JP7030582B2 - 脱硫設備及びバイオガスの脱硫方法 - Google Patents

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Description

本発明は、バイオガス供給部から供給されるバイオガスを脱硫する脱硫設備及びバイオガスの脱硫方法に関する。
近年、畜産糞尿、下水処理場や工場排水処理設備から発生する汚泥、生ごみなどの有機性廃棄物をメタン発酵槽等のバイオガス供給部にてメタン発酵して得られるバイオガスは、発電設備等のガス利用設備の燃料として利用されている。このようなバイオガスは、多くの不純物を含んでおり、そのまま使用すると発電設備等のガス利用設備や環境に対して影響を与える。そのため、バイオガスを精製し、不純物を除去する必要がある。特に、硫黄分を高濃度に含む排水については、メタン発酵の際に硫化水素等の硫黄成分がバイオガス中に副生し、機器の腐食や環境悪化の原因となることが知られている。このような場合、バイオガスを精製し、硫黄成分を酸化して脱硫するために、様々な脱硫設備が使用されている。
乾式脱硫設備は、酸化鉄などの脱硫剤を用いて脱硫を行うものであるが、一般に脱硫容量が限られており、使用時間経過に伴い脱硫剤を交換しなければならないなど、ランニングコストが上昇するとともに、メンテナンスが面倒である。
一方、乾式脱硫設備に代え、バイオガスに含まれる硫化水素等の可溶性硫黄成分を湿式で吸収除去する気液接触塔が用いられる場合がある。この気液接触塔は、脱硫塔内に、充填材を設け、この充填材に硫黄吸収液を散布供給するとともにバイオガスを通すことで気液接触させ、バイオガス中に含まれる硫黄系化合物を溶解除去するものである(特許文献1等参照)。
なお、上記特許文献1にあっては、充填材自体に硫黄酸化細菌等の微生物を担持させ、さらに脱硫性能を向上させることも検討されている。
特開2006-143779号公報
しかし、メタン発酵槽等のバイオガス供給部からのバイオガスの供給量は一定ではなく、また、充填材は、経時使用に伴ってSS等の固体成分が付着して目詰まりしたり、気液接触のために用いられる液体の流通によって気体流路となる充填材内部及び充填材間の空隙が狭窄したりすることにより、通気抵抗が増大する場合がある。すると、バイオガス供給部からのバイオガスは、気液接触塔を流通しにくくなり、バイオガスの脱硫効率が低下したり、ガス利用設備への安定供給が阻害されたりする虞がある。
そこで、特許文献1に記載のように、気液接触塔の下流側にブロワを設けてバイオガスが気液接触塔を流通しやすくすることも考えられるが、このような場合、気液接触塔の上流側から空気を導入して、気液接触塔の上下流側の圧力バランスを図る必要があって、バイオガス濃度が低下したり、機器構成が複雑化、大型化したりするという問題があった。
したがって、本発明は上記実状に鑑み、使用される気液接触塔に対するバイオガスの流通を円滑に維持するとともに、簡便で効率良くバイオガスの脱硫を行える脱硫設備及びバイオガスの脱硫方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための本発明の脱硫設備の特徴構成は、
バイオガス供給部から供給されるバイオガスを脱硫する脱硫設備であって、
バイオガスを貯留するガスホルダと、バイオガスを受け入れて、気液接触によりバイオガス中の可溶性硫黄成分を溶解して脱硫する気液接触塔とを設け、
前記気液接触塔は、前記バイオガス供給部からのバイオガスを受け入れるバイオガス受入部と、硫黄吸収液との気液接触により脱硫されたバイオガスを前記ガスホルダに流通するバイオガス流通部と、気液接触により可溶性硫黄成分を吸収した硫黄吸収排水を処理する水処理槽に硫黄吸収排水を供給する硫黄吸収排水排出部と、前記水処理槽で硫黄吸収排水から硫黄成分の処理された処理済み排水を硫黄吸収液として受け入れる硫黄吸収液受入部と、を備え、
前記ガスホルダは、前記気液接触塔からの脱硫されたバイオガスを受け入れるバイオガス主受入部と、前記バイオガス供給部からのバイオガスを直接受け入れるバイパス受入部と、貯留したバイオガスを外部に排出するバイオガス排出部とを備える点にある。
上記構成によれば、気液接触塔を設けてあるから、バイオガス供給部から供給されるバイオガスに含まれる可溶性硫黄成分を気液接触により溶解して脱硫することができる。このとき、気液接触塔は、バイオガス受入部と、バイオガス流通部と、硫黄吸収排水排出部と、硫黄吸収液受入部と、を備えるから、供給されたバイオガスは、バイオガス受入部から気液接触塔に流入し、硫黄吸収液受入部から供給される硫黄吸収液と気液接触して、脱硫されるとともに、脱硫されたバイオガスは、バイオガス流通部を介してガスホルダに流通可能となり、脱硫後の硫黄吸収排水を硫黄吸収排水排出部から排出可能となる。
また、ガスホルダを設けてあるから、ガスホルダに貯留したバイオガスを安定してガス利用設備等に供給することができる。ガスホルダは、バイオガス主受入部を備え、気液接触塔からのバイオガスを受け入れ、バイオガス排出部から外部のガス利用設備等に対して、貯留したバイオガスを外部に排出する。ここで、バイオガス供給部からのバイオガスを直接受け入れるバイパス受入部を備えるから、バイオガス供給部からのバイオガスを気液接触塔に流通させることなく直接受け入れることができる。そのため、バイオガス供給部からのバイオガスの流量が不十分で、設定流量に達しないような場合、バイオガスが気液接触塔を通過するのが困難になることが考えられるのに対し、このような不十分な流量のバイオガスを直接ガスホルダで貯留することができる。すると、上述の簡便な構成でありながら、気液接触塔におけるガスの滞留を防止してガスホルダにバイオガスを安定供給できるようになる。
なお設定流量としては、気液接触塔の構成や、バイオガスの組成、用いられる液体の循環量等に基づき算定される圧損等を考慮して、気液接触塔に安定してバイオガスを流通させられる流量に設定することができる。
上述のような場合、未脱硫のバイオガスがガスホルダに貯留されることになるが、未脱硫のバイオガスがガスホルダに貯留されるのはバイオガス流量が設定流量に達しない(少ない)場合のみであるから、ガスホルダ内の硫黄成分濃度が急激に上昇することはなく、ガス利用設備側で問題の起きない範囲での濃度管理を容易に行える。
したがって、気液接触塔に対するバイオガスの流通を円滑に維持するとともに、簡便で効率良くバイオガスの脱硫を行えることになる。
また、ガスホルダが、貯留したバイオガスを前記バイオガス供給部と前記気液接触塔の前記バイオガス受入部との間に返送供給するバイオガス返送部を備えるものであれば、ガスホルダ内に貯留したバイオガスを気液接触塔に再循環することができる。また、バイオガス供給部から供給されるバイオガスの流量が設定流量に達しないほど少なくても、返送供給されるバイオガスの流量を増大させ、トータルのバイオガス流量を気液接触塔に容易に流通させられる流量まで増加させることができ、通気抵抗に抗してバイオガスを流通させることが容易になるから、気液接触塔における安定的な脱硫処理ができる。
また、このような脱硫処理を行うと、ガスホルダ内に貯留される未脱硫のバイオガスを気液接触塔で脱硫処理することができる。すると、バイオガスの発生量の少ない期間に、ガスホルダ内の未脱硫のバイオガスを脱硫処理することができる。ガスホルダ内の硫黄成分濃度を、より低減して、より一層ガス利用設備側で問題の起きない範囲での濃度管理を容易に行える。
また、バイオガス排出部から排出されるバイオガスを乾式脱硫する脱硫部を設けてあれば、ガスホルダ内に貯留されるバイオガスに未脱硫のバイオガスが混入していても、脱硫処理したうえでガス利用設備に供給することができる。
ここで、ガスホルダ内に貯留されるバイオガスは、原則気液接触塔を経たものであるから、脱硫部における負荷は極端に高くなることがなく、乾式脱硫であっても、ランニングコストやメンテナンスの煩わしさを気にすることなく、利用することができ、精度の高い脱硫操作が継続的に行えるようになる。
