことで、吸着装置31のハンドベース25に対する傾き角度が小さくなる。したがって、吸着装置31とハンドベース25の連結部分に大きな負荷が作用しない。
(d)図19に示すように、移載テーブル27は、吸着位置に位置するハンドベース25に対して傾斜姿勢で移動して、荷物の下方に差し込まれる。したがって、荷物Wを持ち上げるときに、移載テーブル27を荷物支持状態で斜め方向に持ち上げるので、吸着装置31の負荷を軽減できる。また、吸着装置31から荷物が脱落することを防止できる。
(e)荷物Wを持ち上げるときには、図19に示すように、同時にハンドベース25を移載テーブル27の傾斜方向に沿って後側に移動させる。したがって、荷物Wをスムーズに移載テーブル27に載せることができる。
(f)移載テーブル27を傾けた状態で隙間の有無を把握するので、移載テーブル27が対象荷物Wと衝突しにくい。
(4-2)荷物戻し動作
ステップS12では、荷物戻し動作が行われる。図13、図22~図24を用いて、荷物戻し動作を詳細に説明する。図22~図24は、ハンドによる荷物戻し動作の一状態を示す模式図である。荷物戻し動作とは、移載に失敗した荷物をリトライのために元の位置に戻すものである。
図13のステップS21では、ロボットアーム21がハンド23全体を水平姿勢に戻す。これにより、図22に示すように、移載テーブル27も水平姿勢になる。
ステップS22では、図23に示すように、ロボットアーム21がハンドベース25を前進することで、荷物Wを前側に移動する。このときのハンドベース25の移動量は、ステップS5でのハンドベース25の後退の移動量と同じ又はそれとわずかに異なることが好ましい。なお、ハンドベースの25の移動量は、ハンドベース25の後退の移動量より少し大きくなることがより好ましい。これは、荷物Wを画像処理範囲Q(後述)より前側に移動させる必要があるからである。
ステップS23では、図24に示すように、上下駆動装置33が吸着装置31を下降させる。なお、ステップS22、ステップS23の順番を問わない。また、ステップS22、ステップS23は同時に行ってもよい。
ステップS24では、吸引装置49が吸着装置31の吸着を解除する。なお、ステップS22、ステップS23を行った後に吸着を解除することで、荷物Wを元の位置に確実に戻すことができる。実施形態とは異なってハンドベース25の前進前に荷物Wの吸着を解除することの問題点は、吸着パット31aが伸縮性を有しているので、元の位置まで荷物Wを移動させられない可能性がある。つまり、この場合、ハンドベース25の移動量と荷物Wの移動量が等しくない可能性がある。
ステップS25では、ロボットアーム21がハンド23を後側に移動する。
以上の結果、荷物Wが元の位置に戻る。荷物Wは、前側の荷物Wと当接してもよいし、離れていてもよい。
以上から明らかなように、荷物Wを元の位置に戻すステップでは、上下駆動装置33に吸着装置31を下降させつつ、ハンドベース25を前側に移動させる。したがって、吸着に伴い荷物Wが後側に移動していても、荷物Wを元の位置に戻すことができる。
このハンド23では、干渉がある場合に荷物Wを元の位置に戻すことで、ピッキング不可の場所に荷物Wを載置することが生じにくい。この結果、荷物移載のリトライを確実に行えるようになる。
ここで、「元の位置」の一例は、図24の画像処理範囲Q内に荷物Wの吸着面である後側の側面が位置する位置であることが好ましい。例えば、本実施形態とは異なり、ステップS22(図13)の動作を行わなかった場合は、荷物Wの位置は元の位置より後側にずれた位置になり、荷物Wの後側の側面が画像処理範囲Qから外に出ていることがある。その場合は、コントローラ51による画像処理が適切に行われず、そのため、画像認識によるロボットアーム21のデパレタイズのリトライ動作が実行不可能になることがあった。また、画像処理範囲Q内に荷物Wの吸着面が存在するときにロボットアーム21の移動の安全が確保されるように設計されている場合、荷物Wの後側の側面が画像処理範囲Qから外に出ていると、ロボットアーム21が動作時に他の装置等に衝突する可能性が出てくる。