また、バイオガス供給部がUASB装置を備えた嫌気処理設備であれば、硫黄成分を比較的高濃度に含んだ排水であっても効率良くメタン発酵を行うことができ、また、空気の混入しにくい状態でバイオガスを脱硫設備に供給できる点でも好ましい。
また、水処理槽として硫黄吸収排水を好気処理する生物処理槽を用いることができ、脱硫反応後の処理済み排水を硫黄吸収液として再利用することでpH調整剤や栄養剤を削減することができる。
さらに、前記気液接触塔が、充填材を内挿してあるとともに、前記硫黄吸収液受入部が、充填材に対して上方から硫黄吸収液を散布供給可能に構成され、前記バイオガス受入部が、充填材の下方から上方に向かってバイオガスを流通可能に構成されているスクラバ式のガス吸収塔とすることができる。このような場合、充填材を伝って流下する硫黄吸収液とバイオガスとが効率良く接触することになる。また、気液接触塔内での処理は、主にバイオガス中の可溶性硫黄成分を溶解する処理となるから、固体成分が副生して充填材に付着したり、液性が低pHに偏って水処理槽に悪影響を与えたりするというような不都合も生じにくい。
なお、硫黄吸収液がバイオガス中の可溶性硫黄成分を溶解した硫黄吸収排水は、水処理槽でさらに上述の好気処理により硫黄粒子を生成され、沈殿分離により硫黄粒子を分離することにより脱硫されるので、水処理槽における処理済み排水を硫黄吸収液として用いたとしても、充填材が閉塞するような不都合が生じにくい。
さらに、前記バイオガス排出部から排出されるバイオガスを乾式脱硫する脱硫部が設けられ、前記脱硫部において乾式脱硫されたバイオガスの少なくとも一部を、前記気液接触塔に返送供給可能な脱硫バイオガス返送部が備えられていてもよい。
該脱硫設備は、気液接触塔においてバイオガスと硫黄吸収液とを気液接触させ、可溶性硫黄成分を硫黄吸収液に吸収させる。この硫黄吸収排水は水処理槽において処理される。
メタン発酵槽等のバイオガス供給部から気液接触塔に供給されるバイオガスの供給量は一定ではなく、またバイオガスに含まれる可溶性硫黄成分の濃度が一定ではないため、気液接触塔に供給されるバイオガスの供給量が多かったり、該バイオガスに含まれる可溶性硫黄成分の濃度が高かったりすると、水処理槽において処理すべき可溶性硫黄成分が多くなりすぎるため、処理が滞る虞がある。
このような場合に、バイオガス供給部からのバイオガスを気液接触塔に供給することなく、ガスホルダに直接的に流通することによって、水処理槽への新たな可溶性硫黄成分の持ち込みを停止した状態で、水処理槽において可溶性硫黄成分の処理を行うことができる。
水処理槽における可溶性硫黄成分の円滑な処理の観点からは、気液接触塔に新たなバイオガスが供給されないことが好ましい。しかし、このような状態が続くと、気液接触塔においては、硫黄吸収液によって、バイオガスの気体流路である充填材内部及び充填材間の空隙が狭窄され、バイオガスの供給時における通気抵抗が増大した閉塞状態となる虞がある。
このようなときは、気液接触塔の閉塞状態を解消するために、ガスホルダに直接的に流通されたバイオガスを、脱硫バイオガス返送部を介して、気液接触塔に返送供給することができる。その際、バイオガスとして、脱硫部において乾式脱硫されたものが用いられるため、気液接触塔への新たな可溶性硫黄成分の持ち込み量を減らすことができる。したがって、水処理槽における、可溶性硫黄成分の処理負荷の増大が防止される。
さらに、前記脱硫バイオガス返送部は、前記脱硫部において乾式脱硫されたバイオガスの少なくとも一部を、前記バイオガス供給部と前記気液接触塔の前記バイオガス受入部との間に直接的に返送供給するように構成されていてもよい。
脱硫バイオガス返送部が、脱硫部において乾式脱硫されたバイオガスの少なくとも一部を、バイオガス供給部と気液接触塔のバイオガス受入部との間に直接的に返送供給することによって、該バイオガスが気液接触塔に返送供給される。
さらに、前記ガスホルダは、貯留したバイオガスを前記バイオガス供給部と前記気液接触塔の前記バイオガス受入部との間に返送供給するバイオガス返送部を備えるとともに、前記脱硫部において乾式脱硫されたバイオガスを受け入れ可能に構成され、前記脱硫バイオガス返送部は、前記脱硫部において乾式脱硫されたバイオガスの少なくとも一部を、前記ガスホルダに直接的に返送供給するように構成されていてもよい。
脱硫バイオガス返送部が、脱硫部において乾式脱硫されたバイオガスの少なくとも一部を、ガスホルダに直接的に返送供給することによって、ガスホルダにはバイオガス供給部から直接的に供給されるバイオガスと、脱硫部において乾式脱硫されたバイオガスとが、混在することになる。ガスホルダに貯留されたバイオガスは、すなわち少なくとも一部が脱硫部において乾式脱硫されたものであるため、これに含まれる可溶性硫黄成分の濃度は、バイオガス供給部から直接的に供給されたバイオガスに含まれる可溶性硫黄成分の濃度よりも低い。可溶性硫黄成分の濃度が低いバイオガスが、ガスホルダのバイオガス返送部を介して、バイオガス供給部と気液接触塔のバイオガス受入部との間、すなわち気液接触塔に返送供給されることとなる。すなわち、脱硫バイオガス返送部は、脱硫部において乾式脱硫されたバイオガスの少なくとも一部を、ガスホルダを介して間接的に気液接触塔に返送供給する。
さらに、前記水処理槽の負荷値を測定可能な負荷値測定部が備えられ、前記負荷値測定部によって測定された前記負荷値が設計負荷値未満であるとき、前記気液接触塔が前記バイオガス供給部からのバイオガスを受け入れて脱硫し、かつ、脱硫されたバイオガスを前記ガスホルダに供給するように構成され、前記負荷値が前記設計負荷値以上のとき、前記ガスホルダが前記バイパス受入部を介して前記バイオガス供給部からのバイオガスを直接的に受け入れるように構成されてもよい。
水処理槽の負荷値とは、例えば水処理槽内の酸化還元電位の測定値であったり、バイオガス供給部から気液接触塔へ供給されるバイオガスの供給量及び該バイオガスに含まれる可溶性硫黄成分の濃度とから算出される算出値であったり、気液接触塔から水処理槽へ供給される硫黄吸収排水の供給量及び該硫黄吸収排水に含まれる可溶性硫黄成分の濃度とから算出される算出値である。また、設計負荷値とは、予め定められた、水処理槽の負荷値の閾値をいう。
負荷値が設計負荷値以上であると、水処理槽における可溶性硫黄成分の処理が追いついていないと考えられるため、バイオガス供給部からのバイオガスをガスホルダに受け入れさせることによって、気液接触塔へのバイオガスの供給を停止することができる。気液接触塔への新たな可溶性硫黄成分の持ち込み量を減らすことができる。したがって、水処理槽における、可溶性硫黄成分の処理負荷の増大が防止される。
さらに、前記負荷値が前記設計負荷値以上となったあと、前記設計負荷値未満となると、前記気液接触塔は処理すべきバイオガスを設計流量となるまで経時的に増やしながら受け入れ可能に構成されていてもよい。
他方、負荷値が設計負荷値以上となったあと、設計負荷値未満になったときは、水処理槽における可溶性硫黄成分の処理が進んだと判断でき、このときは、気液接触塔における可溶性硫黄成分の処理を再開する。この処理の再開にあたって、気液接触塔は、処理すべきバイオガスを経時的に増やしながら受け入れるように構成されているため、水処理槽における処理がすぐに再び滞るような事態の発生が回避されやすい。なお、設計負荷値は、単一の値であってもよいし、チャタリングを防止すべく上限値及び下限値を有してもよい。
さらに、前記バイオガス排出部から排出されるバイオガスを乾式脱硫する脱硫部が設けられ、前記脱硫部において乾式脱硫されたバイオガスの少なくとも一部を、前記気液接触塔に返送供給可能な脱硫バイオガス返送部が備えられ、前記気液接触塔内の閉塞値を測定可能な閉塞値測定部が設けられ、前記負荷値が前記設計負荷値以上のときであっても、前記閉塞値測定部によって測定された前記閉塞値が設計閉塞値以上のとき、前記脱硫部において乾式脱硫されたバイオガスの少なくとも一部を、前記脱硫バイオガス返送部を介して前記気液接触塔に返送供給可能に構成されていてもよい。
閉塞値が設計閉塞値以上のときは、ガスホルダに通流されたバイオガスを、気液接触塔に一旦返送供給し、充填材内部及び充填材間において狭窄した気体流路を通流させることによって、閉塞状態を解消することができる。このとき、ガスホルダに貯留されたバイオガスを、脱硫部において乾式脱硫したあとに、気液接触塔に返送供給するため、気液接触塔への新たな可溶性硫黄成分の持ち込み量を減らすことができる。したがって、水処理槽における、可溶性硫黄成分の処理負荷の増大が防止される。
なお、閉塞値測定部とは、例えば、気液接触塔のバイオガス受入部における圧力値を測定する圧力計と、バイオガス流通部における圧力値を測定する圧力計とから構成されてもよいし、気液接触塔へのバイオガスの供給の停止時間を測定するタイマから構成されていてもよいし、水処理槽の水位を測定する水位計から構成されてもよい。したがって、閉塞値とは、例えば、気液接触塔の圧力損失や、気液接触塔へのバイオガスの供給の停止時間や、水処理槽の水位であり、設計閉塞値とは、予め定められたこれらの閾値をいう。
さらに、前記閉塞値が前記設計閉塞値以上となったあと、前記設計閉塞値未満となると、前記脱硫バイオガス返送部を介したバイオガスの返送供給を停止可能に構成されていてもよい。
閉塞値が設計閉塞値以上となったあと、設計閉塞値未満となったときは、気液接触塔の閉塞状態が解消したと判断できるため、気液接触塔の閉塞の解消のためのバイオガスの供給を停止することができる。なお、設計閉塞値は、単一の値であってもよいし、チャタリングを防止すべく上限値及び下限値を有してもよい。
さらに、前記バイオガス排出部から排出されるバイオガスを乾式脱硫する脱硫部が設けられ、前記脱硫部において乾式脱硫されたバイオガスの少なくとも一部を、前記気液接触塔に返送供給可能な脱硫バイオガス返送部が備えられ、前記ガスホルダに、該ガスホルダ内に貯留されているバイオガス貯留量を測定する容量センサが設けられ、前記負荷値が前記設計負荷値以上のときであって、前記容量センサによって測定された前記バイオガス貯留量が設計容量値以上のときは、前記脱硫部を介して外部へ排出されるバイオガスの流量を増加可能に構成されていてもよい。
ガスホルダのバイオガス貯留量が設計容量値以上のときは、ガスホルダから脱硫部を介して外部へ排出されるバイオガスの流量を増加させることによって、ガスホルダが満杯になる虞を解消することができる。
さらに、前記バイオガス貯留量が前記設計容量値以上となったあと、前記設計容量値未満となると、前記脱硫部を介して外部へ排出されるバイオガスの流量を減少可能に構成されていてもよい。
バイオガス貯留量が設計容量値以上となったあと、設計容量値未満となったときは、ガスホルダの満杯状態が解消したと判断できるため、ガスホルダから脱硫部を介して外部へ排出されるバイオガスの流量を減少させることができる。なお、設計容量値は、単一の値であってもよいし、チャタリングを防止すべく上限値及び下限値を有してもよい。
また、上記目的を達成するための本発明のバイオガスの脱硫方法の特徴構成は、
バイオガス供給部からのバイオガス供給量が、設定流量以上のとき、前記バイオガス供給部から供給されるバイオガスを気液接触塔において硫黄吸収液との気液接触によりバイオガス中の可溶性硫黄成分を溶解して脱硫し、脱硫されたバイオガスをガスホルダに流通するとともに、
前記バイオガス供給部からのバイオガス供給量が、前記設定流量未満のとき、供給されるバイオガスを、気液接触塔を経ずに直接ガスホルダに流通させる点にある。
すなわち、上記構成によると、バイオガスの供給量が十分に多い場合には、気液接触塔において、バイオガス中の可溶性硫黄成分を溶解して脱硫したあとに、ガスホルダに流通するが、バイオガスの供給量が気液接触塔において処理するには少ないと考えられる場合には、供給されるバイオガスを、気液接触塔を経ずに直接ガスホルダに流通させる。そのため、気液接触塔で脱硫を行う際には、通気抵抗に抗するに十分なバイオガス流量を常に維持できることになるため、気液接触効率を高め、気液接触塔における充填材間の空隙が固形成分により閉塞して目詰まりすることを防止し、効率良く脱硫操作を行うことができる。
なお、この場合、未脱硫のバイオガスがガスホルダに貯留されることになるが、未脱硫のバイオガスがガスホルダに貯留されるのはバイオガス流量が設定流量に達しない(少ない)場合のみであるから、ガスホルダ内の硫黄成分濃度が急激に上昇することはなく、ガス利用設備側で問題の起きない範囲での濃度管理を容易に行える。
したがって、気液接触塔に対するバイオガスの流通を円滑に維持するとともに、簡便で効率良くバイオガスの脱硫を行えることになる。
また、上記目的を達成するための本発明のバイオガスの脱硫方法の特徴構成は、
バイオガス供給部からのバイオガス供給量が、設定流量以上のとき、前記バイオガス供給部から供給されるバイオガスを気液接触塔において硫黄吸収液との気液接触によりバイオガス中の可溶性硫黄成分を溶解して脱硫し、脱硫されたバイオガスをガスホルダに流通し、
前記バイオガス供給部からのバイオガス供給量が、前記設定流量未満で、かつ、前記ガスホルダのバイオガス貯留量が設定容量未満のとき、前記バイオガス供給部から供給されるバイオガスを、前記気液接触塔を経ずに直接ガスホルダに流通させるとともに、
前記バイオガス供給部からのバイオガス供給量が、前記設定流量未満で、かつ、前記ガスホルダのバイオガス貯留量が設定容量以上のとき、前記バイオガス供給部から供給されるバイオガスを前記気液接触塔に供給しつつ、前記ガスホルダからもバイオガスを前記気液接触塔に返送供給し、前記バイオガス供給部から供給されるバイオガス流量と、前記ガスホルダから返送供給されるバイオガス流量との和を、前記設定流量以上になるように維持し、前記気液接触塔において硫黄吸収液との気液接触により脱硫されたバイオガスを前記ガスホルダに流通させてもよい。
すなわち、上記構成によると、バイオガス供給部からのバイオガスの供給量が十分に多い場合には、気液接触塔において、バイオガス中の可溶性硫黄成分を溶解して脱硫したあとに、ガスホルダに流通する。しかし、バイオガス供給部からのバイオガスの供給量が気液接触塔において処理するには少ないと考えられる場合には、ガスホルダに十分なバイオガスが貯留されていなければ、供給されるバイオガスを、気液接触塔を経ずに直接ガスホルダに流通させ、ガスホルダにバイオガスを蓄積する操作を行う。一方、ガスホルダに十分なバイオガスが貯留されていれば、バイオガス供給部からのバイオガスに対して、ガスホルダから返送されるバイオガスを加えて、気液接触塔において脱硫処理するのに十分な流量を維持した状態で、気液接触塔にてバイオガスを気液接触による脱硫を行う。そのため、気液接触塔でバイオガスの脱硫を行う際には、常に十分なバイオガス流量を維持できることになる。したがって、気液接触効率を高め、気液接触塔における充填材間の空隙が固形成分により閉塞して目詰まりすることを防止し、気液接触に伴う通気抵抗に抗して効率良くバイオガスの流通を円滑に維持した脱硫操作を行うことができる。また、ガスホルダに貯留されたバイオガスは、気液接触塔に再循環されることにより、さらに脱硫されるから、ガスホルダではバイオガスを、可溶性硫黄成分をより高度に除去したものとして貯留できる。
また、上記バイオガスの脱硫方法において、ガスホルダから排出されるバイオガスをさらに乾式脱硫するものとしてもよい。
このようにすると、上述のバイオガスの脱硫方法において、ガスホルダに混入する可溶性硫黄成分をより高度に除去したバイオガスを排出し、ガス利用設備等でより安定な利用が可能となる。