なお、画像処理範囲Qは、ハンド23がアクセスする荷物Wが画像処理範囲Q内にある場合に、ロボットアーム21とロボット架台が干渉しないように設定されていてもよい。また、画像処理範囲Qは、上記の場合に、ロボットアーム21が通過してはいけない箇所(他の装置と干渉する位置)や、ロボットアーム21の構成から通過できない箇所を基に定められている。
なお、上記例では、コントローラ51が画像処理可能な画像処理範囲Qはカメラ視野範囲と一致しているが、上記範囲はカメラ視野範囲より狭くてもよい。
このハンド23では、荷物Wを元の位置に戻すステップの前に、図21に示すように、ハンドベース25を移動させることで、移載テーブル27を水平状姿勢に戻している。したがって、荷物Wを元の位置に確実に戻すことができる。
2.第2実施形態
第1実施形態では、ハンドが荷物を吸着した後に移載テーブルは傾斜状態になったが、移載テーブルは水平姿勢を維持してもよい。
そのような実施例を第2実施形態として説明する。なお、基本的な構成は第1実施形態と同じであるので、異なる点を中心に説明する。
(1)デパレタイズ動作
図25~図34を用いて、段積みされた荷物Wのうち一又は複数を取り出す動作を(デパレタイズ動作)説明する。図25及び図26は、第2実施形態におけるデパレタイズ制御動作のフローチャートである。図27~図34は、第2実施形態におけるハンドによるデパレタイズ動作の一状態を示す模式図である。
なお、以下の制御動作は、コントローラ51が各装置に制御信号を送信することで行われる。
図25のステップS1では、カメラ38の撮像情報に基づいて画像処理が行われ、対象の荷物Wの位置や形状が認識される。具体的には、コントローラ51の画像処理部が上記動作を実行する。
図25のステップS2では、図27に示すように、ロボットアーム21がハンド23を目的とする荷物Wに対応する位置に移動させる。このとき、移載テーブル27は水平姿勢である。
ステップS3では、図28に示すように、ロボットアーム21がハンド23を前進させる。
ステップS4では、図28に示すように、吸着装置31を荷物Wの下基準で荷物Wの側面に当て、吸着する(吸着装置に荷物の側面を吸着させるステップの一例)。具体的には、吸着装置31が荷物Wに接触する直前に、吸引装置49によって吸引を開始し、ロボットアーム21がハンド23全体を移動することで吸着装置31を荷物W側に押し付ける。
ステップS5では、図29に示すように、ロボットアーム21がハンド23全体を後側に移動させる。このとき、吸着装置31がハンドベース25に対して上昇することで、荷物Wを持ち上げる(上下駆動装置に、荷物を吸着している吸着装置を上昇させるステップの一例)。具体的には、エアシリンダ35が吸着装置31をハンドベース25に対して上昇させる。したがって、荷物Wは、吸着装置31で持ち上げられて、吸着装置31と共に傾いた状態になる。
ステップS7では、図30に示すように、荷物Wの上昇後に隙間センサ36によって隙間検出を行う(把握部に、荷物と支持板の干渉の有無を把握させるステップの一例)。具体的には、隙間センサ36からレーザ光が発射され、その先にある物体までの距離が測定される。なお、レーザ光は荷物Wの下方に出射される。
ステップS8では、対象荷物Wとその下側の荷物Wとの間に移載テーブル27を入れるスペースができているか否かが判断される。スペースがあればプロセスはステップS9に移行し、スペースがなければプロセスはステップS13(把握部により干渉が把握されると、荷物を吸着前の位置である元の位置に戻すステップの一例)に移行する。ステップS13の後は、プロセスはステップS1に戻る。
ステップS9では、図31に示すように、移載テーブル駆動装置29が移載テーブル27を前側に移動させ、荷物Wの下にある隙間に差し込む。移載テーブル27はさらに前進することで、荷物Wの底面に少し接触する。このとき、ロボットアーム21がハンド23全体を後側に引く(このとき、移載テーブル27の前後方向位置は変わらない)。これにより、吸着装置31及び荷物Wが、移載テーブル27の上に引き込まれる。
ステップS10では、図32に示すように、上下駆動装置33が吸着装置31を下降させる。具体的には、ピストン35aが下降していく。そして、エアシリンダ35のピストン35aが吸着装置31から下方に離れると、吸着装置31も荷物Wと共に下降していく。このとき、吸着装置31及び荷物Wの自重に加えてバネ部材37の付勢力によって、吸着装置31は確実に下降する。以上の結果、荷物Wが移載テーブル27の上に載る。