また、上記目的を達成するための本発明のバイオガスの脱硫方法の特徴構成は、気液接触により可溶性硫黄成分を吸収した硫黄吸収排水を処理する水処理槽の負荷値が、設計負荷値未満のとき、バイオガス供給部から供給されるバイオガスを気液接触塔において硫黄吸収液との気液接触によりバイオガス中の可溶性硫黄成分を溶解して脱硫し、脱硫されたバイオガスをガスホルダに流通するとともに、前記負荷値が前記設計負荷値以上のとき、バイオガス供給部から供給されるバイオガスを、前記気液接触塔を経ずに直接的にガスホルダに流通させる点にある。
気液接触塔においてバイオガスと硫黄吸収液とを気液接触させ、可溶性硫黄成分を硫黄吸収液に吸収させ、この硫黄吸収排水は水処理槽において処理するにあたり、バイオガス供給部から気液接触塔に供給されるバイオガスの供給量は一定ではなく、またバイオガスに含まれる可溶性硫黄成分の濃度が一定ではないため、気液接触塔に供給されるバイオガスの供給量が多かったり、該バイオガスに含まれる可溶性硫黄成分の濃度が高かったりすると、水処理槽において処理すべき可溶性硫黄成分が多くなりすぎるため、処理が滞る虞がある。
このような状態の発生を水処理槽の負荷値に基づいて判断し、負荷値が設計負荷値以上のときは、バイオガス供給部からのバイオガスを気液接触塔に供給することなく、ガスホルダに直接的に流通することによって、水処理槽への新たな可溶性硫黄成分の持ち込みを停止した状態で、水処理槽において可溶性硫黄成分の処理を行うことができる。
さらに、前記負荷値が前記設計負荷値以上のときであっても、前記気液接触塔の閉塞値が設計閉塞値以上であるときは、前記ガスホルダから排出されるバイオガスを乾式脱硫し、該乾式脱硫されたバイオガスを、前記気液接触塔に直接的に、又は前記ガスホルダを介して間接的に返送供給するようにしてもよい。
水処理槽における可溶性硫黄成分の円滑な処理の観点からは、気液接触塔への新たな可溶性硫黄成分の持ち込みを回避するために、気液接触塔に新たなバイオガスが供給されないことが好ましい。しかし、このような状態が続くと、気液接触塔においては、硫黄吸収液によって、バイオガスの気体流路である充填材内部及び充填材間の空隙が狭窄され、バイオガスの供給時における通気抵抗が増大した閉塞状態となる虞がある。
このようなときは、気液接触塔の閉塞状態を解消するために、脱硫バイオガス返送部を介して、気液接触塔に返送供給することができる。その際、バイオガスとして、脱硫部において乾式脱硫されたものが用いられるため、気液接触塔への新たな可溶性硫黄成分の持ち込み量を減らすことができる。したがって、水処理槽における、可溶性硫黄成分の処理負荷の増大が防止される。
したがって、使用される気液接触塔に対するバイオガスの流通を円滑に維持するとともに、簡便で効率良くバイオガスの脱硫を行えるようになった。
脱硫設備の全体図 脱硫方法の第一状態を示す図 脱硫方法の第二状態を示す図 脱硫方法の第三状態を示す図 脱硫方法の第四状態を示す図 脱硫方法の第五状態を示す図 脱硫方法の第六状態を示す図
以下に、本発明の脱硫設備を説明する。なお、以下に好適な実施例を記すが、これら実施例はそれぞれ、本発明をより具体的に例示するために記載されたものであって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々変更が可能であり、本発明は、以下の記載に限定されるものではない。
本発明の実施形態に係る脱硫設備は、バイオガスを貯留するガスホルダ1と、バイオガスを受け入れて、気液接触によりバイオガス中の可溶性硫黄成分を溶解して脱硫する気液接触塔2とを設けてある。また、生成した硫黄吸収排水を処理する水処理槽3を設け、バイオガスを乾式脱硫する脱硫部4を設け、バイオガス供給部5としてのUASB装置を備えた嫌気処理設備から供給されるバイオガスを脱硫する構成としてある。以下各構成について詳述する。
〔バイオガス供給部〕
バイオガス供給部5としては、例えばUASB装置を備えた嫌気処理設備が用いられる。UASB装置は、下部に嫌気性菌(メタン生成菌)を主体とする汚泥のグラニュール52を充填され、有機排水(硫黄含有排水)を受け入れる反応容器50を備える。これにより、導入される有機排水の上向流が形成されるとともに、内部の有機排水の循環を促し、流動するグラニュール52により有機物をメタン発酵する。充填されるグラニュール52の上下部には、グラニュール52の分離板51を設けてある。上側の分離板51の上方に移流した処理済みの処理水は、オーバーフローにより反応容器50外へ取出されるとともに、生成したメタンガスを含むバイオガスが、脱硫設備に供給される構成となっている。また、脱硫設備には、バイオガス供給部5から供給されるバイオガス流量を測定する流量センサ53が設けられ、流量センサ53の出力に基づいて、気液接触塔2やガスホルダ1に供給されるバイオガス流量を制御する制御部6が備えられている。このようなバイオガス供給部5から供給されるバイオガスは、流量が0~100m/hと変動するが、硫化水素濃度5000ppm程度、メタン含有量70%程度のバイオガスとして供給することができる。
〔気液接触塔〕
気液接触塔2は、充填材21を内挿するとともに、充填材21に対して上方からSS濃度が2~20g/Lである弱アルカリ性(pHが7.5~9.3)の硫黄吸収液を散布供給可能な硫黄吸収液受入部22を有し、充填材21の下方から上方に向かってバイオガスを流通可能なバイオガス受入部23を有する、硫化水素(HS)をHSとして溶解することを主とするスクラバ式のガス吸収塔20として構成してある。また、ガス吸収塔20には、バイオガス供給部5からのバイオガスを受け入れるバイオガス受入部23と、硫黄吸収液との気液接触により脱硫されたバイオガスをガスホルダ1に流通するバイオガス流通部24と、気液接触により可溶性硫黄成分を吸収した硫黄吸収排水を処理する水処理槽3に硫黄吸収排水を供給する硫黄吸収排水排出部25と、水処理槽3で硫黄吸収排水から硫黄成分の処理された処理済み排水を硫黄吸収液として受け入れる硫黄吸収液受入部22と、を備える。
気液接触塔2は、例えば、内径500mm高さ8mのガス吸収塔20の中間部分に、ポリプロピレン製、空隙比91%、外径28mm、高さ25mmの円柱状の充填材21として高さ3.3m~6.9mまでの空間に充填してある。その充填材21に対して上方から硫黄吸収液を散布供給可能にしてあり、充填材21を上下方向に流下する硫黄吸収液に対して、下方から上向きにバイオガスを流通させて気液接触を図る。また、気液接触により硫黄成分を吸収した硫黄吸収排水はガス吸収塔20の下部より水処理槽3に移送される。一方硫黄成分の除去されたバイオガスは、ガスホルダ1に送られる。
これにより、バイオガス供給部5から供給されるバイオガスは、バイオガス受入部23に流入したあとに、硫黄吸収液受入部22から供給されて充填材21を伝って流下する硫黄吸収液と気液接触しつつ、可溶性硫黄成分の吸収による脱硫が行われ、バイオガス流通部24より排出される。一方、硫黄吸収液が可溶性硫黄成分を吸収した硫黄吸収排水は、硫黄吸収排水排出部25より水処理槽3に移流する。
上述の気液接触塔2の場合、硫黄吸収液を13m/hで充填材21に供給する状態では、表1より、流速20m/h以上のバイオガスを気液接触塔2に流通させられるので、動力不要で、塔内にバイオガスを流通することができる。
なお表1においてガスホルダ1の圧力が2kPa設定時の各バイオガス供給量に対する通気抵抗(気液接触塔前後の差圧)を示す。気液接触塔内で硫黄粒子の閉塞を防止するためには通気抵抗を0.2kPa以下にする必要があることを確認しているため、20m/hr以上では安定した処理が可能である。
Figure 0007030582000001
なお、硫黄吸収液が溶存酸素を含んでいるものの、バイオガス雰囲気で気液接触する状態が維持されるので、気液接触塔2の雰囲気は、過度な酸化雰囲気にはならず、酸化反応を主に水処理槽3の内で進行させられる環境に維持しやすい。
〔水処理槽〕
水処理槽3は、硫黄吸収排水を好気処理する好気性微生物を収容してなる生物処理槽で構成してある。このような水処理槽3は、硫黄吸収排水を受け入れて貯留する貯留部30から構成される。
ここでは、その好気性微生物に硫黄吸収排水を供給して、溶解されている硫黄成分を酸化して0価の硫黄として析出除去する。そして、硫黄成分の除去された処理済み排水は、返送ポンプ32により硫黄吸収液として気液接触塔2に返送される。
このような場合、可溶性硫黄成分としての硫化物イオン(S2-)を硫酸イオンSO 2-にまで酸化するのではなく、0価の硫黄(S)にまで酸化して硫黄吸収排水から除去するような脱硫反応を優先的に行えるので、酸性度の高い硫黄酸化物にまで酸化させる脱硫反応を行うのに比べて、pH調整剤を削減することができる。
また、余剰の処理済み排水は放流水として外部に放流するとともに、硫黄吸収液の供給に不足する水を補給水として補充可能に構成してある。
〔ガスホルダ〕
ガスホルダ1は、気液接触塔2からの脱硫されたバイオガスを受け入れるバイオガス主受入部11を備えるとともに、バイオガス供給部5からのバイオガスを直接受け入れるバイパス受入部12と、貯留したバイオガスを、ブロワ17を介して外部に排出するバイオガス排出部13とを備え、さらに、ガスホルダ1が貯留したバイオガスを、ブロワ14によりバイオガス供給部5とバイオガス受入部23との間の配管における流量センサ53よりも下流側に返送供給するバイオガス返送部15を備える。
また、ガスホルダ1には、ガスホルダ1内に貯留されているバイオガス貯留量を測定する容量センサ16が設けられ、制御部6は、流量センサ53によるバイオガス供給量と、容量センサ16によるガスホルダ1内のバイオガス貯留量とに基づいて、ブロワ14によるバイオガス返送量を制御する構成としてある。
〔脱硫部〕
脱硫部4は、バイオガス排出部13から排出されるバイオガスを乾式脱硫する脱硫触媒41を充填してなる。この脱硫触媒41によってバイオガスに含まれる硫化水素等の硫黄成分が吸着除去される。脱硫触媒41としては、鉄、銅、亜鉛、マンガン等の脱硫触媒成分を、混合成形してなるもの、あるいは、無機酸化物担体に担持させてなるもの等が用いられ、脱硫部4に流入するバイオガス中に含まれる硫黄成分を吸着され、酸化分解により除去される構成となる。
〔脱硫方法〕
上述の脱硫設備を用いて、バイオガスの脱硫を行う場合、バイオガス供給部5からのバイオガス供給量と、ガスホルダ1のバイオガス貯留量とに基づいて、バイオガスを流通制御して脱硫工程の切り替えを行う。
制御部6は、流量センサ53の出力に基づいて、バイオガス供給部5からのバイオガス供給量が、設定流量以上であると判断すると、脱硫設備のバイオガス受入部23に設けられている開閉弁を開くとともに、バイオガス排出部13に設けられているブロワ17を運転する制御をすることにより、バイオガス供給部5から供給されるバイオガスを気液接触塔2において硫黄吸収液との気液接触によりバイオガス中の可溶性硫黄成分を溶解して脱硫し、脱硫されたバイオガスをガスホルダ1に流通する第一状態(図2太線参照)で脱硫する。この状態では、供給されたバイオガスは、気液接触塔2における脱硫を行ったバイオガスをガスホルダ1に貯留したあと、さらに脱硫部4で脱硫したあと、ガス利用設備に供給する形態とする。なお、このとき制御部6は、バイパス受入部12に設けられている開閉弁を閉じるとともに、バイオガス返送部15に設けられているブロワ14を停止する制御をする。
具体的には、上述の気液接触塔2の場合、第一状態において、バイオガス供給量が設定流量としての20m/h以上のときは、気液接触塔2に全量を供給し、気液接触塔2における脱硫を行う。これにより、バイオガス流量が20m/h以上のときは、安定して気液接触塔2にバイオガスを流通する脱硫工程を実行できる。
バイオガス供給部5からのバイオガス供給量が、設定流量未満で、ガスホルダ1のバイオガス貯留量が設定容量未満であれば、供給されるバイオガス流量が少ないために、バイオガスの流通抵抗が大きく、気液接触塔2における脱硫処理が困難になる。制御部6は、容量センサ16の出力に基づいて、ガスホルダ1のバイオガス貯留量が設定容量未満であると判断すると、脱硫設備のバイパス受入部12に設けられている開閉弁を開くとともに、バイオガス排出部13に設けられているブロワ17を運転する制御をすることにより、バイオガスは一旦ガスホルダ1に貯留して、脱硫部4で脱硫したあと、ガス利用設備に供給する形態とする。すなわち、供給されるバイオガスを、気液接触塔2を経ずに直接ガスホルダ1に流通させる第二状態(図3太線参照)で脱硫を行う。この状態では、バイオガスは硫黄成分を含有したままガスホルダ1に供給されるが、ガス利用設備に供給される際には、脱硫部4で脱硫されて硫黄成分の低減した状態で利用可能となっている。なお、このとき、制御部6は、バイオガス受入部23に設けられている開閉弁を閉じるとともに、バイオガス返送部15に設けられているブロワ14を停止する制御をする。
具体的には、ガスホルダ1のバイオガス貯留量が設定容量としてのガスホルダ1の容量の1/3(容量30mのガスホルダ1にて10m)未満であれば、直接バイオガスを受け入れることができる。また、バイオガス供給量が、20m/h未満であると、バイオガスの流通抵抗が大きく、気液接触塔2における脱硫処理が困難になるものの、全体量も少ないため、直接ガスホルダ1に供給することにより、ガスホルダ1内のバイオガスによる希釈と、脱硫部4による脱硫工程により硫黄成分含有量が低く、ガス利用設備での利用可能なものとなっている。
バイオガス供給部5からのバイオガス供給量が、20m/h未満であっても、ガスホルダ1のガス貯留量がガスホルダ1の容量の1/3以上あれば、供給されるバイオガスは少ないとはいえガスホルダ1にも十分量のバイオガスが貯留されていることになる。制御部6は、流量センサ53の出力に基づいて、バイオガス供給部5からのバイオガス供給量が、20m/h未満であり、容量センサ16の出力に基づいて、ガスホルダ1のバイオガス貯留量がガスホルダ1の容量の1/3以上であると判断すると、脱硫設備のバイオガス受入部23に設けられている開閉弁を開くとともに、バイオガス排出部13に設けられているブロワ17及びバイオガス返送部15に設けられているブロワ14を運転する制御をすることにより、バイオガス供給部5から供給されるバイオガスを気液接触塔2に供給しつつ、ガスホルダ1からもバイオガスを気液接触塔2に返送供給し、バイオガス供給部5から供給されるバイオガス流量と、ガスホルダ1から返送供給されるバイオガス流量との和を、20m/h以上になるように維持する第三状態(図4太線参照)で気液接触塔2における脱硫工程を行い、気液接触塔2において硫黄吸収液との気液接触により脱硫されたバイオガスをガスホルダ1に流通する。なお、このとき、制御部6は、バイパス受入部12に設けられている開閉弁を閉じる制御をする。
これにより、気液接触塔2における脱硫は、バイオガスの十分な流量を維持した状態で、気液接触塔2にバイオガスを気液接触させて脱硫を行える。そのため、気液接触塔2で脱硫を行う際には、常に十分なバイオガス流量を維持できることになるため、気液接触塔2が目詰まりすることなく効率良く脱硫操作を行うことができる。また、ガスホルダ1に貯留されたバイオガスは、気液接触塔2に再循環されることにより、さらに脱硫されるから、ガスホルダ1ではバイオガスを、可溶性硫黄成分をより高度に除去したものとして貯留できる。
〔別実施形態〕
上記実施形態における充填材21は、硫黄酸化細菌等の微生物を担持したものであってもよい。このような場合、充填材21は脱硫触媒による脱硫に加えて、微生物による脱硫も同時に進行させられる。このような場合であっても気液接触塔2は十分量のバイオガスの流通する状態でのみ脱硫工程を行えるから、安定した運転状況を維持できる。
また、脱硫されたバイオガスを、活性炭等、硫黄成分以外の他の不純物の除去手段を通じてガス利用設備に供給してもよく、このような除去手段は、脱硫設備の任意の場所に設けることができる。