ステップS12では、ロボットアーム21が荷物Wを搬出コンベヤ装置9に搬出する。その後、プロセスはステップS1に戻る。
以上から明らかなように、このハンド23では、吸着装置31が荷物Wを吸着した状態のまま、荷物Wの荷重を移載テーブル27に預けることができる。したがって、吸着装置31に大きな荷重が作用しない。その結果、ハンド23の安全性が向上する。
(2)荷物戻し動作
ステップS13では、荷物戻し動作が行われる。図13を用いて、荷物戻し動作を詳細に説明する。荷物戻し動作とは、移載に失敗した荷物をリトライのために元の位置に戻すものである。
図26のステップS22では、図33に示すように、ロボットアーム21がハンドベース25を前進することで、荷物Wを前側に移動する。
ステップS23では、上下駆動装置33が吸着装置31を下降させる。
ステップS24では、吸引装置49が吸着装置31の吸着を解除する。なお、ステップS22、ステップS23を行った後に吸着を解除することで、荷物Wを元の位置に確実に戻すことができる。
ステップS25では、ロボットアーム21がハンド23を後側に移動する。
以上の結果、図34に示すように、荷物Wが元の位置に戻る。荷物Wは、前側の荷物Wと当接してもよいし、離れていてもよい。
以上から明らかなように、荷物Wを元の位置に戻すステップでは、上下駆動装置33に吸着装置31を下降させつつ、ハンドベース25を前側に移動させる。したがって、吸着に伴い荷物Wが後側に移動していても、荷物Wを元の位置に戻すことができる。
このハンド23では、干渉がある場合に荷物Wを元の位置に戻すことで、ピッキング不可の場所に荷物Wを載置することが生じにくい。この結果、荷物移載のリトライを確実に行えるようになる。
ここで、「元の位置」の一例は、図34の画像処理範囲Q内に荷物Wの吸着面である後側の側面が位置する位置であることが好ましい。例えば、本実施形態とは異なり、ステップS22(図33)の動作を行わなかった場合は、荷物Wの位置は元の位置より後側にずれた位置になり、荷物Wの後側の側面が画像処理範囲Qから外に出ていることがある。その場合は、コントローラ51による画像処理が適切に行われない。そのため、画像認識によるロボットアーム21のデパレタイズのリトライ動作が実行不可能になることがあった。
なお、上記例では、コントローラ51が画像処理可能な画像処理範囲Qはカメラ視野範囲と一致しているが、上記範囲はカメラ視野範囲より狭くてもよい。
このハンド23では、干渉の有無を把握することで、移載テーブル27を荷物Wに接近させるときに、荷物Wを損傷させることが生じにくい。また、干渉がある場合に荷物Wを元の位置に戻すことで、ピッキング不可の場所に荷物Wを載置することが生じにくい。この結果、荷物移載のリトライを確実に行えるようになる。
3.実施形態の共通事項
第1実施形態と第2実施形態の共通事項を説明する。
移載装置(例えば、ハンド23)は、荷物(例えば、荷物W)を前後方向に移動させることで移載を行うための装置であって、基部(例えば、ハンドベース25)と、支持板(移載テーブル27)と、前後駆動装置(例えば、移載テーブル駆動装置29)と、吸着装置(例えば、吸着装置31)と、上下駆動装置(例えば、上下駆動装置33)と、把握部(隙間センサ36)と、コントローラ(例えば、コントローラ51)とを備えている。
支持板は、荷物の底面を支持する。
前後駆動装置は、支持板を基部に対して前後方向に駆動する。
吸着装置は、荷物の側面を吸着する。
上下駆動装置は、吸着装置を基部に対して上下方向に駆動する。
把握部は、荷物の有無を把握する。
コントローラは、下記のステップを実行する。
◎吸着装置に荷物の側面を吸着させるステップ(例えば、図15、図28)。
◎上下駆動装置に、荷物を吸着している吸着装置を上昇させるステップ(例えば、図16、図29)。
◎把握部に、荷物と支持板の干渉の有無を把握させるステップ(例えば、図17、図30)。
◎把握部により干渉が把握されると、荷物を元の位置に戻すステップ(例えば、図23、図24、図33、図34)。
この装置では、干渉の有無を把握することで、支持板を荷物に接近させるときに、荷物を損傷させることが生じにくい。また、荷物の側面を吸着する移載装置においてリトライを行うことができる。
4.他の実施形態
以上、本発明の複数の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。特に、本明細書に書かれた複数の実施形態及び変形例は必要に応じて任意に組み合せ可能である。
第1実施形態ではハンドはロボットアームに固定されていたが、前後動できる装置であればその他の移載機に用いられてもよい。
移載テーブルにベルトは巻かれていなくてもよい。
吸着装置の吸着方式はエア吸引に限定されない。静電吸着方式でもよい。
第1実施形態では上下駆動装置はエアシリンダとバネ部材の組み合わせであったが、シリンダのみでもよい。その場合は、吸着装置は自重によって下降する。なお、吸着装置を下降させるのにモータを用いてもよい。
第1実施形態ではカムによって吸着装置の高さ位置によって揺動不能と揺動可能を切り換えていたが、電動ロック装置等の他の手段によって上記動作を実現してもよい。
本発明は、段積みされた物品から一又は複数の物品を取り出すための移載装置に広く適用できる。
1 :ピッキングシステム
3 :パレタイズ部
5 :デパレタイズ部
7 :搬入コンベヤ装置
9 :搬出コンベヤ装置
15 :ピッキングロボット
21 :ロボットアーム
23 :ハンド
25 :ハンドベース
26 :旋回装置
27 :移載テーブル
29 :移載テーブル駆動装置
30 :モータ
31 :吸着装置
31a :吸着パッド
31b :受け部
31c :支点
33 :上下駆動装置
35 :エアシリンダ
35a :ピストン
36 :隙間センサ
37 :バネ部材
38 :カメラ
39 :接触部材
43 :吸着装置保持機構
47 :スライドベルト
49 :吸引装置
51 :コントローラ
53 :カム部材
53a :係止面
53b :湾曲面
54 :くり抜き部
54a :係止面
54b :湾曲面
54c :第2係止面
55 :ローラ
P :パレット
Q :画像処理範囲

Claims (5)

  1. 荷物を前後方向に駆動させることで移載を行うための移載装置であって、
    基部と、
    前記荷物の底面を支持する支持板と、
    前記支持板を前記基部に対して前後方向に駆動する前後駆動装置と、
    前記荷物の側面を吸着する吸着装置と、
    前記吸着装置を前記基部に対して上下方向に駆動する上下駆動装置と、
    荷物の有無を把握する把握部と、
    前記荷物を撮像する撮像装置と、
    コントローラと、を備え、
    前記コントローラは、
    前記吸着装置に前記荷物の前記側面を吸着させるステップと、
    前記上下駆動装置に、前記荷物を吸着している前記吸着装置を上昇させるステップと、
    前記把握部に、前記荷物と前記支持板の干渉の有無を把握させるステップと、
    前記把握部により干渉が把握されると、前記荷物を元の位置に戻すステップと、を実行し、
    前記コントローラは、前後方向において画像処理を行う処理範囲が定められており、
    前記元の位置とは、前記処理範囲内に前記荷物の吸着面が位置する位置である、移載装置。
  2. 前記コントローラは、前記荷物を前記元の位置に戻すステップでは、前記基部を前側に移動させ、かつ、前記上下駆動装置に前記吸着装置を下降させる、請求項1に記載の移載装置。
  3. 前記コントローラは、前記荷物を前記元の位置に戻すステップでは、前記基部を前側に移動させ、かつ、前記上下駆動装置に前記吸着装置を下降させた後に、前記吸着装置に前記荷物の吸着を解除させる、請求項2に記載の移載装置。
  4. 前記コントローラは、前記把握部に前記荷物と前記支持板の干渉の有無を把握させるステップの前に、前記基部を移動させることで、前記支持板の前側端が後側端より下側に位置するように前記支持板を傾けるステップを実行する、請求項1~のいずれかに記載の移載装置。
  5. 前記コントローラは、前記荷物を前記元の位置に戻すステップの前に、前記基部を移動させることで、前記支持板を水平状態に戻すステップを実行する、請求項に記載の移載装置。
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