また、バイオガス供給部5からのバイオガス供給量が、設定流量以上のときであっても、ガスホルダ1内のガス容量が十分多いとき、バイオガス受入部23に対して供給されるバイオガス供給量をより安定させるために、ガスホルダ1からバイオガスをさらに返送してもよい。例えば、上述の例では、ガスホルダ1のガス貯留容量が全体の2/3以上になった場合には、バイオガス供給部5からのバイオガス供給量によらず、ガスホルダ1からバイオガスをさらに返送して、通常、バイオガス供給部5から供給されるバイオガス流量と、ガスホルダ1から返送供給されるバイオガス流量との和を、20m/h以上になるように維持するところ、100m/h以上になるように維持するものとしてもよい。
本発明に係る脱硫設備及びバイオガスの脱硫方法のさらなる別実施形態について説明する。なお、以下の説明においては、上述した実施形態が有する構成と同じ構成については説明を省略する。
〔気液接触塔〕
気液接触塔2内の閉塞状態を測定可能な閉塞値測定部(図示せず)が設けられている。本実施形態においては、閉塞値測定部は、気液接触塔2のバイオガス受入部23におけるバイオガスの圧力値を測定する圧力計(図示せず)と、バイオガス流通部24におけるバイオガスの圧力値を測定する圧力計(図示せず)とから構成されている。したがって、閉塞値とは、気液接触塔2の圧力損失値であり、設計閉塞値とは、予め定められた圧力損失値の閾値をいう。なお、設計閉塞値は、単一の値であってもよいし、チャタリングを防止すべく上限値及び下限値を有してもよい。また、閉塞値の測定にあたっては、気液接触塔2へのバイオガスの通流が行われる。その際、バイオガス供給部5からバイオガスを供給してもよいが、脱硫部4において乾式脱硫されたバイオガスの少なくとも一部を、後述する脱硫バイオガス返送部18を介して気液接触塔2に返送供給することが好ましい。
〔水処理槽〕
水処理槽3は、該水処理槽3内の負荷値を測定可能な負荷値測定部31が備えられている。本実施形態においては、負荷値測定部31は、水処理槽3の酸化還元電位を測定する酸化還元電位計から構成されている。したがって、負荷値とは酸化還元電位の測定値であり、設計負荷値とは、予め定められた、酸化還元電位の測定値の閾値をいう。なお、設計負荷値は、単一の値であってもよいし、チャタリングを防止すべく上限値及び下限値を有してもよい。
〔脱硫部〕
図5及び6に示すように、脱硫部4は、脱硫部4において乾式脱硫されたバイオガスの少なくとも一部を、気液接触塔2に返送供給可能な脱硫バイオガス返送部18が備えられている。本実施形態においては、脱硫バイオガス返送部18は、脱硫部4において乾式脱硫されたバイオガスの少なくとも一部を、バイオガス供給部5と気液接触塔2のバイオガス受入部23との間に直接的に返送供給可能に構成されている。
本実施形態における脱硫設備を用いて、以下のようにバイオガスの脱硫が行われる。
図2に示すように、バイオガス供給部5から供給されるバイオガスに含まれる可溶性硫黄成分は、気液接触塔2において、硫黄吸収液との気液接触により脱硫される。脱硫されたバイオガスは、ガスホルダ1に供給され、バイオガス排出部13から外部のガス利用設備等に対して排出される。気液接触塔2において、気液接触により可溶性硫黄成分を吸収した硫黄吸収排水は、水処理槽3において処理され、処理済み排水が硫黄吸収液として気液接触塔2に循環供給される。
ところで、バイオガス供給部5から気液接触塔2に供給されるバイオガスの供給量は一定ではなく、またバイオガスに含まれる可溶性硫黄成分の濃度が一定ではないため、気液接触塔2に供給されるバイオガスの供給量が多かったり、該バイオガスに含まれる可溶性硫黄成分の濃度が高かったりすると、水処理槽3において処理すべき可溶性硫黄成分が多くなりすぎるため、処理が滞る虞がある。
このような場合に、図5に示すように、バイオガス供給部5からのバイオガスを気液接触塔2に供給することなく、ガスホルダ1に直接的に通流することによって、水処理槽3への新たな可溶性硫黄成分の持ち込みを停止した状態で、水処理槽3において可溶性硫黄成分の処理を行うことができる(第四状態)。
具体的には、制御部6は、負荷値測定部31によって測定された負荷値が設計負荷値未満であるとき、脱硫設備のバイオガス受入部23に設けられている開閉弁を開くとともに、バイオガス排出部13に設けられているブロワ17を運転する制御をする。これにより、バイオガス供給部5から供給されるバイオガスは、気液接触塔2において硫黄吸収液との気液接触により、バイオガス中の可溶性硫黄成分が溶解され脱硫され、脱硫されたバイオガスがガスホルダ1に流通され、ガスホルダ1に貯留されたバイオガスは、脱硫部4で脱硫されたあと、ガス利用設備に供給される(図2太線参照)。なお、このとき制御部6は、バイパス受入部12に設けられている開閉弁を閉じ、バイオガス返送部15に設けられている開閉弁(図5参照)を閉じるとともにブロワ14を停止する制御をする。
制御部6は、負荷値測定部31によって測定された負荷値が設計負荷値以上のときは、脱硫設備のバイパス受入部12に設けられている開閉弁を開くとともに、バイオガス排出部13に設けられているブロワ17を運転する制御をする。これにより、バイオガス供給部5から供給されるバイオガスは、ガスホルダ1に直接的に流通され、ガスホルダ1に貯留されたバイオガスは、脱硫部4で脱硫されたあと、ガス利用設備に供給される(図5太線参照)。したがって、水処理槽3への新たな可溶性硫黄成分の持ち込みが停止された状態で、水処理槽3において可溶性硫黄成分の処理が行われる。なお、このとき制御部6は、バイオガス受入部23に設けられている開閉弁を閉じ、バイオガス返送部15に設けられている開閉弁(図5参照)を閉じるとともにブロワ14を停止する制御をする。
負荷値が設計負荷値以上となったあと、設計負荷値未満になったときは、水処理槽3における可溶性硫黄成分の処理が進んだと判断できる。このときは、図2に示すように、気液接触塔2における可溶性硫黄成分の処理を再開するのである。この処理の再開にあたって、制御部6は、バイオガス受入部23に設けられている開閉弁の開度を徐々に増やすことによって、処理すべきバイオガスを経時的に増やしながら気液接触塔2に受け入れさせる。したがって、水処理槽3における処理がすぐに再び滞るような事態の発生が回避されやすい。なお、このとき制御部6は、バイパス受入部12に設けられている開閉弁を閉じる制御をする。
ところで、負荷値が設計負荷値以上であるとき、水処理槽3における可溶性硫黄成分の円滑な処理の観点からは、気液接触塔2に新たなバイオガスが供給されないことが好ましい。しかし、このような状態が続くと、気液接触塔2においては、硫黄吸収液によって、バイオガスの気体流路である充填材21内部及び充填材21間の空隙が狭窄され、バイオガスの供給時における通気抵抗が増大した閉塞状態となる虞がある。
このようなときは、図6に示すように、気液接触塔2の閉塞状態を解消するために、ガスホルダ1に直接的に流通されたバイオガスを、脱硫バイオガス返送部18を介して、気液接触塔2に返送供給することができる(第五状態)。その際、バイオガスとして、脱硫部4において乾式脱硫されたものが用いられるため、気液接触塔2への新たな可溶性硫黄成分の持ち込み量を減らすことができる。したがって、水処理槽3における、可溶性硫黄成分の処理負荷の増大が防止される。
具体的には、制御部6は、負荷値が設計負荷値以上のときであっても、閉塞値が設計閉塞値以上のときは、脱硫バイオガス返送部18に設けられている開閉弁を開くとともにブロワ19を運転する制御をする。これにより、脱硫部4において乾式脱硫されたバイオガスが、バイオガス供給部5と気液接触塔2のバイオガス受入部23との間に流通され、気液接触塔2に返送供給される。これによって、充填材内部及び充填材間において狭窄した気体流路を通流させられ、気液接触塔2の閉塞状態の解消が図られる。
このとき、ガスホルダ1に貯留されたバイオガスは、脱硫部4において乾式脱硫したあとに、気液接触塔2に返送供給されるため、気液接触塔2への新たな可溶性硫黄成分の持ち込み量を減らすことができる。したがって、水処理槽3における、可溶性硫黄成分の処理負荷の増大が防止される。
なお、閉塞値が前記設計閉塞値以上となったあと、前記設計閉塞値未満となると、脱硫バイオガス返送部18を介したバイオガスの返送供給を停止する。
閉塞値が設計閉塞値以上となったあと、設計閉塞値未満となったときは、気液接触塔2の閉塞状態が解消したと判断できるため、制御部6は、脱硫バイオガス返送部18に設けられている開閉弁を閉じるとともにブロワ19を停止する制御をする。これにより、気液接触塔2の閉塞の解消のためのバイオガスの供給が停止される。なお、図5に示すように、水処理槽3における処理は続行される。
上述した実施形態においては、負荷値測定部31が、酸化還元電位計である場合について説明したが、これに限らない。負荷値測定部31は、例えば、バイオガス供給部5から供給されるバイオガス流量を測定する流量センサ53と、該バイオガス供給部5から供給されるバイオガスに含まれる可溶性硫黄成分の濃度を測定する濃度センサ(図示せず)とから構成されてもよい。この場合は、制御部6は、流量センサ53が測定したバイオガスの流量と、濃度センサが測定したバイオガスに含まれる可溶性硫黄成分の濃度とから負荷値を算出し、該負荷値が設計負荷値以上であるか否かを判断する。
さらに、負荷値測定部31は、例えば、気液接触塔2から水処理槽3へ供給される硫黄吸収排水の供給量を測定する流量センサ(図示せず)及び該硫黄吸収排水に含まれる可溶性硫黄成分の濃度を測定する濃度センサ(図示せず)とから構成されていてもよい。この場合は、制御部6は、流量センサが測定した硫黄吸収排水の流量と、濃度センサが測定した硫黄吸収排水に含まれる可溶性硫黄成分の濃度とから負荷値を算出し、該負荷値が設計負荷値以上であるか否かを判断する。
このような負荷値が設計負荷値以上であると、水処理槽3における可溶性硫黄成分の処理が追いついていないと考えられるため、バイオガス供給部5からのバイオガスをガスホルダ1に受け入れさせることによって、気液接触塔2へのバイオガスの供給を停止することができる。
上述した実施形態においては、閉塞値測定部が、気液接触塔2の圧力損失を測定可能な圧力計である場合について説明したが、これに限らない。閉塞値測定部は、気液接触塔2へのバイオガスの供給の停止時間を測定するタイマから構成されていてもよいし、水処理槽3の水位を測定する水位計から構成されてもよい。タイマによって気液接触塔2へのバイオガスの供給の停止時間を計時し、これが予め実験等によって得られた所定時間以上となったり、水位計によって水処理槽3の水位を測定し、これが予め実験等によって得られた所定水位未満になったりすると、気液接触塔2が閉塞状態となっていると判断することができる。
上述した実施形態においては、制御部6は、負荷値が設計負荷値以上のときであっても、閉塞値が設計閉塞値以上のときは、脱硫部4において乾式脱硫されたバイオガスを、気液接触塔2に返送供給する場合について説明したがこれに限らない。制御部6は、ガスホルダ1に設けられている容量センサ16が測定したバイオガス貯留量に基づいて、負荷値が設計負荷値以上のときであって、容量センサ16によって測定されたバイオガス貯留量が設計容量値以上のときは、脱硫部4を介してガス利用設備等へ排出されるバイオガスの流量を増加させる制御をするように構成されていてもよい。
上記のように水処理槽3における可溶性硫黄成分の処理の観点からは、気液接触塔2に新たなバイオガスが供給されないことが好ましく、このような状態が続き、ガスホルダ1にバイオガスが通流され続けると、バイオガスが満杯になる虞がある。ガスホルダ1のバイオガス貯留量が設計容量値以上のときは、ガスホルダ1から脱硫部4を介してガス利用設備等へ排出されるバイオガスの流量を増加させることによって、ガスホルダ1が満杯になる虞を解消することができる。
さらに、制御部6は、バイオガス貯留量が設計容量値以上となったあと、設計容量値未満となると、脱硫部4を介してガス利用設備等へ排出されるバイオガスの流量を減少可能に構成されていてもよい。バイオガス貯留量が設計容量値以上となったあと、設計容量値未満となったときは、ガスホルダ1の満杯状態が解消したと判断できるため、制御部6は、脱硫部4を介してガス利用設備等へ排出されるバイオガスの流量を減少させる制御をする。なお、設計容量値は、単一の値であってもよいし、チャタリングを防止すべく上限値及び下限値を有してもよい。
図5及び図6に示した実施形態においては、脱硫バイオガス返送部18は、脱硫部4において乾式脱硫されたバイオガスの少なくとも一部を、バイオガス供給部5と気液接触塔2のバイオガス受入部23との間に直接的に返送供給可能に構成されている場合について説明したが、これに限らない。例えば、図7に示すように、脱硫バイオガス返送部18は、脱硫部4において乾式脱硫されたバイオガスの少なくとも一部を、ガスホルダ1に直接的に返送供給するように構成されていてもよい(第六状態)。
この場合、脱硫バイオガス返送部18により、脱硫部4において乾式脱硫されたバイオガスの少なくとも一部が、ガスホルダ1に返送供給され、ガスホルダ1に貯留されたバイオガス、すなわち少なくとも一部が乾式脱硫されたバイオガスが、ガスホルダ1のバイオガス返送部15を介して、バイオガス供給部5と気液接触塔2のバイオガス受入部23との間に返送供給されるので、結果として該バイオガスが気液接触塔2に返送供給される。このとき制御部6は、脱硫設備のバイパス受入部12に設けられている開閉弁、脱硫バイオガス返送部18に設けられている開閉弁、及びバイオガス返送部15から分岐して、バイオガス受入部23の下流側に至る経路に設けられている開閉弁を開く制御をする。これとともに、制御部6は、バイオガス排出部13に設けられているブロワ17、バイオガス返送部15に設けられているブロワ14及び脱硫バイオガス返送部18に設けられているブロワ19を運転する制御をする。なお、このとき制御部6は、バイオガス受入部23に設けられている開閉弁及びバイオガス返送部15に設けられている開閉弁を閉じる制御をする。
さらに、脱硫バイオガス返送部18は、脱硫部4において乾式脱硫されたバイオガスの少なくとも一部を、バイオガス供給部5と気液接触塔2のバイオガス受入部23との間に直接的に返送供給可能に構成されるとともに、ガスホルダ1に直接的に返送供給するように構成されていてもよく、両経路を同時又はいずれか一方を選択的に使用して気液接触塔2にバイオガスを返送供給するように構成されていてもよい。
上記実施形態における具体的な流量、寸法等の数値は、いずれも本発明の実施の形態の理解を容易にするための一例であり、脱硫設備のそれぞれの構成要素に応じて適宜設計変更、最適化できるものである。
本発明の脱硫設備は、バイオガスをガス利用設備に供給する前処理としての脱硫を行う脱硫設備として利用することができる。
1 :ガスホルダ
11 :バイオガス主受入部
12 :バイパス受入部
13 :バイオガス排出部
15 :バイオガス返送部
18 :脱硫バイオガス返送部
2 :気液接触塔
20 :ガス吸収塔
21 :充填材
22 :硫黄吸収液受入部
23 :バイオガス受入部
24 :バイオガス流通部
25 :硫黄吸収排水排出部
3 :水処理槽
31 :負荷値測定部
4 :脱硫部
5 :バイオガス供給部
6 :制御部

Claims (20)

  1. バイオガス供給部から供給されるバイオガスを脱硫する脱硫設備であって、
    バイオガスを貯留するガスホルダと、バイオガスを受け入れて、気液接触によりバイオガス中の可溶性硫黄成分を溶解して脱硫する気液接触塔とを設け、
    前記気液接触塔は、前記バイオガス供給部からのバイオガスを受け入れるバイオガス受入部と、硫黄吸収液との気液接触により脱硫されたバイオガスを前記ガスホルダに流通するバイオガス流通部と、気液接触により可溶性硫黄成分を吸収した硫黄吸収排水を処理する水処理槽に硫黄吸収排水を供給する硫黄吸収排水排出部と、前記水処理槽で硫黄吸収排水から硫黄成分の処理された処理済み排水を硫黄吸収液として受け入れる硫黄吸収液受入部と、を備え、
    前記ガスホルダは、前記気液接触塔からの脱硫されたバイオガスを受け入れるバイオガス主受入部と、前記バイオガス供給部からのバイオガスを直接受け入れるバイパス受入部と、貯留したバイオガスを外部に排出するバイオガス排出部とを備える脱硫設備。
  2. 前記ガスホルダが、貯留したバイオガスを前記バイオガス供給部と前記気液接触塔の前記バイオガス受入部との間に返送供給するバイオガス返送部を備える請求項1に記載の脱硫設備。
  3. 前記バイオガス排出部から排出されるバイオガスを乾式脱硫する脱硫部を設けた請求項1又は2に記載の脱硫設備。
  4. 前記バイオガス供給部がUASB装置を備えた嫌気処理設備である請求項1から3のいずれか一項に記載の脱硫設備。
  5. 前記水処理槽が硫黄吸収排水を好気処理する生物処理槽である請求項1から4のいずれか一項に記載の脱硫設備。
  6. 前記気液接触塔が、充填材を内挿してあるとともに、前記硫黄吸収液受入部が、充填材に対して上方から硫黄吸収液を散布供給可能に構成され、前記バイオガス受入部が、充填材の下方から上方に向かってバイオガスを流通可能に構成されているスクラバ式のガス吸収塔である請求項1から5のいずれか一項に記載の脱硫設備。
  7. 前記バイオガス排出部から排出されるバイオガスを乾式脱硫する脱硫部が設けられ、
    前記脱硫部において乾式脱硫されたバイオガスの少なくとも一部を、前記気液接触塔に返送供給可能な脱硫バイオガス返送部が備えられている請求項1から6のいずれか一項に記載の脱硫設備。
  8. 前記脱硫バイオガス返送部は、前記脱硫部において乾式脱硫されたバイオガスの少なくとも一部を、前記バイオガス供給部と前記気液接触塔の前記バイオガス受入部との間に直接的に返送供給するように構成されている請求項7に記載の脱硫設備。
  9. 前記ガスホルダは、貯留したバイオガスを前記バイオガス供給部と前記気液接触塔の前記バイオガス受入部との間に返送供給するバイオガス返送部を備えるとともに、前記脱硫部において乾式脱硫されたバイオガスを受け入れ可能に構成され、
    前記脱硫バイオガス返送部は、前記脱硫部において乾式脱硫されたバイオガスの少なくとも一部を、前記ガスホルダに直接的に返送供給するように構成されている請求項7又は8に記載の脱硫設備。
  10. 前記水処理槽の負荷値を測定可能な負荷値測定部が備えられ、
    前記負荷値測定部によって測定された前記負荷値が設計負荷値未満であるとき、前記気液接触塔が前記バイオガス供給部からのバイオガスを受け入れて脱硫し、かつ、脱硫されたバイオガスを前記ガスホルダに供給するように構成され、
    前記負荷値が前記設計負荷値以上のとき、前記ガスホルダが前記バイパス受入部を介して前記バイオガス供給部からのバイオガスを直接的に受け入れるように構成されている請求項1から9のいずれか一項に記載の脱硫設備。
  11. 前記負荷値が前記設計負荷値以上となったあと、前記設計負荷値未満となると、前記気液接触塔は処理すべきバイオガスを設計流量となるまで経時的に増やしながら受け入れ可能に構成されている請求項10に記載の脱硫設備。
  12. 前記バイオガス排出部から排出されるバイオガスを乾式脱硫する脱硫部が設けられ、
    前記脱硫部において乾式脱硫されたバイオガスの少なくとも一部を、前記気液接触塔に返送供給可能な脱硫バイオガス返送部が備えられ、
    前記気液接触塔内の閉塞値を測定可能な閉塞値測定部が設けられ、
    前記負荷値が前記設計負荷値以上のときであっても、前記閉塞値測定部によって測定された前記閉塞値が設計閉塞値以上のとき、前記脱硫部において乾式脱硫されたバイオガスの少なくとも一部を、前記脱硫バイオガス返送部を介して前記気液接触塔に返送供給可能に構成されている請求項10又は11に記載の脱硫設備。
  13. 前記閉塞値が前記設計閉塞値以上となったあと、前記設計閉塞値未満となると、前記脱硫バイオガス返送部を介したバイオガスの返送供給を停止可能に構成されている請求項12に記載の脱硫設備。
  14. 前記バイオガス排出部から排出されるバイオガスを乾式脱硫する脱硫部が設けられ、
    前記脱硫部において乾式脱硫されたバイオガスの少なくとも一部を、前記気液接触塔に返送供給可能な脱硫バイオガス返送部が備えられ、
    前記ガスホルダに、該ガスホルダ内に貯留されているバイオガス貯留量を測定する容量センサが設けられ、
    前記負荷値が前記設計負荷値以上のときであって、前記容量センサによって測定された前記バイオガス貯留量が設計容量値以上のときは、前記脱硫部を介して外部へ排出されるバイオガスの流量を増加可能に構成されている請求項10又は11に記載の脱硫設備。
  15. 前記バイオガス貯留量が前記設計容量値以上となったあと、前記設計容量値未満となると、前記脱硫部を介して外部へ排出されるバイオガスの流量を減少可能に構成されている請求項14に記載の脱硫設備。
  16. バイオガス供給部からのバイオガス供給量が、設定流量以上のとき、前記バイオガス供給部から供給されるバイオガスを気液接触塔において硫黄吸収液との気液接触によりバイオガス中の可溶性硫黄成分を溶解して脱硫し、脱硫されたバイオガスをガスホルダに流通するとともに、
    前記バイオガス供給部からのバイオガス供給量が、前記設定流量未満のとき、供給されるバイオガスを、気液接触塔を経ずに直接ガスホルダに流通させるバイオガスの脱硫方法。
  17. バイオガス供給部からのバイオガス供給量が、設定流量以上のとき、前記バイオガス供給部から供給されるバイオガスを気液接触塔において硫黄吸収液との気液接触によりバイオガス中の可溶性硫黄成分を溶解して脱硫し、脱硫されたバイオガスをガスホルダに流通し、
    前記バイオガス供給部からのバイオガス供給量が、前記設定流量未満で、かつ、前記ガスホルダのバイオガス貯留量が設定容量未満のとき、前記バイオガス供給部から供給されるバイオガスを、前記気液接触塔を経ずに直接ガスホルダに流通させるとともに、
    前記バイオガス供給部からのバイオガス供給量が、前記設定流量未満で、かつ、前記ガスホルダのバイオガス貯留量が設定容量以上のとき、前記バイオガス供給部から供給されるバイオガスを前記気液接触塔に供給しつつ、前記ガスホルダからもバイオガスを前記気液接触塔に返送供給し、前記バイオガス供給部から供給されるバイオガス流量と、前記ガスホルダから返送供給されるバイオガス流量との和を、前記設定流量以上になるように維持し、前記気液接触塔において硫黄吸収液との気液接触により脱硫されたバイオガスを前記ガスホルダに流通させるバイオガスの脱硫方法。
  18. 前記ガスホルダから排出されるバイオガスをさらに乾式脱硫する請求項16又は17に記載のバイオガスの脱硫方法。
  19. 気液接触により可溶性硫黄成分を吸収した硫黄吸収排水を処理する水処理槽の負荷値が、設計負荷値未満のとき、バイオガス供給部から供給されるバイオガスを気液接触塔において硫黄吸収液との気液接触によりバイオガス中の可溶性硫黄成分を溶解して脱硫し、脱硫されたバイオガスをガスホルダに流通するとともに、
    前記負荷値が前記設計負荷値以上のとき、バイオガス供給部から供給されるバイオガスを、前記気液接触塔を経ずに直接的にガスホルダに流通させるバイオガスの脱硫方法。
  20. 前記負荷値が前記設計負荷値以上のときであっても、前記気液接触塔の閉塞値が設計閉塞値以上であるときは、
    前記ガスホルダから排出されるバイオガスを乾式脱硫し、該乾式脱硫されたバイオガスを、前記気液接触塔に直接的に、又は前記ガスホルダを介して間接的に返送供給する請求項19に記載のバイオガスの脱硫方法。
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